ショックアブソーバ弁の為の圧力調整器
ショックアブソーバ弁の圧力調整器(1)は、相互間に調節可能な流量開口が創出されるよう弁ハウジング(2)中に配置された軸方向移動可能な第1弁部位(4)及び第1弁座(3)を備える。流量開口は緩衝媒体流量(q)を制限するよう構成され、その流量開口寸法(s)は第1弁部位上の力の釣り合いで決定される。力の釣り合いは、作動力(F)と、対抗保持調整力(R)の作用に対抗するばね構成からの力(Fs)の合計から主に又は部分的に創出される。ばね構成は、第1ばね定数(K1)を有する第1ばね(5)及び第2ばね定数(K2)を有する第2ばね(6)を備える。対抗保持調整力(R)は第1及び第2ばねの両方のばね特性により決定され、第1ばねはストローク(S1)の間に作動力と相互作用し、第2ばねは弁座に近い初期ストローク(S3)において第1ばねと直列に作用し、所期ストロークの寸法は第2ばねの作動範囲により決定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ショックアブソーバの緩衝室の間の緩衝媒体流量(flow)中の圧力を決定することを意図しているばね構成を備えている圧力調整器に関係している。
【背景技術】
【0002】
ショックアブソーバ弁の技術においては、流量が零に接近した時にその開口圧力が出来る限り零に近づかなければならないことを意味している、ブリーダー(bleeder)様特性を有している圧力調整器を創出するという明確な必要性が生じている。圧力調整器はさらに、高い圧力においてそれが作動範囲内において高い圧力を発生しなければならないにも係わらず、全ての設定,調整(modulation),又はばね付勢(spring bias)において、ここでは開口圧力として引用される、低い「噴出し(blow off)」又は「すばらしい圧力(cracking pressure)」を有していなければならない。
【0003】
ブリーダー(bleeder)様特性を有している圧力調整きの公知の例は、第1ばね及び第2ばねから成るばね構成を備えていて、ここでは第1ばねが第2ばねを付勢(bias)していて、ストロークの異なった部位における異なったばね特性に貢献している。低いばね定数がストロークの開始の初期に使用されていて、低いばね定数は次に、急速な緩衝動作に関係する高い圧力及び動的な一連の動き(dynamic sequence)に適した高いばね定数へと変換される。破壊特性(broken character)がここでは、付勢の正確な設定を与えるために閉鎖位置の近傍で低いばね定数を創出する。弁が閉鎖位置から開放位置へと変化する時及びこの逆の時に弁行動を安定させ摩擦力により生じる騒音問題を避ける為には、正確に設定された弁が非常に低い付勢を与えられなければならない。このような正確さ自体はより高い製造工程を導き、しかし依然として、正確性と比較して低いコストで、もし低い付勢がまさに硬いばね(stiff spring)により達成されればという、要求が工程にある。
【0004】
この騒音問題及びばねの長さの許容誤差の正確さに伴う困難の故に、たった1つのばねを含んでいる圧力調整器、例えばショックアブソーバ逆止弁(check valve)、は、代わりに、閉鎖位置において高い付勢が与えられていなければならなず、これはしばしば低い速度及び小さな弁流量の間に所望の低い緩衝水準を得ることを難しくしている。
【0005】
上述した問題は、全ての付勢された三角錐弁,パイロット弁,パイロット制御弁,そして、逆止弁を含む、直接制御弁に当てはまる。これらの弁の共通の性質(denominator)は、調整されている圧力が、ここでは開口弁部位面積として引用されている、移動可能な弁部位上に配置されている面積に開口方向において作用していて、その結果としてフィード開口力が発生されることである。圧力の水準は開口力に対抗した閉鎖作動力により決定される。閉鎖作動力は、ソレノイドの如き、電気,液圧,又は気圧作動装置からの力、及び/又はパイロット面積に作用しているパイロット圧力、及び/又は付勢されているばね組立体からの力、により創出されている。
【0006】
移動可能な弁部位上の作動圧力と釣り合っている初期の高いばね定数を達成するのに伴う問題は、車両サスペンションの為のショックアブソーバの為の調節可能弁の構造において特に注目されている。車両の為の調節可能なショックアブソーバ弁の構造においては、2つの相矛盾する構造要求がある。スプリングされていない(unsprung)質量、例えば車輪、の緩衝は、流量の圧力分散(dP/dQ)を変更できる弁により最も良く実現される。スプリングされていない(unsprung)質量の緩衝は、圧力水準が流量から独立して設定できる弁により最も良く実現される。圧力水準調整に関係している従来技術においては、圧力水準は主制御ユニットにより設定され、主制御ユニットは所望の圧力水準で作動し、例えばソレノイドにより弁に対する流量を変更することにより、即ち創出された差動力を変更させることにより、これを設定する。
【0007】
この発明の分野中における公知の設計は、この出願人の公開された特許出願WO2006135319により記載されていて、ここにおいてはショックアブソーバ弁中のパイロット段階の閉鎖作動力が作動装置からの力により決定されている。
【0008】
この特許出願には、液圧ショックアブソーバの2つの緩衝室間の緩衝媒体流量を制御することを意図されている、パイロット制御されている2段階弁の形状をしたショックアブソーバ弁/圧力調整器が記載されている。このショックアブソーバ弁は、主弁ばね構成と弁座との間に配置された主三角錐体の形状をした移動可能弁部位を有している少なくとも1つの主弁を伴っている弁ハウジングと、パイロットスライド(pilot slide)を備えているパイロット弁と、備えている。主三角錐体は弁ハウジング中にパイロット室の範囲を定めていて、この中には弁主ばね及びパイロットスライド(pilot slide)が配置されている。このショックアブソーバ弁の特徴は、パイロット室中に作りだされる圧力により主に制御されていて、パイロット室中のパイロットスライド(pilot slide)の位置により調節される。この位置は、パイロットばねのばね力と電気的に制御された作動装置からの対抗保持作動力との間の力の釣り合いにより、また、パイロット室中の圧力により創出されたフィードバック圧力開口力によっても、決定されている。この型式の圧力制御器は従って圧力調整により制御されている。
【0009】
パイロット段階の調整を伴ったショックアブソーバ弁のもう1つの変形が、特許US5398787中に記載されている。ここにおいてもまた、圧力調整されたパイロット段階が示されていて、この中ではパイロット三角錐体の位置が、それの作動に対するソレノイド力,ばね力,そして液圧力により制御されている。パイロット弁の外形寸法の構成のお蔭により、所定のばね定数から得られている液圧力が作動範囲の全体において制御されている。この構造は構成要素の選択の機能として記載されていて、そして、圧力調整器又はブリーダー弁(bleeder valve)のいずれかとして調整する。この解決においてもないのは、1つの及び同じ弁においてブリーダー様(bleeder-like)特徴及び圧力調整特徴の両方を達成することの可能性の指摘である。
【0010】
米国特許US5937975及びUS6044939においては、ショックアブソーバ弁のさらなる変形が示されている。2つのばね、硬い(stiff)ばね及び柔らかい(pliable)ばね、が、パイロット段階の位置を調整する為に直列で作用する。これらのばねは、弁が流れがなく調整を休止している時でさえ、或る緩衝を可能にするよう連結されている。硬い(stiff)ばねは通常の作動範囲を通じて作動し、柔らかい(pliable)ばねは、パイロット段階がパイロット段階の圧力の釣り合いを変更させることにより緩衝の調整がもう可能でなくなるよう遠くに開いた時にのみ作動する。この構成は、ブリーダー弁(bleeder valve)としてのみ調整する。この解決法にないのは、1つの及び同じ弁においてブリーダー様(bleeder-like)特徴及び圧力調整特徴の両方を達成することの可能性の指摘である。
【0011】
特許WO2006135319中のパイロット弁は、圧力調整特徴のみを有しているということが出来、そして従って単に圧力調整が行なわれる。特許US5937975におけるパイロット弁はブリーダー(bleeder)特徴を有していてそれにより単に位置を調整するのか、或いは、単に圧力調整特徴を有しているか、のいずれかであるということが出来る。位置が制御されているパイロット段階においては、構成は、パイロット三角錐体の位置が作動力とそれがそれに対して働くばねからの力により十分制御されている、即ちそれは圧力により影響されていない、と考えられる。三角錐体の位置は、従って、弁を通じた流量又は弁を横切る圧力損失のいずれによっても影響を受けていない。米国特許US5937975及びUS6044939に記載されている位置が調整されているパイロット段階においては、パイロット弁の構成は、弁を通じた流量が零に接近した時はいつでも圧力損失が常に零に接近するよう考えられている。本質的には、位置調整は、開口圧力が常に零で開始して流量の増加に伴い増加するという弁特性を創出し、それによって圧力調整は流量従属開口圧力で開始し流量の増加に伴い緩やかに増加する圧力を有する特性を緩やかに創出する。
【0012】
圧力及び位置調整の形による上述した特性を有している圧力調整器が互いに組み合わされるという解決は何等知られていない。
【0013】
[発明の目的]
この発明は、圧力範囲の一部位内の位置調整とこの範囲のもう1つの部位内の圧力調整とを合体させた圧力調整器に関係している。圧力範囲の低い部位は、流量に関し強く増大される圧力分散(derivative)が与えられることが出来、高い部位は流量に関し緩やかに増大される圧力分散(derivative)が与えられることが出来る。
【0014】
圧力調整器はまた、弁座に関する第1移動可能弁部位の精密な初期力平衡を許容するばね構成を備える。
【0015】
この発明はまた、許容誤差(tolerance)に対し比較的鈍感な頑丈な構造を有している圧力調整器を創出することを開示している。
【0016】
この発明はさらに、寸法が小さく、安く、そして組み立て,製造,及び調整が容易であるばね構造を有した圧力調整器を創出すること目的にしている。
【発明の概要】
【0017】
この発明に従った圧力調整器はショックアブソーバ弁における使用を意図されており、相互間に調節可能な流量開口が創出されるよう弁ハウジング中に配置されている軸方向に移動可能な第1弁部位及び第1弁座を備えている。調節可能な流量開口は緩衝媒体流量を制限するよう構成されていて、その流量開口の寸法、即ち、第1弁部位と弁座との間の距離、は第1弁部位上の力の釣り合いにより決定されている。力の釣り合いは、作動力と対抗保持圧力調整力の作用に対抗するばね構成からの力との合計により主に又は部分的に創出される。ばね構成は、第1ばね定数を有する第1ばね及び第2ばね定数を有する第2ばねを備えている。この発明は、対抗保持圧力調整力が第1及び第2ばねの両方のばね特性により決定されることに特徴付けされている。第1ばねはストロークの間に作動力と相互作用し、そして、同時に、第2ばねは弁座に近い初期ストロークにおいてのみ第1ばねと直列に作用し、そこにおいて初期ストロークの寸法は第2ばねの限定された作動範囲により規定されている。第2ばねの限定された作動範囲はばねの可能な軸方向変形能力により規定されていて、その結果それは全ストロークの一部位の間でのみ作動力と相互作用する。
【0018】
このようにして、初期ストロ−クの間の全対抗保持圧力調整力は、流量開口を通る緩衝媒体流量の制限により創出された高い圧力分散(derivative)により、高い。流量開口の流量開口寸法は、最大第1流量開口寸法まで第1及び第2ばねの両方のばね定数により大きく決定される。低い調整(modulation)、即ち低く調整された圧力水準では、圧力増大、即ち弁部位の位置、は第2ばねの高いばね定数により実質的に決められるので、対抗保持圧力調整力、そして、従って緩衝媒体における圧力水準、は流量の増大とともに増大する。これは、これらの低い圧力水準においては、操作力,ばね力,そして調整器力の間の力の釣り合いが、位置よりも、操作力及びばね力により支配されることを意味している。圧力範囲の低い部分において活動する操作力は非常に高いばね定数を伴っているばねにおける弁の初期付勢により支配されていて、そして電流の範囲の高い部位では、力の釣り合いにおける支配は本質的に操作力と圧力フィードバックから成る。この場合における圧力調整は緩衝媒体流量における圧力を決定し、その結果その開口圧力は流量が零に到達したときに零に到達し、同時に、高い圧力ではそれは険しいが吹き出る圧力調整特徴を有する。
【0019】
高い調整(modulation)、即ち高く調整された圧力水準では、対抗保持圧力調整力、そしてひいては緩衝媒体中の圧力水準、が、実際の力,ばね力,そして調整力の間の力の釣り合いがこの場合には実際の力と調整力により支配されるので、圧力調整器よりもフィードバック圧力により実質的に決められる。
【0020】
ばね定数の相互作用は、第1弁部位及び第2ばねの少なくとも1つの部位が互いに支持していて、第2ばねがその基礎位置に到達しばね上に何の力も作用しなくなるまで、初期ストロ−クの間は1つのユニットとして縦並びで移動するという事実により創出される。
【0021】
この発明の一つの実施形態においては、第1ばねは第2ばねよりもよりも遥かに低いばね定数を有している。初期ストロークは、従って、非常に良く規定されている低い付勢(bias)、即ち弁座に近い初期ストロークの間の低い圧力、が与えられ、そしてストロークの残りの間は所望の高いばね力が与えられる。これは、流量が零に近づいた時に零に近づく所望の低い圧力を与える。
【0022】
この発明の第2実施形態においては、第1及び/又は第2ばねが内方及び外方ばね部位を有しているワッシャーの形状を有している。内方及び外方ばね部位は少なくとも2つの場所で弾性橋状部に連結されていて、内方及び外方ばね部位は互いにはねる(spring)ことができるとともに互いに移動することが出来る。平坦なワッシャーの形状のばねは、弁座に対するよく規定された距離を与える。第1弁部分上の厳密な(critical)力の釣り合いが従って、良く規定された第1ばね定数を有している第1ばねにより精密に得られる。平坦なワッシャーの形状のばねは、非常に高いばね定数を有していて、そして、弁部位ストロークがより小さくなるに伴い増大された力を伴い進行する。これは、弁座に対し第1弁部位を接近させる増大されたばね定数を与え、好ましい。
【0023】
初期ストロ−クの間には、第2ばねの内方ばね部位が外方ばね部位に対し移動することが好ましい。この移動は、移動可能な第1弁部位が第2ばねの内方ばね部位を押した時に実現され、同時に外方ばね部位が弁ハウジングと第1弁座との間の所定の場所に挟まれる。
【0024】
好適な実施形態においては、第2ばねの内方ばね部位は、初期ストロ−クの間に、第1弁部位に対し支持されているとともに密封されている。この支持接触の結果として、第2ばねは、緩衝媒体が内方及び外方はね部位の間の相互空間(interspace)中の流量貫通孔中を流れた時に、緩衝媒体流量の制限の創出を通じて弁座に向かう調節可能な流量開口を構成する。調節可能な開口は、初期ストロークの間の第1弁部位の動きの緩衝を創出させる。
【0025】
さらなる実施形態においては、第2ばねの内方ばね部位中の少なくとも1つの緩衝孔の配置により第1弁部位の動きのさらなる緩衝が創出されている。この緩衝孔の結果として、緩衝媒体の流量はさらに制限されて、増大された緩衝に貢献する。
【0026】
この発明の好適な実施形態においては、圧力調整器が、ショックアブソーバ弁中の主弁を横切る主緩衝媒体の流量を決定するパイロット圧力を調整する。
【0027】
主弁は、第3ばね及び圧力調整器により決定されたパイロット圧力の作用に対抗して第2弁座に対し軸方向に移動するよう構成されている第2弁部位を備えている。従って、圧力調整器は、この場合、自動車サスペンション(suspension)の為のショックアブソーバの為の調節可能なパイロット制御された弁が2段階で使用される。この調節可能な2段階弁は、移動可能な弁部位のいずれか1つ又は両方の弁座に接近する移動の間、即ち低い緩衝媒体速度、の、零に向かう圧力流体曲線との組み合わせで、ばね構成の非常に制御された低い対抗力を最適な弁機能のために要求する。
【0028】
この発明は添付の図面を参照しながら以下により詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1a】図1aは、異なった開口水準段階にある第1実施形態に従っている弁の簡略化されている図を示している。
【図1b】図1bは、異なった開口水準段階にある第1実施形態に従っている弁の簡略化されている図を示している。
【図1c】図1cは、異なった開口水準段階にある第1実施形態に従っている弁の簡略化されている図を示している。
【図2a】図2aは、異なった開口水準段階にある第2実施形態に従っている弁の簡略化されている図を示している。
【図2b】図2bは、異なった開口水準段階にある第2実施形態に従っている弁の簡略化されている図を示している。
【図2c】図2cは、異なった開口水準段階にある第2実施形態に従っている弁の簡略化されている図を示している。
【図3a】図3aは、ショックアブソーバに組み込まれている、第3実施形態に従っている弁を示している。
【図3b】図3bは、異なった大きな力が弁に作用した時の、第3実施形態に従っている弁を示している。
【図3c】図3cは、異なった大きな力が弁に作用した時の、第3実施形態に従っている弁を示している。
【図3d】図3dは、異なった大きな力が弁に作用した時の、第3実施形態に従っている弁を示している。
【図3e】図3eは、この発明のさらなる実施形態を示している。
【図3f】図3fは、この発明のさらなる実施形態を示している。
【図3g】図3gは、この発明のさらなる実施形態を示している。
【図4a】図4aは、パイロットばね段階にあるばね構成中の第1及び/又は第2ばねの第1実施形態を示している。
【図4b】図4bは、主段階の主弁ばねの実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1a乃至1cはこの発明の第1実施形態を示しており、そして図2a乃至2cはこの発明の第2実施形態を示しており、そこでは弁1の形状の圧力調整器であり、ショックアブソーバにおける緩衝媒体流量Q1乃至Q3の圧力P1乃至P3を調整することが主に意図されている。緩衝媒体流量は、図3a中にもまた見られるように、ショックアブソーバ中の動きがショックアブソーバを2つの緩衝室へと分けている主ピストンを横切る圧力差を創出させた時に創出される。弁1は、弁ハウジング2及びその中で軸方向に移動可能な第1弁部位4を有している。軸方向に移動可能な第1弁部位4の移動の追加は、弁ハウジングク中に一体化されることが出来る又は弁ハウジングクから分かれていることが出来る第1弁座3によりなくされている。弁が開かれた時、緩衝媒体Q1乃至Q3は、弁部位4と弁座3との間に創出されている可変流量開口sを有している通路中を流れる。軸方向に移動可能な弁部位4は多くの場合、第1に作動力Fにより作動され、その力は移動可能な弁部位4上に作用しているF1とF3との間で変化し、そして第2には、Fの寸法及び夫々が第1及び第2ばね定数K1,K2を有している第1ばね5及び第2ばね6を備えているばね構成により創出された対抗力R1乃至R3により作動される。
【0031】
F〜0又は低い操作状況においては、即ち、弁が図1a及び2a中の如く開口されている時、全対抗保持力R1が第1ばね5のみにより創出される。第1ばね5はストロークを通じて作動力Fに対抗して働き、しかし第2ばね6は図1b乃至1c中の如く弁座3に接近した初期ストローク中には限定された作用範囲の下で第1ばね5と同時に働く。
【0032】
限定された作動範囲は、第2ばね6の可能な軸方向変形能力、即ち、それが作動力Fにさらされている時の力に影響されていない状態におけるその長さからのばねの全変形の程度、により規定されている。弁座3に近いストロークは零と所望の流量開口寸法s′との間の流量開口sに対応していて、全ストロークS1の略半分乃至1/10が好ましい。両方のばねはここでは開口方向において、閉鎖方向において作用している作動力Fに対抗hしている。
【0033】
図1a及び2aにおいては、作動力F1は作動力F2及びF3と比較して小さく、従って、流量Q1に依存し移動可能な弁4上に作用する圧力P1もまた低く、その結果として調整力R1もまた小さい。2つのばね、両者は図1中のシム(shim)型又は一つがシム(shim)型で一つが図2中の螺旋型、は、弁部位4を図1a,2a中の比較的開かれた位置に保持する。ばね力の計算における零位置は、図1a及び2a中に示されている如く、両方のばねが負荷されていない基礎位置上を基にしている。
【0034】
弁部位4は弁ハウジング2中を或るストロークSだけ軸方向に移動し、ストロークSは第1,第2,そして第3ストロークS1,S2,そしてS3に分割されることが出来るストロークSは弁の幾何学形状(geometry)に依存しているとともに、作動力F,調整力R,ばね5,6によりもたらされる力,そして流量Qの寸法により創出されている、弁部位4上に関係している力にも依存している。第1弁部位ストロークS1はまた全ストロークとして引用されることが出来、そして、十分に開いた弁の為の弁座縁3aと移動可能な弁部位の底面4aとの間の距離として規定され、そして、第2弁部位ストロークS2は弁部位4が第2ばね6の影響なしで移動することができる距離として計算される。第2弁部位ストロークS2の間は、移動可能な弁部位4上の力の釣り合いは従って、F1と第2ばね6が不作動な間の第1ばね5との間の相互作用により決定される。第2ばね6は、不作動の時、その基礎位置にあるということが出来、それは負荷から自由であってそれには何の力も作用していないことを意味している。第1ばね5は、第2ばね6のばね定数k2よりも非常に低いばね定数k1を有している。好ましくは、ばね定数k1及びk2の間の割合は、大よそ1:6と1:220との間、即ち、機能モードの広い選択、である。自動車(car)の為には、例えばばね定数k1=0.5〜2N/mm,k2=15〜110N/mmが得られた。
【0035】
図1b及び2bにおいては、作動力F2は調整力R及びばね力を克服し弁部位4を上昇させるよう十分に大きい。弁部位4は弁座3の近傍の場合において、流量Q2に依存しているより高い圧力P2、及び増大された作動力F2によるとともに付勢されているばね構成によっても決定されている調整力R2を、調整する。作動力F2は従って実際上F2<=ばね力として規定されることができる。その機能の為に望まれている第1流量開口寸法と呼ばれることが出来る範囲s′内のばね力はk1*S2+(k1+k2)*(s′−S3)である。ここでS3は、第2ばね5がまた働いた時の第3初期弁部位ストロークに対応し、第1及び第2弁部位ストローク間の差、即ちS1−S2、として規定される。第3初期弁部位ストロークS3は、所望の流量開口s′に対応している最大流量開口sを有する。従って、S3よりも小さい又は等しいストロークの為に、弁は、より低い作動力F2でブリーダー様(bleeder-like)特徴により緩衝媒体流量を調整する。ブリーダー様(bleeder-like)特徴は、高い作動力S2の為の圧力調整特徴へと徐々に変換される。これは、作動力F2と2つのばね5及び6のばね力との間の相互作用に基づいている。
【0036】
図1c及び2cは、閉鎖位置の近傍の弁を示しており、流量Q3に従属している圧力P3がP2よりも高くそして大きい時であり、そして流量Q>0の時、Q>=0及び調整力F3>=ばね力k1*S2+(k1+k2)*(s′−S3)に対応している。弁はこの場合においては開口圧力で作動し、そしてその機能は、P3に対応しているということが出来る開口圧力により圧力調整機能へと変換される。移動可能な弁部位4は第3弁部位ストロークS3に対応した距離だけ移動され、即ち、全体で、部位4は閉鎖方向においてストローク長さS<=S1だけ移動される。
【0037】
従って、全対抗保持最大調整力R3、即ち作動力及びばね力の合計、は、初期ストロークS3の間に、弁座3と移動可能な弁部位4との間の流量開口を通った緩衝媒体流量Q3の制限により創出された増大圧力分配(derivative)により増大する。流量開口の寸法は第1ばね5及び第2ばね6の両者のばね定数k1,k2により最大が第1流量開口寸法s′まで決定される。残りのストロークS2においては、対抗保持調整力R2が緩衝媒体中の増大されている圧力水準により増大し、そこにおいては圧力増大が第1ばね5のばね定数k1のみにより決定される。好ましくは、圧力P2は十分に低い水準であり、そこではこの位置の弁部位4が図1a又は1bに従っているいずれかの位置へと移動中である。
【0038】
図1a〜1c中の第1実施形態においては、ばね5,6は、図4a,4bをまた見るように、シム(shim)型である。これらは、従って、薄い円形のワッシャーから製造され、弾性橋状部5d,6dにより相互に連結されている外方ばね部位5b,6b及び内方ばね部位5a,6aを伴って構成されていて、その結果として外方及び内方ばね部位は互いに対して弾む(spring)ことが出来る。橋状部5d,6dと夫々のばね部位との間には、流れ貫通孔5c,6cが創出されていて、それはばね5,6を通過する流量qをある程度制限する。ばねの内方ばね部位5a,6aの平行移動は、外方ばね部位5b,6bが弁ハウジング2の一部位において固定されていることによるとともに、内方ばね部位5a,6aが軸方向に移動可能な第1弁部位4に固定又は支持されていることにより創出されている。平行移動はまた、内方ばね部位が弁ハウジング2の一部位において固定されているとともに、外方ばね部位が軸方向に移動可能な第1弁部位に固定又は支持されていることによっても実現可能である。
【0039】
図2a〜2cにおいては、この発明の第2実施形態が示されていて、そこにおいては、ばねの1つ、好ましく第1ばね5、が代わりに通常の螺旋ばね5′の形状を有している。螺旋ばね5′の第1端5a′は移動可能な弁部位4に対し支持されていて、第2端5b′は弁ハウジング2で第2ばね6の固定地点上に載っている。この実施形態においてはまた、螺旋ばね5′は作動力Fに対抗して作動する。
【0040】
図2a〜2c中の如き第2ばね6の如き平坦で正確なワッシャー形状ばねを使用することにより、S3により表示されている正確な距離が得られる。作動力Fとばね力との間の相互作用においては、距離S3の正確さは許容誤差(tolerance)から独立した調整力Rを与え、そしてまた許容誤差から独立した最少圧力水準Pを与える。ワッシャー形状ばねの強度はまた、漸進的に形成されることが出来、弁座3が移動可能な弁部位の底面4aに接近することにより増大されたばね定数を与える。この位置において、両方のばね5,6の作動力F3は対抗されていて、そして、弁の調整ばね定数は高くなりF3との相互作用において2つのばねにより決定される。
【0041】
問題のシムばねは開口構成を有していて、その結果として緩衝媒体流量はこれらの中に配置されている空洞を通って流れることが出来る。これは、図4との関係において記載されている。第1ばね5はまた、非常な正確性を必要することが出来、この場合には、シムばねはまた、図1中に示されている如く、そこに利点を与えることが出来る。
【0042】
図1b,1c、2b,2c,そして3b,3c中の実施形態においては、第2ばね6が初期ストロークS3を通じて弁部位4の底面4aを支持している。従って、弁部位4及び第2ばね6は、弁部位4が初期ストロークS3よりも大きな距離だけ移動する以前には互いに離れない。
【0043】
図3a乃至3cは、パイロット制御ショックアブソーバ弁を示している。図3a中においては、ショックアブソーバ弁は車両用の液圧ショックアブソーバSAと連結されて示されており、ここにおいて弁は、ショックアブソーバの2つの緩衝室C,R中,外,又は間の緩衝媒体流量Qin,Qutにおける圧力を制御する。2つの緩衝室間の流量は、アブソーバ本体中に配置されていて2つの緩衝室C,Rを分離している主ピストンDPの移動を介して上昇する。弁中の緩衝媒体の流量は主に、主ピストンDPの速度により及びそのピストン及びピストンロッド直径により決定されている。弁は一方通孔弁であり、ここにおいては流量Qinは弁中に通過し、流量Qutは弁から外に通過する、即ち緩衝媒体流れは同じ経路をとり、そしてアブソーバ本体中において主ピストンDPが移動する方向に係わりあいなく一方向に流れる。圧力はECU−制御れんぞく電気信号を介して調節され、EP0942195中に記載されている作動原理に従い弁に対する動力供給を制御する。
【0044】
図3a中のショックアブソーバ弁は、軸方向に移動可能な主三角錐体9を有している少なくとも1つの主弁を備えている弁ハウジング2を含む。主三角錐体9は主弁座11に対し第1種弁ばね10aにより付勢されている。主三角錐体9は弁ハウジング2中にパイロット室Vpを規定し、そこにおいては主弁ばね10a及び第1パイロット弁部位4が配置されている。
【0045】
パイロット弁部位は、この場合において、前述した第1移動可能弁部位4に対応している。主流量inは主三角錐体9上に圧力をつくり、開口調整力Rを創出する。一旦弁が開くと、主流量は主弁座11と主三角錐体9との間の調節可能流量開口を介してQinからQutに向かう方向に通過する。弁は2段階パイロット制御弁であり、これは、主弁を開ける力がパイロット室Vp中におけるパイロット圧力上昇に依存していることを意味する。緩衝媒体流量Qinの一部は主三角錐体9中の入口孔9aを通ってパイロット室Vp中に流れ、そしてパイロット弁部位4を介したその室中の圧力を上昇させる。
【0046】
主段階はばね構成を備えていて、そこにおいては第1主弁ばね10aが第2主弁ばね10bにより付勢されていて、そしてストロークの異なった部位における異なったばね特徴に貢献する。低いばね定数はストロークの開始の初期において使用され、そして高いばね定数へと変換される。これは、第1主弁ばね10aよりも低いばね定数を有している第2主弁ばね10bにより実現され、その結果、第2主弁ばね10bが十分に圧された時に、ばね力が代わりに第1主弁ばね10aのより高いばね定数により決定されるように進む。より高いばね定数は高い圧力及び急速な緩衝動きに関連した動的な一連の動き(sequence)により良く適する。破壊された特徴(broken character)は、主段階のために、付勢の低い正確な設定を与えることを目的として、閉塞された位置に接近する低いばね定数を創出し、結果として最少の圧力の改良された快適な、そして減少された創出拡散(production spread)の結果となる。好ましくは、第2主弁ばね10bは、互いにはねる(spring)ことが出来る内方及び外方ばね部位を有している図4b中に従っているシム(shim)ばねである。
【0047】
ショックアブソーバ弁の特徴は、パイロット室中における第1弁部位4、この場合にはパイロットスライド(slide)、の位置により調整されるパイロット室Vpにおいてつくり出された圧力により主に制御される。これは、図3b〜3dにおいてより詳細に示されている。緩衝媒体流量qを制限するよう構成されている調節可能な流量開口がパイロット弁座3とパイロット弁部位4との間に創出されていて、第2ばね6の内方部位6aによりさらに境界が定められている。流量開口寸法s及びパイロット室Vpにおける弁部位4の位置は、パイロット弁部位4上の力の釣り合いにより決定されている。力の釣り合いは、作動力Fと第1及び第2ばね5,6を備えていて対抗保持調整力Rの作用に対抗するばね構成からの力Fsとの合計により主に創出されている。
【0048】
第2ばね6はシム(shim)型であり、即ち薄い円形状のワッシャ(washer)から製造されていて、橋状部6dにより互いに連結されていて互いに跳ねる(spring)ことができる外方及び内方ばね部位6b,6aを伴うよう構成されている、図3d及び4参照。橋状部6dと夫々のばね部位との間には貫通孔6cが創出されている(図4参照)。内方ばね部位6aは、それが第2ばね6とパイロットべにおいて下流に配置されている部位との間の流量を厳しく制限し、そして従って力の釣り合いに影響する開口流量力の元にもなっている或る間接的な緩衝作用を有するよう構成されている。制限は、内方ばね部位6aが第1弁部位4に対し支持され密封している時に、初期ストロークS3の間に実現される。干渉媒体流量qの制限は、緩衝媒体が制御開口sを伴った環状隙間中及び流れ貫通孔6c中を流れ、従って最初は制御開口を通過し、そして次に内方及び外方ばね部位6a,6b間の空間を流れる時に生じる。図3c及び3dにおいて見られる如く、外方ばね部位6bは弁ハウジング2の一部とパイロット弁座3との間に固定されていて、そして内方ばね部位6aは初期ストロークS3の間はパイロット弁部位4上に載置されている。初期第3弁部位ストロークS3よりも大きなストロークS2、図3b参照、においては、パイロット弁部位4は内方ばね部位から離れ、そしてその力の釣り合いが、通常の作動範囲の外側でありストロークS2内で、第2ばね6のばね定数k2に大部分が依存する。
【0049】
第1ばね5はパイロット弁部位4と第2ばねの外方部位6bとの間に挟持された螺旋ばねであり、主にパイロット弁座3に対し支持されている。挟持固定は、圧力の影響によるばね6の望まれていない除去の危険性無しで、第2ばね6の安定した設置を与える。さらには、第1ばね5は、弁座部位3における磨耗を阻止する硬鋼の接触表面が与えられている。
【0050】
増大された安定余地(stability margin)及び組み込まれた弁要素の小さな寸法は、パイロット段階の行動を全体的又は部分的にまねることを強制されている主段階より創出されている。これは、パイロット室に対する入口孔9aが好ましくは、直径が略0.6〜1mmである主三角錐体9の圧力影響面積に関して小さいよう選択されることのお蔭であり、しかしまたシム(shim)型の第2主弁ばね10bに孔(示されていない)設けられるためである。これらの孔は、これらが圧力損失を創出しスクリーン(screen)として作動するよう構成されていて、即ちそれらは、パイロット弁段階において、孔9aのお蔭で形成された緩衝媒体の噴出が強い力で第2ばね6の調整器表面を打つことを阻止している。
【0051】
作動力Fは、外方及び内方パイロット弁座縁3a,3bに対するパイロット弁部位4、即ち又第2ばねの内方部位6a、の位置を、緩衝ハウジング2中で軸方向に移動可能でありソレノイド接極子(armature)棒13a及びソレノイド接極子(armature)本体13bを備える、図3a参照、駆動装置13を介して、調整するよう構成されている電気的に制御されたソレノイド12により作り出されている。
【0052】
図3e及び3fにおいては、駆動装置13及びその部分の拡大された図が示されている。ソレノイド接極子(armature)棒13aはソレノイド接極子(armature)本体13bの直径d2よりも小さな直径d1を有している。ソレノイド接極子(armature)棒13aが軸方向に移動した時、それは、弁ハウジング2中に配置されている上方及び下方軸受14a,14bに対し摺動する。摺動軸受14a,14bと棒13との間には、製造技術理由の為に、特に減少された摩擦に貢献する或る最適な第1隙間cl1がある。ソレノイド接極子(armature)棒13aの全体を通じて、孔13aが棒13aの対称軸と平行に延出している。この孔13aを通って緩衝媒体がソレノイド12の内方部位に配置されているソレノイド室Vsへと通過出来る。緩衝媒体は、ソレノイド室Vsが加圧された時に孔13cを通って流れる。
【0053】
ばね構成上の合計された(summated)力Fsに対応している作動力Fの寸法は、例えば電流規制及び空間理由、即ちソレノイド設計、の為に限界がある。即ち、ばね構成からの力Fsと作動力Fとの間の差異は、パイロット圧力Ppの潜在的な高さの為に限界がある。パイロット圧力の最大水準を増大させる為に、パイロット圧力が作用する面積、即ち全圧力フィードバック面積A、は、減少されなければならない。全フィードバック面積Aは異なった面積により決定されA=A1−A2:ここでA1は、直径D1を伴った有効な第1面積であり、その上にはパイロット圧力Ppが作用し;そしてA2は直径d1により決定された有効な第2面積であり、その上にはソレノイド室中で緩衝媒体圧力Psが作用する。従って,A=pi*(D12−d12)/4である。
【0054】
圧力フィードバック面積Aは、夫々の有効面積の為の直径が自由に選択されることが出来る故に、如何なる下方寸法制限を有していないし、理論的には、パイロット圧力Ppが調節されることが出来る高さの為の如何なる上限も存在しない。好ましくは、内方弁座縁3bにより規定されている弁座直径D1のみが圧力フィードバック面積Aを決定する為に使用されている。これは、第2ばねの内方部位6aとの内方弁座縁3bの相互作用により実現されることが出来、その直径dsiは好ましくは常に弁座直径D1よりも大きく、同様に中間室3cが有している効果は隙間中の流れのパターンに基づく、図3f参照。1つの構成要素の寸法の選択を通じてのみ多数の圧力範囲を選択する能力は、製造コストにとっては非常に重要である。圧力フィードバックは、パイロット室Vpとソレノイド室Vsとの、ソレノイド接極子(armature)棒13a中の孔13cを介した液圧連結のお蔭により可能である。
【0055】
有効な第2面積A2は図3e中においてソレノイド接極子(armature)棒13aの上方面積であり、従って、棒13の外直径d1により決められている。ソレノイド室Vsは境界部位により第1部分室中に境界が定められていて、境界部位は、図3eにおいては、小さな隙間cl3を伴ってソレノイド接極子(armature)棒13aの外直径d1の周囲に配置されているカップ(cup)15として構成されているが、緩衝ハウジング2に対し第2のより大きな隙間cl2を伴って浮かぶように釣り下げられている。小さな隙間は製造技術の観点から出来る限り小さく、そして好ましくは外直径d1の6/1000の最大隙間と1/1000の最小隙間との間の寸法を有する。カップ(cup)15は従って浮かぶように釣り下げられていて、しかし弁ハウジング2中の後壁に対し寄りかかっており、従ってそれは駆動装置13の全動きに影響を与えない。カップ(cup)15は従って、ソレノイド接極子(armature)棒13aの貫通孔13cの境界を定めるよう構成されていて、棒のその端は移動可能な弁部位4から遠くに面しており、その結果として非常に僅かの緩衝媒体が孔13cを通ってソレノイドの内方部位中へと流れることが出来る。第2隙間cl2は第1隙間cl1に対応しているか又はそれよりも大きく、好ましくは3倍まで大きく、しかしながらこの割合は変えることが出来る。カップ(cup)は、その内直径とソレノイド接極子(armature)棒の外直径d1との間に非常に小さな第3隙間cl3を有している。小さな隙間cl3は、ソレノイドの内方の、汚れに敏感な部位を介した低い漏れ要求の故に要求されている。
【0056】
第2ばねの内方部位6aには、流れ貫通孔6cが、直径d3を伴っている実質的に中央に配置されている制限孔16とともに、配置されている。小さな隙間cl3が制限孔16と協働して、駆動装置13,弁部位4,そして第2ばね6の内方ばね部位6aの動きの緩衝の或る程度の結果となる。
【0057】
第2ばね6の外方部位6bが弁ハウジング2とパイロット弁座3との間に割り込まされている(wedged)ので、それはパイロットスライドストロークにおいて初期ストロークS3と最大ストロークS1との間で動かない。初期ストロークS3内の作業位置から最大ストロークS1への変換は緩衝無しで実現され、何故ならば、パイロット弁部位4が次に制限孔16とのその接触を止め、そして緩衝媒体が、流れ貫通孔6c及び制限孔16のみを介する代わりに、ソレノイド室Vsと第2部分パイロット室Vp2との間を制限無しで流れることが出来るからである。初期ストロークS3と大ストロークS1との間の動きの間の緩衝は、好ましくは要求されない。何故ならば、変換は急速に行なわれなければならないからである。
【0058】
初期ストロークの間には、パイロット弁部位4と第2ばね6の内方部位6aとはソレノイド室とパイロット室との間の圧力差により創出された力により一方が他方に対し押され、ている。この圧力差は、ソレノイド室圧力Psが負荷される第2ばねの内方部位6の面積が、パイロット圧力Psが負荷される直径D1を伴った有効な第1面積よりも小さい、直径D3を有しているという事実により創出されている。さらには、ソレノイド接極子(armature)棒孔13cは、直径D3よりも小さな直径D2を有している。この結果、初期ストロークS3の間にソレノイド接極子(armature)棒13aとパイロット弁部位4とが互いに離れることがない。構成要素は従って、良く釣り合いが取れている異なった寸法、ここではD3<d1<D1及びD2<d1<D1である、を有している弁座直径のお蔭で、互いに1つのユニットとして保持されている。第2ばねの内方部位6aは従って、弁部位4からの力の作用の下で、初期弁部位ストロークS3の間に、密封及び調整機能を有する。
【0059】
同時に、第2ばねの内方部位6aの形状が高いばね定数k2による制御状況を作り出し、また、発生している流れ力に関して正しい寸法で平等に流量を分配する。これは、橋状部6dの形状を変化させることにより、即ち、流れ貫通孔6cの面積を変えることにより、行なうことが可能である。さらには、流れ貫通孔5c,6cを介した緩衝媒体流れのさらなる制限/通路が、この通路における流れ貫通面積の適切な選択により創出される。
【0060】
パイロットスライド/弁部位4が最大ストロークまで移動された時、それは最終位置において肩17に対して横たわる。この位置において、フェイルセイフ(failsafe)モードが創出され、通路21が開かれ、そして何の電流もソレノイドに到達していない時でさえ及び主三角錐体9が主弁座11に対し支持され密封されている時、或る緩衝媒体流れが弁を通して流れることが出来ることを確実にしている。この解決はまた、オーリンズ(Ohlins)の特許明細書WO2006135319中に記載されている。フェイルセイフ(failsafe)と通常ストロークとの間の転換を加速する為に、第3弁部位ストロークS2が、圧力無しの状態で分離が許容されている第1弁部位4及び第2ばね6により、より緩衝がなくなるようにされている。初期第3ストロークS3の間における動きが孔16を介した緩衝媒体制限により過剰に緩衝されたならば、通常に生じている低い合計の(summated)作動力Fsがこの位置で開口に遅れて創出できる。
【0061】
圧力調整弁1の通常のストローク又は作業ストロークは、好ましくは初期ストロークS3により構成されている。ストロークS2は初期ストロークS3とフェイルセイフ(failsafe)モードとの間の移行であり、ここにおいてはパイロットスライド/弁部位4が肩17上に支持されている。第2ばね6の軸方向平坦性は従って非常に重要である。なぜならば、弁の非常に正確な機械加工許容誤差のお蔭で、それがストロークS3の為の良く規定された開始地点(starting point)を構成するからである。液圧用語においては、問題の開始地点は弁の最少圧力水準を構成している。この最少圧力水準は、閉鎖工程の間にストロークS3を徐々に減少させ、そして従ってソレノイド力F3を増大させることにより、流量/圧力を徐々に増大させるブリーダー(bleeder)様特性を規定し、そこでは弁が図3d〜3fに従っている閉鎖位置になるまで弁が操作する。この閉鎖位置においては、弁は今度は、力の範囲F2乃至F3の範囲内で、徐々に増大する流れ/開口圧力を伴い、純粋な圧力調整器の特徴を有するようになる。
【0062】
図3fにおいては、ソレノイド室Vsの境界決めの好適な実施形態が示されていて、ここにおいては境界決め部位が、弁ハウジング2に隣接してソレノイド接極子(armature)棒13aの周りに配置されているワッシャー18であり、その周りに比較的適切に小さな第3隙間cl3及び第2のより大きな隙間cl2を伴っている。
【0063】
この設計はまた、境界決め部位が自由に浮かぶことを許容し、そしてソレノイド接極子(armature)棒13aに力そして従って摩擦を負荷させない。2つの実施形態における差異は、この実施形態は大きな緩衝本体、この場合ではソレノイド接極子(armature)棒13a、を許容することである。このことは、孔16中における制限により達成された緩衝が緩衝本体13bにより達成された緩衝に追加されることを意味する。何故ならば、ソレノイド室Vsの全体が今度は圧力Ppで加圧されているからである。この実施形態のためには、改良された緩衝機能が従って得られ、それは大きな緩衝直径d2お蔭で非常に効率よく実現できる。
【0064】
ワッシャー18は、下方のスライド軸受14bの近傍で弁ハウジングの中間部位2bに対し支持されている。このことは、弁ハウジング2とワッシャー18との間の接触表面が、開口状態とは無関係に閉塞され密封されていなければならないことを意味している。ワッシャーは好ましくは、オイルが粘着力を伴い作用し、弁ハウジング2に対しワッシャー18を押圧する静的パイロット圧力Ppにより作動されるという事実のお蔭で、所定の位置に保持される。
【0065】
さらなる圧縮圧力がワッシャー18とソレノイド接極子(armature)本体13bとの間のばね19の構成、図3g参照、により創出されることが出来る。ばね19が、常にワッシャー18の本質的な重量よりも幾分大きい下方の力を伴い、そして、弁機能になにも影響を与えない低いばね定数を伴い、作用する。ばね19は、螺旋ばね19として,直線又は三角錐又は、上方に折り曲げられた腕を伴っているシム(shim)ばね/カップ(cup)ばねとして構成されている。もう1つの代わりは、実際のワッシャー18は密封及びばね機能の両方を有していて、従って、シム(shim)様特徴、好ましくは上方に折り曲げられた腕を伴っているシム(shim)の形状である、を有していることが出来る。
【0066】
図4a及び4bに従っているシム(shim)ばね5及び/又は6及び10bは、内方ばね部位5a,6a及び外方ばね部位5b,6bを有している薄い円形状のワッシャーの形状を有している。内方ばね部位5a,6aは外直径dsiを有しているということが出来、外方ばね部位5b,6bは外直径dsyを有しているということが出来る。2つの部位は流れ貫通孔5c,6cにより互いに実質的に離されているが、しかし少なくとも2つの場所において脚5d,6dにより互いに保持されていて、その結果として外方ばね部位5b,6b及び内方ばね部位5a,6aは互いに跳ねる(spring)ことが出来る。
【0067】
シム(shim)ばね5,6は厚さTを伴ったワッシャーから製造されていることが好ましく、厚さTはばねの内方及び外方直径d3,dsy,そして内方及び外方ばね部位5a,5b/6a,6bの間の空洞5c,6cが、中央緩衝孔16もまた同様に、ばね鋼板から容易にエッチングされることが出来るか、または打ち抜きされることが出来るよう十分に薄い。脚の数,脚の長さ,厚さT,そして脚の幅は変更させることが出来る。より大きな数のばね脚とともに、より薄いシム(shim)板を使用することが出来、同時に、ばね5,6は、より高いばね定数、より短いばね距離を獲得することにより、より小さな数のばね脚が使用された時よりもより非直線に,そしてよりコンパクトな装着になる。
【0068】
図4aはパイロット弁段階を制御する第2ばね6を示しており、そして図4bは弁の主段階において第1主弁ばねを付勢する第2主弁ばね10bを示している。
【0069】
図4bにおいては、第2主弁ばね10bが中央に配置されたスクリーン領域(screen area)を伴い示されている。スクリーン領域(screen area)は、この場合においては、第2主弁ばね10bの内方ばね部位の中心の周りに円状に、第2ばね6の中央空洞16から離れて配置されるよう、配置された幾つか、好ましくは2〜6、の孔20である。これらの孔は、孔9aを横切る圧力損失のお蔭で生じることが出来る主三角錐体4における入口孔9aからの力強い平行噴射を遮るよう、第2主弁ばね10の内方ばね部位中に配置されている。或る開口状況においては、圧力損失は十分に高く、緩衝媒体流量Q3,Q2が十分大きな力を伴ってあちこちに流れ、パイロット弁機能が損なわれるという結果になる。
【0070】
孔20を伴っているスクリーン領域(screen area)が入口孔9aからの力強い平行噴射を遮り第1主弁ばね10aを付勢している主段階の第2主弁ばね10aはまた、他の形式の適用、例えば柔らかい(pliable)ばねと組み合わされた硬い(stiff)ばねを有していてショックアブソーバ弁における移動可能な弁部位の位置を調整するばね構成を備えているショックアブソーバ弁において、使用されることが出来る。柔らかい(pliable)ばねはここにおいて2重の機能を有していて、正確な低いばね力を確実にするとともにストロークの異なった部位における異なったばね特徴に貢献する。
【0071】
この緩衝弁のさらなる利点及び区別する特徴は、パイロット流量Q2,Q3が、孔9a,6c,16及び20の面積を対応して小さくなるよう慎重に設計することにより低い水準に保たれることである。これは、或る程度までは主段階がパイロット段階の行動を真似るよう強制されるという事実のお蔭による組み込まれている弁構成要素の高度に安定した余裕(margin)及び小さな寸法を創出する。さらには、パイロットシステムの内側で均等に分散された流れが得られ、キャビテーション,渦巻き(swiring),そして自己誘導不安定(self-induced instability)を阻止する。
【0072】
この発明はまた、低い摩擦を伴った電気的に制御されたショックアブソーバ弁を含むことが出来、これは、汚れに対し敏感であり、ショックアブソーバの緩衝室間の緩衝媒体流れにおける圧力を決定することを意図されているソレノイドの形をした作動装置を備えている。これは、ソレノイド接極子(armature)棒の直径が緩衝ハウジング2に対し第1隙間cl1を有しており、緩衝ハウジング2が、液圧緩衝媒体流れがソレノイド室Vsを通って形成されるのに十分大きく、この緩衝媒体流れがソレノイド接極子(armature)棒13aの周りに配置されている境界を定める部位15,18により限定されている、という事実のお蔭で可能である。
【0073】
この発明は、例として上に示されている実施形態に限定されないが、以下の特許請求の範囲及び発明の概念の範囲内で変形させることが可能である。例えば、この発明は、ばねにより付勢されている一方向又は逆止弁の種々の型の如き、ショックアブソーバ弁の他の型においても使用されることが出来る。
【技術分野】
【0001】
この発明は、ショックアブソーバの緩衝室の間の緩衝媒体流量(flow)中の圧力を決定することを意図しているばね構成を備えている圧力調整器に関係している。
【背景技術】
【0002】
ショックアブソーバ弁の技術においては、流量が零に接近した時にその開口圧力が出来る限り零に近づかなければならないことを意味している、ブリーダー(bleeder)様特性を有している圧力調整器を創出するという明確な必要性が生じている。圧力調整器はさらに、高い圧力においてそれが作動範囲内において高い圧力を発生しなければならないにも係わらず、全ての設定,調整(modulation),又はばね付勢(spring bias)において、ここでは開口圧力として引用される、低い「噴出し(blow off)」又は「すばらしい圧力(cracking pressure)」を有していなければならない。
【0003】
ブリーダー(bleeder)様特性を有している圧力調整きの公知の例は、第1ばね及び第2ばねから成るばね構成を備えていて、ここでは第1ばねが第2ばねを付勢(bias)していて、ストロークの異なった部位における異なったばね特性に貢献している。低いばね定数がストロークの開始の初期に使用されていて、低いばね定数は次に、急速な緩衝動作に関係する高い圧力及び動的な一連の動き(dynamic sequence)に適した高いばね定数へと変換される。破壊特性(broken character)がここでは、付勢の正確な設定を与えるために閉鎖位置の近傍で低いばね定数を創出する。弁が閉鎖位置から開放位置へと変化する時及びこの逆の時に弁行動を安定させ摩擦力により生じる騒音問題を避ける為には、正確に設定された弁が非常に低い付勢を与えられなければならない。このような正確さ自体はより高い製造工程を導き、しかし依然として、正確性と比較して低いコストで、もし低い付勢がまさに硬いばね(stiff spring)により達成されればという、要求が工程にある。
【0004】
この騒音問題及びばねの長さの許容誤差の正確さに伴う困難の故に、たった1つのばねを含んでいる圧力調整器、例えばショックアブソーバ逆止弁(check valve)、は、代わりに、閉鎖位置において高い付勢が与えられていなければならなず、これはしばしば低い速度及び小さな弁流量の間に所望の低い緩衝水準を得ることを難しくしている。
【0005】
上述した問題は、全ての付勢された三角錐弁,パイロット弁,パイロット制御弁,そして、逆止弁を含む、直接制御弁に当てはまる。これらの弁の共通の性質(denominator)は、調整されている圧力が、ここでは開口弁部位面積として引用されている、移動可能な弁部位上に配置されている面積に開口方向において作用していて、その結果としてフィード開口力が発生されることである。圧力の水準は開口力に対抗した閉鎖作動力により決定される。閉鎖作動力は、ソレノイドの如き、電気,液圧,又は気圧作動装置からの力、及び/又はパイロット面積に作用しているパイロット圧力、及び/又は付勢されているばね組立体からの力、により創出されている。
【0006】
移動可能な弁部位上の作動圧力と釣り合っている初期の高いばね定数を達成するのに伴う問題は、車両サスペンションの為のショックアブソーバの為の調節可能弁の構造において特に注目されている。車両の為の調節可能なショックアブソーバ弁の構造においては、2つの相矛盾する構造要求がある。スプリングされていない(unsprung)質量、例えば車輪、の緩衝は、流量の圧力分散(dP/dQ)を変更できる弁により最も良く実現される。スプリングされていない(unsprung)質量の緩衝は、圧力水準が流量から独立して設定できる弁により最も良く実現される。圧力水準調整に関係している従来技術においては、圧力水準は主制御ユニットにより設定され、主制御ユニットは所望の圧力水準で作動し、例えばソレノイドにより弁に対する流量を変更することにより、即ち創出された差動力を変更させることにより、これを設定する。
【0007】
この発明の分野中における公知の設計は、この出願人の公開された特許出願WO2006135319により記載されていて、ここにおいてはショックアブソーバ弁中のパイロット段階の閉鎖作動力が作動装置からの力により決定されている。
【0008】
この特許出願には、液圧ショックアブソーバの2つの緩衝室間の緩衝媒体流量を制御することを意図されている、パイロット制御されている2段階弁の形状をしたショックアブソーバ弁/圧力調整器が記載されている。このショックアブソーバ弁は、主弁ばね構成と弁座との間に配置された主三角錐体の形状をした移動可能弁部位を有している少なくとも1つの主弁を伴っている弁ハウジングと、パイロットスライド(pilot slide)を備えているパイロット弁と、備えている。主三角錐体は弁ハウジング中にパイロット室の範囲を定めていて、この中には弁主ばね及びパイロットスライド(pilot slide)が配置されている。このショックアブソーバ弁の特徴は、パイロット室中に作りだされる圧力により主に制御されていて、パイロット室中のパイロットスライド(pilot slide)の位置により調節される。この位置は、パイロットばねのばね力と電気的に制御された作動装置からの対抗保持作動力との間の力の釣り合いにより、また、パイロット室中の圧力により創出されたフィードバック圧力開口力によっても、決定されている。この型式の圧力制御器は従って圧力調整により制御されている。
【0009】
パイロット段階の調整を伴ったショックアブソーバ弁のもう1つの変形が、特許US5398787中に記載されている。ここにおいてもまた、圧力調整されたパイロット段階が示されていて、この中ではパイロット三角錐体の位置が、それの作動に対するソレノイド力,ばね力,そして液圧力により制御されている。パイロット弁の外形寸法の構成のお蔭により、所定のばね定数から得られている液圧力が作動範囲の全体において制御されている。この構造は構成要素の選択の機能として記載されていて、そして、圧力調整器又はブリーダー弁(bleeder valve)のいずれかとして調整する。この解決においてもないのは、1つの及び同じ弁においてブリーダー様(bleeder-like)特徴及び圧力調整特徴の両方を達成することの可能性の指摘である。
【0010】
米国特許US5937975及びUS6044939においては、ショックアブソーバ弁のさらなる変形が示されている。2つのばね、硬い(stiff)ばね及び柔らかい(pliable)ばね、が、パイロット段階の位置を調整する為に直列で作用する。これらのばねは、弁が流れがなく調整を休止している時でさえ、或る緩衝を可能にするよう連結されている。硬い(stiff)ばねは通常の作動範囲を通じて作動し、柔らかい(pliable)ばねは、パイロット段階がパイロット段階の圧力の釣り合いを変更させることにより緩衝の調整がもう可能でなくなるよう遠くに開いた時にのみ作動する。この構成は、ブリーダー弁(bleeder valve)としてのみ調整する。この解決法にないのは、1つの及び同じ弁においてブリーダー様(bleeder-like)特徴及び圧力調整特徴の両方を達成することの可能性の指摘である。
【0011】
特許WO2006135319中のパイロット弁は、圧力調整特徴のみを有しているということが出来、そして従って単に圧力調整が行なわれる。特許US5937975におけるパイロット弁はブリーダー(bleeder)特徴を有していてそれにより単に位置を調整するのか、或いは、単に圧力調整特徴を有しているか、のいずれかであるということが出来る。位置が制御されているパイロット段階においては、構成は、パイロット三角錐体の位置が作動力とそれがそれに対して働くばねからの力により十分制御されている、即ちそれは圧力により影響されていない、と考えられる。三角錐体の位置は、従って、弁を通じた流量又は弁を横切る圧力損失のいずれによっても影響を受けていない。米国特許US5937975及びUS6044939に記載されている位置が調整されているパイロット段階においては、パイロット弁の構成は、弁を通じた流量が零に接近した時はいつでも圧力損失が常に零に接近するよう考えられている。本質的には、位置調整は、開口圧力が常に零で開始して流量の増加に伴い増加するという弁特性を創出し、それによって圧力調整は流量従属開口圧力で開始し流量の増加に伴い緩やかに増加する圧力を有する特性を緩やかに創出する。
【0012】
圧力及び位置調整の形による上述した特性を有している圧力調整器が互いに組み合わされるという解決は何等知られていない。
【0013】
[発明の目的]
この発明は、圧力範囲の一部位内の位置調整とこの範囲のもう1つの部位内の圧力調整とを合体させた圧力調整器に関係している。圧力範囲の低い部位は、流量に関し強く増大される圧力分散(derivative)が与えられることが出来、高い部位は流量に関し緩やかに増大される圧力分散(derivative)が与えられることが出来る。
【0014】
圧力調整器はまた、弁座に関する第1移動可能弁部位の精密な初期力平衡を許容するばね構成を備える。
【0015】
この発明はまた、許容誤差(tolerance)に対し比較的鈍感な頑丈な構造を有している圧力調整器を創出することを開示している。
【0016】
この発明はさらに、寸法が小さく、安く、そして組み立て,製造,及び調整が容易であるばね構造を有した圧力調整器を創出すること目的にしている。
【発明の概要】
【0017】
この発明に従った圧力調整器はショックアブソーバ弁における使用を意図されており、相互間に調節可能な流量開口が創出されるよう弁ハウジング中に配置されている軸方向に移動可能な第1弁部位及び第1弁座を備えている。調節可能な流量開口は緩衝媒体流量を制限するよう構成されていて、その流量開口の寸法、即ち、第1弁部位と弁座との間の距離、は第1弁部位上の力の釣り合いにより決定されている。力の釣り合いは、作動力と対抗保持圧力調整力の作用に対抗するばね構成からの力との合計により主に又は部分的に創出される。ばね構成は、第1ばね定数を有する第1ばね及び第2ばね定数を有する第2ばねを備えている。この発明は、対抗保持圧力調整力が第1及び第2ばねの両方のばね特性により決定されることに特徴付けされている。第1ばねはストロークの間に作動力と相互作用し、そして、同時に、第2ばねは弁座に近い初期ストロークにおいてのみ第1ばねと直列に作用し、そこにおいて初期ストロークの寸法は第2ばねの限定された作動範囲により規定されている。第2ばねの限定された作動範囲はばねの可能な軸方向変形能力により規定されていて、その結果それは全ストロークの一部位の間でのみ作動力と相互作用する。
【0018】
このようにして、初期ストロ−クの間の全対抗保持圧力調整力は、流量開口を通る緩衝媒体流量の制限により創出された高い圧力分散(derivative)により、高い。流量開口の流量開口寸法は、最大第1流量開口寸法まで第1及び第2ばねの両方のばね定数により大きく決定される。低い調整(modulation)、即ち低く調整された圧力水準では、圧力増大、即ち弁部位の位置、は第2ばねの高いばね定数により実質的に決められるので、対抗保持圧力調整力、そして、従って緩衝媒体における圧力水準、は流量の増大とともに増大する。これは、これらの低い圧力水準においては、操作力,ばね力,そして調整器力の間の力の釣り合いが、位置よりも、操作力及びばね力により支配されることを意味している。圧力範囲の低い部分において活動する操作力は非常に高いばね定数を伴っているばねにおける弁の初期付勢により支配されていて、そして電流の範囲の高い部位では、力の釣り合いにおける支配は本質的に操作力と圧力フィードバックから成る。この場合における圧力調整は緩衝媒体流量における圧力を決定し、その結果その開口圧力は流量が零に到達したときに零に到達し、同時に、高い圧力ではそれは険しいが吹き出る圧力調整特徴を有する。
【0019】
高い調整(modulation)、即ち高く調整された圧力水準では、対抗保持圧力調整力、そしてひいては緩衝媒体中の圧力水準、が、実際の力,ばね力,そして調整力の間の力の釣り合いがこの場合には実際の力と調整力により支配されるので、圧力調整器よりもフィードバック圧力により実質的に決められる。
【0020】
ばね定数の相互作用は、第1弁部位及び第2ばねの少なくとも1つの部位が互いに支持していて、第2ばねがその基礎位置に到達しばね上に何の力も作用しなくなるまで、初期ストロ−クの間は1つのユニットとして縦並びで移動するという事実により創出される。
【0021】
この発明の一つの実施形態においては、第1ばねは第2ばねよりもよりも遥かに低いばね定数を有している。初期ストロークは、従って、非常に良く規定されている低い付勢(bias)、即ち弁座に近い初期ストロークの間の低い圧力、が与えられ、そしてストロークの残りの間は所望の高いばね力が与えられる。これは、流量が零に近づいた時に零に近づく所望の低い圧力を与える。
【0022】
この発明の第2実施形態においては、第1及び/又は第2ばねが内方及び外方ばね部位を有しているワッシャーの形状を有している。内方及び外方ばね部位は少なくとも2つの場所で弾性橋状部に連結されていて、内方及び外方ばね部位は互いにはねる(spring)ことができるとともに互いに移動することが出来る。平坦なワッシャーの形状のばねは、弁座に対するよく規定された距離を与える。第1弁部分上の厳密な(critical)力の釣り合いが従って、良く規定された第1ばね定数を有している第1ばねにより精密に得られる。平坦なワッシャーの形状のばねは、非常に高いばね定数を有していて、そして、弁部位ストロークがより小さくなるに伴い増大された力を伴い進行する。これは、弁座に対し第1弁部位を接近させる増大されたばね定数を与え、好ましい。
【0023】
初期ストロ−クの間には、第2ばねの内方ばね部位が外方ばね部位に対し移動することが好ましい。この移動は、移動可能な第1弁部位が第2ばねの内方ばね部位を押した時に実現され、同時に外方ばね部位が弁ハウジングと第1弁座との間の所定の場所に挟まれる。
【0024】
好適な実施形態においては、第2ばねの内方ばね部位は、初期ストロ−クの間に、第1弁部位に対し支持されているとともに密封されている。この支持接触の結果として、第2ばねは、緩衝媒体が内方及び外方はね部位の間の相互空間(interspace)中の流量貫通孔中を流れた時に、緩衝媒体流量の制限の創出を通じて弁座に向かう調節可能な流量開口を構成する。調節可能な開口は、初期ストロークの間の第1弁部位の動きの緩衝を創出させる。
【0025】
さらなる実施形態においては、第2ばねの内方ばね部位中の少なくとも1つの緩衝孔の配置により第1弁部位の動きのさらなる緩衝が創出されている。この緩衝孔の結果として、緩衝媒体の流量はさらに制限されて、増大された緩衝に貢献する。
【0026】
この発明の好適な実施形態においては、圧力調整器が、ショックアブソーバ弁中の主弁を横切る主緩衝媒体の流量を決定するパイロット圧力を調整する。
【0027】
主弁は、第3ばね及び圧力調整器により決定されたパイロット圧力の作用に対抗して第2弁座に対し軸方向に移動するよう構成されている第2弁部位を備えている。従って、圧力調整器は、この場合、自動車サスペンション(suspension)の為のショックアブソーバの為の調節可能なパイロット制御された弁が2段階で使用される。この調節可能な2段階弁は、移動可能な弁部位のいずれか1つ又は両方の弁座に接近する移動の間、即ち低い緩衝媒体速度、の、零に向かう圧力流体曲線との組み合わせで、ばね構成の非常に制御された低い対抗力を最適な弁機能のために要求する。
【0028】
この発明は添付の図面を参照しながら以下により詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1a】図1aは、異なった開口水準段階にある第1実施形態に従っている弁の簡略化されている図を示している。
【図1b】図1bは、異なった開口水準段階にある第1実施形態に従っている弁の簡略化されている図を示している。
【図1c】図1cは、異なった開口水準段階にある第1実施形態に従っている弁の簡略化されている図を示している。
【図2a】図2aは、異なった開口水準段階にある第2実施形態に従っている弁の簡略化されている図を示している。
【図2b】図2bは、異なった開口水準段階にある第2実施形態に従っている弁の簡略化されている図を示している。
【図2c】図2cは、異なった開口水準段階にある第2実施形態に従っている弁の簡略化されている図を示している。
【図3a】図3aは、ショックアブソーバに組み込まれている、第3実施形態に従っている弁を示している。
【図3b】図3bは、異なった大きな力が弁に作用した時の、第3実施形態に従っている弁を示している。
【図3c】図3cは、異なった大きな力が弁に作用した時の、第3実施形態に従っている弁を示している。
【図3d】図3dは、異なった大きな力が弁に作用した時の、第3実施形態に従っている弁を示している。
【図3e】図3eは、この発明のさらなる実施形態を示している。
【図3f】図3fは、この発明のさらなる実施形態を示している。
【図3g】図3gは、この発明のさらなる実施形態を示している。
【図4a】図4aは、パイロットばね段階にあるばね構成中の第1及び/又は第2ばねの第1実施形態を示している。
【図4b】図4bは、主段階の主弁ばねの実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1a乃至1cはこの発明の第1実施形態を示しており、そして図2a乃至2cはこの発明の第2実施形態を示しており、そこでは弁1の形状の圧力調整器であり、ショックアブソーバにおける緩衝媒体流量Q1乃至Q3の圧力P1乃至P3を調整することが主に意図されている。緩衝媒体流量は、図3a中にもまた見られるように、ショックアブソーバ中の動きがショックアブソーバを2つの緩衝室へと分けている主ピストンを横切る圧力差を創出させた時に創出される。弁1は、弁ハウジング2及びその中で軸方向に移動可能な第1弁部位4を有している。軸方向に移動可能な第1弁部位4の移動の追加は、弁ハウジングク中に一体化されることが出来る又は弁ハウジングクから分かれていることが出来る第1弁座3によりなくされている。弁が開かれた時、緩衝媒体Q1乃至Q3は、弁部位4と弁座3との間に創出されている可変流量開口sを有している通路中を流れる。軸方向に移動可能な弁部位4は多くの場合、第1に作動力Fにより作動され、その力は移動可能な弁部位4上に作用しているF1とF3との間で変化し、そして第2には、Fの寸法及び夫々が第1及び第2ばね定数K1,K2を有している第1ばね5及び第2ばね6を備えているばね構成により創出された対抗力R1乃至R3により作動される。
【0031】
F〜0又は低い操作状況においては、即ち、弁が図1a及び2a中の如く開口されている時、全対抗保持力R1が第1ばね5のみにより創出される。第1ばね5はストロークを通じて作動力Fに対抗して働き、しかし第2ばね6は図1b乃至1c中の如く弁座3に接近した初期ストローク中には限定された作用範囲の下で第1ばね5と同時に働く。
【0032】
限定された作動範囲は、第2ばね6の可能な軸方向変形能力、即ち、それが作動力Fにさらされている時の力に影響されていない状態におけるその長さからのばねの全変形の程度、により規定されている。弁座3に近いストロークは零と所望の流量開口寸法s′との間の流量開口sに対応していて、全ストロークS1の略半分乃至1/10が好ましい。両方のばねはここでは開口方向において、閉鎖方向において作用している作動力Fに対抗hしている。
【0033】
図1a及び2aにおいては、作動力F1は作動力F2及びF3と比較して小さく、従って、流量Q1に依存し移動可能な弁4上に作用する圧力P1もまた低く、その結果として調整力R1もまた小さい。2つのばね、両者は図1中のシム(shim)型又は一つがシム(shim)型で一つが図2中の螺旋型、は、弁部位4を図1a,2a中の比較的開かれた位置に保持する。ばね力の計算における零位置は、図1a及び2a中に示されている如く、両方のばねが負荷されていない基礎位置上を基にしている。
【0034】
弁部位4は弁ハウジング2中を或るストロークSだけ軸方向に移動し、ストロークSは第1,第2,そして第3ストロークS1,S2,そしてS3に分割されることが出来るストロークSは弁の幾何学形状(geometry)に依存しているとともに、作動力F,調整力R,ばね5,6によりもたらされる力,そして流量Qの寸法により創出されている、弁部位4上に関係している力にも依存している。第1弁部位ストロークS1はまた全ストロークとして引用されることが出来、そして、十分に開いた弁の為の弁座縁3aと移動可能な弁部位の底面4aとの間の距離として規定され、そして、第2弁部位ストロークS2は弁部位4が第2ばね6の影響なしで移動することができる距離として計算される。第2弁部位ストロークS2の間は、移動可能な弁部位4上の力の釣り合いは従って、F1と第2ばね6が不作動な間の第1ばね5との間の相互作用により決定される。第2ばね6は、不作動の時、その基礎位置にあるということが出来、それは負荷から自由であってそれには何の力も作用していないことを意味している。第1ばね5は、第2ばね6のばね定数k2よりも非常に低いばね定数k1を有している。好ましくは、ばね定数k1及びk2の間の割合は、大よそ1:6と1:220との間、即ち、機能モードの広い選択、である。自動車(car)の為には、例えばばね定数k1=0.5〜2N/mm,k2=15〜110N/mmが得られた。
【0035】
図1b及び2bにおいては、作動力F2は調整力R及びばね力を克服し弁部位4を上昇させるよう十分に大きい。弁部位4は弁座3の近傍の場合において、流量Q2に依存しているより高い圧力P2、及び増大された作動力F2によるとともに付勢されているばね構成によっても決定されている調整力R2を、調整する。作動力F2は従って実際上F2<=ばね力として規定されることができる。その機能の為に望まれている第1流量開口寸法と呼ばれることが出来る範囲s′内のばね力はk1*S2+(k1+k2)*(s′−S3)である。ここでS3は、第2ばね5がまた働いた時の第3初期弁部位ストロークに対応し、第1及び第2弁部位ストローク間の差、即ちS1−S2、として規定される。第3初期弁部位ストロークS3は、所望の流量開口s′に対応している最大流量開口sを有する。従って、S3よりも小さい又は等しいストロークの為に、弁は、より低い作動力F2でブリーダー様(bleeder-like)特徴により緩衝媒体流量を調整する。ブリーダー様(bleeder-like)特徴は、高い作動力S2の為の圧力調整特徴へと徐々に変換される。これは、作動力F2と2つのばね5及び6のばね力との間の相互作用に基づいている。
【0036】
図1c及び2cは、閉鎖位置の近傍の弁を示しており、流量Q3に従属している圧力P3がP2よりも高くそして大きい時であり、そして流量Q>0の時、Q>=0及び調整力F3>=ばね力k1*S2+(k1+k2)*(s′−S3)に対応している。弁はこの場合においては開口圧力で作動し、そしてその機能は、P3に対応しているということが出来る開口圧力により圧力調整機能へと変換される。移動可能な弁部位4は第3弁部位ストロークS3に対応した距離だけ移動され、即ち、全体で、部位4は閉鎖方向においてストローク長さS<=S1だけ移動される。
【0037】
従って、全対抗保持最大調整力R3、即ち作動力及びばね力の合計、は、初期ストロークS3の間に、弁座3と移動可能な弁部位4との間の流量開口を通った緩衝媒体流量Q3の制限により創出された増大圧力分配(derivative)により増大する。流量開口の寸法は第1ばね5及び第2ばね6の両者のばね定数k1,k2により最大が第1流量開口寸法s′まで決定される。残りのストロークS2においては、対抗保持調整力R2が緩衝媒体中の増大されている圧力水準により増大し、そこにおいては圧力増大が第1ばね5のばね定数k1のみにより決定される。好ましくは、圧力P2は十分に低い水準であり、そこではこの位置の弁部位4が図1a又は1bに従っているいずれかの位置へと移動中である。
【0038】
図1a〜1c中の第1実施形態においては、ばね5,6は、図4a,4bをまた見るように、シム(shim)型である。これらは、従って、薄い円形のワッシャーから製造され、弾性橋状部5d,6dにより相互に連結されている外方ばね部位5b,6b及び内方ばね部位5a,6aを伴って構成されていて、その結果として外方及び内方ばね部位は互いに対して弾む(spring)ことが出来る。橋状部5d,6dと夫々のばね部位との間には、流れ貫通孔5c,6cが創出されていて、それはばね5,6を通過する流量qをある程度制限する。ばねの内方ばね部位5a,6aの平行移動は、外方ばね部位5b,6bが弁ハウジング2の一部位において固定されていることによるとともに、内方ばね部位5a,6aが軸方向に移動可能な第1弁部位4に固定又は支持されていることにより創出されている。平行移動はまた、内方ばね部位が弁ハウジング2の一部位において固定されているとともに、外方ばね部位が軸方向に移動可能な第1弁部位に固定又は支持されていることによっても実現可能である。
【0039】
図2a〜2cにおいては、この発明の第2実施形態が示されていて、そこにおいては、ばねの1つ、好ましく第1ばね5、が代わりに通常の螺旋ばね5′の形状を有している。螺旋ばね5′の第1端5a′は移動可能な弁部位4に対し支持されていて、第2端5b′は弁ハウジング2で第2ばね6の固定地点上に載っている。この実施形態においてはまた、螺旋ばね5′は作動力Fに対抗して作動する。
【0040】
図2a〜2c中の如き第2ばね6の如き平坦で正確なワッシャー形状ばねを使用することにより、S3により表示されている正確な距離が得られる。作動力Fとばね力との間の相互作用においては、距離S3の正確さは許容誤差(tolerance)から独立した調整力Rを与え、そしてまた許容誤差から独立した最少圧力水準Pを与える。ワッシャー形状ばねの強度はまた、漸進的に形成されることが出来、弁座3が移動可能な弁部位の底面4aに接近することにより増大されたばね定数を与える。この位置において、両方のばね5,6の作動力F3は対抗されていて、そして、弁の調整ばね定数は高くなりF3との相互作用において2つのばねにより決定される。
【0041】
問題のシムばねは開口構成を有していて、その結果として緩衝媒体流量はこれらの中に配置されている空洞を通って流れることが出来る。これは、図4との関係において記載されている。第1ばね5はまた、非常な正確性を必要することが出来、この場合には、シムばねはまた、図1中に示されている如く、そこに利点を与えることが出来る。
【0042】
図1b,1c、2b,2c,そして3b,3c中の実施形態においては、第2ばね6が初期ストロークS3を通じて弁部位4の底面4aを支持している。従って、弁部位4及び第2ばね6は、弁部位4が初期ストロークS3よりも大きな距離だけ移動する以前には互いに離れない。
【0043】
図3a乃至3cは、パイロット制御ショックアブソーバ弁を示している。図3a中においては、ショックアブソーバ弁は車両用の液圧ショックアブソーバSAと連結されて示されており、ここにおいて弁は、ショックアブソーバの2つの緩衝室C,R中,外,又は間の緩衝媒体流量Qin,Qutにおける圧力を制御する。2つの緩衝室間の流量は、アブソーバ本体中に配置されていて2つの緩衝室C,Rを分離している主ピストンDPの移動を介して上昇する。弁中の緩衝媒体の流量は主に、主ピストンDPの速度により及びそのピストン及びピストンロッド直径により決定されている。弁は一方通孔弁であり、ここにおいては流量Qinは弁中に通過し、流量Qutは弁から外に通過する、即ち緩衝媒体流れは同じ経路をとり、そしてアブソーバ本体中において主ピストンDPが移動する方向に係わりあいなく一方向に流れる。圧力はECU−制御れんぞく電気信号を介して調節され、EP0942195中に記載されている作動原理に従い弁に対する動力供給を制御する。
【0044】
図3a中のショックアブソーバ弁は、軸方向に移動可能な主三角錐体9を有している少なくとも1つの主弁を備えている弁ハウジング2を含む。主三角錐体9は主弁座11に対し第1種弁ばね10aにより付勢されている。主三角錐体9は弁ハウジング2中にパイロット室Vpを規定し、そこにおいては主弁ばね10a及び第1パイロット弁部位4が配置されている。
【0045】
パイロット弁部位は、この場合において、前述した第1移動可能弁部位4に対応している。主流量inは主三角錐体9上に圧力をつくり、開口調整力Rを創出する。一旦弁が開くと、主流量は主弁座11と主三角錐体9との間の調節可能流量開口を介してQinからQutに向かう方向に通過する。弁は2段階パイロット制御弁であり、これは、主弁を開ける力がパイロット室Vp中におけるパイロット圧力上昇に依存していることを意味する。緩衝媒体流量Qinの一部は主三角錐体9中の入口孔9aを通ってパイロット室Vp中に流れ、そしてパイロット弁部位4を介したその室中の圧力を上昇させる。
【0046】
主段階はばね構成を備えていて、そこにおいては第1主弁ばね10aが第2主弁ばね10bにより付勢されていて、そしてストロークの異なった部位における異なったばね特徴に貢献する。低いばね定数はストロークの開始の初期において使用され、そして高いばね定数へと変換される。これは、第1主弁ばね10aよりも低いばね定数を有している第2主弁ばね10bにより実現され、その結果、第2主弁ばね10bが十分に圧された時に、ばね力が代わりに第1主弁ばね10aのより高いばね定数により決定されるように進む。より高いばね定数は高い圧力及び急速な緩衝動きに関連した動的な一連の動き(sequence)により良く適する。破壊された特徴(broken character)は、主段階のために、付勢の低い正確な設定を与えることを目的として、閉塞された位置に接近する低いばね定数を創出し、結果として最少の圧力の改良された快適な、そして減少された創出拡散(production spread)の結果となる。好ましくは、第2主弁ばね10bは、互いにはねる(spring)ことが出来る内方及び外方ばね部位を有している図4b中に従っているシム(shim)ばねである。
【0047】
ショックアブソーバ弁の特徴は、パイロット室中における第1弁部位4、この場合にはパイロットスライド(slide)、の位置により調整されるパイロット室Vpにおいてつくり出された圧力により主に制御される。これは、図3b〜3dにおいてより詳細に示されている。緩衝媒体流量qを制限するよう構成されている調節可能な流量開口がパイロット弁座3とパイロット弁部位4との間に創出されていて、第2ばね6の内方部位6aによりさらに境界が定められている。流量開口寸法s及びパイロット室Vpにおける弁部位4の位置は、パイロット弁部位4上の力の釣り合いにより決定されている。力の釣り合いは、作動力Fと第1及び第2ばね5,6を備えていて対抗保持調整力Rの作用に対抗するばね構成からの力Fsとの合計により主に創出されている。
【0048】
第2ばね6はシム(shim)型であり、即ち薄い円形状のワッシャ(washer)から製造されていて、橋状部6dにより互いに連結されていて互いに跳ねる(spring)ことができる外方及び内方ばね部位6b,6aを伴うよう構成されている、図3d及び4参照。橋状部6dと夫々のばね部位との間には貫通孔6cが創出されている(図4参照)。内方ばね部位6aは、それが第2ばね6とパイロットべにおいて下流に配置されている部位との間の流量を厳しく制限し、そして従って力の釣り合いに影響する開口流量力の元にもなっている或る間接的な緩衝作用を有するよう構成されている。制限は、内方ばね部位6aが第1弁部位4に対し支持され密封している時に、初期ストロークS3の間に実現される。干渉媒体流量qの制限は、緩衝媒体が制御開口sを伴った環状隙間中及び流れ貫通孔6c中を流れ、従って最初は制御開口を通過し、そして次に内方及び外方ばね部位6a,6b間の空間を流れる時に生じる。図3c及び3dにおいて見られる如く、外方ばね部位6bは弁ハウジング2の一部とパイロット弁座3との間に固定されていて、そして内方ばね部位6aは初期ストロークS3の間はパイロット弁部位4上に載置されている。初期第3弁部位ストロークS3よりも大きなストロークS2、図3b参照、においては、パイロット弁部位4は内方ばね部位から離れ、そしてその力の釣り合いが、通常の作動範囲の外側でありストロークS2内で、第2ばね6のばね定数k2に大部分が依存する。
【0049】
第1ばね5はパイロット弁部位4と第2ばねの外方部位6bとの間に挟持された螺旋ばねであり、主にパイロット弁座3に対し支持されている。挟持固定は、圧力の影響によるばね6の望まれていない除去の危険性無しで、第2ばね6の安定した設置を与える。さらには、第1ばね5は、弁座部位3における磨耗を阻止する硬鋼の接触表面が与えられている。
【0050】
増大された安定余地(stability margin)及び組み込まれた弁要素の小さな寸法は、パイロット段階の行動を全体的又は部分的にまねることを強制されている主段階より創出されている。これは、パイロット室に対する入口孔9aが好ましくは、直径が略0.6〜1mmである主三角錐体9の圧力影響面積に関して小さいよう選択されることのお蔭であり、しかしまたシム(shim)型の第2主弁ばね10bに孔(示されていない)設けられるためである。これらの孔は、これらが圧力損失を創出しスクリーン(screen)として作動するよう構成されていて、即ちそれらは、パイロット弁段階において、孔9aのお蔭で形成された緩衝媒体の噴出が強い力で第2ばね6の調整器表面を打つことを阻止している。
【0051】
作動力Fは、外方及び内方パイロット弁座縁3a,3bに対するパイロット弁部位4、即ち又第2ばねの内方部位6a、の位置を、緩衝ハウジング2中で軸方向に移動可能でありソレノイド接極子(armature)棒13a及びソレノイド接極子(armature)本体13bを備える、図3a参照、駆動装置13を介して、調整するよう構成されている電気的に制御されたソレノイド12により作り出されている。
【0052】
図3e及び3fにおいては、駆動装置13及びその部分の拡大された図が示されている。ソレノイド接極子(armature)棒13aはソレノイド接極子(armature)本体13bの直径d2よりも小さな直径d1を有している。ソレノイド接極子(armature)棒13aが軸方向に移動した時、それは、弁ハウジング2中に配置されている上方及び下方軸受14a,14bに対し摺動する。摺動軸受14a,14bと棒13との間には、製造技術理由の為に、特に減少された摩擦に貢献する或る最適な第1隙間cl1がある。ソレノイド接極子(armature)棒13aの全体を通じて、孔13aが棒13aの対称軸と平行に延出している。この孔13aを通って緩衝媒体がソレノイド12の内方部位に配置されているソレノイド室Vsへと通過出来る。緩衝媒体は、ソレノイド室Vsが加圧された時に孔13cを通って流れる。
【0053】
ばね構成上の合計された(summated)力Fsに対応している作動力Fの寸法は、例えば電流規制及び空間理由、即ちソレノイド設計、の為に限界がある。即ち、ばね構成からの力Fsと作動力Fとの間の差異は、パイロット圧力Ppの潜在的な高さの為に限界がある。パイロット圧力の最大水準を増大させる為に、パイロット圧力が作用する面積、即ち全圧力フィードバック面積A、は、減少されなければならない。全フィードバック面積Aは異なった面積により決定されA=A1−A2:ここでA1は、直径D1を伴った有効な第1面積であり、その上にはパイロット圧力Ppが作用し;そしてA2は直径d1により決定された有効な第2面積であり、その上にはソレノイド室中で緩衝媒体圧力Psが作用する。従って,A=pi*(D12−d12)/4である。
【0054】
圧力フィードバック面積Aは、夫々の有効面積の為の直径が自由に選択されることが出来る故に、如何なる下方寸法制限を有していないし、理論的には、パイロット圧力Ppが調節されることが出来る高さの為の如何なる上限も存在しない。好ましくは、内方弁座縁3bにより規定されている弁座直径D1のみが圧力フィードバック面積Aを決定する為に使用されている。これは、第2ばねの内方部位6aとの内方弁座縁3bの相互作用により実現されることが出来、その直径dsiは好ましくは常に弁座直径D1よりも大きく、同様に中間室3cが有している効果は隙間中の流れのパターンに基づく、図3f参照。1つの構成要素の寸法の選択を通じてのみ多数の圧力範囲を選択する能力は、製造コストにとっては非常に重要である。圧力フィードバックは、パイロット室Vpとソレノイド室Vsとの、ソレノイド接極子(armature)棒13a中の孔13cを介した液圧連結のお蔭により可能である。
【0055】
有効な第2面積A2は図3e中においてソレノイド接極子(armature)棒13aの上方面積であり、従って、棒13の外直径d1により決められている。ソレノイド室Vsは境界部位により第1部分室中に境界が定められていて、境界部位は、図3eにおいては、小さな隙間cl3を伴ってソレノイド接極子(armature)棒13aの外直径d1の周囲に配置されているカップ(cup)15として構成されているが、緩衝ハウジング2に対し第2のより大きな隙間cl2を伴って浮かぶように釣り下げられている。小さな隙間は製造技術の観点から出来る限り小さく、そして好ましくは外直径d1の6/1000の最大隙間と1/1000の最小隙間との間の寸法を有する。カップ(cup)15は従って浮かぶように釣り下げられていて、しかし弁ハウジング2中の後壁に対し寄りかかっており、従ってそれは駆動装置13の全動きに影響を与えない。カップ(cup)15は従って、ソレノイド接極子(armature)棒13aの貫通孔13cの境界を定めるよう構成されていて、棒のその端は移動可能な弁部位4から遠くに面しており、その結果として非常に僅かの緩衝媒体が孔13cを通ってソレノイドの内方部位中へと流れることが出来る。第2隙間cl2は第1隙間cl1に対応しているか又はそれよりも大きく、好ましくは3倍まで大きく、しかしながらこの割合は変えることが出来る。カップ(cup)は、その内直径とソレノイド接極子(armature)棒の外直径d1との間に非常に小さな第3隙間cl3を有している。小さな隙間cl3は、ソレノイドの内方の、汚れに敏感な部位を介した低い漏れ要求の故に要求されている。
【0056】
第2ばねの内方部位6aには、流れ貫通孔6cが、直径d3を伴っている実質的に中央に配置されている制限孔16とともに、配置されている。小さな隙間cl3が制限孔16と協働して、駆動装置13,弁部位4,そして第2ばね6の内方ばね部位6aの動きの緩衝の或る程度の結果となる。
【0057】
第2ばね6の外方部位6bが弁ハウジング2とパイロット弁座3との間に割り込まされている(wedged)ので、それはパイロットスライドストロークにおいて初期ストロークS3と最大ストロークS1との間で動かない。初期ストロークS3内の作業位置から最大ストロークS1への変換は緩衝無しで実現され、何故ならば、パイロット弁部位4が次に制限孔16とのその接触を止め、そして緩衝媒体が、流れ貫通孔6c及び制限孔16のみを介する代わりに、ソレノイド室Vsと第2部分パイロット室Vp2との間を制限無しで流れることが出来るからである。初期ストロークS3と大ストロークS1との間の動きの間の緩衝は、好ましくは要求されない。何故ならば、変換は急速に行なわれなければならないからである。
【0058】
初期ストロークの間には、パイロット弁部位4と第2ばね6の内方部位6aとはソレノイド室とパイロット室との間の圧力差により創出された力により一方が他方に対し押され、ている。この圧力差は、ソレノイド室圧力Psが負荷される第2ばねの内方部位6の面積が、パイロット圧力Psが負荷される直径D1を伴った有効な第1面積よりも小さい、直径D3を有しているという事実により創出されている。さらには、ソレノイド接極子(armature)棒孔13cは、直径D3よりも小さな直径D2を有している。この結果、初期ストロークS3の間にソレノイド接極子(armature)棒13aとパイロット弁部位4とが互いに離れることがない。構成要素は従って、良く釣り合いが取れている異なった寸法、ここではD3<d1<D1及びD2<d1<D1である、を有している弁座直径のお蔭で、互いに1つのユニットとして保持されている。第2ばねの内方部位6aは従って、弁部位4からの力の作用の下で、初期弁部位ストロークS3の間に、密封及び調整機能を有する。
【0059】
同時に、第2ばねの内方部位6aの形状が高いばね定数k2による制御状況を作り出し、また、発生している流れ力に関して正しい寸法で平等に流量を分配する。これは、橋状部6dの形状を変化させることにより、即ち、流れ貫通孔6cの面積を変えることにより、行なうことが可能である。さらには、流れ貫通孔5c,6cを介した緩衝媒体流れのさらなる制限/通路が、この通路における流れ貫通面積の適切な選択により創出される。
【0060】
パイロットスライド/弁部位4が最大ストロークまで移動された時、それは最終位置において肩17に対して横たわる。この位置において、フェイルセイフ(failsafe)モードが創出され、通路21が開かれ、そして何の電流もソレノイドに到達していない時でさえ及び主三角錐体9が主弁座11に対し支持され密封されている時、或る緩衝媒体流れが弁を通して流れることが出来ることを確実にしている。この解決はまた、オーリンズ(Ohlins)の特許明細書WO2006135319中に記載されている。フェイルセイフ(failsafe)と通常ストロークとの間の転換を加速する為に、第3弁部位ストロークS2が、圧力無しの状態で分離が許容されている第1弁部位4及び第2ばね6により、より緩衝がなくなるようにされている。初期第3ストロークS3の間における動きが孔16を介した緩衝媒体制限により過剰に緩衝されたならば、通常に生じている低い合計の(summated)作動力Fsがこの位置で開口に遅れて創出できる。
【0061】
圧力調整弁1の通常のストローク又は作業ストロークは、好ましくは初期ストロークS3により構成されている。ストロークS2は初期ストロークS3とフェイルセイフ(failsafe)モードとの間の移行であり、ここにおいてはパイロットスライド/弁部位4が肩17上に支持されている。第2ばね6の軸方向平坦性は従って非常に重要である。なぜならば、弁の非常に正確な機械加工許容誤差のお蔭で、それがストロークS3の為の良く規定された開始地点(starting point)を構成するからである。液圧用語においては、問題の開始地点は弁の最少圧力水準を構成している。この最少圧力水準は、閉鎖工程の間にストロークS3を徐々に減少させ、そして従ってソレノイド力F3を増大させることにより、流量/圧力を徐々に増大させるブリーダー(bleeder)様特性を規定し、そこでは弁が図3d〜3fに従っている閉鎖位置になるまで弁が操作する。この閉鎖位置においては、弁は今度は、力の範囲F2乃至F3の範囲内で、徐々に増大する流れ/開口圧力を伴い、純粋な圧力調整器の特徴を有するようになる。
【0062】
図3fにおいては、ソレノイド室Vsの境界決めの好適な実施形態が示されていて、ここにおいては境界決め部位が、弁ハウジング2に隣接してソレノイド接極子(armature)棒13aの周りに配置されているワッシャー18であり、その周りに比較的適切に小さな第3隙間cl3及び第2のより大きな隙間cl2を伴っている。
【0063】
この設計はまた、境界決め部位が自由に浮かぶことを許容し、そしてソレノイド接極子(armature)棒13aに力そして従って摩擦を負荷させない。2つの実施形態における差異は、この実施形態は大きな緩衝本体、この場合ではソレノイド接極子(armature)棒13a、を許容することである。このことは、孔16中における制限により達成された緩衝が緩衝本体13bにより達成された緩衝に追加されることを意味する。何故ならば、ソレノイド室Vsの全体が今度は圧力Ppで加圧されているからである。この実施形態のためには、改良された緩衝機能が従って得られ、それは大きな緩衝直径d2お蔭で非常に効率よく実現できる。
【0064】
ワッシャー18は、下方のスライド軸受14bの近傍で弁ハウジングの中間部位2bに対し支持されている。このことは、弁ハウジング2とワッシャー18との間の接触表面が、開口状態とは無関係に閉塞され密封されていなければならないことを意味している。ワッシャーは好ましくは、オイルが粘着力を伴い作用し、弁ハウジング2に対しワッシャー18を押圧する静的パイロット圧力Ppにより作動されるという事実のお蔭で、所定の位置に保持される。
【0065】
さらなる圧縮圧力がワッシャー18とソレノイド接極子(armature)本体13bとの間のばね19の構成、図3g参照、により創出されることが出来る。ばね19が、常にワッシャー18の本質的な重量よりも幾分大きい下方の力を伴い、そして、弁機能になにも影響を与えない低いばね定数を伴い、作用する。ばね19は、螺旋ばね19として,直線又は三角錐又は、上方に折り曲げられた腕を伴っているシム(shim)ばね/カップ(cup)ばねとして構成されている。もう1つの代わりは、実際のワッシャー18は密封及びばね機能の両方を有していて、従って、シム(shim)様特徴、好ましくは上方に折り曲げられた腕を伴っているシム(shim)の形状である、を有していることが出来る。
【0066】
図4a及び4bに従っているシム(shim)ばね5及び/又は6及び10bは、内方ばね部位5a,6a及び外方ばね部位5b,6bを有している薄い円形状のワッシャーの形状を有している。内方ばね部位5a,6aは外直径dsiを有しているということが出来、外方ばね部位5b,6bは外直径dsyを有しているということが出来る。2つの部位は流れ貫通孔5c,6cにより互いに実質的に離されているが、しかし少なくとも2つの場所において脚5d,6dにより互いに保持されていて、その結果として外方ばね部位5b,6b及び内方ばね部位5a,6aは互いに跳ねる(spring)ことが出来る。
【0067】
シム(shim)ばね5,6は厚さTを伴ったワッシャーから製造されていることが好ましく、厚さTはばねの内方及び外方直径d3,dsy,そして内方及び外方ばね部位5a,5b/6a,6bの間の空洞5c,6cが、中央緩衝孔16もまた同様に、ばね鋼板から容易にエッチングされることが出来るか、または打ち抜きされることが出来るよう十分に薄い。脚の数,脚の長さ,厚さT,そして脚の幅は変更させることが出来る。より大きな数のばね脚とともに、より薄いシム(shim)板を使用することが出来、同時に、ばね5,6は、より高いばね定数、より短いばね距離を獲得することにより、より小さな数のばね脚が使用された時よりもより非直線に,そしてよりコンパクトな装着になる。
【0068】
図4aはパイロット弁段階を制御する第2ばね6を示しており、そして図4bは弁の主段階において第1主弁ばねを付勢する第2主弁ばね10bを示している。
【0069】
図4bにおいては、第2主弁ばね10bが中央に配置されたスクリーン領域(screen area)を伴い示されている。スクリーン領域(screen area)は、この場合においては、第2主弁ばね10bの内方ばね部位の中心の周りに円状に、第2ばね6の中央空洞16から離れて配置されるよう、配置された幾つか、好ましくは2〜6、の孔20である。これらの孔は、孔9aを横切る圧力損失のお蔭で生じることが出来る主三角錐体4における入口孔9aからの力強い平行噴射を遮るよう、第2主弁ばね10の内方ばね部位中に配置されている。或る開口状況においては、圧力損失は十分に高く、緩衝媒体流量Q3,Q2が十分大きな力を伴ってあちこちに流れ、パイロット弁機能が損なわれるという結果になる。
【0070】
孔20を伴っているスクリーン領域(screen area)が入口孔9aからの力強い平行噴射を遮り第1主弁ばね10aを付勢している主段階の第2主弁ばね10aはまた、他の形式の適用、例えば柔らかい(pliable)ばねと組み合わされた硬い(stiff)ばねを有していてショックアブソーバ弁における移動可能な弁部位の位置を調整するばね構成を備えているショックアブソーバ弁において、使用されることが出来る。柔らかい(pliable)ばねはここにおいて2重の機能を有していて、正確な低いばね力を確実にするとともにストロークの異なった部位における異なったばね特徴に貢献する。
【0071】
この緩衝弁のさらなる利点及び区別する特徴は、パイロット流量Q2,Q3が、孔9a,6c,16及び20の面積を対応して小さくなるよう慎重に設計することにより低い水準に保たれることである。これは、或る程度までは主段階がパイロット段階の行動を真似るよう強制されるという事実のお蔭による組み込まれている弁構成要素の高度に安定した余裕(margin)及び小さな寸法を創出する。さらには、パイロットシステムの内側で均等に分散された流れが得られ、キャビテーション,渦巻き(swiring),そして自己誘導不安定(self-induced instability)を阻止する。
【0072】
この発明はまた、低い摩擦を伴った電気的に制御されたショックアブソーバ弁を含むことが出来、これは、汚れに対し敏感であり、ショックアブソーバの緩衝室間の緩衝媒体流れにおける圧力を決定することを意図されているソレノイドの形をした作動装置を備えている。これは、ソレノイド接極子(armature)棒の直径が緩衝ハウジング2に対し第1隙間cl1を有しており、緩衝ハウジング2が、液圧緩衝媒体流れがソレノイド室Vsを通って形成されるのに十分大きく、この緩衝媒体流れがソレノイド接極子(armature)棒13aの周りに配置されている境界を定める部位15,18により限定されている、という事実のお蔭で可能である。
【0073】
この発明は、例として上に示されている実施形態に限定されないが、以下の特許請求の範囲及び発明の概念の範囲内で変形させることが可能である。例えば、この発明は、ばねにより付勢されている一方向又は逆止弁の種々の型の如き、ショックアブソーバ弁の他の型においても使用されることが出来る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショックアブソーバ弁の為の圧力調整器(1)であって、圧力調整器は、相互間に調節可能な流量開口が創出されるよう弁ハウジング(2)中に配置されている軸方向に移動可能な第1弁部位(4)及び第1弁座(3)を備えていて、流量開口は緩衝媒体流量(q)を制限するよう構成され、その流量開口寸法(s)は第1弁部位(4)上の力の釣り合いで決定され、力の釣り合いは、作動力(F)とばね構成からの力(Fs)との合計から主に又は部分的に創出され、ばね構成は、第1ばね定数(K1)を有する第1ばね(5)及び第2ばね定数(K2)を有する第2ばね(6)を備えていて対抗保持圧力調整力(R)の作用に対抗して移動可能な弁部位(4)上に作用しており、
対抗保持圧力調整力(R)は第1及び第2ばね(5,6)の両方のばね特性により決定され、第1ばね(5)はストローク(S1)の間に作動力(F)と相互作用し、第2ばね(6)はばねの可能な軸方向変形能力に規定された限定された作動範囲を有していて、それによってそれは第2ばね(6)の限定された作動範囲により規定された弁座(3)に近い初期ストローク(S3)においてのみ作動力(F)と相互作用すると同時に第1ばね(5)と直列に作用する、
ことを特徴とする圧力調整器。
【請求項2】
第1弁部位(4)及び第2ばね(6)の少なくとも1つの部位は、互いに支持していて、第2ばね(6)がばね(6)上に何の力も作用しない場所であるその基礎位置に到達するまで初期ストロ−ク(S3)の間は1つのユニットとして縦並びで移動する、ことを特徴としている請求項1に記載の圧力調整器。
【請求項3】
第1ばね(5)は、第2ばね(6)のばね定数(K2)よりも遥かに低いばね定数(K1)を有している、ことを特徴としている請求項1又は2に記載の圧力調整器。
【請求項4】
第1及び/又は第2ばね(5,6)は、少なくとも2つの場所で弾性橋状部(5d,6d)に連結されている内方(5a,6a)及び外方ばね部位(5b,6b)を有しているワッシャーの形状を有していて、内方(5a,6a)及び外方ばね部位(5b,6b)は互いにはねることができるとともに互いに移動することが出来る、ことを特徴としている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の圧力調整器。
【請求項5】
初期ストロ−ク(S3)の間には、移動可能な第1弁部位(4)が第2ばね(6)の内方ばね部位(6a)を押した時に第2ばね(6)の内方ばね部位(6a)が外方ばね部位(6b)に対し移動し、同時に外方ばね部位(6b)は弁ハウジング(2)中に又は対して固定される、ことを特徴としている請求項4に記載の圧力調整器。
【請求項6】
第2ばねの内方ばね部位(6a)は、初期ストロ−ク(S3)の間に、第1弁部位(4)に対し支持されているとともに密封されている、ことを特徴としている請求項5に記載の圧力調整器。
【請求項7】
第2ばね(6)は内方及び外方ばね部位(6a,6b)の間の内部空間中に流量貫通孔(6d)を伴うよう構成されていて、その結果それは弁座(3)に向かう調節可能流量開口(S)を構成し、流量貫通孔(6d)内で緩衝媒体が流れた時に緩衝媒体流量(q)の制限が創出されることを通じて、初期ストロ−ク(S3)の間に第1弁部位(4)の動きの緩衝を生じさせる、ことを特徴としている請求項6に記載の圧力調整器。
【請求項8】
第2ばねの内方部位(6a)は、弁座(S)上に構成されている内方弁座縁(3b)の弁座直径(D1)よりも大きい外方直径(dsi)を有していて、その結果、内方弁座縁(3b)は第2ばねの内方部位(6a)を支持できる、ことを特徴としている請求項7に記載の圧力調整器。
【請求項9】
少なくとも1つの緩衝孔(16)が第2ばねの内方ばね部位(6a)中に配置されていて、初期ストロ−ク(S3)の間に第1弁部位(4)の動きのさらなる緩衝を生じさせる、ことを特徴としている請求項7又は8に記載の圧力調整器。
【請求項10】
圧力調整器は、ショックアブソーバ弁中の主弁を横切る主緩衝媒体の流量を決定するパイロット圧力(Pp)を調整する、ことを特徴としている請求項1乃至9のいずれか1項に記載の圧力調整器。
【請求項11】
前記主弁は、少なくとも第1主弁ばね(10a)及び圧力調整器により決定されたパイロット圧力(Pp)の作用に対抗して主弁座(11)に対し軸方向に移動するよう構成されている主円錐体(9)を備えている、ことを特徴とする請求項10に記載の圧力調整器。
【請求項1】
ショックアブソーバ弁の為の圧力調整器(1)であって、圧力調整器は、相互間に調節可能な流量開口が創出されるよう弁ハウジング(2)中に配置されている軸方向に移動可能な第1弁部位(4)及び第1弁座(3)を備えていて、流量開口は緩衝媒体流量(q)を制限するよう構成され、その流量開口寸法(s)は第1弁部位(4)上の力の釣り合いで決定され、力の釣り合いは、作動力(F)とばね構成からの力(Fs)との合計から主に又は部分的に創出され、ばね構成は、第1ばね定数(K1)を有する第1ばね(5)及び第2ばね定数(K2)を有する第2ばね(6)を備えていて対抗保持圧力調整力(R)の作用に対抗して移動可能な弁部位(4)上に作用しており、
対抗保持圧力調整力(R)は第1及び第2ばね(5,6)の両方のばね特性により決定され、第1ばね(5)はストローク(S1)の間に作動力(F)と相互作用し、第2ばね(6)はばねの可能な軸方向変形能力に規定された限定された作動範囲を有していて、それによってそれは第2ばね(6)の限定された作動範囲により規定された弁座(3)に近い初期ストローク(S3)においてのみ作動力(F)と相互作用すると同時に第1ばね(5)と直列に作用する、
ことを特徴とする圧力調整器。
【請求項2】
第1弁部位(4)及び第2ばね(6)の少なくとも1つの部位は、互いに支持していて、第2ばね(6)がばね(6)上に何の力も作用しない場所であるその基礎位置に到達するまで初期ストロ−ク(S3)の間は1つのユニットとして縦並びで移動する、ことを特徴としている請求項1に記載の圧力調整器。
【請求項3】
第1ばね(5)は、第2ばね(6)のばね定数(K2)よりも遥かに低いばね定数(K1)を有している、ことを特徴としている請求項1又は2に記載の圧力調整器。
【請求項4】
第1及び/又は第2ばね(5,6)は、少なくとも2つの場所で弾性橋状部(5d,6d)に連結されている内方(5a,6a)及び外方ばね部位(5b,6b)を有しているワッシャーの形状を有していて、内方(5a,6a)及び外方ばね部位(5b,6b)は互いにはねることができるとともに互いに移動することが出来る、ことを特徴としている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の圧力調整器。
【請求項5】
初期ストロ−ク(S3)の間には、移動可能な第1弁部位(4)が第2ばね(6)の内方ばね部位(6a)を押した時に第2ばね(6)の内方ばね部位(6a)が外方ばね部位(6b)に対し移動し、同時に外方ばね部位(6b)は弁ハウジング(2)中に又は対して固定される、ことを特徴としている請求項4に記載の圧力調整器。
【請求項6】
第2ばねの内方ばね部位(6a)は、初期ストロ−ク(S3)の間に、第1弁部位(4)に対し支持されているとともに密封されている、ことを特徴としている請求項5に記載の圧力調整器。
【請求項7】
第2ばね(6)は内方及び外方ばね部位(6a,6b)の間の内部空間中に流量貫通孔(6d)を伴うよう構成されていて、その結果それは弁座(3)に向かう調節可能流量開口(S)を構成し、流量貫通孔(6d)内で緩衝媒体が流れた時に緩衝媒体流量(q)の制限が創出されることを通じて、初期ストロ−ク(S3)の間に第1弁部位(4)の動きの緩衝を生じさせる、ことを特徴としている請求項6に記載の圧力調整器。
【請求項8】
第2ばねの内方部位(6a)は、弁座(S)上に構成されている内方弁座縁(3b)の弁座直径(D1)よりも大きい外方直径(dsi)を有していて、その結果、内方弁座縁(3b)は第2ばねの内方部位(6a)を支持できる、ことを特徴としている請求項7に記載の圧力調整器。
【請求項9】
少なくとも1つの緩衝孔(16)が第2ばねの内方ばね部位(6a)中に配置されていて、初期ストロ−ク(S3)の間に第1弁部位(4)の動きのさらなる緩衝を生じさせる、ことを特徴としている請求項7又は8に記載の圧力調整器。
【請求項10】
圧力調整器は、ショックアブソーバ弁中の主弁を横切る主緩衝媒体の流量を決定するパイロット圧力(Pp)を調整する、ことを特徴としている請求項1乃至9のいずれか1項に記載の圧力調整器。
【請求項11】
前記主弁は、少なくとも第1主弁ばね(10a)及び圧力調整器により決定されたパイロット圧力(Pp)の作用に対抗して主弁座(11)に対し軸方向に移動するよう構成されている主円錐体(9)を備えている、ことを特徴とする請求項10に記載の圧力調整器。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図3g】
【図4a】
【図4b】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図3g】
【図4a】
【図4b】
【公表番号】特表2011−525962(P2011−525962A)
【公表日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516210(P2011−516210)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【国際出願番号】PCT/SE2009/000319
【国際公開番号】WO2009/157841
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(509343149)オーリンス・レイシング・エービー (11)
【氏名又は名称原語表記】OEHLINS RACING AB
【住所又は居所原語表記】Box 722, 194 27 Upplands Vaesby, Sweden
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【国際出願番号】PCT/SE2009/000319
【国際公開番号】WO2009/157841
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(509343149)オーリンス・レイシング・エービー (11)
【氏名又は名称原語表記】OEHLINS RACING AB
【住所又は居所原語表記】Box 722, 194 27 Upplands Vaesby, Sweden
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]