説明

シリコンインゴットの製造方法、結晶屑の生成方法、板状体の製造方法、太陽電池または半導体デバイスの製造方法。

【課題】含有される金属の量が低減されたシリコンインゴットの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のシリコンインゴットの製造方法は、半導体を機械加工することにより発生する半導体屑12を含む固体粒子が混入された排水11をタンク10に貯留し、タンク10に酸性を示す物質を混入して、半導体屑12の表面に付着した金属イオン13を、半導体屑12から分離させ、金属イオン13を含む排水11と半導体屑12とを固液分離する。その後にタンク10に残留した半導体屑12を回収して溶融することで、金属を殆ど含まないインゴットが得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンインゴットの製造方法、結晶屑の生成方法、板状体の製造方法、太陽電池または半導体デバイスの製造方法に関し、特に、加工屑に混入された不純物である金属を除去した後に、再度溶融し、リサイクルする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環境に優しいエネルギー源として太陽電池があり、近年、この太陽電池を低価格化するための研究開発が盛んに行われている。太陽電池の原料としては、比較的安価なシリコンが最も一般的に用いられている。
【0003】
太陽電池の原料となるシリコンは、99.9999%以上(シックスナイン)の純度が要求される。LSI等の半導体装置が、イレブンナインの純度のシリコンから製造されることを考えると、太陽電池の原料となるシリコンに要求される純度のレベルは比較的低い。このことから、従来では、LSI等の半導体装置を製造したときに発生する規格外品が、太陽電池の材料として用いられていた。しかしながら、規格外品となるシリコンの量は少ないので、太陽電池の原料となるシリコンが充分に確保できない問題があった。
【0004】
一方、従来の半導体装置の製造工程に於いては、材料であるインゴットの8割程度が半導体屑として破棄され、LSI等の半導体装置となるのはインゴットの2割またはそれ以下である。この理由は、シリコンインゴットを機械加工してウェハを製造する工程や、ウェハを分割する工程等に於いて、インゴットが研削され、多量のシリコン屑が発生するからである。半導体を機械加工する工程では、加工に伴う発熱を抑制するために、純水等を半導体に吹き付けつつ機械加工が行われる。従って、半導体を機械加工する工程からは、半導体屑が混入された排水が大量に発生する。
【0005】
上記排水を濾過して固液分離を行う方法として、自己形成膜から成る第2のフィルタを用いる除去方法がある(下記特許文献1)。この除去方法によると、直径が1μm以下の半導体屑を第2のフィルタにより捕獲することができるので、極めて純度の高い濾過水が得られる。更に、この除去方法を長期間(例えば数ヶ月程度)連続して行うと、濾過を行うタンクの内部には、上記排水が例えば20000PPM以上に濃縮される。この高濃度の排水から半導体屑を効率的に回収して再利用する方法も提案されている(下記特許文献2)。
【特許文献1】特開2001−038152号公報
【特許文献2】特開2002−166297号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記方法により回収される半導体屑の純度が低いので、リサイクルが容易でない問題があった。
【0007】
その理由は、シリコンの機械加工は、鉄等の金属から成るダイシングブレードやピアノ線を用いて行われるからである。この機械加工を行うと、ダイシングブレードを構成する金属が微細片となって、加工屑に取り込まれ、排水に溶融する。
【0008】
よって、機械加工の際に発生する排水には、半導体屑と共に、鉄等の金属も混入されている。この金属はイオンの状態または粒状で排水に含まれている。結果として、上記除去方法を用いて排水の固液分離を行った後に得られる半導体屑は、金属が混入されている。このことから、上記した半導体屑を溶融してインゴット(半導体塊)としても、そのインゴットには金属が含まれるので、太陽電池の材料となるシリコンとしては適当ではない。ましては、このインゴットは半導体デバイスの材料としても適当ではない。
【0009】
半導体屑の純度を向上させるためには、半導体屑に混入されている金属を除去しなければならない。ところが、混入されている金属は、金属イオンの状態で半導体屑の表面に付着していたり、塊状で混入しているので、単なる膜濾過等の方法では半導体屑から金属を分離するのが困難であった。
【0010】
本発明は上記問題点を鑑みて成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、半導体を機械加工することにより発生する半導体屑が混入された流体から前記半導体屑を取りだし、前記半導体屑を溶融してシリコンインゴットを形成するシリコンインゴットの製造方法に於いて、前記流体に酸性を示す物質を混入して、前記半導体屑に付着した金属を、前記半導体屑から分離した後に、前記半導体屑を溶融することを特徴とする。
【0012】
更に本発明のシリコンインゴットの製造方法は、半導体を機械加工することにより発生する半導体屑が混入された流体をタンクに収納し、前記タンクに収納された前記流体に、酸性を示す物質を混入することにより、前記半導体屑に付着した金属を、前記半導体屑から分離し、前記流体を固液分離することにより、前記金属が分離された前記半導体屑を前記流体から取りだし、前記半導体屑を溶融させることを特徴とする。
【0013】
更に、本発明のシリコンインゴットの製造方法は、半導体を機械加工することにより発生する半導体屑が混入された流体を第1のタンクに収納し、前記第1のタンクに収納された前記流体を濾過することにより、前記第1のタンクに収納された前記流体を濃縮し、濃縮された前記流体を第2のタンクに導入し、前記第2のタンクに収納された前記流体に、酸性を示す物質を添加して、前記半導体屑に付着した金属を、前記半導体屑から分離し、前記流体を固液分離することにより、前記金属が分離された前記半導体屑を前記第2のタンクから取りだし、前記半導体屑を溶融させることを特徴とする。
【0014】
本発明の結晶屑の生成方法は、機械加工によって生成されるSiからなる結晶屑を用意し、前記結晶屑と一緒に混入している金属に、前記金属をイオン化させる溶液を接触させて前記金属をイオン化させ、前記溶液に浸漬している濾膜の濾孔を介して前記イオン化された金属を取り出し、前記金属の取り除かれた結晶屑を再利用することを特徴とする。
【0015】
本発明の板状体の製造方法は、機械加工によって生成されるSiからなる単結晶または多結晶から成る結晶屑を用意し、記結晶屑と一緒に混入している金属に、前記金属をイオン化させる溶液を接触させて前記金属をイオン化させ、前記溶液に浸漬している濾膜の濾孔を介して前記イオン化された金属を取り出し、前記金属の取り除かれた結晶屑を再溶融してインゴットにし、前記インゴットを板状に加工することを特徴とする。
【0016】
本発明の太陽電池または半導体デバイスの製造方法は、多結晶または単結晶のインゴットを板状体に機械加工した後に、前記板状体を半導体処理して太陽電池または半導体デバイスに製造し、前記機械加工時に発生した加工屑を収集し、前記機械加工時から前記収集までの間において前記加工屑に混入した金属を、化学的溶液によりイオン化させ、前記溶液に浸漬している濾膜の濾孔を介して前記イオン化された金属を取り出し、前記金属の取り除かれた加工屑を再溶融してインゴットにし、前記インゴットを板状体に機械加工した後に、前記板状体を半導体処理して太陽電池または半導体デバイスを製造することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、金属を溶融してイオン化させるもの、例えば酸性を示す物質を流体に混入させることにより、不純物である金属を半導体屑から除去することができるので、純度の高いシリコンインゴットを得ることができる。従って、半導体屑を、容易に太陽電池や半導体ウェハとして再利用することができる。
【0018】
更に、本発明では、半導体屑を溶融する前に、半導体屑から不純物である金属を除去することから、金属粉を除去するために半導体を再び溶融させる必要がないので、シリコンインゴットの製造に係る費用を安くすることができる。
【0019】
特に、インゴット加工から発生する加工屑は、金属粉や金属イオンを除けば、実質そのまま溶かして再度インゴットにできる。近年、温暖化防止のために益々電力の削減がうたわれる中、Siの原石から高純度のSiにするまでには、膨大なエネルギーを使っている。この加工屑は、このSiの原石から高純度のSiそして板状体にする工程の途中から投入することができ、使用エネルギーの削減が可能となる。ましてや、この削減されたエネルギーで加工された板状体が太陽電池と成れば、温暖化の原因である二酸化炭素を発生しない電力源が誕生するわけであり、まさに将来の地球を考え、やさしい地球を我々子供たちに手渡しできる技術になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に図を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
本発明は、太陽電池用の単結晶または多結晶のSiインゴット、半導体デバイス用のSiインゴット、更にはSiCからなるインゴット、化合物半導体からなるインゴット等の再利用に適用できる技術である。これらのインゴットを機械加工する工程では、半導体屑が混入された排水が排出されるが、この排水には金属からなる微粉(不純物)が混入されたり、金属イオンが付着したりする。本発明は、この不純物である金属を取り除き、再度インゴットに再利用するものである。
【0022】
<第1実施の形態>
図1および図2を参照して、本形態の概略を説明する。図1は、半導体を機械加工する工程から、半導体加工屑をシリコンインゴットとして再利用するまでの流れを示すフローチャートである。図2は半導体加工屑である固体粒子の状態を示す図である。ここでは、代表例として、単結晶のSiインゴットを掲げるが、他のものも実質同一である。
【0023】
図1を参照して、半導体装置を製造する工程は、単結晶のシリコンインゴットを形成する工程(ステップS11)と、シリコンインゴットを切り出す工程(ステップS12)と、方位マークを加工する工程(ステップS13)と、インゴットをウェハにスライスする工程(ステップS14)と、ウェハの表面に電気回路を構成する前工程(ステップS15)と、ウェハをダイシングして多数の半導体素子(太陽電池素子も含む)を得る工程(ステップS16)と、各半導体素子をパッケージする後工程(ステップS17)とから成る。
【0024】
上記工程の中でも、特にステップS12、S13、S14から多結晶または単結晶の半導体屑が大量に発生する。
【0025】
ステップS12では、例えば長さが2mで直径が200mm程度のインゴットが加工される。シリコンインゴットは、溶融したSiが入ったルツボから結晶が引き上げられたもので、中央がほぼ円柱状で両端がつぼんだ形状と成っている。本工程では、インゴットの両端部が切り落とされ、更に、インゴットの径を所定の長さにするために、インゴットを回転させつつ外周部が研削されて、円柱にされる。またウェハ(板状体)が矩形の板状に加工される場合は、回転ではなく、単に四角柱の外側に相当する部分が後述するスライスにより切り落とされる。
【0026】
ステップS13は、特に円形状のウェハで、結晶面方位を表示するためにインゴットの一部を除去してオリエンテーション・フラットやノッチが形成される。
【0027】
ステップS14では、円柱または四角柱のインゴットをウェハにスライスする。スライスを行う方法としては、ブレードソーまたはピアノ線を用いた分離方法がある。また、ステップS14の後に、各ウェハの表面は機械研磨(ラッピング)されて鏡面平坦化される。
【0028】
前述したインゴットは、不純物が導入されていない真性半導体でも良いし、ボロンまたはリン等の不純物が導入された不純物半導体でも良い。
【0029】
ここで、上記ステップから排出される排水に関して説明する。上記ステップS12、S13、S14では、温度上昇の抑制等を目的として、インゴットやウェハに水を吹き付けながら機械加工が行われる。従って、これらの工程からは、半導体であればイレブンナイン、太陽電池であればシックスナインの純度の半導体加工屑が含まれる排水が大量に発生する。また、これらのステップでは、加工治具であるダイシングブレードやピアノ線を構成する金属が微粉として取り込まれたり、排水に若干溶出してしまう。更に、機械加工の工程にて用いられる冷却水自体に、金属イオンが混入している場合も考えられる。従って、上記ステップから排出される排水には、半導体屑と金属とが混入されている。
【0030】
続いて、図1に示すステップS20〜S23は、上記したステップS12〜S14にて排出された排水に含まれる半導体屑をシリコンインゴットとして再利用する為のステップである。
【0031】
具体的には、ステップS20では半導体屑の表面に付着した金属を分離させている。ステップS21では、フィルタプレス等を用いて固体粒子(半導体屑)を排水から回収する。ステップS22では、回収した固体粒子を溶融してシリコンインゴットを得る。更に、ステップS23では、溶融されたシリコンインゴットを例えば半導体デバイスや太陽電池として再利用する。
【0032】
別の方法としては、図示しないが、ステップS12、S13または/およびS14で生成された排水が、濾過装置により高濃度に濃縮され、濃縮されたSi排水をフィルタプレス等で固液分離し、ケーキになった加工屑が一旦袋等に入れられる。そして溶融炉を稼動させるに十分な量が確保されたら、再度水を使って所定の濃度にし、その後で、S20の金属分離を行っても良い。
【0033】
図2を参照して、金属を分離するステップS20の詳細を説明する。
【0034】
図2(A)、図2(B)および図2(C)は上記した排水(流体)がタンク10に収納された状態を示す図である。
【0035】
図2(A)を参照して、上記したステップS12〜S14にて発生した排水11は、タンク10に収納されている。また、上記したように、排水11には、半導体屑12と共に金属微粉も含まれ、更に半導体屑12の表面に金属イオン13が付着している。半導体屑12の粒径は、例えば0.1μm〜50μmの範囲である。
【0036】
この排水から加工屑、つまりここではSiからなる切削屑を、タンク10の内部に留め、それ以外の金属屑や金属イオンは、取り除く必要がある。本発明は、金属イオンがフィルタ(濾膜)の濾孔を通じて外部へ抜けることに着目した。
【0037】
つまり本形態では、以下に示すように排水11を酸性にすることにより、半導体屑12を洗浄して、金属微粉を金属イオンにし、半導体屑12と金属イオン13とを分離している。
【0038】
ここで、半導体屑12に付着する金属としては、例えばFe、Cu、Ni、Zn、Cr、Al、Na、Ca、K等が考えられる。これらの金属微粉は、そのサイズが0.1μm〜50μmと極めて小さい為、Siと固着してなかなか取り除けず、更に金属イオン13は、半導体屑12の表面と化学的に付着するため、両者の分離が困難である。
【0039】
図2(B)を参照して、本形態では、排水11に塩酸を加えることにより排水を酸性にして、半導体屑12と金属イオン13とを分離している。
【0040】
ここのポイントは、半導体屑と金属の溶融性、エッチング性に選択性を持ち、半導体屑は、殆ど溶けないで存在するが、金属は溶けてイオン化される化学溶液を用いることである。この化学溶液としては、例えば酸性を示す塩酸等が採用される。
【0041】
例えば排水11のPHが1〜2程度の強酸を示すまで、排水11に塩酸を加える。ここで、塩酸以外の他の酸性を示す物質を用いることもできる。例えば、酢酸やクエン酸等の他の物質が用いられても良い。
【0042】
塩酸を流体に添加すると、半導体屑12と金属イオン13との結合力が弱くなり、金属イオン13は半導体屑12から分離される。更に金属微粉も溶けて、金属イオンに成る。また、これらの現象を促進させるために、タンク10の内部に於いて排水11を攪拌してもよい。このことにより、半導体屑12を洗浄する効果が大きくなり、殆どの金属が溶融される。更に、殆どの金属イオン13が半導体屑12から分離される。
【0043】
図2(C)を参照して、次に、タンク10内部に設置した濾過装置14を用いて、金属イオン13が含まれた排水11を外部に取りだして固液分離する。具体的には、濾過膜を具備する濾過装置14を、タンク10に収納された排水11に浸漬し、不図示のポンプにて吸引することにより、濾過水15をタンク10の外部に取り出す。濾過装置14は、金属イオン13は透過させるが、半導体屑12は透過させない。従って、殆どの金属粉、金属イオン13は、濾過水と共にタンク10の外部に放出され、半導体屑12はタンク10の内部に残留する。
【0044】
ここで、金属粉、金属イオンが1度で除去されない場合は、この濾過され外部に放出された流体を再度タンク10に戻して、再び塩酸を用いた洗浄を行っても良い。
【0045】
続いて、濾過装置14を用いた濾過の進行に伴い、タンク10の内部に純水を供給する。純水の供給方法は次の通りでよい。
【0046】
先ず、タンク10に収納された排水11の殆どを濾過装置14にて外部に放出した後に、タンク10に純水を供給する。そして、再び濾過装置14による濾過を行う。以上の作業を繰り返すことにより、排水11に含まれる殆どの金属イオン13を純水に取り込み、半導体屑12から分離して、濾過水15と共に外部に放出することができる。
【0047】
濾過装置14から取り出される濾過水15は、上記したようにPHが1〜2程度の強酸である。従って、濾過水15は、NaOH等のアルカリ性の物質を添加して中和処理を行った後に、河川等に放流される。また、濾過水15を放流する前に、上記中和処理により発生する中和塩を取り除いても良い。
【0048】
上記工程により、半導体屑12に付着した金属粉、金属イオン13が除去された後は、フィルタプレス等を用いて半導体屑12が回収され(ステップS21)、ある程度の量が確保されたら、炉に入れて溶融され、通常の引き上げ法等を利用してシリコンインゴットとされる(ステップS22)。
【0049】
このシリコンインゴットは、太陽電池の製造工程で生成されたものは太陽電池に、半導体ウェハへの機械加工で生成されたものは半導体装置として再利用できる(ステップS23)。また、SiCからなる半導体ウェハへの機械加工、化合物半導体ウェハへの機械加工で発生した屑を用いた場合は、それぞれSiCのインゴット、化合物のインゴットに再利用される。
【0050】
上記した本形態により、半導体屑12に付着している金属粉、金属イオン13が除去されるので、純度の高いインゴットを得ることができる。
【0051】
ここで、半導体屑12を溶融することにより得られるシリコンインゴットには酸素が含まれるので、その純度は95%程度である。従って、含まれる酸素を除去するために再びシリコンインゴットを溶融して純度を向上させ、太陽電池や半導体ウェハとして再利用する。
【0052】
太陽電池として再利用される場合は、結晶系シリコン太陽電池または非結晶系(アモルファモスシリコン)太陽電池として用いられる。結晶系シリコン太陽電池とは、単結晶シリコンまたは多結晶シリコン(ポリシリコン)基板(板状体)を用いた太陽電池である。アモルファモスシリコン太陽電池は、ガラス等の基板の表面に薄膜状のアモルファモスシリコンを成長させる太陽電池が主流であるが、アモルファス基板として太陽電池を形成しても良い。
【0053】
半導体ウェハとして再利用される場合は、シリコンインゴットの純度をイレブンナインまで向上した後に、単結晶のシリコンインゴットをスライスして半導体ウェハを切り出す。次に、拡散工程により半導体ウェハの表面にPN接合を形成し、電気回路を構成した後に、半導体ウェハをダイシングして半導体素子(半導体デバイス)を得る。次に、樹脂モールド等を行う後工程を経て、半導体素子をパッケージ化した半導体装置が製造される。
【0054】
<第2の実施の形態>
本形態では図3を参照して、半導体屑に付着した金属粉、金属イオンを分離する装置として利用可能な濾過装置20を説明する。図3(A)は濾過装置20の構成を示す図であり、図3(B)は排水22に浸漬されるフィルタ24の断面図である。
【0055】
図3(A)を参照して、濾過装置20は、タンク21に収納された排水22にフィルタ24が浸漬され、フィルタ24の下方に散気管25が設けられた構成となっている。タンク21の周囲には、排水22の輸送を行う多数のパイプが設けられている。
【0056】
図3(B)を参照して、濾過装置20に設けられるフィルタ24の構成を説明する。フィルタ24は、前述したイオン化に用いられる薬品に対して耐性を持つ材料であれはよく、ここでは高分子膜等から成る第1のフィルタ膜28を用いたが、セラミックでも良い。
【0057】
本形態では、自己形成膜である第2のフィルタ29を具備するフィルタ24が採用されているが、通常の濾過膜を具備するフィルタ装置が採用されても良い。
【0058】
第1のフィルタ膜28は対向して配置され、この第1のフィルタ膜28によりフィルタ24の内部の空間が密閉されている。第1のフィルタ膜28としては、濾過のための微細な孔が多数個設けられる。
【0059】
第2のフィルタ膜29は、半導体屑等の被除去物が第1のフィルタ28の表面に堆積することにより形成される。第2のフィルタ膜29は、非常に緻密な膜であるので、粒径が0.1μm程度の半導体屑等を捕獲することができる。ここで自己形成膜である第2のフィルタが形成されなくても良いが、この自己形成膜があると、フィルタの目詰まりが抑止できるメリットを有する。
【0060】
上記した濾過装置20の動作を説明する。本形態では、第2のフィルタ29を形成し(ステップS31)、タンク21に収納された排水22を濾過して濃縮し(ステップS32)、排水22に含まれる半導体屑から金属を分離し(ステップS33)、半導体屑を回収する(ステップS34)。これらの各工程を以下にて詳述する。
【0061】
(ステップS31)
先ず、半導体を機械加工する工程等から発生する排水22は、パイプ23Aからタンク21に導入される。この排水22には、例えば300PPM程度の濃度で半導体屑が含まれている。更に、上記したように、排水22には半導体屑の他にも金属粉、金属イオンが含まれている。
【0062】
排水22がタンク21に収納されると、先ず、排水22を循環させて、フィルタ装置24の第1のフィルタ28の表面に、第2のフィルタ29を形成する。具体的には、フィルタ24で濾過した排水22を、パイプ23B、23Dを介して循環させる。この循環を進行させると、第1のフィルタ膜28の表面には、半導体屑が堆積して第2のフィルタ膜29が形成される。第2のフィルタ29が充分に形成されると、微細な半導体屑まで第2のフィルタ29に捕獲されるようになり、半導体屑を殆ど含まない清純な濾過水がフィルタ24から得られるようになる。尚、排水22の循環は、パイプ23Bの途中に設けられたポンプPで行われる。
【0063】
(ステップS32)
第2のフィルタ29が形成されたら、切り替えバルブVを切り替えて、フィルタ24から得られた濾過水は、パイプ23Bおよびパイプ23Cを介して外部に放出される。パイプ23Cから得られる濾過水は、半導体屑等を殆ど含まない。また、パイプ23Aからは新たな排水22がタンク21の内部に導入される。
【0064】
フィルタ24による濾過を行っている間は、ポンプ26が稼働して散気管25から気泡が発生している。この気泡がフィルタ24の近傍を通過することにより、第2のフィルタ29に外力が与えられ、第2のフィルタ29の濾過能力が維持される。即ち、散気管25から発生する気泡の外力により、第2のフィルタ29の最表面が除去されることで、第2のフィルタ29がリフレッシュされて目詰まりが抑制される。上記濾過を長期間行うと、タンク21に収納された排水22に含まれる半導体屑の濃度は、例えば20000PPM〜50000PPM程度、またはそれ以上の高濃度になる。
【0065】
(ステップS33)
次に、金属粉、金属イオンを半導体屑から分離するために、タンク21に塩酸または塩酸水を投入する。ここでは、排水22のPHが1〜2になるまで、塩酸をタンク21に投入する。塩酸の投入は、タンク21内部の排水22のPHをモニタリングしつつ行っても良い。
【0066】
また、塩酸を投入した後に、フィルタ24による濾過を行い、濾過された排水22を循環させても良い。即ち、切り替えバルブVを切り替えて、フィルタ24を通過した濾過水が、パイプ23B、23Dを通過して、タンク21に戻るようにしても良い。このようにすることで、排水22を攪拌する効果が得られ、半導体屑と金属粉、または半導体屑と金属イオンとの分離が促進される。更に、攪拌を行うことにより、金属粉の溶融も促進される。更にまた、塩酸をタンク21に投入した後に、散気管25から気泡を発生させることでも、排水22が攪拌される効果を得ることもできる。
【0067】
更には、攪拌機等を用いて、タンク21内部の排水22を攪拌し、半導体屑と金属イオンとの分離を促進させても良い。更に、本ステップにより、粒状の金属が溶融されて金属イオンとなる。
【0068】
半導体屑と金属イオンとが分離した後は、フィルタ24を透過した濾過液をタンク21の外部に放出する。半導体屑から分離した金属は、イオンとなり、濾過液と共に外部に放出される。一方、半導体屑はフィルタ24を透過しないので、タンク21の内部に残留する。
【0069】
上記工程により金属イオンを含む濾過水を外部に放出した後に、外部からタンク21内部に純水を供給して、フィルタ24による濾過を再び行っても良い。この作業を繰り返すことにより、半導体屑等に付着した大部分の金属イオンを、濾過水と共に外部に放出することができる。更には、フィルタ24による濾過を行いつつ、タンク21に徐々に純水を供給しても良い。
【0070】
(ステップS34)
次に、上記ステップにより金属が除去された半導体屑を回収する。具体的には、例えば20000PPM〜50000PPM程度に濃縮された排水22をパイプ23Eを介して、フィルタプレス27に移送する。
【0071】
次に、フィルタプレス27にて排水22を脱水することにより、半固形状(ケーキ状態)の半導体屑等が得られる。半固形状の半導体屑等は、そのまま、または乾燥して炉に投入し、溶融することによりインゴットとされる。このシリコンインゴットは、太陽電池またはトランジスタ等の半導体装置として利用可能である。
【0072】
上記した金属イオンの除去は、フィルタプレス27にて行うことも可能である。即ち、塩酸が加えられて酸性とされた排水22をフィルタプレス27に移送し、フィルタプレス27に純水を供給することで、半導体屑等を洗浄し、金属イオンを除去することができる。
【0073】
本形態によると、自己形成膜である第2のフィルタ29を用いているので、タンク21内部にて高濃度に半導体屑等を濃縮した後に、半導体屑を洗浄して金属を除去することができる。従って、効率的に高純度の半導体屑を得ることができる。
【0074】
<第3の実施の形態>
本形態では、図4を参照して、半導体屑を洗浄する装置として利用可能な他の濾過装置を説明する。本形態の濾過装置の構成は、基本的には上記した第2の実施の形態と同様であるので、相違点を中心に説明する。
【0075】
本形態では、濾過装置20と濾過装置30により、半導体屑を洗浄する装置が構成されている。濾過装置20は、半導体加工工程から発生する排水を濾過処理する機能を有する。それに対して、濾過装置30は、濾過装置20により得られた排水に含まれる半導体屑を洗浄して、半導体屑と金属イオンとを分離する機能を有する。濾過装置20と濾過装置30とは、パイプ23Eにより接続され、濾過装置20にて濃縮された排水22がパイプ23Eを介して濾過装置30に移送される。
【0076】
濾過装置20と濾過装置30との構成は基本的には同様である。濾過装置30は、濾過装置20と同様に、タンク31、フィルタ34、散気管35、ポンプ36、パイプ等を具備する。
【0077】
濾過装置20と濾過装置30との相違点は、タンクのサイズが異なる点にある。濾過装置20が具備するタンク21よりも、濾過装置30が具備するタンク31の方が小さい。濾過装置20では、連続して稼働する半導体工場から排出される排水を処理しなければならないので、大きな容量のタンク21が必要とされる。一方、濾過装置30では、濾過装置20にて濃縮された排水に含まれる半導体屑の洗浄を行うので、タンク31は小さくて良い。例えばタンク21の容量は200mであり、タンク31の容量は20mである。
【0078】
更に、濾過装置20のタンク21の内部には、例えば200個程度のフィルタ24が設けられる。また、濾過装置30のタンク31の内部には、例えば20個程度のフィルタ34が設けられる。濾過装置30では、半導体屑から金属イオンを分離するために濾過を行うので大きな濾過能力は要求されない。従って、濾過装置30に設けられるフィルタ34の個数は、濾過装置20よりも少なくて良い。
【0079】
上記のように構成された濾過装置20および濾過装置30の動作を以下に説明する。
【0080】
先ず、濾過装置20では、半導体製造工程にて発生する排水の濾過が行われる。具体的には、半導体屑を含む排水22が、パイプ23Aを介してタンク21に導入される。そして、フィルタ24により排水22が濾過され、濾過水はパイプ23Cから外部に放出される。また、フィルタ24による濾過の進行に伴い、タンク21内部の排水22は濃縮される。タンク21内部に於いて、排水22に含まれる半導体屑の濃度が例えば20000PPM程度に成ったら、パイプ23Eを介して、排水22の一部を濾過装置30のタンク31に移送する。本形態でも、第2のフィルタを具備するフィルタ24、34により濾過が行われる。
【0081】
濾過装置30では、排水22に塩酸を添加して、排水22に含まれる半導体屑から金属イオンを分離する。更に、半導体屑に混入された粒状の金属粉は溶融されて金属イオンとなり、半導体屑から分離される。塩酸が加えられることにより、タンク31に収納された排水22のPHは1〜2となり、金属イオンは半導体屑の表面から分離される。フィルタ34により濾過を行うことで、分離された金属イオンが濾過水と共に、パイプ33B、33Cを介して外部に放出される。半導体屑はフィルタ34を通過しないので、タンク31の内部に残留する。濾過装置30による半導体屑等の洗浄に関する詳細は、上述した第2の実施の形態と同様である。
【0082】
更に、濾過装置30により濾過を行うことにより、タンク31内部に於いて、排水22を更に濃縮することができる。例えば、タンク31内部に於いて、排水22に含まれる半導体屑の濃度を、50000PPM程度以上にしても良い。このことにより、半導体屑を回収する効率を向上させることができる。
【0083】
金属イオンが分離された排水22は、パイプ33Eを介してフィルタプレス27に送られる。フィルタプレス27にて脱水処理することにより、半固形状の半導体屑が得られる。この半固形状の半導体屑を溶融して、高純度のシリコンインゴットが得られ再利用される。
【0084】
本形態によれば、濾過装置20を稼働させつつ半導体屑の洗浄を行うことが可能となる。具体的には、半導体工場から排出される排水の濾過を行う濾過装置20と、半導体屑を洗浄して金属を分離させる濾過装置30とを個別に設けている。従って、半導体屑を洗浄するために濾過装置20をストップさせる必要がない。
【0085】
更に本形態によれば、濾過装置20のメンテナンスにかかる費用を安くすることができる。具体的には、半導体屑から金属イオンを分離させるために本形態では、排水22のPHを1〜2程度の強酸にしている。従って、このような強酸の排水22にフィルタ34が浸漬されるので、フィルタ34が早期に劣化してしまう恐れがある。濾過装置30のタンク31に設けられているフィルタ34の個数は、濾過装置20よりも少ない。従って、フィルタ34が劣化しても、数十個程度のフィルタ34を交換するのみで、対応することができるので、メンテナンスに係る費用を安くすることができる。
【0086】
以上、高純度の塊を大量の電力で形成し、これを機械加工して板状体にする場合、大量の加工屑が発生する。しかし、この加工屑には金属が含まれるので、再利用が困難であるが、本発明により再利用が可能となった。よって、本発明は、将来の地球のことを考えた優しい技術である。特に、半導体屑が太陽電池として生まれ変わることにより、現在の石油に頼った発電を減らせ、環境保護の上でも有用な技術である。
【0087】
上記した本形態では、半導体屑を例に説明したが、半導体屑に替えて他の物質を採用可能である。例えば、アルミナ、フェライト、ジルコニア、セラミック、シリコンカーバイト、ガラス、グラファイト、窒化アルミニウム、酸化セリウム(研磨剤として使われる粉体)、窒化ボロン(放熱フィンに用いられる良熱伝導体)、ガリウムナイトライド(ブルーレーザー等の結晶体として使われる)、サファイア、フッ化カルシウム(半導体の露光マスクに使用される)、カーボンナノチューブ、ダイヤモンドライクカーボン(研磨剤として用いられる)等を半導体屑の替わりに採用可能である。
【0088】
更に本発明は、金属体から不純物を除去する場合にも適用することができる。ここで、金属体とは、例えばFe、Cu、Ni、Zn、Cr、Al、Na、Ca、K等である。この場合は、再利用等を目的に回収される金属体を溶融せずに、不純物を溶融させ、イオン化した不純物を金属体から分離させる化学薬品が用いられる。
【0089】
更にまた、本発明は、粉体から不純物を除去する必要がある様々な分野に適用可能である。例えば、原材料を切削加工する工程、半導体基板等の板状体を切り出す工程、物体を鏡面加工する工程、レンズ加工を行う工程等から発生する加工屑には不純物が混入されている。本発明を用いる事により、加工屑と不純物とを分離して、不純物が除去された加工屑を回収し、再利用することもできる。
【0090】
また、ナノテクノロジーの分野では、例えば、粉体の材料(カーボン)からカーボンナノチューブ等が製造される。従って、本発明を用いて粉状のカーボンから不純物を除去した後に、カーボンナノチューブを製造することで、品質に優れたカーボンナノチューブが製造される。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施の形態を示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施の形態を示す図であり、(A)−(C)は半導体屑と金属イオンとの関係を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態を示す図であり、(A)は濾過装置の構成を示す図であり、(B)はフィルタの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る濾過装置を示す図である。
【符号の説明】
【0092】
10 タンク
11 排水
12 半導体屑
13 金属イオン
14 濾過装置
15 濾過水
20 濾過装置
21 タンク
22 排水
23A〜23E パイプ
24 フィルタ
25 散気管
26 ポンプ
27 フィルタプレス
28 第1のフィルタ膜
29 第2のフィルタ膜
30 濾過装置
31 タンク
33A〜33E パイプ
34 フィルタ
35 散気管
36 ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体を機械加工することにより発生する半導体屑が混入された流体から前記半導体屑を取りだし、前記半導体屑を溶融してシリコンインゴットを形成するシリコンインゴットの製造方法に於いて、
前記流体に酸性を示す物質を混入して、前記半導体屑に付着した金属を、前記半導体屑から分離した後に、前記半導体屑を溶融することを特徴とするシリコンインゴットの製造方法。
【請求項2】
半導体を機械加工することにより発生する半導体屑が混入された流体をタンクに収納し、
前記タンクに収納された前記流体に、酸性を示す物質を混入することにより、前記半導体屑に付着した金属を、前記半導体屑から分離し、
前記流体を固液分離することにより、前記金属が分離された前記半導体屑を前記流体から取りだし、
前記半導体屑を溶融させることを特徴とするシリコンインゴットの製造方法。
【請求項3】
前記流体のPHを1から2の間にすることを特徴とする請求項1または請求項2記載のシリコンインゴットの製造方法。
【請求項4】
前記金属はイオンの状態で前記半導体屑に付着していることを特徴とする請求項1または請求項2記載のシリコンインゴットの製造方法。
【請求項5】
前記インゴットは、太陽電池または半導体ウェハとして再利用されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のシリコンインゴットの製造方法。
【請求項6】
前記半導体屑を再び溶融することにより含有される酸素を除去した後に再利用することを特徴とする請求項1または請求項2記載のシリコンインゴットの製造方法。
【請求項7】
半導体を機械加工することにより発生する半導体屑が混入された流体を第1のタンクに収納し、
前記第1のタンクに収納された前記流体を濾過することにより、前記第1のタンクに収納された前記流体を濃縮し、
濃縮された前記流体を第2のタンクに導入し、
前記第2のタンクに収納された前記流体に、酸性を示す物質を添加して、前記半導体屑に付着した金属を、前記半導体屑から分離し、
前記流体を固液分離することにより、前記金属が分離された前記半導体屑を前記第2のタンクから取りだし、
前記半導体屑を溶融させることを特徴とするシリコンインゴットの製造方法。
【請求項8】
前記インゴットは、太陽電池または半導体ウェハとして再利用されることを特徴とする請求項7記載のシリコンインゴットの製造方法。
【請求項9】
前記半導体屑を再び溶融することにより含有される酸素を除去した後に再利用することを特徴とする請求項7記載のシリコンインゴットの製造方法。
【請求項10】
機械加工によって生成されるシリコンからなる結晶屑を用意し、
前記結晶屑と一緒に混入している金属に、前記金属をイオン化させる溶液を接触させて前記金属をイオン化させ、
前記溶液に浸漬している濾膜の濾孔を介して前記イオン化された金属を取り出し、
前記金属の取り除かれた結晶屑を再利用することを特徴とした結晶屑の生成方法。
【請求項11】
機械加工によって生成されるシリコンからなる単結晶または多結晶から成る結晶屑を用意し、
前記結晶屑と一緒に混入している金属に、前記金属をイオン化させる溶液を接触させて前記金属をイオン化させ、
前記溶液に浸漬している濾膜の濾孔を介して前記イオン化された金属を取り出し、
前記金属の取り除かれた結晶屑を再溶融してインゴットにし、
前記インゴットを板状に加工することを特徴とした単結晶または多結晶の板状体の製造方法。
【請求項12】
多結晶または単結晶のインゴットを板状体に機械加工した後に、前記板状体を半導体処理して太陽電池または半導体デバイスに製造し、
前記機械加工時に発生した加工屑を収集し、
前記機械加工時から前記収集までの間において前記加工屑に混入した金属を、化学的溶液によりイオン化させ、
前記溶液に浸漬している濾膜の濾孔を介して前記イオン化された金属を取り出し、
前記金属の取り除かれた加工屑を再溶融してインゴットにし、
前記インゴットを板状体に機械加工した後に、前記板状体を半導体処理して太陽電池または半導体デバイスを製造することを特徴とした太陽電池または半導体デバイスの製造方法。
【請求項13】
前記機械加工時に於いて、前記インゴットの機械加工部に、水を主とする流体が供給され、
前記加工屑の混入された流体を固液分離し、
前記固液分離した加工屑の中から、前記金属を取り出すことを特徴とした請求項12に記載の太陽電池または半導体デバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−91563(P2007−91563A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−286815(P2005−286815)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】