説明

ジュロリジン単位を持つカチオン性アゾ染料、これらを含有する染色組成物、染色方法

【課題】ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトケラチン繊維用の直接染料として使用できる、ジュロリジン単位を含むカチオン性アゾ化合物を提供する。
【解決手段】本出願は、ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維、例えば毛髪を染色するための、ジュロリジン単位を有するカチオン性アゾ化合物の直接染料としての使用に関する。本出願はさらに、適切な染色媒体中にジュロリジン単位を有する少なくとも一つのカチオン性直接アゾ染料を含む、ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維、例えば毛髪を染色するための染色組成物に関する。本出願はさらに、本発明による染色組成物を使用する、ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維、例えば毛髪の染色方法に関する。本出願はさらにジュロリジン単位を有する特定のカチオン性アゾ化合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトケラチン繊維を染色するための、直接染料としての、ジュロリジン単位を含むカチオン性アゾ化合物の使用、これら特定のアゾ化合物を含む染色組成物、これらを使用した該繊維の染色方法、区画を含むキット及びジュロリジン単位を含む新規なカチオン性アゾ化合物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ケラチン繊維及び特にヒトの毛髪を、一般的に酸化塩基と呼ばれる、酸化染料プリカーサ、例えばo-又はp-フェニレンジアミン、o-又はp-アミノ-フェノール及びヘテロ環式化合物等を含む染色組成物を用いて染色することは、公知である。これらの酸化塩基は、酸化剤と結合した際に、酸化縮合過程によって、着色された化合物を生じ得る、無色又は僅かに着色した化合物である。
また、染色性カップリング剤又はモデファイアーと結合することによって、これら酸化塩基によって得られる色相を変えることが可能であり、該カップリング剤又はモデファイアーは、特に芳香族m-ジアミン、m-アミノフェノール、m-ジフェノール、及び幾つかのヘテロ環式化合物、例えばインドール化合物から選択される。
該酸化塩基及び該カップリング剤として使用される分子の範囲の広さが、豊富な色彩のパレットを与える。
その上、これらの酸化染料を用いて得られる、所謂「パーマネント」染色は、幾つかの要件を満たす必要がある。即ち、毒物学的条件において何の問題も引き起こしてはならず、所定の強度を持つ色相を与えることを可能ならしめ、かつ外的要因、例えば光、天候、洗浄、パーマネントウエーブ、発汗及び摩擦に対して良好な抵抗性を示す必要がある。
【0003】
該染料は、白髪の被覆をもたらし、かつ最終的に最小の選択性を持つべきであり、即ち一般的には先端部と基部との間で、異なる程度に感作される(即ち損傷を受ける)、一種の及び同一のケラチン繊維全体の色彩における、可能な限り最小の差異を与えるべきである。
ケラチン繊維の、直接又は半永久的染色法による染色も公知である。直接染色において伝統的に使用されている方法は、該繊維に対してアフィニティーを持つ有色の染色分子である、直接染料を、該ケラチン繊維に適用し、該有色分子の、拡散による毛髪内部への浸透を可能とする時間、この適用を維持し、ついで該繊維を濯ぐ各工程を含む。
酸化染色用の組成物とは対照的に、該直接又は半永久的染色用の組成物は、酸化剤の存在を必須とすることなしに使用される。この染色は、該ケラチン繊維を劣化することなく、反復的に行うことができる。
例えば、ニトロベンゼン、アンスラキノン、ニトロピリジン、アゾ、キサンテン、アクリジン、アジン又はトリアリールメタン直接染料の使用は、公知である。
【0004】
得られる色合いは、しばしば彩度に富むが、該直接染料と該ケラチン繊維との間の結合特性のために、一時的又は半永久的である。これらの相互作用は、該染料が、該繊維の表面及び/又はそのコアから容易に脱着することを意味する。この色合いは、一般的に洗浄又は発汗に対して低い抵抗性を持つ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
良好な性能を持ち、染色された毛髪の性能、シャンプー及びシャンプー後の耐性(堅牢性)、パッチネス(patchiness)の危険性に導く研磨の制限、夫々異なる堅牢性を持つ彩度に富む染料を組み合わせた際の、経時的な色の変化との関連で、色合いの均一性に関する改良をもたらす染料に対する、現実の需要がある。
その上、公知のカチオン性直接染料の使用は、彩度に富んだ色相を得ることを可能とするが、一種の色(黄色、オレンジ、赤)の範囲に限定される。従って、既知の色の範囲外の染料に対する需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願人は、今や、驚いたことにまた好都合なことに、所謂「ジュロリジン」単位を持つ、一群のカチオン性アゾ染料が、これらの改善をもたらし得ることを見出した。
この所謂「ジュロリジン」単位を持つカチオン性染料は、電子写真技術における光増感剤として、米国特許第4,341,853号に記載されている。
これらのアゾ化合物は、外的因子(太陽光、天候)並びにシャンプー洗浄及び発汗に対して抵抗性の染料を与える。これらの組成物は、良好な毒物学的なプロフィールを持つ。さらに、これら染料は、特に青色及び菫色の色相において、強力なハイライトを生成し得る。単独での使用又は他の伝統的な直接染料あるいは酸化染料との組み合わせによる使用を問わず、これらは、色の範囲の拡大を可能とする。
そこで、本発明の第一の目的は、ジュロリジン単位を含むカチオン性アゾ化合物の、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトケラチン繊維用の直接染料としての使用に関する。
本発明の第二の目的は、染色に適した染色媒体中に、少なくとも1種の、本発明のジュロリジン単位を含むカチオン性アゾ化合物を含む、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトケラチン繊維を染色するための、染色組成物を提供することにある。
本発明は、また本発明による該染色組成物を用いた、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトケラチン繊維を染色する方法に関する。
【0007】
本発明のもう一つの目的は、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトケラチン繊維を染色するための、該組成物の使用にある。
本発明は、さらに本発明による該染色組成物を含有する区画を持つ、キットに関する。
最終的に、本発明の最後の目的は、ジュロリジン単位を持つ、特定のカチオン性アゾ化合物に関する。
本発明のそのほかの特徴、局面、目的及び利点は、以下の説明及び例を読むことにより、一層明らかになるであろう。
以下の記載において、特に述べない限り、ある値の範囲に関する境界は、その範囲に含まれるものであることに注意すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明による、ジュロリジン単位を持つカチオン性アゾ化合物は、以下の式(I)で表される化合物に対応する:
【0009】
【化1】

(I)
【0010】
ここで、Aは、以下の一般式で表される化合物から選択されるカチオン性芳香族ヘテロ環式基を表し:
【0011】
【化2】

【0012】
ここで、R1は、相互に独立に以下に列挙する基を表し:
・直鎖又は分岐、飽和又は不飽和のC1-C16炭化水素鎖、ここで該炭化水素鎖は3〜7員環構成を持つ、1又はそれ以上の炭素リングを形成することができ、該リングは、場合により置換され、場合により酸素、窒素又は硫黄等のヘテロ原子、及びカルボニル基から選択される1又はそれ以上の基が介在してもよい、芳香族リングと、場合によって縮合されており、R1は、ニトロ、ニトロソ、パーオキシド及びジアゾ結合を含まず、R1は、1炭素原子により該へテロ芳香族リングAの、四級化された又は四級化されていない該窒素原子と直接結合している。
R2は、相互に独立に以下に列挙する基を表し、
・直鎖又は分岐、飽和又は不飽和のC1-C16炭化水素鎖、ここで該炭化水素鎖は3〜6員環構成を持つ、場合により置換され、場合により、好ましくは酸素、窒素から選択される1又はそれ以上のヘテロ原子又は少なくとも1種のこのようなヘテロ原子を持つ、1又はそれ以上の基が介在していてもよい、1又はそれ以上の芳香族又は非芳香族炭素リングを形成することができ、
・ヒドロキシル基、
・C1-C4アルコキシ基、
・C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、
【0013】
・アルコキシカルボニル基(R11O-CO-)、ここでR11はC1-C4アルキル基を表し、
・アルキルカルボニルオキシ基(R12CO-O-)、ここでR12はC1-C4アルキル基を表し、
・アミノ基、1又は2個のC1-C4アルキル基で置換されたアミノ基、ここで該アルキル基は、同一でも異なっていてもよく、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持ち、ここで該2個のアルキル基は、これらが結合している窒素原子と共に、5〜6員環構成の、場合により窒素と同一の又はこれとは異なる、酸素、硫黄等の他のヘテロ原子を持つ、ヘテロ環式基を形成することができ、
・アルキルカルボニルアミノ基(R13CO-NR13-及び/又はR13CO-NH-)、ここで該基R13は、各々独立に、C1-C4アルキル基を表し、
・カルバモイル基((R14)2N-CO)、ここで該基R14は、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
・ウレイド基((R15)2N-CO-NR16-)、ここで該基R15及びR16は、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
・スルホンアミド基((R17)2N-SO2-)、ここで該基R17は、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
【0014】
・アルキルスルホニルアミノ基(R18SO2-NR19-)、ここで該基R18及びR19は、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
・グアニジニウム基((R20)2N-C(=NH2+)-NR21-)、ここで該基R20及びR21は、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
・ニトロ基、
・シアノ基、
・ハロゲン原子、好ましくは塩素、フッ素原子;
隣接する炭素原子の持つ2つの基R2は、その各々が結合している炭素原子と共に、芳香族又は非芳香族縮合環を形成することができ;
mは、0〜4なる範囲の整数を表し、
eは、0〜2なる範囲の整数を表し、
pは、0〜1なる範囲の整数を表し、
Dは、基:CR2又は窒素原子を表し、
Qは、NR1又は酸素若しくは硫黄原子を表し、
上記式(IIa)、(IIb)又は(IIc)から伸びている結合aは、該基Aを該アゾ基に結合し、
【0015】
該式(IIa)、(IIb)又は(IIc)で表される基の場合、及び隣接する炭素原子の持つ該2つの基R2が芳香族リングを形成する場合には、該結合aは、該基Aと該アゾ基とを、該芳香族リングを介して結合することができ、
これら化合物の電気的中性性は、1種又はそれ以上のアニオン:An-によって与えられ、該アニオンは同一又は異なっている、化粧学的に許容されるものであり得、塩素、硫酸メチル、メトサルフェート(methosulphate)、トシレート、アセテートを包含し、
X、Y及びZは、夫々3-環式核のアルキル及びアリールリングにおける置換の可能性として定義され、
xは0〜2なる範囲内にあり、yは0〜6なる範囲内にあり、またzは0〜6なる範囲内にあり、これらx、y及びzは整数であり、
又は該カチオン性アゾ化合物は、これらの付加塩類又はその溶媒和物であり得、
但し、電子写真技術において公知の増感剤である、2-(9-ジュロリジルアゾ)-3-メチルベンゾチアゾリウムパークロレート、2-(9-ジュロリジルアゾ)-3-エチルチアゾリウムパークロレートを除く。
以下の記載において、特に述べない限り、(i) アルキル基又はある基のアルキル部分が「置換されている」と言う場合には、これは、以下に列挙する群から選択される少なくとも1種の置換基を含む:
・ヒドロキシル基、
・C1-C4アルコキシ基、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、
【0016】
・アミノ基、1又はそれ以上のC1-C4アルキル基で置換されたアミノ基、ここで該アルキル基は、同一でも異なっていてもよく、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持ち、ここで該アルキル基は、これらが結合している窒素原子と共に、5又は6員環構成の、場合により窒素原子又はこれ以外の少なくとも1つの他のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式基を形成することができる。
(ii) アリール基又はヘテロアリール基、あるいはある基のアリール又はヘテロアリール部分が「置換されている」と言った場合、例えば上記3-環式核の芳香族リング上に置換基Xがある場合、該アリール基又はヘテロアリール基等は、以下に列挙するものから選択される、炭素原子によって担持された少なくとも1つの置換基を含む:
・C1-C16、好ましくはC1-C8アルキル基、これらは、場合によりヒドロキシル基、C1-C2アルコキシ基、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、アシルアミノ基、同一又は異なっていてもよい1又は2個のC1-C4アルキル基で置換された、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持ち、該2つの基が、これらの結合している窒素原子と共に、5〜7員環構成の、好ましくは5又は6員環構成の、場合により窒素と同一の又は異なるもう一つのヘテロ原子を含む、ヘテロ環式基を形成することのできる、アミノ基から選択される、1又はそれ以上の基により置換されており、
【0017】
・ハロゲン原子、例えば塩素、フッ素又は臭素原子、
・ヒドロキシル基、
・C1-C2アルコキシ基、
・C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、
・アミノ基、
・同一又は異なっていてもよい、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、1又は2個のC1-C4アルキル基で置換されたアミノ基、
・アシルアミノ基(-NR31-COR32)、ここで該基R31は、水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基であり、また該基R32は、C1-C2アルキル基であり、
・カルバモイル基((R33)2N-CO-)、ここで該基R33は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基を表し、
・アルキルスルホニルアミノ基(R34SO2-NR35-)、ここで該基R34は、水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基を表し、また該基R35は、C1-C4アルキル基、フェニル基を表し、
・アミノスルホニル基((R36)2N-SO2-)、ここで該基R36は同一でも異なっていてもよく、水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基を表す。
【0018】
(iii) 非芳香族基の環式基又はヘテロ環式基部分が「置換されている」と言う場合、例えば上記3-環式核の脂肪族ヘテロ環の置換基Y及びZがある場合、該環式基又はヘテロ環式基は、以下に列挙する群から選択される、炭素原子によって担持された少なくとも1つの置換基を含む:
・ヒドロキシル基、
・C1-C4アルコキシ基、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、
・アルキルカルボニルアミノ基(R41-CO-NR42)、ここで該基R42は、水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基であり、該基R41は、C1-C2アルキル基、同一でも異なっていてもよく、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つ、2つのC1-C4アルキル基で置換されたアミノ基であり、該アルキル基は、これらが結合している窒素原子と共に、5又は6員環構成を持つ、場合により窒素原子であっても、窒素原子でなくてもよい、少なくとも1つの他のヘテロ原子を含む、ヘテロ環を形成することができる。
(iv) 一つのリングが最大数の置換基を持たない場合には、該1以上の未置換の位置は、水素原子を持つ。
【0019】
好ましくは、R1はC1-C8アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。
第一の変形によれば、該式(IIa)、(IIb)及び(IIc)で表される基は、隣接する炭素原子が担持する2つのR2を含み、かくして該基が、その各々が結合している炭素原子と共に、場合により置換された、芳香族縮合リングを形成する。
第二の変形によれば、該e、m及びpは、値ゼロを持つ。
好ましくは、該xは0あるいは1であり、かつXはアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、又はアシルアミノ基を表し、アルキル基は、場合により置換されたC1-C6アルキル鎖を表し、またアシル基はアルキルカルボニル基を表す。
本発明において使用できる、上記式(I)の化合物の例としては、以下に列挙する化合物を挙げることができる:







【0020】
【化3】

【0021】
上記式に対応する染料は、例えば以下において夫々経路A、経路B、経路C及び経路Dと呼ぶ、4つの異なる合成経路によって得ることができる:
以下の反応式において、Aの非-カチオン性プリカーサである、Bの定義は、以下の3つの式に対応する:
【0022】
【化4】

【0023】
以下において、HALとは、R1に、その炭素原子の一つを介して結合している、ハロゲン原子、好ましくは塩素、臭素又はヨウ素原子を表すか、あるいはアルキルスルファト基、好ましくはメチルスルファト若しくはエチルスルファト基、あるいはまたメチルスルホナト(メシレート)基、又はアリールスルホナト(トシレート)基を表す。
1:合成経路A:
上記式(I)の化合物は、以下の反応式に従う、3つの連続する段階を通して得られる:
【0024】
【化5】

【0025】
ヘテロ芳香族アミン:BNH2 1のジアゾニウム塩2を、古典的な方法で製造する(H. Zollinger, カラーケミストリー(Color Chemistry), ウイリー(Wiley) VCH編, 2003及び合成染料の化学(The Chemistry of Synthetic Dyes), アカデミックプレス刊, ロンドン, vol. II, 1952)。次いで、このジアゾニウム塩2を、化合物3(ジュロリジン単位を持つ芳香族アミン)と反応させて、化合物4を得る。この型のカップリングは、上で引用した文献により周知である。
第三段階は、化合物4をアルキル化剤、例えば硫酸アルキル、アルキルハライド、アルキルスルホン酸アルキル、又はアリールスルホン酸アルキルと反応させて、化合物5、即ちジュロリジン単位を含むカチオン性直接アゾ染料を製造する。
このアルキル化反応は、例えばハロゲン化溶剤(ジクロロメタン)又はエステル(酢酸エチル)中で、好ましくは溶剤を還流しつつ、150℃以下の温度にて実施する。これらの条件は、はっきりと文献に記載されている。この型の反応に関連する参考文献として、例えば最新有機合成(Advanced Organic Synthesis), 第5版、M. Smith & J. March, ジョンウイリー&サンズ社刊, 2001及び国際特許出願WO 03/060015を挙げることができる。
2:合成経路B:
上記式(I)の化合物は、ジュロリジン単位を含む芳香族アミンのp-アミノ化誘導体6をジアゾ化し、次いで得られたこのジアゾニウム塩7とヘテロ環とをカップリングして、化合物8を得、次いで該ヘテロ環基をアルキル化して、以下の反応式に従って、化合物9(ジュロリジン単位を含むカチオン性直接アゾ染料)を得る:
【0026】
【化6】

【0027】
これら合成段階の全ては、文献に記載されており、上記経路1に関する参考文献がこの場合にも適用できる。
より具体的には、該第二段階は、予め得たジアゾニウム塩7と、ヘテロ環:B-H(Bに関する上記定義に従い、またHは、後に該アゾ基のものとなる位置において、Bと結合している水素原子を表す)とを反応させる工程を含む。
3:合成経路C:
上記式(I)の化合物は、また以下の2段階合成法によって得ることができる:即ち、ジュロリジン単位を含む芳香族アミン10のp-ヒドラジノ化合物による、カチオン性ヘテロ環化合物[11]の、炭素原子に対する求核攻撃;これに引続く得られる化合物12の酸化による化合物13(ジュロリジン単位を含むカチオン性直接アゾ染料)の生成。これらの反応を、ピリジニウム型のカチオン性ヘテロ環化合物、より具体的には化合物11について以下に例示するが、これは以下の反応式に従う:








【0028】
【化7】

【0029】
化合物12を合成するためのこの反応は、極性溶剤、好ましくはアルコール又はDMF中で、150℃以下の温度にて、必要ならば選択された該ヒドラジンよりも求核性の低い塩基の存在下で行うことができる(J. Med. Chem., 1996, 39(2): 570-581)。上記の酸化は、通常の酸化剤、即ちN-ブロモサクシンイミド、塩化第二鉄、酸化マンガン、酸化クロム、過酸化水素、過酸によって、好ましくは酸性環境中で、100℃以下の温度にて、24時間未満なる条件下で行うことができる。
4:合成経路D:
上記式(I)の化合物は、また酸化カップリングによっても得ることができる。この経路は文献に記載されている。この型の反応に関する参考文献として、Angew. Chem., 1958, 70:215; Angew. Chem. Int. Ed., 1962, 1:640;及びH. Zollinger, カラーケミストリー(Color Chemistry), 第3版、VCHウイリー, 2003を挙げることができる。この経路は、上記のヘテロ環化合物を例示するためのピリジニウム、及びより具体的には化合物14を用いた、以下の反応式により例示でき、結果として化合物17(ジュロリジン単位を含むカチオン性直接アゾ染料)を与える:







【0030】
【化8】

【0031】
これらの出発反応試薬は、市販品として入手できるか、あるいは当業者には公知の方法によって得ることができ、有利には市販品として入手できる化合物から開始する。
本発明は、また以下の式(I)で表される化合物に対応する、ジュロリジン単位を含むカチオン性アゾ化合物の使用にも関連する:
【0032】
【化9】

(I)
【0033】
ここで、Aは、以下の一般式で表される化合物から選択されるカチオン性芳香族ヘテロ環式基を表す:
【0034】
【化10】

【0035】
ここで、R1は、相互に独立に以下に列挙する基を表す:
・直鎖又は分岐、飽和又は不飽和のC1-C16炭化水素鎖、ここで該炭化水素鎖は3〜7員環構成を持つ、1又はそれ以上の炭素リングを形成することができ、該リングは、場合により置換され、場合により酸素、窒素又は硫黄等のヘテロ原子、及びカルボニル基から選択される1以上の基が介在してもよい、芳香族リングと、場合によって縮合されており、R1は、ニトロ、ニトロソ、パーオキシド及びジアゾ結合を含まず、R1は、1炭素原子により該へテロ芳香族リングAの、四級化された又は四級化されていない該窒素原子と直接結合している。
R2は、相互に独立に以下に列挙する基を表す:
・直鎖又は分岐、飽和又は不飽和のC1-C16炭化水素鎖、ここで該炭化水素鎖は3〜6員環構成を持つ、場合により置換され、場合により、好ましくは酸素、窒素から選択される1又はそれ以上のヘテロ原子又は少なくとも1種の該ヘテロ原子を持つ、1又はそれ以上の基が介在していてもよい、1又はそれ以上の芳香族又は非芳香族炭素リングを形成することができ、
・ヒドロキシル基、
・C1-C4アルコキシ基、
・C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、
【0036】
・アルコキシカルボニル基(R11O-CO-)、ここでR11はC1-C4アルキル基を表し、
・アルキルカルボニルオキシ基(R12CO-O-)、ここでR12はC1-C4アルキル基を表し、
・アミノ基、1又は2個のC1-C4アルキル基で置換されたアミノ基、ここで該アルキル基は、同一でも異なっていてもよく、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持ち、ここで該2個のアルキル基は、これらが結合している窒素原子と共に、5〜6員環構成の、場合により窒素と同一の又はこれとは異なる、酸素、硫黄等の他のヘテロ原子を持つ、ヘテロ環式基を形成することができ、
・アルキルカルボニルアミノ基(R13CO-NR13-及び/又はR13CO-NH-)、ここで該基R13は、各々独立に、C1-C4アルキル基を表し、
・カルバモイル基((R14)2N-CO)、ここで該基R14は、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
・ウレイド基((R15)2N-CO-NR16-)、ここで該基R15及びR16は、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
・スルホンアミド基((R17)2N-SO2-)、ここで該基R17は、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
【0037】
・アルキルスルホニルアミノ基(R18SO2-NR19-)、ここで該基R18及びR19は、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
・グアニジニウム基((R20)2N-C(=NH2+)-NR21-)、ここで該基R20及びR21は、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
・ニトロ基、
・シアノ基、
・ハロゲン原子、好ましくは塩素、フッ素原子;
隣接する炭素原子の持つ2つの基R2は、その各々が結合している炭素原子と共に、芳香族又は非芳香族縮合環を形成することができ;
mは、0〜4なる範囲の整数を表し、
eは、0〜2なる範囲の整数を表し、
pは、0〜1なる範囲の整数を表し、
Dは、基:CR2又は窒素原子を表し、
Qは、NR1又は酸素若しくは硫黄原子を表し、
上記式(IIa)、(IIb)又は(IIc)から伸びた結合aは、該基Aを該アゾ基に結合し、
【0038】
該式(IIa)、(IIb)又は(IIc)で表される基の場合、及び隣接する炭素原子の持つ該2つの基R2が芳香族リングを形成する場合には、該結合aは、該基Aと該アゾ基とを、該芳香族リングを介して結合することができ、
これら化合物の電気的中性性は、1種又はそれ以上のアニオン:An-によって与えられ、該アニオンは同一又は異なっている、化粧学的に許容されるものであり得、塩素、硫酸メチル、メトサルフェート、トシレート、アセテートを包含し、
X、Y及びZは、夫々3-環式核のアルキル及びアリールリングにおける置換の可能性として定義され、
xは0〜2なる範囲内にあり、yは0〜6なる範囲内にあり、またzは0〜6なる範囲内にあり、これらx、y及びzは整数である。
また該ジュロリジン単位を含むカチオン性アゾ化合物は、これらの付加塩類又はその溶媒和物であってもよい。
【0039】
以下の記載において、特に述べない限り、下記の通りである:
(i) アルキル基又はある基のアルキル部分が「置換されている」と言う場合には、これは、以下に列挙する群から選択される少なくとも1種の置換基を含む:
・ヒドロキシル基、
・C1-C4アルコキシ基、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、
・アミノ基、1又はそれ以上のC1-C4アルキル基で置換されたアミノ基、ここで該アルキル基は、同一でも異なっていてもよく、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持ち、また該アルキル基は、これらが結合している窒素原子と共に、5又は6員環構成の、場合により窒素原子又はこれ以外のものであり得る、少なくとも1つの他のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式基を形成することができる。
(ii) アリール基又はヘテロアリール基、あるいはある基のアリール又はヘテロアリール部分が「置換されている」と言った場合、例えば上記3-環式核の芳香族リング上に置換基Xがある場合、該アリール基又はヘテロアリール基等は、以下に列挙するものから選択される、炭素原子によって担持された少なくとも1つの置換基を含む:
・C1-C16、好ましくはC1-C8アルキル基、これらは、場合によりヒドロキシル基、C1-C2アルコキシ基、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、アシルアミノ基、同一又は異なっていてもよい1又は2個のC1-C4アルキル基で置換された、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持ち、あるいは該2つの基が、これらの結合している窒素原子と共に、5〜7員環構成、好ましくは5又は6員環構成の、場合により窒素と同一の又は異なるもう一つのヘテロ原子を含む、ヘテロ環式基を形成することのできるアミノ基から選択される、1又はそれ以上の基により置換されており、
【0040】
・ハロゲン原子、例えば塩素、フッ素又は臭素原子、
・ヒドロキシル基、
・C1-C2アルコキシ基、
・C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、
・アミノ基、
・同一又は異なっていてもよい、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、1又は2個のC1-C4アルキル基で置換されたアミノ基、
・アシルアミノ基(-NR31-COR32)、但し該基R31は水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基であり、該基R32はC1-C2アルキル基であり、
・カルバモイル基((R33)2N-CO)、ここで該基R33は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基を表し、
・アルキルスルホニルアミノ基(R34SO2-NR35-)、ここで該基R34は、水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基を表し、また該基R35は、C1-C4アルキル基、フェニル基を表し、
・アミノスルホニル基((R36)2N-SO2-)、ここで該基R36は同一でも異なっていてもよく、水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基を表す。
【0041】
(iii) 非芳香族基の環式基又はヘテロ環式基部分が「置換されている」と言う場合、例えば上記3-環式核の脂肪族ヘテロ環の置換基Y及びZがある場合、該環式基又はヘテロ環式基は、以下に列挙する群から選択される、炭素原子によって担持された少なくとも1つの置換基を含む:
・ヒドロキシル基、
・C1-C4アルコキシ基、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、
・アルキルカルボニルアミノ基(R41-CO-NR42)、ここで該基R42は、水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基であり、該基R41は、C1-C2アルキル基、同一でも異なっていてもよく、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つ、2つのC1-C4アルキル基で置換されたアミノ基であり、該アルキル基は、これらが結合している窒素原子と共に、5又は6員環構成を持つ、場合により窒素原子であっても、窒素原子でなくてもよい、少なくとも1つの他のヘテロ原子を含む、ヘテロ環を形成することができる。
【0042】
(iv) リングが最大数の置換基を持たない場合には、該1以上の未置換の位置は、水素原子を有する。
好ましくは、R1はC1-C8アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。
第一の変形によれば、該式(IIa)、(IIb)及び(IIc)で表される基は、隣接する炭素原子が担持する2つのR2を含み、かくして該基が、その各々が結合している炭素原子と共に、場合により置換された、芳香族縮合リングを形成する。
第二の変形によれば、該e、m及びpは、値ゼロを持つ。
好ましくは、該xは0あるいは1であり、かつXはアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、又はアシルアミノ基を表し、アルキル基は、場合により置換されたC1-C6アルキル鎖を表し、またアシル基はアルキルカルボニル基を表す。
本発明において使用できる、上記式(I)の化合物の例としては、以下に列挙する化合物を挙げることができる:






























【0043】
【化11】

【0044】
本発明は、またケラチン繊維、特に毛髪等のヒトケラチン繊維を染色するための、適当な染色媒体中に、直接染料として使用するための、上に定義したようなカチオン性アゾ化合物を、少なくとも1種含有する、染色組成物にも関連する。
本発明によるこの染色組成物は、該組成物の全質量を基準として、0.001〜20質量%なる範囲、好ましくは0.01〜10質量%なる範囲の量で、上記式(I)のカチオン性直接アゾ染料を含むことができる。
本発明の組成物は、さらに少なくとも1種の酸化塩基を含むことができる。
例えば、該酸化塩基は、フェニレンジアミン、ビスフェニルアルキレンジアミン、p-アミノフェノール、o-アミノフェノール、ヘテロ環式塩基及びこれらの付加塩類から選択される。
【0045】
該p-フェニレンジアミンとしては、以下に列挙するものを、その例として挙げることができる:p-フェニレンジアミン、p-トルイレンジアミン、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-p-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-p-フェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロアニリン、2-β-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン、2-フルオロ-p-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-p-フェニレンジアミン、N,N-(エチル, β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-p-フェニレンジアミン、2-β-アセチルアミノエチルオキシ-p-フェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)-p-フェニレンジアミン、4-アミノフェニルピロリジン、2-チエニル-p-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-アミノトルエン、3-ヒドロキシ-1-(4'-アミノフェニル)ピロリジン及びこれらの酸との付加塩。
【0046】
上記p-フェニレンジアミンの中で、特に好ましいものは、p-フェニレンジアミン、p-トルイレンジアミン、2-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-p-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-p-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、2-β-アセチルアミノエチルオキシ-p-フェニレンジアミン、及びこれらの酸との付加塩である。
上記ビスフェニルアルキレンジアミンとしては、以下のものを、例としてあげることができる:N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(4-メチル-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(エチル)-N,N'-ビス(4'-アミノ, 3'-メチルフェニル)エチレンジアミン、1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,6-ジオキサオクタン、及びこれらの付加塩。
【0047】
上記p-アミノフェノールとしては、以下のものを、例としてあげることができる:p-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-クロロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール、4-アミノ-2-フルオロフェノール、及びこれらの、酸との付加塩。
o-アミノフェノールとしては、以下のものを、例としてあげることができる:2-アミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、5-アセタミド-2-アミノフェノール、及びこれらの付加塩。
上記ヘテロ環式塩基としては、以下のものを、例としてあげることができる:ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体及びピラゾール誘導体。
該ピリジン誘導体としては、例えば特許GB 1,026,978及びGB 1,153,196に記載されている化合物、例えば2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジン、3,4-ジアミノピリジン、及びこれらの付加塩を例示することができる。
【0048】
本発明において使用できる他のピリジン酸化塩基は、例えば特許出願FR 2,801,308に記載されている、3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン酸化塩基又はその付加塩である。その例としては、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルアミン、2-アセチルアミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルアミン、2-モルホリン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルアミン、3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-カルボン酸、2-メトキシ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルアミン、(3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)メタノール、2-(3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)エタノール、2-(3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)エタノール、(3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)メタノール、3,6-ジアミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン、3,4-ジアミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,7-ジアミン、7-モルホリン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルアミン、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,5-ジアミン、5-モルホリン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルアミン、2-[(3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ]エタノール、2-[(3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ]エタノール、3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-オール、3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-オール、3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-オール、3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-オール、並びにこれらの付加塩を挙げることができる。
【0049】
上記ピリミジン誘導体としては、例えば特許DE 2,359,399、JP 88-169-571、JP 05-63124、EP 0770375又は特許出願WO 96/15765に記載されている化合物、例えば2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノピリミジン、及びこれらの付加塩並びに互変異性等価物が存在する場合には、これらの互変異性体を挙げることができる。
上記のピラゾール誘導体としては、例えば特許DE 3,843,892、DE 4,133,957及び特許出願WO 94/08969、WO 94/08970、FR-A-2,733,749及びDE 195 43 988に記載されている化合物、例えば4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4'-クロロベンジル) ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノ-ピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-t-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-t-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4'-メトキシフェニル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(2'-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチルアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-1-メチルピラゾール、及びこれらの付加塩を挙げることができる。また、4,5-ジアミノ-1-(β-メトキシエチル)ピラゾールを使用することも可能である。
【0050】
本発明の組成物中に含まれるこの又はこれらの酸化塩基は、一般に該染色組成物の全質量を基準として、約0.001〜20質量%なる範囲、好ましくは0.005〜6質量%なる範囲の量で存在する。
本発明の組成物が、少なくとも1種の酸化塩基を含む場合、該組成物は、ケラチン繊維の染色のために従来から使用されているカップリング剤を、一種以上含むことが好ましい。これらのカップリング剤としては、特にm-フェニレンジアミン、m-アミノフェノール、m-ジフェノール、ナフタレン系カップリング剤、及びヘテロ環式カップリング剤並びにこれらの付加塩類を挙げることができる。
該カップリング剤の例として、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチルベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシベンゼン、2,4-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-アミノ-4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、3-ウレイドアニリン、3-ウレイド-1-ジメチルアミノベンゼン、セサモール、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、α-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン、1-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、2,6-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、及びこれらの付加塩を挙げることができる。
【0051】
本発明の組成物において、該カップリング剤は、一般に該染色組成物の全質量を基準として、約0.001〜20質量%なる範囲、好ましくは0.005〜6質量%なる範囲の量で存在する。
一般的に言えば、本発明の範囲内において使用することのできる、上記酸化塩基及び上記カップリング剤の付加塩は、特に酸との付加塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、琥珀酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシレート、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩及び酢酸塩、並びに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アミン又はアルカノールアミン等の塩基との付加塩から選択される。
本発明の染色組成物は、さらに、本発明による上記一般式(I)のカチオン性アゾ系直接染料以外の、1種又はそれ以上の追加の直接染料を含むことができ、該直接染料は、特に中性、酸性又はカチオン性ベンゼン系列のニトロ染料、中性、酸性又はカチオン性アゾ系直接染料、キノン直接染料及び、特に中性、酸性又はカチオン性アンスラキノン直接染料、アジン直接染料、トリアリールメタン直接染料、インドアミノ直接染料及び天然直接染料から選択することができる。非-限定的な例として、ベンゼン系のニトロ染料、アゾ、アゾメチン、メチン、テトラアザペンタメチン、アンスラキノン、ナフトキノン、ベンゾキノン、フェノチアジンインジゴイド、キサンテン、フェナンスリジン、及びフタロシアニン染料、トリアリールメタンから誘導される染料及び天然直接染料を挙げることができ、これらは単独で、又は混合物として使用することができる。
【0052】
本発明において使用することのできる、該ベンゼン系の直接染料としては、非-限定的なものとして以下に列挙するものを挙げることができる:
・1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン;
・1-アミノ-2-ニトロ-4-β-ヒドロキシエチルアミノベンゼン;
・1-アミノ-2-ニトロ-4-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン;
・1,4-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)-2-ニトロベンゼン;
・1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-ビス-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-ベンゼン;
・1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-アミノベンゼン;
・1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-(エチル)(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン;
・1-アミノ-3-メチル-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-6-ニトロベンゼン;
・1-アミノ-2-ニトロ-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-クロロベンゼン;
・1,2-ジアミノ-4-ニトロベンゼン;
・1-アミノ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン;
・1,2-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)-4-ニトロベンゼン;
・1-アミノ-2-トリス-(ヒドロキシメチル)-メチルアミノ-5-ニトロベンゼン;
・1-ヒドロキシ-2-アミノ-5-ニトロベンゼン;
・1-ヒドロキシ-2-アミノ-4-ニトロベンゼン;
・1-ヒドロキシ-3-ニトロ-4-アミノベンゼン;
・1-ヒドロキシ-2-アミノ-4,6-ジニトロベンゼン;
【0053】
・1-β-ヒドロキシエチルオキシ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン;
・1-メトキシ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン;
・1-β-ヒドロキシエチルオキシ-3-メチルアミノ-4-ニトロベンゼン;
・1-β,γ-ジヒドロキシプロピルオキシ-3-メチルアミノ-4-ニトロベンゼン;
・1-β-ヒドロキシエチルアミノ-4-β,γ-ジヒドロキシプロピルオキシ-2-ニトロベンゼン;
・1-β,γ-ジヒドロキシプロピルアミノ-4-トリフルオロメチル-2-ニトロベンゼン;
・1-β-ヒドロキシエチルアミノ-4-トリフルオロメチル-2-ニトロベンゼン;
・1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3-メチル-2-ニトロベンゼン;
・1-β-アミノエチルアミノ-5-メトキシ-2-ニトロベンゼン;
・1-ヒドロキシ-2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロベンゼン;
・1-ヒドロキシ-2-クロロ-6-アミノ-4-ニトロベンゼン;
・1-ヒドロキシ-6-ビス(β-ヒドロキシエチル)-アミノ-3-ニトロベンゼン;
・1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロベンゼン;
・1-ヒドロキシ-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-3-ニトロベンゼン。
【0054】
本発明において使用可能な上記直接アゾ染料としては、特許出願WO 95/15144、WO 95/01772及びEP-714954に記載されているカチオン性アゾ染料を挙げることができ、これら特許出願の内容を、本発明の不可欠の一部とする。
これらの化合物として、特別な例として以下の染料を挙げることができる:
・1,3-ジメチル-2-[[4-(ジメチルアミノ)フェニル]アゾ]-1H-イミダゾリウムクロリド;
・1,3-ジメチル-2-[(4-アミノフェニル)アゾ]-1H-イミダゾリウムクロリド;
・1-メチル-4-[(メチルフェニルヒドラゾノ)メチル]-ピリジニウムメチルサルフェート。
該直接アゾ染料としては、またカラーインデックスインターナショナル(COLOUR INDEX INTERNATIONAL), 第3版に記載されている、以下のような染料を挙げることができる:
ディスパースレッド(Disperse Red) 17;アシッドイエロー(Acid Yellow) 9;アシッドブラック(Acid Black) 1;ベーシックレッド(Basic Red) 22;ベーシックレッド76;ベーシックイエロー(Basic Yellow) 57;ベーシックブラウン(Basic Brown) 16;アシッドイエロー36;アシッドオレンジ(Acid Orange) 7;アシッドレッド(Acid Red) 33;アシッドレッド35;ベーシックブラウン17;アシッドイエロー23;アシッドオレンジ24;ディスパースブラック(Disperse Black) 9
【0055】
同様に、1-(4'-アミノ-ジフェニルアゾ)-2-メチル-4-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-ベンゼン及び4-ヒドロキシ-3-(2-メトキシフェニルアゾ)-1-ナフタレンスルホン酸を挙げることもできる。
上記直接キノン染料としては、以下のような染料を挙げることができる:
ディスパースレッド(Disperse Red) 15;ソルベントバイオレット(Solvent Violet) 13;アシッドバイオレット(Acid Violet) 43;ディスパースバイオレット(Disperse Violet) 1;ディスパースバイオレット4;ディスパースブルー(Disperse Blue) 1;ディスパースバイオレット8;ディスパースブルー3;ディスパースレッド11;アシッドブルー(Acid Blue) 62;ディスパースブルー7;ベーシックブルー(Basic Blue) 22;ディスパースバイオレット15;ベーシックブルー99、並びに以下の化合物:
・1-N-メチルモルホリニウムプロピルアミノ-4-ヒドロキシアンスラキノン;
・1-アミノプロピルアミノ-4-メチルアミノ-アンスラキノン;
・1-アミノプロピルアミノ-アンスラキノン;
・5-β-ヒドロキシエチル-1,4-ジアミノアンスラキノン;
・2-アミノエチルアミノ-アンスラキノン;
・1,4-ビス-(β,γ-ジヒドロキシプロピルアミノ)-アンスラキノン。
上記アジン染料としては、以下の化合物を挙げることができる:
ベーシックブルー17;ベーシックレッド2
【0056】
本発明に従って使用することのできる、上記トリアリールメタン染料としては、以下の化合物を挙げることができる:
ベーシックグリーン(Basic Green) 1;アシッドブルー9;ベーシックバイオレット (Basic Violet) 22;ベーシックバイオレット14;ベーシックブルー7;アシッドバイオレット49;ベーシックブルー26;アシッドブルー7
本発明に従って使用することのできる、上記インドアミノ染料としては、以下の化合物を挙げることができる:
・ 2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-[ビス-(β-4'-ヒドロキシエチル)アミノ]アニリノ-1,4-ベンゾキノン;
・ 2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-(2'-メトキシ-4'-アミノ)-アニリノ-1,4-ベンゾキノン;
・ 3-N-(2'-クロロ-4'-ヒドロキシ)フェニル-アセチルアミノ-6-メトキシ-1,4-ベンゾキノンイミン;
・ 3-N-(3'-クロロ-4'-メチルアミノ)フェニル-ウレイド-6-メチル-1,4-ベンゾキノンイミン;
・ 3-[4'-N-(エチル, カルバミルメチル)-アミノ]-フェニル-ウレイド-6-メチル-1,4-ベンゾキノンイミン。
本発明に従って使用することのできる、上記テトラアザペンタメチン型の染料としては、以下に列挙する化合物を挙げることができ、ここでAnは前と同様に定義される:



















【0057】
【化12】

【0058】
本発明に従って使用することのできる、上記の天然直接染料としては、ラウソン、ユグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテチュアルデヒド、インジゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシン、アピゲニジンを例示することができる。同様に、これらの天然染料を含有する抽出物又は進出物及び特にヘンナを主成分とするパップ剤又は抽出物を使用することも可能である。
上記式(I)のものと異なる、上記の直接染料は、好ましくは該組成物の全質量を基準として、約0.001〜20質量%なる範囲、及びより一層好ましくは0.005〜10質量%なる範囲の量で存在する。
本発明の組成物は、またケラチン繊維を酸化染色するために従来から使用されている少なくとも1種の酸化剤、例えば過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属ブロメート、過酸塩、例えばパーボレート及びパーサルフェート、過酸及びオキシダーゼ酵素を含むことができ、ここで該酵素としては、パーオキシダーゼ、2-電子オキシド-リダクターゼ、例えばウリカーゼ、及び4-電子オキシゲナーゼ、例えばラッカーゼを例示することができる。過酸化水素が、特に好ましい。
【0059】
染色媒体とも呼ばれる、染色に適した媒体は、一般的に水、又は水と、水に対して十分に溶解しない化合物を溶解するための、少なくとも1種の有機溶媒との混合物を含む、化粧料用の媒体である。有機溶媒の例としては、C1-C4低級アルカノール、例えばエタノール及びイソプロパノール;ポリオール及びポリオールのエーテル、例えば2-ブトキシエタノール、プロピレングリコール、グリセロール、プロピレングリコールのモノメチルエーテル、ジエチレングリコールのモノエチルエーテル及びモノメチルエーテル、並びに芳香族アルコール、例えばベンジルアルコール又はフェノキシエタノール、及びこれらの混合物を例示することができる。
これらの溶媒は、好ましくは該染色組成物の全質量を基準として、約1〜40質量%なる範囲、及びより一層好ましくは約5〜30質量%なる範囲の割合で存在する。
本発明の染色組成物は、また毛染め用組成物において従来から使用されている、様々な添加剤、例えばアニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性、両極性界面活性剤又はその混合物、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性、両極性ポリマー又はその混合物、無機又は有機増粘剤、及び特にアニオン性、カチオン性、ノニオン性及び両性会合性増粘剤、酸化防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、芳香剤、バッファー、分散剤、コンディショナー、例えば揮発性又は不揮発性の、変性又は未変性シリコーン、フィルム-形成剤、セラミド、保存剤及び不透明化剤を含むこともできる。
【0060】
上記添加剤は、その各々について、一般的に該組成物の質量に対して、0.01〜20質量%なる範囲の量で存在する。
勿論、当業者は、選択するあらゆる追加の化合物を、本発明の染色組成物に固有の有利な諸特性が、如何なる意図された添加によっても、悪影響を受けず、あるいは実質的に悪影響を受けないことを確認するであろう。
本発明の染色組成物のpHは、一般的に3〜12なる範囲、好ましくは5〜11なる範囲、及びより一層好ましくは6〜10.5なる範囲内にある。このpH値は、通常ケラチン繊維の染色において使用されている、酸性化剤又はアルカリ化剤によって、あるいはまた公知のバッファー系によって、所定の値に調節することができる。
該酸性化剤としては、以下のような例を挙げることができる:無機又は有機酸、例えば塩酸、オルト燐酸、硫酸、カルボン酸、例えば酢酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、スルホン酸。
該アルカリ化剤としては、以下のような例を挙げることができる:アンモニア、アルカリ炭酸塩、アルカノールアミン、例えばモノ-、ジ-及びトリ-エタノールアミン並びにその誘導体、ナトリウム又はカリウムの水酸化物、及び以下の式(II)で表される化合物:
【0061】
【化13】

(II)
【0062】
ここで、Wは場合によりヒドロキシル基又はC1-C4アルキル基で置換された、プロピレン基であり;Ra、Rb、Rc及びRdは同一でも異なっていてもよく、水素原子、C1-C4アルキル基又はC1-C4ヒドロキシアルキル基を表す。
本発明の染色組成物は、様々な形態、例えば液体、クリーム、ゲル、又はケラチン繊維、特にヒトの毛髪の染色を実施するのに適した、任意の他の形態を採ることができる。
本発明の方法は、前に定義した如き本発明の組成物を、該繊維に適用し、次いで該繊維を濯ぐ方法である。
一特定の態様によれば、本発明の組成物は、酸化剤の存在下で、ケラチン繊維に適用され、この場合、該染色はハイライト化染色と呼ばれる。該酸化剤は、使用の時点において、本発明の組成物に添加することができ、あるいはこれは、このものを含む酸化組成物として与えることもでき、この酸化組成物は、本発明の組成物と同時に、又は順次適用することができる。
【0063】
好ましくは、この特定の態様において、本発明の組成物は、少なくとも1種の酸化塩基を含む。
酸化剤を含む、又はこれを含まない該組成物は、ケラチン物質に適用される。約3分〜1時間なる範囲の、好ましくは約15〜45分間の待ち時間の経過後に、該ケラチン繊維を濯ぎ、シャンプーを用いて洗浄し、再度濯ぎ、次いで乾燥する。
該酸化組成物は、また前に定義したような、毛染め用の組成物において従来から使用されている様々な添加剤を含むこともできる。
酸化剤を含むこの酸化組成物のpHは、該染色組成物を混合した後に、ケラチン繊維に適用される、生成する組成物のpHが、好ましくは約3〜12なる範囲、より一層好ましくは5〜11なる範囲、及びより一層特定的には6〜10.5なる範囲内で変動する。このpH値は、ケラチン繊維の染色において通常使用されている、また前に定義したような酸性化剤又はアルカリ化剤によって、所定の値に調節することができる。
【0064】
最終的にケラチン繊維に適用する、この直に使用できる組成物は、様々な形態、例えば液体、クリーム、ゲル、又はケラチン繊維、及び特にヒトの毛髪の染色を実施するのに適した、任意の他の形態を採ることができる。
本発明は、また本発明の該染色組成物を、ケラチン繊維の染色のために使用することにも関連する。
本発明は、また幾つかの区画を含むキット、又は「染色用キット」にも関連し、該キットにおいては、第一の区画は、本発明の該染色組成物を含み、かつその第二の区画は、酸化剤を含む。このキットは、該所定の混合物を、毛髪上に供給するための手段、例えば本出願人の名前で出願された、特許FR-2,586,913に記載されているキットを備えることができる。
【0065】
以下の例は、本発明を例示するものであるが、本発明を限定するものではない。
本発明の化合物の製造例
1) 経路Aによる例1
【0066】
【化14】

【0067】
100mLの無水酢酸及び500mLの無水プロピオン酸を、ニトロシル硫酸を硫酸に溶解した、40%(w/v)の溶液200gに添加し、次いで得られたこの混合物を、5℃以下に冷却し、50gの4-アミノピリジンに、徐々に添加した。このようにして得たこの混合物を、200mLのプロピオン酸及び40mLの酢酸を添加することにより希釈し、次いで50gのジュロリジンを200mLのメタノールに溶解した溶液を、該混合物の温度を10℃以下に維持しつつ、滴添した。この反応混合物を、5℃以下の温度にて16時間反応させた後に、500mLの水、300gの氷、及び引続き500mLの30%苛性ソーダ溶液を投入することにより中和した。生成物(A)を、酢酸エチルで抽出し、シリカゲル上でのクロマトグラフィーによって精製した。
5mLのジメチル硫酸を、5gの純粋な生成物(A)に添加し、50mLのジクロロメタンで希釈し、次にこの反応混合物を、2時間に渡り攪拌した。この混合物を、該溶媒の減圧蒸留により濃縮し、次いで得られた残渣を、メチルエチルケトンに溶解し、次いでヘプタンで沈殿させることにより精製した。7.12gの青色の粉末を得た。この粉末を分析した結果、このものが、予想された化合物[i]に相当することが分かった。
2) 経路Aによる例2
【0068】
【化15】

【0069】
35%塩酸30mLを、13.21gのアミノイミダゾールを、100mLの水に分散させた懸濁液に添加し、得られる混合物を、-5℃に冷却し、次いで7gの亜硝酸ナトリウムを10mLの水に溶解した溶液を、該混合物の温度を0℃以下に保ちつつ、滴添した。次に、5gのスルファニル酸を添加し、得られる混合物を、予め8.75gのジュロリジン、175mLの水及び225mLの酢酸及び40gの酢酸ナトリウムを混合することによって得た、ジュロリジンの溶液に、0℃に維持しつつ注ぎ込んだ。5℃にて2時間維持した後、この反応混合物を希釈し、苛性ソーダでpHを8に調節した。沈殿した生成物(B)を濾別し、水で洗浄した。
5gの生成物(B)を50mLのジクロロメタンに溶解し、5mLのジメチル硫酸及び1.53gの酢酸ナトリウムを順次添加した。2時間攪拌した後に、この混合物を、減圧濃縮し、100mLのメチルエチルケトンに取り、次いで100mLのヘプタンを添加した。得られた沈殿を、ヘプタンで洗浄し、4.5gの菫色を帯びた黒色の粉末を得た。イオン-交換樹脂で処理した後、予想された生成物[ii]を、塩酸塩(2.56g)として得た。この生成物を分析した結果、このものが、予想された化合物[ii]に相当することが分かった。

3) 経路Aによる例3
【0070】
【化16】

[iii]
【0071】
6.3gの3-アミノピリジン、35%塩酸17mL及び65gの氷を、500-mLの三口フラスコ中で混合した。5.08gの亜硝酸ナトリウムを20mLの水に溶解した溶液を、該混合物の温度を0℃に保ちつつ、滴々添加した。この添加の完了時点において、該混合物を、0℃にて20分間攪拌し、次いで400mgの尿素を10mLの水に溶解した溶液を、添加した。11.6gのジュロリジンを、エタノール(25mL)、35%塩酸(16mL)及び氷(22g)を含む混合物に溶解した溶液を、温度を10℃以下に維持しつつ、滴添した。5℃にて3時間維持した後、この反応混合物を、そのpHが9.5になるまで、アンモニアを添加することによって中和した。このようにして得たペーストを、水を添加した酢酸エチルで抽出した。得られた有機相を乾燥し、減圧濃縮し、かくして得た生成物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル)によって精製し、予想された化合物(生成物(C))に相当する、深紅色の粉末を含む純粋な画分(4.3g)を集めた。
上記段階において得た生成物(127mg)を、トルエン(5mL)に溶解し、86μLのジメチル硫酸を添加し、この反応混合物を72時間攪拌した。該トルエンを減圧条件下で除去し、得られた生成物を、室温にて4時間水で処理し、次いで減圧乾燥し、濃い菫色の固体(170mg)を得た。この生成物を分析した結果、このものが、予想された化合物[iii]に相当することが分かった。

















4) 経路Aによる例4
【0072】
【化17】

【0073】
10gの2-アミノ-1-メチルベンズイミダゾールを、60mLのオルト燐酸及び20mLの酢酸を含む高温混合物中に溶解した。
温度計及びアルゴン供給系を備えた、250-mLの三口フラスコ内で、26gのニトロシル硫酸(硫酸中40%)を、10℃にて、25mLの98%燐酸中に希釈した。
温度を2〜5℃なる範囲に維持しつつ、30分間に渡り、該第一溶液を、該第二の溶液に滴々添加した。得られた混合物を、15分間攪拌した。3.3gのスルファミン酸を、添加し、生成する混合物を15分間攪拌した。
予め溶解した13gのジュロリジンを、25mLのDMF及び9gの酢酸中に溶解した。
温度を10℃以下に保ちつつ、この溶液に、前の操作において得られたジアゾニウム塩を、滴添した。この反応混合物を、50mLの水で希釈し、次いで0℃にて18時間維持した。500gの氷を添加し、次に100mLの30%苛性ソーダ溶液を添加し、再度500gの氷及び150mLの30%苛性ソーダ溶液を添加した。このようにして得た混合物を、さらに2Lの水で希釈し、次いでそのpHを重炭酸ナトリウム(190g)を添加することによって、7に調節した。
【0074】
得られた沈殿を濾別(9.6g)し、乾燥した。この沈殿の1gを、クロマトグラフィー(シリカ、溶離剤:ジクロロメタン/メタノール)によって精製した。かくして、100mgの赤色粉末を得た。この生成物を分析した結果、このものが、予想された化合物(D)に相当することが分かった。
100gの該化合物(D)を、20mLのジクロロメタン中に溶解し、室温にて、この混合物に、500μLのジメチル硫酸を滴添した。得られた溶液を5分間攪拌し、次いで250mLのエチルエーテル中に注ぎ込んだ。得られた沈殿を濾別し、エチルエーテルで洗浄(4×50mL)した。乾燥後、50mgの黒色のペーストを回収した。この生成物を分析した結果、このものが、予想された化合物[iv]に相当することが分かった。








5) 経路Aによる例5
【0075】
【化18】

[v]
【0076】
11.8gのジュロリジンを、40℃にて、5.7mLの35%塩酸を添加してある、100mLの水に溶解した。10gのピリジン-2-アミン-1-オキシド(Synth. Commun., 1977, pp. 509-514に記載されている方法により製造)を、17.4mLの35%塩酸を添加してある、100mLの水に溶解した。10mLの水に4.7gの亜硝酸ナトリウムを溶解した溶液を、該混合物の温度を0℃に維持しつつ、これに添加した。この混合物を0℃にて30分間攪拌した。次いで、温度を10℃以下に維持しつつ、これをジュロリジンの酸性溶液に注ぎ込んだ。該混合物の温度を2時間かけて室温まで戻した。70gの酢酸ナトリウムを添加して、該混合物のpHを4.2とした。ジクロロメタンで抽出し、水で濯ぎ、硫酸ナトリウム上で乾燥した後、濾過し、減圧濃縮し、エーテル中で圧潰し、得られた粉末を濾別し、減圧下で乾燥することによって、10gの濃い菫色の粉末を集めた。この粉末を分析した結果、これが、少量の不純物を含む、予想された生成物(E)に相当することが分かった。
【0077】
5gの該化合物(E)を、20mLのN-メチルピロリジノン(NMP)中に溶解し、得られた溶液を60℃に加熱した。4.05gのジメチル硫酸を、この混合物に添加した。2時間30分後に、この溶液を室温まで冷やした。50mLの20%アンモニア溶液を添加した。室温にて15時間維持した後、この混合物をジクロロメタンで抽出(2×100mL)し、水洗し、乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた濃青色の油状物を、イソプロピルエーテルで2回洗浄し、次いで第三の画分中で圧潰した。濾過後、エーテルで洗浄し、減圧下で乾燥し、2gの褐色粉末を回収した。該生成物を分析した結果、これが、予想された化合物[v]に相当することが分かった。
染色の例(非-ハイライト化条件下)
以下のような割合で、染色組成物を製造した:
・溶液1:
ヒドロキシエチルセルロース:ナトロゾル(Natrosol) 250MR: 0.72g
アルキル C8/C10 (50:50) ヒドロキシエチルセルロースCG110: 5g
ベンジルアルコール: 4g
ポリエチレングリコール400: 4g
水: 十分量(qs) 100g
【0078】
・溶液2:バッファー pH 9.5
塩化アンモニウム(NH4Cl): 5.4g
20%アンモニア溶液: 十分量 pH 9.5(約4mL)
脱イオン水: 十分量 100mL
・溶液3:バッファー pH 7
KH2PO4: 0.026モル/L
Na2PO4: 0.041モル/L
脱イオン水: 十分量 500mL
これらの染色組成物は、溶液1に以下に述べる染料(5x10-3モル/L)を溶解し、次いで同一の体積のバッファー溶液2又は3(pH 7又は9.5)を添加することにより得た。
各組成物を90%の白髪を含むグレイヘアに適用した(毛髪1gに対して、溶液6g)。30分間という待ち時間の経過後、これら毛髪の房を濯ぎ、標準的なシャンプーを使用した洗浄を行い、再度濯ぎ、次に乾燥させた。
以下の表に示すような、染色の結果が得られた:
【0079】
【表1】

【0080】
染色の例(ハイライト化条件下)
以下のような割合で、染色組成物を製造した:
染料: 0.25g
ヒドロキシエチルセルロース:ナトロゾル 250MR: 0.72g
アルキル C8/C10 (50:50) ヒドロキシエチルセルロース CG110: 5g
ベンジルアルコール: 4g
ポリエチレングリコール400: 4g
水酸化アンモニウム: 13g
水: 十分量(qs) 100g
使用の時点において、この処方にて、w/w基準で、40容量%の過酸化水素溶液と混合し、次いで毛髪1gに対して、溶液6gなる割合で、毛髪NW[ナチュラルホワイト(Natural White)]及びPW[パーマネントホワイト(Permanent White)]の房に適用した。30分間という待ち時間の経過後、これら毛髪の房を濯ぎ、標準的なシャンプーを使用した洗浄を行い、再度濯ぎ、次に乾燥させた。
以下の表に示すような、染色の結果が得られた:
【0081】
【表2】

【0082】
これら染色された毛髪の房を、12回のシャンプー洗浄(標準的なシャンプーを使用)に付し、またこれら12回のシャンプー洗浄後の、毛髪の色を評価することにより、洗浄に対する耐性についてテストした。その結果、これら毛髪の房は、これら12回のシャンプー洗浄後においても、依然として着色された状態を維持していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I)で表されるジュロリジン単位を持つ、少なくとも1種のカチオン性アゾ化合物の、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトケラチン繊維用の直接染料としての使用:
【化1】

(I)
ここで、Aは、以下の一般式で表される化合物から選択されるカチオン性芳香族ヘテロ環式基を表し:
【化2】

ここで、R1は、相互に独立に以下に列挙する基を表し:
・直鎖又は分岐、飽和又は不飽和のC1-C16炭化水素鎖、ここで該炭化水素鎖は3〜7員環構成を持つ、1又はそれ以上の炭素リングを形成することができ、該リングは、場合により置換され、場合により酸素、窒素又は硫黄等のヘテロ原子、及びカルボニル基から選択される1以上の基が介在してもよい、芳香族リングと、場合によって縮合されており、R1は、ニトロ、ニトロソ、パーオキシド及びジアゾ結合を含まず、R1は、1炭素原子により該へテロ芳香族リングAの、四級化された又は四級化されていない該窒素原子と直接結合しており;
R2は、相互に独立に以下に列挙する基を表し、
・直鎖又は分岐、飽和又は不飽和のC1-C16炭化水素鎖、ここで該炭化水素鎖は3〜6員環構成を持つ、場合により置換され、場合により、好ましくは酸素、窒素から選択される1又はそれ以上のヘテロ原子又は少なくとも1種の該ヘテロ原子を持つ、1又はそれ以上の基が介在していてもよい、1又はそれ以上の芳香族又は非芳香族炭素リングを形成することができ、
・ヒドロキシル基、
・C1-C4アルコキシ基、
・C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、
・アルコキシカルボニル基(R11O-CO-)、ここでR11はC1-C4アルキル基を表し、
・アルキルカルボニルオキシ基(R12CO-O-)、ここでR12はC1-C4アルキル基を表し、
・アミノ基、1又は2個のC1-C4アルキル基で置換されたアミノ基、ここで該アルキル基は、同一でも異なっていてもよく、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持ち、ここで該2個のアルキル基は、これらが結合している窒素原子と共に、5〜6員環構成の、場合により窒素と同一の又はこれとは異なる、酸素、硫黄等の他のヘテロ原子を持つ、ヘテロ環式基を形成することができ、
・アルキルカルボニルアミノ基(R13CO-NR13-及び/又はR13CO-NH-)、ここで該基R13は、各々独立に、C1-C4アルキル基を表し、
・カルバモイル基((R14)2N-CO)、ここで該基R14は、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
・ウレイド基((R15)2N-CO-NR16-)、ここで該基R15及びR16は、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
・スルホンアミド基((R17)2N-SO2-)、ここで該基R17は、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
・アルキルスルホニルアミノ基(R18SO2-NR19-)、ここで該基R18及びR19は、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
・グアニジニウム基((R20)2N-C(=NH2+)-NR21-)、ここで該基R20及びR21は、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
・ニトロ基、
・シアノ基、
・ハロゲン原子、好ましくは塩素、フッ素原子;
隣接する炭素原子の持つ2つの基R2は、その各々が結合している炭素原子と共に、芳香族又は非芳香族縮合環を形成することができ;
mは、0〜4なる範囲の整数を表し、
eは、0〜2なる範囲の整数を表し、
pは、0〜1なる範囲の整数を表し、
Dは、基:CR2又は窒素原子を表し、
Qは、NR1又は酸素若しくは硫黄原子を表し、
上記式(IIa)、(IIb)又は(IIc)から伸びた結合aは、該基Aを該アゾ基に結合し、
該式(IIa)、(IIb)又は(IIc)で表される基の場合、及び隣接する炭素原子の持つ該2つの基R2が芳香族リングを形成する場合には、該結合aは、該基Aと該アゾ基とを、該芳香族リングを介して結合することができ、
これら化合物の電気的中性性は、1種又はそれ以上のアニオン:An-によって与えられ、該アニオンは同一又は異なっている、化粧学的に許容されるものであり得、
X、Y及びZは、夫々3-環式核のアルキル及びアリールリングにおける置換の可能性として定義され、
xは0〜2なる範囲内にあり、yは0〜6なる範囲内にあり、またzは0〜6なる範囲内にあり、これらx、y及びzは整数であり、
又は該カチオン性アゾ化合物は、これらの付加塩類又はその溶媒和物であり得、
アルキル基又はある基のアルキル部分が「置換されている」と言う場合には、これは、以下に列挙する群から選択される少なくとも1種の置換基を含み:
・ヒドロキシル基、
・C1-C4アルコキシ基、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、
・アミノ基、1又はそれ以上のC1-C4アルキル基で置換されたアミノ基、ここで該アルキル基は、同一でも異なっていてもよく、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持ち、ここで該アルキル基は、これらが結合している窒素原子と共に、5又は6員環構成の、場合により窒素原子又はこれ以外の少なくとも1つの他のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式基を形成することができ、
アリール基又はヘテロアリール基、あるいはある基のアリール又はヘテロアリール部分が「置換されている」と言った場合、例えば上記3-環式核の芳香族リング上に置換基Xがある場合、該アリール基又はヘテロアリール基等は、以下に列挙するものから選択される、炭素原子によって担持された少なくとも1つの置換基を含み:
・C1-C16、好ましくはC1-C8アルキル基、これらは、場合によりヒドロキシル基、C1-C2アルコキシ基、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、アシルアミノ基、同一又は異なっていてもよい1又は2個のC1-C4アルキル基で置換された、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持ち、該2つの基が、これらの結合している窒素原子と共に、5〜7員環構成の、場合により窒素と同一の又は異なるもう一つのヘテロ原子を含む、ヘテロ環式基を形成することのできるアミノ基から選択される、1又はそれ以上の基により置換されており、
・ハロゲン原子、例えば塩素、フッ素又は臭素原子、
・ヒドロキシル基、
・C1-C2アルコキシ基、
・C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、
・アミノ基、
・同一又は異なっていてもよい、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、1又は2個のC1-C4アルキル基で置換されたアミノ基、
・アシルアミノ基(-NR31-COR32)、ここで該基R31は、水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基であり、該基R32は、C1-C2アルキル基であり、
・カルバモイル基((R33)2N-CO)、ここで該基R33は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基を表し、
・アルキルスルホニルアミノ基(R34SO2-NR35-)、ここで該基R34は、水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基を表し、また該基R35は、C1-C4アルキル基、フェニル基を表し、
・アミノスルホニル基((R36)2N-SO2-)、ここで該基R36は同一でも異なっていてもよく、水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基を表し、
非芳香族基の環式基又はヘテロ環式基部分が「置換されている」と言った場合、例えば上記3-環式核の脂肪族ヘテロ環の置換基Y及びZがある場合、該環式基又はヘテロ環式基は、以下に列挙する群から選択される、炭素原子によって担持された少なくとも1つの置換基を含み:
・ヒドロキシル基、
・C1-C4アルコキシ基、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、
・アルキルカルボニルアミノ基(R41-CO-NR42)、ここで該基R42は、水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基であり、該基R41は、C1-C2アルキル基、同一でも異なっていてもよく、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つ、2つのC1-C4アルキル基で置換されたアミノ基であり、該アルキル基は、これらが結合している窒素原子と共に、5又は6員環構成を持つ、場合により窒素原子であっても、窒素原子でなくてもよい、少なくとも1つの他のヘテロ原子を含む、ヘテロ環を形成することができ、
リングが最大数の置換基を持たない場合には、該1以上の未置換の位置は、水素原子を有する。
【請求項2】
R1が、C1-C8アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す、請求項1記載の使用。
【請求項3】
該式(IIa)、(IIb)及び(IIc)で表される基が、隣接する炭素原子が担持する2つのR2を含み、かくして該基が、その各々が結合している炭素原子と共に、場合により置換された、芳香族縮合リングを形成する、請求項1又は2記載の使用。
【請求項4】
該e、m及びpが、値ゼロを持つ、請求項1〜3の何れか1項に記載の使用。
【請求項5】
該xが0であるか、あるいはxが1であり、かつXがアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、又はアシルアミノ基を表す、請求項1〜4の何れか1項に記載の使用。
【請求項6】
上記式(I)の化合物が、以下の構造式の一つを持つ、請求項1〜4の何れか1項に記載の使用:
【化3】

【請求項7】
適当な染色媒体中に、請求項1〜6の何れか1項に記載の、少なくとも1種のカチオン性アゾ化合物を含むことを特徴とする、ケラチン繊維、特に毛髪等のヒトケラチン繊維を染色するための染色組成物。
【請求項8】
該組成物全質量を基準として、0.001〜20%、好ましくは0.01〜10%なる範囲の、上記式(I)の直接染料を含む、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
p-フェニレンジアミン、ビスフェニルアルキレンジアミン、p-アミノフェノール、o-アミノフェノール、ヘテロ環式塩基及びこれらの付加塩類から選択される酸化塩基を含む、請求項7又は8記載の組成物。
【請求項10】
該組成物全質量を基準として、0.001〜20質量%、及び好ましくは0.005〜6質量%なる範囲の、該酸化塩基を含む、請求項7〜9の何れか1項に記載の組成物。
【請求項11】
さらに、m-フェニレンジアミン、m-アミノフェノール、m-ジフェノール、ナフタレン系カップリング剤、ヘテロ環式カップリング剤及びこれらの付加塩類から選択されるカップリング剤をも含む、請求項7〜10の何れか1項に記載の染色組成物。
【請求項12】
該カップリング剤が、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ2-メチルベンゼン、4-クロロ1,3-ジヒドロキシベンゼン、2,4-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-アミノ-4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス-(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、3-ウレイドアニリン、3-ウレイド-1-ジメチルアミノベンゼン、セサモール、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、α-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン、1-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、2,6-ビス-(β-ヒドロキシエチルアミノ)トルエン及びこれらの付加塩類から選択される、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
該カップリング剤が、該組成物全質量を基準として、0.001〜20質量%、好ましくは0.005〜6質量%なる範囲の量で存在する、請求項11又は12記載の組成物。
【請求項14】
上記式(I)で表される化合物とは異なる、中性、酸性又はカチオン性ベンゼン系のニトロ染料、中性、酸性又はカチオン性直接アゾ染料、キノン直接染料及び特に中性、酸性又はカチオン性アンスラキノン直接染料アジン直接染料、トリアリールメタン直接染料、テトラアザペンタメチン直接染料、インドアミノ直接染料及び中性直接染料から選択される、1種又はそれ以上の追加の直接染料をも含む、請求項7〜13の何れか1項に記載の組成物。
【請求項15】
該追加の直接染料が、該組成物全質量を基準として、0.001〜20質量%、及び好ましくは0.005〜10質量%なる範囲の量で存在する、請求項16記載の組成物。
【請求項16】
過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属ブロメート、過酸塩、過酸、及びオキシダーゼ酵素から選択される、少なくとも1種の酸化剤及び好ましくは過酸化水素をも含む、請求項7〜15の何れか1項に記載の組成物。
【請求項17】
少なくとも1種のヒドロキシル化溶剤、例えばエタノール、プロピレングリコール、グリセロール、ポリオールのモノエーテルを含む、請求項7〜16の何れか1項に記載の組成物。
【請求項18】
アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性、両極性界面活性剤又はその混合物、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性、両極性ポリマー又はその混合物、無機及び有機増粘剤、及び特にアニオン性、カチオン性、ノニオン性及び両性会合性ポリマー製の増粘剤、酸化防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、芳香剤、バッファー、分散剤、コンディショナー、例えば揮発性又は不揮発性、変性又は未変性のシリコーン、フィルム形成剤、セラミド、保存剤、不透明化剤から選択される、少なくとも1種の添加剤をも含む、請求項7〜17の何れか1項に記載の組成物。
【請求項19】
ケラチン繊維の染色方法であって、以下の諸工程:
・請求項7〜18の何れか1項に記載の染色組成物を該ケラチン繊維に適用する工程、
・該組成物を、3分〜1時間なる範囲及び好ましくは15〜45分間なる範囲の待ち時間に渡り維持する工程、
・該繊維を濯ぐ工程
を含むことを特徴とする、上記方法。
【請求項20】
請求項7〜18の何れか1項に記載の染色組成物の、ケラチン繊維を染色するための使用。
【請求項21】
幾つかの区画を含むキット又は「染色キット」であって、請求項7〜18の何れか1項に記載の染色組成物を含む第一の区画と、酸化剤を含む組成物を含有する第二の区画とを含むことを特徴とする、上記キット。
【請求項22】
以下の式(I)で表されるジュロリジン単位を持つ、カチオン性アゾ化合物:
【化4】

(I)
ここで、Aは、以下の一般式で表される化合物から選択されるカチオン性芳香族ヘテロ環式基を表し:
【化5】

ここで、R1は、相互に独立に以下に列挙する基を表し:
・直鎖又は分岐、飽和又は不飽和のC1-C16炭化水素鎖、ここで該炭化水素鎖は3〜7員環構成を持つ、1又はそれ以上の炭素リングを形成することができ、該リングは、場合により置換され、場合により酸素、窒素又は硫黄等のヘテロ原子、及びカルボニル基から選択される1又はそれ以上の基が介在してもよい、芳香族リングと、場合によって縮合されており、R1は、ニトロ、ニトロソ、パーオキシド及びジアゾ結合を含まず、R1は、1炭素原子により該へテロ芳香族リングAの、四級化された又は四級化されていない該窒素原子と直接結合しており;
R2は、相互に独立に以下に列挙する基を表し、
・直鎖又は分岐、飽和又は不飽和のC1-C16炭化水素鎖、ここで該炭化水素鎖は3〜6員環構成を持つ、場合により置換され、場合により、好ましくは酸素、窒素から選択される1又はそれ以上のヘテロ原子又は少なくとも1種のヘテロ原子を持つ、1又はそれ以上の基が介在していてもよい、1又はそれ以上の芳香族又は非芳香族炭素リングを形成することができ、
・ヒドロキシル基、
・C1-C4アルコキシ基、
・C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、
・アルコキシカルボニル基(R11O-CO-)、ここでR11はC1-C4アルキル基を表し、
・アルキルカルボニルオキシ基(R12CO-O-)、ここでR12はC1-C4アルキル基を表し、
・アミノ基、1又は2個のC1-C4アルキル基で置換されたアミノ基、ここで該アルキル基は、同一でも異なっていてもよく、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持ち、ここで該2個のアルキル基は、これらが結合している窒素原子と共に、5〜6員環構成の、場合により窒素と同一の又はこれとは異なる、酸素、硫黄等の他のヘテロ原子を持つ、ヘテロ環式基を形成することができ、
・アルキルカルボニルアミノ基(R13CO-NR13-及び/又はR13CO-NH-)、ここで該基R13は、各々独立に、C1-C4アルキル基を表し、
・カルバモイル基((R14)2N-CO)、ここで該基R14は、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
・ウレイド基((R15)2N-CO-NR16-)、ここで該基R15及びR16は、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
・スルホンアミド基((R17)2N-SO2-)、ここで該基R17は、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
・アルキルスルホニルアミノ基(R18SO2-NR19-)、ここで該基R18及びR19は、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
・グアニジニウム基((R20)2N-C(=NH2+)-NR21-)、ここで該基R20及びR21は、各々独立に、水素原子、C1-C4アルキル基を表し、
・ニトロ基、
・シアノ基、
・ハロゲン原子、好ましくは塩素、フッ素原子;
隣接する炭素原子の持つ2つの基R2は、その各々が結合している炭素原子と共に、芳香族又は非芳香族縮合環を形成することができ;
mは、0〜4なる範囲の整数を表し、
eは、0〜2なる範囲の整数を表し、
pは、0〜1なる範囲の整数を表し、
Dは、基:CR2又は窒素原子を表し、
Qは、NR1又は酸素若しくは硫黄原子を表し、
上記式(IIa)、(IIb)又は(IIc)から伸びている結合aは、該基Aを該アゾ基に結合し、
該式(IIa)、(IIb)又は(IIc)で表される基の場合、及び隣接する炭素原子の持つ該2つの基R2が芳香族リングを形成する場合には、該結合aは、該基Aと該アゾ基とを、該芳香族リングを介して結合することができ、
これら化合物の電気的中性性は、1種又はそれ以上のアニオン:An-によって与えられ、該アニオンは同一又は異なっている、化粧学的に許容されるものであり得、
X、Y及びZは、夫々3-環式核のアルキル及びアリールリングにおける置換の可能性として定義され、
xは0〜2なる範囲内にあり、yは0〜6なる範囲内にあり、またzは0〜6なる範囲内にあり、これらx、y及びzは整数であり、
又は該カチオン性アゾ化合物は、これらの付加塩類又はその溶媒和物であり得、
アルキル基又はある基のアルキル部分が「置換されている」と言う場合には、これは、以下に列挙する群から選択される少なくとも1種の置換基を含み:
・ヒドロキシル基、
・C1-C4アルコキシ基、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、
・アミノ基、1又はそれ以上のC1-C4アルキル基で置換されたアミノ基、ここで該アルキル基は、同一でも異なっていてもよく、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持ち、ここで該アルキル基は、これらが結合している窒素原子と共に、5又は6員環構成の、場合により窒素原子又はこれ以外の少なくとも1つの他のヘテロ原子を含む、ヘテロ環式基を形成することができ、
アリール基又はヘテロアリール基、あるいはある基のアリール又はヘテロアリール部分が「置換されている」と言った場合、例えば上記3-環式核の芳香族リング上に置換基Xがある場合、該アリール基又はヘテロアリール基等は、以下に列挙するものから選択される、炭素原子によって担持された少なくとも1つの置換基を含み:
・C1-C16、好ましくはC1-C8アルキル基、これらは、場合によりヒドロキシル基、C1-C2アルコキシ基、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、アシルアミノ基、同一又は異なっていてもよい1又は2個のC1-C4アルキル基で置換された、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持ち、該2つの基が、これらの結合している窒素原子と共に、5〜7員環構成の、好ましくは5又は6員環構成の、場合により窒素と同一の又は異なるもう一つのヘテロ原子を含む、ヘテロ環式基を形成することのできる、アミノ基から選択される、1又はそれ以上の基により置換されており、
・ハロゲン原子、例えば塩素、フッ素又は臭素原子、
・ヒドロキシル基、
・C1-C2アルコキシ基、
・C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、
・アミノ基、
・同一又は異なっていてもよい、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、1又は2個のC1-C4アルキル基で置換されたアミノ基、
・アシルアミノ基(-NR31-COR32)、ここで該基R31は、水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基であり、該基R32は、C1-C2アルキル基であり、
・カルバモイル基((R33)2N-CO)、ここで該基R33は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基を表し、
・アルキルスルホニルアミノ基(R34SO2-NR35-)、ここで該基R34は、水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基を表し、また該基R35は、C1-C4アルキル基、フェニル基を表し、
・アミノスルホニル基((R36)2N-SO2-)、ここで該基R36は同一でも異なっていてもよく、水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基を表し、
非芳香族基の環式基又はヘテロ環式基部分が「置換されている」と言った場合、例えば上記3-環式核の脂肪族ヘテロ環の置換基Y及びZがある場合、該環式基又はヘテロ環式基は、以下に列挙する群から選択される、炭素原子によって担持された少なくとも1つの置換基を含み:
・ヒドロキシル基、
・C1-C4アルコキシ基、C2-C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、
・アルキルカルボニルアミノ基(R41-CO-NR42)、ここで該基R42は、水素原子、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つC1-C4アルキル基であり、該基R41は、C1-C2アルキル基、同一でも異なっていてもよく、場合により少なくとも1つのヒドロキシル基を持つ、2つのC1-C4アルキル基で置換されたアミノ基であり、該アルキル基は、これらが結合している窒素原子と共に、5又は6員環構成を持つ、場合により窒素原子であっても、窒素原子でなくてもよい、少なくとも1つの他のヘテロ原子を含む、ヘテロ環を形成することができ、
リングが最大数の置換基を持たない場合には、該1以上の未置換の位置は、水素原子を有し、
但し、2-(9-ジュロリジルアゾ)-3-メチルベンゾチアゾリウムパークロレート、2-(9-ジュロリジルアゾ)-3-エチルチアゾリウムパークロレートを除く。
【請求項23】
R1がC1-C8アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す、請求項22記載の化合物。
【請求項24】
該式(IIa)、(IIb)及び(IIc)で表される基が、隣接する炭素原子が担持する2つのR2を含み、かくして該基が、その各々が結合している炭素原子と共に、場合により置換された、芳香族縮合リングを形成する、請求項22又は23記載の化合物。
【請求項25】
該e、m及びpが、値ゼロを持つ、請求項22〜24の何れか1項に記載の化合物。
【請求項26】
該xが0であるか、あるいはxが1であり、かつXがアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、又はアシルアミノ基を表す、請求項22〜25の何れか1項に記載の化合物。
【請求項27】
上記式(I)の化合物が、以下の構造式の一つを持つ、請求項22〜26の何れか1項に記載の化合物:
【化6】


【公開番号】特開2007−56271(P2007−56271A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−255027(P2006−255027)
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】