説明

スイッチ制御回路、ΔΣ変調回路、及びΔΣ変調型ADコンバータ

【課題】積分器の積分精度及びΔΣ変調回路の変調精度を向上させ、ΔΣ変調型ADコンバータにおける歪率劣化を抑制する。
【解決手段】第1〜第4スイッチを有するスイッチドキャパシタを用いて構成される積分器の前記第2及び第3スイッチと、前記第1及び第4スイッチとを相補的にオンオフするスイッチ制御回路であって、前記第1及び第4スイッチをオフ、前記第2及び第3スイッチをオンにする際には、前記第4スイッチをオフにする前に、前記第2スイッチをオンにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ制御回路、ΔΣ変調回路、及びΔΣ変調型ADコンバータに関する。
【背景技術】
【0002】
オーディオ機器等に用いられるADコンバータとして、ΔΣ変調回路を利用したADコンバータが知られている(例えば、特許文献1)。このようなADコンバータにおいて利用されるΔΣ変調回路は、入力されるアナログ信号を積分して出力する積分器と、積分されたアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する量子化器等を用いて実現される。
【0003】
そして、積分器は、スイッチドキャパシタとオペアンプとを組み合わせることにより構成することができる。図9は、スイッチドキャパシタ及びオペアンプを用いた積分器の構成例を示す図である。積分器100は、オペアンプ110と、積分用のキャパシタ111と、スイッチSW11〜SW14及びキャパシタ112により構成されるスイッチドキャパシタとを備えている。
【0004】
積分用のキャパシタ111の一方の電極はオペアンプ110の出力端子と電気的に接続され、他方の電極はオペアンプ110の反転入力端子と電気的に接続されている。そして、オペアンプ110の非反転入力端子には、中間電圧Vdd/2が印加されている。また、スイッチSW11〜SW14及びキャパシタ112により構成されるスイッチドキャパシタがオペアンプ110の反転入力端子と電気的に接続されている。
【0005】
このような積分器100において、スイッチSW12,SW13がオン、スイッチSW11,SW14がオフとなっている間、キャパシタ112には、入力電圧Vinと中間電圧Vdd/2との差に応じた電荷が蓄積される(サンプリング処理)。その後、スイッチSW12,SW13がオフ、スイッチSW11,SW14がオンとなると、キャパシタ112に蓄積された電荷は、積分用のキャパシタ111に流れ込んで蓄積される(積分処理)。このような、サンプリング処理・積分処理が繰り返し行われることにより、オペアンプ110の出力電圧Voutは入力電圧Vinを積分した電圧となる。
【0006】
ところで、ΔΣ変調回路においては、分解能を高めるためにサンプリング処理及び積分処理を高精度に行う必要があるため、スイッチSW12,SW13のオンオフタイミングをずらしたり、スイッチSW11,SW14のオンオフタイミングをずらしたりすることがある(例えば、特許文献2)。図10は、スイッチSW11〜SW14の夫々のオンオフを制御する4相クロックを生成するスイッチ制御回路の一般的な構成例を示す図である。スイッチ制御回路120は、NOR回路130〜132、及びインバータ回路133〜138を備えている。
【0007】
NOR回路130には、インバータ回路133を介したスタンバイ信号STBと、主クロックCLKとが入力されている。スタンバイ信号は、動作時はHレベルとなっている。したがって、動作時には、主クロックCLKを反転した信号がNOR回路130から出力されることとなる。
【0008】
NOR回路130から出力される信号は、NOR回路131に入力されるとともに、インバータ回路134を介してNOR回路132に入力される。そして、NOR回路132の後段には、偶数個のインバータ回路135が設けられており、その出力がスイッチSW11のオンオフを制御するクロック信号CK1となっている。さらに、その後段には偶数個のインバータ回路136が設けられており、その出力がスイッチSW14のオンオフを制御するクロック信号CK4となっている。また、インバータ回路136の出力はNOR回路131に入力されている。
【0009】
同様に、NOR回路131の後段には、インバータ回路135と同数のインバータ回路137が設けられており、その出力がスイッチSW12のオンオフを制御するクロック信号CK2となっている。さらに、その後段にはインバータ回路136と同数のインバータ回路138が設けられており、その出力がスイッチSW13のオンオフを制御するクロック信号CK3となっている。また、インバータ回路138の出力はNOR回路132に入力されている。
【0010】
なお、本例においては、クロック信号CK1〜CK4がHレベルのときに、スイッチSW11〜SW14の夫々がオンになることとする。
【0011】
図11は、スイッチ制御回路120の動作を示すタイミングチャートである。時刻t1に、主クロックCLKがLレベルからHレベルに変化したとする。このとき、NOR回路131の一方の入力はLレベル、NOR回路132の一方の入力はHレベルとなる。したがって、NOR回路132の出力はLレベルとなり、時刻t2にクロック信号CK1がLレベルとなり、時刻t3にクロック信号CK4がLレベルとなる。そして、クロック信号CK4がLレベルになると、NOR回路131の出力がHレベルとなり、時刻t4にクロック信号CK2がHレベルとなり、時刻t5にクロック信号CK3がHレベルとなる。
【0012】
そして、時刻t6に、主クロックがHレベルからLレベルに変化したとする。このとき、NOR回路131の一方の入力はHレベル、NOR回路132の一方の入力はLレベルとなる。したがって、NOR回路131の出力はLレベルとなり、時刻t7にクロック信号CK2がLレベルとなり、時刻t8にクロック信号CK3がLレベルとなる。そして、クロック信号CK3がLレベルになると、NOR回路132の出力がHレベルとなり、時刻t9にクロック信号CK1がHレベルとなり、時刻t10にクロック信号CK4がHレベルとなる。
【0013】
このように、スイッチ制御回路120が生成する4相のクロック信号によってスイッチSW11〜SW14がオンオフされることにより、高精度なサンプリング処理及び積分処理が実行される。
【特許文献1】特開2002−141802号公報
【特許文献2】特開平10−84255号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
前述したように、スイッチSW12,SW13がオン、スイッチSW11,SW14がオフのときにキャパシタ112に電荷が蓄えられ、その後、スイッチSW12,SW13がオフ、スイッチSW11,SW14がオンとなることにより、この電荷がキャパシタ111に流れ込むこととなる。ここで、オペアンプ110の非反転入力端子と反転入力端子とはイマジナリショートであるため、理論上は、反転入力端子の電圧は非反転入力端子に印加された中間電圧Vdd/2と同じになる。したがって、キャパシタ112に蓄積された全ての電荷は、スイッチSW12,SW13がオフ、スイッチSW11,SW14がオンになることにより、キャパシタ111に流れ込むこととなる。
【0015】
しかし、実際には、オペアンプ110にはオフセットが存在するため、反転入力端子の電圧は非反転入力端子に印加された中間電圧Vdd/2よりオフセット分のαだけ高いか、または低い電圧となる。そのため、スイッチSW11,SW14がオンとなっても、キャパシタ112に蓄積された電荷のうち、このオフセットαに相当する電荷はキャパシタ111に流れ込まずに残ってしまうこととなる。
【0016】
このように、キャパシタ112に電荷が残ってしまうと、積分器100における入力電圧Vinの積分の精度が低下することとなる。そして、このような積分器100を用いることによりΔΣ変調回路の変調精度が低下し、ΔΣ変調型ADコンバータにおける歪率が劣化してしまう。
【0017】
図12は、ΔΣ変調型ADコンバータに入力されるアナログ信号(入力電圧Vin)の振幅に応じた理論上の歪率特性を示す図である。なお、歪率(THD+N)は、図の上に行くほど低い値であることとする。この図に示すように、理論上は、入力可能な最大振幅であるフルスケール(0dBFS)よりも若干小さい振幅(−1〜−3dBFS)のところで、歪率が最も低くなっている。
【0018】
そして、図13は、ΔΣ変調型ADコンバータに入力されるアナログ信号の振幅に応じた実際の歪率特性を示す図である。この図に示すように、実際の歪率特性では、歪率が最も低くなる際の入力振幅は理論上の振幅よりも小さくなっており、また、その際の歪率も理論上の歪率より高い値となっている。つまり、ΔΣ変調型ADコンバータに用いられる積分器を構成するキャパシタ112に電荷が残ってしまうことにより、図13に示すように歪率の劣化が生じているのである。
【0019】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、積分器の積分精度及びΔΣ変調回路の変調精度を向上させ、ΔΣ変調型ADコンバータにおける歪率劣化を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するため、本発明のスイッチ制御回路は、入力端子及び出力端子を有するオペアンプと、第1及び第2電極を有し、前記第1電極が前記オペアンプの前記出力端子と電気的に接続され、前記第2電極が前記オペアンプの前記入力端子と電気的に接続された第1キャパシタと、第3及び第4電極を有する第2キャパシタと、前記第2キャパシタの前記第3電極と前記オペアンプの前記入力端子との間に介在する第1スイッチと、前記第2キャパシタの前記第3電極に対して基準電圧を印加する第2スイッチと、前記第2キャパシタの前記第4電極に対して入力電圧を印加する第3スイッチと、前記第2キャパシタの前記第4電極に対して前記基準電圧を印加する第4スイッチと、を含んで構成される積分器の前記第2及び第3スイッチと、前記第1及び第4スイッチとを相補的にオンオフするスイッチ制御回路であって、前記第1及び第4スイッチをオフ、前記第2及び第3スイッチをオンにする際には、前記第4スイッチをオフにする前に、前記第2スイッチをオンにすることとする。
【0021】
そして、前記スイッチ制御回路は、所定の周期で変化する主クロックが一方の論理値に変化すると、前記第2及び第3スイッチがオフとなるように前記第2及び第3スイッチのオンオフを制御するための第2及び第3クロックを変化させて出力した後に、前記第1及び第4スイッチがオンとなるように前記第1及び第4スイッチのオンオフを制御するための第1及び第4クロックを変化させて出力し、前記主クロックが他方の論理値に変化すると、前記第1スイッチがオフ、前記第2スイッチがオンとなるように前記第1及び第2クロックを変化させて出力した後に、前記第4スイッチがオフ、前記第3スイッチがオンとなるように前記第4及び第3クロックを変化させて出力することとすることができる。
【0022】
また、前記スイッチ制御回路は、第1及び第2入力信号が入力され、前記第1入力信号が一方の論理値の場合には前記第1入力信号に応じた信号を出力し、前記第1入力信号が他方の論理値の場合には前記第2入力信号に応じた信号を出力する第1論理回路と、前記第1論理回路から出力される信号を所定の時間遅延させて前記第1クロックとして出力する遅延回路と、第3及び第4入力信号が入力され、前記第3入力信号が一方の論理値の場合には前記第3入力信号に応じた信号を前記第2クロックとして出力し、前記第3入力信号が他方の論理値の場合には前記第4入力信号に応じた信号を前記第2クロックとして出力する第2論理回路と、第5及び第6入力信号が入力され、前記第5入力信号が一方の論理値の場合には前記第5入力信号に応じた信号を前記第3クロックとして出力し、前記第5入力信号が他方の論理値の場合には前記第6入力信号に応じた信号を前記第3クロックとして出力する第3論理回路と、第7及び第8入力信号が入力され、前記第7入力信号が一方の論理値の場合には前記第7入力信号に応じた信号を前記第4クロックとして出力し、前記第7入力信号が他方の論理値の場合には前記第8入力信号に応じた信号を前記第4クロックとして出力する第4論理回路と、を備え、前記第1入力信号は、前記主クロックに応じた信号であり、前記第2入力信号は、前記第2クロックに応じた信号であり、前記第3入力信号は、前記第1入力信号を反転した信号であり、前記第4入力信号は、前記第1論理回路から出力される信号に応じた信号であり、前記第5入力信号は、前記第1論理回路から出力される信号に応じた信号であり、前記第6入力信号は、前記第4クロックに応じた信号であり、前記第7入力信号は、前記第2クロックに応じた信号であり、前記第8入力信号は、前記第3クロックに応じた信号であり、前記遅延回路における前記所定の時間は、前記第3論理回路に前記一方の論理値の前記第5入力信号が入力されてから前記第3クロックが出力されるまでの時間よりも長い時間であることとすることができる。
【0023】
さらに、前記スイッチ制御回路は、前記第1〜第4スイッチの夫々は、前記第1〜第4クロックと、前記第1〜第4クロックを反転した第5〜第8クロックとの2つの入力により制御されるCMOSスイッチ回路であり、前記第1クロックを反転した前記第5クロックを出力する第5論理回路と、前記第2クロックを反転した前記第6クロックを出力する第6論理回路と、前記第3クロックを反転した前記第7クロックを出力する第7論理回路と、前記第4クロックを反転した前記第8クロックを出力する第8論理回路と、を備えることとしてもよい。
【0024】
また、本発明のΔΣ変調回路は、入力端子及び出力端子を有するオペアンプと、第1及び第2電極を有し、前記第1電極が前記オペアンプの前記出力端子と電気的に接続され、前記第2電極が前記オペアンプの前記入力端子と電気的に接続された第1キャパシタと、第3及び第4電極を有する第2キャパシタと、前記第2キャパシタの前記第3電極と前記オペアンプの前記入力端子との電気的接続を制御する第1スイッチと、前記第2キャパシタの前記第3電極への基準電圧の印加を制御する第2スイッチと、前記第2キャパシタの前記第4電極への入力電圧の印加を制御する第3スイッチと、前記第2キャパシタの前記第4電極への前記基準電圧の印加を制御する第4スイッチと、を含んで構成される前記入力電圧を積分して出力する積分器と、前記第2及び第3スイッチと、前記第1及び第4スイッチとを相補的にオンオフするスイッチ制御回路と、前記積分器の出力を量子化して出力する量子化器と、前記量子化器の出力に応じて前記第1キャパシタに蓄積された電荷を減じる減算回路と、を備えるΔΣ変調回路であって、前記スイッチ制御回路は、前記第1及び第4スイッチをオフ、前記第2及び第3スイッチをオンにする際には、前記第4スイッチをオフにする前に、前記第2スイッチをオンにすることとする。
【0025】
また、本発明のΔΣ変調型ADコンバータは、アナログ信号である前記入力電圧をオーバーサンプリングしてデジタル信号に変換して出力する前記ΔΣ変調回路と、前記ΔΣ変調回路から出力されるオーバーサンプリングされた前記デジタル信号を所定の周波数に間引いて出力するデジタルフィルタと、を備えることとする。
【発明の効果】
【0026】
積分器の積分精度及びΔΣ変調回路の変調精度を向上させ、ΔΣ変調型ADコンバータにおける歪率劣化を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
==積分器==
図1は、本発明の一実施形態であるスイッチ制御回路により制御される積分器の構成を示す図である。積分器1は、オペアンプ10と、積分用のキャパシタ11(第1キャパシタ)と、スイッチSW1〜SW4(第1〜第4スイッチ)及びキャパシタ12(第2キャパシタ)により構成されるスイッチドキャパシタとを備えている。
【0028】
積分用のキャパシタ11の一方の電極(第1電極)はオペアンプ10の出力端子と電気的に接続され、他方の電極(第2電極)はオペアンプ10の反転入力端子と電気的に接続されている。そして、オペアンプ10の非反転入力端子には、中間電圧Vdd/2が印加されている。
【0029】
スイッチSW1は、キャパシタ12の一方の電極(第3電極)とオペアンプ10の反転入力端子との電気的接続を制御するスイッチである。また、スイッチSW2は、キャパシタ12の一方の電極(第3電極)への中間電圧Vdd/2(基準電圧)の印加を制御するスイッチである。また、スイッチSW3は、キャパシタ12の他方の電極(第4電極)への入力電圧Vinの印加を制御するスイッチである。また、スイッチSW4は、キャパシタ12の他方の電極(第4電極)への中間電圧Vdd/2の印加を制御するスイッチである。
【0030】
これらのスイッチSW1〜SW4は、スイッチ制御回路20から出力される4相のクロック信号CK1〜CK4(第1〜第4クロック)によりオンオフが制御される。なお、本実施形態においては、クロック信号CK1〜CK4がHレベルのときに、スイッチSW1〜SW4の夫々がオンになることとする。
【0031】
このような積分器1において、スイッチSW2,SW3がオン、スイッチSW1,SW4がオフとなっている間、キャパシタ12には、入力電圧Vinと中間電圧Vdd/2との差に応じた電荷が蓄積される(サンプリング処理)。その後、スイッチSW2,SW3がオフ、スイッチSW1,SW4がオンとなると、キャパシタ12に蓄積された電荷は、積分用のキャパシタ11に流れ込んで蓄積される(積分処理)。このような、サンプリング処理・積分処理が繰り返し行われることにより、オペアンプ10の出力電圧Voutは入力電圧Vinを積分した電圧となる。
【0032】
==スイッチ制御回路==
図2は、スイッチ制御回路20の構成を示す図である。スイッチ制御回路20は、NOR回路30〜34、及びインバータ回路35〜60を備えている。
【0033】
NOR回路30には、インバータ回路35を介したスタンバイ信号STBと、主クロックCLKとが入力されている。スタンバイ信号は、積分器1の動作時はHレベルとなっている。したがって、動作時には、主クロックCLKを反転した信号がNOR回路30から出力されることとなる。
【0034】
NOR回路30から出力される信号(第1信号)は、NOR回路31に入力されるとともに、インバータ回路36により反転された信号(第3信号)が、NOR回路32に入力される。そして、NOR回路31の後段には、偶数個(例えば6個)のインバータ回路37〜42が設けられており、インバータ回路42の出力がスイッチSW1のオンオフを制御するクロック信号CK1となっている。また、インバータ回路42から出力される信号(第4信号)はNOR回路32に入力されている。
【0035】
そして、NOR回路32の後段には、偶数個(例えば4個)のインバータ回路43〜46が設けられており、インバータ回路46の出力がスイッチSW2のオンオフを制御するクロック信号CK2となっている。また、インバータ回路46の後段には、偶数個(例えば2個)のインバータ回路47,48が設けられており、インバータ回路48から出力される信号(第2信号,第7信号)はNOR回路31及びNOR回路34に入力されている。
【0036】
また、NOR回路31から出力される信号(第5信号)は、NOR回路33に入力されている。NOR回路33の後段には、偶数個(例えば2個)のインバータ回路49,50が設けられており、インバータ回路50の出力がスイッチSW3のオンオフを制御するクロック信号CK3となっている。また、インバータ回路50の後段には、偶数個(例えば4個)のインバータ回路51〜54が設けられており、インバータ回路54から出力される信号(第8信号)はNOR回路34に入力されている。
【0037】
そして、NOR回路34の後段には、偶数個(例えば4個)のインバータ回路55〜58が設けられており、インバータ回路58の出力がスイッチSW4のオンオフを制御するクロック信号CK4となっている。また、インバータ回路58の後段には、偶数個(例えば2個)のインバータ回路59,60が設けられており、インバータ回路60から出力される信号(第6信号)はNOR回路33に入力されている。
【0038】
なお、NOR回路31が本発明の第1論理回路に該当し、インバータ回路37〜42が本発明の遅延回路に該当する。また、NOR回路32及びインバータ回路43〜46が本発明の第2論理回路に該当し、NOR回路33及びインバータ回路49,50が本発明の第3論理回路に該当し、NOR回路34及びインバータ回路55〜58が本発明の第4論理回路に該当する。
【0039】
==動作説明==
次に、積分器1の動作時、つまり、スタンバイ信号STBがHレベルの時の、スイッチ制御回路20の動作について説明する。なお、本実施形態においては、インバータ回路35〜60の夫々において発生する遅延時間は同一であることとする。
【0040】
図3は、本実施形態のスイッチ制御回路20の動作を示すタイミングチャートである。まず、時刻t1に、主クロックCLKがLレベルからHレベルに変化したとする。このとき、NOR回路31の一方の入力はLレベル、NOR回路32の一方の入力はHレベルとなる。したがって、NOR回路32の出力はLレベルとなり、時刻t2にクロック信号CK2がLレベルとなり、インバータ回路48から出力されるLレベルの信号がNOR回路31に入力される。これにより、NOR回路31の出力はHレベルとなる。
【0041】
そして、NOR回路31から出力されるHレベルの信号は、インバータ回路37に入力されるとともに、NOR回路33に入力され、NOR回路33の出力はLレベルとなる。ここで、NOR回路31の出力は6個のインバータ回路37〜42を経てクロック信号CK1となり、NOR回路33の出力は2個のインバータ回路49,50を経てクロック信号CK3となっている。したがって、まず、時刻t3にクロック信号CK3がLレベルとなり、時刻t3より後の時刻t4にクロック信号CK1がHレベルとなる。
【0042】
そして、クロック信号CK3がLレベルになると、インバータ回路54から出力されるLレベルの信号がNOR回路34に入力される。これにより、NOR回路34の出力はHレベルとなり、時刻t5にクロック信号CK4がHレベルとなる。
【0043】
なお、本実施形態においては、NOR回路31の後段に6個のインバータ回路37〜42を設けることとしたが、これに限られず、NOR回路31の出力がHレベルに変化してからクロック信号CK3が変化するまでの時間よりも長い遅延時間を生成する回路であれば良い。
【0044】
その後、時刻t6に、主クロックがHレベルからLレベルに変化したとする。このとき、NOR回路31の一方の入力はHレベル、NOR回路32の一方の入力はLレベルとなる。したがって、NOR回路31の出力はLレベルとなり、Lレベルの信号がインバータ回路37に入力されるとともに、NOR回路33に入力される。そして、時刻t7に、インバータ回路42の出力であるクロック信号CK1がLレベルとなる。なお、この時点では、クロック信号CK4がHレベルであるため、NOR回路33の出力はLレベルのままであり、クロック信号CK3もLレベルのままとなっている。
【0045】
そして、インバータ回路42から出力されるLレベルの信号がNOR回路32に入力されると、NOR回路32の出力がHレベルとなり、時刻t8にクロック信号CK2がHレベルとなる。クロック信号CK2がHレベルになると、インバータ回路48から出力されるHレベルの信号がNOR回路34に入力される。これにより、NOR回路34の出力はLレベルとなり、時刻t9にクロック信号CK4がLレベルとなる。
【0046】
そして、クロック信号CK4がLレベルになると、インバータ回路60から出力されるLレベルの信号がNOR回路33に入力される。これにより、NOR回路33の出力はHレベルとなり、時刻t10にクロック信号CK3がHレベルとなる。
【0047】
このように4相のクロック信号CK1〜CK4が変化する場合の、積分器1の動作について説明する。まず、時刻t1においては、スイッチSW2,SW3がオン、スイッチSW1,SW4がオフとなる。そのため、サンプリング用のキャパシタ12に、入力電圧Vinに応じた電荷が蓄積される。そして、時刻t2にスイッチSW2がオフ、時刻t3にスイッチSW3がオフとなり、その後、時刻t4にスイッチSW1がオン、時刻t5にスイッチSW4がオンとなる。そのため、サンプリング用のキャパシタ12に蓄積された電荷が積分用のキャパシタ11に流れ込むこととなる。ここで、オペアンプ10のオフセットをαとすると、オペアンプ10の反転入力端子の電圧はVdd/2+αとなるため、キャパシタ12にはαに応じた電荷が残ることとなる。
【0048】
その後、時刻t7にスイッチSW1がオフとなり、時刻t8にスイッチSW2がオンとなる。時刻t8においては、スイッチSW4はまだオンの状態であるため、キャパシタ12の両方の電極に中間電圧Vdd/2が印加され、キャパシタ12に残った電荷は放電される。そして、時刻t9にスイッチSW4がオフとなり、時刻t10にスイッチSW3がオンとなることにより、キャパシタ12に、入力電圧Vinに応じた電荷が蓄積される。つまり、入力電圧Vinのサンプリング開始時にキャパシタ12に電荷が残っていないため、サンプリング精度を高め、積分器1における積分精度を高めることが可能となる。
【0049】
なお、本実施形態においては、スイッチSW1〜SW4は、クロック信号CK1〜CK4がHレベルのときにオンとなるスイッチであることとしたが、スイッチの形態はこれに限られず、例えば、相補関係にある2つのクロック信号によりオンオフが制御されるCMOSスイッチ回路を用いることも可能である。
【0050】
図4は、スイッチSW1をCMOSスイッチ回路とする場合の構成例を示す図である。スイッチSW1は、P型MOSFET71とN型MOSFET72とが並列に接続されたCMOSスイッチ回路となっている。ここで、N型MOSFET72のゲートには、前述したクロック信号CK1が入力され、P型MOSFET71のゲートには、クロック信号CK1を反転したクロック信号CK1Bが入力される。
【0051】
図5は、スイッチSW1をCMOSスイッチ回路とする場合のスイッチ制御回路20の構成を示す図である。図に示されるように、クロック信号CK1を出力するインバータ回路42の入力信号、つまり、クロック信号CK1を反転した信号がクロック信号CK1B(第5クロック)となっている。同様に、スイッチSW2〜SW4をCMOSスイッチ回路とする場合、クロック信号CK2〜CK4を出力するインバータ回路の入力信号が、クロック信号CK2〜CK4を反転したクロック信号CK2B〜CK4B(第6〜第8クロック)となっている。なお、奇数個のインバータ回路37〜41が本発明の第5論理回路に該当する。同様に、インバータ回路43〜45が本発明の第6論理回路、インバータ回路49が本発明の第7論理回路、インバータ回路55〜57が本発明の第8論理回路に該当する。
【0052】
このように、消費電力の小さいCMOSスイッチ回路を用いる場合においても、スイッチ制御回路20により同様の制御を行うことが可能である。
【0053】
==適用例==
次に、スイッチ制御回路20により制御される積分器1の適用例について説明する。図6は、本実施形態のスイッチ制御回路20により制御される積分器1を用いたΔΣ変調回路の構成を示す図である。ΔΣ変調回路80は、積分器1、量子化器81、及び1ビットDAコンバータ(1ビットDAC)82を備えた1次の1ビットΔΣ変調回路である。
【0054】
入力されるアナログ信号(X)は、積分器1によって積分される。量子化器81は、積分器1から出力される積分結果が所定の値以上であれば+1を出力し、所定の値未満であれば−1を出力する。そして、1ビットDAC82は、量子化器81の出力が+1の場合、積分器1において積分された値から”+1”に相当する分だけ減算する。
【0055】
図7は、本実施形態のΔΣ変調回路80における積分器及び1ビットDACの構成を示す図である。1ビットDAC82は、キャパシタ83と、スイッチSW5,SW6とを備えている。キャパシタ83の一方の電極はスイッチSW1を介してオペアンプ10の反転入力端子と電気的に接続されている。また、スイッチSW5は、キャパシタ83の他方の電極への中間電圧Vdd/2の印加を制御するスイッチであり、スイッチSW6は、キャパシタ83の他方の電極への接地電圧の印加を制御するスイッチである。
【0056】
ここで、量子化器81の出力が+1である場合、スイッチSW5はクロック信号CK2がHレベルの時にオンとなり、スイッチSW6はクロック信号CK1がHレベルの時にオンとなる。つまり、スイッチSW2,SW3,SW5がオンとなることにより、キャパシタ12に入力電圧Vinに応じた電荷が蓄積されるとともに、キャパシタ83の両方の電極には中間電圧Vdd/2が印加されるため、キャパシタ83は放電される。そして、その後スイッチSW2,SW3,SW5がオフとなり、スイッチSW1,SW4,SW6がオンとなると、キャパシタ83の両方の電極の電圧差はオペアンプ10の反転入力端子の電圧であるVdd/2+αとなる。したがって、キャパシタ12に蓄積された電荷はキャパシタ11に流れ込むとともに、Vdd/2+αに相当する電荷がキャパシタ83に抜き取られる。つまり、1ビットDAC82によって、積分器1において積分された値から”+1”に相当する分が減算される。
【0057】
このように、スイッチ制御回路20により制御される積分器1を用いてΔΣ変調回路80を構成すると、積分器1での積分精度が高いため、ΔΣ変調回路80における変調精度も高いものとなる。
【0058】
また、図8は、本実施形態のΔΣ変調回路80を用いたΔΣ変調型のADコンバータの構成を示す図である。ADコンバータ90は、ΔΣ変調回路80及びデジタルフィルタ91を備えている。ΔΣ変調回路80は、ノイズを低減させるため、入力されるアナログ信号を、ベースバンド周波数のN倍(例えば128倍程度)の周波数でオーバーサンプリングして出力する。そして、デジタルフィルタ91は、ΔΣ変調回路80から出力されるオーバーサンプリングされた信号を1/Nに間引いて出力する。
【0059】
このように、ΔΣ変調回路80を用いてADコンバータ90を構成すると、ΔΣ変調回路80での変調精度が高いため、ADコンバータ90での歪率劣化を抑制することが可能となる。
【0060】
以上、本実施形態のスイッチ制御回路20、ΔΣ変調回路80、及びΔΣ変調型ADコンバータ90について説明した。前述したように、スイッチ制御回路20は、スイッチSW1,SW4がオン、スイッチSW2,SW3がオフの状態から、スイッチSW1がオフ、スイッチSW2がオンとなるようにクロック信号CK1,CK2を変化させた後に、スイッチSW4がオフ、スイッチSW3がオンとなるようにクロック信号CK4,CK3を変化させて出力する。これにより、キャパシタ12に新たにサンプリングが行われる前にスイッチSW2,SW4が同時にオンとなる期間が生じ、オペアンプ10のオフセットによりキャパシタ12に残った電荷が放電される。したがって、積分器1における積分精度が向上する。
【0061】
また、クロック信号CK1〜CK4は、一つの主クロックCLKを元に生成されているため、プロセスばらつきによるクロックタイミングの変動が少ない。そのため、スイッチSW1〜SW4のオンオフタイミングがずれることがなく、積分器1における積分精度が向上する。
【0062】
そして、このようなスイッチ制御回路20により制御される積分器1を用いることにより、変調精度の高いΔΣ変調回路80を得ることができる。なお、本実施形態においては、ΔΣ変調回路80は1次の1ビットΔΣ変調回路であることとしたが、2次以上、また、複数ビットのΔΣ変調回路を構成する場合についても、スイッチ制御回路20により制御される積分器1を用いることにより、変調精度を高めることができる。
【0063】
さらに、変調精度の高いΔΣ変調回路80を用いることにより、歪率低下を抑制することが可能なΔΣ変調型のADコンバータ90を得ることができる。特に、例えば20ビット以上の高ビットのΔΣ変調型ADコンバータにおいては、非常に小さい歪率が要求されるため、本実施形態のスイッチ制御回路20により制御される積分器1を用いることが有効である。
【0064】
なお、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0065】
例えば、本実施形態においては、スイッチ制御回路20より制御される積分器1の適用例としてΔΣ変調回路80及びΔΣ変調型ADコンバータ90を示したが、積分器1の適用範囲はこれに限られるものではなく、あらゆる回路において、積分精度の向上による効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態であるスイッチ制御回路により制御される積分器の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態であるスイッチ制御回路の構成を示す図である。
【図3】本実施形態のスイッチ制御回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】N型MOSFET及びP型MOSFETを用いて構成されるスイッチの構成例を示す図である。
【図5】N型MOSFET及びP型MOSFETを用いて構成されるスイッチを制御するための4相クロックを生成するスイッチ制御回路の構成を示す図である。
【図6】本実施形態のスイッチ制御回路により制御される積分器を用いたΔΣ変調回路の構成を示す図である。
【図7】本実施形態のΔΣ変調回路における積分器及び1ビットDACの構成を示す図である。
【図8】本実施形態のΔΣ変調回路を用いたADコンバータの構成を示す図である。
【図9】一般的な積分器の構成を示す図である。
【図10】4相クロックを生成する一般的なスイッチ制御回路の構成を示す図である。
【図11】一般的なスイッチ制御回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図12】ΔΣ変調型ADコンバータに入力されるアナログ信号の振幅に応じた理論上の歪率特性を示す図である。
【図13】ΔΣ変調型ADコンバータに入力されるアナログ信号の振幅に応じた実際の歪率特性を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
1 積分器 10 オペアンプ
11,12 キャパシタ 20 スイッチ制御回路
30〜34 NOR回路 35〜60 インバータ回路
71 P型MOSFET 72 N型MOSFET
80 ΔΣ変調回路 81 量子化器
82 1ビットDAコンバータ 83 キャパシタ
90 ADコンバータ 91 デジタルフィルタ
SW1〜SW6 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子及び出力端子を有するオペアンプと、
第1及び第2電極を有し、前記第1電極が前記オペアンプの前記出力端子と電気的に接続され、前記第2電極が前記オペアンプの前記入力端子と電気的に接続された第1キャパシタと、
第3及び第4電極を有する第2キャパシタと、
前記第2キャパシタの前記第3電極と前記オペアンプの前記入力端子との間に介在する第1スイッチと、
前記第2キャパシタの前記第3電極に対して基準電圧を印加する第2スイッチと、
前記第2キャパシタの前記第4電極に対して入力電圧を印加する第3スイッチと、
前記第2キャパシタの前記第4電極に対して前記基準電圧を印加する第4スイッチと、
を含んで構成される積分器の前記第2及び第3スイッチと、前記第1及び第4スイッチとを相補的にオンオフするスイッチ制御回路であって、
前記第1及び第4スイッチをオフ、前記第2及び第3スイッチをオンにする際には、前記第4スイッチをオフにする前に、前記第2スイッチをオンにすること、
を特徴とするスイッチ制御回路。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ制御回路であって、
所定の周期で変化する主クロックが一方の論理値に変化すると、前記第2及び第3スイッチがオフとなるように前記第2及び第3スイッチのオンオフを制御するための第2及び第3クロックを変化させて出力した後に、前記第1及び第4スイッチがオンとなるように前記第1及び第4スイッチのオンオフを制御するための第1及び第4クロックを変化させて出力し、
前記主クロックが他方の論理値に変化すると、前記第1スイッチがオフ、前記第2スイッチがオンとなるように前記第1及び第2クロックを変化させて出力した後に、前記第4スイッチがオフ、前記第3スイッチがオンとなるように前記第4及び第3クロックを変化させて出力すること、
を特徴とするスイッチ制御回路。
【請求項3】
請求項2に記載のスイッチ制御回路であって、
第1及び第2入力信号が入力され、前記第1入力信号が一方の論理値の場合には前記第1入力信号に応じた信号を出力し、前記第1入力信号が他方の論理値の場合には前記第2入力信号に応じた信号を出力する第1論理回路と、
前記第1論理回路から出力される信号を所定の時間遅延させて前記第1クロックとして出力する遅延回路と、
第3及び第4入力信号が入力され、前記第3入力信号が一方の論理値の場合には前記第3入力信号に応じた信号を前記第2クロックとして出力し、前記第3入力信号が他方の論理値の場合には前記第4入力信号に応じた信号を前記第2クロックとして出力する第2論理回路と、
第5及び第6入力信号が入力され、前記第5入力信号が一方の論理値の場合には前記第5入力信号に応じた信号を前記第3クロックとして出力し、前記第5入力信号が他方の論理値の場合には前記第6入力信号に応じた信号を前記第3クロックとして出力する第3論理回路と、
第7及び第8入力信号が入力され、前記第7入力信号が一方の論理値の場合には前記第7入力信号に応じた信号を前記第4クロックとして出力し、前記第7入力信号が他方の論理値の場合には前記第8入力信号に応じた信号を前記第4クロックとして出力する第4論理回路と、
を備え、
前記第1入力信号は、前記主クロックに応じた信号であり、
前記第2入力信号は、前記第2クロックに応じた信号であり、
前記第3入力信号は、前記第1入力信号を反転した信号であり、
前記第4入力信号は、前記第1論理回路から出力される信号に応じた信号であり、
前記第5入力信号は、前記第1論理回路から出力される信号に応じた信号であり、
前記第6入力信号は、前記第4クロックに応じた信号であり、
前記第7入力信号は、前記第2クロックに応じた信号であり、
前記第8入力信号は、前記第3クロックに応じた信号であり、
前記遅延回路における前記所定の時間は、前記第3論理回路に前記一方の論理値の前記第5入力信号が入力されてから前記第3クロックが出力されるまでの時間よりも長い時間であること、
を特徴とするスイッチ制御回路。
【請求項4】
請求項3に記載のスイッチ制御回路であって、
前記第1〜第4スイッチの夫々は、前記第1〜第4クロックと、前記第1〜第4クロックを反転した第5〜第8クロックとの2つの入力により制御されるCMOSスイッチ回路であり、
前記第1クロックを反転した前記第5クロックを出力する第5論理回路と、
前記第2クロックを反転した前記第6クロックを出力する第6論理回路と、
前記第3クロックを反転した前記第7クロックを出力する第7論理回路と、
前記第4クロックを反転した前記第8クロックを出力する第8論理回路と、
を備えることを特徴とするスイッチ制御回路。
【請求項5】
入力端子及び出力端子を有するオペアンプと、
第1及び第2電極を有し、前記第1電極が前記オペアンプの前記出力端子と電気的に接続され、前記第2電極が前記オペアンプの前記入力端子と電気的に接続された第1キャパシタと、
第3及び第4電極を有する第2キャパシタと、
前記第2キャパシタの前記第3電極と前記オペアンプの前記入力端子との電気的接続を制御する第1スイッチと、
前記第2キャパシタの前記第3電極への基準電圧の印加を制御する第2スイッチと、
前記第2キャパシタの前記第4電極への入力電圧の印加を制御する第3スイッチと、
前記第2キャパシタの前記第4電極への前記基準電圧の印加を制御する第4スイッチと、
を含んで構成される前記入力電圧を積分して出力する積分器と、
前記第2及び第3スイッチと、前記第1及び第4スイッチとを相補的にオンオフするスイッチ制御回路と、
前記積分器の出力を量子化して出力する量子化器と、
前記量子化器の出力に応じて前記第1キャパシタに蓄積された電荷を減じる減算回路と、
を備えるΔΣ変調回路であって、
前記スイッチ制御回路は、
前記第1及び第4スイッチをオフ、前記第2及び第3スイッチをオンにする際には、前記第4スイッチをオフにする前に、前記第2スイッチをオンにすること、
を特徴とするΔΣ変調回路。
【請求項6】
アナログ信号である前記入力電圧をオーバーサンプリングしてデジタル信号に変換して出力する請求項5に記載のΔΣ変調回路と、
前記ΔΣ変調回路から出力されるオーバーサンプリングされた前記デジタル信号を所定の周波数に間引いて出力するデジタルフィルタと、
を備えることを特徴とするΔΣ変調型ADコンバータ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−49232(P2007−49232A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−228700(P2005−228700)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】