説明

スケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護方法及びその装置

【課題】 ビデオ符号化コンテンツを、符号化階層別にデータだけを暗号化することによって、暗号化及び逆暗号化に要求される計算量を減少させるコンテンツの保護方法及びその装置の提供。
【解決手段】 コンテンツを暗号化して提供するビデオ符号化コンテンツ提供システムにおけるコンテンツ保護方法であって、コンテンツを獲得する段階と、コンテンツをアーカイブに格納し、認証実行及びユーザに伝達すべき暗号化キーを生成するように制御する段階と、認証実行及び暗号化キーを生成する段階と、ビデオを撮像し、コンテンツに対して符号化する段階と、コンテンツに対して生成された暗号化キーを用いて暗号化する段階と、ビデオ符号化コンテンツに対する情報メタデータを生成する段階と、ビデオ符号化コンテンツと生成された情報メタデータを、ネットワーク等を介して端末に伝送する段階を含む方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護方法及びその装置に関し、より詳細には、保護化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツをサービスするために、スケーラブルビデオ符号化コンテンツを、各時間スケーラビリティ、空間スケーラビリティ及び画質スケーラビリティの観点から各符号化階層別にデータだけを暗号化することによって、暗号化及び逆暗号化に要求される計算量を減少させ、コンテンツユーザの利用等級によって暗号化及び逆暗号化に必要な暗号化キーを生成及び配信してコンテンツを保護することができる方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、従来、圧縮ビデオコンテンツの保護では、対象ビデオをパッケージ化して、伝送時に暗号化を適用してコンテンツを保護するか、または、格納された圧縮ビデオコンテンツ自体を暗号化して保護する方式が主に用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前述のような暗号化保護方式は、暗号化された圧縮ビデオコンテンツを逆暗号化する過程で多くの計算量が必要であるという短所があり、また、スケーラブルビデオ符号化コンテンツの場合、各階層のデータに対する暗号化を全体的に行うに伴って、非効率的な計算量の増加をもたらす問題点を有する。
【0004】
本発明は、前述したような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、保護化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツをサービスするために、スケーラブルビデオ符号化コンテンツを、各時間スケーラビリティ、空間スケーラビリティ及び画質スケーラビリティの観点から各符号化階層別にデータだけを暗号化することによって、暗号化及び逆暗号化に要求される計算量を減少させ、コンテンツユーザの利用等級によって暗号化及び逆暗号化に必要な暗号化キーを生成及び配信してコンテンツを保護することができるスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明の一実施形態によれば、スケーラブルビデオユーザ端末から要求されたスケーラブルビデオコンテンツを暗号化して提供するスケーラブルビデオ符号化コンテンツ提供システムにおけるスケーラブルビデオコンテンツ保護方法であって、要求されたスケーラブルビデオコンテンツを獲得する段階と、受信したスケーラブルビデオコンテンツをスケーラブルビデオコンテンツアーカイブに格納すると同時に、認証実行及びユーザに伝達すべき暗号化キーを生成するように制御する段階と、認証実行及び暗号化キーを生成する段階と、要求に応じてスケーラブルビデオを撮像し、撮像されたスケーラブルビデオコンテンツに対して符号化する段階と、符号化されたスケーラブルビデオコンテンツに対して生成された暗号化キーを用いて暗号化する段階と、暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツに対する暗号化情報メタデータを生成する段階と、暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツと生成された暗号化情報メタデータを、ネットワークを介して、スケーラブルビデオユーザ端末に伝送する段階を含むことを特徴とする保護方法が提供される。
【0006】
上記目的を達成するための本発明の他の実施形態によれば、スケーラブルビデオ符号化コンテンツ提供システムから受信される暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツと暗号化情報メタデータを逆暗号化及び復号化するスケーラブルビデオユーザ端末におけるスケーラブルビデオコンテンツ保護方法であって、受信された暗号化情報メタデータから暗号化情報メタデータを解釈し、暗号化キー及び暗号化情報を得る段階と、受信された暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツと暗号化キー及び暗号化情報を用いて逆暗号化する段階と、逆暗号化されたスケーラブルビデオコンテンツを復号化して再生する段階を含むことを特徴とする保護方法が提供される。
【0007】
上記目的を達成するための本発明のさらに他の実施形態によれば、スケーラブルビデオユーザ端末から要求されたスケーラブルビデオコンテンツを保護するためのスケーラブルビデオ符号化コンテンツ提供システムであって、要求されたスケーラブルビデオコンテンツを受信するユーザコンテンツ要求情報受信手段と、受信されたスケーラブルビデオコンテンツをスケーラブルビデオコンテンツアーカイブに格納すると同時に、認証実行及びユーザに伝達すべき暗号化キーを生成するように制御するスケーラブルビデオコンテンツサービス管理手段と、認証実行及び暗号化キーを生成するユーザ認証及び暗号化キー管理手段と、要求に応じてスケーラブルビデオを撮像する撮像手段と、撮像されたスケーラブルビデオコンテンツに対して符号化するスケーラブルビデオ符号化手段と、符号化されたスケーラブルビデオコンテンツに対して生成された暗号化キーを用いて暗号化するスケーラブルビデオ符号化データ暗号化手段と、暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツに対する暗号化情報メタデータを生成する暗号化情報メタデータ生成手段と、暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツと生成された暗号化情報メタデータを、ネットワークを介して、スケーラブルビデオユーザ端末に伝送する暗号化スケーラブルビデオ符号化コンテンツ及び暗号化情報メタデータ伝送手段を含むことを特徴とするスケーラブルビデオ符号化コンテンツ提供システムが提供される。
【0008】
上記目的を達成するための本発明の更に他の実施形態によれば、暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツと暗号化情報メタデータを逆暗号化及び復号化して保護するためのスケーラブルビデオユーザ端末であって、受信された暗号化情報メタデータから暗号化情報メタデータを解釈し、暗号化キー及び暗号化情報を得る暗号化スケーラブルビデオメタデータ解釈手段と、受信した暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツを、暗号化キー及び暗号化情報を用いて逆暗号化するスケーラブル暗号化ビデオ逆暗号化手段と、逆暗号化されたスケーラブルビデオコンテンツを復号化するスケーラブルビデオ復号化手段と、復号化されたスケーラブルビデオコンテンツをレンダリングさせて再生するスケーラブル復号ビデオレンダリング手段を含むことを特徴とするスケーラブルビデオユーザ端末が提供される。
【0009】
本発明の更に他の実施形態によれば、スケーラブルビデオ符号化コンテンツを保護する装置であって、ビデオユーザ端末の要求によって獲得された入力ビデオデータを時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のうち少なくとも1つ以上の階層に分けて入力する入力手段と、時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のうち少なくとも1つ以上の階層の入力ビデオデータに対して符号化する符号化手段と、前記符号化された時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のビデオデータを暗号化する暗号化手段と、前記暗号化された時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のビデオデータに対するメタデータを生成する生成手段と、前記暗号化された時間、空間及び画質スケーラビリティ階層の符号化データと前記生成されたメタデータを組み合わせて格納する格納手段を含むスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護装置が提供される。
【0010】
本発明の更に他の実施形態によれば、スケーラブルビデオ符号化コンテンツを保護する方法であって、ビデオユーザ端末の要求によって獲得された入力ビデオデータを時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のうち少なくとも1つ以上の階層に分けて入力する段階と、時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のうち少なくとも1つ以上の階層の入力ビデオデータに対して符号化を行う段階と、前記符号化された時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のビデオデータを暗号化する段階と、前記暗号化された時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のビデオデータに対するメタデータを生成する段階と、前記暗号化された時間、空間及び画質スケーラビリティ階層の符号化データと前記生成されたメタデータを組み合わせて格納する段階を含むスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護方法が提供される。
【0011】
本発明の更に他の実施形態によれば、スケーラブルビデオ符号化コンテンツを保護する方法であって、入力ビデオデータを時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のうち少なくとも1つ以上の階層に分ける段階と、時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のうち少なくとも1つ以上の階層の入力ビデオデータに対して符号化を行う段階と、符号化された時間、空間及び画質スケーラビリティ階層の入力ビデオデータに対して少なくとも1つの時間、空間及び画質スケーラビリティ階層の組合でビットストリームをグルーピングし、ティアーを構成する段階と、前記構成された1つ以上のティアーに対して暗号化を行う段階と、前記暗号化が行われたティアーに対して行われた暗号化に関する情報をメタデータとして生成する段階を含むスケーラブルビデオ符号化コンテンツを保護する方法が提供される。尚、入力ビデオデータは、3つのスケーラビリティ階層として入力される必要はなく、1つ以上の階層として入力されてもよい。
【0012】
好ましくは、暗号化が行われたティアーまたは元のティアー、前記ティアー保護メタデータを組み合わせて1つのファイルとして格納するか、または別途のデータとして格納する段階を更に含む。尚、1つ以上のティアーに対して暗号化を行う段階は、ティアー全体を保護する段階、または、ティアー内の指定されたスケーラビリティ組合に対応するビットストリームデータに対して選別的に暗号化を適用する段階を備えることが好ましい。
【0013】
本発明の更に他の実施形態によれば、前記スケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピューターで読み取り可能な記録媒体が提供される。すなわち、本発明に係るスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護方法は、コンピューターで読み取り可能な記録媒体の場合には、コンピューターで読み取り可能なコードで具現化されることが可能であり、コンピューターで読み取り可能な記録媒体は、コンピューターシステムによって読み出されることができるデータが格納されるすべての種類の記録装置を含む。
【0014】
例えば、コンピューターで読み取り可能な記録媒体として、ROM (Read Only Memory)、RAM、CD−ROM、磁気テープ、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、移動式格納装置、不揮発性メモリー(Flash Memory)、光データ格納装置などが挙げられ、また、キャリアウエーブ(例えば、インターネットを介した伝送)などの伝送媒体形態に具現化されるものをも含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、保護化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツをサービスするために、スケーラブルビデオ符号化コンテンツを、各時間スケーラビリティ、空間スケーラビリティ及び画質スケーラビリティの観点から各符号化階層別にデータだけを暗号化することによって、暗号化及び逆暗号化に要求される計算量を減少させ、コンテンツユーザの利用等級によって暗号化及び逆暗号化に必要な暗号化キーを生成及び配信してコンテンツを保護することによって、暗号化された圧縮ビデオコンテンツを逆暗号化する段階での多くの計算量を不要とし、また、従来のようなスケーラブルビデオ符号化コンテンツの場合において、各階層のデータに対する暗号化を全体的に行う際の非効率的な計算量増加をもたらす問題点を解決することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に関し、多数の実施形態を案出することができるが、添付の図面を参照して、好ましい実施例について、以下に詳しく説明する。当業者であれば、以下に説明される実施例から本発明の目的、特徴及び利点を理解することが可能となる。
図1a及び図1bは、本発明によるスケーラブルビデオフレームの時間分解及び合成図である。図1aは、スケーラブルビデオフレームの時間分解図であり、図1bは、スケーラブルビデオフレームの時間合成図である。
【0017】
まず、図1aを参照する。
連続するビデオフレームは、各フレーム(ピクチャー)グループに分けられる。各ピクチャーグループにおいて、時間フィルタリングを通じて低域フィルタリングピクチャーと高域フィルタリングピクチャーとがそれぞれ1/2時間解像度を有しながら1つの階層を形成する。更に、下位階層として、それぞれ1/2時間解像度を有する低域フィルタリングピクチャーと高域フィルタリングピクチャーとに分けられる。
言い換えれば、最下位階層にただ1つの低域フィルタリングピクチャーが残るまで、時間分解工程が続けられる。
【0018】
次に、図1bを参照する。
スケーラブルビデオフレームの時間合成工程は、分解工程の逆工程であり、分解工程で得られた最下位階層の低域フィルタリングピクチャーから、次上位階層の高域フィルタリングピクチャーを用いて、同じ階層の低域フィルタリングピクチャーを求める。このような工程を元の映像の解像度を得るまで実行する。
【0019】
言い換えれば、時間分解されたスケーラブルビデオコンテンツを伝送するときには、最下位階層の低域フィルタリングされたピクチャーを最初に送信し、その後、次上位階層の高域フィルタリングされたピクチャーを順に送信する。ここで、スケーラブルビデオ保護の観点から見れば、最下位の低域フィルタリングされたピクチャーだけを暗号化することによって、全ての上位階層の低域フィルタリングされたピクチャーの合成を保護することができる長所がある。また、許容する時間解像度によって上位階層の高域フィルタリングされたピクチャーを暗号化することによって、当該階層よりも下の階層のみのピクチャーの時間解像度を許容することができる長所がある。
【0020】
図2は、MPEG−4スケーラブルビデオ符号化(AVC)のためのブロック構成図である。
元の映像ピクチャーは、ダウンサンプリング又はフィルタリングを通じて、空間解像度の低減がなされ、低減された各空間解像度のピクチャーは、対応する階層の符号化ブロックに入力される。
【0021】
最小空間解像度ピクチャーが符号化される最下位階層は、MPEG−4 AVC又はH.264ビデオ符号化方式によって符号化される。上位階層は、自身のすぐ下位階層で符号化される時に使われる動き、テクスチャー、残差信号などを利用して、自己階層の入力ピクチャーを符号化する。このような符号化構造は、「coarse granular scalability(粗粒度スケーラビリティ)」と呼ばれる。一方、各符号化階層では、画質をさらに細密な等級に分けて符号化することができる「fine granular scalability(細粒度スケーラビリティ)」を用いて符号化することができる。
【0022】
図3は、本発明によるスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護のための時間/空間スケーラビリティ構造図を示す。
図3において、第0番目のピクチャーから第4番目のピクチャーまでは、下位(n)階層ピクチャーを示し、第5番目のピクチャーから第9番目のピクチャーまでは、上位(n+1)階層ピクチャーを示す。ここで、下位(n)階層ピクチャーは、時間分解を通じて符号化され、上位(n+1)階層ピクチャーは、下位(n)階層のピクチャーと同一の時間分解構造をもって符号化される。符号化時に、上位(n+1)階層ピクチャーは、自身のそれぞれの対応する下位(n)階層のピクチャーから動き情報(動作ベクトル)(motion vectors)、テクスチャー(texture)、残差(residual)信号などを用いて符号化される。
例えば、上位(n+1)階層の第7番目のピクチャーは、下位(n)階層の第2番目のピクチャーの符号化時に使われた動き、テクスチャー、残差信号など並びに第5番目及び第9番目のピクチャーを用いて符号化される。したがって、スケーラブルビデオコンテンツ保護の観点から見れば、第0番目のピクチャーと第4番目のピクチャーが暗号化された後は、これらを逆暗号化しなくては、第1番目、第2番目、第3番目のピクチャー及び第5番目から第9番目のピクチャーまで全てを再生することができなくなる。これは、コンテンツ保護の観点から、スケーラブルビデオコンテンツを保護するのに、非常に効果的な方法である。
【0023】
図4は、本発明によるMPEG−4スケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護装置のFGS(Fine Granular Scalability:細粒度スケーラビリティ)ブロック構成図である。
すなわちFGSの基本階層では、入力される映像を変換、スケーリング及び量子化を通じて符号化し、これを、逆工程を通じて復号化して、元の映像との残差信号を求める。その後、FGSの向上階層では、FGSの基本階層で得られた残差信号を入力し、変換及びスケーリング工程を行い、FGSの基本階層の量子化よりもさらに細密な量子化を行い、その結果をエントロピー符号化する。
一方、この向上階層において逆復号化された映像は、以前の基本階層で復号化された映像に対してさらに残差信号が求められ、その結果は、次の向上階層の入力として用いられる。このような工程を所望のFGS階層まで連続して行う。ここで、FGSコンテンツに対するコンテンツ保護の観点から見れば、下位階層で得られる残差信号を暗号化すると、その残差信号を逆暗号化しない場合には、その次の向上階層に対しては正しい復号化を行うことができなくなる。
【0024】
前述したような図1乃至図4を総合して時間、空間及び画質スケーラビリティを同時に考慮したスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護について、以下、図1aを参照して説明する。
すなわち図1aにおいて、基本階層の最下位階層にあるL3低域フィルタリングピクチャーは、最も基本になるピクチャーであり、L3ピクチャーを暗号化すると、L3ピクチャーを成功裏に逆暗号化しなくては、1つのピクチャーグループ(GoP:Group of Pictures)全体を再生することが不可能になり、基本階層のピクチャーグループ全ての復号化が不可能になるので、上位階層のピクチャーのいずれも復号化が不可能になる。
【0025】
これより、もし基本階層でL3ピクチャーだけを暗号化せず、残りのH3高域フィルタリングピクチャーだけを暗号化すると、1つのピクチャーグループ内でただ一枚のL3ピクチャーだけを復号化することが可能になる。
したがって、基本階層の最下位階層のL3ピクチャーに対応する向上階層においても、最下位階層のL3ピクチャーが復号化される。また、基本階層のL3ピクチャーだけの復号化を許容し、向上階層の対応するL3ピクチャーを保護しようとする場合には、向上階層のL3ピクチャー符号化データだけを保護することによって、上位向上階層のL3ピクチャーの復号化は、逆暗号化を先に実行しなくては不可能になる。
【0026】
これと同様に、L2ピクチャーまで保護せず、それ以上の解像度ピクチャーを保護するためには、H2高域フィルタリングピクチャーだけを暗号化すればよく、L1ピクチャーまで保護せず、それ以上の解像度ピクチャーを保護するためには、H1高域フィルタリングピクチャーだけを暗号化すればよい。
また、基本階層の時間解像度階層において、L3低域フィルタリングピクチャーとH3、H2及びH1高域フィルタリングピクチャーとを互いに異なる暗号化キーを用いて暗号化し、互いに異なるユーザグループ及びビジネスモデルに応じて、暗号化キーの公開を制限することによって、ユーザグループは、同一のスケーラブルビデオコンテンツに対して互いに異なるスケーラビリティレベルでコンテンツ消費をするように制御することができる長所がある。
【0027】
図5は、本発明によるスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護装置のためのブロック構成図を示す。
スケーラブルビデオ符号化コンテンツ提供システム(100)は、ビデオ獲得装置であるカメラ(101)、ビデオ獲得ブロック(102)、スケーラブルビデオ符号化ブロック(103)、スケーラブルビデオコンテンツサービス管理ブロック(104)、ユーザ認証及び暗号化キー管理ブロック(105)、スケーラブルビデオ符号化データ暗号化ブロック(106)、暗号化情報メタデータ生成ブロック(107)、暗号化情報メタデータアーカイブ(108)、スケーラブルビデオコンテンツアーカイブ(109)、コンテンツ獲得ブロック(110)、暗号化スケーラブルビデオ符号化コンテンツ及び暗号化情報メタデータ伝送ブロック(111)及びユーザコンテンツ要求情報受信ブロック(112)を含む。
【0028】
スケーラブルビデオユーザ端末(200)として、有線端末(例えば、ネットワーク接続手段を有するコンピューターなど)又は無線端末(例えば、セルラーフォン、PCS、PDA、IMT−2000、PDAフォン、スマートフォンなど)を用いることができる。
スケーラブルビデオユーザ端末(200)は、暗号化スケーラブルビデオ符号化コンテンツ及び暗号化情報メタデータ受信ブロック(201)、暗号化スケーラブルビデオメタデータ解釈ブロック(202)、スケーラブル暗号化ビデオ逆暗号化ブロック(203)、スケーラブルビデオ復号化ブロック(204)、スケーラブル復号ビデオレンダリングブロック(205)、ユーザインターフェースブロック(206)及びスケーラブルビデオ要求及び応答受信ブロック(207)を含む。
前述した構成に基づいて、本発明によるスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護装置の動作工程についてさらに詳細に説明する。
【0029】
図5を参照する。
スケーラブルビデオユーザ端末(200)内のユーザインターフェースブロック(206)はスケーラブルビデオコンテンツを、ネットワーク(300)を介して、スケーラブルビデオ符号化コンテンツ提供システム(100)に要求する。
この結果、スケーラブルビデオ符号化コンテンツ提供システム(100)は、ユーザの要求によるスケーラブルビデオコンテンツを、ユーザコンテンツ要求情報受信ブロック(112)を介して受信し、スケーラブルビデオコンテンツサービス管理ブロック(104)に入力する。
【0030】
スケーラブルビデオコンテンツサービス管理ブロック(104)は、スケーラブルビデオコンテンツを提供されるとともに、これを、スケーラブルビデオコンテンツアーカイブ(109)に格納すると同時に、ユーザ認証及び暗号化キー管理ブロック(105)を制御し、認証実行及びユーザに伝達すべき暗号化キーを生成する。
このとき、カメラ(101)は、スケーラブルビデオコンテンツサービス管理ブロック(104)の制御によって要求されたスケーラブルビデオコンテンツを生成するためのビデオを撮像する。ビデオ獲得ブロック(102)は、生成されたスケーラブルビデオコンテンツを獲得し、これをスケーラブルビデオ符号化ブロック(103)に提供する。
【0031】
スケーラブルビデオ符号化ブロック(103)は、この提供されたスケーラブルビデオコンテンツに対して符号化工程を実行し、スケーラブルビデオ符号データ暗号化ブロック(106)に提供する。
スケーラブルビデオ符号データ暗号化ブロック(106)は、符号化されたスケーラブルビデオコンテンツに対してユーザ認証及び暗号化キー管理ブロック(105)から入力された暗号化キーを用いて暗号化を行い、暗号化されたコンテンツを、暗号化スケーラブルビデオ符号化コンテンツ及び暗号化情報メタデータ伝送ブロック(111)と暗号化情報メタデータ生成ブロック(107)に提供する。
【0032】
このとき、暗号化情報メタデータ生成ブロック(107)は、スケーラブルビデオ符号データ暗号化ブロック(106)から提供された暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツに対する暗号化情報メタデータを生成し、これを、暗号化情報メタデータアーカイブ(108)に格納すると同時に、暗号化スケーラブルビデオ符号化コンテンツ及び暗号化情報メタデータ伝送ブロック(111)に入力する。
暗号化スケーラブルビデオ符号化コンテンツ及び暗号化情報メタデータ伝送ブロック(111)は、暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツをスケーラブルビデオ符号データ暗号化ブロック(106)から受信し、また、生成された暗号化情報メタデータを暗号化情報メタデータ生成ブロック(107)から受信し、これを、ネットワーク(300)を介して、スケーラブルビデオユーザ端末(200)に伝送する。
【0033】
ここで、図5を参照する。
スケーラブルビデオユーザ端末(200)内の暗号化スケーラブルビデオ符号化コンテンツ及び暗号化情報メタデータ受信ブロック(201)は、ネットワーク(300)を介して、暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツ及び暗号化情報メタデータを受信する。このとき、暗号化スケーラブルビデオメタデータ解釈ブロック(202)は、暗号化情報メタデータを解釈して、暗号化キー及び関連暗号化情報を獲得し、これを、スケーラブル暗号化ビデオ逆暗号化ブロック(203)に伝達する。
【0034】
スケーラブル暗号化ビデオ逆暗号化ブロック(203)は、暗号化スケーラブルビデオ符号化コンテンツ及び暗号化情報メタデータ受信ブロック(201)から引き出した暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツと、暗号化スケーラブルビデオメタデータ解釈ブロック(202)から提供された暗号化キー及び関連暗号化情報を用いて、逆暗号化工程を行い、逆暗号化されたコンテンツを、スケーラブルビデオ復号化ブロック(204)に提供する。
スケーラブルビデオ復号化ブロック(204)は、逆暗号化工程を経たスケーラブルビデオコンテンツを復号化し、これを、スケーラブル復号ビデオレンダリングブロック(205)に提供する。
スケーラブル復号ビデオレンダリングブロック(205)は、復号化されたスケーラブルビデオコンテンツをレンダリングさせた後、ユーザインターフェース(206)を経て出力手段(図示せず)を通じて再生させる。
【0035】
図6は、本発明の階層スケーラブルビットストリーム表現構造の一例を示す。ティアー(Tier)は、1つ以上のSVCビットストリームを1つのグループにまとめた単位を示す。
図6に示す如く、基本ティアー(Base Tier)は、基本階層ビットストリームを1つのティアーにまとめている。一例として、3つのスケーラビリティレベル組合(時間スケーラビリティレベル、空間スケーラビリティレベル、粗い画質のスケーラビリティレベル)であるティアー1{(T0、S1、B0)、(T1、S1、B0)、(T1、S0、B0)}、ティアー2{(T0、S1、B0)、(T2、S0、B0)}、ティアー3{(GT0、S2、B0)、(T1、S2、B0)、(T2、S2、B0x)}が示される。
ここで、基本ティアーを保護(暗号化適用)すれば、基本ティアーに依存性を有しているすべてのティアー1(Tier1)、ティアー2(Tier2)、ティアー3(Tier3)は、基本ティアーを逆暗号化しなくては、復元が不可能なので、すべて保護するようになる効果を得るようになる。もし、ティアー1{(hT1、S1、B0y)}を保護(暗号化適用)すれば、ティアー1{(T1、S1、B0)}に依存性を有するティアー3{(T1、S2、B0)、(T2、S2、B0E)}とティアー2{(T0、S1、B0)}を暗号化しなくても保護する結果を得ることができる。
【0036】
図7は、本発明のスケーラブルビットストリーム保護のためのファイルフォーマットボックス構造を示すファイルフォーマット構造である。
図7のファイルフォーマット構造は、ファイルタイプFTYPボックス 、MOOVボックス、MDATボックスを具備しており、ファイルタイプFTYPボックスは、ファイルタイプ(ここではSVCタイプ)情報を示し、MOOVボックスは、ビデオストリーム情報(ここではSVCストリーム情報)を含み、MDATボックスは、実際のデータ(ここではSVCストリーム)を格納するためのボックスとして定義する。MOOVボックスは、さらにTRAKボックス、MDIAボックス、サンプルテーブルSTBLボックスを再帰的に含んでおり、サンプルテーブルSTBLボックス内にサンプルグループを指定するためのSBGP(Sample-to-Group)ボックスとサンプルグループに関する情報を記録するためのSGPD(Sample Group Description)ボックスを有する。
【0037】
図8は、本発明のスケーラブルビットストリーム保護のためのファイルフォーマットボックス構造を示す図であり、サンプルテーブルSTBLボックスのSGPD(Sample Group Description)ボックス構造を示す。
ここで、ファイルフォーマットボックス構造は、ティアーを保護するためのProtectionSchemeInfoBox()データ構造を含む。ProtectionSchemeInfoBox()データ構造を、以下の表1に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
一方、SVCOperatingPointBoxは、temporal_level、dependency_id、quality_level情報を用いて、各ティアーに、時間、空間、画質スケーラビリティ情報を表現することによって、各ティアー間の依存関係を示す。SVCOperatingPointBoxのデータ構造を、以下の表2に示す。
【0040】
【表2】

【0041】
したがって、本発明は、図7及び図8で例示されたファイルフォーマット構造を用いて階層的依存関係を用いてスケーラブルビデオビットストリームの階層的依存保護が非常に効果的に達成される。
また、本発明は、保護化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツをサービスするために、スケーラブルビデオ符号化コンテンツを、各時間スケーラビリティ、空間スケーラビリティ及び画質スケーラビリティの観点から各符号化階層別にデータだけを暗号化することによって、暗号化及び逆暗号化に要求される計算量を減少させ、コンテンツユーザの利用等級によって暗号化及び逆暗号化に必要な暗号化キーを生成及び配信してコンテンツを保護することにより、暗号化された圧縮ビデオコンテンツを逆暗号化する工程で多くの計算量を不要とする。したがって、既知の手法に係るスケーラブルビデオ符号化コンテンツにおいて生ずる「各階層のデータに対する暗号化を全体的に行うに伴って、非効率的な計算量増加を招来する」という問題点を解決することができる。
また、本発明は、特定の例示的な実施形態を参照して、図示され、また、説明されている。したがって、当業者にとって、添付の請求の範囲に記載の発明の要旨並びに技術的範囲から逸脱することなく、本発明の形式及び詳細に関し、様々な変更をすることが可能であることは理解すべき事項である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1a】本発明によるスケーラブルビデオフレームの時間分解及び合成図である。
【図1b】本発明によるスケーラブルビデオフレームの時間分解及び合成図である。
【図2】MPEG−4スケーラブルビデオ符号化のためのブロック構成図である。
【図3】本発明によるスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護のための時間/空間スケーラビリティ構造図である。
【図4】本発明によるMPEG−4スケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護装置のFGS(Fine Granular Scalability:細粒度スケーラビリティ)ブロック構成図である。
【図5】本発明によるスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護装置のためのブロック構成図である。
【図6】本発明の階層スケーラブルビットストリーム表現構造の一例を示す図である。
【図7】本発明のスケーラブルビットストリーム保護のためのファイルフォーマットボックス構造を示すファイルフォーマット構造図である。
【図8】本発明のスケーラブルビットストリーム保護のためのファイルフォーマットボックス構造を示すファイルフォーマット構造図である。
【符号の説明】
【0043】
100・・・スケーラブルビデオ符号化コンテンツ提供システム
101・・・カメラ
102・・・ビデオ獲得ブロック
103・・・スケーラブルビデオ符号化ブロック
104・・・スケーラブルビデオコンテンツサービス管理ブロック
105・・・ユーザ認証及び暗号化キー管理ブロック
106・・・スケーラブルビデオ符号化データ暗号化ブロック
107・・・暗号化情報メタデータ生成ブロック
108・・・暗号化情報メタデータアーカイブ
109・・・スケーラブルビデオコンテンツアーカイブ
110・・・コンテンツ獲得ブロック
111・・・暗号化スケーラブルビデオ符号化コンテンツ及び暗号化情報メタデータ伝送ブロック
112・・・ユーザコンテンツ要求情報受信ブロック
200・・・スケーラブルビデオユーザ端末
201・・・暗号化スケーラブルビデオ符号化コンテンツ及び暗号化情報メタデータ受信ブロック
202・・・暗号化スケーラブルビデオメタデータ解釈ブロック
203・・・スケーラブル暗号化ビデオ逆暗号化ブロック
204・・・スケーラブルビデオ復号化ブロック
205・・・スケーラブル復号ビデオレンダリングブロック
206・・・ユーザインターフェースブロック
207・・・スケーラブルビデオ要求及び応答受信ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スケーラブルビデオユーザ端末から要求されたスケーラブルビデオコンテンツを暗号化して提供するスケーラブルビデオ符号化コンテンツ提供システムにおけるスケーラブルビデオコンテンツ保護方法であって、
前記要求されたスケーラブルビデオコンテンツを受信する段階と、
前記受信したスケーラブルビデオコンテンツを、スケーラブルビデオコンテンツアーカイブに格納すると同時に、認証実行及びユーザに伝達すべき暗号化キーを生成するように制御する段階と、
前記認証実行及び暗号化キーを生成する段階と、
前記要求に応じてスケーラブルビデオを撮像し、該撮像されたスケーラブルビデオコンテンツに対して符号化する段階と、
該符号化されたスケーラブルビデオコンテンツに対して、前記生成された暗号化キーを用いて暗号化する段階と、
前記暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツに対する暗号化情報メタデータを生成する段階と、
前記暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツと前記生成された暗号化情報メタデータを、ネットワーク又は格納媒体を介して、前記スケーラブルビデオユーザ端末に伝送する段階を含むことを特徴とするスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護方法。
【請求項2】
前記暗号化する段階が、基本階層の入力ビデオ時間分解ピクチャーに対して最下位階層に分解された低域フィルタリングピクチャー又は上位階層の高域フィルタリングピクチャーに対して、選択的に暗号化を行う段階を備えることを特徴とする請求項1に記載のスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護方法。
【請求項3】
前記暗号化する段階が、画質スケーラビリティを有するように符号化されるFGS階層の符号化データに対して、基本階層又は向上階層を暗号化する段階を備えることを特徴とする請求項1に記載のスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護方法。
【請求項4】
前記暗号化情報メタデータには、暗号化パラメーター及び暗号化キーが含まれることを特徴とする請求項1に記載のスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護方法。
【請求項5】
スケーラブルビデオ符号化コンテンツ提供システムから受信する暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツと暗号化情報メタデータを逆暗号化及び復号化するスケーラブルビデオユーザ端末におけるスケーラブルビデオコンテンツ保護方法であって、
前記受信した暗号化情報メタデータから暗号化情報メタデータを解釈し、暗号化キー及び暗号化情報を得る段階と、
前記受信した暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツを、前記暗号化キー及び暗号化情報を用いて逆暗号化する段階と、
前記逆暗号化されたスケーラブルビデオコンテンツを復号化して再生する段階とを含むことを特徴とするスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護方法。
【請求項6】
前記暗号化情報メタデータには、暗号化パラメーター及び暗号化キーが含まれることを特徴とする請求項5に記載のスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護方法。
【請求項7】
前記逆暗号化する段階において、逆暗号化ツールが存在しない場合、格納媒体又はネットワークを介して、逆暗号化ツールを獲得及び設置して使用することを特徴とする請求項5に記載のスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護方法。
【請求項8】
前記逆暗号化する段階において、逆暗号化のための暗号化メタデータが存在しない場合、ネットワークを介して、逆暗号化に必要な暗号化メタデータを要求し、該要求に対応する暗号化メタデータを受信及び獲得し、暗号化されたスケーラブルビデオデータを逆暗号化する段階に適用することを特徴とする請求項5に記載のスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護方法。
【請求項9】
スケーラブルビデオユーザ端末から要求されたスケーラブルビデオコンテンツを保護するためのスケーラブルビデオ符号化コンテンツ提供システムであって、
前記要求されたスケーラブルビデオコンテンツを受信するユーザコンテンツ要求情報受信手段と、
前記受信したスケーラブルビデオコンテンツを、スケーラブルビデオコンテンツアーカイブに格納すると同時に、認証実行及びユーザに伝達すべき暗号化キーを生成するように制御するスケーラブルビデオコンテンツサービス管理手段と、
前記認証実行及び暗号化キーを生成するユーザ認証及び暗号化キー管理手段と、
前記要求に応じてスケーラブルビデオを撮像する撮像手段と、
前記撮像されたスケーラブルビデオコンテンツに対して符号化するスケーラブルビデオ符号化手段と、
前記符号化されたスケーラブルビデオコンテンツに対して、前記生成された暗号化キーを用いて、暗号化するスケーラブルビデオ符号化データ暗号化手段と、
前記暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツに対する暗号化情報メタデータを生成する暗号化情報メタデータ生成手段と、
前記暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツと前記生成された暗号化情報メタデータを、ネットワークを介して、前記スケーラブルビデオユーザ端末に伝送する暗号化スケーラブルビデオ符号化コンテンツ及び暗号化情報メタデータ伝送手段を含むことを特徴とするスケーラブルビデオ符号化コンテンツ提供システム。
【請求項10】
前記符号化されたスケーラブルビデオコンテンツに対して前記生成された暗号化キーを用いて暗号化するスケーラブルビデオ符号化データ暗号化手段が、時間、空間及び画質スケーラビリティ階層の符号化データに対してそれぞれ暗号化を行うか、または、時間、空間及び画質スケーラビリティ階層の組合に対して暗号化を行うことを特徴とする請求項9に記載のスケーラブルビデオ符号化コンテンツ提供システム。
【請求項11】
前記スケーラブルビデオ符号化データ暗号化手段が、基本階層の入力ビデオ時間分解ピクチャーに対して最下位階層に分解された低域フィルタリングピクチャー又は上位階層の高域フィルタリングピクチャーに対して、選択的に暗号化を行うことを特徴とする請求項10に記載のスケーラブルビデオ符号化コンテンツ提供システム。
【請求項12】
前記スケーラブルビデオ符号化データ暗号化手段は、画質スケーラビリティを有するように符号化されるFGS階層の符号化データに対して、基本階層又は向上階層を暗号化することを特徴とする請求項10に記載のスケーラブルビデオ符号化コンテンツ提供システム。
【請求項13】
前記暗号化情報メタデータには、暗号化パラメーター及び暗号化キーが含まれることを特徴とする請求項9に記載のスケーラブルビデオ符号化コンテンツ提供システム。
【請求項14】
暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツと暗号化情報メタデータを逆暗号化及び復号化して保護するためのスケーラブルビデオユーザ端末であって、
受信した暗号化情報メタデータから暗号化情報メタデータを解釈し、暗号化キー及び暗号化情報を得る暗号化スケーラブルビデオメタデータ解釈手段と、
前記受信した暗号化されたスケーラブルビデオ符号化コンテンツを、前記暗号化キー及び暗号化情報を用いて、逆暗号化するスケーラブル暗号化ビデオ逆暗号化手段と、
前記逆暗号化されたスケーラブルビデオコンテンツを復号化するスケーラブルビデオ復号化手段と、
前記復号化されたスケーラブルビデオコンテンツをレンダリングさせて再生するスケーラブル復号ビデオレンダリング手段を含むことを特徴とするスケーラブルビデオユーザ端末。
【請求項15】
前記暗号化情報メタデータには、暗号化パラメーター及び暗号化キーが含まれることを特徴とする請求項14に記載のスケーラブルビデオユーザ端末。
【請求項16】
逆暗号化を行う時に逆暗号化ツールが存在しない場合において、前記スケーラブル暗号化ビデオ逆暗号化手段が、格納媒体またはネットワークを介して、逆暗号化ツールを獲得及び設置して使用することを特徴とする請求項14に記載のスケーラブルビデオユーザ端末。
【請求項17】
逆暗号化を行う時に逆暗号化のための暗号化メタデータが存在しない場合において、前記スケーラブル暗号化ビデオ逆暗号化手段が、格納媒体又はネットワークを介して、逆暗号化に必要な暗号化メタデータを要求し、該要求に対応する暗号化メタデータを受信及び獲得し、暗号化されたスケーラブルビデオデータの逆暗号化に適用することを特徴とする請求項14に記載のスケーラブルビデオユーザ端末。
【請求項18】
スケーラブルビデオ符号化コンテンツを保護する装置であって、
ビデオユーザ端末の要求によって獲得された入力ビデオデータを、時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のうち少なくとも1つ以上の階層に分けて入力する入力手段と、
時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のうち少なくとも1つ以上の階層の入力ビデオデータに対して符号化する符号化手段と、
前記符号化された時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のビデオデータを暗号化する暗号化手段と、
前記暗号化された時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のビデオデータに対するメタデータを生成する生成手段と、
前記暗号化された時間、空間及び画質スケーラビリティ階層の符号化データと前記生成されたメタデータを組み合わせて格納する格納手段を含むことを特徴とするスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護装置。
【請求項19】
前記暗号化手段が、基本階層の入力ビデオ時間分解ピクチャーに対して最下位階層に分解された低域フィルタリングピクチャー又は上位階層の高域フィルタリングピクチャーに対して、選択的に暗号化を行うことを特徴とする請求項18に記載のスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護装置。
【請求項20】
前記暗号化手段が、画質スケーラビリティを有するように符号化されるFGS階層の符号化データに対して基本階層または向上階層を暗号化することを特徴とする請求項18に記載のスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護装置。
【請求項21】
前記メタデータには、暗号化パラメーター及び暗号化キーが含まれることを特徴とする 請求項18に記載のスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護装置。
【請求項22】
前記符号化された時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のビデオデータを暗号化する暗号化手段は、時間、空間及び画質スケーラビリティ階層の符号化データに対してそれぞれ暗号化を行うか、または、時間、空間及び画質スケーラビリティ階層の任意の組合に対して暗号化を行うことを特徴とする請求項18に記載のスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護装置。
【請求項23】
スケーラブルビデオ符号化コンテンツを保護する方法であって、
ビデオユーザ端末の要求によって獲得された入力ビデオデータを時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のうち少なくとも1つ以上の階層に分けて入力する段階と、
時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のうち少なくとも1つ以上の階層の入力ビデオデータに対して符号化を行う段階と、
前記符号化された時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のビデオデータを暗号化する段階と、
前記暗号化された時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のビデオデータに対するメタデータを生成する段階と、
前記暗号化された時間、空間及び画質スケーラビリティ階層の符号化データと前記生成されたメタデータを組み合わせて格納する段階を含むことを特徴とするスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護方法。
【請求項24】
前記符号化された時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のビデオデータを暗号化する段階が、時間、空間及び画質スケーラビリティ階層の符号化データに対してそれぞれ暗号化を行う段階、または、時間、空間及び画質スケーラビリティ階層の任意の組合に対して暗号化を行う段階を備えることを特徴とする請求項23に記載のスケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護方法。
【請求項25】
スケーラブルビデオ符号化コンテンツを保護する方法において、
入力ビデオデータを時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のうち少なくとも1つ以上の階層に分ける段階と、
時間、空間及び画質スケーラビリティ階層のうち少なくとも1つ以上の階層の入力ビデオデータに対して符号化を行う段階と、
符号化された時間、空間及び画質スケーラビリティ階層の入力ビデオデータに対して少なくとも1つの時間、空間及び画質スケーラビリティ階層の組合でビットストリームをグルーピングしてティアーを構成する段階と、
前記構成された1つ以上のティアーに対して暗号化を行う段階と、
前記暗号化が行われたティアーに対して行われた暗号化に関する情報をメタデータとして生成する段階を含むことを特徴とするスケーラブルビデオ符号化コンテンツを保護する方法。
【請求項26】
暗号化が行われたティアー又は元のティアー、前記ティアー保護メタデータを組み合わせて1つのファイルに格納する段階、または、別途のデータに格納する段階を更に含むことを特徴とする請求項25に記載のスケーラブルビデオ符号化コンテンツを保護する方法。
【請求項27】
前記1つ以上のティアーに対して暗号化を行う段階が、ティアー全体を保護する段階、又は、ティアー内の指定されたスケーラビリティ組合に対応するビットストリームデータに対して選別的に暗号化を適用する段階を備えることを特徴とする請求項25に記載のスケーラブルビデオ符号化コンテンツを保護する方法。
【請求項28】
請求項1乃至8、又は、請求項23乃至27のいずれかに記載の前記スケーラブルビデオ符号化コンテンツの保護方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピューターで読み取り可能な記録媒体。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−4518(P2010−4518A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287166(P2008−287166)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(508332759)
【氏名又は名称原語表記】KOREAN BROADCASTING SYSTEM
【住所又は居所原語表記】18 Yeouido−dong, Yeongdeungpo−gu, Seoul, Republic of Korea
【出願人】(508332760)韓国情報▲通▼信大学校産学協力▲団▼ (1)
【氏名又は名称原語表記】ICU RESEARCH AND INDUSTRIAL COOPERATION GROUP
【住所又は居所原語表記】103−6 Munji−Dong, Yuseong−Gu, Daejeon, Republic of Korea
【Fターム(参考)】