スロットマシン
【課題】ゲームの単調化を防ぎ興趣性を高める。
【解決手段】役には、再遊技役、小役及び特別役を含む。第1移行条件の成立に基づいて第1遊技状態を発生させることが可能な第1遊技制御手段と、第2移行条件の成立に基づいて第1遊技状態とは遊技者に有利な度合いが異なる第2遊技状態を発生させることが可能な第2遊技制御手段と、内部抽選で当選した特別役の入賞が成立したことに基づいて第1遊技状態及び第2遊技状態よりも高確率で小役が当選する特別遊技状態を発生させることが可能な特別遊技制御手段と、内部抽選で当選した特別役の入賞が成立しなかった場合に、当該特別役の当選を次ゲーム以降に持ち越すことが可能な当選持越し手段と、を備える。第2遊技制御手段は、第1遊技状態中に特別入賞が当選したことに基づき第2遊技状態を発生させることが可能である。
【解決手段】役には、再遊技役、小役及び特別役を含む。第1移行条件の成立に基づいて第1遊技状態を発生させることが可能な第1遊技制御手段と、第2移行条件の成立に基づいて第1遊技状態とは遊技者に有利な度合いが異なる第2遊技状態を発生させることが可能な第2遊技制御手段と、内部抽選で当選した特別役の入賞が成立したことに基づいて第1遊技状態及び第2遊技状態よりも高確率で小役が当選する特別遊技状態を発生させることが可能な特別遊技制御手段と、内部抽選で当選した特別役の入賞が成立しなかった場合に、当該特別役の当選を次ゲーム以降に持ち越すことが可能な当選持越し手段と、を備える。第2遊技制御手段は、第1遊技状態中に特別入賞が当選したことに基づき第2遊技状態を発生させることが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の図柄を変動表示可能な複数のリールと、該変動表示を伴うゲームの実行毎に役に当選したか否かの内部抽選を行なう抽選手段と、を備え、遊技者による前記変動表示の停止操作に基づき停止させたゲームの結果が前記内部抽選で当選した役に対応する図柄組合せ態様となると、当該役の入賞が成立して所定の遊技価値を付与することが可能なスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の図柄を外周面に表示したリール(ドラム)を例えば3個有する変動表示手段を備え、これらのリールを回転させることで複数の図柄を変動表示させてゲームを実行するようにしたスロットマシンが知られている。
具体的には、遊技者により所定数(通常1〜3枚)の遊技媒体(メダルや遊技球)の投入操作、あるいはクレジットからの賭けボタン操作に基づく賭数の入力が行われた後、スタートレバーが操作されると、リールが回転して図柄を変動表示させる。このとき、ゲームの実行に関連して入賞に当選するか否かの抽選(内部抽選)が行われ、内部抽選の結果、入賞に当選(内部当選)した場合に限り、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン(賭数の入力に応じて有効化されたライン)上に停止表示させることが許可される。
そして、各リールに対応して設けられたリールストップボタンが遊技者により操作されると、各リールの回転が順次停止される。リールが停止した際に有効ライン上に導出された図柄組合せ態様が予め定められた所定の図柄組合せ態様となった場合に入賞が確定(成立)し、入賞種類に対応した数の遊技媒体が遊技者に付与される。
なお、内部抽選の結果、入賞に内部当選した場合は、極力入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に停止表示されるようにリール制御が行われ(引込制御)、入賞に当選しなかった場合は、遊技者がいかなるタイミングでリールの停止操作を行っても、入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に停止表示されないようにリール制御が行われる(蹴飛ばし制御)。
【0003】
このようなスロットマシンでは、一般に複数種類の入賞が用意されている。例えば、比較的少量(例えば10枚以下)のメダルが払い出される小役入賞、メダル等の投入(賭けボタン操作を含む)をすることによらず再度ゲームが可能となるリプレイ入賞(リプレイは入賞として扱わない場合もある)、内部抽選における小役入賞の当選確率を上昇させたゲームを所定の回数(例えば、8回を超えない回数)だけ継続して遊技できるレギュラーボーナス(以下RBと略記する)状態を発生させるRB入賞、RB状態を連続して発生させ、払出メダル数が規定枚数を超えたときに終了するビッグボーナス(以下BBと略記する)状態を発生させるBB入賞等がある。
また、小役入賞として、内部当選していれば図柄配列上、必ず成立する通常小役入賞の他、内部当選していてもリールストップボタンを押す順序や押すタイミングによっては成立しない特殊小役入賞を備えているものもある。
【0004】
最近では、遊技者の期待感を高めるために、BB状態やRB状態等の特別遊技状態の終了後に、遊技者にとって有利な状態として、特別遊技状態とは異なる特定遊技状態を発生させる機能を備えたスロットマシンが提供されている。
例えば、特許文献1には、特定遊技状態として、内部抽選におけるリプレイ入賞の当選確率を通常時よりも高めたリプレイタイム(以下RTと略記する)状態を所定期間発生させる機能(RT機能)を備えたスロットマシンが開示されている。このようなRT機能を備えたスロットマシンでは、RT状態においてリプレイ入賞の当選確率が飛躍的に上昇するので、通常時よりも遊技媒体の消費量を軽減しつつ遊技を進行できる。また、RT状態においてもBB入賞やRB入賞の抽選は行われているので、遊技者はさらなる遊技媒体の獲得を期待できる。すなわち、RT状態が発生した場合には、遊技者は通常状態に対して有利な状態となる。
さらにまた、RT状態よりも遊技者にとって有利な状態であるアシストリプレイタイム状態(ART状態)を発生させる機能(ART機能)を備えたスロットマシンもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−137429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来のスロットマシンにおいては、特別遊技状態の終了後に遊技状態を変化させるものはあったが、特別遊技状態を発生可能とする特別役の当選により遊技状態を変化させるものはなかったため、ゲームが単調化してしまい、遊技の興趣が低くなってしまうという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、ゲームが単調化することを防止でき、興趣性の高い遊技を実現することが可能なスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数の図柄を変動表示可能な複数のリールと、該変動表示を伴うゲームの実行毎に役に当選したか否かの内部抽選を行う抽選手段と、を備え、
遊技者による前記変動表示の停止操作に基づき停止させたゲームの結果が前記内部抽選で当選した役に対応する図柄組合せ態様となると、当該役の入賞が成立して所定の遊技価値を付与することが可能なスロットマシンにおいて、
前記役には、少なくとも、再遊技役、小役及び特別役が含まれ、
予め定めた第1移行条件の成立に基づいて第1遊技状態(RT状態)を発生させることが可能な第1遊技制御手段と、
予め定めた第2移行条件の成立に基づいて前記第1遊技状態とは遊技者に有利な度合いが異なる第2遊技状態(ART状態)を発生させることが可能な第2遊技制御手段と、
前記内部抽選で当選した前記特別役の入賞が成立したことに基づいて前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態よりも高確率で前記小役が当選する特別遊技状態(CBB状態、SBB状態)を発生させることが可能な特別遊技制御手段と、
前記内部抽選で当選した特別役の入賞が成立しなかった場合に、当該特別役の当選を次ゲーム以降に持ち越すことが可能な当選持越し手段と、を備え、
前記第2遊技制御手段は、前記第1遊技状態中に前記特別役(CBB入賞)が当選したことに基づき前記第2遊技状態(ART状態)を発生させることが可能であることを特徴とする。
【0009】
ここで、「再遊技役」は、再遊技入賞(リプレイ入賞)を成立させる役である。リプレイ入賞は、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する。リプレイ入賞が成立すると、メダルの払出は0枚であるが、改めてベット操作を行なうことなくゲームを実行できるリプレイゲームが付与される。
「小役」は、比較的少量(例えば10枚以下)のメダルが払い出される小役入賞を成立させる役である。小役入賞として、例えば、特殊ベル入賞(赤7ベル入賞、白7ベル入賞、BARベル入賞)、ベル入賞、スイカ入賞、チェリー入賞が定められている。
「特別役」は、ボーナス入賞(特別入賞)を成立させる役である。ボーナス入賞として、例えば、スーパービッグボーナス入賞(SBB入賞)、チャレンジビッグボーナス入賞(CBB入賞)、レギュラーボーナス入賞(RB入賞)が設けられる。ボーナス入賞が成立すると、遊技者にとって有利にゲームが実行されることとなる特別遊技状態(SBB状態、CBB状態、RB状態)が発生する。
【0010】
「RT状態」は、予め定めた第1移行条件の成立に基づいて発生する第1遊技状態であり、内部抽選におけるリプレイ入賞の当選確率を通常時よりも高めたリプレイタイム状態である。
「第1移行条件」は、第1遊技状態を発生させるための条件である。例えば、スーパービッグボーナス(SBB)状態の終了を第1移行条件とすることができる。SBB状態の終了は、例えば、メダルの総払出数が350枚を超えた場合とすることができる。
「ART状態」は、予め定めた第2移行条件の成立に基づいて発生する第2遊技状態であり、1ゲーム当たりのメダル増加量の期待値がRT状態に比べて高いリプレイタイム状態である。
「第2移行条件」は、第2遊技状態を発生させるための条件である。例えば、RT状態においてCBB当選フラグが成立したことを第2移行条件とすることができる。CBB当選フラグは、内部抽選によりCBB入賞に当選すると成立するフラグである。
【0011】
「特別遊技状態」は、特別入賞(ボーナス入賞)が成立することに基づいて発生する、遊技者にとって有利にゲームが実行される状態である。具体的には、通常状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行される。実施形態にあっては、SBB状態、CBB状態、RB状態が特別遊技状態である。
「SBB状態」は、通常状態又はRT状態において、SBB入賞が成立することに基づいて発生する特別遊技状態である。
「CBB状態」は、通常状態又はRT状態において、CBB入賞が成立することに基づいて発生する特別遊技状態である。また、ART状態において、ARTゲーム数が200ゲームとなったことに基づいて発生させることができる。
「RB状態」は、通常状態又はRT状態において、RB入賞が成立することに基づいて発生する特別遊技状態である。
【0012】
請求項1に係る発明によれば、第1遊技状態(RT状態)中に特別役(CBB入賞)が当選したことに基づき第2遊技状態(ART状態)を発生させることが可能であるので、ゲームの単調化を防ぎ、興趣性を高めることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスロットマシンにおいて、前記特別役には、少なくとも第1特別役(CBB)と第2特別役(SBB)とが含まれ、
前記第2遊技制御手段は、
前記第1遊技状態中に前記第1特別役が当選した場合には、前記第2遊技状態を発生させる一方、
前記第1遊技状態中に前記第2特別役が当選した場合には、前記第2遊技状態を発生させないことを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、第1遊技状態(RT状態)において第1特別役(CBB)に当選するとART状態に移行するが、第1遊技状態(RT状態)において第2特別役(SBB)に当選するとART状態に移行しないので、ゲームの単調化を防ぎ、興趣性を高めることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のスロットマシンにおいて、予め定めた第3移行条件の成立に基づき前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態よりも前記再遊技役が低確率で当選する第3遊技状態(通常状態)を発生させることが可能な第3遊技制御手段を備え、
前記第3遊技制御手段は、前記第1遊技状態中に前記第2特別役が当選した場合に前記第3遊技状態(通常状態)を発生させることを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、第1遊技状態(RT状態)、第2遊技状態(ART状態)よりも再遊技役が低確率で当選する通常状態を発生させることができるので、ゲームの単調化を防ぎ、興趣性を高めることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスロットマシンにおいて、前記小役は、複数種類設定されてなり、
前記第2遊技制御手段は、前記第2遊技状態中においては前記内部抽選で当選した前記小役の種類を報知するよう構成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、内部抽選で当選した小役の種類を報知するので、ゲームの単調化を防ぎ、興趣性を高めることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、特別遊技状態を発生可能とする特別役の当選により遊技状態を変化させることができるので、ゲームの単調化を防ぎ、興趣性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るスロットマシンの一例を示す外観正面図である。
【図2】スロットマシンの制御系の一部を示すブロック図である。
【図3】スロットマシンが備えるリールの外周面に形成されている図柄の配列図である。
【図4】入賞の種類と各入賞に対応する図柄組合せ態様、及び入賞内容との対応図である。
【図5】スロットマシンにおける遊技状態を説明するための状態遷移図である。
【図6】通常状態以外の遊技状態が終了する条件を示す説明図である。
【図7】ART状態におけるゲームの進行例を示す説明図である。
【図8】CBB状態(通常状態で発生)におけるメダル増加量の推移例について示す説明図である。
【図9】ART状態におけるメダル増加量の推移例について示す説明図である。
【図10】CBB状態(ART状態経由で発生)におけるメダル増加量の推移例について示す説明図である。
【図11】メイン制御処理のフローチャートである。
【図12】内部抽選処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】内部抽選処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】RT回数監視処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】RT回数監視処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】第2実施形態に係る内部抽選処理の一例について示すフローチャートである。
【図19】変更規定枚数確認処理の一例について示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態では、いわゆるRT機能及びART機能を備えたスロットマシンについて説明する。
【0022】
図1は、本発明に係るスロットマシンの一例を示す外観正面図である。
スロットマシン1は、前面が開放した箱形の筐体の内部に各種の機器が設けられるとともに、この筐体の前面に、前面枠2が片開き形式に開閉可能に設けられることで概略構成されている。
【0023】
前面枠2の上部には、遊技に応じて様々な演出を提供する演出ユニット7が配設されている。この演出ユニット7は、中央に位置する画像表示装置3、画像表示装置3の左右に配された装飾部材8、画像表示装置3の上部に配された発光装置71、人形やシャッター等からなり画像表示装置3の前面において状態を変換される演出部材72a、演出部材72aの状態を変換させる演出装置72(図2参照)、及び発光装置71の左右に配されたスピーカ4等で構成される。
【0024】
画像表示装置3は、例えば、液晶表示パネルで構成され、この画像表示装置3において、遊技に関する演出表示のほか、様々な情報などが表示される。演出装置72は、モータやセンサを備えて構成され、演出部材72aの状態を変換することにより演出を行う。また、発光装置71では光による演出が、スピーカ4では音声による演出が行われる。これらを組み合わせることにより様々な態様の演出が可能となっている。なお、演出ユニット7における各種演出は、後述する演出制御装置70によって制御される。
【0025】
前面枠2の中央部には、後方を視認可能な(例えば透明の)図柄表示窓5が形成されている。この図柄表示窓5を透して、筐体内に配設された変動表示手段としてのリール6の回転により変動表示される図柄を視認可能となっている。リール6は、円筒形の3つのリール(第1リール(左)6a、第2リール(中)6b、第3リール(右)6c)が水平方向に並設されて構成されている。これらのリール6a、6b、6cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄が形成されている(図3参照)。また、各リール6a、6b、6cにはそれぞれ、リール用モータ(ステッピングモータ)64a、64b、64c(図3参照)が設けられており、各リール6a、6b、6cを独立して回転駆動ならびに回転停止することが可能となっている。
【0026】
リール用モータ64によりリール6a、6b、6cを回転させることにより、図柄表示窓5から視認される複数種類の図柄を、例えば上から下へと循環するように変動させる(変動表示)。一方、リール6a、6b、6cが停止している状態では、各リール6a、6b、6cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が図柄表示窓5を介して視認可能となっており、つまり図柄表示窓5には3×3の計9つの図柄が停止表示される。
【0027】
図柄表示窓5から視認される3×3の図柄行列に対しては、複数の有効化可能ラインが設定されている。すなわち、例えば、各リール6a、6b、6c中段の図柄を横切る有効化可能ライン(中段横ライン)、各リール6a、6b、6c上段の図柄を横切る有効化可能ライン(上段横ライン)、各リール6a、6b、6c下段の図柄を横切る有効化可能ライン(下段横ライン)、第1リール6a下段−第2リール6b中段−第3リール6c上段にかけて各リール6a、6b、6cを斜めに横切る有効化可能ライン(右上がりの斜めライン)、及び、第1リール6a上段−第2リール6b中段−第3リール6c下段にかけて各リール6a、6b、6cを斜めに横切る有効化可能ライン(右下がりの斜めライン)の5ラインが、有効化可能ラインとして設定されている。
【0028】
そして、遊技者によるメダルの投入又はクレジットからの入力(以下、ベット操作と称する)によって設定されたベット数(賭数)に応じて所定の有効化可能ラインが有効化され、この有効ライン上に導出された図柄組合せ態様に基づいて入賞の成立/不成立が判断される。例えば、ベット数1では中段横ラインが有効ラインとなり、ベット数2では中段横ラインに加え、上下段横ラインが有効ラインとなり、ベット数3では上中下段横ラインに加え、右上がり、右下がりの斜めラインが有効ラインとなる。なお、ベット数が3の場合でのみゲームを実行可能な所謂3枚がけ専用としてもよく、この場合は常に5つの有効化可能ラインが有効ラインとなる。また、ベット数には無関係にすべてのラインを有効としてもよい。
【0029】
図柄表示窓5の下側には、クレジット数表示器11、払出数表示器12、獲得枚数表示器13が設けられている。クレジット数表示器11は、クレジットとして記憶されているメダル数を表示し、払出数表示器12は、ボーナスゲーム時の払出枚数を表示するものである。また、獲得枚数表示器13は役成立時の獲得枚数を表示するものである。これらの表示器11、12、13は、後方を透視可能な透明部材の奥に、例えば、7セグメントのLEDからなる表示器を備えるもので、その点灯状態によって各種情報を表示するようになっている。
【0030】
図柄表示窓5の右下方には、ベット操作によって設定されたベット数(最高3枚)を表示するベット数表示器17が設けられている。このベット数表示器17は、その奥に配されたランプの点灯状態によりメダルのベット数を表示する。
【0031】
図柄表示窓5の左下方には、各種遊技状態を表示する遊技状態表示器19が設けられており、その奥に配されたランプの点灯状態により現在の遊技状態を表示する。
遊技状態表示器19は、例えば、ベット操作が行われスタートレバー21によるゲームのスタート操作が有効であることを示すスタート表示部、遊技者がスタートレバー21を操作してからリールが回転するまでに待ち時間(ウエイト時間、前回のゲーム開始から一定時間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)があることを示すウエイト表示部、再遊技入賞(リプレイ入賞)が成立してリプレイゲームが付与されたことを示すリプレイ表示部、スロットマシン1が遊技可能な待機状態であることを示しベット操作を示唆するインサートメダル表示部、で構成される。
【0032】
図柄表示窓5の下側には、前側に突出する段部が形成されていて、その段部の上面が前面棚14とされている。この前面棚14には、メダル投入口15、1ベットボタン(図示略)、マックスベットボタン16が設けられている。
【0033】
メダル投入口15は、前面棚14におけるスロットマシン1の前面側から見て右側(前面枠2の開放端側)に配設されている。遊技者がこのメダル投入口15にメダルを投入してベット操作を行うことにより、ゲームが実行可能となる。このメダル投入口15から投入されたメダルが通過する経路には、メダルの通過を検出するメダル投入検出センサ51(図2参照)が設けられており、このメダル投入検出センサ51による検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。
【0034】
1ベットボタン及びマックスベットボタン16は、前面棚14におけるスロットマシン1の前面側から見て左側に配設されている。1ベットボタンは、押圧操作を一度行う毎にクレジットから1枚ずつ入力でき、マックスベットボタン16は、押圧操作を一度行うことでクレジットからベット数の限度数(例えば、3枚)まで入力できる。
【0035】
前面棚14の下側には、クレジット選択ボタン20、スタートレバー21、リールストップボタン24、メダル詰まり解消ボタン22、及び鍵穴23が設けられている。
クレジット選択ボタン20は、メダル投入口15から投入されたメダル又は入賞が成立することにより払い出されるメダルをクレジットとして記憶可能なクレジット状態と、記憶不能な非クレジット状態を切り換えるためのものである。例えば、クレジット状態において、メダル投入口15から最大ベット数(例えば、3枚)を超えるメダルが投入された場合は、最大ベット数を超えた分のメダルは、所定数(例えば50枚)までクレジットとしてスロットマシン1に記憶され、以降のゲームで使用できる。また、クレジットとして記憶可能な所定数を超えるメダルが投入された場合は、受け皿27に返却される。一方、非クレジット状態では、最大ベット数を超えた分のメダルは受け皿27に返却される。
【0036】
スタートレバー21は、一区切りのゲームを開始させるための操作レバーである。メダル詰まり解消ボタン22は、メダル投入口15内でメダル詰まりが発生した場合にこれを解消するためのものである。鍵穴23は、前面枠2を開く際、又はスロットマシン1のエラー(例えば、ホッパーエラー)状態をリセットする際に鍵を差し込むためのものである。
【0037】
リールストップボタン24は、第1リール6a、第2リール6b、及び第3リール6cとそれぞれ1対1で対応付けられて設けられた第1リールストップボタン24a、第2リールストップボタン24b、及び第3リールストップボタン24cで構成され、停止操作に応じて対応するリール6a、6b、6cの回転をそれぞれ停止させるためのものである。これらのリールストップボタン24a、24b、24cは、例えば、有色半透明の樹脂部材などで形成されている。また、リールストップボタン24a、24b、24cの奥には、該リールストップボタン24a、24b、24cの操作により各リールを停止可能な状態であることを、点灯により報知するためのストップボタンLED66(図2参照)がそれぞれ設けられている。
【0038】
これらの操作ボタン類が設けられた部分の下側には、前面枠2の下部領域を構成する装飾板25が設けられ、さらに、装飾板25の下側であって前面枠2の最下部には、灰皿26とメダルを貯留するための受け皿27、及び音声を出力するためのスピーカ4が設けられている。
【0039】
図2は、スロットマシン1の制御系の一部を示すブロック図である。
なお、図1で説明した構成要素(例えば、遊技状態表示器19等)には同一の符号を付し、ここでの説明は省略する。
【0040】
図2に示すように、スロットマシン1の制御系は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置(メイン制御装置)50と、この遊技制御装置50の制御下で遊技の演出に関する制御を統括的に行う演出制御装置(サブ制御装置)70とを備えて構成されている。この制御系の構成要素は、それぞれ筐体の内部に配されている。
【0041】
遊技制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)50a、ROM(Read Only Memory)50b、RAM(Random Access Memory)50c、I/F(Interface)50d等を備えて構成されている。
【0042】
CPU50aは、制御部、演算部を備え、遊技制御装置50の演算処理装置として各種演算制御を行う。また、内部抽選に用いられる入賞抽選用乱数などの各種乱数値を生成する。
ROM50bには、各種処理を実行するための制御プログラムや制御データの他、内部抽選用の判定値(入賞判定テーブル)などが格納されている。また、ROM50bには、各ゲームにおいてリール6の停止制御を行う際に参照される停止制御テーブルが格納されている。例えば、内部当選した各種入賞に対応する停止制御テーブルや、はずれに対応する停止制御テーブル等である。
RAM50cは、CPU50aで生成された入賞抽選用乱数の記憶領域、各種データ(例えば、クレジット数のデータ、ベット数のデータ、各種フラグの状態を示すデータ、および、所定の図柄組合せ態様が導出されることに基づく払出に係るデータ等)を一時的に記憶する記憶領域、ならびに、CPU50aの作業領域を備える。
【0043】
I/F50dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファゲートを介して、メダル投入検出センサ51、スタートレバーセンサ52、第1リール(左)停止センサ53a、第2リール(中)停止センサ53b、第3リール(右)停止センサ53c、第1リール(左)位置検出センサ54a、第2リール(中)位置検出センサ54b、第3リール(右)位置検出センサ54c、1ベットセンサ56、マックスベットセンサ57、クレジット選択センサ58、払出メダル検出センサ59、設定装置60、リセットセンサ61、前面枠開放センサ62から出力された各種の信号を、CPU50aに対して出力する。
【0044】
ここで、メダル投入検出センサ51は、メダル投入口15から投入されたメダルの通過を検出するものであり、この検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。スタートレバーセンサ52は、スタートレバー21が操作されたことを検出するためのスイッチである。
【0045】
第1リール停止センサ53a、第2リール停止センサ53b、第3リール停止センサ53cは、それぞれに対応するリールストップボタン24a、24b、24cが操作されたことを検出するためのセンサである。第1リール位置検出センサ54a、第2リール位置検出センサ54b、第3リール位置検出センサ54cは、それぞれに対応するリール6a、6b、6cの回動位相を検出するためのセンサである。
【0046】
1ベットセンサ56は1ベットボタンが操作されたことを、マックスベットセンサ57はマックスベットボタン16が操作されたことを、それぞれ検出するためのセンサである。クレジット選択センサ58はクレジット選択ボタン20が操作されたことを検出するためのセンサである。払出メダル検出センサ59はメダル払出装置63から払い出されたメダルを検出するものであり、この検出情報をもとにメダルの払出枚数がカウントされる。
【0047】
設定装置60は、設定変更操作に基づき、当該スロットマシン1の設定を切り換えるためのものである。例えば、1ゲーム毎の入賞(例えば、ボーナス入賞)の当選確率が異なる複数の設定(例えば、設定1〜6)の何れかに設定する。リセットセンサ61は、例えば、鍵穴23に差し込まれた鍵が前面枠2を開放する時とは逆に回動されたことを検出し、この検出に基づきスロットマシン1をリセットするためのセンサである。なお、遊技制御装置50は、リセットセンサ61からの検出信号に基づき、例えば、当該スロットマシン1のエラー状態を解除する。前面枠開放センサ62は、前面枠2の開放状態を検出するためのセンサである。
【0048】
また、I/F50dは、CPU50aから入力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、演出制御装置70、遊技状態表示器19、ベット数表示器17、クレジット数表示器11、払出数表示器12、獲得枚数表示器13、メダル払出装置63、第1リール用モータ64a、第2リール用モータ64b、第3リール用モータ64c、外部出力端子65、ストップボタンLED66などに出力する。これによって遊技制御装置50による各種構成要素の制御を可能としている。
【0049】
ここで、メダル払出装置63は、筐体内の下部に配設されていて、有効ライン上に所定の図柄組合せ態様が導出され入賞が成立した場合に、該入賞に対応する枚数のメダル(払出メダル)、又は払出メダルによりクレジットの上限を超えた分のメダルを受け皿27に払い出す。外部出力端子65は、スロットマシン1とは別体で設けられた管理装置等と接続するためのものである。
【0050】
遊技制御装置50は、上述したように各構成要素とI/F50dを介して電気的に接続されている。遊技制御装置50は、例えば、CPU50aが所定サイクル時間毎に乱数を更新(例えば+1)し、スタートレバーセンサ52による検出タイミングで、その時点の乱数をサンプリングする制御を行い、サンプリングされた乱数を内部抽選用の乱数として用いて内部抽選を行う。
【0051】
また、遊技制御装置50は、内部抽選結果と、リールストップボタン24a、24b、24cの停止操作タイミングとに基づいて、対応する停止制御テーブルを参照し、リール用モータ64a、64b、64cの動作を制御することにより、図柄表示窓5に所定の図柄が停止表示されるようにリール6a、6b、6cを停止させる。
【0052】
例えば、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様を構成する図柄が、有効ラインに到達する前に停止操作が行われた場合には、リール6a、6b、6cを停止させるタイミングを遅らせて当該図柄が有効ライン上に停止表示されるようにする、いわゆる引込停止制御を行う。
【0053】
また例えば、内部当選していない入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に導出されるタイミングで停止操作が行われた場合に、リール6a、6b、6cを停止させるタイミングを遅らせて、有効ライン上に導出されうる図柄組合せ態様を構成する図柄が有効ラインを通り過ぎるようにする、いわゆる蹴飛ばし停止制御を行う。
なお、遊技制御装置50による引込停止制御、蹴飛ばし停止制御において、停止タイミングを変化可能な範囲は、停止操作が行われた位置から所定の図柄数以内(例えば、4コマ以内)とされている。
【0054】
一方、演出制御装置70は、CPU70a、ROM70b、RAM70c、I/F70d等を備えて構成されている。この演出制御装置70は、遊技制御装置50から出力される遊技に関する情報に基づいて、画像表示装置3における演出表示の制御や、演出装置72の動作の制御、発光装置71やスピーカ4による演出の制御を行う。
ここで、遊技に関する情報には、スタートレバー16が操作されてゲームが開始された時点で出力されるベット数情報(例えば、ベット数に応じたパルス数を出力し、ベット数とゲーム数を伝達する情報)、内部抽選による抽選結果を示す内部当選情報、現在の遊技状態(通常状態、BB状態、RB状態、RT状態等)を示す遊技状態情報が含まれる。
【0055】
I/F70dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファゲートを介して、遊技制御装置50から出力された各種信号をCPU70aに対して出力する。また、I/F70dは、CPU70aから入力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、画像表示装置3、スピーカ4、発光装置(ランプ、LED)71、演出装置(モータ、センサ)72に出力する。これによって演出制御装置70による各種装置の制御を可能としている。
【0056】
具体的には、演出制御装置70は、画像表示装置3において、小役入賞の予告表示や、ボーナス入賞の告知表示、演出表示(1ゲームで完結するものや複数ゲームにわたるもの)などを表示させる(表示制御手段)。
また、演出制御装置70は、演出装置72を制御して演出部材72aを動作させる。また、演出制御装置70は、発光装置71での発光による装飾や、スピーカ4での音声による演出を行う。
【0057】
上述した遊技制御装置50と演出制御装置70との通信形態は、遊技制御装置50から演出制御装置70への単方向にのみ制御信号が送信されるようになっていて、遊技制御装置50に不正な信号が入力されるのを防止している。
【0058】
本実施形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合、まず、メダルをメダル投入口15から投入するか、或いはマックスベットボタン16や1ベットボタンを操作してクレジットから賭数を入力する。ベット操作がなされると、ベット数に応じて有効ラインが設定され、スタートレバー21の操作が有効な状態、すなわちゲームを開始可能な状態となる。そして、スタートレバー21を操作(開始操作)すると、遊技制御装置50において内部抽選処理がなされて入賞の当選/非当選(はずれ)が決定されるとともに、リール6の変動が開始される。
【0059】
所定時間経過後、リールストップボタン24a、24b、24cの操作に基づいて、リール6a、6b、6cの回転が停止されることで、図柄表示窓5に所定の図柄が停止表示される。そして、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に入賞が成立し、当該入賞に対応する遊技価値が付与される(例えば、入賞メダルが払い出される)。
以上で一区切りのゲームが終了し、以降、この操作を繰り返すことによってゲームを進行させるようになっている。
【0060】
図3は、スロットマシン1が備えるリール6の外周面に形成されている図柄の配列図である。
図3に示すように、リール6a、6b、6cの外周面には、「赤7」(第1リール6aの配列番号2等)、「白7」(第1リール6aの配列番号9等)、「BAR」(第1リール6aの配列番号16)、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「リプレイ」のそれぞれ識別可能な7種類の図柄、及びブランク(図柄無し)が、所定の順序で配置されている。なお、図3では、「赤7」、「白7」、「BAR」以外の図柄を文字にて表示しているが、実際には所定の外形や色彩を有する図柄が表示されている。
【0061】
本実施形態では、「リプレイ」は、すべてのリール6a、6b、6cにおいて、連続する5コマ以内に配置されているので、4コマの引込停止制御により必ず有効ライン上に停止表示させることができる。
一方、「リプレイ」以外の図柄は、連続する5コマ以内に必ずしも配置されていないので、4コマの引込停止制御を行っても有効ライン上に停止表示できない場合がある。つまり、これらの図柄を有効ライン上に停止表示させるためには、所望の図柄を狙ってリールストップボタン24a、24b、24cを停止操作する必要がある(目押し操作)。
【0062】
図4は、入賞の種類と各入賞に対応する図柄組合せ態様、及び入賞内容との対応図である。
図4に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス入賞(特別入賞)としてスーパービッグボーナス入賞(SBB入賞)、チャレンジビッグボーナス入賞(CBB入賞)、レギュラーボーナス入賞(RB入賞)が設けられている。ボーナス入賞が成立すると、遊技者にとって有利にゲームが実行されることとなる特別遊技状態(SBB状態,CBB状態,RB状態)が発生する。
また、小役入賞として、特殊ベル入賞(赤7ベル入賞,白7ベル入賞,BARベル入賞)、ベル入賞、スイカ入賞、チェリー入賞、リプレイ入賞、特殊リプレイ入賞が定められている。
【0063】
遊技制御装置50における内部抽選により、上記何れかの入賞に当選すると、当選した入賞に対応する当選フラグが成立し、この入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に導出可能となる。一方、内部抽選により何れの入賞にも当選しなければ、はずれフラグが成立し、入賞に対応する図柄組合せ態様は有効ライン上に導出されない。
【0064】
なお、ボーナス入賞に内部当選した場合は、内部当選したゲームで当該ボーナス入賞を成立できなくても、当選フラグは次ゲームに持ち越され、以降のゲームにおいてボーナス入賞を成立させることができる。一方、小役入賞に内部当選した場合は、内部当選したゲームでのみ当該小役入賞を成立させることができる。つまり、停止操作のタイミングによって小役入賞(例えば、特殊ベル入賞やスイカ入賞)を成立させることができなかった場合(いわゆる取りこぼし)、この小役入賞の当選フラグはクリアされ、次ゲームには持ち越されないこととなる。
【0065】
SBB入賞は、「赤7−赤7−赤7」のボーナス図柄組合せ態様(特別図柄組合せ態様)が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。SBB入賞の成立に伴うメダルの払出は0枚とされている。
内部抽選によりSBB入賞に当選すると、SBB当選フラグが成立し、SBB入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。そして、SBB入賞が成立するとSBB状態が発生する。また、SBB状態の終了後には後述するRT状態が発生する。すなわち、SBB状態の終了がRT状態の発生条件の1つとなっている。
なお、SBB入賞の内部抽選は、ボーナス入賞が成立したときに発生する特別遊技状態や後述するART状態では行われない。
【0066】
CBB入賞は、「白7−白7−白7」のボーナス図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。CBB入賞の成立に伴うメダルの払出は0枚とされている。
内部抽選によりCBB入賞に当選すると、CBB当選フラグが成立し、CBB入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。そして、CBB入賞が成立するとCBB状態が発生する。また、後述するRT状態においてCBB入賞に内部当選すると、CBB入賞が成立していないことを条件に後述するART状態が発生する。すなわち、RT状態におけるCBB入賞の内部当選がART状態の発生条件となっている。
なお、CBB入賞の内部抽選は、ボーナス入賞が成立したときに発生する特別遊技状態や後述するART状態では行われない。
【0067】
RB入賞は、「BAR−赤7−赤7」のボーナス図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。RB入賞の成立に伴うメダルの払出は0枚とされている。
内部抽選によりRB入賞に当選すると、RB当選フラグが成立し、RB入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。そして、RB入賞が成立するとRB状態が発生する。
なお、RB入賞の内部抽選は、ボーナス入賞が成立したときに発生する特別遊技状態や後述するART状態では行われない。
【0068】
上述したSBB入賞、CBB入賞、RB入賞が成立したときに発生するSBB状態、CBB状態、RB状態では、1ゲームを実行するためのベット数は2枚限定とされ、すなわち、上/中/下段横ラインの3本が有効ラインとして設定されるものとする。
【0069】
赤7ベル入賞は、「赤7−ベル−ベル」の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。赤7ベル入賞が成立すると、通常時(通常状態、RT状態、ART状態)には9枚のメダルが払い出され、ボーナス時(SBB状態、CBB状態、RB状態)には15枚のメダルが払い出される。内部抽選により赤7ベル入賞に当選すると、赤7ベル当選フラグが成立し、赤7ベル入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。
【0070】
白7ベル入賞は、「白7−ベル−ベル」の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。白7ベル入賞が成立すると、通常時には9枚のメダルが払い出され、ボーナス時には15枚のメダルが払い出される。内部抽選により白7ベル入賞に当選すると、白7ベル当選フラグが成立し、白7ベル入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。
【0071】
BARベル入賞は、「BAR−ベル−ベル」の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。BARベル入賞が成立すると、通常時には9枚のメダルが払い出され、ボーナス時には15枚のメダルが払い出される。内部抽選によりBARベル入賞に当選すると、BARベル当選フラグが成立し、BARベル入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。
【0072】
図3に示すように、第1リール6aにおいて、「赤7」、「白7」、「BAR」の間には、これらのボーナス図柄以外の図柄が6図柄配置されている。すなわち、有効ライン上、又は有効ライン上に引き込み可能な範囲には、常に何れか1種類のボーナス図柄しかない。このように、第1リール6aにおいて、同時に2種類のボーナス図柄を狙うことができないようにしている。
【0073】
つまり、第1リール6aを停止させる際に、中段に配列番号1の「リプレイ」から配列番号7の「ブランク」があるタイミングで停止操作された場合には図柄表示窓5に「赤7」を停止表示可能で、中段に配列番号8の「リプレイ」から配列番号14の「ブランク」があるタイミングで停止操作された場合には「白7」を停止表示可能で、中段に配列番号15の「リプレイ」から配列番号0の「ベル」があるタイミングで停止操作された場合には「BAR」を停止表示可能となっている。
【0074】
したがって、通常状態では、何れかの特殊ベル入賞に内部当選したときに、遊技者が特殊ベル入賞を成立させることのできる確率は遊技者の技量に関係なく1/3となる。
これに対して、後述するART状態では、何れかの特殊ベル入賞に内部当選したときに、内部当選した特殊ベル入賞の種類(対応するボーナス図柄の種類)を報知することで、確実に特殊ベル入賞を成立できるようにしている(ただし、目押し操作は必要)。
【0075】
ベル入賞は、「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。ベル入賞が成立すると、通常時には6枚のメダルが払い出され、ボーナス時には15枚のメダルが払い出される。内部抽選によりベル入賞に当選すると、ベル当選フラグが成立し、ベル入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。
図3に示すように、「ベル」は、第1リール6aにおいて連続する7コマ以内に配置され、第2,第3リール6b,6cにおいて連続する5コマ以内に配置されているので、第1リールの上・中・下段を有効ラインとして設定し、最初に第1リール6aの停止操作を行えば(いわゆる順押し、挟み押し)、4コマの引込停止制御により必ず有効ライン上にベル入賞に対応する図柄組合せ態様を停止表示させることができる。
【0076】
スイカ入賞は、「スイカ−スイカ−スイカ」の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。スイカ入賞が成立すると、通常時には6枚のメダルが払い出され、ボーナス人は15枚のメダルが払い出される。内部抽選によりスイカ入賞に当選すると、スイカ当選フラグが成立し、スイカ入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。
図3に示す図柄配列により、スイカ入賞に内部当選しても、目押し操作を行わなければスイカ入賞を取りこぼす場合がある。
【0077】
チェリー入賞は、「チェリー−ANY−ANY」の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。ここで、「ANY」は何れの図柄であってもよいことを示す。チェリー入賞が成立すると、通常時には1つの有効ラインに対して2枚のメダルが払い出され(ベット数が3枚で5本の有効ラインが設定され、第1リール6aの上段又は下段に停止表示された場合は4枚の払出)、ボーナス時には15枚のメダルが払い出される。
内部抽選によりチェリー入賞に当選すると、チェリー当選フラグが成立し、チェリー入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。図3に示す図柄配列により、チェリー入賞に内部当選しても、目押し操作を行わなければチェリー入賞を取りこぼす場合がある。
【0078】
リプレイ入賞は、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。リプレイ入賞の成立に伴うメダルの払出は0枚とされている。リプレイ入賞が成立すると、改めてベット操作を行うことなくゲームを実行できるリプレイゲームが付与される。
内部抽選によりリプレイ入賞に当選すると、リプレイ当選フラグが成立し、リプレイ入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。図3に示す図柄配列により、リプレイ入賞に内部当選すると、必ずリプレイ入賞は成立することとなる。
なお、リプレイ入賞の内部抽選は、ボーナス入賞が成立したときに発生する特別遊技状態では行われない。
【0079】
特殊リプレイ入賞は、「赤7/白7/BAR−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。特殊リプレイ入賞の成立に伴うメダルの払出は0枚とされている。特殊リプレイ入賞が成立すると、改めてベット操作を行うことなくゲームを実行できるリプレイゲームが付与されるとともに、後述するRT状態が発生する。すなわち、特殊リプレイ入賞の成立がRT状態の発生条件の1つとなっている。
内部抽選により特殊リプレイ入賞に当選すると、特殊リプレイ入賞フラグが成立し、特殊リプレイ入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。図3に示す図柄配列により、第1リールの上・中・下段を有効ラインとして設定し、最初に第1リール6aの停止操作を行えば、4コマの引込停止制御により必ず有効ライン上に特殊リプレイ入賞に対応する何れかの図柄組合せ態様を停止表示させることができる。
なお、特殊リプレイ入賞の内部抽選は、ボーナス入賞が成立したときに発生する特別遊技状態、後述するRT状態、ART状態では行われない。また、特殊リプレイ入賞は、ボーナス入賞と重複して内部当選しないものとする。
後述するRT状態やART状態においてリプレイ入賞に当選したときに、リプレイ入賞に対応する図柄組合せ態様の代わりに、特殊リプレイ入賞に対応する図柄組合せ態様が導出されるようにしてもよい。
【0080】
本実施形態では、上述したボーナス入賞と小役入賞(特殊リプレイ入賞を除く)が、同一のゲームにおいて同時に内部当選できるようにしている。すなわち、ボーナス当選フラグと小役当選フラグは重複して成立可能となっている。
また、ボーナス当選フラグと小役当選フラグが重複して成立している場合に、有効ライン上に導出される入賞の優先順位は、リプレイ入賞>ボーナス入賞>小役入賞とする。ボーナス入賞に内部当選した以降のゲーム(ボーナス当選フラグが持ち越されたゲーム)において、小役入賞に内部当選した場合も同様とする。
【0081】
つまり、ボーナス当選フラグとリプレイ当選フラグが重複して成立している場合、必ずリプレイ入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に導出される。
また、ボーナス当選フラグとリプレイ入賞以外の小役当選フラグが重複して成立している場合、ボーナス入賞に対応するボーナス図柄を有効ライン上に停止表示可能であれば当該ボーナス図柄が有効ライン上に停止表示され、停止表示不可能であれば重複当選した小役入賞に対応する図柄が有効ライン上に停止表示されることとなる。
ただし、停止操作のタイミングによって、ボーナス入賞に対応するボーナス図柄と重複当選した小役入賞に対応する図柄の何れも有効ライン上に停止表示不可能である場合は、ボーナス入賞も小役入賞も成立しない。
【0082】
図5は本実施形態のスロットマシン1における遊技状態を説明するための状態遷移図であり、図6は通常状態以外の遊技状態が終了する条件を示す説明図である。
スロットマシン1の電源が投入されると、通常状態ST1でゲームが開始される。
【0083】
通常状態ST1では、図4に示す各種入賞の内部抽選が行われる。そして、通常状態ST1においてSBB入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されてSBB入賞が成立すると、特別遊技状態としてのSBB状態ST2に移行する。CBB入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されてCBB入賞が成立すると、特別遊技状態としてのCBB状態ST3に移行する。RB入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されてRB入賞が成立すると、特別遊技状態としてのRB状態ST4に移行する。
また、通常状態ST1において特殊リプレイ入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて特殊リプレイ入賞が成立すると、特定遊技状態としてのRT状態ST5に移行する。
【0084】
特別遊技状態としてのSBB状態ST2は、通常状態ST1又はRT状態ST5においてSBB入賞が成立したときに発生する。SBB状態ST2では、例えば、通常状態ST1よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行される。そして、図6に示すように、遊技者に払い出した総メダル枚数が規定払出数を超えるとSBB状態ST2は終了し、RT状態ST5に移行する。
例えば、規定払出数が350枚の場合は、小役入賞が24回成立した時点でSBB状態ST2は終了となる(15枚×23ゲーム<350枚<15枚×24ゲーム)ので、SBB状態ST2における純増枚数は最大312枚(1ゲーム当たりの純増13枚(払出15枚−賭数2枚)×24ゲーム)となる。
【0085】
特別遊技状態としてのCBB状態ST3は、通常状態ST1又はART状態ST6においてCBB入賞が成立したときに発生する。CBB状態ST3では、例えば、通常状態ST1よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行される。そして、図6に示すように、遊技者に払い出した総メダル枚数が規定払出数を超えるとCBB状態ST3は終了し、通常状態ST1に移行する。
CBB状態ST3における規定払出数は、通常状態ST1においてCBB入賞が成立した場合は250枚(規定払出数の初期値)とされ、ART状態ST6においてCBB入賞が成立した場合(ART規定ゲーム数消化後の成立を含む)は実行されたARTゲーム数に応じて減算される。
【0086】
図8は、通常状態ST1でCBB入賞が成立した場合に発生するCBB状態ST3におけるメダル増加量の推移例について示す説明図である。図8には、CBB状態ST3における内部抽選で、必ず小役入賞が成立する場合について示している。
図8に示すように、通常状態ST1でCBB入賞が成立した場合には規定払出数が250枚となるので、小役入賞が17回成立した時点でCBB状態ST3は終了となる(15枚×16ゲーム<250枚<15枚×17ゲーム)。したがって、CBB状態ST3における純増枚数は最大221枚(1ゲーム当たりの純増13枚(払出15枚−賭数2枚)×17ゲーム)となる。
【0087】
図5において、特別遊技状態としてのRB状態ST4は、通常状態ST1又はRT状態ST5においてRB入賞が成立したときに発生する。RB状態ST3では、例えば、通常状態ST1よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行される。そして、図6に示すように、遊技者に払い出した総メダル枚数が規定払出数を超えるとRB状態ST4は終了し、通常状態ST1に移行する。
例えば、規定払出数が50枚の場合は、小役入賞が4回成立した時点でRB状態ST4は終了となる(15枚×3ゲーム<50枚<15枚×4ゲーム)ので、RB状態ST4における純増枚数は最大52枚(1ゲーム当たりの純増13枚(払出15枚−賭数2枚)×4ゲーム)となる。
【0088】
特定遊技状態としてのRT状態ST5は、通常状態ST1において特殊リプレイ入賞が成立するか、SBB状態ST2が終了したときに発生する。図6に示すように、RT状態ST5では、(1)100ゲームの規定ゲーム数が消化されること、(2)SBB入賞が成立すること、(3)CBB当選フラグが成立すること、(4)RB入賞が成立することが、RT状態ST5の終了条件(特定遊技終了条件)として設定されている。
【0089】
RT状態ST5では、通常状態ST1よりもリプレイ入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行される。例えば、RT状態ST5では、1ゲーム当たりのメダルの増加量の期待値が0.3枚となるように、リプレイ入賞の内部当選確率が設定されている。なお、リプレイ入賞以外の入賞(ボーナス入賞を含む)の内部当選確率は、通常状態ST1と同じとする。
RT状態ST5では、リプレイ入賞の内部当選確率が高くなり、メダルの消費量を抑えてゲームを重ねることが可能となるので、小役入賞の成立によりメダル枚数を増加させながら、ボーナス入賞への当選を期待できる。したがって、このRT状態ST5の継続ゲーム数が増加するほど、遊技者には高い遊技価値が付与されることとなる。
【0090】
RT状態ST5において、100ゲームの規定ゲーム数が消化されると、通常状態ST1に移行する。すなわち、RT状態ST5においてボーナス入賞に内部当選しなければ、RT状態ST5は最大100ゲーム継続されることとなる。
【0091】
RT状態ST5においてSBB入賞に内部当選すると、RT状態ST5は終了となり、通常状態ST1に移行する。そして、通常状態ST1において対応する図柄組合せ態様が導出されてSBB入賞が成立すると、SBB状態ST2に移行する。なお、図5では、簡略化して、RT状態ST5からSBB状態ST2に移行するものとして示している。
また、RT状態ST5においてRB入賞に内部当選すると、RT状態ST5は終了となり、通常状態ST1に移行する。そして、通常状態ST1において対応する図柄組合せ態様が導出されてRB入賞が成立すると、RB状態ST4に移行する。なお、図5では、簡略化して、RT状態ST5からRB状態ST4に移行するものとして示している。
【0092】
RT状態ST5においてCBB入賞に内部当選してCBB当選フラグが成立すると、RT状態ST5は終了となり、ART状態ST6に移行する。なお、CBB入賞に内部当選したゲームで対応する図柄組合せ態様が導出されCBB入賞が成立した場合には、ART状態ST6は発生しないので、CBB状態ST3へと移行することとなる。
【0093】
特殊遊技状態としてのART状態ST6は、RT状態ST5においてCBB当選フラグが成立したときに発生する。ART状態ST6では、常にCBB当選フラグが成立しているため、ボーナス入賞の内部抽選は行われない。図6に示すように、ART状態ST6では、(1)200ゲームの規定ゲーム数が消化されること、(2)CBB入賞が成立することが、ART状態ST6の終了条件(特殊遊技終了条件)として設定されている。
【0094】
ART状態ST6では、通常状態ST1よりもリプレイ入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行されるとともに、特殊ベル入賞に内部当選したときには当選した特殊ベル入賞の種類が報知される。また、後述するようにリプレイ入賞に内部当選しないゲームにおいてCBB入賞が成立可能となるので、偶然にCBB入賞が成立して遊技者の意に反してART状態ST6が終了してしまうのを防止するために、小役入賞に内部当選するなどしてCBB入賞が成立可能な状態となっていることを報知するのが望ましい。
【0095】
ART状態ST6では、例えば、1ゲーム当たりのメダル増加量の期待値が1.2枚となるように、リプレイ入賞の内部当選確率が設定されている。なお、リプレイ入賞以外の入賞の内部当選確率は、通常状態ST1と同じとする(ただし、ボーナス入賞、特殊リプレイ入賞の当選確率は0)。
ART状態ST6において、遊技者は、報知された特殊ベル入賞に対応する図柄組合せ態様が導出されるようにリール6の停止操作を行うことで、確実に特殊ベル入賞を成立させることができる。したがって、1ゲーム当たりのメダル増加量の期待値がRT状態ST5に比べて高くなる。
【0096】
図9は、ART状態ST6におけるメダル増加量の推移例について示す説明図である。図9には、ART状態ST6において期待値(1.2枚/ゲーム)通りにメダルが増加する場合について示している。
図9に示すように、ART状態ST6では、小役入賞が成立すると、入賞に対応するメダル枚数が払い出され、賭数3枚を差し引いた枚数が増加する。例えば、特殊ベル入賞が成立すると(3,194,198ゲーム目)、9枚のメダルが払い出されるので、賭数3枚を差し引いた6枚が増加する。また、リプレイ入賞が成立したゲームではメダル枚数の増減はなく、はずれゲームではメダルは3枚減少する。
1ゲーム当たりのメダルの増加量の期待値を1.2枚とすると、200ゲームで約240枚の純増メダル枚数を見込むことができる。なお、この期待値は適宜変更可能であり、ART状態ST6における小役入賞の内部当選確率、リプレイ入賞の内部当選確率を適宜設定することで、所望の期待値とすることができる。
【0097】
このように、ART状態ST6では、リプレイ入賞の内部当選確率が高くなり、メダルの消費量を抑えてゲームを重ねることが可能となるので、小役入賞の成立(特に特殊ベル入賞の成立)により所有するメダル枚数を増加させることができる。
【0098】
一方で、ART状態ST6において実行されたゲーム数に応じて、ART状態ST6の終了後に発生するCBB状態ST3において獲得できるメダルの規定払出数を、初期の規定払出数(250枚)から減算する。これにより、遊技者に多量のメダルを付与可能なCBB状態ST3をART状態ST6の終了後に発生させても、著しく射倖性が高くならないようにしている。
【0099】
例えば、ART状態ST6において1ゲーム消化するごとに、CBB状態ST3の規定払出数を1減算するようにした場合、ART状態ST6において200ゲームを消化すると、その後発生するCBB状態ST3の規定払出数は50枚となる。
この場合、図10に示すように、CBB状態ST3での規定払出数が50枚となるので、小役入賞が4回成立した時点でCBB状態ST3は終了となる(15枚×3ゲーム<50枚<15枚×4ゲーム)。したがって、CBB状態ST3における純増枚数は最大52枚(1ゲーム当たりの純増13枚(払出15枚−賭数2枚)×4ゲーム)となる。
【0100】
CBB状態ST3とART状態ST6との関係を上述した構成とすることで、ART状態ST6で獲得されたメダル枚数と、ART状態ST6の後に発生するCBB状態ST3で獲得されたメダル枚数を合算した枚数は、CBB入賞の成立時期によって大幅に変化しないこととなる。
ただし、ART状態ST6を継続した方が、確率的には多量のメダルが獲得できるように、1ゲーム当たりのメダル増加量の期待値が決められている。例えば、図8に示すようにCBB状態ST3を消化すれば純増221枚となるが、図9,10に示すようにART状態ST6とCBB状態ST3を消化すれば純増292枚となる。
【0101】
図5に示すように、ART状態ST6において、200ゲームの規定ゲーム数が消化されると、ART状態ST6は終了となり、通常状態ST1に移行する。そして、通常状態ST1において対応する図柄組合せ態様が導出されてCBB入賞が成立すると、CBB状態ST3に移行する。なお、図5では、簡略化して、ART状態ST6からCBB状態ST3に移行するものとして示している。
すなわち、ART状態ST6において当選フラグが成立しているCBB入賞を成立させなければ、ART状態ST6は最大200ゲーム継続されることとなる。遊技時間を十分に確保できる場合は、ART状態ST6を200ゲーム消化した後でCBB入賞を成立させた方が、遊技者は多量のメダルを獲得できる。
【0102】
また、ART状態ST6において、CBB入賞に対応する図柄組合せ態様が導出され、CBB入賞が成立すると、ART状態ST6は終了となり、CBB状態ST3に移行する。
ART状態ST6では、図7に示すように、リプレイ入賞に内部当選しないゲーム、すなわち、リプレイ入賞以外の小役入賞に内部当選したゲーム又ははずれゲームにおいて、CBB入賞が成立可能となる。そして、これらのゲームにおいて、CBB入賞が成立するとART状態ST6が終了となり、CBB入賞の成立が回避されるとART状態ST6が継続される。
すなわち、遊技者は、メダルの獲得手段として、CBB状態におけるメダルの払出、又は、ART状態におけるメダルの払出のいずれに比重を置くかを、ART状態においてCBB入賞に対応する特別図柄組合せ態様を導出するか否かで選択できる。
【0103】
例えば、特殊ベル入賞に内部当選したゲームでは、報知された特殊ベル入賞に対応する図柄組合せ態様が導出され、かつ、CBB入賞に対応する図柄組合せ態様が導出されないようにリール6を停止させることで、CBB入賞の成立を回避しつつ、特殊ベル入賞の成立によりメダルを獲得できる。
通常状態ST1において、白7ベル入賞に内部当選したゲームでは、第1リール6aに「白7」を停止させれば、第2,第3リール6b,6cには「ベル」を狙わなくても入賞が成立するが、ART状態ST6では白7ベル入賞よりもCBB入賞の成立が優先されるため、ART状態ST6を継続するには第2,第3リール6b,6cに「白7」が停止表示されないタイミングで停止操作を行う必要がある。
【0104】
このように、スロットマシン1では、通常状態ST1,ボーナス状態ST2〜ST4,RT状態ST5,ART状態ST6の何れかに遊技状態は滞在する。そして、各遊技状態における内部抽選結果、入賞の成立結果、又は消化ゲーム数などに応じて遊技状態が遷移する。
【0105】
図11〜17は、スロットマシン1における遊技進行時の具体的な制御処理について示すフローチャートである。これらのフローチャートによる制御処理は、遊技制御装置50によって実行される。
図11は、メイン制御処理のフローチャートである。スロットマシン1の電源が投入されると、図11に示すメイン制御処理が開始される。
【0106】
ステップS1では、RAM50cにおけるワークメモリ、レジスタ、各種フラグの初期化処理や、その他の各装置の初期化処理を行う。
ステップS2では、遊技者によるメダルの賭け操作を監視し、入力された賭数に応じて有効ラインを設定するベット受付処理を行う。例えば、メダル投入口15よりメダルが投入されると、その投入されたメダルがメダル投入検出センサ51により検出され、検出信号が遊技制御装置50に入力される。そして、この検出信号に基づいて、メダルの賭数を記憶するとともに、その賭数に対応して有効ラインを設定する。
ここで、メダルの賭け操作とは、前回のゲームの結果としてリプレイゲームの権利が発生すること、メダル投入口15より少なくとも1枚以上のメダルが投入されること、RAM50cに少なくとも1枚以上のメダルがクレジットとして記憶されている状態でベットボタン16が操作されること、が該当する。
【0107】
ステップS3では、スタートレバーセンサ52から入力される検出信号に基づいて、遊技者によってスタートレバー21が操作されたか否かを判定する。そして、スタートレバー21が操作されたと判定すると、ステップS4に移行する。
ステップS4では、入賞抽選用乱数を抽出し、この抽出された乱数と入賞判定用の判定値が格納された判定テーブル(遊技状態ごとに設けられている)に基づいて、各種入賞に当選したか否かを決定する内部抽選処理を行う。この内部抽選によって入賞に当選した場合は、当選した入賞に対応する当選フラグがセットされ、何れの入賞にも当選しなかった場合は、はずれフラグがセットされる。この内部抽選処理の詳細な制御については後述する。
また、内部抽選結果に関する情報(例えば、内部当選した入賞の種類等)は、遊技制御装置50から演出制御装置70に送信される。
【0108】
ステップS5では、リール変動開始処理を行う。このリール変動開始処理では、前回ゲームにおける各リール6a,6b,6cの回転開始から一定時間(例えば、4.1秒)経過しているか監視し、一定時間経過した時点でリールの変動を開始する。
このとき、演出制御装置70は、内部抽選結果に関する情報に基づく演出を、画像表示装置3等によって実行させる。ART状態ST6では、例えば、特殊ベル入賞の種類を報知する演出やCBB入賞を成立可能なゲームであることを報知する演出が画像表示装置3で行われることとなる。
【0109】
ステップS6では、リール変動停止処理を行う。例えば、遊技者がリールストップボタン24a,24b,24cにより各リール6a,6b,6cを停止操作したタイミングと内部抽選処理においてセットされた当選フラグの成立状態に応じてリール6a,6b,6cの停止位置を決定し、この決定に基づいてリール用モータ64a,64b,64cに対して制御信号を出力する。内部抽選処理により特別入賞に当選(特別入賞の当選フラグが成立)していれば、設定された有効ライン上にボーナス図柄組合せ態様が導出されるようにリールの回転および停止の制御が行われる。
【0110】
ステップS7では、入賞判定処理を行う。この入賞判定処理では、遊技者によるリールストップボタン24a,24b,24cの停止操作に基づいてリール6a,6b,6cが停止された結果、所定の図柄組合せ態様の何れかが有効ライン上に導出された場合に入賞が成立したものと判定する。
【0111】
ステップS8では、所定の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に、成立した入賞に応じてメダルの払出処理を行う。例えば、クレジット選択ボタン20によりクレジット状態となっていればメダルをクレジットに加算し、非クレジット状態であればメダル払出装置63に制御信号を送ってメダルを排出する。なお、クレジット状態となっている場合であっても、クレジットの限度数(例えば50)を超えた場合には残りのメダルをメダル受皿27に排出することになる。
【0112】
ステップS9では、遊技終了処理を行う。この遊技終了処理では、入賞判定処理(ステップS7)の結果に基づいて遊技状態が変化する(例えば、通常状態ST1からボーナス状態ST2〜ST4やRT状態ST5に移行、又はRT状態ST5からART状態ST6に移行等)場合に、移行先の遊技状態を発生させるための処理(状態フラグのセット)を行う。
また、現在の遊技状態がボーナス状態ST2〜ST4である場合に、メダルの総払出枚数が各ボーナス状態における規定払出数を超えた場合にボーナス状態を終了するための処理(状態フラグのクリア)を行う。遊技終了処理の詳細な制御については後述する。
【0113】
ステップS10では、RT回数監視処理を行う。このRT回数監視処理では、RT状態ST5又はART状態ST6において実行されたゲームを監視し、RT終了条件(特定遊技終了条件)又はART終了条件(特殊遊技終了条件)が成立した場合に、RT状態ST5又はART状態ST6を終了するための処理(状態フラグのクリア)を行う。
また、現在の遊技状態がART状態ST6である場合には、消化したゲーム数に応じて、ART状態ST6の終了後に発生するCBB状態ST3の規定払出数を減算する処理を行う。RT回数監視処理の詳細な制御については後述する。
【0114】
ステップS10が終了すると、ステップS2に移行して、次ゲームについての遊技制御処理が行われる。すなわち、スロットマシン1では、上述したステップS2〜S10の処理が繰り返し行われることで遊技が進行されることとなる。
【0115】
図12,13は、図11のステップS4で行われる内部抽選処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS101では、入賞抽選用の乱数を抽出する。
ステップS102では、ベット受付処理(図11のステップS2)で設定された有効ライン数を取得する。
【0116】
ステップS103では、ART状態フラグ又はRT状態フラグが成立しているか否かを判定する。
ここで、ART状態フラグとは、現在の遊技状態がART状態ST6であることを示すフラグで、RT状態ST5においてCBB入賞に内部当選したときにセットされる(図13のステップS132)。また、RT状態フラグとは、現在の遊技状態がRT状態ST5であることを示すフラグで、通常状態ST1において特殊リプレイ入賞が成立したとき又はSBB状態が終了したときにセットされる(図14のステップS306,図15のステップS325)。
そして、ステップS103で、ART状態フラグ又はRTフラグが成立していると判定した場合は図13のステップS121に移行し、ART状態フラグ及びRT状態フラグが成立していない(すなわち、通常状態ST1又はボーナス状態ST2〜ST4である)と判定した場合はステップS104に移行する。
【0117】
ステップS104では、遊技状態に応じた入賞判定テーブルをセットする。つまり、通常状態ST1である場合は通常状態用の入賞判定テーブルをセットし、ボーナス状態ST2〜ST4である場合はボーナス状態用の入賞判定テーブルをセットする。
ボーナス状態用の入賞判定テーブルでは、通常状態用の入賞判定テーブルに比べて、小役入賞の当選確率が高くなるように判定値が設定されている。なお、ボーナス状態用の入賞判定テーブルでは、特殊リプレイ入賞及びボーナス入賞は抽選の対象となっていない。
【0118】
ステップS105では、ステップS101で抽出された入賞抽選用乱数と、ステップS104でセットされた入賞判定テーブルを比較する。
ステップS106では、ステップS105で入賞抽選用乱数と入賞判定テーブルを比較した結果、何れかの入賞に当選しているか否かを判定する。そして、何れかの入賞に内部当選していると判定した場合はステップS108に移行する。一方、何れの入賞にも内部当選していないと判定した場合はステップS107に移行し、はずれフラグをセットする。
【0119】
ステップS108では、内部当選している入賞が特殊リプレイ入賞であるか否かを判定する。そして、特殊リプレイ入賞に内部当選していると判定した場合はステップS109に移行し、特殊リプレイ入賞の当選フラグをセットする。一方、特殊リプレイ入賞に内部当選していないと判定した場合はステップS110に移行する。
【0120】
ステップS110では、内部当選している入賞がボーナス入賞であるか否かを判定する。そして、ボーナス入賞に内部当選していると判定した場合はステップS111に移行し、ボーナス入賞に内部当選していないと判定した場合はステップS112に移行する。
ステップS111では、内部当選したボーナス入賞(SBB入賞、CBB入賞、RB入賞の何れか)の当選フラグをセットする。
ステップS112では、内部当選した小役入賞(特殊リプレイ入賞以外)の当選フラグをセットする。当該ゲームにおいて、ボーナス入賞と小役入賞に重複して当選した場合はステップS111でボーナス入賞の当選フラグがセットされるとともに、ステップS112で小役入賞の当選フラグがセットされることとなる。一方、当該ゲームにおいて、ボーナス入賞に単独当選した場合はステップS111でボーナス入賞の当選フラグがセットされ、ステップS112の処理は省略される。
【0121】
つまり、通常状態ST1において入賞に内部当選した場合は、当選した入賞の当選フラグがセットされ(ステップS109,S111,S112)、何れの入賞にも内部当選しなかった場合ははずれフラグがセットされる(ステップS107)。また、ボーナス状態ST2〜ST4では、特殊リプレイ入賞及びボーナス入賞は内部当選しないので、当選した小役入賞の当選フラグがセットされる(ステップS112)か、はずれフラグがセットされる(ステップS107)。
【0122】
ステップS103においてART状態フラグ又はRT状態フラグが成立していると判定した場合は、図13のステップS121において、RT状態フラグが成立しているか否かを判定する。そして、RT状態フラグが成立している(すなわち、RT状態ST5である)と判定した場合はテップS122に移行し、RT状態フラグが成立していない(すなわち、ART状態ST6である)と判定した場合はステップS133に移行する。
【0123】
ステップS122では、RT状態ST5に応じた入賞判定テーブルをセットする。RT状態用の入賞判定テーブルでは、通常状態用の入賞判定テーブルに比べて、リプレイ入賞の当選確率が高くなるように判定値が設定されている。なお、RT状態用の入賞判定テーブルでは、特殊リプレイ入賞は抽選の対象となっていない。
【0124】
ステップS123では、図12のステップS101で抽出された入賞抽選用乱数と、ステップS122でセットされた入賞判定テーブルを比較する。
ステップS124では、ステップS123で入賞抽選用乱数と入賞判定テーブルを比較した結果、何れかの入賞に当選しているか否かを判定する。そして、何れかの入賞に内部当選していると判定した場合はステップS126に移行する。一方、何れの入賞にも内部当選していないと判定した場合はステップS125に移行し、はずれフラグをセットする。
【0125】
ステップS126では、内部当選している入賞がSBB入賞又はRB入賞であるか否かを判定する。そして、SBB入賞又はRB入賞に内部当選していると判定した場合はステップS127に移行し、SBB入賞及びRB入賞に内部当選していないと判定した場合はステップS130に移行する。
【0126】
ステップS127では、内部当選したボーナス入賞(SBB入賞又はRB入賞)の当選フラグをセットする。
ステップS128では、RT終了フラグをセットする。このRT終了フラグは、RT状態ST5を終了するための処理を実行するか否かを判定する際に用いられる(図16のステップS401)。
ステップS129では、内部当選した小役入賞(特殊リプレイ入賞以外)の当選フラグをセットする。当該ゲームにおいて、ボーナス入賞と小役入賞に重複して当選した場合はステップS127でボーナス入賞の当選フラグがセットされるとともに、ステップS129で小役入賞の当選フラグがセットされることとなる。一方、当該ゲームにおいて、ボーナス入賞に単独当選した場合はステップS127でボーナス入賞の当選フラグがセットされ、ステップS129の処理は省略される。
【0127】
ステップS130では、内部当選している入賞がCBB入賞であるか否かを判定する。そして、CBB入賞に内部当選していると判定した場合はステップS131に移行し、CBB入賞に内部当選していないと判定した場合はステップS129に移行する。
【0128】
ステップS131では、CBB入賞の当選フラグをセットする。
ステップS132では、ART当選フラグをセットする。このART当選フラグは、ART状態ST6を発生するための処理を実行するか否かを判定する際に用いられる(図14のステップS309)。
ステップS129では、内部当選した小役入賞(特殊リプレイ入賞以外)の当選フラグをセットする。当該ゲームにおいて、CBB入賞と小役入賞に重複して当選した場合はステップS131でCBB入賞の当選フラグがセットされるとともに、ステップS129で小役入賞の当選フラグがセットされることとなる。一方、当該ゲームにおいて、CBB入賞に単独当選した場合はステップS131でボーナス入賞の当選フラグがセットされ、ステップS129の処理は省略される。
【0129】
つまり、RT状態ST5において入賞に内部当選した場合は当選した入賞の当選フラグがセットされ(ステップS127,S129,S130)、何れの入賞にも内部当選しなかった場合ははずれフラグがセットされる(ステップS125)。
また、SBB入賞又はRB入賞に内部当選した場合はRT終了フラグがセットされ、CBB入賞に内部当選した場合はART当選フラグがセットされる。
【0130】
ステップS121においてRT状態フラグが成立していないと判定した場合は、ステップS133において、ART状態ST6に応じた入賞判定テーブルをセットする。ART状態用の入賞判定テーブルでは、通常状態用の入賞判定テーブルに比べて、リプレイ入賞の当選確率が高くなるように判定値が設定されている。なお、ART状態用の入賞判定テーブルでは、特殊リプレイ入賞及びボーナス入賞は抽選の対象となっていない。
【0131】
ステップS134では、図12のステップS101で抽出された入賞抽選用乱数と、ステップS133でセットされた入賞判定テーブルを比較する。
ステップS135では、ステップS134で入賞抽選用乱数と入賞判定テーブルを比較した結果、何れかの入賞に当選しているか否かを判定する。そして、何れかの入賞に内部当選していると判定した場合はステップS129に移行し、内部当選した小役入賞(特殊リプレイ入賞以外)の当選フラグをセットする。一方、何れの入賞にも内部当選していないと判定した場合はステップS125に移行し、はずれフラグをセットする。
【0132】
つまり、ART状態ST6では、特殊リプレイ入賞及びボーナス入賞は内部当選しないので、当選した小役入賞の当選フラグがセットされる(ステップS129)か、はずれフラグがセットされる(ステップS125)。
【0133】
上述した内部抽選処理においてセットされた当選フラグに基づいて、今回のゲームにおけるリール停止制御が行われることとなる。
【0134】
図14,15は、図11のステップS9で行われる遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS301では、現在の遊技状態がボーナス状態(SBB状態ST2,CBB状態ST3,RB状態ST4の何れか)であるか否かを判定する。ボーナス入賞が成立すると、後述するステップS303でボーナス入賞の状態フラグがセットされるので、ステップS301では、このボーナス状態フラグの成立状態に基づいて遊技状態を判定する。
そして、現在の遊技状態がボーナス状態ST2〜ST4であると判定した場合は図15のステップS321に移行し、ボーナス状態でない(すなわち、通常状態ST1,RT状態ST5,ART状態ST6の何れか)と判定した場合はステップS302に移行する。
【0135】
ステップS302では、図11の入賞判定処理の結果に基づいて、ボーナス入賞が成立したか否かを判定する。そして、ボーナス入賞が成立したと判定した場合はステップS303に移行し、ボーナス入賞が成立していないと判定した場合はステップS305に移行する。
【0136】
ステップS303では、成立したボーナス入賞の状態フラグをセットする。この状態フラグに基づいて、現在の遊技状態がボーナス状態であるか否かが判定される(例えば、ステップS301等)。
ステップS304では、ボーナス入賞の当選フラグをクリアする。このように、ボーナス入賞の当選フラグは、対応するボーナス入賞が成立したときにクリアされる。すなわち、ボーナス入賞が成立しなければ、このボーナス当選フラグは次ゲームに持ち越され、常に成立した状態となる。
【0137】
ステップS305では、図11の入賞判定処理の結果に基づいて、特殊リプレイ入賞が成立したか否かを判定する。なお、特殊リプレイ入賞は、内部当選すると必ず成立するので、特殊リプレイ入賞の当選フラグの成立状態に基づいて判定することもできる。そして、特殊リプレイ入賞が成立したと判定した場合はステップS306に移行し、特殊リプレイ入賞が成立していないと判定した場合はステップS308に移行する。
【0138】
ステップS306では、RT状態フラグをセットする。このRT状態フラグがセットされると、次ゲームからRT状態ST5となる。
ステップS307では、RT回数カウンタに、RT状態ST5の上限ゲーム数となる100をセットする。RT回数カウンタは、RT状態ST5又はART状態ST6で実行されたゲーム数を計数するカウンタである。本実施形態では、RT状態ST5又はART状態ST6で実行されたゲーム数を同じRT回数カウンタで計数するようにしている。
【0139】
ステップS308では、ボーナス入賞以外の当選フラグをクリアする。すなわち、1ゲームごとに小役入賞の当選フラグ又ははずれフラグはクリアされる。
【0140】
ステップS309では、ART当選フラグが成立しているか否かを判定する。このART当選フラグは、RT状態ST5においてCBB入賞に内部当選したときにセットされる(図13のステップ132)。そして、ART当選フラグが成立していると判定した場合はステップS310に移行し、ART当選フラグが成立していないと判定した場合は遊技終了処理を終了する。
【0141】
ステップS310では、ART状態フラグをセットする。このART状態フラグがセットされると、次ゲームからART状態ST6となる。
ステップS311では、RT回数カウンタに、ART状態ST6の上限ゲーム数となる200をセットする。
ステップS312では、変更監視カウンタに、CBB状態ST3における初期の規定払出数である250をセットする。この変更監視カウンタは、ART状態ST6の終了後に発生することとなるCBB状態ST3における規定払出数を変更するためのカウンタであり、ART状態ST6において1ゲーム消化されるごとに1ずつ減算される。
そして、ステップS313でRT状態フラグをクリアし、ステップS314でART当選フラグをクリアする。
【0142】
ステップS301においてボーナス状態でないと判定した場合は、図15に示すフローチャートによりボーナス状態における遊技終了処理が行われる。
ステップS321では、ボーナス状態ST2〜ST4で払い出した総メダル枚数(総払出枚数)を取得する。この総払出枚数は、図示しない総払出枚数カウンタにより計数されている。
ステップS322では、ステップS321で取得した前ゲームまでの総払出枚数に今回のゲームで払い出したメダル枚数(リプレイ入賞以外の小役入賞の場合は15枚)を加算し、新たな総払出枚数とする。
【0143】
ステップS323では、払い出された総メダル枚数が規定払出数を超えているか判定する。ここで、SBB状態ST2の規定払出数は350枚に設定され、RB状態ST4の規定払出数は50枚に設定されている。また、CBB状態ST3の規定払出数は、通常状態ST1でCBB入賞が成立したことにより発生したCBB状態ST4の場合は250枚に設定され、ART状態ST6でCBB入賞が成立したことにより発生したCBB状態ST3の場合は変更監視カウンタの値が設定されている(図17のステップS416)。
そして、総払出枚数が規定払出数を超えていると判定した場合はステップS324に移行し、総払出枚数が規定払出数を超えていないと判定した場合は遊技終了処理を終了する。
【0144】
ステップS324では、成立しているボーナス状態フラグに基づいて、SBB状態ST2であるか否かを判定する。そして、SBB状態ST2であると判定した場合はステップS325に移行し、SBB状態ST2でない(すなわち、CBB状態ST3又はRB状態ST4である)と判定した場合はステップS327に移行する。
ステップS325では、RT状態フラグをセットする。このRT状態フラグがセットされると、次ゲームからRT状態ST5となる。つまり、SBB状態ST2の終了後、RT状態ST5が発生する。
ステップS326では、RT回数カウンタに、RT状態ST5の上限ゲーム数である100をセットする。
【0145】
上述した遊技終了処理においてセットされた状態フラグに基づいて、次ゲームの遊技制御(例えば、内部抽選処理等)が行われることとなる。
【0146】
図16,17は、図11のステップS10で行われるRT回数監視処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS401では、RT終了フラグが成立しているか否かを判定する。このRT終了フラグは、RT状態においてSBB入賞又はRB入賞に内部当選したときにセットされる(図13のステップS128)。
そして、RT終了フラグが成立していると判定した場合はステップS406に移行し、RT終了フラグが成立していないと判定した場合はステップS402に移行する。
【0147】
ステップS402では、RT状態フラグが成立しているか否かを判定する。このRT状態フラグは、通常状態ST1において特殊リプレイ入賞が成立したとき又はSBB状態ST2が終了したときにセットされる(図14のステップS306,図15のステップS325)。
そして、RT状態フラグが成立している(すなわちRT状態ST5である)と判定した場合はステップS403に移行し、RT状態フラグが成立していないと判定した場合は図17のステップS411に移行する。
【0148】
ステップS403では、現在のRT回数カウンタ値を取得する。RT状態ST5の場合、RT回数カウンタには初期値として100がセットされている。
ステップS404では、RT回数カウンタ値を1減算する。すなわち、RT状態ST5において1ゲーム消化されるごとにRT回数カウンタ値が1減算される。
ステップS405では、RT回数カウンタ値が0よりも小さくなっているか否かを判定する。RT状態ST5において上限ゲーム数である100ゲームが消化されると、RT回数カウンタ値が0よりも小さくなる。そして、RT回数カウンタ値が0よりも小さいと判定した場合はステップS406に移行し、RT回数カウンタ値が0以上であると判定した場合はRT回数監視処理を終了する。
【0149】
ステップS406では、RT状態フラグをクリアし、ステップS407では、RT回数カウンタ値に0をセットする(RT回数カウンタの初期化)。RT状態フラグがクリアされることでRT状態ST5が終了し、次ゲームでは通常状態ST1となる。
【0150】
ステップS402においてRT状態フラグが成立していないと判定した場合は、図17に示すフローチャートによりART状態におけるRT回数監視処理が行われる。
図17のステップS411では、ART状態フラグが成立しているか否かを判定する。このART状態フラグは、RT状態ST5においてCBB入賞に内部当選したときにセットされる(図14のステップS310)。
そして、ART状態フラグが成立している(すなわちART状態ST6である)と判定した場合はステップS412に移行し、ART状態フラグが成立していない(すなわち通常状態ST1又はボーナス状態ST2〜ST4である)と判定した場合はRT回数監視処理を終了する。
【0151】
ステップS412では、現在のRT回数カウンタ値を取得する。ART状態ST6の場合、RT回数カウンタには初期値として200がセットされている。
ステップS413では、RT回数カウンタ値を1減算する。すなわち、ART状態ST6において1ゲーム消化されるごとにRT回数カウンタ値が1減算される。
【0152】
ステップS414では、現在の変更監視カウンタ値を取得する。変更監視カウンタには初期値として250がセットされている。
ステップS415では、変更監視カウンタ値を1減算する。すなわち、ART状態ST6において1ゲーム消化されるごとに変更監視カウンタ値が1減算される。
【0153】
ステップS416では、変更監視カウンタ値を、ART状態ST6の終了後に発生するCBB状態ST3における規定払出数としてセットする。すなわち、ART状態ST6において1ゲーム消化されるごとに、CBB状態ST3において獲得できる枚数は1減算されることとなる。
【0154】
ステップS417では、図11の入賞判定処理の結果に基づいて、CBB入賞が成立したか否かを判定する。そして、CBB入賞が成立したと判定した場合はステップS419に移行し、CBB入賞が成立していないと判定した場合はステップS418に移行する。
ステップS418では、RT回数カウンタ値が0よりも小さくなっているか否かを判定する。ART状態ST6において上限ゲーム数である200ゲームが消化されると、RT回数カウンタ値が0よりも小さくなる。そして、RT回数カウンタ値が0よりも小さいと判定した場合はステップS419に移行し、RT回数カウンタ値が0以上であると判定した場合はRT回数監視処理を終了する。
ステップS419では、ART状態フラグをクリアし、ステップS420では、RT回数カウンタ値に0をセットする(RT回数カウンタの初期化)。ART状態フラグがクリアされることでART状態ST6が終了し、次ゲームでは通常状態ST1となる。ただし、CBB入賞が成立してART状態ST6が終了する場合(ステップS417で“YES”)は、次ゲームではCBB状態ST3となる。
【0155】
上述したように、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者により開始操作が行われた場合に複数のリール6a,6b,6cの変動表示を伴うゲームを実行するとともに、入賞に当選したか否かを決定する内部抽選を行い、遊技者の停止操作が行われた場合に内部抽選結果に基づき複数のリール6a,6b,6cの停止制御(引込停止制御)を行い、有効ライン上にボーナス図柄組合せ態様(特別図柄組合せ態様)が導出された場合に、遊技者に多量のメダル(遊技媒体)を付与可能な特別遊技状態(SBB状態、CBB状態、RB状態)を発生させる。
【0156】
また、上述したSBB状態ST2,CBB状態ST3,RB状態ST4の発生から終了にわたる制御は、遊技制御装置50によって行われる。
すなわち、遊技制御装置50は、SBB状態ST2,CBB状態ST3,RB状態ST4(特別遊技状態)の発生及び実行制御を行う特別遊技制御手段として機能するとともに、SBB状態ST2,CBB状態ST3,RB状態ST4におけるメダル(遊技媒体)の総払出数が規定払出数に達した場合に、当該特別遊技状態を終了させる特別遊技終了手段として機能する。
【0157】
また、上述したART状態ST6の発生から終了にわたる制御は、遊技制御装置50によって行われる。
すなわち、遊技制御装置50は、特殊遊技終了条件が成立するまで内部抽選におけるリプレイ入賞(特定入賞)の当選確率を高めるとともに、特殊ベル入賞(所定入賞)に当選したことを報知するART状態ST6(特殊遊技状態)の発生及び実行制御を行う特殊遊技制御手段として機能するとともに、ART状態ST6において特殊遊技終了条件が成立するか否かを監視し、この特殊遊技終了条件が成立した場合にART状態ST6を終了させる特殊遊技終了手段として機能する。
【0158】
特殊遊技制御手段としての遊技制御装置50は、内部抽選によりCBB入賞(特別入賞)に当選し、かつ、複数のリール6a,6b,6cにてCBB入賞に対応するボーナス図柄組合せ態様が導出されずにCBB入賞が成立していないことを条件にART状態ST6を発生させる。
また、特殊遊技終了手段としての遊技制御装置50は、ART状態ST6においてCB入賞が成立するか、若しくは、ART状態ST6における消化ゲーム数が所定数(200ゲーム)に達するかを特殊遊技終了条件として設定している。
これにより、メダルの獲得手段として、CBB状態ST3におけるメダルの払出、又は、ART状態ST6における遊技媒体の払出のいずれに比重を置くかを、遊技者がART状態ST6においてCBB入賞に対応するボーナス図柄組合せ態様を導出するか否かで選択できる。
【0159】
そして、特別遊技終了手段としての遊技制御装置50は、ART状態ST6における消化ゲーム数に応じて、このART状態ST6の終了後に発生するCBB状態ST3の規定払出数を減少する。
これにより、特殊遊技状態を実行するための遊技時間を十分に確保できない場合に遊技者が著しく不利益を受けることはなくなる。
したがって、閉店時間など状況に関係なく、遊技者は遊技時間を気にせずに遊技を実行するようになるので、遊技店は安定した稼動を確保できるようになり、スロットマシンの性能が原因で利益が減少するのを回避することができる。
【0160】
例えば、ART状態ST6における消化ゲーム数が1加算されることに応じて、このART状態ST6の終了後に発生するCBB状態ST3の規定払出数を1減算する。
このように、CBB状態ST3におけるメダルの払出数と、ART状態ST6における消化ゲーム数が安易に対応付けられているため、メダルの獲得手段として、CBB状態ST3におけるメダルの払出、又は、ART状態ST6におけるメダルの払出のいずれに比重を置くかを遊技者は容易に判断することができる。
したがって、閉店時間など状況に関係なく、遊技者は遊技時間を気にせずに遊技を実行するようになるので、遊技店は安定した稼働を確保することができる。
【0161】
また、上述したRT状態ST5の発生から終了にわたる制御は、遊技制御装置50によって行われる。
すなわち、遊技制御装置50は、特定遊技終了条件が成立するまで内部抽選におけるリプレイ入賞(特定入賞)の当選確率を高めるRT状態ST5(特定遊技状態)の発生及び実行制御を行う特定遊技制御手段として機能するとともに、RT状態ST5において特定遊技終了条件が成立するか否かを監視し、この特定遊技終了条件が成立した場合にRT状態ST5を終了させる特定遊技終了手段として機能する。
そして、特殊遊技制御手段としての遊技制御装置50は、RT状態ST5における内部抽選によりCBB入賞に当選し、かつ、複数のリール6a,6b,6cにてCBB入賞に対応するボーナス図柄組合せ態様が導出されずにCBB入賞が成立していないことを条件にART状態ST6を発生させる。
これにより、RT状態ST5において一定条件(CBB入賞の内部当選)が成立しなければ、ART状態ST6が発生されないため、ゲームが単調化することを防止でき、興趣性の高い遊技を実現できる。したがって、スロットマシン1の稼動が低下することを防止でき、遊技店は安定した稼動を確保することができる。
【0162】
(第2実施形態)
第2実施形態に係るスロットマシンの構成は、第1実施形態に係るスロットマシン1と同様である。第2実施形態では、ART状態ST6の終了後にCBB状態ST3が発生する場合に、遊技者が不利益を被ることがないようにしている。
【0163】
第1実施形態では、ART状態ST6において、小役入賞に内部当選するなどしてCBB入賞を成立可能となった場合に、遊技者がCBB入賞に対応するボーナス図柄組合せ態様を導出させるように停止操作を行えば、CBB入賞が成立する。しかしながら、ART状態ST6における消化ゲーム数に応じてCBB状態ST3の規定払出枚数は減少されているので、ART状態ST6での純増メダル数とCBB状態ST3での純増メダル数を合算した枚数が、CBB状態ST3の初期の規定払出数による純増枚数よりも少なくなる可能性がある。
【0164】
例えば、ART状態ST6において、小役入賞に内部当選した回数が少なかったり、はずれゲーム数が多かったりすると、消化ゲーム数によっては純増メダル数が期待値を大幅に下回ることとなる。
つまり、ART状態ST6において、規定ゲーム数である200ゲームを消化すれば純増メダル数はほぼ期待値に収束するため、ART状態ST6での純増メダル数とCBB状態ST3での純増メダル数を合算した枚数がCBB状態ST3の初期の規定払出数による純増枚数より少なくなる可能性は低いが、停止操作ミス等により200ゲームに満たないゲームでCBB入賞が成立してしまうときに、上述した不具合が生じる可能性がある。
【0165】
そこで、第2実施形態では、ART状態ST6での純増メダル数とCBB状態ST3での純増メダル数を合算した枚数が、CBB状態ST3の初期の規定払出数による純増枚数よりも少なくなるような場合には、CBB入賞が成立しないようにリールの停止制御を行うようにしている。
具体的には、内部抽選処理において、ART状態ST6での純増メダル数と、このART状態ST6の終了後に発生するCBB状態ST3で期待される純増メダル数を合算した枚数を監視することで実現する。
【0166】
図18は、第2実施形態に係る内部抽選処理の一例について示すフローチャートである。
図18は、図12のステップS103でART状態フラグ又はRT状態フラグが成立していると判定された場合に行われる処理で、第1実施形態における図13に示す処理に対応する。図18において、図13と同様の処理については同一の符号を付している。
図18に示すフローチャートと図13に示すフローチャートに比較すると、ステップS134の後段に変更規定枚数確認処理(ステップS200)を有している点が異なる。
【0167】
図19は、図18のステップS200で行われる変更規定枚数確認処理の一例について示すフローチャートである。
ステップS201では、RT回数カウンタ値が0よりも小さい、すなわち当該ゲームでART状態ST6は終了となるか否かを判定する。そして、RT回数カウンタ値が0よりも小さい(ART状態ST6は終了となる)と判定した場合はステップS207に移行し、RT回数カウンタ値は0以上である(ART状態ST6は継続可能)と判定した場合はステップS202に移行する。
【0168】
ステップS202では、変更監視カウンタ値を取得する。この変更監視カウンタ値は、当該ART状態ST6の終了後に発生するCBB状態ST3の規定払出数とされる値である。
ステップS203では、ステップS202で取得した変更監視カウンタ値に基づいて、ART状態ST6の終了後に発生するCBB状態ST3において獲得しうる最大メダル枚数(CBB獲得枚数)を算出する。例えば、ART状態ST6において、50ゲームを消化した時点では、変更監視カウンタ値は200(初期値250−消化50ゲーム)となっているので、CBB獲得枚数は182枚(1ゲーム当たりの純増13枚×14ゲーム)となる。
【0169】
ステップS204では、ART状態ST6において獲得された純増メダル枚数(ART獲得枚数)を取得する。
ステップS205では、CBB獲得枚数にART獲得枚数を加算し、当該ゲームでCBB入賞を成立させたときにCBB状態ST3とART状態ST6で獲得しうるメダル枚数の最大値Mを算出する。
【0170】
ステップS206では、最大値Mが、CBB状態ST3の初期の規定払出数(250枚)により獲得しうる221枚より小さいか否かを判定する。そして、最大値Mが221枚よりも小さいと判定した場合はステップS207に移行し、CBB回避フラグをセットする。このCBB回避フラグは、リールの変動表示ゲームにおいて、CBB入賞に対応するボーナス図柄組合せ態様が導出されないようにリールの停止制御を行わせるためのものである。
遊技制御装置50は、リール変動停止処理(図11のステップS6)において、CBB回避フラグの成立状態を監視し、成立している場合にはCBB入賞に対応するボーナス図柄組合せ態様が導出されないようにリールの停止制御を行うこととなる。
【0171】
例えば、ART状態ST6において、50ゲームを消化した時点では、CBB獲得枚数は182枚となるので、そのときのART獲得枚数が39枚よりも少なければ、最大値Mは221よりも小さくなる。なお、ART状態ST6が期待値通りに推移していれば、50ゲームを消化した時点におけるART獲得枚数は60枚となるので、最大値Mは221よりも大きくなる。
【0172】
ステップS206において最大値Mが221枚以上であると判定した場合は、遊技者が不利益を受けることにはならないので、CBB回避フラグをセットすることなく、ステップS208に移行する。この場合、内部抽選結果及び遊技者の停止操作によっては、CBB入賞が成立されることとなる。
【0173】
ステップS208では、ステップS134で入賞抽選用乱数と入賞判定テーブルを比較した結果、何れかの入賞に当選しているか否かを判定する。そして、何れかの入賞に内部当選していると判定した場合は図18のステップS129に移行し、内部当選した小役入賞(特殊リプレイ入賞以外)の当選フラグをセットする。一方、何れの入賞にも内部当選していないと判定した場合は図18のステップS125に移行し、はずれフラグをセットする。
【0174】
上述したように、第2実施形態のスロットマシン1では、特殊遊技終了制御手段としての遊技制御装置50は、CBB状態ST3の規定払出数と、ART状態ST6において払い出されたメダル枚数に基づいて、CBB状態ST3とART状態ST6で獲得しうるメダル枚数の最大値を算出し、これに基づき当該ART状態ST6の終了制御を変更する。
【0175】
具体的には、最大値Mが、規定払出数の初期値(例えば、250枚)により獲得しうる最大獲得枚数(例えば、221枚)に満たない場合は、CBB入賞に対応するボーナス図柄組合せ態様が導出されるのを回避するように指示する。
【0176】
これにより、スロットマシンの遊技初心者や当該スロットマシンの性能を把握していない遊技者などが、ART状態ST6においてメダル枚数をほとんど増加させることなくCBB状態を成立させることで、不利益を被ってしまうのを防止できる。したがって、遊技者が安心して遊技できるようになるので、遊技店は安定した稼動を確保できるようになる。
【0177】
なお、図19のステップS206において、CBB回避フラグをセットするか否かの判定値として設定される値(図19では221枚)は、適宜変更可能とされる。例えば、CBB状態ST3における初期の規定払出数に応じて変更するのが望ましい。
また、遊技店側で適宜変更できるようにすることで、遊技店の性格(例えば、ローリスクローリターンやハイリスクハイリターン)を反映したスロットマシンとすることができる。また、最大値Mが所定値よりも大きくなっている場合にCBB回避フラグをセットするようにすれば、ART状態ST6において小役入賞が当選確率を大幅に上回って成立するなどして、遊技者が極端に有利となっている状態でART状態ST6が終了されることを防止できる。
【0178】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
上記実施形態では、ボーナス入賞としてSBB入賞,CBB入賞,RB入賞を備え、このうちのCBB入賞に内部当選したことを条件にART状態が発生するようにしているが、本発明は、ボーナス入賞に内部当選したことを条件にART状態が発生するスロットマシンに適用できる。例えば、上記実施形態において、SBB入賞やRB入賞に内部当選したことに伴いART状態を発生させるようにしてもよいし、SBB入賞やRB入賞に対応するボーナス入賞を備えないようにしてもよい。
また、上記実施形態のように、RT状態のような特定遊技状態におけるボーナス入賞の内部当選を契機にART状態を発生するようにしてもよいし、通常状態におけるボーナス入賞の内部当選を契機にART状態を発生するようにしてもよい。
【0179】
第2実施形態では、遊技者が不利益を被る場合には、ボーナス入賞が成立するのを強制的に回避するようにしているが、現時点でCBB入賞が成立すると不利益となることを報知し、遊技者に自力でCBB入賞を回避させるようにしてもよい。
また、ART状態において、現時点で獲得しうるメダル枚数の最大値(CBB状態ST3とART状態ST6の合算値)を常時又は所定のゲーム間隔で報知し、遊技者がART状態を終了させたいときに参考とできるようにしてもよい。
【0180】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0181】
本願は、分割出願である。出願人、特許庁、第三者の便宜のために、分割の基礎となる出願(親出願)の出願当初の背景技術(に記載があったが本分割出願から削除した部分)、課題、請求の範囲、効果を記載する。
【0182】
[出願当初の背景技術に記載があったが本分割出願から削除した部分]
また、RT状態において特殊小役入賞に内部当選した場合に、この内部当選した特殊小役入賞の押し順や種類(狙う図柄)を報知し、対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に停止表示させ易くするアシストリプレイタイム(以下ARTと略記する)状態を発生させる機能(ART機能)を備えたスロットマシンもある。このようなART機能を備えたスロットマシンでは、ART状態においてリプレイ入賞の当選確率が飛躍的に上昇するので、通常時よりも遊技媒体の消費量を軽減しつつ遊技を進行でき、かつ、内部当選した特殊小役入賞の報知が行われるので、遊技者は所有する遊技媒体数を増加させることができる。
なお、RT状態やART状態は、所定の条件が成立したとき(例えば、規定ゲーム数の消化時や所定の入賞の成立時)に終了となる。
【0183】
[原出願の出願当初の課題]
ところで、上述したART機能を備えたスロットマシンのうち、ART状態の継続率を高めることでART状態で多量の遊技媒体を獲得させるようにしたスロットマシンの場合、BB入賞等の成立により発生する特別遊技状態において獲得できる遊技媒体数を多量に設定すると、射倖性が高いものとなってしまう。そこで、特別遊技状態において獲得できる遊技媒体数は少量に設定され、ART状態において獲得できる遊技媒体数が多量となるように設定されている。
つまり、ART状態における特殊小役入賞の当選確率を通常時と同じにして、ART状態で遊技媒体数を緩やかに増加させつつ、ART状態が長時間継続されることで多量の遊技媒体を獲得できるようになっている。したがって、多量の遊技媒体を獲得するためには、ART状態において多数のゲームを実行できる十分な時間が必要となる。
しかしながら、遊技店の閉店時間まで残り時間が少ない場合や、遊技者の都合により遊技時間が制限される場合等、遊技者が十分な遊技時間を確保することが困難なこともある。このような場合、ART状態において多量の遊技媒体を獲得することが時間的に困難となるため、遊技者は新規に遊技を開始するのを敬遠してしまう。そして、閉店時間前であるにもかかわらず、この種のスロットマシンの稼動が0に近くなってしまうという現象が生じることもある。
このように、ART機能を備えた従来のスロットマシンでは、状況によって稼働率が著しく低下するため、スロットマシンの性能が遊技店の利益確保に悪影響を及ぼす要因となっている。
本発明は、ART機能を備えたスロットマシンであって、閉店時間などの状況に関係なく、安定した稼動を確保できるスロットマシンを提供することを目的とする。
【0184】
[原出願の出願当初の特許請求の範囲]
[請求項1]
遊技者による開始操作が行われた場合に複数のリールの変動表示を伴うゲームを実行するとともに、入賞に当選したか否かを決定する内部抽選を行い、遊技者による停止操作が行われた場合に内部抽選結果に基づき前記複数のリールの停止制御を行い、前記複数のリールに配列された図柄により予め定めた特別図柄組合せ態様が導出された場合に特別入賞の成立となり、遊技者に多量の遊技媒体を付与可能な特別遊技状態を発生させるようにしたスロットマシンにおいて、
前記特別遊技状態の発生および実行制御を行う特別遊技制御手段と、
前記特別遊技状態における遊技媒体の総払出数が規定払出数に達した場合に、この特別遊技状態を終了させる特別遊技終了制御手段と、
前記特別遊技状態とは異なり、特殊遊技終了条件が成立するまで内部抽選における特定入賞の当選確率を高めるとともに、所定入賞に当選したことを報知する特殊遊技状態の発生および制御を行う特殊遊技制御手段と、
前記特殊遊技状態において前記特殊遊技終了条件が成立するか否かを監視し、この特殊遊技終了条件が成立した場合に当該特殊遊技状態を終了させる特殊遊技終了制御手段と、を備え、
前記特殊遊技制御手段は、内部抽選により前記特別入賞に当選し、かつ、前記複数のリールにて前記特別図柄組合せ態様が導出されずに前記特別入賞が成立していないことを条件に特殊遊技状態を発生させ、
前記特殊遊技終了制御手段は、前記特殊遊技状態において前記特別入賞が成立するか、若しくは、前記特殊遊技状態における消化ゲーム数が所定数に達するかを特殊遊技終了条件として設定し、
前記特別遊技終了制御手段は、前記特殊遊技終了制御手段により監視される特殊遊技状態における消化ゲーム数に応じて、この特殊遊技状態の終了後に発生する特別遊技状態の規定払出数を減少することを特徴とするスロットマシン。
[請求項2]
前記特別遊技終了制御手段は、前記特殊遊技終了制御手段により監視される特殊遊技状態における消化ゲーム数が1加算されることに応じて、この特殊遊技状態の終了後に発生する特別遊技状態の規定払出数を1減算することを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
[請求項3]
前記特殊遊技状態とは異なり、特定遊技終了条件が成立するまで内部抽選における特定入賞の当選確率を高める特定遊技状態の発生および制御を行う特定遊技制御手段と、
前記特定遊技状態において前記特定遊技終了条件が成立するか否かを監視し、この特定遊技終了条件が成立した場合に当該特定遊技状態を終了させる特定遊技終了制御手段と、を備え、
前記特殊遊技制御手段は、前記特定遊技状態における内部抽選により前記特別入賞に当選し、かつ、前記複数のリールにて前記特別図柄組合せ態様が導出されずに前記特別入賞が成立していないことを条件に特殊遊技状態を発生させることを特徴とする請求項2に記載のスロットマシン。
[請求項4]
前記特殊遊技終了制御手段は、前記特別遊技終了制御手段により設定される特別遊技状態の規定払出数と、前記特殊遊技制御手段により実行されている特殊遊技状態において払い出された遊技媒体数に基づいて、前記特別遊技状態と前記特殊遊技状態で獲得しうる遊技媒体数の最大値を算出し、これに基づき当該特殊遊技状態の終了制御を変更することを特徴とする請求項3に記載のスロットマシン。
[請求項5]
前記特殊遊技終了制御手段は、前記最大値が、前記規定払出数の初期値により獲得しうる最大獲得枚数に満たない場合は、前記特別遊技制御手段に前記特別図柄組合せ態様が導出されるのを回避するように指示することを特徴とする請求項4に記載のスロットマシン。
【0185】
[原出願の出願当初の発明の効果]
本発明によれば、特殊遊技状態におけるゲーム数を増加させることで多量の遊技媒体を獲得できるようにしたスロットマシンにおいて、特殊遊技状態を実行するための遊技時間を十分に確保できない場合に遊技者が著しく不利益を受けるのを防止できる。
したがって、閉店時間など状況に関係なく、遊技者は遊技時間を気にせずに遊技を実行するようになるので、遊技店は安定した稼動を確保できるようになり、スロットマシンの性能が原因で利益が減少するのを回避することができる。
【符号の説明】
【0186】
1 スロットマシン
5 図柄表示窓
6 リール
50 遊技制御装置(特別遊技制御手段、特別遊技終了制御手段、特殊遊技制御手段、特殊遊技終了制御手段、特定遊技制御手段、特定遊技終了制御手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の図柄を変動表示可能な複数のリールと、該変動表示を伴うゲームの実行毎に役に当選したか否かの内部抽選を行なう抽選手段と、を備え、遊技者による前記変動表示の停止操作に基づき停止させたゲームの結果が前記内部抽選で当選した役に対応する図柄組合せ態様となると、当該役の入賞が成立して所定の遊技価値を付与することが可能なスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の図柄を外周面に表示したリール(ドラム)を例えば3個有する変動表示手段を備え、これらのリールを回転させることで複数の図柄を変動表示させてゲームを実行するようにしたスロットマシンが知られている。
具体的には、遊技者により所定数(通常1〜3枚)の遊技媒体(メダルや遊技球)の投入操作、あるいはクレジットからの賭けボタン操作に基づく賭数の入力が行われた後、スタートレバーが操作されると、リールが回転して図柄を変動表示させる。このとき、ゲームの実行に関連して入賞に当選するか否かの抽選(内部抽選)が行われ、内部抽選の結果、入賞に当選(内部当選)した場合に限り、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン(賭数の入力に応じて有効化されたライン)上に停止表示させることが許可される。
そして、各リールに対応して設けられたリールストップボタンが遊技者により操作されると、各リールの回転が順次停止される。リールが停止した際に有効ライン上に導出された図柄組合せ態様が予め定められた所定の図柄組合せ態様となった場合に入賞が確定(成立)し、入賞種類に対応した数の遊技媒体が遊技者に付与される。
なお、内部抽選の結果、入賞に内部当選した場合は、極力入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に停止表示されるようにリール制御が行われ(引込制御)、入賞に当選しなかった場合は、遊技者がいかなるタイミングでリールの停止操作を行っても、入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に停止表示されないようにリール制御が行われる(蹴飛ばし制御)。
【0003】
このようなスロットマシンでは、一般に複数種類の入賞が用意されている。例えば、比較的少量(例えば10枚以下)のメダルが払い出される小役入賞、メダル等の投入(賭けボタン操作を含む)をすることによらず再度ゲームが可能となるリプレイ入賞(リプレイは入賞として扱わない場合もある)、内部抽選における小役入賞の当選確率を上昇させたゲームを所定の回数(例えば、8回を超えない回数)だけ継続して遊技できるレギュラーボーナス(以下RBと略記する)状態を発生させるRB入賞、RB状態を連続して発生させ、払出メダル数が規定枚数を超えたときに終了するビッグボーナス(以下BBと略記する)状態を発生させるBB入賞等がある。
また、小役入賞として、内部当選していれば図柄配列上、必ず成立する通常小役入賞の他、内部当選していてもリールストップボタンを押す順序や押すタイミングによっては成立しない特殊小役入賞を備えているものもある。
【0004】
最近では、遊技者の期待感を高めるために、BB状態やRB状態等の特別遊技状態の終了後に、遊技者にとって有利な状態として、特別遊技状態とは異なる特定遊技状態を発生させる機能を備えたスロットマシンが提供されている。
例えば、特許文献1には、特定遊技状態として、内部抽選におけるリプレイ入賞の当選確率を通常時よりも高めたリプレイタイム(以下RTと略記する)状態を所定期間発生させる機能(RT機能)を備えたスロットマシンが開示されている。このようなRT機能を備えたスロットマシンでは、RT状態においてリプレイ入賞の当選確率が飛躍的に上昇するので、通常時よりも遊技媒体の消費量を軽減しつつ遊技を進行できる。また、RT状態においてもBB入賞やRB入賞の抽選は行われているので、遊技者はさらなる遊技媒体の獲得を期待できる。すなわち、RT状態が発生した場合には、遊技者は通常状態に対して有利な状態となる。
さらにまた、RT状態よりも遊技者にとって有利な状態であるアシストリプレイタイム状態(ART状態)を発生させる機能(ART機能)を備えたスロットマシンもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−137429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来のスロットマシンにおいては、特別遊技状態の終了後に遊技状態を変化させるものはあったが、特別遊技状態を発生可能とする特別役の当選により遊技状態を変化させるものはなかったため、ゲームが単調化してしまい、遊技の興趣が低くなってしまうという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、ゲームが単調化することを防止でき、興趣性の高い遊技を実現することが可能なスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数の図柄を変動表示可能な複数のリールと、該変動表示を伴うゲームの実行毎に役に当選したか否かの内部抽選を行う抽選手段と、を備え、
遊技者による前記変動表示の停止操作に基づき停止させたゲームの結果が前記内部抽選で当選した役に対応する図柄組合せ態様となると、当該役の入賞が成立して所定の遊技価値を付与することが可能なスロットマシンにおいて、
前記役には、少なくとも、再遊技役、小役及び特別役が含まれ、
予め定めた第1移行条件の成立に基づいて第1遊技状態(RT状態)を発生させることが可能な第1遊技制御手段と、
予め定めた第2移行条件の成立に基づいて前記第1遊技状態とは遊技者に有利な度合いが異なる第2遊技状態(ART状態)を発生させることが可能な第2遊技制御手段と、
前記内部抽選で当選した前記特別役の入賞が成立したことに基づいて前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態よりも高確率で前記小役が当選する特別遊技状態(CBB状態、SBB状態)を発生させることが可能な特別遊技制御手段と、
前記内部抽選で当選した特別役の入賞が成立しなかった場合に、当該特別役の当選を次ゲーム以降に持ち越すことが可能な当選持越し手段と、を備え、
前記第2遊技制御手段は、前記第1遊技状態中に前記特別役(CBB入賞)が当選したことに基づき前記第2遊技状態(ART状態)を発生させることが可能であることを特徴とする。
【0009】
ここで、「再遊技役」は、再遊技入賞(リプレイ入賞)を成立させる役である。リプレイ入賞は、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する。リプレイ入賞が成立すると、メダルの払出は0枚であるが、改めてベット操作を行なうことなくゲームを実行できるリプレイゲームが付与される。
「小役」は、比較的少量(例えば10枚以下)のメダルが払い出される小役入賞を成立させる役である。小役入賞として、例えば、特殊ベル入賞(赤7ベル入賞、白7ベル入賞、BARベル入賞)、ベル入賞、スイカ入賞、チェリー入賞が定められている。
「特別役」は、ボーナス入賞(特別入賞)を成立させる役である。ボーナス入賞として、例えば、スーパービッグボーナス入賞(SBB入賞)、チャレンジビッグボーナス入賞(CBB入賞)、レギュラーボーナス入賞(RB入賞)が設けられる。ボーナス入賞が成立すると、遊技者にとって有利にゲームが実行されることとなる特別遊技状態(SBB状態、CBB状態、RB状態)が発生する。
【0010】
「RT状態」は、予め定めた第1移行条件の成立に基づいて発生する第1遊技状態であり、内部抽選におけるリプレイ入賞の当選確率を通常時よりも高めたリプレイタイム状態である。
「第1移行条件」は、第1遊技状態を発生させるための条件である。例えば、スーパービッグボーナス(SBB)状態の終了を第1移行条件とすることができる。SBB状態の終了は、例えば、メダルの総払出数が350枚を超えた場合とすることができる。
「ART状態」は、予め定めた第2移行条件の成立に基づいて発生する第2遊技状態であり、1ゲーム当たりのメダル増加量の期待値がRT状態に比べて高いリプレイタイム状態である。
「第2移行条件」は、第2遊技状態を発生させるための条件である。例えば、RT状態においてCBB当選フラグが成立したことを第2移行条件とすることができる。CBB当選フラグは、内部抽選によりCBB入賞に当選すると成立するフラグである。
【0011】
「特別遊技状態」は、特別入賞(ボーナス入賞)が成立することに基づいて発生する、遊技者にとって有利にゲームが実行される状態である。具体的には、通常状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行される。実施形態にあっては、SBB状態、CBB状態、RB状態が特別遊技状態である。
「SBB状態」は、通常状態又はRT状態において、SBB入賞が成立することに基づいて発生する特別遊技状態である。
「CBB状態」は、通常状態又はRT状態において、CBB入賞が成立することに基づいて発生する特別遊技状態である。また、ART状態において、ARTゲーム数が200ゲームとなったことに基づいて発生させることができる。
「RB状態」は、通常状態又はRT状態において、RB入賞が成立することに基づいて発生する特別遊技状態である。
【0012】
請求項1に係る発明によれば、第1遊技状態(RT状態)中に特別役(CBB入賞)が当選したことに基づき第2遊技状態(ART状態)を発生させることが可能であるので、ゲームの単調化を防ぎ、興趣性を高めることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスロットマシンにおいて、前記特別役には、少なくとも第1特別役(CBB)と第2特別役(SBB)とが含まれ、
前記第2遊技制御手段は、
前記第1遊技状態中に前記第1特別役が当選した場合には、前記第2遊技状態を発生させる一方、
前記第1遊技状態中に前記第2特別役が当選した場合には、前記第2遊技状態を発生させないことを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、第1遊技状態(RT状態)において第1特別役(CBB)に当選するとART状態に移行するが、第1遊技状態(RT状態)において第2特別役(SBB)に当選するとART状態に移行しないので、ゲームの単調化を防ぎ、興趣性を高めることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のスロットマシンにおいて、予め定めた第3移行条件の成立に基づき前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態よりも前記再遊技役が低確率で当選する第3遊技状態(通常状態)を発生させることが可能な第3遊技制御手段を備え、
前記第3遊技制御手段は、前記第1遊技状態中に前記第2特別役が当選した場合に前記第3遊技状態(通常状態)を発生させることを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、第1遊技状態(RT状態)、第2遊技状態(ART状態)よりも再遊技役が低確率で当選する通常状態を発生させることができるので、ゲームの単調化を防ぎ、興趣性を高めることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスロットマシンにおいて、前記小役は、複数種類設定されてなり、
前記第2遊技制御手段は、前記第2遊技状態中においては前記内部抽選で当選した前記小役の種類を報知するよう構成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、内部抽選で当選した小役の種類を報知するので、ゲームの単調化を防ぎ、興趣性を高めることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、特別遊技状態を発生可能とする特別役の当選により遊技状態を変化させることができるので、ゲームの単調化を防ぎ、興趣性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るスロットマシンの一例を示す外観正面図である。
【図2】スロットマシンの制御系の一部を示すブロック図である。
【図3】スロットマシンが備えるリールの外周面に形成されている図柄の配列図である。
【図4】入賞の種類と各入賞に対応する図柄組合せ態様、及び入賞内容との対応図である。
【図5】スロットマシンにおける遊技状態を説明するための状態遷移図である。
【図6】通常状態以外の遊技状態が終了する条件を示す説明図である。
【図7】ART状態におけるゲームの進行例を示す説明図である。
【図8】CBB状態(通常状態で発生)におけるメダル増加量の推移例について示す説明図である。
【図9】ART状態におけるメダル増加量の推移例について示す説明図である。
【図10】CBB状態(ART状態経由で発生)におけるメダル増加量の推移例について示す説明図である。
【図11】メイン制御処理のフローチャートである。
【図12】内部抽選処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】内部抽選処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】RT回数監視処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】RT回数監視処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】第2実施形態に係る内部抽選処理の一例について示すフローチャートである。
【図19】変更規定枚数確認処理の一例について示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態では、いわゆるRT機能及びART機能を備えたスロットマシンについて説明する。
【0022】
図1は、本発明に係るスロットマシンの一例を示す外観正面図である。
スロットマシン1は、前面が開放した箱形の筐体の内部に各種の機器が設けられるとともに、この筐体の前面に、前面枠2が片開き形式に開閉可能に設けられることで概略構成されている。
【0023】
前面枠2の上部には、遊技に応じて様々な演出を提供する演出ユニット7が配設されている。この演出ユニット7は、中央に位置する画像表示装置3、画像表示装置3の左右に配された装飾部材8、画像表示装置3の上部に配された発光装置71、人形やシャッター等からなり画像表示装置3の前面において状態を変換される演出部材72a、演出部材72aの状態を変換させる演出装置72(図2参照)、及び発光装置71の左右に配されたスピーカ4等で構成される。
【0024】
画像表示装置3は、例えば、液晶表示パネルで構成され、この画像表示装置3において、遊技に関する演出表示のほか、様々な情報などが表示される。演出装置72は、モータやセンサを備えて構成され、演出部材72aの状態を変換することにより演出を行う。また、発光装置71では光による演出が、スピーカ4では音声による演出が行われる。これらを組み合わせることにより様々な態様の演出が可能となっている。なお、演出ユニット7における各種演出は、後述する演出制御装置70によって制御される。
【0025】
前面枠2の中央部には、後方を視認可能な(例えば透明の)図柄表示窓5が形成されている。この図柄表示窓5を透して、筐体内に配設された変動表示手段としてのリール6の回転により変動表示される図柄を視認可能となっている。リール6は、円筒形の3つのリール(第1リール(左)6a、第2リール(中)6b、第3リール(右)6c)が水平方向に並設されて構成されている。これらのリール6a、6b、6cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄が形成されている(図3参照)。また、各リール6a、6b、6cにはそれぞれ、リール用モータ(ステッピングモータ)64a、64b、64c(図3参照)が設けられており、各リール6a、6b、6cを独立して回転駆動ならびに回転停止することが可能となっている。
【0026】
リール用モータ64によりリール6a、6b、6cを回転させることにより、図柄表示窓5から視認される複数種類の図柄を、例えば上から下へと循環するように変動させる(変動表示)。一方、リール6a、6b、6cが停止している状態では、各リール6a、6b、6cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が図柄表示窓5を介して視認可能となっており、つまり図柄表示窓5には3×3の計9つの図柄が停止表示される。
【0027】
図柄表示窓5から視認される3×3の図柄行列に対しては、複数の有効化可能ラインが設定されている。すなわち、例えば、各リール6a、6b、6c中段の図柄を横切る有効化可能ライン(中段横ライン)、各リール6a、6b、6c上段の図柄を横切る有効化可能ライン(上段横ライン)、各リール6a、6b、6c下段の図柄を横切る有効化可能ライン(下段横ライン)、第1リール6a下段−第2リール6b中段−第3リール6c上段にかけて各リール6a、6b、6cを斜めに横切る有効化可能ライン(右上がりの斜めライン)、及び、第1リール6a上段−第2リール6b中段−第3リール6c下段にかけて各リール6a、6b、6cを斜めに横切る有効化可能ライン(右下がりの斜めライン)の5ラインが、有効化可能ラインとして設定されている。
【0028】
そして、遊技者によるメダルの投入又はクレジットからの入力(以下、ベット操作と称する)によって設定されたベット数(賭数)に応じて所定の有効化可能ラインが有効化され、この有効ライン上に導出された図柄組合せ態様に基づいて入賞の成立/不成立が判断される。例えば、ベット数1では中段横ラインが有効ラインとなり、ベット数2では中段横ラインに加え、上下段横ラインが有効ラインとなり、ベット数3では上中下段横ラインに加え、右上がり、右下がりの斜めラインが有効ラインとなる。なお、ベット数が3の場合でのみゲームを実行可能な所謂3枚がけ専用としてもよく、この場合は常に5つの有効化可能ラインが有効ラインとなる。また、ベット数には無関係にすべてのラインを有効としてもよい。
【0029】
図柄表示窓5の下側には、クレジット数表示器11、払出数表示器12、獲得枚数表示器13が設けられている。クレジット数表示器11は、クレジットとして記憶されているメダル数を表示し、払出数表示器12は、ボーナスゲーム時の払出枚数を表示するものである。また、獲得枚数表示器13は役成立時の獲得枚数を表示するものである。これらの表示器11、12、13は、後方を透視可能な透明部材の奥に、例えば、7セグメントのLEDからなる表示器を備えるもので、その点灯状態によって各種情報を表示するようになっている。
【0030】
図柄表示窓5の右下方には、ベット操作によって設定されたベット数(最高3枚)を表示するベット数表示器17が設けられている。このベット数表示器17は、その奥に配されたランプの点灯状態によりメダルのベット数を表示する。
【0031】
図柄表示窓5の左下方には、各種遊技状態を表示する遊技状態表示器19が設けられており、その奥に配されたランプの点灯状態により現在の遊技状態を表示する。
遊技状態表示器19は、例えば、ベット操作が行われスタートレバー21によるゲームのスタート操作が有効であることを示すスタート表示部、遊技者がスタートレバー21を操作してからリールが回転するまでに待ち時間(ウエイト時間、前回のゲーム開始から一定時間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)があることを示すウエイト表示部、再遊技入賞(リプレイ入賞)が成立してリプレイゲームが付与されたことを示すリプレイ表示部、スロットマシン1が遊技可能な待機状態であることを示しベット操作を示唆するインサートメダル表示部、で構成される。
【0032】
図柄表示窓5の下側には、前側に突出する段部が形成されていて、その段部の上面が前面棚14とされている。この前面棚14には、メダル投入口15、1ベットボタン(図示略)、マックスベットボタン16が設けられている。
【0033】
メダル投入口15は、前面棚14におけるスロットマシン1の前面側から見て右側(前面枠2の開放端側)に配設されている。遊技者がこのメダル投入口15にメダルを投入してベット操作を行うことにより、ゲームが実行可能となる。このメダル投入口15から投入されたメダルが通過する経路には、メダルの通過を検出するメダル投入検出センサ51(図2参照)が設けられており、このメダル投入検出センサ51による検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。
【0034】
1ベットボタン及びマックスベットボタン16は、前面棚14におけるスロットマシン1の前面側から見て左側に配設されている。1ベットボタンは、押圧操作を一度行う毎にクレジットから1枚ずつ入力でき、マックスベットボタン16は、押圧操作を一度行うことでクレジットからベット数の限度数(例えば、3枚)まで入力できる。
【0035】
前面棚14の下側には、クレジット選択ボタン20、スタートレバー21、リールストップボタン24、メダル詰まり解消ボタン22、及び鍵穴23が設けられている。
クレジット選択ボタン20は、メダル投入口15から投入されたメダル又は入賞が成立することにより払い出されるメダルをクレジットとして記憶可能なクレジット状態と、記憶不能な非クレジット状態を切り換えるためのものである。例えば、クレジット状態において、メダル投入口15から最大ベット数(例えば、3枚)を超えるメダルが投入された場合は、最大ベット数を超えた分のメダルは、所定数(例えば50枚)までクレジットとしてスロットマシン1に記憶され、以降のゲームで使用できる。また、クレジットとして記憶可能な所定数を超えるメダルが投入された場合は、受け皿27に返却される。一方、非クレジット状態では、最大ベット数を超えた分のメダルは受け皿27に返却される。
【0036】
スタートレバー21は、一区切りのゲームを開始させるための操作レバーである。メダル詰まり解消ボタン22は、メダル投入口15内でメダル詰まりが発生した場合にこれを解消するためのものである。鍵穴23は、前面枠2を開く際、又はスロットマシン1のエラー(例えば、ホッパーエラー)状態をリセットする際に鍵を差し込むためのものである。
【0037】
リールストップボタン24は、第1リール6a、第2リール6b、及び第3リール6cとそれぞれ1対1で対応付けられて設けられた第1リールストップボタン24a、第2リールストップボタン24b、及び第3リールストップボタン24cで構成され、停止操作に応じて対応するリール6a、6b、6cの回転をそれぞれ停止させるためのものである。これらのリールストップボタン24a、24b、24cは、例えば、有色半透明の樹脂部材などで形成されている。また、リールストップボタン24a、24b、24cの奥には、該リールストップボタン24a、24b、24cの操作により各リールを停止可能な状態であることを、点灯により報知するためのストップボタンLED66(図2参照)がそれぞれ設けられている。
【0038】
これらの操作ボタン類が設けられた部分の下側には、前面枠2の下部領域を構成する装飾板25が設けられ、さらに、装飾板25の下側であって前面枠2の最下部には、灰皿26とメダルを貯留するための受け皿27、及び音声を出力するためのスピーカ4が設けられている。
【0039】
図2は、スロットマシン1の制御系の一部を示すブロック図である。
なお、図1で説明した構成要素(例えば、遊技状態表示器19等)には同一の符号を付し、ここでの説明は省略する。
【0040】
図2に示すように、スロットマシン1の制御系は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置(メイン制御装置)50と、この遊技制御装置50の制御下で遊技の演出に関する制御を統括的に行う演出制御装置(サブ制御装置)70とを備えて構成されている。この制御系の構成要素は、それぞれ筐体の内部に配されている。
【0041】
遊技制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)50a、ROM(Read Only Memory)50b、RAM(Random Access Memory)50c、I/F(Interface)50d等を備えて構成されている。
【0042】
CPU50aは、制御部、演算部を備え、遊技制御装置50の演算処理装置として各種演算制御を行う。また、内部抽選に用いられる入賞抽選用乱数などの各種乱数値を生成する。
ROM50bには、各種処理を実行するための制御プログラムや制御データの他、内部抽選用の判定値(入賞判定テーブル)などが格納されている。また、ROM50bには、各ゲームにおいてリール6の停止制御を行う際に参照される停止制御テーブルが格納されている。例えば、内部当選した各種入賞に対応する停止制御テーブルや、はずれに対応する停止制御テーブル等である。
RAM50cは、CPU50aで生成された入賞抽選用乱数の記憶領域、各種データ(例えば、クレジット数のデータ、ベット数のデータ、各種フラグの状態を示すデータ、および、所定の図柄組合せ態様が導出されることに基づく払出に係るデータ等)を一時的に記憶する記憶領域、ならびに、CPU50aの作業領域を備える。
【0043】
I/F50dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファゲートを介して、メダル投入検出センサ51、スタートレバーセンサ52、第1リール(左)停止センサ53a、第2リール(中)停止センサ53b、第3リール(右)停止センサ53c、第1リール(左)位置検出センサ54a、第2リール(中)位置検出センサ54b、第3リール(右)位置検出センサ54c、1ベットセンサ56、マックスベットセンサ57、クレジット選択センサ58、払出メダル検出センサ59、設定装置60、リセットセンサ61、前面枠開放センサ62から出力された各種の信号を、CPU50aに対して出力する。
【0044】
ここで、メダル投入検出センサ51は、メダル投入口15から投入されたメダルの通過を検出するものであり、この検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。スタートレバーセンサ52は、スタートレバー21が操作されたことを検出するためのスイッチである。
【0045】
第1リール停止センサ53a、第2リール停止センサ53b、第3リール停止センサ53cは、それぞれに対応するリールストップボタン24a、24b、24cが操作されたことを検出するためのセンサである。第1リール位置検出センサ54a、第2リール位置検出センサ54b、第3リール位置検出センサ54cは、それぞれに対応するリール6a、6b、6cの回動位相を検出するためのセンサである。
【0046】
1ベットセンサ56は1ベットボタンが操作されたことを、マックスベットセンサ57はマックスベットボタン16が操作されたことを、それぞれ検出するためのセンサである。クレジット選択センサ58はクレジット選択ボタン20が操作されたことを検出するためのセンサである。払出メダル検出センサ59はメダル払出装置63から払い出されたメダルを検出するものであり、この検出情報をもとにメダルの払出枚数がカウントされる。
【0047】
設定装置60は、設定変更操作に基づき、当該スロットマシン1の設定を切り換えるためのものである。例えば、1ゲーム毎の入賞(例えば、ボーナス入賞)の当選確率が異なる複数の設定(例えば、設定1〜6)の何れかに設定する。リセットセンサ61は、例えば、鍵穴23に差し込まれた鍵が前面枠2を開放する時とは逆に回動されたことを検出し、この検出に基づきスロットマシン1をリセットするためのセンサである。なお、遊技制御装置50は、リセットセンサ61からの検出信号に基づき、例えば、当該スロットマシン1のエラー状態を解除する。前面枠開放センサ62は、前面枠2の開放状態を検出するためのセンサである。
【0048】
また、I/F50dは、CPU50aから入力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、演出制御装置70、遊技状態表示器19、ベット数表示器17、クレジット数表示器11、払出数表示器12、獲得枚数表示器13、メダル払出装置63、第1リール用モータ64a、第2リール用モータ64b、第3リール用モータ64c、外部出力端子65、ストップボタンLED66などに出力する。これによって遊技制御装置50による各種構成要素の制御を可能としている。
【0049】
ここで、メダル払出装置63は、筐体内の下部に配設されていて、有効ライン上に所定の図柄組合せ態様が導出され入賞が成立した場合に、該入賞に対応する枚数のメダル(払出メダル)、又は払出メダルによりクレジットの上限を超えた分のメダルを受け皿27に払い出す。外部出力端子65は、スロットマシン1とは別体で設けられた管理装置等と接続するためのものである。
【0050】
遊技制御装置50は、上述したように各構成要素とI/F50dを介して電気的に接続されている。遊技制御装置50は、例えば、CPU50aが所定サイクル時間毎に乱数を更新(例えば+1)し、スタートレバーセンサ52による検出タイミングで、その時点の乱数をサンプリングする制御を行い、サンプリングされた乱数を内部抽選用の乱数として用いて内部抽選を行う。
【0051】
また、遊技制御装置50は、内部抽選結果と、リールストップボタン24a、24b、24cの停止操作タイミングとに基づいて、対応する停止制御テーブルを参照し、リール用モータ64a、64b、64cの動作を制御することにより、図柄表示窓5に所定の図柄が停止表示されるようにリール6a、6b、6cを停止させる。
【0052】
例えば、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様を構成する図柄が、有効ラインに到達する前に停止操作が行われた場合には、リール6a、6b、6cを停止させるタイミングを遅らせて当該図柄が有効ライン上に停止表示されるようにする、いわゆる引込停止制御を行う。
【0053】
また例えば、内部当選していない入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に導出されるタイミングで停止操作が行われた場合に、リール6a、6b、6cを停止させるタイミングを遅らせて、有効ライン上に導出されうる図柄組合せ態様を構成する図柄が有効ラインを通り過ぎるようにする、いわゆる蹴飛ばし停止制御を行う。
なお、遊技制御装置50による引込停止制御、蹴飛ばし停止制御において、停止タイミングを変化可能な範囲は、停止操作が行われた位置から所定の図柄数以内(例えば、4コマ以内)とされている。
【0054】
一方、演出制御装置70は、CPU70a、ROM70b、RAM70c、I/F70d等を備えて構成されている。この演出制御装置70は、遊技制御装置50から出力される遊技に関する情報に基づいて、画像表示装置3における演出表示の制御や、演出装置72の動作の制御、発光装置71やスピーカ4による演出の制御を行う。
ここで、遊技に関する情報には、スタートレバー16が操作されてゲームが開始された時点で出力されるベット数情報(例えば、ベット数に応じたパルス数を出力し、ベット数とゲーム数を伝達する情報)、内部抽選による抽選結果を示す内部当選情報、現在の遊技状態(通常状態、BB状態、RB状態、RT状態等)を示す遊技状態情報が含まれる。
【0055】
I/F70dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファゲートを介して、遊技制御装置50から出力された各種信号をCPU70aに対して出力する。また、I/F70dは、CPU70aから入力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、画像表示装置3、スピーカ4、発光装置(ランプ、LED)71、演出装置(モータ、センサ)72に出力する。これによって演出制御装置70による各種装置の制御を可能としている。
【0056】
具体的には、演出制御装置70は、画像表示装置3において、小役入賞の予告表示や、ボーナス入賞の告知表示、演出表示(1ゲームで完結するものや複数ゲームにわたるもの)などを表示させる(表示制御手段)。
また、演出制御装置70は、演出装置72を制御して演出部材72aを動作させる。また、演出制御装置70は、発光装置71での発光による装飾や、スピーカ4での音声による演出を行う。
【0057】
上述した遊技制御装置50と演出制御装置70との通信形態は、遊技制御装置50から演出制御装置70への単方向にのみ制御信号が送信されるようになっていて、遊技制御装置50に不正な信号が入力されるのを防止している。
【0058】
本実施形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合、まず、メダルをメダル投入口15から投入するか、或いはマックスベットボタン16や1ベットボタンを操作してクレジットから賭数を入力する。ベット操作がなされると、ベット数に応じて有効ラインが設定され、スタートレバー21の操作が有効な状態、すなわちゲームを開始可能な状態となる。そして、スタートレバー21を操作(開始操作)すると、遊技制御装置50において内部抽選処理がなされて入賞の当選/非当選(はずれ)が決定されるとともに、リール6の変動が開始される。
【0059】
所定時間経過後、リールストップボタン24a、24b、24cの操作に基づいて、リール6a、6b、6cの回転が停止されることで、図柄表示窓5に所定の図柄が停止表示される。そして、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に入賞が成立し、当該入賞に対応する遊技価値が付与される(例えば、入賞メダルが払い出される)。
以上で一区切りのゲームが終了し、以降、この操作を繰り返すことによってゲームを進行させるようになっている。
【0060】
図3は、スロットマシン1が備えるリール6の外周面に形成されている図柄の配列図である。
図3に示すように、リール6a、6b、6cの外周面には、「赤7」(第1リール6aの配列番号2等)、「白7」(第1リール6aの配列番号9等)、「BAR」(第1リール6aの配列番号16)、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「リプレイ」のそれぞれ識別可能な7種類の図柄、及びブランク(図柄無し)が、所定の順序で配置されている。なお、図3では、「赤7」、「白7」、「BAR」以外の図柄を文字にて表示しているが、実際には所定の外形や色彩を有する図柄が表示されている。
【0061】
本実施形態では、「リプレイ」は、すべてのリール6a、6b、6cにおいて、連続する5コマ以内に配置されているので、4コマの引込停止制御により必ず有効ライン上に停止表示させることができる。
一方、「リプレイ」以外の図柄は、連続する5コマ以内に必ずしも配置されていないので、4コマの引込停止制御を行っても有効ライン上に停止表示できない場合がある。つまり、これらの図柄を有効ライン上に停止表示させるためには、所望の図柄を狙ってリールストップボタン24a、24b、24cを停止操作する必要がある(目押し操作)。
【0062】
図4は、入賞の種類と各入賞に対応する図柄組合せ態様、及び入賞内容との対応図である。
図4に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス入賞(特別入賞)としてスーパービッグボーナス入賞(SBB入賞)、チャレンジビッグボーナス入賞(CBB入賞)、レギュラーボーナス入賞(RB入賞)が設けられている。ボーナス入賞が成立すると、遊技者にとって有利にゲームが実行されることとなる特別遊技状態(SBB状態,CBB状態,RB状態)が発生する。
また、小役入賞として、特殊ベル入賞(赤7ベル入賞,白7ベル入賞,BARベル入賞)、ベル入賞、スイカ入賞、チェリー入賞、リプレイ入賞、特殊リプレイ入賞が定められている。
【0063】
遊技制御装置50における内部抽選により、上記何れかの入賞に当選すると、当選した入賞に対応する当選フラグが成立し、この入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に導出可能となる。一方、内部抽選により何れの入賞にも当選しなければ、はずれフラグが成立し、入賞に対応する図柄組合せ態様は有効ライン上に導出されない。
【0064】
なお、ボーナス入賞に内部当選した場合は、内部当選したゲームで当該ボーナス入賞を成立できなくても、当選フラグは次ゲームに持ち越され、以降のゲームにおいてボーナス入賞を成立させることができる。一方、小役入賞に内部当選した場合は、内部当選したゲームでのみ当該小役入賞を成立させることができる。つまり、停止操作のタイミングによって小役入賞(例えば、特殊ベル入賞やスイカ入賞)を成立させることができなかった場合(いわゆる取りこぼし)、この小役入賞の当選フラグはクリアされ、次ゲームには持ち越されないこととなる。
【0065】
SBB入賞は、「赤7−赤7−赤7」のボーナス図柄組合せ態様(特別図柄組合せ態様)が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。SBB入賞の成立に伴うメダルの払出は0枚とされている。
内部抽選によりSBB入賞に当選すると、SBB当選フラグが成立し、SBB入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。そして、SBB入賞が成立するとSBB状態が発生する。また、SBB状態の終了後には後述するRT状態が発生する。すなわち、SBB状態の終了がRT状態の発生条件の1つとなっている。
なお、SBB入賞の内部抽選は、ボーナス入賞が成立したときに発生する特別遊技状態や後述するART状態では行われない。
【0066】
CBB入賞は、「白7−白7−白7」のボーナス図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。CBB入賞の成立に伴うメダルの払出は0枚とされている。
内部抽選によりCBB入賞に当選すると、CBB当選フラグが成立し、CBB入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。そして、CBB入賞が成立するとCBB状態が発生する。また、後述するRT状態においてCBB入賞に内部当選すると、CBB入賞が成立していないことを条件に後述するART状態が発生する。すなわち、RT状態におけるCBB入賞の内部当選がART状態の発生条件となっている。
なお、CBB入賞の内部抽選は、ボーナス入賞が成立したときに発生する特別遊技状態や後述するART状態では行われない。
【0067】
RB入賞は、「BAR−赤7−赤7」のボーナス図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。RB入賞の成立に伴うメダルの払出は0枚とされている。
内部抽選によりRB入賞に当選すると、RB当選フラグが成立し、RB入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。そして、RB入賞が成立するとRB状態が発生する。
なお、RB入賞の内部抽選は、ボーナス入賞が成立したときに発生する特別遊技状態や後述するART状態では行われない。
【0068】
上述したSBB入賞、CBB入賞、RB入賞が成立したときに発生するSBB状態、CBB状態、RB状態では、1ゲームを実行するためのベット数は2枚限定とされ、すなわち、上/中/下段横ラインの3本が有効ラインとして設定されるものとする。
【0069】
赤7ベル入賞は、「赤7−ベル−ベル」の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。赤7ベル入賞が成立すると、通常時(通常状態、RT状態、ART状態)には9枚のメダルが払い出され、ボーナス時(SBB状態、CBB状態、RB状態)には15枚のメダルが払い出される。内部抽選により赤7ベル入賞に当選すると、赤7ベル当選フラグが成立し、赤7ベル入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。
【0070】
白7ベル入賞は、「白7−ベル−ベル」の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。白7ベル入賞が成立すると、通常時には9枚のメダルが払い出され、ボーナス時には15枚のメダルが払い出される。内部抽選により白7ベル入賞に当選すると、白7ベル当選フラグが成立し、白7ベル入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。
【0071】
BARベル入賞は、「BAR−ベル−ベル」の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。BARベル入賞が成立すると、通常時には9枚のメダルが払い出され、ボーナス時には15枚のメダルが払い出される。内部抽選によりBARベル入賞に当選すると、BARベル当選フラグが成立し、BARベル入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。
【0072】
図3に示すように、第1リール6aにおいて、「赤7」、「白7」、「BAR」の間には、これらのボーナス図柄以外の図柄が6図柄配置されている。すなわち、有効ライン上、又は有効ライン上に引き込み可能な範囲には、常に何れか1種類のボーナス図柄しかない。このように、第1リール6aにおいて、同時に2種類のボーナス図柄を狙うことができないようにしている。
【0073】
つまり、第1リール6aを停止させる際に、中段に配列番号1の「リプレイ」から配列番号7の「ブランク」があるタイミングで停止操作された場合には図柄表示窓5に「赤7」を停止表示可能で、中段に配列番号8の「リプレイ」から配列番号14の「ブランク」があるタイミングで停止操作された場合には「白7」を停止表示可能で、中段に配列番号15の「リプレイ」から配列番号0の「ベル」があるタイミングで停止操作された場合には「BAR」を停止表示可能となっている。
【0074】
したがって、通常状態では、何れかの特殊ベル入賞に内部当選したときに、遊技者が特殊ベル入賞を成立させることのできる確率は遊技者の技量に関係なく1/3となる。
これに対して、後述するART状態では、何れかの特殊ベル入賞に内部当選したときに、内部当選した特殊ベル入賞の種類(対応するボーナス図柄の種類)を報知することで、確実に特殊ベル入賞を成立できるようにしている(ただし、目押し操作は必要)。
【0075】
ベル入賞は、「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。ベル入賞が成立すると、通常時には6枚のメダルが払い出され、ボーナス時には15枚のメダルが払い出される。内部抽選によりベル入賞に当選すると、ベル当選フラグが成立し、ベル入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。
図3に示すように、「ベル」は、第1リール6aにおいて連続する7コマ以内に配置され、第2,第3リール6b,6cにおいて連続する5コマ以内に配置されているので、第1リールの上・中・下段を有効ラインとして設定し、最初に第1リール6aの停止操作を行えば(いわゆる順押し、挟み押し)、4コマの引込停止制御により必ず有効ライン上にベル入賞に対応する図柄組合せ態様を停止表示させることができる。
【0076】
スイカ入賞は、「スイカ−スイカ−スイカ」の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。スイカ入賞が成立すると、通常時には6枚のメダルが払い出され、ボーナス人は15枚のメダルが払い出される。内部抽選によりスイカ入賞に当選すると、スイカ当選フラグが成立し、スイカ入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。
図3に示す図柄配列により、スイカ入賞に内部当選しても、目押し操作を行わなければスイカ入賞を取りこぼす場合がある。
【0077】
チェリー入賞は、「チェリー−ANY−ANY」の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。ここで、「ANY」は何れの図柄であってもよいことを示す。チェリー入賞が成立すると、通常時には1つの有効ラインに対して2枚のメダルが払い出され(ベット数が3枚で5本の有効ラインが設定され、第1リール6aの上段又は下段に停止表示された場合は4枚の払出)、ボーナス時には15枚のメダルが払い出される。
内部抽選によりチェリー入賞に当選すると、チェリー当選フラグが成立し、チェリー入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。図3に示す図柄配列により、チェリー入賞に内部当選しても、目押し操作を行わなければチェリー入賞を取りこぼす場合がある。
【0078】
リプレイ入賞は、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。リプレイ入賞の成立に伴うメダルの払出は0枚とされている。リプレイ入賞が成立すると、改めてベット操作を行うことなくゲームを実行できるリプレイゲームが付与される。
内部抽選によりリプレイ入賞に当選すると、リプレイ当選フラグが成立し、リプレイ入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。図3に示す図柄配列により、リプレイ入賞に内部当選すると、必ずリプレイ入賞は成立することとなる。
なお、リプレイ入賞の内部抽選は、ボーナス入賞が成立したときに発生する特別遊技状態では行われない。
【0079】
特殊リプレイ入賞は、「赤7/白7/BAR−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に成立する入賞である。特殊リプレイ入賞の成立に伴うメダルの払出は0枚とされている。特殊リプレイ入賞が成立すると、改めてベット操作を行うことなくゲームを実行できるリプレイゲームが付与されるとともに、後述するRT状態が発生する。すなわち、特殊リプレイ入賞の成立がRT状態の発生条件の1つとなっている。
内部抽選により特殊リプレイ入賞に当選すると、特殊リプレイ入賞フラグが成立し、特殊リプレイ入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。図3に示す図柄配列により、第1リールの上・中・下段を有効ラインとして設定し、最初に第1リール6aの停止操作を行えば、4コマの引込停止制御により必ず有効ライン上に特殊リプレイ入賞に対応する何れかの図柄組合せ態様を停止表示させることができる。
なお、特殊リプレイ入賞の内部抽選は、ボーナス入賞が成立したときに発生する特別遊技状態、後述するRT状態、ART状態では行われない。また、特殊リプレイ入賞は、ボーナス入賞と重複して内部当選しないものとする。
後述するRT状態やART状態においてリプレイ入賞に当選したときに、リプレイ入賞に対応する図柄組合せ態様の代わりに、特殊リプレイ入賞に対応する図柄組合せ態様が導出されるようにしてもよい。
【0080】
本実施形態では、上述したボーナス入賞と小役入賞(特殊リプレイ入賞を除く)が、同一のゲームにおいて同時に内部当選できるようにしている。すなわち、ボーナス当選フラグと小役当選フラグは重複して成立可能となっている。
また、ボーナス当選フラグと小役当選フラグが重複して成立している場合に、有効ライン上に導出される入賞の優先順位は、リプレイ入賞>ボーナス入賞>小役入賞とする。ボーナス入賞に内部当選した以降のゲーム(ボーナス当選フラグが持ち越されたゲーム)において、小役入賞に内部当選した場合も同様とする。
【0081】
つまり、ボーナス当選フラグとリプレイ当選フラグが重複して成立している場合、必ずリプレイ入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に導出される。
また、ボーナス当選フラグとリプレイ入賞以外の小役当選フラグが重複して成立している場合、ボーナス入賞に対応するボーナス図柄を有効ライン上に停止表示可能であれば当該ボーナス図柄が有効ライン上に停止表示され、停止表示不可能であれば重複当選した小役入賞に対応する図柄が有効ライン上に停止表示されることとなる。
ただし、停止操作のタイミングによって、ボーナス入賞に対応するボーナス図柄と重複当選した小役入賞に対応する図柄の何れも有効ライン上に停止表示不可能である場合は、ボーナス入賞も小役入賞も成立しない。
【0082】
図5は本実施形態のスロットマシン1における遊技状態を説明するための状態遷移図であり、図6は通常状態以外の遊技状態が終了する条件を示す説明図である。
スロットマシン1の電源が投入されると、通常状態ST1でゲームが開始される。
【0083】
通常状態ST1では、図4に示す各種入賞の内部抽選が行われる。そして、通常状態ST1においてSBB入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されてSBB入賞が成立すると、特別遊技状態としてのSBB状態ST2に移行する。CBB入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されてCBB入賞が成立すると、特別遊技状態としてのCBB状態ST3に移行する。RB入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されてRB入賞が成立すると、特別遊技状態としてのRB状態ST4に移行する。
また、通常状態ST1において特殊リプレイ入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて特殊リプレイ入賞が成立すると、特定遊技状態としてのRT状態ST5に移行する。
【0084】
特別遊技状態としてのSBB状態ST2は、通常状態ST1又はRT状態ST5においてSBB入賞が成立したときに発生する。SBB状態ST2では、例えば、通常状態ST1よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行される。そして、図6に示すように、遊技者に払い出した総メダル枚数が規定払出数を超えるとSBB状態ST2は終了し、RT状態ST5に移行する。
例えば、規定払出数が350枚の場合は、小役入賞が24回成立した時点でSBB状態ST2は終了となる(15枚×23ゲーム<350枚<15枚×24ゲーム)ので、SBB状態ST2における純増枚数は最大312枚(1ゲーム当たりの純増13枚(払出15枚−賭数2枚)×24ゲーム)となる。
【0085】
特別遊技状態としてのCBB状態ST3は、通常状態ST1又はART状態ST6においてCBB入賞が成立したときに発生する。CBB状態ST3では、例えば、通常状態ST1よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行される。そして、図6に示すように、遊技者に払い出した総メダル枚数が規定払出数を超えるとCBB状態ST3は終了し、通常状態ST1に移行する。
CBB状態ST3における規定払出数は、通常状態ST1においてCBB入賞が成立した場合は250枚(規定払出数の初期値)とされ、ART状態ST6においてCBB入賞が成立した場合(ART規定ゲーム数消化後の成立を含む)は実行されたARTゲーム数に応じて減算される。
【0086】
図8は、通常状態ST1でCBB入賞が成立した場合に発生するCBB状態ST3におけるメダル増加量の推移例について示す説明図である。図8には、CBB状態ST3における内部抽選で、必ず小役入賞が成立する場合について示している。
図8に示すように、通常状態ST1でCBB入賞が成立した場合には規定払出数が250枚となるので、小役入賞が17回成立した時点でCBB状態ST3は終了となる(15枚×16ゲーム<250枚<15枚×17ゲーム)。したがって、CBB状態ST3における純増枚数は最大221枚(1ゲーム当たりの純増13枚(払出15枚−賭数2枚)×17ゲーム)となる。
【0087】
図5において、特別遊技状態としてのRB状態ST4は、通常状態ST1又はRT状態ST5においてRB入賞が成立したときに発生する。RB状態ST3では、例えば、通常状態ST1よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行される。そして、図6に示すように、遊技者に払い出した総メダル枚数が規定払出数を超えるとRB状態ST4は終了し、通常状態ST1に移行する。
例えば、規定払出数が50枚の場合は、小役入賞が4回成立した時点でRB状態ST4は終了となる(15枚×3ゲーム<50枚<15枚×4ゲーム)ので、RB状態ST4における純増枚数は最大52枚(1ゲーム当たりの純増13枚(払出15枚−賭数2枚)×4ゲーム)となる。
【0088】
特定遊技状態としてのRT状態ST5は、通常状態ST1において特殊リプレイ入賞が成立するか、SBB状態ST2が終了したときに発生する。図6に示すように、RT状態ST5では、(1)100ゲームの規定ゲーム数が消化されること、(2)SBB入賞が成立すること、(3)CBB当選フラグが成立すること、(4)RB入賞が成立することが、RT状態ST5の終了条件(特定遊技終了条件)として設定されている。
【0089】
RT状態ST5では、通常状態ST1よりもリプレイ入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行される。例えば、RT状態ST5では、1ゲーム当たりのメダルの増加量の期待値が0.3枚となるように、リプレイ入賞の内部当選確率が設定されている。なお、リプレイ入賞以外の入賞(ボーナス入賞を含む)の内部当選確率は、通常状態ST1と同じとする。
RT状態ST5では、リプレイ入賞の内部当選確率が高くなり、メダルの消費量を抑えてゲームを重ねることが可能となるので、小役入賞の成立によりメダル枚数を増加させながら、ボーナス入賞への当選を期待できる。したがって、このRT状態ST5の継続ゲーム数が増加するほど、遊技者には高い遊技価値が付与されることとなる。
【0090】
RT状態ST5において、100ゲームの規定ゲーム数が消化されると、通常状態ST1に移行する。すなわち、RT状態ST5においてボーナス入賞に内部当選しなければ、RT状態ST5は最大100ゲーム継続されることとなる。
【0091】
RT状態ST5においてSBB入賞に内部当選すると、RT状態ST5は終了となり、通常状態ST1に移行する。そして、通常状態ST1において対応する図柄組合せ態様が導出されてSBB入賞が成立すると、SBB状態ST2に移行する。なお、図5では、簡略化して、RT状態ST5からSBB状態ST2に移行するものとして示している。
また、RT状態ST5においてRB入賞に内部当選すると、RT状態ST5は終了となり、通常状態ST1に移行する。そして、通常状態ST1において対応する図柄組合せ態様が導出されてRB入賞が成立すると、RB状態ST4に移行する。なお、図5では、簡略化して、RT状態ST5からRB状態ST4に移行するものとして示している。
【0092】
RT状態ST5においてCBB入賞に内部当選してCBB当選フラグが成立すると、RT状態ST5は終了となり、ART状態ST6に移行する。なお、CBB入賞に内部当選したゲームで対応する図柄組合せ態様が導出されCBB入賞が成立した場合には、ART状態ST6は発生しないので、CBB状態ST3へと移行することとなる。
【0093】
特殊遊技状態としてのART状態ST6は、RT状態ST5においてCBB当選フラグが成立したときに発生する。ART状態ST6では、常にCBB当選フラグが成立しているため、ボーナス入賞の内部抽選は行われない。図6に示すように、ART状態ST6では、(1)200ゲームの規定ゲーム数が消化されること、(2)CBB入賞が成立することが、ART状態ST6の終了条件(特殊遊技終了条件)として設定されている。
【0094】
ART状態ST6では、通常状態ST1よりもリプレイ入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行されるとともに、特殊ベル入賞に内部当選したときには当選した特殊ベル入賞の種類が報知される。また、後述するようにリプレイ入賞に内部当選しないゲームにおいてCBB入賞が成立可能となるので、偶然にCBB入賞が成立して遊技者の意に反してART状態ST6が終了してしまうのを防止するために、小役入賞に内部当選するなどしてCBB入賞が成立可能な状態となっていることを報知するのが望ましい。
【0095】
ART状態ST6では、例えば、1ゲーム当たりのメダル増加量の期待値が1.2枚となるように、リプレイ入賞の内部当選確率が設定されている。なお、リプレイ入賞以外の入賞の内部当選確率は、通常状態ST1と同じとする(ただし、ボーナス入賞、特殊リプレイ入賞の当選確率は0)。
ART状態ST6において、遊技者は、報知された特殊ベル入賞に対応する図柄組合せ態様が導出されるようにリール6の停止操作を行うことで、確実に特殊ベル入賞を成立させることができる。したがって、1ゲーム当たりのメダル増加量の期待値がRT状態ST5に比べて高くなる。
【0096】
図9は、ART状態ST6におけるメダル増加量の推移例について示す説明図である。図9には、ART状態ST6において期待値(1.2枚/ゲーム)通りにメダルが増加する場合について示している。
図9に示すように、ART状態ST6では、小役入賞が成立すると、入賞に対応するメダル枚数が払い出され、賭数3枚を差し引いた枚数が増加する。例えば、特殊ベル入賞が成立すると(3,194,198ゲーム目)、9枚のメダルが払い出されるので、賭数3枚を差し引いた6枚が増加する。また、リプレイ入賞が成立したゲームではメダル枚数の増減はなく、はずれゲームではメダルは3枚減少する。
1ゲーム当たりのメダルの増加量の期待値を1.2枚とすると、200ゲームで約240枚の純増メダル枚数を見込むことができる。なお、この期待値は適宜変更可能であり、ART状態ST6における小役入賞の内部当選確率、リプレイ入賞の内部当選確率を適宜設定することで、所望の期待値とすることができる。
【0097】
このように、ART状態ST6では、リプレイ入賞の内部当選確率が高くなり、メダルの消費量を抑えてゲームを重ねることが可能となるので、小役入賞の成立(特に特殊ベル入賞の成立)により所有するメダル枚数を増加させることができる。
【0098】
一方で、ART状態ST6において実行されたゲーム数に応じて、ART状態ST6の終了後に発生するCBB状態ST3において獲得できるメダルの規定払出数を、初期の規定払出数(250枚)から減算する。これにより、遊技者に多量のメダルを付与可能なCBB状態ST3をART状態ST6の終了後に発生させても、著しく射倖性が高くならないようにしている。
【0099】
例えば、ART状態ST6において1ゲーム消化するごとに、CBB状態ST3の規定払出数を1減算するようにした場合、ART状態ST6において200ゲームを消化すると、その後発生するCBB状態ST3の規定払出数は50枚となる。
この場合、図10に示すように、CBB状態ST3での規定払出数が50枚となるので、小役入賞が4回成立した時点でCBB状態ST3は終了となる(15枚×3ゲーム<50枚<15枚×4ゲーム)。したがって、CBB状態ST3における純増枚数は最大52枚(1ゲーム当たりの純増13枚(払出15枚−賭数2枚)×4ゲーム)となる。
【0100】
CBB状態ST3とART状態ST6との関係を上述した構成とすることで、ART状態ST6で獲得されたメダル枚数と、ART状態ST6の後に発生するCBB状態ST3で獲得されたメダル枚数を合算した枚数は、CBB入賞の成立時期によって大幅に変化しないこととなる。
ただし、ART状態ST6を継続した方が、確率的には多量のメダルが獲得できるように、1ゲーム当たりのメダル増加量の期待値が決められている。例えば、図8に示すようにCBB状態ST3を消化すれば純増221枚となるが、図9,10に示すようにART状態ST6とCBB状態ST3を消化すれば純増292枚となる。
【0101】
図5に示すように、ART状態ST6において、200ゲームの規定ゲーム数が消化されると、ART状態ST6は終了となり、通常状態ST1に移行する。そして、通常状態ST1において対応する図柄組合せ態様が導出されてCBB入賞が成立すると、CBB状態ST3に移行する。なお、図5では、簡略化して、ART状態ST6からCBB状態ST3に移行するものとして示している。
すなわち、ART状態ST6において当選フラグが成立しているCBB入賞を成立させなければ、ART状態ST6は最大200ゲーム継続されることとなる。遊技時間を十分に確保できる場合は、ART状態ST6を200ゲーム消化した後でCBB入賞を成立させた方が、遊技者は多量のメダルを獲得できる。
【0102】
また、ART状態ST6において、CBB入賞に対応する図柄組合せ態様が導出され、CBB入賞が成立すると、ART状態ST6は終了となり、CBB状態ST3に移行する。
ART状態ST6では、図7に示すように、リプレイ入賞に内部当選しないゲーム、すなわち、リプレイ入賞以外の小役入賞に内部当選したゲーム又ははずれゲームにおいて、CBB入賞が成立可能となる。そして、これらのゲームにおいて、CBB入賞が成立するとART状態ST6が終了となり、CBB入賞の成立が回避されるとART状態ST6が継続される。
すなわち、遊技者は、メダルの獲得手段として、CBB状態におけるメダルの払出、又は、ART状態におけるメダルの払出のいずれに比重を置くかを、ART状態においてCBB入賞に対応する特別図柄組合せ態様を導出するか否かで選択できる。
【0103】
例えば、特殊ベル入賞に内部当選したゲームでは、報知された特殊ベル入賞に対応する図柄組合せ態様が導出され、かつ、CBB入賞に対応する図柄組合せ態様が導出されないようにリール6を停止させることで、CBB入賞の成立を回避しつつ、特殊ベル入賞の成立によりメダルを獲得できる。
通常状態ST1において、白7ベル入賞に内部当選したゲームでは、第1リール6aに「白7」を停止させれば、第2,第3リール6b,6cには「ベル」を狙わなくても入賞が成立するが、ART状態ST6では白7ベル入賞よりもCBB入賞の成立が優先されるため、ART状態ST6を継続するには第2,第3リール6b,6cに「白7」が停止表示されないタイミングで停止操作を行う必要がある。
【0104】
このように、スロットマシン1では、通常状態ST1,ボーナス状態ST2〜ST4,RT状態ST5,ART状態ST6の何れかに遊技状態は滞在する。そして、各遊技状態における内部抽選結果、入賞の成立結果、又は消化ゲーム数などに応じて遊技状態が遷移する。
【0105】
図11〜17は、スロットマシン1における遊技進行時の具体的な制御処理について示すフローチャートである。これらのフローチャートによる制御処理は、遊技制御装置50によって実行される。
図11は、メイン制御処理のフローチャートである。スロットマシン1の電源が投入されると、図11に示すメイン制御処理が開始される。
【0106】
ステップS1では、RAM50cにおけるワークメモリ、レジスタ、各種フラグの初期化処理や、その他の各装置の初期化処理を行う。
ステップS2では、遊技者によるメダルの賭け操作を監視し、入力された賭数に応じて有効ラインを設定するベット受付処理を行う。例えば、メダル投入口15よりメダルが投入されると、その投入されたメダルがメダル投入検出センサ51により検出され、検出信号が遊技制御装置50に入力される。そして、この検出信号に基づいて、メダルの賭数を記憶するとともに、その賭数に対応して有効ラインを設定する。
ここで、メダルの賭け操作とは、前回のゲームの結果としてリプレイゲームの権利が発生すること、メダル投入口15より少なくとも1枚以上のメダルが投入されること、RAM50cに少なくとも1枚以上のメダルがクレジットとして記憶されている状態でベットボタン16が操作されること、が該当する。
【0107】
ステップS3では、スタートレバーセンサ52から入力される検出信号に基づいて、遊技者によってスタートレバー21が操作されたか否かを判定する。そして、スタートレバー21が操作されたと判定すると、ステップS4に移行する。
ステップS4では、入賞抽選用乱数を抽出し、この抽出された乱数と入賞判定用の判定値が格納された判定テーブル(遊技状態ごとに設けられている)に基づいて、各種入賞に当選したか否かを決定する内部抽選処理を行う。この内部抽選によって入賞に当選した場合は、当選した入賞に対応する当選フラグがセットされ、何れの入賞にも当選しなかった場合は、はずれフラグがセットされる。この内部抽選処理の詳細な制御については後述する。
また、内部抽選結果に関する情報(例えば、内部当選した入賞の種類等)は、遊技制御装置50から演出制御装置70に送信される。
【0108】
ステップS5では、リール変動開始処理を行う。このリール変動開始処理では、前回ゲームにおける各リール6a,6b,6cの回転開始から一定時間(例えば、4.1秒)経過しているか監視し、一定時間経過した時点でリールの変動を開始する。
このとき、演出制御装置70は、内部抽選結果に関する情報に基づく演出を、画像表示装置3等によって実行させる。ART状態ST6では、例えば、特殊ベル入賞の種類を報知する演出やCBB入賞を成立可能なゲームであることを報知する演出が画像表示装置3で行われることとなる。
【0109】
ステップS6では、リール変動停止処理を行う。例えば、遊技者がリールストップボタン24a,24b,24cにより各リール6a,6b,6cを停止操作したタイミングと内部抽選処理においてセットされた当選フラグの成立状態に応じてリール6a,6b,6cの停止位置を決定し、この決定に基づいてリール用モータ64a,64b,64cに対して制御信号を出力する。内部抽選処理により特別入賞に当選(特別入賞の当選フラグが成立)していれば、設定された有効ライン上にボーナス図柄組合せ態様が導出されるようにリールの回転および停止の制御が行われる。
【0110】
ステップS7では、入賞判定処理を行う。この入賞判定処理では、遊技者によるリールストップボタン24a,24b,24cの停止操作に基づいてリール6a,6b,6cが停止された結果、所定の図柄組合せ態様の何れかが有効ライン上に導出された場合に入賞が成立したものと判定する。
【0111】
ステップS8では、所定の図柄組合せ態様が有効ライン上に導出された場合に、成立した入賞に応じてメダルの払出処理を行う。例えば、クレジット選択ボタン20によりクレジット状態となっていればメダルをクレジットに加算し、非クレジット状態であればメダル払出装置63に制御信号を送ってメダルを排出する。なお、クレジット状態となっている場合であっても、クレジットの限度数(例えば50)を超えた場合には残りのメダルをメダル受皿27に排出することになる。
【0112】
ステップS9では、遊技終了処理を行う。この遊技終了処理では、入賞判定処理(ステップS7)の結果に基づいて遊技状態が変化する(例えば、通常状態ST1からボーナス状態ST2〜ST4やRT状態ST5に移行、又はRT状態ST5からART状態ST6に移行等)場合に、移行先の遊技状態を発生させるための処理(状態フラグのセット)を行う。
また、現在の遊技状態がボーナス状態ST2〜ST4である場合に、メダルの総払出枚数が各ボーナス状態における規定払出数を超えた場合にボーナス状態を終了するための処理(状態フラグのクリア)を行う。遊技終了処理の詳細な制御については後述する。
【0113】
ステップS10では、RT回数監視処理を行う。このRT回数監視処理では、RT状態ST5又はART状態ST6において実行されたゲームを監視し、RT終了条件(特定遊技終了条件)又はART終了条件(特殊遊技終了条件)が成立した場合に、RT状態ST5又はART状態ST6を終了するための処理(状態フラグのクリア)を行う。
また、現在の遊技状態がART状態ST6である場合には、消化したゲーム数に応じて、ART状態ST6の終了後に発生するCBB状態ST3の規定払出数を減算する処理を行う。RT回数監視処理の詳細な制御については後述する。
【0114】
ステップS10が終了すると、ステップS2に移行して、次ゲームについての遊技制御処理が行われる。すなわち、スロットマシン1では、上述したステップS2〜S10の処理が繰り返し行われることで遊技が進行されることとなる。
【0115】
図12,13は、図11のステップS4で行われる内部抽選処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS101では、入賞抽選用の乱数を抽出する。
ステップS102では、ベット受付処理(図11のステップS2)で設定された有効ライン数を取得する。
【0116】
ステップS103では、ART状態フラグ又はRT状態フラグが成立しているか否かを判定する。
ここで、ART状態フラグとは、現在の遊技状態がART状態ST6であることを示すフラグで、RT状態ST5においてCBB入賞に内部当選したときにセットされる(図13のステップS132)。また、RT状態フラグとは、現在の遊技状態がRT状態ST5であることを示すフラグで、通常状態ST1において特殊リプレイ入賞が成立したとき又はSBB状態が終了したときにセットされる(図14のステップS306,図15のステップS325)。
そして、ステップS103で、ART状態フラグ又はRTフラグが成立していると判定した場合は図13のステップS121に移行し、ART状態フラグ及びRT状態フラグが成立していない(すなわち、通常状態ST1又はボーナス状態ST2〜ST4である)と判定した場合はステップS104に移行する。
【0117】
ステップS104では、遊技状態に応じた入賞判定テーブルをセットする。つまり、通常状態ST1である場合は通常状態用の入賞判定テーブルをセットし、ボーナス状態ST2〜ST4である場合はボーナス状態用の入賞判定テーブルをセットする。
ボーナス状態用の入賞判定テーブルでは、通常状態用の入賞判定テーブルに比べて、小役入賞の当選確率が高くなるように判定値が設定されている。なお、ボーナス状態用の入賞判定テーブルでは、特殊リプレイ入賞及びボーナス入賞は抽選の対象となっていない。
【0118】
ステップS105では、ステップS101で抽出された入賞抽選用乱数と、ステップS104でセットされた入賞判定テーブルを比較する。
ステップS106では、ステップS105で入賞抽選用乱数と入賞判定テーブルを比較した結果、何れかの入賞に当選しているか否かを判定する。そして、何れかの入賞に内部当選していると判定した場合はステップS108に移行する。一方、何れの入賞にも内部当選していないと判定した場合はステップS107に移行し、はずれフラグをセットする。
【0119】
ステップS108では、内部当選している入賞が特殊リプレイ入賞であるか否かを判定する。そして、特殊リプレイ入賞に内部当選していると判定した場合はステップS109に移行し、特殊リプレイ入賞の当選フラグをセットする。一方、特殊リプレイ入賞に内部当選していないと判定した場合はステップS110に移行する。
【0120】
ステップS110では、内部当選している入賞がボーナス入賞であるか否かを判定する。そして、ボーナス入賞に内部当選していると判定した場合はステップS111に移行し、ボーナス入賞に内部当選していないと判定した場合はステップS112に移行する。
ステップS111では、内部当選したボーナス入賞(SBB入賞、CBB入賞、RB入賞の何れか)の当選フラグをセットする。
ステップS112では、内部当選した小役入賞(特殊リプレイ入賞以外)の当選フラグをセットする。当該ゲームにおいて、ボーナス入賞と小役入賞に重複して当選した場合はステップS111でボーナス入賞の当選フラグがセットされるとともに、ステップS112で小役入賞の当選フラグがセットされることとなる。一方、当該ゲームにおいて、ボーナス入賞に単独当選した場合はステップS111でボーナス入賞の当選フラグがセットされ、ステップS112の処理は省略される。
【0121】
つまり、通常状態ST1において入賞に内部当選した場合は、当選した入賞の当選フラグがセットされ(ステップS109,S111,S112)、何れの入賞にも内部当選しなかった場合ははずれフラグがセットされる(ステップS107)。また、ボーナス状態ST2〜ST4では、特殊リプレイ入賞及びボーナス入賞は内部当選しないので、当選した小役入賞の当選フラグがセットされる(ステップS112)か、はずれフラグがセットされる(ステップS107)。
【0122】
ステップS103においてART状態フラグ又はRT状態フラグが成立していると判定した場合は、図13のステップS121において、RT状態フラグが成立しているか否かを判定する。そして、RT状態フラグが成立している(すなわち、RT状態ST5である)と判定した場合はテップS122に移行し、RT状態フラグが成立していない(すなわち、ART状態ST6である)と判定した場合はステップS133に移行する。
【0123】
ステップS122では、RT状態ST5に応じた入賞判定テーブルをセットする。RT状態用の入賞判定テーブルでは、通常状態用の入賞判定テーブルに比べて、リプレイ入賞の当選確率が高くなるように判定値が設定されている。なお、RT状態用の入賞判定テーブルでは、特殊リプレイ入賞は抽選の対象となっていない。
【0124】
ステップS123では、図12のステップS101で抽出された入賞抽選用乱数と、ステップS122でセットされた入賞判定テーブルを比較する。
ステップS124では、ステップS123で入賞抽選用乱数と入賞判定テーブルを比較した結果、何れかの入賞に当選しているか否かを判定する。そして、何れかの入賞に内部当選していると判定した場合はステップS126に移行する。一方、何れの入賞にも内部当選していないと判定した場合はステップS125に移行し、はずれフラグをセットする。
【0125】
ステップS126では、内部当選している入賞がSBB入賞又はRB入賞であるか否かを判定する。そして、SBB入賞又はRB入賞に内部当選していると判定した場合はステップS127に移行し、SBB入賞及びRB入賞に内部当選していないと判定した場合はステップS130に移行する。
【0126】
ステップS127では、内部当選したボーナス入賞(SBB入賞又はRB入賞)の当選フラグをセットする。
ステップS128では、RT終了フラグをセットする。このRT終了フラグは、RT状態ST5を終了するための処理を実行するか否かを判定する際に用いられる(図16のステップS401)。
ステップS129では、内部当選した小役入賞(特殊リプレイ入賞以外)の当選フラグをセットする。当該ゲームにおいて、ボーナス入賞と小役入賞に重複して当選した場合はステップS127でボーナス入賞の当選フラグがセットされるとともに、ステップS129で小役入賞の当選フラグがセットされることとなる。一方、当該ゲームにおいて、ボーナス入賞に単独当選した場合はステップS127でボーナス入賞の当選フラグがセットされ、ステップS129の処理は省略される。
【0127】
ステップS130では、内部当選している入賞がCBB入賞であるか否かを判定する。そして、CBB入賞に内部当選していると判定した場合はステップS131に移行し、CBB入賞に内部当選していないと判定した場合はステップS129に移行する。
【0128】
ステップS131では、CBB入賞の当選フラグをセットする。
ステップS132では、ART当選フラグをセットする。このART当選フラグは、ART状態ST6を発生するための処理を実行するか否かを判定する際に用いられる(図14のステップS309)。
ステップS129では、内部当選した小役入賞(特殊リプレイ入賞以外)の当選フラグをセットする。当該ゲームにおいて、CBB入賞と小役入賞に重複して当選した場合はステップS131でCBB入賞の当選フラグがセットされるとともに、ステップS129で小役入賞の当選フラグがセットされることとなる。一方、当該ゲームにおいて、CBB入賞に単独当選した場合はステップS131でボーナス入賞の当選フラグがセットされ、ステップS129の処理は省略される。
【0129】
つまり、RT状態ST5において入賞に内部当選した場合は当選した入賞の当選フラグがセットされ(ステップS127,S129,S130)、何れの入賞にも内部当選しなかった場合ははずれフラグがセットされる(ステップS125)。
また、SBB入賞又はRB入賞に内部当選した場合はRT終了フラグがセットされ、CBB入賞に内部当選した場合はART当選フラグがセットされる。
【0130】
ステップS121においてRT状態フラグが成立していないと判定した場合は、ステップS133において、ART状態ST6に応じた入賞判定テーブルをセットする。ART状態用の入賞判定テーブルでは、通常状態用の入賞判定テーブルに比べて、リプレイ入賞の当選確率が高くなるように判定値が設定されている。なお、ART状態用の入賞判定テーブルでは、特殊リプレイ入賞及びボーナス入賞は抽選の対象となっていない。
【0131】
ステップS134では、図12のステップS101で抽出された入賞抽選用乱数と、ステップS133でセットされた入賞判定テーブルを比較する。
ステップS135では、ステップS134で入賞抽選用乱数と入賞判定テーブルを比較した結果、何れかの入賞に当選しているか否かを判定する。そして、何れかの入賞に内部当選していると判定した場合はステップS129に移行し、内部当選した小役入賞(特殊リプレイ入賞以外)の当選フラグをセットする。一方、何れの入賞にも内部当選していないと判定した場合はステップS125に移行し、はずれフラグをセットする。
【0132】
つまり、ART状態ST6では、特殊リプレイ入賞及びボーナス入賞は内部当選しないので、当選した小役入賞の当選フラグがセットされる(ステップS129)か、はずれフラグがセットされる(ステップS125)。
【0133】
上述した内部抽選処理においてセットされた当選フラグに基づいて、今回のゲームにおけるリール停止制御が行われることとなる。
【0134】
図14,15は、図11のステップS9で行われる遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS301では、現在の遊技状態がボーナス状態(SBB状態ST2,CBB状態ST3,RB状態ST4の何れか)であるか否かを判定する。ボーナス入賞が成立すると、後述するステップS303でボーナス入賞の状態フラグがセットされるので、ステップS301では、このボーナス状態フラグの成立状態に基づいて遊技状態を判定する。
そして、現在の遊技状態がボーナス状態ST2〜ST4であると判定した場合は図15のステップS321に移行し、ボーナス状態でない(すなわち、通常状態ST1,RT状態ST5,ART状態ST6の何れか)と判定した場合はステップS302に移行する。
【0135】
ステップS302では、図11の入賞判定処理の結果に基づいて、ボーナス入賞が成立したか否かを判定する。そして、ボーナス入賞が成立したと判定した場合はステップS303に移行し、ボーナス入賞が成立していないと判定した場合はステップS305に移行する。
【0136】
ステップS303では、成立したボーナス入賞の状態フラグをセットする。この状態フラグに基づいて、現在の遊技状態がボーナス状態であるか否かが判定される(例えば、ステップS301等)。
ステップS304では、ボーナス入賞の当選フラグをクリアする。このように、ボーナス入賞の当選フラグは、対応するボーナス入賞が成立したときにクリアされる。すなわち、ボーナス入賞が成立しなければ、このボーナス当選フラグは次ゲームに持ち越され、常に成立した状態となる。
【0137】
ステップS305では、図11の入賞判定処理の結果に基づいて、特殊リプレイ入賞が成立したか否かを判定する。なお、特殊リプレイ入賞は、内部当選すると必ず成立するので、特殊リプレイ入賞の当選フラグの成立状態に基づいて判定することもできる。そして、特殊リプレイ入賞が成立したと判定した場合はステップS306に移行し、特殊リプレイ入賞が成立していないと判定した場合はステップS308に移行する。
【0138】
ステップS306では、RT状態フラグをセットする。このRT状態フラグがセットされると、次ゲームからRT状態ST5となる。
ステップS307では、RT回数カウンタに、RT状態ST5の上限ゲーム数となる100をセットする。RT回数カウンタは、RT状態ST5又はART状態ST6で実行されたゲーム数を計数するカウンタである。本実施形態では、RT状態ST5又はART状態ST6で実行されたゲーム数を同じRT回数カウンタで計数するようにしている。
【0139】
ステップS308では、ボーナス入賞以外の当選フラグをクリアする。すなわち、1ゲームごとに小役入賞の当選フラグ又ははずれフラグはクリアされる。
【0140】
ステップS309では、ART当選フラグが成立しているか否かを判定する。このART当選フラグは、RT状態ST5においてCBB入賞に内部当選したときにセットされる(図13のステップ132)。そして、ART当選フラグが成立していると判定した場合はステップS310に移行し、ART当選フラグが成立していないと判定した場合は遊技終了処理を終了する。
【0141】
ステップS310では、ART状態フラグをセットする。このART状態フラグがセットされると、次ゲームからART状態ST6となる。
ステップS311では、RT回数カウンタに、ART状態ST6の上限ゲーム数となる200をセットする。
ステップS312では、変更監視カウンタに、CBB状態ST3における初期の規定払出数である250をセットする。この変更監視カウンタは、ART状態ST6の終了後に発生することとなるCBB状態ST3における規定払出数を変更するためのカウンタであり、ART状態ST6において1ゲーム消化されるごとに1ずつ減算される。
そして、ステップS313でRT状態フラグをクリアし、ステップS314でART当選フラグをクリアする。
【0142】
ステップS301においてボーナス状態でないと判定した場合は、図15に示すフローチャートによりボーナス状態における遊技終了処理が行われる。
ステップS321では、ボーナス状態ST2〜ST4で払い出した総メダル枚数(総払出枚数)を取得する。この総払出枚数は、図示しない総払出枚数カウンタにより計数されている。
ステップS322では、ステップS321で取得した前ゲームまでの総払出枚数に今回のゲームで払い出したメダル枚数(リプレイ入賞以外の小役入賞の場合は15枚)を加算し、新たな総払出枚数とする。
【0143】
ステップS323では、払い出された総メダル枚数が規定払出数を超えているか判定する。ここで、SBB状態ST2の規定払出数は350枚に設定され、RB状態ST4の規定払出数は50枚に設定されている。また、CBB状態ST3の規定払出数は、通常状態ST1でCBB入賞が成立したことにより発生したCBB状態ST4の場合は250枚に設定され、ART状態ST6でCBB入賞が成立したことにより発生したCBB状態ST3の場合は変更監視カウンタの値が設定されている(図17のステップS416)。
そして、総払出枚数が規定払出数を超えていると判定した場合はステップS324に移行し、総払出枚数が規定払出数を超えていないと判定した場合は遊技終了処理を終了する。
【0144】
ステップS324では、成立しているボーナス状態フラグに基づいて、SBB状態ST2であるか否かを判定する。そして、SBB状態ST2であると判定した場合はステップS325に移行し、SBB状態ST2でない(すなわち、CBB状態ST3又はRB状態ST4である)と判定した場合はステップS327に移行する。
ステップS325では、RT状態フラグをセットする。このRT状態フラグがセットされると、次ゲームからRT状態ST5となる。つまり、SBB状態ST2の終了後、RT状態ST5が発生する。
ステップS326では、RT回数カウンタに、RT状態ST5の上限ゲーム数である100をセットする。
【0145】
上述した遊技終了処理においてセットされた状態フラグに基づいて、次ゲームの遊技制御(例えば、内部抽選処理等)が行われることとなる。
【0146】
図16,17は、図11のステップS10で行われるRT回数監視処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS401では、RT終了フラグが成立しているか否かを判定する。このRT終了フラグは、RT状態においてSBB入賞又はRB入賞に内部当選したときにセットされる(図13のステップS128)。
そして、RT終了フラグが成立していると判定した場合はステップS406に移行し、RT終了フラグが成立していないと判定した場合はステップS402に移行する。
【0147】
ステップS402では、RT状態フラグが成立しているか否かを判定する。このRT状態フラグは、通常状態ST1において特殊リプレイ入賞が成立したとき又はSBB状態ST2が終了したときにセットされる(図14のステップS306,図15のステップS325)。
そして、RT状態フラグが成立している(すなわちRT状態ST5である)と判定した場合はステップS403に移行し、RT状態フラグが成立していないと判定した場合は図17のステップS411に移行する。
【0148】
ステップS403では、現在のRT回数カウンタ値を取得する。RT状態ST5の場合、RT回数カウンタには初期値として100がセットされている。
ステップS404では、RT回数カウンタ値を1減算する。すなわち、RT状態ST5において1ゲーム消化されるごとにRT回数カウンタ値が1減算される。
ステップS405では、RT回数カウンタ値が0よりも小さくなっているか否かを判定する。RT状態ST5において上限ゲーム数である100ゲームが消化されると、RT回数カウンタ値が0よりも小さくなる。そして、RT回数カウンタ値が0よりも小さいと判定した場合はステップS406に移行し、RT回数カウンタ値が0以上であると判定した場合はRT回数監視処理を終了する。
【0149】
ステップS406では、RT状態フラグをクリアし、ステップS407では、RT回数カウンタ値に0をセットする(RT回数カウンタの初期化)。RT状態フラグがクリアされることでRT状態ST5が終了し、次ゲームでは通常状態ST1となる。
【0150】
ステップS402においてRT状態フラグが成立していないと判定した場合は、図17に示すフローチャートによりART状態におけるRT回数監視処理が行われる。
図17のステップS411では、ART状態フラグが成立しているか否かを判定する。このART状態フラグは、RT状態ST5においてCBB入賞に内部当選したときにセットされる(図14のステップS310)。
そして、ART状態フラグが成立している(すなわちART状態ST6である)と判定した場合はステップS412に移行し、ART状態フラグが成立していない(すなわち通常状態ST1又はボーナス状態ST2〜ST4である)と判定した場合はRT回数監視処理を終了する。
【0151】
ステップS412では、現在のRT回数カウンタ値を取得する。ART状態ST6の場合、RT回数カウンタには初期値として200がセットされている。
ステップS413では、RT回数カウンタ値を1減算する。すなわち、ART状態ST6において1ゲーム消化されるごとにRT回数カウンタ値が1減算される。
【0152】
ステップS414では、現在の変更監視カウンタ値を取得する。変更監視カウンタには初期値として250がセットされている。
ステップS415では、変更監視カウンタ値を1減算する。すなわち、ART状態ST6において1ゲーム消化されるごとに変更監視カウンタ値が1減算される。
【0153】
ステップS416では、変更監視カウンタ値を、ART状態ST6の終了後に発生するCBB状態ST3における規定払出数としてセットする。すなわち、ART状態ST6において1ゲーム消化されるごとに、CBB状態ST3において獲得できる枚数は1減算されることとなる。
【0154】
ステップS417では、図11の入賞判定処理の結果に基づいて、CBB入賞が成立したか否かを判定する。そして、CBB入賞が成立したと判定した場合はステップS419に移行し、CBB入賞が成立していないと判定した場合はステップS418に移行する。
ステップS418では、RT回数カウンタ値が0よりも小さくなっているか否かを判定する。ART状態ST6において上限ゲーム数である200ゲームが消化されると、RT回数カウンタ値が0よりも小さくなる。そして、RT回数カウンタ値が0よりも小さいと判定した場合はステップS419に移行し、RT回数カウンタ値が0以上であると判定した場合はRT回数監視処理を終了する。
ステップS419では、ART状態フラグをクリアし、ステップS420では、RT回数カウンタ値に0をセットする(RT回数カウンタの初期化)。ART状態フラグがクリアされることでART状態ST6が終了し、次ゲームでは通常状態ST1となる。ただし、CBB入賞が成立してART状態ST6が終了する場合(ステップS417で“YES”)は、次ゲームではCBB状態ST3となる。
【0155】
上述したように、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者により開始操作が行われた場合に複数のリール6a,6b,6cの変動表示を伴うゲームを実行するとともに、入賞に当選したか否かを決定する内部抽選を行い、遊技者の停止操作が行われた場合に内部抽選結果に基づき複数のリール6a,6b,6cの停止制御(引込停止制御)を行い、有効ライン上にボーナス図柄組合せ態様(特別図柄組合せ態様)が導出された場合に、遊技者に多量のメダル(遊技媒体)を付与可能な特別遊技状態(SBB状態、CBB状態、RB状態)を発生させる。
【0156】
また、上述したSBB状態ST2,CBB状態ST3,RB状態ST4の発生から終了にわたる制御は、遊技制御装置50によって行われる。
すなわち、遊技制御装置50は、SBB状態ST2,CBB状態ST3,RB状態ST4(特別遊技状態)の発生及び実行制御を行う特別遊技制御手段として機能するとともに、SBB状態ST2,CBB状態ST3,RB状態ST4におけるメダル(遊技媒体)の総払出数が規定払出数に達した場合に、当該特別遊技状態を終了させる特別遊技終了手段として機能する。
【0157】
また、上述したART状態ST6の発生から終了にわたる制御は、遊技制御装置50によって行われる。
すなわち、遊技制御装置50は、特殊遊技終了条件が成立するまで内部抽選におけるリプレイ入賞(特定入賞)の当選確率を高めるとともに、特殊ベル入賞(所定入賞)に当選したことを報知するART状態ST6(特殊遊技状態)の発生及び実行制御を行う特殊遊技制御手段として機能するとともに、ART状態ST6において特殊遊技終了条件が成立するか否かを監視し、この特殊遊技終了条件が成立した場合にART状態ST6を終了させる特殊遊技終了手段として機能する。
【0158】
特殊遊技制御手段としての遊技制御装置50は、内部抽選によりCBB入賞(特別入賞)に当選し、かつ、複数のリール6a,6b,6cにてCBB入賞に対応するボーナス図柄組合せ態様が導出されずにCBB入賞が成立していないことを条件にART状態ST6を発生させる。
また、特殊遊技終了手段としての遊技制御装置50は、ART状態ST6においてCB入賞が成立するか、若しくは、ART状態ST6における消化ゲーム数が所定数(200ゲーム)に達するかを特殊遊技終了条件として設定している。
これにより、メダルの獲得手段として、CBB状態ST3におけるメダルの払出、又は、ART状態ST6における遊技媒体の払出のいずれに比重を置くかを、遊技者がART状態ST6においてCBB入賞に対応するボーナス図柄組合せ態様を導出するか否かで選択できる。
【0159】
そして、特別遊技終了手段としての遊技制御装置50は、ART状態ST6における消化ゲーム数に応じて、このART状態ST6の終了後に発生するCBB状態ST3の規定払出数を減少する。
これにより、特殊遊技状態を実行するための遊技時間を十分に確保できない場合に遊技者が著しく不利益を受けることはなくなる。
したがって、閉店時間など状況に関係なく、遊技者は遊技時間を気にせずに遊技を実行するようになるので、遊技店は安定した稼動を確保できるようになり、スロットマシンの性能が原因で利益が減少するのを回避することができる。
【0160】
例えば、ART状態ST6における消化ゲーム数が1加算されることに応じて、このART状態ST6の終了後に発生するCBB状態ST3の規定払出数を1減算する。
このように、CBB状態ST3におけるメダルの払出数と、ART状態ST6における消化ゲーム数が安易に対応付けられているため、メダルの獲得手段として、CBB状態ST3におけるメダルの払出、又は、ART状態ST6におけるメダルの払出のいずれに比重を置くかを遊技者は容易に判断することができる。
したがって、閉店時間など状況に関係なく、遊技者は遊技時間を気にせずに遊技を実行するようになるので、遊技店は安定した稼働を確保することができる。
【0161】
また、上述したRT状態ST5の発生から終了にわたる制御は、遊技制御装置50によって行われる。
すなわち、遊技制御装置50は、特定遊技終了条件が成立するまで内部抽選におけるリプレイ入賞(特定入賞)の当選確率を高めるRT状態ST5(特定遊技状態)の発生及び実行制御を行う特定遊技制御手段として機能するとともに、RT状態ST5において特定遊技終了条件が成立するか否かを監視し、この特定遊技終了条件が成立した場合にRT状態ST5を終了させる特定遊技終了手段として機能する。
そして、特殊遊技制御手段としての遊技制御装置50は、RT状態ST5における内部抽選によりCBB入賞に当選し、かつ、複数のリール6a,6b,6cにてCBB入賞に対応するボーナス図柄組合せ態様が導出されずにCBB入賞が成立していないことを条件にART状態ST6を発生させる。
これにより、RT状態ST5において一定条件(CBB入賞の内部当選)が成立しなければ、ART状態ST6が発生されないため、ゲームが単調化することを防止でき、興趣性の高い遊技を実現できる。したがって、スロットマシン1の稼動が低下することを防止でき、遊技店は安定した稼動を確保することができる。
【0162】
(第2実施形態)
第2実施形態に係るスロットマシンの構成は、第1実施形態に係るスロットマシン1と同様である。第2実施形態では、ART状態ST6の終了後にCBB状態ST3が発生する場合に、遊技者が不利益を被ることがないようにしている。
【0163】
第1実施形態では、ART状態ST6において、小役入賞に内部当選するなどしてCBB入賞を成立可能となった場合に、遊技者がCBB入賞に対応するボーナス図柄組合せ態様を導出させるように停止操作を行えば、CBB入賞が成立する。しかしながら、ART状態ST6における消化ゲーム数に応じてCBB状態ST3の規定払出枚数は減少されているので、ART状態ST6での純増メダル数とCBB状態ST3での純増メダル数を合算した枚数が、CBB状態ST3の初期の規定払出数による純増枚数よりも少なくなる可能性がある。
【0164】
例えば、ART状態ST6において、小役入賞に内部当選した回数が少なかったり、はずれゲーム数が多かったりすると、消化ゲーム数によっては純増メダル数が期待値を大幅に下回ることとなる。
つまり、ART状態ST6において、規定ゲーム数である200ゲームを消化すれば純増メダル数はほぼ期待値に収束するため、ART状態ST6での純増メダル数とCBB状態ST3での純増メダル数を合算した枚数がCBB状態ST3の初期の規定払出数による純増枚数より少なくなる可能性は低いが、停止操作ミス等により200ゲームに満たないゲームでCBB入賞が成立してしまうときに、上述した不具合が生じる可能性がある。
【0165】
そこで、第2実施形態では、ART状態ST6での純増メダル数とCBB状態ST3での純増メダル数を合算した枚数が、CBB状態ST3の初期の規定払出数による純増枚数よりも少なくなるような場合には、CBB入賞が成立しないようにリールの停止制御を行うようにしている。
具体的には、内部抽選処理において、ART状態ST6での純増メダル数と、このART状態ST6の終了後に発生するCBB状態ST3で期待される純増メダル数を合算した枚数を監視することで実現する。
【0166】
図18は、第2実施形態に係る内部抽選処理の一例について示すフローチャートである。
図18は、図12のステップS103でART状態フラグ又はRT状態フラグが成立していると判定された場合に行われる処理で、第1実施形態における図13に示す処理に対応する。図18において、図13と同様の処理については同一の符号を付している。
図18に示すフローチャートと図13に示すフローチャートに比較すると、ステップS134の後段に変更規定枚数確認処理(ステップS200)を有している点が異なる。
【0167】
図19は、図18のステップS200で行われる変更規定枚数確認処理の一例について示すフローチャートである。
ステップS201では、RT回数カウンタ値が0よりも小さい、すなわち当該ゲームでART状態ST6は終了となるか否かを判定する。そして、RT回数カウンタ値が0よりも小さい(ART状態ST6は終了となる)と判定した場合はステップS207に移行し、RT回数カウンタ値は0以上である(ART状態ST6は継続可能)と判定した場合はステップS202に移行する。
【0168】
ステップS202では、変更監視カウンタ値を取得する。この変更監視カウンタ値は、当該ART状態ST6の終了後に発生するCBB状態ST3の規定払出数とされる値である。
ステップS203では、ステップS202で取得した変更監視カウンタ値に基づいて、ART状態ST6の終了後に発生するCBB状態ST3において獲得しうる最大メダル枚数(CBB獲得枚数)を算出する。例えば、ART状態ST6において、50ゲームを消化した時点では、変更監視カウンタ値は200(初期値250−消化50ゲーム)となっているので、CBB獲得枚数は182枚(1ゲーム当たりの純増13枚×14ゲーム)となる。
【0169】
ステップS204では、ART状態ST6において獲得された純増メダル枚数(ART獲得枚数)を取得する。
ステップS205では、CBB獲得枚数にART獲得枚数を加算し、当該ゲームでCBB入賞を成立させたときにCBB状態ST3とART状態ST6で獲得しうるメダル枚数の最大値Mを算出する。
【0170】
ステップS206では、最大値Mが、CBB状態ST3の初期の規定払出数(250枚)により獲得しうる221枚より小さいか否かを判定する。そして、最大値Mが221枚よりも小さいと判定した場合はステップS207に移行し、CBB回避フラグをセットする。このCBB回避フラグは、リールの変動表示ゲームにおいて、CBB入賞に対応するボーナス図柄組合せ態様が導出されないようにリールの停止制御を行わせるためのものである。
遊技制御装置50は、リール変動停止処理(図11のステップS6)において、CBB回避フラグの成立状態を監視し、成立している場合にはCBB入賞に対応するボーナス図柄組合せ態様が導出されないようにリールの停止制御を行うこととなる。
【0171】
例えば、ART状態ST6において、50ゲームを消化した時点では、CBB獲得枚数は182枚となるので、そのときのART獲得枚数が39枚よりも少なければ、最大値Mは221よりも小さくなる。なお、ART状態ST6が期待値通りに推移していれば、50ゲームを消化した時点におけるART獲得枚数は60枚となるので、最大値Mは221よりも大きくなる。
【0172】
ステップS206において最大値Mが221枚以上であると判定した場合は、遊技者が不利益を受けることにはならないので、CBB回避フラグをセットすることなく、ステップS208に移行する。この場合、内部抽選結果及び遊技者の停止操作によっては、CBB入賞が成立されることとなる。
【0173】
ステップS208では、ステップS134で入賞抽選用乱数と入賞判定テーブルを比較した結果、何れかの入賞に当選しているか否かを判定する。そして、何れかの入賞に内部当選していると判定した場合は図18のステップS129に移行し、内部当選した小役入賞(特殊リプレイ入賞以外)の当選フラグをセットする。一方、何れの入賞にも内部当選していないと判定した場合は図18のステップS125に移行し、はずれフラグをセットする。
【0174】
上述したように、第2実施形態のスロットマシン1では、特殊遊技終了制御手段としての遊技制御装置50は、CBB状態ST3の規定払出数と、ART状態ST6において払い出されたメダル枚数に基づいて、CBB状態ST3とART状態ST6で獲得しうるメダル枚数の最大値を算出し、これに基づき当該ART状態ST6の終了制御を変更する。
【0175】
具体的には、最大値Mが、規定払出数の初期値(例えば、250枚)により獲得しうる最大獲得枚数(例えば、221枚)に満たない場合は、CBB入賞に対応するボーナス図柄組合せ態様が導出されるのを回避するように指示する。
【0176】
これにより、スロットマシンの遊技初心者や当該スロットマシンの性能を把握していない遊技者などが、ART状態ST6においてメダル枚数をほとんど増加させることなくCBB状態を成立させることで、不利益を被ってしまうのを防止できる。したがって、遊技者が安心して遊技できるようになるので、遊技店は安定した稼動を確保できるようになる。
【0177】
なお、図19のステップS206において、CBB回避フラグをセットするか否かの判定値として設定される値(図19では221枚)は、適宜変更可能とされる。例えば、CBB状態ST3における初期の規定払出数に応じて変更するのが望ましい。
また、遊技店側で適宜変更できるようにすることで、遊技店の性格(例えば、ローリスクローリターンやハイリスクハイリターン)を反映したスロットマシンとすることができる。また、最大値Mが所定値よりも大きくなっている場合にCBB回避フラグをセットするようにすれば、ART状態ST6において小役入賞が当選確率を大幅に上回って成立するなどして、遊技者が極端に有利となっている状態でART状態ST6が終了されることを防止できる。
【0178】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
上記実施形態では、ボーナス入賞としてSBB入賞,CBB入賞,RB入賞を備え、このうちのCBB入賞に内部当選したことを条件にART状態が発生するようにしているが、本発明は、ボーナス入賞に内部当選したことを条件にART状態が発生するスロットマシンに適用できる。例えば、上記実施形態において、SBB入賞やRB入賞に内部当選したことに伴いART状態を発生させるようにしてもよいし、SBB入賞やRB入賞に対応するボーナス入賞を備えないようにしてもよい。
また、上記実施形態のように、RT状態のような特定遊技状態におけるボーナス入賞の内部当選を契機にART状態を発生するようにしてもよいし、通常状態におけるボーナス入賞の内部当選を契機にART状態を発生するようにしてもよい。
【0179】
第2実施形態では、遊技者が不利益を被る場合には、ボーナス入賞が成立するのを強制的に回避するようにしているが、現時点でCBB入賞が成立すると不利益となることを報知し、遊技者に自力でCBB入賞を回避させるようにしてもよい。
また、ART状態において、現時点で獲得しうるメダル枚数の最大値(CBB状態ST3とART状態ST6の合算値)を常時又は所定のゲーム間隔で報知し、遊技者がART状態を終了させたいときに参考とできるようにしてもよい。
【0180】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0181】
本願は、分割出願である。出願人、特許庁、第三者の便宜のために、分割の基礎となる出願(親出願)の出願当初の背景技術(に記載があったが本分割出願から削除した部分)、課題、請求の範囲、効果を記載する。
【0182】
[出願当初の背景技術に記載があったが本分割出願から削除した部分]
また、RT状態において特殊小役入賞に内部当選した場合に、この内部当選した特殊小役入賞の押し順や種類(狙う図柄)を報知し、対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に停止表示させ易くするアシストリプレイタイム(以下ARTと略記する)状態を発生させる機能(ART機能)を備えたスロットマシンもある。このようなART機能を備えたスロットマシンでは、ART状態においてリプレイ入賞の当選確率が飛躍的に上昇するので、通常時よりも遊技媒体の消費量を軽減しつつ遊技を進行でき、かつ、内部当選した特殊小役入賞の報知が行われるので、遊技者は所有する遊技媒体数を増加させることができる。
なお、RT状態やART状態は、所定の条件が成立したとき(例えば、規定ゲーム数の消化時や所定の入賞の成立時)に終了となる。
【0183】
[原出願の出願当初の課題]
ところで、上述したART機能を備えたスロットマシンのうち、ART状態の継続率を高めることでART状態で多量の遊技媒体を獲得させるようにしたスロットマシンの場合、BB入賞等の成立により発生する特別遊技状態において獲得できる遊技媒体数を多量に設定すると、射倖性が高いものとなってしまう。そこで、特別遊技状態において獲得できる遊技媒体数は少量に設定され、ART状態において獲得できる遊技媒体数が多量となるように設定されている。
つまり、ART状態における特殊小役入賞の当選確率を通常時と同じにして、ART状態で遊技媒体数を緩やかに増加させつつ、ART状態が長時間継続されることで多量の遊技媒体を獲得できるようになっている。したがって、多量の遊技媒体を獲得するためには、ART状態において多数のゲームを実行できる十分な時間が必要となる。
しかしながら、遊技店の閉店時間まで残り時間が少ない場合や、遊技者の都合により遊技時間が制限される場合等、遊技者が十分な遊技時間を確保することが困難なこともある。このような場合、ART状態において多量の遊技媒体を獲得することが時間的に困難となるため、遊技者は新規に遊技を開始するのを敬遠してしまう。そして、閉店時間前であるにもかかわらず、この種のスロットマシンの稼動が0に近くなってしまうという現象が生じることもある。
このように、ART機能を備えた従来のスロットマシンでは、状況によって稼働率が著しく低下するため、スロットマシンの性能が遊技店の利益確保に悪影響を及ぼす要因となっている。
本発明は、ART機能を備えたスロットマシンであって、閉店時間などの状況に関係なく、安定した稼動を確保できるスロットマシンを提供することを目的とする。
【0184】
[原出願の出願当初の特許請求の範囲]
[請求項1]
遊技者による開始操作が行われた場合に複数のリールの変動表示を伴うゲームを実行するとともに、入賞に当選したか否かを決定する内部抽選を行い、遊技者による停止操作が行われた場合に内部抽選結果に基づき前記複数のリールの停止制御を行い、前記複数のリールに配列された図柄により予め定めた特別図柄組合せ態様が導出された場合に特別入賞の成立となり、遊技者に多量の遊技媒体を付与可能な特別遊技状態を発生させるようにしたスロットマシンにおいて、
前記特別遊技状態の発生および実行制御を行う特別遊技制御手段と、
前記特別遊技状態における遊技媒体の総払出数が規定払出数に達した場合に、この特別遊技状態を終了させる特別遊技終了制御手段と、
前記特別遊技状態とは異なり、特殊遊技終了条件が成立するまで内部抽選における特定入賞の当選確率を高めるとともに、所定入賞に当選したことを報知する特殊遊技状態の発生および制御を行う特殊遊技制御手段と、
前記特殊遊技状態において前記特殊遊技終了条件が成立するか否かを監視し、この特殊遊技終了条件が成立した場合に当該特殊遊技状態を終了させる特殊遊技終了制御手段と、を備え、
前記特殊遊技制御手段は、内部抽選により前記特別入賞に当選し、かつ、前記複数のリールにて前記特別図柄組合せ態様が導出されずに前記特別入賞が成立していないことを条件に特殊遊技状態を発生させ、
前記特殊遊技終了制御手段は、前記特殊遊技状態において前記特別入賞が成立するか、若しくは、前記特殊遊技状態における消化ゲーム数が所定数に達するかを特殊遊技終了条件として設定し、
前記特別遊技終了制御手段は、前記特殊遊技終了制御手段により監視される特殊遊技状態における消化ゲーム数に応じて、この特殊遊技状態の終了後に発生する特別遊技状態の規定払出数を減少することを特徴とするスロットマシン。
[請求項2]
前記特別遊技終了制御手段は、前記特殊遊技終了制御手段により監視される特殊遊技状態における消化ゲーム数が1加算されることに応じて、この特殊遊技状態の終了後に発生する特別遊技状態の規定払出数を1減算することを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
[請求項3]
前記特殊遊技状態とは異なり、特定遊技終了条件が成立するまで内部抽選における特定入賞の当選確率を高める特定遊技状態の発生および制御を行う特定遊技制御手段と、
前記特定遊技状態において前記特定遊技終了条件が成立するか否かを監視し、この特定遊技終了条件が成立した場合に当該特定遊技状態を終了させる特定遊技終了制御手段と、を備え、
前記特殊遊技制御手段は、前記特定遊技状態における内部抽選により前記特別入賞に当選し、かつ、前記複数のリールにて前記特別図柄組合せ態様が導出されずに前記特別入賞が成立していないことを条件に特殊遊技状態を発生させることを特徴とする請求項2に記載のスロットマシン。
[請求項4]
前記特殊遊技終了制御手段は、前記特別遊技終了制御手段により設定される特別遊技状態の規定払出数と、前記特殊遊技制御手段により実行されている特殊遊技状態において払い出された遊技媒体数に基づいて、前記特別遊技状態と前記特殊遊技状態で獲得しうる遊技媒体数の最大値を算出し、これに基づき当該特殊遊技状態の終了制御を変更することを特徴とする請求項3に記載のスロットマシン。
[請求項5]
前記特殊遊技終了制御手段は、前記最大値が、前記規定払出数の初期値により獲得しうる最大獲得枚数に満たない場合は、前記特別遊技制御手段に前記特別図柄組合せ態様が導出されるのを回避するように指示することを特徴とする請求項4に記載のスロットマシン。
【0185】
[原出願の出願当初の発明の効果]
本発明によれば、特殊遊技状態におけるゲーム数を増加させることで多量の遊技媒体を獲得できるようにしたスロットマシンにおいて、特殊遊技状態を実行するための遊技時間を十分に確保できない場合に遊技者が著しく不利益を受けるのを防止できる。
したがって、閉店時間など状況に関係なく、遊技者は遊技時間を気にせずに遊技を実行するようになるので、遊技店は安定した稼動を確保できるようになり、スロットマシンの性能が原因で利益が減少するのを回避することができる。
【符号の説明】
【0186】
1 スロットマシン
5 図柄表示窓
6 リール
50 遊技制御装置(特別遊技制御手段、特別遊技終了制御手段、特殊遊技制御手段、特殊遊技終了制御手段、特定遊技制御手段、特定遊技終了制御手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄を変動表示可能な複数のリールと、該変動表示を伴うゲームの実行毎に役に当選したか否かの内部抽選を行う抽選手段と、を備え、
遊技者による前記変動表示の停止操作に基づき停止させたゲームの結果が前記内部抽選で当選した役に対応する図柄組合せ態様となると、当該役の入賞が成立して所定の遊技価値を付与することが可能なスロットマシンにおいて、
前記役には、少なくとも、再遊技役、小役及び特別役が含まれ、
予め定めた第1移行条件の成立に基づいて第1遊技状態を発生させることが可能な第1遊技制御手段と、
予め定めた第2移行条件の成立に基づいて前記第1遊技状態とは遊技者に有利な度合いが異なる第2遊技状態を発生させることが可能な第2遊技制御手段と、
前記内部抽選で当選した前記特別役の入賞が成立したことに基づいて前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態よりも高確率で前記小役が当選する特別遊技状態を発生させることが可能な特別遊技制御手段と、
前記内部抽選で当選した特別役の入賞が成立しなかった場合に、当該特別役の当選を次ゲーム以降に持ち越すことが可能な当選持越し手段と、を備え、
前記第2遊技制御手段は、前記第1遊技状態中に前記特別役が当選したことに基づき前記第2遊技状態を発生させることが可能であることを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
前記特別役には、少なくとも第1特別役と第2特別役とが含まれ、
前記第2遊技制御手段は、
前記第1遊技状態中に前記第1特別役が当選した場合には、前記第2遊技状態を発生させる一方、
前記第1遊技状態中に前記第2特別役が当選した場合には、前記第2遊技状態を発生させないことを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
【請求項3】
予め定めた第3移行条件の成立に基づき前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態よりも前記再遊技役が低確率で当選する第3遊技状態を発生させることが可能な第3遊技制御手段を備え、
前記第3遊技制御手段は、前記第1遊技状態中に前記第2特別役が当選した場合に前記第3遊技状態を発生させることを特徴とする請求項2に記載のスロットマシン。
【請求項4】
前記小役は、複数種類設定されてなり、
前記第2遊技制御手段は、前記第2遊技状態中においては前記内部抽選で当選した前記小役の種類を報知するよう構成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載のスロットマシン。
【請求項1】
複数の図柄を変動表示可能な複数のリールと、該変動表示を伴うゲームの実行毎に役に当選したか否かの内部抽選を行う抽選手段と、を備え、
遊技者による前記変動表示の停止操作に基づき停止させたゲームの結果が前記内部抽選で当選した役に対応する図柄組合せ態様となると、当該役の入賞が成立して所定の遊技価値を付与することが可能なスロットマシンにおいて、
前記役には、少なくとも、再遊技役、小役及び特別役が含まれ、
予め定めた第1移行条件の成立に基づいて第1遊技状態を発生させることが可能な第1遊技制御手段と、
予め定めた第2移行条件の成立に基づいて前記第1遊技状態とは遊技者に有利な度合いが異なる第2遊技状態を発生させることが可能な第2遊技制御手段と、
前記内部抽選で当選した前記特別役の入賞が成立したことに基づいて前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態よりも高確率で前記小役が当選する特別遊技状態を発生させることが可能な特別遊技制御手段と、
前記内部抽選で当選した特別役の入賞が成立しなかった場合に、当該特別役の当選を次ゲーム以降に持ち越すことが可能な当選持越し手段と、を備え、
前記第2遊技制御手段は、前記第1遊技状態中に前記特別役が当選したことに基づき前記第2遊技状態を発生させることが可能であることを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
前記特別役には、少なくとも第1特別役と第2特別役とが含まれ、
前記第2遊技制御手段は、
前記第1遊技状態中に前記第1特別役が当選した場合には、前記第2遊技状態を発生させる一方、
前記第1遊技状態中に前記第2特別役が当選した場合には、前記第2遊技状態を発生させないことを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
【請求項3】
予め定めた第3移行条件の成立に基づき前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態よりも前記再遊技役が低確率で当選する第3遊技状態を発生させることが可能な第3遊技制御手段を備え、
前記第3遊技制御手段は、前記第1遊技状態中に前記第2特別役が当選した場合に前記第3遊技状態を発生させることを特徴とする請求項2に記載のスロットマシン。
【請求項4】
前記小役は、複数種類設定されてなり、
前記第2遊技制御手段は、前記第2遊技状態中においては前記内部抽選で当選した前記小役の種類を報知するよう構成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載のスロットマシン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−17839(P2013−17839A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−237435(P2012−237435)
【出願日】平成24年10月29日(2012.10.29)
【分割の表示】特願2008−230689(P2008−230689)の分割
【原出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月29日(2012.10.29)
【分割の表示】特願2008−230689(P2008−230689)の分割
【原出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]