説明

ズームレンズ、撮像装置、およびズームレンズの製造方法

【課題】高変倍比を有しながら、小型で良好な光学性能を有するズームレンズを提供する

【解決手段】正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群
G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4
とを有するズームレンズであって、広角端状態から望遠端状態への変倍の際、第1レンズ
群G1と第2レンズ群G2との間隔が変化し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との
間隔が変化し、第4レンズ群G4が一旦物体側に移動した後に像側へ移動し、第3レンズ
群G3は、第1の正レンズL31と、負レンズL32と、第2の正レンズL33とを有し
、第4レンズ群G4は、正レンズL41と、正レンズL41の像面I側に空気間隔を介し
て配置される負レンズL42とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズ、撮像装置、およびズームレンズの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の撮像光学系において、高変倍比で、高
性能化、小型化が求められている。これらの要望を満たすズームレンズとして、光軸に沿
って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第
2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と
から構成され、各レンズ群を移動させて変倍を行うズームレンズが提案されている(例え
ば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−152288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、より小型で高性能なズームレンズが求められている。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、高変倍比を有しながら、小型
で優れた光学性能を有するズームレンズ、撮像装置、およびズームレンズの製造方法を提
供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的達成のため、本発明に係るズームレンズは、光軸に沿って物体側から順
に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正
の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを有するズームレ
ンズであって、広角端状態から望遠端状態への変倍の際、前記第1レンズ群と前記第2レ
ンズ群との間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が変化し、前記
第4レンズ群が一旦物体側に移動した後に像側へ移動し、前記第3レンズ群は、光軸に沿
って物体側から順に並んだ、第1の正レンズと、負レンズと、第2の正レンズとを有し、
前記第4レンズ群は、第1レンズ成分と、前記第1レンズ成分の像側に空気間隔を介して
配置される第2レンズ成分とを有している。
【0007】
上述のズームレンズにおいて、次の条件式を満足することが好ましい。
【0008】
−11.5<(R42a+R41b)/(R42a−R41b)<−3.5
但し、
R41b:前記第4レンズ群の前記第1レンズ成分における最も像側のレンズ面の近軸
曲率半径、
R42a:前記第4レンズ群の前記第2レンズ成分における最も物体側のレンズ面の近
軸曲率半径。
【0009】
上述のズームレンズにおいて、次の条件式をそれぞれ満足することが好ましい。
【0010】
2.0<f3/fw<3.0
0.6<(−f3b)/f3<1.0
但し、
f3:前記第3レンズ群の焦点距離、
fw:前記ズームレンズの広角端状態における焦点距離、
f3b:前記第3レンズ群の前記負レンズの焦点距離。
【0011】
上述のズームレンズにおいて、次の条件式を満足することが好ましい。
【0012】
0.3<f3/f4<0.6
但し、
f3:前記第3レンズ群の焦点距離、
f4:前記第4レンズ群の焦点距離。
【0013】
上述のズームレンズにおいて、次の条件式を満足することが好ましい。
【0014】
1.0<(−f2)/fw<1.5
但し、
f2:前記第2レンズ群の焦点距離、
fw:前記ズームレンズの広角端状態における焦点距離。
【0015】
上述のズームレンズにおいて、次の条件式を満足することが好ましい。
【0016】
1.0<TLt/ft<1.2
但し、
TLt:前記ズームレンズの望遠端状態における全長、
ft:前記ズームレンズの望遠端状態における焦点距離。
【0017】
上述のズームレンズにおいて、次の条件式を満足することが好ましい。
【0018】
1.0<D1/fw<1.6
但し、
D1:前記第1レンズ群の光軸上の厚さ、
fw:前記ズームレンズの広角端状態における焦点距離。
【0019】
上述のズームレンズにおいて、次の条件式を満足することが好ましい。
【0020】
1.5<f3c/f3a<2.5
但し、
f3c:前記第3レンズ群の前記第2の正レンズの焦点距離、
f3a:前記第3レンズ群の前記第1の正レンズの焦点距離。
【0021】
上述のズームレンズにおいて、前記第4レンズ群の前記第1レンズ成分が正レンズから
なり、前記第4レンズ群の前記第2レンズ成分が負レンズからなり、前記正レンズおよび
前記負レンズのうち少なくとも一方が非球面を有することが好ましい。
【0022】
上述のズームレンズにおいて、次の条件式を満足することが好ましい。
【0023】
0.1<(−f2)/f1<0.2
但し、
f2:前記第2レンズ群の焦点距離、
f1:前記第1レンズ群の焦点距離。
【0024】
また、本発明に係る撮像装置は、物体の像を所定の面上に結像させるズームレンズを備
えた撮像装置であって、前記ズームレンズとして本発明に係るズームレンズを用いている

【0025】
また、本発明に係るズームレンズの製造方法は、光軸に沿って物体側から順に、正の屈
折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する
第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを配置するズームレンズの製造方法
であって、広角端状態から望遠端状態への変倍の際、前記第1レンズ群と前記第2レンズ
群との間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が変化し、前記第4
レンズ群が一旦物体側に移動した後に像側へ移動し、前記第3レンズ群は、光軸に沿って
物体側から順に並んだ、第1の正レンズと、負レンズと、第2の正レンズとを有し、前記
第4レンズ群は、第1レンズ成分と、前記第1レンズ成分の像側に空気間隔を介して配置
される第2レンズ成分とを有するようにしている。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、高変倍比を有しながら、小型で優れた光学性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】第1実施例に係るズームレンズの断面およびズーム軌道を示す図である。
【図2】(a)は第1実施例に係るズームレンズの広角端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図であり、(b)は中間焦点距離状態における無限遠物体合焦時の諸収差図であり、(c)は望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。
【図3】第2実施例に係るズームレンズの断面およびズーム軌道を示す図である。
【図4】(a)は第2実施例に係るズームレンズの広角端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図であり、(b)は中間焦点距離状態における無限遠物体合焦時の諸収差図であり、(c)は望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。
【図5】第3実施例に係るズームレンズの断面およびズーム軌道を示す図である。
【図6】(a)は第3実施例に係るズームレンズの広角端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図であり、(b)は中間焦点距離状態における無限遠物体合焦時の諸収差図であり、(c)は望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。
【図7】第4実施例に係るズームレンズの断面およびズーム軌道を示す図である。
【図8】(a)は第4実施例に係るズームレンズの広角端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図であり、(b)は中間焦点距離状態における無限遠物体合焦時の諸収差図であり、(c)は望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。
【図9】(a)はデジタルスチルカメラの正面図であり、(b)はデジタルスチルカメラの背面図である。
【図10】図9(a)中の矢印A−A´に沿った断面図である。
【図11】ズームレンズの製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願の好ましい実施形態について図を参照しながら説明する。本願に係るズーム
レンズを備えたデジタルスチルカメラCAMが図9および図10に示されている。図9に
おいて、(a)はデジタルスチルカメラCAMの正面図を、(b)はデジタルスチルカメ
ラCAMの背面図をそれぞれ示す。図10は、図9(a)中の矢印A−A´に沿った断面
図を示す。
【0029】
図9および図10に示すデジタルスチルカメラCAMは、不図示の電源釦を押すと、撮
影レンズ(ZL)の不図示のシャッタが開放されて、撮影レンズ(ZL)で被写体(物体
)からの光が集光され、像面Iに配置された不図示の撮像素子C(例えば、CCDやCM
OS等)に結像される。撮像素子Cに結像された被写体像は、デジタルスチルカメラCA
Mの背後に配置された液晶モニターMに表示される。撮影者は、液晶モニターMを見なが
ら被写体像の構図を決めた後、レリーズ釦B1を押し下げて被写体像を撮像素子Cで撮影
し、不図示のメモリーに記録保存する。
【0030】
撮影レンズは、後述の実施形態に係るズームレンズZLで構成されている。また、デジ
タルスチルカメラCAMには、被写体が暗い場合に補助光を発光する補助光発光部D、撮
影レンズ(ズームレンズZL)を広角端状態(W)から望遠端状態(T)にズーミング(
変倍)する際のワイド(W)−テレ(T)釦B2、およびデジタルスチルカメラCAMの
種々の条件設定等に使用するファンクション釦B3等が配置されている。
【0031】
ズームレンズZLは、例えば図1に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、
正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の
屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とを有して構
成される。広角端状態から望遠端状態への変倍(ズーミング)の際、第1レンズ群G1と
第2レンズ群G2との間隔が変化し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が変
化し、第4レンズ群G4が一旦物体側に移動した後に像側へ移動するようになっている。
また、第3レンズ群G3は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、第1の正レンズと、負
レンズと、第2の正レンズとを有して構成される。第4レンズ群G4は、第1レンズ成分
と、第1レンズ成分の像側に空気間隔を介して配置される第2レンズ成分とを有して構成
される。
【0032】
このような構成のズームレンズZLでは、第4レンズ群G4の第1レンズ成分と第2レ
ンズ成分との間に空気間隔を介在させるので、中間域から望遠端でのコマ収差の補正に効
果的である。また、第1レンズ成分と第2レンズ成分とを貼り合わせる場合に対して1面
自由度が増えるので、望遠域での周辺像高に対しての収差補正に有利である。
【0033】
本実施形態のズームレンズZLにおいて、次の条件式(1)で表される条件を満足する
ことが好ましい。
【0034】
−11.5<(R42a+R41b)/(R42a−R41b)<−3.5 …(1)
但し、
R41b:第4レンズ群G4の第1レンズ成分における最も像側のレンズ面の近軸曲率
半径、
R42a:第4レンズ群G4の第2レンズ成分における最も物体側のレンズ面の近軸曲
率半径。
【0035】
条件式(1)は、第4レンズ群G4内の2枚のレンズの間の空気レンズのシェイプファ
クターを規定したものである。条件式(1)の上限値を上回る条件である場合、第4レン
ズ群G4内の第1レンズ成分のパワーが弱くなるので、望遠側のコマ収差、非点収差の補
正が困難となる。一方、条件式(1)の下限値を下回る条件である場合、第4レンズ群G
4内の第1レンズ成分のパワーが強くなるので、中間域から望遠端でのコマ収差の補正が
困難となる。また、望遠側の倍率色収差の補正が困難となる。
【0036】
なお、本実施形態の効果を確実にするために条件式(1)の上限値を−3.6にするこ
とが望ましい。また、条件式(1)の上限値を−3.7にすることがより望ましい。一方
、本実施形態の効果を確実にするために条件式(1)の下限値を−11.4にすることが
望ましい。また、条件式(1)の下限値を−11.3にすることがより望ましい。
【0037】
本実施形態のズームレンズZLにおいて、次の条件式(2)および条件式(3)で表さ
れる条件をそれぞれ満足することが好ましい。
【0038】
2.0<f3/fw<3.0 …(2)
0.6<(−f3b)/f3<1.0 …(3)
但し、
f3:第3レンズ群G3の焦点距離、
fw:ズームレンズZLの広角端状態における焦点距離、
f3b:第3レンズ群G3の負レンズの焦点距離。
【0039】
条件式(2)は、第3レンズ群G3の焦点距離と広角端状態におけるズームレンズZL
の焦点距離の関係を規定したものである。この条件式を満足することによって、球面収差
や変倍による収差変動を抑えることができる。条件式(2)の上限値を上回る条件である
場合、第3レンズ群G3のパワーが弱くなりすぎるので、コマ収差の補正が困難となる。
また、変倍時のレンズの移動量が増えるので全長が大きくなり、小型化が達成できない。
一方、条件式(2)の下限値を下回る条件である場合、第3レンズ群G3のパワーが強く
なりすぎ、望遠端状態における球面収差の補正を第3レンズ群G3で過剰に補正しようと
するので、コマ収差、像面湾曲の補正が困難となる。
【0040】
なお、本実施形態の効果を確実にするために条件式(2)の上限値を2.7にすること
が望ましい。また、条件式(2)の上限値を2.5にすることがより望ましい。一方、本
実施形態の効果を確実にするために条件式(2)の下限値を2.05にすることが望まし
い。また、条件式(2)の下限値を2.1にすることがより望ましい。
【0041】
条件式(3)は、第3レンズ群G3内の負レンズの焦点距離を規定したものである。条
件式(3)の上限値を上回る条件である場合、第3レンズ群G3内の負レンズのパワーが
弱くなり、球面収差、コマ収差、非点収差の補正が困難となる。一方、条件式(3)の下
限値を下回る条件である場合、第3レンズ群G3全体のパワーが弱くなり、球面収差の補
正が困難となる。また、第3レンズ群G3内の負レンズのパワーが強くなり、コマ収差の
補正が困難となる。
【0042】
なお、本実施形態の効果を確実にするために条件式(3)の上限値を0.9にすること
が望ましい。また、条件式(3)の上限値を0.8にすることがより望ましい。一方、本
実施形態の効果を確実にするために条件式(3)の下限値を0.605にすることが望ま
しい。また、条件式(3)の下限値を0.61にすることがより望ましい。
【0043】
本実施形態のズームレンズZLにおいて、次の条件式(4)で表される条件を満足する
ことが好ましい。
【0044】
0.3<f3/f4<0.6 …(4)
但し、
f3:第3レンズ群G3の焦点距離、
f4:第4レンズ群G4の焦点距離。
【0045】
条件式(4)は、第3レンズ群G3の焦点距離と第4レンズ群G4の焦点距離の関係を
規定したものである。条件式(4)の上限値を上回る条件である場合、第4レンズ群G4
のパワーが強くなり、望遠端状態における球面収差や軸上色収差の補正が困難となる。ま
た、変倍時の第3レンズ群G3の移動量が増えるので全長が大きくなり、小型化が達成で
きない。一方、条件式(4)の下限値を下回る条件である場合、第4レンズ群G4のパワ
ーが弱くなり、広角端状態での像面湾曲、コマ収差、及び望遠端状態でのコマ収差の補正
が困難となる。
【0046】
なお、本実施形態の効果を確実にするために条件式(4)の上限値を0.5にすること
が望ましい。また、条件式(4)の上限値を0.45にすることがより望ましい。一方、
本実施形態の効果を確実にするために条件式(4)の下限値を0.31にすることが望ま
しい。また、条件式(4)の下限値を0.33にすることがより望ましい。
【0047】
本実施形態のズームレンズZLにおいて、次の条件式(5)で表される条件を満足する
ことが好ましい。
【0048】
1.0<(−f2)/fw<1.5 …(5)
但し、
f2:第2レンズ群G2の焦点距離、
fw:ズームレンズZLの広角端状態における焦点距離。
【0049】
条件式(5)は、第2レンズ群G2の焦点距離と広角端状態におけるズームレンズZL
の焦点距離の関係を規定したものである。条件式(5)の上限値を上回る条件である場合
、第2レンズ群G2のパワーが弱くなりすぎるので、他のレンズ群のパワーを強くするこ
とで球面収差、像面湾曲の補正が困難となる。また、変倍時のレンズの移動量が増えるの
で全長が大きくなり、前玉径も大きくなるので小型化が達成できない。一方、条件式(5
)の下限値を下回る条件である場合、第2レンズ群G2のパワーが強くなるので、移動量
は小さくなるが、非点収差、像面湾曲の補正が困難となる。
【0050】
なお、本実施形態の効果を確実にするために条件式(5)の上限値を1.4にすること
が望ましい。また、条件式(5)の上限値を1.35にすることがより望ましい。一方、
本実施形態の効果を確実にするために条件式(5)の下限値を1.05にすることが望ま
しい。また、条件式(5)の下限値を1.1にすることがより望ましい。
【0051】
本実施形態のズームレンズZLにおいて、次の条件式(6)で表される条件を満足する
ことが好ましい。
【0052】
1.0<TLt/ft<1.2 …(6)
但し、
TLt:ズームレンズZLの望遠端状態における全長、
ft:ズームレンズZLの望遠端状態における焦点距離。
【0053】
条件式(6)は、望遠端状態におけるズームレンズZLの全長を規定したものである。
条件式(6)の上限値を上回る条件である場合、全長が大きくなり、小型化が達成できな
い。これを緩和するため、第3レンズ群G3のパワーを強くすることになり、球面収差、
色収差の補正が困難となる。一方、条件式(6)の下限値を下回る条件である場合、第1
レンズ群G1のパワーが強くなりすぎるので、像面湾曲の補正が困難となる。
【0054】
なお、本実施形態の効果を確実にするために条件式(6)の上限値を1.18にするこ
とが望ましい。また、条件式(6)の上限値を1.17にすることがより望ましい。一方
、本実施形態の効果を確実にするために条件式(6)の下限値を1.02にすることが望
ましい。また、条件式(6)の下限値を1.05にすることがより望ましい。
【0055】
本実施形態のズームレンズZLにおいて、次の条件式(7)で表される条件を満足する
ことが好ましい。
【0056】
1.0<D1/fw<1.6 …(7)
但し、
D1:第1レンズ群G1の光軸上の厚さ、
fw:ズームレンズZLの広角端状態における焦点距離。
【0057】
条件式(7)は、第1レンズ群G1の光軸上の厚さを規定している。条件式(7)の上
限値を上回る条件である場合、第1レンズ群G1の厚さが大きくなり、沈胴時に小型化で
きず、非点収差や像面湾曲の補正が困難となる。一方、条件式(7)の下限値を下回る条
件である場合、沈胴厚は薄くなるが、屈折率の変更にともない軸上色収差の補正が困難と
なり、広角端状態での非点収差、像面湾曲の補正が困難となる。
【0058】
なお、本実施形態の効果を確実にするために条件式(7)の上限値を1.4にすること
が望ましい。また、条件式(7)の上限値を1.3にすることがより望ましい。一方、本
実施形態の効果を確実にするために条件式(7)の下限値を1.02にすることが望まし
い。また、条件式(7)の下限値を1.05にすることがより望ましい。
【0059】
本実施形態のズームレンズZLにおいて、次の条件式(8)で表される条件を満足する
ことが好ましい。
【0060】
1.5<f3c/f3a<2.5 …(8)
但し、
f3c:第3レンズ群G3の第2の正レンズの焦点距離、
f3a:第3レンズ群G3の第1の正レンズの焦点距離。
【0061】
条件式(8)は、第3レンズ群G3内の前側正レンズ(第1の正レンズ)と後側正レン
ズ(第2の正レンズ)の焦点距離の関係を規定したものである。条件式(8)の上限値を
上回る条件である場合、前側正レンズのパワーが強くなり、球面収差の補正が容易となる
が、後側正レンズのパワーが弱くなり、コマ収差の補正が困難となる。一方、条件式(8
)の下限値を下回る条件である場合、前側正レンズのパワーが弱くなり、球面収差の補正
が困難となる。
【0062】
なお、本実施形態の効果を確実にするために条件式(8)の上限値を2.495にする
ことが望ましい。また、条件式(8)の上限値を2.492にすることがより望ましい。
一方、本実施形態の効果を確実にするために条件式(8)の下限値を1.6にすることが
望ましい。また、条件式(8)の下限値を1.8にすることがより望ましい。
【0063】
本実施形態のズームレンズZLにおいて、第4レンズ群G4の第1レンズ成分が正レン
ズからなり、第4レンズ群G4の第2レンズ成分が負レンズからなり、正レンズおよび負
レンズのうち少なくとも一方が非球面を有することが好ましい。これにより、軸外の非点
収差、コマ収差、像面湾曲を良好に補正することが可能となる。
【0064】
本実施形態のズームレンズZLにおいて、次の条件式(9)で表される条件を満足する
ことが好ましい。
【0065】
0.1<(−f2)/f1<0.2 …(9)
但し、
f2:第2レンズ群G2の焦点距離、
f1:第1レンズ群G1の焦点距離。
【0066】
条件式(9)は、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の焦点距離の関係を規定したも
のである。条件式(9)の上限値を上回る条件である場合、第1レンズ群G1のパワーが
強くなり、望遠端状態での球面収差の補正が困難となる。また、第2レンズ群G2のパワ
ーが弱くなるため、変倍時のレンズの移動量が増えるので全長が大きくなる。一方、条件
式(9)の下限値を下回る条件である場合、第2レンズ群G2のパワーが強くなりすぎる
ので、非点収差、像面湾曲の補正が困難となる。
【0067】
なお、本実施形態の効果を確実にするために条件式(9)の上限値を0.18にするこ
とが望ましい。また、条件式(9)の上限値を0.16にすることがより望ましい。一方
、本実施形態の効果を確実にするために条件式(9)の下限値を0.12にすることが望
ましい。また、条件式(9)の下限値を0.14にすることがより望ましい。
【0068】
このように、本実施形態によれば、高変倍比を有しながら、小型で優れた光学性能を有
するズームレンズZLおよび、これを備えた撮像装置(デジタルスチルカメラCAM)を
得ることが可能になる。
【0069】
ここで、上述のような構成のズームレンズZLの製造方法について、図11を参照しな
がら説明する。まず、円筒状の鏡筒内に、物体側から順に、第1レンズ群G1と、第2レ
ンズ群G2と、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とを組み込む(ステップST10
)。そして、広角端状態から望遠端状態への変倍(ズーミング)の際、第1レンズ群G1
と第2レンズ群G2との間隔が変化し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が
変化し、第4レンズ群G4が一旦物体側に移動した後に像側へ移動するように、各レンズ
を駆動可能に構成する(ステップST20)。
【0070】
レンズの組み込みを行うステップST10において、第1レンズ群G1が正の屈折力を
有し、第2レンズ群G2が負の屈折力を有し、第3レンズ群G3が正の屈折力を有し、第
4レンズ群G4が正の屈折力を有するように、各レンズを配置する。第3レンズ群G3に
ついては、物体側から順に、第1の正レンズと、負レンズと、第2の正レンズとを配置す
る。第4レンズ群G4については、第1レンズ成分と、第1レンズ成分の像側に空気間隔
を介して第2レンズ成分を配置する。このとき、前述の条件式(1)等を満足するように
、各レンズを配置してもよい。このような製造方法によれば、メカ機構を簡略化できると
ともに、高変倍比を有しながら、小型で優れた光学性能を有するズームレンズZLを得る
ことができる。
【実施例】
【0071】
(第1実施例)
以下、本願の各実施例を添付図面に基づいて説明する。まず、本願の第1実施例につい
て図1〜図2および表1を用いて説明する。図1は第1実施例に係るズームレンズZL(
ZL1)の断面およびズーム軌道を示す図である。第1実施例に係るズームレンズZL1
は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の
屈折力を有する第2レンズ群G2と、絞りSと、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と
、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成される。
【0072】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けたメニ
スカス形状の負レンズL11と、両凸形状の第1の正レンズL12と、物体側に凸面を向
けたメニスカス形状の第2の正レンズL13とから構成され、負レンズL11と第1の正
レンズL12とが接合されている。第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並
んだ、両凹形状の第1の負レンズL21と、両凹形状の第2の負レンズL22と、物体側
に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL23とから構成される。第3レンズ群G3は
、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の第1の正
レンズL31と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL32と、両凸形状の
第2の正レンズL33とから構成される。また、第3レンズ群G3の第1の正レンズL3
1における物体側のレンズ面が非球面となっている。
【0073】
第4レンズ群G4は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL41
と、像面I側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL42とから構成される。第4レ
ンズ群G4の負レンズL42は、正レンズL41の像面I側に空気間隔を介して配置され
る。また、第4レンズ群G4の正レンズL41における物体側のレンズ面が非球面となっ
ている。無限遠物体から有限距離物体へのフォーカシングは、第4レンズ群G4を光軸に
沿って移動させることにより行う。
【0074】
絞りSは、第3レンズ群G3において最も物体側に位置する第1の正レンズL31の物
体側近傍に配設されており、広角端状態から望遠端状態への変倍(ズーミング)の際、第
3レンズ群G3と一体になって移動するようになっている。なお、第4レンズ群G4と像
面Iとの間には、ローパスフィルタや赤外カットフィルタ等から構成されるフィルタ群F
Lが配設される。
【0075】
このような構成のズームレンズZL1において、広角端状態(W)から望遠端状態(T
)への変倍(ズーミング)の際、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が増加し
、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レン
ズ群G4との間隔が変化するように、第1〜第4レンズ群G1〜G4がそれぞれ光軸に沿
って移動する。またこのとき、第4レンズ群G4が一旦物体側に移動した後に像面I側へ
移動するようになっている。
【0076】
以下に、表1〜表4を示すが、これらは第1〜第4実施例に係るズームレンズの諸元の
値をそれぞれ掲げた表である。各表の[全体諸元]において、fは焦点距離を、FNOは
Fナンバーを、ωは半画角(最大入射角:単位は「°」)を、Yは最大像高を、BFはバ
ックフォーカス(空気換算長)を、TLはレンズ全長(空気換算長)をそれぞれ示す。[
レンズデータ]において、第1カラムNは物体側から数えたレンズ面の順番を、第2カラ
ムRはレンズ面の曲率半径を、第3カラムDはレンズ面の間隔を、第4カラムndはd線
(波長λ=587.6nm)に対する屈折率を、第5カラムνdはd線(波長λ=587
.6nm)に対するアッベ数をそれぞれ示す。なお、第1カラムの右に付した*は、その
レンズ面が非球面であることを示す。また、曲率半径「∞」は平面を示し、空気の屈折率
nd=1.000000はその記載を省略している。
【0077】
[非球面データ]において示す非球面係数は、次の式(E)で表される。但し、非球面
の頂点における接平面からの高さyにおける非球面上の位置までの光軸方向に沿った距離
をX(y)とし、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)をRとし、円錐定数をκとし、n
次(n=4,6,8,10)の非球面係数をAnとする。なお、各実施例において、2次
の非球面係数A2は0であり、記載を省略している。また、[非球面データ]において、
「E-n」は「×10-n」を示す。
【0078】
X(y)=(y2/R)/{1+(1−κ×y2/R21/2
+A4×y4+A6×y6+A8×y8+A10×y10 …(E)
【0079】
[可変間隔データ]には、広角端から望遠端における焦点距離fと、各可変間隔の値を
示す。[ズームレンズ群データ]には、各レンズ群の焦点距離をそれぞれ示す。[条件式
対応値]には、各条件式の対応値をそれぞれ示す。[条件式対応値]において、f3aは
第3レンズ群G3の第1の正レンズL31の焦点距離を、f3bは第3レンズ群G3の負
レンズL32の焦点距離を、f3cは第3レンズ群G3の第2の正レンズL33の焦点距
離をそれぞれ示す。なお、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離f、曲率
半径R、面間隔D、その他長さの単位は一般に「mm」が使われる。しかし光学系は、比例
拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるため、単位は「mm」に限られるもの
ではない。また、後述の第2〜第4実施例の諸元値においても、本実施例と同様の符号を
用いる。
【0080】
下の表1に、第1実施例における各諸元を示す。なお、表1における第1面〜第26面
の曲率半径Rは、図1における第1面〜第26面に付した符号R1〜R26に対応してい
る。また、第1実施例において、第13面および第19面の各レンズ面は非球面形状に形
成されている。
【0081】
(表1)
[全体諸元]
ズーム比=13.28
広角端 中間焦点距離 望遠端
f=4.63 25.00 61.50
FNO=3.47 5.24 6.10
ω=42.30 9.20 3.69
Y=3.50 4.05 4.05
BF=0.400 0.400 0.400
TL=43.225 56.760 65.199
[レンズ諸元]
N R D nd νd
1 53.6253 0.8000 1.922860 20.88
2 32.4915 2.6000 1.497820 82.57
3 -118.0019 0.1000
4 22.2713 2.0000 1.729160 54.61
5 56.4595 (D5)
6 -162.7110 0.7000 1.883000 40.66
7 5.5000 2.1000
8 -22.5108 0.6000 1.883000 40.66
9 13.3627 0.4000
10 10.6391 1.3500 1.945950 17.98
11 248.5232 (D11)
12 ∞ 0.4500 (絞りS)
13* 4.8525 2.2000 1.677900 54.89
14 248.1849 0.6000
15 8.8654 1.7000 2.000690 25.46
16 4.1905 0.3500
17 10.8000 1.5000 1.497820 82.57
18 -27.0719 (D18)
19* 17.0612 1.8000 1.773770 47.25
20 -29.2047 0.1500
21 -23.0248 0.6000 1.846660 23.80
22 -45.6869 (D22)
23 ∞ 0.2100 1.516330 64.14
24 ∞ 0.3900
25 ∞ 0.5000 1.516330 64.14
26 ∞
[非球面データ]
第13面
κ=0.5402,A4=-2.54311E-04,A6=-5.02266E-06,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00
第19面
κ=1.0000,A4=3.07646E-05,A6=2.10881E-06,A8=-5.92646E-08,A10=1.33106E-09
[可変間隔データ]
広角端 中間焦点距離 望遠端
f=4.6308 24.9998 61.4985
D5=0.9000 15.0856 22.0555
D11=12.7750 2.0997 0.7500
D18=5.8504 7.2585 20.0945
D22=3.9000 12.5160 2.5000
[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 35.0789
G2 6 -5.4927
G3 13 10.2852
G4 19 28.7822
[条件式対応値]
f3a=7.2827
f3b=-8.3901
f3c=15.7148
条件式(1) (R42a+R41b)/(R42a−R41b)=-8.4515
条件式(2) f3/fw=2.2210
条件式(3) (−f3b)/f3=0.8158
条件式(4) f3/f4=0.3573
条件式(5) (−f2)/fw=1.1861
条件式(6) TLt/ft=1.0602
条件式(7) D1/fw=1.1877
条件式(8) f3c/f3a=2.1578
条件式(9) (−f2)/f1=0.1566
【0082】
このように本実施例では、上記条件式(1)〜(9)が全て満たされていることが分か
る。
【0083】
図2(a)〜(c)は、第1実施例に係るズームレンズZLの諸収差図である。ここで
、図2(a)は広角端状態(f=4.63mm)における無限遠物体合焦時の諸収差図であ
り、図2(b)は中間焦点距離状態(f=25.00mm)における無限遠物体合焦時の諸
収差図であり、図2(c)は望遠端状態(f=61.50mm)における無限遠物体合焦時
の諸収差図である。各収差図において、FNOはFナンバーを、Yは像高をそれぞれ示す
。また、各収差図において、dはd線(λ=587.6nm)、gはg線(λ=435.
8nm)、CはC線(λ=656.3nm)、FはF線(λ=486.1nm)における
収差をそれぞれ示す。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し
、破線はメリディオナル像面を示している。以上、収差図の説明は他の実施例においても
同様である。
【0084】
そして、各収差図より、第1実施例では、広角端状態から望遠端状態にわたっての各焦
点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有していることがわかる
。その結果、第1実施例のズームレンズZL1を搭載することにより、デジタルスチルカ
メラCAMにおいても、優れた光学性能を確保することができる。
【0085】
(第2実施例)
以下、本願の第2実施例について図3〜図4および表2を用いて説明する。図3は第2
実施例に係るズームレンズZL(ZL2)の断面およびズーム軌道を示す図である。なお
、第2実施例のズームレンズZL2は、第2レンズ群G2〜第4レンズ群G4の一部の形
状を除いて第1実施例のズームレンズZL1と同様の構成であり、各部に第1実施例の場
合と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0086】
第2実施例の第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凹形状の第
1の負レンズL21と、両凹形状の第2の負レンズL22と、両凸形状の正レンズL23
とから構成される。第3レンズ群G3は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状
の第1の正レンズL31と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL32と、
両凸形状の第2の正レンズL33とから構成される。また、第3レンズ群G3の第1の正
レンズL31における物体側のレンズ面が非球面となっている。第4レンズ群G4は、光
軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL41と、両凹形状の負レンズL
42とから構成される。第4レンズ群G4の負レンズL42は、正レンズL41の像面I
側に空気間隔を介して配置される。また、第4レンズ群G4の正レンズL41における物
体側のレンズ面が非球面となっている。
【0087】
下の表2に、第2実施例における各諸元を示す。なお、表2における第1面〜第26面
の曲率半径Rは、図3における第1面〜第26面に付した符号R1〜R26に対応してい
る。また、第2実施例において、第13面および第19面の各レンズ面は非球面形状に形
成されている。
【0088】
(表2)
[全体諸元]
ズーム比=13.28
広角端 中間焦点距離 望遠端
f=4.63 25.00 61.50
FNO=3.47 5.24 6.10
ω=42.30 9.20 3.69
Y=3.50 4.05 4.05
BF=0.400 0.400 0.400
TL=43.300 55.141 65.199
[レンズ諸元]
N R D nd νd
1 56.6215 1.0246 1.922860 20.88
2 33.4397 1.7903 1.497820 82.57
3 -103.5169 0.1000
4 21.0388 1.9979 1.729160 54.61
5 48.7444 (D5)
6 -70.7880 0.7186 1.883000 40.66
7 5.6866 1.9000
8 -19.9020 0.6000 1.883000 40.66
9 15.1586 0.4000
10 11.4098 1.3583 1.945950 17.98
11 -490.2556 (D11)
12 ∞ 0.4500 (絞りS)
13* 5.0795 1.5309 1.677900 54.89
14 -204.9622 0.7748
15 9.6996 0.6000 2.000690 25.46
16 4.3732 0.4373
17 10.7905 1.8182 1.497820 82.57
18 -28.9052 (D18)
19* 16.9034 1.7715 1.773770 47.25
20 -32.1228 0.2518
21 -26.8909 0.6000 1.846660 23.80
22 182.5440 (D22)
23 ∞ 0.2100 1.516330 64.14
24 ∞ 0.3900
25 ∞ 0.5000 1.516330 64.14
26 ∞
[非球面データ]
第13面
κ=0.6210,A4=-3.52091E-04,A6=-6.99485E-06,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00
第19面
κ=1.0000,A4=2.24029E-05,A6=2.12428E-06,A8=-7.86881E-08,A10=1.91369E-09
[可変間隔データ]
広角端 中間焦点距離 望遠端
f=4.6301 24.9998 61.4990
D5=0.9356 15.1545 21.8060
D11=13.2196 2.0216 0.7500
D18=5.8446 5.4441 20.5198
D22=3.6761 12.8974 2.5000
[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 13.2196
G2 6 -5.5740
G3 13 10.4531
G4 19 28.5913
[条件式対応値]
f3a=7.3333
f3b=-8.4334
f3c=16.0275
条件式(1) (R42a+R41b)/(R42a−R41b)=-11.2794
条件式(2) f3/fw=2.2576
条件式(3) (−f3b)/f3=0.8068
条件式(4) f3/f4=0.3656
条件式(5) (−f2)/fw=1.2039
条件式(6) TLt/ft=1.0602
条件式(7) D1/fw=1.0611
条件式(8) f3c/f3a=2.1856
条件式(9) (−f2)/f1=0.1594
【0089】
このように本実施例では、上記条件式(1)〜(9)が全て満たされていることが分か
る。
【0090】
図4(a)〜(c)は、第2実施例に係るズームレンズZLの諸収差図である。ここで
、図4(a)は広角端状態(f=4.63mm)における無限遠物体合焦時の諸収差図であ
り、図4(b)は中間焦点距離状態(f=25.00mm)における無限遠物体合焦時の諸
収差図であり、図4(c)は望遠端状態(f=61.50mm)における無限遠物体合焦時
の諸収差図である。そして、各収差図より、第2実施例では、広角端状態から望遠端状態
にわたっての各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有して
いることがわかる。その結果、第2実施例のズームレンズZL2を搭載することにより、
デジタルスチルカメラCAMにおいても、優れた光学性能を確保することができる。
【0091】
(第3実施例)
以下、本願の第3実施例について図5〜図6および表3を用いて説明する。図5は第3
実施例に係るズームレンズZL(ZL3)の断面およびズーム軌道を示す図である。なお
、第3実施例のズームレンズZL3は、第1実施例のズームレンズZL1と同様の構成で
あり、各部に第1実施例の場合と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0092】
下の表3に、第3実施例における各諸元を示す。なお、表3における第1面〜第26面
の曲率半径Rは、図5における第1面〜第26面に付した符号R1〜R26に対応してい
る。また、第3実施例において、第13面および第19面の各レンズ面は非球面形状に形
成されている。
【0093】
(表3)
[全体諸元]
ズーム比=13.18
広角端 中間焦点距離 望遠端
f=4.64 26.42 61.17
FNO=3.44 5.09 6.13
ω=42.16 8.69 3.71
Y=3.50 4.05 4.05
BF=0.550 0.546 0.532
TL=42.760 56.117 64.812
[レンズ諸元]
N R D nd νd
1 51.3271 0.8000 1.922860 20.88
2 31.2400 2.6500 1.497820 82.57
3 -178.5385 0.1000
4 22.5055 2.0500 1.729160 54.61
5 62.7756 (D5)
6 -313.8859 0.7000 1.883000 40.66
7 5.3812 2.1000
8 -35.2565 0.6000 1.883000 40.66
9 11.7404 0.4000
10 9.5680 1.4000 1.945950 17.98
11 61.9775 (D11)
12 ∞ 0.7000 (絞りS)
13* 4.9052 1.5000 1.773770 47.25
14 79.3207 0.8000
15 10.9134 0.5000 2.000690 25.46
16 4.0389 0.3500
17 7.9088 1.5000 1.497820 82.57
18 -27.7252 (D18)
19* 17.9009 1.8000 1.773770 47.25
20 -37.8473 0.2000
21 -23.5026 0.6000 1.846660 23.80
22 -191.9692 (D22)
23 ∞ 0.2100 1.516330 64.14
24 ∞ 0.3100
25 ∞ 0.5000 1.516330 64.14
26 ∞
[非球面データ]
第13面
κ=0.5664,A4=-1.72762E-04,A6=-4.46945E-06,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00
第19面
κ=1.0000,A4=4.70223E-05,A6=5.74660E-07,A8=2.14665E-09,A10=8.73283E-10
[可変間隔データ]
広角端 中間焦点距離 望遠端
f=4.6443 26.4158 61.1730
D5=0.9000 15.9330 22.0994
D11=12.4583 1.7867 0.4999
D18=5.1924 5.5906 19.6169
D22=3.8891 12.4912 2.2935
[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 35.4501
G2 6 -5.5409
G3 13 10.0697
G4 19 30.3936
[条件式対応値]
f3a=6.6983
f3b=-6.6494
f3c=12.5362
条件式(1) (R42a+R41b)/(R42a−R41b)=-4.2769
条件式(2) f3/fw=2.1682
条件式(3) (−f3b)/f3=0.6603
条件式(4) f3/f4=0.3313
条件式(5) (−f2)/fw=1.1931
条件式(6) TLt/ft=1.0595
条件式(7) D1/fw=1.2058
条件式(8) f3c/f3a=1.8715
条件式(9) (−f2)/f1=0.1563
【0094】
このように本実施例では、上記条件式(1)〜(9)が全て満たされていることが分か
る。
【0095】
図6(a)〜(c)は、第3実施例に係るズームレンズZLの諸収差図である。ここで
、図6(a)は広角端状態(f=4.64mm)における無限遠物体合焦時の諸収差図であ
り、図6(b)は中間焦点距離状態(f=26.41mm)における無限遠物体合焦時の諸
収差図であり、図6(c)は望遠端状態(f=61.17mm)における無限遠物体合焦時
の諸収差図である。そして、各収差図より、第3実施例では、広角端状態から望遠端状態
にわたっての各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有して
いることがわかる。その結果、第3実施例のズームレンズZL3を搭載することにより、
デジタルスチルカメラCAMにおいても、優れた光学性能を確保することができる。
【0096】
(第4実施例)
以下、本願の第4実施例について図7〜図8および表4を用いて説明する。図7は第4
実施例に係るズームレンズZL(ZL4)の断面およびズーム軌道を示す図である。なお
、第4実施例のズームレンズZL4は、第3レンズ群G3の一部の形状と、第5レンズ群
G5を設けた点を除いて第1実施例のズームレンズZL1と同様の構成であり、各部に第
1実施例の場合と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。第4実施例のズームレンズ
ZL4は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と
、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、絞りSと、正の屈折力を有する第3レンズ群
G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5
とから構成される。
【0097】
第4実施例の第3レンズ群G3は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の第
1の正レンズL31と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL32と、両凸
形状の第2の正レンズL33とから構成される。また、第3レンズ群G3の第1の正レン
ズL31における物体側のレンズ面が非球面となっている。第5レンズ群G5は、両凸形
状の正レンズL51から構成される。なお、第5レンズ群G5と像面Iとの間には、ロー
パスフィルタや赤外カットフィルタ等から構成されるフィルタ群FLが配設される。
【0098】
第4実施例のズームレンズZL4において、広角端状態(W)から望遠端状態(T)へ
の変倍(ズーミング)の際、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が増加し、第
2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群
G4との間隔が変化するように、第1〜第4レンズ群G1〜G4がそれぞれ光軸に沿って
移動するが、第5レンズ群G5は固定される。またこのとき、第4レンズ群G4が一旦物
体側に移動した後に像面I側へ移動するようになっている。
【0099】
下の表4に、第4実施例における各諸元を示す。なお、表4における第1面〜第28面
の曲率半径Rは、図7における第1面〜第28面に付した符号R1〜R28に対応してい
る。また、第4実施例において、第13面および第19面の各レンズ面は非球面形状に形
成されている。
【0100】
(表4)
[全体諸元]
ズーム比=13.22
広角端 中間焦点距離 望遠端
f=4.63 26.47 61.19
FNO=3.41 5.09 6.12
ω=42.24 8.67 3.71
Y=3.50 4.05 4.05
BF=0.400 0.400 0.400
TL=43.085 56.725 65.267
[レンズ諸元]
N R D nd νd
1 51.8195 0.8000 1.922860 20.88
2 33.1460 2.6500 1.497820 82.57
3 -122.9969 0.1000
4 22.0228 2.0500 1.729160 54.61
5 56.1881 (D5)
6 -192.5506 0.7000 1.883000 40.66
7 5.5050 2.1000
8 -23.3257 0.6000 1.883000 40.66
9 14.9697 0.4000
10 11.0068 1.4000 1.945950 17.98
11 156.1078 (D11)
12 ∞ 0.7000 (絞りS)
13* 4.8040 1.5000 1.773770 47.25
14 -184.4232 0.8000
15 11.2518 0.5000 2.000690 25.46
16 3.8933 0.3500
17 8.6127 1.5000 1.497820 82.57
18 -56.4796 (D18)
19* 18.0841 1.8000 1.773770 47.25
20 -31.6581 0.2500
21 -18.4533 0.6000 1.846660 23.80
22 -67.8833 (D22)
23 55.8891 1.5000 1.497820 82.57
24 -188.4870 0.9235
25 ∞ 0.2100 1.516330 64.14
26 ∞ 0.3100
27 ∞ 0.5000 1.516330 64.14
28 ∞
[非球面データ]
第13面
κ=0.2554,A4=5.02982E-05,A6=-1.03335E-06,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00
第19面
κ=1.0000,A4=7.76527E-05,A6=-5.02374E-07,A8=9.19007E-08,A10=-9.37411E-10
[可変間隔データ]
広角端 中間焦点距離 望遠端
f=4.6346 26.4713 61.1932
D5=0.9000 15.9330 22.0994
D11=12.4583 1.7867 0.4999
D18=5.1924 5.5906 19.6169
D22=1.8910 10.7715 0.4073
[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 35.3921
G2 6 -5.62309
G3 13 10.0812
G4 19 28.8447
G5 23 76.5036
[条件式対応値]
f3a=6.0719
f3b=-6.1584
f3c=15.1275
条件式(1) (R42a+R41b)/(R42a−R41b)=-3.7949
条件式(2) f3/fw=2.1752
条件式(3) (−f3b)/f3=0.6109
条件式(4) f3/f4=0.3495
条件式(5) (−f2)/fw=1.2133
条件式(6) TLt/ft=1.0666
条件式(7) D1/fw=1.2083
条件式(8) f3c/f3a=2.4914
条件式(9) (−f2)/f1=0.1589
【0101】
このように本実施例では、上記条件式(1)〜(9)が全て満たされていることが分か
る。
【0102】
図8(a)〜(c)は、第4実施例に係るズームレンズZLの諸収差図である。ここで
、図8(a)は広角端状態(f=4.63mm)における無限遠物体合焦時の諸収差図であ
り、図8(b)は中間焦点距離状態(f=26.47mm)における無限遠物体合焦時の諸
収差図であり、図8(c)は望遠端状態(f=61.19mm)における無限遠物体合焦時
の諸収差図である。そして、各収差図より、第4実施例では、広角端状態から望遠端状態
にわたっての各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有して
いることがわかる。その結果、第4実施例のズームレンズZL4を搭載することにより、
デジタルスチルカメラCAMにおいても、優れた光学性能を確保することができる。
【0103】
以上、各実施例によれば、高画素の電子撮像素子に適し、高変倍比を有しながら、小型
で優れた光学性能を有するズームレンズおよび撮像装置(デジタルスチルカメラ)を実現
することができる。
【0104】
なお、上述の実施形態において、以下に記載の内容は、光学性能を損なわない範囲で適
宜採用可能である。
【0105】
上述の各実施例において、ズームレンズとして4群および5群構成を示したが、6群等
の他の群構成にも適用可能である。また、最も物体側にレンズまたはレンズ群を追加した
構成や、最も像側にレンズまたはレンズ群を追加した構成でも構わない。また、レンズ群
とは、変倍時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を
示す。
【0106】
また、単独または複数のレンズ群、または部分レンズ群を光軸方向に移動させて、無限
遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群としてもよい。この合焦レンズ群は、
オートフォーカスにも適用することができ、オートフォーカス用の(超音波モーター等を
用いた)モーター駆動にも適している。特に、第4レンズ群を合焦レンズ群とするのが好
ましい。
【0107】
また、レンズ群または部分レンズ群を光軸に垂直な方向の成分を持つように移動させ、
または、光軸を含む面内方向に回転移動(揺動)させて、手ブレによって生じる像ブレを
補正する防振レンズ群としてもよい。特に、第3レンズ群の少なくとも一部を防振レンズ
群とするのが好ましい。また、第3レンズ群全体を防振レンズ群とするのがより好ましい

【0108】
また、レンズ面は、球面または平面で形成されても、非球面で形成されても構わない。
レンズ面が球面または平面の場合、レンズ加工および組立調整が容易になり、加工および
組立調整の誤差による光学性能の劣化を防げるので好ましい。また、像面がずれた場合で
も描写性能の劣化が少ないので好ましい。レンズ面が非球面の場合、非球面は、研削加工
による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面
に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれの非球面でも構わない。また、レン
ズ面は回折面としてもよく、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)あるいはプ
ラスチックレンズとしてもよい。
【0109】
また、開口絞りは第3レンズ群近傍に配置されるのが好ましいが、開口絞りとしての部
材を設けずに、レンズの枠でその役割を代用してもよい。
【0110】
また、各レンズ面には、フレアやゴーストを軽減し高コントラストの高い光学性能を達
成するために、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施してもよい。
【0111】
また、本実施形態のズームレンズ(変倍光学系)は、変倍比が14程度である。
【0112】
また、本実施形態のズームレンズをデジタルスチルカメラに使用しているが、これに限
られるものではなく、デジタルビデオカメラ等の撮像装置にも使用することができる。
【符号の説明】
【0113】
CAM デジタルスチルカメラ(撮像装置)
ZL ズームレンズ
G1 第1レンズ群 G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
L31 第1の正レンズ L32 負レンズ
L33 第2の正レンズ
G4 第4レンズ群
L41 正レンズ L42 負レンズ
S 絞り I 像面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力
を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4
レンズ群とを有するズームレンズであって、
広角端状態から望遠端状態への変倍の際、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間
隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が変化し、前記第4レンズ群
が一旦物体側に移動した後に像側へ移動し、
前記第3レンズ群は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、第1の正レンズと、負レン
ズと、第2の正レンズとを有し、
前記第4レンズ群は、第1レンズ成分と、前記第1レンズ成分の像側に空気間隔を介し
て配置される第2レンズ成分とを有していることを特徴とするズームレンズ。
【請求項2】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
−11.5<(R42a+R41b)/(R42a−R41b)<−3.5
但し、
R41b:前記第4レンズ群の前記第1レンズ成分における最も像側のレンズ面の近軸
曲率半径、
R42a:前記第4レンズ群の前記第2レンズ成分における最も物体側のレンズ面の近
軸曲率半径。
【請求項3】
以下の条件式をそれぞれ満足することを特徴とする請求項1または2に記載のズームレ
ンズ。
2.0<f3/fw<3.0
0.6<(−f3b)/f3<1.0
但し、
f3:前記第3レンズ群の焦点距離、
fw:前記ズームレンズの広角端状態における焦点距離、
f3b:前記第3レンズ群の前記負レンズの焦点距離。
【請求項4】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のズー
ムレンズ。
0.3<f3/f4<0.6
但し、
f3:前記第3レンズ群の焦点距離、
f4:前記第4レンズ群の焦点距離。
【請求項5】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のズー
ムレンズ。
1.0<(−f2)/fw<1.5
但し、
f2:前記第2レンズ群の焦点距離、
fw:前記ズームレンズの広角端状態における焦点距離。
【請求項6】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のズー
ムレンズ。
1.0<TLt/ft<1.2
但し、
TLt:前記ズームレンズの望遠端状態における全長、
ft:前記ズームレンズの望遠端状態における焦点距離。
【請求項7】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のズー
ムレンズ。
1.0<D1/fw<1.6
但し、
D1:前記第1レンズ群の光軸上の厚さ、
fw:前記ズームレンズの広角端状態における焦点距離。
【請求項8】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のズー
ムレンズ。
1.5<f3c/f3a<2.5
但し、
f3c:前記第3レンズ群の前記第2の正レンズの焦点距離、
f3a:前記第3レンズ群の前記第1の正レンズの焦点距離。
【請求項9】
前記第4レンズ群の前記第1レンズ成分が正レンズからなり、
前記第4レンズ群の前記第2レンズ成分が負レンズからなり、
前記正レンズおよび前記負レンズのうち少なくとも一方が非球面を有することを特徴と
する請求項1から8のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項10】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のズー
ムレンズ。
0.1<(−f2)/f1<0.2
但し、
f2:前記第2レンズ群の焦点距離、
f1:前記第1レンズ群の焦点距離。
【請求項11】
物体の像を所定の面上に結像させるズームレンズを備えた撮像装置であって、
前記ズームレンズが請求項1から10のいずれか一項に記載のズームレンズであること
を特徴とする撮像装置。
【請求項12】
光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有す
る第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ
群とを配置するズームレンズの製造方法であって、
広角端状態から望遠端状態への変倍の際、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間
隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が変化し、前記第4レンズ群
が一旦物体側に移動した後に像側へ移動し、
前記第3レンズ群は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、第1の正レンズと、負レン
ズと、第2の正レンズとを有し、
前記第4レンズ群は、第1レンズ成分と、前記第1レンズ成分の像側に空気間隔を介し
て配置される第2レンズ成分とを有するようにしたことを特徴とするズームレンズの製造
方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−44815(P2013−44815A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180958(P2011−180958)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】