説明

セレクチン阻害のための方法および組成物

本発明は、抗炎症物質の分野に関すものであり、より詳細にはセレクチンとして知られる哺乳動物の接着蛋白質のアンタゴニストとして作用する新規化合物に関する。
いくつかの実施形態において、セレクチン媒介障害の処置方法であって、式(I):



[式中、構成要素の可変基は本明細書中と同意義である]
の化合物を投与することを含む方法を提供する。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、抗炎症物質の分野に関すものであり、より詳細にはセレクチンとして知られる哺乳動物の接着蛋白質のアンタゴニストとして作用する新規化合物に関する。
【0002】
(発明の背景)
血管炎症の初期段階において、血流中の白血球および血小板は、脈管内皮への接着およびローリング作用により減速する。この分子テザーリング事象は、セレクチンとして知られるカルシウム依存性のまたは「C型」のレクチンファミリーが白血球表面のリガンドと特異的に結合することより媒介される。また、セレクチン媒介細胞間接着の有害な誘発が原因となる可能性があるいくつかの病態、例えば、自己免疫障害、血栓症障害、寄生虫病および腫瘍細胞の転移拡大が存在する。
【0003】
セレクチン蛋白質の細胞外ドメインは、N末端レクチン様ドメイン、上皮成長因子様ドメインおよび複数個の短いコンセンサスリピートにより特徴付けられる。P−セレクチン(以前はPADGEMまたはGMP−140として知られていた)、E−セレクチン(以前はELAM−1として知られていた)およびL−セレクチン(以前はLAM−1として知られていた)を含む3つのヒトセレクチン蛋白質が確認されている。E−セレクチンの発現は、炎症誘発サイトカインによる転写活性化を介して内皮細胞上に誘導される。L−セレクチンは、白血球上に構成的に発現され、リンパ球のホーミングに重要な役割を果たすと考えられる。P−セレクチンは、血小板のアルファ顆粒および内皮細胞のヴァイベル‐パラーデ(Weibel−Palade)小体中に蓄えられており、炎症誘発刺激に応答してこれらの細胞型の表面にすばやく発現することができる。セレクチンは、白血球表面上のリガンド分子との特異的な相互作用を通じて接着を媒介する。一般に、セレクチンのリガンドは、少なくとも一部に炭水化物部分を含む。例えば、E−セレクチンは以下の末端構造:
【化1】

を有する炭水化物に結合し、さらに以下の末端構造:
【化2】

[式中、Rは炭水化物鎖の残余部である]
を有する炭水化物に結合する。これらの炭水化物は血液型抗原として知られており、一般に、それぞれシリアル・ルイスX(Sialyl Lewis X)およびシリアル・ルイスaとして示される。内皮細胞表面上にシリアル・ルイスX抗原のみ存在する場合、E−セレクチン発現細胞への結合を促進するのに十分である。E−セレクチンはまた、末端構造:
【化3】

を有する炭水化物と結合する。
【0004】
E−セレクチンと同様に、各々のセレクチンは、さまざまな親和性にて一連の炭水化物と結合を示す。セレクチン媒介接着事象の強さ(結合親和性)は、細胞表面のセレクチンの濃度および環境にも依存し得る。
【0005】
GlyCAM−1、CD34、ESL−1およびPSGL−1を含む構造上異なる糖蛋白質リガンドは、著しく高い親和性でセレクチンに結合する。PSGL−1は、白血球の事実上全てのサブセットに発現されるムチン様ホモ二量体糖蛋白質であり、3個のセレクチンそれぞれにより認識される。しかしながら、PSGL−1は、白血球上の著しく高い親和性を有するP−セレクチンリガンドであるという点で独特である。P−セレクチンのPSGL−1に対する高親和性結合には、PSGL−1ポリペプチドのアニオン性N末端内にO−グリカンを含むSlexと1つまたはそれ以上のチロシン硫酸残基の両方が必要とされる(Sako, D.ら、Cell 1995; 82(2): 323-331; Pouyani, N.ら、Cell 1995; 82(2): 333-343; Wilkins, P.P.ら、J. Biol. Chem. 1995; 270:39 22677-22680を参照のこと、それぞれ出展明示によりその全てを本発明の一部とする)。L−セレクチンもまた、PSGL−1のN末端領域を認識し、P−セレクチン硫酸化依存性結合と同様の必要条件を要する。E−セレクチンのリガンド要求性は、それがPSGL−1および他の糖蛋白質のグルカンを含むSlexに結合し得る時ほど厳密でないと考えられる。P−セレクチンノックアウトおよびP/Eセレクチンの二重ノックアウトマウスが血中において向上されたレベルの好中球を示した事実にもかかわらず、これらのマウスは障害性DTH反応および遅延チオグリコレート誘導腹膜炎(TIP)応答を示した(renette, P.S.ら、Thromb Haemost 1997; 78:1, 60-64を参照のこと、出展明示によりその全てを本発明の一部とする)。rPSGL−IgなどのPSGL−1の可溶型は、多数の動物モデルにおいて有効性を示した(Kumar, A.ら、Circulation. 1999, 99(10) 1363-1369; Takada, M.ら、J. Clin. Invest. 1997, 99(11), 2682-2690; Scalia, R.ら、Circ Res. 1999, 84(1), 93-102を参照のこと、それぞれ出展明示によりその全てを本発明の一部とする)。
【0006】
さらに、P−セレクチンリガンド蛋白質およびそれをコードする遺伝子が同定さた。米国特許第5,840,679号を参照のこと、出展明示によりその全てを本発明の一部とする。P−セレクチン/LDLR欠損マウスにより説明されるように、P−セレクチンの阻害は、アテローム性動脈硬化症の処置に有用な標的を示している(Johnson, R.C.ら、J. Clin. Invest. 1997 99 1037-1043を参照のこと、出展明示によりその全てを本発明の一部とする)。アテローム性動脈硬化症損傷の部位でP−セレクチン発現の増加が報告されており、P−セレクチン発現の規模は、損傷の大きさと相関があるようである。P−セレクチンに媒介される単球の接着は、アテローム性動脈硬化性プラークの進行の一因とである思われる(Molenaar, T.J.M.ら、Biochem. Pharmacol. 2003 (66) 859-866を参照のこと、出展明示によりその全てを本発明の一部とする)。炎症および接着過程を含む数多くの重要な生物学的過程、並びにアテローム性動脈硬化症などの障害におけるセレクチンの役割が認められる、セレクチン活性により特徴付けられるか、またはセレクチン活性に関係する多種類の疾病および障害の処置に有用となる新しいセレクチン阻害剤がについての持続した必要性がある。本発明は、これらの目的に限らず他の重要な目的にも関する。
【0007】
(発明の開示)
1つの態様において、本発明は、セレクチン媒介細胞間接着過程により特徴付けられる症状を有する哺乳動物を処置するための化合物および方法を提供する。1つの態様において、本発明は、式(I):
【化4】


[式中:
およびWは、それらが結合している原子と一緒になって5員もしくは6員炭素環式または複素環式環を形成し、それらは飽和、一部飽和または芳香族性であってよく、並びに水素、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、OC1−6アルキル、OC1−6ペルハロアルキル、ハロゲン、チオアルキル、CN、OH、SH、(CHOSOH、(CHSOH、(CHCO、OSO、SO、SO、PO、(CHSONR、(CHC(=O)NR、NR、C(=O)R12、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、OC(=O)アリール、OC(=O)ヘテロシクロ、Oアリール、Oヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、OC(=O)アリールアルキル、Oアリールアルキル、アルケニル、アルキニルおよびNHCORから独立して選択される3個までの基で置換されていてもよく、ここで、前記アルキル、Oアルキル、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、O−C(=O)アリール、O−C(=O)ヘテロシクロ、O−アリール、O−ヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、O−C(=O)アリールアルキル、O−アリールアルキル、アルケニルまたはアルキニルはいずれも、ハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびCNから選択される3個までの置換基で置換されることがあってもよいく;
Lは、COH、そのエステルまたは医薬上許容される酸模擬体であり;
Yは、O、(CRまたはNRであり;
n’は、0または1であり;
pは、1〜3であり;
Xは、水素、OH、OR、OC1−6アルキル、OC(=O)−アリール、OC(=O)C1−6アルキル、OC(=O)OC1−6アルキルまたはNR3’であり;
各々R1、およびRは、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、OC1−6アルキル、OC1−6ペルハロアルキル、ハロゲン、チオアルキル、CN、OH、SH、(CHOSOH、(CHSOH、(CHCO、OSO、SO、PO、(CHSONR、(CHC(=O)NR、NR、C(=O)R12、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、OC(=O)アリール、OC(=O)ヘテロシクロ、Oアリール、Oヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、OC(=O)アリールアルキル、Oアリールアルキル、アルケニル、アルキニルおよびNHCORであり(ここで、前記アルキル、Oアルキル、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、O−C(=O)アリール、O−C(=O)ヘテロシクロ、O−アリール、O−ヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、O−C(=O)アリールアルキル、O−アリールアルキル、アルケニルまたはアルキニルはいずれも、ハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびCNから選択される3個までの置換基で置換されることがあってもよく;
各々RおよびRは、独立して、水素、またはOH、CF、SHもしくはハロゲンから選択される3個までの置換基で置換されることあるC1−6アルキルであり;
各々R、RおよびRは、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、チオアルキル、OH、(CHOSOH、(CHSO10、(CHCO10、SO10、PO1011、(CHSO(CHNR1011、(CHCONR1011、COR10、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、OC(=O)アリール、OC(=O)ヘテロシクロ、Oアリール、Oヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、OC(=O)アリールアルキル、Oアリールアルキル、アルケニルまたはアルキニルであり、ここで、前記アルキル、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、OC(=O)アリール、OC(=O)ヘテロシクロ、Oアリール、Oヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、OC(=O)アリールアルキル、Oアリールアルキル、アルケニルまたはアルキニルはいずれも、ハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキルまたはCNから選択される3個までの置換基で置換されることがあってもよく;
各々のnは、0〜6の整数から独立して選択され;
各々のlは、1〜6の整数から独立して選択され;
各々R10およびR11は、独立して、水素、またはOH、CF、SHもしくはハロゲンから選択される3個までの置換基で置換されることあるC1−6アルキルから選択され;
各々のR12独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、OC1−6アルキル、OC1−6ペルハロアルキル、チオアルキル、OH、(CHOSOH、(CHSOH、(CHCO、(CHSONR、(CHC(=O)NR、NR、アルケニル、アルキニルまたはNHCORであり(ここで、前記アルキル、Oアルキル、アルケニルまたはアルキニルはいずれも、ハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキルまたはCNから選択される3個までの置換基で置換されることがあってもよく;および
Zは、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロシクロであり(ここで、各々の前記アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルおよびヘテロシクロは、置換されることがある)]
を有する、該方法において有用な化合物を提供する。
【0008】
いくつかの好ましい実施形態において、化合物は、式(II):
【化5】

II
[式中:
結合aおよび結合bは、それぞれ独立して単結合または二重結合であってよく;
、Q、QおよびQは、それぞれ独立して、CR2’、CHR2’、NまたはNR13であり;
kは、0または1であり;
各々R2’は、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、OC1−6アルキル、OC1−6ペルハロアルキル、ハロゲン、チオアルキル、CN、OH、SH、(CHOSOH、(CHSOH、(CHCO、OSO、SO、PO、(CHSONR、(CHC(=O)NR、NR、C(=O)R12、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、OC(=O)アリール、OC(=O)ヘテロシクロ、Oアリール、Oヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、OC(=O)アリールアルキル、Oアリールアルキル、アルケニル、アルキニルまたはNHCORであり、ここで、前記アルキル、Oアルキル、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、O−C(=O)アリール、O−C(=O)ヘテロシクロ、O−アリール、O−ヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、O−C(=O)アリールアルキル、O−アリールアルキル、アルケニルまたはアルキニルはいずれも、ハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキルまたはCNから選択される3個までの置換基で置換されることがあってもよい;および
各々のR13は、それぞれ独立して、水素、C(=O)R20、SO20、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、チオアルキル、OH、(CHOSOH、(CHSO10、(CHCO10、SO10、PO1011、(CHSO(CHNR1011、(CHCONR1011、COR10、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、OC(=O)アリール、OC(=O)ヘテロシクロ、Oアリール、Oヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、OC(=O)アリールアルキル、Oアリールアルキル、アルケニルまたはアルキニルであり、ここで、前記アルキル、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、OC(=O)アリール、OC(=O)ヘテロシクロ、Oアリール、Oヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、OC(=O)アリールアルキル、Oアリールアルキル、アルケニルまたはアルキニルはいずれも、ハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキルまたはCNから選択される3個までの置換基で置換されることがあってもよく;
各々のR20は、独立して、C1−10アルキル、OC1−10アルキルおよびNRからなる群より選択され;
およびR、L、X、Y、n’およびZは、前記と同意義である]
を有する。
【0009】
いくつかの好ましい実施形態において、下記の式(III):
【化6】

III
に示されるように、置換基(Y)n’−Z、XおよびLは、キノリンの2位、3位および4位にてそれぞれ結合されている。
【0010】
いくつかの実施形態において、kは1であり、結合aおよびbはそれぞれ単結合である。さらなる実施形態において、kは1であり、結合aおよびbはそれぞれ単結合であり、Q、Q、QおよびQは、それぞれ独立してCHR2’、好ましくはCHである。
【0011】
いくつかの実施形態において、kは0であり、結合aは単結合であり、並びにQ、QおよびQはそれぞれ独立してCHR2’、好ましくはCHである。
【0012】
いくつかの実施形態において、kは0であり、結合aは単結合であり、並びにQはNR13、好ましくはNHであり、好ましくは式中QおよびQはそれぞれCHである。
【0013】
いくつかの実施形態において、kは1であり、結合aおよびbはそれぞれ二重結合であり、並びにQ、Q、QおよびQはそれぞれCR2’、好ましくはCHである。
【0014】
いくつかの実施形態において、Q、QおよびQはCHであり;kは1であり、並びにQはNR13である。
【0015】
いくつかの実施形態において、n’は0である。他の実施形態において、n’は1である。いくつかの実施形態において、式中n’は1であり、YはCRであり、好ましくはCHであり、好ましくは、式中のXはOHである。好ましくは、LはCOHまたはそのエステルである。
【0016】
いくつかの実施形態において、n’は0であり、XはOHであり、好ましくは、式中のLはCOHまたはそのエステルである。
【0017】
いくつかの実施形態において、Zは:
(a)N、SまたはOから選択される1〜3個の環ヘテロ原子を含む5員複素環式環;ここで、前記5員複素環式環は、ハロゲン、C1−10アルキル、OC1−10アルキル、NO、NH、CN、CFまたはCOHから選択される1〜3個の置換基で置換されることがある;
(b)N、SまたはOから選択される1〜3個の環ヘテロ原子を含む6員複素環式環;ここで、前記6員複素環式環は、ハロゲン、C1−10アルキル、OC1−10アルキル、CHO、COH、C(=O)R20、SO20、NO、NH、CN、CFまたはOHから選択される1〜3個の置換基で置換されることがある;
(c)NまたはOから選択される1〜3個の環ヘテロ原子を含むことある二環式環部分;ここで、前記二環式環部分は、ハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、CHO、NO、NH、CN、CF、COH、C(=O)R20、SO20またはOHから選択される1〜3個の置換基で置換されることがある;または
(d)ベンジル、ナフチルまたはフェニル環、そのそれぞれがハロゲン、C1−6アルキル、フェニル、ベンジル、Oフェニル、Oベンジル、SONH、SONH(C1−6アルキル)、SON(C1−6アルキル)、CHCOOH、COH、COMe、COEt、COiPr、C(=O)NH、C(=O)NH(C1−6アルキル)、C(=O)N(C1−6アルキル)、OH、SC1−6アルキル、OC1−6アルキル、NO、NH、CFまたはCNから選択される1〜3個の置換基で置換されることがある
から選択される。
さらなる実施形態において、Rおよび各々のR2’は、独立して水素、C1−6アルキル、C1−6 ペルハロアルキル、OC1−6アルキル、OC1−6ペルハロアルキル、ハロゲン、チオアルキル、CN、OH、SH、(CHOSOH、(CHSOH、(CHCO、OSO、SO、PO、(CHSONR、(CHC(=O)NR、NR、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)R12、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、OC(=O)アリール、OC(=O)ヘテロシクロ、Oアリール、Oヘテロシクロ、C(=O)アリールアルキル、OC(=O)アリールアルキル、Oアリールアルキル、アルケニル、アルキニルまたはNHCORである。
【0018】
いくつかの好ましい実施形態において、Zはフェニルまたは置換されたフェニルである。
【0019】
さらなる好ましい実施形態において、本発明の化合物は、式(IV):
【化7】

IV
[式中:
n’は、0または1であり;
は、水素、ハロゲン、OH、CN、SH、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C1−6チオアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
ここで、前記アリールおよび前記ヘテロアリールは、ハロゲン、OH、CN、SH、NH、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキルまたはC1−6チオアルキルから選択される3個までの置換基でそれぞれ置換されることがあってもよく;および
ここで前記C1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびC1−6チオアルキルは、ハロゲン、OH、CN、SH、NH、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキルまたはC1−6チオアルキルから選択される3個までの置換基でそれぞれ置換されることがあってもよい;
23は、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、前記アリールおよび前記ヘテロアリールは、ハロゲン、OH、CN、SH、NH、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキルまたはC1−6チオアルキルから選択される3個までの置換基でそれぞれ置換されることがあってもよく;および
式中R24およびR25は、一緒になって、−(CH−、−(CH−、−(CH−NH−、−(CH−NH−CH−または−CH=CH−CH=CH−を形成し、それらはいずれも、ハロゲン、OH、CN、SH、NH、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C(=O)R20、SO20およびC1−6チオアルキルからなる群より選択される3個までの置換基で置換されてもよい]
を有する。
【0020】
いくつかの実施形態において、R23は置換されていることあるアリールであり、好ましくは置換されていることあるフェニルである。好ましくは、フェニルはその4位にて、好ましくはハロゲン、OH、CN、SH、NH、CH、OCH、CFまたはOCFから選択される置換基、好ましくはハロゲンまたはOCF3、より好ましくはClまたはOCFから選択される置換基により置換される。
【0021】
いくつかの実施形態において、R24およびR25は一緒になって置換されていない−(CH−、−(CH−、−(CH−NH−、−(CH−NH−CH−または−CH=CH−CH=CH−を形成する。
【0022】
いくつかの好ましい実施形態において、RはHであり;R24およびR25は一緒になって置換されていない−(CH−を形成する。さらなる好ましい実施形態において、RはHであり;R24およびR25は一緒になって置換されていない−(CH−を形成する。さらなる好ましい実施形態において、RはHであり;R24およびR25は一緒になって置換されていない−(CH−NH−を形成する。さらにより好ましい実施形態において、RはHであり;R24およびR25は一緒になって置換されていない−CH=CH−CH=CH−を形成する。いくつかのさらなる実施形態において、RはHであり;R24およびR25は一緒になって置換されることある−(CH−NH−CH−を形成する。
【0023】
いくつかの好ましい実施形態において、本発明は、化合物、2−(4−クロロ−フェニル)−3−ヒドロキシ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−(4−クロロ−フェニル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;3−ヒドロキシ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;8−(4−クロロ−ベンジル)−7−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−アザ−シクロペンタ[a]ナフタレン−6−カルボン酸;8−(4−クロロ−ベンジル)−7−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−h]キノリン−6−カルボン酸;2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;トリエチルアンモニウム7,8−ベンゾ−2−(4−クロロフェニル)−3−ヒドロキシキノリン−4−カルボキシレート;2−(3,4−ジクロロベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;3−ヒドロキシ−2−(チオフェン−2−イルメチル)−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−(ベンゾ[b]チオフェン−3−イルメチル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−(2−クロロベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−(3−クロロベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;3−ヒドロキシ−2−[2−(3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)]−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;3−ヒドロキシ−2−(チオフェン−3−イルメチル)−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;3−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イルメチル)−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−(5−クロロベンゾ[b]チオフェン−3−イルメチル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;3−ヒドロキシ−2−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−(4−シアノ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−(4−カルボキシ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−(4−カルバモイル−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−ベンジル−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;3−ヒドロキシ−2−フェネチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−9−イソプロピル−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;9−ベンジル−2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;2−(4−クロロ−ベンジル)−9−エチル−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;9−アセチル−2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;9−カルバモイル−2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;9−ベンゾイル−2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;9−ベンゾイル−3−ベンゾイルオキシ−2−(4−クロロ−ベンジル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−9−メタンスルホニル−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,10−ジヒドロ−8H−[1,9]フェナントロリン−4,9−ジカルボン酸9−エチルエステル;2−(4−クロロ−ベンジル)−3−エトキシカルボニルオキシ−7,10−ジヒドロ−8H−[1,9]フェナントロリン−4,9−ジカルボン酸9−エチルエステル;2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−9−フェニルアセチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−9−(プロパン−2−スルホニル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;2−(4−クロロ−ベンジル)−3−メトキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;3−ヒドロキシ−2−ピペリジン−4−イル−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;または2−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸を提供する。
【0024】
本発明に従って、医薬上有効な量の本発明の化合物、および医薬上許容される担体または賦形剤を含む組成物も提供する。
【0025】
本発明はまた、本明細書中に記載の化合物の使用方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、哺乳動物におけるセレクチン媒介細胞間接着の阻害方法であって、本発明の化合物の有効量をその哺乳動物に投与することを含む方法を提供する。
【0026】
さらなる実施形態において、本発明は、哺乳動物における疾病、障害、病状または望ましくない過程に関連するセレクチン媒介細胞間接着を阻害する方法であって、本発明の化合物の有効量をその哺乳動物に投与することを含む方法を提供する。
【0027】
いくつかの好ましい実施形態において、疾病、障害、病状または望ましくない過程は、炎症、感染、転移、望ましくない免疫過程または望ましくない血栓症の過程である。
【0028】
いくつかの好ましい実施形態において、疾病、障害、病状または望ましくない過程は、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、心筋梗塞、レイノルズ症候群(Reynauld’s syndrome)、炎症性腸疾患、変形性関節症、急性呼吸不全症候群、喘息、気腫、遅延型過敏性反応、熱傷、実験的アレルギー性脳脊髄炎、外傷に伴う二次的な多臓器損傷症候群、好中球性皮膚症(スウィート病)、糸球体腎炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、壊死性腸炎、サイトカイン誘導毒性(cytokine-induced toxicity)、歯肉炎、歯周炎、溶血性尿毒症症候群、乾癬、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、多発性硬化症、関節リウマチ、グレーヴズ病、血液透析または白血球搬出に関する処置の免疫学的媒介副作用、顆粒球輸血関連症候群、深部静脈血栓症、不安定狭心症、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、癌転移、限定するものではないが、鎌状赤血球貧血またはうっ血性心不全を含む鎌状症候群である。
【0029】
いくつかの実施形態において、疾病、障害、病状または望ましくない過程は、バクテリア、ウイルスまたは寄生虫により媒介される望ましくない感染の過程、例えば歯肉炎、歯周炎、溶血性尿毒症症候群または顆粒球輸血関連症候群である。
【0030】
さらなる実施形態において、疾病、障害、病状または望ましくない過程は癌転移である。
【0031】
さらなる実施形態において、疾病、障害、病状または望ましくない過程は、望ましくない免疫過程に伴う疾病または障害、例えば乾癬、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、多発性硬化症、関節リウマチ、グレーヴズ病および血液透析または白血球搬出に関する処置の免疫学的媒介副作用である。
【0032】
さらなる実施形態において、疾病、障害、病状または望ましくない過程は、望ましくない血栓症の過程に伴う症状、例えば深部静脈血栓症、不安定狭心症、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患またはうっ血性心不全である。
【0033】
さらなる実施形態において、本発明は、移植臓器における望ましくない免疫過程の改善方法であって、その臓器に本発明の化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0034】
いくつかの実施形態において、本発明は、例えば鎌状赤血球貧血などの鎌状症候群の症候を処置または改善する方法であって、それを必要とする患者に本発明の化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0035】
いくつかのさらなる実施形態において、本発明は、ヒト、哺乳動物または動物が、セレクチン媒介細胞間接着を伴う疾病または障害のバイオマーカーを有することを確認し;前記ヒト、哺乳動物または動物に本明細書中に記載の化合物の治療上有効な量を投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、バイオマーカーは、1つまたはそれ以上のCD40、CD40リガンド、MAC−1、TGFベータ、ICAM、VCAM、IL−1、IL−6、IL−8、エオタキシン(Eotaxin)、RANTES、MCP−1、PlGF、CRP、SAAおよび血小板単球凝集物(platelet monocyte aggregtates)である。
【0036】
(詳細な記載)
本発明は、いくつかの実施形態において、セレクチン媒介細胞間接着を拮抗する方法および化合物を提供する。かかる細胞間接着の妨害または予防は、様々な疾患および障害の処置においても、同様の疾患および障害の1つまたはそれ以上の症状の改善においても有用である。従って、いくつかの実施形態において、本発明は、哺乳動物におけるセレクチン媒介細胞間接着の阻害方法であって、特にかかるセレクチン媒介細胞間接着は、哺乳動物における疾病、障害、病状または望ましくない過程と関連しており、その哺乳動物に本発明の化合物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0037】
本発明の方法によい改善する疾病、障害、病状または望ましくない過程には、望ましくないセレクチン媒介細胞間接着により全てもしくは部分的に特徴付けられるすべての疾病、障害、病状または望ましくない過程、例えば、炎症、感染(例えば、歯肉炎、歯周炎、溶血性尿毒症症候群および顆粒球輸血関連症候群などを含む、バクテリア、ウイルスまたは寄生虫により媒介されるもの)、転移(例えば、癌に関連するもの)、望ましくない免疫過程および望ましくない血栓症の過程が含まれる。前記の例に限定するものではなく、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、心筋梗塞、レイノルズ症候群、炎症性腸疾患、変形性関節症、急性呼吸不全症候群、喘息、気腫、遅延型過敏性反応、火傷または凍傷などの熱傷、実験的アレルギー性脳脊髄炎、外傷に伴う二次的な多臓器損傷症候群、好中球性皮膚症(スウィート病)、糸球体腎炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、壊死性腸炎、サイトカイン誘導性毒性、歯肉炎、歯周炎、溶血性尿毒症症候群、乾癬、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、多発性硬化症、関節リウマチ、グレーヴズ病、血液透析または白血球搬出に関する処置の免疫学的媒介副作用、顆粒球輸血関連症候群、深部静脈血栓症、不安定狭心症、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、脳卒中およびうっ血性心不全が含まれる。
【0038】
感染過程にはセレクチン媒介細胞間接着が含まれる。従って、本発明はまた、哺乳動物における望ましくない感染過程を処置または予防する方法であって、本発明の化合物を前記哺乳動物に投与することを含む方法を提供する。感染は、バクテリア、ウイルスまたは寄生虫により媒介される場合たあり、その感染過程の例として歯肉炎、歯周炎、溶血性尿毒症症候群および顆粒球輸血関連症候群が含まれる。
【0039】
セレクチン媒介細胞間接着に伴う疾病および障害のさらなる例として、癌の転移、並びに望ましくない免疫過程に関係する疾病および障害、例えば乾癬、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、多発性硬化症、関節リウマチ、グレーヴズ病および血液透析または白血球搬出に関する処置の免疫学的媒介副作用が含まれる。
【0040】
さらなる例として、臓器移植された臓器の拒絶反応の可能性を最小限に抑えるために、患者が免疫抑制治療を通常受ける臓器移植におけるものが挙げられる。かかる治療的投薬計画に使用される代表的な免疫抑制剤には、シクロスポリン、ラパマシンおよびタクロリムスが含まれる。本発明のいくつかの実施形態において、本発明の化合物は臓器移植を受ける患者に1つまたはそれ以上の免疫抑制剤とともに投与することができる。従って、いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、例えば、移植前の患者、移植後の患者、または移植前もしくは移植後の移植される臓器それ自体に直接(例えば、灌流により)、あるいはいずれかの組合せにて本化合物を投与することによって、移植用臓器に投与することができる。従って、好ましい実施形態において、本発明の化合物は1つまたはそれ以上の免疫抑制剤と共に臓器に投与することができる;すなわち、本化合物を免疫抑制剤と同時に投与するか、または免疫抑制剤が臓器もしくは患者に有効な量で存在している間いつでも投与することができる。
【0041】
本発明の方法に感受的なセレクチン媒介細胞間接着を伴う過程のさらなる例には、望ましくない血栓症の過程、例えば深部静脈血栓症、不安定狭心症、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患またはうっ血性心不全に伴う症状が含まれる。
【0042】
本発明の化合物はまた、鎌状赤血球貧血などの鎌状症候群の処置における使用および1つまたはそれ以上のかかる障害の症候の改善おける使用が認められる。
【0043】
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、前記疾病および/または障害の処置において他の治療剤と組み合わせ投与される場合の使用が認められる。例えば、いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、血管疾病、例えば、CAD(冠状動脈疾患、限定するものではないが、急性冠症候群(例えば、心筋梗塞(MI)および発作))、PAD(末梢動脈障害)を含む末梢血管疾患および深部静脈血栓症の患者に、抗血小板薬、例えばプラヴィックスもしくはアスピリンおよび/またはスタチンなどの脂質モジュレーターと一緒に有益に投与することができる。
【0044】
本発明の化合物は、当分野にて既知のバイオマーカーに関与する疾病および障害の処置における使用がさらに認められる。限定するものではないが、バイオマーカーは、例えばCD40、CD40リガンド、MAC−1、TGFベータ、ICAM、VCAM、IL−1、IL−6、IL−8、エオタキシン、RANTES、MCP−1、PlGF、CRPおよびSAA、並びに血小板単球凝集物が含まれる。
【0045】
概して、本方法は、処置を必要とする哺乳動物に式(I) 式(II)、式(III)、式(IV)の化合物、または式(I)、式(II)、式(III)もしくは式(IV)の化合物を含む組成物を投与することを含む。いくつかの好ましい実施形態に従って、本発明の方法は、式(I):
【化8】


[式中、構成要素の可変基は本明細書に定義したとおりである]
を有する1個またはそれ以上の化合物を投与することを含む。
【0046】
いくつかの実施形態において、WおよびWは、それらが結合している原子と一緒になって、前記のように置換されることある5員炭素環式環または6員炭素環式環を形成する。さらなる実施形態において、WおよびWは、それらが結合している原子と一緒になって、前記のように置換されることある、例えば、3個または4個までのヘテロ原子有する5員または6員複素環式環を形成し、ここでヘテロ原子またはヘテロ原子(群)は、O、N、SまたはNR13、例えばピロリジン、ピロリン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、イミダゾリン、テトラヒドロイミダゾール、ジヒドロピラゾール、テトラヒドロピラゾール、オキサゾリン、ピペリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、モルホリン、チオキサン、チオモルホリン、ピロール、ポルフィリン、フラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イソオキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピランもしくはトリアジンから独立して選択される。式中のWおよびWは、それらが結合している原子と一緒になって飽和環、例えばピペリジン環を形成することに留意されるべきであり、WとWとの間の結合は不飽和のままであると理解される。
【0047】
いくつかの好ましい実施形態に従って、本発明の方法は、式(II):
【化9】

II
[式中、構成要素の可変基は本明細書に定義したとおりである]
を有する1個またはそれ以上の化合物を投与することを含む。
【0048】
本発明の化合物および方法のいくつかの実施形態において、YはCR、好ましくはCHであり、より好ましくはXはOHである。いくつかの特に好ましい実施形態において、YはCHであり、XはOHであり、Zはアリール、より好ましくはフェニルまたは置換されたフェニルである。いくつかの特に好ましい実施形態において、Zは4位で置換されたフェニルである。いくつかの実施形態において、その4位の置換基は小さい疎水基、例えばハロゲン、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、OC1−6アルキル、OC1−6ペルハロアルキル、C1−6チオアルキル、CN、アルキルスルホンアミドまたはモノ−もしくはジ−アルキルアミンである。
【0049】
いくつかの好ましい実施形態において、好ましくは、限定するものではないが、式中のYはCHであり、XはOHであり、並びにZはフェニルまたは前記のように置換されたフェニルであり、Rは小さい疎水基、例えばハロゲン、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、OC1−6アルキル、OC1−6ペルハロアルキル、C1−6チオアルキル、CN、C1−6アルキルスルホンアミド、C1−6モノ−またはジ−アルキルアミンあるいは8個までの炭素原子を有するアリールまたは置換されたアリールであり、ここで置換基はハロゲン、C1−10アルキル、OC1−10アルキル、CHO、COH、NO、NH、CN、CFおよび−OHから選択される。
【0050】
いくつかの好ましい実施形態において、下記の式(III):
【化10】

III
に示されるように、置換基(Y)n’−Z、XおよびLは、キノリンの2位、3位および4位にそれぞれ結合している。
【0051】
いくつかの実施形態において、kは1であり、結合aおよびbはそれぞれ単結合である。さらなる実施形態において、kは1であり、結合aおよびbはそれぞれ単結合であり、並びにQ、Q、QおよびQは、それぞれ独立してCHR2’、好ましくはCHである。
【0052】
いくつかの実施形態において、kは0であり、結合aは単結合であり、並びにQ、QおよびQはそれぞれ独立してCHR2’、好ましくはCHである。
【0053】
いくつかの実施形態において、kは0であり、結合aは単結合であり、並びにQはNR13、好ましくはNHであり、好ましくは式中のQおよびQはそれぞれCHである。
【0054】
いくつかの実施形態において、kは1であり、結合aおよびbはそれぞれ二重結合であり、並びにQ、Q、QおよびQはそれぞれCR2’、好ましくはCHである。
【0055】
いくつかの実施形態において、n’は0である。他の実施形態において、n’は1である。いくつかの実施形態において、式中n’は1であり、YはCR、好ましくはCHであり、好ましくは、式中のXはOHである。好ましくは、LはCOHまたはそのエステルである。
【0056】
いくつかの実施形態において、n’は0であり、XはOHであり、好ましくは、式中のLはCOHまたはそのエステルである。
【0057】
いくつかの実施形態において、Zが:
(a)N、SまたはOから選択される1〜3個の環ヘテロ原子を含む5員複素環式環;ここで、前記5員複素環式環は、ハロゲン、C1−10アルキル、OC1−10アルキル、NO、NH、CN、CFまたはCOHから選択される1〜3個の置換基で置換されることがある;
(b)N、SまたはOから選択される1〜3個の環ヘテロ原子を含む6員複素環式環;ここで、前記6員複素環式環は、ハロゲン、C1−10アルキル、OC1−10アルキル、CHO、COH、C(=O)R20、SO20、NO、NH、CN、CFおよびOHから選択される1〜3個の置換基で置換されることがある;
(c)NまたはOから選択される1〜3個の環ヘテロ原子を含むことある二環式環部分;ここで、前記二環式環部分は、ハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、CHO、NO、NH、CN、CF、COH、C(=O)R20、SO20またはOHから選択される1〜3個の置換基で置換されることがある;または
(d)ベンジル、ナフチルまたはフェニル環、そのそれぞれがハロゲン、C1−6アルキル、フェニル、ベンジル、Oフェニル、Oベンジル、SONH、SONH(C1−6アルキル)、SON(C1−6アルキル)、CHCOOH、COH、COMe、COEt、COiPr、C(=O)NH、C(=O)NH(C1−6アルキル)、C(=O)N(C1−6アルキル)、OH、SC1−6アルキル、OC1−6アルキル、NO、NH、CFまたはCNから選択される1〜3個の置換基で置換されることがある
から選択される。
【0058】
さらなる実施形態において、Rおよび各々のR2’は、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、OC1−6アルキル、OC1−6ペルハロアルキル、ハロゲン、チオアルキル、CN、OH、SH、(CHOSOH、(CHSOH、(CHCO、OSO、SO、PO、(CHSONR、(CHC(=O)NR、NR、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)R12、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、OC(=O)アリール、OC(=O)ヘテロシクロ、Oアリール、Oヘテロシクロ、C(=O)アリールアルキル、OC(=O)アリールアルキル、Oアリールアルキル、アルケニル、アルキニルまたはNHCORである。
【0059】
いくつかの好ましい実施形態において、Zはフェニルまたは置換されたフェニルである。
【0060】
さらなる好ましい実施形態において、本発明の化合物は、式(IV):
【化11】

IV
[式中:
n’は、0または1であり;
は、H、ハロゲン、OH、CN、SH、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C1−6チオアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
ここで、前記アリールおよび前記ヘテロアリールは、ハロゲン、OH、CN、SH、NH、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキルまたはC1−6チオアルキルから選択される3個までの置換基でそれぞれ置換されることがあってもよく;および
ここで前記C1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびC1−6チオアルキルは、ハロゲン、OH、CN、SH、NH、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキルまたはC1−6チオアルキルから選択される3個までの置換基でそれぞれ置換されることがあってもよい
23は、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、前記アリールおよび前記ヘテロアリールは、ハロゲン、OH、CN、SH、NH、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキルまたはC1−6チオアルキルから選択される3個までの置換基でそれぞれ置換されることがあってもよい;および
式中R24およびR25は、一緒になって、−(CH−、−(CH−、−(CH−NH−、−(CH−NH−CH−または−CH=CH−CH=CH−を形成し、それらはいずれもハロゲン、OH、CN、SH、NH、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C(=O)R20、SO20およびC1−6チオアルキルからなる群より選択される3個までの置換基で置換されてもよい]
を有する。
【0061】
いくつかの実施形態において、R23は置換されることあるアリールであり、好ましくは置換されていることあるフェニルである。好ましくは、フェニルはその4位にて、好ましくはハロゲン、OH、CN、SH、NH、CH、OCH、CFおよびOCF、好ましくはハロゲンおよびOCFからなる群より選択される置換基により、好ましくはClまたはOCFにより置換される。
【0062】
いくつかの実施形態において、R24およびR25は、一緒になって置換されていない−(CH−、−(CH−、−(CH−NH−、−(CH−NH−CH−または−CH=CH−CH=CH−を形成する。
【0063】
いくつかの好ましい実施形態において、RはHであり;並びにR24およびR25は、一緒になって置換されていない−(CH−を形成する。さらなる好ましい実施形態において、RはHであり;並びにR24およびR25は、一緒になって、置換されていない−(CH−を形成する。さらなる好ましい実施形態において、RはHであり;並びにR24およびR25は一緒になって、置換されていない−(CH−NH−を形成する。さらにより好ましい実施形態において、RはHであり;並びにR24およびR25は、一緒になって置換されていない−CH=CH−CH=CH−を形成する。いくつかのさらなる実施形態において、RはHであり;並びにR24およびR25は、一緒になって、置換されることある−(CH−NH−CH−を形成する。
【0064】
いくつかの好ましい実施形態において、本発明は、化合物、2−(4−クロロ−フェニル)−3−ヒドロキシ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−(4−クロロ−フェニル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;3−ヒドロキシ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;8−(4−クロロ−ベンジル)−7−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−アザ−シクロペンタ[a]ナフタレン−6−カルボン酸;8−(4−クロロ−ベンジル)−7−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−h]キノリン−6−カルボン酸;2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;トリエチルアンモニウム7,8−ベンゾ−2−(4−クロロフェニル)−3−ヒドロキシキノリン−4−カルボキシレート;2−(3,4−ジクロロベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;3−ヒドロキシ−2−(チオフェン−2−イルメチル)−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−(ベンゾ[b]チオフェン−3−イルメチル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−(2−クロロベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−(3−クロロベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;3−ヒドロキシ−2−[2−(3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)]−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;3−ヒドロキシ−2−(チオフェン−3−イルメチル)−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;3−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イルメチル)−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−(5−クロロベンゾ[b]チオフェン−3−イルメチル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;3−ヒドロキシ−2−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−(4−シアノ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−(4−カルボキシ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−(4−カルバモイル−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−ベンジル−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;3−ヒドロキシ−2−フェネチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−9−イソプロピル−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;9−ベンジル−2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;2−(4−クロロ−ベンジル)−9−エチル−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;9−アセチル−2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;9−カルバモイル−2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;9−ベンゾイル−2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;9−ベンゾイル−3−ベンゾイルオキシ−2−(4−クロロ−ベンジル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−9−メタンスルホニル−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,10−ジヒドロ−8H−[1,9]フェナントロリン−4,9−ジカルボン酸9−エチルエステル;2−(4−クロロ−ベンジル)−3−エトキシカルボニルオキシ−7,10−ジヒドロ−8H−[1,9]フェナントロリン−4,9−ジカルボン酸9−エチルエステル;2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−9−フェニルアセチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−9−(プロパン−2−スルホニル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;2−(4−クロロ−ベンジル)−3−メトキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;3−ヒドロキシ−2−ピペリジン−4−イル−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;または2−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸を提供する。
【0065】
式(I)、(II)、(III)および(IV)の化合物は、1個またはそれ以上のキラル中心を有し、エナンチオマーまたはジアステレオマーとして存在し得ることが理解されよう。本発明は、そのようなエナンチオマー、ジアステレオマーおよびラセミ体を含むその混合物すべてに及ぶと解されるべきである。
【0066】
本発明はまた、本明細書中に記載の化合物のすべての起こりうるプロトンおよび非プロトン型、並びにその溶媒和物、互変異性体および医薬上許容される塩を含むと考えられる。
【0067】
いくつかの実施形態において、置換基LはCOH、そのエステルまたは医薬上許容される酸模擬体である。本明細書中にて用いる用語「酸模擬体」は、生体分子における酸性官能基を擬態する部分を含むことを意味する。かかる酸模擬体の例は当分野で既知であり、限定するものではないが、OHおよび以下:
【化12】


[式中、
は、−CF、CH、フェニルまたはベンジルから選択され、ここでフェニルまたはベンジルは、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6チオアルキル、−CF、ハロゲン、−OHまたはCOOHから選択される3個までの基により置換されることがある;
は、−CF、−CH、−NH、フェニルまたはベンジルから選択され、ここで、フェニルまたはベンジルは、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6チオアルキル、−CF、ハロゲン、−OHまたはCOOHから選択される3個までの基により置換されることがある;および
は、−CFまたはC1−6アルキルから選択される]
で示されるものを含む。
【0068】
本化合物のエステル型(例えば、LがCOHのエステルである化合物)は、動物体内にて、例えば遊離カルボン酸型などの遊離酸型に代謝され得るエステル型を含む当分野で既知の医薬上許容されるエステル型を含み、例えば対応するアルキルエステル(例えば、1〜10個の炭素原子を有するアルキル)、シクロアルキルエステル(例えば、3〜10個の炭素原子を有する)、アリールエステル(例えば、6〜20個の炭素原子を有する)およびそれらの複素環式類似化合物(例えば、3〜20個の環原子を有し、その1〜3個は酸素、窒素および硫黄ヘテロ原子から選択することができる)が本発明に従って使用可能であり、アルキルエステル、シクロアルキルエステルおよびアリールエステルが好ましく、アルコール残基はさらなる置換基を運ぶことができる。C−Cアルキルエステル、好ましくはC−Cアルキルエステル、例えばメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステル、イソペンチルエステル、neo−ペンチルエステル、ヘキシルエステル、シクロプロピルエステル、シクロプロピルメチルエステル、シクロブチルエステル、シクロペンチルエステル、シクロヘキシルエステルまたはアリールエステル、例えばフェニルエステル、ベンジルエステルもしくはトリルエステルが特に好ましい。
【0069】
本明細書中にて用いる、1つの基または基の一部としての用語「アルキル」は、例えば1〜20個、例えば1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐および環式炭化水素を含む炭化水素基であり、例えば、限定するものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、n−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、シクロペンチル、シクロペンチルメチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル,およびその類似物を含む炭化水素基を意味する。本明細書全般にわたり、用語「アルキル」は非環式炭化水素基および環式炭化水素基の両方を含むことを意味すると解されるべきである。本発明の化合物のいくつかの実施形態において、アルキル基は非環式である。さらなる実施形態において、アルキル基は環式であり、さらなる実施形態において、アルキル基は、環式および非環式の両方である。
【0070】
本発明の化合物および方法のアルキル基は、1個のハロゲンから過ハロゲン化までの置換を含む場合がある。いくつかの実施形態において、ペルフルオロ基が好ましい。ハロゲンで置換されることあるアルキル基の例として、CF、CHCF、CCl、CHCHCFCH、CH(CFおよび(CH−CFCClが含まれる。
【0071】
本明細書中にて用いる用語「アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合を含む、例えば、2〜20個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、例えば、限定するものではないが、ビニル、アリル、2−メチル−アリル、4−ブタ−3−エニル、4−ヘキサ−5−エニル、3−メチル−ブタ−2−エニル、シクロヘキサ−2−エニルおよびその類似物を意味する。
【0072】
本明細書中にて用いる用語「アルキニル」は、少なくとも1つの三重結合を含む、例えば、2〜20個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、例えば、限定するものではないが、ブタ−1−イン、プロピン、ペンタ−2−イン、エチニル−シクロヘキシルおよびその類似物を意味する。
【0073】
前記定義したアルキル、アルケニルおよびアルキニル基はまた、置換されることがあってもよく、すなわち、それらはさらなる置換基を有することができる。いくつかの好ましい置換基には、ヒドロキシ、アルコキシ(すなわち、O−アルキルであり、好ましくはO−C1−6アルキル)、モノ−、ジ−またはトリハロアルコキシ(例えば、Xがハロゲンである−O−CX)、−(CHNHおよび−(CHNHBocが含まれる。
【0074】
本明細書中の様々な箇所にて、本発明の化合物の置換基を、群または範囲で明らかにしている。本発明は、かかる群および範囲のメンバーの、各々および個々それぞれの部分的組合せを特に含むものとする。例えば、用語「C1−6アルキル」は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルなどを個々に特に明示する。本明細書中にて用いる用語「ハロゲン」は、F、Cl、BrおよびIを含む、通常のVII族の元素を意味する。
【0075】
本明細書中にて用いる用語「炭素環式環」は、飽和、一部飽和または芳香族環系を意味し、その環原子はそれぞれ炭素である。
【0076】
本明細書中にて用いる、1つの基または基の一部としての用語「アリール」は、芳香族性 炭化水素系、例えばフェニル、ナフチル、フェナントレニル、アセトラセニル、ピレニルおよび類似物を意味し、例えば、6〜20個の、好ましくは6〜10個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、アリール基は、それぞれナフチルまたはフェニル環であり、その各々がハロゲン、C−Cアルキル、フェニル、ベンジル、O−フェニル、O−ベンジル、−SONH、−SONH(C1−6アルキル)、SON(C1−6アルキル)、CHCOOH、COH、COMe、COEt、COiPr、C(=O)NH、C(=O)NH(C−C)、C(=O)N(C−C、OH、SC1−6アルキル、OC1−6アルキル、NO、NH、CF、OCFまたはCNから選択される1〜3個の置換基により置換されることがある。
【0077】
本明細書中にて用いる用語「アリールアルキル」は、アリールおよびアルキルが前記定義を有する、式−アルキル−アリールの基を意味している。いくつかの実施形態において、アリールアルキル基は、ハロゲン、C1−6アルキル、フェニル、ベンジル、Oフェニル、Oベンジル、SONH、SONH(C1−6アルキル)、SON(C1−6アルキル)、CHCOOH、COH、COMe、COEt、COiPr、C(=O)NH、C(=O)NH(C1−6アルキル)、C(=O)N(C1−6アルキル)、OH、SC1−6アルキル、OC1−6アルキル、NO、NH、CF、OCFまたはCNから選択される1〜3個の置換基により置換されることがあるベンジル基である。
【0078】
本明細書中にて用いる、1つの基または基の一部としての用語「ヘテロシクロ」は、O、NおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子(すなわち、非炭素)を含み、例えば3〜20個の環原子を含むモノ−またはバイ−環式環系を意味する。ヘテロシクロ基には、完全飽和および一部飽和の環式ヘテロ原子−含有部分(例えば、二重結合不含か、1個またはそれ以上の二重結合を含む)が含まれる。かかる完全および一部飽和の環式非芳香族基はまた、本明細書中にて包括的に「ヘテロシクロアルキル」基として示される。ヘテロシクロ基はまた、少なくとも1個の芳香族環を含む環式ヘテロ原子−含有部分を含む。かかる完全および一部芳香族部分はまた、本明細書中にて包括的に「ヘテロアリール」基として示される。いくつかの実施形態において、ヘテロシクロ基は:
(a)限定するものではないが、フラン、イミダゾール、イミダゾリジン、イソチアゾール、イソオキサゾール、オキサチアゾール、オキサゾール、オキサゾール、オキサゾリン、ピラゾール、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロール、ピロリジン、ピロリン、チアゾリンまたはチオフェンにより例示される、N、SまたはOから選択される1〜3個の環ヘテロ原子を含む5員複素環式環であり、ハロゲン、C1−10アルキル、好ましくはC1−6アルキル、OC1−10アルキル、好ましくはOC1−6アルキル、NO、NH、CN、CF、COHから選択される1〜3個の置換基により置換されることがある5員複素環式環;または
(b)限定するものではないが、モルホリン、オキサジン、ピペラジン、ピペリジン、ピラン、ピラジン、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、チアジアジンまたはチアジンにより例示される、N、SまたはOから選択される1〜3個の環ヘテロ原子を含む6員複素環式環であり、ハロゲン、C1−10アルキル、OC1−10アルキル、CHO、COH、C(=O)R20、SO20、NO、NH、CN、CFまたはOHから選択される1〜3個の置換基により置換されることがある6員複素環式環;または
(c)限定するものではないが、ベンゾジオキシン、ベンゾジオキソール、ベンゾフラン、クロメン、シンノリン、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、ナフタレン、ナフチリジン、フタラジン、プリン、キナゾリン、キノリン,またはキノリジンにより例示される、NまたはOから選択される1〜3個の環ヘテロ原子を含む二環式環部分であり、ハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、CHO、NO、NH、CN、CF、COH、C(=O)R20、SO20またはOHから選択される1〜3個の置換基により置換されることがある二環式環部分
である。
【0079】
本発明による化合物は、無機酸および有機酸を含む医薬上許容される酸から調製される医薬上許容される酸付加塩を含む、医薬上許容される塩として存在させることができる。そのような酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、ジクロロ酢酸、蟻酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩化水素酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、シュウ酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸およびその類似物が含まれる。医薬上許容される塩のさらに代表的な例は、Journal of Pharmaceutical Science、66、2 (1977)にて見出すことができ、出展明示により本発明の一部とする。本発明の化合物を1当量またはそれ以上の当量の適当な反応塩基と反応させて、塩基性塩を調製することもできる。脱プロトン化に利用できる酸性水素の数に依存してがモノアニオンおよびポリアニオン塩のいずれも、考えられる。適当な塩基は、天然の有機または無機のいずれかであってよい。例えば、NaHCO、NaCO、KHCO、KCO、CsCO、LiOH、NaOH、KOH、NaHPO、NaHPO、NaPOなどの無機塩基が適切である。アミン、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、種々の環式アミン(例えば、ピロリジン、ピペリジンなど)および他の有機アミンを含む有機塩基が適切である。第4級アルキルアンモニウム塩は、本発明の化合物を適当な反応性の有機求電子剤(例えば、ヨウ化メチルまたはエチルトリフレート)と反応させて調製することもできる。本明細書中に記載の化合物は、リポソームの形状にて投与することも可能である。当分野にて既知であるように、リポソームは一般にリン脂質または他の脂質物質から誘導され、水性溶媒中にて分散された単一膜または多重膜水和液晶から形成される。リポソーム形成可能な、毒性のない医薬上許容される脂質を使用することができる。
【0080】
本発明に従ったリポソーム含有組成物は、式(I)、(II)、(III)または(IV)の化合物に加えて、安定剤、保存剤、賦形剤およびその類似物を含むことができる。好ましい脂質には、ホスファチジルコリン(レシチン)を含む、天然および合成のいずれのリン脂質も含まれる。リポソーム形成の方法は、当分野にて周知であり、当業者にであろう。
【0081】
本発明はまた、プロドラッグ型の式(I)、(II)、(III)および(IV)の化合物のも包含する。一般的には、本発明の化合物に生理学的に変化しやすい基を含ませることが、胃液、血漿にさらされた場合、または適当な内因性酵素または反応性物質が存在するいずれかの組織もしくは画分中にある場合に、所望の化合物が再生されるであろう。生理学的に変化しやすい基の限定しない1つの例として、式(I)、(II)、(III)または(IV)の化合物のカルボン酸のアルキルエステルを含む。このようなエステルは、胃では胃液によって、または血漿中では種々の内因性エステラーゼによって、遊離酸に対して加水分解を受けることが知られている。さらなる非限定的な例としては、Gは、肝臓もしくは胃における代謝酵素により取り除かれるアルキル基である式O−Gの基で式(II)または(III)中のX基が置換されたものか、または天然のアミノ酸のアルファカルボキシル基もしくはアミノ基を除去後に残った部分で置換されたものがある、。生理学的に変化し易い機能性を与えるそのような全ての構造は、本明細書中で用いられるプロドラックの定義の範囲内である。
【0082】
酸または塩基付加塩は、化合物合成の直接の生成物として得ることができる。別法として、遊離塩基は適当な酸または塩基を含む適切な溶媒に溶かすことができ、塩は溶媒を蒸発させるか、別の方法で塩と溶媒を分離することにより単離することができる。本発明の化合物は、当業者に既知の方法を用いて、標準的な低分子量溶媒と共に溶媒和物を形成してもよい。
【0083】
本発明の組成物は、単位投与形にて便利に投与することができ、医薬分野にて周知のいずれかの方法、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences(Mack Pub. Co., Easton, PA, 1980)(出展明示によりその全てを本発明の一部とする)に記載される方法により調製することができる。
【0084】
本発明の化合物は、薬剤中で単独の活性物質として用いるか、または化合物の治療効果を促進できる他の活性成分と一緒に用いることもできる。
【0085】
本発明の化合物またはその溶媒和物もしくは生理学的機能性誘導体は、医薬組成物中にて活性成分として、特にセレクチン阻害剤として用いることができる。用語「セレクチン阻害剤」は、細胞間接着におけるセレクチンの通常の生理機能を妨害する(すなわち、拮抗する)化合物を意味する。
【0086】
本発明の医薬組成物の関連用語「活性成分」は、一般に医薬上の利益を提供しないと認識されている不活性成分に相対する、主たる医薬上の利益を提供する医薬組成物の構成成分を意味する。用語「医薬組成物」は、少なくとも1つの活性成分を含む組成物、およびそれにより組成物の哺乳動物(例えば、限定するものではないが、ヒト)における特異的、効果的な結果のための使用を容易とする活性成分でない少なくとも1つの成分(例えば、限定するものではないが、充填剤、染色剤または徐放機能剤)を含む組成物、を意味する。
【0087】
式(I)、(II)、(III)および(IV)の化合物は、限定するものではないが、ヒトを含む哺乳動物における多発性障害の処置または予防に有用である。本発明の化合物は、経口、舌下、非経口、直腸、局所投与により、または経皮パッチにより投与することができる。経皮パッチは、薬剤の分解が最小となる有効な様式にて吸収されるように薬剤を存在させることにより、薬剤を調節された割合で調合する。典型的には、経皮パッチは、不浸透性の裏層、単一の粘着剤および取り外しライナーを使用した取り外し可能な保護層を含む。当業者の要求に基づいて、所望の効果的な経皮パッチの製造に適当な技術を問う業者であれば理解し認識されるであろう。
【0088】
本発明の化合物の種々の量は、所望の生物学的効果を達成するのに必要とされる量である。その量は、特定の化合物、使用の目的、投与方法および処置される個体の状態などの要因に依存し、それらすべての投薬要素が医薬分野にて通常の技術レベルの範囲内にある。典型的な投薬量は哺乳動物の体重1kg当たり0.001〜200mgの範囲での投薬であろう。単位投与量は、1〜200mgの本発明の化合物を含んでいてもよく、1日に1回または複数回、別々にまたは同時に投与することができる。
【0089】
本明細書中にて開示する少なくとも1つの化合物および/または医薬上許容されるその塩または溶媒和物を含む医薬組成物は、1つまたはそれ以上の担体または賦形剤と組み合わせた活性成分として使用することができる。かかる組成物は、セレクチン阻害剤が必要とされる病態の処置に使用することができる。活性成分または活性成分(群)は、単位投与製剤にて固体または液体型のいずれかで担体と組み合わせていてもよい。製剤は、いずれかの適切な方法、典型的には活性化合物(群)を液体もしくは細かく砕かれた固体担体と、またはその両方と必要とされる割合にて均等に混合し、次いで要すれば、得られた混合物を所望の形状に成形する方法により調製することができる。
【0090】
通常の賦形剤、例えば結合剤、充填剤、許容される湿潤剤、錠剤化潤滑剤および崩壊剤は、経口投与用の錠剤およびカプセル剤にて使用することができる。経口投与用の液体製剤は、溶液、エマルジョン、水性または油性懸濁液およびシロップの形状であってよい。別に、経口用製剤は、水または別の適切な液体媒体で使用の前に再構成可能な乾燥粉体の形状であってもよい。さらなる添加剤、例えば懸濁剤または乳化剤、非水性媒体(食用油を含む)、保存剤ならびに香味剤および着色剤は、液体製剤に添加することができる。非経口投与用の単位投与形は、適当なバイアルまたはアンプルに充填および密閉する前に、適切な液体媒体に本発明の化合物を溶かし、液体を滅菌濾過することにより調製できる。これらは、当分野にて周知の単位投与形を調製するための数多くの適当な方法の単なる幾つかの例示である。
【0091】
セレクチン阻害剤が、医薬組成物中にて活性成分として使用される場合、それらはヒトだけでなくヒトでない哺乳動物においても使用されることに留意する。当業者であれば、かかる状況で前記化合物の有用性を理解することは容易であると考えられる。
【0092】
本発明はまた、以下:
a)式:
【化13】

[式中、R、WおよびWは、本明細書中と同意義である]の化合物を、式:
【化14】

[式中、Acはアセチルであり、n’、YおよびZは、本明細書中と同意義である]の化合物と反応させて、Lが4位においてCOHであり、Xが3位においてOHであるところの、式(I)に相当する化合物を得る工程;
または
b) 式(I)の化合物を医薬上許容されるその塩に転換するか、またはその逆を行う工程;
または
c) 反応性置換基または部位を有する式(I)の化合物を式(I)の異なる化合物に転換する工程;
例えば、WおよびWが一緒になって少なくとも1つのNHヘテロ原子を有する複素環式環を形成する式(I)の化合物の、アシルまたはスルホニルR13基(例えば、C(=O)R20、−SO20、SO10、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、C(=O)アリールアルキル並びにC1−10アルキル、OC1−10アルキルおよびNRからなる群より選択されるR20)を含むアシル化剤を用いたアシル化(例えば、後記のスキーム29、30および31参照のこと);
または−OHまたは−NH−部分を有する式(I)の化合物のアルキル化またはアシル化(例えば、スキーム27、29および32参照のこと)
の1つを含む式(I)の化合物の調製方法を提供する。
【0093】
本発明の化合物は、種々の合成操作に従って容易に調製可能であり、その全ては当業者によく知られている。代表的な一般合成法を後記の一般スキームに示す:
【0094】
本発明の化合物を調製するための一般合成スキーム。
【化15】

【0095】
当業者は、多種多様な本発明の化合物が一般スキームにより調製できることを正しく認識するであろう。例えば、適当に置換されたフェナセチルクロリドから出発して、当業者であればキノリンの2位が多様に置換されたベンジル基を調製することができる。同様に、当業者はまた、多様に置換されたアニリンを、購入または調製可能であり、例えば式(I)に記載のような、多様に置換されたキノリン環を構成するために使用可能であることを認識する。加えて、エステル化またはいくつかの他のマスキング反応を介したカルボン酸の保護により、キノリン環上に配置された3−ヒドロキシ基を選択的にアルキル化または官能基化が可能となるであろう。
【0096】
本発明の多数の化合物の合成において、保護基は、合成の間に種々の機能性または機能性(群)を保護することを要求されることがある。多種多様な合成変換に適切な代表的な保護基は、GreeneおよびWuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 第2版、John Wiley & Sons, New York, 1991に開示されており、その開示は出展明示により本発明の一部とする。
【0097】
本発明は、特定のその好ましい実施形態に従って特異的に記載されているが、以下の実施例は、単に本発明の例証であり、これに限定されものではない。
【実施例】
【0098】
実施例
化合物の合成
本明細書中の実施例として含まれる式(I)の化合物は、以下のスキームおよび市販の出発物質からの手順に従って調製することができる。
【0099】
【化16】

【0100】
実施例1:化合物1の調製
中間体1:1−クロロ−3−(4−クロロ−フェニル)−プロパン−2−オン
200mlのエーテル中30g(158.7mmol)のp−クロロフェンアセチルクロリド溶液を氷浴中において攪拌しながら30分かけてエーテル中420mlのジアゾメタン(0.57mmol/ml)に加えた[ジアゾメタンは、Org. Syn. Coll. Vol. II 165-167ページに記載の手順を用いて調製された]。反応物を氷中で3時間、次いで、室温で一晩攪拌した。次に、無水HClの穏やかな気流を、窒素の発生が終わるまで0−4℃で約5−8分間ジアゾケトン溶液に通気した。氷浴中でさらなる1時間の後、反応物を700mlの砕いた氷の氷水に注いだ。混合物を15分攪拌し、400mlのエーテルで希釈し、有機相を750mlの5%炭酸ナトリウム溶液、次いで、500mlの半飽和塩水で洗浄た。合した有機相を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、エーテル溶液を蒸発させて、25.5gの粗中間体1を淡黄色固体として得た。粗生成物の溶液を30−35mlの塩化メチレンに溶かし、500gのシリカゲル60のフラッシュクロマトグラフィー(Merck 0.04−0.063mm)により精製した。酢酸エチル−ヘキサン 20:80を用いたカラム(40×6cm)の溶出により、21.1g(収率65.3%)の純粋な中間体1を無色結晶として得た。1H NMR (CDCl3, 300MHz), δ ppm 3.88 (s, 2 H) 4.11 (s, 2 H) 7.16 (d, J=8.59 Hz, 2 H) 7.32 (d, J=8.59 Hz , 2 H)。
【0101】
中間体2:酢酸3−(4−クロロ−フェニル)−2−オキソ−プロピルエステル
200mlのエタノール中21.1g(103.9mmol)の中間体1のゆっくり還流溶液に、100mlの水および10mlの氷酢酸中21.94g(114.3mmol、1.1当量)の酢酸セシウムを一回で添加した。3時間の還流後、反応物は最適な段階(TLC:酢酸エチル:ヘキサン 20:80、モリブデン酸アンモニウムスプレー)に達した。ほとんどのエタノールを蒸発により除去し、得られた油性混合物を2×800mlつずつの酢酸エチルおよび2×500mlの氷冷した半飽和重炭酸ナトリウム溶液の間に分配した。有機相を順番に500mlの塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧にて蒸発させた。30mlの塩化メチレン中の残渣溶液を500gシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。酢酸エチル:ヘキサン 20:80〜30:70を用いたカラムの溶出により12.09g(51.3%)の中間体2を無色結晶性固体として得た。エーテル:ヘキサンから再結晶して11.7gの純粋な中間体2を得た。1.88gの出発物質も回復した。1H NMR (CDCl3, 300MHz), δ ppm 2.16 (s, 3 H) 3.72 (s, 2 H) 4.69 (s, 2 H) 7.15 (d, J=8.59 Hz, 2 H) 7.31 (d, J=8.59 Hz, 2 H)。
【0102】
中間体3:6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[g]インドール−2,3−ジオン
Yangら、(J. Am. Chem. Soc., 1996, 118, 9557)により記載されるイサチン合成を用いた。抱水クローラル(Chloral hydrate)(3.28g、19.8mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(4.13g、59.4mmol)および硫酸ナトリウム(23g、165mmol)を500mlの丸底フラスコ中に移し、120mlの水を加えた。懸濁液を固体が溶けるまで窒素バルーン下で55℃まで加熱し、次いで、2M塩酸水溶液中の5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルアミンのエマルジョン(Aldrich、2.43g、16.5mmol)を加えた。加熱を一晩続けた。18時間後、反応混合物を室温まで冷却した。褐色の、塊状の沈殿物を濾過して収集し、水で洗浄し、一晩乾燥させて、イソニトロソアセトアニリド(soniirosoacetanilide)(3.4g)を得た。イソニトロソアセトアニリド(3.4g)を丸底フラスコ中で65℃に加熱された12.4mlの濃硫酸に攪拌しながら少しずつ添加した。そのイソニトロソをゆっくりと加えた。すべてのイソニトロソを添加した後、その紫がかった黒色溶液を85℃で10分間攪拌し、ついでビーカー中の砕いた氷に注いだ。ビーカーの外側が冷たく感じられるまでさらに氷を加えた。次いで、橙褐色沈殿物を濾過して収集し、一晩乾燥させて、イサチン(3)を得て、それを抽出して精製した。中間体(3)(5.7g)を3×400mlの熱酢酸エチルで抽出し、不溶物を捨てた。酢酸エチルを蒸発させて、3.83gの純粋な物質を得た。 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 1.74 (m, 4 H) 2.50 (m, 2 H) 2.74 (t, J=5.81 Hz, 2 H) 6.79 (d, J=7.83 Hz, 1 H) 7.23 (d, J=7.83 Hz, 1 H) 10.95 (s, 1 H)。
【0103】
2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸(化合物1)
6.8g(33.8mmol)のイサチン(3)を100℃で60mlの6N KOHに加えて5分間攪拌した後、透明黄褐色の加水分解されたイサチン溶液を得た。これに120mlの生ぬるいエタノール中13.7g(60.83mmol、1.8当量)の酢酸溶液(2)を100℃で攪拌しながら少しずつ、1.5時間かけて加えた。その透明溶液を1時間以上還流させた。室温まで冷却した後、反応物を激しく攪拌しながら300mlの水で希釈し、次いで希HCl(1:4 濃HCl:水)を1.5時間かけて非常にゆっくり加え、pH<0になるまで酸性化した。この反応物を一晩攪拌し、濾過した。粗物質を酢酸エチル:アセトニトリル:メタノール:水 70:5:2.5:2.5+0.5%トリエチルアミンに続いて酢酸エチル:アセトニトリル:メタノール:水 70:10:5:5+0.5%トリエチルアミンで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製した。トリエチルアミン塩を、500mlの酢酸エチル、および20mlの希HCl(1:5)を含む220mlの水にその塩(0.625g)を溶かして遊離酸に転化した。有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、遊離酸がちょうど無くなる小体積に濃縮し、遊離酸、カナリヤ色結晶の純粋な化合物(1)(0.512g)を得た。総収率は40.8%であった。 1H NMR (400MHz、DMSO-d6) δ ppm 1.82 (m, 4 H) 2.83 (t, J=5.56 Hz, 2 H) 3.16 (t, J=5.68 Hz, 2 H) 4.31 (s, 2 H) 7.29 (d, J=8.84 Hz, 1 H) 7.34 (s, 4 H) 8.18 (d, J=8.84 Hz, 1 H)。
【0104】
【化17】

【0105】
実施例2:化合物2の調製
中間体4:4−クロロフェナシルアセテート
この化合物は、フェナシルブロミドをフェナシルクロリドの代えて用いることを除いてCragoeら(J. Org. Chem., 1953, 18, 561)による記載のように調製された。220mlのエタノール中2−ブロモ−4’−クロロアセトフェノン(Aldrich、50g、0.21mol)懸濁液を1Lの丸底フラスコ中で調製し、110mLの水および11mlの酢酸中酢酸ナトリウム三水和物(32g、0.24mol)溶液を加えた。混合物を2.5時間還流温度で加熱し、次いで、室温まで冷却し、一晩冷蔵した。沈殿した白色結晶性物質を濾過して収集し、50%エタノール水溶液の冷溶液で1回洗浄し、減圧下で乾燥させて、純粋なフェナシルアセテート(4)(38g、収率83%)を得た。1H NMR (400MHz、CDCl3)δ ppm 2.22 (s, 3 H) 5.28 (s, 2 H) 7.46 (d, J=8.59 Hz, 2 H) 7.85 (d, J=8.59 Hz, 2 H)。
【0106】
2−(4−クロロフェニル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸(化合物2)
Cragoeら、(J. Org. Chem., 1953, 18, 561)により記載された手順に従った。80mLの6M 水酸化カリウム水溶液中6,7−シクロヘキサノイサチン(中間体3、15.0g、74.3mmol)懸濁液を還流コンデンサーを備えた1Lの三口丸底フラスコ中で調製し、100℃まで加熱した。80mlの温エタノール中4−クロロフェナシルアセテート(中間体4、19.7g、92.9mmol)溶液を1時間にわたって少しずつ加えた。この溶液を全て加えた後、反応混合物を還流温度でさらに4時間加熱した。次いで、それを室温まで冷却し、エタノールを減圧下で除去した。残渣を385mLの水で希釈し、30分間冷蔵し、濾過し、1M 塩酸水溶液でpH1まで酸性化した。その粗酸性沈殿物を濾過して収集し、真空下で乾燥させた。その酸を精製し、最初にシリカゲルカラム(フラッシュクロマトグラフィー、70 酢酸エチル:5 アセトニトリル:2.5 メタノール:2.5 水[+0.5%トリエチルアミン])で溶出して、濃く色づいた不純物のほとんどを除去した。次いで、得られたトリエチルアンモニウム塩を20%アセトニトリル/水に懸濁し、濃塩酸を加えることにより遊離酸に変換した。その酸沈殿物を再度濾過して収集し、真空下で乾燥させ、およびいくつかのバッチ中においてクロロホルム/エタノールから再結晶して、純粋な化合物(2)を淡黄色粉体として得た(3.03g、収率12%)。:1H NMR (400MHz, DMSO-D6)δ ppm 1.84 (m, 4 H) 2.85 (t, J=5.56 Hz, 2 H) 3.25 (t, J=5.56 Hz, 2 H) 7.33 (d, J=8.84 Hz, 1 H) 7.58 (d, J=8.59 Hz, 2 H) 8.15 (d, J=8.59 Hz, 2 H) 8.26 (d, J=8.84 Hz, 1 H)。
【0107】
【化18】

【0108】
実施例3:化合物3の調製
中間体5:1H−ベンゾ[G]インドール−2,3−ジオン
中間体(3)合成についての前記手順に従い、1−アミノナフタレン(10.0g、69.8mmol)を抱水クローラル(13.9g、83.8mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(17.5g、0.251mol)と硫酸ナトリウム(99g、0.70mol)存在下で反応させた。イソニトロソアセトアニリドを褐色がかった黒色固体として得た(7.09g、収率47%)。
環化も前記のように行った。反応混合物を氷上に注ぎ、それを冷蔵庫で一晩冷やした後、少量の黒色沈殿物が現れた。これを濾過して収集し、水(3×)で洗浄し、真空下で乾燥させた。濾液を記載のように酢酸エチル中に抽出し、より黒い固体を得た。いずれの試料も所望のイサチン(5)をいくらか含んでいたが、非常に不純であった(2.19g、収率34%)。
【0109】
トリエチルアンモニウム7,8−ベンゾ−2−(4−クロロフェニル)−3−ヒドロキシキノリン−4−カルボキシレート(化合物3)
化合物(2)合成についての前記手順に従い、中間体(5)(2.19g、11.1mmol)を4−クロロフェナシルアセテート(中間体(4)、2.95g、13.9mmol)と反応させた。粗酸をシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(70 酢酸エチル:5 アセトニトリル:2.5 メタノール:2.5 水[+0.5%トリエチルアミン])により精製した。生成物は十分に純粋ではなかったため、Discovery Analytical Chemistry(分取HPLC、アセトニトリル/水/トリエチルアミン)により再精製した。凍結乾燥後、生成物である化合物(3)をトリエチルアンモニウム塩、黄色固体として得た(54mg、収率1.1%)。: 1H NMR (400MHz, DMSO-D6) δ 1.17 (t, J=7.3 Hz, 9 H) 3.09 (m, 6 H) 7.57 (m, 3 H) 7.65 (m, 1 H) 7.80 (d, J=9.1 Hz, 1 H) 7.89 (d, J=8.6 Hz, 1 H) 8.55 (dt, J=9.1, 2.5, 2.3 Hz, 2 H) 9.13 (d, J=8.8 Hz, 1 H) 9.53 (d, J=9.4 Hz, 1 H); HRMS (ESI+) C20H13ClNO3の計算値 350.0579, 測定値 350.0580。
【0110】
【化19】

【0111】
実施例4:化合物4の調製
中間体6:N−(1−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−7−イル)−2−ヒドロキシイミノ−アセトアミド
中間体(6)をYangら(J. Am. Chem. Soc., 1996, 118, 9557)による記載の手順に従って合成した。ヒドロキシルアミン塩酸塩(7.10g、0.102mol)および硫酸ナトリウム(40g、0.28mol)を1Lの丸底フラスコにて200mlの水および10mLの2M 塩酸水溶液中に取り出し、1−アセチル−7−アミノ−2,3−ジヒドロ−(1H)−インドール(5.0g、28mmol)を加えた。次いで、抱水クローラル(5.63g、34.0mmol)を加え、そのフラスコをゴム隔膜および窒素バルーンで覆い、55℃で一晩加熱した。室温まで冷却した後、イソニトロソアセトアニリド(6)を濾過して収集し、真空下で乾燥させて、次の工程にて使用するのに十分な純粋の生成物を得た(5.74g、収率82%)。: 1H NMR (400MHz, DMSO-D6) δ 2.30 (s, 3 H) 3.07 (t, J=8.0 Hz, 2 H) 4.13 (t, J=7.8 Hz, 2 H) 7.09 (dd, J=7.3, 1.3 Hz, 1 H) 7.14 (t, 1 H) 7.48 (s, 1 H) 7.73 (d, J=7.8 Hz, 1 H) 10.76 (s, 1 H) 12.33 (s, 1 H)。
【0112】
中間体7:8−アセチル−1,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ジアゾ−as−インダセン−2,3−ジオン
環化工程をMarvelおよびHiers(Org. Synth. Coll. Vol. I, 327)により記載されたように行った。125mlのエルレンマイヤーフラスコ中にて20mlの濃硫酸を55℃まで加熱した。次いで、イソニトロソアセトアニリド(6)を攪拌しながら溶液温度を70℃以下に保ちながら少しずつ添加した。添加完了後、反応混合物をさらに10分間80℃で加熱し、次いで、室温まで冷却し、100mlの砕いた氷に注いだ。それを30分間放置し、次いで、沈殿物を濾過して収集し、水(3×)で洗浄し、真空下で乾燥させて、イサチン(7)を鮮赤色、結晶性固体として、次工程にて使用するにに十分な純度で得た(2.49g、収率46%)。: 1H NMR (400MHz, DMSO-D6) δ 2.24 (s, 3 H) 3.20 (t, J=8.3 Hz, 2 H) 4.15 (t, J=8.3 Hz, 2 H) 7.02 (d, J=7.3 Hz, 1 H) 7.32 (d, J=7.6 Hz, 1 H) 10.22 (s, 1 H)。
【0113】
8−(4−クロロベンジル)−7−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−h]キノリン−6−カルボン酸(化合物4)
該化合物を化合物(1)についての前記手順により合成し、8−アセチル−1,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ジアゾ−as−インダセン−2,3−ジオン(中間体(7)、1.20g、5.21mmol)を3−(4−クロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテート(中間体(2)、1.48g、6.52mmol)と反応させた。粗生成物を70 酢酸エチル:5 アセトニトリル:2.5 メタノール:2.5 水(+0.5%トリエチルアミン)で溶出するシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、凍結乾燥させて、純粋なトリエチルアンモニウム塩を得た。その塩を遊離酸型に戻すために、1:1 アセトニトリル/水に取り出し、濃塩酸で酸性化し、次いで、さらに水を加えて希釈して、水中20%アセトニトリルにした。その酸をさらに沸騰エタノールで粉砕して精製して、純粋な化合物(4)をベージュ色粉体として得た(0.249g、収率13%)。: 1H NMR (400MHz, DMSO-D6) δ 3.27 (t, J=8.1 Hz, 2 H) 3.75 (t, J=8.1 Hz, 2 H) 4.27 (s, 2 H) 7.36 (m, 5 H) 8.77 (s, 1 H); HRMS (ESI+) C19H16ClN2O3の計算値 (MH+) 355.0844, 測定値 355.0846。
【0114】
【化20】

【0115】
実施例5:化合物5の調製
中間体8:4−アミノインダン
500mlのパールシェーカー容器(Parr shaker vessel)中にて、4−ニトロインダン(10g、61mmol)を50mlのエタノールに溶かした。エタノール中10%Pd/C(1g)のスラリーを加えた。次いで、混合物を水素雰囲気(50 psi)下で1時間パールシェーカーに置き、その時点でt.l.c.(ヘキサン中20%酢酸エチル)は、すべての出発物質が消失していることを示した。反応を完成させるために、混合物をセライト(Celite)に通じて2回濾過し、大量のエタノールで洗浄し、さらに1回濾紙に通過じた。エタノールを減圧下で蒸発させ、粗生成物をシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10%酢酸エチル)により精製して、(8)を粘性のある、わずかに着色した油状物として得た(7.04g、収率86%)。: 1H NMR (400MHz, DMSO-D6) δ 1.95 (m, 2 H) 2.61 (t, J=7.3 Hz, 2 H) 2.76 (t, J=7.5 Hz, 2 H) 4.77 (s, 2 H) 6.36 (d, J=7.8 Hz, 1 H) 6.42 (d, J=6.8 Hz, 1 H) 6.80 (t, J=7.6 Hz, 1 H)。
【0116】
中間体9:2−ヒドロキシイミノ−N−インダン−4−イルアセトアミド
−イル
これを中間体(6)についての前記手順従って合成した。イソニトロソアセトアニリドは、4−アミノインダン(8)(7.04g、52.9mmol)を抱水クローラル(10.5g、63.4mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(13.2g、0.190mol)と硫酸ナトリウム(75g、0.53mol)存在下で反応させることにより調製した。純粋な生成物(9)を褐色固体として得た(7.18g、収率66%)。: 1H NMR (400MHz, DMSO-D6) δ 2.00 (m, 2 H) 2.80 (t, J=7.3 Hz, 2 H) 2.88 (t, J=7.6 Hz, 2 H) 7.05 (d, J=6.8 Hz, 1 H) 7.12 (t, J=7.6 Hz, 1 H) 7.45 (d, J=7.8 Hz, 1 H) 7.71 (s, 1 H) 9.49 (s, 1 H) 12.19 (s, 1 H)。
【0117】
中間体10:1,6,7,8−テトラヒドロ−1−アザ−as−インダセン−2,3−ジオン
中間体(7)について記載のように環化工程も行った。しかしながら、冷却した反応混合物を氷上に注いだ後、その混合物を一晩冷やした後であっても、ほんの微量の沈殿物しか現れなかった。従って、この黒色沈殿物を濾過して捨て(<200mgをこの方法にて単離した)、濾液を酢酸エチル(3×)中に抽出した。その酢酸エチル溶液を塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、純粋なイサチン(10)を鮮やかな橙色粉体として得た(0.36g、収率5.5%)。: 1H NMR (400MHz, DMSO-D6) δ 2.07 (m, 2 H) 2.76 (t, J=7.5 Hz, 2 H) 2.88 (t, J=7.5 Hz, 2 H) 6.95 (d, J=7.6 Hz, 1 H) 7.30 (d, J=7.6 Hz, 1 H) 11.10(s, 1 H)。
【0118】
8−(4−クロロベンジル)−7−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−9−アザ−シクロペンタ[a]ナフタレン−6−カルボン酸(化合物5)
この化合物を化合物(1)についての前記手順により合成し、1,6,7,8−テトラヒドロ−1−アザ−as−インダセン−2,3−ジオン(10)(0.36g、1.92mmol)を3−(4−クロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテート(2)(0.54g、2.40mmol)と反応させた。粗酸を化合物(4)についての前記したように精製して、純粋な生成物、化合物(5)を鮮黄色粉体として得た(94mg、収率14%)。: 1H NMR (400MHz, DMSO-D6) δ 2.15 (quint., 2 H) 3.05 (t, J=7.3 Hz, 2 H) 3.28 (t, J=7.5 Hz, 2 H) 4.32 (s, 2 H) 7.33 (s, 4 H) 7.49 (d, J=8.3 Hz, 1 H) 8.36 (d, J=8.1 Hz, 1 H); HRMS (ESI+) C20H17ClNO3の計算値 (MH+) 354.0892, 測定値 354.0898。
【0119】
【化21】

【0120】
実施例6:化合物6の調製
中間体11:1−クロロ−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)プロパン2−オン
75mlの塩化チオニル中の14.58g(66.23mMol)の4−トリフルオロメトキシフェニル酢酸溶液を1.5時間還流し、冷却し、余剰試薬を減圧にて蒸発させた。得られた粗酸クロリドを乾燥トルエンから再び2回蒸発させ、そのものを次の工程にて使用した。氷浴にてEtO中の175mlのジアゾメタン(約0.57mMol/mL)に85mlのEtO中粗酸クロリド溶液を30分かけて加えた。その反応物を冷やしながら2時間、次いで、室温で一晩攪拌した。冷却された(0C)溶液に緩流のClガスを5分間通じた。さらに氷浴中でさらに1時間後、反応物を500mlのEtOで希釈し、350mlの砕いた氷の氷水に注ぎ、相を分離させた。水相をEtOで2回抽出した。有機相を5%NAHCO(2×200mL)および半飽和塩水(400mL)で洗浄して合し、乾燥させ(NaSO)、減圧にて蒸発させた。残渣を30mlのCHClに溶かし、その溶液をAcOEt−シクロヘキサン 20:80および30:70を溶出剤として使用するシリカゲル60(Merck)のフラッシュクロマトグラフィーで精製した。適当な画分をプールして蒸発させ、6.97g(全体の44.1%)の中間体(11)を無色油状物として得た。 1H NMR (400MHz、CDCl3) δ ppm 3.85 (s, 2 H) 4.12 (s, 2 H) 7.18 (m, J=21.98 Hz, 4 H)。
【0121】
中間体12:酢酸2−オキソ−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)プロピルエステル
50mlのEtOH中、攪拌して、ゆっくり還流したクロリド(11)(6.80g、26.92mmol)溶液に、25mlの水および2.5mlの氷AcOH中に溶かした5.68g(29.6mMol、1.1当量)のCsOAcを1回で加え、反応物を3時間以上還流した。EtOHのほとんどを減圧にて蒸発させ、濃縮物を100mlの水で希釈し、混合物をAcOEt(2×400mL)で抽出した。有機相を、氷冷した半飽和NaHCO(300mL)そして半飽和塩水(300mL)の順で洗浄して合し、乾燥させ(NaSO)、減圧にて蒸発させた。残渣をEtOおよび余剰ヘキサンから結晶化させて、3.15gのアセテート(12)(42.4%)を無色片状物として得た(より多くの生成物が母液に存在する)。 1H NMR (400MHz、CDCl3) δ 2.16 (s, 3 H) 3.75 (s, 2 H) 4.71 (s, 2 H) 7.23 (m, 4 H)。
【0122】
3−ヒドロキシ−2−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸(化合物6)
100−2Cの9mlの6N KOH中に溶かした1.00g(4.97mMol)の中間体(3)に、18mLの生ぬるいEtOH中の2.26g(8.18mmol、1.65当量)アセテート(12)溶液を1時間かけて攪拌しながら数回に分けて加えた。添加の最後に溶液をゆっくりと還流しながら1時間以上攪拌し、冷却し、150mlの水でゆっくりと希釈し、次いで、35mLの2.5N HClで酸性化し、1.5時間かけて滴加した。2時間放置した後デカンテーションにより透明な上澄(pH<0)からゴム状沈殿物を分離した。そのゴム状物を600mLのAcOEtに溶かし、得られた溶液を200mlの半飽和塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧にて蒸発させた。未反応のシクロヘキシルイサチン(27%回収)および様々な他の不純物からのキノリンサリシレートの分離は、0.5%NEtを含む、AcOEt−MeCN−MeOH−HO 70:5:2.5:2.5〜70:10:5:5の勾配を用いたトリエチルアンモニウム塩のシリカゲル60(Merck)の重力クロマトグラフィー(gravity chromatography)によってのみ達成することができた。適当な画分をプールして、純粋な生成物を一部NEt塩として得た。その塩を希AcOEt溶液中にて1N HCl(水溶液)で処理して遊離酸に転換し、それを半飽和塩水で迅速に洗浄し、乾燥させ、減圧にて蒸発させた。少量のAcOEt−MeCN−MeOH−HO 70:10:5:5(NEt不含)でスラリーにすることにより残渣を結晶化して566mg(27.3%)のカナリア色キノリンサリシレートを遊離酸として、化合物(6)を得た。 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ 1.81 (m, 4 H) 2.83 (t, J=5.56 Hz , 2 H) 3.13 (T, J=5.56 Hz, 2 H) 4.35 (s, 2 H) 7.28 (t, J=7.71 Hz, 3 H) 7.45 (d, J=8.34 Hz, 2 H) 8.21 (d, J=8.84 Hz, 1 H)。
【0123】
【化22】

【0124】
実施例7:化合物7の調製
中間体13:1−クロロ−3−(3,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−オン
有機亜鉛種をS.Huo(Organic Letters 2003, 5 (4), 423-5)による記載のように生成した。火炎乾燥させた25mlの2口丸底フラスコ中にて、不活性雰囲気下、ヨウ素(65mg、0.26mmol)を6mLの無水N,N−ジメチルアセトアミドに取り出した。亜鉛粉塵(0.502g、7.67mmol)を加え、その懸濁液をヨウ素の赤色が消えるまで攪拌した。次いで、3,4−ジクロロベンジルクロリド(0.71mL、1.0g、5.1mmol)を注射器を介して加え、加水分解された部分(ヘキサン中5%酢酸エチル、モリブデン酸セリウム染色により視覚化されている)のt.l.c.が出発物質が消費されたことを示すまで混合物を80℃で加熱した。反応溶液を水浴中に置いて冷却し、Pd(PPh(0.118g、0.102mmol)を加え、続いて注射器を介して、クロロアセチルクロリド(0.61mL、0.87g、7.7mmol)を滴加した。その褐色懸濁液を室温で一晩攪拌させた。反応を完了させるために、12mlの1M HClを加え、その混合物を酢酸エチル(4×12mL)に抽出した。合した有機相を塩水で洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物をシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(ヘキサン中1−30%酢酸エチル)、次工程にて使用するのに十分な純度の物質を得た(0.545g、収率45%)。: 1H NMR (400MHz、CDCl3) δ 3.89 (s, 2 H) 4.13 (s, 2 H) 7.06 (dd, J=8.2, 2.6 Hz, 1 H) 7.33 (d, J=2.0 Hz, 1 H) 7.42 (d, J=8.3 Hz, 1 H)。
【0125】
中間体14:3−(3,4−ジクロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテート
丸底フラスコにて、1−クロロ−3−(3,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−オン(0.545g、2.30mmol)を2mlのアセトンに取り出し、酢酸(0.26mL、0.28g、4.6mmol)を加えた。溶液を氷水浴中にて冷却し、トリエチルアミン(0.64mL、0.47g、4.6mmol)を注射器を介して30分かけて滴加した。次いで、反応混合物を一晩攪拌した。沈殿したトリエチル塩化アンモニウムを濾過して除去し、濾液を蒸発させ、10mLの酢酸エチルに取り出し、塩水で2回洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物をシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(ヘキサン中10−30%酢酸エチル)純粋な生成物を得た(0.200g、収率33%)。: 1H NMR (400MHz、CDCl3) δ 2.17 (s, 3 H) 3.71 (s, 2 H) 4.71 (s, 2 H) 7.05 (dd, J=8.2, 2.2 Hz, 1 H) 7.32 (d, J=2.0 Hz, 1 H) 7.41 (d, J=8.1 Hz, 1 H)。
【0126】
2−(3,4−ジクロロベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸(化合物7)
Pfitzinger反応を使用した。25mLの2口丸底フラスコ中にて、6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[g]インドリン−2,3−ジオン(0.119g、0.590mmol)を1mLのエタノールおよび3mlの10M NaOHに取り出し、その混合物を還流温度まで加熱した。3mLのエタノール中の3−(3,4−ジクロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテート(0.200g、0.767mmol)溶液を注射器により1時間にわたって少しずつ加えた。添加完了後、還流をさらに一時間続け、次いで反応混合物を室温まで冷却し、氷酢酸で酸性化し、黄色沈殿物を濾過して収集した。その粗生成物を分取HPLC(アセトニトリル/水/トリエチルアミン)により精製し、こうして得られた純粋な塩を、濃HClを用いた水溶液中5%アセトニトリルの酸性化により遊離酸に戻した。鮮黄色沈殿物を濾過して収集し、真空下で乾燥させた(47.8mg、収率20%)。: 1H NMR (400MHz、DMSO-d6) δ 1.73 - 1.86 (m, 4 H) 2.81 (t, J=6.1 Hz, 2 H) 3.12 (t, J=5.9 Hz, 2 H) 4.30 (s, 2 H) 7.28 (t, J=8.7 Hz, 2 H) 7.53 (d, J=8.1 Hz, 1 H) 7.59 (d, J=2.0 Hz, 1 H) 8.19 (d, J=8.6 Hz, 1 H); HRMS (ESI+) C21H18Cl2NO3の計算値 (MH+) 402.0658, 測定値 402.0661。
【0127】
【化23】

【0128】
実施例8:化合物8の調製
中間体15:1−クロロ−3−(チオフェン−2−イル)プロパン−2−オン
クロリドを酸クロリドのArndt−Eistertホモロゲーションにより合成した。60mLのエーテル中の2−チオフェンアセチルクロリド(3.8mL、5.0g、31mmol)溶液を、氷水浴中で冷却した85mLのエーテル性ジアゾメタン溶液を含んだ1Lのエルレンマイヤーフラスコに、攪拌しながら、付加漏斗から滴加した。添加(30分かけて実施)が完了するとすぐに、その溶液を一晩攪拌し、徐々に室温まで加温した。次いで、それを再度氷水浴中で冷却し、窒素発生が終わるまで緩流の乾HClガスに通じた。混合物を1時間攪拌し、次いで、150mlの氷水に注ぎ、20分間攪拌し、180mlつずつのエーテルに2回抽出した。合したエーテル抽出物を5%NaCO(150mL)および塩水(120mL)で洗浄し、次いで、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中5%酢酸エチル)により精製し、透明な黄色油状物を得て、それは冷蔵庫で保管することなく、窒素存在下に一晩置くことで黒色固体に変化した(2.33g、収率43%)。: 1H NMR (400MHz、CDCl3) δ 4.11 (s, 2 H) 4.17 (s, 2 H) 6.93 - 6.96 (m, 1 H) 7.00 (dd, J=5.2, 3.4 Hz, 1 H) 7.24 - 7.28 (m, 1 H)。
【0129】
中間体16:3−(チオフェン−2−イル)−2−オキソプロピルアセテート
3−(3,4−ジクロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテートの合成についての前記手順に従い、1−クロロ−3−(チオフェン−2−イル)プロパン−2−オン(1.00g、5.73mmol)を酢酸(0.66mL、0.69g、12mmol)およびトリエチルアミン(1.60mL、1.16g、11.5mmol)と反応させた。シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10−40%酢酸エチル)により精製し、橙色油状物を得た(0.144g、収率13%)。: 1H NMR (400MHz、CDCl3) δ 2.17 (s, 3 H) 3.95 (s, 2 H) 4.74 (s, 2 H) 6.92 - 6.94 (m, 1 H) 6.99 (dd, J=5.2, 3.4 Hz, 1 H) 7.25 (dd, J=5.1, 1.3 Hz, 1 H)。
【0130】
3−ヒドロキシ−2−(チオフェン−2−イルメチル)−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸(化合物8)
実施例7の合成および精製についての前記手順に従い、6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[g]インドリン−2,3−ジオン(0.112g、0.557mmol)を3−(チオフェン−2−イル)−2−オキソプロピルアセテート(0.144g、0.724mmol)と反応させた。生成物を濃い黄色粉体として得た(9.1mg、収率4.8%)。: 1H NMR (400MHz、DMSO-d6) δ 1.75 - 1.88 (m, 4 H) 2.83 (t, J=5.7 Hz, 2 H) 3.17 - 3.25 (m, 2 H) 4.49 (s, 2 H) 6.89 - 6.94 (m, 1 H) 6.94 - 6.98 (m, 1 H) 7.27 (d, J=9.1 Hz, 1 H) 7.32 (dd, J=5.3, 1.3 Hz, 1 H) 8.18 (d, J=8.8 Hz, 1 H); HRMS (ESI+) C19H18NO3Sの計算値 (MH+) 340.1002, 測定値 340.1011。
【0131】
【化24】

【0132】
実施例9:化合物9の調製
中間体17:1−(ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−3−クロロプロパン−2−オン
1−クロロ−3−(チオフェン−2−イル)プロパン−2−オンの合成についての前記手順に従った。酸クロリドの調製のために、2−(ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)酢酸(1.00g、5.20mmol)を25mlの丸底フラスコ中の6mLの塩化チオニルに加えた。混合物を室温で一晩攪拌し、次いで、その塩化チオニルを減圧にて取り除き、残渣をトルエンと2回共沸混合した。次いで、酸クロリドをジアゾメタンおよびHClと反応させた。粗生成物をシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中2−30%酢酸エチル)により精製し、純粋な物質を得た(0.661g、収率56%)。: 1H NMR (400MHz、CDCl3) δ 4.12 (s, 2 H) 4.14 (d, J=1.0 Hz, 2 H) 7.36 - 7.44 (m, 3 H) 7.67 - 7.71 (m, 1 H) 7.87 - 7.90 (m, 1 H)。
【0133】
中間体18:3−(ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−2−オキソプロピルアセテート
3−(3,4−ジクロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテート合成についての前記手順に従い、1−(ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−3−クロロプロパン−2−オン(0.661g、2.94mmol)を酢酸(0.34mL、0.35g、5.9mmol)およびトリエチルアミン(0.82mL、0.59g、5.9mmol)と反応させた。シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10−40%酢酸エチル)により、純粋な生成物を得た(0.372g、収率51%)。: 1H NMR (400MHz、CDCl3) δ 2.14 (s, 3 H) 3.98 (s, 2 H) 4.71 (s, 2 H) 7.34 - 7.44 (m, 3 H) 7.67 - 7.70 (m, 1 H) 7.86 - 7.89 (m, 1 H)。
【0134】
2−(ベンゾ[b]チオフェン−3−イルメチル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸(化合物9)
実施例7の合成および精製についての前記手順に従い、6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[g]インドリン−2,3−ジオン(0.232g、1.15mmol)を3−(ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−2−オキソプロピルアセテート(0.372g、1.50mmol)と反応させた。生成物を鮮黄色粉体として得た(30.6mg、収率6.8%)。: 1H NMR (400MHz、DMSO-d6) δ 1.71 - 1.85 (m, 4 H) 2.80 (t, J=5.2 Hz, 2 H) 3.11 (t, J=5.1 Hz, 2 H) 4.53 (s, 2 H) 7.25 (d, J=8.8 Hz, 1 H) 7.30 - 7.45 (m, 3 H) 7.94 (d, J=7.8 Hz, 1 H) 8.11 (d, J=8.1 Hz, 1 H) 8.19 (d, J=8.6 Hz, 1 H); HRMS (ESI+) C23H20NO3Sの計算値 (MH+) 390.1159, 測定値 390.1167。
【0135】
【化25】

【0136】
実施例10:化合物10の調製
中間体19:1−クロロ−3−(2−クロロフェニル)プロパン−2−オン
1−クロロ−3−(3,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−オンの合成についての前記手順に従い、2−クロロベンジルクロリド(1.6mL、2.0g、12mmol)を亜鉛粉塵(1.22g、18.6mmol)とヨウ素(0.157g、0.620mmol)存在下で反応させ、次いで、クロロアセチルクロリド(1.5mL、2.1g、19mmol)とPd(PPh(0.287g、0.248mmol)存在下で反応させた。シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10%酢酸エチル)により、次工程にて使用するのに十分な純度で生成物を得た(0.556g、収率22%)。: 1H NMR (400MHz、CDCl3) δ 4.03 (s, 2 H) 4.19 (s, 2 H) 7.19 - 7.29 (m, 3 H) 7.38 - 7.42 (m, 1 H)。
【0137】
中間体20:3−(2−クロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテート
3−(3,4−ジクロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテートの合成についての前記手順に従い、1−クロロ−3−(2−クロロフェニル)プロパン−2−オン(0.556g、2.74mmol)を酢酸(0.31mL、0.33g、5.5mmol)およびトリエチルアミン(0.76mL、0.56g、5.5mmol)と反応させた。シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中5−40%酢酸エチル)により、純粋な生成物を得た(0.251g、収率43%)。: 1H NMR (400MHz、CDCl3) δ 2.17 (s, 3 H) 3.88 (s, 2 H) 4.75 (s, 2 H) 7.24 - 7.27 (m, 3 H) 7.38 - 7.42 (m, 1 H)。
【0138】
2−(2−クロロベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸(化合物10)
実施例7の合成および精製についての前記手順に従い、6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[g]インドリン−2,3−ジオン(0.183g、0.908mmol)を3−(2−クロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテート(0.251g、1.18mmol)と反応させた。生成物を鮮黄色粉体として得た(79.5mg、収率24%)。: 1H NMR (400MHz、DMSO-d6) δ 1.74 (br. s, 4 H) 2.80 (br. s, 2 H) 2.92 (br. s, 2 H) 4.42 (s, 2 H) 7.22 - 7.32 (m, 4 H) 7.43 - 7.50 (m, 1 H) 8.23 (d, J=8.8 Hz, 1 H); HRMS (ESI+) C21H19ClNO3の計算値 (MH+) 368.1048, 測定値 368.1047。
【0139】
【化26】

【0140】
実施例11:化合物11の調製
中間体21:3−(3−クロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテート
不活性雰囲気下、火炎乾燥された50mlの丸底フラスコにPd(PPh(0.30g、0.26mmol)を入れた。無水THF(7mL)、次いで、3−クロロベンジル亜鉛クロリド(26mL、13mmol)の0.5M THF溶液を加えた。フラスコを氷浴で冷却し、クロロアセチルクロリドを1時間かけて注射器を介して加えた。溶液は非常に濃い褐色(ほぼ黒色)から透明な淡黄色に変化した。混合物を室温で一晩攪拌し、次いで、5gの氷を加えてクエンチし、さらに1時間攪拌し、酢酸エチルで希釈し、塩水で2回洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。
その粗物質を酢酸(1.42mL、1.49g、24.8mmol)とトリエチルアミン(3.46mL、2.51g、24.8mmol)とを、3−(3,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−オン合成についての前記したように反応させた。シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20%酢酸エチル)により、純粋な生成物を得た(1.22g、収率46%)。: 1H NMR (400MHz、CDCl3) δ 2.16 (s, 3 H) 3.72 (s, 2 H) 4.69 - 4.71 (m, 2 H) 7.08 - 7.11 (m, 1 H) 7.21 - 7.23 (m, 1 H) 7.26 - 7.29 (m, 2 H)。
【0141】
2−(3−クロロベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸(化合物11)
実施例7の合成および精製についての前記手順に従い、6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[g]インドリン−2,3−ジオン(0.495g、2.46mmol)を3−(3−クロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテート(0.680g、3.20mmol)と反応させた。生成物を鮮黄色粉体として得た(186mg、収率20%)。: 1H NMR (400MHz、DMSO-d6) δ 1.74 - 1.88 (m, 4 H) 2.83 (t, J=4.3 Hz, 2 H) 3.15 (t, J=4.6 Hz, 2 H) 4.32 (s, 2 H) 7.24 - 7.35 (m, 4 H) 7.39 (s, 1 H) 8.20 (d, J=8.8 Hz, 1 H); HRMS (ESI+) C21H19ClNO3の計算値 (MH+) 368.1048, 測定値 368.1046。
【0142】
【化27】

【0143】
実施例12:化合物12の調製
中間体22:1−クロロ−3−[2−(3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−イル)プロパン−2−オン
酸クロリドが、塩化オキサリル(1.2mL、1.7g、13mmol)を触媒的DMFを含んで2−(3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−イル)酢酸(2.5g、12mmol)の冷THF溶液(18mL)に滴加して生成されること除いて、1−(ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−3−クロロプロパン−2−オンの合成についての前記手順に従った。添加が完了した後、その溶液を室温で1時間攪拌し、次いで、前記のようにエーテル性ジアゾメタン溶液に加えた。後処理し、シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10%酢酸エチル)により精製して、生成物を次工程にて使用するのに十分な純度で得た。: 1H NMR (400MHz、CDCl3) δ 2.35 (s, 3 H) 4.13 (s, 2 H) 4.17 (s, 2 H) 7.30 - 7.42 (m, 2 H) 7.67 (d, J=7.6 Hz, 1 H) 7.79 (d, J=7.8 Hz, 1 H)。
【0144】
中間体23:3−[2−(3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−イル)]−2−オキソプロピルアセテート
3−(3,4−ジクロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテートの合成についての前記手順に従い、1−クロロ−3−[2−(3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−イル)プロパン−2−オン(0.754g、3.16mmol)を酢酸(0.54mL、0.57g、9.5mmol)およびトリエチルアミン(1.3mL、0.96g、9.5mmol)と反応させた。シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中16−36%酢酸エチル)により、純粋な生成物を得た(0.109g、収率13%)。: 1H NMR (400MHz、CDCl3) δ 2.17 (s, 3 H) 2.35 (s, 3 H) 3.97 (s, 2 H) 4.73 (s, 2 H) 7.31 - 7.41 (m, 2 H) 7.64 - 7.68 (m, 1 H) 7.76 - 7.80 (m, 1 H)。
【0145】
3−ヒドロキシ−2−[2−(3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)]−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸
(化合物12)
WAY−278932の合成についての前記手順に従い、6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[g]インドリン−2,3−ジオン(64mg、0.318mmol)を3−[2−(3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−イル)]−2−オキソプロピルアセテート(0.109g、0.414mmol)と反応させた。分取HPLC精製(水/アセトニトリル/トリエチルアミン)に続いて凍結乾燥をして、生成物を綿毛状、淡黄色固体として得た(186mg、収率20%)。: 1H NMR (400MHz、DMSO-d6) δ 1.76 - 1.88 (m, 4 H) 2.50 (s, 3 H) 2.80 (t, J=5.3 Hz, 2 H) 3.20 (t, J=5.8 Hz, 2 H) 4.52 (s, 2 H) 7.16 (d, J=8.8 Hz, 1 H) 7.25 (t, J=7.6 Hz, 1 H) 7.33 (t, J=7.6 Hz, 1 H) 7.68 (d, J=7.8 Hz, 1 H) 7.79 (d, J=8.1 Hz, 1 H) 8.68 (s, 1 H); HRMS (ESI+) C24H22NO3Sの計算値 (MH+) 404.1315, 測定値 404.1312。
【0146】
【化28】

【0147】
実施例13:化合物13の調製
中間体24:1−クロロ−3−(チオフェン−3−イル)プロパン−2−オン
1−クロロ−3−[2−(3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−イル)プロパン−2−オンの合成についての前記手順に従い、チオフェン−3−酢酸(5.32g、37.4mmol)を塩化オキサリル(3.6mL、5.2g、41mmol)、次いで、エーテル性ジアゾメタン、次いで、乾燥HClガスと反応させた。後処理して褐色油状物の純粋な生成物を得て、それを冷蔵して固体化し、キツネ色のワックス状固体を得た(6.52g、収率100%)。: 1H NMR (400MHz、CDCl3) δ 3.94 (s, 2 H) 4.13 (s, 2 H) 6.99 (d, J=5.1 Hz, 1 H) 7.16 (dd, J=1.5, 0.8 Hz, 1 H) 7.33 (dd, J=4.9, 2.9 Hz, 1 H)。
【0148】
中間体25:2−オキソ−3−(チオフェン−3−イル)プロピルアセテート
3−(3,4−ジクロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテートの合成についての前記手順に従い、1−クロロ−3−(チオフェン−3−イル)プロパン−2−オン(6.53g、37.4mmol)を酢酸(4.3mL、4.5g、75mmol)およびトリエチルアミン(10.4mL、7.57g、74.8mmol)と反応させた。シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20%酢酸エチル)により、明るい黄色油状物の純粋な生成物を得た(3.85g、収率52%)。: 1H NMR (400MHz、CDCl3) δ 2.16 (s, 3 H) 3.77 (s, 2 H) 4.70 (s, 2 H) 6.98 (dd, J=4.8, 1.3 Hz, 1 H) 7.14 (dd, J=1.8, 1.0 Hz, 1 H) 7.32 (dd, J=4.9, 2.9 Hz, 1 H)。
【0149】
3−ヒドロキシ−2−(チオフェン−3−イルメチル)−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸(化合物13)
実施例7の合成および精製についての前記手順に従い、6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[g]インドリン−2,3−ジオン(0.500g、2.48mmol)を2−オキソ−3−(チオフェン−3−イル)プロピルアセテート(0.640g、3.23mmol)と反応させた。生成物を鮮黄色粉体として得た(187mg、収率22%)。: 1H NMR (400MHz、DMSO-d6) δ 1.73 - 1.89 (m, 4 H) 2.83 (t, J=4.9 Hz, 2 H) 3.18 (t, J=5.7 Hz, 2 H) 4.32 (s, 2 H) 7.10(d, J=4.8 Hz, 1 H) 7.23 (s, 1 H) 7.27 (d, J=8.8 Hz, 1 H) 7.40 - 7.47 (m, 1 H) 8.22 (d, J=8.6 Hz, 1 H); HRMS (ESI+) C19H18NO3Sの計算値 (MH+) 340.1002, 測定値 340.1006。C19H17NO3S . 2 H2Oの理論値: C, 60.78; H, 5.64; N, 3.73。測定値: C, 63.01; H, 5.60; N, 3.76。
【0150】
【化29】

【0151】
実施例14:化合物14の調製
中間体26:1−(ベンジルオキシカルボニル)インドール−3−イル酢酸
インドール−3−酢酸(13g、74mmol)を不活性雰囲気下、火炎乾燥された2口の1L丸底フラスコにて130mlの無水THFに取り出し、−78℃まで冷却した(ドライアイス/アセトン浴)。LHMDSの1.0MのTHF溶液(163mL、0.163mol)を30分かけて注射器を介して加え、添加が完了すると、反応混合物を−78℃でさらに30分間攪拌させた。次に、クロロギ酸ベンジル(11.7mL、13.9g、81.6mmol)を注射器を介して滴加した。次いで、攪拌を1時間続けた。反応混合物を後処理するために、2M HClでクエンチし、2M HClおよび酢酸エチルの間に分配した。水相を更なる酢酸エチルで抽出し、合した有機相を塩水で洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、ピンクがかった白色固体を得た(22.49g、収率98%)。: 1H NMR (400MHz、DMSO-d6) δ 3.71 (s, 2 H) 5.47 (s, 2 H) 7.27 (t, J=7.2 Hz, 1 H) 7.32 - 7.47 (m, 4 H) 7.54 (d, J=6.8 Hz, 2 H) 7.58 (d, J=7.6 Hz, 1 H) 7.68 (s, 1 H) 8.08 (d, J=8.1 Hz, 1 H) 12.43 (s, 1 H); HRMS (ESI+) C18H16NO4の計算値 (MH+) 310.1074, 測定値 310.1080。
【0152】
中間体27:3−[1−(ベンジルオキシカルボニル)インドール−3−イル]−1−クロロプロパン−2−オン
1−クロロ−3−[2−(3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−イル)プロパン−2−オンの合成についての前記手順に従い、1−(ベンジルオキシカルボニル)インドール−3−イル酢酸(22.49g、72.7mmol)を塩化オキサリル(7.0mL、10g、80mmol)、次いで、エーテル性ジアゾメタン、次いで、乾燥HClガスと反応させた。シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中15−20%酢酸エチル)により、純粋な生成物を得た(21.64g、収率87%)。: 1H NMR (400MHz、CDCl3) δ 3.97 (d, J=1.0 Hz, 2 H) 4.15 (s, 2 H) 5.45 (s, 2 H) 7.27 - 7.30 (m, 1 H) 7.33 - 7.51 (m, 7 H) 7.63 (s, 1 H) 8.19 (br. s, 1 H); HRMS (ESI+) の計算値C19H17ClNO3 (MH+) 342.0892, 測定値 342.0900.
【0153】
中間体28:3−[1−(ベンジルオキシカルボニル)インドール−3−イル]−2−オキソプロピルアセテート
3−(3,4−ジクロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテートの合成についての前記手順に従い、3−[1−(ベンジルオキシカルボニル)インドール−3−イル]−1−クロロプロパン−2−オン(19.28g、56.4mmol)を酢酸(6.5mL、6.8g、0.11mol)およびトリエチルアミン(15.7mL、11.4g、0.113mol)と反応させた。シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中25%酢酸エチル)により、純粋な生成物を橙色油状物として得て、それを真空下で固体化して黄色固体を得た(9.06g、収率44%)。: 1H NMR (400MHz、CDCl3) δ 2.15 (s, 3 H) 3.81 (d, J=0.8 Hz, 2 H) 4.73 (s, 2 H) 5.45 (s, 2 H) 7.26 - 7.30 (m, 1 H) 7.32 - 7.51 (m, 7 H) 7.62 (s, 1 H) 8.18 (s, 1 H)。
【0154】
3−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イルメチル)−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸(化合物14)
実施例7の合成および精製についての前記手順に従い、6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[g]インドリン−2,3−ジオン(0.294g、1.46mmol)を3−[1−(ベンジルオキシカルボニル)インドール−3−イル]−2−オキソプロピルアセテート(0.693g、1.90mmol)と反応させた。生成物を褐色がかった橙色粉体として得た(93mg、収率17%)。: 1H NMR (400MHz、DMSO-d6) δ 1.65 - 1.93 (m, 4 H) 2.83 (br. s, 2 H) 3.24 (br. s, 2 H) 4.41 (s, 2 H) 6.90 - 7.08 (m, 2 H) 7.13 - 7.36 (m, 3 H) 7.75 (d, J=7.1 Hz, 1 H) 8.19 (s, 1 H) 10.84 (s, 1 H); HRMS (ESI+) C23H21N2O3の計算値 (MH+) 373.1547, 測定値 373.1548。C23H20N2O3 . H2Oの理論値: C, 70.75; H, 5.68; N, 7.17。測定値: C, 71.04; H, 5.64; N, 7.01。
【0155】
【化30】

【0156】
実施例15:化合物15の調製
中間体29:1−クロロ−3−(5−クロロベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−プロパン−2−オン
1−クロロ−3−[2−(3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−イル)プロパン−2−オンの合成についての前記手順に従い、5−クロロベンゾ[b]チオフェン−3−イル酢酸(4.00g、17.6mmol)を塩化オキサリル(1.7mL、2.5g、19mmol)、次いで、エーテル性ジアゾメタン、次いで、乾燥HClガスと反応させた。反応混合物を後処理して、純粋な生成物を淡い明るい黄色固体として得た(4.43g、収率97%)。: 1H NMR (400MHz、CDCl3) δ 4.12 (s, 2 H) 4.15 (s, 2 H) 7.35 (dd, J=8.6, 2.1 Hz, 1 H) 7.43 (s, 1 H) 7.65 (d, J=2.1 Hz, 1 H) 7.79 (d, J=8.6 Hz, 1 H)。
【0157】
中間体30:3−(5−クロロベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−2−オキソプロピルアセテート
3−(3,4−ジクロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテートの合成についての前記手順に従い、1−クロロ−3−(5−クロロベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−プロパン−2−オン(4.43g、17.1mmol)を酢酸(2.0mL、2.1g、35mmol)およびトリエチルアミン(4.9mL、3.6g、35mmol)と反応させた。シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20%酢酸エチル)により、純粋な生成物を淡黄色固体として得た(2.76g、収率57%)。: 1H NMR (400MHz、CDCl3) δ 2.16 (s, 3 H) 3.94 (d, J=1.0 Hz, 2 H) 4.73 (s, 2 H) 7.34 (ddd, J=8.6, 2.0, 0.5 Hz, 1 H) 7.39 - 7.42 (m, 1 H) 7.65 (d, J=2.0 Hz, 1 H) 7.78 (dd, J=8.6, 0.5 Hz, 1 H)。
【0158】
2−(5−クロロベンゾ[b]チオフェン−3−イルメチル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸
(化合物15)
化合物7の合成および精製についての前記手順に従い、6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[g]インドリン−2,3−ジオン(0.200g、0.994mmol)を3−(5−クロロベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−2−オキソプロピルアセテート(0.365g、1.29mmol)と反応させた。通常の方法では分取HPLC(塩基性緩和(basic modifier))により得られたトリエチルアンモニウム塩を遊離酸に戻すことが不可能である。従って、ヒマワリ色の黄色粉末の最終生成物は、化学量論比6:5 酸:塩基のトリエチルアンモニウム塩である(108mg、収率21%)。: 1H NMR (400MHz、DMSO-d6) δ 1.17 (t, J=7.2 Hz, 7.5 H) 1.72 - 1.87 (m, 4 H) 2.77 (t, J=5.9 Hz, 2 H) 3.10(dq, 5 H) 3.18 (t, J=5.7 Hz, 2 H) 4.46 (s, 2 H) 7.08 (d, J=8.8 Hz, 1 H) 7.35 (dd, J=8.7, 2.2 Hz, 1 H) 7.59 (s, 1 H) 7.96 (d, J=8.3 Hz, 1 H) 8.41 (d, J=2.1 Hz, 1 H) 8.94 (d, J=8.8 Hz, 1 H); HRMS (ESI+) C23H19ClNO3Sの計算値(MH+) 424.0769, 測定値 424.0770。[C23H19ClNO3S]6[C6H15N]5[H2O]の理論値: C, 65.60; H, 5.78; N, 4.72。測定値: C, 64.75; H, 6.01; N, 4.56。
【0159】
【化31】

【0160】
実施例16:化合物16の調製
3−ヒドロキシ−2−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸(化合物16)
実施例7の合成および精製についての前記手順に従い、6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[g]インドリン−2,3−ジオン(0.294g、1.46mmol)をフェナシルアセテート(0.338g、1.90mmol)と反応させた。生成物を黄色粉体として得た(116mg、収率25%)。: 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 1.75 - 1.93 (m, 4 H) 2.86 (t, J=5.68 Hz, 2 H) 3.25 (t, J=5.81 Hz, 2 H) 7.33 (d, J=9.09 Hz, 1 H) 7.44 - 7.56 (m, 3 H) 8.09 (dd, J=8.08, 1.52 Hz, 2 H) 8.28 (d, J=8.84 Hz, 1 H)。
【0161】
【化32】

【0162】
実施例17:化合物17の調製
中間体31:酢酸3−(4−シアノ−フェニル)−2−オキソ−プロピルエステル
3−(3−クロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテート合成についての前記手順に従い、4−シアノベンジル亜鉛ブロミド(26mL、13mmol)、Pd(PPh(0.30g、0.26mmol)の0.5M THF溶液をクロロアセチルクロリド(26mL、13mmol)と反応させた。反応混合物を後処理して、粗生成物を黄色油状物として得た。
この粗物質を、3−(3,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−オンの合成について前記したように、酢酸(1.42mL、1.49g、24.8mmol)およびトリエチルアミン(3.46mL、2.51g、24.8mmol)と反応させた。シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10−30%酢酸エチル)により、純粋な生成物を得た(0.71g、収率25%)。 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 2.09 (s, 3 H) 3.96 (s, 2 H) 4.88 (s, 2 H) 7.40 (d, J=8.34 Hz, 2 H) 7.79 (d, J=8.59 Hz, 2 H)。
【0163】
2−(4−シアノ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸(化合物17)
25mlの丸底フラスコにて、6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[g]インドリン−2,3−ジオン(0.119g、0.590mmol)を1mLのエタノールおよび3mLの10M NaOHに取り出し、その混合物を還流温度で3分間加熱した。次いで、3mLのエタノール中の酢酸3−(4−シアノ−フェニル)−2−オキソ−プロピルエステル(0.167g、0.767mmol)溶液に加え、反応物をさらに10分間加熱した。次いで、その反応混合物を室温まで冷却し、氷酢酸で酸性化し、黄色沈殿物を濾過して収集した。実施例7の精製についての前記手順に従った。生成物を鮮黄色粉体として得た(42mg、収率20%)。: 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 1.74 - 1.87 (m, 4 H) 2.83 (t, J=5.31 Hz, 2 H) 3.12 (t, J=5.43 Hz, 2 H), 4.40 (s, 2 H), 7.28 (d, J=9.09 Hz, 1 H) 7.51 (d, J=8.59 Hz, 2 H) 7.75 (d, J=8.34 Hz, 2 H) 8.23 (d, J=8.84 Hz, 1 H)。
【0164】
【化33】

【0165】
実施例18および19:化合物18および19の調製
2−(4−カルボキシ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸(化合物18)および2−(4−カルバモイル−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸(化合物19)
実施例7の合成および精製についての前記手順に従い、6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[g]インドリン−2,3−ジオン(0.495g、2.46mmol)を酢酸3−(4−シアノ−フェニル)−2−オキソ−プロピルエステル(0.694g、3.20mmol)と反応させた。2つの生成物を鮮黄色粉末として単離した。化合物(18)を収率15%(139mg)にて得た。: 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 1.76 - 1.88 (m, 4 H) 2.84 (t, J=6.69 Hz, 2 H) 3.16 (t, J=6.32 Hz, 2 H) 4.39 (s, 2 H) 7.30 (d, J=8.84 Hz, 1 H) 7.42 (d, J=8.59 Hz, 2 H) 7.77 (d, J=8.34 Hz, 2 H) 8.43 (d, J=8.84 Hz, 1 H)。化合物(19)を収率10%(92mg)にて得た。: 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 1.77 - 1.89 (m, 4 H) 2.84 (t, J=6.44 Hz, 2 H) 3.16 (t, J=5.81 Hz, 2 H) 4.39 (s, 2 H) 7.30 (d, J=8.84 Hz, 1 H) 7.42 (d, J=8.59 Hz, 2 H) 7.77 (d, J=8.34 Hz, 2 H) 8.43 (d, J=8.84 Hz, 1 H)。
【0166】
【化34】

【0167】
実施例20:化合物20の調製
中間体32:酢酸2−オキソ−3−フェニル−プロピルエステル
3−(3−クロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテートの合成についての前記手順に従い、ベンジル亜鉛ブロミド(26mL、13mmol)、Pd(PPh(0.30g、0.26mmol)の0.5M THF溶液をクロロアセチルクロリド(26mL、13mmol)と反応させた。反応混合物を後処理して、粗生成物を黄色油状物として得た。
この粗物質を、3−(3,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−オン合成について前記したように、酢酸(1.42mL、1.49g、24.8mmol)およびトリエチルアミン(3.46mL、2.51g、24.8mmol)と反応させた。シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10−30%酢酸エチル)により、純粋な生成物を得た(0.83g、収率33%)。 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 2.08 (s, 3 H) 3.80 (s, 2 H) 4.85 (s, 2 H) 7.17 - 7.36 (m, 5 H)。
【0168】
2−ベンジル−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸(化合物20)
実施例7の合成および精製についての前記手順に従い、6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[g]インドリン−2,3−ジオン(0.294g、1.46mmol)を酢酸2−オキソ−3−フェニル−プロピルエステル(0.364g、1.90mmol)と反応させた。生成物を黄色粉体として得た(171mg、収率35%)。: 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 1.75 - 1.89 (m, 4 H) 2.83 (t, J=6.06 Hz, 2 H) 3.17 (t, J=6.10Hz, 2 H) 4.31 (s, 2 H) 7.13 - 7.21 (m, 1 H) 7.23 - 7.36 (m, 5 H) 8.24 (d, J=9.09 Hz, 1 H)。
【0169】
【化35】

【0170】
実施例21:化合物21の調製
中間体33:酢酸2−オキソ−4−フェニル−ブチルエステル
3−(3−クロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテートの合成についての前記手順に従い、フェニルエチル亜鉛ブロミド(26mL、13mmol)、Pd(PPh(0.30g、0.26mmol)の0.5M THF溶液をクロロアセチルクロリド(26mL、13mmol)と反応させた。反応混合物を後処理して、粗生成物を黄色油状物として得た。
この粗物質を、3−(3,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−オンの合成について前記したように、酢酸(1.42mL、1.49g、24.8mmol)およびトリエチルアミン(3.46mL、2.51g、24.8mmol)と反応させた。シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10−30%酢酸エチル)により、不純な混合物を得て、そのものを次の工程にて使用した。
【0171】
3−ヒドロキシ−2−フェネチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸
(化合物21)
実施例7の合成および精製についての前記手順に従い、6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[g]インドリン−2,3−ジオン(0.294g、1.46mmol)を酢酸2−オキソ−4−フェニル−ブチルエステル(0.391g(純度75%)、1.90mmol)と反応させた。生成物を黄色粉体として得た(76mg、収率15%)。: 1H NMR (500MHz、DMSO-D6) δ ppm 1.76 - 1.91 (m, 4 H) 2.85 (t, J=5.95 Hz, 2 H) 3.16 (t, J=7.80 Hz, 2 H) 3.22 (t, J=6.10Hz, 2 H) 3.29 (t, J=7.78 Hz, 2 H) 7.18 (t, J=7.02 Hz, 1 H) 7.23 - 7.35 (m, 5 H) 8.27 (d, J=7.93 Hz, 1 H)。
【0172】
【化36】

【0173】
実施例22:化合物22の調製
中間体34:1−(8−アミノ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−エタノン(2つの異性体の比率が2:3である混合物)
0℃の125mlのジクロロメタンおよび100mLの飽和NaHCO(水溶液)中の1,2,3,4−テトラヒドロ5−アミノイソキノリン(2.1g、14.1mmol)溶液に25mlのジクロロメタン中のアセチルクロリド(1mL、14.1mmol)を滴加した。得られた混合物を0℃で30分間攪拌した。有機相を迅速に分離して有機相を比較的冷たく保った。その有機相に直ぐにメチルアミン塩酸塩(1g、14.2mmol)およびジイソプロピルアミン(2mL、14.1mmol)を加え、未反応のアセチルクロリドを取り除いた。溶媒を除去し、続いてフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン=5:1)に付して、所望のアミド(34)を淡黄色油状物として得た(2g、74%)。1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 2.04 (s, 1.2 H), 2.07 (s, 1.8 H), 2.41 (dd, J=6.06, 6.19 Hz, 1 H), 2.52 (m, 1 H), 3.66 (dd, J=6.06, 6.19 Hz, 2 H), 4.48 (s, 1.2 H), 4.51 (s, 0.8 H), 4.85 - 4.93 (bs, 2 H), 6.36 (dd, J=7.33, 7.33 Hz, 1 H), 6.47 (d, J=7.33 Hz, 0.6 H), 6.49 (d, J=7.33 Hz, 0.4 H), 6.85 (d, J=7.33 Hz, 0.6 H) 6.88 (d, J=7.33 Hz, 0.4 H)。
【0174】
中間体35:N−(2−アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−8−イル)−2−イミノ−アセトアミド(2つの異性体の比率が2:3である混合物)
Yangら(J. Am. Chem. Soc., 1996, 118, 9557)により記載されたイサチン合成法を用いた。抱水クローラル(2.4g、14.9mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(3.3g、47.8mmol)、硫酸ナトリウム(19g、133.8mmol)、中間体(34)(2.4g、12.6mmol)、HCl水溶液(10mL、1N)および90mLの水の混合物を55℃で一晩攪拌した。反応混合物を25℃まで冷却した。沈殿物を濾過して収集し、水で洗浄し、一晩減圧乾燥して中間体(35)(2.8g、85%)をベージュ色固体として得て、それをさらに精製することなく次工程に使用した。1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 2.07 (s, 1.8 H), 2.08 (s, 1.2 H), 2.62 (dd, J=5.94, 5.94 Hz, 0.8 H), 2.72 (dd, J=5.94, 5.94 Hz, 1.2 H), 3.63 (dd, J=6.06, 6.06 Hz, 2 H), 4.61 (s, 1.2 H), 4.66 (s, 0.8 H), 7.07 (s, 0.4 H), 7.09 (s, 0.6 H), 7.19 (d, J=8.00 Hz, 0.4 H), 7.21 - 7.25 (d, J=8.00 Hz, 0.6 H), 7.30 (d, J=7.83 Hz, 0.4 H), 7.33 (d, J=7.83 Hz, 0.6 H), 7.66 (s, 1 H), 9.61 (s, 1 H), 12.19 (s, 1 H)。
【0175】
中間体36:8−アセチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2−h]イソキノリン−2,3−ジオン(2つの異性体の比率が2:3である混合物)
前記で得た中間体(35)を25℃で11mlの濃硫酸と混合した。得られた濃い紫色溶液を85℃まで徐々に加熱し、10分間この温度を維持した。次いで、反応混合物を25℃まで冷却した。50mlの砕いた氷を加え、反応混合物を30分間0℃に維持した。沈殿物を濾過して収集し、水で洗浄し、真空下で一晩乾燥させ、イサチン(36)(1.7g、65%)を橙色固体として得て、それをさらに精製することなく次工程に使用した。 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 2.08 (s, 1.2 H), 2.10(s, 1.8 H), 2.58 (dd, J=5.81, 6.06 Hz, 0.8 H), 2.69 (dd, J=5.81,6.06 Hz, 1.2 H), 3.70 (dd, J=6.23, 6.23 Hz, 2 H), 4.63 (s, 1.2 H), 4.69 (s, 0.8 H), 6.91 (d, J=7.58 Hz, 0.4 H), 6.92 (d, J=7.58 Hz, 0.6 H), 7.33 (d, J=7.83 Hz, 0.4 H), 7.37 (d, J=7.83 Hz, 0.6 H), 11.12 (s, 0.4 H), 11.15 (s, 0.6 H)。
【0176】
2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸(化合物22)
Cragoeら、(J. Org. Chem., 1953, 18, 561)による記載の手順を使用した。100℃の2mlのEtOH中のイサチン(36)(0.85g、3.48mmol)および4mlの6M KOH水溶液の混合物に、2mLのEtOH中の温3−(4−クロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテート(0.9g、3.98mmol)を1時間かけて少しずつ加えた。添加が完了した後、反応混合物をさらに1時間還流した。溶媒を除去し、得られた黄色ゴム状物を1N HCl水溶液でpHが約1になるまで酸性化した。塩基性条件下での黄色沈殿物のHPLCにより白色固体を得て、0℃で1N HCl水溶液を用いてpHが約1になるまで酸性化した。その沈殿物を遠心分離により収集し、水で洗浄し、真空下で乾燥させて、化合物(22)(0.144g、16%)を黄色固体として得た。 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 2.51 - 2.56 (m, 2 H), 3.37 - 3.42 (m, 2 H), 4.23 (s, 2 H), 4.33 (bs, 2 H), 7.18 (d, J=9.09 Hz, 1 H), 7.27 - 7.33 (m, 2 H), 7.33 - 7.39 (m, 2 H), 8.95 (bs, 2 H), 9.31 (d, J=9.09 Hz, 1 H)。
【0177】
【化37】

【0178】
実施例23:化合物23の調製
2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−9−イソプロピル−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸(化合物23)
化合物(22)(0.12g、0.297mmol)、トリエチルアミン(46μL、0.30mmol)、アセトン(26μL、0.446mmol)、水素化シアノほう素ナトリウム(23mg、0.36mmol)、3mlのメタノールおよび3滴の酢酸の混合物を25℃で一晩攪拌した。LC/MSにより約半分の出発物質が残留していることが示された。水およびトリエチルアミンを滴加して沈殿物を溶かした。透明な反応混合物をHPLCに付して白色固体を得て、それを1N HCl水溶液でpHが約1になるまで酸性化した。沈殿物を遠心分離により収集し、水で洗浄し、真空下で乾燥させ、化合物(23)(8.4mg、消費された出発物質に基づいて32%)を白色固体として得た。 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 1.43 (d, J=6.57, 1.77 Hz, 3 H), 1.43 (d, J=6.57, 3 H), 3.30 - 3.48 (m, 2 H), 3.61 - 3.92 (m, 3 H), 4.38 - 4.61 (m, 4 H), 7.21 - 7.32 (m, 3 H) 7.39 (d, J=8.34 Hz, 2 H) 9.32 (d, J=9.09 Hz, 1 H)。
【0179】
【化38】

【0180】
実施例24:化合物24の調製
9−ベンジル−2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸(化合物24)
実施例23の合成および精製についての前記手順に従い、2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸(0.12g、0.297mmol)をベンズアルデヒドと反応させて、化合物(24)(24.1mg、40%)を得た。白色固体。 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 3.32 - 3.54 (m, 2 H), 3.67 - 3.96 (m, 2 H), 4.29 (s, 2 H), 4.38 - 4.47 (m, 2 H), 4.52 (s, 2 H), 7.21 (d, J=8.84 Hz, 1 H), 7.24 - 7.33 (m, 2 H), 7.34 - 7.43 (m, 2 H), 7.48 - 7.57 (m, 3 H), 7.56 - 7.67 (m, 2 H), 9.31 (d, J=8.84 Hz, 1 H)。
【0181】
【化39】

【0182】
実施例25:化合物25の調製
2−(4−クロロ−ベンジル)−9−エチル−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸(化合物25)
実施例23の合成および精製についての前記手順に従い、2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸(0.12g、0.297mmol)をアセトアルデヒドと反応させて、化合物(25)(2.2mg、消費された出発物質に基づいて3.4%)を得た。淡黄色固体。 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 1.38 (t, J=7.33 Hz, 3 H), 2.55 - 2.60 (m, 1 H), 2.66 - 2.76 (m, 1 H), 3.34 (q, J=7.33 Hz, 2 H), 3.64 - 3.93 (m, 2 H), 4.30 (s, 2 H), 4.40 (d, J=15.16 Hz, 1 H), 4.62 (d, J=15.16 Hz, 1 H), 7.26 - 7.34 (m, 3 H), 7.34 - 7.41 (m, 2 H), 9.08 (d, J=8.08 Hz, 1 H)。
【0183】
【化40】

【0184】
実施例26:化合物26の調製
9−アセチル−2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸(化合物26) (2つの異性体の混合物)
2mlのピリジン中の2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸(0.14g、0.346mmol)にトリエチルアミン(60μL、0.43mmol)および無水酢酸(0.18mL、2.07mmol)を0℃で加えた。反応混合物を25℃まで加温し、一晩攪拌した。反応混合物をHPLCに付して、アセトアミドエステル(90mg、0.20mmol)を白色固体として得て、それを1mLの水中のLiOH(36mg、0.80mmol)で処理した。混合物を25℃で5時間攪拌した。DMSOおよびトリエチルアミンを反応混合物に滴加して、沈殿物を溶かした。その透明溶液をHPLCに付して、化合物(26)(20.7mg、25%)を黄色固体として得た。 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 2.24 (s, 3 H), 3.21 - 3.42 (m, 2 H), 3.77 - 3.87 (m, 2 H), 4.34 (s, 2 H), 4.73 - 4.84 (m, 2 H), 7.27 - 7.42 (m, 5 H), 8.49 - 8.57 (m, 1 H)。
【0185】
【化41】

【0186】
実施例27:化合物27の調製
9−カルバモイル−2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸
2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸(0.213g、0.53mmol)、酢酸(0.6mL、5.3mmol)、トリエチルアミン(0.146mL、1.06mmol)、KOCN(43mg、0.53mmol)およびピリジン(0.84mL、5.3mmol)の混合物を25℃で一晩攪拌した。固体を濾過して除去した。母液をHPLCに付して、純粋な生成物(49.1mg、22%)をベージュ色固体として得た。 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 3.25 (m, 2 H), 3.68 (m, 2 H), 4.34 (s, 2 H), 4.63 (s, 2 H), 7.22 - 7.45 (m, 5 H), 8.47 (d, J=9.09 Hz, 1 H)。
【0187】
【化42】

【0188】
実施例28および29:化合物28および化合物29の調製
9−ベンゾイル−2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸および9−ベンゾイル−3−ベンゾイルオキシ−2−(4−クロロ−ベンジル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸
0℃の2mlのジクロロメタン中の2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸(0.132g、0.32mmol)にベンゾイルクロリド(57μL、0.48mmol)およびトリエチルアミン(0.10mL、0.74mmol)を加えた。混合物を25℃で一晩攪拌した。その混合物をHPLCに付して、化合物(28)(14.6mg、9.7%)を黄色固体として、化合物(29)(4.0mg、2.3%)を白色固体として得た。化合物(28): 1H NMR (500MHz、DMSO-D6) δ ppm 3.32 (dd, J=5.80, 5.80 Hz, 2 H), 3.81-3.83 (m, 2 H), 4.34 (s, 2 H), 4.81 (s, 2 H), 7.27 - 7.34 (m, 3 H), 7.35 - 7.41 (m, 2 H), 7.43 - 7.54 (m, 5 H), 8.52 (d, J=8.85 Hz, 1 H)。化合物(29): 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 3.37 - 3.46 (m, 2 H), 3.56 - 3.60 (m, 2 H), 4.28 (s, 2 H), 5.00 (s, 2 H), 7.15 - 7.34 (m, 4 H), 7.45 - 7.57 (m, 6 H), 7.64 (dd, J=7.71, 8.21 Hz, 2 H), 7.80 (dd, J=7.71, 8.21 Hz, 1 H), 7.88 - 7.98 (m, 1 H), 8.10(d, J=7.07 Hz, 2 H)。
【0189】
【化43】

【0190】
実施例30:化合物30の調製
2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−9−メタンスルホニル−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸(化合物30)
実施例28の合成および精製についての前記手順に従い、2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸(0.219g、0.54mmol)をメタンスルホニルクロリド(1当量)と反応させて、化合物(30)(19mg、7.9%)を得た。 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 2.97 (s, 3 H), 3.34 (dd, J=5.68, 6.06 Hz, 2 H), 3.53 (dd, J=5.68, 6.06 Hz, 2 H), 4.27 (s, 2 H), 4.45 (s, 2 H), 7.25 (d, J=8.84 Hz, 1 H), 7.31 (m, 2 H), 7.37 (m, 2 H), 8.97 (d, J=8.84 Hz, 1 H)。
【0191】
【化44】

【0192】
実施例31および32:化合物31および化合物32の調製
2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,10−ジヒドロ−8H−[1,9]フェナントロリン−4,9−ジカルボン酸9−エチルエステル(化合物31)および2−(4−クロロ−ベンジル)−3−エトキシカルボニルオキシ−7,10−ジヒドロ−8H−[1,9]フェナントロリン−4,9−ジカルボン酸9−エチルエステル(化合物32)
実施例28の合成および精製についての前記手順に従い、2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸(0.13g、0.32mmol)をクロロギ酸エチルと反応させて、化合物(31)(23.2mg、16.5%)を黄色固体として、化合物(32)(8.5mg、5.2%)を白色固体として得た。化合物(31): 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 1.24 (t, J=7.07 Hz, 3 H), 3.25 (dd, J=5.68, 6.19 Hz, 2 H), 3.73 (dd, J=5.68, 6.19 Hz, 2 H), 4.12 (t, J=7.07 Hz, 2 H), 4.32 (s, 2 H), 4.67 (s, 2 H), 7.30 - 7.42 (m, 5 H), 8.37 (d, J=8.84 Hz, 1 H)。 化合物(32): 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 1.22 (t, J=7.16 Hz, 3 H), 1.26 (t, J=7.07 Hz, 3 H), 3.29 (dd, J=5.05, 5.81 Hz, 2 H), 3.76 (dd, J=5.05, 5.81 Hz, 2 H), 4.12 (q, J=7.16 Hz, 2 H), 4.22 (q, J=7.07 Hz, 2 H), 4.26 (s, 2 H), 4.74 (s, 2 H), 7.28 (m, 2 H), 7.35 (m, 2 H), 7.54 (d, J=8.84 Hz, 1 H), 7.85 (d, J=8.84 Hz, 1 H)。
【0193】
【化45】

【0194】
実施例33:化合物33の調製
2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−9−フェニルアセチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸(化合物33)(2つの異性体の混合物)
実施例28の合成および精製についての前記手順に従い、2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸(0.13g、0.32mmol)をフェニルアセチルクロリドと反応させて、化合物(33)(27.2mg、17.5%、2つの異性体の比率が2:1である混合物)を黄色固体として得た。 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 3.06 - 3.16 (m, 2 H), 3.75 - 3.92 (m, 4 H), 4.28 (s, 2 H), 4.74 (s, 1.3 H) 4.80 - 4.88 (m, 0.7 H), 7.14 - 7.40 (m, 10H), 8.37 - 8.64 (m, 1 H)。
【0195】
【化46】

【0196】
実施例34:化合物34の調製
2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−9−(プロパン−2−スルホニル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸(化合物34)(2つの異性体の比率が2:1である混合物)
実施例28の合成および精製についての前記手順に従い、2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸(0.13g、0.32mmol)をイソプロピルスルホニルクロリド(1当量)と反応させて、化合物(34)を黄色固体(5.2mg、3.4%、2つの異性体の比率が2:1である混合物)として得た。 1H NMR (500MHz、DMSO-D6) δ ppm 1.23 (d, J=7.02 Hz, 6 H), 3.11 - 3.14 (m, 2 H), 3.23 - 3.32 (septlet, J=5.00 Hz, 1 H), 3.56 (dd, J=5.95, 5.95 Hz, 0.6 H), 3.63 (dd, J=5.95, 5.95 Hz, 1.4 H), 4.25 (s, 2 H), 4.46 (s, 0.6 H), 4.53 (s, 1.4 H), 7.23 - 7.27 (m, 1 H), 7.28 (d, J=10.00 Hz, 2 H) 7.33 (d, J=10.00 Hz, 2 H) 8.78 - 8.87 (m, 1 H)。
【0197】
【化47】

【0198】
実施例35:化合物35の調製
2−(4−クロロ−ベンジル)−3−メトキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸(化合物35)
室温で2mlのアセトン中の2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸(0.117g、0.32mmol)に、炭酸カリウム(0.132g、0.96mmol)およびヨードメタン(0.136g、0.96mmol)を加えた。混合物を一晩攪拌した。その混合物をHPLCに付して、化合物(35)(90mg、75%)を白色固体として得た。 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 1.69 - 1.94 (m, 4 H), 2.76 - 2.88 (m, 2 H), 3.11 - 3.19 (m, 2 H), 3.80 (s, 3 H), 4.21 (s, 2 H), 7.15 (d, J=8.59 Hz, 1 H), 7.31 (s, 4 H), 7.49 (d, J=8.59 Hz, 1 H)。
【0199】
【化48】

【0200】
実施例36:化合物36および37の調製
3−ヒドロキシ−2−ピペリジン−4−イル−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸(化合物36)および2−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸(化合物37)
中間体(37)を、1−クロロ−3−(チオフェン−2−イル)プロパン−2−オン(中間体(15))について記載の手順を用いて、酸クロリドのArndt−Eistertホモロゲーションにより合成した。酸クロリド(1.35g、7.1mmol)を40mlのエーテル性ジアゾメタン溶液と反応させ、続いてHClガスを通じた。粗物質そのものを次の工程にて使用した。3−(3,4−ジクロロフェニル)−2−オキソプロピルアセテート合成についての前記手順を用いて、中間体(38)合成を行うことに従い、1−クロロ−3−(チオフェン−2−イル)プロパン−2−オン(1.16g、5.73mmol)を酢酸(0.66mL、0.69g、12mmol)およびトリエチルアミン(1.60mL、1.16g、11.5mmol)と反応させた。粗中間体(40)そのものを次の工程にて使用した。
化合物(36)および(37)を、実施例7の合成および精製についての前記手順を用いて合成し、6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[g]インドリン−2,3−ジオン(0.112g、0.557mmol)を酢酸2−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−2−オキソ−エチルエステル(中間体(40)、0.165g、0.724mmol)と反応させた。2つの生成物を白色固体として単離した。化合物(36)(18.1mg、収率10%)。: 1H NMR (400MHz、DMSO-D6) δ ppm 1.72 - 1.89 (m, 4 H) 1.96 - 2.19 (m, 4 H) 2.69 - 2.87 (m, 2 H) 3.06 - 3.16 (m, 2 H) 3.19 (t, J=5.81 Hz, 2 H) 3.38 - 3.50 (m, 2 H) 3.52 - 3.67 (m, 1 H) 7.07 (d, J=8.84 Hz, 1 H) 8.28 (br s, 1 H) 8.54 (br s, 1 H) 9.17 (d, J=8.59 Hz, 1 H); 化合物(37)(10mg、収率5%): 1H NMR (500MHz、DMSO-D6) δ ppm 1.65 - 1.73 (m, 1 H) 1.77 - 1.99 (m, 7 H) 2.06 (s, 3 H) 2.77 (t, J=11.44 Hz, 1 H) 2.84 (t, J=6.10Hz, 2 H) 3.15 - 3.30 (m, 3 H) 3.54 (t, J=11.14 Hz, 1 H) 3.98 (d, J=13.73 Hz, 1 H) 4.51 (d, J=13.73 Hz, 1 H) 7.26 (d, J=8.85 Hz, 1 H) 8.31 (d, J=8.85 Hz, 1 H)。
【0201】
実施例37:本発明の化合物のアッセイ
本発明の化合物は、当分野で既知のいずれかの方法を用いてセレクチン阻害活性についてアッセイすることができる。都合のよい方法の1つには、ビアコア(Biacore)を用いた、P−セレクチン阻害剤のP−セレクチン糖蛋白質リガンド−1(PSGL−1)に対する結合のIC50値の決定がある。
ビアコア3000は、センサーチップ表面上に固定されたリガンドへの溶液相のアナライトの結合を検出するための表面プラズモン共鳴法を用いた装置である。アナライト試料は、マイクロ流路系を用いて流しながら注入される。アナライトのリガンドへの結合は、センサーチップ表面上の屈折光の角度の変化を引き起こし、ビアコア装置によりレゾナンスユニット(RU)にて測定される。
【0202】
SGP−3は、P−セレクチン結合決定因子を含むヒトPSGL−1の精製されたスルホン糖ペプチド(sulfoglycopeptide)型である(Somersら、2000, Cell 103, 467-479参照)。SGP−3は、唯一のC末端リジン残基にてアミン化学を介してビオチン化され、ストレプトアビジンでコートされたSAセンサーチップ上に固定化される。レクチンおよびEGFドメインを含むヒトP−セレクチンの可溶性組換え切断型(P−LE)を含む溶液は、SGP−3コートされたセンサーチップに運ばれる。P−LE溶液は、100mMのHEPES、150mMのNaCl、1mMのCaCl2、1mMのMgCl、0.05%のP40、10%のDMSOを含む。K値は、ビアコア分析形式(Somersら、前掲)を用いて典型的に計算され、約778+/−105nMであった。
【0203】
小分子のP−セレクチン阻害剤を、ビアコア3000に導入する前に、100mMのHEPES、150mMのNaCl、1mMのCaCl、1mMのMgCl、0.05%のP40、10%のDMSO中で一時間インキュベートする。沈殿物の形成が見られた場合は溶液を濾過する。可溶性P−LEを、それぞれ最終濃度500nMおよび500μMにて小分子溶液に加えた。試料注入は2回行い、それぞれの化合物は少なくとも2回アッセイする。
【0204】
ビアコアアッセイにより、阻害剤の存在および不在におけるP−LEのSGP−3への結合により示されるRUシグナルを測定する。結合の阻害パーセントは、阻害シグナルを非阻害シグナルで割り、1からその値を引き、次いで100を掛けることで計算される。500μMにて50%以上の阻害率を有する阻害剤は、二倍希釈系列を用いて再度アッセイする。この滴定によるデータをRU値対濃度でプロットし、そのプロットからIC50を推定して決定する。Glycerrhizzinは、1mMで50%阻害する陽性対照として用いる。
【0205】
化合物1〜6を、前記のようにアッセイした。4つの化合物のIC50値は、125μM〜500μMの範囲であった。1つの化合物は500μMで17%阻害を示し、1つの化合物は125μMで11%阻害を示した。
【0206】
化合物7〜10、17〜20および22〜33もまた前記のように試験した。6つの化合物は、100μM〜1250μMの範囲のIC50値を示した。更なる3個の化合物の250μMでの阻害パーセントは、46%〜58%の範囲であった。更なる10個の化合物の500μMでの阻害パーセントは、5%〜55%の範囲であり、3個の化合物は、その濃度では顕著な阻害パーセントを示さなかった。さらに、1つの化合物は1000μMで24%阻害を示した。
【0207】
本明細書にて記載される特許、出願および書籍を含む出版物はそれぞれ、出展明示によりその全てを本発明の一部とする。本出願は、2003年11月10日に出願された米国特許仮出願第60/518,939号および2004年2月9日に出願された米国特許仮出願第60/542,986号に対して優先権を主張し、出展明示により本発明の一部とする。
【0208】
当業者であれば、本発明の意図を逸脱することなく本発明の好ましい実施形態の種々の変更および改良を認識するであろう。かかる全ての改変は本発明の範囲内にあるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


[式中:
およびWは、それらが結合している原子と一緒になって5員もしくは6員炭素環式または複素環式環を形成し、それらは、飽和、一部飽和または芳香族性であってよく、並びに水素、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、OC1−6アルキル、OC1−6ペルハロアルキル、ハロゲン、チオアルキル、CN、OH、SH、(CHOSOH、(CHSOH、(CHCO、OSO、SO、SO、PO、(CHSONR、(CHC(=O)NR、NR、C(=O)R12、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、OC(=O)アリール、OC(=O)ヘテロシクロ、Oアリール、Oヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、OC(=O)アリールアルキル、Oアリールアルキル、アルケニル、アルキニルおよびNHCORからなる群より選択される同一または異なる3個までの基で置換されていてもよく、ここで、前記アルキル、Oアルキル、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、O−C(=O)アリール、O−C(=O)ヘテロシクロ、O−アリール、O−ヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、O−C(=O)アリールアルキル、O−アリールアルキル、アルケニルまたはアルキニルはいずれも、ハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびCNからなる群より選択される同一または異なる3個までの置換基で置換されることがあってもよく;
Lは、COH、そのエステルまたは医薬上許容される酸模擬体であり;
Yは、O、(CRまたはNRであり;
n’は、0または1であり;
pは、1〜3であり;
Xは、水素、OH、OR、OC1−6アルキル、OC(=O)−アリール、OC(=O)C1−6アルキル、OC(=O)OC1−6アルキルまたはNR3’であり;
各々のR1、、R3’およびRは、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、OC1−6アルキル、OC1−6ペルハロアルキル、ハロゲン、チオアルキル、CN、OH、SH、(CHOSOH、(CHSOH、(CHCO、OSO、SO、PO、(CHSONR、(CHC(=O)NR、NR、C(=O)R12、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、OC(=O)アリール、OC(=O)ヘテロシクロ、Oアリール、Oヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、OC(=O)アリールアルキル、Oアリールアルキル、アルケニル、アルキニルおよびNHCORからなる群より選択され、ここで、前記アルキル、Oアルキル、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、O−C(=O)アリール、O−C(=O)ヘテロシクロ、O−アリール、O−ヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、O−C(=O)アリールアルキル、O−アリールアルキル、アルケニルまたはアルキニルはいずれも、ハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびCNからなる群より選択される同一または異なる3個までの置換基で置換されることがあってもよく;
各々のRおよびRは、独立して、水素、並びにOH、CF、SHおよびハロゲンからなる群より選択される同一または異なる3個までの置換基で置換されることあるC1−6アルキルからなる群より選択され;
各々のR、RおよびRは、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、チオアルキル、OH、(CHOSOH、(CHSO10、(CHCO10、SO10、PO1011、(CHSO(CHNR1011、(CHCONR1011、COR10、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、OC(=O)アリール、OC(=O)ヘテロシクロ、Oアリール、Oヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、OC(=O)アリールアルキル、Oアリールアルキル、アルケニルおよびアルキニルからなる群より選択され、ここで、前記アルキル、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、OC(=O)アリール、OC(=O)ヘテロシクロ、Oアリール、Oヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、OC(=O)アリールアルキル、Oアリールアルキル、アルケニルまたはアルキニルはいずれも、ハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびCNからなる群より選択される同一または異なる3個までの置換基で置換されることがあってもよい;
各々のnは、0〜6の整数から独立して選択され;
各々のlは、1〜6の整数から独立して選択され;
各々のR10およびR11は、独立して、水素、並びにOH、CF、SHおよびハロゲンからなる群より選択される同一または異なる3個までの置換基で置換されることあるC1−6アルキルからなる群より選択され;
各々のR12独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、OC1−6アルキル、OC1−6ペルハロアルキル、チオアルキル、OH、(CHOSOH、(CHSOH、(CHCO、(CHSONR、(CHC(=O)NR、NR、アルケニル、アルキニルおよびNHCORからなる群より選択され、ここで、前記アルキル、Oアルキル、アルケニルまたはアルキニルはいずれも、ハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびCNからなる群より選択される同一または異なる3個までの置換基で置換されることがあってもよい;および
Zは、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクロであり、ここで、各々の前記アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクロは、置換されることがある]
を有する化合物または医薬上許容されるその塩。
【請求項2】
およびWは、それらが結合している原子と一緒になって、ヘテロ原子もしくはヘテロ原子(群)が、O、N、SまたはNR13から独立して選択される4個までのヘテロ原子を有する5員または6員複素環式環を形成し;
ここで、R13は、水素、C(=O)R20、SO20、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、チオアルキル、OH、(CHOSOH、(CHSO10、(CHCO10、SO10、PO1011、(CHSO(CHNR1011、(CHCONR1011、COR10、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、OC(=O)アリール、OC(=O)ヘテロシクロ、Oアリール、Oヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、OC(=O)アリールアルキル、Oアリールアルキル、アルケニルおよびアルキニルからなる群より選択され、ここで、前記アルキル、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、OC(=O)アリール、OC(=O)ヘテロシクロ、Oアリール、Oヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、OC(=O)アリールアルキル、Oアリールアルキル、アルケニルまたはアルキニルはいずれも、ハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびCNからなる群より選択される3個までの置換基で置換されることがあってもよい;および
各々のR20は、独立して、C1−10アルキル、OC1−10アルキルおよびNRからなる群より選択されるところの、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
式(II):
【化2】

II
[式中:
結合aおよび結合bは、それぞれ独立して単結合または二重結合であってよく;
、Q、QおよびQは、それぞれ独立して、CR2’、CHR2’、NまたはNR13であり;
kは、0または1であり;
各々のR2’は、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、OC1−6アルキル、OC1−6ペルハロアルキル、ハロゲン、チオアルキル、CN、OH、SH、(CHOSOH、(CHSOH、(CHCO、OSO、SO、PO、(CHSONR、(CHC(=O)NR、NR、C(=O)R12、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、OC(=O)アリール、OC(=O)ヘテロシクロ、Oアリール、Oヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、OC(=O)アリールアルキル、Oアリールアルキル、アルケニル、アルキニルおよびNHCORからなる群より選択され、ここで、前記アルキル、Oアルキル、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、O−C(=O)アリール、O−C(=O)ヘテロシクロ、O−アリール、O−ヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、O−C(=O)アリールアルキル、O−アリールアルキル、アルケニルまたはアルキニルはいずれも、ハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびCNからなる群より選択される3個までの置換基で置換されることがあってもよく;
各々のR13は、それぞれ独立して、水素、C(=O)R20、SO20、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、チオアルキル、OH、(CHOSOH、(CHSO10、(CHCO10、SO10、PO1011、(CHSO(CHNR1011、(CHCONR1011、COR10、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、OC(=O)アリール、OC(=O)ヘテロシクロ、Oアリール、Oヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、OC(=O)アリールアルキル、Oアリールアルキル、アルケニルおよびアルキニルからなる群より選択され、ここで、前記アルキル、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、OC(=O)アリール、OC(=O)ヘテロシクロ、Oアリール、Oヘテロシクロ、アリールアルキル、C(=O)アリールアルキル、OC(=O)アリールアルキル、Oアリールアルキル、アルケニルまたはアルキニルはいずれも、ハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびCNからなる群より選択される3個までの置換基で置換されることがあってもよく;および
各々のR20は、独立して、C1−10アルキル、OC1−10アルキルおよびNRからなる群より選択される]
を有する請求項1記載の化合物。
【請求項4】
式(III):

III
を有する請求項3にて定義する化合物。
【請求項5】
kは1であり、並びに結合aおよびbはそれぞれ単結合であるところの、請求項3または請求項4記載の化合物。
【請求項6】
kは1であり、結合aおよびbはそれぞれ単結合であり、並びにQ、Q、QおよびQはそれぞれ独立してCHR2’であるところの、請求項3または請求項4記載の化合物。
【請求項7】
kは1であり、結合aおよびbはそれぞれ単結合であり、並びにQ、Q、QおよびQはそれぞれ独立してCHであるところの、請求項3または請求項4記載の化合物。
【請求項8】
kは0であり、結合aは単結合であり、並びにQ、QおよびQはそれぞれ独立してCHR2’であるところの、請求項3または請求項4記載の化合物。
【請求項9】
kは0であり、結合aは単結合であり、並びにQ、QおよびQはそれぞれCHであるところの、請求項3または請求項4記載の化合物。
【請求項10】
kは0であり、結合aは単結合であり、並びにQはNR13であるところの、請求項3または請求項4記載の化合物。
【請求項11】
kは0であり、結合aは単結合であり、並びにQはNHであるところの、請求項3または請求項4記載の化合物。
【請求項12】
およびQはそれぞれCHであるところの、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
kは1であり;結合aおよび結合bはそれぞれ二重結合であり;並びにQ、Q、QおよびQはそれぞれCR2’であるところの、請求項3または請求項4記載の化合物。
【請求項14】
kは1であり;結合aおよび結合bはそれぞれ二重結合であり;並びにQ、Q、QおよびQはそれぞれCHであるところの、請求項3または請求項4記載の化合物。
【請求項15】
、QおよびQはCHであり;kは1であり、並びにQはNR13であるところの、請求項3または請求項4記載の化合物。
【請求項16】
およびWが一緒になって−(CH−、−(CH−、−(CH−NH−、−(CH−NH−CH−または−CH=CH−CH=CH−を形成し、それらはいずれも、ハロゲン、OH、CN、SH、NH、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C(=O)R20、SO20およびC1−6チオアルキルからなる群より選択される同一または異なる3個までの置換基で置換されることがあってもよいところの、請求項3または請求項4記載の化合物。
【請求項17】
およびWが一緒になって、置換されていない−(CH−、−(CH−、−(CH−NH−または−CH=CH−CH=CH−を形成するところの、請求項3または請求項4記載の化合物。
【請求項18】
およびWが一緒になって置換されていない−(CH−を形成するところの、請求項3または請求項4記載の化合物。
【請求項19】
n’が0であるところの、請求項1〜18のいずれかに記載の化合物。
【請求項20】
n’が1であり;およびYがCRであるところの、請求項1〜18のいずれかに記載の化合物。
【請求項21】
YがCHでであるところの、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
XがOHであるところの、請求項1〜21のいずれかに記載の化合物。
【請求項23】
LがCOHまたはそのエステルであるところの、請求項1〜22のいずれかに記載の化合物。
【請求項24】
が、H、ハロゲン、OH、CN、SH、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C1−6チオアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
ここで、前記アリールおよび前記ヘテロアリールは、それぞれハロゲン、OH、CN、SH、NH、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキルおよびC1−6チオアルキルからなる群より選択される同一または異なる3個までの置換基で置換されることがあってもよく;および
ここで、前記C1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびC1−6チオアルキルは、ハロゲン、OH、CN、SH、NH、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキルおよびC1−6チオアルキルからなる群より選択される同一または異なる3個までの置換基で置換されることがあってもよいところの、請求項1〜23のいずれかに記載の化合物。
【請求項25】
は、水素、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、OC1−6アルキル、OC1−6ペルハロアルキル、ハロゲン、チオアルキル、CN、OH、SH、(CHOSOH、(CHSOH、(CHCO、OSO、SO、PO、(CHSONR、(CHC(=O)NR、NR、アリール、ヘテロシクロ、C(=O)R12、C(=O)アリール、C(=O)ヘテロシクロ、OC(=O)アリール、OC(=O)ヘテロシクロ、Oアリール、Oヘテロシクロ、C(=O)アリールアルキル、OC(=O)アリールアルキル、Oアリールアルキル、アルケニル、アルキニルまたはNHCORであるところの、請求項1〜23のいずれかに記載の化合物。
【請求項26】
が水素であるところの、請求項1〜23のいずれかに記載の化合物。
【請求項27】
Zが:
(a)N、SまたはOから選択される1〜3個の環ヘテロ原子を含む5員複素環式環;ここで、前記5員複素環式環は、ハロゲン、C1−10アルキル、OC1−10アルキル、NO、NH、CN、CFまたはCOHから選択される同一または異なる1〜3個の置換基で置換されることがある;
(b)N、SまたはOから選択される1〜3個の環ヘテロ原子を含む6員複素環式環;ここで、前記6員複素環式環は、ハロゲン、C1−10アルキル、OC1−10アルキル、CHO、COH、C(=O)R20、SO20、NO、NH、CN、CFまたはOHから選択される同一または異なる1〜3個の置換基で置換されることがある;
(c)NまたはOから選択される1〜3個の環ヘテロ原子を含むことある二環式環部分;ここで、前記二環式環部分は、ハロゲン、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、CHO、NO、NH、CN、CF、COH、C(=O)R20、SO20またはOHから選択される同一または異なる1〜3個の置換基で置換されることがある;または
(d)ベンジル、ナフチルまたはフェニル環、そのそれぞれがハロゲン、C1−6アルキル、フェニル、ベンジル、Oフェニル、Oベンジル、SONH、SONH(C1−6アルキル)、SON(C1−6アルキル)、CHCOOH、COH、COMe、COEt、COiPr、C(=O)NH、C(=O)NH(C1−6アルキル)、C(=O)N(C1−6アルキル)、OH、SC1−6アルキル、OC1−6アルキル、NO、NH、CFまたはCNから選択される同一または異なる1〜3個の置換基で置換されることがある
から選択されるところの、請求項1〜26のいずれかに記載の化合物。
【請求項28】
ZがR23であり、ここで、R23はアリールまたはヘテロアリールであり、前記アリールおよび前記ヘテロアリールは、ハロゲン、OH、CN、SH、NH、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキルおよびC1−6チオアルキルからなる群より選択される同一または異なる3個までの置換基で置換されることがあってもよい;および
24およびR25が一緒になって−(CH−、−(CH−、−(CH−NH−、−(CH−NH−CH−または−CH=CH−CH=CH−を形成し、それらはいずれも、ハロゲン、OH、CN、SH、NH、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C(=O)R20、SO20およびC1−6チオアルキルからなる群より選択される同一または異なる3個までの置換基で置換されていてもよい
ところの、請求項1〜26のいずれかに記載の化合物。
【請求項29】
Zが、フェニルまたは置換フェニルであるところの、請求項1〜26のいずれかに記載の化合物。
【請求項30】
Zが、ハロゲン、OH、CN、SH、NH、CH、OCH、CFおよびOCFからなる群より選択される置換基により、その4位が置換されているフェニルであるところの、請求項1〜26のいずれかに記載の化合物。
【請求項31】
Zが、ハロゲンおよびOCFからなる群より選択される置換基により、その4位が置換されているフェニルであるところの、請求項1〜26のいずれかに記載の化合物。
【請求項32】
式(IV):
【化3】

IV
[式中:
n’は、0または1であり;
は、H、ハロゲン、OH、CN、SH、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C1−6チオアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
ここで、前記アリールおよび前記ヘテロアリールは、ハロゲン、OH、CN、SH、NH、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキルおよびC1−6チオアルキルからなる群より選択される3個までの置換基でそれぞれ置換されることがあってもよく;および
ここで、前記C1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびC1−6チオアルキルは、ハロゲン、OH、CN、SH、NH、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキルおよびC1−6チオアルキルからなる群より選択される3個までの置換基でそれぞれ置換されることがあってもよい
23は、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、前記アリールおよび前記ヘテロアリールは、ハロゲン、OH、CN、SH、NH、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキルおよびC1−6チオアルキルからなる群より選択される3個までの置換基でそれぞれ置換されることがあってもよい;および
ここで、R24およびR25は、一緒になって、−(CH−、−(CH−、−(CH−NH−、−(CH−NH−CH−または−CH=CH−CH=CH−を形成し、それらはいずれも、ハロゲン、OH、CN、SH、NH、OC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C(=O)R20、SO20およびC1−6チオアルキルからなる群より選択される3個までの置換基で置換されてもよい]
を有する請求項1記載の化合物。
【請求項33】
23が置換されていることあるアリールであるところの、請求項32の化合物。
【請求項34】
23が置換されていることあるフェニルであるところの、請求項32の化合物。
【請求項35】
23が、ハロゲン、OH、CN、SH、NH、CH、OCH、CFおよびOCFからなる群より選択される置換基により、その4位が置換されているフェニルであるところの、請求項32の化合物。
【請求項36】
23が、ハロゲンおよびOCFからなる群より選択される置換基により、その4位が置換されているフェニルであるところの、請求項32の化合物。
【請求項37】
24およびR25が一緒になって置換されていない−(CH−、−(CH−、−(CH−NH−または−CH=CH−CH=CH−を形成するところの、請求項32〜36のいずれかに記載の化合物。
【請求項38】
がHであり;並びにR24およびR25が一緒になって置換されていない−(CH−を形成するところの、請求項32〜36のいずれかに記載の化合物。
【請求項39】
がHであり;並びにR24およびR25が一緒になって置換されていない−(CH−を形成するところの、請求項32〜36のいずれかに記載の化合物。
【請求項40】
がHであり;並びにR24およびR25が一緒になって置換されていない−(CH−NH−を形成するところの、請求項32〜36のいずれかに記載の化合物。
【請求項41】
がHであり;並びにR24およびR25が一緒になって置換されていない−CH=CH−CH=CH−を形成するところの、請求項32〜36のいずれかに記載の化合物。
【請求項42】
がHであり;並びにR24およびR25が一緒になって置換されることある−(CH−NH−CH−を形成するところの、請求項32〜36のいずれかに記載の化合物。
【請求項43】
以下の:
a) 2−(4−クロロ−フェニル)−3−ヒドロキシ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
b) 2−(4−クロロ−フェニル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
c) 3−ヒドロキシ−2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
d) 8−(4−クロロ−ベンジル)−7−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−9−アザ−シクロペンタ[a]ナフタレン−6−カルボン酸;
e) 8−(4−クロロ−ベンジル)−7−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−h]キノリン−6−カルボン酸;
f) 2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
g)トリエチルアンモニウム7,8−ベンゾ−2−(4−クロロフェニル)−3−ヒドロキシキノリン−4−カルボキシレート;
h)2−(3,4−ジクロロベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
i)3−ヒドロキシ−2−(チオフェン−2−イルメチル)−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
j)2−(ベンゾ[b]チオフェン−3−イルメチル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
k)2−(2−クロロベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
l)2−(3−クロロベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
m)3−ヒドロキシ−2−[2−(3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)]−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
n)3−ヒドロキシ−2−(チオフェン−3−イルメチル)−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
o)3−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イルメチル)−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
p)2−(5−クロロベンゾ[b]チオフェン−3−イルメチル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
q)3−ヒドロキシ−2−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
r)2−(4−シアノ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
s)2−(4−カルボキシ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
t)2−(4−カルバモイル−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
u)2−ベンジル−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
v)3−ヒドロキシ−2−フェネチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
w)2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;
x)2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−9−イソプロピル−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;
y)9−ベンジル−2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;
z)2−(4−クロロ−ベンジル)−9−エチル−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;
aa)9−アセチル−2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;
ab)9−カルバモイル−2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;
ac)9−ベンゾイル−2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;
ad)9−ベンゾイル−3−ベンゾイルオキシ−2−(4−クロロ−ベンジル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;
ae)2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−9−メタンスルホニル−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;
af)2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−7,10−ジヒドロ−8H−[1,9]フェナントロリン−4,9−ジカルボン酸9−エチルエステル;
ag)2−(4−クロロ−ベンジル)−3−エトキシカルボニルオキシ−7,10−ジヒドロ−8H−[1,9]フェナントロリン−4,9−ジカルボン酸9−エチルエステル;
ah)2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−9−フェニルアセチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;および
ai)2−(4−クロロ−ベンジル)−3−ヒドロキシ−9−(プロパン−2−スルホニル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−[1,9]フェナントロリン−4−カルボン酸;
aj)2−(4−クロロ−ベンジル)−3−メトキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
aj)3−ヒドロキシ−2−ピペリジン−4−イル−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸;
ak)2−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−3−ヒドロキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−ベンゾ[h]キノリン−4−カルボン酸
からなる群より選択される請求項1記載の化合物。
【請求項44】
請求項1〜43のいずれかに記載の化合物または医薬上許容されるその塩、および医薬上許容される担体または賦形剤を含む組成物。
【請求項45】
哺乳動物におけるセレクチン媒介細胞間接着を阻害する方法であって、請求項1〜43のいずれかに記載の化合物または医薬上許容されるその塩の有効量を前記哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項46】
哺乳動物における疾病、障害、病状または望ましくない過程に関連するセレクチン媒介細胞間接着を阻害する方法であって、請求項1〜43のいずれかに記載の化合物または医薬上許容されるその塩の有効量を前記哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項47】
前記疾病、障害、病状または望ましくない過程が、炎症、感染、転移、望ましくない免疫過程および望ましくない血栓症の過程からなる群より選択されるところの、請求項46の方法。
【請求項48】
前記疾病、障害、病状または望ましくない過程が、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、心筋梗塞、レイノルズ症候群、炎症性腸疾患、変形性関節症、急性呼吸不全症候群、喘息、気腫、遅延型過敏性反応、熱傷、実験的アレルギー性脳脊髄炎、外傷に伴う二次的な多臓器損傷症候群、好中球性皮膚症(スウィート病)、糸球体腎炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、壊死性腸炎、サイトカイン誘導毒性、歯肉炎、歯周炎、溶血性尿毒症症候群、乾癬、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、多発性硬化症、関節リウマチ、グレーヴズ病、血液透析または白血球搬出に関する処置の免疫学的媒介副作用、顆粒球輸血に伴う症候群、深部静脈血栓症、不安定狭心症、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、癌転移、鎌状赤血球貧血およびうっ血性心不全からなる群より選択されるところの、請求項46の方法。
【請求項49】
前記疾病、障害、病状または望ましくない過程が、バクテリア、ウイルスまたは寄生虫により媒介された望ましくない感染の過程であるところの、請求項46の方法。
【請求項50】
前記の望ましくない感染の過程が、歯肉炎、歯周炎、溶血性尿毒症症候群または顆粒球輸血であるところの、請求項49の方法。
【請求項51】
前記疾病、障害、病状または望ましくない過程が癌転移であるところの、請求項46の方法。
【請求項52】
前記疾病、障害、病状または望ましくない過程が、乾癬、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、多発性硬化症、関節リウマチ、グレーヴズ病、または血液透析もしくは白血球搬出に関する処置の免疫学的媒介副作用から選択される、望ましくない免疫過程に関連する疾病または障害であるところの、請求項46の方法。
【請求項53】
前記疾病、障害、病状または望ましくない過程が、深部静脈血栓症、不安定狭心症、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患またはうっ血性心不全から選択される望ましくない血栓症の過程に関連する症状であるところの、請求項46の方法。
【請求項54】
移植臓器における望ましくない免疫過程を改善する方法であって、請求項1〜43のいずれかに記載の化合物または医薬上許容されるその塩を前記臓器に投与することを含む方法。
【請求項55】
以下の工程:
a) 式:
【化4】

[式中、R、WおよびWは、請求項1と同意義である]の化合物を、式:
【化5】

[式中、Acはアセチルであり、n’、YおよびZは請求項1と同意義である]の化合物と反応させて、Lが4位においてCOHであり、Xが3位においてOHであるところの、対応する式(I)の化合物を得る工程;
または
b) 式(I)の化合物を医薬上許容されるその塩に転換するか、またはその逆を行う工程;
または
c) 反応性置換基または部位を有する式(I)の化合物を異なる式(I)の化合物に転換する工程
のいずれかを含む請求項1に記載する式(I)の化合物を調製する方法。
【請求項56】
ヒト、哺乳動物または動物が、セレクチン媒介細胞間接着に関係する疾病または障害のバイオマーカーを有することを確認すること;および
前記ヒト、哺乳動物または動物に請求項1〜43に記載のいずれかの化合物または医薬上許容されるその塩の治療上有効な量を投与すること
を含む方法。
【請求項57】
バイオマーカーが、1つまたはそれ以上のCD40、CD40リガンド、MAC−1、TGFベータ、ICAM、VCAM、IL−1、IL−6、IL−8、エオタキシン、RANTES、MCP−1、PlGF、CRP、SAAおよび血小板単球凝集物であるところの請求項56の方法。

【公表番号】特表2007−516237(P2007−516237A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539782(P2006−539782)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/037441
【国際公開番号】WO2005/047258
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】