説明

センサ装置及び半導体デバイス

【課題】必要なセンシングを行いながらも消費電力の低減を図ることが可能なセンサ装置を提供する。
【解決手段】センサ装置10は、所定の物理量を測定する測定部100と、測定部100によって測定された物理量に関するデータを蓄積する蓄積部200と、ホスト装置20又は他のセンサ装置21との間で無線通信を行う無線通信部300と、無線通信部300の動作状態を活性状態及び非活性状態の一方に選択的に設定する制御部500と、を備え、制御部500は、センサ装置10がホスト装置20又は他のセンサ装置21との間で無線通信を行わない非通信期間においては、無線通信部300を非活性状態に設定し、センサ装置10がホスト装置20又は他のセンサ装置21との間で無線通信を行う通信期間においては、無線通信部300を活性状態に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信を用いるセンサ装置及びそれに用いられる半導体デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のセンシング技術においては、遠隔地や人間が測定をすることが難しい場所でのリモートセンシングを行う技術が求められている。そうした中、センサ装置が測定した測定データを無線通信によりセンサノードやホスト装置によって受け取るセンサネットワーク技術が開発されている。
【0003】
しかし、無線通信を用いるセンサネットワークにおいて、センサ装置は電池等の電源によって駆動させる場合が多いため、センサ装置の消費電力の増大は、センサ装置の駆動時間の低下や電源の大型化を招いてしまう。そこで、センサネットワークに用いられるセンサ装置の省電力化が求められている。
【0004】
下記特許文献1には、起動信号を受信した場合に、センサ素子を起動してセンシングを行うセンサ回路アレイが開示されている。下記特許文献1に係るセンサ回路アレイによれば、センシングを行う必要のあるときは、起動信号によりセンサ素子を起動してセンシングを行い、センシングが不要な場合にはセンサ素子を起動させないことで、センサ回路における消費電力の低減が図られている。
【0005】
また、下記特許文献2には、タイマによるスイッチ制御によってセンサ部への電力供給を制御する無線センサ装置が開示されている。下記特許文献2に係る無線センサ装置によれば、タイマ部が有するキャパシタの自己放電を利用して、センサ部への電力供給の制御を行い、センシング時刻を含む所定の時刻にセンサ部への電力供給を行う一方、それ以外の時刻には当該電力供給を行わないことで、センサ部における消費電力の低減が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2008−529120号公報
【特許文献2】特開2009−42928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1及び上記特許文献2に開示されている技術では、センサ装置からホスト装置などの装置への通信が不要な場合も、無線通信を行う回路に電力供給がされており、消費電力が増大してしまうという問題点があった。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みて成されたものであり、必要なセンシングを行いながらも消費電力の低減を図ることが可能なセンサ装置及びそれに用いられる半導体デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様に係るセンサ装置は、ホスト装置と複数のセンサ装置とを備えるセンサシステムに使用されるセンサ装置であって、当該センサ装置は、所定の物理量を測定する測定手段と、前記測定手段によって測定された物理量に関するデータを蓄積する蓄積
手段と、前記ホスト装置又は他のセンサ装置との間で無線通信を行う無線通信手段と、前記無線通信手段の動作状態を活性状態及び非活性状態の一方に選択的に設定する設定手段と、を備え、前記設定手段は、当該センサ装置が前記ホスト装置又は前記他のセンサ装置との間で無線通信を行わない非通信期間においては、前記無線通信手段を非活性状態に設定し、当該センサ装置が前記ホスト装置又は前記他のセンサ装置との間で無線通信を行う通信期間においては、前記無線通信手段を活性状態に設定することを特徴としている。
【0010】
第1の態様に係るセンサ装置によれば、測定手段が所定の物理量を測定し、蓄積手段が当該物理量に関するデータを蓄積する。そして、ホスト装置又は他のセンサ装置との間で無線通信を行う無線通信手段は、無線通信を行わない非通信期間においては、設定手段によって非活性状態に設定され、無線通信を行う通信期間においては、設定手段によって活性状態に設定される。したがって、測定した物理量に関するデータを蓄積しつつも、非通信期間においては無線通信手段が非活性状態に設定されるので、消費電力を低減することが可能となる。
【0011】
本発明の第2の態様に係るセンサ装置は、第1の態様に係るセンサ装置において特に、前記無線通信手段は、前記通信期間において、前記蓄積手段に蓄積されているデータを前記ホスト装置又は前記他のセンサ装置に送信することを特徴としている。
【0012】
第2の態様に係るセンサ装置によれば、無線通信手段は、通信期間においては活性状態に設定されることにより、蓄積手段に蓄積されているデータをホスト装置又は他のセンサ装置に送信する。したがって、ホスト装置等は、当該データを受信することにより、センサ装置が測定した物理量に関する情報を取得することが可能となる。
【0013】
本発明の第3の態様に係るセンサ装置は、第1又は第2の態様に係るセンサ装置において特に、前記ホスト装置又は前記他のセンサ装置から送出された、当該センサ装置に関する識別情報を含む起動信号を検出する検出手段をさらに備え、前記設定手段は、前記検出手段が前記起動信号を検出することにより、前記無線通信手段を活性状態に設定することを特徴としている。
【0014】
第3の態様に係るセンサ装置によれば、検出手段は、ホスト装置又は他のセンサ装置から送出された識別情報を含む起動信号の検出を行う。そして、検出手段が識別情報を含む起動信号の検出を行った場合、設定手段は無線通信手段を活性状態に設定する。したがって、無線通信手段が非活性状態に設定されていても、ホスト装置などから送出された起動信号の検出を検出手段によって行うことが可能であるため、起動信号を受信するために無線通信手段を活性状態に設定する必要がない。よって、常時、起動信号を検出できる状態を維持しつつも、センサ装置の消費電力を低減することが可能となる。
【0015】
本発明の第4の態様に係るセンサ装置は、第3の態様に係るセンサ装置において特に、前記検出手段は、前記起動信号を整流することにより当該起動信号に含まれる前記識別情報を出力する整流回路と、前記整流回路から出力された前記識別情報と当該センサ装置に関して予め設定されている識別情報とが一致するか否かを判定する判定回路と、を有することを特徴としている。
【0016】
第4の態様に係るセンサ装置によれば、整流回路は、起動信号を整流することにより当該起動信号に含まれる識別情報を出力する。そして、判定回路は、整流回路から出力された識別情報と、予め設定されている識別情報とが一致するか否かを判定する。したがって、整流回路と判定回路とを用いた簡単な回路構成によって、検出手段を実現することが可能となる。
【0017】
本発明の第5の態様に係るセンサ装置は、第4の態様に係るセンサ装置において特に、前記整流回路として、電流−電圧変換型の整流回路が使用されることを特徴としている。
【0018】
第5の態様に係るセンサ装置によれば、整流回路には、電流−電圧変換型の整流回路が使用される。入力信号の電流を電圧に変換することで、入力信号の整流と共に入力信号の電圧増幅を行うことができ、当該センサ装置とホスト装置又は他のセンサ装置との距離が遠い場合などの、起動信号の信号レベルが低くなる状況においても、検出手段によって識別情報を検出することが可能となる。また、電流−電圧変換型の整流回路に受動的な整流回路を用いれば、整流回路を多段に接続しても消費電力が増大することがない。したがって、整流回路の多段接続を行うことで、消費電力の増大を防ぎながらも起動信号に含まれている識別情報の検出をより高感度に行うことができる。
【0019】
本発明の第6の態様に係るセンサ装置は、第4又は第5の態様に係るセンサ装置において特に、前記検出手段は、前記起動信号を昇圧して前記整流回路に入力する昇圧回路をさらに有することを特徴としている。
【0020】
第6の態様に係るセンサ装置によれば、検出手段は、起動信号を昇圧して整流回路に入力する昇圧回路を有するので、起動信号の昇圧を行うことで、起動信号に含まれている識別情報の検出を高感度に行うことができる。したがって、当該センサ装置とホスト装置又は他のセンサ装置との距離が遠い場合などの、起動信号の信号レベルが低くなる状況においてでも、検出手段によって識別情報を検出することが可能となる。
【0021】
本発明の第7の態様に係るセンサ装置は、第4から第6のいずれか一つの態様に係るセンサ装置において特に、前記判定回路は、前記整流回路から出力された前記識別情報の各ビットの論理を多数決によって判定する多数決回路を含むことを特徴としている。
【0022】
第7の態様に係るセンサ装置によれば、多数決回路は、整流回路から出力された識別情報の各ビットの論理を多数決によって判定する。したがって、多数決を行わない判定よりも識別情報の各ビットの論理について正確な判定を行うことができるため、識別情報の各ビットの論理の判定精度を向上させることが可能となる。
【0023】
本発明の第8の態様に係るセンサ装置は、第3から第7のいずれか一つの態様に係るセンサ装置において特に、前記起動信号として、搬送波の有無によって二値論理を表現する変調方式によって変調された信号が使用されることを特徴としている。
【0024】
第8の態様に係るセンサ装置によれば、起動信号には、搬送波の有無によって二値論理を表現する変調方式によって変調された信号が使用されるので、整流回路などを用いた簡単な回路構成によって、起動信号に含まれる識別情報の二値論理を判定することが可能となる。
【0025】
本発明の第9の態様に係るセンサ装置は、第3から第8のいずれか一つの態様に係るセンサ装置において特に、前記識別情報として、拡散符号を用いた拡散により前記他のセンサ装置に関する識別情報との類似度が低減された識別情報が使用されることを特徴としている。
【0026】
第9の態様に係るセンサ装置によれば、拡散符号を用いて識別情報を拡散させることにより、当該センサ装置に関する識別情報と他のセンサ装置に関する識別情報との類似度を低減することができる。したがって、識別情報の誤認に起因する当該センサ装置の誤起動を抑制することが可能となる。
【0027】
本発明の第10の態様に係る半導体デバイスは、端末がホスト装置又は他の端末との間で無線通信を行うための半導体デバイスであって、前記ホスト装置又は前記他の端末から送出された、当該半導体デバイスを備える端末に関する識別情報を含む起動信号を検出する検出手段を備えることを特徴としている。
【0028】
第10の態様に係る半導体デバイスによれば、検出手段は、端末と無線通信を行うホスト装置又は他の端末から送出された識別情報を含む起動信号の検出を行うことができる。したがって、検出手段が識別情報を含む起動信号の検出を行った場合、当該検出に基づき、端末の無線通信に係る回路を活性状態及び非活性状態の選択を行い活性状態の制御を行うことで、消費電力を低減することが可能となる。
【0029】
本発明の第11の態様に係る半導体デバイスは、第10の態様に係る半導体デバイスにおいて特に、前記検出手段は、前記起動信号を整流することにより当該起動信号に含まれる前記識別情報を出力する整流回路と、前記整流回路から出力された前記識別情報と当該半導体デバイスを有する端末に関して予め設定されている識別情報とが一致するか否かを判定する判定回路と、を有することを特徴とする。
【0030】
第11の態様に係る半導体デバイスによれば、整流回路は、起動信号を整流することにより当該起動信号に含まれる識別情報を出力する。そして、判定回路は、整流回路から出力された識別情報と、予め設定されている識別情報とが一致するか否かを判定する。したがって、整流回路と判定回路とを用いた簡単な回路構成によって、検出手段を実現することが可能となる。
【0031】
本発明の第12の態様に係る半導体デバイスは、第11の態様に係る半導体デバイスにおいて特に、前記整流回路として、電流−電圧変換型の整流回路が使用されることを特徴としている。
【0032】
第12の態様に係る半導体デバイスによれば、整流回路には、電流−電圧変換型の整流回路が使用される。入力信号の電流を電圧に変換することで、入力信号の整流と共に入力信号の電圧増幅を行うことができ、当該半導体デバイスを備える端末とホスト装置又は他の端末との距離が遠い場合などの、起動信号の信号レベルが低くなる状況においても、検出手段によって識別情報を検出することが可能となる。また、電流−電圧変換型の整流回路に受動的な整流回路を用いれば、整流回路を多段に接続しても消費電力が増大することがない。したがって、整流回路の多段接続を行うことで、消費電力の増大を防ぎながらも起動信号に含まれている識別情報の検出をより高感度に行うことができる。
【0033】
本発明の第13の態様に係る半導体デバイスは、第11又は第12の態様に係る半導体デバイスにおいて特に、前記検出手段は、前記起動信号を昇圧して前記整流回路に入力する昇圧回路をさらに有することを特徴とする。
【0034】
第13の態様に係る半導体デバイスによれば、検出手段は、起動信号を昇圧して整流回路に入力する昇圧回路を有するので、起動信号の昇圧を行うことで、起動信号に含まれている識別情報の検出を高感度に行うことができる。したがって、当該半導体デバイスを備える端末とホスト装置又は他の端末との距離が遠い場合などの、起動信号の信号レベルが低くなる状況においてでも、検出手段によって識別情報を検出することが可能となる。
【0035】
本発明の第14の態様に係る半導体デバイスは、第11から第13のいずれか一つの態様に係る半導体デバイスにおいて特に、前記判定回路は、前記整流回路から出力された前記識別情報の各ビットの論理を多数決によって判定する多数決回路を含むことを特徴としている。
【0036】
第14の態様に係る半導体デバイスによれば、多数決回路は、整流回路から出力された識別情報の各ビットの論理を多数決によって判定する。したがって、多数決を行わない判定よりも識別情報の各ビットの論理について正確な判定を行うことができるため、識別情報の各ビットの論理の判定精度を向上させることが可能となる。
【0037】
本発明の第15の態様に係る半導体デバイスは、第11から第14のいずれか一つの態様に係る半導体デバイスにおいて特に、前記起動信号として、搬送波の有無によって二値論理を表現する変調方式によって変調された信号が使用されることを特徴としている。
【0038】
第15の態様に係る半導体デバイスによれば、起動信号には、搬送波の有無によって二値論理を表現する変調方式によって変調された信号が使用されるので、整流回路などを用いた簡単な回路構成によって、起動信号に含まれる識別情報の二値論理を判定することが可能となる。
【0039】
本発明の第16の態様に係る半導体デバイスは、第11から第15のいずれか一つの態様に係る半導体デバイスにおいて特に、前記識別情報として、拡散符号を用いた拡散により前記他の端末に関する識別情報との類似度が低減された識別情報が使用されることを特徴としている。
【0040】
第16の態様に係る半導体デバイスによれば、拡散符号を用いて識別情報を拡散させることにより、当該半導体デバイスを備える端末に関する識別情報と他の端末に関する識別情報との類似度を低減することができる。したがって、識別情報の誤認に起因する当該半導体デバイスの誤起動を抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、消費電力の低減されたセンサ装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態に係るセンサ装置を用いるセンサシステムの構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るセンサ装置の構成を示したブロック図である。
【図3】センサ装置におけるデータ送信処理の動作を示すフローチャートである。
【図4】入力信号が入力された検出部の各回路が出力する信号の一例を示す図である。
【図5】多数決回路を用いた判定回路の一例を示した図である。
【図6】多数決回路の構成の一例を表すブロック図である。
【図7】多数決回路が識別情報の論理を決定する際に、三回のサンプリング検出を行う場合の信号の例を示した図である。
【図8】本実施の形態の変形例に係る信号検知部を用いたセンサ装置の構成を概略的に示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一または相応する要素を示すものとする。
【0044】
図1は、本発明の実施の形態に係るセンサ装置10を用いるセンサシステムの構成を概略的に示すブロック図である。当該センサシステムは、センサ装置10、ホスト装置20、及び複数の他のセンサ装置21によって構成されている。そして、センサ装置10は、測定を行った物理量に関するデータを、無線通信を用いてホスト装置20又は他のセンサ装置21に対して送信を行うものである。
【0045】
図2は、センサ装置10の詳しい構成を示したブロック図である。図2で示すようにセンサ装置10は、測定手段である測定部100、蓄積手段である蓄積部200、無線通信手段である無線通信部300、信号経路制御部301、アンテナ305、検出手段である検出部400、ID(Identification)保持部450、設定手段である制御部500、及びタイマ520を備える。無線通信部300は、ベースバンド部310、送信部320、及び受信部330を有する。検出部400は、昇圧回路410、整流回路420、及び判定回路430を有する。
【0046】
測定部100の出力は、蓄積部200の入力に接続されている。蓄積部200の出力は、無線通信部300の入力に接続されている。無線通信部300の出力は、信号経路制御部301の入力と制御部500の入力とに接続されている。信号経路制御部301の出力は、無線通信部300の入力、昇圧回路410の入力、及びアンテナ305の入力に接続されている。アンテナ305の出力は、信号経路制御部301の入力に接続されている。昇圧回路410の出力は、整流回路420の入力に接続されている。整流回路420の出力は、判定回路430の入力に接続されている。判定回路430の出力は、制御部500の入力に接続されている。ID保持部450の出力は、判定回路430の入力に接続されている。制御部500の出力は、測定部100の入力、蓄積部200の入力、及び無線通信部300の入力に接続されている。タイマ520の出力は、制御部500の入力に接続されている。
【0047】
次に、センサ装置10の動作の説明を行う。センサ装置10は、蓄積した測定データをホスト装置20又は他のセンサ装置21に向けて送信する無線通信機能を有し、当該無線通信を行う回路を、当該回路が通電され無線通信を行うことが可能な状態である活性状態、及び当該回路が省電力状態であり無線通信を行うことができない状態である非活性状態の一方に選択的に設定する制御を行うことで省電力化を行うセンサ装置である。
【0048】
センサ装置10が無線通信機能を使用しない期間である非通信期間において、センサ装置10の無線通信部300は非活性状態に設定されている。そして、センサ装置10の測定部100は、センシング対象となる所定の物理量の測定を行う。当該物理量の測定においては、温度センサや光学センサなどといった、一般的なセンサ素子を用いたセンシングが行われてよい。また、測定部100が行う測定は、常時測定をし続けるものでもよいし、測定を行うタイミングを制御部500が、例えばタイマ520を用いて所定の周期を計測し、定期的に測定を行うなどの制御をするものであってもよい。さらにいえば、本発明は、測定部100が計測を行うタイミングを限定するものではない。
【0049】
さらに、測定部100は、当該測定した物理量の情報を、測定データS11として蓄積部200に入力する。測定部100が測定を行う毎に測定データS11は蓄積部200に入力され、蓄積部200は、測定部100から順次入力された測定データS11を蓄積する。この蓄積部200の行う蓄積とは、メモリなどの一般的な記憶装置に測定データS11を記憶し、蓄積させるものであってよい。
【0050】
センサ装置10は、測定部100による所定の物理量の測定と蓄積部200による測定データS11の蓄積とを行いながらも、測定データを送信する送信処理の割り込みを受け付ける。図3は、センサ装置10におけるデータ送信処理の動作を示すフローチャートである。まず、ステップSP10において、アンテナ305は、ホスト装置20などから送出された起動信号を受信する。具体的には、センサ装置10が蓄積した測定データS11を必要とするホスト装置20又は他のセンサ装置21は、センサ装置10に向け、起動信号を含む無線信号を送出する。この起動信号を生成するための変調方式には、OOK(On-Off Keying:オンオフ変調)と呼ばれる、搬送波の有無によって二値論理を表現する変調
方式が用いられている。また、この起動信号には、ホスト装置20又は他のセンサ装置21が必要としている測定データS11を蓄積しているセンサ装置10を特定するための識別情報として、当該センサ装置10のIDが含まれている。そして、アンテナ305は、この受信した起動信号を信号経路制御部301に対して入力する。信号経路制御部301は、RF(Radio Frequency)スイッチやサーキュレータなどの、入力された信号を出力する経路を制御する高周波素子である。信号経路制御部301は、アンテナ305より入力された起動信号の出力経路を制御することにより、起動信号を入力信号S12として検出部400に入力する。
【0051】
次に、ステップSP11において、検出部400は、入力信号S12に含まれる起動信号から識別情報を検出する。具体的には、検出部400へ入力された入力信号S12は、昇圧回路410に入力される。この昇圧回路410は、トランスなどにより受動的に昇圧を行う回路である。昇圧回路410に入力された入力信号S12の電圧は昇圧されて、信号S13として整流回路420に入力される。整流回路420は、入力された信号S13を平滑整流することで、当該信号に含まれる識別情報を検出する。
【0052】
図4は、入力信号S12が入力された検出部400の各回路が出力する信号の一例を示す図である。昇圧回路410によって昇圧された信号S13は、OOKを用いて変調された信号であるが、整流回路420が平滑整流を行うことで、電圧の高低で二値論理を表した信号S14へと変換される。この電圧の高低で二値論理を表した信号S14は、整流回路420より出力され判定回路430に入力される。そして、判定回路430は、入力された信号S14の中に含まれている識別情報を検出する。この判定回路430が行う識別情報の検出では、例えば、整流回路420によって平滑整流された信号S14の電圧値が所定の閾値を超えていれば二値論理の「1」、所定の閾値以下であれば二値論理の「0」と検出してもよい。このように、検出部400は、受信した起動信号に基づいて二値論理の検出を行うことにより、起動信号に含まれている識別情報を検出する。
【0053】
なお、センサ装置10に用いられる整流回路420は、シェンケル回路やコッククロフト−ウォルトン回路のような、入力信号の電流を電圧に変換するタイプの整流回路であってもよい。整流回路420として電流−電圧変換型の整流回路を用いた場合には、整流回路420は、平滑整流を行いつつ入力信号の電流を電圧に変換するので、信号S13に対して平滑整流及び電流−電圧変換がなされた信号S14が、判定回路430に入力される。
【0054】
次に、ステップSP12において、検出部400の判定回路430は、ホスト装置20などから受信した起動信号に含まれる識別情報と、ID保持部450に予め設定されたセンサ装置10の識別情報とが一致するか否かを判定する。具体的には、ホスト装置20又は他のセンサ装置21が送出した起動信号に含まれる識別情報には、拡散符号が用いられている。そこで、センサ装置10の判定回路430は、ステップSP11にて検出された識別情報に対して、ID保持部450に予め設定されたセンサ装置10の識別情報(つまり、センサ装置10のID情報)との相互相関係数の計算を行う。この相関係数の計算は、DSSS(Direct Sequence Spread Spectrum)などで用いられる一般的な相関係数の計算を用いてよい。当該相関係数の計算により、ホスト装置20又は他のセンサ装置21が送出した起動信号に含まれる識別情報と、ID保持部450に設定されたセンサ装置10の識別情報との相関値が得られる。
【0055】
そして、当該相関値が所定の閾値を超えていれば、ホスト装置20又は他のセンサ装置21が送出した起動信号に含まれる識別情報とID保持部450に設定されたセンサ装置10の識別情報とは一致するものとして、判定回路430は判定結果信号S16を制御部500に入力する(このとき、ステップSP12における判定結果は「YES」となり、
ステップSP13に進む)。一方、相関値が所定の閾値以下であれば、ホスト装置20又は他のセンサ装置21が送出した起動信号に含まれる識別情報とID保持部450に設定されたセンサ装置10の識別情報とは一致しないものとして、センサ装置10はデータ送信処理を終了する(このとき、ステップSP12における判定結果は「NO」となる)。
【0056】
さらに、ステップSP12で行う識別情報の判定において、当該判定を行う判定回路430は、識別情報の各ビットの論理の判定に多数決を行う回路を用いてもよい。図5は、多数決回路431を用いた判定回路430の一例を示す図である。判定回路430は、整流回路420からの入力信号S14を入力し、入力信号S14に含まれる所定のビット長(図5の例では5ビット長)の識別情報を、多数決回路431Aから431Eによって決定する。識別情報の1ビット目の論理値は、多数決回路431Eが決定する。識別情報の2ビット目の論理値は、多数決回路431Dが決定する。識別情報の3ビット目の論理値は、多数決回路431Cが決定する。識別情報の4ビット目の論理値は、多数決回路431Bが決定する。識別情報の5ビット目の論理値は、多数決回路431Aが決定する。
【0057】
各多数決回路431で決定されたそれぞれのビットの論理値は、相関判定回路432に入力される。また、ID保持部450が保持していた識別情報は、自己識別情報S15として相関判定回路432に入力される。相関判定回路432は、各多数決回路431が決定したそれぞれの論理値と自己識別情報S15との相関係数を計算し、得られた相関値に基づいて、ホスト装置20又は他のセンサ装置21が送出した起動信号に含まれる識別情報と、ID保持部450に設定されたセンサ装置10の識別情報とが一致するか否かを判定する。そして、その判定の結果に関する判定結果信号S16を、制御部500に入力する。
【0058】
次に、識別情報の論理を決定する多数決回路431の説明を行う。図6は、多数決回路431の構成の一例を表すブロック図である。図6には、入力された識別情報の各ビットに対して三回のサンプリング検出を行い、その三回のサンプリング検出結果に基づいて多数決を行うことで、識別情報の各ビットの論理を決定する多数決回路431の構成が例示されている。この多数決回路431において、FF(Flip-Flop)433AからFF433Cの三つのFF433は、三回行ったサンプリング検出によって検出された識別情報の論理をそれぞれ保持する(一回目のサンプリング検出の結果はFF433Cが保持する。二回目のサンプリング検出の結果はFF433Bが保持する。三回目のサンプリング検出の結果はFF433Aが保持する)。これらのFF433に保持された識別情報のサンプリング検出結果は、集計回路434に向けてそれぞれ出力される。
【0059】
集計回路434は、入力されたサンプリング検出の結果に基づいて集計を行い、集計結果を多数決判定回路435に向けて出力する。そして、当該集計結果が入力された多数決判定回路435は、多数決の判定を行い、多数決判定結果を多数決回路431の出力とする。具体的には、FF433AからFF433Cがそれぞれ保持している二値論理であるサンプリング結果を整数値として扱い、その総計を集計回路434によって計算する。多数決判定回路435は、当該計算結果である数値と所定の閾値とを比較して当該計算結果が所定の閾値を超えていれば、論理値として「1」を判定結果として出力し、当該検出結果が所定の閾値以下であれば、論理値として「0」を判定結果として出力する。
【0060】
図7は、多数決回路431が、識別情報の論理を決定する際に、三回のサンプリング検出を行う場合の信号の例を示した図である。図7における多数決の判定では、所定の閾値を1としている。つまり、集計回路434の集計結果が1を超えていれば、多数決判定回路435は、二値論理における「1」を判定結果として出力し、集計回路434の集計結果が1以下であれば、二値論理における「0」を判定結果として出力する。図7においては、入力された識別情報にノイズが発生しており、ノイズの箇所では本来「0」とサンプ
リング検出されるべき検出で「1」と誤検出されてしまっている。この誤検出された箇所を含む時間帯の信号の論理を決定するのに用いられる三回のサンプリング検出結果は、0と1と0とであり、これらのサンプリング結果が入力される集計回路434は、総計を計算し、1という計算結果を多数決判定回路435に対して入力する。この多数決判定回路435の行う多数決の判定では、所定の閾値が1であるので、計算結果は所定の閾値を超えておらず、多数決回路431は二値論理における「0」という多数決の結果を出力する。よって、多数決回路431は、ノイズによる誤検出を排除した正常な識別情報の論理を出力している。なお、識別情報が5ビットである場合の判定回路430を例示したが、本発明において、識別情報は5ビットに限るものではない。また、多数決回路431で多数決を取る際に、三回のサンプリング検出を行う場合を例示したが、本発明において、多数決におけるサンプリング検出の回数は三回に限るものではない。そして、多数決回路431は、サンプリング検出の結果を保持するため、サンプリング検出の回数と同数のFF433を備えることとなる。
【0061】
次に、ステップSP13において、制御部500は、判定回路430から判定結果信号S16が入力されると、センサ装置10は、データ送信要求の割り込みが発生し、ホスト装置20又は他のセンサ装置21と無線通信を行う必要のある期間である通信期間になったものとして、無線通信部300を活性状態に設定する。具体的には、制御部500は、無線通信部300に対して制御信号S17を出力し、無線通信部300が有するベースバンド部310、送信部320、及び受信部330などの無線通信機能に係わる部位に電力を供給するなどして活性状態に設定する。そして、活性状態に設定された無線通信部300は、その無線通信機能を用いて、信号経路制御部301を介してアンテナ305から、起動信号を送出したホスト装置20又は他のセンサ装置21に対して起動応答信号を送信してもよい。この起動応答信号により、当該信号を受け取ったホスト装置20又は他のセンサ装置21は、センサ装置10が測定データを送信する準備ができたことを確認する。
【0062】
次に、ステップSP14において、制御部500が蓄積部200と無線通信部300とを制御することにより、蓄積部200に蓄積されている測定データを、無線通信部300が信号経路制御部301に向けて出力し、さらにアンテナ305を介して、起動信号を送出したホスト装置20又は他のセンサ装置21に対し送信する。この測定データの送信に用いられる無線通信機能は、一般的な無線通信であってよい。
【0063】
次に、ステップSP15において、制御部500は、ステップSP14にて行う測定データの送信が終了したことで、センサ装置10が無線通信を行う必要のない期間である非通信期間になったものとし、無線通信部300への電力供給を遮断するなどして、無線通信部300を省電力状態である非活性状態に設定する。
【0064】
以上のように、センサ装置10は、ホスト装置20又は他のセンサ装置21が送出する起動信号を受信し、当該起動信号に含まれる識別情報が、予め設定されていた識別情報と一致した場合に、無線通信部300を活性状態に設定し測定データを送信する。そして、センサ装置10は、予め設定された当該センサ装置10の識別情報に一致する起動信号が入力されなければ、非通信期間であるとして、無線通信部300への電力供給を止めるなどの制御を行い無線通信部300を非活性状態に設定する。したがって、センサ装置10は、ホスト装置20又は他のセンサ装置21が測定データを要求するために起動信号を送出したとき(つまり、通信期間であるとき)以外は、無線通信部300を非活性状態に設定するので、消費電力の低減を図ることが可能となる。
【0065】
そして、無線通信部300が非活性状態に設定されている場合も、測定部100は測定した物理量に関するデータを蓄積部200に蓄積するので、センサ装置10は、消費電力の低減を図りつつも、随時、所定の物理量に関する情報を取得することができる。さらに
、無線通信部300が非活性状態に設定されていても、ホスト装置20などから送出された起動信号の検出を検出部400によって行うことができるので、常時、起動信号を検出できる状態を維持しつつも、センサ装置10は、消費電力の低減を図ることが可能となる。
【0066】
また、センサ装置10は、起動信号の検出にトランスなどの昇圧を行う回路を用いるので、起動信号の検出感度を高めることができる。さらに、整流回路420に電流−電圧変換型の整流回路を用いる場合も、起動信号の電流を電圧に変換し信号電圧を検出することで、起動信号の検出感度を高めることができる。よって、センサ装置10とホスト装置20又は他のセンサ装置21との距離が遠い場合などの、起動信号の信号レベルが低くなる状況においても、検出部400によって識別情報を検出することが可能となる。また、整流回路420に受動的な電流−電圧変換を行う整流回路を用いれば、整流回路420が1段だけでは検出感度が不足する場合でも、電源を使用せずに信号電圧を増幅するので、整流回路420を多段接続することで、起動信号に含まれている識別情報の検出を高感度に行いながらも、消費電力の増大を防ぐことが可能となる。また、識別情報の検出感度がよいので、ホスト装置20又は他のセンサ装置21が送出する無線信号の電波出力を下げても、センサ装置10は識別情報の検出を行うことができるので、ホスト装置20又は他のセンサ装置21の無線通信における電波出力を下げることで、ホスト装置20又は他のセンサ装置21の消費電力の低減を図ることが可能となる。
【0067】
さらに、センサ装置10は、起動信号にOOKによって変調された信号を使用するので、整流回路420による平滑整流を行うことで、整流回路などを用いた簡単な回路構成によって、起動信号に含まれる識別情報の二値論理を判定することができる。また、起動信号に含まれる識別情報と予め設定された識別情報とが一致するか否かの判定に際しては、拡散符号を用いて識別情報を拡散させることにより、センサ装置10に関する識別情報と他のセンサ装置に関する識別情報との類似度を低減することができる。よって、識別情報の誤認に起因するセンサ装置10の誤起動を抑制することが可能となる。また、検出部400が行う、識別情報の各ビットの論理の決定に際して、多数決回路431によって多数決を行うことで誤検出を防ぎ、多数決を行わない場合よりも識別情報の各ビットの論理について正確な判定を行うことができるため、識別情報の各ビットの論理の判定精度を向上させることが可能である。
<変形例>
【0068】
図8は、本実施の形態の変形例に係る信号検知部50を用いたセンサ装置11の構成を概略的に示したブロック図である。センサ装置11は、測定部100、蓄積部200、無線通信部300、アンテナ305、及び制御部500を備え、測定したデータを蓄積し、無線通信機能を用いて測定したデータを送信する一般的な無線センサ装置である。さらに、センサ装置11は、半導体デバイスである信号検知部50を追加実装することができ、信号検知部50は、信号経路制御部301と検出部400とを備える。検出部400は、図2で示したものと同様に、昇圧回路410、整流回路420、及び判定回路430を有してもよい。判定回路430は、図5で示したものと同様に、複数の多数決回路431と相関判定回路432とを有してもよい。多数決回路431は、図6で示したものと同様に、複数のFF433、集計回路434、及び多数決判定回路435を有してもよい。
【0069】
センサ装置11は、それ単独で、測定したデータを蓄積し、無線通信機能を用いて測定したデータを送信する無線センサ装置として機能するが、信号検知部50を追加実装することで、ホスト装置20又は他のセンサ装置21が送出した起動信号を検出し、当該起動信号に含まれる識別情報が、予め設定されていた識別情報と一致しているか否かを判定することが可能となる。したがって、信号検知部50が当該判定結果をセンサ装置11の制御部500に対して入力し、制御部500が当該判定結果に基づいて、無線通信を行う必
要のある通信期間と判断すれば、無線通信部300への電力供給を行うなどの制御を行うことにより、無線通信部300を活性状態に設定し、無線通信を行う必要がない非通信期間と判断すれば、無線通信部300への電力供給を止めるなどの制御を行うことにより、無線通信部300を非活性状態に設定する。よって、測定データの送信先であるホスト装置20又は他のセンサ装置21が測定データを必要としていないときは、無線通信部300への電力供給を行わないので、センサ装置11の消費電力の低減を図ることが可能となる。
【0070】
なお、センサ装置11におけるデータ送信処理は、図3で示したフローチャートと同様のものでよく、センサ装置11は、ステップSP10からステップSP15にて説明したデータ送信処理を行うことができる。したがって、本変形例に係る信号検知部50を用いれば、一般的な無線センサ装置に、本発明の実施の形態にて示したセンサ装置10と同様の機能を持たせ、同様の効果を得ることが可能である。
【0071】
また、本変形例に係る信号検知部50(半導体デバイス)は、センサ装置以外にも適応可能であり、無線通信を行う端末に用いることで、端末が受信した信号に当該端末に予め設定される識別情報が含まれているか否かを検知することができる。したがって、この検知結果に基づいて端末が有する無線通信回路を活性状態又は非活性状態に設定することにより、当該端末の消費電力の低減を図るなどの制御を行うことが可能となる。
【0072】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲にとって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0073】
10、11 センサ装置
20 ホスト装置
21 他のセンサ装置
50 信号検知部
100 測定部
200 蓄積部
300 無線通信部
301 信号経路制御部
400 検出部
410 昇圧回路
420 整流回路
430 判定回路
431 多数決回路
432 相関判定回路
500 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト装置と複数のセンサ装置とを備えるセンサシステムに使用されるセンサ装置であって、
当該センサ装置は、
所定の物理量を測定する測定手段と、
前記測定手段によって測定された物理量に関するデータを蓄積する蓄積手段と、
前記ホスト装置又は他のセンサ装置との間で無線通信を行う無線通信手段と、
前記無線通信手段の動作状態を活性状態及び非活性状態の一方に選択的に設定する設定手段と、
を備え、
前記設定手段は、当該センサ装置が前記ホスト装置又は前記他のセンサ装置との間で無線通信を行わない非通信期間においては、前記無線通信手段を非活性状態に設定し、当該センサ装置が前記ホスト装置又は前記他のセンサ装置との間で無線通信を行う通信期間においては、前記無線通信手段を活性状態に設定する、センサ装置。
【請求項2】
前記無線通信手段は、前記通信期間において、前記蓄積手段に蓄積されているデータを前記ホスト装置又は前記他のセンサ装置に送信する、請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記ホスト装置又は前記他のセンサ装置から送出された、当該センサ装置に関する識別情報を含む起動信号を検出する検出手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記検出手段が前記起動信号を検出することにより、前記無線通信手段を活性状態に設定する、請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記検出手段は、
前記起動信号を整流することにより当該起動信号に含まれる前記識別情報を出力する整流回路と、
前記整流回路から出力された前記識別情報と当該センサ装置に関して予め設定されている識別情報とが一致するか否かを判定する判定回路と、
を有する、請求項3に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記整流回路として、電流−電圧変換型の整流回路が使用される、請求項4に記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記検出手段は、前記起動信号を昇圧して前記整流回路に入力する昇圧回路をさらに有する、請求項4又は5に記載のセンサ装置。
【請求項7】
前記判定回路は、前記整流回路から出力された前記識別情報の各ビットの論理を多数決によって判定する多数決回路を含む、請求項4から6のいずれか一つに記載のセンサ装置。
【請求項8】
前記起動信号として、搬送波の有無によって二値論理を表現する変調方式によって変調された信号が使用される、請求項3から7のいずれか一つに記載のセンサ装置。
【請求項9】
前記識別情報として、拡散符号を用いた拡散により前記他のセンサ装置に関する識別情報との類似度が低減された識別情報が使用される、請求項3から8のいずれか一つに記載のセンサ装置。
【請求項10】
端末がホスト装置又は他の端末との間で無線通信を行うための半導体デバイスであって、
前記ホスト装置又は前記他の端末から送出された、当該半導体デバイスを備える端末に関する識別情報を含む起動信号を検出する検出手段を備える、半導体デバイス。
【請求項11】
前記検出手段は、
前記起動信号を整流することにより当該起動信号に含まれる前記識別情報を出力する整流回路と、
前記整流回路から出力された前記識別情報と当該半導体デバイスを有する端末に関して予め設定されている識別情報とが一致するか否かを判定する判定回路と、
を有する、請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記整流回路として、電流−電圧変換型の整流回路が使用される、請求項11に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
前記検出手段は、前記起動信号を昇圧して前記整流回路に入力する昇圧回路をさらに有する、請求項11又は12に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
前記判定回路は、前記整流回路から出力された前記識別情報の各ビットの論理を多数決によって判定する多数決回路を含む、請求項11から13のいずれか一つに記載の半導体デバイス。
【請求項15】
前記起動信号として、搬送波の有無によって二値論理を表現する変調方式によって変調された信号が使用される、請求項11から14のいずれか一つに記載の半導体デバイス。
【請求項16】
前記識別情報として、拡散符号を用いた拡散により前記他の端末に関する識別情報との類似度が低減された識別情報が使用される、請求項11から15のいずれか一つに記載の半導体デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−118536(P2011−118536A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273686(P2009−273686)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】