ソケットコネクタ
【課題】拡張カード基板の差し込み並びに抜き取り時の操作力を軽減することができるソケットコネクタを提供する。
【解決手段】メイン基板11に対して起立若しくは傾斜状態で拡張カード基板1を保持するソケットコネクタ10であって、拡張カード基板1の両側をスライド可能に支持する一対の支持部13,14と、一対の支持部13,14の少なくとも一方に配置されたロック部15とを備え、ロック部15は、支持部14に設けられた係合部19bと、支持部14に回転可能に設けられて拡張カード基板1の支持部13とのスライド位置に応じて回転すると共に少なくともメイン基板11に対する拡張カード基板1の取り付け完了時に係合部19bと係合することにより拡張カード基板1の抜け方向の回転を規制する被係合部24とを備えている。
【解決手段】メイン基板11に対して起立若しくは傾斜状態で拡張カード基板1を保持するソケットコネクタ10であって、拡張カード基板1の両側をスライド可能に支持する一対の支持部13,14と、一対の支持部13,14の少なくとも一方に配置されたロック部15とを備え、ロック部15は、支持部14に設けられた係合部19bと、支持部14に回転可能に設けられて拡張カード基板1の支持部13とのスライド位置に応じて回転すると共に少なくともメイン基板11に対する拡張カード基板1の取り付け完了時に係合部19bと係合することにより拡張カード基板1の抜け方向の回転を規制する被係合部24とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メイン基板に対して起立若しくは傾斜状態で拡張カード基板を保持するソケットコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、パーソナルコンピュータに用いられているマザーボード等のプリント回路基板(以下、「メイン基板」と称する)には、SDRAMといったメモリモジュール基板等の拡張カード基板を装着するためのソケットコネクタを設けたものが周知である。
【0003】
この拡張PC基板用のソケットコネクタには、メイン基板と拡張カード基板との電気的な導通接続を可能とする接点が設けられていると共に、この導通接続位置で拡張カード基板を保持している。
【0004】
具体的には、拡張カード基板に係合凹部を形成すると共に、この係合凹部と係合するラッチをソケットコネクタに装着しておき、拡張カード基板をソケットコネクタに差し込みつつ、その差し込み操作力によってラッチをシーソー状に回動させて係合凹部に弾性状態で係合させている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、拡張カード基板をソケットコネクタから抜き取る場合には、ラッチを装着時とは逆方向に強制的に回動させることで拡張カード基板を接点から浮き上がらせることによって抜き取りが可能となる。
【特許文献1】特表2002−542594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記の如く構成されたソケットコネクタにあっては、拡張カード基板をソケットコネクタに差し込みつつラッチをシーソー状に回動させる際、拡張カード基板を強く押し込まないとラッチを回動させることができないという問題が生じていた。
【0007】
また、拡張カード基板を抜き取る際においても、ラッチを直接逆方向に回動させる際には強い操作力を必要とするという問題が生じていた。
【0008】
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、拡張カード基板の差し込み並びに抜き取り時の操作力を軽減することができるソケットコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のソケットコネクタは、メイン基板に対して起立若しくは傾斜状態で拡張カード基板を保持するソケットコネクタであって、前記拡張カード基板の両側をスライド可能に支持する一対の支持部と、該一対の支持部の少なくとも一方に配置されたロック部とを備え、前記ロック部は、前記支持部に設けられた係合部と、前記支持部に回転可能に設けられて前記拡張カード基板の前記支持部とのスライド位置に応じて回転すると共に少なくとも前記メイン基板に対する前記拡張カード基板の取り付け完了時に前記係合部と係合することにより前記拡張カード基板の抜け方向の回転を規制する被係合部と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
この際、前記被係合部には、前記拡張カード基板と当接して該拡張カード基板のスライド位置に応じて前記被係合部を回転させる当接部を一体に備えているのが好ましい。
【0011】
また、前記係合部は、前記被係合部の回転位置に応じて当接すると共にその回転に連動して変位可能に前記支持部に設けられるのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のソケットコネクタは、拡張カード基板の差し込み並びに抜き取り時の操作力を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の一実施形態に係るソケットコネクタについて、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタに対する拡張カード基板の差し込み前における要部の説明図、図2は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタに対する拡張カード基板の差し込み初期における要部の説明図、図3は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタに対する拡張カード基板の差し込み終期における要部の説明図、図4は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタに対する拡張カード基板の差し込み完了時における要部の説明図、図5は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタの要部の拡大正面図、図6は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタの要部の拡大側面図、図7は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタの要部の拡大平面図、図8は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタのロック機構部を取り外した状態の要部の拡大正面図、図9は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタのロック機構部を取り外した状態の要部の拡大側面図、図10は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタのロック機構部を取り外した状態の要部の拡大平面図、図11は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタにおけるロック機構部の拡大正面図、図12は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタにおけるロック機構部の拡大側面図、図13は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタにおけるロック機構部の拡大斜視図である。
【0015】
図において、1は拡張カード基板、10は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタである。
【0016】
拡張カード基板1は、図1に示すように(他の図では一部省略)、例えば、SDRAM等のように基板本体2の両面又は片面に複数のICチップ3が実装されている。また、拡張カード基板1の下端部には、ソケットコネクタ10との導通接続のためのプリント回路部(ランド)4が設けられている。さらに、拡張カード基板1の両端部には、切欠5,6が形成されている。尚、拡張カード基板1は、上述したSDRAM等に限定されるものではなく、ソケットコネクタ10を介してパーソナルコンピュータのマザーボード等のメイン基板11(図1にのみ図示)に対して起立状態(又は傾斜状態)で装着されるカードタイプのもの全般に適用することができる。
【0017】
ソケットコネクタ10は、メイン基板11に固定されたベース部12と、ベース部12の両端から起立して拡張カード基板1の各両端を支持する支持部13,14と、一方の支持部14に設けられたロック部15とを備えている。
【0018】
ベース部12は、メイン基板11に形成されたプリント回路(図示せず)と電気的に接続されると共に、上方に向けて開放することで拡張カード基板1の下端縁と嵌め合い接続される接点12aが設けられている。
【0019】
支持部13は、ベース部12の一端から起立状態で一体的に設けられており、内方(他方の支持部14)側に向けて開放することで拡張カード基板1の一端縁を案内する溝状のガイド溝13aが形成されている。
【0020】
支持部14は、拡張カード基板1の厚さ方向に沿って三層構造を呈しており、図5乃至図10に示すように、拡張カード基板1の裏面側を支持すると共に円形の支持穴16aが形成された裏面側プレート16と、拡張カード基板1の板厚に相当する中間プレート17と、拡張カード基板1の表面側を支持する表面側プレート18とを備えている。
【0021】
中間プレート17は、拡張カード基板1の幅方向において裏面側プレート16よりも幅狭とされ、これにより内方(一方の支持部13)側に向けて開放することで拡張カード基板1の他端縁を案内する溝状のガイド溝17aを形成する。また、中間プレート17は、その高さは裏面側プレート16よりも低く設定されている。尚、この高さは後述する。
【0022】
表面側プレート18は、拡張カード基板1の幅方向に分割された可動プレート19と固定プレート20とを備え、その全体として裏面側プレート16の幅並びに高さが同じとされている。
【0023】
可動プレート19は、ベース部12から立ち上がる基部を支点として先端が揺動可能とされている。また、可動プレート19と固定プレート20とは、その分割部分に全体的に真円形状を呈するように各半円状の切欠19a,20aが形成されている。さらに、可動プレート19の表面側には、先細り状の先端が切欠19aにオーバーハングする突起爪状の係合部19bが一体に形成されている。
【0024】
ロック部15は、図11乃至図13に示すように、支持穴16aに回転可能に支持された回転軸部21と、回転軸部21の回転位置に応じてガイド溝17aに対して出没する当接部22と、切欠19a,20aに回転可能に支持された支持軸部23と、係合部19bに係合可能な被係合部24とが一体に形成されている。
【0025】
当接部22と被係合部24とは、略同一方向に長尺な正面視略楕円形状とされている。また、当接部22と被係合部24とは、図1に示すように、拡張カード基板1を装着する前において内方(一方の支持部13)側に向けて上向き傾斜状態とされ、この状態において被係合部24が係合部19bの下側に当接している。従って、当接部22と被係合部24とは、拡張カード基板1を装着する前において内方(一方の支持部13)側に向けて不測に下向き傾斜となるような回転が阻止されている。
【0026】
上記の構成において、拡張カード基板1の両端を各ガイド溝13a,17aに一致させつつ拡張カード基板1の下端をベース部12に向けて押し下げると、拡張カード基板1の下端縁が当接部22と当接し、さらなる拡張カード基板1の押し下げによってロック部15が回転を開始する。
【0027】
このロック部15が回転を開始すると、図2に示すように、被係合部24が係合部19bの傾斜に案内されると同時に可動プレート19の先端が固定プレート20から離間するように揺動され、被係合部24と係合部19bとの係合状態が強制的に解除される。
【0028】
さらに、図3に示すように、拡張カード基板1を押し下げると、拡張カード基板1の切欠5に当接部22が入り込み、さらなる拡張カード基板1の押し下げによって、図4に示すように、拡張カード基板1の切欠5に当接部22が入り込んだ係合状態のまま、当接部22が内方(一方の支持部13)側に向けて下向き傾斜状態とされると共に、被係合部24が係合部19bの上側に当接する。
【0029】
従って、当接部22と被係合部24とは、拡張カード基板1の装着完了時において内方(一方の支持部13)側に向けて不測に上向き傾斜となるような回転、即ち、拡張カード基板1の抜けが阻止されている。
【0030】
また、上述した中間プレート17の高さは、上述した一連のロック部15の回転時に、当接部22の回転を許容する高さとされている。
【0031】
尚、拡張カード基板1を抜き取る場合には、拡張カード基板1の抜き取り操作をするだけで上記と逆にロック部15が作動し、容易に抜き取りを行うことができる。
【0032】
ところで、上記実施の形態では、ロック部15を一方の支持部14に設けたものを開示したが、他方の支持部13に設けても良い。また、図14に示すように、ロック部15を両方の支持部13,14に各々設けても良い。この際、拡張カード基板1の切欠5,6の高さを変えると共に、その高さに合わせて各ロック部15は支持部13,14に設けることにより、拡張カード基板1の表裏又は天地の装着ミスを防止することが可能となる。
【0033】
さらに、例えば、拡張カード基板1の両端にピニオンギヤを形成し、当接部22をこのピニオンギヤと噛み合うラックギヤで構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタに対する拡張カード基板の差し込み前における要部の説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタに対する拡張カード基板の差し込み初期における要部の説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタに対する拡張カード基板の差し込み終期における要部の説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタに対する拡張カード基板の差し込み完了時における要部の説明図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタの要部の拡大正面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタの要部の拡大側面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタの要部の拡大平面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタのロック機構部を取り外した状態の要部の拡大正面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタのロック機構部を取り外した状態の要部の拡大側面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタのロック機構部を取り外した状態の要部の拡大平面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタにおけるロック機構部の拡大正面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタにおけるロック機構部の拡大側面図である。
【図13】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタにおけるロック機構部の拡大斜視図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る他のソケットコネクタに対する拡張カード基板の差し込み前における要部の説明図である。
【符号の説明】
【0035】
1…拡張カード基板
10…ソケットコネクタ
11…メイン基板
13…支持部
14…支持部
15…ロック部
19…可動プレート
19b…係合部
22…当接部
24…被係合部
【技術分野】
【0001】
本発明は、メイン基板に対して起立若しくは傾斜状態で拡張カード基板を保持するソケットコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、パーソナルコンピュータに用いられているマザーボード等のプリント回路基板(以下、「メイン基板」と称する)には、SDRAMといったメモリモジュール基板等の拡張カード基板を装着するためのソケットコネクタを設けたものが周知である。
【0003】
この拡張PC基板用のソケットコネクタには、メイン基板と拡張カード基板との電気的な導通接続を可能とする接点が設けられていると共に、この導通接続位置で拡張カード基板を保持している。
【0004】
具体的には、拡張カード基板に係合凹部を形成すると共に、この係合凹部と係合するラッチをソケットコネクタに装着しておき、拡張カード基板をソケットコネクタに差し込みつつ、その差し込み操作力によってラッチをシーソー状に回動させて係合凹部に弾性状態で係合させている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、拡張カード基板をソケットコネクタから抜き取る場合には、ラッチを装着時とは逆方向に強制的に回動させることで拡張カード基板を接点から浮き上がらせることによって抜き取りが可能となる。
【特許文献1】特表2002−542594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記の如く構成されたソケットコネクタにあっては、拡張カード基板をソケットコネクタに差し込みつつラッチをシーソー状に回動させる際、拡張カード基板を強く押し込まないとラッチを回動させることができないという問題が生じていた。
【0007】
また、拡張カード基板を抜き取る際においても、ラッチを直接逆方向に回動させる際には強い操作力を必要とするという問題が生じていた。
【0008】
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、拡張カード基板の差し込み並びに抜き取り時の操作力を軽減することができるソケットコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のソケットコネクタは、メイン基板に対して起立若しくは傾斜状態で拡張カード基板を保持するソケットコネクタであって、前記拡張カード基板の両側をスライド可能に支持する一対の支持部と、該一対の支持部の少なくとも一方に配置されたロック部とを備え、前記ロック部は、前記支持部に設けられた係合部と、前記支持部に回転可能に設けられて前記拡張カード基板の前記支持部とのスライド位置に応じて回転すると共に少なくとも前記メイン基板に対する前記拡張カード基板の取り付け完了時に前記係合部と係合することにより前記拡張カード基板の抜け方向の回転を規制する被係合部と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
この際、前記被係合部には、前記拡張カード基板と当接して該拡張カード基板のスライド位置に応じて前記被係合部を回転させる当接部を一体に備えているのが好ましい。
【0011】
また、前記係合部は、前記被係合部の回転位置に応じて当接すると共にその回転に連動して変位可能に前記支持部に設けられるのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のソケットコネクタは、拡張カード基板の差し込み並びに抜き取り時の操作力を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の一実施形態に係るソケットコネクタについて、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタに対する拡張カード基板の差し込み前における要部の説明図、図2は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタに対する拡張カード基板の差し込み初期における要部の説明図、図3は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタに対する拡張カード基板の差し込み終期における要部の説明図、図4は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタに対する拡張カード基板の差し込み完了時における要部の説明図、図5は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタの要部の拡大正面図、図6は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタの要部の拡大側面図、図7は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタの要部の拡大平面図、図8は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタのロック機構部を取り外した状態の要部の拡大正面図、図9は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタのロック機構部を取り外した状態の要部の拡大側面図、図10は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタのロック機構部を取り外した状態の要部の拡大平面図、図11は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタにおけるロック機構部の拡大正面図、図12は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタにおけるロック機構部の拡大側面図、図13は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタにおけるロック機構部の拡大斜視図である。
【0015】
図において、1は拡張カード基板、10は本発明の一実施形態に係るソケットコネクタである。
【0016】
拡張カード基板1は、図1に示すように(他の図では一部省略)、例えば、SDRAM等のように基板本体2の両面又は片面に複数のICチップ3が実装されている。また、拡張カード基板1の下端部には、ソケットコネクタ10との導通接続のためのプリント回路部(ランド)4が設けられている。さらに、拡張カード基板1の両端部には、切欠5,6が形成されている。尚、拡張カード基板1は、上述したSDRAM等に限定されるものではなく、ソケットコネクタ10を介してパーソナルコンピュータのマザーボード等のメイン基板11(図1にのみ図示)に対して起立状態(又は傾斜状態)で装着されるカードタイプのもの全般に適用することができる。
【0017】
ソケットコネクタ10は、メイン基板11に固定されたベース部12と、ベース部12の両端から起立して拡張カード基板1の各両端を支持する支持部13,14と、一方の支持部14に設けられたロック部15とを備えている。
【0018】
ベース部12は、メイン基板11に形成されたプリント回路(図示せず)と電気的に接続されると共に、上方に向けて開放することで拡張カード基板1の下端縁と嵌め合い接続される接点12aが設けられている。
【0019】
支持部13は、ベース部12の一端から起立状態で一体的に設けられており、内方(他方の支持部14)側に向けて開放することで拡張カード基板1の一端縁を案内する溝状のガイド溝13aが形成されている。
【0020】
支持部14は、拡張カード基板1の厚さ方向に沿って三層構造を呈しており、図5乃至図10に示すように、拡張カード基板1の裏面側を支持すると共に円形の支持穴16aが形成された裏面側プレート16と、拡張カード基板1の板厚に相当する中間プレート17と、拡張カード基板1の表面側を支持する表面側プレート18とを備えている。
【0021】
中間プレート17は、拡張カード基板1の幅方向において裏面側プレート16よりも幅狭とされ、これにより内方(一方の支持部13)側に向けて開放することで拡張カード基板1の他端縁を案内する溝状のガイド溝17aを形成する。また、中間プレート17は、その高さは裏面側プレート16よりも低く設定されている。尚、この高さは後述する。
【0022】
表面側プレート18は、拡張カード基板1の幅方向に分割された可動プレート19と固定プレート20とを備え、その全体として裏面側プレート16の幅並びに高さが同じとされている。
【0023】
可動プレート19は、ベース部12から立ち上がる基部を支点として先端が揺動可能とされている。また、可動プレート19と固定プレート20とは、その分割部分に全体的に真円形状を呈するように各半円状の切欠19a,20aが形成されている。さらに、可動プレート19の表面側には、先細り状の先端が切欠19aにオーバーハングする突起爪状の係合部19bが一体に形成されている。
【0024】
ロック部15は、図11乃至図13に示すように、支持穴16aに回転可能に支持された回転軸部21と、回転軸部21の回転位置に応じてガイド溝17aに対して出没する当接部22と、切欠19a,20aに回転可能に支持された支持軸部23と、係合部19bに係合可能な被係合部24とが一体に形成されている。
【0025】
当接部22と被係合部24とは、略同一方向に長尺な正面視略楕円形状とされている。また、当接部22と被係合部24とは、図1に示すように、拡張カード基板1を装着する前において内方(一方の支持部13)側に向けて上向き傾斜状態とされ、この状態において被係合部24が係合部19bの下側に当接している。従って、当接部22と被係合部24とは、拡張カード基板1を装着する前において内方(一方の支持部13)側に向けて不測に下向き傾斜となるような回転が阻止されている。
【0026】
上記の構成において、拡張カード基板1の両端を各ガイド溝13a,17aに一致させつつ拡張カード基板1の下端をベース部12に向けて押し下げると、拡張カード基板1の下端縁が当接部22と当接し、さらなる拡張カード基板1の押し下げによってロック部15が回転を開始する。
【0027】
このロック部15が回転を開始すると、図2に示すように、被係合部24が係合部19bの傾斜に案内されると同時に可動プレート19の先端が固定プレート20から離間するように揺動され、被係合部24と係合部19bとの係合状態が強制的に解除される。
【0028】
さらに、図3に示すように、拡張カード基板1を押し下げると、拡張カード基板1の切欠5に当接部22が入り込み、さらなる拡張カード基板1の押し下げによって、図4に示すように、拡張カード基板1の切欠5に当接部22が入り込んだ係合状態のまま、当接部22が内方(一方の支持部13)側に向けて下向き傾斜状態とされると共に、被係合部24が係合部19bの上側に当接する。
【0029】
従って、当接部22と被係合部24とは、拡張カード基板1の装着完了時において内方(一方の支持部13)側に向けて不測に上向き傾斜となるような回転、即ち、拡張カード基板1の抜けが阻止されている。
【0030】
また、上述した中間プレート17の高さは、上述した一連のロック部15の回転時に、当接部22の回転を許容する高さとされている。
【0031】
尚、拡張カード基板1を抜き取る場合には、拡張カード基板1の抜き取り操作をするだけで上記と逆にロック部15が作動し、容易に抜き取りを行うことができる。
【0032】
ところで、上記実施の形態では、ロック部15を一方の支持部14に設けたものを開示したが、他方の支持部13に設けても良い。また、図14に示すように、ロック部15を両方の支持部13,14に各々設けても良い。この際、拡張カード基板1の切欠5,6の高さを変えると共に、その高さに合わせて各ロック部15は支持部13,14に設けることにより、拡張カード基板1の表裏又は天地の装着ミスを防止することが可能となる。
【0033】
さらに、例えば、拡張カード基板1の両端にピニオンギヤを形成し、当接部22をこのピニオンギヤと噛み合うラックギヤで構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタに対する拡張カード基板の差し込み前における要部の説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタに対する拡張カード基板の差し込み初期における要部の説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタに対する拡張カード基板の差し込み終期における要部の説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタに対する拡張カード基板の差し込み完了時における要部の説明図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタの要部の拡大正面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタの要部の拡大側面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタの要部の拡大平面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタのロック機構部を取り外した状態の要部の拡大正面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタのロック機構部を取り外した状態の要部の拡大側面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタのロック機構部を取り外した状態の要部の拡大平面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタにおけるロック機構部の拡大正面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタにおけるロック機構部の拡大側面図である。
【図13】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタにおけるロック機構部の拡大斜視図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る他のソケットコネクタに対する拡張カード基板の差し込み前における要部の説明図である。
【符号の説明】
【0035】
1…拡張カード基板
10…ソケットコネクタ
11…メイン基板
13…支持部
14…支持部
15…ロック部
19…可動プレート
19b…係合部
22…当接部
24…被係合部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メイン基板に対して起立若しくは傾斜状態で拡張カード基板を保持するソケットコネクタであって、
前記拡張カード基板の両側をスライド可能に支持する一対の支持部と、該一対の支持部の少なくとも一方に配置されたロック部とを備え、
前記ロック部は、前記支持部に設けられた係合部と、前記支持部に回転可能に設けられて前記拡張カード基板の前記支持部とのスライド位置に応じて回転すると共に少なくとも前記メイン基板に対する前記拡張カード基板の取り付け完了時に前記係合部と係合することにより前記拡張カード基板の抜け方向の回転を規制する被係合部と、を備えていることを特徴とするソケットコネクタ。
【請求項2】
前記被係合部には、前記拡張カード基板と当接して該拡張カード基板のスライド位置に応じて前記被係合部を回転させる当接部を一体に備えていることを特徴とする請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項3】
前記係合部は、前記被係合部の回転位置に応じて当接すると共にその回転に連動して変位可能に前記支持部に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のソケットコネクタ。
【請求項1】
メイン基板に対して起立若しくは傾斜状態で拡張カード基板を保持するソケットコネクタであって、
前記拡張カード基板の両側をスライド可能に支持する一対の支持部と、該一対の支持部の少なくとも一方に配置されたロック部とを備え、
前記ロック部は、前記支持部に設けられた係合部と、前記支持部に回転可能に設けられて前記拡張カード基板の前記支持部とのスライド位置に応じて回転すると共に少なくとも前記メイン基板に対する前記拡張カード基板の取り付け完了時に前記係合部と係合することにより前記拡張カード基板の抜け方向の回転を規制する被係合部と、を備えていることを特徴とするソケットコネクタ。
【請求項2】
前記被係合部には、前記拡張カード基板と当接して該拡張カード基板のスライド位置に応じて前記被係合部を回転させる当接部を一体に備えていることを特徴とする請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項3】
前記係合部は、前記被係合部の回転位置に応じて当接すると共にその回転に連動して変位可能に前記支持部に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のソケットコネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−54396(P2009−54396A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−219469(P2007−219469)
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]