説明

タチキニンNK3受容体アンタゴニストとしてのキノリン誘導体

【課題】 公知のペプチド性NK受容体アンタゴニストは、代謝的観点からは非常に不安定であり、実際の治療剤として用いることができない。
【解決手段】 本願明細書に特記される式(I)のキノリン誘導体は、公知のペプチド性アンタゴニストに比べて、代謝性の観点から非常に安定性に優れ、痙攣性疾患(例えば、癲癇)、腎不全、尿失禁、眼球炎症、炎症性痛、食事失調症(食物取り込み阻害)、アレルギー性鼻炎、神経性疾患(例えば、アルツハイマー病)、乾癬、ハンチントン舞踏病および鬱病の治療に用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なキノリン誘導体、その製法およびその医薬における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
哺乳動物ペプチドであるニューロキニンB(Neurokinin B、略してNKB)は、サブスタンスP(Substance P、略してSP)およびニューロキニンA(Neurokinin A、略してNKA)も包含するタチキニン(Tachykinin、略してTK)ペプチドファミリーに属する。薬理学的および分子生物学的な事実は、3サブタイプのTK受容体(NK、NKおよびNK)の存在を示しており、NKBは、他の2種の受容体も低親和性で認識するが、NK受容体に優先的に結合する(Maggiら,1993,J.Auton.Pharmacol.,13,23-93)。
選択的ペプチド性NK受容体アンタゴニストは知られており(Drapeau,1990 Regul.Pept.,31,125-135)、ペプチド性NK受容体アゴニストに関する知見は、NKBは、NK受容体を活性化することによって、気道、皮膚、脊髄および黒色-線条体経路における神経入力の調節に重要な役割を有することを示している(MyersおよびUndem,1993,J.Phisiol.,470,665-679;Countureら,1993,Regul.Peptides,46,426-429;MccarsonおよびKrause,1994,J.Neurosci.,14(2),712-720;Arenasら,1991,J.Neurosci.,11,2332-8)。
しかしながら、公知のアンタゴニストのペプチド-様特性は、実践的な治療剤として供するには、代謝的な観点から不安定すぎるようである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここに本発明者らは、新規なクラスの選択的、非-ペプチドNKアンタゴニストを発見した。このアンタゴニストは、公知のペプチド性NK受容体アンタゴニストより代謝的観点から遥かに安定で、肺疾患(喘息、慢性閉鎖性肺疾病-COPD-、気道過敏感症、咳き)、(例えば、アトピー性皮膚炎ならびに皮膚じんま疹および発赤のような)皮膚疾患および痒疹(itch;麻疹)、神経性炎症ならびにCNS疾患(パーキンソン病、運動疾患、不安症および精神病)の治療において潜在的な治療有効性を有する。これらの疾患は、以後、一次疾患という。
本発明の新規なNKアンタゴニストは、(例えば、癲癇のような)痙攣性疾患、腎不全、尿失調症、眼球炎症、炎症性痛、食事失調症(食物取り込み阻害)、アレルギー性鼻炎、(例えば、アルツハイマー病のような)神経性疾患、乾癬、ハンチントン舞踏病および鬱病(以後、二次疾患という)の治療においても潜在的な治療有効性を有する。
【0004】
本発明の新規な非ペプチドNKアンタゴニストは、従来のペプチド性NK受容体アンタゴニストに比べて、代謝的な観点から極めて安定であり、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患および痒疹の治療に用いることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、式(I):
【化1】

【0006】
[式中:
Arは、所望により置換されていてもよいフェニル、ナフチルもしくはC5−7シクロアルカジエニル基、または所望により置換されていてもよい、芳香族特性を有し、5〜12個の環原子を含み、S、O、Nから選択される4個までのヘテロ原子を環中または各環中に含む単または縮合複素環基;
Rは、直鎖または分岐鎖のC1−8アルキル、C3−7シクロアルキル、C4−7シクロアルキルアルキル、所望により置換されていてもよいフェニルまたはフェニルC1−6アルキル、所望により置換されていてもよい、OおよびNから選択される4個までのヘテロ原子を含む5-員複素芳香族環、ヒドロキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルアミノアルキル、ジC1−6アルキルアミノアルキル、C1−6アシルアミノアルキル、C1−6アルコキシアルキル、C1−6アルキルカルボニル、カルボキシ、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルコキシカルボニルC1−6アルキル、アミノカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、ハロゲノC1−6アルキル;あるいは、Arに環化した場合には、基-(CH)-(ここにpは2または3)を形成し;
およびRは、同一または異なっていてもよく、独立して、水素またはC1−6の直鎖または分岐鎖のアルキル、または一緒になって-(CH)-基(ここに、nは3、4または5を表す)を形成し;あるいは、RはRと一緒になって基-(CH)-(ここに、qは2、3、4または5)を形成し;
およびRは、同一または異なっていてもよく、独立して、水素、C1−6の直鎖または分岐鎖のアルキル、C1−6アルケニル、アリール、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアミド、スルホンアミド、C1−6アルコキシカルボニル、トリフルオロメチル、アシルオキシ、フタルイミド、アミノ、モノ-およびジ-C1−6アルキルアミノ、-O(CH)-NT(ここにrは2、3または4、Tは水素またはC1−6アルキル、あるいは隣接する窒素と一緒になって形成される基:
【0007】
【化2】

【0008】
ここで、VおよびVは、独立して、水素または酸素、uは0、1または2である);-O(CH)-OW(ここに、sは2、3または4で、Wは水素またはC1−6アルキル);ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、モノ-もしくはジ-アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アミノアシルアミノ、モノ-もしくはジ-アルキルアミノアシルアミノである)であり;4個までのR置換基がキノリン核中に存在し得;あるいは、RがRと共にアリールのように環化する場合はRは基-(CH)t-(ここに、tは1、2または3)であり;
は、分岐鎖または直鎖のC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C4−7シクロアルキルアルキル、所望により置換されていてもよいアリール、または所望により置換されていてもよい、芳香族特性を有し、5〜12個の環原子を含み、S、O、Nから選択される4個までのヘテロ原子を環中または各環中に含む単または縮合複素環基;
Xは、O、SまたはN-C≡N]
で示される化合物またはその溶媒和物もしくは塩が提供される。
【0009】
Arの例は、所望によりヒドロキシ、ハロゲン、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルによって置換されていてもよいフェニルである。ハロゲンの例はクロリンおよびフルオリン、C1−6アルコキシの例はメトキシで、C1−6アルキルの例はメチルである。
複素環基としてのArの例は、チエニルおよびピリジルである。
5−7シクロアルカジエニル基としてのArの例は、シクロヘキサジエニルである。
Rの例は以下の通りである:
1−8アルキル:メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、ヘプチル;
フェニルC1−6アルキル:ベンジル;
ヒドロキシC1−6アルキル:-CHOH、-CHCHOH、CH(Me)OH;
アミノC1−6アルキル:-CHNH
ジC1−6アルキルアミノアルキル:-CHNMe
1−6アルコキシアルキル:CHOMe;
1−6アルキルカルボニル:COMe;
1−6アルコキシカルボニル:COOMe;
1−6アルコキシカルボニルC1−6アルキル:CHCOOMe;
1−6アルキルアミノカルボニル:CONHMe;
ジC1−6アルキルアミノカルボニル:CONMe、CO(1-ピロリジニル);
ハロゲンC1−6アルキル:トリフルオロメチル;
Arに環化した場合の-(CH)-:
【化3】

である。
【0010】
1−6アルキルとしてのRおよびRの例はメチル;
Rと一緒になって基-(CH)-を形成するRの例はスピロシクロペンタンである。
およびRの例は、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、メトキシ、ヒドロキシ、アミノ、クロリン、フルオリン、ブロミン、アセチルオキシ、2-(ジメチルアミノ)エトキシ、2-(1-フタロイル)エトキシ、アミノエトキシ、2-(1-ピロリジニル)エトキシ、フタロイル、ジメチルアミノプロポキシ、ジメチルアミノアセチルアミノ、アセチルアミノ、ジメチルアミノメチルおよびフェニルである。
の例は、シクロヘキシル、前記定義のArに所望により置換されてもよいフェニル;複素環基としてのRの例はフリル、チエニル、ピリル、チアゾリル、ベンゾフリルおよびピリジルである。
【0011】
式(I)で示される好ましい群の化合物は、式中:
Arが、所望によりC1−6アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよいフェニル;チエニルまたはC5−7シクロアルカジエニル基;
RがC1−6アルキル、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシC1−6アルキル;
およびRが、各々、水素またはC1−6アルキル;
が水素、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル;
が水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、アミノアルコキシ、モノ-もしくはジ-アルキルアミノアルコキシ、モノ-もしくはジ-アルキルアミノアルキル、フタロイルアルコキシ、モノ-もしくはジ-アルキルアミノアシルアミノおよびアシルアミノ;
がフェニル、チエニル、フリル、ピリルおよびチアゾリルのものである。
式(I)で示されるさらに好ましい群の化合物は、式中:
Arがフェニル、2-クロロフェニル、2-チエニルまたはシクロヘキサジエニル;
Rがメチル、エチル、n-プロピル、-COOMe、-COMe;
およびRが、各々、水素またはメチル;
が水素、メトキシまたはヒドロキシ;
が水素、メチル、エチル、メトキシ、ヒドロキシ、アミノ、クロリン、ブロミン、ジメチルアミノエトキシ、2-(1-フタロイル)エトキシ、アミノエトキシ、2-(1-ピロリジニル)エトキシ、ジメチルアミノプロポキシ、ジメチルアミノアセチルアミノ、アセチルアミノおよびジメチルアミノメチル;
がフェニル、2-チエニル、2-フリル、2-ピリル、2-チアゾリルおよび3-チエニル;および
Xが酸素であるものである。
【0012】
前記の式(I)の範囲内の好ましい亜群の化合物は、式(Ia):
【化4】

[式中:
【0013】
R、R、RおよびRは、式(I)の定義に同じで、YおよびZは、同一または異なっていてもよく、各々、式(I)定義に同じAr]である。
式(Ia)で示される特に好ましい群の化合物は、式(Ib):
【0014】
【化5】

[式中、Rは下方を、Hは上方を向いている]で示されるものである。
【0015】
式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物は、好ましくは、医薬上許容される形態または実質的に純粋な形態である。医薬上許容される形態とは、とりわけ、希釈剤および担体のごとき通常の医薬添加剤を除いた、通常の投与量レベルで毒性が考えられる物質を全く含まない医薬上許容されるレベルの純度のものを意味する。
実質的に純粋な形態は、一般的に、(通常の医薬添加剤を除いて)少なくとも50%、好ましくは75%、さらに好ましくは90%、よりさらに好ましくは95%の式(I)で示される化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含んでいるであろう。
1つの好ましい医薬上許容される形態は、医薬組成物中の結晶形態を含む、結晶形態である。塩および溶媒和物の場合においては、付加イオン基および溶媒基も非-毒性でなければならない。
式(I)で示される化合物の医薬上許容される塩の例には、例えば、マレイン酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、酢酸、フマル酸、サリチル酸、クエン酸、乳酸、マンデル酸、酒石酸、スクシン酸、安息香酸、アスコルビン酸およびメタンスルホン酸のような従来の医薬酸との酸付加塩が含まれる。
式(I)で示される化合物の医薬上許容される溶媒和物の例には、水和物が含まれる。
式(I)で示される化合物は、少なくとも1個の不斉中心を有し得、したがって、2個以上の立体異性体形が存在し得る。本発明は、ラセミ体を含むかかる形のすべておよびそれらの混合物まで広がっている。
【0016】
また、本発明は、式(III):
【化6】

【0017】
[式中、R’、R’1、R'およびAr’は、式(I)定義に同じR、R、RおよびAr、またはR、R、RおよびArに変換可能な基または原子]
で示される化合物と、式(II):
【0018】
【化7】

【0019】
[式中、R'、R'、R'およびX'は、式(I)定義に同じR、R、RおよびX、またはR、R、RおよびXに変換可能な基]
で示される化合物またはその活性誘導体とを反応させて、式(Ic):
【0020】
【化8】

【0021】
で示される化合物を形成し、
その後、所望により、1またはそれ以上の以下の工程:
(a)R'、R'ないしR'、Ar'およびX'がR、RないしR、ArおよびX以外である場合、R'、R'ないしR'、Ar'およびX'のいずれか1個をR、RないしR、ArおよびXに変換させて式(I)で示される化合物を得;
(b)R'、R'ないしR'、Ar'およびX'がR、RないしR、ArおよびXである場合、R、RないしR、ArおよびXのいずれかの1個を他のR、RないしR、ArおよびXに変換させて式(I)で示される化合物を得;
(c)得られた式(Ic)で示される化合物の塩および/または溶媒和物を形成させる:
ことを行ってもよいことを特徴とする式(I)で示される化合物の製法を提供する。
【0022】
式(II)で示される化合物の適当な活性誘導体は、酸ハロゲン化物(好ましくは塩化物)、酸アジ化物または酸無水物である。他の適当な誘導体は、酸とアルキルクロロギ酸との間に形成される混合無水物で;他の適当な誘導体はシアノメチルエステル、チオフェニルエステル、p-ニトロフェニルエステル、p-ニトロチオフェニルエステル、2,4,6-トリクロロフェニルエステル、ペンタクロロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、N-ヒドロキシ-フタルイミドエステル、N-ヒドロキシピペリジンエステル、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、N-ヒドロキシベンゾトリアゾールエステルのごとき活性化エステルで;あるいは、カルボキシ基は、カルボジイミドまたはN,N’-カルボニルジイミダゾールを用いて活性化し得る。
【0023】
例えば、当業者によく知られている標準的な方法において、式(III)で示される化合物は、
(a)ジメチルホルムアミド(DMF)のごとき適当な非プロトン性溶媒中の無機または有機塩基存在下、-70〜50℃の範囲(好ましくは-10〜20℃の範囲)の温度にて、酸塩化物と、
(b)各々1:9〜7:3の比のアセトニトリル(MeCN)およびテトラヒドロフラン(THF)の混合液のごとき非プロトン性溶媒中、収率を最大化しラセミ化プロセスを回避するために、例えば、N,N’-カルボニルジイミダゾール(CDI)のごとき縮合剤、またはジクロロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはN-ジメチルアミノプロピル-N’-エチルカルボジイミドおよびN-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)のごときカルボジイミド存在下、-70〜50℃の範囲(好ましくは、-10〜25℃の範囲)の温度にて、酸と(スキーム1参照)、
【0024】
スキーム1
【化9】

【0025】
(c)ジクロロメタンのごとき適当な非プロトン性溶媒中、-70〜50℃の範囲(好ましくは-20〜20℃の範囲)の温度にて、酸およびアルキル(例えば、イソプロピル)クロロギ酸エステルからインlサイチュ(in situ)で生成した混合無水物とカップリングし得る。
【0026】
適当な置換基の相互変換(interconversion)によって、式(Ic)で示される化合物が式(I)で示される化合物に変換し得、あるいは式(I)で示される化合物が式(I)で示される他の化合物に変換し得ることは考えられるであろう。かくして、式(I)および(Ic)で示されるある種の化合物は、本発明の他の化合物の形成における有用な中間体である。
例えば、従来のアミドアルキル化法(Zabicky,The chemistry of amides;Interscience,London,1970,p.749)によって、R'は水素であってもよく、Rアルキル基、例えば、メチルに変換し得る。X'が酸素である場合、それは、Pのごとき標準的なチオアミド形成試薬(Chem.Rev.,61,45,1961またはAngew.Chem.,78,517,1966)またはローエッソン試薬(Tetrahedron,41,5061,1985)によってX硫黄に変換し得る。Ar'またはR'がメトキシ置換フェニルである場合、それは、三臭化ホウ素のごときルイス酸(Synthesis,249,1983)、または臭化水素酸もしくはヨウ化水素酸のごとき鉱酸を介した標準的脱メチル化法によって他のAr'またはR'ヒドロキシ置換フェニルに変換し得る。Rが、例えば、メトキシカルボニルのようなアルコキシカルボニル基である場合、それは、20〜120℃の範囲の温度にて、適当なアルコールとのトランスエステル化によってカルボキシエトキシカルボニル、10〜120℃の範囲の温度、所望により、触媒量のNaCN(J.Org.Chem,52,2033,1987)が存在していてもよい下、溶媒としての、酸性もしくは塩基性媒質中の加水分解によってカルボキシ、メタノール中のアンモニア、第一級アミンもしくは第二級アミンとのトランスアミド化、またはトリメチルアルミニウム(MeCl)(Tetrahedron Letters,48,4171,1977)によってアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルもしくはジアルキルアミノカルボニル、酸性もしくは塩基性媒質中の加水分解によってカルボキシ、アンモニアとのトランスアミド化によってアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルもしくはジアルキルアミノカルボニル、ホウ水素化リチウム還元(Ttrahdron,35,567,1979)またはTHF+MeOH中のホウ水素化ナトリウム還元(Bull.Chem.Soc.Japan,57,1948,1984またはSynth.Commun.,12,463,1982)によってヒドロキシメチル、塩化アシル形成につづくTHF中、-78〜30℃の範囲の温度にてのハロゲン化アルキルマグネシウムとの反応(Tetrahedron Letters,4303,1979)またはMgClもしくはLiCl存在下のハロゲン化アルキルカドニウムもしくはジアルキルカドニウムとの反応(J.Org.Chem.,47,2590,1982)によってアルキルカルボニル、のごとき他のRに変換し得る。メトキシカルボニルとしてのR'である他の基は、オキサジアゾールのごとき置換複素環に変換し得る(J.Med.Chem.,34,2726,1991)。
スキーム2は、X'が酸素、R'がCOOMe、Ar'およびR'ないしR'が式(I)記載に同じである式(Ic)または(I)で示される化合物を式(I)で示される他の化合物に変換するための幾つかの前記方法を要約している。
【0027】
スキーム2
【化10】

【0028】
式(I)で示される化合物は、適当な有機酸または鉱酸との反応によってその医薬上許容される酸付加塩に変換し得る。
式(I)で示される化合物の溶媒和物は、適当な溶媒からの結晶化または再結晶化によって形成し得る。例えば、水和物は、水溶液、または有機溶媒を含有する水中の溶液からの結晶化または再結晶化によって形成し得る。
また、医薬上許容されない式(I)で示される化合物の塩また溶媒和物は、医薬上許容される塩または溶媒和物製造の中間体として有用であり得る。従って、かかる塩または溶媒和物も本発明の一部分をなす。
前記したごとく、式(I)で示される化合物は、2以上の立体異性体形として存在し得、本発明のプロセスは、ラセミ体ならびにエナンチオマー的に純粋な形を製造し得る。純粋なエナンチオマーを得るためには、式(IIId)または(IIIe):
【0029】
【化11】

で示される適当なエナンチオマー的に純粋な第一級または第二級アミンを式(II)で示される化合物と反応させて、式(I’d)または(I’e):
【0030】
【化12】

で示される化合物を得る。
【0031】
つづいて、式(I’d)または(I’e)で示される化合物は、前記した変換方法によって式(Id)または(Ie):
【化13】

で示される化合物に変換し得る。
【0032】
式(II)で示される化合物は、公知であり、または公知の方法によって公知化合物から調製し得る。
例えば、式(II)で示される化合物(式中、X'は酸素、R'、R'およびR'は水素)は、Pfizinger、J.Prakt.Chem.,38,582,1882およびPfitzinger,J.Prakt.Chem.,56,293,1987に記載されており;式(II)で示される化合物(式中、X'は酸素、R'およびR'は水素で、R'は2-ピリジル)はRisaliti,Ric.Scient.,28,561,1958に記載されており;式(II)で示される化合物(式中、X'は酸素、R'およびR'は水素で、R'はo-、m-およびp-クロロフェニル、o-フルオロフェニルおよび3,4-ジクロロフェニル)はBrownら、J.Am.Chem.Soc.,68,2705,1946に記載されており;式(II)で示される化合物(式中、X'は酸素、R'およびR'は水素で、R'はp-メトキシフェニル)はCiusaおよびLuzzatto,Gazz.Chim.Ital.,44,64,1914に記載されており;式(II)で示される化合物(式中、X'は酸素、R'およびR'は水素で、R'はm-トリフルオロメチルフェニル)はShargierおよびLalezari,J.Chem.Eng.Data,8,26,1963に記載されており;式(II)で示される化合物(式中、X'は酸素、R'およびR'は水素で、R'はp-フルオロフェニル)はBu Hoiら,Rec Trav.Chim.,68,781,1949に記載されており;式(II)で示される化合物(式中、X'は酸素、R'およびR'は水素で、R'はp-メチルフェニル)は、Prevostら,Compt.Rend.Acad.Sci.,258,954,1964に記載されており;式(II)で示される化合物(式中、X'は酸素、R'およびR'は水素で、R'はp-ブロモフェニル)はNicolaiら,Eur.J.Med.Chem.,27,977,1992に記載されており;式(II)で示される化合物(式中、X'は酸素、R'およびR'は水素で、R'は6-メチル)はBuchmannおよびHowton,J.Am.Chem.Soc.,68,2718,1946に記載されており;式(II)で示される化合物(式中、X'は酸素、R'およびR'は水素で、R'は8-ニトロ)はBuchmannら,J.Am.Che.Soc.,69,380,1947に記載されており;式(II)で示される化合物(式中、X'は酸素、R'は水素、R'は6-クロロ、R'は5-p-クロロフェニル)はLutzら,J.Am.Chem.Soc.,68,1813,1946に;式(II)で示される化合物(式中、X'は酸素、R'およびR'は水素で、R'は2-チアゾリル)は欧州特許出願EP112,776号に;式(II)で示される化合物(式中、X'は酸素、R'は8-トリフルオロメチル、R'は水素で、R'はフェニル、o-およびp-フルオロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、p-メトキシフェニル)はNicolaiら,Eur.J.Med.Chem.,27,977,1992に;式(II)で示される化合物(式中、X'は酸素、R'は6-ブロモ、R'は水素で、R'はフェニルまたはp-フルオロフェニル)はGer.Offen.DE3,721,222号および欧州特許出願EP384,313号に記載されている。
【0033】
式(III)、(IIId)および(IIIe)で示される化合物は、販売されているか、または公知の方法によって公知化合物から調製し得る。例えば、式(III)で示される化合物(式中、R'はアルコキシ、R'およびR'は水素で、Ar'は式(I)で示される化合物の定義に同じ)は、Liebigs Ann.der Chemie,523,199,1936に記載されている。
標準的な試験におけるNK受容体アンタゴニストとしての式(I)で示される化合物の活性は、それが、前記に示した一次および二次疾患の両方の治療において潜在的な治療有用性を有することを示している。
NK受容体アンタゴニストが二次疾患の治療に潜在的な治療有用性を有するという知見は新しく、本発明のさらなる態様において、二次疾患治療用のNK受容体アンタゴニストの使用を提供する。また、いずれかの二次疾患治療用の医薬製造におけるNK受容体アンタゴニストの使用を提供する。
【0034】
また、本発明は、有効治療物質として使用するための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
さらに、本発明は、式(I)で示される化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物、および医薬上許容される担体を含む医薬組成物を提供する。 また、本発明は、一次および二次疾患を治療するための医薬の製造における、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
本発明のかかる医薬および組成物は、本発明の化合物と適当な担体とを混合することによって調製し得る。それは、希釈剤、結合剤、充填剤、崩壊剤、賦香剤、着色剤、湿潤剤または保存料を従来の様式にて含有し得る。
これらの従来の賦形剤は、例えば、症状を治療するための公知剤の組成物の調製のごとく使用し得る。
好ましくは、本発明の医薬組成物は、単位投与形、および医学もしくは獣医学分野での使用に適合した形である。例えば、かかる調製物は、症状治療の剤として使用するための、記載または印刷した指示書を伴うパック形となり得る。
本発明の化合物の適当な投与量範囲は、用いる化合物および患者の症状に依存する。また、それは、とりわけ、吸収性に対する能力の関係ならびに投与の頻度および経路に依存するであろう。
【0035】
本発明の化合物または組成物は、いずれの経路による投与用にも処方化し得、好ましくは、単位投与量形またはヒト患者が単一投与量を彼自身で投与し得る形であり得る。有利には、該組成物は、経口、直腸、局所、非経口、静脈内または筋肉内投与に適する。調製物は、有効成分を徐放するように設計し得る。
組成物は、例えば、錠剤、カプセル、小袋、バイアル、粉末、顆粒、トローチ、復元性粉末、または、例えば、溶液もしくは懸濁液のような液体調製物、または坐薬の形とし得る。
組成物、例えば経口投与に適したものは、例えば、シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントもしくはポリビニルピロリドンのような結合剤;例えば、ラクトース、砂糖、トウモロコシ-デンプン、リン酸カルシウム、ソルビトールもしくはグリシンのような充填剤;例えば、ステアリン酸マグネシウムのような錠剤湿潤剤;例えば、デンプン、ポリビニル-ピロリドン、グリコール酸ナトリウムデンプンもしくはマイクロクリスタリンセルロースのような崩壊剤;またはラウリル硫酸ナトリウムのごとき医薬上許容される硬化剤のごとき従来の賦形剤を含有し得る。
【0036】
固形組成物は、ブレンド、充填、錠剤化などの従来の方法によって得ることができる。繰返しブレンド操作を用いて、大量の充填剤を用いたこれらの組成物全体を通して有効剤を分配し得る。組成物が錠剤、粉末剤またはトローチの形である場合、固形医薬組成物を処方化するのに適したいずれの担体も使用することができ、例えばそれは、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、米粉およびチョークである。錠剤は、通常の医薬業務においてよく知られている方法に従って、特には腸溶性コートでコートし得る。また、組成物は、例えば、該化合物を含有するゼラチンのような、望むなら担体または他の賦形剤と一緒に食用カプセルの形ともし得る。
液体としての経口投与用組成物は、例えば、懸濁液、シロップまたはエリクシルのような形態とし得、あるいは使用する前に水または他の適当な担体で復元する乾燥製品として示し得る。かかる液体組成物は、例えば、ソルビトール、シロップ、メチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルミニウムステアレートゲル、水添食用油脂のような懸濁剤;例えば、レシチン、ソルビタンモノオレエートもしくはアカシアのような懸濁剤;例えば、アーモンド油、分画ココナッツオイルのような食用油、例えば、グリセリンもしくはプロピレングリコールのような油性エステル、またはエチルアルコール、グリセリン、水または生理食塩水のごとき水性または非水性担体;例えば、p-ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはp-ヒドロキシ安息香酸プロピルまたはソルビン酸のような保存料;のごとき従来の添加剤;および望むなら従来の賦香剤または着色剤を含有し得る。
【0037】
また、本発明の化合物は、非-経口経路によって投与し得る。日常的医薬法によって、該組成物は、例えば、坐薬として直腸投与用に処方化し得る。また、それは、水性または非水性溶液中の注射形、例えば、滅菌発熱物質非含有水また非経口的に許容できる油または液体混合液のような医薬上許容される液体中の懸濁液、で示されるように処方化し得る。液体は、静菌剤、抗-酸化剤または他の保存料、当該溶液を血液と等張とする緩衝液または溶質、粘稠剤、懸濁剤または他の医薬上許容される添加剤を含有し得る。かかる形は、アンプルまたはディスポーザブル注射装置、または適量を引き出し得るボトル形または注射処方を調製するのに使用し得る固形もしくは濃縮物のようなマルチ-投与形のごとき単一投与形で示されるであろう。
また、本発明の化合物は、鼻または経口経路を介した吸入によって投与し得る。かかる投与は、本発明の化合物、および所望によりそれに懸濁した適当な担体、例えば、炭化水素高圧ガスを含むスプレー処方で行い得る。
好ましいスプレー処方は、表面活性剤、溶媒または懸濁粒子の沈殿を防止する分散剤を含む。好ましくは、化合物の粒子サイズは約2〜10マイクロである。
【0038】
本発明の化合物のさらなる投与様式は、皮膚-パッチ処方を用いた経皮デリバリーよりなることを特徴とする。好ましい処方は、皮膚に粘着し、それによって化合物をデリバリー用の皮膚を通して粘着物から拡散させ得る圧力感受性粘着剤中に分散した本発明の化合物を含む。一定速度の経皮吸収には、天然ゴムまたはシリコンのごとき当該分野で公知である圧力感受性粘着物を使用し得る。
前記したごとく、化合物の有効用量は、用いる特定の化合物、患者の状態、ならびに投与の頻度または経路に影響し得る。一般的に、単位用量は20〜1000mgおよび好ましくは30〜500mg、特には50、100、150、200、250、300、350、400、450または500mgを含有するであろう。組成物は、一日当たり1またはそれ以上、例えば、一日当たり2、3または4回投与し得る。別法として、単位投与量は、2〜20mgの有効成分含有し得、70kg成人に対する日用量は通常2〜20mgの有効成分を含有し得、望むなら、日用量に先立って複数回で投与し得る。
本発明の化合物を本発明により投与した場合には、許容し得ない毒学的影響は全く予想されない。
【0039】
また、本発明は、哺乳動物、特にヒトにおける一次および二次症状の治療および/または予防用の方法を提供する。該方法は、かかる治療および/予防を要する哺乳動物に有効量の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩または溶媒和物を投与することを特徴とする。
さらに、本発明は、哺乳動物、特にヒトにおける二次症状の治療および/または予防用の方法を提供する。該方法は、かかる治療および/または予防を要する哺乳動物に有効量のNK受容体アンタゴニストを投与することを特徴とする。
【0040】
NKリガンドとしての本発明の化合物の活性は、モルモットおよびヒトNK受容体に対する放射性同位体標識NKリガンド[125I]-[Me-Phe]-NKBまたは[H]-センクタイド(Senktide)の結合を阻害するその能力によって決定する(Renzettiら,1991,Neuropeptide,18,104-114;Buellら,1992,FEBS,299(I),90-95;Chungら,1994,Biochem.Biophys.Res.Commun.,198(3),967-972)。用いた結合アッセイにより、平衡条件におけるNK受容体に対する[125I]-[Me-Phe]-NKBおよび[H]-センクタイドの特異的結合を50%低下させるのに要する個々の化合物の濃度(IC50)が決定される。結合アッセイにより、2回または3回で2-5の別々に行った実験の平均IC50が、試験した各化合物について供される。本発明の最も潜在的な化合物は、1-1000nMの範囲でIC50値を示した;特に、[H]-センクタイドの置換によるモルモット髄膜において、実施例22、47、48および85の化合物は、各々、5.6、8.8、12.0および4.8(n=3)のKi(nM)を示す。本発明の化合物のNK-アンタゴニスト活性は、モルモット回腸のセンクタイド-誘導収縮(Maggiら,1990,Br.J.Pharmacol.,101,996-1000)およびウサギ単離虹彩括約筋(Hallら,1991,Eur.J.Pharmacol.,199,9-14)の収縮ならびにヒトNK受容体-媒介Ca++移動(Mochizukiら,1994,J.Biol.Chem.,269,9651-9658)を阻害するその能力によって決定する。モルモットおよびウサギイン・ビトロ(in-vitro)機能性アッセイにより、試験した各化合物について、3-8別々に実験した平均KB(KBとは、センクタイドの濃度-応答曲線を2倍右方向にシフトさせるのに要した個々の化合物の濃度)が供される。ヒト受容体機能性アッセイにより、アゴニストNKBによって誘導されたCa++移動を50%低下させるのに要した個々の化合物の濃度(IC50値)が決定される。このアッセイにおいて、本発明の化合物は、アンタゴニストとしてふるまう。
症状を治療する本発明の化合物の治療能力は、齧歯類疾病モデルを用いて評価し得る。
以下の説明では中間体の調製を説明する一方、実施例では本発明の化合物の調製を説明する。実施例の化合物を表1〜6に要約する。
【0041】
記載例1
塩化2-フェニルキノリン-4-カルボン酸
塩化オキサリル11.7ml(136.3ミリモル)をCHCl150ml中に溶解した。その溶液を-10℃に冷却し、販売されている2-フェニルキノリン-4-カルボン酸20g(80.2ミリモル)を一部づつ添加した。反応混合物を室温にて一晩放置し、ついで、蒸発乾固させて、さらに精製することなく用いる標題化合物22gを得た。
1610ClNOとして
分子量=267.76
【0042】
記載例2
7-メトキシ-2-フェニルキノリン-4-カルボン酸
6-メトキシイサチン5g(28.2ミリモル)、アセトフェノン4ml(33.8ミリモル)および水酸化カリウム5.2g(92.6ミリモル)を無水EtOH22.9ml中に溶解し、そのスラリーを80℃にて42時間加熱した。反応混合物を冷却した後に、水50mlを添加し、EtO50mlでその溶液を抽出した。氷冷水性相を37%HClでpH1まで酸性化し、濾過によって沈殿を採取し、水で洗浄した。
得られた固形物を真空下、40℃にて乾燥させ、標題化合物7.0gを得た。
1713NOとして
融点=226-228℃
分子量=279.30
元素分析:計算値C,73.11;H,4.69;N,5.01;
実測値C,72.07;H,4.59;N,4.90
I.R.(KBr):3420;1630cm-1
【0043】
記載例3
塩化7-メトキシ-2-フェニルキノリン-4-カルボン酸
塩化オキサリル2.8ml(32.3ミリモル)をCHCl60mlに溶解した。その溶液を-10℃に冷却し、7-メトキシ-2-フェニルキノリン-4-カルボン酸6g(19.0ミリモル)を一部づつ添加した。反応混合物を室温にて一晩放置し、ついで蒸発乾固させて、さらに精製することなく用いる標題化合物7gを得た。
1712ClNOとして
分子量=297.74
【0044】
記載例4
7-ヒドロキシ-2-フェニルキノリン-4-カルボン酸ヨウ化水素酸塩
7-メトキシ-2-フェニルキノリン-4-カルボン酸1.5g(5.4ミリモル)を57%HI水溶液50mlに少量づつ添加した。その反応混合物を還流し5時間激しく撹拌し;ついで真空下(in-vacuo)にて蒸発乾固させて標題化合物2.1gを得た。
1611NO.HI
分子量=393.17
I.R.(KBr):3120;1650;1620cm-1
【0045】
記載例5
2-(2-チエニル)キノリン-4-カルボン酸
イサチン5g(34.0ミリモル)、2-アセチルチオフェン4.4ml(40.8ミリモル)および水酸化カリウム6.3g(112.2ミリモル)を無水EtOH40mlに溶解し、そのスラリーを80℃にて16時間加熱した。その反応混合物を冷却した後に、水50mlを添加し、その溶液をEtO50mlで抽出した。氷冷した水性相を37%HClでpH1に酸性化し、沈殿を濾過によって採取し、水で洗浄した。
得られた粗製生成物を40℃、真空下にて乾燥し、EtOAcでトリチュレートして標題化合物4.8gを得た。
14NOSとして
融点=181-183℃
分子量=255.29
I.R.(KBr):1620cm−1
300MHz H-NMR(DMSO-d):δ8.60(d,1H);8.45(s,1H);8.10(m,2H);7.78(m,2H);7.68(t,1H);7.22(m,1H)
【0046】
記載例6
2-(2-フリル)キノリン-4-カルボン酸
イサチン5g(34.0ミリモル)、2-アセチルフラン4ml(40.8ミリモル)および水酸化カリウム6.3g(112.2ミリモル)を、無水EtOH40.9mlに溶解し、そのスラリーを80℃にて12時間加熱した。反応混合物を冷却した後、水50mlを添加し、その溶液をEtO50mlで抽出した。氷冷した水性相を37%HClでpH1まで酸性化し、濾過によって沈殿を採取し、水で洗浄した。得られた粗製生成物を40℃、真空下にて乾燥して標題化合物8.5gを得た。
14NOとして
分子量=239.23
【0047】
記載例7
塩化2-(2-フリル)キノリン-4-カルボン酸
塩化オキサリル5.2ml(60.4ミリモル)をCHCl70mlに溶解した。その溶液を-10℃に冷却し、2-(2-フリル)キノリン-4-カルボン酸8.5g(35.5ミリモル)を少量づつ添加した。その反応混合物を室温にて一晩放置し、ついで蒸発乾固させて、さらに精製することなく用いる標題化合物9.2gを得た。
14ClNOとして
分子量=257.78
【0048】
記載例8
2-(4-ピリジル)キノリン-4-カルボン酸塩酸塩
イサチン5g(34.0ミリモル)、4-アセチルピリジン4.5ml(40.8ミリモル)および水酸化カリウム6.3g(112.2ミリモル)を無水EtOH40mlに溶解し、そのスラリーを80℃にて12時間加熱した。その反応混合物を冷却した後、水50mlを添加し、その溶液をEtO50mlで抽出した。氷冷水性相を37%HClでpH1に酸性化し、沈殿を濾過によって採取し、水で洗浄した。
水溶液を真空下にて蒸発させ、その残渣をEtOHでトリチュレートして濾別した。溶媒を蒸発させて、粗製標題化合物6.0gを得た。この生成物を以前に得た沈殿と合わせ、微量のMeOHを含有するトルエンから再結晶化させて標題化合物4.5gを得た。
1510.HClとして
融点=297-301℃
分子量=286.72
I.R.(KBr):1705;1635;1610cm-1
300MHz H-NMR(DMSO-d):δ8.90(d,2H);8.70(m,2H);8.50(s,2H);8.28(d,1H);7.89(dt,2H)
【0049】
記載例9
塩化2-(4-ピリジル)キノリン-4-カルボン酸塩酸塩
塩化オキサリル1.3ml(10.4ミリモル)をCHCl60mlに溶解した。その溶液を-10℃に冷却し、2-(4-ピリジル)キノリン-4-カルボン酸塩酸塩3.0g(14.4ミリモル)を少量づつ添加した。その反応混合物を室温にて72時間放置し、ついで蒸発乾固させて、さらに精製することなく用いる標題化合物4.0gを得た。
15ClNO・HClとして
分子量=305.22
【0050】
実施例1
(R,S)-N-(α-メチルベンジル)-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド (R,S)α-メチルベンジルアミン1.2ml(9.4ミリモル)およびトリエチルアミン(TEA)1.6ml(11.7ミリモル)を、窒素雰囲気下にて、乾燥CHClおよびCHCNの1:1混合物50mlに溶解した。
乾燥CHClおよびDMFの1:4混合物50ml中に溶解した2-フェニルキノリン-4-カルボニルクロリド2.0g(7.8ミリモル)を、アミンの氷冷溶液に滴下し、その反応物を0-5℃にて1時間維持し、室温にて一晩放置した。
その反応混合物を真空下にて蒸発乾固させ、その残渣をEtOAcに溶解し、NaHCOの飽和溶液で2回洗浄した。有機層を分離し、NaSO上で乾燥し、濾過し、真空下にて蒸発乾固させた。
残渣油をEtOAcから結晶化して標題化合物1.1gを白色固形物として得た。
2420Oとして
融点=156-157℃
分子量=352.43
元素分析:計算値C,81.79;H,5.72;N,7.95
実測値C,81.99;H,5.69;N,7.89
I.R.(KBr):3240;1645cm-1
300MHz H-NMR(DMSO-d):δ9.29(d,1H);8.32(d,2H);8.13(d,1H);8.13(s,1H);8.06(d,1H);7.81(ddd,1H);7.68-7.52(m,4H);7.47(d,2H);7.39(dd,2H);7.27(dd,1H);5.30(dq,1H);1.52(d,3H)
MS(EI;熱源200℃;70V;200mA):352(M+);337;232;204;77
【0051】
実施例2
S-(+)-N-(α-メチルベンジル)-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド CHCl、CHCNおよびDMFの混合液100ml中のS-(-)-α-メチルベンジルアミン1.2ml(9.4ミリモル)、TEA1.6ml(11.7ミリモル)、2-フェニルキノリン-4-カルボニルクロリド2.0g(7.8ミリモル)から実施例1のごとく調製した。反応混合物の仕上げ処理は、実施例1記載と同一の方法で行った。残渣油をEtOAcから結晶化させて標題化合物1.1gを得た。
2420Oとして
融点=161-162℃
分子量=352.43
[α]20=+25(C=0.5,DMF)
I.R.(KBr):3240;1645cm-1
300MHz H-NMR(DMSO-d):δ9.29(d,1H);8.32(d,2H);8.13(d,1H);8.13(s,1H);8.06(d,1H);7.81(ddd,1H);7.68-7.52(m,4H);7.47(d,2H);7.39(dd,2H);7.27(dd,1H);5.30(dq,1H);1.52(d,3H)
MSスペクトルは実施例1と同一であった。
【0052】
実施例3
R-(-)-N-(α-メチルベンジル)-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
CHCl、CHCNおよびDMFの混合液100ml中のR-(+)-α-メチルベンジルアミン1.2ml(9.4ミリモル)、TEA1.6ml(11.7ミリモル)および塩化 2-フェニルキノリン-4-カルボニル2.0g(7.8ミリモル)から実施例1と同様に調製した。反応混合物の仕上げ処理は実施例1と同様に行った。残渣油をEtOAcから結晶化して標題化合物1.1gを得た。
2420Oとして
融点=158-160℃
分子量=352.43
[α]20=-25(C=0.5,DMF)
I.R.(KBr):3240;1645cm-1
H NMRおよびMSスペクトルは実施例1および実施例2のものと同一であった。
【0053】
実施例4
(R,S)-N-[α-(メトキシカルボニル)ベンジル]-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
窒素雰囲気下にて、2-フェニルキノリン-4-カルボン酸2.0g(8.0ミリモル)を、乾燥THF130mlおよびCHCN100ml中に溶解した。
(D,L)メチルフェニルグリシド酸塩酸塩2.0g(9.9ミリモル)およびTEA1.5ml(10.7ミリモル)を添加し、その反応混合物を5℃に冷却した。乾燥CHCl10mlに溶解したジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)2.5g(12.1ミリモル)を滴下し、その溶液を放置して室温とし、5時間撹拌し、一晩放置した。
沈殿したジシクロヘキシル尿素を濾別し、その溶液を真空下にて蒸発乾固させた。その残渣をCHClに溶解し、ついでHOで洗浄した。有機層を分離し、NaSO上で乾燥し、真空下にて蒸発乾固させて粗製生成物6.0gを得、これをCHCl20ml中に溶解して一晩放置した。さらに幾分かのジシクロヘキシル尿素が沈殿し、これを濾別した。その溶液を真空下にて蒸発乾固させ、その残渣を、230-400メッシュシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付し、0.5%NHOHを含有する3:2ヘキサン/酢酸エチルの混合液で溶出した。得られた粗製固形物を温i-PrOでトリチュレートし、濾過し、洗浄し、乾燥して標題化合物1.1gを得た。
2520として
融点=170-172℃
分子量=396.45
元素分析:計算値C,75.74;H,5.09;N,7.7;
実測値C,75.88;H,5.12;N,7.06
I.R.(ヌジョール):3240;1750;1670cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):δ9.72(d,1H);8.28(dd,2H);8.20(dd,1H);8.13(dd,1H);8.11(s,1H);7.83(ddd,1H);7.66(ddd,1H);7.60-7.50(m,5H);7.47-7.37(m,3H);5.78(d,1H);3.72(s,3H)
MS(EI;熱源200℃;70V;200mA):396(M+.);337;232;204
【0054】
実施例5
(+)-(S)-N-[α-(メトキシカルボニル)ベンジル]-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
窒素雰囲気下にて、2-フェニルキノリン-4-カルボン酸2.0g(8.0ミリモル)を乾燥THF70mlおよびCHCN30ml中に溶解した。(L)メチルフェニルグリシド酸塩酸塩1.7g(8.4ミリモル)、N-メチルモルホリン1.1ml(9.9ミリモル)およびN-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)2.1g(15.5ミリモル)を添加し、その反応混合物を0℃に冷却した。
CHCl10ml中に溶解したDCC1.85g(9.0ミリモル)を滴下し、その溶液を0℃-5℃にて1時間、ついで室温にて2時間維持した。沈殿したジシクロヘキシル尿素を濾別し、その溶液を真空下にて蒸発乾固させた。その残渣をCHClに溶解し、HO、飽和NaHCO溶液、5%クエン酸、飽和NaHCO溶液および飽和NaCl溶液で洗浄した。
有機層を分離し、NaHSO上で乾燥し、真空下にて蒸発乾固させ;その残渣をCHCl20ml中に溶解して一晩放置した。さらに幾分かのジシクロヘキシル尿素が沈殿し、それを濾別した。
溶液を真空下にて蒸発乾固させて、粗製生成物2.6gを得、これを石油エーテルでトリチュレートし、濾過し、i-PrOで洗浄し、ついでi-PrOH70mlから再結晶化させて標題化合物1.7gを得た。
2520として
融点=180-181℃
分子量=396.45
I.R.(ヌジョール):3300;1750;1640cm-1
[α]20=+42.0(C=0.5,MeOH)
H NMRおよびMSスペクトルは実施例4のものと同一であった。
【0055】
実施例6
(-)-(R)-N-[α-(メトキシカルボニル)ベンジル]-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
乾燥THF70mlおよびCHCN30ml中の2-フェニルキノリン-4-カルボン酸2.0g(8.0ミリモル)、(D)メチルフェニルグリシド酸塩酸塩1.7g(8.4ミリモル)、N-メチルモルホリン1.1ml(9.9ミリモル)、HOBT2.1g(15.5ミリモル)およびDCC1.85g(9.0ミリモル)から実施例5と同様に調製した。
反応混合物の仕上げ処理は、実施例5に記載したのと同一の方法で行った。得られた粗製生成物(3.5g)を温i-PrOで2回トリチュレートし、濾過し、洗浄し、ついでi-PrOH80mlから再結晶化させて標題化合物2.3gを得た。
2520として
融点=180-181℃
分子量=396.45
I.R.(ヌジョール):3300;1750;1640cm-1
[α]20=-42.0(C=0.5,MeOH)
H NMRおよびMSスペクトルは実施例4および5のものと同一であった。
【0056】
実施例7
(R,S)-N-[α-(メトキシカルボニル)ベンジル]-7-メトキシ-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
窒素雰囲気下にて、(D,L)メチルフェニルグリシド酸塩酸塩1.0g(5.0ミリモル)を乾燥DMF30ml中に溶解した。
無水炭酸カリウム2.5g(18.1ミリモル)を添加し、その溶液を0℃にて冷却した。
乾燥DMF25mlに溶解した記載例3の化合物0.7g(2.3ミリモル)を滴下し、その溶液を0℃-5℃にて1時間、室温にて一晩維持した。
反応混合物を真空下にて蒸発乾固させ、その残渣をEtOAcに溶解し、HOで2回洗浄した。その有機層を分離し、NaSO上で乾燥し、濾過し、真空下にて蒸発乾固させた。
残渣油を、230-400メッシュのシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付し、0.5%NHOHを含有するヘキサン/酢酸エチル3:2の混合液で溶出して、粗製生成物0.1gを得、これをi-PrOでトリチュレートして標題化合物0.08gを得た。
2622として
融点=187-190℃
分子量=426.48
I.R.(KBr):3220;1750;1660;1620cm-1
300MHz H NMR(CDCl):δ:8.13-8.08(m,3H);7.80(s,1H);7.55-7.38(m,9H);7.21(dd,1H);7.02(d ブロード,H);5.88(d,1H);3.97(s,3H);3.80(s,3H)
MS(EI;熱源 200℃;70V;200mA):426(M+.);367;262;234;191;77
【0057】
実施例8
(R,S)-N-[α-(メトキシカルボニル)ベンジル]-7-ヒドロキシ-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
乾燥THF70mlおよびCHCN30ml中の記載例4の化合物2.1g(5.3ミリモル)、(D,L)メチルフェニルグリシド酸塩酸塩1.08g(5.3ミリモル)、TEA1.5ml(10.7ミリモル)、HOBT1.7g(12.5ミリモル)およびDCC1.2g(5.8ミリモル)から実施例5と同様にして調製した。
反応混合物の仕上げ処理は実施例5記載と同一の方法で行った。得られた粗製生成物をi-PrOでトリチュレートし、ついでi-PrOHから2回再結晶化して標題化合物0.06gを得た。
2520として
融点=256-257℃
分子量=412.45
I.R.(KBr):3270;1750;1650;1620cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):δ10.30(s ブロード,1H);9.64(d,1H);8.22(d,2H);8.04(d,1H);7.85(s,1H);7.60-7.34(m,9H);7.21(dd,1H);5.74(d,1H);3.71(s,3H)
MS(EI;熱源200℃;70V;200mA):412(M+.);353;248;220;77
【0058】
実施例9
(R,S)-N-[α-(カルボキシ)ベンジル]-7-メトキシ-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド塩酸塩
実施例7の生成物0.18g(0.4ミリモル)を、10%HCl10mlおよびジオキサン5mlに溶解した。その反応混合物を還流し、3時間撹拌し、ついで、真空下にて蒸発乾固させた。
その粗製生成物を(数滴のEtOHを含有する)温EtOAcでトリチュレートし、標題化合物0.16gを得た。
2520.HClとして
融点=228-230℃
分子量=448.91
I.R.(KBr):3180;1735;1655;1630cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):δ9.6(d,1H);8.26(dd,2H);8.14(d,1H);7.98(s,1H);7.63-7.52(m,6H);7.46-7.36(m,3H);7.33(dd,1H);5.66(d,1H);3.98(s,3H)
MS(EI;熱源200℃;70V;200mA):412(M+.);368;262;234;191;77
【0059】
実施例10
(R,S)-N-[α-(メチルアミノカルボニル)ベンジル]-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
実施例4の生成物0.45g(1.1ミリモル)を33%MeNH/EtOH40mlに溶解し;触媒量のNaCNを添加し、その反応混合物をパール装置中、70℃にて1時間加熱した。内部圧を40psiに上昇させた。その溶液を真空下にて蒸発乾固させ、その残渣を水でトリチュレートし、濾過し、乾燥し、i-PrOH(50ml)およびEtOH(30ml)の混合液から再結晶化させて標題化合物0.2gを得た。
2521として
融点=261-263℃
分子量=395.47
元素分析:計算値C,75.93;H,5.35;N,10.63;
実測値C,75.65;H,5.34;N,10.55
I.R.(KBr):3300;3270;1660;1635cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):δ9.48(d,1H);8.33-8.25(m,3H);8.18-8.10(m,3H);7.80(ddd,1H);7.68-7.50(m,6H);7.40-7.28(m,3H);5.75(d,1H);2.63(d,3H)
MS(EI;熱源200℃;70V;200mA):395(M+);337;232;204;77
【0060】
実施例11
(R,S)-N-[α-(メトキシカルボニル)ベンジル]-2-(2-チエニル)キノリン-4-カルボキシアミド
乾燥THF70ml、CHCN30mlおよびCHCl10ml中の2-(2-チエニル)キノリン-4-カルボン酸2.0g(7.3ミリモル)、(D,L)メチルフェニルグリシド酸塩酸塩1.7g(8.4ミリモル)、N-メチルモルホリン1.1ml(10ミリモル)、HOBT2.1g(15.5ミリモル)およびDCC1.85g(9.0ミリモル)から実施例5と同様に調製した。反応混合物の仕上げ処理は、実施例5記載のものと同一の方法で行った。得られた粗製生成物をEtOAcから結晶化し、ついで無水EtOHから再結晶化させて標題化合物0.9gを得た。
2318Sとして
融点=178-180℃
分子量=402.47
元素分析:計算値C,68.64;H,4.51;N,6.96;
実測値C,67.50;H,4.99;N,7.43
I.R.(KBr):3300;1745;1645cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):δ9.70(d,1H);8.12(d,1H);8.08(s,1H);8.04(d,1H);8.02(d,1H);7.19(t,1H);7.76(d,1H);7.62(t,1H);7.53(d,2H);7.46-7.37(m,3H);7.3(dd,1H);5.68(d,1H);3.68(s,3H)
MS(EI;熱源200℃;70V;200mA):402(M+.);343;238;210;77
【0061】
実施例12
(R,S)-N-[α-(メトキシカルボニル)ベンジル]-2-(2-フリル)キノリン-4-カルボキシアミド
CHCl、CHCNおよびDMFの混合液350ml中の(D,L)メチルフェニルグリシド酸塩酸塩7.2g(35.5ミリモル)、TEA12.4ml(88.8ミリモル)および粗製塩化2-(2-フリル)キノリン-4-カルボニル9.1g(35.5ミリモル)から実施例1と同様にして調製した。反応混合物の仕上げ処理は、実施例1記載と同一の方法で行った。得られた粗製生成物をMeOHでトリチュレートして標題化合物3.3gを得た。
2318として
融点=178-180℃
分子量=386.405
元素分析:計算値C,71.49;H,4.70;N,7.25;
実測値C,71.67;H,4.74;N,7.17
I.R.(KBr):3300;1750;1650cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):δ9.72(d,1H);8.12(d,1H);8.06(d,1H);7.96(dd,1H);7.92(s,1H);7.80(ddd,1H);7.62(ddd,1H);7.52(dd,2H);7.45-7.35(m,4H);6.73(dd,1H);5.77(d,1H);3.74(s,3H)
MS(EI;熱源200℃;70V;200mA):386(M+.);327;222;194;77
【0062】
実施例13
(R,S)-N-[α-(メトキシカルボニル)ベンジル]-2-(4-ピリジル)キノリン-4-カルボキシアミド
CHCl、CHCNおよびDMFの混合液100ml中の(D,L)メチルフェニルグリシド酸塩酸塩3.4g(16.7ミリモル)、TEA3.9ml(27.8ミリモル)および塩化 2-(4-ピリジル)キノリン-4-カルボニル3.0g(11.1ミリモル)から実施例1と同様にして調製した。反応混合物の仕上げ処理は、実施例1と同一の方法で行った。得られた粗製生成物をEtOAcから3回再結晶させて標題化合物1.9gを得た。
2419として
融点=172-174℃
分子量=397.43
元素分析:計算値C,72.53;H,4.82;N,10.57;
実測値C,71.87;H,4.87;N,10.44
I.R.(KBr):3240;1750;1670cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):δ9.74(d,1H);8.79(dd,2H);8.27-8.17(m,5H);7.89(ddd,1H);7.74(ddd,1H);7.54(dd,2H);7.47-7.38(m,3H);5.8(d,1H);3.75(s,3H)
MS(EI;熱源200℃;70V;200mA):397(M+.);338;233;205;77
【0063】
実施例14
(R,S)-N-[α-(メトキシカルボニル)-2-チエニルメチル]-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
CHCl、CHCNおよびDMFの混合液100ml中の(D,L)メチルチエニルグリシド酸塩酸塩1.94g(9.4ミリモル)、TEA2.7ml(19.5ミリモル)および塩化2-フェニルキノリン-4-カルボニル2.0g(7.8ミリモル)から実施例1記載のごとく調製した。反応混合物の仕上げ処理は、実施例1記載と同一の方法で行った。得られた粗製生成物をEtOAcから3回再結晶化して、標題化合物0.66gを得た。
2318Sとして
融点=144-145℃
分子量=402.47
元素分析:計算値C,68.64;H,4.51;N,6.96
実測値C,68.81;H,4.46;N,6.96
I.R.(KBr):3295;1745;1640cm-1
300MHz H NMR(CDCl):δ8.25(dd,1H);8.22(dd,1H);8.17(dd,2H);7.95(s,1H);7.78(ddd,1H);7.60(ddd,1H);7.56-7.45(m,3H);7.35(dd,1H);7.20(d,1H);7.05(dd,1H);7.05(s ブロード,1H);6.22(d,1H);3.9(s,3H)
MS(EI;熱源200℃;70V;200mA):402(M+.);343;232;204
【0064】
実施例15
(R,S)-N-[α-(メトキシカルボニルメチル)ベンジル]-2-フェニルキノリ
ン-4-カルボキシアミド
乾燥THF10ml、CHCN4mlおよびCHCl7ml中の2-フェニルキノリン-4-カルボン酸1.39g(5.60ミリモル)、(R,S)メチル 3-アミノ-3-フェニルプロピオン酸塩酸塩1.2g(5.60ミリモル)、TEA0.78ml(5.60ミリモル)、HOBT1.51g(11.2ミリモル)およびDCC2.31g(11.2ミリモル)から実施例5と同様にして調製した。反応混合物の仕上げ処理は、実施例5記載と同一の方法で行った。得られた粗製生成物をCHClに溶解し、0℃にて一晩放置した。さらに幾分かのジシクロヘキシル尿素が沈殿し、これを濾別した。
溶液を真空下にて蒸発乾固させて粗製生成物1.4gを得、これをi-PrO/アセトン99:1の混合液でトリチュレートして標題化合物1.2gを白色固形物として得た。
2622として
融点=156-158℃
分子量=410.47
元素分析:計算値C,76.07;H,5.40;N,6.82;
実測値C,75.77;H,5.38;N,6.94
I.R.(KBr):3295;1755;1645;1590;1530cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):δ9.40(d,1H);8.29(dd,2H);8.14(d,1H);8.07(d,1H);8.04(s,1H);7.83(ddd,1H);7.66-7.52(m,4H);7.50(d,2H);7.40(dd,2H);7.31(ddd,1H);5.60(dt,1H);3.65(s,3H);3.04-2.89(m,2H)
MS(EI;熱源200℃;70V;200mA):410(M+.);337;233;205
【0065】
【表1】

【0066】
一般式(I)で示される実施例16-49の(以下の表2にグループ化した)化合物は、表中に示す(II)で示される適当な塩化アシルと、式(III)で示されるアミンとから出発し、実施例1記載の合成法に従って合成した。塩化アシルは式(II)で示される対応する酸から出発し、記載例1に従って合成した。反応収率は、精製したが、再結晶化していない物質で算出した。実施例16-49の化合物の分析および分光分析データは表5にグループ化する。
【0067】
【表2】

【0068】
【表3】

【0069】
【表4】

【0070】
【表5】

【0071】
【表6】

【0072】
【表7】

【0073】
【表8】

【0074】
【表9】

【0075】
一般式(I)で示される実施例50-88の(以下の表3にグループ化する)化合物は、表に示す適当な試薬(II)および(III)から出発して、実施例5記載の合成方法に従って合成した。反応収率は、精製したが、再結晶化していない物質で算出した。実施例50-88の化合物の分析および分光分析データは表5にグループ化する。
【0076】
【表10】

【0077】
【表11】

【0078】
【表12】

【0079】
【表13】

【0080】
【表14】

【0081】
(a)フタルイミド保護基は、95%EtOH/1,2-ジクロロエタン、各々9:1中のヒドラジン水和物で4時間還流し、ついで、37%HClを(pH=1まで)添加し、さらなる時間還流することによって除去した。
【0082】
【表15】

【0083】
【表16】

【0084】
【表17】

【0085】
【表18】

【0086】
【表19】

【0087】
一般式(I)で示される実施例89-92の(以下の表4にグループ化した)化合物は、式(I)で示される他の化合物(すなわち、式Icで示される化合物)から出発し、(実施例89、90および91の化合物については)実施例10記載の、および(実施例92の化合物については)実施例9記載の合成法に従って合成した。反応収率は、精製したが、再結晶化していない物質で算出した。実施例89-92の分析および分光分析データは表5にグループ化する。
【0088】
【表20】

【0089】
【表21】

【0090】
【表22】

【0091】
【表23】

【0092】
【表24】

【0093】
【表25】

【0094】
【表26】

【0095】
【表27】

【0096】
【表28】

【0097】
【表29】

【0098】
【表30】

【0099】
【表31】

【0100】
【表32】

【0101】
【表33】

【0102】
実施例93
(R,S)-N-[α-(メトキシカルボニル)ベンジル]-2-(p-クロロフェニル)
キノリン-4-カルボキシアミド
窒素雰囲気下、乾燥THF50ml中に、2-(p-クロロフェニル)キノリン-4-カルボン酸2g(7.0ミリモル)およびN-メチルモルホリン1.7ml(15.4ミリモル)を溶解した。その溶液を-20℃に冷却し、クロロギ酸イソブチル0.91ml(7.0ミリモル)を添加した。20分後に、乾燥THF30mlに溶解したメチル(R,S)フェニルグリシド酸塩酸塩2.12g(10.5ミリモル)およびN-メチルモルホリン1.3ml(11.9ミリモル)を添加し、その反応混合物を室温にて一晩撹拌した。
O5mlを添加し、その反応混合物を真空下にて蒸発乾固させた。その残渣をEtOに溶解し、NaHCOの飽和溶液で洗浄し、分離し、NaSO上で乾燥し、真空下にて蒸発乾固させた。残渣油を230-400メッシュのシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/イソプロピルエーテル7:3の混合液で溶出して粗製生成物0.9gを得、これをiPrO/トルエンから3回再結晶させて標題化合物0.5gを得た。
2519ClNとして
融点=170-172℃
分子量=430.90
元素分析:計算値C,69.72;H,4.45;N,6.50;
実測値C,69.82;H,4.47;N,6.48
I.R.(KBr):3280;1740;1670;1635;1590;1530cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):9.71(d,1H);8.32(d,2H);8.21(d,1H);8.13(d,1H);8.13(s,1H);7.85(dd,1H);7.67(dd,1H);7.63(d,2H);7.53(dd,2H);7.46-7.38(m,3H);5.79(d,1H);3.74(s,2H)
MS(EI;熱源200℃;70eV;200μA):430(M+.);371;266;238;203
【0103】
実施例94
(R)-N-[α-(メトキシカルボニル)-4-メトキシベンジル]-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
乾燥アセトン30mlおよび乾燥DMF2mlに(R)-N-[α-(メトキシカルボニル)-4-ヒドロキシベンジル]-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド(実施例83の化合物)0.62g(1.5ミリモル)を溶解し;KCO0.14g(0.75ミリモル)を添加して、その反応混合物を30分間撹拌した。ヨウ化メチル0.093ml(1.5ミリモル)を室温にて添加し、その反応混合物を40℃にて4時間加熱した。KCO0.104g(0.75ミリモル)およびヨウ化メチル0.093ml(1.5ミリモル)を再度添加し、その反応混合物をさらに6時間還流した。
その混合物を真空下にて蒸発乾固させ、EtOAcに溶解し、H2Oで洗浄した。NaSO上で乾燥した有機層を真空下にて蒸発乾固させた。その残渣をEtOから再結晶化して、標題化合物0.45gを得た。
2622として
融点=160-162℃
分子量=426.48
元素分析:計算値C,73.22;H,5.20;N,6.57
実測値C,73.01;H,5.20;N,6.48
I.R.(KBr):3210;1750;1635;1625;1590;1530;1515cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):9.65(d,1H);8.28(d,2H);8.21(d,1H);8.14(d,1H);8.10(s,1H);7.84(dd,1H);7.67(dd,1H);7.61-7.49(m,3H);7.44(d,2H);6.98(d,2H);4.70(d,1H);3.79(s,3H);3.76(s,3H)
MS(EI;熱源200℃;70eV;200μA):426(M+.);367;232;204
【0104】
実施例95
(R,S)-N-[α-(メトキシカルボニル)-α-(メチル)ベンジル]-N-メチル-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド塩酸塩
窒素雰囲気下、乾燥DMF10ml中に、(R,S)-N-[α-(メトキシカルボニル)ベンジル]-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド0.50g(1.3ミリモル)を溶解した。
その溶液を0℃に冷却し、NaH(60%)0.052g(1.3ミリモル)を添加し;0℃にて20分後に、温度を室温まで上昇させ、MeI0.09ml(1.4ミリモル)を添加した。その反応混合物を室温にて一晩撹拌し、ついで、さらに
NaH(60%)0.052g(1.3ミリモル)およびMeI0.1ml(1.6ミリモル)を添加することによってその工程を繰り返した。
室温にて6時間後に、NHClの飽和溶液10mlを添加し、その反応混合物を真空下にて蒸発乾固させた。その残渣をCHCl中に溶解し、水で洗浄し;有機層を分離し、NaSO上で乾燥して蒸発乾固させた。
残渣油を230-400メッシュのシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付し、0.5%濃NHOHを含有するヘキサン/酢酸エチル3:2混合液で溶出して粗製生成物0.18gを得、これをEtOに溶解し、HCl/EtOで処理して標題化合物0.15gを得た。
2724.HClとして
分子量=460.96
I.R.(KBr):1745;1640;1610cm-1
MS(EI;熱源200℃;70eV;200μA):424(M+.);365;232;204
【0105】
実施例96
(R,S)-N-[α-(メチルカルボニル)ベンジル]-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
窒素雰囲気下にて、塩化オキサリル0.27ml(3.1ミリモル)を乾燥CHCl2.3mlに溶解した。
その溶液を-55℃に冷却し、温度を-50℃未満に維持しつつ、乾燥CHCl0.7mlに溶解したDMSO0.22ml(3.1ミリモル)を滴下した。その反応物を-55℃にて7分間撹拌し、ついで、温度を-50〜-55℃に維持しつつ、乾燥CHCl25mlに溶解した(R,S)-N-[α-(1-ヒドロキシエチル)ベンジル]-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド(実施例17の化合物)0.97g(2.5ミリモル)を添加した。
-55℃にて30分後に、-40℃を超えることなく、TEA1.9ml(13.6ミリモル)を添加し、ついでその反応混合物を放置して室温とし、さらに15分間撹拌した。
その反応物をHO5mlでクエンチし、CHClで抽出し;有機層をHO、20%クエン酸、NaHCOの飽和溶液およびブラインで洗浄し;有機層を分離し、NaSOで乾燥し、真空下にて蒸発乾固させた。
残渣油を230-400メッシュシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付し、0.5%濃NHOHを含有するヘキサン/酢酸エチル70:30の混合液で溶出して粗製生成物0.64gを得、これを温i-PrO/i-PrOH2:1でトリチュレートし、濾過し、洗浄し、乾燥して標題化合物0.5gを得た。
2520
融点=160-161℃
分子量=380.45
元素分析:計算値C,78.93;H,5.30;N,7.36;
実測値C,79.01;H,5.31;N,7.27
I.R.(KBr):3400;3265;1725;1660;1640;1592cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):9.60(d,1H);8.29(d,2H);8.17(d,1H);8.14(d,1H);8.12(s,1H);7.82(dd,1H);7.65(dd,1H);7.61-7.51(m,5H);7.48-7.36(m,3H);2.19(s,3H)
MS(EI;熱源200℃;70eV;200μA):380(M+.);337;232;204
【0106】
実施例97
(R,S)-N-[α-(2-ヒドロキシエチル)ベンジル]-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
窒素雰囲気下にて、(R,S)-N-[α-(メトキシカルボニルメチル)ベンジル]-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド(実施例15の化合物)0.7g(1.7ミリモル)をt-BuOH50mlおよびMeOH2ml中に溶解した。NaBH460mg(1.6ミリモル)を沸騰溶液に15分で添加した。その反応混合物を6時間還流し、NHClの飽和溶液5mlでクエンチし、ついで真空下にて蒸発乾固させた。その残渣をCHClに溶解し、ブラインで洗浄し;有機層を分離し、NaSOで乾燥して蒸発乾固させた。
その粗製生成物を230-400メッシュシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付し、0.5%濃NHOHを含有するEtOで溶出し、ついでi-PrOHから結晶化させて標題化合物0.19gを得た。
2522として
融点=167-169℃
分子量=382.47
元素分析:計算値C,78.52;H,5.80;N,7.32;
実測値C,78.49;H,5.79;N,7.29
I.R.(KBr):3360;1650;1592cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):9.30(d,1H);8.31(d,2H);8.13(d,1H);8.10(s,1H);8.03(d,1H);7.81(dd,1H);7.64-7.51(m,4H);7.46(d,2H);7.39(dd,2H);7.29(dd,1H);5.30(dt,1H);4.61(t,1H);3.61-3.41(m,2H);2.11-1.86(m,2H)
MS(EI;熱源200℃;70eV;200μA):382(M+.);337;232;204
【0107】
実施例98
(S)-N-(α-エチルベンジル)-3-(2-ジメチルアミノエトキシ)-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド塩酸塩
(S)-N-(α-エチルベンジル)-3-ヒドロキシ-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド(実施例85の化合物)0.62g(1.6ミリモル)を乾燥DMF30mlに溶解した。塩化ジメチルアミノエチル塩酸塩0.58g(4.0ミリモル)およびKCO0.56g(4.0ミリモル)を添加し、その反応混合物を20時間還流した。KCOを濾別し、その混合物を真空下にて蒸発乾固させ、AcOEtに溶解し、HOおよび20%クエン酸で洗浄した。その水性層を2N NaOHでアルカリ性とし、EtOAcで抽出し;有機層をブラインで洗浄し、分離し、NaSOで乾燥し、真空下にて蒸発乾固させた。
その残渣を230-400メッシュシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付し、0.4%濃NHOHを含有するCHCl/MeOH98:2で、ついで0.6%濃NHOHを含有するCHCl/MeOH86:10で溶出して粗製生成物85mgを得、これをEtOAcに溶解し、HCl/EtOで処理して標題化合物75mgを得た。
2931.HClとして
融点=70℃(分解)
分子量=490.05
I.R.(ヌジョール):3600;3100;1650;1550cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):10.28(s br,1H);9.50(d,1H);8.10(d,1H);7.96(dd,2H);7.78(m,1H);7.67-7.61(m,2H);7.61-7.51(m,3H);7.49-7.39(m,4H);7.33(dd,1H);5.08(dt,1H);3.90(t,2H);2.96(dt,2H);2.49(s,6H);1.85(m,2H);0.97(t,3H)
MS(FAB POS,チオグリセリンマトリックス,Xeガス,8keV,熱源50℃):454(MH+)
【0108】
実施例99
(S)-N-(α-エチルベンジル)-3-アセチルアミノ-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
(S)-N-(α-エチルベンジル)-3-アミノ-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド(実施例69の化合物)0.40g(1.05ミリモル)を、無水酢酸25ml中、70℃にて1時間、ついで100℃にて3時間加熱した。
ついで、その反応混合物を真空下にて蒸発乾固させ、その残渣をEtOAcに溶解し;その溶液を水、飽和NaHCO溶液、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥して真空下にて蒸発乾固させた。
その粗製生成物(0.39g)をシリカゲル・フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、ヘキサン/EtOAc/濃NHOH、各々、70:30:0.5の混合液で溶出して、純粋化合物0.2gを得、これをアセトンから再結晶化させて標題化合物0.14gを得た。
2725として
融点=268-269℃
分子量=423.52
元素分析:計算値C,76.57;H,5.95;N,9.92;
実測値C,76.38;H,5.98;N,9.90
I.R.(KBr):3230;1670;1640;1555;1525cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):9.65(s,1H);9.05(d,1H);8.10(d,1H);7.80(t,1H);7.70-7.50(m,4H);7.45-7.20(m,8H);5.08(dt,1H);1.85(m,2H);1.60(s,3H);0.97(t,3H)
MS(EI;熱源200℃;70eV;200μA):423(M+.);381;334;289;261;247;218
【0109】
実施例100
(-)-(S)-N-(α-エチルベンジル)-3-(3-ジメチルアミノプロポキシ)-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド塩酸塩
(-)-(S)-N-(α-エチルベンジル)-3-ヒドロキシ-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド(実施例85の化合物)1.2g(3.1ミリモル)を乾燥THF
15mlに溶解した。EtO 10mlに溶解した塩化 3-ジメチルアミノプロピル1.0g(8.2ミリモル)、KCO1.3g(9.4ミリモル)およびKI 0.16gを添加し、その反応混合物を室温にて30分間撹拌し、ついで2時間還流した。さらに、各時点でEtO 10mlに溶解した0.77g(6.3ミリモル)、1.0g(8.2ミリモル)、0.6g(4.9ミリモル)およびさらなる0.6g(4.9ミリモル)の塩化 3-ジメチルアミノプロピルおよび幾分かのKIを12時間毎に添加し、その反応物を還流した。
COを濾別し、その混合物を真空下にて蒸発乾固させ、EtOAcに溶解し、HOおよび20%クエン酸で洗浄した。その水性層を2N NaOHでアルカリ性とし、EtOAcで抽出し;有機層をブラインで洗浄し、分離し、NaSOで乾燥し、真空下にて蒸発乾固させた。
その残渣を230-400メッシュシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーに付し、0.5%濃NHOHを含有するCHCl/MeOH95:5で溶出して粗製生成物0.9gを得、これをEtOAcに溶解し、HCl/EtOで処理して標題化合物0.62gを得た。
3033.HClとして
融点=108℃(分解)
分子量=504.08
[α]20=-16.0(c=0.5、MeOH)
I.R.(KBr):3400;3080;1655;1545cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):δ10.55(s br,1H);9.35(d,1H);8.09(d,1H);7.92(dd,2H);7.76(ddd,1H);7.65-7.51(m,5H);7.48-7.40(m,4H);7.31(dd,1H);5.10(dt,1H);3.72-3.62(m,2H);2.75-2.60(m,2H);2.58(d,3H);2.56(d,3H);1.90-1.67(m,4H);1.00(t,3H)
MS(EI;熱源180℃;70V;200mA):467(M+.);466;395;58
【0110】
実施例101
(-)-(S)-N-(α-エチルベンジル)-3-[2-(1-フタロイル)エトキシ]-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド塩酸塩
(-)-(S)-N-(α-エチルベンジル)-3-ヒドロキシ-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド(実施例85の化合物)1.9g(5.0ミリモル)を乾燥THF20mlに溶解した。THF15mlに溶解した臭化 2-フタルイミドエチル3.8g(14.9ミリモル)、KCO 2.0g(14.5ミリモル)およびKI 0.25gを添加し、その反応混合物を室温にて2.5時間撹拌し、ついで2時間還流した。臭化2-フタルイミドエチル1.9g(7.4ミリモル)および幾分かのKIを添加し、その反応物をさらに3.5時間還流した。
臭化2-フタルイミドエチル0.5g(2.0ミリモル)および幾分かのKIを再度添加し、その混合物を5時間還流した。
COを濾別し、その混合物を真空下にて蒸発乾固させ、CHClに溶解し、HOで洗浄した。その有機層をNaSOで乾燥し、真空下にて蒸発乾固させた。
その残渣を230-400メッシュシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付し、0.5%濃NHOHを含有するヘキサン/EtOAc80:20、ついで0.5%濃NHOHを含有するヘキサン/EtOAc60:40で溶出して精製生成物2.6gを得、これをiPrOでトリチュレートして標題化合物2.5gを得た。
3529として
融点=172-175℃
分子量=555.64
[α]20=-16.3(c=0.5,MeOH)
I.R.(KBr):3280;3060;2960;1780;1715;1660;1530cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):δ9.27(d,1H);8.03(d,1H);7.92-7.84(m,4H);7.78-7.69(m,3H);7.60-7.53(m,2H);7.46-7.38(m,4H);7.27(dd,1H);7.13-7.04(m,3H);4.96(dt,1H);3.92-3.78(m,2H);3.72-3.55(m,2H);1.78(dq,2H);0.93(t,3H)
MS(EI;熱源180℃;70V;200mA):555(M+.),526,421,174
【0111】
実施例102
(-)-(S)-N-(α-エチルベンジル)-3-(2-アミノエトキシ)-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド塩酸塩
(-)-(S)-N-(α-エチルベンジル)-3-[2-(1-フタロイル)エトキシ]-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド塩酸塩(実施例101の化合物)2.2g(3.9ミリモル)を96%EtOH150mlに溶解し、ヒドラジン水和物0.38ml(7.8ミリモル)をその煮沸溶液に添加し、ついでそれを4時間還流した。 さらに、0.4ml(8.2ミリモル)、0.2ml(4.1ミリモル)、0.2ml(4.1ミリモル)、0.4ml(8.2ミリモル)および0.4ml(8.2ミリモル)のヒドラジン水和物を12時間毎に添加し、その反応混合物を還流し続けた。
ついで、その反応混合物を真空下にて蒸発乾固させ、HO 20mlに溶解し、冷却し、濃HCl10mlで酸性化した。
その混合物を1時間煮沸し、冷却し;フタルヒドラジドを濾別した。水性層をEtOAcで洗浄し、ついで2N NaOHでアルカリ性とし、EtOAcで抽出し;有機層をブラインで洗浄し、分離し、NaSOで乾燥し、真空下にて蒸発乾固させた。
その残渣を230-400メッシュシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付し、1.2%濃NHOHを含有するEtOAc/MeOH96:4で溶出して精製生成物を得、これをEtOAcに溶解し、HCl/EtOで処理して、標題化合物1.2gを得た。
2727.HClとして
融点=119℃(分解)
分子量=462.00
[α]20=-19.4(c=0.5,MeOH)
I.R.(KBr):3400;3080;1640;1545cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):δ9.45(d,1H);8.09(d,1H);8.00(dd,1H);7.94(s br,3H);7.76(ddd,1H);7.65-7.51(m,4H);7.48-7.40(m,3H);7.31(dd,1H);5.09(dt,1H);3.83(t,2H);2.72(m,2H);1.93-1.80(m,2H);0.99(t,3H)
MS(FAB POS,チオグリセリンマトリックス;Xeガス,8keV;熱源50℃):426(MH+)
【0112】
実施例103
(+)-(S)-N-(α-エチルベンジル)-3-[2-(1-ピロリジニル)エトキシ]-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド塩酸塩
(-)-(S)-N-(α-エチルベンジル)-3-ヒドロキシ-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド(実施例85の化合物)2.0g(5.2ミリモル)を乾燥THF25mlに溶解した。塩化2-ピロリジノエチル1.0g(7.5ミリモル)およびKCO2.2g(15.9ミリモル)を添加し、その反応混合物を室温にて30分間撹拌し、ついで還流し;塩化2-ピロリジノエチル1.1g(8.2ミリモル)を煮沸溶液に添加し、これを一晩還流した。
COを濾別し、その混合物を真空下にて蒸発乾固させ、EtOAcに溶解し、HOおよび20%クエン酸で洗浄した。その水性層を2N NaOHでアルカリ性とし、EtOAcで抽出し;有機層をブラインで洗浄し、分離し、NaSOで乾燥し、真空下にて蒸発乾固させた。
残渣を230-400メッシュシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付し、0.5%濃NHOHを含有するCHCl/MeOH97:3で溶出して精製生成物1.8gを得、これをEtOAcに溶解し、HCl/EtOで処理して標題化合物2.0gを得た。
3133.HClとして
融点=110-115℃(分解)
分子量=516.08
[α]20=+4.5(c=0.5,MeOH)
I.R.(KBr):3400;3080;1655;1545cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):δ10.50(s br,1H);9.50(d,1H);8.10(d,1H);7.96(dd,2H);7.78(ddd,1H);7.68-7.30(m,10H);5.10(dt,1H);3.90(m,2H);3.20(m,2H);3.00(m,2H);2.65(m,2H);1.95-1.65(m,6H);1.94(t,3H)
MS(EI;熱源180℃;70V;200mA):479(M+.);478;383;97;84
【0113】
実施例104
(-)-(S)-N-(α-エチルベンジル)-3-(ジメチルアミノアセチルアミノ)-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
窒素雰囲気下にて、(-)-(S)-N-(α-エチルベンジル)-3-アミノ-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド(実施例69の化合物)1.1g(2.8ミリモル)を温トルエン10mlに溶解した。トルエン5mlに溶解した無水クロロ酢酸0.96g(5.6ミリモル)を滴下し、その溶液を1時間還流した。
その反応混合物を真空下にて蒸発乾固させ、CHCl10mlに懸濁し、氷冷28%MeNH/EtOH5mlに滴下した。
その溶液を室温にて一晩撹拌し、ついで28%MeNH/EtOH15mlを添加し、その反応混合物をパール装置中、60℃にて加熱した。
その混合物を真空下にて蒸発乾固させ、20%クエン酸に溶解し、EtOAcで洗浄した。水性層を2N NaOHで塩基性化し、EtOAcで抽出し;有機層をブラインで洗浄し、分離し、NaSOで乾燥し、真空下にて蒸発乾固させて粗製生成物1.4gを得た。
この生成物を温i-PrOでトリチュレートして標題化合物0.86gを得た。
2930として
融点=189-191℃
分子量=466.59
[α]20=-63.1(c=0.5,MeOH)
I.R.(KBr):3230;3180;1670;1630;1540cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):δ9.41(s,1H);8.97(d,1H);8.08(d,1H);7.81(dd,1H);7.70-7.59(m,4H);7.49-7.26(m,8H);5.00(dt,1H);2.55(s,2H);1.97(s,3H);1.90-1.65(m,2H);0.93(t,3H)
MS(EI;熱源180℃;70V;200mA):466(M+);331;58
【0114】
実施例105
N-(α,α-ジメチルベンジル)-3-ヒドロキシ-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
窒素雰囲気下にて、3-ヒドロキシ-2-フェニルキノリン-4-カルボン酸2.0g(7.5ミリモル)を、乾燥THF70mlおよびCHCN30mlに溶解した。 クミルアミン1.02g(7.5ミリモル)およびN-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)1.12g(8.3ミリモル)を添加し、その反応混合物を-10℃にて冷却した。
CHCl20mlに溶解したDCC1.71g(8.3ミリモル)を滴下し、その溶液を-5℃-0℃にて2時間、ついで室温にて一晩維持した。沈殿したジクロロヘキシル尿素を濾別し、その溶液を真空下にて蒸発乾固した。その残渣をCHClに溶解し、HO、飽和NaHCO溶液、5%クエン酸、飽和NaHCO溶液およびブラインで洗浄した。
有機層を分離し、NaSOで乾燥し、真空下にて蒸発乾固させ;その残渣をCHCl20mlに溶解し、一晩放置した。さらに幾分かのジシクロヘキシル尿素が沈殿し、これを濾別した。その溶液を真空下にて蒸発乾固させて、粗製生成物1.4gを得、これを、230-400メッシュシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付し、最初にヘキサン/EtOAc 9/1で、ついでヘキサン/EtOAc 8/2で溶出して精製生成物0.4gを得、これをi-PrOHから2回再結晶化させて標題化合物0.15gを得た。
2522として
融点=166-169℃(分解)
分子量=382.47
I.R.(ヌジョール):3200;1650;1580;1535cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):δ9.56(s,1H);8.92(s br,1H);8.00-7.94(m,3H);7.76(d br,1H);7.63-7.45(m,7H);7.36(dd,2H);7.24(dd,1H);1.72(s,6H)
MS(EI;熱源180℃;70V;200mA):382(M+.);264;247;219;119
【0115】
実施例106
N-(α,α-ジメチルベンジル)-3-アミノ-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
窒素雰囲気下にて、3-アミノ-2-フェニルキノリン-4-カルボン酸2.0g(7.6ミリモル)を乾燥THF70mlおよびCHCN30mlに溶解した。クミルアミン1.02g(7.6ミリモル)およびN-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)1.12g(8.3ミリモル)を添加し、その反応混合物を-10℃にて冷却した。
CHCl20mlに溶解したDCC1.72g(8.3ミリモル)を滴下し、その溶液を-5℃-0℃にて2時間、ついで室温にて一晩維持した。沈殿したジシクロヘキシル尿素を濾別し、その溶液を真空下にて蒸発乾固させた。残渣をCHClに溶解し、HO、飽和NaHCO溶液、5%クエン酸、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄した。
有機層を分離し、NaSOで乾燥し、真空下にて蒸発乾固させ;その残渣をCHCl20mlに溶解し、一晩放置した。さらに幾分かのジシクロヘキシル尿素が沈殿し、これを濾別した。
その溶液を真空下にて蒸発乾固させて、粗製生成物2.0gを得、これを230-400メッシュシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付し、1%濃NHOHを含有するヘキサン/EtOAc 6/4で溶出して精製生成物0.9gを得、これをヘキサン/EtOAc 1/1、ついでi-PrOHから再結晶化させて標題化合物0.45gを得た。
2523Oとして
融点=166-168℃
分子量=381.48
I.R.(ヌジョール):3460;3360;3220;1667;1605;1527cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):δ9.05(s,1H);7.87(dd,1H);7.74-7.68(m,3H);7.60-7.42(m,7H);7.37(dd,2H);7.24(dd,1H);4.74(s,2H);1.71(s,6H)
MS(EI;熱源180℃;70V;200mA):381(M+.);263;218;119
【0116】
実施例107
(-)-(S)-N-(α-エチルベンジル)-5-メチル-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
窒素雰囲気下にて、5-メチル-2-フェニルキノリン-4-カルボン酸0.80g(3.04ミリモル)を乾燥THF30mlおよびCHCN12mlに溶解した。
(S)-(-)-α-エチルベンジルアミン0.43g(3.20ミリモル)およびN-ヒドロキシべンゾトリアゾール(HOBT)0.78g(5.78ミリモル)を添加し、その反応混合物を-10℃にて冷却した。
CHCl5mlに溶解したDCC0.69g(3.34ミリモル)を滴下し、その溶液を-5℃-0℃にて2時間、ついで室温にて一晩維持した。沈殿したジシクロヘキシル尿素を濾別し、その溶液を真空下にて蒸発乾固させた。残渣をCHClに溶解し、HO、飽和NaHCO溶液、5%クエン酸、飽和NaHCO溶液およびブラインで洗浄した。
有機層を分離し、NaSOで乾燥し、真空下にて蒸発乾固させ;その残渣をCHCl10mlに溶解し、一晩放置した。さらに幾分かのジシクロヘキシル尿素が沈殿し、これを濾別した。その溶液を真空下にて蒸発乾固させ、粗製生成物1.15gを得、これを230-400メッシュシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付し、0.5%濃NHOHを含有するヘキサン/EtOAc 6/2で溶出して精製生成物0.47gを得、これを数滴のEtOAcを含有するi-PrOから再結晶化させて標題化合物0.36gを白色粉末として得た。
2624Oとして
融点=189-192℃
分子量=380.49
[α]20=-3.8(c=0.5,MeOH)
I.R.(KBr):3280;3070;3020;1635;1545cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):δ9.20(d,1H);8.23(d,2H);7.93(d,1H);7.78(s,1H);7.20-7.70(m,10H);5.00(dt,1H);2.38(s ブロード,3H);1.70-1.90(m,2H);0.95(t,3H)
MS(EI;熱源180℃;70V;200mA):380(M+.);246;218
【0117】
実施例108
(R,S)-N-[α-(1-ヒドロキシエチル)ベンジル]-3-メチル-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
乾燥CHClおよびCHCNの1:1混合液150ml中の粗製塩化 3-メチル-2-フェニルキノリン-4-カルボニル11.08g(39.33ミリモル)、1-フェニル-2-ヒドロキシプロピルアミン4.87g(32.20ミリモル)およびTEA10.33ml(74.14ミリモル)から出発して、実施例1記載と同様に調製した。
沈殿したTEA塩酸塩を濾別し、濾液を真空下にて蒸発乾固させ;その残渣をCHCl(100ml)に溶解し、飽和NaHCO溶液、20%クエン酸およびブラインで洗浄した。有機溶液をNaSOで乾燥し、真空下にて蒸発乾固させて油性物13.23gを得、これをi-PrOH6mlを含有するi-PrO(100ml)から結晶化させて標題化合物9.14gを灰色がかった固形物として得た。
2624
融点=163-165℃
分子量=396.49
I.R.(ヌジョール):3400;3260;1635;1580cm-1
【0118】
実施例109
(R,S)-N-[α-(メチルカルボニル)ベンジル]-3-メチル-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
乾燥CHCl230ml中の塩化オキサリル3.25g(25.60ミリモル)、DMSO3.88g(49.66ミリモル)、(R,S)-N-[α-(1-ヒドロキシエチル)ベンジル]-3-メチル-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド(実施例108の化合物)8.2g(20.68ミリモル)およびTEA15.72ml(112.76ミリモル)から出発して、実施例96記載と同様に調製した。
その反応物をHO40mlでクエンチし、その有機層を分離し、20%クエン酸、飽和NaHCO溶液およびブラインで洗浄した。有機溶液をNaSOで乾燥し、真空下にて蒸発乾固させて粗製標題化合物9.4gを油性物として得る。この残渣油性物を230-400メッシュシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付し、1%濃NHOHを含有するヘキサン/酢酸エチル70:30の混合液で溶出して精製生成物7.7gを得、これをEtOAc/ヘキサン各々1:3の混合液から結晶化させて純粋な標題化合物6.0gを得た。
2622として
融点=156-158℃
分子量=394.48
I.R.(ヌジョール):3270;3180;1735;1725;1660;1630;1527;1460cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):δ9.53(d,1H);8.01(d,1H);7.73(dd,1H);7.62-7.35(m,12H);5.97(d,1H);2.30(s br,3H);2.18(s,3H)
MS(EI;熱源180℃;70V;200mA):394(M+.);352;351;246;218;217
【0119】
実施例110
(R,S)-N-[α-(エチル)-4-ピリジルメチル]-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
窒素雰囲気下にて、2-フェニルキノリン-4-カルボン酸4.12g(16.52ミリモル)を乾燥CHCl40mlおよびTHF30mlに溶解した。1-(4-ピリジル)-n-プロピルアミン1.50g(11.01ミリモル)およびN-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)2.23g(16.52ミリモル)を添加し、その反応混合物を0℃に冷却した。乾燥CHCl26mlに溶解したDCC3.41g(16.52ミリモル)を滴下し、その溶液を0℃にて2時間維持し、ついで室温にて36時間撹拌した。沈殿したジシクロヘキシル尿素を濾別し、溶液を真空下にて蒸発乾固させた。その残渣をCHCl100mlに溶解し、HO、10%KCO、5%クエン酸およびブラインで洗浄した。
有機層を分離し、NaSOで乾燥し、真空下にて蒸発乾固させ;その残渣をCHCl30mlに溶解し、一晩放置した。さらに幾分かのジシクロヘキシル尿素が沈殿し、それを濾別した。溶液を真空下にて蒸発乾固させて粗製生成物3.5gを得、これをi-PrOHから3回再結晶化させて標題化合物0.91gを得た。
2421Oとして
融点=218-219℃
分子量=367.45
I.R.(KBr):3260;3060;1648;1595;1545;1350cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):δ9.33(d,1H);8.58(d,2H);8.33(dd,2H);8.15(d,1H);8.14(s,1H);8.03(d,1H);7.82(dd,1H);7.66-7.52(m,4H);7.47(d,2H);5.05(dt,1H);1.85(dq,2H);1.00(t,3H)
MS(EI;熱源180℃;70V;200mA):367(M+.);338;232;204
【0120】
実施例111
(R,S)-N-[α-(エチル)-2-チエニルメチル]-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
窒素雰囲気下にて、1-(2-チエニル)-n-プロピルアミン塩酸塩1.40g(8.00ミリモル)およびTEA2.45ml(17.60ミリモル)を乾燥CHCl50mlおよびCHCN30mlに溶解した。
2-フェニルキノリン-4-カルボン酸2.0g(8.00ミリモル)およびN-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)1.30g(9.60ミリモル)を添加した。乾燥CHCl30mlに溶解したDCC2.48g(12.00ミリモル)を滴下し、その溶液を室温にて36時間撹拌した。
10%HCl50mlを添加し、その溶液をさらに2時間撹拌した。沈殿したジシクロヘキシル尿素を濾別し、有機層を10%クエン酸および10%KCOで洗浄した。
有機層を分離し、NaSOで乾燥し、真空下にて蒸発乾固させた。粗製生成物を230-400メッシュシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/EtOAc/CHCl 80:15:0.5の混合液で溶出して黄色油性物2.0gを得、これをトルエン/ヘキサンの混合液から結晶化させて純粋な標題化合物0.9gを白色結晶物として得た。
2320OSとして
融点=134-137℃
分子量=372.49
I.R.(KBr):3230;3060;1630;1590;1545cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d):δ9.33(d,1H);8.30(dd,2H);8.15(d,1H);8.13(d,1H);8.08(s,1H);7.84(ddd,1H);7.68-7.51(m,4H);7.44(dd,1H);7.11(d,1H);7.02(dd,1H);5.33(dt,1H);2.10-1.88(m,2H);1.05(t,3H)
MS(EI;熱源180℃;70V;200mA):372(M+.);343;232;204
【0121】
実施例112
(+)-(S)-N-(α-エチルベンジル)-3-ジメチルアミノメチル-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド塩酸塩
3-メチル-2-フェニルキノリン-4-カルボン酸5.60g(21.27ミリモル)をジクロロエタン100mlに溶解した。
N-ブロモスクシンイミド7.60g(42.50ミリモル)および過酸化ジベンゾイル0.52g(2.00ミリモル)を添加し、その溶液を24時間還流した。その反応混合物を真空下にて蒸発乾固させ、33%MeNH/EtOH 100mlに懸濁し、室温にて一晩撹拌した。その溶液を真空下にて蒸発乾固させ、20%KCO50mlに溶解し、再度、真空下にて蒸発乾固させた。水50mlを添加し、その残渣および溶液を37%HClで酸性化し、真空下にて蒸発乾固させた。
その粗製残渣およびTEA10.8ml(77.20ミリモル)をCHCl50ml、THF50mlおよびCHCN100mlに溶解した。(S)-(-)-α-エチルベンジルアミン3.00g(22.20ミリモル)、N-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)0.78g(5.78ミリモル)およびDCC11.9g(57.90ミリモル)を添加し、その溶液を室温にて一晩撹拌した。
沈殿したジシクロヘキシル尿素を濾別し、有機層を真空下にて蒸発乾固させた。
その茶色油性物残渣をCHCl100mlに溶解し、沈殿物を濾別した。濾液を40%クエン酸で3回抽出した。固形KCOで塩基性化した水性層をCHClで抽出し;有機溶液をNaSOで乾燥し、真空下にて蒸発乾固させて茶色油性物10gを得た。
粗製生成物を230-400メッシュシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付し、i-PrO/CHCl 9:1の混合液で溶出して白色固形物2.5gを得、これをトルエンに溶解して一晩放置した。
DCU沈殿を濾過し、その溶液をエタノールを含有するHClで処理し、真空下にて蒸発乾固させた。その粗製生成物をトルエン/EtOHの混合液から再結晶化させて純粋な標題化合物0.7gを無色結晶物として得た。
2829O.HClとして
融点=164-167℃
分子量=460.02
[α]20=+25.3(c=1,MeOH)
I.R.(KBr):3440;3150;3020;3560;1650;1540cm-1
300MHz H NMR(DMSO-d,353K):δ9.70(s br,1H);8.10(d,1H);7.85(dd,1H);7.80(s br,1H);7.70-7.10(m,12H);5.15(dt,1H);4.38-4.20(m,2H);2.30(s,3H);2.22(s,6H);2.10-1.82(m,2H);1.00(t,3H)
MS(EI;熱源180℃;70V;200mA):423(M+.),380,288
【0122】
実施例113
(S)-N-(α-エチルベンジル)-3-メチル-7-メトキシ-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
乾燥CHCl24mlおよびDMF1mlに入れて溶解を補助した、粗製塩化 3-メチル-7-メトキシ-2-フェニルキノリン-4-カルボニル1.27g(4.09ミリモル)、(S)-(-)-α-エチルベンジルアミン0.55g(4.09ミリモル)およびTEA1.71ml(12.27ミリモル)から出発して実施例1記載と同様にして調製した。その反応混合物を室温にて12時間撹拌した。
真空下にて濃縮乾固させた後、その残渣をCHCl(30ml)に溶解し、10%NaHCO、5%クエン酸およびブラインで洗浄した。その有機溶液をNaSOで乾燥し、真空下にて蒸発乾固させ、粗製生成物1.87gを得、これを230-400メッシュシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付して、ヘキサン/EtOAc70:30の混合液で溶出して黄色油性物0.350gを得た。
2726として
分子量=410.51
I.R.(KBr):3240;2965;2930;1635;1535;1220cm-1
【0123】
実施例114
(S)-N-(α-エチルベンジル)-3-アミノ-5-メチル-2-フェニルキノリン-
4-カルボキシアミド
窒素雰囲気下にて、3-アミノ-5-メチル-2-フェニルキノリン-4-カルボン酸0.75g(2.64ミリモル)を乾燥THF30mlおよびCHCN10mlに溶解した。
(S)-(-)-α-エチルベンジルアミン0.38g(2.83ミリモル)およびN-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)0.69g(5.18ミリモル)を添加し、その反応混合物を-10℃に冷却した。
CHCl5mlに溶解したDCC0.61g(2.97ミリモル)を滴下し、その溶液を-5℃-0℃に2時間維持し、50℃にて4時間加熱し、ついで室温にて一晩放置した。
沈殿したジシクロヘキシル尿素を濾別し、その溶液を真空下にて蒸発乾固させた。その残渣をCHClに溶解し、HO、飽和NaHCO溶液、5%クエン酸、飽和NaHCO溶液およびブラインで洗浄した。
有機層を分離し、NaSOで乾燥し、真空下にて蒸発乾固させ;その残渣をCHCl10mlに溶解し、一晩放置した。さらに幾分かのジシクロヘキシル尿素が沈殿し、これを濾別した。溶液を真空下にて蒸発乾固させて粗製生成物0.86gを得、これを230-400メッシュシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付し、CHCl/MeOH/濃NHOH、各々90:10:0.5で溶出して標題化合物0.41gを油性物として得た。
2625Oとして
分子量=395.50
I.R.(KBr):3480;3390;3230;3020;1635;1615;1545cm-1
【0124】
実施例115
(S)-N-(α-エチルベンジル)-3-メトキシ-5-メチル-2-フェニルキノリン-4-カルボキシアミド
窒素雰囲気下にて、3-メトキシ-5-メチル-2-フェニルキノリン-4-カルボン酸1.29g(4.40ミリモル)を乾燥THF40mlおよびCHCN20mlに溶解した。
(S)-(-)-α-エチルベンジルアミン0.63g(4.62ミリモル)およびN-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)1.13g(8.36ミリモル)を添加し、その反応混合物を-10℃にて冷却した。
CHCl5mlに溶解したDCC1.0g(4.84ミリモル)を滴下し、その溶液を-5℃-0℃にて2時間維持し、50℃にて4時間加熱し、ついで室温にて一晩放置した。
沈殿したジシクロヘキシル尿素を濾別し、その溶液を真空下にて蒸発乾固させた。その残渣をCHClに溶解し、HO、飽和NaHCO溶液、5%クエン酸、飽和NaHCO溶液およびブラインで洗浄した。
有機層を分離し、NaSOで乾燥し、真空下にて蒸発乾固させ;その残渣をCHCl20mlに溶解し、一晩放置した。さらに幾分かのジシクロヘキシル尿素が沈殿し、これを濾別した。その溶液を真空下にて蒸発乾固させて粗製生成物2.45gを得、これを230-400メッシュシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに付し、0.5%濃NHOHを含有するヘキサン/EtOAc 7:2で溶出して標題化合物0.28gを油性物として得た。
2726として
分子量=410.52
I.R.(KBr):3270;3020;1635;1535cm-1
【0125】
【表34】

【0126】
【表35】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキシアミド(I):
【化1】

またはその塩もしくは溶媒和物の製造方法であって、式(II):
【化2】

で示される化合物を式(III):
【化3】

で示される化合物と反応させることを含み、ついで、形成した化合物の塩または溶媒和物を形成してもよい方法。

【公開番号】特開2007−126475(P2007−126475A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−355694(P2006−355694)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【分割の表示】特願2001−326622(P2001−326622)の分割
【原出願日】平成7年5月23日(1995.5.23)
【出願人】(599085345)スミスクライン・ビーチャム・ファーマシューティチ・ソシエタ・ペル・アチオニ (1)
【氏名又は名称原語表記】SMITHKLINE BEECHAM FARMACEUTICI S.p.A.
【Fターム(参考)】