説明

タンク構造体

【課題】内部に充填される流体の圧力が上昇しにくいタンク構造体を提供する。
【解決手段】内部に水素が充填されるタンク本体20と、タンク本体20の左端側に設けられたリリーフ弁30と、を有し、燃料電池車100に搭載される水素タンク10と、水素タンク10を囲繞する囲繞体40と、囲繞体40の内面40a(水素タンク10側の面)に設けられ、温度上昇すると発泡し断熱層52を形成する熱発泡性断熱層51と、を備え、発泡前の熱発泡性断熱層51と水素タンク10との間には隙間Sが形成されていることを特徴とする水素タンク構造体1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンク構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、燃料電池を搭載し、その電力で走行する燃料電池車の開発が進められている。このような燃料電池車には、燃料電池の他、燃料電池に水素(燃料ガス)を供給する水素タンク(ガスタンク)、空気を供給するコンプレッサ、燃料電池を経由するように冷媒を循環させる冷媒ポンプ、直流電力を交流電力に変換するPDU(Power Drive Unit)、走行用のモータ、モータの駆動力を駆動輪に伝達するドライブトレイン等も搭載される。
ここで、コンプレッサ、冷媒ポンプ、PDU、ドライブトレイン等の外部機器は、その作動に伴って発熱する。
【0003】
また、水素タンクには水素が高圧で充填され、さらに、水素タンクから燃料電池に供給される水素が通流する水素供給流路には、複数の減圧弁(レギュレータ)が設けられる。そして、アクセル開度等に基づいて算出された発電要求量に従って水素の目標圧力を設定し、そして、前記減圧弁の二次側圧力が算出された目標圧力となるように、前記減圧弁を制御している。
【0004】
このような水素タンクに充填される水素(ガス)とは異なるが、液体燃料(ガソリン)が貯溜される燃料タンクにて入熱により燃料蒸気が発生し、燃料消費等に影響が及ぶのを抑えるために、放熱構造を取り入れた燃料タンクの構造について提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−130271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、燃料電池車は、真夏の高温環境下で走行したり、また、前記したようにコンプレッサ等の外部機器の発熱によって、水素タンクに熱が入力されると、水素が膨張し、水素タンク内の圧力が上昇してしまう。
このように、水素タンクにおける水素の圧力が上昇してしまうと、前記した減圧弁の一次側圧力も上昇することになり、前記目標圧力よりも高い圧力で、水素が燃料電池に供給される虞がある。そして、このように高い圧力で水素が供給されると、水素が燃料電池で良好に消費されないばかりか、燃料電池の劣化に繋がる虞がある。
【0007】
ここで、制御範囲が広いワイドレンジの減圧弁を搭載する方法も考えられるが、このようなワイドレンジの減圧弁は非常に高価であるため、コストを要してしまう。
【0008】
そこで、本発明は、内部に充填される流体の圧力が上昇しにくいタンク構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、内部に流体(後記する実施形態では水素)が充填されるタンク本体と、前記タンク本体の少なくとも一端側に設けられたリリーフ弁と、を有し、車両に搭載されるタンクと、前記タンクを囲繞する囲繞体と、前記囲繞体の前記タンク側の面に設けられ、温度上昇すると発泡し断熱層を形成する熱発泡性断熱層と、を備え、発泡前の前記熱発泡性断熱層と前記タンクとの間には隙間が形成されていることを特徴とするタンク構造体である。
【0010】
このようなタンク構造体によれば、発泡前の前記熱発泡性断熱層とタンクとの間には隙間が形成されており、タンク本体の外表面に断熱層は形成されていないので、タンク本体の壁部の熱抵抗は大きくならず、流体及びタンクは、隙間に存在する外気と良好に熱交換する。
これにより、流体の充填/放出に伴って、流体及びタンクの温度が上昇/下降しようとしても、流体及びタンクは隙間の外気と熱交換し、つまり、放熱/吸熱するので、流体及びタンクの温度が上昇/下降しにくくなり、維持されやすくなる。したがって、タンクに充填された流体の圧力が上昇しにくくなる。
【0011】
また、タンクの外表面に断熱層は形成されていないので、その表面側に断熱層が形成されたタンクに対して、タンク本体の壁部が薄くなり、タンク室(容積)が大きくなる。
【0012】
さらに、囲繞体のタンク側の面に、温度上昇すると発泡し断熱層を形成する熱発泡性断熱層が設けられているので、タンク構造体の周囲に配置された外部機器の熱が熱発泡性断熱層に伝導すると、熱発泡性断熱層が温度上昇して発泡し、断熱層が形成される。そうすると、外部機器からの熱は、断熱層で断熱され、タンクに充填された流体の温度は上昇しにくくなり、ゆえに、流体の圧力も上昇しにくくなる。
【0013】
このようにして、タンク本体内の圧力は上昇しにくくなるので、タンクからの流体の圧力を制御するレギュレータは、ワイドレンジである必要はなく、レギュレータを含み流体の供給を受けるシステム(後記する実施形態では燃料電池システム)を簡便かつ安価で構成できる。
また、前記レギュレータ等の一次側圧力が上昇しにくいので、前記レギュレータによって、流体の圧力を適切に制御した後、流体を必要とする流体需要機器(後記する実施形態では燃料電池)に、供給できる。
【0014】
また、前記タンク構造体において、前記熱発泡性断熱層が発泡して形成する前記断熱層は、前記隙間を埋めることを特徴とする。
【0015】
このようなタンク構造体によれば、外部機器の熱が入りやすい箇所(領域)、つまり、外部機器の熱が伝導しやすい箇所では、この熱によって熱発泡性断熱層が発泡して断熱層を形成し、断熱層が隙間を埋めてタンクと密着する。これにより、外部機器からの熱は断熱層で断熱され、タンクに充填された流体の温度及び圧力は上昇しにくくなる。
【0016】
一方、他の箇所(領域)、つまり、外部機器の熱が伝導しにくい箇所では、熱発泡性断熱層は発泡せず、隙間が形成されたままとなる。これにより、外部機器側でタンクは断熱層と密着しながらも、タンク本体の流体は外部機器と反対側に残る隙間の外気と熱交換できる。したがって、流体を充填/放出しても、前記隙間の外気に対して放熱/吸熱するので、流体及びタンクの温度が上昇/下降しにくくなる。
【0017】
また、本発明は、内部に流体が充填されるタンク本体と、前記タンク本体の少なくとも一端側に設けられたリリーフ弁と、を有し、車両に搭載されるタンクと、前記タンクを囲繞する囲繞体と、前記囲繞体の前記タンクと反対側の面に設けられ、温度上昇すると発泡し断熱層を形成する熱発泡性断熱層と、を備え、前記囲繞体と前記タンクとの間には隙間が形成されていることを特徴とするタンク構造体である。
【0018】
このようなタンク構造体によれば、流体及びタンクは隙間の外気と熱交換し、つまり、放熱/吸熱するので、流体及びタンクの温度が上昇/下降しにくくなり、維持されやすくなる。したがって、タンクに充填された流体の圧力が上昇しにくくなる。
【0019】
また、タンクの外表面に断熱層は形成されていないので、タンク本体の壁部が薄くなり、タンク室(容積)が大きくなる。
さらに、囲繞体のタンクと反対側の面に、温度上昇すると発泡し断熱層を形成する熱発泡性断熱層が設けられているので、タンク構造体の周囲に配置された外部機器の熱が熱発泡性断熱層に伝導すると、熱発泡性断熱層が温度上昇して発泡し、断熱層が形成される。そうすると、外部機器からの熱は、断熱層で断熱され、タンク本体に充填された流体の温度は上昇しにくくなり、ゆえに、流体の圧力も上昇しにくくなる。
【0020】
また、前記タンク構造体において、前記リリーフ弁は、温度上昇すると開くように構成されており、前記熱発泡性断熱層は、外部からの熱が前記リリーフ弁に伝導するように、前記リリーフ弁の周りには形成されていないことを特徴とする。
【0021】
このようなタンク構造体によれば、熱発泡性断熱層はリリーフ弁の周りには形成されていないので、外部からの熱は、熱発泡性断熱層(断熱層)で断熱されることはなく、リリーフ弁に速やかに伝導する。これにより、リリーフ弁の開くタイミングが遅れることはない。
【0022】
また、前記タンク構造体において、前記囲繞体は金属製であることを特徴とする。
【0023】
このようなタンク構造体によれば、囲繞体は金属製であるので、囲繞体の熱伝導率が高い。これにより、外部からの熱は、囲繞体の内部を速やかに伝導する。したがって、外部からの熱を、熱発泡性断熱層に速やかに伝導させることができる。
【0024】
また、前記タンク構造体において、前記熱発泡性断熱層は、外部の熱源の位置に対応して形成されていることを特徴とする。
【0025】
このようなタンク構造体によれば、熱発泡性断熱層は外部の熱源の位置に対応して、つまり、外部の熱源の熱が入熱する可能性のある領域に対応して形成されているので、熱発泡性断熱層が小さくなり、軽量化される。これにより、タンク構造体を車両に搭載容易となる。
なお、熱発泡性断熱層だけでなく、囲繞体も外部の熱源の位置に対応して、つまり、外部の熱源の熱が入熱する可能性のある領域に対応して、タンクを囲繞する大きさ等に構成されていることが好ましい。
【0026】
また、前記タンク構造体において、前記囲繞体は、前記車両を構成すると共に前記タンク本体の周囲に配置された複数のパネルを備えて構成されることを特徴とする。
【0027】
このようなタンク構造体によれば、車両を構成すると共にタンク本体の周囲に配置された複数のパネルによって、囲繞体を構成できる。
【0028】
また、前記タンク構造体において、前記囲繞体は、前記タンクを囲繞するカバーを備えることを特徴とする。
【0029】
このようなタンク構造体によれば、タンクを囲繞するカバーによって、囲繞体を構成できる。
また、タンクとカバー(囲繞体)とが、一体に構成されていれば、タンク構造体の取り扱い(組み付け、交換等)は容易となる。
【0030】
また、前記タンク構造体において、複数の前記タンクを備え、前記カバーは、前記複数のタンクをまとめて囲繞していることを特徴とする。
【0031】
このようなタンク構造体によれば、カバーが複数のタンクをまとめて囲繞しているので、1つのカバーによって、複数のタンクをまとめる、例えば、ユニット化しやすくなる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、内部に充填される流体の圧力が上昇しにくいタンク構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第1実施形態に係る燃料電池車の側面図である。
【図2】第1実施形態に係る水素タンク構造体の側断面図であり、通常時(発泡前)を示す。
【図3】第1実施形態に係る水素タンク構造体の側断面図であり、発泡時を示す。
【図4】第1実施形態に係るリリーフ弁の側断面図であり、リリーフ弁の閉弁状態(通常時)を示す。
【図5】第1実施形態に係るリリーフ弁の側断面図であり、リリーフ弁の開弁状態(高温時)を示す。
【図6】第1実施形態に係る水素タンク構造体の輪切り断面図(図2のX1−X1線断面図)であり、通常時(発泡前)を示す。
【図7】第1実施形態に係る水素タンク構造体の輪切り断面図(図3のX2−X2線断面図)であり、発泡時を示す。
【図8】第2実施形態に係る水素タンク構造体の側断面図であり、通常時(発泡前)を示す。
【図9】第3実施形態に係る水素タンク構造体の側断面図であり、通常時(発泡前)を示す。
【図10】第3実施形態に係る水素タンク構造体の側断面図であり、発泡時を示す。
【図11】第3実施形態に係る水素タンク構造体の輪切り断面図(図9のX3−X3線断面図)であり、通常時(発泡前)を示す。
【図12】第3実施形態に係る水素タンク構造体の輪切り断面図(図10のX4−X4線断面図)であり、発泡時を示す。
【図13】(a)、(b)共に変形例に係る水素タンク構造体の平面図である。
【図14】変形例に係る水素タンク構造体の輪切り断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
≪第1実施形態≫
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
【0035】
≪燃料電池車の構成≫
本実施形態に係る燃料電池車100(車両、移動体)は、燃料電池スタック110(燃料電池)と、水素タンク10(タンク)を含む水素タンク構造体1(タンク構造体、図2参照)と、減圧弁121と、コンプレッサ131と、希釈器132と、を備えている。
なお、燃料電池車100の具体的種類には、例えば、四輪車、三輪車、二輪車、一輪車、列車等がある。
【0036】
燃料電池スタック110は、固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)であり、MEA(Membrane Electrode Assembly、膜電極接合体)をセパレータ(図示しない)で挟持してなる単セルが複数積層されて構成されている。MEAは、電解質膜(固体高分子膜)と、これを挟持するカソード及びアノードとを備えている。各セパレータには、溝や貫通孔からなるアノード流路111(燃料ガス流路)及びカソード流路112(酸化剤ガス流路)が形成されている。
【0037】
水素タンク10は、アノード流路111に供給される水素(燃料ガス、流体)が充填されるタンクである。そして、水素タンク10は、配管121a、減圧弁121(レギュレータ)、配管121bを介して、アノード流路111の入口に接続されており、水素タンク10の水素が、配管121a等を通って、アノード流路111に供給されるようになっている。
【0038】
すなわち、配管121aと配管121bとで水素供給流路(燃料ガス供給流路)が構成されており、この水素供給流路に減圧弁121が設けられている。また、水素供給流路には、図示しないECU(Electronic Control Unit、電子制御装置)によって開閉制御される常閉型の遮断弁も設けられている。なお、減圧弁及び遮断弁は、例えば、下流に向かって、一次遮断弁、一次減圧弁、二次遮断弁、二次減圧弁のように複数で設けられる。
【0039】
減圧弁121は、例えば、本願出願人による特開2004−185831号公報に記載されるように、配管121cから入力されるパイロット圧に基づいて、アノード流路111における水素の圧力と、カソード流路112における空気の圧力とがバランスするように、水素の圧力を下げる一次減圧弁である。なお、配管121cの上流端は、カソード流路112に向かう空気が通流する配管131aに接続されている。
【0040】
アノード流路111の出口は、配管121dを介して、希釈器132に接続されている。そして、アノード流路111から排出されたアノードオフガスは、配管121dを通って、希釈器132に排出されるようになっている。
【0041】
コンプレッサ131は、配管131aを介して、カソード流路112の入口に接続されており、ECUからの指令に従って作動すると、酸素を含む空気を取り込んで圧縮し、これをカソード流路112に圧送するようになっている。なお、コンプレッサ131は、燃料電池スタック110や高圧バッテリ(図示しない)を電源としている。
【0042】
また、コンプレッサ131は作動すると作動熱を発生する熱源であり、本実施形態では、この作動熱の一部が水素タンク10に伝導する場合を例示する。すなわち、コンプレッサ131は、水素タンク10からみて、発熱する外部機器である。そして、ここでは、熱源となる外部機器が、水素タンク構造体1の上方に配置され、外部機器の熱が水素タンク構造体1の上方から入熱する構成を例示する(図3、図7参照)。
なお、このように発熱する外部機器は、コンプレッサ131の他、ECU、冷媒ポンプ、高圧バッテリ、PDU、ドライブトレイン等、種々挙げられる。
【0043】
カソード流路112の出口は、配管132aを介して、希釈器132に接続されている。そして、カソード流路112から排出されたカソードオフガスは、配管132aを通って希釈器132に排出されるようになっている。
なお、配管132aには、ECUによって開度が制御される常開型の背圧弁(図示しない)が設けられている。すなわち、ECUは、アクセル開度に基づいて、発電要求量、目標空気圧力、目標水素圧力を算出し、目標空気圧力となるように、背圧弁の開度及びコンプレッサ131の回転速度を制御するようになっている。
【0044】
希釈器132は、配管121dからのアノードオフガス中の水素を、配管132aからのカソードオフガスで希釈し、水素濃度を低減させるものであり、その内部に希釈空間を有している。そして、希釈後のガスは、配管132bを通って車外に排出されるようになっている。
【0045】
≪水素タンク構造体の構成≫
次に、水素タンク構造体1の具体的構成について、図2〜図7を参照して説明する。
図2〜図7に示すように、水素タンク構造体1は、水素タンク10と、水素タンク10を囲繞する囲繞体40と、囲繞体40の内面40a(水素タンク10側の面)に設けられた熱発泡性断熱層51と、を備えている。
【0046】
<水素タンク>
水素タンク10は、略円柱状の外形を有しており、燃料電池車100に対して横置きで搭載され、その軸方向は車幅方向(左右方向)に沿っている。
水素タンク10は、タンク本体20と、タンク本体20の左端側(一端側)に設けられたリリーフ弁30と、を備えている。
なお、水素タンク10は、図示しない金属製のベルトを介して、後記する前クロスメンバ41C及び後クロスメンバ41Dに固定されている。
この他、タンク本体20の左端側及び右端側(両端側)に、リリーフ弁30がそれぞれ設けられた構成でもよい。
【0047】
<タンク本体>
タンク本体20は、その外形が略円柱状を呈しており、図4、図5に示すように、ライナー21と、ライナー21の外周面を覆いライナー21を補強する補強層22と、を備える二重構造となっている。
ただし、タンク本体20は、二重構造に限定されず、例えば、合成樹脂製または金属製のライナーのみから構成された一重構造のものでもよい。
【0048】
ライナー21は、アルミニウム合金等から形成され、タンク本体20の骨格となる部品であり、その外形は略円柱状を呈している。そして、ライナー21の内部は、水素が充填・貯留されるタンク室21aとなっている。また、ライナー21の左端側には、リリーフ弁30が螺合されるネック部21bが形成されている。
【0049】
補強層22は、例えば、熱硬化性樹脂が含浸された長い炭素繊維を、ライナー21に所定に巻回した後、前記熱硬化性樹脂を硬化させることで得られるCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic:炭素繊維強化プラスチック)層から構成される。
【0050】
<リリーフ弁>
リリーフ弁30は、常閉型の弁であって、開弁することで、タンク本体20内の水素を外部に放出し、タンク本体20内の圧力を低下させるものである。また、リリーフ弁30は、車幅方向において左端側に配置されているので、前後からの衝突によって、燃料電池車100が前後方向で圧縮しても、リリーフ弁30は圧縮されず、保護されるようになっている。
【0051】
リリーフ弁30は、ネック部21bに螺設されるバルブボディ31と、バルブボディ31内を進退する弁体32(ピストン)と、弁体32を閉弁方向(右方向)に付勢する圧縮コイルばね33と、圧縮コイルばね33がバルブボディ31内に装填された状態を保持するキャップ34と、圧縮コイルばね33とキャップ34との間に介装された金属体35と、を備えている。
なお、バルブボディ31には、ECU(Electronic Control Unit、電子制御装置)によって開閉制御され、燃料電池スタック110への水素供給時等に開弁される常閉型の遮断弁(インタンク電磁弁)と、水素充電時に開弁する常閉型の逆止弁(いずれも図示しない)と、が設けられている。
【0052】
バルブボディ31は、通常時(閉弁時)に弁体32が着座する弁座31aを有すると共に、その内部には、開弁時に水素の放出通路となる第1ポート31b及び第2ポート31cが形成されている。
【0053】
弁体32は、一体成形された左側(一端側)の大径部32aと、大径部32aから右側(他端側)に延出した小径部32bと、を備えている。
【0054】
小径部32bは、通常時(閉弁時)において、バルブボディ31の弁座31aに着座し、第1ポート31bと第2ポート31cとを遮断する。このように第1ポート31bと第2ポート31cとが遮断されると、リリーフ弁30は閉弁状態となる(図4参照)。なお、通常時とは、タンク本体20内が定格圧力以下であって、金属体35が溶融していない状態である。
【0055】
一方、例えば、タンク本体20内が定格圧力よりも高くなり、弁体32が弁座31aから離座すると、第1ポート31bと第2ポート31cとが連通する。このように第1ポート31bと第2ポート31cとが連通すると、リリーフ弁30が開弁状態となる(図5参照)。
【0056】
金属体35は、昇温した場合に溶融し、キャップ34に形成された流出路34aから外部に流出することで、キャップ34と圧縮コイルばね33との間にスペースを形成するための部品である。このようにスペースが形成されると、タンク本体20内の水素の圧力によって、弁体32が左にスライド、つまり、小径部32bが弁座31aから離座すると同時に、第1ポート31bと第2ポート31cとが連通し、タンク本体20内の水素が、第1ポート31b、第2ポート31cを通って、外部に放出され、圧力が低下するようになっている。
【0057】
<囲繞体>
囲繞体40は、水素タンク10を囲繞する構造体であり、水素タンク10との間に所定の隙間Sを開けつつ、水素タンク10全体を取り囲んでいる。
なお、囲繞体40と水素タンク10との隙間Sは、囲繞体40の内面40aに形成された熱発泡性断熱層51の発泡前後の厚さ(発泡による増厚程度)を考慮したうえで、(1)通常時(発泡前)の熱発泡性断熱層51と水素タンク10との間に隙間Sが形成され、かつ、(2)熱発泡性断熱層51が発泡してなる断熱層52が隙間Sを埋めるように設計される。
【0058】
このような囲繞体40は、第1実施形態では、井桁状のサブフレーム41と、フロアパネル42の一部であって水素タンク10の上外周面から所定間隔(隙間S)を開けつつ湾曲する湾曲部42aと、水素タンク10の下部を覆うアンダーパネル43と、前パネル44と、後パネル45と、左パネル46と、右パネル47と、を備えており、サブフレーム41等は、燃料電池車100の車体を構成する部品(パネル)である。
【0059】
サブフレーム41は、前後方向に延びる左フレーム41A及び右フレーム41Bと、車幅方向に延びる前クロスメンバ41C及び後クロスメンバ41Dと、を備えている。
そして、これらのフレーム及びパネルが、接合(溶接)、ボルトによる締結等されることで、囲繞体40は構成されている。
【0060】
また、これらのフレーム及びパネルは、熱伝導率の高い金属製の部品で構成されている。つまり、囲繞体40は、金属製であり、その熱伝導率は高い。
これにより、外部機器(コンプレッサ131等)からの熱は、囲繞体40内を速やかに伝導し、囲繞体40の内面40aに形成された熱発泡性断熱層51に速やかに伝導する。したがって、熱発泡性断熱層51は、速やかに昇温、発泡し、断熱層52が速やかに形成されるようになっている。
【0061】
<熱発泡性断熱層>
熱発泡性断熱層51は、例えばポリ燐酸アンモニウム等の発泡剤を成分とする層であり、外部から加熱され温度上昇し、発泡温度に到達するとガスを発生することで発泡し、内部に多数の気泡が形成された断熱層52(発泡層)を形成する層である(図3、図7参照)。そして、このように断熱層52が形成されると、外部からの熱は断熱層52で断熱されるようになっている。これにより、水素タンク10(水素)の温度は上昇しにくく、水素タンク10の圧力が上昇しにくくなっている。
【0062】
熱発泡性断熱層51が発泡する発泡温度は、コンプレッサ131等の外部機器の温度に対応して、ガスを発生させる発泡剤を変更することで、適宜に設計変更される。
【0063】
発泡前の熱発泡性断熱層51と、水素タンク10との間には、前記したように隙間Sが形成されており、この隙間Sには空気が存在している。つまり、水素タンク10は隙間Sの空気と熱交換するように構成されている。
【0064】
これにより、水素充填時における水素の断熱圧縮により、水素タンク10の温度が上昇しようとしても、水素タンク10は隙間Sの空気に放熱し、温度上昇量が少なくなっている。
一方、水素放出時における水素の断熱膨張により、水素タンク10の温度が低下しようとしても、水素タンク10は隙間Sの空気の熱を吸熱し、温度低下量が少なくなっている。
【0065】
すなわち、水素タンク10は隙間Sの空気と良好に熱交換するので、水素の充填/放出により、水素タンク10の温度は変動しにくくなっている。つまり、水素タンク10の温度が大きく低下することはない。
【0066】
ただし、熱発泡性断熱層51は、図2、図3に示すように、囲繞体40の内面40aのうち、リリーフ弁30に対向する部分には、形成されていない。すなわち、熱発泡性断熱層51は、リリーフ弁30の周りには形成されていない。
これにより、リリーフ弁30の周りに断熱層52が形成されることはない。したがって、外部からの熱が、断熱層52で断熱されることはなく、リリーフ弁30に良好に伝導し、その温度は良好に上昇する。ゆえに、リリーフ弁30の開弁が遅れることはない。
【0067】
熱発泡性断熱層51が発泡してなる断熱層52の厚さは、断熱層52が隙間Sを埋めるように、つまり、断熱層52の厚さが隙間S以上となるように構成されている。断熱層52の厚さは、発泡剤の量・種類を変化したり、熱発泡性断熱層51の厚さを変化したりすることで、容易に制御される。
【0068】
なお、このような熱発泡性断熱層51は、例えば、ポリ燐酸アンモニウム等の発泡剤を成分とする公知の熱発泡性断熱塗料を、囲繞体40の内面40aに塗布することで形成される。そして、塗布量・塗布回数を変化させることで、熱発泡性断熱層51の厚さは調整される。
【0069】
また、熱発泡性断熱層51は、一層構造に限定されず、発泡温度が異なる複数の発泡剤を含む多層構造としてもよい。さらに、熱発泡性断熱層51と囲繞体40との間に下塗り層を介在させてもよいし、熱発泡性断熱層51の上に上塗り層を形成してもよい。
【0070】
≪水素タンク構造体の作用効果≫
このような水素タンク構造体1によれば、次の作用効果を得る。
通常時(発泡前)において、水素タンク10と熱発泡性断熱層51との間に隙間Sが形成されているので、水素の充填/放出により、水素タンク10の温度が上昇/低下しようとしても、水素及び水素タンク10は、隙間Sの空気と良好に熱交換する。これにより、水素及び水素タンク10の温度は、上昇/低下しにくくなる。すなわち、水素及び水素タンク10の温度が大きく低下することはない。
【0071】
ここで、熱源となる外部機器は、前記したように、水素タンク構造体1の上方に配置されている。
また、外部機器の熱が水素タンク構造体1に上方から入熱すると、その熱は、熱伝導性の高い金属製の囲繞体40内を速やかに伝導し、熱発泡性断熱層51に速やかに伝導する。そうすると、熱発泡性断熱層51の略上半分の温度は速やかに上昇し、発泡剤の種類に対応した発泡温度に到達すると発泡し、断熱層52が形成され、断熱層52は隙間Sを埋める(図3、図7参照)。すなわち、断熱層52の表面は、水素タンク10の外周面に密着する。
【0072】
このように断熱層52が速やかに形成されるので、外部機器からの熱は、断熱層52で断熱される。これにより、外部機器からの熱は、水素タンク10に伝導せず、水素及び水素タンク10の温度は上昇しにくくなり、水素の圧力も上昇しにくくなる。
【0073】
一方、水素タンク構造体1の下半分には、外部機器からの熱が伝導しにくいので、熱発泡性断熱層51の下半分は発泡せず、断熱層52が隙間Sを埋めることはない。すなわち、水素タンク構造体1の下半分には隙間Sがそのまま残り、水素タンク10の上部と断熱層52とが密着した後も、水素及び水素タンク10は、隙間Sの空気と良好に熱交換可能となっている。これにより、水素を充填/放出したとしても、隙間Sの空気に対して放熱/吸熱するので、水素の圧力は上昇しにくくなる。
【0074】
また、発熱する外部機器が水素タンク10の左方に配置され、その外部機器の熱が水素タンク10の左側に入熱した場合、左側のリリーフ弁30の周り、つまり、リリーフ弁30に対向する囲繞体40の内面40aには、熱発泡性断熱層51が存在しないので、断熱層52が形成されることはない。
【0075】
これにより、囲繞体40の左側部分に入熱した熱は、囲繞体40を伝導した後、断熱層52で断熱されることなく、リリーフ弁30に良好に伝導する。したがって、リリーフ弁30の温度は速やかに上昇し、金属体35が溶融すると、リリーフ弁30が開く(図5参照)。そうすると、タンク室21aの水素が外部に放出され、水素タンク10内の圧力が下がる。
【0076】
このようにして、水素タンク10内の水素の圧力が上昇しにくくなるので、図1に示す減圧弁121の一次側圧力が、コンプレッサ131の作動熱等の影響を受けて上昇することはない。
したがって、制御範囲が広範囲であるワイドレンジの減圧弁121を備える必要はなく、燃料電池車100を低コストで製造可能となる。そして、減圧弁121は、水素を適切な圧力に減圧・調整することができ、水素が適切な圧力でアノード流路111に供給され、想定外な高圧での水素供給による燃料電池スタック110の劣化も未然に防止される。また、水素が燃料電池スタック110をそのまま通り抜けることも低減され、燃料電池スタック110の燃費、つまり、水素の消費効率は高まる。
【0077】
≪第1実施形態−変形例≫
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、後記する実施形態と適宜組み合わせたり、次のように変更できる。
【0078】
前記した第1実施形態では、リリーフ弁30の周囲に、つまり、囲繞体40の内面40aのうちリリーフ弁30と対向する部分に、熱発泡性断熱層51が形成されない構成を例示したが、リリーフ弁30の周囲にも、つまり、内面40aの全体に熱発泡性断熱層51が形成された構成でもよい。
【0079】
前記した第1実施形態では、水素タンク10が移動体に搭載された構成を例示したが、その他に例えば、据え置き型の水素タンク10でもよい。
【0080】
前記した第1実施形態では、タンクが燃料電池スタック110に水素を供給する水素タンクである構成を例示したが、その他に例えば、CNG(Compressed Natural Gas)エンジンに天然ガスを供給する天然ガスタンクでもよい。
【0081】
前記した第1実施形態では、タンク本体20に可燃性の水素が充填される構成を例示したが、可燃性のガスに限定されず、例えば、酸素、窒素、アルゴン等が充填される構成でもよい。
また、充填対象はガスに限定されず、例えば液体水素やLPG(Liquefied Petroleum Gas)等の液体(流体)が充填・貯溜されるタンクでもよい。
【0082】
≪第2実施形態≫
次に、本発明の第2実施形態について、図8を参照して説明する。なお、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
第2実施形態に係る水素タンク構造体2は、囲繞体40の外面40b(水素タンク10と反対側の面)に設けられた熱発泡性断熱層53を、さらに備えている。これにより、外部機器の熱が入熱すると、囲繞体40の外面40b側にも断熱層が形成されるようになっている。
なお、熱発泡性断熱層53は、第1実施形態と同様に、リリーフ弁30の周囲には形成されていない。
【0083】
≪第3実施形態≫
次に、本発明の第3実施形態について、図9〜図11を参照して説明する。なお、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
第3実施形態に係る水素タンク構造体3は、水素タンク10を囲繞するタンクカバー61(囲繞体)と、タンクカバー61の内面61a(水素タンク10側の面)全体に設けられた熱発泡性断熱層71と、を備えている。
なお、タンクカバー61と水素タンク10との相対位置は、例えば、スペーサ(図示しない)によって保持されている。
この他、タンクカバー61の外面61b(水素タンク10と反対側の面)にも熱発泡性断熱層71が設けられた構成でもよいし、外面61bのみに熱発泡性断熱層71が設けられた構成でもよい。
【0084】
タンクカバー61は、リリーフ弁30側が開口し、右側に底部を有する略有底円筒体を呈している。タンクカバー61は、水素タンク10のリリーフ弁30以外の部分を、つまり、水素タンク10のタンク本体20を囲繞している。これにより、外部からの熱は、リリーフ弁30には速やかに伝導するようになっている。
この他、タンクカバー61が、リリーフ弁30を含め、水素タンク10全体を囲繞する構成でもよい。
【0085】
タンクカバー61は、第1実施形態に係る囲繞体40と同様に、熱伝導率の高い金属製である。これにより、外部からの熱は、タンクカバー61内を良好に伝導し、熱発泡性断熱層71に速やかに伝導するようになっている。
【0086】
通常時(発泡前)の熱発泡性断熱層71と、タンク本体20との間には、第1実施形態と同様に、隙間Sが形成されている(図9、図11参照)。これにより、水素を充填/放出したとしても、水素及び水素タンク10は隙間Sの空気と良好に交換し、水素及び水素タンク10の温度は変化しにくくなっている。したがって、水素タンク10の圧力は上昇しにくくなっている。
【0087】
熱発泡性断熱層71が発泡してなる断熱層72は、隙間Sを埋め、タンク本体20に密着するように設計されている(図10、図12参照)。すなわち、隙間Sの大きさ、熱発泡性断熱層71の厚さ、発泡程度(発泡剤の種類)は、断熱層72は、隙間Sを埋めるように設計されている。
【0088】
≪第3実施形態の変形例≫
以上、本発明の第3実施形態について説明したが、例えば、次のように変更できる。
前記した第3実施形態では、内面61aに熱発泡性断熱層71が形成されたタンクカバー61は、タンク本体20の全体を囲繞する構成を例示したが、外部の熱源(コンプレッサ131等)の位置に対応して、タンク本体20を部分的に囲繞する構成でもよい。
【0089】
例えば、図13(a)に示すように、コンプレッサ131(熱源)が水素タンク10の前方に配置されている場合、コンプレッサ131によって加熱される虞のあるタンク本体20の胴体部のみを、タンクカバー61で囲繞する構成としてもよい。なお、タンクカバー61の内面61aに形成された熱発泡性断熱層71も、コンプレッサ131の位置に対応して配置されることになる。
【0090】
また、図13(b)に示すように、コンプレッサ131(熱源)が水素タンク10の右方に配置されている場合、コンプレッサ131によって加熱される虞のあるタンク本体20の右側部のみを、タンクカバー61で囲繞する構成としてもよい。なお、タンクカバー61の内面61aに形成された熱発泡性断熱層71も、コンプレッサ131の位置に対応して配置されることになる。
【0091】
このように外部の熱源であるコンプレッサ131の位置に対応して、加熱される虞のあるタンク本体20の部分のみを囲繞するようにタンクカバー61及び熱発泡性断熱層71を形成し、配置するので、タンクカバー61及び熱発泡性断熱層71は、小さくなり、軽量化される。
【0092】
前記した第3実施形態では、タンクカバー61が1本の水素タンク10を囲繞する構成を例示したが、その他に例えば、図14に示すように、燃料電池車100に2本の水素タンク10が搭載される場合、タンクカバー61が2本の水素タンク10をまとめて囲繞する構成としてもよい。
このような構成によれば、タンクカバー61の取付時に要する作業時間の短縮や、タンクカバー61の全体量が減ることによる質量及び製造コストの低減、さらには、まとめて囲繞した一体物としての機能保証のし易さ等のメリットを得る。
【符号の説明】
【0093】
1、2、3 水素タンク構造体(タンク構造体)
10 水素タンク
20 タンク本体
30 リリーフ弁
40 囲繞体
40a、61a 内面(水素タンク側の面)
40b、61b 外面(水素タンクと反対側の面)
51、53、71 熱発泡性断熱層
52、72 断熱層
61 タンクカバー(囲繞体)
100 燃料電池車(車両)
110 燃料電池スタック(燃料電池)
121 減圧弁
131 コンプレッサ(熱源)
S 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に流体が充填されるタンク本体と、前記タンク本体の少なくとも一端側に設けられたリリーフ弁と、を有し、車両に搭載されるタンクと、
前記タンクを囲繞する囲繞体と、
前記囲繞体の前記タンク側の面に設けられ、温度上昇すると発泡し断熱層を形成する熱発泡性断熱層と、
を備え、
発泡前の前記熱発泡性断熱層と前記タンクとの間には隙間が形成されている
ことを特徴とするタンク構造体。
【請求項2】
前記熱発泡性断熱層が発泡して形成する前記断熱層は、前記隙間を埋める
ことを特徴とする請求項1に記載のタンク構造体。
【請求項3】
内部に流体が充填されるタンク本体と、前記タンク本体の少なくとも一端側に設けられたリリーフ弁と、を有し、車両に搭載されるタンクと、
前記タンクを囲繞する囲繞体と、
前記囲繞体の前記タンクと反対側の面に設けられ、温度上昇すると発泡し断熱層を形成する熱発泡性断熱層と、
を備え、
前記囲繞体と前記タンクとの間には隙間が形成されている
ことを特徴とするタンク構造体。
【請求項4】
前記リリーフ弁は、温度上昇すると開くように構成されており、
前記熱発泡性断熱層は、外部からの熱が前記リリーフ弁に伝導するように、前記リリーフ弁の周りには形成されていない
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のタンク構造体。
【請求項5】
前記囲繞体は金属製である
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のタンク構造体。
【請求項6】
前記熱発泡性断熱層は、外部の熱源の位置に対応して形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のタンク構造体。
【請求項7】
前記囲繞体は、前記車両を構成すると共に前記タンク本体の周囲に配置された複数のパネルを備えて構成される
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のタンク構造体。
【請求項8】
前記囲繞体は、前記タンクを囲繞するカバーを備える
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のタンク構造体。
【請求項9】
複数の前記タンクを備え、
前記カバーは、前記複数のタンクをまとめて囲繞している
ことを特徴とする請求項8に記載のタンク構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−194952(P2011−194952A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61862(P2010−61862)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】