チップ形固体電解コンデンサ
【課題】各種電子機器に使用されるチップ形固体電解コンデンサの更なる低ESL化を図ることを目的とする。
【解決手段】コンデンサ素子1を積層した素子ユニット4を交互に相反する方向に積層したユニット積層体の陰極電極部3下面に接合された陰極コム端子7と、同ユニット積層体の両端の陽極電極部2下面に一対の端子部8aが接合されると共に、この端子部8aどうしを板状のインダクタ部8bで連結した陽極端子8と、陰極コム端子7の下面両端に接合された一対の陰極端子9と、これらを被覆した絶縁性の外装樹脂10からなる構成により、各端子間に流れる電流により発生する磁束を互いに打ち消し合ってESLを大きく低減し、更に陽極端子8に設けた一対の端子部8aどうしをインダクタ部8bで連結した構成により、π型フィルタを形成して更なる低ESL化が図れる。
【解決手段】コンデンサ素子1を積層した素子ユニット4を交互に相反する方向に積層したユニット積層体の陰極電極部3下面に接合された陰極コム端子7と、同ユニット積層体の両端の陽極電極部2下面に一対の端子部8aが接合されると共に、この端子部8aどうしを板状のインダクタ部8bで連結した陽極端子8と、陰極コム端子7の下面両端に接合された一対の陰極端子9と、これらを被覆した絶縁性の外装樹脂10からなる構成により、各端子間に流れる電流により発生する磁束を互いに打ち消し合ってESLを大きく低減し、更に陽極端子8に設けた一対の端子部8aどうしをインダクタ部8bで連結した構成により、π型フィルタを形成して更なる低ESL化が図れる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は各種電子機器に使用されるコンデンサの中で、特に、導電性高分子を固体電解質に用い、かつ、面実装対応にしたチップ形固体電解コンデンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器の高周波化に伴って電子部品の一つであるコンデンサにも従来よりも高周波領域でのインピーダンス特性に優れたコンデンサが求められてきており、このような要求に応えるために電気伝導度が高い導電性高分子を固体電解質に用いた固体電解コンデンサが種々検討されている。
【0003】
また、近年、パーソナルコンピュータのCPU周り等に使用される固体電解コンデンサには小型大容量化が強く望まれており、更に高周波化に対応して低ESR(等価直列抵抗)化のみならず、ノイズ除去や過渡応答性に優れた低ESL(等価直列インダクタンス)化が強く要求されており、このような要求に応えるために種々の検討がなされている。
【0004】
図13はこの種の従来のチップ形固体電解コンデンサの構成を示した斜視図、図14は同チップ形固体電解コンデンサの内部構造を示した斜視図であり、図13と図14において、20は導電性高分子を固体電解質に用いた固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子、21はこのコンデンサ素子20の陽極部、22は同陰極部、23は同絶縁部であり、このように構成された2枚のコンデンサ素子20を互いに反対方向に重ねて配設したものである。
【0005】
24は上記コンデンサ素子20の陽極部21に一端が接続された陽極リード端子、25は同じくコンデンサ素子20の陰極部22が接続された陰極リード端子、26はこれらをモールドした外装樹脂であり、これにより固体電解コンデンサが形成され、この固体電解コンデンサの側面と底面に陽極リード端子24と陰極リード端子25が夫々対向して表出し、4端子構造のチップ形固体電解コンデンサを構成するようにしたものである。
【0006】
このように構成された従来のチップ形固体電解コンデンサは、高周波特性ならびにノイズ吸収性に優れ、低ESL化を実現できるというものであった。
【0007】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開平6−120088号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら上記従来のチップ形固体電解コンデンサでは、1枚のコンデンサ素子または複数枚のコンデンサ素子を積層して外装樹脂でモールドし、陽極/陰極端子を引き出した、一般的な2端子構造のものと比べると、高周波特性に優れ、かつ低ESL化も実現してはいるものの、この構造においてはESLを500pH程度に抑え込むのが限界であり、昨今の市場において加速する要求である200pH以下というレベルに対してはまだまだ不十分であり、更なる低ESL化が必要であるという課題があった。
【0009】
従って、本発明者らは、このような更なる低ESL化を実現するために、特願2006−26812号にて、図15(a)〜(d)に示すような構造のチップ形固体電解コンデンサを提案している。
【0010】
図15(a)〜(d)は上記本発明者らが提案したチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図と正面断面図と底面断面図と底面図であり、図15において、31はコンデンサ素子を示し、このコンデンサ素子31は、表面を粗面化して誘電体酸化皮膜層が形成された弁作用金属からなる陽極体の所定の位置に図示しない絶縁部を設けて陽極電極部32と陰極形成部(図示せず)に分離し、この陰極形成部の誘電体酸化皮膜層上に導電性高分子からなる固体電解質層、カーボンと銀ペーストからなる陰極層(全て図示せず)を順次積層形成することにより陰極電極部33を形成して構成されたものである。
【0011】
34は上記コンデンサ素子31を複数枚積層したコンデンサ素子積層体であり、このコンデンサ素子積層体34はコンデンサ素子31の陽極電極部32が交互に相反する方向に配設されるように複数枚を積層することにより構成されたものである。
【0012】
35はコンデンサ素子積層体34の陽極電極部32を一体に接合した陽極コムフレーム、36は同じくコンデンサ素子積層体34の陰極電極部33を一体に接合した陰極コムフレームである。
【0013】
37は上記陽極コムフレーム35を上面に接合した陽極コム端子であり、この陽極コム端子37は幅方向の両端に夫々薄肉部37bが設けられ、この薄肉部37bを除く中央部分が実装時の陽極端子部37aとなるものである。
【0014】
38は上記陰極コムフレーム36を上面に接合した陰極コム端子であり、この陰極コム端子38は幅方向の中央部に薄肉部38bが設けられ、この薄肉部38bを除く両端部分が実装時の陰極端子部38aとなるものである。
【0015】
39は上記コンデンサ素子積層体34、陽極コムフレーム35、陰極コムフレーム36、陽極コム端子37、陰極コム端子38を一体に被覆した絶縁性の外装樹脂であり、上記陽極コム端子37、陰極コム端子38に夫々設けた薄肉部37b、38bも、この外装樹脂39により一体に被覆され、チップ形固体電解コンデンサの実装面となる下面には、陽極端子部37aと陰極端子部38aが夫々対向する2箇所に露呈した4端子構造を構成しているものである。
【0016】
このように構成されたチップ形固体電解コンデンサは、実装面となる下面に陽極端子部37aと陰極端子部38aが夫々対向する2箇所に露呈した4端子構造とした構成により、各端子間に流れる電流によって発生する磁束をお互いに打ち消し合い、ESLを大きく低減することができるようになり、更に各端子間距離を可能な限り近づけて電流のループ面積を小さくすることにより、更なる低ESL化を図ることが可能になるというものであり、ESLを従来品の522pHから98pHへと、約1/5以下にまで低減することができるというものである。
【0017】
しかしながらこのように構成されたチップ形固体電解コンデンサにおいても、ESLを大幅に低減してはいるものの、更なる低ESL化を図るのが極めて困難であるという課題を有したものであった。
【0018】
本発明はこのような従来の課題を解決し、更なる低ESL化を実現することが可能なチップ形固体電解コンデンサを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するために本発明は、平板状のコンデンサ素子を複数積層した素子ユニットと、この素子ユニットを陽極電極部を交互に相反する側に配置して積層したユニット積層体と、このユニット積層体の中央に位置する陰極電極部の下面に接合された陰極コム端子と、同じくユニット積層体の両端に位置する陽極電極部の下面に一対の端子部が夫々接合されると共に、この端子部どうしを板状のインダクタ部により連結した陽極端子と、この陽極端子の端子部どうしを結ぶ方向と交差する方向の陰極コム端子の下面両端に接合された一対の陰極端子と、上記陽極端子に設けられた一対の端子部ならびに陰極端子の下面が露呈する状態でこれらを一体に被覆した絶縁性の外装樹脂からなる構成にしたものである。
【発明の効果】
【0020】
以上のように本発明によるチップ形固体電解コンデンサは、陽極端子と陰極端子が実装面となる下面の対向する2箇所に夫々露呈した4端子構造とした構成により、各端子間に流れる電流によって発生する磁束をお互いに打ち消し合ってESLを大きく低減することができるようになり、更に陽極端子に設けた一対の端子部どうしを板状のインダクタ部で連結した構成により、π型フィルタを形成して更なる低ESL化を図ることができるようになるという効果が得られ、また、コンデンサ素子を積層した素子ユニットを用いることにより、組み立て工程の簡素化と組み立て精度の安定化を図ることができるという効果も得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1、6〜10に記載の発明について説明する。
【0022】
図1(a)〜(f)は本発明の実施の形態1によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図1において、1はコンデンサ素子を示し、このコンデンサ素子1は、表面を粗面化して誘電体酸化皮膜層が形成された弁作用金属からなる陽極体の所定の位置に図示しない絶縁部を設けて陽極電極部2と陰極形成部(図示せず)に分離し、この陰極形成部の誘電体酸化皮膜層上に導電性高分子からなる固体電解質層、カーボンと銀ペーストからなる陰極層(全て図示せず)を順次積層形成することにより陰極電極部3を形成して平板状に構成されたものである。
【0023】
4は上記コンデンサ素子1を複数枚積層した素子ユニットであり、この素子ユニット4はコンデンサ素子1を同一方向に揃えて複数枚(本実施の形態においては3枚)を積層することにより構成されたものであり、各陰極電極部3間は図示しない導電性銀ペーストにより接着され、各陽極電極部2は陽極コム端子5を陽極電極部2の外周に巻き付けて束ねるように結束し、この陽極コム端子5と陽極電極部2を抵抗溶接等の手段によって結合しているものである。なお、上記陽極コム端子5は必要不可欠な部材ではなく、陽極電極部2どうしを抵抗溶接等の手段によって直接結合しても構わないものである。
【0024】
6a、6bは上記素子ユニット4を陽極電極部2が交互に相反する方向に配置されるようにして複数段(本実施の形態においては2段)積層することによりユニット積層体を形成した状態で陽極電極部2を結束した陽極コム端子5と、後述する陽極端子とを接合するためのスペーサであり、これらの接合は抵抗溶接等の手段によって行われるものである。なお、上記スペーサ6a、6bは必要不可欠な部材ではなく、陽極電極部2または陽極コム端子5と陽極端子とを、抵抗溶接等の手段によって直接結合しても構わないものである。
【0025】
7は陰極コム端子であり、この陰極コム端子7は上記ユニット積層体の中央に位置する陰極電極部3の下面に図示しない導電性銀ペーストを介して接合されたものである。7aはこの陰極コム端子7の両端に夫々設けられたガイド壁であり、このガイド壁7aの内面と上記陰極電極部3とを導電性銀ペーストを介して電気的に接続することにより、ESLを更に低減するようにしているものである。
【0026】
8は陽極端子であり、この陽極端子8は上記スペーサ6a、6bの下面に夫々接合される一対の端子部8aを有すると共に、この端子部8aどうしを板状のインダクタ部8bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子8の一部を上面視、後述する外装樹脂から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部8cを設けて構成されたものである。また、上記端子部8aの両端は上方への段差が設けられているものである。
【0027】
9は一対の陰極端子であり、この陰極端子9は上記陰極コム端子7の下面の両端に夫々接合され、かつ、この陰極端子9の一部を上面視、後述する外装樹脂から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部9aを設けて構成されたものである。
【0028】
10は絶縁性の外装樹脂であり、この外装樹脂10は上記素子ユニット4、陽極コム端子5、スペーサ6a、6b、陰極コム端子7、陽極端子8の一部、陰極端子9の一部を一体に被覆することにより、実装面となる下面には陽極端子8の端子部8aと陰極端子9が夫々対向する2箇所に露呈した4端子構造を構成しており、上記陽極端子8に設けたインダクタ部8bはこの外装樹脂10に被覆されて外観には表出しないようにしているものである。
【0029】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、コンデンサ素子1を複数枚積層して素子ユニット4とすることにより、作業性と組み立て精度の向上を図り、さらにこの素子ユニット4を陽極電極部2が交互に相反する方向に配置されるように複数段積層し、実装面となる下面に陽極端子8と陰極端子9が夫々対向する2箇所に露呈した4端子構造とした構成により、各端子間に流れる電流によって発生する磁束をお互いに打ち消し合ってESLを大きく低減することができるようになり、更に陽極端子8に設けた一対の端子部8aどうしを板状のインダクタ部8bで連結した構成により、π型フィルタを構成して更なる低ESL化を図ることができるようになるという格別の効果を奏するものである。
【0030】
また、上記陽極端子8ならびに陰極端子9の一部に、外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部8c、9aを設けた構成により、半田付け作業時に半田フィレットが形成され易くなるばかりでなく、半田付け状態を上面から確認できるようになるという効果が得られ、信頼性の高い半田付け作業を行うことが可能になるものである。
【0031】
なお、本実施の形態においては、コンデンサ素子1を3枚積層して素子ユニット4を構成した例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、コンデンサ素子1の積層枚数は要望される仕様や作業性等に応じて適宜決定すれば良いものである。また、上記素子ユニット4の積層段数は奇数でも構わないが、積層段数を偶数にすることによって各コンデンサ素子1に流れる電流によって発生する磁束をお互いに打ち消し合うことができるため、より好ましいと言えるものである。
【0032】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項2に記載の発明について説明する。
【0033】
本実施の形態は、上記実施の形態1で図1を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陽極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態1と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0034】
図2(a)〜(f)は本発明の実施の形態2によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図2において、11は陽極端子であり、この陽極端子11は上記実施の形態1で図1を用いて説明した陽極端子8と同様に、陽極コム端子5の下面に夫々接合される一対の端子部11aを有すると共に、この端子部11aどうしを板状のインダクタ部11bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子11の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部11cを設けた構成にしているのは同じであるが、上記端子部11aどうしを連結したインダクタ部11bが実装面となる下面に露呈するようにした点が上記実施の形態1と異なるものである。
【0035】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態1によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、端子部11aどうしを連結したインダクタ部11bを表出させた構成により、放熱性を高めることができるようになるという格別の効果を奏するものである。
【0036】
(実施の形態3)
以下、実施の形態3を用いて、本発明の特に請求項3に記載の発明について説明する。
【0037】
本実施の形態は、上記実施の形態1で図1を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陽極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態1と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0038】
図3(a)〜(f)は本発明の実施の形態3によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図3において、12は陽極端子であり、この陽極端子12は上記実施の形態1で図1を用いて説明した陽極端子8と同様に、陽極コム端子5の下面に夫々接合される一対の端子部12aを有すると共に、この端子部12aどうしを板状のインダクタ部12bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子12の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部12cを設けた構成にしているのは同じであるが、上記端子部12aどうしを連結したインダクタ部12bを蛇腹状に形成した点が上記実施の形態1と異なるものである。
【0039】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態1によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、端子部12aどうしを連結したインダクタ部12bを蛇腹状に形成することにより、インダクタ部12bのインダクタンス値を変化させる自由度が増大するために、ESLの制御を容易に行うことが可能になるという格別の効果を奏するものである。
【0040】
(実施の形態4)
以下、実施の形態4を用いて、本発明の特に請求項2、3に記載の発明について説明する。
【0041】
本実施の形態は、上記実施の形態3で図3を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陽極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態3と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0042】
図4(a)〜(f)は本発明の実施の形態4によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図4において、13は陽極端子であり、この陽極端子13は上記実施の形態3で図3を用いて説明した陽極端子12と同様に、陽極コム端子5の下面に夫々接合される一対の端子部13aを有すると共に、この端子部13aどうしを蛇腹状のインダクタ部13bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子13の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部13cを設けた構成にしているのは同じであるが、上記端子部13aどうしを連結した蛇腹状のインダクタ部13bが実装面となる下面に露呈するようにした点が上記実施の形態3と異なるものである。
【0043】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態3によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、端子部13aどうしを連結したインダクタ部13bを表出させた構成により、放熱性を高めることができるようになるという格別の効果を奏するものである。
【0044】
(実施の形態5)
以下、実施の形態5を用いて、本発明の特に請求項4に記載の発明について説明する。
【0045】
本実施の形態は、上記実施の形態1で図1を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陰極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態1と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0046】
図5(a)〜(f)は本発明の実施の形態5によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図5において、14は陰極端子であり、この陰極端子14は陰極コム端子7の下面の両端に夫々接合される一対の端子部14aを両端に設け、かつ、この陰極端子14の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部14bを設けた一体品として構成した点が上記実施の形態1と異なるものである。
【0047】
なお、外装樹脂10で被覆した状態では、上記実施の形態1と同様に、実装面となる下面に上記一対の端子部14aが対向する2箇所に露呈した状態になるものである。
【0048】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態1によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、部品点数と組み立て工数の削減により、コスト低減を図ることができるという格別の効果を奏するものである。
【0049】
(実施の形態6)
以下、実施の形態6を用いて、本発明の特に請求項2、4に記載の発明について説明する。
【0050】
本実施の形態は、上記実施の形態5で図5を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陽極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態5と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0051】
図6(a)〜(f)は本発明の実施の形態6によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図6において、11は陽極端子であり、この陽極端子11は上記実施の形態2で図2を用いて説明した陽極端子11と同じものであり、陽極コム端子5の下面に夫々接合される一対の端子部11aを有すると共に、この端子部11aどうしを板状のインダクタ部11bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子11の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部11cを設けた構成とし、かつ、上記端子部11aどうしを連結したインダクタ部11bが実装面となる下面に露呈するようにしたものである。
【0052】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態5によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、端子部11aどうしを連結したインダクタ部11bを表出させた構成により、放熱性を高めることができるようになるという格別の効果を奏するものである。
【0053】
(実施の形態7)
以下、実施の形態7を用いて、本発明の特に請求項3、4に記載の発明について説明する。
【0054】
本実施の形態は、上記実施の形態5で図5を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陽極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態5と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0055】
図7(a)〜(f)は本発明の実施の形態7によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図7において、12は陽極端子であり、この陽極端子12は上記実施の形態3で図3を用いて説明した陽極端子12と同じものであり、陽極コム端子5の下面に夫々接合される一対の端子部12aを有すると共に、この端子部12aどうしを蛇腹状のインダクタ部12bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子12の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部12cを設けた構成としたものである。
【0056】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態5によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、端子部12aどうしを連結したインダクタ部12bを蛇腹状に形成することにより、インダクタ部12bのインダクタンス値を変化させる自由度が増大するために、ESLの制御を容易に行うことが可能になるという格別の効果を奏するものである。
【0057】
(実施の形態8)
以下、実施の形態8を用いて、本発明の特に請求項2〜4に記載の発明について説明する。
【0058】
本実施の形態は、上記実施の形態7で図7を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陽極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態7と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0059】
図8(a)〜(f)は本発明の実施の形態8によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図8において、13は陽極端子であり、この陽極端子13は上記実施の形態4で図4を用いて説明した陽極端子13と同じものであり、陽極コム端子5の下面に接合される一対の端子部13aを有すると共に、この端子部13aどうしを蛇腹状のインダクタ部13bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子13の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部13cを設けた構成とし、かつ、上記端子部13aどうしを連結したインダクタ部13bが実装面となる下面に露呈するようにしたものである。
【0060】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態7によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、端子部13aどうしを連結したインダクタ部13bを表出させた構成により、放熱性を高めることができるようになるという格別の効果を奏するものである。
【0061】
(実施の形態9)
以下、実施の形態9を用いて、本発明の特に請求項5に記載の発明について説明する。
【0062】
本実施の形態は、上記実施の形態1で図1を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陰極コム端子を無くし、素子ユニットの陰極電極部の下面に陰極端子を直接接合するようにした点が異なるものであり、これ以外の構成は実施の形態1と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0063】
図9(a)〜(f)は本発明の実施の形態9によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図9において、15は一対の陰極端子であり、この陰極端子15は素子ユニット4の中央に位置する陰極電極部3の下面の両端に夫々直接接合され、かつ、この陰極端子15の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部15aを設けて構成されたものである。
【0064】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態1によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、部品点数と組み立て工数の削減により、コスト低減を図ることができるという格別の効果を奏するものである。
【0065】
(実施の形態10)
以下、実施の形態10を用いて、本発明の特に請求項2、5に記載の発明について説明する。
【0066】
本実施の形態は、上記実施の形態9で図9を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陽極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態9と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0067】
図10(a)〜(f)は本発明の実施の形態10によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図10において、11は陽極端子であり、この陽極端子11は上記実施の形態2で図2を用いて説明した陽極端子11と同じものであり、陽極コム端子5の下面に夫々接合される一対の端子部11aを有すると共に、この端子部11aどうしを板状のインダクタ部11bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子11の一部を上面視、外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部11cを設けた構成とし、かつ、上記端子部11aどうしを連結したインダクタ部11bが実装面となる下面に露呈するようにしたものである。
【0068】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態9によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、端子部11aどうしを連結したインダクタ部11bを表出させた構成により、放熱性を高めることができるようになるという格別の効果を奏するものである。
【0069】
(実施の形態11)
以下、実施の形態11を用いて、本発明の特に請求項3、5に記載の発明について説明する。
【0070】
本実施の形態は、上記実施の形態9で図9を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陽極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態9と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0071】
図11(a)〜(f)は本発明の実施の形態11によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図11において、12は陽極端子であり、この陽極端子12は上記実施の形態3で図3を用いて説明した陽極端子12と同じものであり、陽極コム端子5の下面に夫々接合される一対の端子部12aを有すると共に、この端子部12aどうしを蛇腹状のインダクタ部12bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子12の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部12cを設けた構成としたものである。
【0072】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態9によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、端子部12aどうしを連結したインダクタ部12bを蛇腹状に形成することにより、インダクタ部12bのインダクタンス値を変化させる自由度が増大するために、ESLの制御を容易に行うことが可能になるという格別の効果を奏するものである。
【0073】
(実施の形態12)
以下、実施の形態12を用いて、本発明の特に請求項2、3、5に記載の発明について説明する。
【0074】
本実施の形態は、上記実施の形態11で図11を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陽極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態11と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0075】
図12(a)〜(f)は本発明の実施の形態12によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図12において、13は陽極端子であり、この陽極端子13は上記実施の形態4で図4を用いて説明した陽極端子13と同じものであり、陽極コム端子5の下面に夫々接合される一対の端子部13aを有すると共に、この端子部13aどうしを蛇腹状のインダクタ部13bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子13の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部13cを設けた構成とし、かつ、上記端子部13aどうしを連結したインダクタ部13bが実装面となる下面に露呈するようにしたものである。
【0076】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態11によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、端子部13aどうしを連結したインダクタ部13bを表出させた構成により、放熱性を高めることができるようになるという格別の効果を奏するものである。
【0077】
以上のように構成された本発明の実施の形態1〜12によるチップ形固体電解コンデンサのESL特性を測定した結果を比較例としての従来品と共に(表1)に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
(表1)から明らかなように、本発明によるチップ形固体電解コンデンサは、ESLを従来品の1/5以下にまで低減することができ、かつ、そのバラツキも小さいことから、高周波対応に対する昨今の高い要求にも十分に対応することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明によるチップ形固体電解コンデンサは、ESLを大きく低減することができるという効果を有し、特に高周波応答性が要求される分野等のコンデンサとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】(a)本発明の実施の形態1によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図2】(a)本発明の実施の形態2によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図3】(a)本発明の実施の形態3によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図4】(a)本発明の実施の形態4によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図5】(a)本発明の実施の形態5によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図6】(a)本発明の実施の形態6によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図7】(a)本発明の実施の形態7によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図8】(a)本発明の実施の形態8によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図9】(a)本発明の実施の形態9によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図10】(a)本発明の実施の形態10によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図11】(a)本発明の実施の形態11によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図12】(a)本発明の実施の形態12によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図13】従来のチップ形固体電解コンデンサの構成を示した斜視図
【図14】同チップ形固体電解コンデンサの内部構造を示した斜視図
【図15】(a)従来の他のチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同底面断面図、(d)同底面図
【符号の説明】
【0082】
1 コンデンサ素子
2 陽極電極部
3 陰極電極部
4 素子ユニット
5 陽極コム端子
6a、6b スペーサ
7 陰極コム端子
7a ガイド壁
8、11、12、13 陽極端子
8a、11a、12a、13a、14a 端子部
8b、11b、12b、13b インダクタ部
8c、9a、11c、12c、13c、14b、15a 折り曲げ部
9、14、15 陰極端子
10 外装樹脂
【技術分野】
【0001】
本発明は各種電子機器に使用されるコンデンサの中で、特に、導電性高分子を固体電解質に用い、かつ、面実装対応にしたチップ形固体電解コンデンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器の高周波化に伴って電子部品の一つであるコンデンサにも従来よりも高周波領域でのインピーダンス特性に優れたコンデンサが求められてきており、このような要求に応えるために電気伝導度が高い導電性高分子を固体電解質に用いた固体電解コンデンサが種々検討されている。
【0003】
また、近年、パーソナルコンピュータのCPU周り等に使用される固体電解コンデンサには小型大容量化が強く望まれており、更に高周波化に対応して低ESR(等価直列抵抗)化のみならず、ノイズ除去や過渡応答性に優れた低ESL(等価直列インダクタンス)化が強く要求されており、このような要求に応えるために種々の検討がなされている。
【0004】
図13はこの種の従来のチップ形固体電解コンデンサの構成を示した斜視図、図14は同チップ形固体電解コンデンサの内部構造を示した斜視図であり、図13と図14において、20は導電性高分子を固体電解質に用いた固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子、21はこのコンデンサ素子20の陽極部、22は同陰極部、23は同絶縁部であり、このように構成された2枚のコンデンサ素子20を互いに反対方向に重ねて配設したものである。
【0005】
24は上記コンデンサ素子20の陽極部21に一端が接続された陽極リード端子、25は同じくコンデンサ素子20の陰極部22が接続された陰極リード端子、26はこれらをモールドした外装樹脂であり、これにより固体電解コンデンサが形成され、この固体電解コンデンサの側面と底面に陽極リード端子24と陰極リード端子25が夫々対向して表出し、4端子構造のチップ形固体電解コンデンサを構成するようにしたものである。
【0006】
このように構成された従来のチップ形固体電解コンデンサは、高周波特性ならびにノイズ吸収性に優れ、低ESL化を実現できるというものであった。
【0007】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開平6−120088号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら上記従来のチップ形固体電解コンデンサでは、1枚のコンデンサ素子または複数枚のコンデンサ素子を積層して外装樹脂でモールドし、陽極/陰極端子を引き出した、一般的な2端子構造のものと比べると、高周波特性に優れ、かつ低ESL化も実現してはいるものの、この構造においてはESLを500pH程度に抑え込むのが限界であり、昨今の市場において加速する要求である200pH以下というレベルに対してはまだまだ不十分であり、更なる低ESL化が必要であるという課題があった。
【0009】
従って、本発明者らは、このような更なる低ESL化を実現するために、特願2006−26812号にて、図15(a)〜(d)に示すような構造のチップ形固体電解コンデンサを提案している。
【0010】
図15(a)〜(d)は上記本発明者らが提案したチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図と正面断面図と底面断面図と底面図であり、図15において、31はコンデンサ素子を示し、このコンデンサ素子31は、表面を粗面化して誘電体酸化皮膜層が形成された弁作用金属からなる陽極体の所定の位置に図示しない絶縁部を設けて陽極電極部32と陰極形成部(図示せず)に分離し、この陰極形成部の誘電体酸化皮膜層上に導電性高分子からなる固体電解質層、カーボンと銀ペーストからなる陰極層(全て図示せず)を順次積層形成することにより陰極電極部33を形成して構成されたものである。
【0011】
34は上記コンデンサ素子31を複数枚積層したコンデンサ素子積層体であり、このコンデンサ素子積層体34はコンデンサ素子31の陽極電極部32が交互に相反する方向に配設されるように複数枚を積層することにより構成されたものである。
【0012】
35はコンデンサ素子積層体34の陽極電極部32を一体に接合した陽極コムフレーム、36は同じくコンデンサ素子積層体34の陰極電極部33を一体に接合した陰極コムフレームである。
【0013】
37は上記陽極コムフレーム35を上面に接合した陽極コム端子であり、この陽極コム端子37は幅方向の両端に夫々薄肉部37bが設けられ、この薄肉部37bを除く中央部分が実装時の陽極端子部37aとなるものである。
【0014】
38は上記陰極コムフレーム36を上面に接合した陰極コム端子であり、この陰極コム端子38は幅方向の中央部に薄肉部38bが設けられ、この薄肉部38bを除く両端部分が実装時の陰極端子部38aとなるものである。
【0015】
39は上記コンデンサ素子積層体34、陽極コムフレーム35、陰極コムフレーム36、陽極コム端子37、陰極コム端子38を一体に被覆した絶縁性の外装樹脂であり、上記陽極コム端子37、陰極コム端子38に夫々設けた薄肉部37b、38bも、この外装樹脂39により一体に被覆され、チップ形固体電解コンデンサの実装面となる下面には、陽極端子部37aと陰極端子部38aが夫々対向する2箇所に露呈した4端子構造を構成しているものである。
【0016】
このように構成されたチップ形固体電解コンデンサは、実装面となる下面に陽極端子部37aと陰極端子部38aが夫々対向する2箇所に露呈した4端子構造とした構成により、各端子間に流れる電流によって発生する磁束をお互いに打ち消し合い、ESLを大きく低減することができるようになり、更に各端子間距離を可能な限り近づけて電流のループ面積を小さくすることにより、更なる低ESL化を図ることが可能になるというものであり、ESLを従来品の522pHから98pHへと、約1/5以下にまで低減することができるというものである。
【0017】
しかしながらこのように構成されたチップ形固体電解コンデンサにおいても、ESLを大幅に低減してはいるものの、更なる低ESL化を図るのが極めて困難であるという課題を有したものであった。
【0018】
本発明はこのような従来の課題を解決し、更なる低ESL化を実現することが可能なチップ形固体電解コンデンサを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するために本発明は、平板状のコンデンサ素子を複数積層した素子ユニットと、この素子ユニットを陽極電極部を交互に相反する側に配置して積層したユニット積層体と、このユニット積層体の中央に位置する陰極電極部の下面に接合された陰極コム端子と、同じくユニット積層体の両端に位置する陽極電極部の下面に一対の端子部が夫々接合されると共に、この端子部どうしを板状のインダクタ部により連結した陽極端子と、この陽極端子の端子部どうしを結ぶ方向と交差する方向の陰極コム端子の下面両端に接合された一対の陰極端子と、上記陽極端子に設けられた一対の端子部ならびに陰極端子の下面が露呈する状態でこれらを一体に被覆した絶縁性の外装樹脂からなる構成にしたものである。
【発明の効果】
【0020】
以上のように本発明によるチップ形固体電解コンデンサは、陽極端子と陰極端子が実装面となる下面の対向する2箇所に夫々露呈した4端子構造とした構成により、各端子間に流れる電流によって発生する磁束をお互いに打ち消し合ってESLを大きく低減することができるようになり、更に陽極端子に設けた一対の端子部どうしを板状のインダクタ部で連結した構成により、π型フィルタを形成して更なる低ESL化を図ることができるようになるという効果が得られ、また、コンデンサ素子を積層した素子ユニットを用いることにより、組み立て工程の簡素化と組み立て精度の安定化を図ることができるという効果も得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1、6〜10に記載の発明について説明する。
【0022】
図1(a)〜(f)は本発明の実施の形態1によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図1において、1はコンデンサ素子を示し、このコンデンサ素子1は、表面を粗面化して誘電体酸化皮膜層が形成された弁作用金属からなる陽極体の所定の位置に図示しない絶縁部を設けて陽極電極部2と陰極形成部(図示せず)に分離し、この陰極形成部の誘電体酸化皮膜層上に導電性高分子からなる固体電解質層、カーボンと銀ペーストからなる陰極層(全て図示せず)を順次積層形成することにより陰極電極部3を形成して平板状に構成されたものである。
【0023】
4は上記コンデンサ素子1を複数枚積層した素子ユニットであり、この素子ユニット4はコンデンサ素子1を同一方向に揃えて複数枚(本実施の形態においては3枚)を積層することにより構成されたものであり、各陰極電極部3間は図示しない導電性銀ペーストにより接着され、各陽極電極部2は陽極コム端子5を陽極電極部2の外周に巻き付けて束ねるように結束し、この陽極コム端子5と陽極電極部2を抵抗溶接等の手段によって結合しているものである。なお、上記陽極コム端子5は必要不可欠な部材ではなく、陽極電極部2どうしを抵抗溶接等の手段によって直接結合しても構わないものである。
【0024】
6a、6bは上記素子ユニット4を陽極電極部2が交互に相反する方向に配置されるようにして複数段(本実施の形態においては2段)積層することによりユニット積層体を形成した状態で陽極電極部2を結束した陽極コム端子5と、後述する陽極端子とを接合するためのスペーサであり、これらの接合は抵抗溶接等の手段によって行われるものである。なお、上記スペーサ6a、6bは必要不可欠な部材ではなく、陽極電極部2または陽極コム端子5と陽極端子とを、抵抗溶接等の手段によって直接結合しても構わないものである。
【0025】
7は陰極コム端子であり、この陰極コム端子7は上記ユニット積層体の中央に位置する陰極電極部3の下面に図示しない導電性銀ペーストを介して接合されたものである。7aはこの陰極コム端子7の両端に夫々設けられたガイド壁であり、このガイド壁7aの内面と上記陰極電極部3とを導電性銀ペーストを介して電気的に接続することにより、ESLを更に低減するようにしているものである。
【0026】
8は陽極端子であり、この陽極端子8は上記スペーサ6a、6bの下面に夫々接合される一対の端子部8aを有すると共に、この端子部8aどうしを板状のインダクタ部8bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子8の一部を上面視、後述する外装樹脂から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部8cを設けて構成されたものである。また、上記端子部8aの両端は上方への段差が設けられているものである。
【0027】
9は一対の陰極端子であり、この陰極端子9は上記陰極コム端子7の下面の両端に夫々接合され、かつ、この陰極端子9の一部を上面視、後述する外装樹脂から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部9aを設けて構成されたものである。
【0028】
10は絶縁性の外装樹脂であり、この外装樹脂10は上記素子ユニット4、陽極コム端子5、スペーサ6a、6b、陰極コム端子7、陽極端子8の一部、陰極端子9の一部を一体に被覆することにより、実装面となる下面には陽極端子8の端子部8aと陰極端子9が夫々対向する2箇所に露呈した4端子構造を構成しており、上記陽極端子8に設けたインダクタ部8bはこの外装樹脂10に被覆されて外観には表出しないようにしているものである。
【0029】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、コンデンサ素子1を複数枚積層して素子ユニット4とすることにより、作業性と組み立て精度の向上を図り、さらにこの素子ユニット4を陽極電極部2が交互に相反する方向に配置されるように複数段積層し、実装面となる下面に陽極端子8と陰極端子9が夫々対向する2箇所に露呈した4端子構造とした構成により、各端子間に流れる電流によって発生する磁束をお互いに打ち消し合ってESLを大きく低減することができるようになり、更に陽極端子8に設けた一対の端子部8aどうしを板状のインダクタ部8bで連結した構成により、π型フィルタを構成して更なる低ESL化を図ることができるようになるという格別の効果を奏するものである。
【0030】
また、上記陽極端子8ならびに陰極端子9の一部に、外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部8c、9aを設けた構成により、半田付け作業時に半田フィレットが形成され易くなるばかりでなく、半田付け状態を上面から確認できるようになるという効果が得られ、信頼性の高い半田付け作業を行うことが可能になるものである。
【0031】
なお、本実施の形態においては、コンデンサ素子1を3枚積層して素子ユニット4を構成した例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、コンデンサ素子1の積層枚数は要望される仕様や作業性等に応じて適宜決定すれば良いものである。また、上記素子ユニット4の積層段数は奇数でも構わないが、積層段数を偶数にすることによって各コンデンサ素子1に流れる電流によって発生する磁束をお互いに打ち消し合うことができるため、より好ましいと言えるものである。
【0032】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項2に記載の発明について説明する。
【0033】
本実施の形態は、上記実施の形態1で図1を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陽極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態1と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0034】
図2(a)〜(f)は本発明の実施の形態2によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図2において、11は陽極端子であり、この陽極端子11は上記実施の形態1で図1を用いて説明した陽極端子8と同様に、陽極コム端子5の下面に夫々接合される一対の端子部11aを有すると共に、この端子部11aどうしを板状のインダクタ部11bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子11の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部11cを設けた構成にしているのは同じであるが、上記端子部11aどうしを連結したインダクタ部11bが実装面となる下面に露呈するようにした点が上記実施の形態1と異なるものである。
【0035】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態1によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、端子部11aどうしを連結したインダクタ部11bを表出させた構成により、放熱性を高めることができるようになるという格別の効果を奏するものである。
【0036】
(実施の形態3)
以下、実施の形態3を用いて、本発明の特に請求項3に記載の発明について説明する。
【0037】
本実施の形態は、上記実施の形態1で図1を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陽極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態1と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0038】
図3(a)〜(f)は本発明の実施の形態3によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図3において、12は陽極端子であり、この陽極端子12は上記実施の形態1で図1を用いて説明した陽極端子8と同様に、陽極コム端子5の下面に夫々接合される一対の端子部12aを有すると共に、この端子部12aどうしを板状のインダクタ部12bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子12の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部12cを設けた構成にしているのは同じであるが、上記端子部12aどうしを連結したインダクタ部12bを蛇腹状に形成した点が上記実施の形態1と異なるものである。
【0039】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態1によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、端子部12aどうしを連結したインダクタ部12bを蛇腹状に形成することにより、インダクタ部12bのインダクタンス値を変化させる自由度が増大するために、ESLの制御を容易に行うことが可能になるという格別の効果を奏するものである。
【0040】
(実施の形態4)
以下、実施の形態4を用いて、本発明の特に請求項2、3に記載の発明について説明する。
【0041】
本実施の形態は、上記実施の形態3で図3を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陽極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態3と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0042】
図4(a)〜(f)は本発明の実施の形態4によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図4において、13は陽極端子であり、この陽極端子13は上記実施の形態3で図3を用いて説明した陽極端子12と同様に、陽極コム端子5の下面に夫々接合される一対の端子部13aを有すると共に、この端子部13aどうしを蛇腹状のインダクタ部13bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子13の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部13cを設けた構成にしているのは同じであるが、上記端子部13aどうしを連結した蛇腹状のインダクタ部13bが実装面となる下面に露呈するようにした点が上記実施の形態3と異なるものである。
【0043】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態3によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、端子部13aどうしを連結したインダクタ部13bを表出させた構成により、放熱性を高めることができるようになるという格別の効果を奏するものである。
【0044】
(実施の形態5)
以下、実施の形態5を用いて、本発明の特に請求項4に記載の発明について説明する。
【0045】
本実施の形態は、上記実施の形態1で図1を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陰極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態1と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0046】
図5(a)〜(f)は本発明の実施の形態5によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図5において、14は陰極端子であり、この陰極端子14は陰極コム端子7の下面の両端に夫々接合される一対の端子部14aを両端に設け、かつ、この陰極端子14の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部14bを設けた一体品として構成した点が上記実施の形態1と異なるものである。
【0047】
なお、外装樹脂10で被覆した状態では、上記実施の形態1と同様に、実装面となる下面に上記一対の端子部14aが対向する2箇所に露呈した状態になるものである。
【0048】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態1によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、部品点数と組み立て工数の削減により、コスト低減を図ることができるという格別の効果を奏するものである。
【0049】
(実施の形態6)
以下、実施の形態6を用いて、本発明の特に請求項2、4に記載の発明について説明する。
【0050】
本実施の形態は、上記実施の形態5で図5を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陽極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態5と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0051】
図6(a)〜(f)は本発明の実施の形態6によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図6において、11は陽極端子であり、この陽極端子11は上記実施の形態2で図2を用いて説明した陽極端子11と同じものであり、陽極コム端子5の下面に夫々接合される一対の端子部11aを有すると共に、この端子部11aどうしを板状のインダクタ部11bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子11の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部11cを設けた構成とし、かつ、上記端子部11aどうしを連結したインダクタ部11bが実装面となる下面に露呈するようにしたものである。
【0052】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態5によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、端子部11aどうしを連結したインダクタ部11bを表出させた構成により、放熱性を高めることができるようになるという格別の効果を奏するものである。
【0053】
(実施の形態7)
以下、実施の形態7を用いて、本発明の特に請求項3、4に記載の発明について説明する。
【0054】
本実施の形態は、上記実施の形態5で図5を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陽極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態5と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0055】
図7(a)〜(f)は本発明の実施の形態7によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図7において、12は陽極端子であり、この陽極端子12は上記実施の形態3で図3を用いて説明した陽極端子12と同じものであり、陽極コム端子5の下面に夫々接合される一対の端子部12aを有すると共に、この端子部12aどうしを蛇腹状のインダクタ部12bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子12の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部12cを設けた構成としたものである。
【0056】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態5によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、端子部12aどうしを連結したインダクタ部12bを蛇腹状に形成することにより、インダクタ部12bのインダクタンス値を変化させる自由度が増大するために、ESLの制御を容易に行うことが可能になるという格別の効果を奏するものである。
【0057】
(実施の形態8)
以下、実施の形態8を用いて、本発明の特に請求項2〜4に記載の発明について説明する。
【0058】
本実施の形態は、上記実施の形態7で図7を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陽極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態7と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0059】
図8(a)〜(f)は本発明の実施の形態8によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図8において、13は陽極端子であり、この陽極端子13は上記実施の形態4で図4を用いて説明した陽極端子13と同じものであり、陽極コム端子5の下面に接合される一対の端子部13aを有すると共に、この端子部13aどうしを蛇腹状のインダクタ部13bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子13の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部13cを設けた構成とし、かつ、上記端子部13aどうしを連結したインダクタ部13bが実装面となる下面に露呈するようにしたものである。
【0060】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態7によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、端子部13aどうしを連結したインダクタ部13bを表出させた構成により、放熱性を高めることができるようになるという格別の効果を奏するものである。
【0061】
(実施の形態9)
以下、実施の形態9を用いて、本発明の特に請求項5に記載の発明について説明する。
【0062】
本実施の形態は、上記実施の形態1で図1を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陰極コム端子を無くし、素子ユニットの陰極電極部の下面に陰極端子を直接接合するようにした点が異なるものであり、これ以外の構成は実施の形態1と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0063】
図9(a)〜(f)は本発明の実施の形態9によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図9において、15は一対の陰極端子であり、この陰極端子15は素子ユニット4の中央に位置する陰極電極部3の下面の両端に夫々直接接合され、かつ、この陰極端子15の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部15aを設けて構成されたものである。
【0064】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態1によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、部品点数と組み立て工数の削減により、コスト低減を図ることができるという格別の効果を奏するものである。
【0065】
(実施の形態10)
以下、実施の形態10を用いて、本発明の特に請求項2、5に記載の発明について説明する。
【0066】
本実施の形態は、上記実施の形態9で図9を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陽極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態9と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0067】
図10(a)〜(f)は本発明の実施の形態10によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図10において、11は陽極端子であり、この陽極端子11は上記実施の形態2で図2を用いて説明した陽極端子11と同じものであり、陽極コム端子5の下面に夫々接合される一対の端子部11aを有すると共に、この端子部11aどうしを板状のインダクタ部11bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子11の一部を上面視、外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部11cを設けた構成とし、かつ、上記端子部11aどうしを連結したインダクタ部11bが実装面となる下面に露呈するようにしたものである。
【0068】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態9によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、端子部11aどうしを連結したインダクタ部11bを表出させた構成により、放熱性を高めることができるようになるという格別の効果を奏するものである。
【0069】
(実施の形態11)
以下、実施の形態11を用いて、本発明の特に請求項3、5に記載の発明について説明する。
【0070】
本実施の形態は、上記実施の形態9で図9を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陽極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態9と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0071】
図11(a)〜(f)は本発明の実施の形態11によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図11において、12は陽極端子であり、この陽極端子12は上記実施の形態3で図3を用いて説明した陽極端子12と同じものであり、陽極コム端子5の下面に夫々接合される一対の端子部12aを有すると共に、この端子部12aどうしを蛇腹状のインダクタ部12bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子12の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部12cを設けた構成としたものである。
【0072】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態9によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、端子部12aどうしを連結したインダクタ部12bを蛇腹状に形成することにより、インダクタ部12bのインダクタンス値を変化させる自由度が増大するために、ESLの制御を容易に行うことが可能になるという格別の効果を奏するものである。
【0073】
(実施の形態12)
以下、実施の形態12を用いて、本発明の特に請求項2、3、5に記載の発明について説明する。
【0074】
本実施の形態は、上記実施の形態11で図11を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの陽極端子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態11と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0075】
図12(a)〜(f)は本発明の実施の形態12によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、正面断面図、左側面断面図、右側面断面図、底面断面図、底面図であり、図12において、13は陽極端子であり、この陽極端子13は上記実施の形態4で図4を用いて説明した陽極端子13と同じものであり、陽極コム端子5の下面に夫々接合される一対の端子部13aを有すると共に、この端子部13aどうしを蛇腹状のインダクタ部13bにより連結することによって一体化され、かつ、この陽極端子13の一部を上面視、外装樹脂10から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂10の側面に沿って上方へ折り曲げた折り曲げ部13cを設けた構成とし、かつ、上記端子部13aどうしを連結したインダクタ部13bが実装面となる下面に露呈するようにしたものである。
【0076】
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、上記実施の形態11によるチップ形固体電解コンデンサにより得られる効果に加え、端子部13aどうしを連結したインダクタ部13bを表出させた構成により、放熱性を高めることができるようになるという格別の効果を奏するものである。
【0077】
以上のように構成された本発明の実施の形態1〜12によるチップ形固体電解コンデンサのESL特性を測定した結果を比較例としての従来品と共に(表1)に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
(表1)から明らかなように、本発明によるチップ形固体電解コンデンサは、ESLを従来品の1/5以下にまで低減することができ、かつ、そのバラツキも小さいことから、高周波対応に対する昨今の高い要求にも十分に対応することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明によるチップ形固体電解コンデンサは、ESLを大きく低減することができるという効果を有し、特に高周波応答性が要求される分野等のコンデンサとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】(a)本発明の実施の形態1によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図2】(a)本発明の実施の形態2によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図3】(a)本発明の実施の形態3によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図4】(a)本発明の実施の形態4によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図5】(a)本発明の実施の形態5によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図6】(a)本発明の実施の形態6によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図7】(a)本発明の実施の形態7によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図8】(a)本発明の実施の形態8によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図9】(a)本発明の実施の形態9によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図10】(a)本発明の実施の形態10によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図11】(a)本発明の実施の形態11によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図12】(a)本発明の実施の形態12によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同左側面断面図、(d)同右側面断面図、(e)同底面断面図、(f)同底面図
【図13】従来のチップ形固体電解コンデンサの構成を示した斜視図
【図14】同チップ形固体電解コンデンサの内部構造を示した斜視図
【図15】(a)従来の他のチップ形固体電解コンデンサの構成を示した平面断面図、(b)同正面断面図、(c)同底面断面図、(d)同底面図
【符号の説明】
【0082】
1 コンデンサ素子
2 陽極電極部
3 陰極電極部
4 素子ユニット
5 陽極コム端子
6a、6b スペーサ
7 陰極コム端子
7a ガイド壁
8、11、12、13 陽極端子
8a、11a、12a、13a、14a 端子部
8b、11b、12b、13b インダクタ部
8c、9a、11c、12c、13c、14b、15a 折り曲げ部
9、14、15 陰極端子
10 外装樹脂
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極電極部と陰極電極部を有した平板状のコンデンサ素子を同方向に複数積層した素子ユニットと、この素子ユニットを陽極電極部を交互に相反する側に配置して偶数単位で積層したユニット積層体と、このユニット積層体の中央に位置する陰極電極部の下面に接合された陰極コム端子と、同じくユニット積層体の両端に位置する陽極電極部の下面に一対の端子部が夫々接合されると共に、この端子部どうしを板状のインダクタ部により連結した陽極端子と、この陽極端子の端子部どうしを結ぶ方向と交差する方向の陰極コム端子の下面両端に夫々接合された一対の陰極端子と、上記陽極端子に設けられた一対の端子部ならびに陰極端子の実装面となる下面が夫々露呈する状態で上記ユニット積層体、陰極コム端子を一体に被覆した絶縁性の外装樹脂からなるチップ形固体電解コンデンサ。
【請求項2】
陽極端子の端子部どうしを結ぶように設けられたインダクタ部の下面が実装面に露呈するようにした請求項1に記載のチップ形固体電解コンデンサ。
【請求項3】
陽極端子の端子部どうしを結ぶように設けられたインダクタ部を蛇腹状に形成した請求項1に記載のチップ形固体電解コンデンサ。
【請求項4】
陰極コム端子の下面の両端に夫々接合された一対の陰極端子を一体物で形成した請求項1に記載のチップ形固体電解コンデンサ。
【請求項5】
ユニット積層体の中央に位置する陰極電極部の下面に陰極端子を直接接合するようにした請求項1に記載のチップ形固体電解コンデンサ。
【請求項6】
素子ユニットの陽極電極部を結束する陽極コム端子を設けた請求項1に記載のチップ形固体電解コンデンサ。
【請求項7】
素子ユニットの陽極電極部、または素子ユニットの陽極電極部を結束した陽極コム端子と陽極端子の端子部とを接合するスペーサを設けた請求項1または6に記載のチップ形固体電解コンデンサ。
【請求項8】
陽極端子の端子部どうしを結ぶ方向と交差する方向の陰極コム端子の両端にユニット積層体の陰極電極部と電気的に接続されるガイド壁を設けた請求項1に記載のチップ形固体電解コンデンサ。
【請求項9】
陽極端子および/または陰極端子の一部を上面視外装樹脂から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂の側面に沿って上方へ折り曲げた請求項1に記載のチップ形固体電解コンデンサ。
【請求項10】
コンデンサ素子として、表面を粗面化して誘電体酸化皮膜層が形成された弁作用金属からなる陽極体の所定の位置に絶縁部を設けて陽極電極部と陰極形成部に分離し、この陰極形成部の誘電体酸化皮膜層上に導電性高分子からなる固体電解質層、カーボンと銀ペーストからなる陰極層を順次積層形成することにより陰極電極部が形成されたコンデンサ素子を用いた請求項1に記載のチップ形固体電解コンデンサ。
【請求項1】
陽極電極部と陰極電極部を有した平板状のコンデンサ素子を同方向に複数積層した素子ユニットと、この素子ユニットを陽極電極部を交互に相反する側に配置して偶数単位で積層したユニット積層体と、このユニット積層体の中央に位置する陰極電極部の下面に接合された陰極コム端子と、同じくユニット積層体の両端に位置する陽極電極部の下面に一対の端子部が夫々接合されると共に、この端子部どうしを板状のインダクタ部により連結した陽極端子と、この陽極端子の端子部どうしを結ぶ方向と交差する方向の陰極コム端子の下面両端に夫々接合された一対の陰極端子と、上記陽極端子に設けられた一対の端子部ならびに陰極端子の実装面となる下面が夫々露呈する状態で上記ユニット積層体、陰極コム端子を一体に被覆した絶縁性の外装樹脂からなるチップ形固体電解コンデンサ。
【請求項2】
陽極端子の端子部どうしを結ぶように設けられたインダクタ部の下面が実装面に露呈するようにした請求項1に記載のチップ形固体電解コンデンサ。
【請求項3】
陽極端子の端子部どうしを結ぶように設けられたインダクタ部を蛇腹状に形成した請求項1に記載のチップ形固体電解コンデンサ。
【請求項4】
陰極コム端子の下面の両端に夫々接合された一対の陰極端子を一体物で形成した請求項1に記載のチップ形固体電解コンデンサ。
【請求項5】
ユニット積層体の中央に位置する陰極電極部の下面に陰極端子を直接接合するようにした請求項1に記載のチップ形固体電解コンデンサ。
【請求項6】
素子ユニットの陽極電極部を結束する陽極コム端子を設けた請求項1に記載のチップ形固体電解コンデンサ。
【請求項7】
素子ユニットの陽極電極部、または素子ユニットの陽極電極部を結束した陽極コム端子と陽極端子の端子部とを接合するスペーサを設けた請求項1または6に記載のチップ形固体電解コンデンサ。
【請求項8】
陽極端子の端子部どうしを結ぶ方向と交差する方向の陰極コム端子の両端にユニット積層体の陰極電極部と電気的に接続されるガイド壁を設けた請求項1に記載のチップ形固体電解コンデンサ。
【請求項9】
陽極端子および/または陰極端子の一部を上面視外装樹脂から突出するように延長し、この延長部分を外装樹脂の側面に沿って上方へ折り曲げた請求項1に記載のチップ形固体電解コンデンサ。
【請求項10】
コンデンサ素子として、表面を粗面化して誘電体酸化皮膜層が形成された弁作用金属からなる陽極体の所定の位置に絶縁部を設けて陽極電極部と陰極形成部に分離し、この陰極形成部の誘電体酸化皮膜層上に導電性高分子からなる固体電解質層、カーボンと銀ペーストからなる陰極層を順次積層形成することにより陰極電極部が形成されたコンデンサ素子を用いた請求項1に記載のチップ形固体電解コンデンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−103447(P2008−103447A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−283350(P2006−283350)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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