説明

テストセレクト回路およびそれを備える半導体装置

【課題】所望の信号を安定にモニタする。
【解決手段】テストセレクト回路10は、半導体集積回路に集積化され、半導体集積回路のテスト時において、内部に現れる複数のデジタル信号から、ひとつを選択して外部にテスト出力端子114を介して出力する。選択レジスタ12は、リセット機能を無効化することが可能な複数のフリップフロップ回路FF1〜FF7を含む。制御回路16は、フリップフロップ回路FF1〜FF7のデータ端子それぞれに、外部からの制御信号Scntに応じた制御データDcntを出力する。セレクタ回路14は、デジタル信号SIG1〜SIGnから、選択信号Sselの論理レベルに対応付けられたひとつを選択して出力する。フリップフロップ回路FF1〜FF7のリセット機能は、少なくとも、通常テスト時において無効化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路に集積化されるテスト回路に関し、特にテスト時において、回路内部の複数のデジタル信号からひとつを選択して回路の外部に出力するテストセレクト回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型パーソナルコンピュータなどのさまざまな電子機器には、電源回路、デジタル信号処理を行うCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)、その他のアナログ、デジタル回路など、多くの電子回路が搭載される。このような電子回路では、回路が正常に動作するかを検査するために、検査工程においていくつかの信号を外部からモニタする。信号をモニタをするために、モニタの対象となる信号ごとにパッドを設けた場合、信号の数が増加すると回路面積も増大するという問題がある。
【0003】
ここで、検査用のパッドの個数を減らす方法として、複数の信号からいずれか1つを選択して、1つのパッドから出力する回路(以下、テストセレクト回路という)を集積回路に設ける技術について検討する。テストセレクト回路を設ける場合、複数の信号のうち、いずれをモニタするかを選択するために、外部から制御信号を与える必要がある。この制御信号は、集積回路内に設けられたレジスタに書き込まれるのが一般的である。
【特許文献1】特開2004−022947号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、このようなテストセレクト回路について検討した結果、以下の課題を認識するに至った。一般的にレジスタは、フリップフロップを用いて構成される。ここで、ある信号をモニタしている最中に、フリップフロップがリセットされると、テストセレクト回路によって選択される信号が切り替わってしまうという問題がある。
【0005】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、所望の信号を安定にモニタすることが可能なテストセレクト回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、半導体集積回路に集積化され、半導体集積回路のテスト時において、半導体集積回路の内部に現れる複数のデジタル信号から、ひとつを選択して半導体集積回路の外部に出力するテストセレクト回路に関する。このテストセレクト回路は、複数のフリップフロップ回路を含む選択レジスタと、複数のフリップフロップ回路のデータ端子それぞれに、外部からの制御信号に応じた制御データを出力する制御回路と、複数のデジタル信号および複数のフリップフロップ回路から出力される選択信号が入力されており、複数のデジタル信号から、選択信号の論理レベルに対応付けられたひとつのデジタル信号を選択して出力するセレクタ回路と、を備える。選択レジスタに含まれる複数のフリップフロップ回路のリセット機能は、無効化可能に構成される。
【0007】
この態様によると、検査工程などのテスト時において、フリップフロップ回路のリセット機能を無効化することにより、あるデジタル信号を外部に出力している最中に、フリップフロップ回路がリセットされるのを防止でき、選択信号の不要な切り替わりを防止して所望の信号を安定にモニタすることができる。
【0008】
ある態様において、複数のフリップフロップ回路は、それぞれリセット端子を備えており、選択レジスタは、半導体集積回路の機能をテストする通常のテストモード時において、複数のフリップフロップのリセット端子の論理レベルを固定し、複数のフリップフロップ回路を含む論理ゲート群が正常に機能するかをテストするスキャンテストモード時において、複数のフリップフロップのリセット端子に、ハイレベルまたはローレベルの論理信号を出力するリセットセレクタ回路をさらに含んでもよい。
この態様によれば、通常のテストモード時には、リセット端子のレベルが固定されるため、選択信号の不要な切り替わりが防止できるとともに、スキャンテストモード時においては、ハイレベル、ローレベルの論理信号によってフリップフロップ回路をテストすることができる。
【0009】
ある態様において、リセットセレクタ回路は、第1入力端子に、論理レベルが固定された信号が入力され、第2入力端子に、ハイレベルまたはローレベルのスキャンリセット信号が入力されており、テストモードおよびスキャンテストモードを切り換えるモードセレクト信号に応じて、第1入力端子または第2入力端子の信号を、複数のフリップフロップのリセット端子に出力してもよい。
【0010】
ある態様において、複数のフリップフロップ回路を、リセット端子を有さない構成としてもよい。この場合、フリップフロップ回路に含まれるゲート数を減らすことができるため、回路面積を削減することができる。
【0011】
ある態様において、複数のデジタル信号は、半導体集積回路に内蔵された低電圧誤動作防止回路の出力信号であって、半導体集積回路に供給される電源電圧が所定値より低い低電圧状態を示す低電圧検出信号に関連する信号を含んでもよい。
【0012】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るテストセレクト回路によれば、所望の信号を安定にモニタすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係るテストセレクト回路について、図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。
【0015】
図1は、実施の形態に係るテストセレクト回路10の構成を示す回路図である。また、図2は、図1のテストセレクト回路10が好適に使用される電源回路100、およびその電源回路100を備える電子機器1000全体のブロック図である。まず、図2を参照して、電子機器1000全体の構成について説明する。電子機器1000は、たとえば携帯電話端末や、PDA、ノート型PCなどの電池駆動型の情報端末機器である。電子機器1000は、電源回路100、電池200、CPU300を備える。
【0016】
CPU300は、電子機器1000全体を制御し、さまざまな演算処理を実行するプロセッサであって、電源回路100により供給される電源電圧Vdd1〜Vdd3によって駆動される。以下、電源電圧Vdd1〜Vdd3を、単に電源電圧Vddともいう。CPU300は、高効率動作のため、回路ブロックごとに、異なる電源電圧で動作するように構成されており、また電力供給も個別にオンオフできるように構成される。たとえば、電源電圧Vdd1〜Vdd3は、それぞれ、コアブロック、メモリブロック、入出力(I/O)ブロックへと供給される。また、CPU300には、電源回路100からリセット信号RSTが入力される。リセット信号RSTは、電源回路100から、CPU300に対して、電源電圧Vddの供給が完了した旨を通知し、あるいは低電圧状態を通知する信号である。
【0017】
実際には、電源回路100により駆動される負荷は、CPU300に限定されるものではなく、これに代えて、あるいはこれに加えて、その他のDSPや、発光ダイオードなどが駆動されてもよい。
【0018】
電池200は、Liイオン電池などの2次電池であって、2Vから4.2V程度の電池電圧Vbatを出力する。電池電圧Vbatは、電力消費によって低下していくとともに、充電によって上昇する。
【0019】
電源回路100は、入出力用の端子として、電池端子102、リセット端子104、電源端子106、108、110、AC端子112を備える。電池端子102には、電池200が接続される。リセット端子104、電源端子106、108、110は、いずれもCPU300と接続される。AC端子112は、外部の電源回路に接続される。外部の電源回路は、たとえば、商用交流電圧を、直流電圧に変換するいわゆるACアダプタである。
【0020】
CPU300に供給される電源電圧Vddは、2V、あるいはそれ以下の所定電圧に安定化されている必要がある。一方で、電池200の電池電圧Vbatは、2V〜4.2V程度である。そこで、電源回路100は、電池200から供給される電池電圧Vbatを降圧し、電池電圧Vbatの値によらない一定値に安定化して、CPU300へと供給する。
【0021】
電源回路100は、第1レギュレータ回路30、第2レギュレータ回路32、第3レギュレータ回路34、充電回路40、UVLO回路50に加えて、テストセレクト回路10を備える。充電回路40には、AC端子112にACアダプタが接続されると、直流電圧Vdcが供給される。このとき、充電回路40は、電池200に充電電流を供給して、電池200を4.2V程度まで充電する。
【0022】
第1レギュレータ回路30、第2レギュレータ回路32、第3レギュレータ回路34には、電池端子102を介して電池電圧Vbatが供給される。第1レギュレータ回路30、第2レギュレータ回路32、第3レギュレータ回路34は、リニアレギュレータであって、それぞれ、電池電圧Vbatを降圧して、安定化された電源電圧Vdd1〜Vdd3を出力し、電源端子106、108、110を介してCPU300へと出力する。
【0023】
UVLO回路50は、入力電圧としての電池電圧Vbatが入力されるとともに、電子機器1000の電源キーのオン、オフ状態に応じてレベルが変動するパワーオン信号(以下、起動信号ともいう)PWR_ONが入力されている。パワーオン信号PWR_ONは、電子機器1000の起動を指示する信号であるため、以下、起動信号ともいう。
【0024】
UVLO回路50は、電池電圧Vbatを監視し、監視される電池電圧Vbatが所定の条件を満たすか否かを判定する。具体的には、電池電圧Vbatを所定のしきい値電圧Vthと比較し、Vbat<Vthを低電圧状態として判定し、Vbat>Vthを非低電圧状態と判定する。そして、UVLO回路50は、非低電圧状態において、起動信号PWR_ONがハイレベルとなると、所定のシーケンスを実行する。本実施の形態において、UVLO回路50は、電池電圧Vbatが、予め決められたしきい値電圧Vthよりも高いとき、第1レギュレータ回路30、第2レギュレータ回路32、第3レギュレータ回路34を順番に起動し、起動が完了すると、CPU300に対してリセット信号RSTを出力する。
【0025】
UVLO回路50から、第1レギュレータ回路30、第2レギュレータ回路32、第3レギュレータ回路34には、それぞれ第1シーケンス信号SEQ1、第2シーケンス信号SEQ2、第3シーケンス信号SEQ3が出力されている。UVLO回路50は、起動可能な状態となると、第1シーケンス信号SEQ1〜第3シーケンス信号SEQ3を順にハイレベルに切り換える。第1レギュレータ回路30〜第3レギュレータ回路34は、ハイレベルのシーケンス信号SEQ1〜SEQ3が入力されると、安定化動作を開始し、電源電圧Vdd1〜Vdd3を出力する。
【0026】
テストセレクト回路10は、半導体集積回路である電源回路100のテスト時において、電源回路100の内部に現れる複数のデジタル信号から、ひとつを選択して半導体集積回路の外部に出力する。本実施の形態において、テストセレクト回路10には、テストセレクト回路10から出力されるシーケンス信号SEQ1〜SEQ3、リセット信号RST、図示しないその他のデジタル信号が入力されている。テストセレクト回路10は、入力された信号のうち、外部から指示された信号を選択し、テスト出力端子114からテスト信号Stestを出力する。このテストセレクト回路10を設けることにより、電源回路100内部の複数の信号を、信号ごとにパッドを設けることなく、監視することができる。なお、テストセレクト回路10は、電源回路100がCPU300に電源電圧を供給する通常の動作時においては、非動作状態となる。
【0027】
以下、図1に戻り、実施の形態に係るテストセレクト回路10の構成および動作を詳細に説明する。
上述のように、テストセレクト回路10は、複数のデジタル信号SIG1〜SIGnのいずれかを選択して、テスト出力端子114から出力する。テストセレクト回路10は、選択レジスタ12、セレクタ回路14、制御回路16を備える。選択レジスタ12は、複数のフリップフロップ回路FF1〜FF7を含み、テスト時において、いずれのデジタル信号を選択して出力するかを指示する選択信号Sselを保持するメモリとして機能する。実施の形態では、7つのフリップフロップ回路が図示されるが、フリップフロップ回路の個数は、テストセレクト回路10に入力されるデジタル信号SIGの個数に応じて決定すればよい。たとえば、7つのフリップフロップ回路を備える場合、7ビット=128個のデジタル信号SIG1〜SIG128から、ひとつの信号を選択して出力することができる。
【0028】
制御回路16には、テスト時において外部から制御信号Scntが入力される。制御回路16は、ICバスなどを介して、外部のテスタやCPUと接続され、入力された制御信号Scntをデコードする。制御回路16は、選択レジスタ12に含まれるフリップフロップ回路FF1〜FF7のデータ端子のそれぞれに、制御信号Scntに応じた制御データDcnt1〜Dcnt7を出力する。本実施の形態において、制御データDcntは、7ビットのデジタル信号となる。
【0029】
セレクタ回路14には、複数のデジタル信号SIG1、SIG2、SIG3…、SIGnが入力されている。複数のデジタル信号SIGは、たとえば、半導体集積回路に内蔵されたUVLO回路50の出力信号であって、半導体集積回路に供給される電源電圧Vddが所定値より低い低電圧状態を示す低電圧検出信号に関連する信号を含んでいる。「関連する信号」とは、電池電圧Vbatとしきい値電圧Vthを比較するコンパレータの出力信号、これを遅延した信号、あるいはこれらの信号と他のデジタル信号との論理演算により得られた信号などをいう。たとえば、低電圧検出信号に関連する信号は、図2のテストセレクト回路10から出力されるシーケンス信号SEQ1〜SEQ3、リセット信号RSTなどである。
【0030】
さらに、セレクタ回路14には、複数のフリップフロップ回路FF1〜FF7から出力される選択信号Sselが入力されており、複数のデジタル信号SIG1〜SIGnから、選択信号Sselの論理レベルに対応付けられたひとつのデジタル信号を選択して出力する。
【0031】
本実施の形態において、選択レジスタ12に含まれる複数のフリップフロップ回路FF1〜FF7は、リセット機能を無効化することが可能となるように構成されている。図3は、選択レジスタ12の構成を示す回路図である。選択レジスタ12は、リセットセレクタ回路22と、複数のフリップフロップ回路FF1〜FF7を含む。フリップフロップ回路FF1〜FF7は、それぞれリセット端子を備えている。リセットセレクタ回路22は、半導体集積回路である電源回路100の機能をテストする通常のテストモード時において、複数のフリップフロップ回路FF1〜FF7のリセット端子の論理レベルを固定する。また、選択レジスタ12は、複数のフリップフロップ回路FF1〜FF7を含む論理ゲート群20が、正常に機能するかをテストするスキャンテストモード時において、複数のフリップフロップ回路FF1〜FF7のリセット端子に、ハイレベルまたはローレベルの論理信号であるスキャンリセット信号SRSTを出力する。
【0032】
リセットセレクタ回路22は、第1入力端子IN1に、論理レベルがハイレベルに固定された信号が入力され、第2入力端子IN2に、ハイレベルまたはローレベルのいずれかの値をとるスキャンリセット信号SRSTが入力されている。さらに、リセットセレクタ回路22には、通常テストモードおよびスキャンテストモードを切り換えるモードセレクト信号MODEが入力される。リセットセレクタ回路22は、モードセレクト信号MODEに応じて、第1入力端子IN1または第2入力端子IN2に入力された信号を、複数のフリップフロップ回路FF1〜FF7のリセット端子に出力する。
【0033】
以上のように構成されたテストセレクト回路10の動作について説明する。
通常テスト時において、制御回路16に外部から制御信号Scntが入力されると、フリップフロップ回路FF1〜FF7に、制御データDcnt1〜Dcnt7がそれぞれ保持される。フリップフロップ回路FF1〜FF7の出力である選択信号Sselによって、セレクタ回路14に入力されるデジタル信号SIG1〜SIGnのいずれかが選択され、テスト出力端子114から出力される。
【0034】
たとえば、デジタル信号SIG1が、UVLO回路50から出力されるシーケンス信号SEQ1であり、制御信号Scntによって、デジタル信号SIG1を選択したとする。このとき、電池端子102に入力した電圧を変化させると、しきい値電圧Vthを超えた後に、シーケンス信号SEQ1はハイレベルとなり、テスト出力端子114から出力されるテスト信号Stestもハイレベルとなる。別の信号、たとえば、第2シーケンス信号SEQ2をモニタする場合、制御信号Scntによってデジタル信号SIG2を選択すればよい。
【0035】
本実施の形態では、通常テスト時において、フリップフロップ回路FF1〜FF2のリセット端子に入力される信号のレベルを固定して、リセット機能を無効化しているため、あるデジタル信号SIGをモニタしている最中に、選択信号Sselが変動するのを防止することができる。その結果、テスト出力端子114から出力される信号が、別の信号に切り替わるのを防止し、所望のデジタル信号SIGを安定にモニタすることができる。
【0036】
もし、通常テスト時において、フリップフロップ回路FF1〜FF7のリセット端子の信号を固定しない場合、何らかの要因でリセット端子の電圧が変動した場合に、テスト出力端子114から出力される信号が別の信号に切り替わるため、テストが不可能となるという問題が生ずるが、本実施の形態に係るテストセレクト回路10を用いれば、この問題を解決することができる。
【0037】
さらに、フリップフロップ回路FF1〜FF7のリセット端子に、半導体集積回路である電源回路100の外部から、リセット用の信号を入力可能に構成した場合、リセット用の信号を入力するパッドを別途設ける必要が生じるが、本実施の形態では、こうしたパッドを別途設ける必要がないため、回路面積を削減することができる。
【0038】
次に、スキャンテストモード時の動作について説明する。スキャンテストは、一般的なデジタル回路において実行されるテストのひとつであって、回路内部のフリップフロップ回路によってスキャンチェインを構成し、各フリップフロップ回路が正常に機能しているかをテストするものである。かかるスキャンテストにおいては、テストの対象となる論理ゲート群20に含まれるフリップフロップ回路は、外部からリセット可能でなければならない。
【0039】
本実施の形態に係るテストセレクト回路10では、スキャンテストモード時において、フリップフロップ回路FF1〜FF7のリセット端子の信号のレベルを切り替えることができる。その結果、選択レジスタ12のフリップフロップ回路FF1〜FF7を含めたスキャンテストを実行することができる。
【0040】
以上、実施の形態にもとづき、本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎないことはいうまでもなく、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を離脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能であることはいうまでもない。
【0041】
実施の形態では、選択レジスタ12のフリップフロップ回路FF1〜FF7に、リセット端子を設ける場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、複数のフリップフロップ回路FF1〜FF7を、リセット端子を有さない構成としてもよい。この場合、複数のフリップフロップ回路FF1〜FF7に含まれるゲート数を減らすことができるため、回路面積を削減することができる。
【0042】
実施の形態では、テストセレクト回路10を電源回路100に内蔵する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、デジタル回路を含む多くの半導体装置に利用することができる。
【0043】
本実施の形態において、ハイレベル、ローレベルの論理値の設定は一例であって、インバータなどによって適宜反転させることにより自由に変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】実施の形態に係るテストセレクト回路の構成を示す回路図である。
【図2】図1のテストセレクト回路が好適に使用される電源回路および電子機器全体のブロック図である。
【図3】選択レジスタの構成を示す回路図である。
【符号の説明】
【0045】
10 テストセレクト回路、 12 選択レジスタ、 14 セレクタ回路、 16 制御回路、 20 論理ゲート群、 22 リセットセレクタ回路、 FF フリップフロップ回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体集積回路に集積化され、前記半導体集積回路のテスト時において、前記半導体集積回路の内部に現れる複数のデジタル信号から、ひとつを選択して前記半導体集積回路の外部に出力するテストセレクト回路であって、
複数のフリップフロップ回路を含む選択レジスタと、
前記複数のフリップフロップ回路のデータ端子それぞれに、外部からの制御信号に応じた制御データを出力する制御回路と、
前記複数のデジタル信号および前記複数のフリップフロップ回路から出力される選択信号が入力されており、前記複数のデジタル信号から、前記選択信号の論理レベルに対応付けられたひとつのデジタル信号を選択して出力するセレクタ回路と、
を備え、
前記複数のフリップフロップ回路のリセット機能を無効化可能に構成したことを特徴とするテストセレクト回路。
【請求項2】
前記複数のフリップフロップ回路は、それぞれリセット端子を備えており、
前記選択レジスタは、
前記半導体集積回路の機能をテストする通常テストモード時において、前記複数のフリップフロップのリセット端子の論理レベルを固定し、前記複数のフリップフロップ回路を含む論理ゲート群が正常に機能するかをテストするスキャンテストモード時において、前記複数のフリップフロップのリセット端子に、ハイレベルまたはローレベルの論理信号を出力するリセットセレクタ回路をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のテストセレクト回路。
【請求項3】
前記リセットセレクタ回路は、
第1入力端子に、論理レベルが固定された信号が入力され、第2入力端子に、ハイレベルまたはローレベルのスキャンリセット信号が入力されており、前記通常テストモードおよび前記スキャンテストモードを切り換えるモードセレクト信号に応じて、前記第1入力端子または前記第2入力端子の信号を、前記複数のフリップフロップのリセット端子に出力することを特徴とする請求項2に記載のテストセレクト回路。
【請求項4】
前記複数のフリップフロップ回路を、リセット端子を有さない構成としたことを特徴とする請求項1に記載のテストセレクト回路。
【請求項5】
前記半導体集積回路の内部に現れる前記複数のデジタル信号は、
前記半導体集積回路に内蔵された低電圧誤動作防止回路の出力信号であって、前記半導体集積回路に供給される電源電圧が所定値より低い低電圧状態を示す低電圧検出信号に関連する信号を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のテストセレクト回路。
【請求項6】
請求項1から4のいずれかに記載のテストセレクト回路を備えることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−303859(P2007−303859A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−129960(P2006−129960)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】