説明

テンキーの使用方法

【課題】 画面操作用のキーを必要とする小型電子機器において、その小型化を可能にするとともに、操作性の向上を図ることが出来るようにする。
【解決手段】 携帯電話機Tに取り付けられた番号入力用のテンキーに、ディスプレイに表示される画像を操作するためのズーム機能およびスクロール機能を割り付けて、テンキーをそのモード切り替えによって画像操作キーと兼用で使用する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、携帯電話機やカーナビゲーション装置のリモートコントローラなどに取り付けられたテンキーの使用方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年、インターネット接続サービス機能を搭載していて、ディスプレイにWebページを表示したり、また、地図画像を表示してナビゲーションを行うことが出来る携帯電話機が普及してきている。
【0003】このような携帯電話機において、ディスプレイに表示されたWebページや地図画像を上下・左右にスクロールさせるためのスクロール・キーや地図画像の縮尺を設定する設定キーなどの表示変更を行う画像操作キーを操作部に配置する場合、携帯電話機の小型化に伴ってその配置が難しくなったり、また、その操作性が悪くなってしまうといった問題が発生してくる。
【0004】また、カーナビゲーション装置のリモートコントローラには、地図画像のスクロールのためのスクロール・キーや画面変更のための各種操作キーが備えられているが、近年のリモートコントローラの小型化や多機能化に伴って、携帯電話機の場合と同様に、リモートコントローラへの操作キーの配置が難しくなったり、その操作性が悪くなってしまうといった問題が発生してくる。
【0005】他の同様な画面操作用のキーを必要とする小型電子機器においても、同様である。
【0006】この発明は、上記のような画面操作用のキーを必要とする小型機器において発生する問題点を解決するために為されたものである。すなわち、この発明は、画面操作用のキーを必要とする電子機器において、その小型化を可能にするとともに、操作性の向上を図ることが出来るようにすることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明によるテンキーの使用方法は、上記目的を達成するために、電子機器に取り付けられた番号入力用のテンキーに、ディスプレイに表示される画像を操作するための画像操作機能を割り付けて、テンキーをそのモード切り替えによって画像操作キーと兼用することを特徴としている。
【0008】この第1の発明によるテンキーの使用方法によれば、ディスプレイにWebページを表示したり地図画像を表示してナビゲーションを行うことが出来る携帯電話機や、電話番号検索などのためにテンキーを備えたカーナビゲーション装置のリモートコントローラなどの電子機器において、テンキーの各キーに、ディスプレイに表示される画像のズームやスクロールなどの各種の画像操作を行うための機能が割り付けられることによって、モード切り替えによって、番号入力のためのテンキーが画像操作キーとして兼用で使用される。
【0009】これによって、画像操作が必要な電子機器において、番号入力のためのテンキーの他にスクロールキーなどの画像操作用のキーを設ける必要がなくなり、これによって、特に携帯電話機やリモート・コントローラなどのような小型の電子機器において数多くの操作キーを配置することによってその操作性が悪化するといった問題が発生するのを回避することが出来るようになり、また、数多くの操作キーを配置する必要がなくなるので、電子機器のさらなる小型化を可能にすることができる。
【0010】第2の発明によるテンキーの使用方法は、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記画像操作機能が、ディスプレイに表示される画像を拡大および縮小するズーム機能であることを特徴としている。
【0011】この第2の発明によるテンキーの使用方法によれば、テンキーの操作により、そのモード切替によって、携帯電話機に装備されたディスプレイまたはナビゲーション装置のディスプレイなどに表示される画像の拡大および縮小が行われる。
【0012】第3の発明によるテンキーの使用方法は、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記画像操作機能が、ディスプレイに表示される画像を移動させるスクロール機能であることを特徴としている。
【0013】この第3の発明によるテンキーの使用方法によれば、テンキーの操作により、そのモード切替によって、携帯電話機に装備されたディスプレイまたはナビゲーション装置のディスプレイなどに表示される画像の所望の方向へのスクロールが行われる。
【0014】第4の発明によるテンキーの使用方法は、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記電子機器が、ディスプレイを備えた携帯電話機であることを特徴としている。
【0015】この第4の発明によるテンキーの使用方法によれば、ディスプレイにWebページを表示したり地図画像を表示してナビゲーションを行うことが出来る携帯電話機において、電話番号入力のためのテンキーの各キーに、この携帯電話機に装備されたディスプレイに表示される画像のズームやスクロールなどの各種の画像操作を行うための機能が割り付けられることによって、モード切り替えによって、番号入力のためのテンキーが画像操作キーとして兼用で使用される。
【0016】これによって、携帯電話機において、ディスプレイに表示される画像の操作用キーを別個に設ける必要がなくなるので、画像操作のために携帯電話機自体の操作性を悪化させる虞がなくなり、また、携帯電話機のさらなる小型化を可能にすることが出来る。
【0017】第5の発明によるテンキーの使用方法は、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記電子機器が、ナビゲーション装置のテンキーを備えたリモート・コントローラであることを特徴としている。
【0018】この第5の発明によるテンキーの使用方法によれば、電話番号検索などのためにテンキーを備えたナビゲーション装置のリモートコントローラにおいて、番号入力のためのテンキーの各キーに、このリモートコントローラによって操作されるディスプレイに表示される画像のズームやスクロールなどの各種の画像操作を行うための機能が割り付けられることによって、モード切り替えによって、番号入力のためのテンキーが画像操作キーとして兼用で使用される。
【0019】これによって、ナビゲーション装置のリモートコントローラにおいて、ディスプレイに表示される画像の操作用キーとテンキーを別個に設ける必要がなくなるので、リモートコントローラに取り付けられる操作用のキーを減少させてその操作性を向上させることが出来るとともに、リモートコントローラのさらなる小型化を可能にする。
【0020】第6の発明によるテンキーの使用方法は、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記テンキーの何れかのキーに画像操作モードの切替機能を割り付けることを特徴としている。
【0021】この第6の発明によるテンキーの使用方法によれば、画像操作モードの切替機能がテンキーの何れかのキーに割り付けられて、そのキー操作によってテンキーに割り付けられた画像操作モードが切り替えられることにより、テンキーにズームやスクロールなどの複数の画像操作モードを割り付けることが可能になる。
【0022】第7の発明によるテンキーの使用方法は、前記目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、前記画像操作モードの切替機能が割り付けられたキーが、縦横三列に配置された1から9までの番号入力キーのうち中央に位置している番号入力キーであることを特徴としている。
【0023】この第7の発明によるテンキーの使用方法によれば、1から9までの番号入力キーが縦横三列に配置された際に中央に位置する番号入力キー、例えば5の番号入力キーに画像操作モードの切替機能が割り付けられる。
【0024】第8の発明によるテンキーの使用方法は、前記目的を達成するために、第6の発明の構成に加えて、前記テンキーの何れかのキーに割り付けられる切替機能によって切り替えられる画像操作モードが、ディスプレイに表示される画像を拡大および縮小するズーム・モードとディスプレイに表示される画像を移動させるスクロール・モードであることを特徴としている。
【0025】この第8の発明によるテンキーの使用方法によれば、画像操作モードの切替機能がテンキーの何れかのキーに割り付けられて、そのキー操作によって、テンキーに割り付けられたズーム・モードとスクロール・モードとが切り替えられてそれぞれのモードにおける画像操作を可能にする。
【0026】第9の発明によるテンキーの使用方法は、前記目的を達成するために、第8の発明の構成に加えて、前記テンキーの画像操作モードがズームモードのときに、テンキーのうち切替機能が割り付けられているキー以外の各キーに、表示されている画像からの段階的な縮尺率および拡大率を割り付けることを特徴としている。
【0027】この第9の発明によるテンキーの使用方法によれば、テンキーの画像操作モードがズームモードに切り替えられているときに、画像操作モードの切り替えを行うキー以外のキーを操作すると、それぞれのキーに割り付けられている縮尺率または拡大率によって、そのときディスプレイに表示されている画像が段階的に縮尺または拡大されて再表示される。
【0028】第10の発明によるテンキーの使用方法は、前記目的を達成するために、第8の発明の構成に加えて、前記テンキーの画像操作モードがズーム・モードのときに、テンキーのうち切替機能が割り付けられているキー以外の各キーに、表示する画像の縮尺率および拡大率を割り付けることを特徴としている。
【0029】この第10の発明によるテンキーの使用方法によれば、テンキーの画像操作モードがズームモードに切り替えられているときに、画像操作モードの切り替えを行うキー以外のキーを操作すると、それぞれのキーに割り付けられている縮尺率または拡大率の画像がディスプレイに表示される。
【0030】第11の発明によるテンキーの使用方法は、前記目的を達成するために、第7の発明の構成に加えて、前記中央に位置する番号入力キーに割り付けられる切替機能によって切り替えられる画像操作モードが、ディスプレイに表示される画像を移動させるスクロール・モードを含み、このスクロール・モードのときに、切替機能が割り付けられる中央の番号入力キーを囲む他の各番号入力キーに、中央の番号入力キーに対してそれぞれの番号入力キーと反対側に位置している画像をディスプレイに表示させる方向に画像を移動させるスクロール方向設定機能を割り付けることを特徴としている。
【0031】この第11の発明によるテンキーの使用方法によれば、テンキーの中央に位置しているキーの操作によって、テンキーに割り付けられている画像操作モードがスクロール・モードに切り替えられているときに、この画像操作モードの切り替えを行うキーを囲むように配置された他のキーを操作すると、それぞれのキーの中央のキーに対して反対側に位置する画像がディスプレイに表示されてくる方向に、ディスプレイ上の画像がスクロールされる。
【0032】第12の発明によるテンキーの使用方法は、前記目的を達成するために、第7の発明の構成に加えて、前記中央に位置する番号入力キーに割り付けられる切替機能によって切り替えられる画像操作モードが、ディスプレイに表示される画像を移動させるスクロール・モードであり、切替機能が割り付けられる中央の番号入力キーを囲む他の各番号入力キーに、中央の番号入力キーに対してそれぞれの番号入力キーと同じ側に位置している画像をディスプレイに表示させる方向に画像を移動させるスクロール方向設定機能を割り付けることを特徴としている。
【0033】この第12の発明によるテンキーの使用方法によれば、テンキーの中央に位置しているキーの操作によって、テンキーに割り付けられている画像操作モードがスクロール・モードに切り替えられているときに、この画像操作モードの切り替えを行うキーを囲むように配置された他のキーを操作すると、それぞれのキーの中央のキーに対して同じ側に位置する画像がディスプレイに表示されてくる方向に、ディスプレイ上の画像がスクロールされる。
【0034】第13の発明によるテンキーの使用方法は、前記目的を達成するために、第7の発明の構成に加えて、前記テンキーのうちの何れかのキーに、直前のテンキーによる画像操作をキャンセルするキャンセル機能を割り付けることを特徴としている。
【0035】この第13の発明によるテンキーの使用方法によれば、キャンセル機能が割り付けられたキーの操作により、テンキーによって行われた直前の画像操作がキャンセルされて、ディスプレイに表示される画像がその画像操作が行われる前の画像に戻される。
【0036】第14の発明によるテンキーの使用方法は、前記目的を達成するために、第13の発明の構成に加えて、前記キャンセル機能を割り付けるキーが、0の番号入力キーであることを特徴としている。
【0037】この第14の発明によるテンキーの使用方法によれば、0の番号入力キーの操作により、テンキーによって行われた直前の画像操作がキャンセルされて、ディスプレイに表示される画像がその画像操作が行われる前の画像に戻される。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、この発明の最も好適と思われる実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明を行う。
【0039】この発明は、番号入力のためのテンキーを備えた携帯電話機やカーナビゲーション装置のリモートコントローラ等の各種小型電子機器に適用が可能であるが、以下においては、携帯電話機に適用する場合を例に挙げて説明を行う。
【0040】図1は、この発明が適用されるインターネット接続サービス機能を備えた携帯電話機を示す正面図である。
【0041】図2は、この携帯電話機の制御部の構成の一例を示すブロック図である。
【0042】この図2において、携帯電話機Tの本体ケーシングに取り付けられたアンテナ10には、送受信回路11、および、この送受信回路11に受信された画像信号および音声信号のクロック制御を行うとともに後述するCPUとのインターフェイスとして機能するデータ処理回路12,高速演算処理型マイクロプロセッサであるDSP(Digital Signal Processor)13が順次接続されている。
【0043】このDSP13には、音声コーデック14が接続され、この音声コーデック14にマイク15およびリンガ16が接続され、さらに、変調送信回路17および受信復調回路18を介してスピーカ19が接続されている。
【0044】このデータ処理回路12およびDSP13には、CPU20が接続されている。
【0045】そして、このCPU20には、ディスプレイTa(図1参照)がLCDドライバ21を介して接続され、さらに、パーソナルコンピュータ等に接続されてこのパーソナルコンピュータ等との間で各種データの授受を行うコネクタ22が外部I/F23を介して接続され、そして、ユーザが入力する短縮ダイヤル等の各種個人データが記録されるSRAM24および携帯電話機の各種制御プログラムが記録されているROM25,機能キーや電話番号入力のためのテンキー等の各種操作キーが含まれる操作部Tbがそれぞれ接続されている。
【0046】この携帯電話機Tの制御部において、アンテナ10によって送受信回路11に受信された無線波は、次のデータ処理回路12において画像信号と音声信号に分離されてCPU20からの指令に基づいてそれぞれクロック制御を受けながら、画像信号がCPU20に出力され、音声信号がDSP13に出力される。
【0047】DSP13に入力された音声信号は、このDSP13において音声処理された後、音声コーデック14に入力されてD/A変換され、変調送信回路17および受信復調回路18を介してスピーカ19に出力され、また、リンガ16に出力される。
【0048】また、マイク15から入力される音声信号は、音声コーデック14によってA/D変換された後、DSP13およびデータ処理回路12,送受信回路11を介してアンテナ10から発信される。
【0049】CPU20は、ROM25に記録された携帯電話機の各種制御プログラムによって、データ処理回路12およびDSP13,LCDドライバ21等の作動制御を統括する。
【0050】すなわち、CPU20は、操作部Tbの操作キーからの操作信号に基づいて、ROM25から操作信号に対応する制御プログラムを読み出し、この読み出した制御プログラムに基づいて、操作画面の画像データをLCDドライバ21に出力してディスプレイパネルTaに操作画面を表示させるとともに、データ処理回路12とDSP13の作動制御、および、SRAM24へのデータの書き込みやそのデータの読み出し、コネクタ22が接続されたパーソナルコンピュータ等との間でのデータの授受等を行う。
【0051】以下、この図1および2の携帯電話機TのディスプレイTaに表示される画像のスクロールおよびズーム操作を、操作部Tbに配置されたテンキーの操作によって行う方法の一例について説明を行う。
【0052】この例におけるテンキーの使用方法は、以下のような設定によって実行される。
【0053】すなわち、携帯電話機Tの操作部Tbに取り付けられているFのファンクション・キーに、テンキーを通常の番号入力モードと後述する画像の操作モードに切り換える切替機能を割り付ける。
【0054】そして、ファンクション・キーFによる切り替えによってテンキーが画像の操作モードに切り換えられている状態において、テンキーの中央に位置される5のナンバ・キーに、スクロールとズームのモード切替機能を割り付けて、このナンバ・キー5の操作ごとに、後述するようなズーム・モードとスクロール・モード1,スクロール・モード2が、順次、切り替わるように設定する。
【0055】そして、このナンバ・キー5の周囲に配置された他の数字のナンバ・キーには、ズーム・モードとスクロール・モード1,スクロール・モード2のそれぞれのモードにおいて、以下のような各機能を割り付ける。
【0056】すなわち、ズーム・モードにおいて、4から1のナンバ・キーに、それぞれ数字が小さくなるほど大きい率でディスプレイTaに表示されている画像を縮尺するズーム・アウト(広域表示)機能を割り付け、6から9のナンバ・キーに、それぞれ数字が大きくなるほど大きい率でディスプレイTaに表示されている画像を拡大するズーム・イン(詳細表示)機能を割り付けて、ナンバ・キー1〜4,6〜9の何れかが操作されると、それぞれのナンバ・キーに割り付けられている率によって、そのときにディスプレイTaに表示されている画像が段階的にズーム・アウトまたはズーム・インされるように設定する。
【0057】例えばナンバ・キー4が押圧されると、そのとき表示されている画像からあらかじめ定められている率によって一段階ズーム・アウトされ、ナンバ・キー3の場合は二段階,ナンバ・キー2の場合は三段階というようにそれぞれ画像がズームアウトされるように設定する。ズーム・インの場合も同様である。
【0058】スクロール・モードにおいて、スクロール・モード1は、ナンバ・キー1〜4,6〜9のそれぞれの位置と反対側に位置する画像がディスプレイTaに表示されてくる方向にスクロールするモードであり、スクロール・モード2は、スクロール・モード1とは反対に、ナンバ・キー1〜4,6〜9のそれぞれの位置と同じ側に位置する画像がディスプレイTaに表示されてくる方向にスクロールするモードであり、各スクロール・モードにおいて、ナンバ・キー1〜4,6〜9に、ナンバ・キー5に対する相対的位置関係に対応して、スクロール方向を指定する機能を割り付ける。
【0059】すなわち、スクロール・モード1のときには、図2に矢印で示されるように、ディスプレイTaに表示される画像のスクロール方向が、ナンバ・キー1が左上方向,ナンバ・キー2が上方向,ナンバ・キー3が右上方向,ナンバ・キー4が左方向,ナンバ・キー6が右方向,ナンバ・キー7が左下方向,ナンバ・キー8が下方向,ナンバ・キー9が右下方向となるように設定を行う。
【0060】また、スクロール・モード2のときには、図3に矢印で示されるように、ディスプレイTaに表示される画像のスクロール方向が、ナンバ・キー1が右下方向,ナンバ・キー2が下方向,ナンバ・キー3が左下方向,ナンバ・キー4が右方向,ナンバ・キー6が左方向,ナンバ・キー7が右上方向,ナンバ・キー8が上方向,ナンバ・キー9が左上方向となるように設定を行う。
【0061】このスクロール・モード1および2において、それぞれのナンバ・キーを操作したときの画像のスクロール量は、各ナンバ・キーの押圧時間に比例するように設定を行う。
【0062】操作部Tbに配置されたテンキーのうち、ナンバ・キー0には、キャンセル機能、すなわち、直前に押圧されたナンバ・キー1〜9のアクションをリセットしてその前の状態に戻す機能を割り付ける。
【0063】なお、テンキーとともに配置されている*マークおよび#マークの各キーには、その他の画像の操作機能が割り付けられ、この例においては、*マークキーに、ディスプレイTaに表示される画像の向きを変更する回転機能が割り付けられ、#マークのキーに、画像を3D表示させるためのアングル機能が割り付けられる。
【0064】上記携帯電話機Tにおいて、電話番号などの数字入力は、従来通り、操作部Tbのテンキーによって行われる。
【0065】ディスプレイTaに表示された画像の操作を行う場合には、ファンクション・キーFに割り付けられた切替機能によって、テンキーを画像の操作モードに切り換え、さらに、ナンバ・キー5を押して、テンキーによる操作をズーム・モードとスクロール・モード1,スクロール・モード2のうち所望の操作モードに切り換える。
【0066】そして、このナンバ・キー5によってテンキーをズーム・モードに切り換えたときには、次に、ナンバ・キー1〜4,6〜9のなかからディスプレイTaに表示されている画像を所望の縮尺にズーム・アウトまたはズーム・インするためのナンバ・キーを選択して操作する。
【0067】例えば、ディスプレイTaに表示されている画像を一段階大きい縮尺率で表示する場合にはナンバ・キー4を操作し、二段階大きい縮尺率の画像を表示する場合にはナンバ・キー3を、三段階大きい縮尺率の画像を表示する場合にはナンバ・キー2を、四段階大きい縮尺率の画像を表示する場合にはナンバ・キー1をそれぞれ操作する。
【0068】また、ディスプレイTaに表示されている画像を一段階小さい縮尺率で表示する場合にはナンバ・キー6を操作し、二段階小さい縮尺率の画像を表示する場合にはナンバ・キー7を、三段階小さい縮尺率の画像を表示する場合にはナンバ・キー8を、四段階小さい縮尺率の画像を表示する場合にはナンバ・キー9をそれぞれ操作する。
【0069】ナンバ・キー5によってテンキーをスクロール・モード1またはスクロール・モード2に切り換えたときには、次に、ナンバ・キー1〜4,6〜9のなかから、ディスプレイTaに表示されている画像を所望の方向にスクロールするためのナンバ・キーを選択して操作する。
【0070】テンキーを図3のスクロール・モード1に切り換えたときには、表示されている画像の所望のスクロール方向に位置しているナンバ・キー、例えば、画像を右方向にスクロールして表示されている画像の右側に位置している画像を新たに表示したい場合にはナンバ・キー6を、また、画像を上方向にスクロールして表示されている画像の上側に位置している画像を新たに表示したい場合にはナンバ・キー2を操作する。
【0071】また、テンキーを図4のスクロール・モード2に切り換えたときには、上記と反対に、表示されている画像の所望のスクロール方向と反対側に位置しているナンバ・キー、例えば、画像を右方向にスクロールして表示されている画像の左側に位置している画像を新たに表示したい場合にはナンバ・キー4を、また、画像を上方向にスクロールして表示されている画像の下側に位置している画像を新たに表示したい場合にはナンバ・キー8を操作する。
【0072】すなわち、図5に示されるように、画像Mは地図画像データによる地図の表示可能領域を示しており、ウィンドウWはこの地図Mの中でディスプレイTaにおける表示領域を示している。
【0073】この図5において、携帯電話機Tの操作部Tbを図3のスクロール・モード1に切換えたときに、例えばナンバ・キー1を操作すると、ウィンドウWは矢印S1のように左上の方向に移動してその部分の地図画像を表示し、また、図4のスクロール・モード2に切換えたときに、例えばナンバ・キー1を操作すると、ウィンドウWは矢印S2のように右下の方向に移動してその部分の地図画像を表示する。
【0074】そして、上記のようなズーム・モードとスクロール・モード1,スクロール・モード2の各モードにおける画像の操作中に、直前のナンバ・キーによる入力操作をキャンセルしてディスプレイTaに表示される画像を一つ前のキー操作状態に復帰させたい場合には、ナンバ・キー0を操作する。
【0075】また、各操作モードにおいて、ディスプレイTaに表示されている画像を90°または180°回転させたい場合にはキー*を押圧し、画像を3D表示する場合にはキー#を押圧する。
【0076】以上のように、上記テンキーの使用方法によれば、電話番号などの番号入力に使用されるテンキーに、画像のズームやスクロールのための画像操作機能を割り付けて、モード切り換えにより、ディスプレイTaに表示されている画像の所望の操作に使用するようにすることにより、別個にスクロールキーなどのような画面操作のためのキーを携帯電話機Tの操作部Tbに取り付ける必要が無くなり、これによって、携帯電話機Tの小型化に寄与することが出来るとともに、画像操作のために操作部Tbにおける他の操作の操作性を悪化させることもなく、小型化が進む携帯電話機Tにおいて、良好な操作性を確保することが出来るようになる。
【0077】なお、上記においては、ズーム・モードのとき、ナンバ・キー1〜4,6〜9が、その何れかを操作すると、そのとき表示されている画像の縮尺率を基準にナンバ・キーごとに設定されている段階分だけズーム・アウトまたはズーム・インするように設定される例が示されているが、ナンバ・キー1〜4,6〜9にそれぞれ画像の縮尺率を設定して、操作されたナンバ・キーの縮尺率で画像が表示されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が実施される電子機器の一例を示す外観図である。
【図2】この発明が実施される携帯電話機の構成例を示すブロック図である。
【図3】この発明によってテンキーに割り付けられるスクロール機能の一例を示す説明図である。
【図4】この発明によってテンキーに割り付けられるスクロール機能の他の例を示す説明図である。
【図5】この発明による画像のスクロール動作の説明図である。
【符号の説明】
T …携帯電話機
Ta …ディスプレイ
Tb …操作部
20 …CPU
21 …LCDドライバ
24 …SRAM
25 …ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子機器に取り付けられた番号入力用のテンキーに、ディスプレイに表示される画像を操作するための画像操作機能を割り付けて、テンキーをそのモード切り替えによって画像操作キーと兼用することを特徴とするテンキーの使用方法。
【請求項2】 前記画像操作機能が、ディスプレイに表示される画像を拡大および縮小するズーム機能である請求項1に記載のテンキーの使用方法。
【請求項3】 前記画像操作機能が、ディスプレイに表示される画像を移動させるスクロール機能である請求項1に記載のテンキーの使用方法。
【請求項4】 前記電子機器が、ディスプレイを備えた携帯電話機である請求項1に記載のテンキーの使用方法。
【請求項5】 前記電子機器が、ナビゲーション装置のテンキーを備えたリモート・コントローラである請求項1に記載のテンキーの使用方法。
【請求項6】 前記テンキーの何れかのキーに画像操作モードの切替機能を割り付ける請求項1に記載のテンキーの使用方法。
【請求項7】 前記画像操作モードの切替機能が割り付けられたキーが、縦横三列に配置された1から9までの番号入力キーのうち中央に位置している番号入力キーである請求項1に記載のテンキーの使用方法。
【請求項8】 前記テンキーの何れかのキーに割り付けられる切替機能によって切り替えられる画像操作モードが、ディスプレイに表示される画像を拡大および縮小するズーム・モードとディスプレイに表示される画像を移動させるスクロール・モードである請求項6に記載のテンキーの使用方法。
【請求項9】 前記テンキーの画像操作モードがズームモードのときに、テンキーのうち切替機能が割り付けられているキー以外の各キーに、表示されている画像からの段階的な縮尺率および拡大率を割り付ける請求項8に記載のテンキーの使用方法。
【請求項10】 前記テンキーの画像操作モードがズーム・モードのときに、テンキーのうち切替機能が割り付けられているキー以外の各キーに、表示する画像の縮尺率および拡大率を割り付ける請求項8に記載のテンキーの使用方法。
【請求項11】 前記中央に位置する番号入力キーに割り付けられる切替機能によって切り替えられる画像操作モードが、ディスプレイに表示される画像を移動させるスクロール・モードを含み、このスクロール・モードのときに、切替機能が割り付けられる中央の番号入力キーを囲む他の各番号入力キーに、中央の番号入力キーに対してそれぞれの番号入力キーと反対側に位置している画像をディスプレイに表示させる方向に画像を移動させるスクロール方向設定機能を割り付ける請求項7に記載のテンキーの使用方法。
【請求項12】 前記中央に位置する番号入力キーに割り付けられる切替機能によって切り替えられる画像操作モードが、ディスプレイに表示される画像を移動させるスクロール・モードであり、切替機能が割り付けられる中央の番号入力キーを囲む他の各番号入力キーに、中央の番号入力キーに対してそれぞれの番号入力キーと同じ側に位置している画像をディスプレイに表示させる方向に画像を移動させるスクロール方向設定機能を割り付ける請求項7に記載のテンキーの使用方法。
【請求項13】 前記テンキーのうちの何れかのキーに、直前のテンキーによる画像操作をキャンセルするキャンセル機能を割り付ける請求項1に記載のテンキーの使用方法。
【請求項14】 前記キャンセル機能を割り付けるキーが、0の番号入力キーである請求項13に記載のテンキーの使用方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2003−67120(P2003−67120A)
【公開日】平成15年3月7日(2003.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−255087(P2001−255087)
【出願日】平成13年8月24日(2001.8.24)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】