説明

テーブル移動機構およびプローブ走査装置

【課題】 操作性に優れたテーブル移動機構およびプローブ走査装置を提供する。
【解決手段】 プローブ走査装置1は、原子間力顕微鏡10および光学顕微鏡20を一体的に備える。原子間力顕微鏡10は試料載置台30を有する。試料載置台30は、XY方向移動機構30aおよびZ方向移動機構30bを含む。XY方向移動機構30aの上部には、試料Mを載置するための第3の移動プレート330が設けられている。XY方向移動機構30aの側面側からY方向に延びるようにX方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350が互いに平行に設けられている。使用者がX方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350を回転操作することにより、第3の移動プレート330がX方向およびY方向に移動する。第3の移動プレート330のX方向およびY方向への移動時において、X方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350はX方向およびY方向に移動しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物が載置されたテーブルを移動させるためのテーブル移動機構およびプローブ走査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従来の光学顕微鏡または電子顕微鏡等とは全く異なる原理を利用した走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope:SPM)が開発され、注目を浴びている。
【0003】
走査型プローブ顕微鏡は、プローブと呼ばれる鋭く尖った探針を自由端に有するカンチレバーを備えている。上記の走査型プローブ顕微鏡の一例である原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)においては、探針を試料に近づけると、探針の先端を構成している原子と試料を構成している原子との間に原子間力が生じる。この原子間力によりカンチレバーの自由端が変位する。
【0004】
このカンチレバーの自由端の変位量を電気的に測定しながら、探針を試料に沿って走査させることにより、試料の表面形状を示す三次元的な情報を得ることができる。例えば、カンチレバーの自由端の変位を一定に保つように探針と試料との距離を制御しながら探針を走査させると、探針の先端は試料表面の凹凸に沿って移動するので、探針の先端の位置情報から試料の表面形状を示す三次元的な情報を得ることができる。
【0005】
なお、走査型プローブ顕微鏡のその他の例としては、探針の原子と試料表面の原子との間に生じる原子間力を用いる代わりに、探針と試料との間に流れるトンネル電流を利用することにより試料表面の三次元的な情報を得ることも可能な走査型トンネル顕微鏡もある。
【0006】
また、光学顕微鏡と走査型プローブ顕微鏡とが一体化されたプローブ走査装置が開発されている。
【0007】
ここで、従来のプローブ走査装置の概略を図面を参照しながら説明する。なお、下記に示すプローブ走査装置は、光学顕微鏡と走査型プローブ顕微鏡の一例である原子間力顕微鏡とが一体的に構成されたものである(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
図11は、従来のプローブ走査装置を示す模式図である。
【0009】
図11に示すように、支持台201には、図示しないリニアガイドを介して光学系支持台202が上下方向に移動可能に設けられている。
【0010】
光学系支持台202には、対物レンズ207、変位計測光学系206および観察光学系204が取り付けられている。
【0011】
光学系支持台202上に設けられた光学系支持台粗動マイクロメーター203を調整することにより、対物レンズ207、変位計測光学系206および観察光学系204が一体的に上下に移動させることができる。
【0012】
また、光学系支持台202には、図示しないリニアガイドを介してスキャナ支持台215が上下方向に移動可能に設けられている。
【0013】
スキャナ支持台215には、探針微動用円筒型圧電素子208が固定されている。探針微動用円筒型圧電素子208の下端に探針支持リング209が設けられている。
【0014】
この探針支持リング209にカンチレバー218が取り付けられており、カンチレバー218の自由端に探針210が設けられている。なお、探針210は、探針支持リング209の中央の開口部分から突出するように設けられている。
【0015】
スキャナ支持台215上に設けられたスキャナ支持台粗動マイクロメーター214を調整することにより、スキャナ支持台215を光学系支持台202に対して上下方向に移動させることができる。
【0016】
一方、支持台201上には、試料走査用円筒型圧電素子213が固定されている。試料走査用円筒型圧電素子213上には試料台212が設けられており、試料台212上に試料211が載置される。
【0017】
上記のような構成により、光学顕微鏡による試料の観察と走査型プローブ顕微鏡による試料の観察とを一台のプローブ走査装置により行うことができる。
【特許文献1】特開平5−157554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
ところで、上記のプローブ走査装置において、探針210を試料211の表面に沿って走査させるために試料走査用円筒型圧電素子213により試料台212が移動される。しかしながら、試料211を水平面内で位置決めするために試料台212を水平方向に大きく移動させることはできない。
【0019】
そこで、試料台212を水平方向に大きく移動させることができれば、使用者は、光学顕微鏡により試料211を観察しつつ、試料台212を移動させることにより試料211の位置決めを容易に行うことができる。
【0020】
試料が載置されるテーブルを手動で移動させるためのテーブル移動機構がある。このテーブル移動機構によれば、試料の載置されたテーブルが所定の方向に移動するので、試料の位置決めが容易に行われる。
【0021】
図12は従来のテーブル移動機構を示す模式図である。図12においては、矢印に示すように、水平面内で互いに直交する2方向をX方向およびY方向と定義し、X方向およびY方向に垂直な方向をZ方向と定義する。
【0022】
図12(a)は従来のテーブル移動機構30Jの平面図であり、図12(b)は従来のテーブル移動機構30JのY方向における側面図であり、図12(c)は従来のテーブル移動機構30JのX方向における側面図である。
【0023】
図12に示すように、テーブル移動機構30Jにおいては、第1の移動プレート310J上にX方向駆動ブロック311J、第2の移動プレート320J、Y方向駆動ブロック321Jおよび第3の移動プレート330Jが順に積層されている。試料は第3の移動プレート330J上に載置される。
【0024】
X方向駆動ブロック311JからX方向に突出するように長手形状のX方向移動ノブ340Jが設けられ、Y方向駆動ブロック321JからY方向に突出するように長手形状のY方向移動ノブ350Jが設けられている。
【0025】
X方向移動ノブ340Jが回転操作されることにより、第2の移動プレート320JがX方向に移動する。それにより、第2の移動プレート320J上の第3の移動プレート330J、Y方向駆動ブロック321JおよびY方向移動ノブ350JもX方向に移動する。
【0026】
Y方向移動ノブ350Jが回転操作されることにより、第3の移動プレート330JがY方向に移動する。
【0027】
このテーブル移動機構30Jにおいては、X方向移動ノブ340JおよびY方向移動ノブ350JがそれぞれX方向およびY方向に突出するように設けられている。
【0028】
それにより、X方向移動ノブ340JおよびY方向移動ノブ350Jを操作するために、異なる2方向に操作スペースを確保する必要がある。また、異なる2方向からX方向移動ノブ340JおよびY方向移動ノブ350Jを操作する必要があるので、操作性が悪い。
【0029】
本発明の目的は、操作性に優れたテーブル移動機構およびプローブ走査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
第1の発明に係るテーブル移動機構は、保持部材と、互いに交差する第1の方向および第2の方向に保持部材に対して移動可能に設けられたテーブルと、保持部材から突出するように第1の方向に延びかつ回転操作可能に保持部材に設けられた第1の操作軸と、保持部材から突出するように第1の方向に延びかつ回転操作可能に保持部材に設けられた第2の操作軸と、第1の操作軸の回転に伴ってテーブルを第1の方向に移動させる第1の駆動機構と、第2の操作軸の回転に伴ってテーブルを第2の方向に移動させる第2の駆動機構とを備えたものである。
【0031】
そのテーブル移動機構においては、第1の操作軸が回転操作されることにより、テーブルが保持部材に対して第1の方向に第1の駆動機構により移動される。また、第2の操作軸が回転操作されることにより、テーブルが保持部材に対して第2の方向に第2の駆動機構により移動される。
【0032】
この場合、第1および第2の操作軸がともに保持部材から突出するように第1の方向に延びているので、第1および第2の操作軸の操作スペースをともに第1の方向側に設けることができる。それにより、使用者は第1の方向側から第1および第2の操作軸を操作して、テーブルを第1および第2の方向に容易に移動させることができる。その結果、操作性が向上される。
【0033】
第1の駆動機構は、第1の方向に移動可能に設けられた可動部材と、第1の操作軸の回転に伴って可動部材を第1の方向に移動させる第1の伝達機構とを含み、第2の駆動機構は、テーブルおよび可動部材とともに第1の方向に移動可能に設けられ、第2の操作軸の回転に伴ってテーブルを第2の方向に移動させる第2の伝達機構を含んでもよい。
【0034】
この場合、第1の操作軸の回転に伴って第1の伝達機構により可動部材が第1の方向に移動される。それにより、第2の伝達機構がテーブルおよび可動部材とともに第1の方向に移動される。また、第2の操作軸の回転に伴って第2の伝達機構によりテーブルが第2の方向に移動される。
【0035】
第2の操作軸に設けられ、第2の操作軸とともに回転する第1の回転部材をさらに備え、第1および第2の操作軸は、第1の方向に移動しないように保持部材に設けられ、第2の伝達機構は、第1の回転部材に係合し、第1の回転部材の回転に連動して第1の方向の軸の周りで回転可能に可動部材に設けられた第2の回転部材と、第2の回転部材の回転運動を第2の方向の往復運動に変換することによりテーブルを第2の方向に移動させる変換機構とを含み、第2の回転部材は、第1の回転部材との係合状態を保ちつつ可動部材とともに第1の方向に移動可能に可動部材に設けられてもよい。
【0036】
この場合、第2の操作軸が回転操作されることにより第2の操作軸に設けられた第1の回転部材が回転される。また、第1の回転部材が回転されることにより、第1の回転部材に係合する第2の回転部材が第1の回転部材の回転に連動して第1の方向の軸の周りで回転される。そして、第2の回転部材の回転運動が変換機構により第2の方向の往復運動に変換され、テーブルが第2の方向に移動される。
【0037】
ここで、第1および第2の操作軸は、第1の方向に移動しないように保持部材に設けられ、第2の回転部材は、第1の回転部材との係合状態を保ちつつ可動部材とともに第1の方向に移動可能に設けられている。それにより、テーブルが第1の方向に移動する場合でも、第1および第2の操作軸は第1の方向に移動しない。したがって、操作性がより向上される。
【0038】
第2の操作軸は回転軸と回転軸の端部に設けられる把持部とを含み、第1の操作軸は、第1の方向に移動しないように保持部材に設けられ、回転軸は、第1の方向に移動可能に保持部材に設けられ、第2の伝達機構は、回転軸の回転運動を第2の方向の往復運動に変換することによりテーブルを第2の方向に移動させる変換機構を含み、把持部は、回転軸とともに回転するように回転方向において回転軸に係止されるとともに、第1の方向への回転軸の移動時に第1の方向に移動しないように回転軸に対して第1の方向に移動可能に設けられてもよい。
【0039】
この場合、把持部が回転方向において回転軸に係止されているので、把持部が回転操作されることにより回転軸が回転される。回転軸が回転されることにより、その回転運動が変換機構により第2の方向の往復運動に変換され、テーブルが第2の方向に移動される。
【0040】
ここで、把持部は、第1の方向への回転軸の移動時においても、第1の方向に移動しないように回転軸に対して第1の方向に移動可能に設けられている。これにより、回転軸が第1の方向に移動する場合でも、把持部および第1の操作軸は第1の方向に移動しない。したがって、操作性がより向上される。
【0041】
第1の操作軸の回転トルクと第2の操作軸の回転トルクとがほぼ等しくてもよい。この場合、使用者は第1の操作軸および第2の操作軸をほぼ等しいトルク感で操作することができる。それにより、操作性が向上されるとともにテーブルを正確に位置決めすることができる。
【0042】
第1の操作軸の回転量に対するテーブルの第1の方向への移動量の割合と、第2の操作軸の回転量に対するテーブルの第2の方向への移動量の割合とがほぼ等しくてもよい。これにより、操作性が向上されるとともにテーブルを正確に位置決めすることができる。
【0043】
第1の方向と第2の方向とは、互いに直交してもよい。これにより、操作性が向上されるとともにテーブルを正確に位置決めすることができる。
【0044】
第2の発明に係るプローブ走査装置は、試料が載置される試料載置台と、走査型プローブ顕微鏡と、光学顕微鏡と、走査型プローブ顕微鏡および光学顕微鏡を保持する保持部とを備え、試料載置台は、保持部材と、互いに交差する第1の方向および第2の方向に保持部材に対して移動可能に設けられたテーブルと、保持部材から突出するように第1の方向に延びかつ回転操作可能に保持部材に設けられた第1の操作軸と、保持部材から突出するように第1の方向に延びかつ回転操作可能に保持部材に設けられた第2の操作軸と、第1の操作軸の回転に伴ってテーブルを第1の方向に移動させる第1の駆動機構と、第2の操作軸の回転に伴ってテーブルを第2の方向に移動させる第2の駆動機構とを備えたものである。
【0045】
そのプローブ走査装置においては、使用者は試料載置台に載置された試料を保持部に保持された走査型プローブ顕微鏡および光学顕微鏡により観察することができる。この場合、走査型プローブ顕微鏡により試料の表面形状を高倍率でミクロ的に観察することができる。また、光学顕微鏡により試料の表面形状を低倍率でマクロ的に観察することができる。
【0046】
そのプローブ走査装置の試料載置台においては、第1の操作軸が回転操作されることにより、テーブルが保持部材に対して第1の方向に第1の駆動機構により移動される。また、第2の操作軸が回転操作されることにより、テーブルが保持部材に対して第2の方向に第2の駆動機構により移動される。
【0047】
この場合、第1および第2の操作軸がともに保持部材から突出するように第1の方向に延びているので、第1および第2の操作軸の操作スペースをともに第1の方向側に設けることができる。それにより、使用者は第1の方向側から第1および第2の操作軸を操作して、テーブルを第1および第2の方向に容易に移動させることができる。その結果、操作性が向上される。
【発明の効果】
【0048】
本発明に係るテーブル移動機構においては、第1の操作軸が回転操作されることにより、テーブルが保持部材に対して第1の方向に第1の駆動機構により移動される。また、第2の操作軸が回転操作されることにより、テーブルが保持部材に対して第2の方向に第2の駆動機構により移動される。
【0049】
この場合、第1および第2の操作軸がともに保持部材から突出するように第1の方向に延びているので、第1および第2の操作軸の操作スペースをともに第1の方向側に設けることができる。それにより、使用者は第1の方向側から第1および第2の操作軸を操作して、テーブルを第1および第2の方向に容易に移動させることができる。その結果、操作性が向上される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
本発明の一実施の形態に係るテーブル移動機構およびプローブ走査装置について説明する。
【0051】
図1は、本実施の形態に係るプローブ走査装置を示す斜視図である。ここで、水平面内で直交する2方向をX方向およびY方向とし、X方向およびY方向に垂直な方向をZ方向とする。
【0052】
図1に示すように、本実施の形態に係るプローブ走査装置1は、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)10および光学顕微鏡20を一体的に備える。原子間力顕微鏡10および光学顕微鏡20はベース筐体部50により保持されている。
【0053】
ベース筐体部50は、X方向およびY方向からなる平面上に位置する底部54を有する。
【0054】
底部54の四隅からZ軸方向に支持脚52a,52b,52c,52d(52cは図示せず)が延びている。支持脚52a,52dの上端には、被支持部53a,53dがそれぞれ設けられている。
【0055】
支持脚52b,52c上には平面視でL字状に形成された被支持部53が設けられている。
【0056】
ベース筐体部50の被支持部53a,53dは、それぞれZ軸方向に延びる円筒状の脚部S1,S4(S4は図示せず)により支持されている。また、ベース筐体部50の被支持部53は、Z軸方向に延びる円筒状の脚部S2および脚部S3により支持されている。
【0057】
原子間力顕微鏡10は、AFMスキャナ11および試料載置台30を備える。被支持部53は、水平な上面を有する。この上面上にAFMスキャナ11が支持されている。なお、AFMスキャナ11の後述するカンチレバーに設けられている探針を試料表面上に沿って走査させる構成については後述する。
【0058】
AFMスキャナ11は、Y方向およびZ方向に平行な側壁部11A、X方向およびZ方向に平行な側壁部11B、ならびにX方向およびY方向に平行な天板部11Cにより構成される。側壁部11Aと側壁部11Bとは、X方向およびY方向に平行な面においてL字状となるように形成されている。
【0059】
図1に示すように、AFMスキャナ11の天板部11Cの下面に観察機構保持部11cが設けられている。
【0060】
ベース筐体部50内部の中央に試料載置台30が設けられている。試料載置台30は、XY方向移動機構30aおよびZ方向移動機構30bを含む。XY方向移動機構30aはZ方向移動機構30b上に設けられている。Z方向移動機構30bはXY方向移動機構30aをZ方向に上下動可能に保持する。
【0061】
XY方向移動機構30aの上部には、試料Mを載置するための第3の移動プレート330が設けられている。XY方向移動機構30aの側面側からY方向に延びるようにX方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350が互いに平行に設けられている。
【0062】
XY方向移動機構30aにおいて、使用者がX方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350を回転操作することにより、第3の移動プレート330がX方向およびY方向に移動する。XY方向移動機構30aの詳細は後述する。
【0063】
なお、第3の移動プレート330のX方向およびY方向への移動時において、X方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350はX方向およびY方向に移動しない。
【0064】
AFMスキャナ11の観察機構保持部11cの下部には観察機構400が設けられている。
【0065】
観察機構400は、光学顕微鏡20のミラー25を保持する。観察機構400において、ミラー25は試料Mの上方に位置する。この場合、図示しない照明源から発せられる照明光が試料Mに照射され、その試料Mからの反射光がミラー25に照射される。
【0066】
また、ベース筐体部50には、光学顕微鏡20が取り付けられている。光学顕微鏡20は、レンズ格納部21、光軸変換部22、電動ズーム鏡筒23、CCD(Charge Coupled Device)カメラボックス24、ミラー25およびミラーホルダ(図示せず)を備える。光軸変換部22は光軸変換ミラー22aを内蔵する。
【0067】
光学顕微鏡20のレンズ格納部21は、光軸変換部22に取り付けられ、光軸変換部22は、電動ズーム鏡筒23の上端部に取り付けられている。電動ズーム鏡筒23の下端部にCCDカメラボックス24が設けられている。
【0068】
ここで、光学顕微鏡20の電動ズーム鏡筒23は、試料載置台30の側方においてZ軸方向に延びるように配置され、光軸変換ミラー22aは電動ズーム鏡筒23の上端部に配置されている。
【0069】
この光学顕微鏡20において、試料Mからの反射光は、ミラー25により反射され、レンズ格納部21のレンズを通して光軸変換部22内の光軸変換ミラー22aにより反射される。光軸変換ミラー22aによる反射光は、電動ズーム鏡筒23を通してCCDカメラボックス24に取り込まれ、CCDカメラボックス24内のCCDカメラに試料Mの観察像が形成される。
【0070】
プローブ走査装置1の制御系についての詳細は後述する。
【0071】
ここで、観察機構400は、原子間力顕微鏡10用のカンチレバーを有する。この観察機構400のカンチレバーは、AFMスキャナ11に対して以下の位置に配置されることが好ましい。観察機構400のカンチレバーの配置位置に応じて試料載置台30の配置位置が設定される。
【0072】
図2は、図1のAFMスキャナ11に対するカンチレバーの好ましい配置位置およびAFMスキャナ11に対する試料載置台30の好ましい配置位置を説明するための図である。図2においても、図1と同様にX方向、Y方向およびZ方向を定義する。
【0073】
図2においては、カンチレバーの配置位置がカンチレバー配置部Sとして示されている。また、図2には、第3の移動プレート330をX方向およびY方向に移動させるためのX方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350が示されている。
【0074】
図2(a)に図1のプローブ走査装置1の模式的平面図が示されている。X方向におけるカンチレバー配置部Sから側壁部11Aの内面11xまでの距離をAとする。また、Y方向におけるカンチレバー配置部Sから側壁部11Bの内面11yまでの距離をBとする。原子間力顕微鏡10において、距離Aおよび距離Bはより小さいことが好ましい。この理由について説明する。
【0075】
図2(b)は図2(a)の距離Aが小さい場合のプローブ走査装置1の模式的側面図であり、図2(c)は図2(a)の距離Aが非常に大きい場合のプローブ走査装置1の模式的側面図である。
【0076】
原子間力顕微鏡10によれば、試料表面のナノレベルの観察を行うことが可能である。このため、AFMスキャナ11を支える図1の被支持部53の剛性が不足すると、カンチレバーに設けられた探針が試料表面の微細な段差を安定して検知することが困難となる。
【0077】
図2(b)に示すように、距離Aが小さい場合、被支持部53は、AFMスキャナ11を支持するために大きな剛性が必要とされず、被支持部53の剛性が小さくても、AFMスキャナ11を安定した状態で支持することができる。その結果、試料Mの正確な観察が実現される。
【0078】
一方、図2(c)に示すように、距離Aが大きい場合、被支持部53はAFMスキャナ11を支持するために大きな剛性が必要とされ、被支持部53の剛性が小さいと、AFMスキャナ11を安定した状態で支持することが困難となる。その結果、試料Mの正確な観察が困難となる。
【0079】
したがって、AFMスキャナ11の安定性の面からは、カンチレバーの配置位置は距離Aがより小さくなるように設定されることが好ましい。また、上記と同様の理由で、カンチレバーの配置位置は距離Bがより小さくなるように設定されることが好ましい。
【0080】
ところで、原子間力顕微鏡10は試料表面のナノレベルの観察を行うので、原子間力顕微鏡10による試料Mの観察時において、試料Mは安定して第3の移動プレート330上に載置される必要がある。
【0081】
上述のように、試料載置台30のXY方向移動機構30aはZ方向移動機構30b上に保持されている。また、後述するが、XY方向移動機構30aは複数のプレートが積層された構造を有する。
【0082】
したがって、第3の移動プレート330が移動しても、カンチレバー配置部Sを通るX方向の軸上にXY方向移動機構30aの複数のプレートおよびZ方向移動機構30bが存在するように配置されることが好ましい。
【0083】
換言すれば、第3の移動プレート330か移動する場合であっても、カンチレバー配置部Sを通るZ方向の軸上に空間ができないように試料載置台30を配置することが好ましい。
【0084】
この場合、カンチレバー配置部Sの下方において、第3の移動プレート330が安定する。それにより、第3の移動プレート330上に載置される試料Mが安定するので、試料Mの正確な観察が実現される。
【0085】
図1および図2に示すように、XY方向移動機構30aの上部には、試料Mを載置するための第3の移動プレート330が設けられており、XY方向移動機構30aの側面側からY方向に延びるようにX方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350が設けられている。
【0086】
従来の手動式のXY方向移動機構においては、X方向の操作部がX方向に延び、Y方向の操作部がY方向に延びているので、図2(a)の距離A,Bをより小さくすると、X方向の操作部がAFMスキャナ11の奥側に位置することになる。それにより、X方向の操作部の操作が困難になる。そのため、距離A,Bを小さくすることができない。
【0087】
これに対し、上述のように、図1および図2に示すX方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350は、ともにAFMスキャナ11の内部側から手前側へY方向に突出している。これにより、距離A,Bを小さくしても、使用者は手前側から容易にX方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350を操作して、第3の移動プレート330をX方向およびY方向に移動させることができる。
【0088】
また、図1のプローブ走査装置1では、ベース筐体部50の内部で原子間力顕微鏡10の側方に光学顕微鏡20が設けられているが、第3の移動プレート330のX方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350が光学顕微鏡20側ではなくAFMスキャナ11の手前側でY方向に突出するように設けられているので、AFMスキャナ11の手前側に十分な操作スペースが確保されるとともに操作性が向上されている。
【0089】
さらに、これらX方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350は操作に伴って、X方向およびY方向に移動しないので、より操作性が向上されている。
【0090】
したがって、図2の距離A,Bを小さくした場合であっても、使用者は容易に第3の移動プレート330をX方向およびY方向に移動させることができる。
【0091】
上記の構成により、本実施の形態に係るプローブ走査装置1においては、図2の距離A,Bを小さくすることにより安定した試料表面の観察が実現され、かつ、X方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350がともにY方向に延びることにより第3の移動プレート330を移動させるための操作性が向上される。
【0092】
ここで、原子間力顕微鏡10による試料Mの観察時においては後述するようにレーザ光が用いられる。それにより、AFMスキャナ11の内部側に外部の光が入らないように遮光カバーを設ける場合がある。
【0093】
上記の構成が実現される場合には、図2の距離A,Bが小さくなることにより、遮光カバーを図1のベース筐体部50の手前側に突出しないように設けることが可能となる。
【0094】
さらに、遮光カバーを設ける場合において、図2の距離A,Bが小さいことにより、試料MをAFMスキャナ11の奥側に載置することが可能となる。それにより、第3の移動プレート330上に比較的大きな試料Mを載置した場合であっても、試料Mがベース筐体部50から手前側に突出せず、遮光カバー内に収容される。その結果、試料Mが比較的大きい場合であっても、外光を遮光しつつ試料Mの観察を行うことが可能となる。したがって、比較的大きな試料Mを切断することなく観察することができる。
【0095】
続いて、本実施の形態に係るプローブ走査装置1において、試料載置台30のXY方向移動機構30aの構成および動作について説明する。
【0096】
図3は本発明の一実施の形態に係るテーブル移動機構のXY方向移動機構30aの外観斜視図であり、図4はX方向移動ノブ340による第3の移動プレート330のX方向の移動を説明するための平面図であり、図5はY方向移動ノブ350による第2の移動プレート320のY方向の移動を説明するための平面図である。
【0097】
図4においては、X方向移動ノブ340に基づく第3の移動プレート330の駆動系が示されている。図5においては、Y方向移動ノブ350に基づく第2の移動プレート320の駆動系が示されている。図3、図4および図5についても、図1と同様に、X方向、Y方向およびZ方向を定義する。
【0098】
図3に示すように、XY方向移動機構30aは、Z方向に垂直でかつ長方形状の面を有する第1の移動プレート310、第2の移動プレート320および第3の移動プレート330を備える。
【0099】
第1の移動プレート310のX方向に沿った一辺には、板状のノブ保持片311が垂直に設けられている。第1の移動プレート310のX方向に沿った他辺には、ノブ保持片311と対向するように板状の軸保持片312が設けられている。
【0100】
ノブ保持片311には、2つの孔部が形成されている。また、軸保持片312には、図示しない1つの孔部が形成されている。
【0101】
軸保持片312の孔部には、Y方向に延びるX方向移動軸341の一端が回転可能に挿入されている。X方向移動軸341の他端にはX方向移動ノブ340が取り付けられている。
【0102】
X方向移動ノブ340はノブ保持片311の一方の孔部から突出してY方向に延びるように、矢印R1の方向に回転可能に取り付けられている。
【0103】
図4に示すように、X方向移動ノブ340はX方向移動軸341の設けられる一端側が階段状に径小となっている。X方向移動ノブ340の径小部340Lはノブ保持片311の孔部を通して貫通されている。径小部340Lの外周面にはねじ切り加工が施されている。
【0104】
そこで、ノブ保持片311を貫通する径小部340Lに、ナット341Nが螺合される。これにより、X方向移動ノブ340はノブ保持片311に回転可能に保持されている。
【0105】
すなわち、後述するように、Y方向移動ノブ350が回転操作され、第3の移動プレート330がY方向に移動された場合でも、ノブ保持片311はY方向に移動しない。
【0106】
図5に示すように、第1の移動プレート310の中央部にはY方向軸ブロック313が固定されている。Y方向軸ブロック313に、Y方向に延びるY方向移動軸351の一端が回転可能に取り付けられている。Y方向移動軸351の他端にはY方向移動ノブ350が取り付けられている。
【0107】
Y方向移動ノブ350はノブ保持片311の他方の孔部から突出してY方向に延びるように、矢印R2の方向に回転可能に取り付けられている。
【0108】
図5に示すように、Y方向移動ノブ350はY方向移動軸351の設けられる一端側が階段状に径小となっている。Y方向移動ノブ350の径小部350Lはノブ保持片311の孔部を通して貫通されている。径小部350Lの外周面にはねじ切り加工が施されている。
【0109】
そこで、ノブ保持片311を貫通する径小部350Lに、ナット350Nが螺合される。これにより、Y方向移動ノブ350はノブ保持片311に回転可能に保持されている。
【0110】
図3および図4に示すように、X方向移動軸341には第1の平歯車342が取り付けられている。第1の平歯車342は、X方向移動軸341に固定されている。
【0111】
図3のXY方向移動機構30aにおいて、第1の移動プレート310の上部には、図5のY方向軸ブロック313を介して第2の移動プレート320が設けられている。第2の移動プレート320は、使用者によるY方向移動ノブ350の回転操作によりY方向に移動可能である。
【0112】
第2の移動プレート320の一部には、X方向およびY方向に平行な面におけるコ字状の歯車固定片321が設けられている。歯車固定片321はY方向に延びる駆動伝達軸344を回転可能に保持する。駆動伝達軸344には第2の平歯車343および第1のかさ歯車345が取り付けられている。
【0113】
第2の平歯車343は歯車固定片321の内部側に位置し、第1の平歯車342の上部で第1の平歯車342と係合するように取り付けられている。これにより、第1の平歯車342の回転にともなって第2の平歯車343も回転する。それにより、駆動伝達軸344も回転する。
【0114】
ここで、第2の平歯車343はY方向において第1の平歯車342よりも長い。これにより、第2の移動プレート320がY方向に移動する場合であっても、第2の平歯車343は第1の平歯車342との係合状態を維持しつつ、Y方向に移動可能である。
【0115】
なお、本実施の形態において、第2の平歯車343のY方向の長さは、第2の平歯車343が第1の平歯車342と係合した状態でY方向に移動できるように、第1の平歯車342が第2の平歯車343よりも長く形成されてもよい。
【0116】
第1のかさ歯車345は、Y方向において歯車固定片321の外側に位置する。第1のかさ歯車345は、第1の平歯車342の回転にともなう駆動伝達軸344の回転とともに回転する。
【0117】
図4に示すように、第1のかさ歯車345と係合するように第2の移動プレート320上に第2のかさ歯車346が設けられている。
【0118】
第2のかさ歯車346は、X方向に延びる移動方向変換軸347の一端に取り付けられている。移動方向変換軸347は送りねじである。移動方向変換軸347は第2の移動プレート320上に固定されたX方向軸ブロック322に接続されている。
【0119】
図3において、第2の移動プレート320の上部にはX方向軸ブロック322を介して第3の移動プレート330が設けられている。第3の移動プレート330は使用者によるX方向移動ノブ340の回転操作によりX方向に移動可能である。
【0120】
X方向移動ノブ340の回転操作による第3の移動プレート330のX方向の移動およびY方向移動ノブ350の回転操作による第2の移動プレート320のY方向の移動について、図4および図5に基づき説明する。
【0121】
図4に示すように、X方向移動ノブ340の回転にともない、X方向移動軸341に取り付けられた第1の平歯車342が回転する。これにより、上述のように第1の平歯車342と係合するように設けられた第2の平歯車343が回転する。
【0122】
第2の平歯車343が回転することにより、駆動伝達軸344を介して第1のかさ歯車345が回転する。これにより、上述のように、第1のかさ歯車345と係合するように設けられた第2のかさ歯車346が回転する。それにより、第2のかさ歯車346が取り付けられている移動方向変換軸347が回転する。
【0123】
移動方向変換軸347はX方向軸ブロック322に接続されている。ここで、第3の移動プレート330の下面側にはX方向送り部材330Mが設けられている。このX方向送り部材330Mには移動方向変換軸347のねじ部に対応するねじ切り加工が施されている。
【0124】
X方向送り部材330Mは、ねじ切り加工部が移動方向変換軸347のねじ部と係合するように設けられている。これにより、X方向送り部材330Mは移動方向変換軸347の回転にともなってX方向に移動する。その結果、第2の移動プレート320上で第3の移動プレート330がX方向に移動する。
【0125】
図5に示すように、Y方向移動ノブ350の回転にともない、Y方向移動軸351が回転する。Y方向移動軸351はY方向軸ブロック313に接続されている。
【0126】
ここで、第2の移動プレート320の下面側にはY方向送り部材320Mが設けられている。このY方向送り部材320MにはY方向移動軸351のねじ部に対応するねじ切り加工が施されている。
【0127】
Y方向送り部材320Mは、ねじ切り加工部がY方向移動軸351のねじ部と係合するように設けられている。これにより、Y方向送り部材320MはY方向移動軸351の回転にともなってY方向に移動する。その結果、第1の移動プレート310上で第2の移動プレート320がY方向に移動する。
【0128】
第2の移動プレート320のY方向の移動とともに、第2の移動プレート320上の歯車固定片321、X方向軸ブロック322および第3の移動プレート330がY方向に移動する。
【0129】
上記の構成により、第3の移動プレート330は使用者によるX方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350の回転操作にともなって、第1の移動プレート310上でX方向およびY方向に移動する。この第3の移動プレート330の移動時において、X方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350はX方向およびY方向に移動しない。
【0130】
これにより、使用者は容易にX方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350を回転操作して、第3の移動プレート330をX方向およびY方向に移動させることが可能となっている。
【0131】
図6は、図3のXY方向移動機構30aの側面図である。図6においても、図1と同様に、X方向、Y方向およびZ方向を定義する。
【0132】
図6(a)にX方向における一方側の側面図が示され、図6(b)にX方向における他方側の側面図が示されている。さらに、図6(c)にY方向におけるX方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350側の側面図が示されている。
【0133】
図6に示すように、X方向移動ノブ340およびY方向移動ノブ350が、ともにY方向に延びることにより使用者による第3の移動プレート330のX方向およびY方向の操作が容易となっている。
【0134】
本実施の形態においては、図4および図5に示すように、第3の移動プレート330のX方向およびY方向の駆動系に、複数の歯車(第1の平歯車342、第2の平歯車343、第1のかさ歯車345および第2のかさ歯車346)および送りねじ(移動方向変換軸347およびY方向移動軸351)が用いられている。
【0135】
これら複数の歯車のピッチおよび外径、ならびに、送りねじのピッチおよび外径は、X方向移動ノブ340の回転量に対する第3の移動プレート330のX方向への移動量の割合と、Y方向移動ノブ350の回転量に対する第3の移動プレート330のY方向への移動量の割合とがほぼ同じとなるように設定することが好ましい。
【0136】
この場合、X方向移動ノブ340の回転操作量に対する第3の移動プレート330のX方向への移動量と、Y方向移動ノブ350の回転操作量に対する第3の移動プレート330のY方向への移動量とがほぼ等しくなる。これにより、操作性がより向上する。さらに、使用者は第3の移動プレート330の位置決めを正確に行うことができる。
【0137】
さらに、複数の歯車のピッチおよび外径、ならびに、送りねじのピッチおよび外径は、X方向移動ノブ340を回転させて第3の移動プレート330をX方向に移動させる場合の使用者のトルク感と、Y方向移動ノブ350を回転させて第3の移動プレート330をY方向に移動させる場合の使用者のトルク感とがほぼ同じとなるように設定されることが好ましい。
【0138】
この場合、使用者はX方向移動ノブ340の回転操作とY方向移動ノブ350の回転操作とをほぼ等しいトルク感で操作することができる。これにより、操作性がより向上する。さらに、使用者は第3の移動プレート330の位置決めを正確に行うことができる。
【0139】
本実施の形態に係るプローブ走査装置1において、XY方向移動機構30aの構成および構造は図3のXY方向移動機構30aに限られるものではない。
【0140】
(XY方向移動機構30aの他の例)
図7はXY方向移動機構30aの他の例を示す外観斜視図であり、図8はX方向移動ノブによる第3の移動プレート330のX方向の移動を説明するための平面図である。
【0141】
図8においては、X方向移動ノブ340bに基づく第3の移動プレート330の駆動系が示されている。図7および図8においても、図1と同様に、X方向、Y方向およびZ方向を定義する。
【0142】
図7のXY方向移動機構30aは、以下の点を除き図3のXY方向移動機構30aと同様の構成および動作を有する。
【0143】
図7に示すように、ノブ保持片311はZ方向に段差を有する。ノブ保持片311の上段側および下段側に図示しない2つの孔部が形成されている。
【0144】
ノブ保持片311の上段側の孔部を通るように、Y方向に延びるX方向移動軸341bが設けられている。X方向移動ノブ340bはノブ保持片311に矢印R1の方向に回転可能に取り付けられている。X方向移動ノブ340bの一端側にはY方向に延びる軸保持用孔340hが形成されている。さらに、X方向移動ノブ340bには、Y方向に延びるスライド孔341sが形成されている。
【0145】
図7および図8に示すように、X方向移動軸341bの一端は、X方向移動ノブ340bの軸保持用孔340hにY方向へ移動可能に挿入されている。
【0146】
X方向移動軸341bには、X方向移動ノブ340bのスライド孔341sに係合する移動制限ピン341pが設けられている。これにより、X方向移動軸341bのY方向への移動が許容されている。また、X方向移動ノブ340bが矢印R1の方向に回転操作される場合には、X方向移動ノブ340bの回転にともなって、X方向移動軸341bも回転する。
【0147】
X方向移動軸341bの中央部に第1のかさ歯車345が固定されている。X方向移動軸341bが回転することにより、第1のかさ歯車345もともに回転する。また、X方向移動軸341bのY方向への移動にともなって、第1のかさ歯車345もともにY方向に移動する。
【0148】
第1のかさ歯車345と係合するように第2の移動プレート320上に第2のかさ歯車346が設けられている。
【0149】
図8に示すように、第2のかさ歯車346は、X方向に延びる移動方向変換軸347の一端に取り付けられている。移動方向変換軸347は送りねじである。移動方向変換軸347は第2の移動プレート320上に固定されたX方向軸ブロック322に接続されている。
【0150】
図7および図8に示すように、第2の移動プレート320上に歯車固定片321bが固定されている。歯車固定片321bは、Y方向において対向する2つの移動軸ガイド片321f,321gを有する。
【0151】
移動軸ガイド片321f,321gは、それぞれ図示しない孔部を有する。この図示しない孔部にX方向移動軸341bが挿入されている。
【0152】
これより、移動軸ガイド片321f,321gはX方向移動軸341bを回転可能に保持する。第1のかさ歯車345および第2のかさ歯車346は、移動軸ガイド片321f,321g間に位置する。
【0153】
さらに、歯車固定片321bは、第3の移動プレート330のY方向に沿った一側面と摺動可能に接するスライドガイド片321wを有する。
【0154】
スライドガイド片321wには、Y方向に延びるスライド孔321sが形成されている。第3の移動プレート330の一側面における所定の箇所に、図示しないピン挿入孔が形成されている。
【0155】
図8に示すように、スライド孔321sを介して第3の移動プレート330のピン挿入孔に移動制限ピン321pが挿入されている。
【0156】
図3のXY方向移動機構30aと同様に第3の移動プレート330は使用者によるX方向移動ノブ340bの回転操作によりX方向に移動可能である。図7のXY方向移動機構30aでは、スライド孔321sを介して第3の移動プレート330のピン挿入孔に移動制限ピン321pが挿入されているので、第3の移動プレート330のX方向への移動が許容されている。
【0157】
なお、図7において、Y方向移動ノブ350はノブ保持片311の下段側の孔部から突出してY方向に延びるように、矢印R2の方向に回転可能に取り付けられている。
【0158】
X方向移動ノブ340bによる第3の移動プレート330のX方向の移動について、図8に基づき説明する。
【0159】
図8に示すように、X方向移動ノブ340bの回転にともない、X方向移動軸341bに取り付けられた第1のかさ歯車345が回転する。これにより、上述のように、第1のかさ歯車345と係合するように設けられた第2のかさ歯車346が回転する。それにより、第2のかさ歯車346が取り付けられている移動方向変換軸347が回転する。
【0160】
移動方向変換軸347はY方向軸ブロック322に接続されている。ここで、第3の移動プレート330の下面側には図4を用いて説明したX方向送り部材330Mが設けられている。
【0161】
これにより、図4の説明と同様に、移動方向変換軸347の回転にともなって第2の移動プレート320上で第3の移動プレート330がX方向に移動する。
【0162】
Y方向移動ノブ350による第3の移動プレート330のY方向の移動時には、図5の説明と同様の動作が行われる。
【0163】
ここで、図8に示すように、X方向移動軸341bはY方向に移動可能である。このとき、X方向移動ノブ340bはY方向に移動しない。
【0164】
このように、図7のXY方向移動機構30aにおいても、X方向移動ノブ340bおよびY方向移動ノブ350はX方向およびY方向に移動しない。
【0165】
したがって、図7のXY方向移動機構30aを用いた場合でも、使用者は容易にX方向移動ノブ340bおよびY方向移動ノブ350を操作して、第3の移動プレート330をX方向およびY方向に移動させることが可能となっている。
【0166】
図9は、図7のXY方向移動機構30aの側面図である。図9(a)にX方向における一方側の側面図が示され、図9(c)にY方向におけるX方向移動ノブ340bおよびY方向移動ノブ350側の側面図が示されている。
【0167】
図9に示すように、X方向移動ノブ340bおよびY方向移動ノブ350が、ともにY方向に延びることにより使用者による第3の移動プレート330のX方向およびY方向の操作が容易となっている。
【0168】
上記のように、本実施の形態では、第3の移動プレート330のX方向およびY方向への移動を操作するためのX方向移動ノブ340,340bおよびY方向移動ノブ350が、第3の移動プレート330の移動時においてもX方向およびY方向に移動しない。
【0169】
上記図3〜図9を用いて説明したように、本実施の形態においては、Y方向移動ノブ350およびX方向移動ノブ340,340bがともにノブ保持片311から突出するようにY方向に延びているので、Y方向移動ノブ350およびX方向移動ノブ340,340bの操作スペースをともにY方向側に設けることができる。それにより、使用者はY方向側からY方向移動ノブ350およびX方向移動ノブ340,340bを操作して、第3の移動プレート330をX方向およびY方向に容易に移動させることができる。その結果、操作性が向上される。
【0170】
また、図3のXY方向移動機構30aにおいて、Y方向移動ノブ350およびX方向移動ノブ340は、Y方向に移動しないようにノブ保持片311に設けられ、第2の平歯車343は、第1の平歯車342との係合状態を保ちつつ第2の移動プレート320とともにY方向に移動可能に設けられている。それにより、第3の移動プレート330がY方向に移動する場合でも、Y方向移動ノブ350およびX方向移動ノブ340はY方向に移動しない。したがって、操作性がより向上される。
【0171】
さらに、図7のXY方向移動機構30aにおいて、X方向移動ノブ340bは、Y方向へのX方向移動軸341bの移動時においても、Y方向に移動しないようにX方向移動軸341bに対してY方向に移動可能に設けられている。これにより、X方向移動軸341bがY方向に移動する場合でも、X方向移動ノブ340bおよびY方向移動ノブ350はY方向に移動しない。したがって、操作性がより向上される。
【0172】
本実施の形態では、第3の移動プレート330の移動方向であるX方向およびY方向が互いに直交しているので、操作性が向上されるとともに、第3の移動プレート330の正確な位置決めが実現されている。
【0173】
次に、本実施の形態に係るプローブ走査装置1の制御系について説明する。なお、後述の図10に示す原子間力顕微鏡10の制御系はコンタクトモードを用いる場合の制御系を示している。
【0174】
ここで、コンタクトモードとは、原子間力顕微鏡10において、探針を試料に接触する位置まで近付けて試料表面に沿って走査させる測定モードである。
【0175】
図10は、本実施の形態に係るプローブ走査装置1のコンタクトモードを用いる場合の制御系を示すブロック図である。図10においても、図1と同様にX方向、Y方向およびZ方向を定義する。
【0176】
原子間力顕微鏡10は、板バネ状のカンチレバー100、探針101、圧電素子110、光源121、反射鏡122,123、光検出器124および制御部130を含む。
【0177】
原子間力顕微鏡1においては、探針101と試料Mとの間に生じる原子間力、すなわちカンチレバー100の変位量を検出する。
【0178】
カンチレバー100の先端には探針101が設けられている。この探針101を試料Mに近付けると、探針101と試料Mとの間に原子間力が生じ、カンチレバー100が上下方向にたわむ。
【0179】
AFMスキャナ11内に設けられた圧電素子110により試料M表面に沿った探針101の走査が行われる。圧電素子110は、試料M表面に沿って探針101を走査させるために、カンチレバー100をX方向およびY方向に移動させる。
【0180】
なお、探針101を固定した状態で試料載置台30(第3の移動プレート330)をX方向およびY方向に移動させることにより、試料M表面に沿った探針101の走査を行ってもよい。また、圧電素子110の代わりにボイスコイルモータを用いてもよい。
【0181】
圧電素子110は、カンチレバー100の変位を一定に保つように、すなわち、探針101と試料Mとの間に生じる原子間力を一定に保つようにカンチレバー100をZ軸方向に動作させる。探針101と試料Mとの間の原子間力を一定に保つために圧電素子110に印加した電圧値の変化に基づいて、試料Mの3次元的な形状情報を画像化することが可能となる。
【0182】
なお、圧電素子110は、制御部130により制御される。制御部130は、中央演算処理装置(CPU)131、変位量検出部132、Z方向サーボ回路133およびX−Y方向サーボ回路134を含む。
【0183】
Z方向サーボ回路133は、カンチレバー100の探針101がZ方向に動作するように圧電素子110を制御する。また、X−Y方向サーボ回路134は、カンチレバー100の探針101がX方向およびY方向に移動するように圧電素子110を制御する。変位量検出部132については後述する。
【0184】
ここで、試料M表面の凹凸により生じるカンチレバー100の変位量を一定に保つための原子間力顕微鏡10における動作について説明する。
【0185】
カンチレバー100の微小なたわみ量(変位)を検出するために、光源121によりレーザ光がカンチレバー100の先端に照射される。なお、カンチレバー100の変位を検出するために、一般的に下記の光てこ方式が用いられる。
【0186】
光てこ方式とは、カンチレバー100の変位を測定する方法の一例であり、レーザ光をカンチレバー100に照射し、カンチレバー100からの反射光を光検出器124により検出するものである。
【0187】
カンチレバー100の微小な変位が、カンチレバー100からの反射光のわずかな角度変化に反映され、この角度変化が光検出器124により検出される。なお、光検出器124としては、2分割フォトセル、4分割フォトセルまたはフォトセルアレイ等が用いられる。また、カンチレバー100としては、半導体微細加工技術によりウエハ単位で生産されたカンチレバーの他、カンチレバーの一部に微小な反射用ガラス(反射鏡)を設けたものまたは光ファイバプローブ型カンチレバーの背面をフラットにして反射面を設けたもの等が用いられる。
【0188】
なお、本実施の形態では、光源121から出射されたレーザ光は、反射鏡122を介してカンチレバー100に照射され、カンチレバー100に照射されたレーザ光は反射光として反射鏡123を介して光検出器124により検出されるが、これに限定されるものではなく、反射鏡122および反射鏡123を設けずに、光源121から出射されたレーザ光を直接カンチレバー100に照射し、カンチレバー100に照射されたレーザ光を反射光として直接光検出器124により検出してもよい。
【0189】
光検出器124の出力信号は、制御部130の変位量検出部132に与えられる。変位量検出部132は、光検出器124の出力信号に基づいてカンチレバー100の変位量を検出する。
【0190】
制御部130のCPU131は、変位量検出部132により検出されたカンチレバー100の変位量に基づいて、この変位量を一定に保つように圧電素子110を制御する。
【0191】
制御部130にはCRT(陰極線管)等のディスプレイ40が接続されている。ディスプレイ40は、試料Mの3次元形状の画像を映し出す。
【0192】
なお、本実施の形態においては、原子間力顕微鏡10の測定モードとして、コンタクトモードを用いているが、これに限定されるものではなく、探針101を試料Mに接触させることなく探針101を共振させ、試料M表面の近傍を走査させるノンコンタクトモードを用いてもよい。
【0193】
以上、本発明の一実施の形態に係るテーブル移動機構およびプローブ走査装置において、ノブ保持片311は保持部材に相当し、Y方向は第1の方向に相当し、X方向は第2の方向に相当し、第3の移動プレート330はテーブルに相当し、Y方向移動ノブ350およびY方向移動軸351は第1の操作軸に相当し、X方向移動ノブ340およびX方向移動軸341は第2の操作軸に相当する。
【0194】
また、Y方向軸ブロック313、Y方向移動ノブ350、Y方向移動軸351およびY方向送り部材320Mは第1の駆動機構に相当し、第2の移動プレート320、歯車固定片321、X方向軸ブロック322、X方向送り部材330M、X方向移動ノブ340、X方向移動軸341、第1の平歯車342、第2の平歯車343、駆動伝達軸344、第1のかさ歯車345、第2のかさ歯車346および移動方向変換軸347は第2の駆動機構に相当し、第2の移動プレート320は可動部材に相当する。
【0195】
さらに、Y方向送り部材320Mは第1の伝達機構に相当し、第1の平歯車342、第2の平歯車343、駆動伝達軸344、第1のかさ歯車345、第2のかさ歯車346、移動方向変換軸347およびX方向送り部材330Mは第2の伝達機構に相当し、第1の平歯車342は第1の回転部材に相当し、第2の平歯車343は第2の回転部材に相当し、第1のかさ歯車345、第2のかさ歯車346および移動方向変換軸347は変換機構に相当する。
【0196】
X方向移動軸341bは回転軸に相当し、X方向移動ノブ340bは把持部に相当し、試料載置台30は試料載置台に相当し、原子間力顕微鏡10は走査型プローブ顕微鏡に相当し、光学顕微鏡20は光学顕微鏡に相当し、ベース筐体部50、支持脚52a,52b,52c,52d、被支持部53a,53dおよび底部54は保持部に相当する。
【産業上の利用可能性】
【0197】
本発明は、光学顕微鏡、原子間力顕微鏡および走査型電子顕微鏡等に有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0198】
【図1】本実施の形態に係るプローブ走査装置を示す斜視図である。
【図2】図1のAFMスキャナに対するカンチレバーの好ましい配置位置およびAFMスキャナに対する試料載置台の好ましい配置位置を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るテーブル移動機構のXY方向移動機構の外観斜視図である。
【図4】X方向移動ノブによる第3の移動プレートのX方向の移動を説明するための平面図である。
【図5】Y方向移動ノブによる第2の移動プレートのY方向の移動を説明するための平面図である。
【図6】図3のXY方向移動機構の側面図である。
【図7】XY方向移動機構の他の例を示す外観斜視図である。
【図8】X方向移動ノブによる第3の移動プレートのX方向の移動を説明するための平面図である。
【図9】図7のXY方向移動機構の側面図である。
【図10】本実施の形態に係るプローブ走査装置のコンタクトモードを用いる場合の制御系を示すブロック図である。
【図11】従来のプローブ走査装置を示す模式図である。
【図12】従来のテーブル移動機構を示す模式図である。
【符号の説明】
【0199】
10 原子間力顕微鏡
20 光学顕微鏡
30 試料載置台
50 ベース筐体部
52a,52b,52c,52d 支持脚
53a,53d 被支持部
54 底部
311 ノブ保持片
313 Y方向軸ブロック
320 第2の移動プレート
321 歯車固定片
322 X方向軸ブロック
330 第3の移動プレート
340,340b X方向移動ノブ
341,341b X方向移動軸
342 第1の平歯車
343 第2の平歯車
344 駆動伝達軸
345 第1のかさ歯車
346 第2のかさ歯車
347 移動方向変換軸
350 Y方向移動ノブ
351 Y方向移動軸
320M Y方向送り部材
330M X方向送り部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持部材と、
互いに交差する第1の方向および第2の方向に前記保持部材に対して移動可能に設けられたテーブルと、
前記保持部材から突出するように前記第1の方向に延びかつ回転操作可能に前記保持部材に設けられた第1の操作軸と、
前記保持部材から突出するように前記第1の方向に延びかつ回転操作可能に前記保持部材に設けられた第2の操作軸と、
前記第1の操作軸の回転に伴って前記テーブルを前記第1の方向に移動させる第1の駆動機構と、
前記第2の操作軸の回転に伴って前記テーブルを前記第2の方向に移動させる第2の駆動機構とを備えたことを特徴とするテーブル移動機構。
【請求項2】
前記第1の駆動機構は、
前記第1の方向に移動可能に設けられた可動部材と、
前記第1の操作軸の回転に伴って前記可動部材を前記第1の方向に移動させる第1の伝達機構とを含み、
前記第2の駆動機構は、
前記テーブルおよび前記可動部材とともに前記第1の方向に移動可能に設けられ、前記第2の操作軸の回転に伴って前記テーブルを前記第2の方向に移動させる第2の伝達機構を含むことを特徴とする請求項1記載のテーブル移動機構。
【請求項3】
前記第2の操作軸に設けられ、前記第2の操作軸とともに回転する第1の回転部材をさらに備え、
前記第1および第2の操作軸は、前記第1の方向に移動しないように前記保持部材に設けられ、
前記第2の伝達機構は、
前記第1の回転部材に係合し、前記第1の回転部材の回転に連動して前記第1の方向の軸の周りで回転可能に前記可動部材に設けられた第2の回転部材と、
前記第2の回転部材の回転運動を前記第2の方向の往復運動に変換することにより前記テーブルを前記第2の方向に移動させる変換機構とを含み、
前記第2の回転部材は、前記第1の回転部材との係合状態を保ちつつ前記可動部材とともに前記第1の方向に移動可能に前記可動部材に設けられたことを特徴とする請求項2記載のテーブル移動機構。
【請求項4】
前記第2の操作軸は回転軸と前記回転軸の端部に設けられる把持部とを含み、
前記第1の操作軸は、前記第1の方向に移動しないように前記保持部材に設けられ、
前記回転軸は、前記第1の方向に移動可能に前記保持部材に設けられ、
前記第2の伝達機構は、前記回転軸の回転運動を前記第2の方向の往復運動に変換することにより前記テーブルを前記第2の方向に移動させる変換機構を含み、
前記把持部は、前記回転軸とともに回転するように回転方向において前記回転軸に係止されるとともに、前記第1の方向への前記回転軸の移動時に前記第1の方向に移動しないように前記回転軸に対して前記第1の方向に移動可能に設けられたことを特徴とする請求項2記載のテーブル移動機構。
【請求項5】
前記第1の操作軸の回転トルクと前記第2の操作軸の回転トルクとがほぼ等しいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のテーブル移動機構。
【請求項6】
前記第1の操作軸の回転量に対する前記テーブルの前記第1の方向への移動量の割合と、前記第2の操作軸の回転量に対する前記テーブルの前記第2の方向への移動量の割合とがほぼ等しいことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のテーブル移動機構。
【請求項7】
前記第1の方向と前記第2の方向とは、互いに直交することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のテーブル移動機構。
【請求項8】
試料が載置される試料載置台と、
走査型プローブ顕微鏡と、
光学顕微鏡と、
前記走査型プローブ顕微鏡および前記光学顕微鏡を保持する保持部とを備え、
前記試料載置台は、
保持部材と、
互いに交差する第1の方向および第2の方向に前記保持部材に対して移動可能に設けられたテーブルと、
前記保持部材から突出するように前記第1の方向に延びかつ回転操作可能に前記保持部材に設けられた第1の操作軸と、
前記保持部材から突出するように前記第1の方向に延びかつ回転操作可能に前記保持部材に設けられた第2の操作軸と、
前記第1の操作軸の回転に伴って前記テーブルを前記第1の方向に移動させる第1の駆動機構と、
前記第2の操作軸の回転に伴って前記テーブルを前記第2の方向に移動させる第2の駆動機構とを備えたことを特徴とするプローブ走査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−71530(P2006−71530A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−256779(P2004−256779)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】