説明

デュアルプルーフマスを有するMEMSセンサ

【課題】熱により誘起された高ひずみおよび測定精度の低下を生じないMEMSセンサを提供する。
【解決手段】
微小電気機械システム(MEMS)センサ20は、基板26と、基板26の平坦面28に形成されたサスペンションアンカー34、36とを備える。MEMSセンサ20は、基板26上に吊らされる、第1可動素子および第2可動素子をさらに備える。可撓性部材42、44が第1可動素子38をサスペンションアンカー34に相互接続し、可撓性部材46、48が第2可動素子40をサスペンションアンカー36に相互接続する。可動素子38、40は同一の形状を有する。可動素子は矩形または入れ子構成におけるL形状可動素子108、110であってよい。可動素子38、40は、基板26における点位置94の周りに互いに回転対称に配向される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には微小電気機械システム(MEMS)センサに関し、より詳細には温度誘起エラーに対する感度を低下させ、かつセンササイズ縮小するために設けたデュアルプルーフマスを有するMEMSセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)センサは、自動車、慣性誘導システム、家庭用製品、種々のデバイスのための保護システム、他の産業、科学、および工学システムのような用途に広く使用される。このようなMEMSセンサは、加速度、圧力、または温度のような物理的状態を検出するために使用され、検出された物理的状態を示す電気信号を与える。
OLE_LINK1 容量検出型MEMS設計OLE_LINK1は、小さな寸法および安価な製造に適応しているため、高加速度の環境および小型デバイスの動作に非常に好適である。容量式加速度計は、加速度に応じた電気容量の変化を検出し、作動された回路の出力を変化させる。1つの一般的な加速度計は「ティータートーター」または「シーソー」の構造を有する2層の容量式トランスデューサである。この一般的に利用されるドランスデューサのタイプは、基板上のZ軸方向の加速度の下で回転する、可動素子またはプレートを用いる。加速度計の構造は、差動または相対容量を判定するために、2つの個別容量を測定し得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1】一実施形態によるデバイスに含まれるMEMSセンサの上面図。
【図2】図1のMEMSセンサの概要を示す側面図。
【図3】図1のMEMSセンサによって生じられた差動容量の方程式のチャート。
【図4】代替の実施形態によるMEMSセンサの上面図。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本明細書に記載された実施形態は、デュアル可動素子すなわち下の基板上に吊らされたプルーフマスを有する微小電気機械(MEMS)センサを含む。デュアル可動素子は熱的に誘起される応力による測定エラーを最小化するために配向される。追加的な態様において、デュアル可動素子を入れ子式構成に収容することを可能にすることによってデュアル可動素子は基板面積を最適化すべく形成され得る。このようなデュアル可動素子を有するMEMSセンサは従来のMEMS作成工程を用いて製造され得る。したがって。このようなMEMSセンサは、正確、小型、およびコスト効率が良好である製造の設計目的を達成する。
【0005】
図1は、一実施形態による、デバイス22に含まれたMEMSセンサ20の上面図を示す。加速度計の形態であるMEMSセンサ20は矢印24(図2)によって示すようにZ軸加速度を検出するように適応され、シーソー型センサとして構成される。デバイス22は、加速度測定を必要し得るいかなる複数のデバイスを含む可能性がある。このようなデバイスには、例えば、自動車システム、慣性誘導システム、家庭用製品、種々のデバイスのための保護システム、携帯型コンピューティングおよび電気通信デバイス、ハンドヘルド型ゲームコントローラ、および他の多くの産業、科学、および工学システムが含まれる。
【0006】
MEMSセンサ20は、概ね平坦な表面28を有する基板26を含んでなる。第1検出素子30および第2検出素子32(鎖線によって示される)は基板26の平坦な表面28に形成される。さらに、第1サスペンションアンカー34および第2サスペンションアンカー36は基板26の平坦な表面28に形成される。本明細書で第1プルーフマス38と呼ばれる第1可動素子および本明細書で第2プルーフマス40と呼ばれる第2可動素子は、基板26の平坦な表面28の上方にて互いに離隔した様式に配置される。
【0007】
MEMSセンサ20は、第1プルーフマス38が基板26の上方に担持されるように第1プルーフマス38を第1サスペンションアンカー34に相互接続するための、第1可撓性部材42および第2可撓性部材44を有する。同様に、MEMSセンサ20は、第2プルーフマス40が基板26上に担持されるように第2プルーフマス40を第2サスペンションアンカー36に相互接続するための、第3可撓性部材46および第4可撓性部材48を有する。MEMSセンサ30の部品は、例えば、堆積、パターニング、エッチングを含む従来または将来来るべきMEMS作成設計法則および工程を用いて形成され得る。
【0008】
特に明記しない限り、「第1」及び「第2」等の用語は、そのような用語が述べる要素間を任意に区別するために用いる。従って、これらの用語は、必ずしもそのような要素の時間的な又は他の優先順位付けを示そうとするものではない。
【0009】
図示するように、開口50は第1プルーフマス38を貫通して延伸し、プルーフマス38の内縁部52によって画成される。第1サスペンションアンカー34は、第1プルーフマス38の第1端部58と第2端部60との間の第1プルーフマス38の第1回転軸56に沿って開口50のほぼ中心54に配置される。同様に、開口62は第2プルーフマス40を貫通して延伸し、第2プルーフマス40の内縁部64によって画成される。第2サスペンションアンカー36は、第2プルーフマス40の第3端部70と第4端部72との間の第2プルーフマス40の第2回転軸68に沿って開口62のほぼ中心66に配置される。
【0010】
シーソー型加速度計として動作するために、第1回転軸56の片側にある第1プルーフマス38の第1部分76は、第1回転軸56の他の側にある第1プルーフマス38の第2部分78より大きな質量を有するように形成される。例示的な実施形態において、第1部分76のより大きな質量は、第1回転軸56と第1端部58との間の第1部分76の第1の長さ80が第1回転軸56と第2端部60との間の第2部分78の第2の長さ82より長くなるように、第1回転軸56を偏位することによって形成され得る。同様に、第2回転軸68の片側における第2プルーフマス40の第3部分84は、第2回転軸68の別の側における第2プルーフマス40の第4部分86より相対的に小さい質量を有するように形成される。第3部分84のより小さい質量は、第2回転軸68と第3端部70との間の第3部分84の第3の長さ88が第2回転軸68と第4端部72との間の第4部分86の第4の長さ90より短くなるように第2回転軸68を偏位することによって形成され得る。第1および第2プルーフマス38および40の各々は、加速度24(図2)に応答して第1プルーフマス38および第2プルーフマス40の第1回転軸56および第2回転軸68周りで回転するために適していることによって、下方の検出素子30,32に対する相対位置を変化させる。
【0011】
第1プルーフマス38および第2プルーフマス40のそれぞれが実質的に等しい、すなわち同一の形状およびサイズを有している。図1の図示された実施形態において、形状は概ね矩形である。さらに、第1部分76の第1の長さ80は第4部分86の第4の長さ90と実質的に等しく、第2部分78の第2の長さ82は第3部分84の第3の長さ88と実質的に等しい。それぞれの第1および第2軸の回転56および68は回転92の共通な軸に沿って互いに整列配置される。
【0012】
MEMSセンサの用途は、オフセット(TCO)動作のより低い温度係数を要する。TCOは熱的に誘起される応力がMEMSセンサのような半導体デバイスの性能にどれぐらい影響を与える測定規準である。高TCOが、有意に高い熱誘起された応力、すなわち、このような応力に高い感度を有するMEMSデバイスを示す。MEMSセンサ用途のパッケージングは多くの場合において、熱膨張の異なる係数を有する材料を使用する。したがって、望ましくない高TCOは製造または動作の間に発生され得る。さらに、最終製品におけるプリント回路板にパッケージングされた半導体デバイスをハンダ付けすることから応力が生じ得る。応力とMEMSデバイスの材料特性の組み合わせによって、ひずみ、すなわち基板26の変形を生じ得る。第1および第2サスペンションアンカー30,32も下方にある基板26を介してこのひずみまたは変形を受ける可能性がある。サスペンションアンカー30,32におけるひずみは、 第1プルーフマス38および第2プルーフマス40それぞれが、第1および第2回転軸56および68の周りのいくらかの回転を生じ、そこから測定の不正確を生じ得る。したがって容量式MEMSセンサ20の出力に有害な影響を与える。
【0013】
従来技術に従うと、MEMSセンサにおける素子は、対称軸に対して素子を鏡映対称性の原理にしたがって典型的に配置される。対称軸は、幾何学的図形を2つの部分に分け、対称軸について折り返す場合、一つの部分が別の部分に一致するような線である。あいにく、TCO効果のため、一対のプルーフマスを鏡映対称性に配置するように仮定すると、高ひずみおよび測定精度の低下を生じ得る。
【0014】
したがって、第1および第2プルーフマス38,40は鏡映対称性にしたがって配置しない。むしろ、第1サスペンションアンカー34および第2サスペンションアンカー36のひずみによる不正確さの問題を回避するために、第2プルーフマス40は、基板26の平坦面28にある点位置94について、第1プルーフマス38の回転対称となるように、配向される。本明細書で利用された「回転対称性」は、第2プルーフマス40が第1プルーフマス38に対して点位置94の周りを回転されるが、第2プルーフマス40は第1プルーフマス38と「依然として同一に見える」ことを称する。すなわち、第1プルーフマスのあらゆる点が第2プルーフマスに整合する点を有し、この点は点位置94から同一距離であるが、反対方向に配向される。この回転対称は矢印96によって図1に示される。一実施形態において、第2プルーフマスは、基板26の点位置94の周りに回転される配向、第1プルーフマスに対して約180度の方向に配置される。この回転対称性の構成はしばしば、「二次回転対称性」と称される。
【0015】
したがって、第1および第2プルーフマス38,40を回転対称に配置することによって、それぞれの第1回転軸56および第2回転軸68を回転92の共通な軸に沿って互いに整列配置させる。したがって、第1サスペンションアンカー34を介して第1プルーフマス38の回転を及ぼすいかなるひずみは、第2プルーフマス40の回転を及ぼす第2サスペンションアンカー36を介して受けられた、概ね均等かつ反対方向のひずみによって均衝化される。また、第1および第2プルーフマス38および40の回転対称の配置が、検出素子30,32を互いに近接して配置することを可能にする。このように近接させることによって、検出素子30,32はひずみによって同様な変形をもたらす。
【0016】
図2〜3を参照する。図2はMEMSセンサ20の概略を示す側面図を示し、図3がMEMSセンサ20によって生じられた差動容量の方程式100のチャート98を示す。図2,3において、符号「M1」が第1プルーフマス38を示し、「M2」が第2プルーフマス40を示し、「S1」が第1検出素子30を示し、「S2」が第2検出素子32を示す。
【0017】
図2は、回転の共通軸92の周りの第1および第2プルーフマス38および40それぞれの回転を示している。Z軸加速度24に応答して、矢印102によって示されるように、第1プルーフマス38が第1方向に回転し、矢印104によって示されるように、第2プルーフマス40が第2方向に回転する。しかしながら、第1および第2プルーフマス38および40の回転対称性によって、回転の第2方向104は第1方向102と反対にある。
【0018】
第1および第2プルーフマス38および40が回転するに従って、下方にある検出素子30,32に対するそれらの相対位置が変化する。この位置の変化が1組の容量を生じて、これらの差すなわち差動が加速度24を指示する。図2に示すように、第1容量C1は第1プルーフマス38の第1部分76と第1検出素子30との間に形成される。第2容量C2は第1プルーフマス38の第2部分78と第2検出素子32との間に形成される。また、第3容量C3は第2プルーフマス40の第2部分84と第1検出素子30との間に形成される。さらに、第4容量C4は第2プルーフマス40の第4部分86と第2検出素子32との間に形成される。
【0019】
図3は加速度24を示す差動容量を示している。特に、加速度方程式100が、加速度出力ACCEL(OUT)は第1および第4容量(C1およびC4)の和と第2および第3容量(C2およびC3)の和との間の差に比例することを示している。チャート98が、第1容量C1は第1プルーフマス38(M1)と第1検出素子30(S1)との間に形成された構成をさらに示す。第4容量C4は第2プルーフマス40(M2)と第2検出素子32(S2)との間に形成される。第2容量C2は第1プルーフマス38(M1)と第2検出素子32(S2)との間に形成される。第3容量C3は第2プルーフマス40(M2)および第2検出素子30(S1)との間に形成される。
【0020】
MEMSセンサ20のデュアルプルーフマス構成は小さなパッケージで相対的高加速度出力を生じ、安価な大量生産に非常に好適となる。さらに、第1および第2プルーフマス38および40の回転対称の構成が、TCOと知られている熱的に誘起される応力による測定エラーを少なくとも部分的に相殺する。
【0021】
図4は、代替の実施形態によるMEMSセンサ106の上面図を示す。MEMSセンサ20(図1)を参照すると、第1および第2プルーフマス38および40の回転対称の構成のため、基板26上に実質的に使用されていない空間が大きくあることを示している。特に、第1プルーフマス38の第2端部60と近接する基板26上の領域および第2プルーフマス第3端部70と近接する基板26上の別の領域は使用されない。MEMSセンサ106の構成がL字形状の可動マスを入れ子式にすることを介してこの使用されない空間を利用してZ軸加速度24(図2)により高い感知度を達成する。
【0022】
MEMSセンサ106の多くの部品はMEMSセンサ20(図1)の部品と一般的に等しい。簡略化のために、本明細書で同一符号は等しい部品に使用される。したがって、MEMSセンサ106が基板26と、当該基板26の平坦な表面28に形成された、第1検出素子30、第2検出素子32、第1サスペンションアンカー34、第2サスペンションアンカー34を含む。
【0023】
MEMSセンサ106は、基板26の平坦な表面28上に離隔して配置された本明細書で第1プルーフマスと称される第1可動素子および本明細書で第2プルーフマス110と称される第2可動素子をさらに含む。それぞれ第1および第2可撓性部材42,44が、第1プルーフマス108が基板26の上方に担持されるように第1プルーフマス108を第1サスペンションアンカー34と相互接続する。同様に、第3および第4の可撓性部材46,48はそれぞれ、第2プルーフマス110が基板26の上方に担持されるように第2プルーフマス110を第2サスペンションアンカー36と相互接続する。
【0024】
第1および第2プルーフマス38および40(図1)が概ね矩形形状であるのと対照的に、MEMSセンサ106の第1および第2プルーフマス108および110はL字形状の素子である。すなわち、第1プルーフマス108が、第1プルーフマス108の第1側114から延伸し、かつ第2プルーフマス110の端部116の近くに配置された第1横方向伸張部112を含む。同様に、第2プルーフマス110が、第2プルーフマス110の第2側120から延伸し、かつ第1プルーフマス108の端部122の近くに配置された第2横方向伸張部118を含む。
【0025】
互いに接触せず第1および第2プルーフマス108,110を組み合わせる入れ子式を達成するために、第2L形状プルーフマス110は、基板26の平坦な表面28における点位置94の周りの第1L形状プルーフマス108に対して概ね回転対称96に配向される。基板26上にこれまで使用されなかった領域が今利用され、第1および第2プルーフマス108および110の反対部分の質量をさらに増加する。この増加された質量が、MEMSセンサ20(図1)と等しい面積を使用してZ軸加速度24(図1)により高い感知度を提供し得る。また、第1および第2プルーフマス108および110の回転対称性構成が少なくとも、TCOと知られている熱的に誘起される応力による測定エラーを部分的減少する。
【0026】
本明細書記載された実施形態が、下にある基板上に吊らされたデュアル可動素子すなわちプルーフマスを有する微小電気機械システム(MEMS)センサを含む。互いに回転対称に配向されたデュアルプルーフマスが、熱的に誘起される応力による測定エラーを最小化する。追加の態様において、デュアルプルーフマスを入れ子式に互い違いにすることによって基板面積を最適化するために互いに配向されたデュアルプルーフマスはL形状であってよい。L形状デュアルプルーフマスは、概ね矩形のデュアルプルーフマスMEMSセンサよりも、MEMSセンサと等しい面積を使用するにも関わらずZ軸加速度により高い感知度を提供し得る。デュアルプルーフマスを有するMEMSセンサは従来MEMS製造工程を用いて製造され得る。したがって、そのようなMEMSセンサが高感知度、正確度、小型、および効率の良い製造の設計目的を達成する。
【0027】
前述の詳細な説明は、具体的な例示の実施の形態を参照しながら本発明を説明するものである。しかし、添付の特許請求の範囲で定義された本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更が加えられ得ることが理解されよう。例えば、デュアルプルーフマスは互いに回転対称的に配置されることを条件として、デュアルプルーフマスは上述に記載された形状と異なる形状を有してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小電気機械システム(MEMS)センサにおいて、
基板と、
前記基板のほぼ平坦な表面から上方に離隔して配置された第1可動素子と、
前記基板の前記表面から上方に離隔して配置された第2可動素子とを備え、
前記第1および前記第2可動素子は、概ね同一の形状を有し、前記第2可動素子は、前記基板の前記平坦な表面にある点位置の周りに前記第1可動素子に対して概ね回転対称となるように配置される、MEMSセンサ。
【請求項2】
前記第2可動素子は、前記第1可動素子を前記点位置の周りに約180度回転した方向に配置される、請求項1記載のMEMSセンサ。
【請求項3】
前記第1可動素子は、前記基板の前記平坦な表面に垂直な軸に沿う加速度に応じた第1方向への回転運動に適し、前記第1方向への回転運動は、前記第1可動素子の第1および第2の端部の間に配置された第1回転軸の周りに生じ、
前記第2可動素子は、前記加速度に応じた第2方向への回転運動に適し、前記第2方向への回転運動は、前記第2可動素子の第3および第4の端部の間に配置された第2回転軸の周りに生じ、前記第2方向は前記第1方向と反対の向きである、
請求項1記載のMEMSセンサ。
【請求項4】
前記第1および第2回転軸は共通な軸に沿って互いに位置合わせされている、請求項3記載のMEMSセンサ。
【請求項5】
前記基板の前記平坦な表面に形成され、前記共通な軸に概ね中心を合わせてある第1サスペンションアンカーと、
前記第1可動素子を前記第1サスペンションアンカーに相互接続するとともに、前記第1可動素子の前記第1回転軸周りの回転運動を可能にさせる第1の対の可撓性部材と、
前記基板の前記表面に形成され、前記共通な軸に概ね中心を合わせてある第2サスペンションアンカーと、
前記第2可動素子を前記第2サスペンションアンカーに相互接続するとともに、前記第2可動素子の前記第2回転軸周りの回転運動を可能にさせる第2の対の可撓性部材とをさらに備える、請求項4記載のMEMSセンサ。
【請求項6】
前記第1可動素子は、前記第1回転軸と前記第1端部の間の第1部分と、前記第1回転軸と前記第2端部の間の第2部分とを有し、前記第1回転軸は、前記第1回転軸と前記第1端部の間の前記第1部分の長さである第1の長さが、前記第1回転軸と前記第2端部の間の前記第2部分の長さである第2の長さよりも長くなるように、前記第1および前記第2端部の間で偏位した方式に配置され、
前記第2可動素子は、前記第2回転軸と前記第3端部の間の第3部分と、前記第2回転軸と前記第4端部の間の第4部分とを有し、前記第2回転軸は、前記第2回転軸と前記第3端部の間の前記第3部分の長さである第3の長さは前記第2回転軸と前記第4端部の間の前記第4部分の長さである第4の長さよりも短くなるように前記第3および前記第4端部の間で偏位した方式に配置される、請求項3記載のMEMSセンサ。
【請求項7】
前記第1の長さは前記第4の長さと概ね等しく、
前記第2の長さは前記第3の長さと概ね等しい、請求項6記載のMEMSセンサ。
【請求項8】
前記第1可動素子は前記第1部分の第1の側部に延びる第1横方向伸張部を備え、前記第1横方向伸張部は前記第2可動素子の前記第3端部の近傍まで延びるように配置され、
前記第2可動素子は前記第4部分の第2の側部に延びる第2横方向伸張部を備え、前記第2横方向伸張部は、前記第1可動素子の前記第2端部の近傍まで延びるように配置される、請求項6記載のMEMSセンサ。
【請求項9】
前記第1可動素子が、第1L形状可動素子を形成する前記第1横方向伸張部を含み、
前記第2可動素子が、第2L形状可動素子を形成する前記第2横方向伸張部を含み、前記第1および前記第2L形状可動素子が、前記第1および前記第2L形状可動素子との間に接触せずに入れ子の構成に配置される、請求項8記載のMEMSセンサ。
【請求項10】
前記第1および前記第2可動素子の各々は共通な回転軸の周りの運動に適し、
前記MEMSセンサは、
前記第1および前記第2可動素子の各々の下方にて前記基板に配置された第1感知素子と、
前記第1および前記第2可動素子の各々の下方にて前記基板に配置された第2感知素子とをさらに備え、
前記第1および前記第2感知素子は、前記共通な回転軸からほぼ等しい距離をもって、かつ反対方向を指向して離隔するように配置され、前記第1および前記第2感知素子は、前記基板の前記平坦な表面に垂直な軸に沿って前記共通な回転軸の周りに前記第1および前記第2可動素子の運動を検知するために適切である、請求項1記載のMEMSセンサ。
【請求項11】
微小電気機械システム(MEMS)センサを備えるセンサにおいて、
前記MEMSセンサは、
基板と、
前記基板のほぼ平坦な表面から上方に離隔して配置された第1可動素子であって、前記第1可動素子の第1端部と第2端部との間に配置された第1回転軸の周りに回転運動を生じるために適切な第1可動素子と、
前記基板の前記表面から上方に離隔して配置された第2可動素子であって、前記第2可動素子の第3端部と第4端部の間に配置された第2回転軸の周りに回転運動を生じるために適切な第2可動素子とを備え、
前記第1および前記第2可動素子は概ね同一の形状を有し、前記第2可動素子は、前記基板の前記平坦な表面にある点位置の周りに前記第1可動素子に対して概ね回転対称となるように配置され、前記第2可動素子は、前記第1可動素子を前記点位置の周りに約180度回転した方向に配置される、デバイス。
【請求項12】
前記第1可動素子は、前記基板の前記平坦な表面に垂直な軸に沿う加速度に応じた第1方向への前記第1回転軸の周りの回転運動に適し、
前記第2可動素子は、前記加速度に応じた第2方向への前記第2回転軸の周りの回転運動に適し、前記第2方向は前記第1方向と反対の向きである、請求項11記載のデバイス。
【請求項13】
前記第1および第2回転軸は共通な軸に沿って互いに位置合わせされている、請求項11記載のデバイス。
【請求項14】
前記第1可動素子は、前記第1回転軸と前記第1端部の間の第1部分と、前記第1回転軸と前記第2端部の間の第2部分とを有し、前記第1回転軸は、前記第1回転軸と前記第1端部の間の前記第1部分の長さである第1の長さが、前記第1回転軸と前記第2端部の間の前記第2部分の長さである第2の長さよりも長くなるように、前記第1および前記第2端部の間で偏位した方式に配置され、
前記第2可動素子は、前記第2回転軸と前記第3端部の間の第3部分と、前記第2回転軸と前記第4端部の間の第4部分とを有し、前記第2回転軸は、前記第2回転軸と前記第3端部の間の前記第3部分の長さである第3の長さは前記第2回転軸と前記第4端部の間の前記第4部分の長さである第4の長さよりも短くなるように前記第3および前記第4端部の間で偏位した方式に配置される、請求項11記載のデバイス。
【請求項15】
前記第1可動素子は前記第1部分の第1の側部に延びる第1横方向伸張部を備え、前記第1横方向伸張部は前記第2可動素子の前記第3端部の近傍まで延びるように配置され、
前記第2可動素子は前記第4部分の第2の側部に延びる第2横方向伸張部を備え、前記第2横方向伸張部は、前記第1可動素子の前記第2端部の近傍まで延びるように配置される、請求項14記載のデバイス。
【請求項16】
前記第1および前記第2可動素子の各々は共通な回転軸の周りの運動に適し、
前記MEMSセンサは、
前記第1および前記第2可動素子の各々の下方にて前記基板に配置された第1感知素子と、
前記第1および前記第2可動素子の各々の下方にて前記基板に配置された第2感知素子とをさらに備え、
前記第1および前記第2感知素子は、前記共通な回転軸からほぼ等しい距離をもって、かつ反対方向を指向して離隔するように配置され、前記第1および前記第2感知素子は、前記基板の前記平坦な表面に垂直な軸に沿って前記共通な回転軸の周りに前記第1および前記第2可動素子の運動を検知するために適切である、請求項11記載のデバイス。
【請求項17】
微小電気機械システム(MEMS)センサにおいて、
基板と、
前記基板のほぼ平坦な表面から上方に離隔して配置された第1可動素子と、
前記基板の前記表面から上方に離隔して配置された第2可動素子とを備え、
前記第1および前記第2可動素子は、概ね同一の形状を有し、前記第2可動素子は、前記基板の前記平坦な表面にある点位置の周りに前記第1可動素子に対して概ね回転対称となるように配置され、前記第2可動素子は、前記第1可動素子を前記点位置の周りに約180度回転した方向に配置され、前記第1および前記第2可動素子の各々は共通な回転軸の周りの運動に適切であり、
前記第1および前記第2可動素子の各々の下方にて前記基板に配置された第1感知素子と、
前記第1および前記第2可動素子の各々の下方にて前記基板に配置された第2感知素子とをさらに備え、
前記第1および前記第2感知素子は、前記共通な回転軸からほぼ等しい距離をもって、かつ反対方向を指向して離隔するように配置され、前記第1および前記第2感知素子は、前記基板の前記平坦な表面に垂直な軸に沿って前記共通な回転軸の周りに前記第1および前記第2可動素子の運動を検知するために適切である、MEMSセンサ。
【請求項18】
前記基板の前記平坦な表面に形成され、前記共通な軸に概ね中心を合わせてある第1サスペンションアンカーと、
前記第1可動素子を前記第1サスペンションアンカーに相互接続するとともに、前記第1可動素子の前記第1回転軸周りの回転運動を可能にさせる第1の対の可撓性部材と、
前記基板の前記表面に形成され、前記共通な軸に概ね中心を合わせてある第2サスペンションアンカーと、
前記第2可動素子を前記第2サスペンションアンカーに相互接続するとともに、前記第2可動素子の前記第2回転軸周りの回転運動を可能にさせる第2の対の可撓性部材とをさらに備える、請求項17記載のMEMSセンサ。
【請求項19】
前記第1可動素子は、第1端部および第2端部、前記共通な軸と前記第1端部の間の第1部分、ならびに、前記共通な軸と前記第2端部との間の第2部分を有し、前記共通な軸と前記第1端部の間の前記第1部分の長さである第1の長さは前記共通な軸と前記第2端部との間の前記第2部分の長さである第2の長さより長く、
前記第2可動素子は、第3端部および第4端部、前記共通な軸と前記第3端部の間の第3部分、ならびに、前記共通な軸と前記第4端部の間の第4部分を有し、前記共通な軸と前記第3端部の間の第3部分の長さである第3の長さは前記共通な軸と前記第4端部の間の長さである第4部分より短い、
請求項17記載のMEMSセンサ。
【請求項20】
前記第1可動素子は前記第1部分の第1の側部に延びる第1横方向伸張部を備え、前記第1横方向伸張部は前記第2可動素子の前記第3端部の近傍まで延びるように配置され、
前記第2可動素子は前記第4部分の第2の側部に延びる第2横方向伸張部を備え、前記第2横方向伸張部は、前記第1可動素子の前記第2端部の近傍まで延びるように配置されることによって、前記第1および第2可動素子は互いの間に接触せずに入れ子の構成に配置される、請求項19記載のMEMSセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−154919(P2012−154919A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−286686(P2011−286686)
【出願日】平成23年12月27日(2011.12.27)
【出願人】(504199127)フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド (806)
【Fターム(参考)】