説明

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療

式(1)の化合物
【化1】


が開示される。また、該化合物を含有する医薬組成物が提供される。また、該化合物及び組成物を使用して、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー及び悪液質を治療する方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
優先権は、2007年8月15日に出願された「デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療(TREATMENT OF DUCHENNE MUSCULAR DYSTROPHY)」という表題の英国出願GB0715939.5に対して、本明細書に主張される。上述の引用された出願の開示は、それらのすべての内容が全体として引用により本明細書に組み込まれている。
(技術分野)
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療の方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
(背景)
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、フランスの神経学者Duchenne de Boulogneにより150年以上前に最初に記載され、その人に因んで疾患が命名された、筋機能の進行性悪化と関連した普遍的な遺伝性神経筋疾患である。DMDは、ジストロフィン遺伝子の突然変異に起因して男性3500人中1人に影響を及ぼすX連鎖劣性遺伝障害として特徴付けられている。該遺伝子はヒトゲノム中最大のものであり、260万塩基対のDNAを包含し、79個のエクソンを含有する。ジストロフィン突然変異のおよそ60%が、下流のフレームシフトエラーにつながる大型の挿入又は欠失であるのに対し、およそ40%が点突然変異又は小型のフレームシフト再構成である。DMD患者の大多数は、ジストロフィンタンパク質を欠失している。ベッカー型筋ジストロフィーは、ジストロフィンタンパク質の量的減少又は大きさの変化に起因するはるかにより軽症の形態のDMDである。DMDの高い発病率(精子又は卵子10,000個中1個)は、遺伝子スクリーニングによって該疾患が決して排除されないであろうこと、そのため有効な治療法が非常に望まれていることを意味する。
【0003】
いくつかの自然な及び遺伝子操作されたDMD動物モデルが存在し、前臨床試験のための主要部を提供している(Allamand, V.及びCampbell, K. P.の文献(筋ジストロフィーのための動物モデル:治療法開発のための価値のあるツール(Animal models for muscular dystrophy: valuable tools for the development of therapies))(Hum. Mol. Genet. 9, 2459〜2467(2000)))。マウス、ネコ及びイヌのモデルはすべてDMD遺伝子の突然変異を有し、ヒトにおいて見られるのと同様の生化学的なジストロフィン異常症(dystrophinopathy)が現われるが、それらの表現型に関して驚くべきかつ重要な変異を示す。ヒトのように、イヌ(ゴールデンレトリーバー(Golden retriever)筋ジストロフィー及びジャーマンショートヘアドポインター(German short-haired pointer))モデルは、重度の表現型を有し;これらのイヌは通例心不全で死亡する。イヌは、ヒト疾患のための最良のフェノコピー(phenocopy)を提供し、前臨床試験向けの高度な基準と見なされる。残念なことに、これらの動物の飼育には費用が掛かりかつ困難であり、同腹仔の間で臨床時間経過が変動する恐れがある。
【0004】
mdxマウスは、入手し易さ、短い妊娠期、成熟までの期間及び比較的低コストのため、最も広く使用されるモデルである(Bulfield, G., Siller, W. G., Wight, P.A.及びMoore, K. J.の文献(マウスにおけるX染色体連鎖型筋ジストロフィー(X chromosome-linked muscular dystrophy (mdx) in the mouse), Proc. Natl Acad. Sci. USA 81,1189〜1192(1984)))。
【0005】
約20年前のDMD遺伝子発見以来、前臨床動物試験において、DMDの治療における様々な度合いの成功が達成され、そのいくつかはヒトで追跡調査されている。現在の治療戦略は、広く3つの群:第1に遺伝子治療の取り組み;第2に細胞治療;最後に薬理学的治療に分類することができる。遺伝子ベース及び細胞ベースの治療は、特に疾患の経過初期に開始した場合、二次的欠陥/病状(例えば拘縮)を別個に癒す必要性をなくしているという基本的な利点を提供する。残念なことに、これらの取り組みはいくつかの技術的ハードルに直面している。毒性、安定した発現の欠如及び送達の困難性に加えて、ウイルスベクター、筋芽細胞に対する免疫学的応答及び新たに合成されるジストロフィンが報告されている。
【0006】
筋ジストロフィーを治療するための薬理学的取り組みは、欠損している遺伝子及び/又はタンパク質いずれかを送達するように設計されていないという点で遺伝子ベース及び細胞ベースの取り組みと異なっている。一般に、薬理学的戦略では、炎症を低下させる、カルシウムのホメオスタシスを改善する、及び筋前駆細胞の増殖又は関係付けを強化するなどの手段によって表現型を改善する試みとして薬物/分子を使用する。これらの戦略は、該戦略が容易に全身的に送達され、ベクター及び細胞ベース治療法に関連している免疫学的問題及び/又は毒性の問題の多くを巧みに回避することができる利点を提供する。炎症を減少させるコルチコステロイド及びクロモグリク酸ナトリウム、カルシウムホメオスタシスを維持するダントロレン、並びに筋力を増強させるクレンブテロールを使用する研究が将来有望な結果をもたらしているが、可能性あるこれらの治療法はいずれも、DMDを治療するのに有効であることが未だ示されていない。
【0007】
代替的な薬理学的取り組みは、上方制御(アップレギュレーション)治療法である。上方制御治療法は、欠損遺伝子に取って代わる代替遺伝子の発現を増大させることに基づいており、予め不在のタンパク質に対する免疫応答が装備される場合に、特に利点がある。ジストロフィンの常染色体パラログであるユートロフィンの上方制御が、DMDの可能性ある治療法として提案されている(Perkins及びDaviesの文献(Neuromuscul Disord, S1: S78〜S89(2002))、Khurana及びDaviesの文献(Nat Rev Drug Discov 2: 379〜390(2003)))。遺伝子導入mdxマウスにおいてユートロフィンが過剰発現する場合、ユートロフィンは筋細胞の筋鞘に局在し、ジストロフィン結合タンパク質複合体(dystrophin-associated protein complex)(DAPC)の成分を回復させ、それによりジストロフィン発生を予防し、次に骨格筋の機能的改善につながる。イヌにおけるアデノウイルスによるユートロフィンの送達は病状を予防することが示されている。マウスモデルの出生直後に高いユートロフィン発現が開始されることが有効である可能性があり、ユートロフィンが遍在的に発現する場合何ら毒性が観察されず、このことはこの治療法をヒトに変換するのに有望なことである。病状を軽減するのに十分なレベルまで内在性ユートロフィンを上方制御することが、拡散可能な小化合物を送達することにより達成され得る。
【発明の概要】
【0008】
(説明)
予測的スクリーニングにおいて内在性ユートロフィンを上方制御し、及びこのようにDMDの治療において有用であり得る化合物が提供される。
一実施態様において、式(1)の化合物
【化1】

が提供される
(式中、
R9は、0〜4個のヘテロ原子を含有する部分的に又は完全に芳香族でありかつ1〜4個のハロゲン、C1-C6アルキル、OC1-C6アルキル又はNR90(C=Q)-M-Z-R93によって任意に置換されるC5-10炭素環を表し、この中で、R90は、H又はC1-6アルキルを表し、Qは、O、S、又はNR91を表し、この中でR91は、H又はC1-6アルキルを表し、Mは、ハロゲン、C1-6アルキル、又はC1-6アルコキシで任意に置換されるC1-3アルキルを表し、Zは、O、S又はNR92を表し、この中で、R92は、H又はC1-6アルキルを表し、及びR93は、0〜4個のヘテロ原子を含有する部分的に又は完全に芳香族でありかつ1〜4個のハロゲン、C1-C6アルキル又はOC1-C6アルキルによって任意に置換されるC5-10炭素環を表し;
A1、A2、A3及びA4のうちの3つは、CHを表し、かつA1、A2、A3及びA4のうちの1つはCR1を表し、
この中で、R1は、下記を表す:
ヒドロキシル、ハロゲン、カルボン酸、ピペリジン-1-イル、N-モルフォリノ、-NMe2又は(C1-6アルコキシ等の)アルコキシで任意に置換されるC2-C3アルキル、n-ブチル及びsec-ブチルから選択されたアルキル基;
ヒドロキシル、ハロゲン、CO2(C1-6アルキル)、又はハロゲン、カルボン酸、ピペリジン-1-イル、N-モルフォリノ、-NMe2若しくは(C1-6アルコキシ等の)アルコキシで置換された-O(C1-6アルキル)若しくはC1アルキル;
ヒドロキシル、ハロゲン、CO2(C1-6アルキル)、又は-O(C1-6アルキル);
-N-(S)-2-アミノ-3-ヒドロキシプロピオンアミド;
-N-(S)-2-(メチルアミノ)プロピオンアミド;
-N-(S)-2-アミノプロピオンアミド;
-N-2-メチルアミノアセトアミド;
-(S=O)R21(式中、R21はC1-C6アルキルを表す。);
-SOnR22(式中、n=0、1又は2であり、かつR22は、OHで任意に置換され又はヒドロキシルで置換されたエチルで任意に置換されるCH3、CH2CD3又はC3-6アルキルを表す。);
-SO2NR55R23(式中、同一又は異別であり得るR23及びR55は各々、H又はC1-6アルキルを表す。);
-NR56SOnR24(式中、n=0、1又は2であり、かつ同一又は異別であり得るR24及びR56が各々、H又はC1-C6アルキルを表す。);
-K-SOn-R28(式中、Kは、C1-C6アルキルで任意に置換されるC1-C3アルキルを表し、n=0〜2であり、かつR28は、1つ以上のヒドロキシ、ハロゲン、(C1-6アルコキシ等の)アルコキシ又はアミンで任意に置換されるC1-C10アルキルを表す。);
-CO2R26(式中、R26はC1-6アルキルを表す。);
二置換のホスフィン酸塩(この中で、同一又は異別であり得る各置換体は、C1-6アルキル又はC5-10アリールを表し得る);
1つ以上のオキソ、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-C6アルキル、(C1-6アルコキシ等の)アルコキシ又は(C5-10アリール等の)アリール置換体によって置換されたN結合型単環式又は二環式の環;又は
NR15C(=W)R17(式中、
Wは、NH、S又はOを表し;
R17は、C2-アルキル、n-プロピル、又はC4-C10アルキル;1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、(C1-6アルコキシ等の)アルコキシ又はアミンで置換されたC1-C10アルキル;1つ以上のC1-6アルキル基で任意に置換されるC1-C4アルキル基を介してアノマー位で結合した単糖類又は二糖類単位;CH2アリール(式中、アリールは、(5〜10員の芳香族炭化水素等の)芳香族炭化水素又は、炭素のほかに環構成成分として酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員の芳香族複素環を表す。);-CH2OCH3、-CH2OCH2CH2OCH3、CH2ピペリジン-1-イル又はCH2-N-モルフォリノイルを表し;
R15は、H、C1-6アルキルを表し、又はR17とともに-CH2CH2-、-CH2 CH2-、又は-CH2CH2CH2-を表し;
Xは、O又はNであり;及び
Yは、O又はNである。)。
【0009】
式Iの化合物は、互変異性体、鏡像異性体及びジアステレオマー形態で存在し得、それらのすべては、本開示の範囲内に含まれる。
式Iのある化合物は新規である。また、新規である式Iの該化合物は、該化合物の調製過程、該化合物を含有する組成物、及び医薬としての該化合物の使用とともに提供される。
式Iの範囲内に収まる化合物のいくつかは、それ自体公知であるが、医薬としてではない。また、当技術分野においてそれ自体公知であるが、医薬としての使用について、医薬としてはこれまでに記載されてはいない化合物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示はいまや、付随する図に関して詳細に記載されるであろう:
【図1】図1は、ルシフェラーゼレポーターアッセイ(マウスH2K細胞)を示す。
【図2】図2は、用量依存的なルシフェラーゼ誘導を示す。
【図3】図3は、マウスユートロフィン特異的抗体を使用して染色した前脛骨筋切片の一例を示す。
【図4】図4は、CPD-Aへ曝露したマウス(V2及びV3)が、コントロールと比較して高いレベルのユートロフィン発現を示したことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
式Iの化合物はすべて、従来の方法によって調製され得る。複素芳香環系を調製する方法は、当技術分野において周知である。特に、合成の方法は、AR Katritzk及びCW Reesの文献(包括的な複素環の化学第1巻(Comprehensive Heterocyclic Chemistry, Vol. 1), Pergamon Press, Oxford, 1984)及びAlan R. Katritzky、Charles W. Rees及びE.F.V. Scrivenの文献(包括的な複素環の化学II:1982〜1995年の文献の総説(Comprehensive Heterocyclic Chemistry II: A Review of the Literature 1982-1995)(複素環化合物の構造、反応、合成、及び使用(The Structure, Reactions, Synthesis, and Uses of Heterocyclic Compounds)), Pergamon Pr, June 1996)において論議されている。関心対象の化合物の合成を目的とするであろう他の一般的な出典には、Marchの文献(高度有機化学:反応、機構、及び構造(Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure), Wiley-Interscience; 第5版(January 15, 2001))が含まれる。特に関連性があるのは、WO2006/044503において論議される合成方法である。
【0012】
合成に関するいくつかの一般的な方法は、下記のとおりである。
式Iのベンゾオキサゾール又はその医薬として許容し得る塩は、式IIの化合物から調製され得る。
【化2】

スキーム1
反応条件:
i.R9CO2H(又はR9COCl)、PPA、熱;又はR9COCl、ジオキサン、マイクロ波、次いでNaOH
ii.R9COCl、ピリジン、室温
iii.TsOH、キシレン
iv.R9CO2H、HATU、ピリジン、DMF
v.PPA、熱
vi.HATU、DMF、iPr2NEt、アルキルNH2、室温
ベンゾオキサゾールIの生成は、上述に説明されるような多様な方法において実施できる。
【0013】
例えば、式IIの化合物を、酸又は酸塩化物等のアシル誘導体と反応させ、酸触媒、例えばポリリン酸の存在下で適切な溶媒かつ適切な温度において加熱する。これを工程(i)として上述に説明する。
【0014】
反応は、非プロトン性溶媒において、一実施態様においては極性非プロトン性溶媒、例えばテトラヒドロフランにおいて、-10℃〜+150℃の温度で実施され得る。一般的には、反応は、正常圧で溶媒の還流温度で実施され得る。
【0015】
或いは、式IIの化合物はまず、過剰量のアシル誘導体R9COX(式中、Xは例えばClである。)と反応し得、それによりアシル化が酸素及び窒素の両者において生じる。このことは、例えば、室温でのピリジンにおける反応によって生じ得る(工程ii)。次に、式IIの化合物を生成するための閉環が、例えば、スルホン酸等の酸触媒の存在下で二重にアシル化した生成物をキシレンにおいて加熱するその後の閉環工程において生じ得る(工程iii)。
【0016】
式Iの化合物の生成に関する実例となる別の例を、工程iv及びvによって示す。まず、ペプチドカップリング試薬を使用して、アミンを酸とカップリングさせる。利用可能なカップリング試薬は、当業者に周知であり、HBTU、TBTU及びHATUを含む。適切なカップリング試薬の存在下でのアミド生成は、例えば、ピリジン等の求核性触媒の存在下でDMFにおいて生じる。
【0017】
R1=CO2Hの場合、この酸は、工程(vi)によって示されるアミンとカップリングし得る。適切なカップリング条件には、室温でiPr2NEt、R16NH2の存在下でのDMFにおけるHATUの使用が含まれる。
6員環がアミド誘導体と置換された化合物は、特に関心対象である。該化合物は、中間的なアミン誘導体IIIから生成され得る。
【化3】

スキーム2
反応条件:
i.(i)に関する限り;スキーム1
ii.R17COCl、ピリジン(又はNEt3、DCM);又はR9CO2H、HATU、ピリジン、DMF
iii.(i)に関する限り;スキーム1
iv.SnCl2、EtOH、熱;又はPd/C、H2、IMS;又はFe、NH4Cl、IMS/水、熱
v.R9NCO、DCM、室温
vi.NaBH(OAc)3、R10CHO、DCE、室温
vii.R14SO2Cl、ピリジン、DCM、室温
【0018】
中間体アミンIIIは、スキーム1の工程(i)(式中、R1=NH2)に概略される方法を使用することによって、又はそれに代わるものとして、スキーム2の工程(iii)及び(iv)によって規定される2工程処理においてのいずれかで合成され得る。また、ニトロで置換されたベンゾオキサゾール誘導体Vは、スキーム1の工程1によって説明されるものと類似の方法において、ニトロで置換されたフェニル誘導体IVから生成され、次に、その後の工程においてニトロ-ベンゾオキサゾール誘導体Vを還元すると、中間体アミンIIIを生じる。当業者は、ニトロ基を還元してアミンを生じるのに適した方法に周知している。NO2をNH2に還元するための選択的な方法には、Sn/HCl、又は0〜80℃の温度での、又は鉄、工業用変性アルコール/水におけるNH4Clの存在下で加熱する適切な溶媒、例えばエタノールにおけるH2/Pd/Cが含まれる。
【0019】
次に、中間体アミンIIIは、必要に応じてカップリングされ又は誘導体化できる(例えば、スキーム2a参照)。
【化4】

式VIのアミド誘導体は、アミンIIIをアシル誘導体とカップリングさせることによって生成できる。このことは、例えば、ピリジンにおける又はCH2Cl2における適切な酸塩化物の反応によって達成できる(工程ii)。
【0020】
スルホンアミド誘導体VIIは、例えばピリジンの存在下でCH2Cl2における適切な塩化スルホニルとアミンIIIを室温で反応させることによって生成できる。
アミン誘導体VIIIは、適切な還元的アミノ化戦略の使用によって生成できる。還元的アミノ化の方法は、当技術分野において周知である。該方法には、例えば、1,2-ジクロロエタンにおいてアミンを適切なアルデヒド及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムと反応させることが含まれる。
【0021】
式IXの尿素誘導体は、例えば、室温でCH2Cl2においてアミンIIIを適切なイソシアン酸塩と反応させることによって生成できる。
式Xのベンゾチアゾール又はその医薬として許容し得る塩は、式XIの化合物から調製され得る。
【化5】

スキーム3
反応条件:
i.R9COCl、ピリジン、室温
ii.Na2S、S8、IMS、熱
iii.Fe、NH4Cl、IMS、熱
iv.R17COCl、ピリジン(又はNEt3、DCM);又はR17CO2H、HATU、ピリジン、DMF
【0022】
式XIの化合物は、例えば、ピリジンにおける適切な酸塩化物との反応によって(工程(i))、又は適切なペプチドカップリング試薬を使用することによって、対応するアミドへ変換できる。このような方法は、上述で論議されるように、当業者に周知である。
【0023】
次に、アミドは、工業用変性アルコールにおける高い温度でのNa2S、S8との反応を包含するワンポット手法において、式XIIのニトロベンゾチアゾールへ変換できる。ニトロ誘導体XIIは、すでに論議されたように還元でき、結果として生じる第一級アミンは、スキーム2の工程(ii)、(v)、(vi)及び(vii)における第一級アミンと類似の様式で操作できる。
【化6】

スキーム4
反応条件:
i.R9CO2H、PPA、熱;又はR9COCl、ピリジン;次いでPPA、熱
ii.SnCl2、IMS、熱;又はPd/C、H2、IMS
iii.R17COCl、ピリジン等(スキーム1による)
iv.R4NH2、DMSO、塩基、熱
v.亜ジチオン酸ナトリウム、THF/水;(ii)も参照
【0024】
式XIIのベンゾイミダゾールは、スキーム4に従って生成できる。酸触媒、例えばポリリン酸の存在下で適切な溶媒において適切な温度で、式XIIIのジアミノフェニル誘導体と、酸又は酸塩化物等のアシル誘導体とを反応させると、式XIIのベンゾイミダゾール誘導体が生成される。これを工程(i)として上述に説明する。次に、ニトロ基は、還元され得、上述に論議されるような他の機能基を生成するよう操作され得る。
【0025】
或いは、ベンゾイミダゾールは、塩基の存在下で高い温度で例えばDMSOにおいて、式XIVのジニトロ化合物(この中で、Xは、脱離基を表し、一実施態様においては塩素又はフッ素等のハロゲンを表す。)を、アミンと反応させることによって生成され得る。次に、THF/水における亜ジチオン酸ナトリウムを使用する1つのニトロ基のその後の選択的還元が生じ、式XVのジアミンを付与することができる。次に、ベンゾイミダゾールを生成するための閉環、及びニトロ基の操作は、上述に説明され及び論議されるように進めることができる。
【化7】

スキーム5
反応条件:
i.Na2S水和物、MeOH、NH4Cl、水;又はNa2S2O4/EtOH;又はSnCl2、EtOH
ii.(i)に関する限り、スキーム1;又はR9COCl、ピリジン;次いでPPA、熱
iii.SnCl2、EtOH、熱
iv.R1B(OH)2、Pd(PPh3)4、K2CO3、ジオキサン/水、マイクロ波
v.R17COCl、ピリジン、室温
vi.EtOC(S)SK、ピリジン、熱
vii.SOCl2;又はPOCl3
viii.R3B(OH)2、Pd(PPh3)4、K2CO3、溶媒
ix.PPA、R2CO2H熱
【0026】
式XVIのベンゾオキサゾールは、上述に論議されたものと類似の方法によって調製できる。例えば、上述の(ix)で説明される方法は、酸触媒及び適切なアシル誘導体、例えばカルボン酸の存在下で、適切な溶媒において式XVIIの化合物を加熱することを包含する。
【0027】
式XVIII及びXIXのベンゾオキサゾールは、式XXの適切なニトロ化合物から合成できる。ニトロ化合物XXの還元は、(例えば、Sn/HCl、又は当業者に周知の他の適切な方法のいずれかを使用して)対応するアミノアルコールXXIを生じる。次に、アミノアルコールと適切なアシル誘導体との反応を介したベンゾオキサゾールの生成は、上述に開示される方法のいずれかを使用して達成できる。
【0028】
次に、X=Brである式XXIIIのオキサゾールについて、鈴木カップリング反応を使用して、さらなる誘導体を生じることができる。適切な条件の一例は、R1B(OH)2、Pd(PPh3)4、K2CO3、ジオキサン/水、マイクロ波であり、この中で、式XIXのベンゾオキサゾールが結果的に生じる。当業者は、鈴木カップリング反応に精通しており、広範な種類の化合物を生成するために条件を容易に操作し得る。
【0029】
X=NO2である工程(ii)によって生成されるオキサゾールについて、上述に論議される当業者に周知の方法のいずれかを使用して、ニトロ基を対応するアミンへ還元できる。次に、アミンは、例えば、上述のスキーム2に論議される方法のいずれかを使用して操作されることにより、例えば、式XVIIIの化合物を付与し得る。
【0030】
或いは、式XVIIIのベンゾオキサゾールはまた、チオカルバミン酸塩XXIIを介して式XXの化合物から調製でき、ピリジンにおいてEtOC(S)SKとともに式XXの化合物を加熱することによって生成される。式XXIIの化合物は、例えばSOCl2又はPOCl3等の周知の試薬の使用によって、式XXIIIの塩化物へ変換できる。例えば、上述の工程viiiによって説明される条件を使用する鈴木カップリングは、式XVIIIのベンゾオキサゾールを生じる。
【0031】
上述の処理において、出発材料に存在する機能基、例えばヒドロキシ基又はアミノ基が保護されることは必要であり得、このように、式Iの化合物を生成するために、1つ以上の保護基を除去することは必要であり得る。
適切な保護基及び該保護基の除去のための方法は、例えば、T. Greene及びP.G.M. Wuttsの文献(「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」, John Wiley and Sons Inc., 1991)に記載されるものである。例えば、ヒドロキシ基は、フェニルメチル、ジフェニルメチル又はトリフェニルメチル等のアリールメチル基;アセチル、トリクロロアセチル又はトリフルオロアセチル等のアシル基によって;又はテトラヒドロピラニル誘導体として保護され得る。適切なアミノ保護基には、ベンジル、(R,S)-α-フェニルエチル、ジフェニルメチル又はトリフェニルメチル等のアリールメチル基、及びアセチル、トリクロロアセチル又はトリフルオロアセチル等のアシル基が含まれる。水素化分解、酸若しくは塩基加水分解、又は光分解を含む従来の脱保護法が使用され得る。例えば、アリールメチル基は、金属触媒、例えば木炭上のパラジウムの存在下で、水素化分解によって除去され得る。テトラヒドロピラニル基は、酸性条件下で加水分解によって切断され得る。アシル基は、水酸化ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の塩基を使用する加水分解によって除去され得、又はトリクロロアセチル等の基は、例えば亜鉛及び酢酸を使用する還元によって除去され得る。
【0032】
式Iの化合物及びその塩は、従来技術を使用してそれらの反応混合物から単離され得る。
式Iの化合物の塩は、遊離酸、若しくはその塩、又は遊離塩基、若しくはその塩もしくはその誘導体を、1つ以上の等価の適切な塩基又は酸と反応させることによって生成され得る。反応は、塩不溶性の溶媒又は媒体において、又は真空で若しくは凍結乾燥によって除去され得る塩可溶性の溶媒、例えばエタノール、テトラヒドロフラン又はジエチルエーテルにおいて実施され得る。また、反応は、メタセシス処理であり得、又は該反応は、イオン交換樹脂において実施され得る。
【0033】
式Iの化合物の医薬として許容し得る塩には、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩及びカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム塩及びマグネシウム塩;第III群元素の塩、例えばアルミニウム塩;及びアンモニウム塩が含まれる。適切な有機塩基を有する塩、例えば、ヒドロキシルアミンを有する塩;低級アルキルアミン、例えば、メチルアミン又はエチルアミン;置換された低級アルキルアミンを、例えばヒドロキシで置換されたアルキルアミンを有する塩;又は単環式窒素複素環化合物を、例えばピペリジン又はモルフォリンを有する塩;及びアミノ酸(例えばアルギニン、リジン等)を又はそのN-アルキル誘導体を有する塩;又はアミノ糖を、例えばN-メチル-D-グルカミン又はグルコサミンを有する塩が含まれる。一実施態様において、非毒性の生理学的に許容し得る塩が提供されるが、また、例えば生成物を単離し又は精製する上で他の塩が有用である。
【0034】
ジアステレオ異性体は、従来技術、例えば、クロマトグラフィー又は分別晶出を使用して分離され得る。多様な光学異性体は、従来技術、例えば分別晶出又はHPLCを使用して、化合物のラセミ混合物又は他の混合物の分離によって単離され得る。或いは、所望の光学異性体は、ラセミ化を生じないであろう条件下で、光学的に活性のある適切な出発材料の反応によって調製され得る。
【0035】
アルキルが表し得る置換体には、メチル、エチル、ブチル、例えばsec-ブチルが含まれる。
ハロゲンは、F、Cl、Br及びI、特にClを表し得る。
具体的な元素に対する引用は、具体的な元素のすべての同位体を含むよう解釈されるべきである。
【0036】
記載され得る一群の化合物において、A1、A2及びA4はCHを表し、A3はCR1を表す。
一群の化合物において、R9は2-ナフチルを表す。
記載されることの可能な別の群の化合物において、R9は、ハロゲンで任意に置換される2-ナフチル、又はハロゲンで任意に置換されるフェニルを表し;
A1、A2及びA4がCHを表し、かつA3がCR1を表し、この中でR1が下記を表す:
NR15C(=W)R17(式中、
Wは、NH、S又はOを表し;
R17は、C2-アルキル、n-プロピル、又はC4-C10アルキル;1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、(C1-6アルコキシ等の)アルコキシ又はアミンで置換されたC1-C10アルキル;1つ以上のC1-6アルキル基で任意に置換されるC1-C4アルキル基を介してアノマー位で結合した単糖類又は二糖類単位;CH2アリール(式中、アリールは、(5〜10員の芳香族炭化水素等の)芳香族炭化水素又は、炭素のほかに環構成成分として酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員の芳香族複素環を表す。);CH2OCH3、CH2OCH2CH2OCH3、CH2ピペリジン-1-イル又はCH2-N-モルフォリノを表し;及び
R15は、H、C1-6アルキルを表し、又はR17とともに-CH2CH2-、-CH2 CH2-、又は-CH2CH2CH2-を表す。)。
【0037】
記載され得る一群の化合物において、R9は、NR90(C=Q)-M-Z-R93によって置換された0〜4個のヘテロ原子を含有する部分的に又は完全に芳香族であるC5-10炭素環を表し、この中で、R90が、H又はC1-6アルキルを表し、Qが、O、S、又はNR91を表し、この中で、R91がH又はC1-6アルキルを表し、Mが、ハロゲン、C1-6アルキル、又はC1-6アルコキシで任意に置換されるC1-3アルキルを表し、Zが、O、S又はNR92を表し、この中で、R92が、H又はC1-6アルキルを表し、及びR93が、0〜4個のヘテロ原子を含有する部分的に又は完全に芳香族であり、かつ1〜4個のハロゲン、C1-C6アルキル、OC1-C6アルキルによって任意に置換されるC5-10炭素環を表す。
【0038】
記載されることが可能である別の群の化合物において、R9は、1つ以上のSOn単位を含有する5〜10員の複素環式環を表し、この中で、n=0〜2であり、かつ各SOn単位について同一又は異別であり得る。
記載され得る一群の化合物において、R1は、ラクタムであるN結合型単環式又は二環式環を表す。
【0039】
別の群の化合物において、R1は、-K-SOn-R28を表し、この中で、Kが、C1-C6アルキルで任意に置換されるC1-C3アルキルを表し;n=0〜2であり、かつR28が、1つ以上のヒドロキシ、ハロゲン、(C1-6アルコキシ等の)アルコキシ又はアミンで任意に置換されるC1-C10アルキルを表す。
一群の化合物において、YはNを表す。
一群の化合物において、XはOを表す。
一群の化合物において、YはNを表し、かつXはOを表す。
【0040】
また、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー又は悪液質の治療又は予防のための方法を必要とする患者へ、有効量の式(I)の化合物又は医薬として許容し得る塩を投与することを含む、該患者における該方法が提供される。
また、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー又は悪液質の治療又は予防のための薬物の製造における、本明細書に記載される化合物の使用が提供される。
【0041】
DMDの治療における使用のための式Iの化合物は一般的に、医薬組成物の形態で投与されるであろう。
このように、さらなる態様によると、医薬として許容し得る希釈剤又は担体と混合して、一実施態様において80%(w/w)未満、別の実施態様において50%(w/w)未満、例えば、0.1〜20%の上述に定義されるような式Iの化合物又はその医薬として許容し得る塩を含む医薬組成物が提供される。
【0042】
また、成分を混合することを含むこれらの医薬組成物の製造のための過程が提供される。使用され得る医薬製剤、及び適切な希釈剤又は担体の例は、下記のとおりである:
静脈内注射又は注入用−精製された水又は塩類溶液;
吸入組成物用−粗乳糖;
錠剤、カプセル及び糖衣錠用−微結晶性セルロース、リン酸カルシウム、珪藻土、乳糖、デキストロース又はマンニトール等の糖、滑石、ステアリン酸、デンプン、重炭酸ナトリウム及び/又はゼラチン;
坐剤用−天然の又は硬化した油又は蝋。
【0043】
化合物が、例えば注入用の水溶液において使用されるべきである場合、他の賦形剤を組み込むことが必要であり得る。特に、キレート剤又は金属イオン封鎖剤、抗酸化剤、浸透圧調整剤、pH変更剤及び緩衝剤が挙げられ得る。
【0044】
式Iの化合物を含有する溶液は、所望の場合、例えば凍結乾燥又はスプレー乾燥によって蒸発して、使用前に再構成され得る固体組成物を生じ得る。
溶液中にない場合、式Iの化合物は、一実施態様において、0.01〜10μmの集団直径中央値を有する形態にある。また、組成物は、適切な保存料、安定化剤及び湿潤剤、可溶化剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性セルロースポリマー、又はプロピレングリコール等の水溶性グリコール、甘味料及び着色料及び調味料を含有し得る。適宜、組成物は、徐放性形態で製剤され得る。
【0045】
医薬組成物における式Iの化合物の含有量は一般的に、調製物全体に対して約0.01〜約99.9重量%であり、一実施態様においては約0.1〜約50重量%である。
式Iの化合物の用量は、年齢、体重、一般的な健康状態、食事、投与時刻、投与方法、クリアランス速度、薬物の組み合わせ、患者が投与時に治療下にある疾患のレベル、及び他の因子を考慮して決定される。
【0046】
用量は、標的とする疾患、容態、投与の対象、投与方法及びそれらの類似項目に応じて変動するが、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを罹患している患者においてこのような疾患の治療のための治療薬として経口投与するために、該疾患を罹患している患者においては0.01mg〜10gであり、一実施態様においては0.1〜100mgであり、ある実施態様においては、1日あたり単回用量で又は2回若しくは3回で投与される。
DMDの治療における使用のための式Iの化合物の潜在的な活性は、下記の予測的アッセイ及びスクリーニングにおいて示され得る。
【0047】
1.ルシフェラーゼレポーターアッセイ(マウスH2K細胞)
スクリーニングに使用される細胞系は、ルシフェラーゼレポーター遺伝子へ連結された第一非翻訳エクソンを含む約5kb断片のユートロフィンAプロモーターを含有するプラスミドを安定して形質移入しておいた不死化したmdxマウスH2K細胞系である(図1参照)。
【0048】
低温及びインターフェロン含有培地の条件下で、細胞は筋芽細胞として存続する。該細胞を96ウェルプレートに蒔き、化合物の存在下で3日間培養する。次に、細胞溶解及び、プレートルミノメーターを利用しての発現したルシフェラーゼ遺伝子から出力される光の読み取りによって、ルシフェラーゼのレベルを決定する。
アッセイにおける化合物の薬理学的用量反応の例を図2に示す。
【0049】
2.mdxマウス
ADMETデータから得られたデータに優先順位を付し、mdxによる証明に関する概念的研究における検査のために、インビトロでの最良のルシフェラーゼ活性かつ妥当なADMETデータを有する化合物に優先順位を付し、該研究において、成果は、媒体のみを投与したコントロール動物と比較した場合、ジストロフィン欠乏筋におけるユートロフィンタンパク質のレベルを増大させる能力をいずれかの化合物が有するかどうかを同定することであった。
【0050】
28日間毎日腹腔内投与される10mg/kgの化合物を2匹の動物に注射し、併せて、齢の一致するコントロールにも投与した。筋試料を採取し、(ユートロフィンに関する筋鞘染色における増大を同定するための)切片作製及び(ユートロフィンレベルにおける全体的な増大を同定するための)ウェスタンブロッティングのために処理した。
【0051】
図3は、マウスユートロフィン特異的抗体を使用して染色した前脛骨筋切片の一例を示す。媒体のみを注射したmdx筋との比較は、筋鞘に結合したユートロフィンの量の増大を示す。
また、上述の処置をしたマウス由来の筋を摘出し、ウェスタンブロッティング用に処理し、特異的抗体で染色した(図4参照)。また、CPD-Aを投与した筋を使用することで、脚の前脛骨筋及び横隔膜のいずれにも存在するユートロフィンの全体的なレベルの有意な増大を示す。CPD-Aへ曝露したマウス(V2及びV3)はいずれも、コントロールと比較して高いレベルのユートロフィン発現を示した。
【0052】
次に、最初の28日間の研究から得た正の上方制御データは、さらに2匹のマウスでの28日間研究において再現された。合計3個の異なる化合物は、腹腔内投与によって28日間毎日送達される場合、mdxマウスにおけるユートロフィン発現のレベルを増大させる能力を二つ組で示した。これまで刊行されたデータはすべて、3倍以上のユートロフィンレベルの増大が、ジストロフィン欠乏筋に及ぼす有意な機能的効果を有することを示すので、本データは、腹腔内送達される場合、化合物の能力によって、mdx筋において見出されるユートロフィンのレベルの有意な増大が生じることを示し、それゆえ、この取り組みが疾患を寛解させるであろうという信頼がもたらされる。
【0053】
(H2K/mdx/UtroAレポーター細胞系の維持)
30%以下の培養密度になるまで、H2K/mdx/UtroAレポーター細胞系を1週間に2回継代した。10%CO2の存在下で、細胞を33℃で増殖させた。
筋芽細胞を取り外して蒔くために、該筋芽細胞をトリプシン/EDTAとともにインキュベートした。
増殖培地
DMEM Gibco 41966
20%FCS
1%ペニシリン/ストレプトマイシン
1%グルタミン
10mLニワトリ胚抽出物
インターフェロン(1276 905 Roche)新鮮な10μL/50mL培地を添加
【0054】
(96ウェルプレート用ルシフェラーゼアッセイ)
H2K/mdx/UtroAレポーター細胞系の細胞を96ウェルプレート(Falcon 353296白色不透明)へ、190μLの正常増殖培地において約5000個/ウェルの密度で蒔いた。次に、10%CO2の存在下で、プレートを33℃で24時間インキュベートした。
10μLの希釈済み化合物を各ウェルに添加することによって化合物を投与し、10μMの終濃度にした。次に、プレートをさらに48時間インキュベートした。
次に、製造元のプロトコール(Promega Steady- Glo Luciferase Assay System(E2520))に従って細胞を生体内原位置(インシトゥ)で溶解した後、プレートルミノメーター(Victor 1420)を使用して10秒間計数した。
【0055】
(化合物の保存)
スクリーニングのための化合物を100%DMSOにおける10mMストックとして、必要となるまで-20℃で保存した。
(mdxマウスへの化合物の注射)
検査のために、繁殖コロニーからmdxを選択した。腹腔内経路(ip)を使用して、媒体又は10mg/kgの化合物のいずれかをマウスに毎日注射した。マウスを秤量し、PBSにおける5%DMSO、0.1%トゥイーンに化合物を希釈した。
所望の時点で頚椎脱臼によりマウスを屠殺し、分析のために筋を摘出した。
【0056】
(筋の分析)
(免疫組織化学)
切片作製のための組織を解剖し、OCT(Bright Cryo-M-Bed)に浸漬し、液体窒素で冷却したイソペンタン上で凍結した。固定していない8μMの凍結切片をBright Cryostatにおいて切り出し、-80℃で保存した。
染色の準備を整えて、PBSにおける5%ウシ胎仔血清において切片を30分間ブロッキングした。一次抗体をブロッキング試薬に希釈し、多湿チャンバーにおいて切片上で1.5時間インキュベートした後、PBSにおいて5分間×3回で洗浄した。また、二次抗体をブロッキング試薬に希釈し、多湿チャンバーにおいて暗所で1時間インキュベートした。最後に、切片をPBSにおいて5分間×3回洗浄し、カバーガラスを液封マウント(hydromount)で包埋した。Leica蛍光顕微鏡を使用して、スライドを分析した。
【0057】
結果
マウスH2K細胞におけるルシフェラーゼレポーターアッセイを使用して生物活性を評価し、下記のとおり分類する:
+ コントロールに対して最大200%
++ コントロールに対して201〜300%
+++ コントロールに対して301〜400%
++++ コントロールに対して401%超
【表1】



【0058】
活性のあるさらなる化合物は、2-ナフタレン-2-イル-5-(ピロリジン-1-スルホニル)-ベンゾオキサゾール、5-メトキシ-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール、2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-オール、5-(2-(ベンジルオキシ)エトキシ)-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール、2-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イルオキシ)エタノール、(2-フェニル-1H-インドール-3-イル)メタノール及び2-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イルスルホニル)エタノールである。
【0059】
活性のある他の化合物には、5-メトキシ-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール(++)、2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-オール(++)、5-(2-(ベンジルオキシ)エトキシ)-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール(+)、2-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イルスルホニル)エタノール(++)、2-(ナフタレン-2-イル)-5-(ピロリジン-1-イルスルホニル)ベンゾ[d]オキサゾール(+)、及び2-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イルオキシ)エタノール(+)が含まれ、この中で、(++)及び(+)は、表1について示される意味を有する。
【実施例】
【0060】
(実験)
Gilson 170 DADによって検出が実施されるGilson 321 HPLC、及び電気スプレーイオン化モードで作動するFinnigan AQA質量分析計においてHPLC-UV-MSを実施した。使用されるHPLCカラムは、Phenomenex Gemini C18(150×4.6mm)である。Gilson 170 DADによって検出が実施されるGilson 321において調製用HPLCを実施した。Gilson 215画分回収器を使用して、画分を回収した。使用される調製用HPLCカラムは、Phenomenex Gemini C18(150×10mm)であり、移動相は、アセトニトリル/水である。300MHzで作動するBruker機器で1H NMRスペクトルを記録した。標準試料としてのクロロホルム(7.25ppm)又はDMSO-D6(2.50ppm)を使用して、CDCl3(ppmで報告)としてNMRスペクトルを得た。ピーク多重度を報告する場合、下記の略語を使用する:s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、m(多重線)、br(広幅化)、dd(複数の二重線の二重線)、dt(複数の三重線の二重線)、td(複数の二重線の三重線)。カップリング定数が付与される場合、ヘルツ(Hz)で報告する。フラッシュクロマトグラフィー(40〜65μmシリカゲル)によって又は自動精製システム(Biotage(登録商標)からのSP1(商標)Purification System)を使用してのいずれかで、カラムクロマトグラフィーを実施した。Initiator 8(商標)(Biotage)において、マイクロ波における反応を実施した。使用される略語は、DMSO(ジメチルスルホキシド)、HATU(ヘキサフルオロリン酸O-(7-アザベンゾトリアゾール-1イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム)、HCl(塩化水素)、MgSO4(硫酸マグネシウム)、NaOH(水酸化ナトリウム)、Na2CO3(炭酸ナトリウム)、NaHCO3(重炭酸ナトリウム)、STAB(トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム)、THF(テトラヒドロフラン)である。
【化8】

【0061】
(実施例1(化合物1))
3-(5-メチルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)ピリジン-2-オール
2-アミノ-4-メチルフェノール(123mg、1.0mmol)及び2-ヒドロキシニコチン酸(139mg、1.0mmol)を同時にポリリン酸に110℃で添加した。次に、結果として生じる混合物を180℃に5時間加熱した。次に、溶液を水に注いだ。結果として生じる沈殿をNaOH水溶液で塩基性化した後、濾過により回収すると、70mg(31%)の表題化合物を生じた。(LCMS RT= 5.19min, MH+ 227.1)
【化9】

【0062】
同一の一般法に従って、以下のすべての化合物を調製し、倍散、再晶出又はカラムクロマトグラフィーのいずれかによって精製した。
【化10】

【化11】

【0063】
改変された手法1A:
5-(エチルスルホニル)-2-(ナフタレン-2-イルメチル)ベンゾ[d]オキサゾール
2-アミノ-4-(エチルスルホニル)フェノール(300mg、1.49mmol)及び2-ナフチル酢酸(417mg、2.24mmol)の混合物をポリリン酸(PPA)において125℃で5時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を氷水に注ぎ、NaOH(5M)でpH=7に中和した。反応混合物をEtOAcで3回抽出し、有機相を組み合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮すると、黄色の油を生じた。biotageの30%EtOAc/70%石油を使用する精製によって、160mgの黄色の固体を生じた(30%収率、97%UV純度)。
【化12】

【0064】
5-(エチルスルホニル)-2-(1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
2-アミノ-4-(エチルスルホニル)フェノール(201 mg;2mmol)及び1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフトエ酸(352 mg、2mmol)の混合物をポリリン酸(PPA)において180℃で16時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を氷水に注ぎ、NaOH(5M)でpH=7に中和した。反応混合物をEtOAcで3回抽出し、有機相を組み合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空濃縮した。5:1の石油エーテル/酢酸エチルを使用してシリカ上で粗生成物を精製した。次に、HPLCによって生成物をさらに精製すると、表題化合物を白色固体として生じ、UV LCMSによる純度97%であった。
【化13】

【0065】
同一の一般法を使用して、下記の2つの化合物を調製した:
【化14】

【0066】
(方法1A(化合物Ic))
5-(メチルスルホニル)-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
2-アミノ-4-(メチルスルホニル)フェノールの調製
三臭化ホウ素(ジクロロメタンにおける1M、39mL、39.8mmol)をジクロロメタン(30mL)における2-メトキシ-5-(メチルスルホニル)アニリン(2g、9.94mmol)の溶液に添加し、結果として生じる溶液を室温で10分間撹拌させておいた後、5時間還流加熱した。5時間後、反応混合物を0℃に冷却し、水を慎重に添加することによってクエンチした。有機層を分離し、水性層を真空濃縮した。粗反応混合物をトルエンにおいて懸濁し、真空濃縮すると、表題化合物をベージュ色の粉末(4.4g)として生じ、24時間の真空乾燥後にホウ素塩が混入した。
【化15】

【0067】
5-(メチルスルホニル)-2-(ナフタレン-2'-イル)ベンゾ[d]オキサゾールの調製
2-アミノ-4-(メチルスルホニル)フェノール(約44質量%、2g、4.700mmol)及び2-ナフトエ酸(890mg、5.170mmol)を混合し、ポリリン酸(30mL、110℃で加熱)の加熱したフラスコへ一度に添加した。結果として生じる反応混合物を120℃で16時間加熱した後、水(200mL)で希釈した。混合物を炭酸カリウムナトリウムでpH8に調整し、濾過によって表題化合物をオフホワイト色の固体として回収した(1.157g、76%)。(LCMS RT=6.73min, MH+ 324).
【化16】

【0068】
(方法1Ai)
2-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-5-(エチルスルホニル)ベンゾ[d]オキサゾール
DMFを1滴含有するDCM(2mL)における4,4-ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸(0.10g、0.62mmol)及び塩化オキサリル(64μL、0.74mmol)の溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をキシレン(2mL)に溶解し、2-アミノ-4-(エチルスルホニル)フェノール(0.13g、0.62mmol)を添加し、結果として生じる反応混合物を155℃で1時間還流加熱した。PTSA(59mg、0.31mmol)を添加し、還流をさらに2時間続行した後、反応混合物をシリカゲルに吸収した。0/1〜3/7(v/v)の酢酸エチル/石油エーテルで溶出するカラムクロマトグラフィーによる精製によって、117mg(57%)の表題化合物を生じた。(LCMS RT= 6.00min, MH+ 330.1)
【化17】

【0069】
(方法1B(化合物I))
N-メチル-(2-ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)スルホンアミド
1,4-ジオキサン(1.7mL)における2-アミノフェノール-4-スルホメチルアミド(252mg、1.248mmol)及び塩化2-ナフトイル(285mg、1.497mmol)の混合物を、マイクロ波による活性化の下、200℃で15分間加熱した。冷却した後、1Mの水酸化ナトリウム水溶液を添加し(pH13)、結果として生じる固体を濾過によって回収した。真空乾燥によって、表題化合物がオフホワイト色の固体として生じた(280mg、66%)。
【化18】

【0070】
(E)-5-(エチルスルホニル)-2-スチリルベンゾ[d]オキサゾール
【化19】

【0071】
改変された手法
5-(エチルスルホニル)-2-(フラン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
無水ジオキサン(2mL)における2-アミノ-4-(メチルスルホニル)フェノール(201mg、1.00mmol)に、塩化フラン-2-カルボニル(98μL、1.00mmol)を室温で添加した。反応容器をマイクロ波において210℃で15分間加熱した。冷却後、混合物を水にゆっくり注ぎ、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を無水MgSO4上で乾燥させ、蒸発させた。結果として生じる固体を、1:2(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製すると、40mg(14%)の表題化合物を生じた。(LCMS RT= 5.73min, MH+ 277.9);
【化20】

【0072】
同一の一般法に従って、以下のすべての化合物を調製した。使用される酸塩化物は、市販の化合物であるか、又は標準条件を使用して対応するカルボン酸から合成されるかのいずれかであった。
【化21】

【0073】
(方法1C(化合物I))
5-(エチルスルホニル)-2-(ナフタレン-2-イルメチル)ベンゾ[d]オキサゾール
2-アミノ-4-(エチルスルホニル)フェノール(300mg、1.49mmol)及び2-ナフチル酢酸(417mg、2.24mmol)の混合物をポリリン酸(PPA)において125℃で5時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を氷水に注ぎ、NaOH(5M)でpH=7に中和した。反応混合物をEtOAcで3回抽出し、有機相を組み合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮すると、黄色の油を生じた。biotageの30%EtOAc/70%石油を使用する精製によって、160mgの黄色の固体が生じた(30%収率、97%UV純度)。
【化22】

【0074】
5-(エチルスルホニル)-2-(1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
2-アミノ-4-(エチルスルホニル)フェノール(201mg;2mmol)及び1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフトエ酸(352mg;2mmol)の混合物をポリリン酸(PPA)において180℃で16時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を氷水に注ぎ、NaOH(5M)でpH=7に中和した。反応混合物をEtOAcで3回抽出し、有機相を組み合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空濃縮した。5:1の石油エーテル/酢酸エチルを使用して、シリカ上で粗生成物を精製した。次に、生成物をHPLCによってさらに精製すると、表題化合物を白色固体として生じ、UV LCMSによる純度は97%であった。
【化23】

【0075】
同一の一般法を使用して、下記の2つの化合物を調製した:
【化24】

【化25】

【0076】
(実施例2)
(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-6-イル)メタノール
無水テトラヒドロフランにおける2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-6-カルボン酸メチル(152mg、0.5mmol)の撹拌した懸濁液に、水素化アルミニウムリチウム(38mg、1.0mmol)を添加した。結果として生じる溶液を室温で16時間撹拌した。次に、粗混合物を酢酸エチルで希釈し、1M HCl水溶液及び鹹水で洗浄した。組み合わせた有機層を無水MgSO4上で乾燥させ、蒸発させた。結果として生じる生成物を、1:1(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製すると、90mg(66%)の表題化合物を生じた。(LCMS RT= 6.40min, MH+ 276.1)
【化26】

【0077】
(実施例3(化合物II))
2-(ジメチルアミノ)-N-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)アセトアミド
室温のジクロロメタン(20mL)における2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-アミン(390mg、1.50mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(784μL、4.50mmol)及び触媒量のDMAPを添加した直後に、塩化2-(ジメチルアミノ)アセチル(296mg、1.88mmol)を添加した。室温で4時間後、ジイソプロピルエチルアミン(784μL、4.50mmol)及び塩化2-(ジメチルアミノ)アセチル(237mg、1.50mmol)をさらに添加し、結果として生じる混合物を室温で16時間撹拌した。次に、ジクロロメタンを真空除去し、水を添加し、固体を沈殿させた。得られた固体を炭酸カリウム水溶液で洗浄すると、430.2mg(83%)の表題化合物を生じた。(LCMS RT= 7.52min, MH+ 346.2)
【化27】

【0078】
3,3,3-トリフルオロ-N-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)プロパンアミド
【化28】

【0079】
以下の2つの化合物に対する前駆体を、カップリングに関するこの一般法を使用して得たが、表題化合物の生成物は、室温の3:10(v/v)のTFA/DCMを2時間使用して脱保護した後に得た:
【化29】

【0080】
カップリングに関する同一の一般法を使用して以下の化合物を得、脱保護工程を必要としなかった:
【化30】

【0081】
(実施例4(化合物II))
方法3Aと同様であるが、例外として、ジイソプロピルアミンの代わりにトリエチルアミンを塩基として使用した。
【化31】

【0082】
(実施例5)
2-ブロモ-N-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)アセトアミド
2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-アミン(1当量、2g、7.7mmol)を、ジクロロメタンの撹拌した溶液(40mL)に添加し、これに、トリエチルアミン(1.2当量、0.934g、9.2mmol、1.28mL)及び臭化2-ブロモアセチル(1.1当量、1.706g、8.4mmol、0.734mL)を添加した。これを室温で18時間撹拌した。粗生成物をジクロロメタンにおいて抽出し、水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を真空除去した。勾配(1:1の酢酸エチル/ヘキサンが1:0の酢酸エチル/ヘキサンに達する。)を使用した粗生成物のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって、2.8g(96%)の表題化合物を生じた。
【0083】
(実施例6)
2-モルフォリノ-N-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)アセトアミド
2-ブロモ-N-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)アセトアミド(1当量、0.5g、1.3mmol)及び炭酸カリウム(1.2当量、0.218g、1.6mmol)を、撹拌したジメチルホルムアミドへ一度に添加し、これに、モルフォリン(1.1当量、0.126g、1.4mmol、0.12mL)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。次に、粗生成物をジクロロメタンにおいて抽出し、鹹水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を真空除去した。勾配(1:1の酢酸エチル/ヘキサンが9:1の酢酸エチル/ヘキサンに達する。)を使用した粗生成物のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって、0.280g(55%)の表題化合物を生じた。
【化32】

【0084】
(実施例7)
N-(2-ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メタンスルホンアミド
N-(2-ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-アミン(92mg、0.353mmol)、塩化メタンスルホニル(30μL、0.388mmol)及びピリジン(5mL)の混合物を、室温で3.5時間撹拌した。酢酸エチルと水との間で混合物を分画し、2層を分離した。水性層を酢酸エチルでさらに抽出し、組み合わせた抽出物を(無水MgSO4上で)乾燥させ、真空濃縮した。(60:40石油エーテル中30%酢酸エチルで溶出する)カラムクロマトグラフィーによる精製によって、表題化合物が黄色の固体として生じた。
【化33】

【0085】
(実施例8)
N-(2-ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)プロピオンイミドアミド
プロピオンニトリル(2mL、28.03mmol)におけるN-(2-ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-アミン(298mg、1.137mmol)の撹拌した溶液に、スルホン酸トリメチルシリルトリフルオロメタン(236μL、1.304mmol)を室温で滴下して添加した。室温で24時間撹拌した後、混合物を1Nの水酸化ナトリウム水溶液と酢酸エチルとの間で分画し、層を分離した。水性層を酢酸エチルでさらに抽出し、組み合わせた抽出物を(無水MgSO4上で)乾燥させ、真空濃縮した。カラムクロマトグラフィー(60:40石油エーテル中30%〜90%酢酸エチル、次に無水酢酸エチル及びメタノールを使用する勾配溶出)による精製によって、表題化合物が褐色の固体として生じた(73mg、20g)。
【化34】

【化35】

【0086】
(実施例9)
2-アミノ-4-ヨードフェノール
DCM(40mL、40.15mmol)におけるBBr3の1M溶液を無水DCM(40mL)に、乾窒素の大気下において室温でゆっくりと添加した後、5-ヨード-2-メトキシアニリン(2.50g、10.04mmol)を添加した。結果として生じる混合物を窒素下で18時間還流し、蒸留水(50mL)でクエンチした。沈殿したピンク色の固体を濾過により回収し、水で洗浄した。次に、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(200mL)に該固体を入れ、水性層を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、pH=7になるまで水で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、蒸発させると、1.37g(58%)の2を黄色の固体として生じた。
【化36】

【0087】
5-ヨード-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
ジオキサン(3mL)における2-アミノ-4-ヨードフェノール(250mg、1.06mmol)に、塩化2-ナフトイル(203mg、1.06mmol)を室温で添加した。反応容器をマイクロ波において197℃で15分間加熱した。冷却後、混合物を酢酸エチル(100mL)と水(70mL)との間で分画し、2つの層を分離した。水性層を酢酸エチル(2×50mL)でさらに抽出し、組み合わせた抽出物を無水MgSO4上で乾燥させ、真空蒸発させた。結果として生じる固体を、勾配(0:1(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンから1:9(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンへ)を使用して溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製すると、300mg(76%)の表題化合物を生じた。
【化37】

【0088】
同一の一般法に従って、以下の2つの化合物を調製した。
【化38】

【0089】
(実施例10)
2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル(フェニル)ホスフィン酸エチル
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(47mg、0.04mmol)を、トリエチルアミン(170μL、1.19mmol)の存在下にあるトルエン(5mL)における5-ヨード-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール(147mg、0.4mmol)及びフェニルホスフィン酸エチル(89μL、0.6mmol)の撹拌した溶液に一度に添加し、結果として生じる混合物を密封したチューブにおいて、乾窒素の大気下、100℃で3時間加熱した。冷却後、混合物を酢酸エチル(100mL)と水(70mL)との間で分画し、2つの層を分離した。水性層を酢酸エチル(2×50mL)でさらに抽出し、組み合わせた抽出物を無水MgSO4上で乾燥させ、真空蒸発させた。結果として生じる褐色の油を、勾配(0:1(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンから8:2(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンへ)を使用して溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製すると、109mg(66%)の表題化合物を生じた。(LCMS RT= 7.54min, MH+ 414.1)
【化39】

【0090】
同一の一般法に従って、以下の化合物を調製した。
【化40】

【0091】
(2-(4-クロロフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル(エチル)ホスフィン酸
無水ドクロロメタン(5mL)における2-(4-クロロフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル(エチル)ホスフィン酸メチル(161mg、0.44mmol)の撹拌した溶液に、臭化トリメチルシリル(120μL、0.88mmol)を0℃で滴下して添加した。結果として生じる溶液を2時間を超えて室温に到達させ、16時間撹拌した。次に、粗生成物をジクロロメタン(100mL)で希釈し、有機層を水(50mL)で洗浄した。水性層をジクロロメタン(2×30mL)でさらに抽出し、組み合わせた抽出物を無水MgSO4上で乾燥させ、真空蒸発させた。結果として生じる無色の固体を、勾配(1:0(v/v)の酢酸エチル/メタノールから0:1(v/v)の酢酸エチル/メタノールへ)を使用して溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製すると、77mg(50%)の表題化合物を生じた。(LCMS RT=4.44min, (M-H)+ 320.1)
【化41】

【化42】

【0092】
(実施例11(化合物XXXI))
N-(3-(メチルスルホニル)フェニル)ナフトアミド
ピリジン(15mL)における塩酸3-メチルスルホニルアニリン(1.12g、5.4mmol)の溶液に、2-ナフトイルクロリド(1.13g、5.9mmol)を添加した。4時間撹拌した後、反応混合物を水とEtOAcとの間で分画し、有機相をMgSO4上で乾燥させ、真空濃縮した。さらに精製せずに、粗表題化合物を次の反応に使用した。
【化43】

【0093】
N-(3-(メチルスルホニル)フェニル)ナフタレン-2-カルボチオアミド
N-(3-(メチルスルホニル)フェニル)ナフトアミド(1.67g、5.1mmol)とトルエン(36mL)におけるローソン試薬(1.25g、3.1mmol)との撹拌した溶液を、16時間還流加熱した。室温に冷却した後、減圧下で溶媒を蒸発させ、0/1(v/v)〜1/0(v/v)の酢酸エチル/石油エーテルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、1.5g(85%)の表題化合物を生じた。
【化44】

【0094】
5-(メチルスルホニル)-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾール
水(40mL)におけるヘキサシアノ鉄酸カリウム(III)(5.96g、18.1mmol)の溶液を90℃に加熱した。これに、IMS(15mL)におけるN-(3-(メチルスルホニル)フェニル)ナフタレン-2-カルボチオアミド(1.54g、4.5mmol)及び3M水酸化ナトリウム(20mL)の溶液を、5分間を超えて滴下して添加した。30分間撹拌した後、反応物を室温に冷却し、真空濾過し、水で洗浄した。0/1〜1/4(v/v)の酢酸エチル/石油エーテルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、137mg(9%)の表題化合物を生じた。
【化45】

【0095】
(実施例12(化合物XLV))
5-(2,2,2-トリジュウテロエチルスルホニル)-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
LHMDS(THFにおける1M、1.36mL、1.36mmol)をTHF(30mL)における5-(メチルスルホニル)-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール(400mg、1.237mmol)の溶液に、N2下で-78℃で添加した。結果として生じる溶液を-78℃で1時間撹拌させておいた後、d3-ヨウ化メチルを添加した。反応混合物を室温で16時間を超えて加温した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(25mL)を添加した。有機層を分離し、水性層を酢酸エチルで抽出した(×3)。組み合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させ、真空濃縮すると、カラムクロマトグラフィー(4:1から2:1への40〜60石油:酢酸エチル)後に表題化合物をオフホワイト色の固体(106mg、25%)として生じた。(LCMS RT=7.00=6分、MH+ 341)
【化46】

【0096】
(実施例13)
(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)酢酸ベンジル
無水DCM(15mL)における1,2,3,4,6-ペンタ-O-アセチル-β-D-グルコピラノース(1g、2.56mmol)及びグリコール酸ベンジル(0.44mL、3.1mmol)の溶液に、BF3OEt2(0.39mL、3.1mmol)を添加し、結果として生じる反応混合物を室温で5時間撹拌した。溶液をEt3Nで中和し、減圧下で濃縮した。0/1〜1/1(v/v)の酢酸エチル/石油エーテルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、1g(78%)の表題化合物を生じた。
【化47】

【0097】
(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)酢酸
(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオクス)酢酸ベンジル(1g、2mmol)の溶液を脱気し、Pd-C(10%、50mg)を添加し、さらに溶液を脱気した。水素大気下で2.5時間撹拌した後、反応混合物をセライト上で濾過し、濾液を真空濃縮した。0/1〜1/0(v/v)の酢酸エチル/石油エーテルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、524 mg(65%)の表題化合物を生じた。(LCMS RT= 4.32分、M 405.1)。
【化48】

【0098】
N-(2-(2,3-ジクロロフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-(2',3',4',6'-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)アセトアミド
DMF(6mL)における2-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)酢酸(524mg、1.3mmol)及び2-(2,3-ジクロロフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-アミン(362mg、1.3mmol)の溶液を0℃に冷却し、HATU(593mg、1.56mmol)及びDIPEA(0.68mL、3.9mmol)を添加し、結果として生じる反応混合物を室温にゆっくり加温した。16時間撹拌した後、反応混合物をEtOAc(200mL)と鹹水(150mL)との間で分画し、水性相をEtOAc(2×150mL)で抽出し、組み合わせた有機相を鹹水(200mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。減圧下で溶媒を除去した後、0/1(v/v)〜7/3(v/v)の酢酸エチル/石油エーテルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、762 mg(88%)のピンク色の固体を生じた。
【化49】

【0099】
N-(2-(2,3-ジクロロフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-(β-Dグルコピラノシルオキシ)アセトアミド
N-(2-(2,3-ジクロロフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-(2',3',4',6'-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)アセトアミド(0.76g、1.14mmol)及びアンモニア(MeOHにおける7N溶液、14mL)の溶液を大気温で16時間撹拌した。反応混合物をMeOHで希釈し、減圧下で濃縮した。残渣を熱MeOH及びEt2Oで倍散すると、527mg(93%)の表題化合物を白色粉末として生じた。(LCMS RT= 4.98分、MH+500.8)
【化50】

【0100】
N-(2-(2,3-ジクロロフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-(β-D-ガラクトピラノシルオキシ)アセトアミド
基礎単位合成、カップリング及び脱保護について同一の方法を使用して、表題化合物を調製した。(LCMS RT= 5.10分、MH+ 499.0)。
【化51】

【0101】
臭化2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α-D-マンノピラノシル
33%HBr/AcOH(60mL)における1,2,3,4,6-ペンタ-O-アセチル-α-D-マンノピラノース(5g、12.8mmol)の溶液を0℃で2時間撹拌した。反応混合物を氷水(100mL)に注ぎ、EtOAc(3×150mL)で抽出した。組み合わせた有機相をNaHCO3(3×200mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空濃縮した。さらに精製せずに、粗表題化合物を次の反応に使用した。
【化52】

【0102】
(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α-D-マンノピラノシルオキシ)酢酸ベンジル
無水トルエン(20mL)におけるAgOTf(3.6g、14.1mmol)の溶液を、無水DCM(50mL)における臭化2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α-D-マンノピラノシル(12.8mmol)及びグリコール酸ベンジル(1.82mL、12.8mmol)の冷却した溶液(0℃)に添加した。結果として生じる反応混合物を16時間撹拌した後、DCM(200mL)で希釈し、NaHCO3(2×100mL)及び鹹水(100mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。0/1〜1/1(v/v)の酢酸エチル/石油エーテルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、2.03g(32%)の表題化合物を生じた。
【化53】

【0103】
(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-マンノピラノシルオキシ)酢酸
カラムクロマトグラフィー工程をせずに、(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)酢酸に関して記載されるとおり、表題化合物を調製した。
【化54】

【0104】
N-(2-(2,3-ジクロロフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-(2',3',4',6'-テトラ-O-アセチル-β-D-マンノピラノシルオキシ)アセトアミド
カップリングについて同一の一般法を使用して、表題化合物を調製した。
【化55】

【0105】
N-(2-(2,3-ジクロロフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-(β-D-マンノピラノシルオキシ)アセトアミド
脱保護について同一の一般法を使用して、表題化合物を調製した。
【化56】

【0106】
3'-ベンジルオキシプロピル2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-ガラクトピラノシド
無水DCM(25mL)における1,2,3,4,6-ペンタ-O-アセチル-β-D-グルコピラノース(2g、5.1mmol)及び3-ベンジルオキシプロパノール(0.90mL、5.6mmol)の溶液にBF3OEt2(0.71mL、5.6mmol)を添加し、結果として生じる反応混合物を室温で16時間撹拌した。溶液をEt3Nで中和し、減圧下で濃縮した。0/1〜1/1(v/v)の酢酸エチル/石油エーテルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、2.1g(85%)の表題化合物を生じた。
【化57】

【0107】
3'-ヒドロキシプロピル2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-ガラクトピラノシド
3'-ベンジルオキシプロピル2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-ガラクトピラノシド(8.6g、17mmol)の溶液を脱気し、Pd-C(10%、500mg)を添加し、溶液を再度脱気した。水素大気下で3時間撹拌した後、反応混合物をセライト上で濾過し、濾液を真空濃縮した。0/1〜1/0(v/v)の酢酸エチル/石油エーテルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、4.9g(70%)の表題化合物を生じた。
【化58】

【0108】
3'-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-ガラクトピラノシルオキシ)プロパン酸
NaCl(飽和水溶液3mL)、NaHCO3(飽和水溶液1.5mL)及びNaOCl(13%、3mL)の溶液を、DCM(10mL)における3'-ヒドロキシプロピル2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-ガラクトピラノシド(0.5g、1.2mmol)、TEMPO(3mg、0.02mmol)、KBr(12mg、0.098mmol)、TBABr(16mg、0.062mmol)及びNaHCO3(飽和水溶液3mL)の溶液に0℃で添加した。0℃で30分間撹拌した後、反応混合物を1N HClで中和し、DCM(3×10mL)で抽出し、組み合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。0/1〜1/0(v/v)の酢酸エチル/石油エーテルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、0.45g(88%)の表題化合物を生じた。
【化59】

【0109】
N-(2-(2,3-ジクロロフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-3-(β-D-ガラクトピラノシルオキシ)プロパンアミド
カップリング及び脱保護について標準的な方法を使用して、表題化合物を調製した。
【化60】

【0110】
N-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-(β-D-ガラクトピラノシルオキシ)プロパンアミド
カップリング及び脱保護について標準的な方法を使用して、表題化合物を調製した。
【化61】

【0111】
2-(ベンジルオキシ)-N-(2-(2,3-ジクロロフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)アセトアミド
カップリングについて標準的な方法を使用して、表題化合物を得た。
【化62】

【0112】
N-(2-(2,3-ジクロロフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-ヒドロキシアセトアミド
2-(ベンジルオキシ)-N-(2-(2,3-ジクロロフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)アセトアミド(0.97g、2.28mmol)の溶液を脱気し、Pd-C(10%、100mg)を添加し、溶液を再度脱気した。水素大気下で6時間撹拌した後、反応混合物をセライト上で濾過し、濾液を真空濃縮した。0/1〜1/0(v/v)の酢酸エチル/石油エーテルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製した。白色固体をEt2Oで倍散する(2×)と、380mg(50%)表題化合物を生じた。(LCMS RT= 5.76分、MH+336.9)
【化63】

【0113】
N-(2-(2,3-ジクロロフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)-2-ヒドロキシアセトアミドに関するものと同一のカップリング及び脱保護によって、以下の化合物を調製した。
【化64】

【0114】
2-ヒドロキシ-N-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)アセトアミド
カップリングについて標準的な方法を使用して、表題化合物を得た:脱保護を必要としなかった。
【化65】

【化66】

【0115】
(実施例14)
5-(エチルスルフィニル)-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
(i)4-(エチルチオ)フェノール
アセトン(35mL)に4-メルカプトフェノール(4.2g、33.3mmol)を溶解した。K2CO3(4.8g、35mmol)及びEtBr(3.6mL、49.9mmol)を添加し、混合物を室温で17時間撹拌した。混合物を濾過し、残渣をEt2O(3×30mL)で洗浄した。組み合わせた有機物を1M NaOH(2×50mL)で洗浄した。水性抽出物を組み合わせ、2M HClで酸性化した。酸性溶液をEt2O(2×50mL)で抽出した。組み合わせた有機層を鹹水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮すると、静置で晶出する褐色の油を生じた。カラムクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)によって粗硫化物を精製すると、静置で晶出する淡黄色の油(3.9g、75%)として表題化合物を生じた。
【化67】

【0116】
(ii)4-(エチルチオ)-2-ニトロフェノール
AcOH(10mL)に4-(エチルチオ)フェノール(3.2g、20.5mmol)を溶解し、0℃に冷却した。濃HNO3(約16M、1.28mL、20.5mmol)を滴下して添加した。添加完了の際に、混合物をH2O(20mL)で希釈し、CHCl3(2×25mL)で抽出した。組み合わせたCHCl3抽出物をH2O(25mL)及び鹹水(25mL)で洗浄した後、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。次に、カラムクロマトグラフィー(25%EtOAc/ヘキサン)によって粗混合物を精製すると、表題化合物をオレンジ色の油として生じた(310mg、8%)。
【化68】

【0117】
(iii)2-アミノ-4-(エチルチオ)フェノール
IMS/H2O(5:1、12mL)に4-(エチルチオ)-2-ニトロフェノール(200mg、1.0mmol)を溶解した。NH4Cl(107mg、2.0mmol)を添加し、混合物を80℃に加熱した。Fe粉(280mg、5.0mmol)を添加し、混合物をこの温度で1時間加熱し、この時にはすでに、TLC分析(50%EtOAc/ヘキサン)は、出発材料が残っていないことを示した。混合物を冷却し、セライトで濾過し、濾液が無色になるまでMeOHで洗浄した。次に、濾液を濃縮し、EtOAc/H2Oにおいて再度溶解した。溶液をEtOAc(2×30mL)で抽出した。組み合わせた有機層を鹹水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮すると、表題化合物を褐色の固体として生じた(100mg、59%)。
【化69】

【0118】
(iv)5-(エチルチオ)-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
キシレン(5mL)に2-アミノ-4-(エチルチオ)フェノール(100mg、0.59mmol)を溶解し、塩化2-ナフトイル(113mg、0.59mmol)を添加した。混合物を160℃に15分間加熱し、この時にはすでに、TLC分析(50%EtOAc/ヘキサン)は、出発材料が存在しないことを示した。pTsOH(225mg、1.18mmol)を添加し、混合物を2時間還流加熱した。混合物を冷却し、EtOAcで希釈し、シリカ上に吸収した。カラムクロマトグラフィー(勾配:100%ヘキサンから20%EtOAc/ヘキサンへ)によって、表題化合物がオフホワイト色の固体として生じた(130mg、72%)。
【化70】

【0119】
(v)5-(エチルスルフィニル)-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
5-(エチルチオ)-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール(64mg、0.21mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、-78℃に冷却した。mCPBA(77%、47mg、0.21mmol)を添加し、混合物を1時間撹拌し、温度を-50℃に上昇させておいた。Na2SO3水溶液(1mL)を添加し、混合物を室温に加温した。混合物を1M NaOH(3×5mL)及び鹹水(10mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮した。粗生成物を当量規模の第二のバッチと組み合わせ、カラムクロマトグラフィー(勾配:50%EtOAc/ヘキサンからEtOAcへ)によって精製すると、表題化合物を白色の固体として生じた(40mg、56%)。0226-56-4
【化71】

【0120】
(実施例15)
(2-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)-N-(4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)チアゾール-2-イル)アセトアミド及び2-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)-N-(5-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)アセトアミドについての一般的な合成スキーム
【化72】

4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)チアゾール-2-アミン
2-アミノベンゼンチオール(1.00mL、9.35mmol)及び2-アミノチアゾール-4-カルボン酸(1.59g、11.21mmol)を、120℃でPPAに同時に添加し、結果として生じる混合物を210℃で18時間撹拌した。熱粗生成物を氷/水(150mL)に注ぎ、NaOHペレットでpH=14になるまで塩基性化した。次に、水性層を酢酸エチル(3×70mL)で抽出し、組み合わせた抽出物をpH=7になるまで鹹水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。結果として生じる固体を、勾配(7:3(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンから1:0(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンへ、次に1:0(v/v)の酢酸エチル/メタノールから98:2(v/v)の酢酸エチル/メタノールへ)を使用して溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製すると、407mg(12%)の表題化合物を生じた。
【化73】

【0121】
同一の一般法に従って、以下の化合物を調製した。
5-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ピリジン-3-アミン
【化74】

N-(4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)チアゾール-2-イル)-2-クロロアセトアミド
ジイソプロピルエチルアミン(1.12mL、6.43mmol)の存在下で、ジクロロメタン/テトラヒドロフラン(20mL、1:1(v/v))における4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)チアゾール-2-アミン(250mg、1.07mmol)の撹拌した溶液に、塩化クロロアセチル(340μL、4.29mmol)を滴下して添加した。結果として生じる混合物を室温で18時間撹拌した後、粗生成物をジクロロメタン(150mL)で希釈し、有機層を鹹水(50mL)で洗浄した。水性層をジクロロメタン(2×50mL)で抽出し、組み合わせた抽出物を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。結果として生じる油を、勾配(0:1(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンから3:7(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンへ)を使用して溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製すると、211mg(64%)の表題化合物を生じた。
【化75】

【0122】
同一の一般法に従って、以下の化合物を調製した。
N-(5-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-2-クロロアセトアミド
【化76】

【0123】
2-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)-N-(4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
アセトン(20mL)におけるN-(4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)チアゾール-2-イル)-2-クロロアセトアミド2(205mg、0.66mmol)、1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-チオン(74mg、0.73mmol)及び炭酸カリウム(110mg、0.8mmol)の混合物を2時間還流した。溶媒を真空除去し、結果として生じる固体を、勾配(0:1(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンから1:0(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンへ)を使用して溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製すると、120mg(48%)の表題化合物を生じた。
【化77】

【0124】
同一の一般法に従って、以下の化合物を調製した。
2-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)-N-(5-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)アセトアミド
【化78】

【0125】
(実施例16)
1-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ピロリジン-2-オン
4-クロロ-N-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ブタンアミド
無水ピリジン(7.5mL)における2-(ナフタレン-2-イル)-5-アミノ-ベンゾ[d]オキサゾール(400mg、1.537mmol)の溶液に、塩化4-ブロモブチリル(195μL、1.69mmol)を0℃で滴下して添加し、結果として生じる反応混合物を室温へと16時間以上加温させておいた。この後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和硫酸銅水溶液で(×2)、次に飽和炭酸カリウム水溶液で(×2)洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、真空濃縮すると、4-クロロ-N-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ブタンアミド(115mg、21%)をカラムクロマトグラフィー(2:1〜1:1の40〜60石油:酢酸エチル)後に生じた。(LCMS RT=7.42分、MH+ 365)。
【化79】

【0126】
1-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ピロリジン-2-オン
窒素下の無水DMFにおける4-クロロ-N-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)ブタンアミド(62mg、0.170mmol)の溶液に、ジエチルアミン(20μL、0.187mmol)及び炭酸カリウム(26mg、0.187mmol)を添加し、反応混合物を50℃に16時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、鹹水で洗浄した(×3)。有機層をMgSO4上で乾燥させ、真空濃縮すると、カラムクロマトグラフィー(2:1〜1:1の40〜60石油:酢酸エチル)後に表題化合物(28mg、50%)を淡黄色の粉末として生じた。(LCMS RT=7.02分、MH+ 329)。
【化80】

【0127】
(実施例17)
2-(ベンゾ[b]チオフェン-1,1-ジオキシド-6-イル)-5-(エチルスルホニル)ベンゾ[d]オキサゾール
クロロホルム(15mL)における2-(ベンゾ[b]チオフェン-6-イル)-5-(エチルスルホニル)ベンゾ[d]オキサゾール(0.56g、1.5mmol)の溶液に、m-クロロ過安息香酸(0.65g、3.8mmol)を添加した。16時間撹拌した後、亜硫酸ナトリウム溶液(10%)を添加し、反応混合物とともに振盪した後、分画した。有機相をMgSO4上で乾燥させ、真空濃縮した。0/1〜4/1(v/v)の酢酸エチル/石油エーテルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製した後、エタノールを使用して再晶出すると、88mg(15%)の表題化合物を生じた。
【化81】

【0128】
(実施例18)
共通中間体Aを合成するための一般的なスキーム
【化82】

工程1:
MeOH(30mL)における2-アミノ-4-メチルフェノール(900mg、7.30mmol、1当量)及び2-ナフトアルデヒド(1.14g、7.30mmol、1当量)の溶液を50℃で30分間加熱した。真空濃縮後、DCM(40mL)に残渣を懸濁し、DDQ(2,3ジクロロ,5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン、1.74g、1.05当量、766mmol)で処理した。反応混合物を室温で10分間撹拌した後、DCMで希釈した。有機相を鹹水及びNaHCO3水溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空濃縮した。この反応によって、定量可能な収量で所望の化合物が生じ、さらに精製する必要はなかった。
【化83】

【0129】
工程2:
クロロベンゼン(60mL)におけるメチル化合物(1.9g、7.33mmol、1当量)の撹拌した溶液に、NBS(1.3g、7.33mmol、1当量)及びベンゾイルペルオキシド(触媒量)を90℃で一度に添加した。反応混合物を90℃で1時間加熱し、さらに4時間還流加熱した。冷却後、反応混合物を真空濃縮し、EtOAcに懸濁した。残渣を濾過し、350mgの所望の生成物を生じた。有機相を鹹水、NaHCO3水溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空濃縮した。固体をEtOAcにおいて倍散し、400mgの所望の臭化化合物を提供した。さらに精製する試みは行わなかった。
【化84】

【0130】
5-(モルフォリノメチル)-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
臭化化合物A(200mg、0.592mmol、1当量)を無水DMF(容積=6mL)に溶解し、炭酸カリウム(91mg、0.651mmol、1.1当量)及びモルフォリン(0.0057mL、0.651mmol、1.1当量)を室温で添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。水を添加した。水性相をEtOAcで3回抽出し、有機相を水及び鹹水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空濃縮した。フラッシュジョーンズクロマトグラフィーーによる精製によって、34%の収率で68mgの所望の化合物が生じた。
【化85】

【0131】
5-(エチルスルホニルメチル)-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール及び5-(メチルスルホニルメチル)-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
工程3:
臭化化合物A(300mg、0.887mmol、1当量)を無水THF(15mL)に溶解し;a.エタンチオール酸ナトリウム(82mg、0.976mmol、1.1当量)又はb.ナトリウムチオメトキシド(68mg、0.976mmol、1.1当量)を室温で添加した。反応混合物を4時間還流した。冷却後、混合物を水で希釈し、DCMで3回抽出した。有機相を鹹水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空濃縮した。臭化物出発材料及び所望の生成物をTLCにより同時スポット化した。LCMS(a)によると、粗混合物において59%の所望の化合物が存在した。いずれの場合もさらに精製する試みは行わなかった。
【化86】

【0132】
工程4:
a(又はb)を10mLのクロロホルムに溶解し、4当量のMPCBAを0℃で一度に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。
a:反応混合物をDCMで希釈し、1NのNaOH及び水で2回洗浄した。有機相をNa2SO4上で乾燥させ、真空濃縮した。DCM及びエーテルにおける倍散による精製によって、20%の収率で所望の生成物が生じた。
b:固体を粉砕し、それを濾過し、エーテルで洗浄すると、所望の生成物が25%の収率で生じた。
【化87】

【0133】
(実施例19)
【化88】

[3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-1-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イルカルバミン酸((S)-(9H-フルオレン-9-イル)メチル)]、4
ジイソプロピルエチルアミン(1.59mL、9.12mmol)の存在下で、DMF(50mL)における(S)-N-Boc-O-TBDMS-セリン(1.477g、3.34mmol)の撹拌した溶液に、HATU(1.271g、3.34mmol)を室温で一度に添加し、次いで2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-アミン(791mg、3.04mmol)を添加し;結果として生じる混合物を室温で18時間撹拌した。酢酸エチル(200mL)と鹹水(150mL)との間で粗生成物を分画し、2つの層を分離した。水性層を酢酸エチル(2×50mL)でさらに抽出し、組み合わせた抽出物を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。結果として生じる固体を、勾配(0:1(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンから1:0(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンへ)を使用して溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製すると、2.05g(98%)の表題化合物を生じた。
【化89】

【0134】
同一の一般法に従って、以下の化合物を調製した。
メチル(1-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバミン酸(S)-tert-ブチル、7
【化90】

【0135】
[(S)-2-アミノ-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-N-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)プロパンアミド]、5
ジメチルホルムアミド(16mL)における4(2.08g、3.04mmol)の撹拌した溶液に、ピペリジン(4mL、40.5mmol)を室温で滴下して添加し、結果として生じる混合物を18時間撹拌した。酢酸エチル(150mL)と鹹水(100mL)との間で粗生成物を分画し、2つの層を分離した。水性層を酢酸エチル(2×50mL)でさらに抽出し、組み合わせた抽出物を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。結果として生じる油を、勾配(3:7(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンから1:0(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンへ)を使用して溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製すると、1.39(99%)の表題化合物を生じた。
【化91】

【0136】
[(S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-N-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)プロパンアミド]、6
THF(10mL)における5(1.40g、3.04mmol)の撹拌した溶液に、TBAF(THFにおける1M、12.16mL、12.16mmol)を室温で滴下して添加し、結果として生じる混合物を60時間撹拌した。粗生成物を乾燥するまで蒸発させ、酢酸エチル(200mL)に溶解し、水における1M NaOH(100mL)で洗浄した。水性層を酢酸エチル(2×50mL)、鹹水(100mL)でさらに抽出し、2つの層を分離した。水性層を酢酸エチル(2×50mL)でさらに抽出し、組み合わせた抽出物を鹹水(2×50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。結果として生じる固体をIMS/メタノールから沈殿させると、282mg(27%)の表題化合物を無色の固体として生じた。
【化92】

【0137】
[(S)-2-(メチルアミノ)-N-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)プロパンアミド]、8
DCM(10mL)における7(557mg、1.25mmol)の撹拌した溶液に、TFA(2mL)を室温で滴下して添加し、結果として生じる混合物を3時間撹拌した。反応物を飽和NaHCO3(10mL)でクエンチし、水性層をDCM(3×50mL)で抽出した。組み合わせた抽出物を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、乾燥するまで蒸発させた。結果として生じる黄色の固体を、勾配(1:0(v/v)の酢酸エチル/メタノールから7:3(v/v)の酢酸エチル/メタノールへ)を使用して溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製すると、310mg(72%)の表題化合物を生じた。
【化93】

【0138】
3-(5-イソブチルアミドベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)キノリン 1-オキシド
無水ジクロロメタン(15mL)におけるN-(2-(キノリン-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)イソブチルアミド(250mg、0.75mmol)の撹拌した懸濁液に、ジクロロメタン(15mL)における無水2,2,2-トリフルオロ酢酸(533μL、3.77mmol)及び過酸化水素(H2Oにおける35重量%、550μL、5.66mmol)の溶液を添加した。結果として生じる溶液を16時間還流した。冷却後、粗混合物をジクロロメタンで希釈し、NaHCO3水溶液で洗浄した。水性層をジクロロメタンで抽出し、中性pHに到達するまで有機層を水で洗浄した。組み合わせた有機層を無水MgSO4上で乾燥させ、蒸発させた。結果として生じる生成物をジクロロメタンからの再晶出によって精製すると、24mg(9%)の表題化合物を生じた。(LCMS RT= 5.15分、(M+MeCN)+ 388.9)。
【化94】

【0139】
(実施例20)
2-(ジメチルアミノ)-N-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)アセトアミド ヒドロクロリド
メタノール(5mL)における2-(ジメチルアミノ)-N-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)アセトアミド(50mg、0.145mmol)の撹拌した溶液に、1,4-ジオキサン(4mL)における4M HClを添加し、結果として生じる溶液を10分間撹拌させておいた後、真空濃縮した。粗残渣をトルエンに再懸濁し、再度真空濃縮すると、粗生成物を黄色の固体として生じた。これをジエチルエーテルで倍散し、減圧下での濾過によって、表題化合物を黄色の粉末として単離した(42mg、76%)。(LCMS RT=6.51分、MH+ 346)。
【化95】

【0140】
2-(1H-イミダゾール-4-イル)-N-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)アセトアミド ヒドロクロリド
2-(1H-イミダゾール-4-イル)-N-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)アセトアミド(50mg、0.136mmol)を、1,4-ジオキサン(4mL)における4M HClに懸濁し、結果として生じる混合物をCEM Disciverマイクロ波において150℃で10分間加熱した。この後、反応混合物を真空濃縮した。粗残渣をトルエンに再懸濁し、再度真空濃縮すると、粗生成物を黄色の固体として生じた。これをジエチルエーテルで倍散し、減圧下での濾過によって、表題化合物を黄色の粉末として単離した(47mg、85%)。(LCMS RT=4.60分)。
【化96】

【0141】
(実施例21)
【化97】

(N-(4-(6-メチルベンゾ[d]チアゾール-2-イル)フェニル)-2-(ピリジン-2-イルオキシ)アセトアミド)
ジイソプロピルエチルアミン(510μL、2.90mmol)の存在下でDCM(30mL)における2-(ピリジン-2-イルオキシ)酢酸の撹拌した溶液に、HATU(442mg、1.16mmol)を一度に添加した後、4-(6-メチルベンゾ[d]チアゾール-2-イル)アニリン(233mg、0.97mmol)を添加し;結果として生じる混合物を室温で18時間撹拌した。生成された固体を濾過し、メタノールで洗浄し、回収し及び乾燥させると、143mg(37%)の表題化合物を生じた。
【化98】

【0142】
同一の一般法に従って、以下の化合物を調製した。
【化99】

【0143】
(実施例22)
2-((2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチルアミノ)酢酸
無水DMF(4mL)にグリシンエチルエステル塩酸塩(91mg、1.1当量、0.653mmol)を溶解し、1当量のトリエチルアミンを添加し、反応混合物を室温で5分間撹拌した。別個のフラスコに、臭化物(300mg、1当量、0.59mmol)を無水DMF(6mL)に溶解し、炭酸カリウムを混合物に添加した後、DMFにおける遊離塩基の(free based)グリシンエチルエステルの溶液を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。18時間後、TLC(50%酢酸エチル、50%石油エーテル)によると、いくつかの出発材料はなおも存在し、1.1当量の遊離ベースのグリシンエチルエステルを添加し、反応混合物を70℃で3時間加熱した。冷却後、反応混合物を真空濃縮し、DCMで希釈した。有機相を水、鹹水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空濃縮した。フラッシュジョーンズクロマトグラフィーによる精製によって、黄色の固体が42%の収率で提供された。
【化100】

【0144】
このエステル(75mg、0.208mmol、1当量)を水とTHFとの混合物(1/1、容積=4mL)に溶解し、5mLの1M NaOH溶液を室温で添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。pH=3になるまで、2NのHCl溶液を混合物に添加した。白色固体を粉砕し、それを濾過し、エーテルで洗浄し、真空オーブンで4時間乾燥させた。それにより、56%の収率で所望の生成物が生じた。
【化101】

【0145】
(実施例23)
【化102】

同一の一般法に従って、以下の化合物を調製した。
【化103】

【0146】
N-(3-(エチルスルホニル)フェニル)ナフタレン-2-カルボチオアミド
-78℃に冷却された無水THF(7mL)における5-(メチルスルホニル)-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾール(0.19g、0.56mmol)の溶液に、LHMDS(1M、0.62mmol)を添加した。1時間撹拌した後、ヨードメタン(0.16g、1.23mmol)を添加し、反応物を室温に加温した。16時間撹拌した後、塩化アンモニウム(10mL)を添加し、反応混合物を酢酸エチルと水との間で分画した。有機相をMgSO4上で乾燥させ、真空濃縮した。0/1〜1/4(v/v)の酢酸エチル/石油エーテルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、102mg(51%)の表題化合物を生じた。
【化104】

【0147】
(実施例24)
(S)-2-ヒドロキシ-N,N,N-トリメチル-4-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イルアミノ)-4-オキソブタン-1-アミニウムTFA塩
DMF(2mL)におけるL-カルニチン(89mg、0.55mmol)及び2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-アミン(100mg、0.38mmol)の溶液に、HATU(0.22g、0.57mmol)及びDiPEA(0.20mL、1.14mmol)を0℃で添加した。大気温で16時間撹拌した後、反応混合物を濃縮し、残渣をDCM/MeOHで処理した。沈殿物を濾過し、HPLC(H2O/MeCN、0.1%TFA)によって精製すると、29mg(15%)の表題化合物を生じた。(LCMS RT= 4.41min, MH+ = 404.2)。
【化105】

【0148】
(実施例25)
【化106】

2-アミノ-4-メトキシフェノール
IMS/H2O(180mL、2:1)における2-ニトロ-4-メトキシフェノール(6.00g、35.5mmol)及び塩化アンモニウム(9.48g、177.4mmol)の混合物を70℃に加熱した後、鉄(9.91g、177.4mmol)を添加し、結果として生じる混合物を18還流した。粗生成物を冷却し、セライトパッドで濾過した。フィルターを酢酸エチルで洗浄し、乾燥するまで濾液を蒸発させると、褐色の固体を生じ、それを酢酸エチル(250mL)と鹹水(150mL)との間で分画した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(2×50mL)でさらに抽出し、組み合わせた抽出物を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒の蒸発によって褐色の固体が生じ、勾配(0:1(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンから3:2(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンへ)を使用して溶出するカラムクロマトグラフィーによって該固体を精製すると、3.84g(78%)の表題化合物を生じた。
【化107】

【0149】
5-メトキシ-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
すでに記載された標準的なマイクロ波経路を使用して調製した。
【化108】

【0150】
2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-オール
乾窒素の大気下で室温の無水DCM(20mL)に、DCM(21.3mL、21.3mmol)におけるBBr3の1M溶液を、次いで5-メトキシ-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール2(1.567g、5.33mmol)をゆっくり添加した。結果として生じる混合物を窒素下で18時間還流し、蒸留水(20mL)でクエンチした。次に、粗生成物を酢酸エチル(200mL)と水(100mL)との間で分画し、2つの層を分離した。水性層を酢酸エチル(2×50mL)でさらに抽出し、組み合わせた抽出物を無水MgSO4上で乾燥させた。溶媒の蒸発によって黄色の固体を生じ、勾配(0:1(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンから1:1(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンへ)を使用して溶出するカラムクロマトグラフィーによって該固体を精製すると、848mg(57%)の表題化合物を生じた。
【化109】

【0151】
5-(2-(ベンジルオキシ)エトキシ)-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
室温のDMF(4mL)における2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-オール(0.2g、0.71mmol)の溶液に、NaH(油における60%分散液、34mg、0.86mmol)を添加した。0.5時間撹拌した後、ベンジル2-クロロエチルエーテル(0.14mL、0.92mmol)を添加し、反応混合物を50℃で16時間撹拌し、蒸留水(0.5mL)でクエンチした。反応混合物をEtOAc(40mL)と水(30mL)との間で分画し、有機相を水(2×30mL)及び鹹水(30mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。勾配(0:1(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンから3:7(v/v)の酢酸エチル/ヘキサンへ)を使用して溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、170mg(61%)の表題化合物を生じた。
【化110】

【0152】
(実施例26)
(2-フェニル-1H-インドール-3-イル)メタノール
無水MeOH(30mL)における2-フェニルインドール-3-カルボキシアルデヒド(500mg、2.62mmol、1当量)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(103mg、1.2当量、2.71mmol)を0℃で一度に添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。水を反応混合物に添加し、水性相をジクロロメタンで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥させ、真空濃縮した。ジクロロメタンにおける再晶出による精製によって、表題化合物が生じた。
【化111】

【0153】
(実施例27)
5-(エチルスルホニル)-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾール
-78℃に冷却された無水THF(7mL)における5-(メチルスルホニル)-2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾール(0.19g、0.56mmol)の溶液に、LHMDS(1M、0.62mmol)を添加した。1時間撹拌した後、ヨードメタン(0.16g、1.23mmol)を添加し、反応物を室温に加温した。16時間撹拌した後、塩化アンモニウム(10mL)を添加し、反応混合物を酢酸エチルと水との間で分画した。有機相をMgSO4上で乾燥させ、真空濃縮した。0/1〜1/4(v/v)の酢酸エチル/石油エーテルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、102mg(51%)の表題化合物を生じた。
【化112】

【0154】
(実施例28)
2-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イルスルホニル)エタノール
2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-アミン(0.15g、0.57mmol)及び塩酸(3mL)の溶液を50℃で30分間撹拌した後、0℃に冷却した。水(0.5mL)における亜硝酸ナトリウム(0.044g、0.63mmol)の溶液を反応物に滴下して添加し、45分間撹拌した後、1M水酸化ナトリウムを使用してpHをpH7に調整した。銅懸濁液(0.036g、0.58mmol)を含有する1M水酸化ナトリウム(1.2mL)における2-メルカプトエタノール(0.08mL)の溶液に、混合物を滴下して添加し、60℃に加熱した。30分間撹拌した後、反応混合物を冷却し、酢酸エチルで2回抽出した。組み合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させ、真空濃縮した。0/7〜3/7(v/v)の酢酸エチル/石油エーテルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって粗化合物を精製すると、127mg(69%)の2-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イルチオ)エタノールを生じた。クロロホルム(5mL)における2-(2-(ナフタレン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イルチオ)エタノール(0.13g、0.40mmol)の溶液に、mCPBA(0.17g、0.99mmol)を添加し、16時間撹拌した。亜硫酸ナトリウム溶液(10%、5mL)を反応混合物に添加した。有機相を1M水酸化ナトリウムで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空濃縮した。0/1〜6/4(v/v)の酢酸エチル/石油エーテルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって粗化合物を精製すると、22mg(11%)の表題化合物を生じた。
【化113】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)の化合物
【化1】

(式中、
R9は、0〜4個のヘテロ原子を含有する部分的に又は完全に芳香族であり、かつ1〜4個のハロゲン、C1-C6アルキル、OC1-C6アルキル又はNR90(C=Q)-M-Z-R93によって任意に置換されるC5-10炭素環を表し、式中R90は、H又はC1-6アルキルを表し、Qは、O、S、又はNR91を表し、この中でR91は、H又はC1-6アルキルを表し、Mは、ハロゲン、C1-6アルキル、又はC1-6アルコキシで任意に置換されるC1-3アルキルを表し、Zは、O、S又はNR92を表し、この中で、R92は、H又はC1-6アルキルを表し、及びR93は、0〜4個のヘテロ原子を含有する部分的に又は完全に芳香族であり、かつ1〜4個のハロゲン、C1-C6アルキル又はOC1-C6アルキルによって任意に置換されるC5-10炭素環を表し;
A1、A2、A3及びA4のうちの3つは、CHを表し、かつA1、A2、A3及びA4のうちの1つは、CR1を表し、この中でR1は下記を表す:
ヒドロキシル、ハロゲン、カルボン酸、ピペリジン-1-イル、N-モルフォリノ、-NMe2又はアルコキシで任意に置換されるC2-C3アルキル、n-ブチル及びsec-ブチルから選択されたアルキル基;
ヒドロキシル、ハロゲン、CO2(C1-6アルキル)、又はハロゲン、カルボン酸、ピペリジン-1-イル、N-モルフォリノ、-NMe2若しくはアルコキシで置換された-O(C1-6アルキル)若しくはC1アルキル
ヒドロキシル、ハロゲン、CO2(C1-6アルキル)、又は-O(C1-6アルキル);
-N-(S)-2-アミノ-3-ヒドロキシプロピオンアミド;
-N-(S)-2-(メチルアミノ)プロピオンアミド;
-N-(S)-2-アミノプロピオンアミド;
-N-2-メチルアミノアセトアミド;
-(S=O)R21(式中、R21はC1-C6アルキルを表す。);
-SOnR22(式中、n=0、1又は2であり、かつR22は、OHで又はヒドロキシルで置換されたエチルで任意に置換されるCH3、CH2CD3又はC3-6アルキルを表す。);
-SO2NR55R23(式中、同一又は異別であり得るR23及びR55は各々、H又はC1-6アルキルを表す。);
-NR56SOnR24(式中、n=0、1又は2であり、かつ同一又は異別であり得るR24及びR56が各々、H又はC1-C6アルキルを表す。);
-K-SOn-R28(式中、Kは、C1-C6アルキルで任意に置換されるC1-C3アルキルを表し、n=0〜2であり、かつR28は、1つ以上のヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ又はアミンで任意に置換されるC1-C10アルキルを表す。);
-CO2R26(式中、R26はC1-6アルキルを表す。);
二置換のホスフィン酸塩(この中で、同一又は異別であり得る各置換体は、C1-6アルキル又はC5-10アリールを表し得る);
1つ以上のオキソ、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-C6アルキル、アルコキシ又はアリール置換体によって置換されるN結合型単環式又は二環式環;又は
NR15C(=W)R17(式中、
Wは、NH、S又はOを表し;
R17は、C2-アルキル、n-プロピル、又はC4-C10アルキル;1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ又はアミンで置換されたC1-C10アルキル;1つ以上のC1-6アルキル基で任意に置換されるC1-C4アルキル基を介してアノマー位で結合した単糖類又は二糖類単位;CH2アリール(式中、アリールは、芳香族炭化水素又は、炭素のほかに環構成成分として酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員の芳香族複素環を表す。);-CH2OCH3、-CH2OCH2CH2OCH3、CH2ピペリジン-1-イル又はCH2-N-モルフォリノイルを表し;及び
R15は、H、C1-6アルキルを表し、又はR17とともに-CH2CH2-、-CH2 CH2-、又は-CH2CH2CH2-を表し;
Xは、O又はNであり;及び
Yは、O又はNである。)。
【請求項2】
A1、A2及びA4がCHを表し、かつA3がCR1を表す、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R9が2-ナフチルを表す、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
R9が、ハロゲンで任意に置換される2-ナフチル、又はハロゲンで任意に置換されるフェニルを表し;
A1、A2及びA4がCHを表し、かつA3がCR1を表し、この中でR1が下記を表す、請求項1記載の化合物:
NR15C(=W)R17(式中、
WがNH、S又はOを表し;
R17が、C2-アルキル、n-プロピル、又はC4-C10アルキル;1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ又はアミンで置換されたC1-C10アルキル;1つ以上のC1-6アルキル基で任意に置換されるC1-C4アルキル基を介してアノマー位で結合した単糖類又は二糖類単位;CH2アリール(この中で、アリールは、芳香族炭化水素又は、炭素原子のほかに環構成成分として酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員の芳香族複素環を表す。);CH2OCH3、CH2OCH2CH2OCH3、CH2ピペリジン-1-イル又はCH2-N-モルフォリノを表し;及び
R15が、H、C1-6アルキルを表し、又はR17とともに-CH2CH2-、-CH2 CH2-、又は-CH2CH2CH2-を表す。)。
【請求項5】
R9が、1つ以上のSOn単位を含有する5〜10員の複素環式環を表し、この中で、n=0〜2であり、かつ各SOn単位について同一又は異別であり得る、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
R1が、ラクタムであるN結合型単環式又は二環式環を表す、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
R1が、-K-SOn-R28を表し、この中で、Kが、C1-C6アルキルで任意に置換されるC1-C3アルキルを表し;n=0〜2であり、かつR28が、1つ以上のハロゲン、アルコキシ又はアミンで任意に置換されるC1-C10アルキルを表す、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
R9が、NR90(C=Q)-M-Z-R93によって置換された0〜4個のヘテロ原子を含有する部分的に又は完全に芳香族であるC5-10炭素環を表し、この中で、R90が、H又はC1-6アルキルを表し、Qが、O、S、又はNR91を表し、この中で、R91がH又はC1-6アルキルを表し、Mが、ハロゲン、C1-6アルキル、又はC1-6アルコキシで任意に置換されるC1-3アルキルを表し、Zが、O、S又はNR92を表し、この中で、R92が、H又はC1-6アルキルを表し、及びR93が、0〜4個のヘテロ原子を含有する部分的に又は完全に芳香族であり、かつ1〜4個のハロゲン、C1-C6アルキル、OC1-C6アルキルによって任意に置換されるC5-10炭素環を表す、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
YがNを表す、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
XがOを表す、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
YがNを表し、かつXがOを表す、請求項1記載の化合物。
【請求項12】
下記の表から選択される化合物:
【表1】




【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物と医薬として許容し得る担体とを含む、医薬組成物。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物を投与することを含む、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー又は悪液質の治療又は予防の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−535831(P2010−535831A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520500(P2010−520500)
【出願日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際出願番号】PCT/EP2008/006720
【国際公開番号】WO2009/021750
【国際公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(508242654)スムミト コーポレーション ピーエルシー (3)
【Fターム(参考)】