説明

トナー補給装置及びそれを備えた画像形成装置

【課題】蓋部材の反りを抑え、トナーを収容する容器本体とその蓋部材とを確実に固着するトナー補給装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナーコンテナ100は、一面に開口部121cを有するトナー収容部121aと、トナー収容部121aに形成されトナーを外部に供給する補給口121bと、開口部121cの周囲に形成された取り付け面121fと、を有する容器本体121と、容器本体121の取り付け面121fに固着される平板状の蓋部材131と、トナー収容部121a内のトナーを補給口121bに搬送する搬送部材132とを備える。搬送部材132は回転軸132aと回転軸の外周面に形成される螺旋状の羽根132bとを有し、回転軸132aは蓋部材131に回転自在に支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に備えられる現像器にトナーを補給するトナー補給装置及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置においては、感光体からなる像担持体上に形成した潜像をトナー像として可視化するために、現像器により感光体にトナーを供給している。そして、現像器のトナーが消費された場合には、トナーカートリッジやトナーコンテナ等のトナー補給装置を用いて現像器へトナーを補給することが行われている。
【0003】
トナーは極めて微細な粉末であり、トナー補給装置の交換作業時にトナーが飛散してオペレータや周囲を汚すということがないように、また、トナー補給装置の運搬搬送時等に振動や衝撃を受けて、収容されたトナーが外部に漏れ出ることがないように、トナー補給装置は密閉構造となっている。
【0004】
例えば、特許文献1では、トナーを収容する容器本体と容器本体の開口を覆う蓋部材とがともに合成樹脂からなり、容器本体と蓋部材を超音波溶着等によって固着することで、トナー補給装置の容器本体内を密閉している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−237217号公報(段落[0007]、第6図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した先行技術では、トナー補給装置に用いられる蓋部材は、通常、平板状に形成されており、蓋部材を成型加工したときに反りが発生し、蓋部材が平坦に仕上がらないことがある。このような反りがある蓋部材と容器本体とを超音波溶着で固着しても、固着していない部分が発生し、その部分からトナーが漏れ出るおそれがある。そこで、反りの許容できる範囲の蓋部材を選別し、選別した蓋部材を容器本体に固着すると、使用できない廃棄すべき不良部品が発生し歩留まりが低下する。また、蓋部材の反りを矯正し反りの矯正作業の後に蓋部材と容器本体とを固着すると、作業性が低下し、いずれにしてもコスト高になるという不都合があった。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、蓋部材の反りを抑え、トナーを収容する容器本体とその蓋部材とを確実に固着するトナー補給装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、一面に開口部を有するトナー収容部と、前記トナー収容部に形成されトナーを外部に供給する補給口と、前記開口部の周囲に形成された取り付け面と、有する容器本体と、前記容器本体の取り付け面に固着される平板状の蓋部材と、前記トナー収容部内のトナーを前記補給口に搬送する搬送部材とを備えるトナー補給装置において、前記搬送部材は、回転軸と回転軸の外周面に形成されるトナー搬送部とを有し、前記回転軸は前記蓋部材に回転自在に支持されることを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、蓋部材を例えばプラスチック成型加工したときに蓋部材が反り平坦に仕上がらなくても、蓋部材に支持した搬送部材の回転軸によってその反りが抑えられて、容器本体の取り付け面に当接した状態で蓋部材は容器本体に固着される。
【0010】
また、請求項2に記載の発明では、前記蓋部材は樹脂材料で形成されており、溶着によって前記容器本体の取り付け面に固着されることを特徴としている。
【0011】
また、請求項3に記載の発明では、前記蓋部材は、前記トナー収容部に対向する平板部と、前記平板部から外方に突出し前記搬送部材を収納するとともに前記搬送部材の回転軸を支持する支持部とを形成されてなることを特徴としている。この構成によれば、蓋部材を例えば成型加工したときに平板部が反り平坦に仕上がらなくとも、蓋部材の支持部に支持した搬送部材の回転軸によってその反りが抑えられて、蓋部材は容器本体に容易に固着される。
【0012】
また、請求項4に記載の発明では、上記の構成のトナー補給装置が搭載された画像形成装置である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、蓋部材を例えばプラスチック成型加工したときに蓋部材が反り平坦に仕上がらなくとも、蓋部材に搬送部材の回転軸を支持すると、回転軸によって蓋部材の反りが抑えられ、蓋部材を容器本体に取り付けるときに、蓋部材は容器本体に確実に固着される。従って、歩留まりを低下させることなく、また反り矯正等の作業を施すコストをかけることなく、収容されたトナーが外部に漏れ出ることがないトナー補給装置が得られる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明によれば、蓋部材を溶着によって容器本体の取り付け面に固着するとき、蓋部材に支持した搬送部材の回転軸によって蓋部材の反りが抑えられ、蓋部材を容器本体に取り付けるときに、蓋部材は容器本体に確実に固着される。
【0015】
また、請求項3に記載の発明によれば、蓋部材を例えば成型加工したときに平板部が反り平坦に仕上がらなくとも、蓋部材に搬送部材の回転軸を支持すると、回転軸によって平板部の反りが抑えられ、蓋部材を容器本体に取り付けるときに、蓋部材は容器本体に確実に固着される。また、トナー収容部の容積を小さくする必要がないので、容器本体内に多量のトナーを収容することができる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明によれば、蓋部材の反りを抑え、トナーを収容する容器本体とその蓋部材とを確実に固着するトナー補給装置を備える画像形成装置にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るトナー補給装置が搭載された画像形成装置の概略構成を示す図
【図2】実施形態に係るトナー補給装置を現像器に装着した状態を示す斜視図
【図3】実施形態に係るトナー補給装置を現像器に装着した状態を示す断面図
【図4】実施形態に係るトナー補給装置の容器本体を示す斜視図
【図5】実施形態に係るトナー補給装置の蓋部材を示す斜視図
【図6】実施形態に係るトナー補給装置の搬送部材を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施形態に限定されない。また発明の用途やここで示す用語等はこれに限定されるものではない。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係るトナー補給装置を搭載した画像形成装置の概略構成を示す図である。画像形成装置1は、その下部に配設された給紙部2と、この給紙部2の側方に配設された用紙搬送部3と、この用紙搬送部3の上方に配設された画像形成部4と、この画像形成部4よりも排出側に配設された定着部5と、画像形成部4及び定着部5の上方に配設された画像読取部6と、トナー補給装置であるトナーコンテナ100とを備えている。
【0020】
給紙部2は、用紙9を収容する複数の給紙カセット7を備えており、給紙ローラ8の回転動作により、複数の給紙カセット7のうち選択された給紙カセット7から用紙9を1枚ずつ確実に用紙搬送部3に送り出す。
【0021】
用紙搬送部3に送られた用紙9は、用紙搬送部3の用紙供給経路10を経由して画像形成部4に向けて搬送される。この画像形成部4は、電子写真プロセスによって、用紙9にトナー像を形成するものであり、図1の矢印方向に回転可能に軸支された感光体11と、この感光体11の周囲にその回転方向に沿って、帯電部12、露光部13、現像器14、転写部15、クリーニング部16、及び除電部17を備えている。
【0022】
帯電部12は、高電圧を印加される帯電ワイヤを備えており、この帯電ワイヤからのコロナ放電によって感光体11表面に所定電位を与えると、感光体11表面が一様に帯電させられる。そして、画像読取部6によって読み取られた原稿の画像データに基づく光が、露光部13により感光体11に照射されると、感光体11の表面電位が選択的に減衰され、感光体11表面に静電潜像が形成される。
【0023】
次いで、現像器14が感光体11表面の静電潜像を現像し、感光体11表面にトナー像が形成される。このトナー像が転写部15によって感光体11と転写部15との間に供給された用紙9に転写される。
【0024】
トナー像が転写された用紙9は、画像形成部4の用紙搬送方向の下流側に配置された定着部5に向けて搬送される。定着部5では、加熱部材18及び加圧ローラ19によって、用紙9が加熱加圧され、用紙9上にトナー像が溶融定着される。次いで、トナー像が定着された用紙9は、排出ローラ対20によって排出トレイ21上に排出される。
【0025】
転写部15による転写後、感光体11表面に残留しているトナーは、クリーニング部16により除去され、また感光体11表面の残留電荷は除電部17により除去される。そして、感光体11は帯電部12によって再び帯電され、以下同様にして画像形成が行われる。
【0026】
画像形成が繰り返し行われると、現像器14内のトナーが消費される。現像器14にトナーを補給するために、現像器14の上方には、トナーコンテナ100が着脱自在に配設されている。現像器14内に取り付けられた残量検知センサ(図略)によって、現像器14内のトナーが所定量以下となったことが検知された場合、トナーコンテナ100からトナーが現像器14に補給される。
【0027】
次に、現像器14と、現像器14に装着されるトナーコンテナ100について図2、図3に基づいて説明する。図2はトナーコンテナを現像器に装着した状態を示す斜視図であり、図3はトナーコンテナを現像器に装着した状態を示す断面図である。
【0028】
図2に示すように、トナーコンテナ100は感光体ユニット31内の感光体11(図1参照)にトナーを供給する現像器14の近傍に着脱自在に設けられる。トナーコンテナ100は、容器本体121と蓋部材131とで密封された内部にトナーを収容する。容器本体121の前壁部には、トナーコンテナ100内にトナーを充填するための充填口121eが形成されていて、この充填口121eには、着脱自在なキャップ126が装着されている。
【0029】
また、容器本体121の前壁部にはトナーコンテナ100を保持するための取っ手121dが形成され、取っ手121dを保持してトナーコンテナ100を図2に示す長手方向に操作すると、トナーコンテナ100は現像器14に着脱される。尚、長手方向と直交する図2の各方向を夫々横方向及び上下方向とする。
【0030】
トナーコンテナ100が現像器14に装着されると、トナーコンテナ100の支持壁部に設けた連結軸133が現像器14側のギヤ(図略)に噛合し、ギヤの回転が連結軸133に伝達される。連結軸133はトナーコンテナ100内の後述する搬送部材に設けられ、連結軸133が回転すると、搬送部材の回転によって、トナーコンテナ100内に収容されているトナーが所定の方向に向けて移動する。
【0031】
また、トナーコンテナ100の支持壁部には、撹拌部材用連結軸134が配置され、撹拌部材用連結軸134が現像器14側のギヤ(図略)に噛合し、ギヤの回転が撹拌部材用連結軸134に伝達される。この連結軸134はトナーコンテナ100内の後述する撹拌部材に設けられ、撹拌部材用連結軸134が回転すると、撹拌部材の回転によって、トナーコンテナ100内に収容されているトナーが撹拌され、搬送部材に向けて移動する。
【0032】
図3に示すように、現像器14は、一成分磁性トナーを収容する現像容器22と、このトナーを撹拌する撹拌スクリュー23、24と、現像ローラ27、及び規制部材28とを備えている。
【0033】
撹拌スクリュー23、24は、現像容器22内に回転可能に配設され、トナーを撹拌、循環させて、現像ローラ27に供給する。
【0034】
現像ローラ27は、固定磁石体25と現像スリーブ26とを備える。現像スリーブ26は、円筒状の例えばアルミニウムの非磁性材からなり、撹拌スクリュー24に隣接する位置で現像容器22に回転可能に支持される。固定磁石体25は、現像スリーブ26内に固設される永久磁石からなり、現像スリーブ26に向けて磁界を発生する。また、現像ローラ27は、現像容器22の開口から露出し、像担持体である感光体11に一定の間隔を隔てて対向している。この対向する領域は、現像スリーブ26上に担持されているトナーを感光体11に向けて供給するための現像領域となっている。更に、現像スリーブ26には、トナーを感光体11に供給するために、直流に交流を重畳した現像バイアスが印加される。
【0035】
規制部材28は、現像スリーブ26表面に担持されるトナーを所定の層厚に規制するものであり、現像スリーブ26表面との間に所定間隔を隔てて、現像容器22に取り付けられる。
【0036】
現像スリーブ26内の固定磁石体25の磁力により、撹拌スクリュー24から供給されたトナーが現像スリーブ26表面に担持される。担持されたトナーは、規制部材28により所定の層厚に規制され、現像スリーブ26の回転により、現像領域に向けて搬送される。現像スリーブ26に現像バイアスが印加されることにより、現像領域において現像スリーブ26と感光体11との間に電位差が発生し、現像スリーブ26上のトナーは感光体11に供給され、感光体11上の静電潜像はトナー像に現像される。
【0037】
現像容器22の上部には、トナー受け入れ口95が設けられる。現像容器22内のトナーが消費され少なくなると、新しいトナーがトナーコンテナ100からトナー受け入れ口95を介して現像容器22内に補給される。
【0038】
次に、トナーコンテナ100を図3〜図6に基づいて詳しく説明する。図4はトナーコンテナの容器本体を示す斜視図であり、図5はトナーコンテナの蓋部材を下側から見た斜視図であり、図6はトナーコンテナに装着される搬送部材の長手方向の断面図である。
【0039】
図3に示すように、トナーコンテナ100は、前述の容器本体121と蓋部材131の他に、第1及び第2撹拌部材123、124と、搬送部材132と、シャッタ部材125とを備える。容器本体121と蓋部材131は合成樹脂で成型加工される。
【0040】
容器本体121は上方に向けて開口された開口部121cを有し、開口部121cは略長方形状(図4参照)に形成されている。開口部121cの周囲の内側下方で横方向には、左壁部及び右壁部121g、121hが傾斜して形成され、また、長手方向には前壁部及び後壁部が直立して形成される。左及び右壁部121g、121h、前及び後壁部は、容器本体121の底部とともに、トナーを収容するトナー収容部121aを形成している。これらの壁部及び底部は略同じ厚さを有している。このように、トナー収容部121aは開口部121cの四方を囲む壁部及び底部によって略直方体状に形成される。
【0041】
トナー収容部121aを形成する右壁部121hの上方には平坦面が形成され、この平坦面にはトナーを現像器14に供給する補給口121bが形成される(図4も参照)。補給口121bは現像器14のトナー受け入れ口95と対向するように配設される。
【0042】
補給口121bと現像器14のトナー受け入れ口95との間には、シャッタ部材125が配置されている。シャッタ部材125は、補給口121bを開放、閉塞可能であるように、補給口121bの下方で長手方向に摺動自在に容器本体121に取り付けられる。シャッタ部材125はトナーコンテナ100の現像器14への着脱に伴い摺動する。つまり、トナーコンテナ100が現像器14に装着されていないときには、シャッタ部材125は補給口121bを閉塞する位置にあり、トナーコンテナ100が現像器14に装着されると、シャッタ部材125は補給口121bを開放するように移動し、トナーコンテナ100内のトナーがトナー受け入れ口95を介して現像器14に供給可能となる。そして、トナーコンテナ100が現像器14から外されると、シャッタ部材125は補給口121bを閉塞するように図3の紙面の表裏面方向に移動する。
【0043】
第1及び第2撹拌部材123、124は、トナー収容部121a内に横方向に並べて配設され、回転部と、回転部から径方向の片側に延び、且つ長手方向に展開されるパドル状の羽根とを有する。また、第1及び第2撹拌部材123、124の各回転部は容器本体121の前及び後壁部に回転自在に支持される。更に、第1及び第2撹拌部材123、124の回転部は図示しないギヤ等で夫々連結軸134(図2参照)に噛合し、連結軸134の回転によって第1及び第2撹拌部材123、124の各パドル状の羽根は回転する。各パドル状の羽根の回転によってトナー収容部121a内のトナーは撹拌される。更に、第2撹拌部材124のパドル状の羽根は、撹拌されたトナーを搬送部材132側に搬送する。
【0044】
容器本体121の開口部121cの外周縁には取り付け面121fが形成されている。取り付け面121fは、蓋部材131を固着させるためのものであり、開口部121cの外周縁に沿ってフランジ状に突出する平坦な面である(図4参照)。
【0045】
蓋部材131は、長手方向(図3の紙面表裏方向)に長い略長方形状(図5参照)に展開し、平板部131aと支持部131bと固着部131cが形成されてなる。平板部131aと支持部131bと固着部131cは略同じ厚みで形成されている。
【0046】
平板部131aは容器本体121のトナー収容部121aに対向し略平坦で長方形状に形成される。
【0047】
支持部131bは、平板部131aに連接して形成され、また、平板部131aから上方に突出して形成される。従って、支持部131bは、下側を開放し上側に凸の箱状をなして、横方向で断面略台形状の壁部が形成され且つ長手方向(図3の紙面表裏方向)で断面略長方形状の壁部が形成される。支持部131bはその内部に搬送部材132を収納し、支持部131bの長手方向の両壁部には、搬送部材132及び連結軸133(図5参照)を回転自在に支持する軸受け孔が形成されている。
【0048】
図5に示すように、搬送部材132は回転軸132aとトナー搬送部である螺旋羽根132bとを一体に合成樹脂で形成される。回転軸132aは長手方向に延び、螺旋羽根132bは軸方向に一定のピッチで螺旋状に形成される。そして、搬送部材132は容器本体121の補給口121b(図3参照)に対向している。搬送部材132が回転すると、搬送部材132は撹拌されたトナーを補給口121bに向かって搬送することになる。搬送部材132には、連結軸133が蓋部材131の支持部131bの支持壁部131g側に固設されている。
【0049】
図6に示すように、連結軸133は搬送部材132の回転軸132aの一端部に形成された軸孔132dに一体的に嵌合する。更に、連結軸133は、支持部131bの支持壁部131gにリブ状に形成した軸受け孔131eに回転自在に嵌合している。そして、連結軸133と支持壁部131gとの間にはシール部材135が介装され、トナーが外部に漏れるのを防いでいる。一方、回転軸132aの他端部に形成された支軸132cは、支持部131bの支持壁部131fに貫通することなくリブ状に形成した軸受け孔131dに回転自在に嵌合している。尚、軸受け孔131eには回転軸132aを回転自在に嵌合させ、蓋部材131の外部で連結軸133に一体的に嵌合する構成にしてもよい。
【0050】
図5に示すように、蓋部材131の固着部131cは、蓋部材131の四方外周縁に沿ってフランジ状に突出する平坦な面で形成され、容器本体121の取り付け面121f(図4参照)と対面する。
【0051】
図3に示すように、蓋部材131を容器本体121に取り付けるには、容器本体121に第1及び第2撹拌部材123、124と撹拌部材用連結軸134を取り付け、また、蓋部材131に搬送部材132及び連結軸133を取り付け、次に、蓋部材131の固着部131cを容器本体121の取り付け面121fに当接させる。
【0052】
通常、成型加工された平板状の蓋部材131は、平板部131aに反りが発生する、特に、平板部131aの長手方向では反りが大きくなり、平坦に仕上がらないおそれがあるが、本実施形態では、蓋部材131に取り付けた回転軸132aによって、蓋部材131の反りが抑えられ、固着部131cの全周に亘って平坦性が保持される。従って、固着部131cを取り付け面121fに当接させると、蓋部材131と容器本体121の取り付け面121fが全周に亘って当接することになる。この状態で、超音波溶着によって当接面同士が溶融し固着される。尚、超音波溶着に替えて、振動溶着、赤外線レーザ溶着、熱かしめ等を用いて固着部131cと取り付け面121fを固着させてもよい。
【0053】
上記のように組み立てられたトナーコンテナ100の充填口121e(図2参照)からトナーを充填し、トナー充填が完了するとキャップ126を充填口121eに装着する。このようにして蓋部材131は容器本体121に取り付けられ、キャップ126が充填口121eに装着されると、トナーコンテナ100内は密封される。
【0054】
そして、図2に示すように、トナーコンテナ100を現像器14に装着すると、連結軸133が現像器14側のギヤ(図略)に噛合し、また、撹拌部材用連結軸134が現像器14側のギヤ(図略)に噛合する。画像形成時には、撹拌部材用連結軸134が回転し、第1及び第2撹拌部材123、124の回転によって、トナーコンテナ100内に収容されているトナーが撹拌される。現像器14内のトナーが所定量以下となったことが検知された場合、搬送部材132が回転を開始し、搬送部材132の回転によって、トナーは補給口121bから現像器14に補給される。
【0055】
上記実施形態によれば、トナーコンテナ100は、一面に開口部121cを有するトナー収容部121aと、トナー収容部121aに形成されトナーを外部に供給する補給口121bと、開口部121cの周囲に形成された取り付け面121fと、を有する容器本体121と、容器本体121の取り付け面121fに固着される平板状の蓋部材131と、トナー収容部121a内のトナーを補給口121bに搬送する搬送部材132とを備える。搬送部材132は回転軸132aと回転軸の外周面に形成される螺旋状の羽根132bとを有し、回転軸132aは蓋部材131に回転自在に支持される。
【0056】
この構成によると、蓋部材131を例えばプラスチック成型加工したときに蓋部材131が反り平坦に仕上がらなくとも、蓋部材131に搬送部材132の回転軸132aを支持すると、回転軸132aによって蓋部材131の反りが抑えられ、蓋部材131を容器本体121に取り付けるときに蓋部材131は容器本体121に確実に固着される。従って、歩留まりを低下させることなく、反り矯正等の作業を施すコストをかけることなく、収容されたトナーが外部に漏れ出ることがないトナーコンテナ100が得られる。
【0057】
また、上記実施形態によれば、蓋部材131は樹脂材料で形成されており、溶着によって容器本体121の取り付け面121fに固着されることによって、蓋部材131に支持した搬送部材132の回転軸132aによって蓋部材131の反りが抑えられ、蓋部材131を容器本体121に取り付けるときに蓋部材131は容器本体121に確実に固着される。
【0058】
また、上記実施形態によれば、蓋部材131には、トナー収容部121aに対向する平板部131aと、この平板部131aから外方に突出し搬送部材132を収納するとともに搬送部材132の回転軸132aを支持する支持部131bとが形成されてなる。これによって、蓋部材131を例えば成型加工したときに平板部131aが反り平坦に仕上がらなくとも、蓋部材131の支持部131bに搬送部材132の回転軸132aを支持すると、回転軸132aによって平板部131aの反りが抑えられ、蓋部材131を容器本体121に取り付けるときに蓋部材131は容器本体121に確実に固着される。また、トナー収容部121aの容積を小さくする必要がないので、トナーコンテナ100内に多量のトナーを収容することができる。
【0059】
尚、上記実施形態では、モノクロ複写機に適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、カラー複写機、またはカラープリンタの各色のトナー補給装置に適用してもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、現像器14にトナーを直接補給するトナーコンテナ100に適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、トナーコンテナ100と現像器14との間に中間ホッパーを設けて、中間ホッパーにトナーを補給するトナーコンテナ100に適用してもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、トナーコンテナ100は水平方向に配置される構成を示したが、本発明はこれに限らず、トナーコンテナ100は、トナー収容部と搬送部材及び補給口が略上下方向に配置される構成にしてもよい。この場合も上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0062】
また、上記実施形態では、蓋部材131は平板部131aと外方に突出し搬送部材132を収納する支持部131bとを形成されてなる構成を示したが、本発明はこれに限らず、蓋部材が搬送部材を収納する部分まで平板部で形成され、平板部がトナー収容部に対向するとともに、搬送部材を収納する部分では平坦部の下側に屈曲して両側に連なる支持壁部を形成し、その支持壁部に搬送部材の回転軸を回転自在に支持する構成にしもよい。この場合も上記実施形態と同様の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に備えられる現像器にトナーを補給するトナー補給装置及びそれを備えた画像形成装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 画像形成装置
14 現像器
95 トナー受け入れ口
100 トナーコンテナ(トナー補給装置)
121 容器本体
121a トナー収容部
121b 補給口
121c 開口部
121e 充填口
121f 取り付け面
121g 左壁部
121h 右壁部
123 第1撹拌部材
124 第2撹拌部材
125 シャッタ部材
126 キャップ
131 蓋部材
131a 平板部
131b 支持部
131c 固着部
131d、131e 軸受け孔
131f、131g 支持壁部
132 搬送部材
132a 回転軸
132b 螺旋羽根(トナー搬送部)
132c 支軸
133、134 連結軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に開口部を有するトナー収容部と、前記トナー収容部に形成されトナーを外部に供給する補給口と、前記開口部の周囲に形成された取り付け面と、有する容器本体と、前記容器本体の取り付け面に固着される平板状の蓋部材と、前記トナー収容部内のトナーを前記補給口に搬送する搬送部材とを備えるトナー補給装置において、
前記搬送部材は、回転軸と回転軸の外周面に形成されるトナー搬送部とを有し、前記回転軸は前記蓋部材に回転自在に支持されることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項2】
前記蓋部材は樹脂材料で形成されており、溶着によって前記容器本体の取り付け面に固着されることを特徴とする請求項1に記載のトナー補給装置。
【請求項3】
前記蓋部材は、前記トナー収容部に対向する平板部と、前記平板部から外方に突出し前記搬送部材を収納するとともに前記搬送部材の回転軸を支持する支持部とを形成されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトナー補給装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のトナー補給装置が搭載された画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−186102(P2011−186102A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50133(P2010−50133)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】