説明

トピラマートの徐放性配合物

1日1回の経口投与用のトピラマートの薬学的組成物が提供される。配合物は、徐放性構成成分及び任意の即時放出構成成分を含み、その組成は、既定の放出プロファイルに沿って有効成分を放出するようにそれぞれ選択的に調節され得る。本明細書中で開示される新規配合物の投与を含む哺乳類被験体における病的障害を治療又は予防する方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2006年11月17日に出願された米国仮出願第60/859,502号(この内容全体は、参照により本明細書に援用される)の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
トピラマートは、商品名TOPAMAX(登録商標)(Ortho-McNeil Pharmaceutical, Inc., Raritan, NJ, U.S.A.)の下で抗癲癇薬として、部分発作又は原発性全身性強直間代発作を伴う患者用の補助療法として、及び片頭痛の予防のための使用に認可されているスルファメート置換単糖である。概して、非特許文献1を参照されたい。また、特許文献1も参照されたい。
【0003】
癲癇の治療に関して、Topamax(登録商標)の推奨される用量は、1回投与又は複数回投与で400mg/日である(非特許文献1)。癲癇と伴う成体に関して、治療は、25mg/日〜50mg/日の用量で開始され、用量は、推奨される用量又は有効用量にまで1週間間隔で25mg/日〜50mg/日ずつ漸増させる。
【0004】
Topamax(登録商標)は、即時放出配合物である。Topamax(登録商標)の投与に付随する有害な影響としては、傾眠、眩暈感、運動失調、発話障害及び関連する会話障害、精神運動遅延、視覚異常、記憶困難、感覚異常、複視、腎結石(腎石)、肝不全、膵炎、尿細管性アシドーシス、急性近視並びに続発性閉塞隅角緑内障が挙げられるが、これらに限定されない(非特許文献1)。
【0005】
したがって、トピラマートは、in vivoで21時間の比較的長い半減期を有するが、トピラマートは、多くの場合高用量で摂取される場合に薬物のピーク血漿レベルに伴って生じる重篤な副作用に幾分起因して、単回日用量として処方(又は配合)されていない。代わりに、Topamax(登録商標)は通常、複数回の「分割」用量で、通常1日2回(「BID」)摂取される。しかしながら、この様式での薬剤の投与は面倒であり、患者は適時にそれらの薬剤を摂取することを忘れるおそれがある。さらには、用量の各投与は、薬物の血漿濃度におけるピークを伴い、薬物の血漿レベルの浮き沈みを付随する変動は望ましくない。したがって、薬物の血漿レベルのピーク及び変動に付随する副作用を低減又は排除し、好ましくは1日1回の投薬計画で投与され得るトピラマートの配合物が必要とされる。
【0006】
トピラマートの新規高溶解性の生物学的に利用可能な形態もまた、薬物の安全性及び有効性を増大させるために必要とされる。
【0007】
本発明は、有効成分の非パルス状の徐放を特徴とするトピラマートの修飾配合物を提供することによりこれらの必要性及び他の必要性に対処する。本発明はさらに、トピラマート又はその塩の有効な1日1回の投薬形態を提供し、これは、有効な単回日用量投薬計画により患者のコンプライアンスを改善させることが可能であるだけでなく、また即時放出トピラマート配合物の現行の日用量又はより高い日用量と比較してトピラマートの副作用を幾らか低減させ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,513,006号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Physician’s Desk Reference, 60th ed., 2538-2447(2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、既定の放出プロファイルに沿ったトピラマート放出の持続的速度を特徴とする、哺乳類被験体における病的状態の治療又は予防用のトピラマートの徐放性配合物を提供することである。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、トピラマート治療に付随する少なくとも1つの副作用の頻度又は重篤性の低減をもたらす速度でトピラマートが放出されるトピラマート配合物を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、1日1回経口投与され得るトピラマートの徐放性配合物を提供することである。
【0013】
本発明の目的は、有効成分としてトピラマートを含む哺乳類被験体への経口投与用のトピラマートの徐放性配合物を提供することであり、ここで有効成分は、既定の放出プロファイルに沿った持続的速度で配合物から放出され、ここで徐放性配合物は、持続放出(XR)構成成分及び任意の即時放出(IR)構成成分を含む。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施の形態では、持続放出構成成分は、放出制御コーティングでコーティングされたビーズの少なくとも1つの集団中に含有される。上述のコーティングは、あらゆるビーズ集団に特異的であり、その放出の速度を決定する。したがって、配合物へ含まれるあらゆる所定のビーズ集団は、それ自身特定の放出速度を特徴とする。
【0015】
本発明の別の実施の形態では、徐放性トピラマート配合物は、持続放出構成成分に加えて即時放出構成成分を含む。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態では、即時放出構成成分は、増強即時放出(EIR)組成物である。
【0017】
本発明の配合物は、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤、サシェ及びスプリンクルにより表わされるがこれらに限定されない任意の経口剤形で組み込まれ得る。
【0018】
本発明のさらに別の目的は、持続放出構成成分及び任意の即時放出構成成分を含むトピラマートの徐放性配合物の調製方法を提供することであり、ここでトピラマートは、既定の放出プロファイルに沿った持続的速度で配合物から放出され、上記方法は、
1.所望の放出プロファイルを決定する工程、
2.既定の放出プロファイルを生じるのに必要な持続放出構成成分及び即時放出構成成分の特定量を決定する工程、並びに
3.特定量の構成成分を配合物へ組み込む工程、
を含む。
【0019】
一実施形態では、上記調製方法はさらに、ビーズの少なくとも1つの集団中に含有されるXR構成成分を提供するプロセスを含み、ここでビーズのあらゆる集団は、それ自身の放出速度を特徴とする。このプロセスは、
1.トピラマート含有ビーズの少なくとも1つの集団を形成する工程、
2.各ビーズ集団をそれ自身のコーティング溶液でコーティングする工程、
3.或る期間コーティングを硬化させ、各ビーズ集団に特異的な放出制御コーティングを生じさせる工程、及び
4.ビーズを配合物へ組み込む工程、
を含む。
【0020】
上記方法は、任意に増強即時放出(EIR)組成物であるIR構成成分の調製プロセスを任意に含んでもよい。増強即時放出組成物は、錯化剤及び増強剤(enhancing agent)を含む群から選択される少なくとも1つの作用物質を含む。いかなる限定も伴わずに、本発明で有用な増強剤は、可溶化剤、溶解増強剤、吸収増強剤、浸透増強剤、界面活性剤、安定剤、酵素阻害剤、p−糖タンパク質阻害剤、多剤耐性タンパク質阻害剤又はそれらの組合せから選択され得る。
【0021】
本発明のさらに別の目的は、治療上有効な量の本発明の徐放性トピラマート配合物を被験体へ経口投与することによる哺乳類被験体における病的状態の治療又は予防の方法を提供することである。本発明の方法により治療され得る病的状態としては、神経学的状態、精神医学的状態、糖尿病及び関連障害、心臓血管状態、肥満並びにトピラマート投与により治療又は予防され得る任意の他の状態若しくは障害が挙げられる。
[定義]
本発明の目的で、「トピラマート」という用語は、トピラマート又はその任意の薬学的に許容される塩を含む。
【0022】
「即時放出配合物」は、約1時間以内に医薬品の約80%以上を放出する配合物を指す。
【0023】
本出願の目的で、増強剤(enhancing agent)(「向上剤(enhancer)」)は、配合物の治療可能性を改善させる任意の非薬学的有効成分として定義される。
【0024】
「増強即時放出組成物」という用語は、本明細書中で使用される場合、治療可能性又は治療法の観点で改善された即時放出組成物を記載する。
【0025】
「徐放」は、本明細書中では長期間にわたる連続様式での医薬品の放出として定義される。
【0026】
「長期間」とは、約1時間を超える、好ましくは約4時間を超える、より好ましくは約8時間を超える、より好ましくは約12時間を超える、さらに好ましくは約16時間を超える、最大約24時間を超える連続した期間を意味する。
【0027】
本明細書中で使用される場合、別記しない限り、薬物の「放出の速度」又は「放出速度」は、単位時間当たりの投薬形態から放出される薬物の量、例えば1時間当たり放出される薬物のミリグラム(mg/hr)又は1時間当たり放出される総薬物用量のパーセントを指す。投薬形態に関する薬物放出速度は通常、in vitroでの薬物の放出の速度、即ち適切な条件下及び適切な流体中で測定される単位時間当たりの投薬形態から放出される薬物の量として測定される。投薬形態内での薬物の特定パーセントが投薬形態から放出された時間は、「T」値として称され、ここで「」は、放出された薬物の割合である。
【0028】
本明細書中で言及される放出速度は、適切な溶解浴における媒体中に試験する投薬形態を入れることにより測定される。続いて、予め設定された間隔で回収される媒体の分取量を、適切な検出器を取り付けたクロマトグラフィシステムへ注入して、試験間隔中に放出される薬物の量を定量化する。
【0029】
「C」は、被験体の血漿又は血清中の薬物の濃度を表し、一般的に単位体積当たりの質量、例えば1ミリリットル当たりのナノグラムとして表わされる。便宜上、この濃度は、本明細書中では任意の適切な体液又は組織中で測定される薬物濃度を含めると意図される「薬物血漿濃度」、「血漿薬物濃度」又は「血漿濃度」と称され得る。薬物投与後の任意の時点での血漿薬物濃度は、C9hr又はC4hr等のようにCtimeとして言及される。
【0030】
投薬期間中の最大血漿薬物濃度はCmaxと言及されるのに対して、Cminは、投薬間隔の最後の最小血漿薬物濃度を指し、Caveは、投薬間隔中の平均濃度を指す。
【0031】
「変動度」は、指数(Cmax−Cmin)/Caveとして定義される。
【0032】
個々の被験体で得られる血漿薬物濃度は、薬物吸収、分布、代謝及び排泄に影響を及ぼす多くのパラメータの患者間の変動性に起因して多様であることが当業者に理解されよう。このため、別記しない限り、薬物血漿濃度が列挙される場合、列挙された値は、試験される被験体の群から得られる値に基づく算出平均値である。
【0033】
「生物学的利用能」という用語は、活性部分(薬物又は代謝産物)が体循環に入り、それにより作用部位への接近を獲得する程度、場合によってはその速度を指す。
【0034】
「AUC」は、血漿濃度−時間曲線下の面積であり、生物学的利用能の最も信頼性高い尺度であるとみなされる。AUCは、体循環に到達する未変化薬物の総量に正比例する。
【0035】
副作用は、本明細書中では薬物の二次的な作用、通常有害な作用として定義される。
【0036】
「ビーズ」という用語は、本明細書中で使用される場合、任意の粒子、スフェア、ビーズ、顆粒、ペレット、微粒子又は経口投薬形態へ組み込まれ得る任意の構造単位を含むが、それらの性質及びサイズに関していかなる限定も伴わない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】硬化Surelease(登録商標)でコーティングされた持続放出ビーズに関する放出制御コーティングの増量%に対する薬物の80%の放出時間を示す。
【図2】硬化Surelease(登録商標)/Opadry(登録商標)でコーティングされた持続放出ビーズに関する放出制御コーティングの増量%に対する薬物の80%の放出時間を示す。
【図3】ビーズ集団XR1、XR2及びXR3に関する平均(n=16)薬物動態プロファイルを示す。
【図4】即時放出配合物に関する平均(n=16)薬物動態プロファイルを示す。
【図5】Topamax(登録商標)、トピラマートIRビーズ及びトピラマート増強即時放出ビーズの溶解プロファイルを示す。
【図6】徐放性配合物A、B及びCに関する平均PKプロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
トピラマートは、化学名2,3:4,5−ジ−O−イソプロピリデン−ベータ−D−フルクトピラノーススルファメートを有するスルファメート置換単糖である。トピラマートの分子式はC1221NOSであり、その化学構造は以下の式により表わされる:
【0039】
【化1】

【0040】
トピラマートは、水酸化ナトリウム又はリン酸ナトリウムを含有するアルカリ性溶液中に可溶性であり、アセトン、ジメチルスルホキシド及びエタノール中に可溶性である白色結晶性粉末である。しかしながら、室温での水中のトピラマートの溶解度は、ほんの約9.8mg/mlに過ぎない。トピラマートは、広範に代謝されず、主として尿を通じて排泄される(非特許文献1)。
【0041】
トピラマート薬物動態は一次関数的であり、投薬の増加に伴って血漿濃度レベルの用量比例増加をもたらし、食物によりあまり影響を受けない。長期間にわたってトピラマートを摂取している患者は、薬物に対する耐性を発症しなかった。即時放出投薬形態の経口投与後に、トピラマートは迅速に吸収されて、血漿薬物濃度はおよそ2時間でピークとなる。平均排出半減期は、約21時間であると報告されている。
【0042】
現在、トピラマートは、特に高単回用量で摂取される場合、即時放出製品により示される重篤な副作用に幾分起因して、複数回の日用量で投与される。
【0043】
1日1回の投与に適し、且つ副作用のレベル又は重篤性の減少をもたらす徐放性トピラマート配合物が必要とされる。
【0044】
本発明は、血漿薬物濃度の変動を最小限に抑えながらトピラマートの総日用量が有効な1日1回の用量で提供されるトピラマートの徐放性配合物を提供する。
【0045】
本発明はまた、トピラマートの最大血漿濃度が、BIDの即時放出配合物と同量の投与されるトピラマートと比較した場合に減衰するトピラマートの配合物を提供し、したがって即時放出製品を摂取する際に観察される眩暈感、感覚異常、神経質、精神運動遅延、精神錯乱及び集中/注意の困難を含むがこれらに限定されないCNS副作用のようなトピラマートの副作用の幾つかが低減又は排除され得る。
【0046】
本発明の配合物は、最小治療有効濃度よりも高く、BIDの即時放出配合物と同量の投与されるトピラマートにより生じる最大血漿濃度の50%〜125%の範囲内であるトピラマートの最大定常状態血漿濃度(Cmax)を特徴とする。一実施形態では、新規配合物は、BIDの即時放出配合物と同量の投与されるトピラマートと比較した場合に、80%〜125%の範囲内の相対Cmaxを提供する。他の実施形態では、本発明は、BIDの即時放出配合物と同量の投与されるトピラマートにより生じる最大血漿濃度よりも低いCmaxを提供する。本発明のトピラマート配合物のCminは、BIDで与えられる等価量の即時放出トピラマート配合物のCminとほぼ等しいか、或いはそれよりも高い。
【0047】
即時放出トピラマート配合物と比較して、徐放性トピラマート配合物は、治療効力に必要とされる最小血漿濃度を上回る血漿濃度の適用範囲を伸ばしながらトピラマートのCmaxを減衰させる。本発明の配合物は、2回の分割用量で与えられる等価量の即時放出トピラマート配合物と比較した場合に、変動度を好ましくは25%〜90%の範囲内の最低限に抑えながら、80%〜125%の範囲内の相対定常状態AUCを提供する(表5及び表6)。
【0048】
本発明はさらに、哺乳類被験体における病的状態の治療又は予防用の徐放性トピラマート配合物を提供し、ここでトピラマートは、既定の放出プロファイルに沿った持続的速度で配合物から放出される。このような放出は、持続放出構成成分(XR)及び任意の即時放出構成成分(IR)の配合物への組込みにより達成される。
【0049】
本発明のトピラマート配合物中の各構成成分の相対量は、投与の目的及び既定の放出プロファイルに従って決定され、配合物中のトピラマートの総量は、0.5mgから約3000mgまで様々である。換言すると、トピラマート又はその塩は、約0.5重量%〜約85重量%、好ましくは約2重量%〜約70重量%の量で組成物中に存在する。「約」という用語は、ここで及び本明細書全体にわたって、固有であり、且つ化学技術分野及び医薬品技術分野の当業者により理解される測定の不正確さから変動が生じる可能性があることを説明するのに列挙されている。
【0050】
本発明の配合物のXR構成成分は、連続様式でトピラマートを放出し、有効成分の80%が既定の期間内にin vitroで放出されるように調節される。一例として、また決して本発明の範囲を制限せずに、上記期間は、最終製品の所望の特性に応じて、24時間以内、16時間以内、12時間以内、8時間以内又は4時間以内であり得る。
【0051】
一実施形態では、持続放出(XR)構成成分は、ビーズからのトピラマートの放出を修飾及び制御するコーティング(放出制御コーティング)でコーティングされたビーズの少なくとも1つの集団中に含有される。放出制御コーティングは、ビーズのあらゆる集団に特異的であり、所定のビーズ集団からのトピラマートの放出の速度を決定する。
【0052】
本発明の配合物で有用なビーズは、不活性担体、トピラマート、結合剤、上述の放出制御コーティング及び任意に、湿気からのさらなる保護、静電荷低減、風味マスキング特性及び着色特性を微粒子へ提供するオーバーコートを含む。
【0053】
本発明で有用な不活性担体は、セルローススフェア、二酸化ケイ素、デンプン及び糖スフェアから成る群から選択され得るが、これらに限定されない。不活性担体は、約15重量%〜約99重量%の量で、好ましくは約40重量%〜約97重量%の量で存在する。
【0054】
トピラマートは、薬物レイヤリング、粉末コーティング、押出し/球形化、ローラー圧縮又は造粒のような当業者に既知の技法により不活性担体に導入される。好ましくは、導入方法は、トピラマート及び結合剤の懸濁液を不活性担体上へ噴霧することによる薬物レイヤリングである。
【0055】
結合剤は、約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約0.2重量%〜約10重量%の量でビーズ配合物中に存在し得る。結合剤としては、デンプン、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はポリビニルピロリドンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
あらゆるビーズ集団に特異的な放出制御コーティングは、コーティング材料並びに任意に、孔形成剤及び他の賦形剤を含む。コーティング材料は好ましくは、セルロースポリマー(例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸セルロース及び酢酸フタル酸セルロース)、ポリビニルアルコール、アクリルポリマー(例えば、ポリアクリレート、ポリメタクリレート及びそれらの共重合体)及び他の水ベース又は溶媒ベースのコーティング材料を含む群から選択される。放出制御コーティングは、あらゆるビーズ集団からのトピラマートの放出の速度が、コーティングの性質、コーティングレベル、孔形成剤の型及び濃度、プロセスパラメータ並びにそれらの組合せのような放出制御コーティングのパラメータの少なくとも1つにより制御されるという意味で集団特異的である。したがって、以下でより詳細に論述されるように(実施例5を参照されたい)、孔形成剤濃度又は硬化の条件のようなパラメータを変更させることにより、任意の所定のビーズ集団からのトピラマートの放出を変更させること、及び既定の放出プロファイルへと配合物を選択的に調節することが可能となる。放出プロファイルは順に、患者集団の特定の必要性及び状態の性質に応じて、最良の治療法を達成するような方法で選択又は修飾され得る。
【0057】
例えば、全てが等しい場合、硬化ビーズ間での放出制御コーティングレベルと80%in vitro放出時間との間に数学的関係が存在する。したがって、既定の標的プロファイルは、関係曲線の内挿又は外挿により達成され得る。例えば、放出制御コーティングがコーティング材料としてエチルセルロース(Surelease(登録商標))のみを含む場合、in vitro溶解試験においてコーティングによる増量%と80%放出時間との間に対数関係が存在する(図1):
Log(T80%放出)=a(コーティング%)+b。
【0058】
エチルセルロース/HPMC(Surelease(登録商標)/Opadry(登録商標))混合物、例えば85:15の混合物又は80:20の混合物が使用される場合、in vitro溶解試験においてコーティングによる増量%と80%放出時間との間に一次関数関係が存在する(図2):
T(80%放出)=a(コーティング%)+b。
【0059】
本明細書中の放出制御コーティングにおける使用に適した孔形成剤は、有機作用物質又は無機作用物質であってもよく、使用の環境中でコーティングから溶解、抽出又は浸出され得る材料を含む。孔形成剤の例としては、有機化合物(例えば単糖、オリゴ糖及び多糖(スクロース、グルコース、フルクトース、マンニトール、マンノース、ガラクトース、ソルビトール、プルラン、デキストランを含む));使用環境で可溶性のポリマー(例えばヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースエーテル、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン、架橋ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、カーボワックス、カルボポール等)、ジオール、ポリオール、多価アルコール、ポリアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はそれらのブロックポリマー、ポリグリコール、ポリ(α−ω)アルキレンジオール;無機化合物(例えばアルカリ金属塩、炭酸リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、適切なカルシウム塩等)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0060】
本発明における放出制御コーティングは、可塑剤、粘着防止剤(anti-adherents)、流動促進剤及び消泡剤のような当該技術分野で既知の他の添加剤をさらに含み得る。
【0061】
幾つかの実施形態では、例えば湿分保護、静電荷低減、風味マスキング、着香、着色及び/又は艶出し或いは他の表面的な魅力をビーズに提供するための「オーバーコート」でXRビーズを任意にコーティングすることが、さらに望ましい場合がある。このようなオーバーコートに適したコーティング材料は当該技術分野で既知であり、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及び微結晶性セルロース又はそれらの組合せ(例えば、各種Opadry(登録商標)コーティング材料)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
本発明のトピラマート含有ビーズは、溶解度向上剤、溶解向上剤、吸収向上剤、透過性向上剤、安定剤、錯化剤、酵素阻害剤、p−糖タンパク質阻害剤及び多剤耐性タンパク質阻害剤により例示され得るがこれらに限定されない向上剤をさらに含有してもよい。あるいは、配合物はまた、例えばビーズの別個の集団中に又は粉末として、トピラマートビーズから分離される向上剤を含有することができる。さらに別の実施形態では、向上剤(複数可)は、放出制御コーティングの上又は下のいずれかでトピラマート含有ビーズ上の別個の層中に含有され得る。
【0063】
ビーズは、病的状態の治療又は予防のためのトピラマートと組み合わせた使用に適した他の薬学的に活性な作用物質をさらに含んでもよい。さらなる薬学的に活性な作用物質は、COX−2阻害剤、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、麻酔薬(例えば、鎮静剤及びモルヒネ様薬剤)、麻酔特性を有する合成薬(例えば、トラマドール)のような鎮痛化合物及び抗炎症化合物;バルプロ酸又はその誘導体、カルバマザピン、オキシカルバゼピン、ガバペンチン及びラモトリジンのような抗痙攣薬;シブトラミン若しくは他のオーリスタット又は他の膵リパーゼ阻害剤、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、アンフェタミン、メタンフェタミン、セルトラリン、ゾニザミド及びメトホルミン並びに体重増加に関連する薬剤(例えば、スルホニル尿素誘導体、インスリン及びチアゾリジンジオン(その体重増加効果はトピラマートにより緩和される))のような食欲低下薬或いは抗肥満剤;利尿薬、抗アドレナリン作動薬、カルシウムチャネル遮断薬、ACE阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、アルドステロン拮抗薬、血管拡張薬、中枢性交感神経作動薬及びアドレナリン作動性ニューロン遮断薬のような降圧剤;リチウムの各種形態/塩、オメガ−3脂肪酸及び当該技術分野で既知の他のもの、片頭痛の治療又は予防用の薬物(例えば、麦角誘導体又はトリプタン)のような気分安定剤、或いはトピラマートと安全且つ有益に組み合わせることができる任意の他の薬学的成分又は栄養補助成分により表わされ得るが、これらに限定されない。
【0064】
完全配合物中のあらゆるビーズ集団の相対量は、別個のビーズ集団の薬物動態データ及び既定の放出プロファイルに基づいて決定され、実施例6においてより詳細に論述される。
【0065】
別の実施形態では、本発明の配合物は、上述のような持続放出構成成分及び即時放出構成成分を含む。IR構成成分は、増強即時放出組成物であってもよい。増強即時放出組成物は、IR配合物と比較した場合にin vitroでのより速いトピラマート放出を特徴付けられ得る。好ましくは、増強即時放出組成物から活性化合物の少なくとも80%が、30分以内の期間で放出される。より好ましくは、増強即時放出組成物からの活性化合物の少なくとも50%が、10分以内の期間で放出され、少なくとも25%が、経口投与後の5分以内の期間で溶解される。本発明の最も好ましい実施形態では、活性化合物の少なくとも75%が、10分以内の期間でEIR組成物から放出される。IR構成成分が増強即時放出組成物である実施形態は、以下でより詳細に論述される。
【0066】
トピラマート及び不活性賦形剤に加えて、本発明のEIR組成物は、錯化剤及び増強剤から成る群から選択される少なくとも1つの作用物質を含む。
【0067】
いかなる限定も伴わずに、本発明に適した増強剤は、溶解度増強剤、溶解増強剤、吸収増強剤、浸透増強剤、界面活性剤(例えば、非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤又はそれらの組合せ)、安定剤(酸化防止剤、防腐剤、緩衝剤、塩基及び当該技術分野で既知の他のものを含む)、酵素阻害剤、p−糖タンパク質阻害剤、多剤耐性タンパク質阻害剤又はそれらの任意の他の組合せから選択され得る。これらの化合物の代表的であるが非限定的な例は、特に、ビタミンE TPGS、アミノ酸(例えば、グルタミン酸及びグリシン)、ソルビトール、マンノース、アミロース、マルトース、マンニトール、ラクトース、スクロース、グルコース、キシリトース、デキストリン(例えば、マルトデキストリン)、Cremophor RH40(グリセロール−ポリエチレングリコールオキシステアレート)、Gelucire 50/13(PEG−32グリセリルパルミトステアレート)、ラウリル硫酸ナトリウム、Tween 80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)、ベンジルアルコール、Span 20(ソルビタンモノラウレート)、Poloxamer 407、PEG3350、PVP K25、オレイン酸、Capmul GMO(グリセリルモノオレエート)、安息香酸ナトリウム、セチルアルコール、スクロースステアレート、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロース(crosscarmellose)ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、デンプン、アルファ化デンプン、HPMC、置換ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、重炭酸ナトリウム、クエン酸カルシウム、ソディウムドキュセート及びメントール等である。多数の増強効果、例えば透過性増強及びp−糖タンパク質阻害と組み合わせた溶解度増強を達成するために、或いはより大きく且つより効率的な増強を達成するための相乗的増強効果を提供するために、向上剤を組み合わせることができる。例えば、ポリグリコール化された(polyglycolized)グリセリド(種々の等級のGelucire)をラウリル硫酸ナトリウムと組み合わせて、トピラマートのより高い溶解度増強及びより速い溶解を達成することができる。
【0068】
一実施形態では、EIR組成物は、トピラマートと、シクロデキストリン誘導体を含むシクロデキストリン(例えば、ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ガンマ−シクロデキストリン及びアルファ−シクロデキストリン)により表わされるがこれらに限定されない錯化剤との高溶解性錯体を含む。EIR配合物中でのシクロデキストリン対トピラマートの比は好ましくは、20:1未満、より好ましくは5:1未満である。最も好ましい実施形態では、錯化剤は、ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリンである。
【0069】
トピラマート及びシクロデキストリンの高溶解性錯体は、水の存在下でトピラマート及びシクロデキストリンを一緒に混合することにより調製される。シクロデキストリンの濃度は、トピラマート−向上剤錯体の形成を促進するために高いことが好ましい。錯化剤がヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリンである場合、トピラマートとの混合に使用されるヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン溶液の濃度は2%を上回り、好ましくは20%を上回り、より好ましくは少なくとも約40%である。トピラマートの量は、ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン対トピラマートの所望の比により決定され、その比は好ましくは、20:1未満、より好ましくは5:1未満である。錯体溶液の混合時間は、約1時間〜約48時間、好ましくは約5時間〜約24時間である。ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン及びトピラマートの添加を徐々に増加させて、錯体溶液の粘度を低減するとともに、より良好な錯体形成を達成することができる。
【0070】
さらなる実施形態では、本発明のEIR構成成分は、少なくとも1つのビーズ集団中に含有される。トピラマートEIRビーズは、不活性担体上へのトピラマート懸濁液、分散液又は溶液のコーティングのような或いはローラー圧縮、造粒、押出し/球形化又は粉末コーティングによるビーズ製造に適したプロセスを使用して調製することができ、本明細書中で言及される例により限定されない。本発明の増強剤は、トピラマート含有ビーズへ組み込ませることができるか、或いはトピラマート含有ビーズから分離される他のビーズ中に含有され得る。非限定的な例として、トピラマート含有EIRビーズは、糖スフェアのような不活性担体上へトピラマート分散液をコーティングすることにより調製された。トピラマート分散液は、微粉化形態又は非微粉化形態のトピラマートに加えて、1つ又は複数の向上剤、水及び任意に、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン及びポリビニルアルコールのような結合剤を含有することができる。
【0071】
配合物が錯化剤で増強される場合、錯化剤をまず、トピラマート及び適切な溶媒(例えば、水)と混合して、錯体を形成し得る。次に、トピラマート含有錯体は、別個に調製される結合剤溶液と混合して、コーティング分散液を与える。続いて、コーティング分散液は、流動床プロセッサを使用して糖スフェアのような不活性担体上へ噴霧される。
【0072】
本発明の代替的実施形態では、配合物は、少なくとも1つのXRビーズ集団、及び放出制御コーティングの最上部でコーティングされたさらなる即時放出構成成分層を有する持続放出ビーズで構成される少なくとも1つのさらなる組合せビーズ集団を含む。この層は、溶液/懸濁液/分散液コーティング、粉末コーティング又は湿式造粒のような適切な負荷方法により形成され得る。
【0073】
さらに別の実施形態では、有効成分の少なくとも一部(即ち、0.01%を超える、好ましくは少なくとも1%)は、1μm〜1000μm、好ましくは2μm〜約200μm、より好ましくは2μm〜約100μmのサイズを有する微粉化粒子の形態で配合物中に存在し得る。さらに、1つ又は複数の向上剤は、この実施形態が対象とする配合物中に存在し得る。向上剤は、溶解度向上剤、溶解向上剤、吸収向上剤、浸透向上剤、界面活性剤(例えば、非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤又はそれらの組合せ)、安定剤(酸化防止剤、防腐剤、緩衝剤、塩基及び当該技術分野で既知の他のものを含む)、酵素阻害剤、p−糖タンパク質阻害剤、多剤耐性タンパク質阻害剤又はそれらの任意の組合せから選択される。好ましくは、向上剤は、溶解度向上剤又は溶解向上剤である。
【0074】
本発明のトピラマート配合物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、カプレット、トローチ剤、サシェ、カシェ、ポーチ、スプリンクル又は経口投与に適した任意の他の形態から選択される投薬形態で配合され得る。
【0075】
本発明の一実施形態では、投薬形態は、ビーズの少なくとも1つの集団の形態でのXR構成成分及び任意のIR構成成分を含有するゼラチンカプセルである。IR構成成分は、存在する場合、粉末の形態であってもよく、或いはまたトピラマートのより速い溶解を達成するようにビーズの少なくとも1つの集団中に含有されてもよい(図5)。
【0076】
代替的実施形態では、有効成分の総量の一部は、カプセルのような封入物の内部に含有される上述のビーズ集団へ組み込ませてもよく、有効成分の残部は、溶液/懸濁液/分散液コーティング又は粉末コーティング或いは湿式造粒のような適切な負荷方法により封入物の外側に負荷させることができる。例えば、即時放出トピラマート配合物の一部は、その内部に持続放出トピラマートのようなトピラマートの他の集団を含有するカプセルの外側にコーティングすることにより負荷させることができる。この投薬形態は、カプセルの外側からのトピラマート用量の初期部分のほぼ即座の溶解、続くカプセル内部からのトピラマートの残部の徐放を提供し得る。
【0077】
本発明のさらなる実施形態では、投薬形態は錠剤である。いかなる限定を課すことなく、この実施形態は、持続放出構成成分を含有する少なくとも1つの層、及び即時放出構成成分を含む少なくとも1つの層を含む多層錠剤により例示され得る(ここでは、IR構成成分は、EIR組成物であってもよく、又はEIR組成物でなくてもよい)。
【0078】
最後の2つの実施形態は、例えば突出(breakthrough)片頭痛エピソードの場合に見られるように、作用の迅速な開始に続く徐放が好ましい場合に特に有益である。
【0079】
本発明はさらに、持続放出構成成分及び任意の即時放出構成成分を含むトピラマートの配合物を調製する方法を含み、ここでトピラマートは、既定の放出プロファイルに沿った持続速度で配合物から放出される。上記方法は、
1.所望の放出プロファイルを決定する工程、
2.既定の放出プロファイルを生じるのに必要な持続放出構成成分及び即時放出構成成分の特定量を決定する工程、並びに
3.特定量の構成成分を配合物へ組み込む工程、
を含む。
【0080】
一実施形態では、上記方法は、増強即時放出組成物であり得る即時放出構成成分を提供する工程を含む。
【0081】
別の実施形態では、上記方法は、持続放出構成成分自身の放出の速度を特徴とするビーズの少なくとも1つの集団中に含有される持続放出構成成分を提供するプロセスを含み、ここで上記プロセスは、
1.トピラマート含有ビーズの少なくとも1つの集団を形成する工程、
2.各ビーズ集団をそれ自身のコーティング溶液でコーティングする工程、
3.或る期間コーティングを硬化させて、各ビーズ集団に特異的な放出制御コーティングを生じさせる工程、及び
4.ビーズを配合物へ組み込む工程、
を含む。
【0082】
配合物及び最終投薬形態へ組み込まれるあらゆるビーズの集団の正確な量は、別個のビーズ集団の薬物動態データ及び既定の放出プロファイルに基づいて線形重ね合わせ原理(WinNonLin)を使用して決定される(実施例6)。
【0083】
XRトピラマートビーズの放出プロファイルは、高温でビーズを硬化させることにより選択的に調節、修飾又は安定化することができる。このプロセスは、当該技術分野で既知である。しかしながら、予期せぬことに、少なくとも1つの適切な溶媒の存在下で硬化装置中でビーズを硬化させることにより、所望の放出プロファイル及び安定性のレベルを生じるのに必要な硬化時間が劇的に低減されることを発見した。これまでは最大で2週を要していた硬化プロセスは、本発明の方法により数時間で実施することができる。
【0084】
補助溶媒は、コーティング材料を溶解又は部分的に溶解することができる溶媒、或いはコーティング材料の併合若しくは分子緩和を誘導又は援助する溶媒、或いは硬化中に投薬形態上の静電荷を低減し得る溶媒、及びより高温での硬化を促進し得る溶媒から選択することができる。これらの溶媒の例としては、アルコール、ケトン、エーテル、エステル、アミド、アミン、炭化水素(塩素化炭化水素のような置換炭化水素及び芳香族炭化水素を含む)、フラン、スルホキシド、有機酸、フェノールのような有機溶媒、超臨界流体、アンモニア、及び水、緩衝水又は他の無機化合物若しくは有機化合物の水溶液、並びにそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、水、水−アルコール混合物、水−ケトン混合物、水−アンモニア混合物又は水−有機酸(例えば、水−酢酸)混合物、又はそれらの組合せが、補助溶媒として使用される。
【0085】
投薬形態の硬化は通常、高温で作動することができ、また噴霧、注入又は気化のような手段により補助溶媒を送達することができる装置中で行われる。補助溶媒が硬化装置中で噴霧又は注入される場合の本発明の実施形態では、溶媒流は、コーティングされたビーズ上へ直接導入される。所望の放出パラメータ及びコーティングの安定化のような所望の効果を生じるのに必要な溶媒の量は、溶媒の性質及び溶媒送達の方法に依存する。
【0086】
通常、気化方法が使用される場合、有機溶媒及び水溶液は、2%〜100%を超える広範囲の蒸気濃度で使用されてもよく、不飽和雰囲気、飽和雰囲気又は過飽和雰囲気を提供する。しかしながら、純水は、硬化装置中で少なくとも飽和雰囲気、又は好ましくは過飽和雰囲気を提供するような量で使用されなくてはならない。少なくとも補助溶媒の送達中に、コーティングされたビーズは、連続的に或いはパルス状の様式で、混合又は攪拌される。
【0087】
本発明の代替的実施形態では、熱い水蒸気が、予め選択された期間、硬化装置へ導入される。蒸気は、溶媒として及びビーズ用の熱の供給源として同時に役立つ。蒸気の導入の後に、乾燥期間が続く。
【0088】
放出制御コーティングを硬化させるこの方法は、劇的に短縮された硬化時間、安定性の増大及び放出プロファイルの修飾を含む多くの利点をもたらし、トピラマート含有ビーズに限定されず、薬物に関係なく任意の微粒子の硬化を含む。
【0089】
具体的には、有効成分含有ビーズ(任意のオーバーコートを伴って又は伴わずに)を流動床プロセッサ又はパンコーターへ充填して、所望の硬化温度範囲、例えばエチルセルロース(Surelease(登録商標))を含有する徐放性投薬形態に関しては40℃〜80℃、及びアクリルポリマー(Eudragit(登録商標)RS及びEudragit(登録商標)RL)を含有する徐放性投薬形態に関しては40℃〜70℃へ加熱する。水又はアルコール−水混合物のような補助溶媒(単数又は複数)は、例えば流動化又は回転させることにより混合しながらビーズ上へ噴霧させる。あるいは、上記プロセスは、熱い蒸気が上述するように導入される炉中で実施される。溶媒援助硬化は、所望の硬化時間長で、1回の硬化期間で或いは複数回の別個の硬化期間で実施される。投薬形態はさらに、短期間乾燥させて、残留溶媒を除去してもよい。
【0090】
溶媒援助硬化プロセスは、このコーティングの熱のみでの硬化と比較した場合に有効成分含有ビーズ上の放出制御コーティングの硬化を有意に促進させる。たいていの場合、4時間未満の溶媒援助硬化は、同じ投薬形態の2週の熱のみでの炉硬化よりも持続放出投薬形態のより完全な硬化をもたらした。
【0091】
本発明はまた、治療上有効な量の本発明の新規トピラマート配合物を被験体へ経口投与することを含む、哺乳類被験体における病的状態の治療又は予防の方法を提供し、ここでトピラマートは、既定の放出プロファイルに沿った持続的速度で配合物から放出される。本発明の方法は、持続放出構成成分及び任意の即時放出構成成分を含むトピラマート配合物の新規設計に起因して患者の状態及び必要性の性質に応じて、投与される配合物の薬物動態を選択的に調節するように柔軟性を保有し、両方の構成成分の放出プロファイルは、既定の放出プロファイルに従うように上述するような調製プロセス中に選択的に変更させることができる。
【0092】
本発明の方法により治療され得る病的状態は、神経学的状態、精神医学的状態、糖尿病及び関連障害、心臓血管状態、肥満並びにトピラマート投与により治療又は予防され得る任意の他の状態或いは障害である。
【0093】
本発明の配合物により治療又は予防され得る神経学的障害としては、癲癇、片頭痛、本態性振戦、レストレス下肢症候群(restless limb syndrome)、群発性頭痛、神経痛、神経障害性疼痛、トゥレット症候群、点頭痙攣、周生期低酸素虚血及び関連損傷、慢性神経変性障害、急性変性並びにALSが挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
本発明の配合物により治療又は予防され得る精神医学的障害としては、双極性障害、認知症、うつ病、精神病、躁病、不安神経症、統合失調症、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、ADHD、衝動調節障害、境界性人格障害、依存症及び自閉症が挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
本発明の配合物はまた、II型真性糖尿病、糖尿病性網膜症、経口耐糖能障害、糖尿病性皮膚病変、糖尿病性神経障害、X症候群及び血糖値上昇のような糖尿病並びに関連障害、緑内障及び黄斑変性を含むがこれらに限定されない眼障害、血圧上昇及び脂質上昇を含むがこれらに限定されない心臓血管障害、肥満、喘息、自己免疫障害、睡眠時無呼吸並びに睡眠障害の治療及び予防に使用され得る。配合物はまた、体重減少を誘導するのに、又は創傷治癒を促進するのに、或いは上記で指定されない任意の他の状態(ここで、トピラマートの使用が示される)に使用され得る。
【0096】
本発明は、以下の実施例によりさらに説明されるが、実施例は、本発明の範囲をこれらの実施形態に限定しない。
実施例
【実施例1】
【0097】
持続放出ビーズ調製
糖スフェア上でのトピラマート薬物レイヤリング−「コア」
10%〜20%(w/w)のトピラマート(粒径90体積% NMT 30マイクロメートル、50体積% NMT 15マイクロメートル及び10体積% NMT 5マイクロメートル)及び0.5%〜4%(w/w)HPMC又は他の水性結合剤の水性懸濁液を薬物レイヤリングコーティング溶液として使用することができる。Wursterスプレーに適した流動床を構築し、糖スフェアのような不活性担体で充填する。コーティング懸濁液を床上へ噴霧して、不活性担体を所望のトピラマート負荷レベルにまで均一にコーティングする。コーティング溶液中のより高い結合剤濃度は、より小さなサイズの不活性担体及びより高いトピラマート負荷に使用され得る。入口空気流量及び製品温度は、バッチがコーティング材料を噴霧乾燥させないように、又はスフェアを過剰に湿潤させないように調節される。
放出制御コーティングによるコアのコーティング
エチルセルロース及びメチルセルロースのようなセルロースポリマーの分散液を使用して、本発明におけるコアをコーティングすることができる。エチルセルロース分散液(Surelease(登録商標))は、最終濃度を約10%〜約20%へ、また孔形成剤のような他の成分の使用を伴って又は伴わずに希釈することができる。Wursterスプレーに適した流動床を構築し、実施例1で調製されるコアで充填する。放出制御コーティング分散液を床上へ噴霧して、表1に例示されるような所望のコーティングレベルにまでコアを均一にコーティングする。
【0098】
【表1】

【実施例2】
【0099】
トピラマート−ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン錯体ビーズ調製の方法
意図する量のトピラマートのおよそ半分を、一定に混合しながら水に添加した後、ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリンを分散液へ散在させた。分散液の粘性が著しく減少してきたら、より多くの薬物物質を添加して、続いてより多くのヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリンを散在させた。薬物及びヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリンの添加工程を繰り返して、分散液を12時間〜18時間混合させた。別個に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを水中に溶解させた。上記トピラマート−ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン分散液及びヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液を15分〜30分間ともに混合させて、混合物を80メッシュのふるいに通して選別した。得られた分散液を、流動床プロセッサを使用して糖スフェア上へ噴霧して、増強即時放出ビーズを得た(表2)。
【0100】
【表2】

【実施例3】
【0101】
非錯化向上剤を含有するトピラマートEIRビーズ
トピラマートは、適切な量の向上剤(単数又は複数)(例えば、d−アルファ−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(ビタミンE TPGS)及びラウリル硫酸ナトリウムの組合せ、ポリオキシル硬化ヒマシ油(種々の等級のCremophor RH)、ポリグリコール化グリセリド(種々の等級のGelucire)、ラウリル硫酸ナトリウムと組み合わせたポリグリコール化グリセリド(種々の等級のGelucire)、或いはそれらの組合せ)を含有する結合剤溶液(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液)中に分散させる。得られた分散液を、流動床プロセッサを使用して不活性担体(例えば、糖スフェア)上へ噴霧して、所望の薬物負荷を達成する(表3)。
【0102】
【表3】

【実施例4】
【0103】
微粉化粒子を含有するトピラマートEIRビーズ
微粉化トピラマート又は非微粉化トピラマートを、加熱を伴って又は伴わずに、任意に溶解増強剤(例えば、マンノース、マルトース、マンニトール、ラクトース、マルトデキストリン及びデンプングリコール酸(glucolate)ナトリウム)を含有し、また任意に1つ又は複数のさらなる向上剤(例えば、PEG3350、ラウリル硫酸ナトリウム、ソディウムドキュセート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート及びPoloxamer)を含有する溶液中に、非溶解状態のままであるトピラマート粒子が約2ミクロン〜約30ミクロンの粒径を有するようなプロセスパラメータ下で分散させる。また、ホモジナイザーのような粒径低減機器を使用して、非溶解トピラマートの粒径を低減させることができる。次に、得られたトピラマート分散液を、コーティングプロセッサ(例えば、流動床プロセッサ)中で不活性担体(例えば、糖スフェア)上へ噴霧する。得られた配合物は表4に表わされる。
【0104】
【表4】

【実施例5】
【0105】
ビーズを硬化させる方法
オーバーコートを伴うか又は伴わない放出制御コーティングでコーティングされたトピラマートビーズは、上述の溶媒援助硬化プロセスを使用して、或いは熱のみでの硬化プロセスを使用して、所望の硬化レベルへ、好ましくは完全硬化へ硬化させることができる。
【0106】
具体的には、コアは、流動床プロセッサ又はコアのコーティング用の任意の他の適切な装置を使用して、孔形成剤のような上述の添加剤を伴って又は伴わずに、放出制御コーティング材料の溶液又は分散液で所望のコーティングレベルへコーティングされる。製品温度は、望ましい範囲、例えばエチルセルロース(Surelease(登録商標))のコーティングに関しては20℃〜60℃、及びアクリルポリマー(Eudragit(登録商標)RL等級及びEudragit(登録商標)RS等級)に関しては20℃〜60℃で制御される。その後、セルロースポリマー(各種Opadry(登録商標))のような材料による任意のオーバーコートが適用される。徐放性トピラマートビーズの硬化は、Surelease(登録商標)含有ビーズに関しては40℃〜80℃で、又はEudragit(登録商標)RL又はRS含有ビーズに関しては40℃〜70℃で炉中で、或いは同様の製品温度で補助溶媒を用いて又は用いずに流動床プロセッサ中で実施される。
【0107】
補助溶媒を使用する硬化に関して、補助溶媒は、最上部噴霧、底部噴霧、側面噴霧若しくは注入により送達され得るか、又は気化により導入され得る。好ましくは、水、水−アルコール混合物、水−ケトン混合物、水−アンモニア混合物若しくは水−有機酸(例えば、水−酢酸)混合物、又はそれらの組合せが、補助溶媒として使用される。
【実施例6】
【0108】
トピラマートの徐放性配合物
a.持続放出ビーズ集団及び即時放出ビーズ集団を含有するトピラマート配合物に関する時間に対する血漿濃度の曲線は、健常な成体ボランティアにおける比較無作為化単回投与6ウェイ交差研究で作成された別個のビーズ集団に関する薬物動態データに基づいてWinNonlinバージョン5.0.1を使用してシミュレートされる。研究は、50mg経口用量の本明細書ではXR1、XR2及びXR3と称される3つの持続放出組成物、2つの即時放出組成物((Topamax(登録商標)、Ortho-McNeil Neurologics, Inc.)(25mg BID)及び即時放出ビーズ配合物)及び増強即時放出(IR)ビーズ組成物の投与を含んだ。XR1、XR2及びXR3に関する単回用量トピラマート血漿濃度プロファイルを図3に示す。IRに関する単回用量トピラマート血漿濃度プロファイルを図4に示す。データは、線形重ね合わせ原理(WinNonlin)を使用して、徐放性組成物に関しては24時間の投薬間隔、及びTopamaxに関しては12時間の投薬間隔を用いて定常状態(SS)へと投影させる。持続放出集団XR1、XR2及びXR3、並びに即時放出(IR)集団は、以下の3つの条件の組の少なくとも1つにより規定されるような方法で選択される:
1.定常状態に関して、
XR1に関しては、1.70CmaxIR≧CmaxXR1≧1.30CmaxIR
XR2に関しては、0.40CmaxIR≧CmaxXR2≧0.20CmaxIR
XR3に関しては、0.25CmaxIR≧CmaxXR3≧0.05CmaxIR
2.in vitroでの溶解に関して、
XR1に関しては、1.5h≦T80%≦4h
XR2に関しては、5h≦T80%≦8h
XR3に関しては、8h<T80%≦10h
3.in vivoでの単回初期用量に関して、
XR1に関しては、4h≦Tmax≦8.5h
XR2に関しては、Tmax≧16h
XR3に関しては、Tmax≧16h。
【0109】
任意に、即時放出ビーズ集団は、a.定常状態に関して、2.40CmaxIR≧CmaxEIR≧1.20CmaxIR、b.in vitroでの溶解に関して、T80%≦30分又はc.in vivoでの単回初期用量に関して、Tmax≦2hの少なくとも1つの条件が真であるように増強即時放出(EIR)ビーズで構成される。
【0110】
7つの例示的な配合物に関する薬物動態シミュレーションの結果を以下の表5に要約する。これらの配合物は、単なる例として選択され、本発明が対象とする配合物の範囲、組成及び特性を全く限定しない。
【0111】
【表5】

【0112】
b.(a)部分で論述されるWinNonlinシミュレーションの結果に基づいて、配合物番号1(A)、番号3(B)及び番号4(C)を、健常な成体ボランティアにおいて3つの制御放出配合物の50mgの1日1回の経口用量、及びTopamax(登録商標)の25mgの1日2回の経口用量後に、比較無作為化複数回投与4ウェイ研究において試験した。
【0113】
研究の結果を表6及び図6に要約する。
【0114】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分としてトピラマートを含む哺乳類被験体への経口投与用のトピラマートの徐放性配合物であって、該有効成分は、既定の放出プロファイルに沿って該配合物から放出され、該配合物は、持続放出(XR)構成成分を含む、有効成分としてトピラマートを含む哺乳類被験体への経口投与用のトピラマートの徐放性配合物。
【請求項2】
前記XR構成成分は、連続様式でin vivoでトピラマートを放出し、前記有効成分の80%が、24時間以内、16時間以内、12時間以内、8時間以内及び4時間以内から選択される期間に放出される、請求項1に記載の配合物。
【請求項3】
前記配合物は、錯化剤、増強剤又はその両方を含む任意に増強即時放出(EIR)組成物である即時放出(IR)構成成分をさらに含有する、請求項1に記載の配合物。
【請求項4】
前記EIR組成物は、前記有効成分の80%が30分以内に溶解されるような放出プロファイルを示す、請求項3に記載の配合物。
【請求項5】
前記EIR配合物は、a)10分以内での前記有効成分の少なくとも50%の溶解、b)10分以内での該有効成分の少なくとも70%の溶解、c)5分以内での該有効成分の少なくとも25%の溶解、d)5分以内での該有効成分の少なくとも40%の溶解、及びe)5分以内での該有効成分の少なくとも55%の溶解から成る群から選択される放出プロファイルを示す、請求項4に記載の配合物。
【請求項6】
前記錯化剤が、ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ガンマ−シクロデキストリン、アルファ−シクロデキストリン、及びそれらの誘導体から成る群から選択されるシクロデキストリンである、請求項3に記載の配合物。
【請求項7】
前記錯化剤がヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリンである、請求項6に記載の配合物。
【請求項8】
前記増強剤が、溶解度増強剤、溶解増強剤、吸収増強剤、浸透増強剤、界面活性剤、安定剤、酵素阻害剤、p−糖タンパク質阻害剤、多剤耐性タンパク質阻害剤又はそれらの組合せである、請求項3に記載の配合物。
【請求項9】
前記増強剤が、ビタミンE TPGS、グルタミン酸、グリシン、ソルビトール、マンノース、アミロース、マルトース、マンニトール、ラクトース、スクロース、グルコース、キシリトース、デキストリン、グリセロール−ポリエチレングリコールオキシステアレート、PEG−32グリセリルパルミトステアレート、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ベンジルアルコール、ソルビタンモノラウレート、Poloxamer 407、PEG3350、PVP K25、オレイン酸、グリセリルモノオレエート、安息香酸ナトリウム、セチルアルコール、スクロースステアレート、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、デンプン、アルファ化デンプン、HPMC、置換ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、重炭酸ナトリウム、クエン酸カルシウム、ソディウムドキュセート、メントール、又はそれらの組合せである、請求項8に記載の配合物。
【請求項10】
前記有効成分の少なくとも一部が、微粉化粒子の形態である、請求項1又は3に記載の配合物。
【請求項11】
前記粒子は、約2μm〜約100μmの平均サイズを有する、請求項10に記載の配合物。
【請求項12】
前記配合物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、カプレット、トローチ剤、サシェ、カシェ、ポーチ又はスプリンクルの投薬形態である、請求項1に記載の配合物。
【請求項13】
前記錠剤は、前記持続放出構成成分を含む少なくとも1つの層、及び前記即時放出構成成分を含む少なくとも1つの層を含む多層錠剤であり、前記即時放出構成成分は任意に、増強即時放出組成物である、請求項12に記載の配合物。
【請求項14】
各構成成分の特定量は、投与の目的及び前記既定の放出プロファイルに従って決定され、前記配合物中のトピラマートの総量は、0.5mg〜3000mgである、請求項1に記載の配合物。
【請求項15】
有効成分としてトピラマートを含む哺乳類被験体への経口投与用のトピラマートの徐放性配合物であって、該有効成分は、既定の放出プロファイルに沿って該配合物から放出され、該配合物は、持続放出構成成分及び任意の即時放出構成成分を含み、少なくとも該持続放出構成成分は、放出制御コーティングでコーティングされ、且つそれ自身の放出速度によって特徴付けられるビーズの少なくとも1つの集団中に提供される、有効成分としてトピラマートを含む哺乳類被験体への経口投与用のトピラマートの徐放性配合物。
【請求項16】
前記ビーズは、不活性担体、トピラマート、任意の向上剤並びにコーティング材料及び任意に孔形成剤及び他の賦形剤を含む放出制御コーティングを含む、請求項15に記載の配合物。
【請求項17】
前記不活性担体は、セルローススフェア、二酸化ケイ素、デンプン及び糖スフェアから成る群から選択される、請求項16に記載の配合物。
【請求項18】
前記向上剤は、溶解度向上剤、溶解向上剤、透過性向上剤、安定剤、錯化剤、酵素阻害剤、p−糖タンパク質阻害剤、多剤耐性タンパク質阻害剤及びそれらの組合せから成る群から選択される、請求項16に記載の配合物。
【請求項19】
前記コーティング材料が、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート又はそれらのコポリマーを含み、前記孔形成剤が、グルコース、フルクトース、マンニトール、マンノース、ガラクトース、ソルビトール、プルラン、デキストラン、水溶性親水性ポリマー、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースエーテル、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン、架橋ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、カーボワックス、カルボポール、ジオール、ポリオール、多価アルコール、ポリアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール若しくはそれらのブロックポリマー、ポリグリコール、ポリ(α−ω)アルキレンジオール;無機化合物;アルカリ金属塩;アルカリ土類金属塩又はそれらの組み合わせを含む、請求項16に記載の配合物。
【請求項20】
あらゆるビーズ集団の特定量は、前記既定の放出プロファイルに従って決定される、請求項15に記載の配合物。
【請求項21】
前記既定の放出プロファイルは、初期即時放出後の持続的放出速度を含む、請求項15に記載の配合物。
【請求項22】
BIDの即時放出配合物として投与される同量のトピラマートと比較した場合の少なくとも1つの望ましくないCNS副作用のレベルの低減を特徴とする、請求項15に記載の配合物。
【請求項23】
1日1回の経口投与に適した、請求項15に記載の配合物。
【請求項24】
前記配合物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、カプレット、トローチ剤、サシェ、カシェ、ポーチ又はスプリンクルの投薬形態である、請求項15に記載の配合物。
【請求項25】
前記配合物は、BIDの即時放出配合物として投与される同量のトピラマートにより生じる最大血漿濃度の50%〜125%の範囲内であるトピラマートの最大定常状態血漿濃度(Cmax)を提供する、請求項15に記載の配合物。
【請求項26】
前記Cmaxは、最小の治療上有効な濃度よりも高いが、BIDの即時放出配合物として投与される同量のトピラマートにより生じる最大血漿濃度よりも低い、請求項25に記載の配合物。
【請求項27】
前記Cmaxは、BIDの即時放出配合物として投与される同量のトピラマートにより生じる最大血漿濃度の80%〜125%の範囲内である、請求項25に記載の配合物。
【請求項28】
前記Cmaxは、BIDの即時放出配合物として投与される同量のトピラマートにより生じる最大血漿濃度の50%〜100%の範囲内である、請求項25に記載の配合物。
【請求項29】
前記配合物は、BIDの即時放出配合物として投与される同量のトピラマートの定常状態の相対AUCの80%〜125%の範囲内の定常状態の相対AUCを提供する、請求項15に記載の配合物。
【請求項30】
前記配合物は、BIDの即時放出配合物として投与される同量のトピラマートのAUCの25%〜90%の範囲内の変動度を提供する、請求項15に記載の配合物。
【請求項31】
持続放出トピラマートビーズの少なくとも1つの集団は、前記放出制御コーティングの最上部にコーティングされる即時放出構成成分をさらに含む、請求項15に記載の配合物。
【請求項32】
前記向上剤は、前記放出制御コーティングとは別個の層中に含有される、請求項16に記載の配合物。
【請求項33】
少なくとも1つの増強剤をさらに含み、前記増強剤は、粉末の形態で又は任意に放出速度が制御されたビーズの集団中で前記配合物へ組み込まれ、該増強剤は、前記有効成分から分離される、請求項15に記載の配合物。
【請求項34】
哺乳類被験体への経口投与用のトピラマートの徐放性配合物であって、トピラマートは、既定の放出プロファイルに沿って該配合物から放出され、該配合物は、XR1、XR2及びXR3と称される持続放出トピラマート含有ビーズの3つの集団、並びに即時放出(IR)ビーズ集団を含み、該配合物中の各集団の比例量は、下記表:
【表1】

(表中、XR1、XR2及びXR3は、下記群:
1.定常状態に関して、
XR1に関しては、1.70CmaxIR≧CmaxXR1≧1.30CmaxIR
XR2に関しては、0.40CmaxIR≧CmaxXR2≧0.20CmaxIR
XR3に関しては、0.25CmaxIR≧CmaxXR3≧0.05CmaxIR
2.in vitroでの溶解に関して、
XR1に関しては、1.5h≦T80%≦4h
XR2に関しては、5h≦T80%≦8h
XR3に関しては、8h<T80%≦10h
3.in vivoでの単回初期用量に関して、
XR1に関しては、4h≦Tmax≦8.5h
XR2に関しては、Tmax≧16h
XR3に関しては、Tmax≧16h
から選択される条件の少なくとも1つが真でなくてはならないようなものであり、CmaxIRは、BIDの即時放出配合物として投与される同量のトピラマートから得られるものを指す)に従って選択される、哺乳類被験体への経口投与用のトピラマートの徐放性配合物。
【請求項35】
前記IRビーズ集団は、a.定常状態に関して、2.40CmaxIR≧CmaxEIR≧1.20CmaxIR、b.in vitroでの溶解に関して、T80%≦30分又はc.in vivoでの単回初期用量に関して、Tmax≦2hの少なくとも1つの条件が真であるようなEIRで構成される、請求項34に記載の配合物。
【請求項36】
哺乳類被験体における病的状態の治療又は予防の方法であって、治療上有効な量のトピラマートの徐放性配合物を該被験体へ経口投与することを含み、トピラマートは、前記既定の放出プロファイルに沿って該配合物から放出され、該配合物は、持続放出構成成分及び任意の即時放出構成成分を含む、哺乳類被験体における病的状態の治療又は予防の方法。
【請求項37】
前記XR構成成分は、連続様式でin vivoでトピラマートを放出し、前記有効成分の80%が、24時間以内、16時間以内、12時間以内、8時間以内及び4時間以内から選択される期間に放出される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記即時放出構成成分は、トピラマート及び錯化剤若しくは増強剤又はその両方を含む増強即時放出組成物であり、前記錯化剤は、ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ガンマ−シクロデキストリン、アルファ−シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体から成る群から選択されるシクロデキストリンであり、該増強剤は、溶解度増強剤、溶解増強剤、吸収増強剤、浸透増強剤、界面活性剤、安定剤、酵素阻害剤、p−糖タンパク質阻害剤、多剤耐性タンパク質阻害剤及びそれらの組合せから成る群から選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記EIR組成物は、前記有効成分の80%が30分以内に溶解されるような放出プロファイルを示す、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記EIR配合物は、a)10分以内での前記有効成分の少なくとも50%の溶解、b)10分以内での該有効成分の少なくとも70%の溶解、c)5分以内での該有効成分の少なくとも25%の溶解、d)5分以内での該有効成分の少なくとも40%の溶解、及びe)5分以内での該有効成分の少なくとも55%の溶解から成る群から選択される放出プロファイルを示す、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記持続放出構成成分は、放出制御コーティングでコーティングされ、且つそれ自身の放出速度を有するビーズの少なくとも1つの集団中に提供される、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記配合物は、BIDの即時放出配合物として投与される同量のトピラマートにより生じる最大血漿濃度の50%〜125%の範囲内であるトピラマートの最大定常状態血漿濃度(Cmax)を提供する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記Cmaxは、最小治療上有効濃度よりも高いが、BIDの即時放出配合物として投与される同量のトピラマートにより生じる最大血漿濃度よりも低い、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記Cmaxは、BIDの即時放出配合物として投与される同量のトピラマートにより生じる最大血漿濃度の80%〜125%の範囲内である、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記Cmaxは、BIDの即時放出配合物として投与される同量のトピラマートにより生じる最大血漿濃度の50%〜100%の範囲内である、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記配合物は、BIDの即時放出配合物として投与される同量のトピラマートと比較した場合に、80%〜125%の範囲内の相対定常状態AUCを提供する、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
前記配合物は、BIDの即時放出配合物として投与される同量のトピラマートと比較した場合に、25%〜90%の範囲内の変動度を提供する、請求項41に記載の方法。
【請求項48】
前記ビーズは、不活性担体、トピラマート、任意の向上剤並びにコーティング材料及び任意に孔形成剤及び他の賦形剤を含む放出制御コーティングを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
前記不活性担体が、セルローススフェア、二酸化ケイ素、デンプン及び糖スフェアから成る群から選択され、前記コーティング材料が、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート及びそれらのコポリマーから成る群から選択される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記孔形成剤が、グルコース、フルクトース、マンニトール、マンノース、ガラクトース、ソルビトール、プルラン、デキストラン、水溶性親水性ポリマー、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースエーテル、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン、架橋ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、カーボワックス、カルボポール、ジオール、ポリオール、多価アルコール、ポリアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール若しくはそれらのブロックポリマー、ポリグリコール、ポリ(α−ω)アルキレンジオール;無機化合物;アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、並びにそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記向上剤が、溶解度向上剤、溶解向上剤、浸透向上剤、安定剤、錯化剤、酵素阻害剤、p−糖タンパク質阻害剤、多剤耐性タンパク質阻害剤及びそれらの組合せから成る群から選択される、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
各ビーズ集団の特定量は、前記既定の放出プロファイルに従って決定される、請求項41に記載の方法。
【請求項53】
前記既定の放出プロファイルは、初期即時放出後の持続的放出速度を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記配合物は、1日1回経口投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項55】
前記配合物は、BIDの即時放出配合物として投与される同量のトピラマートと比較した場合に望ましくないCNS副作用のレベルを低減する、請求項36に記載の方法。
【請求項56】
各構成成分の特定量は、投与の目的及び前記既定の放出プロファイルに従って決定され、前記配合物中のトピラマートの総量は、0.5mg〜3000mgである、請求項36に記載の方法。
【請求項57】
前記配合物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、カプレット、トローチ剤、サシェ、カシェ、ポーチ又はスプリンクルの投薬形態である、請求項36に記載の方法。
【請求項58】
前記状態が、癲癇、片頭痛、本態性振戦、レストレス下肢症候群、群発性頭痛、神経痛、神経障害性疼痛、トゥレット症候群、点頭痙攣、周産期低酸素虚血及び関連損傷、緑内障、眼障害、肥満症、体重減少、II型真性糖尿病、糖尿病性網膜症、経口耐糖能障害、糖尿病性皮膚病変、糖尿病性神経障害、血糖値上昇、X症候群、血圧上昇、脂質上昇、双極性障害、認知症、うつ病、精神病、躁病、不安神経症、統合失調症、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、ADHD、衝動調節障害、境界性人格障害、依存症、自閉症、喘息、自己免疫疾患、慢性神経変性障害、急性神経変性、ALS、睡眠時無呼吸並びに睡眠障害から成る群から選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項59】
哺乳類被験体における病的状態の治療又は予防の方法であって、治療上有効な量のトピラマートの徐放性配合物を該被験体へ経口投与することを含み、トピラマートは、既定の放出プロファイルに沿って該配合物から放出され、該配合物は、XR1、XR2及びXR3と称される持続放出トピラマート含有ビーズの3つの集団、並びに即時放出(IR)集団を含み、配合物中の各集団の比例量は、下記表:
【表2】

(表中、XR1、XR2及びXR3は、下記群:
1.定常状態に関して、
XR1に関しては、1.70CmaxIR≧CmaxXR1≧1.30CmaxIR
XR2に関しては、0.40CmaxIR≧CmaxXR2≧0.20CmaxIR
XR3に関しては、0.25CmaxIR≧CmaxXR3≧0.05CmaxIR
2.in vitroでの溶解に関して、
XR1に関しては、1.5h≦T80%≦4h
XR2に関しては、5h≦T80%≦8h
XR3に関しては、8h<T80%≦10h
3.in vivoでの単回初期用量に関して、
XR1に関しては、4h≦Tmax≦8.5h
XR2に関しては、Tmax≧16h
XR3に関しては、Tmax≧16h
から選択される条件の少なくとも1つが真でなくてはならないようなものであり、CmaxIRは、BIDの即時放出配合物として投与される同量のトピラマートから得られるものを指す)に従って選択される、哺乳類被験体における病的状態の治療又は予防の方法。
【請求項60】
前記IRビーズ集団は、a.定常状態に関して、2.40CmaxIR≧CmaxEIR≧1.20CmaxIR、b.in vitroでの溶解に関して、T80%≦30分又はc.in vivoでの単回初期用量に関して、Tmax≦2hの少なくとも1つの条件が真であるようなEIRで構成される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
持続放出(XR)構成成分及び任意の即時放出(IR)構成成分を含むトピラマートの徐放性配合物を調製する方法であって、少なくとも前記XR構成成分は、それ自身の放出速度によって特徴付けられる少なくとも1つのビーズ集団中に含有され、該方法は、
トピラマート含有ビーズの少なくとも1つの集団を形成すること、
それ自身の放出制御コーティングで各ビーズ集団をコーティングすること、
或る期間硬化装置中で前記コーティングを硬化させて各ビーズ集団に特異的な前記放出制御コーティングを生じさせること、及び
既定の放出プロファイルに従って決定される量であらゆる集団の前記ビーズを前記配合物へ組み込むこと、
を含む、持続放出(XR)構成成分及び任意の即時放出(IR)構成成分を含むトピラマートの徐放性配合物を調製する方法。
【請求項62】
前記放出制御コーティングでコーティングされた前記トピラマート含有ビーズ中に含有されない少なくとも1つのさらなる成分を前記配合物へ組み込むことをさらに含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
放出の前記速度は、前記放出制御コーティングの組成、コーティングレベル、コーティング及び硬化のプロセスパラメータ、並びにそれらの組合せにより決定される、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記硬化工程は、溶媒の存在下で実施される、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記溶媒は、アルコール、ケトン、エーテル、エステル、アミド、アミン、炭化水素、有機酸及びフェノールから成る群から選択される有機溶媒、超臨界流体、アンモニア、水、水溶液並びにそれらの組合せからなる群から選択される有機溶媒である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記硬化時間は、約2週間から約数時間へ低減される、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記放出の速度は、前記コーティング中の重量増加の関数である、請求項63に記載の方法。
【請求項68】
前記さらなる成分は、前記即時放出構成成分、増強剤、錯化剤又はそれらの組合せであり、該さらなる成分は、粉末の形態で又は任意に制御された放出速度を特徴とするビーズ集団の形態で前記配合物へ組み込まれる、請求項62に記載の方法。
【請求項69】
持続放出(XR)構成成分及び即時放出(IR)構成成分を含むトピラマートの徐放性配合物を調製する方法であって、トピラマートは、既定の放出プロファイルに沿った持続的速度で該配合物から放出され、該方法は、
前記所望の放出プロファイルを決定すること、
前記既定の放出プロファイルを生じるのに必要な前記持続放出構成成分及び前記即時放出構成成分の特定量を決定すること、並びに
前記特定量の前記構成成分を前記配合物へ組み込むこと、
を含む、持続放出(XR)構成成分及び任意の即時放出(IR)構成成分を含むトピラマートの徐放性配合物を調製する方法。
【請求項70】
前記即時放出構成成分が、錯化剤及び増強剤から選択される作用物質を少なくとも1つさらに含む増強即時放出(EIR)組成物であり、該増強剤が、溶解度増強剤、溶解増強剤、吸収増強剤、浸透増強剤、界面活性剤、安定剤、酵素阻害剤、p−糖タンパク質阻害剤、多剤耐性タンパク質阻害剤及びそれらの組合せから成る群から選択される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記EIR組成物が、ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ガンマ−シクロデキストリン及びアルファ−シクロデキストリン、又はシクロデキストリン誘導体から成る群から選択されるシクロデキストリンを含む錯化剤で、トピラマートの高溶解性錯体を形成することによって調製される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記錯化剤が、錯化剤とトピラマートとの重量比が3:2のヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリンである、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記EIR組成物が、ラウリル硫酸ナトリウム、D−アルファ−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、ポリオキシル硬化ヒマシ油、ポリグリコール化グリセリド、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、Poloxamer 407、PVP−K25、スクロースステアレート、ソディウムドキュセート及びメントールから成る群から選択される溶解度向上剤の添加によって調製される高溶解形態のトピラマートを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項74】
前記EIR組成物は、前記有効成分の80%が30分以内に溶解されるような放出プロファイルを示す、請求項70に記載の方法。
【請求項75】
前記即時放出構成成分は、a)10分以内での前記有効成分の少なくとも50%の溶解、b)10分以内での該有効成分の少なくとも70%の溶解、c)5分以内での該有効成分の少なくとも25%の溶解、d)5分以内での該有効成分の少なくとも40%の溶解、及びe)5分以内での該有効成分の少なくとも55%の溶解から成る群から選択される放出プロファイルを示す、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記放出プロファイルは、初期即時放出後の徐放を含む、請求項69に記載の方法。
【請求項77】
持続放出構成成分及び増強即時放出構成成分を含むトピラマートの徐放性配合物を調製する方法であって、トピラマートは、既定の放出プロファイルに沿って該配合物から放出され、該方法は、
前記所望の放出プロファイルを決定すること、
前記既定の放出プロファイルを生じるのに必要な前記持続放出構成成分及び前記即時放出構成成分の特定量を決定すること、
トピラマートを錯化剤又は増強剤の少なくとも1つと組み合わせることにより前記増強即時放出構成成分を調製すること、
放出制御コーティングでコーティングされたトピラマート含有ビーズの少なくとも1つの集団を形成することにより前記持続放出構成成分を調製すること、並びに
前記特定量の前記構成成分を前記配合物へ組み込むこと、
を含む。
【請求項78】
前記トピラマートの徐放性配合物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、カプレット、トローチ剤、サシェ、カシェ、ポーチ又はスプリンクルの投薬形態で組み込まれる、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記徐放性配合物は、XR1、XR2及びXR3と称される持続放出トピラマート含有ビーズの3つの集団、並びに即時放出(IR)集団を含み、配合物中の各集団の比例量は、下記表:
【表3】

(表中、XR1、XR2及びXR3は、下記群:
1.定常状態に関して、
XR1に関しては、1.70CmaxIR≧CmaxXR1≧1.30CmaxIR
XR2に関しては、0.40CmaxIR≧CmaxXR2≧0.20CmaxIR
XR3に関しては、0.25CmaxIR≧CmaxXR3≧0.05CmaxIR
2.in vitroでの溶解に関して、
XR1に関しては、1.5h≦T80%≦4h
XR2に関しては、5h≦T80%≦8h
XR3に関しては、8h<T80%≦10h
3.in vivoでの単回初期用量に関して、
XR1に関しては、4h≦Tmax≦8.5h
XR2に関しては、Tmax≧16h
XR3に関しては、Tmax≧16h
から選択される条件の少なくとも1つが真でなくてはならないようなものであり、CmaxIRは、BIDの即時放出配合物として投与される同量のトピラマートから得られるものを指す)に従って選択される、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記即時放出ビーズ集団は、a.定常状態に関して、2.40CmaxIR≧CmaxEIR≧1.20CmaxIR、b.in vitroでの溶解に関して、T80%≦30分、c.in vivoでの単回初期用量に関して、Tmax≦2hの少なくとも1つの条件が真であるようなEIRで構成される、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
コーティングされた微粒子を調製する方法であって、
微粒子の基材を得ること、
前記微粒子を高分子コーティング溶液でコーティングすること、及び
高温で前記コーティングを硬化させること、
を含み、該硬化工程は、アルコール、ケトン、エーテル、エステル、アミド、アミン、炭化水素、有機酸及びフェノールから成る群から選択される有機溶媒、超臨界流体、アンモニア、水、水溶液並びにそれらの組合せから成る群から選択される溶媒の存在下で硬化装置中で実施される、コーティングされた微粒子を調製する方法。
【請求項82】
硬化時間は、約2週間から約数時間へ低減される、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記微粒子は、有効薬剤成分含有微粒子である、請求項81に記載の方法。
【請求項84】
前記微粒子は、トピラマート含有ビーズである、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
トピラマートの徐放性配合物を含む経口投薬形態であって、有効成分は、既定の放出プロファイルに沿って該配合物から放出され、該配合物は、持続放出(XR)構成成分及び任意の即時放出(IR)構成成分を含む、トピラマートの徐放性配合物を含む経口投薬形態。
【請求項86】
前記XR構成成分及び前記IR構成成分中のトピラマートの特定量は、前記既定の放出プロファイルにより決定され、前記配合物中のトピラマートの総量は、0.5mg〜3000mgである、請求項85に記載の経口投薬形態。
【請求項87】
錠剤、丸剤、カプセル剤、カプレット、トローチ剤(trochee)、サシェ、カシェ、ポーチ及びスプリンクルから成る群から選択される、請求項85に記載の投薬形態。
【請求項88】
少なくとも前記XR構成成分は、放出制御コーティングでコーティングされ、且つそれ自身の放出速度を特徴とする少なくとも1つのビーズ集団中に含有され、あらゆる集団のビーズの量は、既定の放出プロファイルに従って決定される、請求項85に記載の投薬形態。
【請求項89】
トピラマート含有ビーズの少なくとも1つの集団を形成する工程、
それ自身の放出制御コーティングで各ビーズ集団をコーティングする工程、
或る期間硬化装置中で前記コーティングを硬化させて、各ビーズ集団に特異的な放出制御コーティングを生じる工程、及び
既定の放出プロファイルに従って決定される量で前記ビーズを前記投薬形態へ組み込む工程、
を含むプロセスにより調製される、請求項88に記載の投薬形態。
【請求項90】
前記硬化工程は、アルコール、ケトン、エーテル、エステル、アミド、アミン、炭化水素、有機酸及びフェノールから成る群から選択される有機溶媒、超臨界流体、アンモニア、水、水溶液並びにそれらの組合せから成る群から選択される溶媒の存在下で実施される、請求項89に記載の投薬形態。
【請求項91】
増強即時放出組成物である即時放出構成成分を含む、請求項88に記載の経口投薬形態。
【請求項92】
前記徐放性配合物は、XR1、XR2及びXR3と称される持続放出トピラマート含有ビーズの3つの集団、並びに即時放出(IR)集団を含み、配合物中の各集団の比例量は、下記表:
【表4】

(表中、XR1、XR2及びXR3は、下記群:
1.定常状態に関して、
XR1に関しては、1.70CmaxIR≧CmaxXR1≧1.30CmaxIR
XR2に関しては、0.40CmaxIR≧CmaxXR2≧0.20CmaxIR
XR3に関しては、0.25CmaxIR≧CmklaxXR3≧0.05CmaxIR
2.in vitroでの溶解に関して、
XR1に関しては、1.5h≦T80%≦4h
XR2に関しては、5h≦T80%≦8h
XR3に関しては、8h<T80%≦10h
3.in vivoでの単回初期用量に関して、
XR1に関しては、4h≦Tmax≦8.5h
XR2に関しては、Tmax≧16h
XR3に関しては、Tmax≧16h
から選択される条件の少なくとも1つが真でなくてはならないようなものであり、CmaxIRは、BIDの即時放出配合物として投与される同量のトピラマートから得られるものを指す)に従って選択される、請求項91に記載の経口投薬形態。
【請求項93】
前記即時放出ビーズ集団は、a.定常状態に関して、2.40CmaxIR≧CmaxEIR≧1.20CmaxIR、b.in vitroでの溶解に関して、T80%≦30分、c.in vivoでの単回初期用量に関して、Tmax≦2hの少なくとも1つの条件が真であるようなEIRで構成される、請求項92に記載の投薬形態。
【請求項94】
カプセル剤である、請求項92に記載の投薬形態。
【請求項95】
1日1回の投与に適した、請求項85に記載の経口投薬形態。
【請求項96】
前記錠剤は、前記持続放出構成成分を含む少なくとも1つの層、及び前記即時放出構成成分を含む少なくとも1つの層を含む多層錠剤である、請求項87に記載の経口投薬形態。
【請求項97】
トピラマートと組み合わせてさらなる薬学的有効成分をさらに含む、請求項1に記載の配合物。
【請求項98】
前記配合物は、トピラマートと組み合わせてさらなる薬学的有効成分をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項99】
トピラマートと組み合わせてさらなる薬学的有効成分をさらに含む、請求項85に記載の経口投薬形態。
【請求項100】
前記有効成分の少なくとも一部が、微粉化粒子の形態である、請求項15に記載の配合物。
【請求項101】
前記粒子は、約2μm〜約100μmの平均サイズを有する、請求項100に記載の配合物。
【請求項102】
前記有効成分の少なくとも一部が、微粉化粒子の形態である、請求項36に記載の方法。
【請求項103】
前記粒子は、約2μm〜約100μmの平均サイズを有する、請求項102に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−510241(P2010−510241A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537388(P2009−537388)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/084961
【国際公開番号】WO2008/061226
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(506339316)スパーナス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】