説明

トランジスタ

【課題】大電流による動作が可能で、かつ、スイッチング速度の速いノーマリーオフ型の、窒化物半導体が用いられたトランジスタを提供する。
【解決手段】チャネル領域を構成するアンドープGaN層103と、アンドープGaN層103の上に設けられているアンドープGaN層103よりもバンドギャップが大きいアンドープAl0.2Ga0.8N層104と、アンドープAl0.2Ga0.8N層104の上に設けられ設けられている、p型の導電性を有し、コントロール領域を構成するp型Al0.2Ga0.8Nコントロール層105と、p型Al0.2Ga0.8Nコントロール層105に接しているNiゲート電極110と、p型Al0.2Ga0.8Nコントロール層105の両側方に設けられているTi/Alソース電極108及びTi/Alドレイン電極109と、アンドープGaN層103に接続している正孔排出用電極としてのNiオーミック電極412とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化物半導体が用いられたトランジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高周波大電力デバイスとしてGaN系の材料が用いられた電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor、以下「FET」という)の研究が活発に行なわれている。
【0003】
以下に、窒化物半導体材料が用いられた従来のトランジスタについて説明する。
図9は従来のAlGaN/GaNへテロ接合を有するFETの断面図であり、図10は図9に示す従来のFETにおける、分極により誘起される固定電荷及び自由電子の分布を示す図である。図11は従来のFETのエネルギーバンドを示す図であり、図12は、2次元電子ガスをキャリアとするFETのゲート電圧とドレイン電流との関係を示す図である。
【0004】
図9に示すように、窒化物半導体で構成された従来のFETは、(0001)面を主面とするサファイア基板901と、サファイア基板901の上に設けられているアンドープGaN層902と、アンドープGaN層902の上に設けられているアンドープAl0.25Ga0.75N層903と、アンドープAl0.25Ga0.75N層903の上に設けられているTi及びAlにより形成されているソース電極905及びドレイン電極906と、アンドープAl0.25Ga0.75N層903の上に設けられているパラジウムにより形成されているゲート電極907と、アンドープAl0.25Ga0.75N層903を覆うSiNにより形成されているパッシベーション膜904とを備えている。
【0005】
図9に示す従来のFETにおいては、アンドープAl0.25Ga0.75N層903を構成する材料固有の自発分極とピエゾ分極とのため、不純物が導入されていないにもかかわらず、アンドープGaN層902とアンドープAl0.25Ga0.75N層903とのヘテロ接合界面に1×1013cm-2程度の2次元電子ガスが形成される。
【0006】
図10に示すように、アンドープAl0.25Ga0.75N層903の上面(ゲート電極907に対向する面)及びアンドープGaN層902の上面にはそれぞれ負の固定電荷が発生し、アンドープAl0.25Ga0.75N層903の下面(サファイア基板901に近い方の面)及びアンドープGaN層902の下面にはそれぞれ正の固定電荷が発生する。ここで、アンドープAl0.25Ga0.75N層903の表面に発生する固定電荷の量の絶対値はアンドープGaN層902の表面に発生する固定電荷の量の絶対値よりも大きいため、ヘテロ界面のアンドープGaN層902側に固定電荷の差を補償する量のシートキャリアが二次元電子ガスの形で発生する(図10中のNs)。なお、図10おいて、実線の矢印はアンドープAl0.25Ga0.75N層903に生じる固定電荷を示し、破線の矢印はアンドープGaN層902に生じる固定電荷を示している。
【0007】
この分極によって、アンドープGaN層902及びアンドープAl0.25Ga0.75N層903の中には電界が生じ、エネルギーバンドは図11に示すような形になる。すなわち、アンドープGaN層902のヘテロ界面付近の価電子帯端のポテンシャルエネルギーはフェルミレベル以下となる。そのため、従来のFETは、図12に示すようなノーマリーオン型の電気特性を示す。
【0008】
ソース電極905及びドレイン電極906はアンドープAl0.25Ga0.75N層903に接しており、アンドープAl0.25Ga0.75N層903の膜厚が例えば30nm以下と薄い場合には、2次元電子ガスが形成されるチャネル領域(ここではアンドープGaN層902の一部)は、トンネル電流によりソース電極905及びドレイン電極906に電気的に接続される。よって、ソース電極905及びドレイン電極906は良好なオーミック電極となる。パラジウムにより形成されているゲート電極907は、5.1eVの大きな仕事関数を有しており、アンドープAl0.25Ga0.75N層903と良好にショットキー接合している(非特許文献1参照)。
【0009】
上述の通り分極を有するGaN系の半導体材料を用いてノーマリーオフ特性を実現しようとすれば、結晶固有の自発分極及びピエゾ分極によってチャネル内に生成されるキャリアを減らす必要がある。AlGaNとGaNとのヘテロ接合を有するFETでは、AlGaN層中のAl組成が下がれば、AlGaNとGaNとの格子定数差によるストレスが低減するのでピエゾ分極が減少し、その結果シートキャリア濃度が減少する(非特許文献2参照)。具体的には、アンドープAl0.25Ga0.75N層903のGaに対するAlの混晶比を、膜厚を30nmのままで0.15に低下させれば、シートキャリア濃度は1.4×1013cm-2から5×1012cm-2に大幅に減少する。キャリア濃度の低下に伴い動作電流も低減する。また、アンドープAl0.25Ga0.75N層903のAl組成を低下させると、ゲート部のポテンシャルバリアも低下する。
【0010】
また、ゲート電極907でのリーク電流の発生を抑えるために、ゲート電極907に印加可能な順方向電圧には上限がある。このため、ゲート電圧を大きくすることができず、ドレイン電流も十分に大きくすることが難しい。
【0011】
この不具合に対し、ノーマリーオフ型でかつ大きな順方向電圧を印加可能とするために、ゲート部をp型化し、ポテンシャルバリアを高める構成も提案されている。これが接合型FET(Junction Field Effect Transistor、以下「JFET」という)である。JFETは、非特許文献3や特許文献1に記載されている。
【非特許文献1】M. Hikita et al. Technical Digest of 2004 International electron Devices Meeting (2004) p.803.
【非特許文献2】O.Ambacher et al., J.Appl.Phys. Vol.85 (1999) p. 3222.
【非特許文献3】L. Zhang et al., IEEE Transactions on Electron Devices, vol.47, no. 3, pp. 507-511, 2000.
【特許文献1】特開2004−273486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、JFETは、正孔がチャネル領域に蓄積するので、スイッチング速度が遅い。
【0013】
本発明は、大電流による動作が可能で、かつ、スイッチング速度の速いノーマリーオフ型の、窒化物半導体を用いたトランジスタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明のトランジスタは、チャネル領域を構成する第1の窒化物半導体層と、前記第1の窒化物半導体層の上に設けられている前記第1の窒化物半導体層よりもバンドギャップが大きい第2の窒化物半導体層と、前記第2の窒化物半導体層の上に設けられている、p型の導電性を有し、コントロール領域を構成する第3の窒化物半導体層と、前記コントロール領域に接しているゲート電極と、前記コントロール領域の両側方に設けられているソース電極及びドレイン電極と、前記第1の窒化物半導体層に接続している正孔排出用電極とを備える。
【0015】
前記正孔排出用電極は、前記第1の窒化物半導体層の上方に形成されており、前記正孔排出用電極に接続している前記第1の窒化物半導体層及び前記第2の窒化物半導体層は、p型化領域を有してもよい。
【0016】
前記正孔排出用電極を形成する材料は、前記第1の窒化物半導体層まで拡散していてもよい。
【0017】
前記第2の窒化物半導体層には欠落部が設けられており、前記正孔排出用電極は前記欠落部に設けられていてもよい。
【0018】
前記第1の窒化物半導体層は、前記第1の窒化物半導体層の上面及び下面と平行に、p型の第4の窒化物半導体層を有しており、前記第1の窒化物半導体層のp型化領域は、前記第4の窒化物半導体層と接していてもよい。
【0019】
前記第4の窒化物半導体層は、前記ゲート電極の前記ソース電極寄りの端部の下方位置から前記ソース電極寄りの領域にのみ設けられていてもよい。
【0020】
前記第1の窒化物半導体層は、前記第4の窒化物半導体層の直下に設けられている、前記第4の窒化物半導体層よりもバンドギャップが大きい第5の窒化物半導体層を有してもよい。
【0021】
前記第4の窒化物半導体層は、前記ゲート電極の前記ソース電極寄りの端部の下方位置から前記ソース電極寄りの領域にのみ設けられており、前記第5の窒化物半導体層は、前記第4の窒化物半導体層の両端部間にのみ設けられていてもよい。
【0022】
本発明のトランジスタは、更に、導電性の基板を備え、前記第1の窒化物半導体層は、前記基板の上に設けられており、前記第1の窒化物半導体層には、第1の貫通部が設けられており、前記第2の窒化物半導体層には、前記第1の貫通部と連続する第2の貫通部が設けられており、前記基板には、前記第1の貫通部及び前記第2の貫通部と連続する凹部が設けられており、前記正孔排出用電極は、前記凹部の表面、前記第1の窒化物半導体層の前記第1の貫通部の表面、及び、前記第2の窒化物半導体層の前記第2の貫通部の表面に連続して設けられていてもよい。
【0023】
本発明のトランジスタは、更に、前記第2の窒化物半導体層の上に設けられ設けられている、p型の導電性を有する第6の窒化物半導体層を備え、前記正孔排出用電極は、前記第6の窒化物半導体層の上に設けられていてもよい。
【0024】
前記ソース電極は、前記正孔排出用電極と電気的に接続していれもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、大電流による動作が可能で、かつ、スイッチング速度の高いノーマリーオフ型の、窒化物半導体が用いられたトランジスタを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
最良の形態について述べる前に、本発明に関して、さらに詳しく述べることにする。
JFETをノーマリーオフ化した場合、ゲートに順方向バイアスしても予めチャネルに生成される電子濃度は大きくできない。また、ゲートに対して順方向バイアスできるのはゲートから電流が流れ始めるまで、具体的には3V程度が限界であった。
【0027】
そこで、我々は、窒化物半導体からなるチャネルの上にバンドギャップの大きいp型Al0.2Ga0.8N層を設け、同p型領域をチャネルに対して順バイアスすることで、チャネル内にホール注入し、チャネル内に同量の電子を発生させ、大きな動作電流を得ることのできるデバイス構造を見出すことに成功した。注入されたホールによってチャネル内の電子の発生を促し、チャネル電流を飛躍的に増加させることが可能である。この際に同p型領域のバンドギャップをチャネルのものより大きく選べば、チャネルに対するホール注入量をチャネルから同p型領域へ対する電子注入量よりも大きくすることができる。これにより、有効的にチャネル内のキャリア濃度を高めることが出来る。また、窒化物半導体においてはホールの移動度は電子の移動度よりも遙かに低く、チャネルへ注入されたホールは電流を流す担体としての寄与が殆どない。即ち、同p型領域から注入されたホールは同量の電子をチャネルに生成し、動作電流を増大させることが可能である。注入されたホールの移動度はゼロに近いほど、その役割はあたかもドナーイオンのようになる。このようにチャネル内でキャリア濃度変調を行うことが可能となり、結果として大動作電流を有するノーマリーオフ型の窒化物半導体デバイスを実現することが可能となる。
【0028】
しかしながら、そのデバイスにおいては、デバイスがオン状態の時に、チャネル領域には、p型AlGaN層から大量の正孔が注入される。そのため、デバイスをオン状態からオフ状態に切り替える時に、チャネル内の正孔の逃げ場がないために、オフ状態への切り替えに要する時間が長くなってしまう。つまり、デバイスのスイッチング速度が遅くなるという課題があった。
【0029】
本発明は上記の課題に鑑み、大電流動作が可能なノーマリーオフ型の窒化物半導体デバイスにおいて、そのスイッチング速度を高める手法を提供するものである。
【0030】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
【0031】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態におけるトランジスタの断面図である。
【0032】
第1の実施の形態におけるトランジスタは、(0001)面を主面とするサファイア基板101(例えば、厚さ430μm)と、サファイア基板101の(0001)面の上に設けられているAlNバッファ層102(例えば、厚さ100nm)と、AlNバッファ層102の上に設けられているアンドープGaN層103(例えば、厚さ2μm)と、アンドープGaN層103の上に設けられているアンドープAl0.2Ga0.8N層104(例えば、厚さ20nm)と、アンドープAl0.2Ga0.8N層104の一部の上に設けられている、p型不純物を含むp型Al0.2Ga0.8Nコントロール層(p型コントロール層)105(例えば、厚さ20nm)と、p型コントロール層105の上に設けられている、p型コントロール層105よりも高濃度のp型不純物を含むGaNにより構成されている高濃度p型GaNコンタクト層(p型コンタクト層)106(例えば、厚さ20nm)とを備えている。
【0033】
AlNバッファ層102、アンドープGaN層103、アンドープAl0.2Ga0.8N層104、p型コントロール層105、及び、p型コンタクト層106は、サファイア基板101の(0001)面の上に順次、結晶成長により形成されている。
【0034】
また、第1の実施の形態におけるトランジスタは、p型コンタクト層106の上にNiゲート電極110を備え、Ti/Alソース電極108及びTi/Alドレイン電極109がNiゲート電極110を挟むように設けられている。Niゲート電極110は、Niにより形成されており、p型コンタクト層106にオーミック接触している。Ti/Alソース電極108及びTi/Alドレイン電極109はTi及びAlにより形成されている。
【0035】
また、アンドープAl0.2Ga0.8N層104における領域111はp型化されている。この領域111は、Ti/Alソース電極108が設けられている部位を基準にして、Niゲート電極110が設けられている部位の反対側に位置する。領域111は、例えば、Mgの注入とアニールとによってp型化されている。また、第1の実施の形態におけるトランジスタは、p型化領域111の上に設けられたNiオーミック電極112を備えている。すなわち、Niオーミック電極112は、アンドープAl0.2Ga0.8N層104の上の、Ti/Alソース電極108を基準にしてNiゲート電極110と反対側の位置に設けられている。Niオーミック電極112を形成するNiは、拡散によって、アンドープGaN層103に到達していてもよい。Niオーミック電極112は正孔排出用電極である。
【0036】
加えて、第1の実施の形態におけるトランジスタは、SiNにより形成されているパッシベーション膜107を備えている。このパッシベーション膜107は、アンドープAl0.2Ga0.8N層104の上の、Niゲート電極110、Ti/Alソース電極108、Ti/Alドレイン電極109、及び、Niオーミック電極112が形成されている位置以外の位置に設けられている。
【0037】
図2は、正孔排出用電極を持たない従来のノーマリーオフ型電界効果型トランジスタ(比較用トランジスタ)のスイッチング速度と、第1の実施の形態におけるトランジスタのスイッチング速度とを示す。第1の実施の形態におけるトランジスタは、Niゲート電極110から注入され、アンドープGaN層103に滞留するホールをトランジスタ外部に排出する構造を有している。ホールは、Niオーミック電極112(正孔排出用電極)によりトランジスタ外部に排出される。そのため、ホールがアンドープGaN層103に蓄積する問題を有する従来のトランジスタ(比較用トランジスタ)に比べて、第1の実施の形態におけるトランジスタのスイッチング速度は速い。特に、ゲート電圧が3V以上である場合、第1の実施の形態におけるトランジスタのスイッチング速度が従来のトランジスタ(比較用トランジスタ)のスイッチング速度より速くなることが顕著に現れる。
【0038】
上述したように、第1の実施の形態におけるトランジスタは、チャネル(アンドープGaN層103)中に注入されたホールを積極的にトランジスタ外部に排出させることができるため、ノーマリーオフ型であって、かつ高速スイッチングを実現することが可能である。
【0039】
なお、サファイア(0001)基板101は、例えば、SiC、GaN、又はSiの基板に置き換えられてもよい。また、サファイア(0001)基板101の上に形成される各層の良好な結晶性を実現することができれば、基板の面方位は問わない。
【0040】
また、Niゲート電極110は、p型コンタクト層106に対して良好なオーミック接触を実現することができれば、Pd等のNi以外の金属の電極に置き換えられてもよい。
【0041】
更に、p型Al0.2Ga0.8Nコントロール層105とアンドープAl0.2Ga0.8N層104とのAlの組成は同一である必要はなく、例えば、p型コントロール層105はp型GaNにより形成されていてもよい。
【0042】
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施の形態におけるトランジスタの断面図である。
【0043】
第2の実施の形態におけるトランジスタは、(0001)面を主面とするサファイア基板201と、サファイア基板201の(0001)面の上に設けられているAlNバッファ層202と、AlNバッファ層202の上に設けられているアンドープGaN層203と、アンドープGaN層203の上に設けられているアンドープAl0.2Ga0.8N層204と、アンドープAl0.2Ga0.8N層204の一部の上に設けられている、p型不純物を含むp型Al0.2Ga0.8Nコントロール層(p型コントロール層)205と、p型コントロール層205の上に設けられている、p型コントロール層205よりも高濃度のp型不純物を含むGaNにより構成されている高濃度p型GaNコンタクト層(p型コンタクト層)206とを備えている。
【0044】
AlNバッファ層202、アンドープGaN層203、アンドープAl0.2Ga0.8N層204、p型コントロール層205、及び、p型コンタクト層206は、サファイア基板201の(0001)面の上に順次、結晶成長により形成されている。
【0045】
また、第2の実施の形態におけるトランジスタは、p型コンタクト層206の上にNiゲート電極210を備え、Ti/Alソース電極208及びTi/Alドレイン電極209がNiゲート電極210を挟むように設けられている。Niゲート電極210は、Niにより形成されており、p型コンタクト層206にオーミック接触している。Ti/Alソース電極208及びTi/Alドレイン電極209はTi及びAlにより形成されている。
【0046】
また、アンドープAl0.2Ga0.8N層204の一部の領域は除去されている。すなわち、アンドープAl0.2Ga0.8N層204における、Ti/Alソース電極208が設けられている部位を基準にしてNiゲート電極210が設けられている部位の反対側の領域は除去されている。その除去された領域の下のアンドープGaN層203はp型化されている。アンドープGaN層203のp型化領域211は、例えば、Mgの注入とアニールとによってp型化されている。また、第2の実施の形態におけるトランジスタは、p型化領域211の上にNiオーミック電極212を備えている。Niオーミック電極212は、アンドープGaN層203のアンドープAl0.2Ga0.8N層204が除去されている部位に設けられている。Niオーミック電極212を形成するNiは、拡散によって、アンドープGaN層203に到達していてもよい。
【0047】
更に、第2の実施の形態におけるトランジスタは、アンドープAl0.2Ga0.8N層204の上の、Niゲート電極210、Ti/Alソース電極208、Ti/Alドレイン電極209、及びパッシベーション膜207を備えている。パッシベーション膜207は、SiNにより形成され、Niオーミック電極212が形成されている位置以外の位置に設けられている。
【0048】
アンドープGaN層203内には、サファイア基板201に対して平行にp型GaN層213が設けられ、アンドープGaN層203のp型化領域211はp型GaN層213と接している。図4のエネルギーバンドに示すように、p型GaN層213により、注入されたホールを効率よく集めることができ、その結果、スイッチング速度がより向上する。
【0049】
更に、アンドープGaN層203内には、p型GaN層213の直下にAl0.2Ga0.8N層214が設けられていてもよい。Al0.2Ga0.8N層214は、ホールのエネルギー障壁として機能するため、ホールをより有効に排出することができ、その結果、スイッチング速度をより一層向上させることができる。Al0.2Ga0.8N層214のAlのGaに対する混晶比は、層214がホールバリアとして機能すれば、“0.2”でなくてもよい。
【0050】
図5は、正孔排出用電極を持たないノーマリーオフ型電界効果型トランジスタ(比較用トランジスタ、従来のトランジスタ)のスイッチング速度と、第2の実施の形態におけるトランジスタのスイッチング速度とを示す。また、図5は第1の実施の形態におけるトランジスタのスイッチング速度も示す。第2の実施の形態におけるトランジスタは、Niゲート電極210から注入され、アンドープGaN層203に滞留するホールを排出する構造を有している。そのため、ホールがアンドープGaN層203に蓄積する問題を有する従来のトランジスタ(比較用トランジスタ)に比べて、第2の実施の形態におけるトランジスタのスイッチング速度は速い。また、第2の実施の形態におけるトランジスタのスイッチング速度は、第1の実施の形態におけるトランジスタのスイッチング速度よりも速い。
【0051】
上述したように、第2の実施の形態におけるトランジスタは、チャネル(アンドープGaN層203)中に注入されたホールをトランジスタ外部に積極的に排出させることができるため、ノーマリーオフ型であって、かつ高速スイッチングを実現することが可能である。
【0052】
(第3の実施の形態)
図6は、第3の実施の形態におけるトランジスタの断面図である。
【0053】
第3の実施の形態におけるトランジスタは、(0001)面を主面とするサファイア基板301と、サファイア基板301の(0001)面の上に設けられているAlNバッファ層302と、AlNバッファ層302の上に設けられているアンドープGaN層303と、アンドープGaN層303の上に設けられているアンドープAl0.2Ga0.8N層304と、アンドープAl0.2Ga0.8N層304の一部の上に設けられている、p型不純物を含むp型Al0.2Ga0.8Nコントロール層(p型コントロール層)305と、p型コントロール層305の上に設けられている、p型コントロール層305よりも高濃度のp型不純物を含むGaNにより構成されている高濃度p型GaNコンタクト層(p型コンタクト層)306とを備えている。
【0054】
AlNバッファ層302、アンドープGaN層303、アンドープAl0.2Ga0.8N層304、p型コントロール層305、及び、p型コンタクト層306は、サファイア基板301の(0001)面の上に順次、結晶成長により形成されている。
【0055】
また、第3の実施の形態におけるトランジスタは、p型コンタクト層306の上にNiゲート電極310を備え、Ti/Alソース電極308及びTi/Alドレイン電極309がNiゲート電極310を挟むように設けられている。Niゲート電極310は、Niにより形成されており、p型コンタクト層306にオーミック接触している。Ti/Alソース電極308及びTi/Alドレイン電極309はTi及びAlにより形成されている。
【0056】
また、アンドープAl0.2Ga0.8N層304の一部の領域は、除去されている。すなわち、アンドープAl0.2Ga0.8N層304における、Ti/Alソース電極308が設けられている部位を基準にしてNiゲート電極310が設けられている部位の反対側の領域が除去されている。その除去された領域の下のアンドープGaN層303はp型化されている。アンドープGaN層303のp型化領域311は、例えば、Mgの注入とアニールとによってp型化されている。また、第3の実施の形態におけるトランジスタは、p型化領域311の上にNiオーミック電極312を備えている。Niオーミック電極312は、アンドープGaN層303のアンドープAl0.2Ga0.8N層304が除去されている部位に設けられている。Niオーミック電極312を形成するNiは、拡散によって、アンドープGaN層303に到達していてもよい。
【0057】
更に、第3の実施の形態におけるトランジスタは、アンドープAl0.2Ga0.8N層304の上の、Niゲート電極310、Ti/Alソース電極308、Ti/Alドレイン電極309、及び、パッシベーション膜307を備えている。パッシベーション膜307は、SiNにより形成され、Niオーミック電極312が形成されている位置以外の位置に設けられている。
【0058】
アンドープGaN層303内には、サファイア基板301に対して平行にp型GaN層313が設けられており、アンドープGaN層303のp型化領域311はp型GaN層313と接している。p型GaN層313は、Niゲート電極310のTi/Alソース電極308側の端部の直下からTi/Alソース電極308側にのみ形成されている。この構成により、ドレイン側でのホールの排出が抑制されるため、第3の実施の形態におけるトランジスタは、高電流により駆動することが可能になる。
【0059】
上述したように、第3の実施の形態におけるトランジスタは、チャネル(アンドープGaN層303)中に注入されたホールをトランジスタ外部に積極的に排出させることができるため、ノーマリーオフ型であって、かつ高速スイッチング、加えて大電流動作を実現することが可能である。
【0060】
(第4の実施の形態)
図7は、第4の実施の形態におけるトランジスタの断面図である。
【0061】
第4の実施の形態におけるトランジスタは、(111)面を主面とするn型シリコン基板401と、シリコン基板401の(111)面の上に設けられているAlNバッファ層402と、AlNバッファ層402の上に設けられているアンドープGaN層403と、アンドープGaN層403の上に設けられているアンドープAl0.2Ga0.8N層404と、アンドープAl0.2Ga0.8N層404の一部の上に設けられている、p型不純物を含むp型Al0.2Ga0.8Nコントロール層(p型コントロール層)405と、p型コントロール層405の上に設けられている、p型コントロール層405よりも高濃度のp型不純物を含むGaNにより構成されている高濃度p型GaNコンタクト層(p型コンタクト層)406とを備えている。
【0062】
AlNバッファ層402、アンドープGaN層403、アンドープAl0.2Ga0.8N層404、p型コントロール層405、及び、p型コンタクト層406は、シリコン基板401の(111)面の上に順次、結晶成長により形成されている。
【0063】
また、第4の実施の形態におけるトランジスタは、p型コンタクト層406の上にNiゲート電極410を備え、Ti/Alソース電極408及びTi/Alドレイン電極409がNiゲート電極410を挟むように設けられている。Niゲート電極410は、Niにより形成されており、p型コンタクト層406にオーミック接触している。Ti/Alソース電極408及びTi/Alドレイン電極409はTi及びAlにより形成されている。
【0064】
また、アンドープGaN層403及びアンドープAl0.2Ga0.8N層404の一部は、除去されており、凹部413が形成されている。すなわち、アンドープGaN層403及びアンドープAl0.2Ga0.8N層404における、Ti/Alソース電極408が設けられている部位を基準にしてNiゲート電極410が設けられている部位の反対側の領域には凹部413が形成されている。この凹部413はシリコン基板401内の一部にまで達している。アンドープGaN層403の凹部413に接する部位でかつアンドープAl0.2Ga0.8N層404寄りの領域411は、p型化されている。アンドープGaN層403のp型化領域411は、例えば、Mgの注入とアニールとによってp型化されている。
【0065】
また、第4の実施の形態におけるトランジスタは、p型化領域411とオーム性接触するNiオーミック電極412が凹部413の表面に設けられている。この構成により、凹部413の表面の広い領域がホール排出用の電極として機能するため、高速スイッチング動作が可能となる。
【0066】
上述したように、第4の実施の形態におけるトランジスタは、チャネル(アンドープGaN層403)中に注入されたホールをトランジスタ外部に積極的に排出させることができるため、ノーマリーオフ型であって、かつ高速スイッチングを実現することが可能である。
【0067】
(第5の実施の形態)
図8は、第5の実施の形態におけるトランジスタの断面図である。
【0068】
第5の実施の形態におけるトランジスタは、(0001)面を主面とするサファイア基板501と、サファイア基板501の(0001)面の上に設けられているAlNバッファ層502と、AlNバッファ層502の上に設けられているアンドープGaN層503と、アンドープGaN層503の上に設けられているアンドープAl0.2Ga0.8N層504と、アンドープAl0.2Ga0.8N層504の一部の上に設けられている、p型不純物を含むp型Al0.2Ga0.8Nコントロール層(p型コントロール層)505と、p型コントロール層505の上に設けられている、p型コントロール層505よりも高濃度のp型不純物を含むGaNにより構成されている高濃度p型GaNコンタクト層(p型コンタクト層)506とを備えている。
【0069】
AlNバッファ層502、アンドープGaN層503、アンドープAl0.2Ga0.8N層504、p型コントロール層505、及び、p型コンタクト層506は、サファイア基板501の(0001)面の上に順次、結晶成長により形成されている。
【0070】
また、第5の実施の形態におけるトランジスタは、p型コンタクト層506の上にNiゲート電極510を備え、Ti/Alソース電極508及びTi/Alドレイン電極509がNiゲート電極510を挟むように設けられている。Niゲート電極510は、Niにより形成されており、p型コンタクト層506にオーミック接触している。Ti/Alソース電極508及びTi/Alドレイン電極509はTi及びAlにより形成されている。
【0071】
また、アンドープAl0.2Ga0.8N層504の領域511はp型化されている。この領域511は、Ti/Alソース電極508が設けられている部位を基準にして、Niゲート電極510が設けられている部位の反対側に位置する。領域511は、例えば、Mgの注入とアニールとによってp型化されている。
【0072】
また、第5の実施の形態におけるトランジスタは、p型化領域511の上にp型コントロール層505と、p型コントロール層505の上にp型コンタクト層506とを備えている。p型コンタクト層506は、アンドープAl0.2Ga0.8N層504の上の、Ti/Alソース電極508を基準にしてNiゲート電極510と反対側の位置に設けられている。
【0073】
また、第5の実施の形態におけるトランジスタは、Niオーミック電極512がp型コンタクト層506の上に設けられ、p型コンタクト層506にオーミック接触している。Niオーミック電極512を形成するNiは、拡散によって、アンドープGaN層503に到達していてもよい。p型化領域511は、アンドープGaN層503内のp型GaN層513に接している。p型GaN層513がアンドープGaN層503内に設けられていることにより、図4のエネルギーバンドに示すように、注入されたホールを効率よく集めることができ、その結果、スイッチング速度がより向上する。p型GaN層513の直下にAl0.2Ga0.8N層514が設けられていてもよい。Al0.2Ga0.8N層514はホールのエネルギー障壁として機能するため、ホールをトランジスタ外部により効率的に排出することができ、その結果、スイッチング速度をより一層向上させることができる。
【0074】
なお、Al0.2Ga0.8N層514のAlのGaに対する混晶比は、層514がホールバリアとして機能すれば、“0.2”でなくてもよい。
【0075】
また、p型化領域511は、アンドープGaN層503内のp型GaN層513に必ずしも接している必要はないが、スイッチング速度向上の観点からは接していることがより好ましい。
【0076】
正孔排出用のNiオーミック電極512とソース電極508とは、配線515を介して電気的に接続されている。これにより、正孔排出用のNiオーミック電極512の電位は、ソース電極508の電位と等しくなるため、正孔が電界によって、正孔用電極からトランジスタ外部に効率よく排出される。その結果、更に高速スイッチング動作が可能となる。
【0077】
更に、第5の実施の形態におけるトランジスタは、アンドープAl0.2Ga0.8N層504の上に、Niゲート電極510、Ti/Alソース電極508、Ti/Alドレイン電極509、及び、パッシベーション膜507を備えている。パッシベーション膜507は、SiNにより形成され、Niオーミック電極512が形成されている位置以外の位置に設けられている。
【0078】
上述したように、第5の実施の形態におけるトランジスタは、チャネル(アンドープGaN層503)中に注入されたホールをトランジスタ外部に積極的に排出させることができるため、ノーマリーオフ型であって、かつ高速スイッチングを実現することが可能である。更に、ゲート電極と正孔用電極とが同じ材料で形成されるため、それらを同時に形成することが可能となり、第5の実施の形態におけるトランジスタを極めて簡便なプロセスで作製することができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明のトランジスタは、高耐圧パワートランジスタ等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】第1の実施の形態におけるトランジスタの断面図である。
【図2】正孔排出用電極を持たない従来のノーマリーオフ型電界効果型トランジスタのスイッチング速度と、第1の実施の形態におけるトランジスタのスイッチング速度とを示す図である。
【図3】第2の実施の形態におけるトランジスタの断面図である。
【図4】第2の実施の形態におけるトランジスタのエネルギーバンドを示す図である。
【図5】正孔排出用電極を持たない従来のノーマリーオフ型電界効果型トランジスタのスイッチング速度と、第2の実施の形態におけるトランジスタのスイッチング速度とを示す図である。
【図6】第3の実施の形態におけるトランジスタの断面図である。
【図7】第4の実施の形態におけるトランジスタの断面図である。
【図8】第5の実施の形態におけるトランジスタの断面図である。
【図9】従来のAlGaN/GaNへテロ接合を有するFETの断面図である。
【図10】従来のFETにおける、分極により誘起される固定電荷及び自由電子の分布を示す図である。
【図11】従来のFETのエネルギーバンドを示す図である。
【図12】2次元電子ガスをキャリアとするFETのゲート電圧とドレイン電流との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0081】
101 サファイア(0001)面基板
102 AlNバッファ層
103 アンドープGaN層
104 アンドープAl0.2Ga0.8N層
105 p型Al0.2Ga0.8Nコントロール層
106 高濃度p型GaNコンタクト層
107 SiNパッシベーション膜
108 Ti/Alソース電極
109 Ti/Alドレイン電極
110 Niゲート電極
111 p型化領域
112 Niオーミック電極
201 サファイア(0001)面基板
202 AlNバッファ層
203 アンドープGaN層
204 アンドープAl0.2Ga0.8N層
205 p型Al0.2Ga0.8Nコントロール層
206 高濃度p型GaNコンタクト層
207 SiNパッシベーション膜
208 Ti/Alソース電極
209 Ti/Alドレイン電極
210 Niゲート電極
211 p型化領域
212 Niオーミック電極
213 p型GaN層
214 Al0.2Ga0.8N層
301 サファイア(0001)面基板
302 AlNバッファ層
303 アンドープGaN層
304 アンドープAl0.2Ga0.8N層
305 p型Al0.2Ga0.8Nコントロール層
306 高濃度p型GaNコンタクト層
307 SiNパッシベーション膜
308 Ti/Alソース電極
309 Ti/Alドレイン電極
310 Niゲート電極
311 p型化領域
312 Niオーミック電極
313 p型GaN層
401 n型シリコン(111)面基板
402 バッファ層
403 アンドープGaN層
404 アンドープAl0.2Ga0.8N層
405 p型Al0.2Ga0.8Nコントロール層
406 高濃度p型GaNコンタクト層
407 SiNパッシベーション膜
408 Ti/Alソース電極
409 Ti/Alドレイン電極
410 Niゲート電極
411 p型化領域
412 Niオーミック電極
413 凹部
501 サファイア(0001)面基板
502 AlNバッファ層
503 アンドープGaN層
504 アンドープAl0.2Ga0.8N層
505 p型Al0.2Ga0.8Nコントロール層
506 高濃度p型GaNコンタクト層
507 SiNパッシベーション膜
508 Ti/Alソース電極
509 Ti/Alドレイン電極
510 Niゲート電極
511 p型化領域
512 Niオーミック電極
513 p型GaN層
514 Al0.2Ga0.8N層
515 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネル領域を構成する第1の窒化物半導体層と、
前記第1の窒化物半導体層の上に設けられている前記第1の窒化物半導体層よりもバンドギャップが大きい第2の窒化物半導体層と、
前記第2の窒化物半導体層の上に設けられている、p型の導電性を有し、コントロール領域を構成する第3の窒化物半導体層と、
前記コントロール領域に接しているゲート電極と、
前記コントロール領域の両側方に設けられているソース電極及びドレイン電極と、
前記第1の窒化物半導体層に接続している正孔排出用電極と
を備えるトランジスタ。
【請求項2】
前記正孔排出用電極は、前記第1の窒化物半導体層の上方に形成されており、
前記正孔排出用電極に接続している前記第1の窒化物半導体層及び前記第2の窒化物半導体層は、p型化領域を有する
請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項3】
前記正孔排出用電極を形成する材料は、前記第1の窒化物半導体層まで拡散している
請求項2に記載のトランジスタ。
【請求項4】
前記第2の窒化物半導体層には欠落部が設けられており、前記正孔排出用電極は前記欠落部に設けられている
請求項3に記載のトランジスタ。
【請求項5】
前記第1の窒化物半導体層は、前記第1の窒化物半導体層の上面及び下面と平行に、p型の第4の窒化物半導体層を有しており、
前記第1の窒化物半導体層のp型化領域は、前記第4の窒化物半導体層と接している
請求項3に記載のトランジスタ。
【請求項6】
前記第4の窒化物半導体層は、前記ゲート電極の前記ソース電極寄りの端部の下方位置から前記ソース電極寄りの領域にのみ設けられている
請求項5に記載のトランジスタ。
【請求項7】
前記第1の窒化物半導体層は、前記第4の窒化物半導体層の直下に設けられている、前記第4の窒化物半導体層よりもバンドギャップが大きい第5の窒化物半導体層を有する
請求項5に記載のトランジスタ。
【請求項8】
前記第4の窒化物半導体層は、前記ゲート電極の前記ソース電極寄りの端部の下方位置から前記ソース電極寄りの領域にのみ設けられており、
前記第5の窒化物半導体層は、前記第4の窒化物半導体層の両端部間にのみ設けられている
請求項7に記載のトランジスタ。
【請求項9】
更に、導電性の基板を備え、
前記第1の窒化物半導体層は、前記基板の上に設けられており、
前記第1の窒化物半導体層には、第1の貫通部が設けられており、
前記第2の窒化物半導体層には、前記第1の貫通部と連続する第2の貫通部が設けられており、
前記基板には、前記第1の貫通部及び前記第2の貫通部と連続する凹部が設けられており、
前記正孔排出用電極は、前記凹部の表面、前記第1の窒化物半導体層の前記第1の貫通部の表面、及び、前記第2の窒化物半導体層の前記第2の貫通部の表面に連続して設けられている
請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項10】
更に、前記第2の窒化物半導体層の上に設けられ設けられている、p型の導電性を有する第6の窒化物半導体層を備え、
前記正孔排出用電極は、前記第6の窒化物半導体層の上に設けられている
請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項11】
前記ソース電極は、前記正孔排出用電極と電気的に接続している
請求項1〜10の何れか1つに記載のトランジスタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−329205(P2007−329205A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157776(P2006−157776)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】