説明

トレッドの製造装置及び方法

本発明は、タイヤのトレッドの製造装置であって、トレッドは、高さhの複数の凸状異形要素を有し、凸状異形要素の半径方向外面は、タイヤが路面上を動いているときに地面に接触するようになっており、製造装置は、受入れ面(S)を形成するベースバンド(MB)を保持するのに適した回転保持体と、出口チャネルが半径方向に且つ受入れ面(S)に実質的に垂直に差し向けられた複数の押出しノズルを有する押出しダイ(1)と、各々が1つ又は2つ以上の別々の押出しノズルに開口した少なくとも2つの混合物供給手段と、押出しダイを受入れ面(S)に対して位置決めすると共に動かす手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤの製造に関する。本発明は、特に、各トレッドブロックが互いに異なる品質の少なくとも2種類のエラストマーコンパウンドで作られたタイヤトレッドの製造の問題に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のタイヤは、一例を挙げると、国際公開第03/089257号パンフレット及び日本国特開2005/186841号公報に記載されている。この特定の構成は、乾いた路面上におけるタイヤの耐摩耗性及びグリップ性を減少させないで、とりわけ濡れた路面上におけるタイヤの性能を向上させるよう設計されている。
【0003】
この種のトレッドの製造では、材料を正確且つ再現可能な仕方で位置決めするのに多大な注意を払う必要がある。一方法が提案されて国際公開第2006/069912号パンフレットにおいて公開された。この方法では、ノズルの端部を未硬化ベーストレッド内に押し込んだ後、ノズルを用いて挿入コンパウンドを所定の位置で未硬化ベーストレッド中に射出する。生タイヤをプレス内に導入する際、対応のトレッドパターンを備えた結果として生じるインサートを整列させるのに多大な注意が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第03/089257号パンフレット
【特許文献2】日本国特開2005−186841号公報
【特許文献3】国際公開第2006/069912号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この方法には、特に高精度の成形物を製作する場合に、或る特定の欠点があることが観察されている。成形中におけるゴムの運動により、コンパウンドの挿入物のランダムな運動が生じる。これにより、コンパウンド相互間のインタフェースの相当なばらつきが生じ、それにより、トレッド要素中に射出できる互いに異なるコンパウンドの数が制限される。
【0006】
本発明の目的は、特に複数の互いに異なるコンパウンド品質から成る凸状トレッド要素を製造したい場合に上述した方法の欠点を軽減する装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の装置は、受入れ面Sを形成するベースストリップを支持するのに適した回転組立体と、出口チャネルが受入れ面にほぼ垂直に半径方向に差し向けられた複数の押出しノズルを有する押出しダイと、各々が1つ又は2つ以上の別々の押出しノズルへの供給を行う少なくとも2つのコンパウンド供給手段と、押出しダイを受入れ面Sに対して位置決めすると共に動かす手段とを有する。
【0008】
また、本発明によれば、先の段落に詳細に記載された装置を用いてタイヤのトレッドを製造する方法により、複数の凸状トレッド要素を有するトレッドを製造することが可能である。かかる方法は、
・未硬化エラストマーベースコンパウンドから受入れ面として働くベースストリップを調製するステップと、
・コンパウンドを押出しノズルから押し出すことによりトレッド要素の配設場所に本質的に一致した所定の場所でベースストリップに、凸状トレッド要素を形成するよう設計された未硬化コンパウンドのブロックを直接張り付けるステップとを有し、ブロックの各々は、互いに異なる品質の少なくとも2種類の未硬化エラストマーコンパウンドで構成されている。
【0009】
これにより、トレッド突部が見え、ほぼこれらの最終の配置場所に位置決めされたトレッドが得られる。生タイヤをプレス内に配置し、金型の凹凸パターンが生タイヤ中に前進すると、金型の凸状部分は、これら自体、コンパウンドのブロック相互間の空間中に直接位置する。したがって、ゴムの運動は、大幅に減少し、トレッド窪みの充填に制限される。その結果、1つの凸状トレッド要素内への異種コンパウンドの位置決めが非常に正確になる。
【0010】
以下の説明は、本発明の特定の一装置に関し、図1〜図17に基づいている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】コンパウンドのブロックが張り付けられた生タイヤの略図である。
【図2】コンパウンドのブロックの略図である。
【図3】本発明の装置を使用する際の一ステップを示す図である。
【図4】本発明の装置を使用する際の別のステップを示す図である。
【図5】本発明の装置を使用する際の別のステップを示す図である。
【図6】本発明の装置を使用する際の別のステップを示す図である。
【図7】本発明の装置を使用する際の別のステップを示す図である。
【図8】本発明の装置を使用する際の別のステップを示す図である。
【図9】本発明の装置の第1の変形例を示す図である。
【図10】本発明の装置の第2の変形例を示す図である。
【図11】本発明の装置の第3の変形例を示す図である。
【図12】供給手段及び押出しダイの略図である。
【図13】本発明の装置で作ることができるパターンの一例を示す図である。
【図14】本発明の装置で作ることができるパターンの別の例を示す図である。
【図15】本発明の装置で作ることができるパターンの別の例を示す図である。
【図16】本発明の装置で作られた一トレッドパターンの図である。
【図17】本発明の装置で作られた別のトレッドパターンの図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、横方向軸線OO′を中心として回転する支持体Mに布設されたベースストリップMBの概略断面図である。ブロックPが非常に正確な所定の方位角αでベースストリップに張り付けられている。方位角α及び横方向OO′に対するコンパウンドのブロックPの位置は、最終のタイヤのトレッドの凸状要素の位置に対応している。
【0013】
本発明を実施するための支持体Mの形状は、クラウン補強プライ及びトレッドが独立の型に組み付けられたタイヤ組立体手段の場合のように円筒形であっても良く、或いは、生タイヤの全体がこの型に組み付けられるトーラス形であっても良い。
【0014】
ベースストリップMBを平らな支持体上に配置することにより本発明を完全に実施することができる。製造の後の段階において、そして、ベースストリップ上にコンパウンドのブロックを配置した後、所与の長さ分のベースストリップを取り、この長さ分をクラウン組み立て型上に張り付けることが必要である。この場合、ストリップの2つの端部が溶接されるべき正確な場所に配置されたコンパウンドのブロックを損傷させないでストリップの2つの端部を突き合わせ接合するのが困難なことは理解されよう。加うるに、巻き付け法により所与の長さ分のベースストリップを張り付けることに起因する不正確さにより、本発明の方法の実施により達成しようとする作用効果そのものが損なわれる場合がある。したがって、ベースコンパウンドがそのほぼ最終位置に布設され、コンパウンドのブロックの位置の正確な割り送りを可能にする円筒形又はトーラス形支持体を用いることが好ましいであろう。この割り送りの有用性は、本明細書における説明中に明らかになろう。
【0015】
図2は、図1の円で囲んだ領域の詳細図である。ブロックPは、ベースストリップMBの表面に被着された2つの互いに異なるコンパウンドME1,ME2の並置によって形成されている。コンパウンドME1,ME2は、本発明の方法の実施の際にコンパウンドを装置の種々の部材中に流すことができるよう未硬化である。
【0016】
コンパウンドのブロックPは、タイヤトレッドの凸状要素の高さにほぼ一致した高さhを有している。コンパウンドブロックの横方向及び円周方向寸法も又、多大な注意を払って、トレッド要素の寸法にできるだけ正確に一致するよう制御される。
【0017】
ブロックPの半径方向外面Psは、タイヤが路面に沿って転動しているときに地面に接触するよう設計されている凸状トレッド要素の表面の形状にほぼ一致し、ブロックPは、この凸状トレッド要素に対応している。転動中のタイヤの性能に対する上述の作用効果を得るために、コンパウンドの各々が表面Psの高さ位置と面一をなすような仕方で半径方向に配置されていることも又観察されるべきである。
【0018】
図3〜図8は、本発明の装置の使用における種々の段階を概略的に示している。図3は、受入れ面Sにほぼ垂直な方向に半径方向に差し向けられた押出しノズル11,12,13,14,15の並置により形成された押出しダイ1を概略的に示している。この図に示されている本発明の実施例は、5つの個々の押出しノズルが設けられていることを示している。言うまでもないこととして、ノズルのこの数を横方向又は円周方向に多くすることができ、これは本発明の範囲から逸脱しない。
【0019】
引き続き図3に示されている例を参照すると、各ノズルは、供給チャネルによってコンパウンド供給手段(図示せず)に連結されている。図3に示されている装置の場合、押出しノズル11は、コンパウンドME1を送り出す供給手段に連結されており、押出しノズル12,13,14,15は、コンパウンドME2を送り出す供給手段に連結されている。後で説明するように、製造上の要件に応じて、必要なほど多くの構成を案出し、ノズルを2つ又は3つ以上の個々の供給手段に連結することが可能である。
【0020】
出口オリフィス111,121,131,141,151は、受入れ面Sにほぼ平行な平面内に配置される。これは、コンパウンドME1,ME2の各々がブロックPの表面Psと面一をなすブロックのパターンを作製することが望ましい場合に有用であることが判明している。
【0021】
また、押出しノズル出口チャネルのオリフィスが領域Ps内に内接するような仕方でこれらオリフィスを配置する手だてが講じられる。
【0022】
この方法を実施する際の第1のステップは、押出しダイを前進させて出口オリフィスが受入れ面Sのできるだけ近くに位置するようにすることである。図4は、押出しノズルの出口オリフィス111,121,131,141,151が受入れ面と接触状態にある場合を示している。
【0023】
図5に示されている次のステップは、コンパウンド供給手段を作動させてノズル11,12,13,14,15のオリフィス111,121,131,141,151からコンパウンドME1,ME2を押し出すことである。それと同時に、押出しダイをrの方向に表面から半径方向に引き戻し、押出しオリフィスにより形成された平面と受入れ面との間の空間がノズルから出たコンパウンドME1,ME2で満たされるようにする。押出しダイの引っ込み速度は、押出しノズルによるこの空間の充填速度に合わせて調節されなければならず、したがって、押出しノズルオリフィスと作られているブロックの半径方向上方部分との間に生じる場合のあるボイドが可能な限り存在しないようにする。
【0024】
押出しオリフィスが図6に示されているように受入れ面から半径方向高さhのところに位置している場合、押出し流が中断される。
【0025】
受入れ面から遠ざかる押出しダイの半径方向運動は、この場合、押出しオリフィス111,121,131,141,151から出ているコンパウンドのビードが切れるまで続行される。この目的のため、出口オリフィスの断面は、押出しノズルのチャネルの断面よりも著しく小さく作られる。その目的は、それに応じて、ノズルから出るコンパウンドのビードの断面を減少させることにある。それ故、出口オリフィスの断面が小さければ小さいほど、ビードが切れる前に移動しなければならない距離がそれだけ一層短くなると共に表面Psが不規則になる度合いがそれだけ一層低くなる。他方、断面が小さすぎると、その結果、特に被着サイクルを加速する明白な理由で流量を増大させることが望ましい場合、押出し中、コンパウンドの過度の加熱が起こる傾向がある。
【0026】
次の段階では、支持体Mを図8に示されているように押出しダイに対して円周方向cに移動させる。実際には、支持体Mを回転駆動手段を用いて円周方向における相対運動を生じさせ、押出しダイをベースストリップMBに対してその正確な位置に位置決めする目的で押出しダイに横方向(方向OO′に平行である)における移動手段を設けることが好都合であるということがわかり、押出しダイの正確な位置は、上述したトレッド要素の位置に対応している。これら2つの手段の組み合わせにより、押出しダイを受入れ面Sに対して正確に位置決めすることができる。好ましくは、モータを制御する自動システムによって制御され、支持体Mを回転させたり押出しダイ1を並進運動させたりする手段が用いられる。
【0027】
この場合、被着サイクルは、上述した順序のシーケンスを実施し、トレッド凸状要素を形成するブロックの全てを張り付けることにより再び開始可能である。
【0028】
1つの完成したトレッドを製作するのに必要な時間を短くするため、多数の押出しダイを円周方向又は横方向に配置することが可能である。ただし、トレッドの幾何学的パターンがこの形態に適していることを条件とする。同様に、押出しダイの数及び形状は、有利には、実施されるべき作業の数を減少させるようにトレッドの様々なベースパターンに適合可能である。
【0029】
図9、図10及び図11は、本発明の範囲から逸脱しないで構成できる改良例を示している。壁21,22,23が、押出しダイを包囲している。この壁は、押出しノズルオリフィスにより形成される平面を越えてコンパウンドの外方流れ方向に伸長可能である。実際には、壁は、押出しノズルオリフィスにより形成された平面と受入れ面Sとの間で半径方向に延びている。
【0030】
この場合、幾つかの形態が可能である。
【0031】
図9に示されている第1の形態は、押出しダイ1が壁21に対して固定されている場合に相当している。この場合、壁21は、円錐の形をしているのが良く、円錐の母線は、形状が本質的に、表面Psの周囲に一致した閉じられた曲線を通ると共に受入れ面の半径方向外側に位置する箇所に向かって収斂し、受入れ面Sに対して角度δをなしている。この壁は、母線が受入れ面Sにほぼ垂直な方向に差し向けられると共に更に表面Psの周囲に一致した曲線を通る筒体の形をしていても良い。
【0032】
図9に示されている形態では、壁21の高さは、コンパウンドのブロックの高さhにほぼ等しい。この場合、壁21、受入れ面S及び押出しノズルオリフィスにより形成された平面で構成される空間は、押出しダイの半径方向運動なしで満たされる。
【0033】
図10に示されている第2の形態では、壁22は、押出しダイ1に対して固定されたままであるが、高さhよりも低い高さeのところに位置したままである。この場合、押出しダイの半径方向運動は、受入れ面S、ノズルオリフィスにより形成された平面及び壁22により境界づけられた容積部に対応した容積部VがコンパウンドME1,ME2で完全に満たされるまで遅らされる。容積部Vが一杯になると、押出しダイは、オリフィスにより形成された平面が高さhにより受入れ面から分離されるまで半径方向に動く。
【0034】
図11に示されている第3の形態では、壁23が押出しダイに対して動くことができるようにする。この場合、壁23の形状を円筒形にして押出しダイが壁23により境界付けられた内部空間内で半径方向に滑ることができるようにするのが有利である。この形態では、壁23の半径方向内縁部は、コンパウンドの押出し期間全体を通じて受入れ面Sと接触状態のままである。押出しダイは、受入れ面、壁23及び押出しノズルオリフィスにより形成された平面相互間の空間が満たされるのと同一の速度で半径方向に動く。この特定の構成の使用の結果として、ブロックPの側部周りの表面品質が良好になる。
【0035】
図12は、コンパウンド供給手段31,32と押出しダイ1との間の連結部を概略的に示している。図12に示されている場合では、押出しダイは、2つの列をなして配列された8つの押出しノズルから成る。1つの列は、ノズル11a,12a,13a,14aによって形成され、第2の列は、ノズル11b,12b,13b,14bによって形成されている。これら2つの列は、円周方向において互いに前後に配置され、図12の記載は、ノズルの2つの列を平べったく広げた図である。
【0036】
この装置は、コンパウンドME1,ME2のそれぞれの2つの供給手段31,32を更に有している。各供給手段は、分配チャネルにより少なくとも1つの押出しノズルに連結されている。かくして、ノズル11a,11bは、コンパウンドME1に専用の供給手段31に連結され、ノズル12a,13a,14a,12b,13b,14bはコンパウンドME2に専用の供給手段32に連結されている。
【0037】
供給手段は、スクリュー押出機型のものであるのが良く、又は、好ましくは、一定の体積流量を送り出すことができるゴムポンプ型の容量形押出し手段である。この最後に述べたオプションは、ブロックPの体積を非常に正確に制御することができるということに鑑みて、この種の用途に特に適している。
【0038】
供給手段31,32の流量を押出しノズルの出口のところにおけるかかる流量が互いにほぼ等しいように調節する手だてがとられる。したがって、図2に示されている特定の場合、供給手段32の流量は、供給手段31の流量の3倍以上であろう。
【0039】
図13は、図12に示されている形態に構成された装置により作られていて、半径方向に出たブロックPを示している。押出しノズルの各々は、ブロックPの体積の1/8にほぼ相当するコンパウンドの較正された量を送り出す。
【0040】
言うまでもないこととして、ノズルの数及び種々の供給手段の数に関して考えられる組み合わせの数は、制限されず、本質的には、製作しようとするコンパウンドのブロックの幾何学的特徴並びに個々のノズル及び供給チャネルのサイズで決まる。ノズルの個数を増大させることにより、非常に正確なパターンを作ることができ、供給手段の個数を増大させることにより、理想的な品質のエラストマーコンパウンドをトレッドブロックの各部分に送り出すことができる。
【0041】
図14及び図15は、図12に示されているように8つのノズルに向いた2種類のコンパウンドME1,ME2の分布における他の構成例を示している。
【0042】
図16及び図17は、2種類の互いに異なるコンパウンド(ME1,ME2)又は3種類の互いに異なるコンパウンド(ME1,ME2,ME3)で作られたコンパウンドのブロックの概略斜視図である。
【0043】
コンパウンドのブロックをベースストリップ全体上にいったん張り付けると、生タイヤを硬化のために送ることができる。
【0044】
この目的のため、生タイヤは、最終形状をトレッドに与えるよう設計された凸状部分を有し、ダイと呼ばれる場合が多い硬化金型内に配置される。したがって、タイヤを硬化プレス内に正確に位置決めしてライナの凸状部分が生タイヤのコンパウンドのブロック相互間の間隔と一線をなして半径方向に提供され、コンパウンドの各ブロックがこれに対応したトレッド要素と半径方向に一線をなして配置されるようにすることが第1に重要なことである。
【0045】
この目的のため、高精度の割り送り手段を組み立て支持体M及び硬化プレスに設け、これら相互間の位置合わせにより、プレス内における生タイヤの方位角が正確であるようにすることが推奨される。かかる手段は、例えば、上述の国際公開第2006/069912号パンフレットに記載されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤのトレッドの製造装置であって、前記トレッドは、高さ(h)の複数の凸状要素を有し、前記凸状要素の半径方向外面(Ps)は、前記タイヤが路面上を転動しているときに地面に接触するよう設計されており、前記製造装置は、受入れ面(S)を形成するベースストリップ(MB)を支持するのに適した回転支持体(M)と、出口チャネルが前記受入れ面(S)にほぼ垂直に半径方向に差し向けられた複数の押出しノズル(11,12,13,14,15)を有する押出しダイ(1)と、各々が1つ又は2つ以上の別々の押出しノズルへの供給を行う少なくとも2つのコンパウンド供給手段(31,32)と、前記押出しダイを前記受入れ面(S)に対して位置決めすると共に動かす手段とを有する、装置。
【請求項2】
前記ベースストリップ支持組立体(M)は、生タイヤを形成するコンポーネントがまず最初に布設されたほぼトーラス形のコアにより形成されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記ベースストリップ支持組立体(M)は、タイヤのクラウン補強構造体を形成するよう設計されたコンポーネントがまず最初に張り付けられた筒体により形成されている、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記コンパウンド供給手段(31,32)は、押出機から成る、請求項1〜3のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項5】
前記押出機(31,32)は、容量形押出機である、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記ノズル移動・位置決め手段は、前記押出しダイ(1)を前記受入れ面(S)にほぼ垂直な半径方向に動かすのに適している、請求項1〜5のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項7】
前記押出しノズル(11,12,13,14,15)のオリフィス(111,121,131,141,151)は、該オリフィスが地面に接触するよう設計されたトレッド要素の領域とほぼ同じ形状を有する平面状の領域(Ps)内にほぼ内接するように配置されている、請求項1〜6のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項8】
前記押出しノズル(11,12,13,14,15)の出口オリフィス(111,121,131,141,151)は、前記押出し流を中断したときにコンパウンドのビードが切れることができるよう前記ノズルの断面よりも小さな断面を有する、請求項1〜7のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項9】
射出ノズルオリフィスにより形成された平面を越えて前記コンパウンドの出力流れの方向に延びるのに適した壁(21,22,23)が、前記押出しダイ(1)を包囲している、請求項1〜8のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項10】
前記壁(22,23)は、筒体の形をしており、前記筒体の母線は、前記受入れ面(S)に垂直な方向に差し向けられると共に形状が本質的に、地面に接触するよう設計されたトレッド要素の前記領域(Ps)の周囲に一致する閉じられた曲線を通っている、請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記壁(23)は、前記押出しダイ(1)に対して動くことができる、請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記壁(21)は、円錐の形をしており、前記円錐の母線は、形状が本質的に、地面に接触するよう設計されたトレッド要素の前記領域(Ps)の周囲に一致した閉じられた曲線を徹と共に本質的に、前記受入れ面上の半径方向外側の箇所に向かって収斂し、前記受入れ面(S)に垂直な方向に対して所与の角度δをなしている、請求項9記載の装置。
【請求項13】
前記壁(21,22)は、前記押出しダイ(1)に対して固定されている、請求項10又は12記載の装置。
【請求項14】
前記壁(22)は、前記押出しノズル(11,12,13,14,15)の前記オリフィス(111,121,131,141,151)により形成された平面を越えて所与の高さ(e)だけ前記コンパウンドの出口方向に半径方向に延び、前記所与の高さ(e)は、前記トレッド要素の前記高さ(h)よりも小さい、請求項13記載の装置。
【請求項15】
請求項1〜14のうちいずれか一に記載の装置を用いてタイヤのトレッドを製造する方法であって、前記トレッドは、複数の凸状トレッド要素を有し、前記方法は、
・受入れ面(S)として作用する未硬化エラストマーベースコンパウンドで作られたベースストリップ(MB)を回転支持体(M)に張り付けるステップと、
・エラストマーコンパウンド(ME1,ME2)を押出しノズル(11,12,13,14,15)から押し出すことにより前記トレッド要素の配設場所に本質的に一致した所定の場所で前記ベースストリップに、凸状トレッド要素を形成するよう設計された未硬化コンパウンドのブロック(P)を直接張り付けるステップとを有し、前記ブロックの各々は、互いに異なる品質の少なくとも2種類の未硬化エラストマーコンパウンド(ME1,ME2)で構成されている、製造方法。
【請求項16】
前記コンパウンドは、前記押出しノズルから押し出され、前記押出しダイ(1)は、前記押出しノズル(11,12,13,14,15)のオリフィス(111,121,131,141,151)が前記受入れ面(S)のできるだけ近くに存在する位置から前記押出しノズルオリフィスが前記受入れ面から所定の距離(h)のところに位置し、押出しがこの最後の位置に達すると停止される位置まで前記受入れ面(S)に垂直に動かされる、請求項15記載の製造方法。
【請求項17】
前記供給手段(31,32)の流量は、前記出口ノズルの各々の出口のところでの流量が互いにほぼ等しくなるよう調節され、前記コンパウンドの各々が前記トレッド要素(P)の半径方向外面(Ps)と面一をなすようになる、請求項16記載の製造方法。
【請求項18】
前記押出しダイ(1)の移動は、前記押出しノズルオリフィスから出るコンパウンドの前記ビードが切れるまで前記所定の距離(h)を越えて続けられる、請求項17記載の製造方法。
【請求項19】
前記生タイヤを硬化プレス内に所定の方位角で位置決めするステップを更に有し、電気コンパウンドのブロック(P)が、これらの対応のトレッド要素の方に半径方向に向いた状態で配置されるようになっている、請求項15〜18のうちいずれか一に記載の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公表番号】特表2011−505282(P2011−505282A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536428(P2010−536428)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【国際出願番号】PCT/EP2008/066647
【国際公開番号】WO2009/071551
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(599093568)ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン (552)
【出願人】(508032479)ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム (499)
【Fターム(参考)】