説明

ドキュメント管理プログラム、ドキュメント管理システム及びドキュメント管理方法

【課題】ドキュメントファイルの消失や漏洩を防止する。
【解決手段】ネットワーク4を介して、オンラインストレージサーバ3とクライアントコンピュータ2を接続したオンラインストレージシステムにおいて、クライアントコンピュータ2で作成・更新されたドキュメントファイルの実体を、アプリケーションによるファイルオープン時を除き、常にオンラインストレージサーバ3側で管理する。また、ドキュメントファイルのアップロードやダウンロードに際しては、ユーザに特別な操作を要求せず、ローカルストレージとオンラインストレージのシームレスな運用を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドキュメントファイルの消失や漏洩を防止することができるドキュメント管理プログラム、ドキュメント管理システム及びドキュメント管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業などで扱うドキュメントファイルについて、セキュリティレベルの向上が求められている。例えば、モバイル端末の紛失や盗難に伴うドキュメントファイルの消失や漏洩は、大きな社会問題となっており、特に、個人情報を大量に扱う企業などにおいては、ドキュメントファイルの消失や漏洩について、万全の対策を講じることが要求されている。
【0003】
ドキュメントファイルの消失や漏洩を防止し得るシステムとしては、オンラインバックアップシステム、シンクライアントシステム(例えば、特許文献1参照)、オンラインストレージシステム(ファイルサーバシステム)などが知られている。例えば、ドキュメントファイルの消失に対しては、オンラインバックアップシステム、シンクライアントシステム、オンラインストレージシステムの導入が有効とされ、ドキュメントファイルの漏洩に対しては、シンクライアントシステムやオンラインストレージシステムの導入が有効とされている。以下、各システムの概要について説明する。
【0004】
オンラインバックアップシステムは、クライアントコンピュータの記憶領域にあるファイルを、ネットワークを介して接続されたバックアップサーバの記憶領域にバックアップするシステムである。このようなシステムを実現するバックアッププログラムは、通常、バックアップ開始日時を任意に設定できるようになっており、所定時間毎(例えば、1時間毎)のバックアップや、所定時刻(例えば、毎日17時)のバックアップが可能となっている。
【0005】
シンクライアントシステムは、ハードディスクを搭載せず、メモリのみを搭載したクライアントコンピュータと、ネットワークを介して複数のクライアントコンピュータが接続されるシンクライアントサーバとを備えて構成されており、クライアントコンピュータのユーザは、シンクライアントサーバ上のアプリケーションを用いて作業を行うと共に、それにより作成・更新されたファイルもシンクライアントサーバ上に保存するようになっている。したがって、このシステムでは、クライアントコンピュータを紛失したり、盗難されても、ドキュメントファイルの漏洩リスクが極めて低いといえる。
【0006】
オンラインストレージシステムは、クライアントコンピュータと、ネットワークを介して複数のクライアントコンピュータが接続されるオンラインストレージサーバとを備えて構成されており、クライアントコンピュータのユーザは、クライアントコンピュータ上のアプリケーションを用いて作業を行うと共に、それにより作成・更新されたドキュメントファイルをオンラインストレージサーバ上に保存するようになっている。したがって、このシステムでは、重要なドキュメントファイルをオンラインストレージサーバ上に保存し、クライアントコンピュータ上に保存しないという運用ルールを守れば、クライアントコンピュータを紛失したり、盗難されても、ドキュメントファイルの漏洩リスクが低いといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−323402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のオンラインバックアップシステムは、ファイルの消失防止を目的とし、ファイルの保存先を多重化するに過ぎないため、クライアントコンピュータの紛失や盗難に伴うドキュメントファイルの消失は防げるものの、クライアントコンピュータに保存されているドキュメントファイルの漏洩を阻止することは困難であった。
【0009】
一方、シンクライアントシステムは、ドキュメントファイルの漏洩に係るセキュリティ性に優れているが、システム構築に際し、特別なハードウェアやオペレーティングシステムの導入が必要になるため、導入コストがどうしても高くなり、また、クライアントコンピュータの同時接続数が多い状況では、サーバ混雑によるユーザストレスが大きいという問題がある。
【0010】
その点、オンラインストレージシステムは、安価なサーバを導入するだけで、システムを構築することが可能であるが、オンラインストレージサーバに対するドキュメントファイルの保存は、ユーザが手動で行う必要があるので、保存先の指定などに手間がかかり、ユーザの操作負担が増大するという問題がある。また、重要なドキュメントファイルをオンラインストレージサーバ上に保存し、クライアントコンピュータ上に保存しないという運用ルールは、全てのユーザが守ることが前提であり、一人でもこのルールを守らないユーザがいれば、ドキュメントファイルの消失や漏洩が発生する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、本発明のドキュメント管理プログラムは、オンラインストレージサーバを動作させるサーバ用プログラムと、ネットワークを介してオンラインストレージサーバに接続されるクライアントコンピュータを動作させるクライアント用プログラムと、を含み、前記サーバ用プログラムは、クライアントコンピュータからドキュメントファイルを受信し、受信したドキュメントファイルをオンラインストレージに格納するファイル受信手段と、クライアントコンピュータからの要求に応じて、オンラインストレージ上の該当ドキュメントファイルをクライアントコンピュータに送信するファイル送信手段としてオンラインストレージサーバを動作させ、前記クライアント用プログラムは、クライアントコンピュータが備えるローカルストレージにおけるドキュメントファイルの作成及び更新を検知するファイル作成・更新検知手段と、ドキュメントファイルの作成・更新を検知した場合に、そのドキュメントファイルをオンラインストレージサーバに自動的にアップロードする自動アップロード手段と、オンラインストレージサーバへのアップロードが完了したドキュメントファイルの実体を、クライアントコンピュータのローカルストレージから自動的に削除する作成・更新ファイル自動削除手段と、実体がオンラインストレージサーバ上にあるドキュメントファイルのオープン操作を検知するオープン操作検知手段と、オープン操作のあったドキュメントファイルの実体をオンラインストレージサーバから自動的にダウンロードする自動ダウンロード手段と、ダウンロードしたドキュメントファイルを、当該ドキュメントファイルに関連付けられたアプリケーションに引き渡すファイル引き渡し手段としてクライアントコンピュータを動作させることを特徴とする。
また、前記クライアント用プログラムは、オンラインストレージサーバへのアップロードが完了したドキュメントファイルの実体を、クライアントコンピュータのローカルストレージから自動的に削除する際に、クライアントコンピュータ上に、オンラインストレージサーバ上の対応するドキュメントファイルにリンクされたショートカットを作成するショートカット作成手段としてクライアントコンピュータを動作させることを特徴とする。
また、前記オープン操作検知手段は、前記ショートカットのオープン操作に基づいて、実体がオンラインストレージサーバ上にあるドキュメントファイルのオープン操作を検知することを特徴とする。
また、前記クライアント用プログラムは、クライアントコンピュータ上に作成された前記ショートカットの一覧と、オンラインストレージサーバ上のドキュメントファイルの一覧とを比較し、前記ショートカットをオンラインストレージサーバ上のドキュメントファイルに同期させるショートカット同期手段としてクライアントコンピュータを動作させることを特徴とする。
また、前記クライアント用プログラムは、前記ショートカットがクライアントコンピュータ上のごみ箱フォルダに移動された場合に、オンラインストレージサーバにごみ箱移動要求を送信するごみ箱移動要求送信手段と、クライアントコンピュータ上のごみ箱フォルダにある前記ショートカットが元の位置に戻された場合に、オンラインストレージサーバにファイル復元要求を送信するファイル復元要求手段としてクライアントコンピュータを動作させ、前記サーバ用プログラムは、クライアントコンピュータからごみ箱移動要求を受信した場合に、オンラインストレージサーバ上にある対応ドキュメントファイルを、オンラインストレージサーバ上のごみ箱フォルダに移動させるごみ箱移動手段と、クライアントコンピュータからファイル復元要求を受信した場合に、オンラインストレージサーバ上のごみ箱フォルダにある対応ドキュメントファイルを元の位置に復元させるファイル復元手段としてオンラインストレージサーバを動作させることを特徴とする。
また、前記クライアント用プログラムは、オンラインストレージサーバにごみ箱ファイル一覧要求を送信するごみ箱ファイル一覧要求手段と、オンラインストレージサーバからごみ箱ファイル一覧データを受信した場合に、これを表示するごみ箱ファイル一覧表示手段と、ごみ箱ファイル一覧表示画面におけるドキュメントファイルの復元操作に応じて、オンラインストレージサーバにファイル復元要求を送信するファイル復元要求手段と、復元操作されたドキュメントファイルに対応するショートカットを、クライアントコンピュータ上の元の位置に復元させるショートカット復元手段としてクライアントコンピュータを動作させ、前記サーバ用プログラムは、クライアントコンピュータからのごみ箱ファイル一覧要求を受信した場合に、オンラインストレージサーバ上のごみ箱フォルダにあるドキュメントファイルの一覧データをクライアントコンピュータに送信するごみ箱ファイル一覧送信手段と、クライアントコンピュータからファイル復元要求を受信した場合に、オンラインストレージサーバ上のごみ箱フォルダにある対応ドキュメントファイルを元の位置に復元させるファイル復元手段としてオンラインストレージサーバを動作させることを特徴とする。
また、前記自動アップロード手段は、ドキュメントファイルを暗号化してオンラインストレージサーバにアップロードし、前記ファイル受信手段は、クライアントコンピュータから受信したドキュメントファイルを暗号化されたままの状態でオンラインストレージに格納し、前記ファイル送信手段は、オンラインストレージ上のドキュメントファイルを暗号化されたままの状態でクライアントコンピュータに送信し、前記自動ダウンロード手段は、オンラインストレージサーバからダウンロードした暗号化状態のドキュメントファイルを復号化することを特徴とする。
また、前記ファイル受信手段は、上書きされるドキュメントファイルを所定の世代数に亘って保存することを特徴とする。
また、前記クライアント用プログラムは、ID及びパスワードの入力を要求する認証情報入力要求手段と、入力されたID及びパスワードをオンラインストレージサーバに送信する認証情報送信手段としてクライアントコンピュータを動作させ、前記サーバ用プログラムは、クライアントコンピュータからID及びパスワードを受信した場合に、受信したID及びパスワードを、予め記憶しているID及びパスワードと照合する認証情報照合手段と、受信したID及びパスワードが予め記憶しているID及びパスワードと一致した場合に、認証に成功した旨の応答をクライアントコンピュータに送信し、一致しなかった場合に、認証に成功しなかった旨の応答をクライアントコンピュータに送信する認証結果応答手段としてオンラインストレージサーバを動作させることを特徴とする。
また、本発明のドキュメント管理システムは、オンラインストレージサーバと、ネットワークを介してオンラインストレージサーバに接続されるクライアントコンピュータとを備え、前記オンラインストレージサーバは、クライアントコンピュータからドキュメントファイルを受信し、受信したドキュメントファイルをオンラインストレージに格納するファイル受信手段と、クライアントコンピュータからの要求に応じて、オンラインストレージ上の該当ドキュメントファイルをクライアントコンピュータに送信するファイル送信手段とを備え、前記クライアントコンピュータは、クライアントコンピュータが備えるローカルストレージにおけるドキュメントファイルの作成及び更新を検知するファイル作成・更新検知手段と、ドキュメントファイルの作成・更新を検知した場合に、そのドキュメントファイルをオンラインストレージサーバに自動的にアップロードする自動アップロード手段と、オンラインストレージサーバへのアップロードが完了したドキュメントファイルの実体を、クライアントコンピュータのローカルストレージから自動的に削除する作成・更新ファイル自動削除手段と、実体がオンラインストレージサーバ上にあるドキュメントファイルのオープン操作を検知するオープン操作検知手段と、オープン操作のあったドキュメントファイルの実体をオンラインストレージサーバから自動的にダウンロードする自動ダウンロード手段と、ダウンロードしたドキュメントファイルを、当該ドキュメントファイルに関連付けられたアプリケーションに引き渡すファイル引き渡し手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明のドキュメント管理方法は、オンラインストレージサーバと、ネットワークを介してオンラインストレージサーバに接続されるクライアントコンピュータとを用い、前記オンラインストレージサーバに、クライアントコンピュータからドキュメントファイルを受信し、受信したドキュメントファイルをオンラインストレージに格納するファイル受信手順と、クライアントコンピュータからの要求に応じて、オンラインストレージ上の該当ドキュメントファイルをクライアントコンピュータに送信するファイル送信手順を実行させ、前記クライアントコンピュータに、クライアントコンピュータが備えるローカルストレージにおけるドキュメントファイルの作成及び更新を検知するファイル作成・更新検知手順と、ドキュメントファイルの作成・更新を検知した場合に、そのドキュメントファイルをオンラインストレージサーバに自動的にアップロードする自動アップロード手順と、オンラインストレージサーバへのアップロードが完了したドキュメントファイルの実体を、クライアントコンピュータのローカルストレージから自動的に削除する作成・更新ファイル自動削除手順と、実体がオンラインストレージサーバ上にあるドキュメントファイルのオープン操作を検知するオープン操作検知手順と、オープン操作のあったドキュメントファイルの実体をオンラインストレージサーバから自動的にダウンロードする自動ダウンロード手順と、ダウンロードしたドキュメントファイルを、当該ドキュメントファイルに関連付けられたアプリケーションに引き渡すファイル引き渡し手順とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、ネットワークを介して、オンラインストレージサーバとクライアントコンピュータを接続したオンラインストレージシステムでありながら、クライアントコンピュータで作成・更新されたドキュメントファイルの実体を、アプリケーションによるファイルオープン時を除き、常にオンラインストレージサーバ側で管理することができる。しかも、ドキュメントファイルのアップロードやダウンロードに際しては、ユーザに特別な操作を要求しないので、ユーザの操作負担を軽減できるだけでなく、ローカルストレージとオンラインストレージのシームレスな運用が可能となる。
また、請求項2の発明によれば、オンラインストレージサーバ上のドキュメントファイルに対するアクセスが容易になるので、ユーザの操作負担を増大させることなく、ドキュメントファイルの再編集を行うことが可能になる。
また、請求項3の発明によれば、クライアントコンピュータ上のドキュメントファイルをオープンする場合と同様の操作で、オンラインストレージサーバ上のドキュメントファイルをオープンすることができる。
また、請求項4の発明によれば、オンラインストレージサーバ上のドキュメントファイルを複数のクライアントコンピュータ間で共有する場合、複数のクライアントコンピュータにおけるショートカットの同期により、一のクライアントコンピュータによるドキュメントファイルの作成や更新を、他のクライアントコンピュータにも反映させることができる。
また、請求項5の発明によれば、クライアントコンピュータ上におけるショートカットのごみ箱移動操作(削除操作)や復元操作に連動し、オンラインストレージサーバ上にある対応ドキュメントファイルのごみ箱移動や復元を自動的に行うことができる。
また、請求項6の発明によれば、クライアントコンピュータ上でショートカットを完全に削除しても、そのショートカット及び対応ドキュメントファイルの復元が可能になる。
また、請求項7の発明によれば、ネットワーク経路におけるドキュメントファイルの盗聴を防止でき、また、オンラインストレージがらドキュメントファイルが流出したとしても、その解読を困難にすることができる。
また、請求項8の発明によれば、ドキュメントファイルを誤って上書きしても、上書き前のドキュメントファイルを復元させることができる。
また、請求項9の発明によれば、オンラインストレージサーバに対する不正なアクセスを規制し、ドキュメントファイルの流出を防止することができる。
また、請求項10の発明によれば、本発明をシステムとして実現することができる。
また、請求項11の発明によれば、本発明を方法として実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ドキュメント管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】自動アップロード時の説明図である。
【図3】自動アップロード時の動作手順を示すフローチャートである。
【図4】自動アップロード時のショートカット作成処理を示す説明図である。
【図5】ショートカットのオープン操作時の処理を示す説明図である。
【図6】ショートカットのコピー操作時や削除操作時の処理を示す説明図である。
【図7】ショートカット同期処理の概略を示す説明図である。
【図8】ショートカット同期処理の詳細を示す説明図である。
【図9】削除・復元処理の説明図である。
【図10】世代進行処理の説明図である。
【図11】監視エージェントの処理手順を示すフローチャートである。
【図12】オンラインドキュメント操作ソフトの処理手順を示すフローチャートである。
【図13】ショートカット同期処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】ドキュメント削除処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】ドキュメント復元処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】ネットごみ箱閲覧ソフトの処理手順を示すフローチャートである。
【図17】ごみ箱に係るオンラインストレージ側の処理手順を示すフローチャートである。
【図18】ドキュメント送信処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図19】ドキュメント受信処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図20】世代進行処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図21】認証処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図22】サーバ側の認証処理手順を示すフローチャートである。
【図23】監視エージェントに係るドキュメント管理システムの動作手順を示す梯子図である。
【図24】オンラインドキュメント操作ソフトに係るドキュメント管理システムの動作手順を示す梯子図である。
【図25】ごみ箱に係るドキュメント管理システムの動作手順を示す梯子図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[ドキュメント管理システム]
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1は本発明のドキュメント管理プログラムが適用されたドキュメント管理システムであって、該ドキュメント管理システム1は、クライアントコンピュータ2と、オンラインストレージサーバ3と、これらを通信可能に接続するインターネットなどのネットワーク4とを備えて構成されている。
【0015】
クライアントコンピュータ2は、本発明のドキュメント管理プログラム(クライアント用プログラム)がインストールされたコンピュータであって、例えば、ノートPC、デスクトップPC、携帯電話、PDAなどで構成される。そして、クライアントコンピュータ2上でクライアント用プログラムを実行すると、当該クライアントコンピュータ2のローカルストレージで作成・更新されたドキュメントファイルを、ネットワーク4を介してオンラインストレージサーバ3に自動的にアップロードしてオンライン化することが可能になる。
【0016】
オンラインストレージサーバ3は、本発明のドキュメント管理プログラム(サーバ用プログラム)がインストールされたコンピュータであって、例えば、データセンタに設置されたサーバコンピュータなどで構成される。そして、オンラインストレージサーバ3上でサーバ用プログラムを実行すると、クライアントコンピュータ2から転送されるドキュメントファイルを受信し、受信したドキュメントファイルをオンラインドキュメントとしてオンラインストレージに格納することが可能になる。
【0017】
[ドキュメント管理プログラム]
本発明のドキュメント管理プログラムには、クライアントコンピュータ2上で実行されるクライアント用プログラムと、ネットワーク4を介してクライアントコンピュータ2に接続されたオンラインストレージサーバ3上で実行されるサーバ用プログラムとが含まれており、これらの協働によって、ローカルストレージ上のドキュメントファイルを自動的にオンライン化する機能が実現される。
【0018】
上記の機能を実現するために、サーバ用プログラムは、クライアントコンピュータ2からドキュメントファイルを受信し、受信したドキュメントファイルをオンラインストレージに格納するファイル受信手段と、クライアントコンピュータ2からの要求に応じて、オンラインストレージ上の該当ドキュメントファイルをクライアントコンピュータ2に送信するファイル送信手段としてオンラインストレージサーバ3を動作させるように構成される。
【0019】
また、クライアント用プログラムは、クライアントコンピュータ2が備えるローカルストレージにおけるドキュメントファイルの作成及び更新を検知するファイル作成・更新検知手段と、ドキュメントファイルの作成・更新を検知した場合に、そのドキュメントファイルをオンラインストレージサーバ3に自動的にアップロードする自動アップロード手段と、オンラインストレージサーバ3へのアップロードが完了したドキュメントファイルの実体を、クライアントコンピュータ2のローカルストレージから自動的に削除する作成・更新ファイル自動削除手段と、実体がオンラインストレージサーバ3上にあるドキュメントファイルのオープン操作を検知するオープン操作検知手段と、オープン操作のあったドキュメントファイルの実体をオンラインストレージサーバ3から自動的にダウンロードする自動ダウンロード手段と、ダウンロードしたドキュメントファイルを、当該ドキュメントファイルに関連付けられたアプリケーションに引き渡すファイル引き渡し手段としてクライアントコンピュータ2を動作させるように構成される。
【0020】
このようにすると、ネットワーク4を介して、オンラインストレージサーバ3とクライアントコンピュータ2を接続したオンラインストレージシステムでありながら、クライアントコンピュータ2で作成・更新されたドキュメントファイルの実体を、アプリケーションによるファイルオープン時を除き、常にオンラインストレージサーバ3側で管理することができる。しかも、ドキュメントファイルのアップロードやダウンロードに際しては、ユーザに特別な操作を要求しないので、ユーザの操作負担を軽減できるだけでなく、ローカルストレージとオンラインストレージのシームレスな運用が可能となる。
【0021】
ファイル作成・更新検知手段は、例えば、OS(オペレーションシステム)のファイル管理システムが提供するファイル管理情報に基づいて、ドキュメントファイルの作成や更新を検知することができる。ここで、ファイル作成・更新検知手段は、ローカルストレージの予め設定された監視対象フォルダにて、ドキュメントファイルの作成及び更新を検知しても良いし、予め設定されたファイルタイプ(例えば、拡張子による設定)に適合するドキュメントファイルの作成及び更新を検知するようにしても良い。
【0022】
作成・更新ファイル自動削除手段は、オンラインストレージサーバ3へのアップロードが完了した作成・更新ファイルを、クライアントコンピュータ2から削除する際、ローカルストレージ上のドキュメントファイルと、オンラインストレージ上のドキュメントファイルを比較し、両者が同一ファイルであることを確認してからファイル削除を実行することが好ましい。例えば、図2及び図3に示すように、クライアントコンピュータ2におけるドキュメントファイルの作成・更新を検知したら(S1)、作成・更新ファイルをオンラインストレージサーバ3にリアルタイムで転送して(S2)、オンラインストレージサーバ3のオンラインストレージに格納すると共に(S3)、クライアントコンピュータ2側とオンラインストレージサーバ3側のファイル比較を行い(S4)、両者が同一ファイルであることを確認したら(S5)、クライアントコンピュータ2側の作成・更新ファイルを削除する(S6)。
【0023】
また、クライアント用プログラムは、オンラインストレージサーバ3へのアップロードが完了したドキュメントファイルの実体を、クライアントコンピュータ2のローカルストレージから自動的に削除する際に、クライアントコンピュータ2上に、オンラインストレージサーバ3上の対応するドキュメントファイルにリンクされたショートカットを作成するショートカット作成手段としてクライアントコンピュータ2を動作させることが好ましい。例えば、図4に示すように、アプリケーションでドキュメントファイル(sample.doc)を作成した場合、実体ファイル5は、オンラインストレージサーバ3にリアルタイムでアップロードされ、クライアントコンピュータ2上には、実体ドキュメントファイル5にリンクされたショートカット6が残される。このようにすると、オンラインストレージサーバ3上のドキュメントファイルに対するアクセスが容易になるので、ユーザの操作負担を増大させることなく、ドキュメントファイルの再編集を行うことが可能になる。尚、実体ファイルにリンクされたショートカットの別の呼称として、エイリアスやシンボリックリンクが知られているが、本明細書では、これらを含めてショートカットと称する。
【0024】
オープン操作検知手段は、ショートカットのオープン操作に基づいて、実体がオンラインストレージサーバ3上にあるドキュメントファイルのオープン操作を検知することができる。例えば、図5に示すように、ワープロソフト(アプリケーション)で作成した実体ファイル5のショートカット6が起動(ダブルクリック操作)された場合、当該ショートカット6にリンクされたオンラインストレージサーバ3上のドキュメントファイル(実体ファイル5)が自動的にダウンロードされると共に、ショートカット6に関連付けされたワープロソフトが起動され、該ワープロソフト上で実体ファイル5が開かれることになる。このようにすると、クライアントコンピュータ2上のドキュメントファイルをオープンする場合と同様の操作で、オンラインストレージサーバ3上のドキュメントファイルをオープンすることが可能になる。尚、図6に示すように、ショートカット6が複製(コピー)された場合は、オンラインストレージサーバ3に複製要求を送信し、対応するドキュメントファイルの複製をオンラインストレージ上に作成することができる。
【0025】
また、クライアント用プログラムは、クライアントコンピュータ2上に作成されたショートカットの一覧と、オンラインストレージサーバ3上のドキュメントファイルの一覧とを比較し、ショートカットをオンラインストレージサーバ3上のドキュメントファイルに同期させるショートカット同期手段としてクライアントコンピュータ2を動作させることが好ましい。このようにすると、図7や図8に示すように、オンラインストレージサーバ3上のドキュメントファイルを複数のクライアントコンピュータ2間で共有する場合に、複数のクライアントコンピュータ2におけるショートカットの同期により、一のクライアントコンピュータ2によるドキュメントファイルの作成や更新を、他のクライアントコンピュータ2にも反映させることができる。
【0026】
また、クライアント用プログラムは、ショートカットがクライアントコンピュータ2上のごみ箱フォルダに移動された場合に、オンラインストレージサーバ3にごみ箱移動要求を送信するごみ箱移動要求送信手段と、クライアントコンピュータ2上のごみ箱フォルダにあるショートカットが元の位置に戻された場合に、オンラインストレージサーバ3にファイル復元要求を送信するファイル復元要求手段としてクライアントコンピュータを動作させ、サーバ用プログラムは、クライアントコンピュータ2からごみ箱移動要求を受信した場合に、オンラインストレージサーバ3上にある対応ドキュメントファイルを、オンラインストレージサーバ3上のごみ箱フォルダに移動させるごみ箱移動手段と、クライアントコンピュータ2からファイル復元要求を受信した場合に、オンラインストレージサーバ3上のごみ箱フォルダにある対応ドキュメントファイルを元の位置に復元させるファイル復元手段としてオンラインストレージサーバを動作させることが好ましい。
【0027】
このようにすると、図9に示すように、クライアントコンピュータ2上におけるショートカットのごみ箱移動操作(削除操作)や復元操作に連動し、オンラインストレージサーバ3上にある対応ドキュメントファイルのごみ箱移動や復元を自動的に行うことができる。尚、クライアントコンピュータ2のごみ箱フォルダと、オンラインストレージサーバ3のごみ箱フォルダを区別するために、必要に応じて、クライアントコンピュータ2のごみ箱フォルダを単に「ごみ箱」と称し、オンラインストレージサーバ3のごみ箱フォルダを「ネットごみ箱」と称する。
【0028】
また、クライアント用プログラムは、オンラインストレージサーバ3にごみ箱ファイル一覧要求を送信するごみ箱ファイル一覧要求手段と、オンラインストレージサーバ3からごみ箱ファイル一覧データを受信した場合に、これを表示するごみ箱ファイル一覧表示手段と、ごみ箱ファイル一覧表示画面におけるドキュメントファイルの復元操作に応じて、オンラインストレージサーバ3にファイル復元要求を送信するファイル復元要求手段と、復元操作されたドキュメントファイルに対応するショートカットを、クライアントコンピュータ2上の元の位置に復元させるショートカット復元手段としてクライアントコンピュータ2を動作させ、サーバ用プログラムは、クライアントコンピュータ2からのごみ箱ファイル一覧要求を受信した場合に、オンラインストレージサーバ3上のごみ箱フォルダにあるドキュメントファイルの一覧データをクライアントコンピュータ2に送信するごみ箱ファイル一覧送信手段と、クライアントコンピュータ2からファイル復元要求を受信した場合に、オンラインストレージサーバ3上のごみ箱フォルダにある対応ドキュメントファイルを元の位置に復元させるファイル復元手段としてオンラインストレージサーバ3を動作させることが好ましい。このようにすると、クライアントコンピュータ2上でショートカットを完全に削除しても、そのショートカット及び対応ドキュメントファイルの復元が可能になる。
【0029】
また、前記自動アップロード手段は、ドキュメントファイルを暗号化してオンラインストレージサーバ3にアップロードし、前記ファイル受信手段は、クライアントコンピュータ2から受信したドキュメントファイルを暗号化されたままの状態でオンラインストレージに格納し、前記ファイル送信手段は、オンラインストレージ3上のドキュメントファイルを暗号化されたままの状態でクライアントコンピュータ2に送信し、前記自動ダウンロード手段は、オンラインストレージサーバ3からダウンロードした暗号化状態のドキュメントファイルを復号化することが好ましい。このようにすると、ネットワーク経路におけるドキュメントファイルの盗聴を防止でき、また、オンラインストレージがらドキュメントファイルが流出したとしても、その解読を困難にすることができる。
【0030】
また、前記ファイル受信手段は、上書きされるドキュメントファイルを所定の世代数に亘って保存することが好ましい。例えば、図10に示すように、現世代を含め、3世代に亘って保存する。このようにすると、ドキュメントファイルを誤って上書きしても、上書き前のドキュメントファイルを復元させることができる。
【0031】
また、クライアント用プログラムは、ID及びパスワードの入力を要求する認証情報入力要求手段と、入力されたID及びパスワードをオンラインストレージサーバ3に送信する認証情報送信手段としてクライアントコンピュータ2を動作させ、サーバ用プログラムは、クライアントコンピュータ2からID及びパスワードを受信した場合に、受信したID及びパスワードを、予め記憶しているID及びパスワードと照合する認証情報照合手段と、受信したID及びパスワードが予め記憶しているID及びパスワードと一致した場合に、認証に成功した旨の応答をクライアントコンピュータ2に送信し、一致しなかった場合に、認証に成功しなかった旨の応答をクライアントコンピュータ2に送信する認証結果応答手段としてオンラインストレージサーバ3を動作させることが好ましい。このようにすると、オンラインストレージサーバ3に対する不正なアクセスを規制し、ドキュメントファイルの流出を防止することができる。
【0032】
[ドキュメント管理プログラムの処理手順]
次に、本発明に係るドキュメント管理プログラムの具体的な処理手順について、図11〜図22を参照して説明する。
【0033】
図11に示すように、クライアント用プログラムに含まれる監視エージェントは、まず、後述する認証処理(S11)及びショートカット処理(S12)を行った後、検知停止中でないことを確認した後(S13)、ローカルストレージにおけるドキュメントファイルの作成(S14:ファイル作成・更新検知手段)、ショートカットの名前変更(S15)、ショートカットの複製(S16)、ショートカットの削除(S17)、ショートカットの復元(S18),プログラムの終了要求(S19)などを検知する。
【0034】
ここで、ドキュメントファイルが作成されたと判断した場合は、後述するドキュメント送信処理(S20:自動アップロード手段)によって、作成されたドキュメントファイルをオンラインストレージサーバ3へ自動的にアップロードし、アップロードが完了したドキュメントファイルをローカルストレージから削除すると共に(S21:作成・更新ファイル自動削除手段)、アップロード先の実体ドキュメントファイル(以下、オンラインドキュメントという。)にリンクされたショートカットをローカルストレージ上に作成する(S22:ショートカット作成手段)。
【0035】
また、ショートカットの名前が変更されたと判断した場合は、オンラインストレージにあるオンラインドキュメントの名前を変更すると共に(S23)、世代ファイルの名前を変更する(S24)。
また、ショートカットが複製されたと判断した場合は、オンラインストレージにあるオンラインドキュメントを複製すると共に(S25)、複製されたショートカットのリンク先(参照先)を複製されたオンラインドキュメントに変更する(S26)。
また、ショートカットが削除されたと判断した場合は、後述するドキュメント削除処理(S27)を実行し、ショートカットが復元されたと判断した場合は、後述するドキュメント復元処理(S28)を実行する。
また、プログラムの終了要求があったと判断した場合は、監視エージェントを終了させる。
【0036】
図12に示すように、クライアント用プログラムに含まれるオンラインドキュメント操作ソフトは、ショートカットのオープン操作に応じて起動されるプログラム(オープン操作検知手段)であって、起動すると、まず、認証処理(S31)を実行した後、後述するドキュメント受信処理(S32:自動ダウンロード手段)によって、オープン操作されたショートカットに対応するオンラインドキュメントを、オンラインストレージサーバ3からローカルストレージの一時データ領域に自動的にダウンロードすると共に、ダウンロードしたドキュメントファイルを、当該ドキュメントファイルに関連付けされたアプリケーションに引き渡す(S33:ファイル引き渡し手段)。その後、アプリケーションの終了を判断し(S34)、この判断結果がYESになったら、ドキュメントファイルが更新されたか否かを判断し(S35)、この判断結果がYESの場合は、後述するドキュメント送信処理(S36)によって、更新されたドキュメントファイルをオンラインストレージサーバ3へ自動的にアップロードすると共に、アップロードが完了したドキュメントファイルにリンクされたショートカットの更新日時を変更し(S37)、その後、一時データ領域のドキュメントファイルを削除してから(S38)、オンラインドキュメント操作ソフトを終了する。
【0037】
図13に示すように、クライアント用プログラムに含まれるショートカット同期処理(ショートカット同期手段)では、まず、同期処理開始時間であるか否かを判断し(S41)、該判断結果がYESの場合は、クライアントコンピュータ2にあるショートカットの一覧を作成すると共に(S42)、オンラインストレージサーバ3上にあるオンラインドキュメントの一覧を作成する(S43)。そして、繰り返しループ(S44〜S49)において、一覧からショートカットを列挙し、オンラインドキュメントとの比較を行う。ここで、ショートカットに対応するオンラインドキュメントが存在しないと判断した場合は(S45)、そのショートカットを削除する一方(S46)、ショートカットに対応するオンラインドキュメントが存在すると判断した場合は(S45)、更新日時が異なるか否かを判断し(S47)、この判断結果がYESの場合は、ショートカットの更新日時をオンラインドキュメントの更新日時に合わせて変更する(S48)。
【0038】
また、繰り返しループ(S50〜S53)において、一覧からオンラインドキュメントを列挙し、ショートカットとの比較を行う。ここで、オンラインドキュメントに対応するショートカットが存在しないと判断した場合は(S51)、そのオンラインドキュメントにリンクされたショートカットを作成する(S52)。
【0039】
さらに、本実施形態のショートカット同期処理では、ネットワーク未接続時(オンラインストレージサーバ3と通信できないとき)にクライアントコンピュータ2のローカルストレージに作成されたドキュメントファイルを、ショートカット同期処理のタイミングでオンラインストレージサーバ3に自動的にアップロードし、ショートカット化するための処理(S54〜S59)が付加されている。この処理では、まず、クライアントコンピュータ2にあるドキュメントファイルの一覧を作成した後(S54)、繰り返しループ(S55〜S59)において、一覧からドュメントファイルを列挙しつつ、ドキュメント送信処理(S56)によって、ドキュメントファイルをオンラインストレージサーバ3へ自動的にアップロードし、アップロードが完了したドキュメントファイルをローカルストレージから削除すると共に(S57)、アップロード先のオンラインドキュメントにリンクされたショートカットをローカルストレージ上に作成する(S58)。
【0040】
図14に示すように、クライアント用プログラムに含まれるドキュメント削除処理は、ショートカットの削除操作(ごみ箱への移動操作)に応じて実行される処理であり、まず、ネットごみ箱を使う設定となっているか否かを判断し(S61)、この判断結果がYESの場合は、オンラインストレージサーバ3に対し、削除操作されたショートカットに対応するオンラインドキュメントをオンラインストレージのネットごみ箱に移動するように要求する一方(S62:ごみ箱移動要求送信手段)、判断結果がNOの場合は、オンラインストレージサーバ3に対し、削除操作されたショートカットに対応するオンラインドキュメントを削除するように要求する(S63)。
【0041】
図15に示すように、クライアント用プログラムに含まれるドキュメント復元処理は、ショートカットの復元操作(ごみ箱からの復元操作)に応じて実行される処理であり、オンラインストレージサーバ3に対し、ネットごみ箱にある対応するオンラインドキュメントをオンラインストレージのオンラインドキュメント領域に移動するように要求する(S71:ファイル復元要求手段)。
【0042】
図16に示すように、クライアント用プログラムに含まれるネットごみ箱閲覧ソフトは、まず、オンラインストレージサーバ3へネットごみ箱のドキュメント一覧を要求すると共に(S81:ごみ箱ファイル一覧要求手段)、オンラインストレージサーバ3からドキュメント一覧を受信し、これを画面表示させる(S82:ごみ箱ファイル一覧表示手段)。次に、ユーザの復元操作を判断し(S83)、この判断結果がYESの場合は、オンラインストレージサーバ3に対し、ネットごみ箱にある対応するドキュメントファイルの復元要求を送信すると共に(S84:ファイル復元要求手段)、監視エージェントに対して検知停止を要求し(S85)、さらに、対応するショートカットをクライアントコンピュータ2上の元の位置に作成し(S86:ショートカット復元手段)、その後、監視エージェントに対して検知再開を要求する(S87)。そして、これらの処理は、ユーザの終了操作に応じて終了する(S88)。
【0043】
図17に示すように、サーバ用プログラムに含まれるごみ箱に係る処理では、まず、クライアントコンピュータ2からネットごみ箱への移動要求を受信したか否かを判断し(S91)、この判断結果がYESの場合は、対応するドキュメントファイルをオンラインドキュメント領域からネットごみ箱領域へ移動させる(S92:ごみ箱移動手段)。また、同処理では、クライアントコンピュータ2からネットごみ箱からの復元要求を受信したか否かを判断し(S93)、この判断結果がYESの場合は、ネットごみ箱領域にある対応するドキュメントファイルをオンラインドキュメント領域に移動させる(S94:ファイル復元手段)。また、同処理では、クライアントコンピュータ2からオンラインドキュメントの削除要求を受信したか否かを判断し(S95)、この判断結果がYESの場合は、対応するドキュメントファイルを削除する(S96)。また、同処理では、クライアントコンピュータ2からネットごみ箱一覧取得要求を受信したか否かを判断し(S97)、この判断結果がYESの場合は、ネットごみ箱内のドキュメント一覧を取得し、クライアントコンピュータ2へ送る(S98:ごみ箱ファイル一覧送信手段)。
【0044】
図18に示すように、クライアント用プログラムに含まれるドキュメント送信処理は、ドキュメントファイルをアップロードする際に実行される処理であり、ドキュメントファイルのアップロードを開始するにあたり、まず、SEED(シード)を決定する(S101)。例えば、転送開始時間をSEEDとし、このSEEDとマスター鍵から子鍵を作成する(S102)。次に、転送セッションを開始し(S103)、バックアップサーバ3にSEEDを送信する(S104)。これにより、サーバ用プログラム(ファイル受信手段)は、受信セッションを開始してSEEDを受信すると共に(S121)、後述する世代進行処理(S122)を実行し、オンラインストレージにSEEDを書き込む(S123)。
【0045】
次に、クライアント側では、ドキュメントファイルの転送が終了するまでループ内(S105〜S110)の暗号化転送処理(S106〜S109)を繰り返す。この暗号化転送処理は、ファイルから一回に転送するサイズのデータ(A)を読み込むステップ(S106)と、子鍵から同じサイズの乱数(B)を作成するステップ(S107)と、データ(A)と乱数(B)の排他的論理和をとるステップ(S108)と、暗号化されたデータをバックアップサーバ3に転送するステップ(S109)とからなり、ファイルの終端に達すると、転送セッションが終了する(S111)。
【0046】
一方、サーバ側では、ファイルの転送が終了するまでループ内(S124〜S127)の受信書込み処理(S125、S126)を繰り返す。この受信書込み処理は、クライアントPC2からデータを受信するステップ(S125)と、受信データをオンラインドキュメント領域に書き込むステップ(S126)とからなり、クライアントPC2の転送セッション終了に応じて、受信セッションが終了する。
【0047】
尚、図19に示されるフローチャートは、ドキュメントファイルをダウンロードする際に実行されるクライアント側及びサーバ側(ファイル送信手段)の処理手順であり、サーバ側に暗号化状態で格納されているドキュメントファイルをクライアント側に転送し、クライアント側で復号化する処理手順を示しているが、復号化の手順は、前述した暗号化の逆手順となるので、詳細な説明は省略する。
【0048】
図20に示すように、サーバ用プログラムに含まれる世代進行処理では、クライアントコンピュータ2からドキュメントファイルがアップロードされた際に実行される処理であり、まず、設定された世代数(MAX)を取得した後(S131)、最古世代(MAX)のドキュメントファイルが存在するか否かを判断し(S132)、この判断結果がYESの場合は、最古世代(MAX)のドキュメントファイルを削除する(S133)。次に、ループ内(S134〜S137)において、最古世代(MAX)よりも新しい世代のドキュメントファイルが存在するか否かを判断し(S135)、この判断結果がYESの場合は、各世代ファイルの世代を進める(S136)。
【0049】
図21に示すように、クライアント用プログラムに含まれる認証処理は、まず、電源投入後の初回起動であるか否か(S141)、スリープ復帰後の初回起動であるか否か(S142)、前回の認証から所定時間経過しているか否か(S143)を判断し、いずれかがYESの場合は、ユーザに認証情報(ID+パスワード、指紋、ICチップ等)の入力を要求する(S144:認証情報入力要求手段)。認証情報が入力されたら、認証セッションを開始し(S145)、認証情報を認証サーバであるオンラインストレージサーバ3に送信すると共に(S146:認証情報送信手段)、オンラインストレージサーバ3から認証応答を受信し(S147)、認証セッションを終了する(S148)。そして、認証に成功した場合は(S149)、認証成功として認証処理を終了する一方(S150)、認証に成功しなかった場合は、再認証を行うか否かの選択入力を要求すると共に(S151)、再認証が選択された場合は(S152)、ステップS144に戻り、再認証を実行する。また、再認証が選択されなかった場合は、認証失敗として認証処理を終了する(S153)。
【0050】
図22に示すように、サーバ用プログラムに含まれる認証処理は、認証セッションの開始に応じて、クライアントコンピュータ2から認証情報を受信すると共に(S161)、受信した認証情報を、データベースに記憶された認証情報と照合し(S162:認証情報照合手段)、認証情報の照合に成功した場合は(S163)、認証に成功した旨の応答をクライアントコンピュータ2に送信する一方(S164:認証結果応答手段)、認証情報の照合に成功しなかった場合は(S163)、認証に失敗した旨の応答をクライアントコンピュータ2に送信するが(S167:認証結果応答手段)、指定期間内に指定回数失敗した場合は(S165)、データベースに認証無効を記録し(S166)、それ以降のアクセスを拒否する。
【0051】
[ドキュメント管理システム全体の動作手順]
次に、ドキュメント管理システム1の全体動作について、図23〜図25を参照して説明する。
【0052】
図23は、監視エージェントに係るドキュメント管理システムの動作手順を示しており、具体的には、ドキュメントファイルの新規作成時と、ショートカットの名前変更時と、ショートカットの複製時と、ショートカットの削除時の動作を示している。ドキュメントファイルの新規作成時の動作は、アプリケーションがドキュメントファイルをローカルストレージに保存することを契機として開始され(S201、S202)、監視エージェントは、これを検知すると(S203)、作成されたドキュメントファイルをローカルストレージから読み出すと共に(S204)、暗号化しながらオンラインストレージサーバ3にアップロードし(S205)、オンラインストレージサーバ3のオンラインストレージに格納させる(S206)。そして、監視エージェントは、オンラインストレージサーバ3へのアップロードが完了したドキュメントファイルを、クライアントコンピュータ2から削除すると共に(S207)、クライアントコンピュータ2上に、オンラインストレージサーバ3上のドキュメントファイルにリンクされたショートカットを作成する(S208)。
【0053】
ショートカットの名前変更時の動作は、クライアントコンピュータ2上のショートカットの名前が変更されたことを契機として開始され(S211)、監視エージェントは、これを検知すると(S212)、オンラインストレージサーバ3にファイル名変更要求を送信し(S213)、ショートカットとリンクされたオンラインドキュメントの名前を変更させる(S214)。
【0054】
ショートカットの複製時の動作は、クライアントコンピュータ2上のショートカットが複製(別名でコピー)されたことを契機として開始され(S221)、監視エージェントは、これを検知すると(S222)、オンラインストレージサーバ3にファイル複製要求を送信し(S223)、ショートカットとリンクされたオンラインドキュメントを複製させると共に(S224)、複製されたショートカットのリンク先を複製されたオンラインドキュメントに変更する(S225)。
【0055】
ショートカットの削除時の動作は、クライアントコンピュータ2上のショートカットが削除されたことを契機として開始される(S231)。前述したネットごみ箱を使用しない設定の場合、監視エージェントは、ショートカットの削除を検知すると(S232)、オンラインストレージサーバ3にファイル削除要求を送信し(S233)、ショートカットとリンクされたオンラインドキュメントを削除させる(S234)。
【0056】
図24は、オンラインドキュメント操作ソフトに係るドキュメント管理システムの動作手順を示しており、ショートカットのオープン操作を契機として開始される(S301)。オンラインドキュメント操作ソフトは、ショートカットにリンクされたオンラインドキュメントのダウンロード要求をオンラインストレージサーバ3に送信すると共に(S302)、オンラインストレージサーバ3から転送される暗号化状態のドキュメントファイルを受信する(S303、S304)。そして、受信したドキュメントファイルを復号化して一時データ領域に書き込むと共に(S305)、ドキュメントファイルに関連付けられたアプリケーションを起動し(S306)、ドキュメントファイルを引き渡す。その後、オンラインドキュメント操作ソフトは、ドキュメントファイルの更新に応じて(S307)、更新されたドキュメントファイルを暗号化しながらオンラインストレージサーバ3へアップロードし(S308、S309)、オンラインストレージに格納させる(S310)。そして、ショートカットの更新日時をドキュメントファイルの更新日時に合わせると共に(S311)、一時データ領域のドキュメントファイルを削除する(S312)。
【0057】
図25は、ごみ箱に係るドキュメント管理システムの動作手順を示しており、ショートカットをごみ箱に移動した際の動作と、ごみ箱からショートカットを復元させた際の動作と、ごみ箱にないショートカットを復元する際の動作を示している。ショートカットをごみ箱に移動した際の動作は、クライアントコンピュータ2のユーザが、ショートカットをごみ箱へ移動させる操作(ショートカット削除操作)を行ったことを契機として開始され(S401)、これを検知した監視エージェントは、オンラインストレージサーバ3に対し、対応するオンラインドキュメントのネットごみ箱への移動要求を送信する(S402、S403)。これを受信したオンラインストレージサーバ3は、対応するオンラインドキュメントをオンラインドキュメント領域からネットごみ箱へ移動させる(S404、S405)。
【0058】
ごみ箱からショートカットを復元させた際の動作は、クライアントコンピュータ2のユーザが、ごみ箱内のショートカットを元の位置に戻す操作(ショートカット復元操作)を行ったことを契機として開始され(S411)、これを検知した監視エージェントは、オンラインストレージサーバ3に対し、オンラインストレージサーバ3上のネットごみ箱にある対応するオンラインドキュメントの復元要求を送信する(S412、S413)。これを受信したオンラインストレージサーバ3は、ネットごみ箱にある対応するオンラインドキュメントをオンラインドキュメント領域に移動させる(S414、S415)。
【0059】
ごみ箱にないショートカットを復元する際の動作は、ネットごみ箱閲覧ソフトの起動を契機として開始され、起動されたネットごみ箱閲覧ソフトは、オンラインストレージサーバ3へネットごみ箱のファイル一覧を要求する(S421)。これを受信したオンラインストレージサーバ3は、ネットごみ箱のファイル一覧を取得し(S422)、これをクライアントコンピュータ2へ送信する(S423)。クライアントコンピュータ2は、オンラインストレージサーバ3からファイル一覧を受信し、これを画面表示させる。そして、ユーザの復元操作を判断した場合は、オンラインストレージサーバ3に対し、ネットごみ箱にある対応するオンラインドキュメントの復元要求を送信する(S424)。これを受信したオンラインストレージサーバ3は、ネットごみ箱にある対応するオンラインドキュメントをオンラインドキュメント領域に移動させる(S425、S426)。また、ユーザの復元操作を判断したネットごみ箱閲覧ソフトは、監視エージェントに対して検知停止を要求すると共に(S427)、対応するショートカットをクライアントコンピュータ2上の元の位置に作成し(S428)、その後、検知再開を要求する(S429)。
【符号の説明】
【0060】
1 ドキュメント管理システム
2 クライアントコンピュータ
3 オンラインストレージサーバ
4 ネットワーク
5 実体ファイル
6 ショートカット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンラインストレージサーバを動作させるサーバ用プログラムと、
ネットワークを介してオンラインストレージサーバに接続されるクライアントコンピュータを動作させるクライアント用プログラムと、を含み、
前記サーバ用プログラムは、
クライアントコンピュータからドキュメントファイルを受信し、受信したドキュメントファイルをオンラインストレージに格納するファイル受信手段と、
クライアントコンピュータからの要求に応じて、オンラインストレージ上の該当ドキュメントファイルをクライアントコンピュータに送信するファイル送信手段としてオンラインストレージサーバを動作させ、
前記クライアント用プログラムは、
クライアントコンピュータが備えるローカルストレージにおけるドキュメントファイルの作成及び更新を検知するファイル作成・更新検知手段と、
ドキュメントファイルの作成・更新を検知した場合に、そのドキュメントファイルをオンラインストレージサーバに自動的にアップロードする自動アップロード手段と、
オンラインストレージサーバへのアップロードが完了したドキュメントファイルの実体を、クライアントコンピュータのローカルストレージから自動的に削除する作成・更新ファイル自動削除手段と、
実体がオンラインストレージサーバ上にあるドキュメントファイルのオープン操作を検知するオープン操作検知手段と、
オープン操作のあったドキュメントファイルの実体をオンラインストレージサーバから自動的にダウンロードする自動ダウンロード手段と、
ダウンロードしたドキュメントファイルを、当該ドキュメントファイルに関連付けられたアプリケーションに引き渡すファイル引き渡し手段としてクライアントコンピュータを動作させる
ことを特徴とするドキュメント管理プログラム。
【請求項2】
前記クライアント用プログラムは、オンラインストレージサーバへのアップロードが完了したドキュメントファイルの実体を、クライアントコンピュータのローカルストレージから自動的に削除する際に、クライアントコンピュータ上に、オンラインストレージサーバ上の対応するドキュメントファイルにリンクされたショートカットを作成するショートカット作成手段としてクライアントコンピュータを動作させることを特徴とする請求項1記載のドキュメント管理プログラム。
【請求項3】
前記オープン操作検知手段は、前記ショートカットのオープン操作に基づいて、実体がオンラインストレージサーバ上にあるドキュメントファイルのオープン操作を検知することを特徴とする請求項2記載のドキュメント管理プログラム
【請求項4】
前記クライアント用プログラムは、クライアントコンピュータ上に作成された前記ショートカットの一覧と、オンラインストレージサーバ上のドキュメントファイルの一覧とを比較し、前記ショートカットをオンラインストレージサーバ上のドキュメントファイルに同期させるショートカット同期手段としてクライアントコンピュータを動作させることを特徴とする請求項2又は3記載のドキュメント管理プログラム。
【請求項5】
前記クライアント用プログラムは、
前記ショートカットがクライアントコンピュータ上のごみ箱フォルダに移動された場合に、オンラインストレージサーバにごみ箱移動要求を送信するごみ箱移動要求送信手段と、
クライアントコンピュータ上のごみ箱フォルダにある前記ショートカットが元の位置に戻された場合に、オンラインストレージサーバにファイル復元要求を送信するファイル復元要求手段としてクライアントコンピュータを動作させ、
前記サーバ用プログラムは、
クライアントコンピュータからごみ箱移動要求を受信した場合に、オンラインストレージサーバ上にある対応ドキュメントファイルを、オンラインストレージサーバ上のごみ箱フォルダに移動させるごみ箱移動手段と、
クライアントコンピュータからファイル復元要求を受信した場合に、オンラインストレージサーバ上のごみ箱フォルダにある対応ドキュメントファイルを元の位置に復元させるファイル復元手段としてオンラインストレージサーバを動作させる
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のドキュメント管理プログラム。
【請求項6】
前記クライアント用プログラムは、
オンラインストレージサーバにごみ箱ファイル一覧要求を送信するごみ箱ファイル一覧要求手段と、
オンラインストレージサーバからごみ箱ファイル一覧データを受信した場合に、これを表示するごみ箱ファイル一覧表示手段と、
ごみ箱ファイル一覧表示画面におけるドキュメントファイルの復元操作に応じて、オンラインストレージサーバにファイル復元要求を送信するファイル復元要求手段と、
復元操作されたドキュメントファイルに対応するショートカットを、クライアントコンピュータ上の元の位置に復元させるショートカット復元手段としてクライアントコンピュータを動作させ、
前記サーバ用プログラムは、
クライアントコンピュータからのごみ箱ファイル一覧要求を受信した場合に、オンラインストレージサーバ上のごみ箱フォルダにあるドキュメントファイルの一覧データをクライアントコンピュータに送信するごみ箱ファイル一覧送信手段と、
クライアントコンピュータからファイル復元要求を受信した場合に、オンラインストレージサーバ上のごみ箱フォルダにある対応ドキュメントファイルを元の位置に復元させるファイル復元手段としてオンラインストレージサーバを動作させる
ことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のドキュメント管理プログラム。
【請求項7】
前記自動アップロード手段は、ドキュメントファイルを暗号化してオンラインストレージサーバにアップロードし、
前記ファイル受信手段は、クライアントコンピュータから受信したドキュメントファイルを暗号化されたままの状態でオンラインストレージに格納し、
前記ファイル送信手段は、オンラインストレージ上のドキュメントファイルを暗号化されたままの状態でクライアントコンピュータに送信し、
前記自動ダウンロード手段は、オンラインストレージサーバからダウンロードした暗号化状態のドキュメントファイルを復号化する
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のドキュメント管理プログラム。
【請求項8】
前記ファイル受信手段は、上書きされるドキュメントファイルを所定の世代数に亘って保存することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のドキュメント管理プログラム。
【請求項9】
前記クライアント用プログラムは、
ID及びパスワードの入力を要求する認証情報入力要求手段と、
入力されたID及びパスワードをオンラインストレージサーバに送信する認証情報送信手段としてクライアントコンピュータを動作させ、
前記サーバ用プログラムは、
クライアントコンピュータからID及びパスワードを受信した場合に、受信したID及びパスワードを、予め記憶しているID及びパスワードと照合する認証情報照合手段と、
受信したID及びパスワードが予め記憶しているID及びパスワードと一致した場合に、認証に成功した旨の応答をクライアントコンピュータに送信し、一致しなかった場合に、認証に成功しなかった旨の応答をクライアントコンピュータに送信する認証結果応答手段としてオンラインストレージサーバを動作させる
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のドキュメント管理プログラム。
【請求項10】
オンラインストレージサーバと、ネットワークを介してオンラインストレージサーバに接続されるクライアントコンピュータとを備え、
前記オンラインストレージサーバは、
クライアントコンピュータからドキュメントファイルを受信し、受信したドキュメントファイルをオンラインストレージに格納するファイル受信手段と、
クライアントコンピュータからの要求に応じて、オンラインストレージ上の該当ドキュメントファイルをクライアントコンピュータに送信するファイル送信手段とを備え、
前記クライアントコンピュータは、
クライアントコンピュータが備えるローカルストレージにおけるドキュメントファイルの作成及び更新を検知するファイル作成・更新検知手段と、
ドキュメントファイルの作成・更新を検知した場合に、そのドキュメントファイルをオンラインストレージサーバに自動的にアップロードする自動アップロード手段と、
オンラインストレージサーバへのアップロードが完了したドキュメントファイルの実体を、クライアントコンピュータのローカルストレージから自動的に削除する作成・更新ファイル自動削除手段と、
実体がオンラインストレージサーバ上にあるドキュメントファイルのオープン操作を検知するオープン操作検知手段と、
オープン操作のあったドキュメントファイルの実体をオンラインストレージサーバから自動的にダウンロードする自動ダウンロード手段と、
ダウンロードしたドキュメントファイルを、当該ドキュメントファイルに関連付けられたアプリケーションに引き渡すファイル引き渡し手段とを備える
ことを特徴とするドキュメント管理システム。
【請求項11】
オンラインストレージサーバと、ネットワークを介してオンラインストレージサーバに接続されるクライアントコンピュータとを用い、
前記オンラインストレージサーバに、
クライアントコンピュータからドキュメントファイルを受信し、受信したドキュメントファイルをオンラインストレージに格納するファイル受信手順と、
クライアントコンピュータからの要求に応じて、オンラインストレージ上の該当ドキュメントファイルをクライアントコンピュータに送信するファイル送信手順を実行させ、
前記クライアントコンピュータに、
クライアントコンピュータが備えるローカルストレージにおけるドキュメントファイルの作成及び更新を検知するファイル作成・更新検知手順と、
ドキュメントファイルの作成・更新を検知した場合に、そのドキュメントファイルをオンラインストレージサーバに自動的にアップロードする自動アップロード手順と、
オンラインストレージサーバへのアップロードが完了したドキュメントファイルの実体を、クライアントコンピュータのローカルストレージから自動的に削除する作成・更新ファイル自動削除手順と、
実体がオンラインストレージサーバ上にあるドキュメントファイルのオープン操作を検知するオープン操作検知手順と、
オープン操作のあったドキュメントファイルの実体をオンラインストレージサーバから自動的にダウンロードする自動ダウンロード手順と、
ダウンロードしたドキュメントファイルを、当該ドキュメントファイルに関連付けられたアプリケーションに引き渡すファイル引き渡し手順とを実行させる
ことを特徴とするドキュメント管理方法。

【図1】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−266933(P2010−266933A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115672(P2009−115672)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(506079434)株式会社アール・アイ (8)
【Fターム(参考)】