説明

ナノスケールの反応性脱着によるコロイド状の作用物質または必須物質種の調製

特許請求の範囲に記載した方法によれば、高い生物学的な意味を有するバランスの取れた作用物質または必須物質の濃縮物についてのナノスケール調製が可能である。本発明は、吸着または吸収段階と制御された脱着段階との組合せに基づく。吸着または吸収段階では、作用物質種が、ナノスケールの形態で基本的に生成される。脱着段階では、収着剤、およびそれに平行して収着された種が、酸/塩基反応の結果として放出される。このナノスケールの作用物質または必須物質は、特に経口的使用の形態での、使用者による摂取または使用の直前に放出されまたは活性化される。特許請求の範囲に記載した方法によれば、濃縮された形態で高いレベルの生物学的利用能を有する、植物および/または動物由来の必須物質の調製が可能である。特許請求の範囲に記載した装置によれば、反応成分の適切な組合せができ、使用者が、目標を定めたやり方で、先験的に不安定なナノスケールの作用物質種または必須物質種を、摂取または使用の前に放出するのを可能にする。特許請求の範囲に記載した装置は、最適な溶解性を達成するために、特定の手順でその成分が混合されなければならない液体および飲料を調製するのに適する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コロイド状の作用物質(active substance)または必須物質(vital substance)の種(species)の調製の方法としてのナノスケールの反応性脱着に関し、具体的には、対応する作用物質または必須物質の濃縮物、およびその方法を実施する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
我々の代謝および健康に明らかに影響を及ぼす必須物質についての我々の知識は、より広範囲にわたるようになってきている。二次的植物性物質(SPS)の場合のように、20年前でさえも毒物として部分的に分類されていた数千の植物種(例えばセレン)が、我々の健康維持に重要な役割を担っていることが、つい先ごろ知られるようになってきており、特に、カロテノイド、植物ステロール、およびフラボノイドは、現在は「半必須」として分類され、重要な健康上の機能が、それらに帰するものとされている。
【0003】
しかしながら、公式には未だ必須または半必須と規定されていない微量元素または超微量元素でさえも、これらの多くが、我々の代謝において重要な酵素機能を行うことが十分想像できるであろう。例えば、酵素的に見ると高濃度に相当する、3位のppt値域で我々の体に存在する触媒的および酵素的に非常に作用性の高いプラチナ、金、銀、パラジウムの種の機能の解読は、未だ明らかにされていない。概略的な分析用スクリーナの中には、重要な詳細が隠されており、特に酵素の領域においては、それが「健康栄養素」という問題の我々の知識に相当な光明を投じる可能性がある。
【0004】
特定の植物作用物質が、その有効性においてどれほど我々の健康にとって重要であるかが、個々の種のしばしば低い生物学的利用能によって、さらに不明確にされており、さらに、生物学的利用能は、また、個々に用いられる調製方法に特に依存しており、それが現象学的および統計学的な評価を非常に困難にする。
【0005】
生物学的利用能の問題、すなわち必要とされる細胞内に最終的に行き着く、消費された作用物質の部分が研究分野であり、その大部分は未だ調査されていない。有機ならびに無機(mineral)の性質の溶解されにくい作用物質では特に、その物質の低い生物学的利用能の結果として、多くの人々の偏った様式の栄養では、相当な欠乏が予想され、これもやはり修正が困難となり得る。
【0006】
他方では、非常に高い必須物質の部分を有する多くの植物があるが、それらの調製、消費、および享受の特性について、必須物質の源として広く用いられるには、非常に魅力が薄い。したがって、例えば、菜種、ひまわりの種、亜麻仁からの油かすの多くは、動物の飼料となるが、これら原材料の必須物質の含有量は、ヒトの健康に非常に有益な物質として適するものである。
【0007】
また、いくつかの必須物質は、例えばリコピンの場合では、トマトの赤い色素は、トマトが長時間調理された後にのみ生物学的に利用可能であり、その後においてのみ、抗酸化などのその個々の有効な特性が体の中で生じると言え、ニンジンのベータカロテンも同様である。他方で、他の必須物質、例えばビタミンCは、非常に温度に敏感であり、他の物質がちょうど生物学的に利用可能になり、有効になる条件の下で、まさに破壊される。
【0008】
したがって、栄養生理学では、可能であれば一体化したやり方、および効果的な形態で、植物原料を引き出す技術が利用可能であり、その原料を、容易に消費可能な製品、保存可能な製品、およびおいしい製品の形態に濃縮可能であれば非常に望ましい。
【0009】
本明細書による重要な問題は、必須物質の生物学的利用能である。これら必須物質は、可能であれば、実際の植物の消費の際に、増加さえもされるべきである。
【0010】
我々の栄養の質にとって非常に大きな利益となろうが、それにもかかわらず、a)可能であれば一体化され損傷されないやり方で、必須物質を抽出できる、b)特に、溶解性されにくい必須物質を非常に生物学的に利用可能な形態で提供できる、およびc)疑わしい栄養物、すなわち生理的添加物の添加を不要にすることができるといった、食物技術の方法は未だ存在しない。
【0011】
当技術の現状においては、主に、植物由来の必須物質を溶解するのにアルコール抽出法が用いられるが、その必須物質は、最終的に、担体媒体としてのアルコールの既知の不利益を有するアルコール相に、やはり留まる。
【0012】
最近では、有機的植物作用物質をナノ粒子に転化する方法が知られるようになっている(D.HornおよびJ.Rieger著、「Organic nanoparticles in the aqueous phase」、Angew.Chem.、2001年、113号、4460〜4492ページを参照)。例えばカロテノイドを含む溶媒抽出物が衝撃過熱され、その溶媒抽出物に関連した溶解性の増加の過程において、粒子サイズを最小にする。これと平行して、対応するナノスケールの粒子をミセル様の構造体として安定化させるために、界面活性剤が好ましくは用いられる。次に、必須物質種のナノスケール沈殿物を水媒体へ計量して入れる。最後に、ナノスケールの水有機懸濁液が、スプレー乾燥の手段によって、保存可能な顆粒に転化され、また、多くの温度に敏感な種では、スプレー凍結乾燥さえも必要となる。
【0013】
独国特許出願公開第102 14 031A号によると、均質な溶液が、ナノ粒子の調製に適する溶媒を有してまず調製され、次に、ナノ粒子が、通例水である非溶媒の中へ攪拌され、それに今度は安定剤が混合される。こうして調製された懸濁液は、好ましくはスプレー乾燥によって調製され、50%を超える特定の作用物質を含む。
【0014】
独国特許出願公開第101 04 494A1号では、ナノスケールのカロテノイドが、水溶液内での乳糖と保護コロイドとの分散によって調製され、続いてスプレー乾燥される。分散には、水溶液が、通例、圧力の下、最高200℃の温度で衝撃過熱される。
【0015】
独国特許出願公開第198 56 432A1号は、殻が安定化被覆基質からなるナノ粒子の核/殻系の調製を述べる。
【0016】
独国特許出願公開第199 19 751A1号は、安定した水分散液、およびキサントフィルの安定した水分散可能な乾燥粉末の調製を述べる。次に、対応するキサントフィルが、上記の明細書では、有機相で、好ましくはやはり衝撃加熱で溶解され、水相へと噴霧されて、キサントフィルがナノ分散方式で疎水相として得られる。
【0017】
国際公開第91/06292号は、カロテノイドを<10μmのマイクロ粒子へ転化することを述べる。対応するカロテノイドは、上記の明細書では、水媒体の中でゼラチンとともに粉砕され、こうして調製された懸濁液がスプレー乾燥される。ここにおける不利益は、非常に大きい粒子サイズである。<0.1μmの粒子サイズを超える、ゼロ近似において粒子の外表面に比例するもののみ、対応する作用物質の生物学的利用能が相当増加されることができる。
【0018】
これらの方法は、例外なく、対応するマイクロスケールまたはナノスケールの粒子の表面エネルギーを減少させる、すなわち通例、生物学的利用能をも減少させる安定化剤が使用されなければならない不利益を有する。使用される安定化剤は、また、栄養生理学の観点から厳しく評価されるべきものである。
【0019】
また、不都合は、分離された必須物質から取り掛かること、すなわち、植物原料から始める場合に、多くの重要な必須物質を隠してしまう精製から既に始めてしまうことである。しかしながら、しばしば凝集に導くのは、まさに、互いの間の個々の必須物質の相互作用であり、それまでに生物学的利用能が損なわれているので、この理由のために、説明された方法は、広範囲の必須物質の調製物の調製には不適切である。多くの溶解しにくい必須物質を同時に調製し、ナノスケールで、特に、一体化したやり方で、可能な限り包括的に、植物ベースの必須物質を調製することを可能にする方法は、当技術の現状では利用できない。
【0020】
【非特許文献1】D.HornおよびJ.Rieger著、「Organic nanoparticles in the aqueous phase」、Angew.Chem.、2001年、113号、4460〜4492ページ
【特許文献1】独国特許出願公開第102 14 031A号
【特許文献2】独国特許出願公開第101 04 494A1号
【特許文献3】独国特許出願公開第198 56 432A1号
【特許文献4】独国特許出願公開第199 19 751A1号
【特許文献5】国際公開第91/06292号
【非特許文献2】H.Rumpf著、「Mechanische Verfahrenstechnik」(機械的方法技術)、Carl Hanser Verlag/Munich−Vienna、1995年、12〜15ページ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
したがって、考慮される本発明の目的は、技術的に単純な方法を有し、一方で、ナノスケールで、広範囲の水不溶性の必須物質、または希釈された食物酸に溶解しにくい必須物質を、栄養生理学の観点からは好ましくない補助物質を使用することなく懸濁し、これによって、最終的に、使用されるエネルギーの最適化を達成する加工法を発見することであった。対応する製品、または中間製品の保存能力が保証されることが重要である。
【課題を解決するための手段】
【0022】
特許請求の範囲における独立請求項に記載の特徴を備えた本発明によって、これらの目的が達成される。本発明による方法は、
a.少なくとも1つの作用/必須物質の塩基溶液(base solution)または塩基懸濁液(base suspension)を調製する工程と、
b.この少なくとも1つの作用/必須物質の塩基溶液または塩基懸濁液を、
i.塩基性または酸性の収着固体基質(マトリックス)、ならびに
ii.3から7のpH範囲では溶解しにくく、収着固体基質の中/上に吸着あるいは吸収される、有機および/もしくは無機の性質の作用物質または必須物質の種であって、
この作用/必須物質の種の合計固形分が、収着系に対して0.05重量%および30重量%である種
からなる収着系に転化する工程と、
c.収着系を反応成分と接触させ、
i.収着固体基質が酸塩基反応の骨組み(frameworkフレームワーク)内で溶解され、
ii.収着固体基質の上/中に吸着された溶解しにくい作用物質または必須物質の種が、反応性脱着の過程において、コロイド状に溶解されたナノ粒子として放出される工程とを含む。
【0023】
本発明の範囲内で、吸着される、または固定化するナノスケールの、または高エネルギーの種が、反動的に、移動可能に、または脱着されて放出されることが重要である。より明らかにするために、これらの放出方式は、脱着として、またはより良くは「反応性脱着」として、下記に統合的に称されている。
【0024】
「ナノスケール」という表現は、以下においては、100nm以下と理解され、すなわちこれは、同時に、切捨ての区分点であり、それより下であれば、栄養生理学の観点から、不溶性のまたは溶解しにくい必須物質が、先験的に非常に高い生物学的利用能を呈するということである。
【0025】
したがって、本発明は、作用物質または必須物質の種のすぐ飲める溶液の調製方法を利用可能にし、この方法は、
a.3から7のpH範囲では水溶液に溶解しにくい、少なくとも1つの作用物質または必須物質の塩基溶液、または有機および/または無機の性質の作用物質または必須物質の種の少なくとも1つの塩基懸濁液を調製する工程と、
b.この少なくとも1つの作用物質または必須物質の塩基溶液、または塩基懸濁液を、
i.塩基性または酸性の収着固体基質、および
ii.収着固体基質の中または上に吸着あるいは吸収される作用物質もしくは必須物質の塩基溶液、あるいは作用物質または必須物質の種の塩基懸濁液であって、
合計されたこれらの作用物質または必須物質の種の固形分が、収着系に対して、0.05重量%および30重量%である塩基溶液または塩基懸濁液
からなる収着および/または固定系へと転化する工程と、
c.収着系を反応成分に接触させる工程であって、
i.固体基質が酸塩基反応のフレームワーク内で溶解され、および
ii.収着固体基質の上または中に吸着あるいは吸収される、溶解しにくい作用物質または必須物質の種が、反応性脱着の過程において、コロイド状に溶解されたナノ粒子として放出される工程とを含む。
【0026】
こうして、本発明は、作用物質、特に、溶解しにくい必須物質の種を可溶化し、一体化したやり方で、上述の工程a、b、およびcを用いて、保存可能な個々の成分をベースとする生物学的に利用可能な必須物質の濃縮物および溶液を調製する方法を創出する。
【0027】
本発明に従った本方法の好ましい改善例においては、少なくとも1つの作用/必須物質の塩基溶液、または塩基懸濁液が、工程bにおいて、吸着系および/または固定系へと転化される。
【0028】
乾燥質量に対する個々の固体種の部分は、0.01%から30%の間である。しかしながら、金、銀、プラチナおよびタングステンなどの触媒的に作用する微量元素または超微量元素では、対応する装入量は、10から1000ppbの間のみと部分的であり、それにもかかわらず、これらの値は、触媒/酵素分野では比較的高い装入量とみなされるものである。
【0029】
享受可能な、すなわち食物に典型的な3から7の間のpH範囲のその生物学的利用能が増加される水溶液に溶解しにくい、または不溶解性の作用/必須物質の種が、第1工程で、塩基溶液または塩基懸濁液に加えられ、第2工程で、収着基質の上/中にナノスケールで、または粒子的に分散して結合される。
【0030】
吸着された作用/必須物質の種の同様の自発的な放出とともに、対応する塩基性または酸性の反応成分との酸/塩基反応を利用することによって最終加工工程で自発的に溶解可能であるように、収着基質は、本質的に酸または塩基のどちらかである。全体の加工法では、吸着された作用/必須物質の種の脱着/放出は、ナノスケールの作用物質/必須物質の構造がその脱着/放出によって失われないように、非常に迅速に、または自発的に起こることが重要である。再凝集の過程は、通例、動的である、すなわち時間制御され、表面拡散効果の助けによってしばしば吸収剤上に起こる。
【0031】
したがって、考慮される本発明の好ましい実施形態では、吸収剤の表面の局所的な濃縮のために、吸着された種の再凝集化/再結晶化ができず、吸収剤の収着面が非常に迅速に崩壊する。
【0032】
収着面の自発的な溶解は、さらに、表面電荷が可能な限り大きい範囲で吸着された種に伝達され、そうでない場合は先験的に不安定で凝集しがちである、こうして脱着された種が、電荷の同一性のために互いに反発する傾向にあり、それらの種に固有の凝集傾向が明らかに抑制される利点を有する。
【0033】
したがって、典型的に、濃縮物への収着基質の溶解は、希釈溶液よりもより迅速に起こる。溶解過程における液体量を削減することによって、粘性があり、特に揺変性のある収着基質に、混合エネルギーをより良く導入できるようになる。また、浸透する酸/塩基系のより効率的な分散に関連した理由によって、より濃縮された系が有利である。
【0034】
典型的に、ナノスケール粒子は収着基質の中/上に吸着され、収着系の生産過程において生成されるため、収着された「基本ナノ粒子」も下記に用いられる。
【0035】
当技術の現状とは対照的に、実際、常に生物学的利用能の犠牲にもなる、安定した調合物には主に焦点は置かれず、ここでの焦点は、ナノ粒子の放出を時間順に柔軟にし、しかし、できるだけ迅速に行うようにすることである。典型的には、調製された、コロイド状に溶解されたナノ粒子は、対応する溶液中で先験的に不安定であり、すなわち、凝集しがちであり、それによって、その生物学的利用能の相当な部分を失い、その生物学的利用能は、ゼロ近似では、一次粒子の外表面に比例する。
【0036】
ナノスケール反応性脱着法を利用することによって、非常に高い生物学上の利点を有する、バランスの取れた作用物質または必須物質の濃縮物をナノスケールで調製することが可能である。核心は、吸着/吸収段階と制御された脱着段階との組合せである。吸着/吸収段階では、作用物質/必須物質の種が、ナノスケールですでに基本的に生成されており、凝集から保護されている。脱着段階では、酸/塩基反応の結果として、吸収剤が少なくとも部分的に溶解される。これと平行して、収着された種が、ナノスケールまたは分子的分散で放出される。
【0037】
脱着を反応の電子的効果と重ねることによって、先験的に凝集に強い傾向を有する種が、ナノスケールで分散される。ナノスケールの作用/必須物質のこの放出または活性化は、好ましくは、使用者による消費または使用、特に経口的摂取の直前に起こる。本方法は、抽出過程およびジュースの生産の枠組みに有利に関係する。本発明の方法では、植物および/または動物由来の必須物質を濃縮し、それを極めて生物学的に利用可能な形態で投与することが可能である。
【0038】
概ね、溶解傾向の不十分な任意の添加物質/必須物質の生物学的利用能を、ナノスケールの反応性脱着法、すなわちNRD法の利用によって、高めることが可能である。本発明の方法は、特に、3から7のpH範囲または希釈酸に溶解しにくい植物性の作用物質または必須物質の種に焦点を置く。これらの種は、以下の級に細分されることができる。
【0039】
A.鉄、コバルト、銅、モリブデン、シリコン、アルミニウム、マンガン、クロミウム、ホウ素、ニッケル、亜鉛、バナジウム、セレンなどの微量元素。
B.チタン、ジルコニウム、ルビジウム、リチウム、イットリウム、セリウム、パラジウム、ランタン、ネオジム、銀、タングステン、ガリウム、テルル、トリウム、プラセオジウム、ニオブ、サマリウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ヒ素、スカンジウム、インジウム、アンチモン、セシウム、ゲルマニウム、イッテルビウム、エルビウム、ユウロピウム、ビスマス、プラチナ、タンタル、テルビウム、ホルミウム、ルビジウム(原文のまま)、ベリリウム、金、イリジウム、レニウム、ルテニウム、パラジウム(原文のまま)、およびロジウムなどの超微量元素。
C.以下のような二次的植物物質
a.植物ステリン:β−シトステロール
b.スペリオシド(spiraeoside)、イソクエルシトリン(isoquercitrin)、フラボノリグナン(flavonolignan)、ルトシド(rutoside)、ヒペロサイド(hyperoside)、カテコールタンニン、プロシアニジン(procyanidin)B−2、ヘスペリジン、ゲニスチン、ナリンジン、ビテキシン(vitexin)、オリエンチン(orientin)、ゲニスチン、オノニン(ononin)などのフラボノイド
c.アルファカロテン、β−カロテン、リコピン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、クリプトキサンチン、ルテイン、ネオキサンチン(neoxanthin)、フィトフルエン(phytofluene)、フィトイン(phytoin)、ルビキサンチン(rubixanthin)、ビオラキサンチン、フルコキサンチノール(flucoxanthinol)、ビオラキサンチン、フラボキサンチン(flavoxanthin)などのカロテノイド
d.プロテアーゼ抑制剤
e.イソチオシアン酸塩、チオシアン酸塩、およびインドールなどのグルコシノレート(glucosinolates)
f.サポニン
g.特にフィトエストロゲン
i.ゲニステイン、ダイゼイン、グリシタイン(glycitein)、ビオチャニン(biochanin)A、ホルモノネチン(formononetin)などのイソフラボン
ii.セコイソラリシレシノール(secoisolariciresinol)およびマタイレシノール(matairesinol)などのリグナン
iii.クメステロール(coumestrol)および4’−メトキシクメステロール(methoxycoumestrol)などのクメスタン(coumestans)
D.レチノール、カルシフェロール、トコフェロール、フィロキノンなどのビタミン
【0040】
したがって、NRD法は、特に、先験的に溶解しにくい作用物質に基づく薬理学的調製法に多くの用途を有する。
【0041】
特に、非常に溶解性のある種の収着基質の上/中への相互吸着/相互吸収の存在が、全体の過程を妨たげず、また、必須物質製品の統合的な調製の枠組み内で望ましくさえもあることに留意されたい。
【0042】
本方法は、ここでは、安定化吸収剤の高い収着効果が、作用物質の種の間の誘因的な相互作用に重なり、こうして分離をバックグラウンドへ押し込むため、特に、多成分の作用物質、およびまた必須物質混合物の生物学的利用能を高めるのに適する。
【0043】
本発明の重要な特徴は、収着系の形態での必須物質に富んだ反応成分の調製であり、この調製では、反応成分に含まれる個々の必須物質が、少なくとも10日間、好ましくは少なくとも100日、典型的には、しかしながら500日を超える保存において安定しており、個々の必須物質の凝集は、ほんの小さい程度でのみ起こる。この保存段階では、こうして放出されたナノスケールの必須物質の平均直径が、典型的に、100%を超えるだけ、好ましくは50%より少ないだけ増加しない。これは、粒子の極度に小さい成長、または極度に小さい凝集が保存基質内で起こることを意味する。
【0044】
考慮される本発明の特別な特徴は、特に凝集しがちである必須物質を、生物学的に利用可能な形態で「凍結」し、また、それによってその必須物質を植物細胞の外側で安定化させることである。同様のことがおそらく植物細胞内で起こることに留意されたい。溶解しにくい必須物質の種または凝集しがちである必須物質の種は、植物細胞の細胞膜によって互いに分離され、したがって凝集化または結晶化できない。細胞膜の機械的な破壊のために「凝集妨害」が存在しなくなった時にのみ、「結晶核」または「ナノスケール粒子」が互いに「結合」し、凝集できる。
【0045】
本発明に従って生成された不安定なナノ粒子は、反応性脱着の直後に、概して、初期の直径に対して、1時間に少なくとも5%、および典型的には少なくとも50%の粒子直径の成長を呈する。粒子の直径は、すぐ飲める溶液内で、無条件に、1時間に5nm〜5μの間成長する。これは、「活性化された」分散体の中に、粒子の強い成長または強い凝集があることを意味する。
【0046】
本発明によるすぐ飲める溶液は、本方法によって生成されたナノ粒子を含み、濃縮範囲は、典型的に等浸透圧の範囲にあり、特に約2000から10,000mg/Lの無機物を有する。
【0047】
粒子サイズの分布、特に直径の判定は、レーザ散乱実験を介して、または透過型電子顕微鏡を用いて、強度に希釈された溶液から適切な膜に置かれた粒子を直接測定することによって行う。
【0048】
好ましくは、飲用液は、その飲用液の対応する調整/活性化の後、1時間以内に使用される。
【0049】
収着成分は、これによって、好ましくは、有機および/または無機の性質のものである。好ましくは、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、および対応するカリウム塩または無機収着分として同様の機能の混合物である。
【0050】
好ましくは、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、アスコルビン酸などのフルーツ酸だけでなく、フルクトース、グルコース、マルトース、デキストース、またはこれらの混合物などの糖も、有機収着分として使用される。さらに、乳酸、アスパラギン酸、およびグルタミン酸を使用することが可能である。
【0051】
収着系が均一に粉砕されていると、特に有利である。ここでは、吸収剤は、吸収された結晶面の上に非常に薄い層で加わる、高度に効果的な粉砕体として働き、粉砕過程の際に、この吸収剤は、また、それ自体の分解の枠組み内で、より顕著なまたはより顕著でない非結晶質構造体に埋め込まれる。このために、乾燥過程に通常のボールミルが使用可能であり、このボールミルは有機/収着系とともに使用されることが好ましい。他方で、より高い格子エネルギーを出さなければならない無機/収着系は、好ましくは水溶液に、特に好ましくはビーズミルで粉砕される。
【0052】
また、有機/収着系の水相での粉砕を用いる場合は、粒状構造を破壊しないように、吸収剤が、液体の中で可能な限り低い溶解度を有するように注意しなければならない。濡れた後に表面エネルギーが減ることにより、粉砕過程は、その効率がかなり増加される。したがって、有機/収着系は、本発明に従った方法の有利な形態で、水媒体および/またはアルコール媒体の中で粉砕される。
【0053】
反応性脱着は非常に迅速に行われ、それによって、ナノ粒子が妨害されずに放出されるため、反応性脱着は、酸/塩基反応を用いることによって好ましくは制御される。例えば、鉄、コバルト、銅、およびモリブデンの種などの微量元素は保存が非常に良く、あまり高い凝集傾向は有さないため、塩基成分またはその水溶液のpH値は、好ましくは10を超える。シリコン、アルミニウム、マンガン、クロミウム、ホウ素、チタン、ニッケル、亜鉛、バナジウム、セレン、ジルコニウム、ルビジウム、イットリウム、セリウム、パラジウム、ランタン、ネオジム、銀、タングステン、ガリウム、テルル、トリウム、プラセオジム、ニオブ、サマリウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ヒ素、スカンジウム、インジウム、アンチモン、セシウム、ゲルマニウム、イッテルビウム、エルビウム、ユウロピウム、ビスマス、プラチナ、タンタル、テルビウム、ホルミウム、ルビジウム、ベリリウム、金、およびロジウムも同様である。
【0054】
逆に、酸性成分またはその水溶液は、好ましくは5より小さいpH範囲に収められる。酸性のpH範囲は、抗菌性の効果を有し、そのため、この系の保存能力を増す。さらに、2つの成分のpHの差異ができるだけ大きいと、同様に、述べられた利点によって反応性脱着ができるだけ自発的に増す。
【0055】
フルーツ酸に加えて、ペクチン、ゼラチン、マルトースなどの糖物質および分散剤または乾燥補助物を使用することも、特に有利である。
【0056】
原料として、果物および野菜、特に、ヒマワリの種、西洋アブラナ、ムギクサ、ヒラウチワサボテン、カイグア、大豆、葛、大麦、小麦、キャベツ、亜麻仁、緑茶、サクランボ、ブルーベリー、クランベリー、イチゴ、赤ワイン、アスパラガス、ユッカ、カイグア(原文のまま)、サローソーンベリー(sallow thorn berries)、ブラッダーケルプ(bladder kelp)、ゴールデンロッド草、アルニカの花、葉パセリ、クマツヅラ、花の花粉、タンポポの葉、エルダーベリー、エレウテロコックスの根、マリゴールド草、人参、バラの花びら、花の花粉、ゼニアオイ、ちりめんキャベツ、オオアザミ、クランベリー、weinrautenkraut、サンザシ、パンジー、キンミズヒキ、ハリモクシュク、ブルーベリー、トケイソウ、小麦ふすま、もみ殻、ハウチワマメ、オリーブ、アザミ、ゴマなどの高必須物質含有量を有するものが、好ましくは使用される。有利には、特に、対応する種および実の油粕も使用される。さらに、ニンジン、リンゴ、ジャガイモの皮、ブドウ、任意選択で、またヘイゼルナッツ、クルミ、マカダミアナッツ、ココナッツ、アーモンド、カボチャの種、ブドウの種、および同様の脂肪種子の絞りかす、および実の殻、またはふすまとして、なかでもまた小麦および米のふすま、ならびに砂糖の生産時にできるサトウキビおよび甜菜糖の残留物の使用が適当である。典型的に、果物の皮、特にオレンジ、レモン、ジャガイモの皮、およびタマネギの皮が、原材料として用いられる。
【0057】
本発明の特に好ましい実施形態では、水溶性のまたは有機的な抽出物の残留物が完全に酸化されて、その酸化物が、塩基性の懸濁物に転化される。任意選択で、木灰および/または石炭灰も、さらなる加工に用いられてよい。本発明の特に好ましい実施形態では、原材料の水溶性のもしくは有機的な抽出物の残留物または原料の残留物が、完全に酸化されて、その酸化物が塩基性の懸濁物に転化される。この塩基性懸濁物は、有機吸収剤の有機ナノ粒子の反応性脱着において、塩基性の反応成分として理想的に使用されることができる。
【0058】
ナノスケールの有機必須物質の放出に加えて、無機ナノ粒子も後者の過程において放出され、本質的に、無機物、特にアルカリ土類の種の塩基性懸濁物に吸着される。こうして、塩基性の懸濁物は、反応成分として、再び収着系となり、ナノ粒子となった微量元素および超微量元素を放出する。
【0059】
したがって、一方で、例えば、鉄、銀、金、プラチナ、ビスマス、コバルト、銅といった、対応する原料に埋め込まれた溶解しにくい無機物質が、ナノスケールで、典型的に多元素ナノ粒子の形態で放出され、他方で、有機吸収剤に吸着された有機ナノ粒子が放出され、一体化された生物学的に利用可能な必須物質の溶液が調製される。
【0060】
本質的に、アルカリおよびアルカリ土類炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物と、酸性成分を有する酸化物とで発生する酸/塩基反応のフレームワーク内では、後者が、例えばクエン酸塩、乳酸塩、アスパラギン酸塩などの陰イオン酸に転化され、それらが、体の中で新陳代謝されて炭酸塩になり、そのため、多くの医師によって危険かつ病的であると分類される酸血症を防止し、こうして、バランスの取れた酸/塩基の平衡を確立する重要な種として働く。
【0061】
抽出過程は、カロテノイド、フラボノイド、フィトエストロゲン、アルカロイドなどのとりわけ健康に大きい利益があるとされる種が、できる限り広範囲に抽出されるように、本発明に従って行われる。有機溶媒として、ケトン、アルコール、エステル、エーテル、アミン、特にアセトン、エタノール、メタノール、メチルエチルケトン、N−メチルピロリドン、イソプロパノール、およびテトラヒドロフランを使用することが可能である。さらに、抽出は、水性で行われることができる。また、フルーツ酸を用いて抽出を行うことが有利であり、その場合、特にアルカロイドおよび無機物/微量元素が増大される。水性抽出では、必須物質の種の溶解性を増し、それによって抽出を促進するために、温度効果の利点を有する。抽出剤へフルーツ酸を添加することによって、さらに、無機分およびアルカロイド分を特に増すことが可能である。
【0062】
乾燥過程は、これによって、スプレー乾燥段階を介して行われることができる。また、加熱された回転筒が好ましくは使用され、この場合、壁に集まった被覆剤が、掻き取り機構を用いて一時的に除去され、その後、さらに有利には乾燥粉砕過程で加工され、微細な粉末を形成する。
【0063】
このように、溶解された状態と吸着された状態との間の移行段階が時間的に短縮され、それによって凝集が最小限に減少可能であるため、望まれない凝集については、スプレー乾燥が利点を有する。
【0064】
酸化させないために、特に、過程内の熱負荷の際に酸化しやすいSPSおよびビタミンであるビタミンC、ビタミンE、またはトコフェロールが、酸化防止剤として、抽出物または抽出される原料と、好ましくは混合される。
【0065】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つの親植物の3つの部分が、互いに離されて、過程内で再び結合される。
【0066】
本発明の有利な改善例においては、ナノスケールの作用/必須物質の分散体が、吸着食物および/または固定食物上に塗布され、ならびに/あるいは工程cを行う際に吸着食物および/または固定食物内に導入される。例えば、ナノスケールの作用/必須物質の分散体が、穀物製品、特に小麦粉、シリアル、セモリナ、ココア粉、砂糖、粉乳、澱粉に塗布される、および/またはそれらの中に導入されるように、本発明の枠組み内で提供される。ナノスケールの作用/必須物質の分散体は、しかしながら、マーマレード、ジャム、および/もしくはガム状果物などの、ゲル化剤および/もしくはゼラチンを含有した、および/もしくはペクチンを含有した食物に適用可能であり、ならびに/あるいはそれらの食物に導入可能である。
【0067】
使用者が本発明の方法を行うのを特に単純にするのを可能にするために、本方法の別の有利な実施形態では、工程cの反応成分が、複数の部屋を有する容器を用いることによって、特に、複数の部屋を有する筒を用いることによって一緒にされる。これらの部屋は、こうして、この成分のための保管所として使用される。
【0068】
作用/必須物質に富んだ食物、特にいわゆる「機能性食品」の生産には、本発明は、上記の方法で作用/必須物質の濃縮物を生成し、この作用/必須物質の濃縮物が速やかに、特に工程c)を行った後5時間後未満に、好ましくは1時間後未満に、特に好ましくは5分間後未満に、吸着食物および/または固定食物の上に塗布される、ならびに/あるいは吸着食物および/または固定食物の中に導入されることを提供する。
【0069】
こうして、非ニュートン性の、特に揺変性の(チキソトロピックな)保存基質が用いられる場合、本方法の実施が、特に信頼性のあるやり方で可能となる。これを利用可能にするために、本発明は、非ニュートン性で粘性のある、特に、揺変性で、酸に溶解可能な保存基質を、特に、上に説明された本方法の工程b)の収着および/または固定固体基質として使用するために生成する方法を創出し、
a)Caおよび/またはMg含有の無機物が、水の存在下で粉砕され、
b)揮発性および/または反応性の分散剤が、この粉砕過程の前または間に加えられる。
【0070】
非ニュートン性で粘性のある、特に、揺変性で、酸に溶解可能な保存基質の生成方法については、本発明は、また、主に水と、水酸化物および/もしくは炭酸塩化物に結合された形態のCaならびに/またはMgとを含有する、揺変性で、酸に溶解可能な保存基質を創出する。特に、水分含有量は、有利な実施形態では、乾燥質量に対して、約95%から約50%の範囲にあり、好ましくは、約90%から約75%の範囲にある。
【0071】
本発明の有利な改善例では、保存基質は、30℃で、100,000mPa/sより大きい揺変性を有し、好ましくは、300,000mPa/sより大きい揺変性を有し、特に好ましくは、1,000,000mPa/sより大きい揺変性を有する。
【0072】
保存基質の密度は、約1.03から約1.65g/cmの間であり、好ましくは、約1.05から1.3g/cmの間である。粘性は、30℃+/−5℃の温度において、約20mPa/sから約50,000mPa/sの間であり、好ましくは、約3000mPa/sから約12,000mPa/sの間である。
【0073】
本発明の好ましい実施形態では、揺変性の保存基質は、水および非結晶質の非有機の種に加えて、主に無機物の方解石および/またはホルトランダイトおよび/またはブルーサイトおよび/またはドロマイトを有する。本発明に従って、揺変性の保存基質は、微量元素および超微量元素のナノスケール保存に使用可能である。
【0074】
作用物質の可溶化の方法、および特に、作用物質の可溶化の方法の工程b)で収着および/または固定固体基質として使用するための、非ニュートン性で粘性のある、特に、揺変性で酸に溶解可能な保存基質の生成方法について、本発明は、ヒトの健康に有益である製品を創出する可能性を提供する。
【0075】
こうして、本発明によると、個々の超微量元素が、標準としてのカルシウムとマグネシウムとに対して、重量比で、0.1ppmから1000ppmの間、好ましくは1ppmから100ppmの間で存在する。すぐ飲める溶液では、結合された錯体または酵素の原子またはイオン単位として働く銀、金、プラチナ、パラジウム、ロジウム、タングステン、ルテニウム、レニウムなどのような超微量元素の級で計数される触媒金属が、リットルあたり1014(1E14)から1017(1E17)原子の範囲の濃度、すなわち、酵素/触媒の尺度では相当な濃度範囲で存在する。典型的に、高価値の植物原料を使用すると、15から35の間の超微量元素がこの濃度範囲で存在する。
【0076】
本発明によると、特に、作用物質の可溶化の方法の工程b)で収着および/または固定固体基質として使用するための、非ニュートン性で粘性のある、特に、揺変性で酸に溶解可能な保存基質の生成のための本方法の大きな利点は、機械的に導入された分散エネルギーが、吸着または固定系の中に保存されたままになることである。必須物質の基本的な分散が、こうして保持される。工程bにおける2つのマクロ成分、すなわち一方における吸着または固定系と、他方における反応成分との混合は、こうして、特に低い混合エネルギーを要し、このエネルギーは、通常、振動、単純な攪拌、および/または完全なミリング/完全な捏和の組合せによって生成可能である。
【0077】
最終的に、本方法の使用者は、その場で、装置または場所にかかわらず、高エネルギーまたはナノスケールの分散を生成することのできるビーズミルのような高性能分散要素を有するかのような状況に置かれる。
【0078】
本発明によると、特に、作用物質の可溶化の方法の工程b)で収着および/または固定固体基質として使用するための、粘性の構造、特に揺変性で、酸に溶解可能な保存基質の生成にとっての、本方法の特に有利な特徴は、主に静電気および/または双極性を介して、特にまた、水素結合を介して結合する、ミクロおよび/またサブミクロの種を含む、吸着または固定懸濁物の形成である。
【0079】
「固定系」という用語は、特に、基質(以下では保存基質とも称される)と、その基質に本質的に固定された1つまたは複数の埋め込み種とからなる系、また、特に水系を意味すると理解される。例えば、保存基質は、水素結合または双極性相互作用を介してつなぎ合わされた三次元の網状組織をそれ自体の間に形成する緩いまたはそれほど緩くない凝集体を含んでよい。この凝集体の網状組織の隙間に、埋め込み種が埋め込まれる、または、介在して保存されることができる。この介在保存は、埋め込み種がその可動性を大幅に失うようなやり方で起こり、すなわち、いかなる場合でも、しかしながら、やはり、埋め込み種が、凝集できる十分な空間または反応場所を見出さないように、凝集体の網状組織の隙間は十分に小さい。
【0080】
この理由のために、やはり、保存基質の一次粒子が、以下で「空洞部」と称される、ナノ粒子が中に埋め込まれて嵌合されるが、凝集に十分な空間的な容積がないように、窪んだ空間の網状組織を非直接的に形成するように、上流の粉砕過程を介して、この一次粒子を十分に小さく調製することが有利である。
【0081】
凝集網状組織のエネルギーが、NRD法では特別な重要性を有する。一方で、埋め込み種が、その可動性を大きく制限され、いかなる場合でも、しかしながら、それ自体で凝集体を形成できるように互いに対して整列する能力を大きく制限されるように、埋め込み種を十分に濃縮するいわゆる空洞部構造体を形成するように、対応する一次種が、互いに十分に集中的なやり方で相互作用するか、または物理的に互いに結合しなければならない。他方で、非常に短い時間間隔で溶解可能であるように、保存体の凝集網状組織は十分に不安定でなければならない。
【0082】
保存基質は、例えば、空洞部構造体を形成する、正に荷電した一次粒子からなる。主に、陰イオン超過分水、例えば水酸化物、および/または炭酸塩、および/または炭酸水素塩が、空洞部の中に見られる。
【0083】
本発明の改善例では、正に荷電した一次粒子は、特に、主にCa/Mg水酸化物からなってよい。凝集体を実質的に安定化する、または保存基質を静電気的におよび/もしくは機械的に実質的に安定化する、水酸化物イオンの高い可動性の結果として、凝集体は、酸と接触すると、典型的に数秒間で崩壊する。
【0084】
接触する酸が、機械的エネルギーの導入と組み合わされる場合、凝集体は特に速く崩壊する。凝集体は、ある程度、その機械的な動きによって、少なくとも短い時間の間崩壊し、それに付随して水酸化物イオンの可動性が増す。
【0085】
クエン酸、リンゴ酸、ビタミンCなどのような固体酸が、特別な利点を有する接触剤として用いられ、その理由は、これら固体酸が伴うと、高濃度の水酸化物イオン受容体またはプロトン供与体が保存基質に導入され、それによって凝集体の化学的溶解に加えて、凝集体の崩壊をもたらすからである。
【0086】
これと対照的に、当然ながら、酸性水溶液との接触をもたらすことも可能であるが、この系は、凝集体を完全には溶解させにくい、またはある程度、凝集体をゆっくりとのみ溶解する傾向にある。固体粒子による接触の利点は、さらに、系の完全な混合を達成する、外部からもたらされた機械的エネルギーが、主に、粘性/揺変性の基質の中に至り、粘性の低い水系の中には至らないことである。実際に、本発明に従った本方法の可能な有利な適用例は、最小限の機械的消費量を有し、適用の場所に依存しないナノスケールの分散を生成することが見られるため、この利点は、過小評価すべきではない。
【0087】
しかし、当然ながら、揺変性の保存基質は、実際は、1つまたは複数の必須物質を既に含んでよいが、対応する量は、ここで行われる必須物質の装入量の数には入らないことが、明言されるべきである。
【0088】
揺変性の保存基質の特別な利点は、粉砕過程において、ナノスケールで放散される必須物質の種が、生成の瞬間に空洞部構造体の中に直ちに結合され、したがって、再凝集が防止されるという事実に見られる。これによって、非常に効率的な粉砕過程、および高いナノスケールの濃縮が可能になる。
【0089】
揺変性の保存基質の生成は、主に、好ましくはビーズミルでの、均一な粉砕段階において起こる。生成過程は、カルシウムおよびマグネシウムの塩を予め焼結することによって、補助される。好ましくは、対応する酸化物、水酸化物、炭酸塩、および炭酸水素塩が使用され、すなわち、これによって、Ca/Mg比は0:50から10:1の間、好ましくは1:5から5:1の間となる。無機質の種としては、揺変性の保存基質は、典型的に、および主に、方解石、ホルトランタイド(Portlantid)、ブルーサイト、およびドロマイトで形成される。
【0090】
作用物質の可溶化、すなわち反応性脱着のための本方法の最終段階が、単純な様式で使用者自身によって行われることができるために重要であるのは、反応性脱着のための成分の取りまとめが、適切な包装の中で起こることである。
【0091】
収着系と反応性成分を1つの包装単位の中で別々に保存するのが有利である。特に、利点は、2つの成分を分離要素によって局所的に分離することであり、分離要素に間接的に働く短い時間の力の行使、またはねじりモーメントによって、分離要素が開かれる、または壊される。このように行われた開放によって、次に、2つの成分の混合がもたらされる。
【0092】
このために、2室のシステムに関して、一定の圧力によって開き、2つの成分の良好で完全な混合ができる封止体によって、両方の成分が互いに分離されていると、特に好ましい。
【0093】
有利な実施形態では、3つの抽出部分さえも得られ、次に、この抽出部分が、3成分システムの中に詰められる。この場合、好ましくは、a)水/酸抽出物と、b)収着固体気質としてのフルーツ酸から本質的になり、その上に、植物性の有機的に抽出可能な物質が吸着された、わずかに分散可能な乾燥物質と、c)塩基性の粉末または塩基性の懸濁物とを、少なくとも2つの封止体によって互いに分離された、1つの包装単位の中にまとめることになろう。封止体を開き、個々の成分を混合することによって生成された濃縮物は、最終的に水、または他の飲料の中に攪拌され、消費されることができる。
【0094】
反応性脱着は、大部分がpH値に依存しているため、個々の成分をできる限り高い濃度範囲で取りまとめることがしばしば有利である。好ましくないpH値が介在して存在する場合、個々のナノ粒子の溶解性が不可逆的に損なわれる可能性がある。濃縮された成分を正確に混合することによって、等質点の迅速かつ均一な通過が可能になり、中性pH範囲における両性種の沈殿による不動態化に対抗する。個々の成分の保存および取りまとめが中で起こる、可能な装置に関して、これは、対応する装置を構築することによって、意図的な混合手順を描くことができることを意味する。
【0095】
特に好ましいのは、びんである閉鎖されたシステムの中に個々の成分を一体化する装置であり、こうして、完成した必須物質の飲料を、閉鎖されたシステムの中で完全かつ連続的に正しく調製することが容易に可能になる。
【0096】
説明された方法に従ったナノスケールの作用物質/必須物質を含む液体および飲料を製造する本発明に従った装置は、以下の特色を特徴とする。本発明に従った装置は、
i.成分Aを備えた貯蔵部#1と、
ii.成分Bを備えた貯蔵部#2と、
iii.貯蔵部#1と貯蔵部#2との間の分離部と、
iv.びんにねじ込むことができるようにするねじ山と
を含む。
【0097】
本発明に従ったこの装置は、特に、
i.第1成分が準備されることのできる第1貯蔵部と、
ii.第2成分が準備されることのできる第2貯蔵部と、
iii.第1貯蔵部と第2貯蔵部との間の着脱可能な第1分離部と、
iv.装置を液体用の容器に連結するためのデバイスであって、着脱可能な第2分離部を備え、この第2分離部が溶解されたときに、第1貯蔵部および/または第2貯蔵部の内容物が放出されるように装置が開くデバイスと
を含む。
【0098】
装置を液体用の容器に連結するデバイスは、ねじ山を備えてよい。液体用の容器は、例えばびんであってよい。液体としては、特に水を考慮してよい。本発明の好ましい改善例の枠組み内で、破断円板として、特に、非対称系の破断円板として、第2部分が形成される。
【0099】
本発明に従った装置を用いることによって、反応成分を適切なやり方で取りまとめることができる。したがって、先験的に不安定な、ナノスケールの作用物質または必須物質の種を、摂取/使用の直前に制御されたやり方で放出する可能性が使用者に与えられる。本発明に従った装置は、概ね、最適な溶解性を呈するために、成分が特別な順序で混合されなければならない液体または飲料の調製に特に適する。
【0100】
外部からの力の影響、例えば外側閉鎖部への回転、屈曲、牽引、または圧力移動によって、貯蔵部1と貯蔵部2との間の内側分離部が開き、2つの成分が接触される。ねじ山を用いることによって、装置は、ねじで容易に開けたり閉めたりできるびんの閉鎖部をもたらす。また、例えば、びんの内容物から閉鎖部を分離する第2分離部を助ける、少なくとも1つの貯蔵部に存在する余剰圧力が、第2段階で空気圧によって開放されることができるのが有利である。この任意選択例は、貯蔵部1より低い圧力レベルにある、貯蔵部2の容量に柔軟な構造によって、有利に実施可能である。このため、好ましくは、少なくとも2つ成分が、好ましくはプラスチック製の蛇腹状の閉鎖部の中へもたらされる。
【0101】
本発明は、また、本発明に従った方法で生産可能である栄養補助剤および/または清涼飲料を利用可能にし、この栄養補助剤および/または清涼飲料は、コロイド状に溶解された有機および無機のナノ粒子を含む。
【0102】
さらに、本発明は、本発明に従った方法で生産可能であり、コロイド状に溶解された有機および無機のナノ粒子を含むナノスケールの医薬品を利用可能にする。
【0103】
本発明に従った方法の重要な適用例は、非常に生物学的利用能の高い必須物質のクリーム、特に無機物質系の調製のための練り歯磨きにおける使用である。カルシウムおよびマグネシウムの保存基質に加えて、高い強度を与えるためにエナメル質に取り入れられなければならない作用物質として、ストロンチウム、ホウ素、マンガン、シリコン、亜鉛、および銅が、保存基質に好ましくは導入される。
【0104】
有利には、酸性反応成分が、例えばSiOフレーク、ラポナイトをベースとしたゲルにされる。このような練り歯磨きのチューブは3つの部屋を備え、その中には酸性成分、塩基性成分、および外側を囲む練り歯磨きの撚り合わされた成分が含まれる。次に、反応性脱着が、歯を磨く際にin situで起こる。このようにして、対応する、非常に生物学的利用能の高い無機物および/または必須物質が、正しいときに正しい速度で正確に放出される。
【0105】
同様に、非常に活性化力の高いクリームを製造することも可能であり、この場合、酸は、増粘剤、例えばSiO、ラポナイト、および/または澱粉とともに用いられる。同様に、3つに撚ったチューブによって、このシステムをクリーム相と組み合わせることができる。手または体に擦り込まれると、非常に生物学的利用能の高い必須物質が放出され、肌に最適に吸収されることができる。化粧品分野のための、しかしまた練り歯磨きとしての類似のクリーム系が、3成分の袋または棒を介してもたらされることができ、この場合、計量、特に3成分の調整を扱うのが容易であるという利点を有する。
【0106】
NPD法に従って調整される、必須物質の濃縮物および溶液の非常に重要な適用例は、食物について可能である食物の濃縮である。これによって、個々の食物が、a)大きい表面積および/または高い吸収能力を有するときに有利である。これらの特徴は、ここでは収着過程が凝集過程に比べて迅速に起こるため、好ましくはナノスケールの範囲で提供される必須物質の均質な分布を助ける。非常に適する食物は、やはり、ココア粉、シリアル、粉乳、および砂糖である。小麦粉および穀物セモリナも、この場合に非常に適当である。
【0107】
歯科用チューインガムの製造も特に有利であり、強冷され、粉砕されたチューインガムの粉、例えば液体Nで脆くされたチューンガムが、必須物質の濃縮物とともに真空冷凍乾燥加工でスプレーされ、対応するように装入される。このようなチューインガムは、Ca、Mg、Sr、およびBを装入されている場合には特に、生物学的に利用可能な無機物を歯に最適に与えることにつながる。
【0108】
さらに、食物を固定化することは、高エネルギーの必須物質の粒子の間に間隔を置くのに非常に適している。この食物は、ゼラチン製品、ペクチン製品、または、また軟塊製品である。特に、マーマレード、ジャム、ガム状の果物製品、チョコレート、チョコレートクリーム製品である。同様に、動物の試料もこの必須物質分散体を装入されることができる。
【0109】
本発明は、添付の図面を参照して、実施形態の例を用いることによって、さらに詳細に説明される。図において、同じ構成要素は同じ参照符号が与えられている。
【実施例1】
【0110】
ヘキサン抽出によって残留油含有量約1%まで予め脱油された500gの亜麻仁の油かすが、3×1.5Lのアセトンで3Lの丸底フラスコ中に抽出され、そこに各回100mgのトコフェロールが、超音波浴内において、40℃で各回20分間加えられた。
【0111】
抽出分が、25gのクエン酸と合わされ、混合されて、約100mbarの圧力の下、水槽中で、回転式蒸発器で乾燥状態まで蒸発された。残留物が、丸底フラスコから掻き出され、ボールミルで5時間粉砕された。
【0112】
次に、粉砕された粉が、60℃、<5mbarの圧力の下で1時間、回転式蒸発器で蒸発され、有機酸収着系が生成された。
【0113】
同様に抽出された5kgの亜麻仁油かす残留物が、るつぼ中、約1000℃で焼かれ、灰がまとめられて、50μmまでふるいを掛けられ、るつぼ中で48時間、1150℃のマッフル炉で加熱された。
【0114】
こうして生成された純度の非常に高い灰が、200mLの水とともに、1.5〜2.5mmのサイズを有する粉砕要素を備え、固体材料に対するエネルギー入力0.5kWh/kgを有する回転式ビーズ粉砕ミル中で予備的粉砕に掛けられ、第2粉砕段階では、0.3〜0.4mmの粉砕ビーズで、固体材料に対するエネルギー入力3kWh/kgで粉砕された。
【0115】
カルシウムおよびマグネシウムの炭酸塩または水酸化物の含有量は、乾燥質量について約40重量%、または懸濁液について約5重量%であった。pH値は11を超え、13.8であった。
【0116】
こうして生成された2.0gの塩基懸濁液が、1gの有機酸、収着系で3から4のpH値に調整され、150mLの水で希釈された。こうしてできたコロイド液は、回折測定値によって特徴づけられ、そのナノスケールの特性が確認された(図1を参照)。
【0117】
測定値は、Beckmann−Coulter Company(クレーフェールト市)のLS230型の分光計を備えた、PIDS技術(偏光散乱強度差法)に従ったレーザ回折分光器を用いることによって判定され、粒子範囲は、体積密度分布q3に従って計算され、作図された(H.Rumpf著、「Mechanische Verfahrenstechnik」 (機械的方法技術)、Carl Hanser Verlag/Munich−Vienna、1995年、12〜15ページを参照)。
【実施例2】
【0118】
50gのKOHに加えて、400gの水酸化カルシウム、200gの酸化マグネシウムが、コランダムるつぼ中、1100℃で12時間、溶剤として焼結された。焼結品が、ボールミルで予備粉砕に掛けられ、ビーズミルで、1000mgの酸化鉄(III)および100mgの酸化銀とともに細かく水様に粉砕された。揺変性懸濁液の最終的な固形分は19.5%であった。粒子の分布範囲は、最大300から500nmの間を有しており、全粒子のほぼ90%が1μm未満であった。
【0119】
Mittler Toledo Companyの回転式粘度計を用いることによって、6000mPasの粘度、および1,200,000mPa・sの揺変性が判定された。密度は1.12 g/cmであった。
【0120】
5gのこの懸濁液が、スナップ式の蓋を備えた小型のガラスびん中で1.5のクエン酸と混合され、軽く振られた。形成された濃縮物が、蒸留水で40倍に希釈され、溶液またはナノスケール分散液が、NRD法に従った調製または活性化の後、やはりレーザ回折分光器を使用して10分間測定された。
【0121】
結果は、粒子分布の最大は60nmであり、全粒子のほぼ100%が100nm未満であった。
同じ懸濁液を用いた10日間後の反復実験は、同じ結果となった。
【0122】
分散液が2時間後に再度測定され、その際、粒子分布の最大は250nmを呈していたが、さらに4時間後、認識可能な白黄色の沈殿物が沈殿し、それが攪拌されて、粒子分布の最大は1.2μmとなった。
【実施例3】
【0123】
実施例2で生成された5gの塩基性無機質(mineral)で、揺変性の保存基質が、実施例1による1.25gの有機酸性の収着系と、スナップ式の蓋を備えた10mLのガラスびん中で接触させられ、軽く振られた。直後に、系全体がわずかに液体になり、ナノスケールのコロイド状分散体を形成した。次に、これが40倍に希釈され、活性化の10分後、またはNRD法の反応工程を行った10分後に、レーザ回折を用いて測定された。
【0124】
比較的急勾配の粒子分布の最大は、約75nmであり、やはり全種のほぼ100%が100nm未満であった。
【0125】
以下に、本発明に従った方法を行う装置が図2〜10を参照して説明される。本発明に従った装置は、特に好ましくは、少なくとも1つの貯蔵部に余剰圧力が存在し、それを用いることによって、例えば、閉鎖内容物をびんの内容物に対して分離する第2分離部が、第2段階において、空気圧で開かれることができるように構成される。このオプションは、貯蔵部1より低い圧力レベルにある、貯蔵部2の容量に柔軟な構造によって、有利に実施可能である。このため、好ましくは、少なくとも2つの成分が、好ましくはプラスチック製であり、図2から8の例によって示されるコンセルチーナ状すなわち蛇腹状の閉鎖部の中へもたらされる。
【0126】
図2〜8は、本発明に従った本装置の蛇腹状の閉鎖部を示す。
成分1、好ましくは収着システム(2)が上部閉鎖蓋内にある。好ましくは、閉鎖蓋は、これによって、最高30barの余剰圧力の下に置かれ、装置を開くのを助ける。典型的に、0.5から20barの間の圧力差が2つの貯蔵部の間に存在する。閉鎖蓋がまず閉じられ、このとき、貯蔵部2(12)にあるプラグ(3)/(3b)、特に、プラグ(3b)の閉鎖領域が、成分1(2)と成分2(7)を互いに分離する。
【0127】
閉鎖は、閉鎖蓋の回転動作および/または屈曲動作のどちらかによって起こされ、プラグの閉鎖域を囲み、固定ロッド(5)の上で固定される封止域(11)が破壊する。次に、閉鎖蓋の中の余剰圧力の膨張がプラグを下向きに押し、それによって次に、プラグの開放領域を介して、圧力の均衡、および2つの成分の完全な混合が可能になる。蛇腹状のホース(6)によって囲まれた貯蔵部2が、圧力の働きによって脈動するかたちで膨張し、開放位置にある固定プラグが、円錐形に広がる星形の鋸歯の付いた枠組みによって、上閉鎖蓋の底部の開口部に留められる。この容量の柔軟性が、特に、本発明に従った装置の安全な使用に、非常によい。
【0128】
図7に示される起動された状態では、十分に多量の気体が、蛇腹状のホースの領域内に存在し、その気体は、特に、反応性脱着のフレームワーク内の二酸化炭素の任意選択の放出によって、いくらかそれ以上に増加され、それによって、非対称形の破断円板(9)を、実際の開放工程において、閉鎖蓋への手動圧力の手段、およびこうして達成された圧縮力/圧力の増加によって破裂させる。開放された破断円板は、プラグの下向きに動かされた固定ロッドによって、最終的に開位置に保たれる。固定ロッドは、その円錐形の形状を有した状態で、下閉鎖蓋の円筒形の窪みに入れられ、固定ロッドが固定される上閉鎖蓋の下向きの動きによって、再度留められる。こうしてもたらされた、2つの閉鎖用二分割体の固定的な接触によってびんの中に流れ込んだナノスケールの濃縮物の完全な振動および混合の後、過程全体にわたってびんの頭部に固定されていた蓋が、回して閉められることができる。
【0129】
図9は、固定デバイスによって保持された、飲料びんの内部の固定された2室のカートリッジを示す。びんが一時的に開かれ、びん内にある余剰圧力が除去された後、引き続き、封止体(40)が開く。図10は、空気圧で起動され、次に空気圧で広がる、本発明に従った装置の2室のカートリッジの開放手順を示す。
【0130】
図10では、図Aは開放の初期における2室のカートリッジの断面を示す。図Bは、封止体(300)が開かれ、部屋(400)の中の成分が下の部屋の中の成分の上に流れ落ちたカートリッジを示す。これは、予め高められた圧力の下にあった外びんを開いた後に起こる。この高められた圧力は、カートリッジを図(A)による変形した状態に保つのに十分なものであった。
【0131】
図Cは、カートリッジに加えてびんが振られた後の濃縮された分散体(700)を示す。濃縮された分散体(700)は、ナノスケールの反応性脱着に基づいて形成された。同時に、COの生成によって、領域(600)内の圧力が上昇するにつれて、分散体が蓄積した。
【0132】
図Dに示されるように、下部または第2の封止体が、発生している圧力の上昇によって開かれた。解放された余剰圧力が、このときわずかに液体状のカートリッジの内容物を、周囲のびんの液体へと押した。
【0133】
図11は、例による、収着系の粒子サイズの分布を示し、この収着系は、必須物質の可溶化のための方法の工程b)で、特に、収着および/または固定固体基質として使用する、粘性のある構造体、特に揺変性で酸に溶解する保存基質の生成のための上述の方法で生成されることのできる揺変性の保存基質として働く。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】実施例1による粒子分布の範囲のグラフである。
【図2】「ZU」モードにある3室の閉鎖部の断面図である。
【図3】図2の断面Aの頂面図である。
【図4】図2の断面Bの頂面図である。
【図5】図2の断面Cの頂面図である。
【図6】図2の断面Dの頂面図である。
【図7】「起動」モードにある3室の閉鎖部の断面図である。
【図8】「開」モードにある3室の閉鎖部の断面図である。
【図9】固定デバイスを用いて保持されている、飲料びんの内部の固定された2室のカートリッジの図である。
【図10】空気圧で始動され、空気圧で広げられる、2室のカートリッジの開放手順の概略図である。
【図11】揺変性の保存基質の粒子サイズの分布の測定値の例である。
【符号の説明】
【0135】
1 上閉鎖蓋/貯蔵部1(好ましくは余剰圧力の掛かった状態)
2 成分1
3 対向するかぎ部を備えたプラグの開放領域
3b プラグの閉鎖領域
4 円錐形の対向するかぎ部を備えた固定ロッド
5 プラグ用の固定ロッド(同時に、破断円板を開いた状態に保持する)
6 蛇腹状ホース
7 成分2
8 一次閉鎖部
9 非対称形の破断円板
10 びんの開放部にねじ込むためのねじ閉鎖部
11 封止域(上閉鎖蓋の回転または傾斜の動きによって開かれる)
12 貯蔵部2
13 上閉鎖蓋の外壁
14 成分1
15 上閉鎖蓋の下側
16 封止域
17 プラグの閉鎖域
18 蛇腹状ホース
19 プラグ固定のための固定用架橋部
100 カートリッジをびん内に保持するための固定要素
20 びんの内部
30 開放されたカートリッジ室(反応成分(好ましくは乾燥した非水系)で満たされている)
40 封止域(空気圧で開かれることができ、その際、領域30と60とを連結する)
50 固定要素のホルダ
60 下カートリッジ室(第2の反応成分(好ましくは水性塩基成分)で満たされている)
70 第2封止体(気体の発生を伴う、2つの成分の反応の結果として発生される余剰圧力によって開かれる)
1000 第2封止体(気体の発生を伴う、2つの成分の反応の結果として発生される余剰圧力によって開かれる)
200 下カートリッジ室(第2の反応成分(好ましくは水性塩基成分)で満たされている)
300 封止域(空気圧で開かれることができ、その際、領域200と400とを連結する)
400 上カートリッジ室(反応成分(好ましくは乾燥した非水系)で満たされている)
500 圧力(1.5bar超)の掛かった気体容積
600 領域
700 濃縮された分散体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作用物質、特に、溶解しにくい必須物質種を可溶化し、そして一体的に利用可能で保存可能な必須物質の濃縮物および溶液を生成する方法であって、次の工程:
a.少なくとも1つの作用/必須物質の塩基溶液または塩基懸濁液を生成する工程、
b.前記少なくとも1つの作用/必須物質の塩基溶液または塩基懸濁液を、
i.塩基性または酸性の収着固体基質、および
ii.3から7の間の水系pH範囲では溶解しにくく、前記収着固体基質の中/上に吸着あるいは吸収される、有機および/もしくは無機の性質の作用物質または必須物質種からなる収着系に転化する工程、ここで
前記作用/必須物質種の合計固形分が、収着系に対して0.05重量%および30重量%の間にあり、
c.前記収着系を反応成分と接触させる工程、ここでは
i.前記収着固体基質が酸−塩基の反応のフレームワーク内で溶解され、そして
ii.前記収着固体基質の上/中に吸着/吸収された前記溶解しにくい作用物質または必須物質種が、反応性脱着の過程において、コロイド状に溶解されたナノ粒子として放出されるものである、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
作用物質、特に、溶解しにくい必須物質種を可溶化し、そして保存可能な個々の成分に基づく一体的に生物学的に利用可能な必須物質の濃縮物および溶液を生成する方法であって、次の工程:
a.少なくとも1つの作用/必須物質の塩基溶液または塩基懸濁液を生成する工程、
b.前記少なくとも1つの作用/必須物質の塩基溶液または塩基懸濁液を、
i.塩基性または酸性の収着固体基質、および
ii.3から7の間のpH範囲では水溶液に溶解しにくく、前記収着固体基質の中/上に吸着あるいは吸収される、有機および/または無機の性質の作用物質または必須物質種からなる収着系および/または固定系へと転化する工程、ここで
前記作用/必須物質種の合計固形分が、収着系に対して、0.05重量%から30重量%の間にあり、
c.前記収着系を反応成分と接触させる工程、ここでは
i.前記収着固体基質が酸−塩基反応のフレームワーク内で溶解され、そして
ii.前記収着固体基質の上/中に吸着/吸収された、前記溶解しにくい作用物質または必須物質種が、反応性脱着の過程において、コロイド状に溶解されたナノ粒子として放出されるものである、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
工程bにおいて、前記少なくとも1つの作用/必須物質の塩基溶液または塩基懸濁液が、収着系および/または固定系に転化される、請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記収着固体基質の上/中に吸着または吸収された、3から7のpH範囲において溶解しにくい前記作用/必須物質種の前記固形分が、合計で0.3%から25%の間、好ましくは1%から10%の間であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記放出されたコロイド状に溶解されたナノ粒子が、前記反応性脱着、およびすぐ飲める濃縮物への希釈の直後の時間間隔において、初期の平均粒子径に対して、1時間に、少なくとも5%、典型的に少なくとも50%の粒子成長を呈することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
工程bと工程cとの間が少なくとも10日間あることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記収着および/または固定系が、無機および/または有機の性質のものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
無機の性質の前記収着および/固定物質が、本質的に、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、およびこれらの混合物であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
無機の性質の前記収着および/固定物質が、pH>10の懸濁液中に存在することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記有機収着物質が、本質的に、結晶質または非結晶質の酸、特に好ましくは、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、および乳酸などのフルーツ酸、ならびアスパラギン酸およびグルタミン酸などのアミノ酸、ならびにこれらの混合物からなることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記収着および/または固定系が粉砕されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記収着および/または固定系が、主に微量元素および超微量元素がその上/中に収着および/または固定された、カリウム、マグネシウム、ならびに炭酸カリウム、炭酸水素塩、ならびに水酸化物からなる微細に分散した懸濁物であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記収着系が、完全に酸化された植物灰の微細に分散した懸濁物であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記収着および/または固定系が、主に、溶解しにくい植物成分がその上/中に収着および/または固定された、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アスパラギン酸、酒石酸、およびグルタミン酸、またはこれらの混合物からなるわずかに分散した乾燥物質であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記作用物質/必須物質の塩基溶液または塩基懸濁液が、植物原料または動物原料の抽出過程を用いることによって生成されることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
植物原料または動物原料が、少なくとも2つの部分的な部分に分割または転化され、再度1つにされることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記反応成分が、同様に、収着系および/または固定系であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記収着系および/または前記固定系および/または前記反応成分の装入量が、抽出された有機植物物質に対して、0.1から50重量%、好ましくは0.3から10重量%、特に好ましくは0.5から5重量%の間であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
微量元素および超微量元素と、カルシウムおよびマグネシウムおよびカリウムの合計との間の割合が、0.1から10重量%、好ましくは0.3から5重量%、特に好ましくは0.5から3重量%の間であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
微量元素および超微量元素と、カルシウムおよびマグネシウムおよびカリウムの合計との間の割合が、0.1から20重量%、好ましくは0.3から10重量%、特に好ましくは0.5から5重量%の間であることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
原料として、ヒマワリの種、菜種、ハウチワマメ、アザミ、亜麻仁、オリーブ、柑橘類果物が、全部または部分的に、特に油かすとして用いられることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
乾燥および/または分散した補助剤、特に砂糖、ペクチン、ゼラチンなどが、前記有機抽出物に添加されることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
一方の成分またはその水溶液が酸性であり、他方の成分、特に第2成分またはその水溶液が塩基性であることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
分離が、抽出のやり方で、および/または完全な酸化の手段によって起こることを特徴とする請求項1乃至23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
収着または固定された種が、シリコン、鉄、アルミニウム、マンガン、クロミウム、ホウ素、チタン、ニッケル、銅、亜鉛、バナジウム、モリブデン、コバルト、セレン、ジルコニウム、ストロンチウム、インジウム、ルビジウム、リチウム、イットリウム、セリウム、パラジウム、ランタン、ネオジム、銀、タングステン、ガリウム、テルル、トリウム、プラセオジム、ニオブ、サマリウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ヒ素、スカンジウム、インジウム、アンチモン、セシウム、ゲルマニウム、イッテルビウム、エルビウム、ユウロピウム、ビスマス、プラチナ、タンタル、テルビウム、ホルミウム、ルビジウム、ベリリウム、金、ストロンチウム、インジウム、およびロジウムを含む微量元素もしくは超微量元素、ならびに/または二次的植物成分、ならびに/またはビタミンであることを特徴とする請求項1乃至24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
抽出液が使用されることを特徴とする請求項1乃至25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
有機的に収着された種が、カロテノイド、フィトエストロゲン、植物ステリン、フラボノイド、アルカロイド、ビタミン、およびこれらの混合物からなることを特徴とする請求項1乃至26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
ナノスケールの必須物質の種の少なくとも4つの異なる級、特に、カロテノイド、植物ステリン、および触媒金属の級が存在することを特徴とする請求項1乃至27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
有機抽出剤、特にテトラヒドロフラン(THF)、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メタノール、酢酸エチル、および油が使用されることを特徴とする請求項1乃至28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記有機抽出物が、スプレー法の手段によって乾燥されることを特徴とする請求項1乃至29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
添加剤として、トコフェロール、ビタミンCなどの抗酸化剤が使用されることを特徴とする請求項1乃至30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
互いに離されている間に得られる、少なくとも1つの親植物の少なくとも2つ、特に2つまたは3つの部分が、再度1つにされることを特徴とする請求項1乃至31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
工程cを行った後に、ナノスケールの作用/必須物質の分散体が、収着食物および/または固定食物に塗布され、ならびに/あるいは収着食物および/または固定食物の中に導入されることを特徴とする請求項1乃至32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記ナノスケールの作用/必須物質の分散体が、穀物製品、特に小麦粉、シリアル、セモリナ、カカオパウダー、砂糖、粉乳、澱粉に塗布される、および/または前記穀物製品の中に導入されることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ナノスケールの作用/必須物質の分散体が、マーマレード、ジャム、および/またはガム状果物などのゲル化および/もしくはゼラチン含有および/もしくはペクチン含有の食品に塗布される、ならびに/または前記食品の中に導入されることを特徴とする請求項33乃至34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
工程cの前記反応成分が、複数の部屋を有する容器を用いることによって、特に複数の部屋を有する筒を用いることによって1つにされることを特徴とする請求項1乃至35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
請求項1乃至32のいずれか1項に記載の方法において、作用/必須物質の濃縮物が生成され、前記作用/必須物質の濃縮物が、製造の直後、特に工程cを行った後5時間後未満に、好ましくは1時間後未満に、特に好ましくは5分後未満に、収着および/もしくは固定食品に塗布され、ならびに/または収着および/もしくは固定食品の中に導入されることを特徴とする、請求項32乃至35のいずれか1項に従って作用/必須物質を強化された食品、特にいわゆる「機能性食品」を製造する方法。
【請求項38】
特に、請求項3乃至32のいずれか1項に記載の方法の工程bにおいて収着/固定固体基質として使用するための粘性の構造、特に、揺変性(チキソトロピック)で、酸に溶解可能な保存基質を生成する方法であって、
a)Caおよび/またはMg含有の無機物が、水とともに粉砕され、
b)粉砕過程の前または間に、揮発性および/または反応性の分散体が添加されることを特徴とする方法。
【請求項39】
30℃における前記揺変性の(チキソトロピックな)保存基質が、100,000mPa・sより大きい、好ましくは、300,000mPa・sより大きい、特に好ましくは、1,000,000mPa・sより大きい揺変値(チキソトロピー値)を有することを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
30℃における前記揺変性の保存基質が、20mPa・sから約50,000mPa・sの間、好ましくは、約3000mPa・sから約12,000mPa・sの間である粘性を有することを特徴とする請求項38乃至39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
非結晶質の無機成分として、主に、方解石および/またはポルトランダイトおよび/またはブルーサイトおよび/またはドロマイトを含むことを特徴とする、請求項38乃至41のいずれか1項に記載の方法で生成されることのできる、揺変性で酸に溶解する保存基質。
【請求項42】
水と、水酸化物および/または炭酸塩と結合した形態のカルシウムおよび/またはマグネシウムとを主に含むことを特徴とする、請求項38乃至41のいずれか1項に記載の方法に従って生成されることのできる、揺変性で酸に溶解する保存基質。
【請求項43】
袋からなり、前記袋の中で少なくとも2つの部屋が封止体によって分割され、前記封止体が1つの部屋にかかる圧力によって開かれて、両成分が接触させられることを特徴とする、請求項1乃至32のいずれか1項に記載の方法に従って必須物質の調製物を生成または活性化する装置。
【請求項44】
少なくとも前記収着系が、びんの内容物から空間的に分離されたびん閉鎖部の中に存在することを特徴とする、請求項1乃至32のいずれか1項に記載の方法に従って必須物質の調製物を生成または活性化する、特に請求項43に記載の装置。
【請求項45】
空間的に分離された2つの反応成分がびん内に存在することを特徴とする、請求項1乃至32のいずれか1項に記載の方法に従って必須物質の調製物を生成または活性化する、特に請求項43乃至44のいずれか1項に記載の装置。
【請求項46】
前記びん内に、空気圧で起動される、複数成分のカートリッジ、特に2成分のカートリッジが導入されることを特徴とする、必須物質の調製物を生成または活性化する、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
酸性成分と、塩基性成分と、圧力で開かれる封止体とを含むことを特徴とする請求項43乃至46のいずれか1項に記載の装置。
【請求項48】
ナノスケールの作用物質を含む、および/もしくはナノスケールの必須物質を含む液体、特に飲料の製造ならびに/または活性化のための装置であって、
i.第1成分が利用可能にされる第1貯蔵部と、
ii.第2成分が利用可能にされる第2貯蔵部と、
iii.前記第1貯蔵部と前記第2貯蔵部との間の着脱可能な第1分離部と、
iv.前記装置を液体用の容器に連結し、着脱可能な第2分離部を備えるデバイスとを有し、前記第1貯蔵部および/または前記第2貯蔵部の内容物が放出されるように、前記第2分離部が外された場合に開かれることを特徴とする装置。
【請求項49】
前記装置を液体用の容器と連結する前記デバイスが、ねじ山を備えることを特徴とする請求項48に記載の装置。
【請求項50】
液体用の前記容器がびんを備えることを特徴とする請求項48乃至49のいずれか1項に記載の装置。
【請求項51】
前記第2分離部が、破断円板、特に非対称形の破断円板として構成されることを特徴とする請求項48乃至50のいずれか1項に記載の装置。
【請求項52】
請求項48乃至51のいずれか1項に記載のナノスケールの作用物質/必須物質を含む液体および飲料の製造または活性化のための装置であって、
a.成分Aを備えた貯蔵部#1と、
b.成分Bを備えた貯蔵部#2と、
c.貯蔵部#1と貯蔵部#2との間の分離部と、
d.びんにねじ込むことができるようにするねじ山と
を含むことを特徴とする装置。
【請求項53】
前記分離部が、外部の力の影響の手段、特に牽引、回転、押圧、屈曲、または相当する動作の組合せによって、開位置へ進むことを特徴とする請求項48乃至52のいずれか1項に記載の装置。
【請求項54】
貯蔵部#1と#2との間に、0.5barを超える圧力差、好ましくは1barを超える圧力差、特に好ましくは2barを超える圧力差が存在することを特徴とする請求項48乃至53のいずれか1項に記載の装置。
【請求項55】
第2または追加の分離部を含むことを特徴とする請求項48乃至54のいずれか1項に従記載の装置。
【請求項56】
少なくとも1つの貯蔵部が、容量が柔軟であることを特徴とする請求項48乃至55のいずれか1項に記載の装置。
【請求項57】
コロイド状に溶解された有機および/または無機のナノ粒子を有する、請求項1乃至32のいずれか1項に従って生成可能である栄養補助剤、補助的にバランスの取られた食物、あるいは清涼飲料。
【請求項58】
コロイド状に溶解された有機および/または無機のナノ粒子を有する、請求項1乃至32のいずれか1項に記載の方法に従って生成可能である医薬品の調製物。
【請求項59】
コロイド状に溶解された有機および/または無機のナノ粒子を有する、請求項1乃至32のいずれか1項に記載の方法に従って生成可能である、ナノスケールの作用/必須物質、および/あるいは特に、生物学的利用能の非常の高い作用/必須物質を含む化粧品の調製物、特にクリーム。
【請求項60】
コロイド状に溶解された有機および/または無機のナノ粒子を有する、請求項1乃至32のいずれか1項に記載の方法に従って生成可能である、ナノスケールの作用/必須物質、および/あるいは特に、生物学的利用能の非常に高い作用/必須物質を含む練り歯磨き。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公表番号】特表2008−545447(P2008−545447A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−516214(P2008−516214)
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005669
【国際公開番号】WO2006/133901
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(506177785)
【Fターム(参考)】