説明

ナビゲーションガイダンス取り消し装置及びナビゲーションガイダンスを取り消す方法

【課題】車両においてナビゲーションガイダンスシステムを制御する方法及び装置が提供される。
【解決手段】本方法は、(a)不実行のガイダンス指令に基づいて別ルート指令を決定し、(b)該別ルート指令を提供し、(c)該別ルート指令の不実行を決定し、(d)所定数の別ルートの試行に対して、前記工程(a)乃至前記工程(c)を繰り返し、(e)前記所定数の別ルートの試行の後、ナビゲーションガイダンスの変更のためのプロンプトを表示し、(f)取り消しのための前記プロンプトの受諾時にナビゲーションガイダンスを変更する、各工程を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、電子ナビゲーションに係り、より詳しくは、車両内のナビゲーションガイダンスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーションシステムは、コンパクトディスク式読み出し専用メモリ(CD−ROM)又はディジタルビデオディスク(DVD)に格納された地図データを使用して車両ドライバーに移動ガイダンスを提供する。ナビゲーションシステムの中には、例えば全地球位置決定システム(GPS)を通して現在の車両位置データを得ることができるものもある。そのようなナビゲーションシステムは、ドライバーを所望の目的地に案内するため移動指令を提供してもよい。一つの従来の作動モードでは、ナビゲーションシステムは、地図と案内ルートとを、ディスプレイスクリーンに描画し、車両位置を示す標識を地図上の対応する位置に重ね合わせる。現在の車両位置が車両の運動と共に変化するとき、当該システムは、車両位置マークを案内ルートに沿って移動させることができ、又は、車両位置マークがディスプレイスクリーンに対して特定の位置で固定された状態で地図をスクロールすることができる。別の従来の作動モードでは、案内ルートと交差する道路が簡単な態様で表示され、交差点での移動方向が矢印により案内されてもよい。交差点までの距離、目的地に向う方向、目的地までの距離等も表示されてもよい。加えて、交差点における移動方向が音声出力により案内されてもよい。
【0003】
ルートガイダンスを設定するため、ドライバーは、一般に目的地を入力し、それによりナビゲーションシステムは該目的地までの案内ルートを検索することができる。その後、ナビゲーションシステムは、表示のため、現在の車両位置から目的地までの案内ルートを検索する。ナビゲーションシステムの中には、ナビゲーション指令がディスプレイを介してドライバーに提供されるものがある。ナビゲーションシステムは、例えば、一定の距離又は時間に対して、一つの交差点と別の交差点との間の移動や様々に異なる街路への様々な方向転換等、一連の運転方向を表示することができる。
【0004】
加えて、ナビゲーションシステムの中には、車両が与えられたナビゲーション指令に従わないとき警報又は警告が発動されるものがある。そのような警報は、ドライバーに対して表示され、又は、音響的警報を介してドライバーに明らかにされる。更には、そのような警報は、ドライバーが案内ルートへと戻るまで、又は、ナビゲーションを終わりにするため若しくはナビゲーションシステムを待機モードに戻すため一連のメニューボタンをキー入力即ち選択する一連の工程を通してナビゲーションシステムに影響を及ぼすまで、無期限に続行され得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、ナビゲーションガイダンスの簡単な取り消し又は一時停止を有する車両ナビゲーションシステムを提供することが望ましい。加えて、不実行のナビゲーション指令が所定数に達した後、ナビゲーションガイダンスを取り消し又は一時停止するための簡単なプロンプトを有する車両ナビゲーションシステムを制御する方法を提供することが望ましい。更には、本発明の他の所望の特徴及び特性は、添付図面及び前述した「技術分野」及び「背景技術」と関連付けられた、次の詳細な説明及び添付された請求の範囲から明らかとなろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
車両ナビゲーションガイダンスシステムの制御方法が提供される。本方法は、(a)不実行のガイダンス指令に基づいて別ルート指令を決定し、(b)前記別ルート指令を提供し、
(c)前記別ルート指令の不実行を決定し、(d)所定数の別ルートの試行に対して、前記工程(a)乃至前記工程(c)を繰り返し、(e)前記所定数の別ルートの試行の後、ナビゲーションガイダンスの変更のためのプロンプトを表示し、(f)取り消しのための前記プロンプトの受諾時にナビゲーションガイダンスを変更する、各工程を備える。
【0007】
車両においてナビゲーションシステムが提供される。本ナビゲーションシステムは、ナビゲーション情報及び第1の制御入力表示要素を表示するように構成されたディスプレイユニットと、該ディスプレイユニットに連結された入力要素と、該ディスプレイユニット及び該入力要素に連結された制御システムと、を備える。前記ナビゲーション情報は、前記車両のための所定の移動ルートに基づいている。前記入力要素は、前記第1の制御入力表示要素を選択するように構成されている。本制御システムは、所定数の不実行の別ルートコマンドが発生したとき前記ディスプレイユニット上にダイアログボックスを発生し、前記入力要素が前記第1の制御入力表示要素を選択するときナビゲーション情報の表示を取り消すように構成されている。前記ダイアログボックスは、前記第1の制御入力表示要素を含み、更にナビゲーションガイダンスの変更のためのプロンプトを備える。
【0008】
コンピュータプログラム製品が、画像表示式ユーザーインターフェース及びナビゲーション情報を表示するように構成されたディスプレイユニットを有する車両ナビゲーションシステムのために提供される。本コンピュータプログラム製品は、画像表示式ユーザーインターフェースを管理するように内部に組み込まれたコンピュータシステム読み取り可能コードを有する、コンピュータシステム利用可能媒体と、不実行の別ルート方向が所定数に達したとき、コンピュータシステムがディスプレイにダイアログボックスを発生させるように構成された第1のコンピュータシステム読み取り可能デバイスコードと、前記制御入力表示要素を選択したときコンピュータシステムがナビゲーション情報の表示を変更させるように構成された第2のコンピュータシステム読み取り可能デバイスコードと、を備える。前記ダイアログボックスは、ナビゲーションガイダンス変更プロンプトと制御入力表示要素とを有する。
【0009】
車両ナビゲーションシステムは、ナビゲーション情報を表示するように構成されたディスプレイ装置と、該ディスプレイ装置に連結されたオペレータ入力装置と、音響出力装置と、ダイアログボックス可能化要素と、音響可能化要素と、を備えて提供される。ダイアログボックス可能化要素は、不実行の別ルート指令が所定数に達したとき、ダイアログボックスを前記ディスプレイ装置が表示することを可能にするように構成される。該ダイアログボックスは、ナビゲーションガイダンス変更プロンプトと少なくとも1つの制御入力表示要素とを有する。ダイアログボックス可能化要素は、ダイアログボックスに関連してオペレータ入力装置による前記少なくとも1つの制御入力表示要素の選択に基づいてディスプレイ装置がナビゲーション情報の表示を変更することを可能にするように更に構成されている。音響可能化要素は、ナビゲーションガイダンス変更プロンプトに対応する音響信号を出力するように構成されている。
【0010】
以下、本発明を図面を参照して説明する。これらの図面中では、類似の参照番号は、類似の構成要素を指し示す。
【実施例】
【0011】
次の詳細な説明は、その本質上、単なる例示であり、本発明又はその用途並びに本発明の使用法を制限するものではない。更には、前述した「技術分野」、「背景技術」、「課題を解決するための手段」又は次の詳細な説明で与えられた表現若しくは内在された理論によって制限する意図は存在しない。
【0012】
図面を参照すると、図1は、本発明の一例としての実施例に係る車両12内の車両ナビゲーションガイダンスシステム10のブロック図である。図1のブロック(並びに、本明細書で開示される他の図面中のブロック)は、機能的要素及び別個のハードウェア構成要素を表すことができる。例えば、本発明の一実施例では、図1に示された機能的要素又はハードウェア構成要素のうち幾つかは、単一のプロセッサユニットで実施することができる。代替例として、これらの機能の一部は、ハードウェア構成要素と組み合わせられた単一のプロセッサ内で実施されてもよい。これらの機能は、ハードウェアで実施されてもよく、或いは、全てソフトウェアで実施されてもよく、或いは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで使用することもできる。
【0013】
ナビゲーションガイダンスシステム10は、ガイダンス情報を表示するディスプレイ装置24と、ディスプレイ装置24に連結されたナビゲーションコントローラ22と、ナビゲーションコントローラ22によりディスプレイ装置24に入力選択が提供されたときオペレータからの選択指令を受信するためディスプレイ装置24及びナビゲーションコントローラ22に連結されたオペレータ入力装置26と、を備える。出発地点又は現在の位置から目的地へと至るため、ナビゲーションガイダンス情報が、選択された移動ルートに基づいて、例えばルートの方向又は指令等がディスプレイ装置24に提供されてもよい。車両12が選択された移動ルートから離れた場合には、ナビゲーションコントローラ22は、車両12を選択された移動ルートへと戻すため別ルート指令を決定する。ディスプレイ装置24は、別ルート指令を表示する。
【0014】
一例としての実施例では、ナビゲーションガイダンスシステムの作動中に、車両による所定数の不実行別ルート指令が出された後、ポップアップ式ダイアログボックスが表示される。ポップアップ式ダイアログボックスは、詳細が更に後述されるように、ナビゲーションガイダンスを取り消しするためプロンプトを備えている。オペレータが、例えばオペレータ入力装置26を使用すること等によりナビゲーションガイダンスを取り消しするための同意を示した後、ナビゲーションコントローラ22は、ナビゲーション情報の表示を消し、ナビゲーションガイダンスを取り消すか又は一時停止させる。
【0015】
ナビゲーションガイダンスシステム10は、地図情報を記憶した地図格納媒体14、例えば、コンパクトディスク式読み出し専用メモリ(CD−ROM)と、地図情報をCD−ROM14から読み込むCD−ROMコントローラ16と、現在の車両位置を測定する位置測定装置18と、を更に備えていてもよい。別の一例としての実施例では、地図格納媒体14は、ディジタルビデオディスク(DVD)であってもよく、DVDコントローラがDVDから地図情報を読み込むため使用される。選択された格納媒体が地図情報のための十分な記憶容量を有する限り、特定の形式の格納媒体は、ナビゲーションガイダンスシステム10の作動には重要ではない。様々な従来型の格納媒体が、そのような格納媒体を読むように連係されたコントローラと共に、使用することができる。車両12の位置及び相対的位置に対する変化を決定するための他の従来型構成部品(図示せず)には、移動距離を検出するための速度センサーと、移動方向を検出するためのジャイロと、位置計算用の中央処理ユニット(CPU)と、全地球位置決定システム(GPS)の受信器と、を備える位置測定装置18が備えられてもよいが、これらに限定されるものではない。ナビゲーションガイダンスシステム10は、CD−ROM14又はDVDから引き出された地図情報を格納するための地図情報メモリ20を備えていてもよい。
【0016】
ディスプレイ装置24は、例えば陰極線管(CRT)等の後部が突出したディスプレイ、又は、液晶ディスプレイ(LCD)モニター等のパネルディスプレイのいずれであってもよい。更に加えて、ディスプレイ装置24は、ディスプレイの画像を例えば風防ガラス等の所望の平面上に投影する、ヘッドアップディスプレイ(HUD)であってもよい。ディスプレイ装置24は、オペレータが容易に見ることができるように表示された画像又は情報を提供する他の従来型ディスプレイであってもよい。
【0017】
ナビゲーションコントローラ22は、全ナビゲーションシステム10を制御し、様々な制御プログラムを格納しておくことができる。例えば、ナビゲーションコントローラ22は、地図情報、並びに、移動ルートに対応するメニュー画像/リスト画像に基づいて、地図案内画像を発生することができる。加えて、ナビゲーションコントローラは、選択された移動ルートに対応するナビゲーション情報を提供する。地図情報メモリ20は、案内ルート、及び、例えば別ルート指令等のナビゲーションコントローラの処理結果を格納する。更には、地図情報メモリ20は、様々なカテゴリー(例えばホテル、レストラン、空港、駅、ショッピングモール、スポーツ設備、病院、ゴルフコース等々)の関心を持たれる地点を格納することができる。オプションで、音声案内ユニット28が、ナビゲーションコントローラ22に連結され、音声出力により移動指令を案内するようにしてもよい。
【0018】
一例としての実施例では、ナビゲーションコントローラ22は、移動ルートに関連した車両12の現在の位置に基づいてナビゲーション指令を決定する。前記したように、ナビゲーションコントローラ22は、移動ルートから離れた車両を該移動ルートに戻すため、該移動ルートに関連した車両12の現在の逸脱した位置に基づいて、別ルート指令を決定する。
【0019】
図2は、ナビゲーションガイダンスディスプレイ40の一例としての第1の実施例の図である。図1に示されたディスプレイ装置24等のナビゲーションガイダンスディスプレイ40は、選択された移動ルート又はその一部分の地図表現、文字指令42、及び、車両識別子46等、ナビゲーションガイダンス情報を与えている。更に加えて、ナビゲーションガイダンスディスプレイは、ナビゲーションガイダンスディスプレイ40上の情報の表示を変更するため使用することができるディスプレイツールバー44を提供することができる。
【0020】
コンピュータに基づくシステムのユーザーに情報を与えるための一つの技術は、画像表示式ユーザーインターフェース(GUI)を介している。GUIは、典型的には、コンピュータシステムにおいてプロセッサにより実行されるオペレーティングシステムで提供される環境の一部である。一般には、GUIは、ユーザー及びアプリケーションプログラムにより提供されるコマンド、又は、コンピュータに基づくシステムで実行されるか又は該システムにアクセス可能な他のプロセスにより提供されるコマンドに応答してオペレーティングシステムにより制御される。ナビゲーションガイダンスシステム10では、オペレーティングシステムは、例えばマップ情報メモリ20又は他のメモリ等、システムメモリに格納されてもよく、ナビゲーションコントローラ22は、オペレーティングシステムを実行する。ナビゲーションコントローラ22による実行に関してオペレーティングシステムが説明されているが、別個の処理ユニット又はプロセッサが、ナビゲーションガイダンスシステムの様々な構成部品を制御するように、オペレーティングシステムを実行し、ナビゲーションコントローラ22を指令するため該ナビゲーションコントローラに連結されていてもよい。
【0021】
事実上全てのGUIに共通しているものは、ウィンドウズ(登録商標)環境におけるマウス又は他のポインティングデバイスの使用である。ウィンドウは、アプリケーションプログラム、オペレーティングシステム、又は、他のプロセスの動作に関連した、文字及び/又は画像の情報を含むディスプレイ上に与えられた長方形の領域である。一般には、ウィンドウとの対話を容易にするため追加のディスプレイ要素がGUIにより提供されている。これらには、例えば、メニュー、タイトルバー、ボタン、選択ボックス及びアイコンが含まれている。
【0022】
一例としての実施例では、オペレータは、例えばポインティングデバイス等のオペレータ入力装置26(図1)を用いてGUI上に表示されたカーソルを操作することによってナビゲーションガイダンスシステムと対話する。ポインティングデバイスの例には、コントロールノブ、ジョイスティック、及び、トラックボールが含まれる。コンピュータシステムに情報を入れるため、オペレータは、表示されたウィンドウと対話する。別の一例としての実施例では、オペレータ入力装置26(図1)は、例えばディスプレイスクリーン上に重ね合わせられているディスプレイデバイス24(図1)に連結された接触検知式の表面であってもよい。
【0023】
ナビゲーションコントローラ22(図1)により決定された、別ルート指令を始めとしたナビゲーション指令が、GUI上に表示されてもよい。音声ガイダンスユニット28(図1)から出力された音声による移動指令が、別ルート指令のオペレータに知らされてもよい。不実行の別ルート指令が所定数、出された後、ダイアログボックス50がディスプレイ40上に表示される。この所定数は、製造業者又はオペレータのいずれが定義したものでもよく、システムメモリ内に格納されている。
【0024】
ダイアログボックスは、オペレータが特定の情報をコンピュータシステム内に入れることを可能にするためGUI上に表示される。ダイアログボックスは、アプリケーションプログラム又はコンピュータシステム内で発生するか又は該システムにアクセス可能な他のプロセスを制御するためナビゲーションガイダンスシステム10(図1)への入力提供を容易にするようにGUI上に与えられた特定のウィンドウである。ダイアログボックスは、一般に、例えば、数値若しくは文字の入力のための場、アイコン、選択ボックス、ボタン、並びに、オペレータがパラメータをセットするか又は他の仕方で所望のプロセス若しくはシステムの制御に影響を与えることを可能にする他の既知の莫大な数のディスプレイ要素等の、論理的に関連した制御入力表示要素を与える。
【0025】
一例としての実施例では、ダイアログボックス50は、所定数の不実行の別ルート指令がディスプレイ40上に表示された後、ディスプレイ40上に現われ若しくは呼び出され、ポップアップされた能動的なダイアログボックスである。ダイアログボックス50は、例えばナビゲーションガイダンスの取り消しの受け入れ等、ナビゲーションガイダンスの変更に対応したオペレータ入力を受け入れるように形成される。本実施例では、ダイアログボックス50は、ナビゲーションガイダンスを取り消しするための文字プロンプト54と、そのようなプロンプトを受け入れるか又はナビゲーションガイダンスを続行させるためのボタン52と、を含んでいる。接触検知式のスクリーン26(図1)を用いた場合、オペレータは、ナビゲーションガイダンスの取り消しを受け入れるボタン52に対応するスクリーン26(図1)の領域を単に触るだけでよい。ナビゲーションガイダンスの取り消しが受け入れられたとき、ナビゲーションコントローラ22は、ナビゲーション情報を決定することを中断し、ディプレイは、非ナビゲーションモードに戻る。
【0026】
図3は、ナビゲーションガイダンスディスプレイ70の一例としての第2の実施例の図である。この一例としての実施例では、ダイアログボックス72は、ナビゲーションガイダンスを続行するための文字プロンプトと、ナビゲーションガイダンスの様々に異なるオプションを受け入れるためのボタンと、を備えている。例えば、ダイアログボックス70は、ガイダンスを取り消しするためのボタン60と、ガイダンスを一時停止するためのボタン62と、ルートを変更するためのボタン64と、ガイダンスを続行するためのボタン66と、を備えている。更に加えて、ナビゲーションガイダンスを続行するためのプロンプト、並びに、例えば前記したボタン60、62、64、66等の様々に異なるナビゲーションガイダンスのオプションを、音声ガイダンスユニット28を使用して言語表現することができる。
【0027】
ガイダンス一時停止ボタン62が選択されたとき、ナビゲーションコントローラ22(図1)は、別ルート指令又は移動ルートに対応するガイダンス指令の決定及び表示を一時停止しつつ、移動ルートに対する車両12(図1)の現在の位置を監視し、決定し続ける。ルート変更ボタン64が選択されたとき、ナビゲーションコントローラ22(図1)は、新しい目的地に関する情報のためオペレータに質問する新しいスクリーンを表示することができる。ガイダンス続行ボタン66が選択されたとき、ナビゲーションコントローラ22(図1)は、最初のルートのためのガイダンス指令を再表示することができる。ここでは特に詳細には説明しないが、追加のガイダンスボタンを、単独か又は1つ以上のガイダンスボタンと組み合わせて、選択操作のために利用することができる。
【0028】
前述した実施例はディスプレイ上に重ね合わせられた接触検知式スクリーンを有するディスプレイに関して説明されたが、ナビゲーションガイダンスシステムに関して他の様々なオペレータの入力方式が実施されてもよい。例えば、HUDを使用する場合、そのようなオペレータの入力装置が該HUDと物理的に連結することができないときでさえ、オペレータにより容易にアクセス可能である制御ノブ又はタッチパッドを使用することができる。加えて、1つのディスプレイを有するダッシュボード組み込み式ナビゲーションシステムに加えて、フロント風防ガラス上に更に便利な第2のディスプレイを提供するためHUDを使用することができる。この例では、オペレータは、前記詳細に説明したように、接触検知式スクリーンを使用して選択を続行することができる。
【0029】
ナビゲーションコントローラ22(図1)を介して、オペレーティングシステムは、例えばGUI及びダイアログボックス制御システム等の他のコンピュータプログラムの実行を制御し、スケジュール、入力/出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、並びに、関連サービスを提供する。ナビゲーションコントローラ22(図1)及びオペレーティングシステムは、アプリケーションプログラム及び高いレベルのプログラム言語が書かれたコンピュータプラットフォームを形成する。1つ以上のバス(図示せず)をナビゲーションガイダンスシステム10(図1)の様々な構成部品を接続するため使用してもよい。例えば、システムバスを介した相互接続は、ナビゲーションコントローラ22(図1)が各構成部品又はサブシステムとの通信を行い、システムメモリからの指令の実行及びそのような構成部品の間の情報の交換を制御することを可能にする。構成部品及び相互接続の他の配列も可能である。
【0030】
一例としての実施例では、ダイアログボックス制御システムは、前述したダイアログボックス機能を実行するため、ナビゲーションガイダンスシステム10(図1)の構成部品と共同利用できるソフトウェアルーチンで実施される。そのようなソフトウェアルーチンは、典型的には、地図情報メモリ20(図1)等のシステムメモリ中に駐在しており、例えば、磁気ディスク、コンパクトディスク又は磁気テープ等の他の任意のコンピュータ読み込み可能な媒体上に格納されていてもよく、当該技術分野で知られている適切な周辺機器を使用してナビゲーションガイダンスシステムにローディングすることができる。ダイアログボックス制御システムは、例えばC++等、周知されたオブジェクト指向プログラミング言語で実行することができる。当業者は、様々に異なる、関数名、プログラミング言語、データ構造、及び/又は、アルゴリズムを始めとした様々に異なる実行態様を、以下で説明される実施例とは異なる本発明の実施例でも使用することができることを理解するであろう。本発明は、特定のコンピュータプラットフォーム、特定のオペレーティングシステム、特定のプロセッサ、又は、特定の高レベルのプログラミング言語に限定されるものではないこと、並びに、上記で定義されたハードウェア構成部品は、一例としてのみ与えられることが更に理解されるべきである。ダイアログボックス制御システムは、例えば、専用のハードウェア、ファームウェア、又は、それらの任意の組み合わせで実施することができる。
【0031】
図3は、本発明の一例としての実施例に係る車両ナビゲーションを制御する方法の流れ図である。本方法は、ステップ100から開始される。選択されたルートに基づいてナビゲーションガイダンス指令を提供するという流れにおいて、ナビゲーションコントローラ22(図1)は、ステップ105でガイダンス指令の不実行を検出する。この検出は、ナビゲーションコントローラ22(図1)と位置測定装置18(図1)との間の通信を介して、車両12(図1)の現在位置を選択されたルートと比較することによって達成することができる。
【0032】
ガイダンス指令の不実行が検出された場合、ナビゲーションコントローラ22(図1)は、ステップ110で、現在の別ルート指令の試行回数が、所定の別ルート試行回数、例えば所定の中断数又は閾値数を超えたか否かを決定する。この決定工程は、ナビゲーションコントローラ22(図1)が、別ルート試行の回数を追跡する機能を備え、該試行回数を予め格納されていた値と比較する等、単純な値の比較であってもよい。
【0033】
別ルート試行回数が所定の数を超えていなかった場合には、ナビゲーションコントローラ22(図1)は、ステップ115で、別ルート指令を決定する。ナビゲーションコントローラ22(図1)は、例えば位置測定装置18(図1)を使用することにより、車両12(図1)の現在の位置又は所在を、選択されたルートと比較し、車両12(図1)を選択されたルート又は目的地に戻すため新しい組の別ルート指令を決定する。
【0034】
別ルート指令は、ステップ120で、ディスプレイ装置24(図1)上に表示される。不実行のガイダンス指令を検出するという目的のため、ステップ125で別ルート指令はガイダンス指令となる。例えば、ナビゲーションコントローラ22(図1)は、最初に選択されたルートに基づいて、又は、同じ目的地に至るが例えば現在のルートから離れた位置等の異なる連続的な開始位置を有する新しいルートに基づいて、別ルート指令を含む一連の不実行のガイダンス指令をカウントするようにしてもよい。
【0035】
別ルートの試行回数が所定数を超えた場合、ナビゲーションコントローラ22(図1)は、ステップ130で、例えば図2に示されるようにダイアログボックス50(図2)を発生させ、ディスプレイ装置24(図1)上にポップアップさせる。ダイアログボックス52(図2)は、例えば、ナビゲーションガイダンスの取り消し等、ナビゲーションガイダンスにおける変更のためのプロンプト54(図2)と、そのような取り消しを受諾するための制御入力表示要素52(図2)と、を含んでいる。別の一例としての実施例では、ダイアログボックス72(図3)は、ナビゲーションガイダンスを続行するためのプロンプトと、ガイダンスを取り消すための所定の選択ボタン60、ガイダンスを一時停止するための所定の選択ボタン62、ルートを変更するための所定の選択ボタン64、及び、ガイダンスを続行するための所定の選択ボタン66とを含んでいる。ナビゲーションガイダンスに関する任意数の変更動作及び対応するプロンプトも実施することもできる。
【0036】
一例としての実施例では、ナビゲーションガイダンスは、ステップ135で、プロンプト52(図2)の受諾時にナビゲーションコントローラ22(図1)により取り消しされる。プロンプト52(図2)の受諾は、対応する制御入力表示要素52(図2)と連係されるディスプレイ装置24(図1)を覆う接触検知式スクリーン26(図1)の領域を接触することによって達成することができる。別の一例としての実施例では、ナビゲーションガイダンスへの対応する変更は、図3に最も良く示されるように、プロンプトの受諾時に実施される。
【0037】
少なくとも1つの一例としての実施例が前述の詳細な説明で与えられたが、非常に多くの数の変更態様が存在することが理解されるべきである。例示としての1つ又は複数の実施例は、単なる例にしか過ぎず、本発明の範囲、応用可能性又は構成を如何なる仕方においても限定するものではないことも理解されるべきである。前述した詳細な説明は、当業者に例示としての1つ又は複数の実施例を実施するための便利なロードマップを提供するものである。添付された請求の範囲に記載された本発明の範囲及びそれと法的に均等な範囲から逸脱すること無く、構成要素の機能及び構成において様々な変更をなすことができることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、本発明の一例としての実施例に係る車両ナビゲーションガイダンスシステムのブロック図である。
【図2】図2は、ナビゲーションガイダンスのディスプレイの第1の一例としての実施例の図である。
【図3】図3は、ナビゲーションガイダンスディスプレイの第2の一例としての実施例の図である。
【図4】図4は、本発明の一例としての実施例に係る車両ナビゲーションを制御する方法の流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ナビゲーションガイダンスシステムの制御方法であって、
(a) 不実行のガイダンス指令に基づいて別ルート指令を決定し、
(b) 前記別ルート指令を提供し、
(c) 前記別ルート指令の不実行を決定し、
(d) 所定数の別ルートの試行に対して、前記工程(a)乃至前記工程(c)を繰り返し、
(e) 前記所定数の別ルートの試行の後、ナビゲーションガイダンスの変更のためのプロンプトを表示し、
(f) 取り消しのための前記プロンプトの受諾時にナビゲーションガイダンスを変更する、各工程を備える、方法。
【請求項2】
前記不実行のガイダンス指令は、所定の移動経路に沿った所定の指令であり、
前記工程(a)は、前記所定の移動経路に戻るためのルートを決定する工程を備える、請求項1に記載の車両ナビゲーションガイダンスシステムの制御方法。
【請求項3】
前記提供工程は、前記別ルート指令を表示する工程及び前記別ルート指令を言語表現する工程から選択された少なくとも1つの工程を備える、請求項1に記載の車両ナビゲーションガイダンスシステムの制御方法。
【請求項4】
前記別ルート試行の所定数は、ユーザー定義値及び製造業者の事前設定値のいずれかから選択される、請求項1に記載の車両ナビゲーションガイダンスシステムの制御方法。
【請求項5】
前記プロンプト表示工程は、
ナビゲーションガイダンスへの変更を要求する文字、並びに、ボタン、選択ボックス及びアイコンから選択された少なくとも1つの制御入力表示要素と、を備えるダイアログボックスを表示する工程と、
ナビゲーションガイダンスを変更するための要求を言語表現する工程と、から選択された少なくとも1つの工程を備える、請求項1に記載の車両ナビゲーションガイダンスシステムの制御方法。
【請求項6】
前記工程(f)は、前記制御入力表示要素の選択時にナビゲーションガイダンスを変更する工程を備える、請求項5に記載の車両ナビゲーションガイダンスシステムの制御方法。
【請求項7】
前記表示工程は、
ナビゲーションガイダンスを取り消しするための第1の制御入力表示要素と、
ナビゲーションガイダンスを一時停止するための第2の制御入力表示要素と、
ルートを変更するための第3の制御入力表示要素と、
ナビゲーションガイダンスを続行するための第4の制御入力表示要素と、
から選択された少なくとも1つの制御入力表示要素を表示する工程を備える、請求項5に記載の車両ナビゲーションガイダンスシステムの制御方法。
【請求項8】
車両ナビゲーションシステムであって、
ナビゲーション情報及び第1の制御入力表示要素を表示するように構成されたディスプレイユニットであって、該ナビゲーション情報は、前記車両のための所定の移動ルートに基づいている、前記ディスプレイユニットと、
前記ディスプレイユニットに連結された入力要素であって、該入力要素は、前記第1の制御入力表示要素を選択するように構成されている、前記入力要素と、
前記ディスプレイユニット及び前記入力要素に連結された制御システムであって、該制御システムは、
所定数の不実行の別ルートコマンドが発生したとき前記ディスプレイユニット上にダイアログボックスを発生し、該ダイアログボックスは、前記第1の制御入力表示要素を含み、更にナビゲーションガイダンスの変更のためのプロンプトを備え、
前記入力要素が前記第1の制御入力表示要素を選択するときナビゲーション情報の表示を変更するように構成されている、前記制御システムと、
を備える、車両ナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記入力要素は、接触検知式のスクリーン、プッシュボタン、制御スティック、及び、音声動作式センサーから選択される、請求項8に記載のナビゲーションシステム。
【請求項10】
前記制御システムは、更に、
所定の移動ルートに対応するナビゲーション指令を決定し、
前記ディスプレイユニットへの前記ナビゲーション指令の表示を可能にするように構成されている、請求項8に記載のナビゲーションシステム。
【請求項11】
前記制御システムは、更に、
前記ナビゲーション指令の不実行を検出し、
前記所定の移動ルート及び前記車両の現在位置に基づいて別ルートのナビゲーション指令を決定し、
前記別ルートのナビゲーション指令を表示するように構成されている、請求項10に記載のナビゲーションシステム。
【請求項12】
前記第1の制御入力表示要素は、ナビゲーションガイダンス取り消しプロンプトに対応し、
前記制御システムは、更に、前記入力要素が前記第1の制御入力表示要素を選択したとき、ナビゲーションガイダンスを取り消しするように構成されている、請求項8に記載のナビゲーションシステム。
【請求項13】
前記ディスプレイユニットは、更に、一時停止ナビゲーションガイダンスプロンプトに対応する第2の制御入力表示要素と、ルート変更プロンプトに対応する第3の制御入力表示要素と、ガイダンス続行プロンプトに対応する第4の制御入力表示要素と、から選択された少なくとも1つの制御入力表示要素を前記ダイアログボックスに表示するように構成されており、
前記制御システムは、更に、
前記入力要素が前記第2の制御入力表示要素を選択したときナビゲーション情報の表示を一時停止し、
前記入力要素が前記第3の制御入力表示要素を選択したときルートを変更し、
前記入力要素が前記第4の制御入力表示要素を選択したときナビゲーション情報の表示を続行するように構成されている、請求項8に記載のナビゲーションシステム。
【請求項14】
前記ディスプレイユニットは、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管(CRT)、及び、ヘッドアップディスプレイから選択される、請求項8に記載のナビゲーションシステム。
【請求項15】
前記ダイアログボックスのナビゲーションガイダンスの変更のための前記プロンプトは、文字プロンプト及び音声プロンプトから選択される、請求項8に記載のナビゲーションシステム。
【請求項16】
画像表示式ユーザーインターフェース及びナビゲーション情報を表示するように構成されたディスプレイユニットを有する車両ナビゲーションシステムのためのコンピュータプログラム製品であって、
前記画像表示式ユーザーインターフェースを管理するように内部に組み込まれたコンピュータシステム読み取り可能コードを有する、コンピュータシステム利用可能媒体と、
不実行の別ルート方向が所定数に達したとき、コンピュータシステムが前記ディスプレイにダイアログボックスを発生させるように構成された第1のコンピュータシステム読み取り可能デバイスコードであって、前記ダイアログボックスは、ナビゲーションガイダンス変更プロンプトと制御入力表示要素とを有する、前記第1のコンピュータシステム読み取り可能デバイスコードと、
前記制御入力表示要素を選択したとき前記コンピュータシステムがナビゲーション情報の表示を変更させるように構成された第2のコンピュータシステム読み取り可能デバイスコードと、
を備える、コンピュータプログラム製品。
【請求項17】
前記制御入力表示要素は、ボタン、選択ボックス及びアイコンから選択される、請求項16に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
前記ナビゲーションガイダンス変更プロンプトに対応する音声メッセージを発生させるように構成された第3のコンピュータシステム読み取り可能デバイスコードを更に備える、請求項16に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
前記第1のコンピュータシステム読み取り可能デバイスコードは、前記ナビゲーションガイダンス変更プロンプトに対応する文字メッセージを前記ダイアログボックスに発生させるように更に構成されている、請求項16に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
前記第1のコンピュータシステム読み取り可能デバイスコードは、
前記ダイアログボックスに、更に、一時停止ナビゲーションガイダンスプロンプトに対応する第2の制御入力表示要素と、ルート変更プロンプトに対応する第3の制御入力表示要素と、ガイダンス続行プロンプトに対応する第4の制御入力表示要素と、から選択された少なくとも1つの制御入力表示要素を前記コンピュータシステムに表示させるように構成されている、請求項16に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項21】
前記コンピュータシステムに、前記ディスプレイにおけるナビゲーション情報の表示を一時停止させ、ナビゲーション情報の表示のためのルートを変更させ、並びに、前記ディスプレイにおけるナビゲーション情報の表示を続行させるように構成された第3のコンピュータシステム読み取り可能デバイスコードを更に備える、請求項20に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項22】
車両ナビゲーションシステムであって、
ナビゲーション情報を表示するように構成されたディスプレイ装置と、
前記ディスプレイ装置に連結されたオペレータ入力装置と、
音響出力装置と、
不実行の別ルート指令が所定数に達したとき、ナビゲーションガイダンス変更プロンプトと少なくとも1つの制御入力表示要素とを有するダイアログボックスを前記ディスプレイ装置が表示することを可能にすると共に、前記ダイアログボックスに関連して前記オペレータ入力装置による前記少なくとも1つの制御入力表示要素の選択に基づいて前記ディスプレイ装置がナビゲーション情報の表示を変更することを可能にするように構成されたダイアログボックス可能化要素と、
前記ナビゲーションガイダンス変更プロンプトに対応する音響信号を出力するように構成された音響可能化要素と、
を備える、車両ナビゲーションシステム。
【請求項23】
前記ダイアログボックス可能化要素は、前記ダイアログボックスの前記制御入力表示要素が選択されたとき前記ディスプレイ装置がナビゲーションガイダンスの表示を変更することを可能にするように更に構成されている、請求項22に記載の車両ナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−170982(P2006−170982A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−338834(P2005−338834)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(590001407)ゼネラル・モーターズ・コーポレーション (118)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL MOTORS CORPORATION
【Fターム(参考)】