説明

ナビゲーションシステム、グループ管理方法及びグループ管理プログラム

【課題】グループ走行を行うメンバーとして可能性が高い車両を簡単に選択することができるナビゲーションシステム、グループ管理方法及びグループ管理プログラムを提供する。
【解決手段】複数の車両から構成されるグループを設定するための管理サーバ2は、各車両の位置情報を取得して、基準車両を特定する。また、基準車両に対して登録されている登録車両のリストを取得し、リストの中から、基準車両の位置を基準とした検出範囲内に存在する前記登録車両を検出する。そして、検出した登録車両を、グループの候補車両として設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム、グループ管理方法及びグループ管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
グループに属する複数の車両が同じ目的地に向かう際に、グループでの円滑な走行を支援するナビゲーション装置が提案されている。
グループ支援を行う場合、複数の車両を予めグルーピングする必要がある。特許文献1には、予め登録されたデータベースに基づいて各車両をグルーピングするシステムが記載されている。このシステムでは、情報センタに接続した車両のうち、友人同士、知人同士、家族同士と判断される各車両を判断して、それらの車両をグループとして設定する。
【特許文献1】特開2002−333338号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記したシステムでは、データベースに友人同士、知人同士、家族同士のように登録された各車両は、設定者の意図に関わらず、全てグループとして設定されてしまう問題がある。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、グループ走行を行うメンバーとして可能性が高い車両を簡単に選択することができるナビゲーションシステム、グループ管理方法及びグループ管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の車両から構成されるグループを設定するためのナビゲーションシステムであって、基準車両を特定する特定手段と、前記基準車両に対して登録されている登録車両のリストを取得するリスト取得手段と、前記基準車両及び前記登録車両の位置情報を取得する位置取得手段と、前記リストの中から、前記基準車両の位置を基準とした検出範囲内に存在する前記登録車両を検出する検出手段と、前記検出手段が検出した前記登録車両を、グループの候補車両として設定する候補設定手段とを備えたことを要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記候補車両を優先した前記登録車両の一覧を生成し、前記基準車両の表示手段に表示する表示制御手段をさらに備えたことを要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記検出手段は、前記リストの中から、前記検出範囲内に存在し、且つ走行可能状態である前記登録車両を検出することを要旨とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、複数の車両から構成されるグループを設定するための制御手段を用いたグループ管理方法であって、前記制御手段が、基準車両を特定し、前記基準車両に対して登録されている登録車両のリストを取得し、前記基準車両及び前記登録車両の位置情報を取得し、前記リストの中から、前記基準車両の位置を基準とした検出範囲内に存在する前記登録車両を検出するとともに、検出した前記登録車両を、グループの候補車両として設定することを要旨とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、複数の車両から構成されるグループを設定するための制御手段を用いたグループ管理プログラムであって、前記制御手段を、複数の車両から構成されるグループを設定するためのナビゲーションシステムであって、基準車両を特定する特定手段と、前記基準車両に対して登録されている登録車両のリストを取得するリスト取得手段と、前記基準車両及び前記登録車両の位置情報を取得する位置取得手段と、前記リストの中から、前記基準車両の位置を基準とした検出範囲内に存在する前記登録車両を検出する検出手段と、前記検出手段が検出した前記登録車両を、グループの候補車両として設定する候補設定手段として機能させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、基準車両を基準とした検出範囲内に存在する登録車両を、グループの候補車両として設定する。このため、ユーザは、登録車両の中から、グループ走行を行う可能性が高い車両を簡単に設定することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、候補車両を上位にした一覧が表示手段に表示されるので、例えば、ユーザはそのリストからメンバーにしたい車両を容易に選択することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、リストの中から、検出範囲内に存在し、且つ走行可能状態である登録車両のみを検出することができる。このため、ユーザは、登録車両の中から、グループとして走行を開始する可能性が高い車両を簡単に設定することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、基準車両を基準とした検出範囲内に存在する登録車両を、グループの候補車両として設定する。グループのメンバーとして可能性が高い車両を候補とすることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、グループ管理プログラムに従って、基準車両を基準とした検出範囲内に存在する登録車両を、グループの候補車両として設定する。グループのメンバーとして可能性が高い車両を候補とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。図1は、本実施形態のグループ走行支援システム1の概略図である。
【0016】
グループ走行支援システム1は、データセンターDC等に設置されたナビゲーションシステムを構成する管理サーバ2、基地局3及び車両Cに搭載されたナビゲーション装置4(図3参照)とを備えている。管理サーバ2は、複数の車両Cから構成されるグループの設定等を支援する。管理サーバ2は、基地局3及びネットワークNを介して、ナビゲーション装置4とデータを送受信可能に接続されている。
【0017】
管理サーバ2のハードウェア構成について、図2に従って説明する。管理サーバ2は、制御部5、挙動情報記憶部10、リスト情報記憶部12及びPOI(Point Of Interest
)情報記憶部14を備えている。制御部5は、CPU6、RAM7、ROM8及び通信インターフェース(I/F)9を備えている。この制御部5は、位置取得手段、特定手段、リスト取得手段、検出手段、候補設定手段、表示制御手段及び制御手段を構成し、グループ管理プログラムを格納している。
【0018】
挙動情報記憶部10には、各ナビゲーション装置4から送信された位置情報としての車両挙動データ11が蓄積されている。車両挙動データ11は、車両ID、車両位置、時刻
等を有している。車両位置は、車両挙動データ11を生成又は送信した際の車両Cの位置であって、時刻は車両挙動データ11を生成又は送信した際の時刻を示す。
【0019】
リスト情報記憶部12には、登録リスト13がユーザ毎に記憶されている。各登録リスト13は、ユーザがナビゲーション装置4又はその他の端末を用いて作成したリストであって、各ユーザの知人等の車両CのIDと、ニックネーム等の登録ネームがそれぞれ登録されている。尚、登録リスト13に登録された車両Cを、以下、登録車両C2という。
【0020】
POI情報記憶部14には、POIデータ14Aが格納されている。POIデータ14Aは、サービスエリア又はパーキングエリア等の施設及びその駐車場等の地点情報からなり、地点情報は、例えばジャンル、名称、座標等をそれぞれ有している。
【0021】
次に、ナビゲーション装置4のハードウェア構成について、図3に従って説明する。図3は、グループ設定を行うメインユーザの基準車両(以下、メイン車両C1という)のナビゲーション装置4を示す。ナビゲーション装置4は、制御ユニット15と、識別データ記憶部16、地理情報記憶部17、画像プロセッサ18及びリスト記憶部19を備えている。尚、グループに属する車両Cのうち、メイン車両C1以外の車両Cのナビゲーション装置4は、上記構成と同じ構成であるが、リスト記憶部19を省略した構成にすることができる。
【0022】
制御ユニット15は、CPU20、RAM21、ROM22、車両側I/F23及び通信I/F24を備えている。
CPU20は、車両側I/F23を介して、GPS(Global Positioning System)受
信部30、車速センサ31及びジャイロセンサ32を用いて、電波航法及び自律航法によって自車位置を特定する。また、CPU20は、車両側I/F23を介して、車両Cのイグニッションスイッチ33からの検出信号に基づき、アクセサリスイッチ(ACCスイッチ)がオンにされたか否かを判断する。
【0023】
地理情報記憶部17には、経路データ17A及び地図描画データ17Bが格納されている。経路データ17Aは、リンクID、接続ノード、リンクコスト等を有している。地図描画データ17Bは、全国の地図を描画する背景データ、道路形状データ等を有している。画像プロセッサ18は、この地図描画データ17Bや、図示しない記憶部に格納された描画データを用いて、各種画面を表示手段としてのディスプレイ25に表示する。
【0024】
また、制御ユニット15は、所定のタイミングで、識別データ記憶部16に記憶された車両ID16A、現在の車両位置、時刻を取得する。また、ナビゲーション装置4が起動しているか否かを示す起動フラグを取得する。起動フラグは、ナビゲーション装置4が起動している場合、起動フラグはオン(例えば「1」)に設定され、ナビゲーション装置4がスリープ状態になると、起動フラグはオフ(例えば「0」)に設定される。
【0025】
そして、制御ユニット15は、これらの情報を用いて車両挙動データ11を生成する。また、生成した車両挙動データ11を通信I/F24を介して管理サーバ2に送信する。
リスト記憶部19には、ローカルリストLが格納されている。ローカルリストLは、そのユーザにより生成されたリストであって、ユーザの知人等が所有する登録車両C2の単位データを有している。単位データは、車両ID16Aと、ユーザに付与されたニックネーム等の登録ネームとを有している。
【0026】
次に、グループ走行を行う場合の処理手順について、図4〜図6に従って説明する。グループに属する車両Cのナビゲーション装置4は、図4に示す挙動データ生成処理を所定のタイミングで行う。まず、制御ユニット15は、車両Cが走行可能状態であるか否かを
判断する。本実施形態では、ナビゲーション装置4が起動しているか否かを判断する(ステップS1−1)。例えば、イグニッションスイッチ33から取得した検出信号に基づき、ACCスイッチがオンにされ、ナビゲーション装置4が起動していると判断すると(ステップS1−1においてYES)、上記したように、車両ID16A、位置、時刻、ナビゲーション装置4が起動していることを示す起動フラグ(例えば「1」)を取得して車両挙動データ11を生成する(ステップS1−2)。そして、所定のタイミングで、車両挙動データ11を送信する(ステップS1−3)。例えば、所定時間毎に周囲の基地局3に対して車両挙動データ11を送信してもよい。或いは、基地局3からデータ要求を受信した際に車両挙動データ11を送信してもよい。
【0027】
管理サーバ2は、基地局3及びネットワークNを介して車両挙動データ11を受信すると、挙動情報記憶部10に蓄積する。
また、制御ユニット15は、ACCスイッチがオフにされ、ナビゲーション装置4が起動状態から、スリープ状態に移行したことを検出すると、起動フラグを、ナビゲーション装置4が起動していないことを示すオフ(例えば「0」)に設定する。そして、車両ID16A、位置、時刻、起動フラグを取得して車両挙動データ11を生成し、所定のタイミングで管理サーバ2に送信する。
【0028】
また、上記メイン車両C1のナビゲーション装置4は、グループ設定を行う前に、ローカルリストLを予め管理サーバ2に登録する。尚、ナビゲーション装置4でなくても、パーソナルコンピュータ、携帯電話等、その他の端末によりローカルリストLを管理サーバ2に登録してもよい。登録のタイミングは、メイン車両C1のナビゲーション装置4が起動した時でもよいし、ナビゲーション装置4に対して所定の入力操作が行われたときでもよい。管理サーバ2は、ローカルリストLを受信すると、メイン車両C1の車両ID16A等を付与して、登録リスト13としてリスト情報記憶部12に格納する。
【0029】
次に、管理サーバ2によるグループ設定の支援処理について図5に従って説明する。管理サーバ2の制御部5は、グループ走行が開始される際に、メイン車両C1の位置及び車両ID16Aを取得する(ステップS2−1)。例えば、制御部5は、メイン車両C1に搭載されたナビゲーション装置4から、ユーザの入力操作によるグループ走行開始命令を受信した際に、その車両ID16Aを有する車両Cをメイン車両C1に特定し、グループ走行を開始すると判断する。この場合、制御部5は、そのメイン車両C1の位置を車両挙動データ11から取得する。また、上記グループ走行開始命令とともに送信された自車位置等から取得してもよい。
【0030】
また、制御部5は、メイン車両C1の車両ID16Aが付与された登録リスト13を、リスト情報記憶部12から抽出する(ステップS2−2)。
登録リスト13を抽出すると、制御部5は、登録リスト13に記憶された各車両ID16Aを用いて、走行可能状態である登録車両C2の位置を取得する(ステップS2−3)。このとき、制御部5は、挙動情報記憶部10に格納された車両挙動データ11の中から、登録リスト13に記憶された車両ID16Aを有する車両挙動データ11を検索し、該当する車両挙動データ11を抽出する。さらに、抽出した車両挙動データ11に含まれる位置を取得する。或いは、登録リスト13に記憶された車両ID16Aを有する車両Cに対し、車両位置のデータ要求を行って、データ要求に対して送信された登録車両C2の位置を取得してもよい。
【0031】
また、制御部5は、メイン車両C1の位置を中心とした検出範囲内に走行可能状態である登録車両C2が存在するか否かを判断する(ステップS2−4)。具体的には、図1に示すようにメイン車両C1から、所定距離(例えば200メートル)の検出範囲Zを設定する。また、該範囲内に、走行可能状態である登録車両C2が存在するか否かを、登録車
両C2の位置及びその登録車両C2が送信した起動フラグの値に基づき判断する。或いは、検出範囲Zは、メイン車両C1の位置がある施設又はその駐車場内に設定してもよい。この場合、制御部5は、メイン車両C1の位置及びPOIデータ14Aを用いてメイン車両C1の位置がある施設又は駐車場を判断し、施設全体又はその駐車場全体を検出範囲Zとして設定する。或いは、メイン車両C1の位置がマップマッチングされる道路上であって、メイン車両C1の位置から所定距離(例えば500メートル)の範囲を検出範囲Zとしてもよい。
【0032】
また、制御部5は、メイン車両C1の周辺状況に応じて検出範囲Zを適宜変更してもよい。例えば、制御部5が、メイン車両C1が施設の駐車場に存在することを検出した際に、その駐車場を検出範囲Zとして設定し、メイン車両C1の位置に対応する駐車場が検出できない際に、メイン車両C1の位置から所定距離内を検出範囲Zに設定してもよい。
【0033】
ステップS2−4において、制御部5が、検出範囲内に走行可能状態の登録車両C2が存在しないと判断すると(ステップS2−4においてNO)、メイン車両C1のナビゲーション装置4に対して、検出範囲内に登録車両C2が存在しないことを通知する(ステップS2−5)。
【0034】
一方、ステップS2−4において、制御部5が、検出範囲内に少なくとも一台の走行可能状態の登録車両C2が存在すると判断すると(ステップS2−4においてYES)、その登録車両C2をグループの候補車両とし、該登録車両C2のデータをメイン車両C1のナビゲーション装置4に対して通知する(ステップS2−6)。このとき送信されるデータには、検出範囲内に存在する登録車両C2の車両ID16A、その登録車両C2の位置が含まれている。
【0035】
このようにステップS2−5又はステップS2−6のように、メイン車両C1のナビゲーション装置4に対して通知を行うと、グループ設定の支援処理を終了する。
これらの通知を受信すると、メイン車両C1のナビゲーション装置4は、図6に示すリスト表示処理を行う。まず、ナビゲーション装置4の制御ユニット15は、管理サーバ2から受信した通知に基づき、検出範囲内に走行可能状態の登録車両C2が存在するか否かを判断する(ステップS3−1)。
【0036】
制御ユニット15が周囲に走行可能状態の登録車両C2が存在しないことを示す通知を受信し、ステップS3−1において、検出範囲内に走行可能状態の登録車両C2が存在しないと判断すると(ステップS3−1においてNO)、制御ユニット15は、リスト記憶部19からローカルリストLを抽出する。そして、ローカルリストLの昇順のまま、或いは「名称順」等の通常用いられるソート条件で、ローカルリストLを画像プロセッサ18に出力する。画像プロセッサ18は、このローカルリストLを用いて、登録車両C2のリストをディスプレイ25に表示する(ステップS3−2)。
【0037】
一方、制御ユニット15が、管理サーバ2から受信したデータに基づき、ステップS3−1において検出範囲内に走行可能状態の登録車両C2が存在すると判断すると(ステップS3−1においてYES)、制御ユニット15は、ローカルリストLのうち、検出範囲Zに存在する登録車両C2の上記単位データを抽出する(ステップS3−3)。さらに抽出した単位データを用いて、グループの候補車両のリストを生成する(ステップS3−4)。例えば、抽出した単位データを用いて、メイン車両C1の周囲に存在する車両Cのみからなるリストを生成してもよいし、ローカルリストLを、メイン車両C1の周囲に存在する車両Cがリストの上位になるように並び替えてもよい。
【0038】
検出範囲内に存在する車両Cのみのリストを表示する場合、制御ユニット15は、画像
プロセッサ18に、これらの単位データからなるリストを出力する。このときローカルリストLに格納された、検出範囲内に存在しない他の車両Cの単位データも別のリストとして出力してもよい。また、検出範囲内には存在するものの、走行可能状態でない車両Cの単位データも、別のリストとして出力してもよい。
【0039】
検出範囲内に存在する走行可能状態の登録車両C2のリスト及びその他の登録車両C2のリストを受信した画像プロセッサ18は、候補車両のリストを表示する(ステップS3−5)。例えばこれらのリストを分けて表示する。図7は、これらのリストが表示されたリスト画面40の一例である。リスト画面40には、第1の登録車両表示部41と、第2の登録車両表示部42と周辺地図43とが表示されている。第1の登録車両表示部41には、検出範囲内に存在する走行可能状態の登録車両C2の登録ネームの一覧等が表示されている。また、第2の登録車両表示部42には、その他の登録車両C2の登録ネーム一覧等が表示されている。周辺地図43は、自車位置周辺の地図であって、周囲の登録車両C2の位置等を示している。
【0040】
第1又は第2の登録車両表示部41,42に表示された車両を、グループ走行のメンバーとして選択する場合には、ユーザは、登録車両C2の登録ネームを、ナビゲーション装置4の操作によりアクティブにし、登録ボタン44を操作して選択する。このため、ユーザが所望の車両を選択することができる。また、例えば、グループ走行を行う車両Cが、同じ駐車場等に集合するような場合、第1の登録車両表示部41に、集合した車両Cの登録ネームが表示される。このため、ユーザは、リスト表示された多数の登録ネームの中から、選択したい車両Cを探し出す際の手間の掛かる操作を行うことがなく、第1の登録車両表示部41の中から、選択したい車両Cをすぐに登録することができる。
【0041】
リスト画面40にて、メンバーとなる車両Cを選択すると、制御ユニット15は、選択された車両Cの車両ID16Aを取得して、メンバーの車両IDとしてRAM21に一時記憶する。また、管理サーバ2が、グループ設定後のグループ走行を支援する場合には、制御ユニット15は、メンバーの車両IDを管理サーバ2に送信する。
【0042】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、管理サーバ2は、各車両Cから位置情報を含む車両挙動データ11を取得するとともに、登録車両C2が登録されたリストを取得する。また、メイン車両C1を基準とした検出範囲内に存在する走行可能状態の登録車両C2を検出し、検出した登録車両C2をグループの候補として設定する。このため、グループのメンバーとして可能性が高い車両を候補として表示することができるので、グループ設定にかかるユーザの手間を軽減することができる。
【0043】
(2)上記実施形態では、管理サーバ2は、候補となる登録車両C2が検出された際に、その登録車両C2のリストをナビゲーション装置4のディスプレイ25に表示する。このため、候補として多数の車両Cが挙げられたリストから、選択したい車両Cを探す場合に比べて、周囲に存在する車両Cのリストから、メインユーザが選択したい車両Cを容易に選択することができる。
【0044】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、メイン車両C1のナビゲーション装置4は、ローカルリストLを格納するようにしたが、管理サーバ2のみに格納してもよい。
【0045】
・上記実施形態では、ナビゲーションシステムを管理サーバ2に具体化したが、ナビゲーション装置4に具体化してもよい。このとき、ナビゲーション装置4の制御ユニット15が、位置取得手段、特定手段、リスト取得手段、検出手段、候補設定手段及び制御手段
を構成する。制御ユニット15は、ローカルリストLに登録された登録車両C2の位置を取得する。このとき、車車間通信により位置を取得してもよいし、図示しないサーバから取得してもよい。また、自車を中心とした検出範囲Z内に、登録車両C2が存在するか否かを判断する。そして、検出範囲Zに登録車両C2が存在する場合に、その車両Cを候補車両とする。
【0046】
・上記実施形態において、管理サーバ2は、ステップS3−4とステップS3−5の処理を行わずに、メイン車両C1を基準にした検出範囲Z内に存在する登録車両C2を全てグループのメンバーとして登録するようにしてもよい。
【0047】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記候補車両のみからなる一覧を生成し、前記基準車両の表示手段に表示する表示制御手段をさらに備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
【0048】
従って、この(a)に記載の発明によれば、候補車両のみからなる一覧が表示手段に表示されるので、例えば、ユーザはそのリストからメンバーにしたい車両を容易に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】グループ走行支援システムの概略図。
【図2】管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図。
【図3】ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【図4】挙動データ生成処理を示すフローチャート。
【図5】グループ設定の支援処理を示すフローチャート。
【図6】リスト表示処理のフローチャート。
【図7】リスト画面の画面図。
【符号の説明】
【0050】
1…グループ走行支援システム、2…ナビゲーションシステムを構成する管理サーバ、5…位置取得手段、特定手段、リスト取得手段、検出手段、候補設定手段、表示制御手段及び制御手段としての制御部、11…位置情報としての車両挙動データ、13…登録リスト、25…表示手段としてのディスプレイ、C…車両、C1…基準車両としてのメイン車両、C2…登録車両、L…ローカルリスト、Z…検出範囲。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両から構成されるグループを設定するためのナビゲーションシステムであって、
基準車両を特定する特定手段と、
前記基準車両に対して登録されている登録車両のリストを取得するリスト取得手段と、
前記基準車両及び前記登録車両の位置情報を取得する位置取得手段と、
前記リストの中から、前記基準車両の位置を基準とした検出範囲内に存在する前記登録車両を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した前記登録車両を、グループの候補車両として設定する候補設定手段と
を備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記候補車両を優先した前記登録車両の一覧を生成し、前記基準車両の表示手段に表示する表示制御手段をさらに備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記検出手段は、
前記リストの中から、前記検出範囲内に存在し、且つ走行可能状態である前記登録車両を検出することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項4】
複数の車両から構成されるグループを設定するための制御手段を用いたグループ管理方法であって、
前記制御手段が、
基準車両を特定し、前記基準車両に対して登録されている登録車両のリストを取得し、前記基準車両及び前記登録車両の位置情報を取得し、前記リストの中から、前記基準車両の位置を基準とした検出範囲内に存在する前記登録車両を検出するとともに、検出した前記登録車両を、グループの候補車両として設定することを特徴とするグループ管理方法。
【請求項5】
複数の車両から構成されるグループを設定するための制御手段を用いたグループ管理プログラムであって、
前記制御手段を、
複数の車両から構成されるグループを設定するためのナビゲーションシステムであって、
基準車両を特定する特定手段と、
前記基準車両に対して登録されている登録車両のリストを取得するリスト取得手段と、
前記基準車両及び前記登録車両の位置情報を取得する位置取得手段と、
前記リストの中から、前記基準車両の位置を基準とした検出範囲内に存在する前記登録車両を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した前記登録車両を、グループの候補車両として設定する候補設定手段として機能させることを特徴とするグループ管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−229417(P2009−229417A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−78657(P2008−78657)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】