説明

ナビゲーションシステム及びナビゲーション装置

【課題】音声から乗員の希望する行き先を的確に推定し、適切なタイミングで提案できるナビゲーションシステム及びナビゲーション装置を提供すること。
【解決手段】車両外にて発せられた会話音声に基づき推定される推定目的地に関する情報が出力されるタイミングが、目的地・行動提案処理(S60)によって、その推定目的地へ向かう行動予定日に応じて設定される。これにより、推定目的地に関する情報を、その推定目的地への行動予定日に合わせて出力させることができる。ここで、車両外にて発せられる音声には、任意の日付の行動予定に関する話題が含まれる。よって、推定目的地に関する情報を、その推定目的地への行動予定日に合わせて出力することにより、音声から乗員の希望する行き先(推定目的地)を適切なタイミングで提案することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム及びナビゲーション装置に関し、特に、音声から乗員の希望する行き先を的確に推定し、適切なタイミングで提案できるナビゲーションシステム及びナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両内において乗員の発する音声から所定の語句を認識し、その認識された語句より乗員が希望する行き先を推定して提案し、乗員がその提案された行き先に同意すれば、その行き先を目的地として経路誘導するナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−289661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、車両に乗って向かう行き先は、通常、乗車する前に車両外における会話の中で決定されている場合が多い。しかしながら、上述した従来の技術は、車両内において乗員の発する音声から乗員の希望する行き先を推定した直後に、その推定した行き先を提案するものであるので、その車両内において発せられた音声からでは、乗員が希望する行き先を的確に推定し、提案することができない恐れがあるという問題点があった。また、任意の日付の行動予定に関する話題が含まれる音声から乗員の希望する行き先を推定して提案する場合は、その推定した行き先が適切なタイミングで提案されない恐れがあるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、音声から乗員の希望する行き先を的確に推定し、適切なタイミングで提案できるナビゲーションシステム及びナビゲーション装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために請求項1記載のナビゲーションシステムは、車両の現在位置から目的地までの経路を設定して出力するナビゲーションシステムであって、車両外にて発せられる音声を記憶する音声記憶手段と、その音声記憶手段に記憶される音声を取得する音声取得手段と、その音声取得手段により取得される音声の内容を解析する音声解析手段と、その音声解析手段による解析結果に基づいて乗員の希望する行き先およびその行き先への行動予定日を推定する行き先推定手段と、その行き先推定手段により推定される前記行き先に関する情報を所定のタイミングで出力する行き先出力手段と、その行き先出力手段によって出力される前記情報により示される前記行き先に、乗員が同意するか否かを判断する同意判断手段と、その同意判断手段によって乗員が前記行き先に同意すると判断される場合に、前記行き先推定手段により推定される前記行き先を前記目的地として設定する目的地設定手段と、前記行き先出力手段により前記行き先に関する情報を出力する前記所定のタイミングを、前記行き先推定手段により推定される前記行動予定日に応じて設定する出力タイミング設定手段とを備える。
【0007】
請求項2記載のナビゲーションシステムは、請求項1記載のナビゲーションシステムにおいて、乗員によるナビゲーションシステムの操作を検出する操作検出手段と、前記車両への乗車がある場合に、その乗車日を取得する乗車日取得手段とを備え、前記出力タイミング設定手段は、前記行き先推定手段により推定される前記行動予定日が、前記乗車日取得手段により取得される前記乗車日と一致するか否かを判定する第1予定日判定手段を有し、その第1予定日判定手段により前記行動予定日が前記乗車日と一致すると判定される場合は、前記操作検出手段により前記操作が検出されるタイミングを前記行き先出力手段により前記行き先に関する情報を出力する前記所定のタイミングとして設定するものである。
【0008】
請求項3記載のナビゲーションシステムは、請求項1又は2に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記車両のイグニッションスイッチがオンされてからの経過時間および走行距離の少なくともいずれかを計測する計測手段と、前記車両への乗車がある場合に、その乗車日を取得する乗車日取得手段とを備え、前記出力タイミング設定手段は、前記行き先推定手段により推定される前記行動予定日が、前記乗車日取得手段により取得される前記乗車日と一致するか否かを判定する第1予定日判定手段を有し、その第1予定日判定手段により前記行動予定日が前記乗車日と一致すると判定される場合は、前記計測手段により計測された経過時間および走行距離の少なくともいずれかが所定の閾値以上となるタイミングを前記行き先出力手段により前記行き先に関する情報を出力する前記所定のタイミングとして設定するものである。
【0009】
請求項4記載のナビゲーションシステムは、請求項1から3のいずれかに記載のナビゲーションシステムにおいて、乗員によるナビゲーションシステムの操作を検出する操作検出手段を備え、前記出力タイミング設定手段は、前記行き先推定手段により推定される前記行動予定日が、数日にまたがるものであるか否かを判定する第2予定日判定手段を有し、その第2予定日判定手段により、前記行動予定日が数日にまたがるものであると判定される場合は、前記操作検出手段により前記操作が検出されるタイミングを前記行き先出力手段により前記行き先に関する情報を出力する前記所定のタイミングとして設定するものである。
【0010】
請求項5記載のナビゲーションシステムは、請求項4記載のナビゲーションシステムにおいて、前記行き先推定手段は、前記行き先への行動予定日と共に行動開始予定日時を推定するものであり、前記出力タイミング設定手段は、現在の時刻が前記行き先推定手段により推定される前記行動開始予定日時から所定の時間範囲内となるタイミングを検出するタイミング検出手段を有し、前記第2予定日判定手段により、前記行動予定日が数日にまたがるものであると判定される場合は、前記操作検出手段により前記操作が検出され且つ前記タイミング検出手段により検出される現在の時刻が前記行動開始予定日時から所定の時間範囲内となるタイミングを、前記行き先出力手段により前記行き先に関する情報を出力する前記所定のタイミングとして設定するものである。
【0011】
請求項6記載のナビゲーションシステムは、請求項1から4のいずれかに記載のナビゲーションシステムにおいて、前記行き先推定手段は、前記行き先への行動予定日と共に行動開始予定日時を推定するものであり、前記出力タイミング設定手段は、前記行き先推定手段により推定される前記行動予定日が、数日にまたがるものであるか否かを判定する第2予定日判定手段と、現在の時刻が前記行き先推定手段により推定される前記行動開始予定日時から所定の時間範囲内となるタイミングを検出するタイミング検出手段とを有し、前記第2予定日判定手段により、前記行動予定日が数日にまたがるものであると判定される場合は、前記現在時刻検出手段により検出される現在の時刻が前記行動開始予定日時から所定の時間範囲内となるタイミングを前記行き先出力手段により前記行き先に関する情報を出力する前記所定のタイミングとして設定するものである。
【0012】
請求項7記載のナビゲーションシステムは、請求項1から6のいずれかに記載のナビゲーションシステムにおいて、前記車両への乗車がある場合に、その乗車日を取得する乗車日取得手段を備え、前記出力タイミング設定手段は、前記行き先推定手段により推定される前記行動予定日が、前記乗車日取得手段により取得される前記乗車日と一致するか否かを判定する第1予定日判定手段と、前記行き先推定手段により推定される前記行動予定日が、数日にまたがるものであるか否かを判定する第2予定日判定手段と、前記行き先推定手段により推定される行き先が前記車両の走行位置および現在の時刻の少なくともいずれかに基づいて適当なものであるか否かを判定する行き先判定手段とを有し、前記第1予定日判定手段により前記行動予定日が前記乗車日と一致しないと判定され、且つ、前記第2予定日判定手段により、前記行動予定日が数日にまたがるものではないと判定される場合は、前記行き先判定手段により前記行き先推定手段により推定される行き先が適当なものであると判定されるタイミングを前記行き先出力手段により前記行き先に関する情報を出力する前記所定のタイミングとして設定するものである。
【0013】
請求項8記載のナビゲーション装置は、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、目的地を設定する目的地設定手段と、前記現在位置検出手段により検出される前記車両の現在位置から前記目的地設定手段により設定された前記目的地までの経路を設定する経路設定手段と、その経路設定手段により設定される前記経路を出力する経路出力手段と、車両外において記憶された音声を取得する音声取得手段と、その音声取得手段により取得される音声の内容を解析する音声解析手段と、その音声解析手段による解析結果に基づいて乗員の希望する行き先およびその行き先への行動予定日を推定する行き先推定手段と、その行き先推定手段により推定される前記行き先に関する情報を所定のタイミングで出力する行き先出力手段と、その行き先出力手段によって出力される前記情報により示される前記行き先に、乗員が同意するか否かを判断する同意判断手段と、その同意判断手段によって乗員が前記行き先に同意すると判断される場合に、前記目的地設定手段により設定される前記目的地として、前記行き先推定手段により推定される前記行き先を設定する推定行き先設定手段と、前記行き先出力手段により前記行き先に関する情報を出力する前記所定のタイミングを、前記行き先推定手段により推定される前記行動予定日に応じて設定する出力タイミング設定手段とを備える。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載のナビゲーションシステムによれば、音声記憶手段に記憶される車両外にて発生される音声が音声取得手段によって取得され、その取得される音声の内容が音声解析手段により解析される。そして、その解析結果に基づいて、乗員の希望する行き先およびその行き先への行動予定日が行き先推定手段により推定され、この推定される行き先に関する情報が行き先出力手段により所定のタイミングで出力される。この出力される情報により示される行き先に乗員が同意すると同意判断手段により判断されると、行き先推定手段により推定される行き先が目的地設定手段によって目的地として設定される。これにより、車両外にて発せられる音声に基づいて推定される行き先が、乗員の同意のもとで目的地として設定される。そして、車両の現在位置からその目的地までの経路が設定されて、出力される。ここで、上述したように、乗車する前に車両外における会話の中で決定されている場合が多い。よって、車両外にて発せられる音声に基づき行き先を推定し、その推定された行き先を出力することにより、音声から乗員の希望する行き先の推定および提案を的確に行うことができる。
【0015】
また、行き先出力手段により行き先に関する情報が出力される所定のタイミングは、行き先推定手段により推定される行動予定日に応じて出力タイミング設定手段により設定されるので、行き先推定手段により推定される行き先に関する情報を、その行き先への行動予定日に合わせて出力させることができる。ここで、車両外にて発せられる音声には、任意の日付の行動予定に関する話題が含まれる。よって、行き先推定手段により推定される行き先に関する情報を、その行き先への行動予定日に合わせて出力することにより、音声から乗員の希望する行き先を適切なタイミングで提案することができる。
【0016】
従って、請求項1記載のナビゲーションシステムによれば、音声から乗員の希望する行き先を的確に推定し、適切なタイミングで提案できるという効果がある。
【0017】
請求項2記載のナビゲーションシステムによれば、請求項1記載のナビゲーションシステムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、行き先推定手段により推定される行動予定日が、乗車日時取得手段により取得される乗車日時と一致すると第1予定日判定手段により判定される場合は、操作検出手段により乗員によるナビゲーションシステムの操作が検出されるタイミングが、行き先出力手段により行き先に関する情報を出力する所定のタイミングとして出力タイミング設定手段により設定される。
【0018】
ここで、第1予定日判定手段により、行き先推定手段により推定される行動予定日が、乗車日時取得手段により取得される乗車日時と一致すると判定される場合、それは、乗車当日に予定されている行き先が行き先推定手段により推定されていることを意味する。よって、乗車当日に予定されている行き先が推定される場合、ナビゲーションシステムの操作されるタイミングでその行き先を出力すれば、乗員によってその行き先が同意される可能性を高めることができる。よって、音声から推定された乗員の希望する行き先を適切なタイミングで提案できるという効果がある。
【0019】
請求項3記載のナビゲーションシステムによれば、請求項1又は2に記載のナビゲーションシステムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、行き先推定手段により推定される行動予定日が、乗車日時取得手段により取得される乗車日時と一致すると第1予定日判定手段により判定される場合は、計測手段により計測された、車両のイグニッションスイッチがオンされてからの経過時間および走行距離の少なくともいずれかにおいて所定の閾値以上となるタイミングが、行き先出力手段により行き先に関する情報を出力する所定のタイミングとして出力タイミング設定手段により設定される。
【0020】
ここで、第1予定日判定手段により、行き先推定手段により推定される行動予定日が、乗車日時取得手段により取得される乗車日時と一致すると判定される場合、それは、乗車当日に予定されている行き先が行き先推定手段により推定されていることを意味する。よって、乗車当日に予定されている行き先が推定される場合、ナビゲーションシステムが操作されていなくても、イグニッションスイッチがオンされてから車両が所定の時間または所定の距離を走行したタイミングでその行き先を出力すれば、乗員によってその行き先が同意される可能性を高めることができる。よって、音声から推定された乗員の希望する行き先を適切なタイミングで提案できるという効果がある。
【0021】
請求項4記載のナビゲーションシステムによれば、請求項1から3のいずれかに記載のナビゲーションシステムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、行き先推定手段により推定される行動予定日が、数日にまたがるものであると第2予定日判定手段により判定される場合は、操作検出手段により乗員によるナビゲーションシステムの操作が検出されるタイミングが、行き先出力手段により行き先に関する情報を出力する所定のタイミングとして出力タイミング設定手段により設定される。
【0022】
ここで、行き先推定手段により推定される行動予定日が、第2予定日判定手段によって、数日にまたがるものであると判定される場合、乗員はその行動予定日よりも早めて行動する可能性があると共に、数日にまたがる行動は長距離走行となる可能性があるため乗員がナビゲーションシステムを使用する可能性が高い。よって、行動予定日として数日にまたがって予定されている行き先が行き先推定手段により推定される場合、ナビゲーションシステムの操作されるタイミングでその行き先を出力すれば、乗員によってその行き先が同意される可能性を高めることができる。従って、音声から推定された乗員の希望する行き先を適切なタイミングで提案できるという効果がある。
【0023】
請求項5記載のナビゲーションシステムによれば、請求項4記載のナビゲーションシステムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、行き先推定手段により推定される行動予定日が、数日にまたがるものであると第2予定日判定手段により判定される場合は、操作検出手段により乗員によるナビゲーションシステムの操作が検出され且つタイミング検出手段により現在の時刻が行き先推定手段によって推定される行動開始予定日時から所定の時間範囲内となると検出されるタイミングが、行き先出力手段により行き先に関する情報を出力する所定のタイミングとして、出力タイミング設定手段により設定される。
【0024】
ここで、行き先推定手段により推定される行動予定日が、第2予定日判定手段によって、数日にまたがるものであると判定される場合、乗員はその行動予定日よりも早めて行動する可能性がある一方、その行動開始予定日時よりはるか前の行動は別の行き先に対するものである可能性もある。よって、行動予定日として数日にまたがって予定されている行き先が行き先推定手段により推定される場合、ナビゲーションシステムが操作され、且つ、現在の時刻がその行き先への行動開始予定日時から所定の時間範囲内となるタイミングで、その行き先を出力すれば、乗員によってその行き先が同意される可能性をより高めることができる。従って、音声から推定された乗員の希望する行き先を適切なタイミングで提案できるという効果がある。
【0025】
請求項6記載のナビゲーションシステムによれば、請求項1から4のいずれかに記載のナビゲーションシステムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、行き先推定手段により推定される行動予定日が、数日にまたがるものであると第2予定日判定手段により判定される場合は、現在の時刻がその行動予定情報により示される行動開始日時から所定の時間範囲内となると現在時刻検出手段により検出されるタイミングが、行き先出力手段により行き先に関する情報を出力する所定のタイミングとして、出力タイミング設定手段により設定される。
【0026】
ここで、行き先推定手段により推定される行動予定日が、第2予定日判定手段によって、数日にまたがるものであると判定される場合、乗員はその行動開始予定日時から外れて行動を開始する可能性がある一方、現在時刻がその行動開始予定日時から所定の時間範囲内となれば、乗員がその行き先へ向けて走行している可能性が高くなる。よって、行動予定日として数日にまたがって予定されている行き先が行き先推定手段により推定される場合、現在の時刻がその行き先への行動開始予定日時から所定の時間範囲内となるタイミングで、その行き先を出力すれば、乗員によってその行き先が同意される可能性を高めることができる。従って、音声から推定された乗員の希望する行き先を適切なタイミングで提案できるという効果がある。
【0027】
請求項7記載のナビゲーションシステムによれば、請求項1から6のいずれかに記載のナビゲーションシステムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、行き先推定手段により推定される行動予定日が、乗車日時取得手段により取得される乗車日時と一致しないと第1予定日判定手段により判定され、且つ、行き先推定手段により推定される行動予定日が、数日にまたがるものではないと第2予定日判定手段により判定される場合は、行き先推定手段により推定された行き先が車両の走行位置および現在の時刻の少なくともいずれかに基づいて適当なものであると行き先判定手段により判定されるタイミングが、行き先出力手段により行き先に関する情報を出力する所定のタイミングとして、出力タイミング設定手段により設定される。
【0028】
これにより、行き先推定手段により推定される行き先が、乗車当日に予定されている行き先ではなく、また、数日にまたがって行動が予定される行き先ではなくても、その行き先推定手段により推定された行き先が車両の走行位置および現在の時刻の少なくともいずれかに基づいて適当なものであると判定されたタイミングで出力されるので、乗員によってその出力された行き先が同意される可能性を高めることができる。よって、音声から推定された乗員の希望する行き先を的確に推定し、適切なタイミングで提案できるという効果がある。
【0029】
請求項8記載のナビゲーション装置によれば、請求項1記載のナビゲーションシステムと同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態であるナビゲーションシステムの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】搭乗者情報DBの内容の一例を模式的に示した模式図である。
【図3】スケジュールDBの内容の一例を模式的に示した模式図である。
【図4】搭乗者・行動履歴DBの内容の一例を模式的に示した模式図である。
【図5】携帯電話機で実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】携帯電話機で実行される会話取得処理を示すフローチャートである。
【図7】携帯電話機で実行されるBluetooth接続処理を示すフローチャートである。
【図8】ナビゲーション装置で実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図9】ナビゲーション装置で実行されるデータ取得処理を示すフローチャートである。
【図10】ナビゲーション装置で実行される搭乗解析処理を示すフローチャートである。
【図11】ナビゲーション装置で実行されるスケジュールDB更新処理を示すフローチャートである。
【図12】ナビゲーション装置で実行される目的地・行動推定処理を示すフローチャートである。
【図13】ナビゲーション装置で実行される目的地・行動提案処理を示すフローチャートである。
【図14】ナビゲーション装置で実行される案内処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実形態であるナビゲーションシステム1の電気的構成を示すブロック図である。
【0032】
まず、このナビゲーションシステム1の概略構成について説明する。ナビゲーションシステム1は、車両の現在位置から目的地までの経路を設定し、その設定した経路を出力して目的地までの経路誘導を行うとともに、音声から搭乗者の希望する目的地を的確に推定し、適切なタイミングで提案できるように構成されている。
【0033】
このナビゲーションシステム1は、図1に示すように、携帯電話機10およびナビゲーション装置50を有している。携帯電話機10は、通常の電話機能の他に、会話などの音声を録音する音声録音機能を有しており、電話機能による通話や、携帯電話機10に設けられたマイクロフォン19を介して取得した携帯電話機10の周辺で行われる会話などの音声が、録音可能に構成されている。また、携帯電話機10はBluetooth(登録商標)に対応した通信機能を有しており、音声録音機能により録音された会話音声データをナビゲーション装置50へ転送可能に構成されている。
【0034】
尚、以下では、携帯電話機10の音声録音機能により録音される対象を会話音声として説明するが、この会話音声には、複数人より行われる会話によって発せられる音声だけではなく、一人により発せられる音声をも含むものであってもよい。また、以下の説明において、音声録音機能により録音されたデータを会話音声データと称するが、このデータは、複数人により行われる会話に基づくデータだけでなく、一人により発せられた音声に基づくデータをも含むものであってもよい。
【0035】
ナビゲーション装置50は、車両に設けられるもので、目的地の設定、車両の現在位置検出、現在位置から目的地までの経路探索、経路探索により探索された経路を道路地図と合わせてナビゲーション装置50の液晶ディスプレイ(以下、「LCD(Liquid Crystal Display)」と称する。)58に表示して、搭乗者に経路を案内する経路案内といった、ナビゲーションシステムの主要な処理を実行する。
【0036】
また、ナビゲーション装置50は、携帯電話機10と同様にBluetoothに対応した通信機能を有しており、携帯電話機10により主として車両外で録音された会話音声データを携帯電話機10から取得可能に構成されている。
【0037】
そして、ナビゲーション装置50は、携帯電話機10から取得した会話音声データの内容を解析し、その解析結果に基づいて搭乗者の希望する目的地(行き先)を推定し、その推定された目的地(以下、「推定目的地」と称する。)に関する情報を所定のタイミングでLCD58に表示することでその推定目的地を搭乗者に提案すると共に、その提案した推定目的地が搭乗者により受け入れられれば、その推定目的地を目的地に設定して、経路案内が行われるように構成されている。
【0038】
ここで、車両に乗って向かう目的地は、通常、乗車する前に車両外における会話の中で決定されている場合が多い。よって、ナビゲーションシステム1のように、車両外で行われた会話を携帯電話機10にて録音し、その会話をナビゲーション装置10に転送し、ナビゲーション装置10にて転送された会話の内容に基づき推定目的地を推定して搭乗者に提案することにより、音声から搭乗者の希望する目的地を的確に推定し、提案することができる。
【0039】
次いで、ナビゲーションシステム1の詳細構成について説明する。まず、携帯電話機10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、フラッシュメモリ14、Bluetooth通信制御回路(以下、「BT通信制御回路」と称する。)15、携帯通信制御回路17、マイクロフォン19、スピーカ20、LCD21、タッチパネル22、操作キー23を主に有している。
【0040】
CPU11、ROM12、RAM13は、バスライン24を介して互いに接続されている。また、フラッシュメモリ14、BT通信制御回路15、携帯通信制御回路17、マイクロフォン19、スピーカ20、LCD21、タッチパネル22、操作キー23は、いずれも入出力ポート25に接続され、この入力ポート25はバスライン24に接続されている。これにより、CPU11、ROM12、RAM13と入出力ポート25に接続される各部との間で、各種信号やデータの送受信が行われる。
【0041】
CPU11は、ROM12やRAM13に記憶される固定値やプログラムに従って、携帯電話機10が有している各機能の制御や、入出力ポート25と接続された各部を制御する演算装置である。
【0042】
このCPU11には、計時回路11aが内蔵されている。計時回路11aは、現在の日時を刻む時計機能を有する既知の回路であり、CPU11は、計時回路11aにより出力される現在の日時を使用して、携帯電話機10における通話履歴の管理や、各種データ及びファイルの更新日時(例えば、会話音声データの録音日時や、後述するスケジュール帳データの入力日時など)の管理を行う。
【0043】
ROM12は、CPU11で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能な不揮発性のメモリである。また、RAM13は、書換可能な揮発性のメモリであり、携帯電話機10の各操作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。
【0044】
図5から図7のフローチャートに示す各処理を実行するプログラムは、ROM12に格納されている。このうち、図5のフローチャートに示すメイン処理は、携帯電話機10の主要な処理を実行するものである。携帯電話機10は、ユーザの日々の予定(スケジュール)を記憶するスケジュール帳機能も有しており、ユーザより入力されたスケジュールをデータ化し、それをスケジュール帳データとして記憶する処理も、このメイン処理の中で行われる。
【0045】
また、図6のフローチャートに示す会話取得処理は、電話機能の通話による会話音声や、携帯電話機10周辺で行われる会話音声などを録音する音声録音機能を実現するものである。また、図7のフローチャートに示すBluetooth接続処理は、録音した会話音声データや、記憶したスケジュール帳データをナビゲーション装置50へ転送するものである。
【0046】
フラッシュメモリ14は、書換可能な不揮発性のメモリであり、会話音声データ領域14aおよびスケジュール帳データ領域14bが主に設けられている。また、フラッシュメモリ14には、アドレス帳データベース(以下、「アドレス帳DB(Database)」と称する。)14cが格納される。
【0047】
会話音声データ領域14aは、上述した携帯電話機10の音声録音機能により録音される1以上の会話音声データを格納する領域である。CPU11は、会話取得処理(図6参照)を実行する度に、電話機能の通話による会話音声や、マイクロフォン19を介して取得した携帯電話機10周辺で行われる会話の会話音声を、MP3(MPEG−1/2 Audio Layer−3)方式やAAC(MPEG−2 Audio AAC)方式などにより圧縮符号化処理してデータ化し、このデータを会話音声データ領域14aに格納する。
【0048】
そして、録音終了時に、会話音声データ領域14aに格納された会話音声データに、携帯電話機所有者の名前、通話相手の名前(電話機能による会話音声の録音の場合のみ)、及び、録音日時に関する情報を付加してファイル化し、最終的にこのファイル化された会話音声データを、会話音声データ領域14aに保持する。そして、会話音声データ領域14aに格納された会話音声データは、CPU11により実行されるBluetooth接続処理(図7参照)によって、ナビゲーション装置50に対して送信される(図7のS37参照)。
【0049】
尚、会話音声の圧縮符号化方式は、MP3方式やAAC方式に限られず、任意の方式であってもよい。また、会話音声を圧縮処理せずに、非圧縮のまま符号化してデータ化し、その非圧縮の会話音声データを会話音声データ領域14aに格納してもよい。
【0050】
スケジュール帳データ領域14bは、上述した携帯電話機10のスケジュール機能により、ユーザから入力されたスケジュール帳データを記憶するための領域である。CPU11は、メイン処理を実行することにより、ユーザからタッチパネル22を介して入力されたスケジュール(行動予定日と行動内容)の内容をデータ化する。そして、そのデータ化されたスケジュール帳データをスケジュール帳データ領域14bに追加し、入力日時と合わせて保持する(図5のS15参照)。そして、スケジュール帳データ領域14bに格納されたスケジュール帳データは、CPU11により実行されるBluetooth接続処理(図7参照)により、ナビゲーション装置50へ送信される(図7のS41参照)。
【0051】
アドレス帳DB14cは、ユーザが携帯電話機10から発呼する可能性のある相手先の名前と電話番号などを相手先ごとに登録し、保持するためのデータベースである。このアドレス帳DB14cは、電話機能による通話の発呼時や着呼時に用いられるほか、電話機能による会話音声の録音が行われる場合にも用いられ、通話相手先の電話番号から相手先の名前がアドレス帳DB14cにより特定され、その相手先の名前が録音によって生成される会話音声データファイルに付加される(図6のS29参照)。
【0052】
また、アドレス帳DB14cには、携帯電話機10の所有者に関する情報として、携帯電話機10の電話番号や所有者の名前などが登録されており、会話音声の録音時において、アドレス帳DB14cに登録された携帯電話機10の所有者の名前が会話音声データファイルに付加される(図6のS29参照)。
【0053】
BT通信制御回路15は、Bluetooth用アンテナ16を有しており、Bluetooth対応機器との間でBluetoothに準拠した無線通信を行いながらデータの送受信を行う回路である。携帯電話機10は、このBT通信制御回路15を介してナビゲーション装置50との間で無線通信を行い、ナビゲーション装置50からの制御信号に従って、フラッシュメモリ14の会話音声データ領域14aに格納された会話音声データやスケジュール帳データ領域14bに格納されたスケジュール帳データをナビゲーション装置50へ送信する。
【0054】
携帯通信制御回路17は、携帯通信用アンテナ17を有しており、携帯電話事業者が構築した通信網の末端に設けられている基地局との間で無線通信を行いながら通話音声などの各種データの送受信を行う回路である。
【0055】
マイクロフォン19は、ユーザの音声を音声データに変換する入力装置であり、マイクロフォン19により変換された音声データは、送話音声として携帯通信制御回路18を介して相手先の携帯電話機に向けて出力される。また、音声録音機能により会話音声を録音する場合、マイクロフォン19により変換された音声データを圧縮符号化およびファイル化して、会話音声データ領域14aに格納する。
【0056】
尚、電話機能の通話による会話を録音する場合は、マイクロフォン19により変換された音声データと、携帯通信制御回路17により受信した音声データとを合成処理した上で、圧縮符号化およびファイル化し、それを会話音声データ領域14aに格納する。
【0057】
スピーカ20は、音声信号を音声に変換して外部へ出力(放音)する出力装置であり、例えば、携帯通信制御回路17により受信した音声データを出力したり、タッチパネル22や操作キー23が操作されたときの操作音を出力する。
【0058】
LCD21は、タッチパネル22や操作キー23の操作に応じてメニューや動作状態などを表示するための表示装置である。タッチパネル22は、LCD21の表示パネル面に設けられた入力装置であり、指示物(ユーザの指やタッチペンなど)が接触または近接された場合に、その指示物により示された位置情報を出力するものである。CPU11は、タッチパネル22より出力された位置情報をもとに、LCD21に表示したボタンやアイコンの押下操作の有無を判断したり、入力された文字の文字認識を行ったりする。スケジュール機能におけるスケジュールの入力は、このタッチパネル22を介して行われる。
【0059】
操作キー23は、ユーザによる携帯電話機10の各種機能の切り替えや、各種動作の指示をタッチパネル22と共に受け付ける入力装置である。音声録音機能における会話音声の録音開始や録音終了の指示は、操作キー23によって行われる。
【0060】
尚、携帯電話機10は、タッチパネル22及び操作キー23の少なくともいずれかが具備されるように構成してもよい。また、スケジュール機能におけるスケジュールの入力は、タッチパネル22ではなく操作キー23によって行われてもよい。一方、音声録音機能における会話音声の録音開始や録音終了の指示は、操作キー23ではなくタッチパネル22によって行われてもよい。
【0061】
次に、ナビゲーション装置50の詳細構成について説明する。ナビゲーション装置50は、CPU51、ROM52、RAM53、ハードディスクドライブ(以下、「HDD(Hard Disk Drive)」と称する。)54、現在位置検出装置55、BT通信制御回路56、LCD58、タッチパネル59、操作キー60、スピーカ61、圧力センサ62、マイクロフォン63、音声認識プロセッサ64、画像認識プロセッサ65を主に有している。
【0062】
CPU51、ROM52、RAM53は、バスライン66を介して互いに接続されている。また、HDD54、現在位置検出装置55、BT通信制御回路56、LCD58、タッチパネル59、操作キー60、スピーカ61、圧力センサ62、音声認識プロセッサ64、画像認識プロセッサ65は、いずれも入出力ポート67に接続され、その入力ポート67はバスライン66に接続されている。これにより、CPU51、ROM52、RAM53と入出力ポート67に接続される各部との間で、各種信号やデータの送受信が行われる。また、マイクロフォン63は、音声認識プロセッサ64に接続され、マイクロフォン63の出力データは音声認識プロセッサ64によって解析されるほか、音声認識プロセッサ64を介して入出力ポートに出力される。
【0063】
また、ナビゲーション装置50は、車両に設けられた各座席の座位置のそれぞれに対応して、その座位置に座した搭乗者の顔画像が撮像可能な位置に配設されたカメラ70が接続されるように構成されている。そして、このカメラ70により撮像された顔画像データは、画像認識プロセッサ65に入力される。
【0064】
CPU51は、ROM52やRAM53に記憶される固定値やプログラムに従って、ナビゲーション装置50が有している各機能の制御や、入出力ポート67と接続された各部を制御する演算装置である。このCPU51には、計時回路51aが内蔵されている。計時回路51aは、現在の日時を刻む時計機能を有する既知の回路であり、CPU51は、計時回路51aにより出力される現在の日時を使用して、各種制御を行う。
【0065】
ROM52は、CPU51で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能な不揮発性のメモリである。図8から図14のフローチャートに示す各処理を実行するプログラムは、ROM52に格納されている。このうち、図8のフローチャートに示すメイン処理は、ナビゲーション装置50の主要な処理を実行するものである。図9のフローチャートに示すデータ取得処理は、BT通信制御回路56を介して携帯電話機10より会話音声データやスケジュール帳データを取得するものである。
【0066】
図10のフローチャートに示す搭乗解析処理は、車両への搭乗が検出された場合に、その乗車人数、乗車日時、運転者および同乗者を特定するものである。図11のフローチャートに示すスケジュールDB更新処理は、データ取得処理(図9参照)により取得した会話音声データやスケジュール帳データ、及び、マイクロフォン64により取得した車両内の会話音声データに基づいて、車両での移動スケジュールを推定し、その移動スケジュールを後述するスケジュールデータベース(以下、「スケジュールDB」と称する。)54eへ登録して更新するものである。
【0067】
図12のフローチャートに示す目的地・行動推定処理は、搭乗解析処理(図10参照)により特定された乗車人数、乗車日時、運転者および同乗者の情報に基づいて、スケジュールDB54eに登録された移動スケジュールの中から、推定目的地を推定するものである。図13のフローチャートに示す目的地・行動提案処理は、目的地・行動推定処理(図12参照)により推定された推定目的地を搭乗者へ提案するものである。また、図14のフローチャートに示す案内処理は、登録された目的地までの経路案内を行うものであり、目的地・行動提案処理(図13参照)により提案された推定目的地が搭乗者に受け入れられれば、その推定目的地を目的地として経路案内を行うものである。
【0068】
RAM53は、書換可能な揮発性のメモリであり、ナビゲーション装置50の各操作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。このRAM53には、例えば、推定種別フラグ53aが格納されるほか、乗車情報データ領域53b、探索起点データ領域53cが主として設けられている。
【0069】
推定種別フラグ53aは、CPU51により実行される目的地・行動推定処理(図12参照)によって推定される推定目的地の種別を示すフラグである。この推定目的地の種別は、電源投入直後に初期値として「N」が設定され、推定目的地が設定されていないことを示す。その後、推定種別フラグ53aは、スケジュールDBにより特定されるその推定目的地に向けて行動する予定日に応じて、目的地・行動推定処理(図12参照)の中で設定される。
【0070】
具体的には、推定目的地への終了予定日が乗車当日のものであれば、推定種別フラグ53aには、その推定目的地が当日到着予定のものであることを示す「D」が設定される。また、推定目的地への終了予定日が乗車当日ではないが、その推定目的地への行動予定日が乗車日時から所定の日数および時間の範囲内にあり、且つ、その行動予定において開始予定日から終了予定日までに日をまたぐものである場合は、その推定種別フラグ53aには、その推定目的地が数日以内に日をまたいで移動すべき予定のものであることを示す「F」が設定される。また、それら以外の場合は、推定種別フラグ53aには「T」が設定される。
【0071】
この推定種別フラグ53aは、CPU51が目的地・行動提案処理(図13参照)を実行中に参照され、推定種別フラグ53aの設定値に応じて、目的地・行動推定処理(図12参照)により推定された推定目的地を搭乗者に提案するタイミングが制御される。
【0072】
乗車情報データ領域53bは、車両への搭乗が検出された場合に、その乗車人数、乗車日時、運転者および同乗者の情報を格納する領域である。CPU51は、搭乗解析処理(図10参照)を実行することにより、車両への搭乗の有無を判断し、その搭乗が検出された場合に、そのときの乗車人数、乗車日時、運転者および同乗者を特定して、その情報を乗車情報データ領域53bに格納する。
【0073】
そして、この乗車情報データ領域53bは、CPU51が目的地・行動推定処理(図12参照)を実行中に参照され、CPU51は、乗車情報データ領域53bに格納された乗車人数、乗車日時、運転者および同乗者の情報に基づいて、後述するスケジュールDB54eに登録された移動スケジュールの中から搭乗者が希望する目的地(推定目的地)を推定する。
【0074】
探索起点データ領域53cは、ナビゲーション装置50の電源が投入された時点における車両の位置情報を格納するための領域である。CPU51は、メイン処理(図8参照)において、電源投入直後に実行される初期化処理の1つとして、そのときの車両の位置情報を現在位置検出装置55から取得して探索起点データ領域53cに格納する。
【0075】
この探索起点データ領域53cに格納された位置情報は、CPU51が目的地・行動推定処理(図12参照)の中で推定目的地が推定された後に参照され、その位置情報により示される位置から推定目的地までの経路が探索される(図12のS144参照)。即ち、探索起点データ領域53cに格納された位置情報により示される位置は、推定目的地までの経路探索の起点位置として用いられる。
【0076】
ここで、探索起点データ領域53cに格納される位置情報は、ナビゲーション装置50の電源が投入された時点における車両の位置情報であるので、探索起点データ領域53cに格納された位置情報により示される位置から推定目的地までの経路探索は、車両の出発地点または車両が過去に通過した地点から推定目的地までの経路探索を行ったことを意味する。そして、この経路探索の結果は、CPU51により実行される目的地・行動提案処理(図13参照)の中で参照され、車両の現在位置がこの経路探索で探索された経路上もしくはその経路から所定距離の範囲内にある場合に、その車両が推定された目的地に向けて走行していると判断する。
【0077】
尚、推定目的地までの経路探索は、後述する搭乗者情報DB54dに登録されている自宅住所により示される位置(自宅位置)からも行われ、車両の現在位置が、この経路探索で探索された経路上もしくはその経路から所定距離の範囲内にある場合にも、その車両が推定された目的地に向けて走行していると判断する。
【0078】
そして、探索起点データ領域53cにより示される起点位置および搭乗者情報DB54dにより示される自宅位置から推定目的地までに対して探索された経路に基づき、車両が推定された目的地に向けて走行しているか否かを判断した結果によって、推定目的地をLCD58に表示するか否かが決定される。即ち、車両が推定目的地に向けて走行していると判断される場合は、その推定目的地が搭乗者に提案される。一方、車両が推定目的地に向けて走行していないと判断される場合は、その推定目的地の提案が非実行とされる。よって、搭乗者が希望する目的地をより的確に提案できる。
【0079】
その他、RAM53には、CPU51により実行される各処理に用いられる各種フラグが格納される。
【0080】
例えば、データ取得処理フラグは、携帯電話機10より会話音声データやスケジュール帳データを取得する処理が完了したか否かを示すフラグであり、データ取得処理フラグがオンであれば、その処理が完了したことを示し、オフであれば、その処理が完了していないことを示す。このデータ取得処理フラグは、電源投入直後には初期値としてオフが設定され、データ取得処理フラグがオフである間、CPU51はメイン処理の中でデータ取得処理(図9参照)を実行する。
【0081】
そして、そのデータ取得処理により、携帯電話機10から会話音声データやスケジュール帳データを取得する処理が実行されると、データ取得処理フラグはオンに設定され、以後、メイン処理において、データ取得処理の実行がスキップされる。
【0082】
データ更新フラグは、HDD54に設けられた後述の会話音声データ領域54aに格納された会話音声データ又はスケジュール帳データ領域54bに格納されたスケジュール帳データが更新されたことを示すフラグであり、データ更新フラグがオンであればこれらのデータが更新されたことを示し、オフであれば更新されていないことを示す。
【0083】
このデータ更新フラグは、電源投入直後に初期値としてオフが設定され、データ取得処理(図9参照)により、携帯電話機10より取得した会話音声データやスケジュール帳データが、会話音声データ領域54a又はスケジュール帳データ領域54bに格納されると、データ更新フラグがオンされる。そして、このデータ更新フラグは、CPU51がスケジュールDB更新処理(図11参照)を実行中に参照され、データ更新フラグがオンであれば、データ取得処理(図9参照)によって会話音声データ領域54a又はスケジュール帳データ領域54bに格納された各データから移動スケジュールが推定され、その推定された移動スケジュールがスケジュールDB54eに登録される。
【0084】
推定状態フラグは、推定目的地の推定状態を示すフラグであり、推定状態フラグが「未推定」であれば推定目的地の推定が行われていないことを示し、「推定済」であれば推定目的地の推定が行われたことを示し、「再推定」であれば推定目的地の推定を再度行う必要があることを示す。この推定状態フラグは、ナビゲーション装置50の電源投入直後に初期値として「未推定」が設定され、この推定状態フラグが「未推定」である間、CPU51はメイン処理の中で目的地・行動推定処理(図12参照)を実行する。
【0085】
そして、その目的地・行動推定処理により、推定目的地の推定が行われると、推定状態フラグは「推定済」に設定され、その後は、メイン処理において、目的地・行動推定処理の実行がスキップされる。
【0086】
一方、CPU51により実行される案内処理(図14参照)において、目的地・行動提案処理(図13参照)により搭乗者に対して提案された推定目的地が、搭乗者に受け入れられなかった場合は、推定状態フラグが「再推定」に設定される。また、CPU51により実行される目的地・行動提案処理(図13参照)において、目的地・行動推定処理(図12参照)により推定された推定目的地への終了予定日が乗車当日のものである場合であって、現在の車両位置から推定目的地に向けて走行していないと判断される場合にも、推定情報フラグが「再推定」に設定される。
【0087】
そして、その推定状態フラグが目的地・行動推定処理(図12参照)により再び「推定済」と設定されるまでの間、即ち、別の推定目的地が推定されるまでの間、CPU51はメイン処理の中で目的地・行動推定処理を実行する。これにより、ナビゲーション装置50は、再び推定目的地の推定を行うことができる。
【0088】
提案処理フラグは、推定された推定目的地が搭乗者に対して提案されていることを示すフラグであり、提案処理フラグがオンであれば、推定目的地が搭乗者に対して提案されていることを示し、オフであれば、提案されていないことを示す。この提案処理フラグは、ナビゲーション装置50の電源投入直後に初期値としてオフが設定され、CPU51が目的地・行動提案処理(図13参照)を実行し、推定目的地が搭乗者に対して提案されると、提案処理フラグはオンに設定される。
【0089】
また、この提案処理フラグは、CPU51が案内処理(図14参照)を実行中に参照され、提案処理フラグがオンであれば、搭乗者が推定目的地を受け入れたか否かを判断し、受け入れた場合は、その推定目的地を目的地として経路案内が行われる。また、受け入れなかった場合は、上述した推定状態フラグが「再推定」に設定されるのに合わせて、CPU51は提案処理フラグをオフに設定する。これにより、再度、推定目的地の推定と提案とが行われる。また、案内処理において、提案処理フラグがオフであれば、搭乗者がタッチパネル59及び操作キー60を操作することにより登録された目的地への経路案内が実行される。
【0090】
HDD54は、書換不能な不揮発性のメモリであり、例えば、会話音声データ領域54a、スケジュール帳データ領域54bが設けられているほか、道路地図データベース(以下、「道路地図DB」と称する。)54c、搭乗者情報データベース(以下、「搭乗者情報DB」と称する。)54d、スケジュールDB54e、搭乗者・行動履歴データベース(以下、「搭乗者・行動履歴DB」と称する。)54fが格納される。
【0091】
会話音声データ領域54aは、携帯電話機10から取得した会話音声データを格納するための領域である。また、スケジュール帳データ領域54bは、携帯電話機10から取得したスケジュール帳データを格納するための領域である。
【0092】
CPU51は、データ取得処理(図9参照)を実行することにより、既に会話音声データ領域54aに格納されている会話音声データの録音日時を確認し、その録音日時よりも後に録音された会話音声データが携帯電話機10に存在する場合は、Bluetooth通信制御回路56を介して携帯電話機10に対しその会話音声データの転送要求を送信して、携帯電話機10からその会話音声データを取得する。そして、取得した会話音声データを会話音声データ領域54aに格納する。
【0093】
また、CPU51は、既にスケジュール帳データ領域54bに格納されているスケジュール帳データの入力日時を確認し、その入力日時よりも後に入力されたスケジュール帳データが携帯電話機10に存在する場合は、Bluetooth通信制御回路56を介して携帯電話機10に対しそのスケジュール帳データの転送要求を送信し、携帯電話機10からそのスケジュール帳データを取得する。そして、取得したスケジュール帳データをスケジュール帳データ領域54bに格納する。
【0094】
一方、CPU51は、スケジュールDB更新処理(図11参照)を実行することにより、会話音声データ領域54aに新たに会話音声データが格納されている場合は、その会話音声データから場所、日時、人物を特定可能なキーワードを音声認識プロセッサ64に抽出させた上で、車両の移動スケジュールを推定する。また、スケジュール帳データ領域54bに新たにスケジュール帳データが格納されている場合は、そのスケジュール帳データに記載されたスケジュールから、場所、日時、人物を特定して移動スケジュールを推定する。そして、推定された移動スケジュールをスケジュールDB54eに登録する。
【0095】
道路地図DB54cは、車両の現在地周辺や目的地周辺等の各種地図や道路をLCD58に表示するための地図情報や、目的地までの経路探索に使用される道路情報が格納されたデータベースである。
【0096】
搭乗者情報DB54dは、車両の搭乗者に関する情報が登録されたデータベースである。ここで、図2を参照して、搭乗者情報DB54dの詳細について説明する。図2は、搭乗者情報DB54dの内容の一例を模式的に示した模式図である。
【0097】
搭乗者情報DB54dは、主に、車両の使用者に関する情報を登録する使用者情報登録部54d1と、車両の搭乗者に関する情報を登録する搭乗者情報登録部54d2とにより構成される。
【0098】
使用者情報登録部54d1は、使用者(図2に示す例では「A」)の「自宅住所」情報と、使用者Aを含む使用者の「家族」情報(図2に示す例では「A」,「B」,「C」)と、その家族のうち車両を運転する「運転登録者」情報(図2に示す例では「A」,「B」)とが登録される。このうち、「自宅住所」情報は、CPU51による目的地・行動推定処理(図12参照)の実行中に参照され、推定目的地が推定されたのちに、「自宅住所」情報により示される位置(自宅位置)からその推定目的地までの経路が探索される。
【0099】
そして、この経路探索の結果は、探索起点データ領域53cに格納された起点位置の情報に基づいて行われる経路探索の結果と共に、CPU51により実行される目的地・行動提案処理(図13参照)の中で参照され、車両の現在位置が、それらの経路探索で探索された経路上もしくはその経路から所定距離の範囲内にある場合、その車両が推定された目的地に向けて走行していると判断する。よって、この場合は、その推定目的地が搭乗者に提案される。一方、車両が推定目的地に向けて走行していないと判断される場合は、その推定目的地の提案が非実行とされる。よって、搭乗者が希望する目的地をより的確に提案できる。
【0100】
使用者情報登録部54d1の「運転者登録」情報は、CPU51により実行される搭乗解析処理(図10参照)において、画像認識プロセッサ65が運転者席に対して設けられたカメラ70により撮像された顔画像データから運転者を特定する場合に参照される。即ち、車両の運転は使用者およびその家族が行う可能性が最も高いため、車両の運転者を特定する場合は、「運転者登録」情報に登録された人物、すなわち、使用者の家族のうち車両を運転するものとして登録された人物を優先して特定する。
【0101】
また、使用者情報登録部54d1の「家族」情報は、CPU51により実行される搭乗解析処理(図10参照)において、画像認識プロセッサ65が運転者席以外の座位置に対して設けられたカメラ70により撮像された顔画像データからその顔画像データに対応する同乗者を特定する場合に参照される。即ち、車両に搭乗する人物は、使用者およびその家族である可能性が最も高いため、同乗者を特定する場合は、「家族」情報に登録された人物、すなわち、使用者を含む使用者の家族を優先して特定する。
【0102】
一方、搭乗者情報登録部54d2は、搭乗者として登録される人物毎に、「名前」情報、「運転履歴」情報、「乗車日」情報および「顔画像」情報が登録される。このうち、「名前」情報は、搭乗者として登録された各人物の名前を示す情報であり、CPU51により実行される搭乗解析処理(図10参照)において、運転者および同乗者を特定する場合に、認識対象となる各人物を識別するために使用される。
【0103】
「運転履歴」情報は、搭乗者として登録された人物毎に、その人物の「名前」情報に対応付けて、ナビゲーション装置50が装着された車両を過去に運転したことがあるか否かが「あり」又は「なし」で示される情報であり、画像認識プロセッサ65が運転者席に対して設けられたカメラ70により撮像された顔画像データから運転者を特定する場合に、「運転履歴」情報に「あり」と登録された人物、即ち、過去に車両を運転したことがある人物を優先して特定する。
【0104】
「乗車日」情報は、搭乗者として登録された人物毎に、その人物の「名前」情報に対応付けて、その人物が乗車した日付を示す情報であり、画像認識プロセッサ65が各座位置に対して設けられたカメラ70により撮像された顔画像データから搭乗者を特定する場合に、「乗車日」情報に登録された乗車日の数が多い人物、および、「乗車日」情報に登録されている前回の乗車日が今回の乗車日と近い人物を優先して特定する。
【0105】
「顔画像」情報は、搭乗者として登録された人物毎に、その人物の「名前」情報に対応付けて登録された顔画像データを示す情報である。画像認識プロセッサ65は、カメラ70により撮像された顔画像データと、「顔画像」情報に登録された顔画像データとの間でパターンマッチングを行うことにより、カメラ70によって顔画像が撮像された運転者および同乗者を特定する。そして、CPU51は、その特定された人物の名前を「名前」情報から特定し、運転者および同乗者の情報として乗車情報データ領域53bに格納する。
【0106】
使用者情報登録部54d1の登録は、使用者または車両の販売ディーラーなどがタッチパネル59や操作キー60を操作することにより行われる。また、搭乗者情報登録部54d2における「名前」情報および「顔画像」情報の登録は、使用者などがタッチパネル59や操作キー60を操作することにより行われる。このとき、「顔画像」情報に登録される顔画像データは、カメラ70により撮像された1以上の顔画像データの中から使用者などによって選択される。
【0107】
また、画像認識プロセッサ65による運転者および同乗者を特定する処理において、カメラ70により撮像された顔画像データが、搭乗者情報登録部54d2の「顔画像」情報に登録されている顔画像データと一致しないと判定された場合に、CPU51は、車両に搭乗した人物が、搭乗者情報DB54dに登録されていないと判断し、その顔画像をLCD58に表示させた上で、その顔画像に対する人物の名前の入力を促すようにしてもよい。そして、名前が入力されると、その名前と顔画像データを対応付けて、搭乗者情報登録部54d2の「名前」情報および「顔画像」情報に登録するようにしてもよい。
【0108】
一方、搭乗者情報登録部54d2の「運転履歴」情報は、新規に「名前」情報および「顔画像」情報が登録された時点で「なし」と登録され、CPU51により実行される搭乗解析処理(図10参照)により、「名前」情報に対応する人物が運転者として認識されると、その「名前」情報に対応する「運転履歴」情報が「あり」に書き換えられる。
【0109】
また、搭乗者情報登録部54d2の「乗車日」情報は、CPU51により実行される搭乗解析処理(図10参照)により、「名前」情報に対応する人物が運転者または同乗者として認識される度に、その乗車日が「名前」情報に対応する「乗車日」情報に追加して登録される。
【0110】
図1に戻って、説明を続ける。スケジュールDB54eは、携帯電話機10より取得した会話音声データ、スケジュール帳データ、および、ナビゲーション装置50に設けられたマイクロフォン63によって取得された会話音声データに基づいて推定される移動スケジュールを登録するためのデータベースである。ここで、図3を参照して、スケジュールDB54eの詳細について説明する。図3は、スケジュールDB54eの内容の一例を模式的に示した模式図である。
【0111】
このスケジュールDB54eには、図3に示すように、各移動スケジュールの識別情報であるデータベース番号(DB_No.)54e1に対応付けて、目的地54e2、開始予定日54e3、終了予定日54e4、到着予定時刻54e5、出発予定時刻54e6、情報源54e7、人物54e8、登録日54e9といった移動スケジュールに関する各種情報が登録されるようになっている。
【0112】
目的地54e2は、データベース番号54e1に対応する移動スケジュールの最終目的地の名称を示すもので、会話音声データやスケジュール帳データから抽出、特定された場所の名称が登録される。CPU51によって提案される推定目的地は、この目的地54e2によって示される目的地の名称に基づいて行われる。
【0113】
開始予定日54e3および終了予定日54e4は、データベース番号54e1に対応する移動スケジュールの開始予定日および終了予定日を示すものであり、また、到着予定時刻54e5および出発予定時刻54e6は、データベース番号54e1に対応する移動スケジュールの到着予定時刻および出発予定時刻を示すものである。これらは、いずれも、会話音声データやスケジュール帳データから抽出、特定された日時に基づいて推定され、登録される。
【0114】
尚、会話音声データやスケジュール帳データから開始予定日や終了予定日が推定できなかった場合は、開始予定日54e3や終了予定日54e4には、「不明」と登録される(図3の例では、データベース番号54e1が「7」のケースが該当)。また、会話音声データやスケジュール帳データから到着予定時刻や出発予定時刻が推定できなかった場合は、到着予定時刻54e5や出発予定時刻54e6には、「不明」と登録される(図3の例では、データベース番号54e1が「7」及び「8」のケースが該当)。
【0115】
ただし、会話音声データやスケジュール帳データから終了予定日や到着予定時刻が推定できなくても、開始予定日および出発予定時刻が会話音声データやスケジュール帳データから推定できている場合は、CPU51は、道路地図DB54cの情報に基づいて自宅位置から目的地までの推定走行時間を算出し、その推定走行時間を開始予定日および出発予定時刻に加算することにより終了予定日および到着予定時刻を推定する。そして、その推定された終了予定日および到着予定時刻を終了予定日54e4および到着予定時刻54e5に登録する。
【0116】
また、会話音声データやスケジュール帳データから開始予定日や出発予定時刻が推定できなくても、終了予定日および到着予定時刻が会話音声データやスケジュール帳データから推定できている場合は、CPU51は、道路地図DB54cの情報に基づいて自宅位置から目的地までの推定走行時間を算出し、その推定走行時間を終了予定日および到着予定時刻から減算されることにより開始予定日および出発予定時間を推定する。そして、その推定された開始予定日および出発予定時刻を開始予定日54e3および出発予定時刻54e6に登録する。
【0117】
情報源54e7は、データベース番号54e1に対応する移動スケジュールが生成された情報源を示すものであり、その移動スケジュールがスケジュール帳データに基づいて生成された場合は、情報源54e7に「スケジュール」が登録され(図3の例では、データベース番号54e1が「1」,「2」,「3」,「8」のケースが該当)、携帯電話機10の電話機能による会話の会話音声データに基づいて生成された場合は、情報源54e7に「電話」が登録され(図3の例では、データベース番号54e1が「5」のケースが該当)、その他の会話音声データに基づいて生成された場合は、情報源54e7に「会話」が登録される(図3の例では、データベース番号54e1が「4」,「6」,「7」のケースが該当)。
【0118】
尚、携帯電話機10より取得した会話音声データが、携帯電話機10の電話機能による会話であるか否かの判断は、その取得した会話音声データのファイルに、通話相手の名前が付加されているか否かによって判断する。即ち、その会話音声データのファイルに通話相手の名前が付加されていれば、その会話音声データが携帯電話機10の電話機能による会話であると判断する。
【0119】
人物54e8は、データベース番号54e1に対応する移動スケジュールにおいて、目的地54e2により示される目的地へ一緒に行動すると推定される人物の名前を示すもので、会話音声データやスケジュール帳データから推定された人物の名前が登録される。また、携帯電話機10により取得した会話音声データに含まれる携帯電話機所有者の名前や通話相手の名前も、この人物54e8に登録される。
【0120】
登録日54e9は、データベース番号54e1に対応する移動スケジュールの登録日を示すものである。ここに登録される登録日は、スケジュール54eに対して移動スケジュールが登録された日付ではなく、対応する移動スケジュールが生成された会話音声データの携帯電話機10における録音日やスケジュール帳データの入力日である。
【0121】
即ち、携帯電話機10より取得した会話音声データに基づいて移動スケジュールが生成された場合は、その会話音声データのファイルに含まれる録音日が登録日54e9に登録され、スケジュール帳データに基づいて移動スケジュールが生成された場合は、そのスケジュール帳データの入力日が登録日54e9に登録される。尚、ナビゲーション装置50に設けられたマイクロフォン63により取得された車両内の会話音声データに基づいて移動スケジュールが生成された場合は、その移動スケジュールが生成される時点で計時回路51aにより示される日付が登録日54e9に登録される。
【0122】
CPU51は、目的地・行動推定処理(図12参照)を実行することにより、このスケジュールDB54eを参照し、乗車情報データ領域53bに格納された乗車情報(乗車人数、乗車日時、運転者および同乗者)に基づいて、スケジュールDB54eに登録された各移動スケジュールの内容(目的地54e2、開始予定日54e3、終了予定日54e4、到着予定時刻54e5、出発予定時刻54e6、情報源54e7、人物54e8および登録日54e9)から、的確な推定目的地の推定を実行する。
【0123】
図1に戻って、説明を続ける。搭乗者・行動履歴DB54fは、ナビゲーション装置50が搭載された車両により過去に向かった目的地(行き先)の履歴情報を蓄積するためのデータベースである。ここで、図4を参照して、搭乗車・行動履歴DB54fの詳細について説明する。図4は、搭乗者・行動履歴DB54fの内容の一例を模式的に示した模式図である。
【0124】
搭乗者・行動履歴DB54fには、図4に示すように、履歴情報毎の識別情報であるデータベース番号(DB_No.)54f1に対応付けて、目的地54f2、日付54f2、出発時刻54f4、到着時刻54f5、運転者54f6、同乗者54f7といった履歴情報が登録されるようになっている。
【0125】
目的地54f2は、実際に車両にて向かった最終目的地(行き先)を示すものである。また、日付54f3は、その目的地への出発日を示すものであり、出発時刻54f4は、その目的地への出発時刻を示すものである。また、到着時刻54f5は、その目的地の到着時刻を示すものである。更に、運転者54f6は、その目的地に向けて車両を運転した人物を示すものであり、同乗者54f7は、その目的地に向けて車両に同乗した人物を示すものである。
【0126】
搭乗者・行動履歴DB54fは、CPU51により実行される案内処理(図14参照)の中で、車両が目的地に到着したことが判断されると、搭乗者・行動履歴DB54fを更新する。具体的には、履歴情報の登録されていない最も小さなデータベース番号54f1に対応付けて、到着した目的地を目的地54f2に登録し、乗車情報データ領域53bに格納された乗車日時に基づき、乗車日を出発日として日付54f3に登録し、乗車時刻を出発時刻として出発時刻54f4に登録し、目的地に到着したと判断された時点において計時回路51aにより示される時刻を到着時刻として54f5に登録し、乗車情報データ領域53bに格納された運転者および同乗者に関する情報を、それぞれ運転者54f6および同乗者54f7に登録する。
【0127】
また、車両が目的地に到着したと判断された時点で、スケジュールDB54eに登録されている移動スケジュールの中に、開始予定日54e3によって示される開始予定日が過去の日付となっているものが存在する場合は、その移動スケジュールの目的地54e2により示される目的地を、搭乗者・行動履歴DB54fの目的地54f2に登録し、その移動スケジュールの開始予定日54e3により示される開始予定日を、搭乗者・行動履歴DB54fの日付54f3に登録した上で、出発時刻54f4に、その目的地に向けた移動が中止されたことを示す「中止」を登録する(図4の例では、データベース番号54f1が「1」のケースが該当)。
【0128】
この搭乗者・行動履歴DB54fは、CPU51が目的地・行動推定処理(図12参照)によって推定目的地を推定する際に、スケジュールDBの中に乗車当日の予定が無く、また、乗車日時から所定の日数および時間の範囲で日をまたぐ予定がないと判断されると、参照される。また、推定目的地の推定を再度行う必要があるときにも参照される。そして、この搭乗者・行動履歴DB54fにより登録されている過去に設定された目的地毎に、その回数や時期、時間、運転者および同乗者の傾向が分析され、その分析結果から、乗車情報データ領域53bに格納された乗車情報(乗車日時や運転者、同乗者の情報)と近い傾向を持ち、設定された回数の多い目的地が、推定目的地として優先的に推定される。
【0129】
図1に戻って、説明を続ける。現在位置検出装置55は、ナビゲーション装置50が搭載される車両の現在位置(緯度、経度からなる絶対座標値)を検出するためのものであり、人工衛星を利用して車両の位置を測定するGPS(Global Positioning System)受信装置55a、地磁気を検出して車両の方位を求める地磁気センサ55b、ジャイロセンサ55c、車速センサ55dの1又は複数が使用される。
【0130】
BT通信制御回路56は、Bluetooth用アンテナ57を備え、携帯電話機10のBT通信制御回路15と同様の機能を有する回路であり、ナビゲーション装置50は、このBT通信制御回路56を介して、携帯電話機10との間で無線通信を行い、携帯電話機10から会話音声データやスケジュール帳データを取得する。
【0131】
LCD58は、タッチパネル59や操作キー60の操作に応じてメニューや動作状態などを表示すると共に、車両周辺や経路探索された走行経路周辺の地図や、探索経路、周辺施設案内画面などの表示を行う表示装置である。このLCD58には、ナビゲーション装置50により推定された推定目的地の表示も行われる。
【0132】
タッチパネル59は、LCD58の表示パネル面に設けられた入力装置であり、携帯電話機10に設けられたタッチパネル22と同様に、指示物(ユーザの指やタッチペンなど)により示された位置情報を出力することにより、CPU51は、LCD58に表示したボタンやアイコンの押下操作の有無を判断したり、入力された文字の文字認識を行ったりする。操作キー60は、ユーザによるナビゲーション装置50の各種機能の切り替えや、各種動作の指示をタッチパネル59と共に受け付ける入力装置である。
【0133】
スピーカ61は、音声信号を音声に変換して外部へ出力(放音)する出力装置であり、例えば、音声による経路案内を行う場合の案内音声等が出力されるようになっている。このスピーカ61は、オーディオ用のスピーカと兼用するようにしてもよい。
【0134】
圧力センサ62は、座席の座位置毎にそれぞれ埋め込まれて配設されるものであり、対応する座位置において所定レベル以上の圧力が付加されたか否かを検出する。CPU51は、この圧力センサ62により所定レベル以上の圧力が付加されたことが検出されれば、その圧力センサ62が埋め込まれた座位置に搭乗者が座したと判断する。そして、所定レベル以上の圧力が付加されたことが検出された圧力センサ62の数から、車両の乗車人数を検出する。
【0135】
マイクロフォン63は、車両内で発せられた搭乗者の音声を音声データに変換する入力装置であり、マイクロフォン19により変換された音声データは、音声認識プロセッサ64に出力される。
【0136】
音声認識プロセッサ64は、音声データに含まれる所定のキーワードを認識し、抽出するためのプロセッサである。音声認識プロセッサ64では、マイクロフォン63から入力された音声データを解析し、また、携帯電話機10より取得した圧縮符号化されている会話音声データを伸張処理した上で解析して、それらの音声データに含まれる場所、日時、人物を特定可能なキーワードを抽出する処理を行う。CPU51は、音声認識プロセッサ64により抽出された各キーワードに基づいて、移動スケジュールを推定する。
【0137】
画像認識プロセッサ65は、パターンマッチング法によって画像認識を行うプロセッサである。この画像認識プロセッサ65には、各座席の座位置のそれぞれに対応して配設されたカメラ70が接続されている。そして、画像認識プロセッサ65は、各カメラ70により撮像された顔画像データと最も近い顔画像データを、搭乗者情報DB54d(図2参照)の「顔画像」情報に登録された顔画像データの中から抽出する。
【0138】
画像認識プロセッサ65により、運転者席に対して設けられたカメラ70にて撮像された顔画像データに対して、最も近い搭乗者情報DB54d(図2参照)の「顔画像」情報に登録された顔画像データが抽出されると、CPU51は、その顔画像データに対応する人物の名前を搭乗者情報DB54の「名前」情報から特定し、その名前の人物を運転者として乗車情報データ領域53bに格納する。
【0139】
また、画像認識プロセッサ65により、運転者席以外の座位置に対して設けられたカメラ70により撮像された顔画像データに対して、最も近い搭乗者情報DB54d(図2参照)の「顔画像」情報に登録された顔画像データが抽出されると、CPU51は、その顔画像データに対応する人物の名前を搭乗者情報DB54の「名前」情報から特定し、その名前の人物を同乗者として乗車情報データ領域53bに格納する。
【0140】
次いで、図5から図7を参照して、携帯電話機10のCPU11により実行される各処理について説明する。まず、図5は、携帯電話機10のCPU11により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、携帯電話機10の主要な処理を実行するもので、携帯電話機10の電源投入時に実行が開始され、電源がオフされるまでの間、実行され続けるものである。
【0141】
このメイン処理では、まず、初期化処理を実行し(S11)、RAM13の所定領域に初期値を設定すると共に、携帯電話機10の各部が動作状態となるように各種設定を行う。続くS12の処理では、操作キー23からの出力信号に基づき、ユーザから会話音声の録音指示があったか否かを判断する(S12)。そして、会話音声の録音指示があると判断される場合(S12:Yes)、会話取得処理を実行し(S13)、会話音声の録音を行う。尚、会話音声処理の詳細については、図6を参照して後述する。
【0142】
S13の処理の後、S14の処理へ移行する。また、S12の処理の結果、会話音声の録音指示がないと判断される場合(S12:No)、S13の処理をスキップしてS14の処理へ移行する。S14の処理では、タッチパネル22からの出力信号に基づき、ユーザからスケジュールの入力が開始されたか否かを判断する。そして、スケジュールの入力が開始されたと判断される場合は(S14:Yes)、その入力されたスケジュール帳データを入力日時とあわせてスケジュール帳データ領域14bに追加する(S15)。尚、S15の処理では、S14の処理によりスケジュールの入力が開始されたと判断された時点の日時を計時回路11aより取得し、それを入力日時としてスケジュール帳データ領域14bに追加する。
【0143】
S15の処理の後、S16の処理へ移行する。また、S14の処理の結果、スケジュールの入力が開始されたと判断されない場合は(S14:No)、S15の処理をスキップしてS16の処理へ移行する。S16の処理では、BT通信制御回路15において、外部の機器からBluetoothによる接続要求があったか否か(接続要求を受信したか否か)を判断し、Bluetoothによる接続要求があると判断される場合は(S16:Yes)、Bluetooth接続処理を実行する(S17)。
【0144】
このBluetooth接続処理の詳細は、図7を参照して後述するが、接続要求元がナビゲーション装置50であれば、ナビゲーション装置50からの制御信号に従って、会話音声データ領域14aに格納された会話音声データやスケジュール帳データ領域14bに格納されたスケジュール帳データをナビゲーション装置50へ転送する。
【0145】
S17の処理の後、S18の処理へ移行する。また、S16の処理の結果、Bluetoothによる接続要求がないと判断された場合は(S16:No)、S17の処理をスキップしてS18の処理へ移行する。S18の処理では、携帯電話機10の各種機能を実現するためのその他の処理を、携帯通信制御回路17によって受信された各種制御信号や、タッチパネル22や操作キー23の操作状況などに応じて実行する。例えば、電話機能による通話は、このS18の処理によって実現される。
【0146】
そして、S18の処理が完了後、S12の処理へ回帰する。そして、S12からS18の処理を電源がオフされるまで繰り返し実行する。これにより、携帯電話機10の電源がオンされている間、携帯通信制御回路17によって受信された各種制御信号や、タッチパネル22や操作キー23の操作状況などに応じて、各種の処理が実行される。
【0147】
次いで、図6を参照して、携帯電話機10のCPU11により実行される会話取得処理について説明する。図6は、この会話取得処理を示すフローチャートである。この会話取得処理は、上述したように、図5に示すメイン処理の中でユーザから会話音声の録音指示があると判断される場合に実行されるもので(図5のS13参照)、会話音声の録音を行う処理である。
【0148】
この会話取得処理では、まず、携帯電話機10において電話機能による通話中であるか否かを判断し(S21)、電話中であれば(S21:Yes)、通話相手の電話番号を取得する(S22)。そして、その電話番号に対応した通話相手の名前をアドレス帳DB14cより特定し、その名前をRAM13に保存する(S23)。ここで、保存された通話相手の名前は、後述するS29の処理で用いられる。
【0149】
その後、マイクロフォン19より取得された音声データと、携帯通信制御回路17により受信された音声データとを合成して会話音声データを生成し、RAM13へ一時的に保存する(S24)。そして、そのRAM13に保存された合成後の会話音声データをMP3方式やAAC方式などにより圧縮符号化して、その圧縮符号化された会話音声データを会話音声データ領域14aに格納する(S25)。
【0150】
次いで、操作キー23からの出力信号に基づき、ユーザから会話音声の録音終了指示があったか否かを判断し(S26)、録音終了指示がなければ(S26:No)、S21の処理へ回帰して、再びS21からS26までの処理を実行する。そして、S26の処理において、録音終了指示があると判断されるまで、S21からS26の処理を繰り返し実行する。尚、S22及びS23の処理は最初に1回実行されれば以後は省略される。
【0151】
その後、S26の処理により、録音終了指示があると判断されると(S26:No)、S21からS26の繰り返し処理を抜け、S28の処理へ移行する。これにより、電話機能による通話の会話音声が録音され、圧縮符号化された会話音声データが会話音声データ領域14aに格納される。尚、S26の処理では、電話機能による通話の終了指示があると判断される場合も、同時に録音終了指示があったと判断して、S21からS26の繰り返し処理を抜け、S28の処理へ移行する。
【0152】
一方、S21の処理の結果、電話中でなければ、マイクロフォン19によって取得された携帯電話機10周辺の会話音声の会話音声データをRAM13に一時的に保存する(S27)。次いで、S25の処理へ移行し、そのRAM13に保存された会話音声データを圧縮符号化して、その圧縮符号化された会話音声データを会話音声データ領域14aに格納する。
【0153】
そして、S25の処理の後に実行されるS26の処理によって、ユーザから会話音声の録音終了指示がないと判断される間は(S26:No)、S21,S27,S25,S26の処理を繰り返し実行する。その後、S26の処理によって、録音終了指示があると判断されると(S26:No)、S21,S27,S25,S26の繰り返し処理を抜け、S28の処理へ移行する。これにより、携帯電話機10の周辺の会話音声が録音され、圧縮符号化された会話音声データが会話音声データ領域14aに格納される。
【0154】
S28の処理では、会話音声データの録音日時として計時回路11aより現在の日時を取得する。そして、会話音声データ領域14aに格納された会話音声データに、アドレス帳DB14cに登録されている携帯電話機10所有者の名前と、電話機能のよる電話の会話音声を録音した場合はS23の処理によりRAM13に保存された通話相手の名前と、S28の処理により取得した録音日時とを付加してファイル化し、これを会話音声データ領域14aに保存する(S29)。そして、この会話取得処理を終了する。
【0155】
このように、会話取得処理が実行されることにより、電話機能による通話の会話音声または携帯電話機10周辺の会話音声が録音され、その圧縮符号化された会話音声データがファイル化されて会話音声データ領域14aに格納される。
【0156】
次いで、図7を参照して、携帯電話機10のCPU11により実行されるBluetooth接続処理について説明する。このBluetooth接続処理は、上述したように、図5に示すメイン処理の中でBT通信制御回路15において外部の機器からBluetoothによる接続要求があると判断される場合に実行されるもので(図5のS17参照)、相手装置からの制御信号に従って、データの送受信を行う処理である。
【0157】
このBluetooth接続処理では、まず、Bluetoothによる接続要求がナビゲーション装置50からの接続要求であるか否かを判断し(S31)、ナビゲーション装置50からの接続要求であると判断されれば(S31:Yes)、ナビゲーション装置50に対して接続許可信号を送信する(S32)。これにより、ナビゲーション装置50において、携帯電話機10との間で接続が確立されたことが判断され、ナビゲーション装置50から新たな制御信号が携帯電話機10に対して送信される。
【0158】
続く、S33からS43の処理は、BT通信制御回路15においてナビゲーション装置50より受信した制御信号の内容を判断し、その制御信号に応じた処理を実行するものである。まず、S33の処理では、ナビゲーション装置50より制御信号を受信したか否かを判断し、受信していなければ(S33:No)、制御信号を受信するまでS33の処理を繰り返し実行する。これにより、ナビゲーション装置50より制御信号が受信されるまで処理が待機される。
【0159】
そして、S33の処理において、ナビゲーション装置50より制御信号を受信したと判断されると(S33:Yes)、受信した制御信号は会話音声データファイル情報の転送要求か否かを判断する(S34)。その結果、会話音声データファイル情報の転送要求である場合は(S34;Yes)、会話音声データ領域14aに格納されてある全ての会話音声データのファイル名とその録音日時とを送信する(S35)。
【0160】
これにより、ナビゲーション装置50は、携帯電話機10より送信された会話音声データのファイル名とその録音日時とに基づいて、前回取得した会話音声データよりも後に録音された会話音声データのファイル名を特定し、その特定した会話音声データファイルの転送要求を携帯電話機10へ送信する(図9のS75参照)。
【0161】
一方、S34の処理の結果、受信した制御信号が会話音声データファイル情報の転送要求でなければ(S34:No)、次いで、それが会話音声データファイルの転送要求であるか否かを判断する(S36)。その結果、会話音声データファイルの転送要求である場合は(S36:Yes)、その転送要求で指定されたファイル名の会話音声データを会話音声データ領域14bから読み出して送信する(S37)。これにより、携帯電話機10により録音された会話音声データがナビゲーション装置50に対して送信される。
【0162】
一方、S36の処理の結果、受信した制御信号が会話音声データファイルの転送要求でなければ(S36:No)、次いで、それがスケジュール帳データの入力日時の転送要求であるか否かを判断する(S38)。その結果、スケジュール帳データの入力日時の転送要求である場合は(S38:Yes)、スケジュール帳データ領域14bに格納されたスケジュール帳データの最新の入力日時を送信する(S39)。これにより、ナビゲーション装置50は、携帯電話機10より送信されたスケジュール帳データの最新入力日時に基づいて、前回取得したスケジュール帳データの入力後に入力されたスケジュール帳データがあれば、スケジュール帳データの転送要求を携帯電話機10へ送信する(図9のS80参照)。
【0163】
一方、S38の処理の結果、受信した制御信号がスケジュール帳データの入力日時の転送要求でなければ(S38:No)、次いで、それがスケジュール帳データの転送要求か否かを判断する(S40)。その結果、スケジュール帳データの転送要求である場合は(S40:Yes)、スケジュール帳データ領域14bに格納されているスケジュール帳データを送信する(S41)。これにより、携帯電話機10に入力されたスケジュール帳データがナビゲーション装置50に対して送信される。
【0164】
一方、S40の処理の結果、受信した制御信号がスケジュール帳データの転送要求でなければ(S40:No)、次いで、それが、接続終了信号であるか否かを判断し(S42)、その結果、接続終了信号でなければ(S42:No)、受信した制御信号に応じた処理を実行する(S43)。尚、S35,S37,S39,S41またはS43の処理が終了すると、S33の処理へ回帰する。そして、再びナビゲーション装置50から制御信号が受信されるまで処理が待機され、制御信号を受信すると、その制御信号に応じた処理が実行される。
【0165】
一方、S42の処理の結果、受信した制御信号が接続終了信号であれば(S42:Yes)、このBluetooth接続処理を終了する。これにより、ナビゲーション装置50との間で行われたデータのBluetoothによる無線通信を終了し、携帯電話機10からナビゲーション装置50への会話音声データおよびスケジュール帳データの転送処理を完了する。
【0166】
これに対し、S31の処理の結果、Bluetoothによる接続要求がナビゲーション装置50以外からの接続要求であると判断される場合は(S31:No)、接続要求があった相手装置より制御信号や各種データを受信し、また、相手装置に対して制御信号や各種データを送信することにより、相手装置との間でデータの送受信を行って(S45)、このBluetooth接続処理を終了する。
【0167】
次いで、図8から図14を参照して、ナビゲーション装置50のCPU51により実行される各種処理について説明する。まず、図8は、ナビゲーション装置50のCPU51により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、ナビゲーション装置50の主要な処理を実行するもので、ナビゲーション装置50の電源投入時に実行が開始され、電源がオフされるまでの間、実行され続けるものである。
【0168】
このメイン処理では、まず、初期化処理を実行し(S51)、RAM53の所定領域に初期値を設定すると共に、ナビゲーション装置50の各部が動作状態となるように各種設定を行う。RAM53に設けられた推定状態フラグ53aや、データ取得処理フラグ、データ更新フラグ、推定状態フラグ、提案処理フラグは、このS51の処理で初期化され、推定状態フラグ53aは「N」に、データ取得処理フラグはオフに、データ更新フラグはオフに、推定状態フラグは「未推定」に、提案処理フラグはオフにそれぞれ設定される。
【0169】
また、初期化処理の一処理として、電源投入時点における車両の位置情報を現在位置検出装置55から取得し、それを探索起点データ領域53cに格納する(S52)。この探索起点データ領域53cに格納される位置情報は、S58の目的地・行動推定処理(図12参照)の中で参照される。
【0170】
S51及びS52の処理による初期化処理が完了した後、続くS53の処理では、RAM53に格納されたデータ取得処理フラグがオンか否かを判断し、データ取得処理フラグがオフであれば(S53:No)、携帯電話機10より会話音声データやスケジュール帳データが取得されていないと判断できるので、データ取得処理を実行して(S54)、携帯電話機10から会話音声データやスケジュール帳データを取得する処理を行う。このデータ取得処理の詳細については、図9を参照して後述する。
【0171】
S54の処理の後、S55の処理へ移行する。また、S53の処理の結果、データ取得処理フラグはオンであると判断される場合は(S53:Yes)、携帯電話機10より会話音声データやスケジュール帳データが取得されていると判断できるので、S54の処理をスキップして、S55の処理へ移行する。S55の処理では、搭乗解析処理を実行し、車両への搭乗があった場合に、その乗車人数、乗車日時、運転者および同乗者を特定する。この搭乗解析処理の詳細については、図10を参照して後述する。
【0172】
次いで、スケジュールDB更新処理を実行し(S56)、S54のデータ取得処理によって携帯電話機10から取得した会話音声データやスケジュール帳データ、また、マイクロフォン63により取得した車両内の会話音声データに基づいて移動スケジュールを推定し、これをスケジュールDB54eに登録して更新する。このスケジュールDB更新処理の詳細については、図11を参照して後述する。
【0173】
次に、RAM53に格納された推定状態フラグが「推定済」であるか否かを判断し(S57)、推定状態フラグが「推定済」ではない、即ち、推定状態フラグが「未推定」または「再推定」である場合は(S57:No)、推定目的地の推定が行われてないか、再び推定目的地の推定が必要とされた状態であるので、目的地・行動推定処理を実行し(S58)、S55の搭乗解析処理により特定された乗車人数、乗車日時、運転者および同乗者に基づいて、スケジュールDB54eに登録された移動スケジュールの中から推定目的地を推定する。この目的地・行動推定処理の詳細については、図12を参照して後述する。
【0174】
S58の処理の後、S59の処理へ移行する。また、S57の処理の結果、推定状態フラグが「推定済」であると判断される場合は(S57:Yes)、推定目的地の推定が行われた状態であるので、S58の処理をスキップして、S59の処理へ移行する。S59の処理では、RAM53に格納された提案処理フラグがオンか否かを判断し、その結果、提案処理フラグがオフであれば(S59:No)、搭乗者に対して推定目的地の提案が行われていないことを意味するので、目的地・行動提案処理を実行して(S60)、S58の目的地・行動推定処理により推定された推定目的地を搭乗者に対して提案する。この目的地・行動提案処理の詳細については、図13を参照して後述する。
【0175】
そして、S60の処理の後、S61の処理へ移行する。また、S59の処理の結果、提案処理フラグがオンであれば(S59:Yes)、搭乗者に対して推定目的地の提案が行われたことを意味するので、S60の処理をスキップして、S61の処理へ移行する。S61の処理では、案内処理を実行する。案内処理の詳細については、図14を参照して後述するが、この案内処理では、登録された目的地までの経路案内を行う。また、S60の目的地・行動提案処理により推定目的地が搭乗者に提案された場合に、その推定目的地が搭乗者によって受け入れられていれば、その推定目的地を目的地として経路案内を行う。
【0176】
その後、ナビゲーション装置50の各種機能を実現するためのその他の処理を、タッチパネル59や操作キー60の操作状況、現在位置検出装置55により検出された車両の現在位置などに応じて実行する(S62)。そして、S62の処理の後、S53の処理へ回帰し、S53からS62の処理を電源がオフされるまで繰り返し実行する。
【0177】
次いで、図9を参照して、ナビゲーション装置50のCPU51により実行されるデータ取得処理について説明する。図9は、データ取得処理を示すフローチャートである。データ取得処理は、上述したように、図8に示すメイン処理の中でデータ取得処理フラグがオフである場合に実行されるもので(図8のS54参照)、携帯電話機10から会話音声データやスケジュール帳データを取得する処理である。
【0178】
このデータ取得処理では、まず、BT通信制御回路56に対し、携帯電話機10に対して接続要求を送信するように指示する(S71)。携帯電話機10は、この接続要求を受信すると、接続許可信号をナビゲーション装置50に対して送信する(図7のS32参照)。
【0179】
そこで、データ取得処理では、S71の処理の後に、接続要求を送信してから所定時間内にBT通信制御回路56において携帯電話機10より接続許可信号を受信したか否かを判断する(S72)。その結果、接続許可信号を受信していない場合は(S72:No)、携帯電話機10の電源がオフとなっていたり、Bluetoothによる無線通信が可能な範囲に携帯電話機10が存在していなかったりする理由によって、携帯電話機10との間でBluetoothによる無線通信が行えないため、以後の処理をスキップして、データ取得処理を終了する。
【0180】
一方、S72の処理の結果、携帯電話機10より接続許可信号を受信したと判断される場合は(S72:Yes)、携帯電話機10との間で接続が確立したと判断し、次いで、BT通信制御回路56に対し、会話音声データファイル情報の転送要求を携帯電話機10へ送信するように指示する(S73)。
【0181】
これにより、携帯電話機10から会話音声データのファイル名とその録音日時とに関する情報とが送信されてくるので(図7のS35参照)、次いで、BT通信制御回路56によって携帯電話機10より受信した各会話音声データの録音日時と、会話音声データ領域54aに格納されている会話音声データの録音日時とを比較し、会話音声データ領域54aに格納されている前回取得した会話音声データが携帯電話機10にて録音された後に、携帯電話機10にて録音された会話音声データがあるか否かを判断する(S74)。
【0182】
その結果、前回取得した会話音声データの録音後に録音された会話音声データがあると判断される場合は(S74:Yes)、それに該当する全ての会話音声データのファイ名を指定して、前回取得した会話音声データの録音後に録音された全ての会話音声データの転送要求を携帯電話機10へ送信するようにBT通信制御回路56に対して指示する(S75)。これにより、携帯電話機10から指定したファイル名の会話音声データが送信される(図7のS37参照)。
【0183】
そこで、BT通信制御回路56によって携帯電話機10より受信した会話音声データを会話音声データ領域54aに格納する(S76)。これにより、携帯電話機10によって録音された各種の会話音声データが取得される。また、ナビゲーション装置50は、前回取得された会話音声データの録音後に録音された会話音声データだけを携帯電話機10に対して転送するように要求するので、必要最低限の会話音声データのみが、携帯電話機10からナビゲーション装置50に対して送信される。これにより、会話音声データの転送時間を短縮できると共に、携帯電話機10において二次電池の消耗を抑制できる。
【0184】
次いで、RAM53に設けられたデータ更新フラグをオンに設定して(S77)、S78の処理へ移行する。データ更新フラグをオンすることによって、メイン処理のS56の処理であるスケジュールDB更新処理(図11参照)において、S76の処理により会話音声データ領域54aに格納された会話音声データに基づいて、スケジュールDB54eの更新が行われる。一方、S74の処理の結果、前回取得した会話音声データの録音後に録音された会話音声データがないと判断される場合は(S74:No)、S75からS77の処理をスキップして、S78の処理へ移行する。
【0185】
S78の処理では、BT通信制御回路56に対し、スケジュール帳データの入力日時の転送要求を携帯電話機10へ送信するように指示する。これにより、携帯電話機10からスケジュール帳データの最新入力日時が送信されてくる(図7のS39参照)。そこで、BT通信制御回路56によって携帯電話機10より受信したスケジュール帳データの最新入力日時と、スケジュール帳データ領域54bに格納されているスケジュール帳データの入力日時とを比較し、スケジュール帳データ領域54bに格納されている前回取得したスケジュール帳データが携帯電話機10にて入力された後に、新たに入力されたスケジュール帳データがあるか否かを判断する(S79)。
【0186】
その結果、前回取得したスケジュール帳データの入力後に入力されたスケジュール帳データがある場合は(S79:Yes)、スケジュール帳データの転送要求を携帯電話機10へ送信するようにBT通信制御回路56に対して指示する(S80)。これにより、携帯電話機10からスケジュール帳データが送信される(図7のS41参照)。そこで、BT通信制御回路56によって携帯電話機10より受信したスケジュール帳データのうち、前回取得したスケジュール帳データの入力後に入力されたスケジュール帳データを抽出し、抽出されたスケジュール帳データをスケジュール帳データ領域54aに格納する(S81)。これにより、携帯電話機10に入力されたスケジュール帳データが取得される。
【0187】
そして、RAM53に設けられたデータ更新フラグをオンに設定して(S82)、S83の処理へ移行する。S82の処理によって、携帯電話機10に取得すべき会話音声データがないためにデータ更新フラグがオンされなかった場合にも、スケジュール帳データを取得した場合にはデータ更新フラグがオンされる。そして、データ更新フラグがオンされると、メイン処理のS56の処理であるスケジュールDB更新処理(図11参照)において、S81の処理によりスケジュール帳データ領域54bに格納されたスケジュール帳データに基づいて、スケジュールDB54eの更新が行われる。
【0188】
一方、S79の処理の結果、前回取得したスケジュール帳データの入力後に入力されたスケジュール帳データがないと判断される場合は(S79:No)、S80からS82の処理をスキップして、S83の処理へ移行する。
【0189】
S83の処理では、携帯電話機10に接続終了信号を送信するように、BT通信制御装置56に対して指示する。これにより、携帯電話機10がこの接続終了信号を受信することによって、携帯電話機10とナビゲーション装置50との間で行われたBluetoothによる無線通信を終了する。
【0190】
次いで、RAM53に設けられたデータ取得処理フラグをオンに設定し(S84)、データ取得処理を終了する。データ取得処理フラグをオンにすることにより、携帯電話機10より会話音声データやスケジュール帳データを取得したことを示すことができ、以後、メイン処理(図8参照)によって、このデータ取得処理を非実行とすることができる。よって、ナビゲーション装置50は、電源が投入された後、携帯電話機10から会話音声データやスケジュール帳データを1回取得すれば、それ以降に重複して携帯電話機10から会話音声データやスケジュール帳データの転送を受けることを防止することができる。
【0191】
次いで、図10を参照して、ナビゲーション装置50のCPU51により実行される搭乗解析処理について説明する。図10は、この搭乗解析処理を示すフローチャートである。搭乗解析処理は、上述したように、図8に示すメイン処理の中で実行されるもので(図8のS55参照)、車両への搭乗があった場合に、その乗車人数、乗車日時、運転者および同乗者を特定する処理である。
【0192】
この搭乗解析処理では、まず、現在の時刻を計時回路51aより取得する(S91)。次いで、座席の各座位置に設けられた圧力センサ62のうち、所定の圧力が加えられたことが検出されている圧力センサ62の数をカウントして、車両の乗車人数を検出する(S92)。そして、S92の処理により検出された乗車人数が、それまでに検出されていた乗車人数よりも増えているか否かを判断することによって、車両に対して搭乗があったか否かを判断する(S93)。
【0193】
その結果、S92の処理により検出された乗車人数がそれまでに検出されていた乗車人数よりも増えておらず、車両への搭乗がなかったと判断される場合は(S93:No)、以後の処理をスキップして、この搭乗解析処理を終了する。
【0194】
一方、S92の処理により検出された乗車人数がそれまでに検出されていた乗車人数よりも増えており、車両へ搭乗があったと判断される場合は(S93:Yes)、S92の処理により検出された乗車人数を乗車情報データ領域53bに格納し(S94)、また、S91の処理により取得した時刻を乗車日時として乗車情報データ領域53bに格納する(S95)。これにより、車両へ搭乗があった場合の乗車日時および乗車人数が特定される。
【0195】
次いで、画像認識プロセッサ65に対して、座席の各座位置に対応して設けられた各々のカメラ70により搭乗者の顔画像の撮像するように制御する(S96)。これにより、各カメラ70にて、対応する座位置に座した搭乗者の顔画像が撮像され、その撮像された各顔画像データが画像認識プロセッサ65へ入力される。
【0196】
そして、運転者を特定する処理の実行を画像認識プロセッサ65へ指示する(S97)。これにより、画像認識プロセッサ65は、運転席に対応して設けられたカメラ70により撮像された顔画像データと、搭乗者情報DB54dの「顔画像」情報に登録された各顔画像データとを比較して、パターンマッチング法により運転者を特定する。
【0197】
このとき、画像認識プロセッサ65は、搭乗者情報DB54dの使用者情報登録部54d1にある「運転者登録」情報に登録された人物、即ち、車両の使用者およびその家族のうち運転者として登録された人物を優先して特定する。また、カメラ70により撮像された顔画像データが「運転者登録」情報に登録された人物の顔画像データと一致しない場合は、その人物以外で且つ搭乗者情報DB54dの搭乗者情報登録部54d2にある「運転履歴」情報が「あり」と登録されている人物、即ち、過去に車両を運転したことがある人物を優先して特定する。更に、搭乗者情報登録部54d2の「乗車日」情報に登録された乗車日の数が多い人物、および、「乗車日」情報に登録されている前回の乗車日が今回の乗車日と近い人物を優先して特定する。
【0198】
また、同乗者を特定する処理の実行を画像認識プロセッサ65へ指示する(S98)。これにより、画像認識プロセッサ65は、運転席以外の各座位置に対応して設けられたカメラ70により撮像された顔画像データと、搭乗者情報DB54dの「顔画像」情報に登録された各顔画像データとを比較して、パターンマッチング法により同乗者を特定する。
【0199】
このとき、画像認識プロセッサ65は、搭乗者情報DB54dの使用者情報登録部54d1にある「家族」情報に登録された人物、即ち、車両の使用者およびその家族として登録された人物を優先して特定する。また、搭乗者情報登録部54d2の「乗車日」情報に登録された乗車日の数が多い人物、および、「乗車日」情報に登録されている前回の乗車日が今回の乗車日と近い人物を優先して特定する。
【0200】
次に、画像認識プロセッサ65により特定された運転者および同乗者の名前を搭乗者情報DB54dの「名前」情報から特定し、それを乗車情報データ領域53bに格納する(S99)。これにより、車両へ搭乗があった場合の運転者および同乗者が特定される。
【0201】
そして、搭乗者基本DB54d2を更新する(S100)。この更新処理では、運転者または同乗者として特定された人物の「名前」情報に対応する「乗車日」情報に、S95の処理により乗車情報データ領域53に格納されている乗車日を追加して登録する。また、運転者として特定された人物の「名前」情報に対応する「運転履歴」情報に、「あり」という情報を上書きする形で登録する。次回以降の搭乗解析処理において運転者や同乗者を特定する場合は、ここで更新された搭乗者基本DB54d2が使用される。S100の処理の後、この搭乗解析処理を終了する。
【0202】
次いで、図11を参照してナビゲーション装置50のCPU51により実行されるスケジュールDB更新処理について説明する。図11は、このスケジュールDB更新処理を示すフローチャートである。このスケジュールDB更新処理は、上述したように、図8に示すメイン処理の中で実行されるもので(図8のS56参照)、図9に示すデータ取得処理によって携帯電話機10から取得した会話音声データやスケジュール帳データ、また、マイクロフォン63により取得した車両内の会話音声データに基づいてスケジュールDB54eを更新する処理である。
【0203】
このスケジュールDB更新処理では、まず、RAM53に格納されたデータ更新フラグはオンか否かを判断する(S111)。そして、データ更新フラグがオンであれば(S111:Yes)、図9のデータ取得処理において会話音声データ領域54aおよびスケジュール帳データ領域54bの少なくともいずれかにデータが格納され更新されたことを意味する。そこで、データ更新フラグをオフ(S112)した後、図9のデータ取得処理によってスケジュール帳データ領域54bに新たに格納されたスケジュール帳データがあれば、そのスケジュール帳データから、場所、日時、人物に関する語句を特定し、特定された語句から、車両での移動スケジュール(目的地、開始予定日、終了予定日、到着予定時刻、出発予定時刻、人物)を推定する(S113)。
【0204】
このとき、移動スケジュールを推定する基となったスケジュール帳データの入力日時もあわせて抽出し、その入力日時を推定された移動スケジュールの登録日として対応付けておく。また、その移動スケジュールの情報源として「スケジュール」を対応付けておく。
【0205】
このように、携帯電話機10に入力されたスケジュール帳データを取得し、そのスケジュール帳データに基づいて移動スケジュールを推定して、スケジュールDB54eに登録することにより、会話音声に基づき生成される移動スケジュールだけでなく、スケジュール帳データをも加味して、推定目的地を推定することができる。ここで、会話音声に基づいて生成される移動スケジュールは、その情報源が会話音声であるので、場所や日時などが不明確となる場合が多々あるが、スケジュール帳データは、場所や日時が明確となっている場合が多い。よって、会話音声データとスケジュール帳データとに基づいて移動スケジュールを推定し、それから推定目的地を推定すれば、推定目的地をより的確に推定し、提案することができる。
【0206】
次に、図9のデータ取得処理によって会話音声データ領域54aに新たに格納された会話音声データがあれば、その会話音声データから場所、日時、人物を特定可能なキーワードを抽出する処理の実行を、音声認識プロセッサ64に対して指示する(S114)。これにより、音声認識プロセッサ64によって、会話音声データ領域54aから処理対象の会話音声データが読み出され、場所、日時、人物を特定可能なキーワードが抽出される。
【0207】
また、会話音声データ領域54aに新たに格納された会話音声データから、その会話音声データファイルに含まれる携帯電話機所有者の名前、通話相手の名前および録音日時を抽出する(S115)。ここで、通話相手の名前が抽出された場合、その会話音声データが携帯電話機10の電話機能による通話の内容が録音されたものであると認識し、通話相手の名前が抽出できなかった場合は、その会話音声データが携帯電話機10周辺の会話が録音されたものであると認識する。
【0208】
S115の処理の後、S116の処理へ移行する。また、S111の処理の結果、RAM53に格納されたデータ更新フラグがオフであれば(S111:No)、会話音声データ領域54aおよびスケジュール帳データ領域54bが更新されていないことを意味するので、S112からS115の処理をスキップして、S116の処理へ移行する。
【0209】
S116の処理では、マイクロフォン63により取得された車両内の会話音声データから場所、日時、人物を特定可能なキーワードを抽出する処理の実行を、音声認識プロセッサ64に対して指示する。これにより、音声認識プロセッサ64によって、マイクロフォン64によって取得された車両内の会話音声データから、場所、日時、人物を特定可能なキーワードが抽出される。
【0210】
次いで、S114およびS116の処理によって音声認識プロセッサ64にて抽出された各種キーワードから、移動スケジュール(目的地、開始予定日、終了予定日、到着予定時刻、出発予定時刻、人物)を推定する(S117)。このとき、移動スケジュールを推定するもととなった会話音声データが携帯電話機10から取得したものである場合は、S115の処理により抽出された携帯電話機所有者の名前や通話相手の名前を、その移動スケジュールの「人物」に追加する。
【0211】
また、移動スケジュールを推定するもととなった会話音声データが、携帯電話機10より取得されたものであれば、その移動スケジュールの登録日として、S115の処理により抽出された録音日時を対応付けておき、マイクロフォン63により取得されたものであれば、現在の時刻を計時回路51aから取得して、それを移動スケジュールの登録日に対応付けておく。更に、移動スケジュールを推定するもととなった会話音声データが、携帯電話機10の電話機能による会話の内容が録音されたものであると認識される場合は、その移動スケジュールの情報源として「電話」を対応付けておき、その他の場合は、その情報源として「会話」を対応付けておく。
【0212】
次に、S113及びS117の処理により推定された移動スケジュールにおいて、開始予定日および出発予定時刻が不明な移動スケジュールがあるか否かを判断し(S118)、そのような移動スケジュールがある場合は(S118:Yes)、該当の移動スケジュールにおいて終了予定日および到着予定時刻が特定できたか否かを判断する(S119)。その結果、終了予定日および到着予定時刻が特定できた移動スケジュールについては(S119:Yes)、道路地図DB54cの情報に基づいて自宅位置から目的地までの推定走行時間を算出し、その推定走行時間を終了予定日および到着予定時刻から減算して開始予定日および出発予定時間を推定し(S120)、S121の処理へ移行する。
【0213】
一方、S119の処理の結果、終了予定日および到着予定時刻が特定できていない移動スケジュールについては、S120の処理をスキップして、S121の処理へ移行する。また、S118の処理の結果、開始予定日および出発予定時刻が不明な移動スケジュールがないと判断される場合も、S121の処理へ移行する。
【0214】
S121の処理では、S113及びS117の処理により推定された移動スケジュールにおいて、終了予定日および到着予定時刻が不明な移動スケジュールがあるか否かを判断し、そのような移動スケジュールがある場合は(S121:Yes)、該当の移動スケジュールにおいて開始予定日および出発予定時刻が特定できたか否かを判断する(S122)。その結果、開始予定日および出発予定時刻が特定できた移動スケジュールについては(S122:Yes)、道路地図DB54cの情報に基づいて自宅位置から目的地までの推定走行時間を算出し、その推定走行時間を開始予定日および出発予定時刻に加算して終了予定日および到着予定時間を推定し(S123)、S124の処理へ移行する。
【0215】
一方、S122の処理の結果、開始予定日および出発予定時刻が特定できていない移動スケジュールについては、S123の処理をスキップして、S124の処理へ移行する。また、S121の処理の結果、終了予定日および到着予定時刻が不明な移動スケジュールがないと判断される場合も、S124の処理へ移行する。
【0216】
S124の処理では、推定した移動スケジュールをスケジュールDB54eに登録する。これにより、携帯電話機10から取得した会話音声データやスケジュール帳データ、また、マイクロフォン63により取得した車両内の会話音声データに基づいて移動スケジュールが推定され、スケジュールDB54eが更新される。そして、S124の処理の後、スケジュールDB更新処理を終了する。
【0217】
次いで、図12を参照して、ナビゲーション装置50のCPU51により実行される目的地・行動推定処理について説明する。図12は、この目的地・行動推定処理を示すフローチャートである。この処理は、図8に示すメイン処理の中で、推定状態フラグが「推定済」ではない場合、即ち、推定状態フラグが「未推定」または「再推定」であり、まだ推定目的地の推定が行われていないか、推定目的地の再推定が必要とされる場合に実行されるもので(図8のS58参照)、図10に示す搭乗解析処理により特定され乗車情報データ領域53bに格納された乗車人数、乗車日時、運転者および同乗者の情報に基づいて、スケジュールDB54eに登録された移動スケジュールの中から、推定目的地を推定する処理である。
【0218】
この目的地・行動推定処理では、まず、推定状態フラグは「再推定」であるか否かを判断し(S131)、推定状態フラグが「再推定」でなければ(S131:No)、推定状態フラグは「未推定」であると判断できるので、S132の処理へ移行し、通常の推定目的地の推定処理が行われる。
【0219】
S132の処理では、乗車情報データ領域53bに格納されている乗車日時、運転者および同乗者の情報に基づいて、その乗車日と、運転者および同乗者の名前を検索キーワードとして、スケジュールDB54eから該当する移動スケジュール(予定)を全て検索する(S132)。例えば、乗車日が2008年2月1日で、人物「A」が運転者として登場していた場合、乗車日「2008年2月1日」、運転者「A」が検索キーワードとして用いられ、S132の処理によって、データベース番号54e1が「1」および「8」の移動スケジュールが抽出される。
【0220】
そして、S132の処理による検索の結果、乗車日当日に終了予定の移動スケジュール(予定)があるか否かを判断し(S133)、乗車日当日に終了予定の移動スケジュール(予定)があれば(S133:Yes)、推定種別フラグ53aを「D」に設定し(S134)、S135の処理へ移行する。推定種別フラグ53aを「D」に設定することにより、以後の処理にて推定される推定目的地が乗車日当日に終了予定のものであることが示され、図13に示す目的地・行動提案処理にて、乗車日当日に終了予定の推定目的地が適切なタイミングで搭乗者へ提案されるように制御が行われる。
【0221】
一方、S133の処理の結果、乗車日当時に終了予定の移動スケジュール(予定)がない場合(S133:No)、次いで、乗車情報データ領域53bに格納されている乗車日時から所定の日数および時間の範囲で、開始予定日54e3から終了予定日54e4までに日をまたぐ移動スケジュール(予定)をスケジュールDB54eから検索する(S137)。例えば、乗車日時が2008年2月3日17時であり、所定の日数および時間が1週間である場合、2008年2月3日17時から2008年2月10日17時までを検索範囲として設定され、S135の処理によって、日をまたぐ移動スケジュールとしてデータベース番号54e1が「3」の移動スケジュールが抽出される。
【0222】
そして、S137の処理による検索の結果、日をまたぐ移動スケジュール(予定)があるか否かを判断し(S138)、そのような移動スケジュールがあれば(S138:Yes)、推定種別フラグ53aを「F」に設定し(S134)、S135の処理へ移行する。推定種別フラグ53aを「F」に設定することにより、以後の処理にて推定される推定目的地が数日以内に日をまたいで移動すべき予定のものであることが示され、図13に示す目的地・行動提案処理にて、日をまたいで移動する推定目的地を適切なタイミングで搭乗者へ提案されるように制御が行われる。
【0223】
S135の処理では、S132又はS137の処理によって得られる検索結果を、次のような優先順位でソートする。まず、第1に、スケジュールDB54eの各移動スケジュールに対応する人物54e8に登録された人物と、乗車情報データ領域53bに格納された運転者および同乗者の情報との一致度合いを判定し、その一致度合いが高い順にソートする(S135の(a))。
【0224】
ここで、乗車情報データ領域53bに格納された運転者および同乗者が全員、各移動スケジュールに対応する人物54e8に登録されている場合、乗車情報データ領域53bに格納された乗車人数も参酌し、スケジュールDB54eの各移動スケジュールに対応する人物54e8に登録されている人数が、乗車情報データ領域53bに格納された乗車人数と等しい場合、即ち、スケジュールDB54eの各移動スケジュールに対応する人物54e8に、乗車情報データ領域53bに格納された運転者および同乗者以外の人物が登録されていない場合に一致度合いが最も高いと判定する。
【0225】
このように、人物54e8をソートの第1優先順位とすることによって、実際に乗車している人物が登録された移動スケジュールから推定目的地を推定することができるので、その推定目的地を提案した場合に、搭乗者によってその推定目的地が受け入れられる可能性を高めることができる。
【0226】
次いで、第2に、スケジュールDB54eの各移動スケジュールに対応する出発予定時刻54e6と、乗車情報データ領域53bに格納された乗車日時との一致度合いを判定し、その一致度合いが高い順にソートする(S135の(b))。このように、出発予定時刻54e6をソートの第2優先順位とすることにより、実際の乗車日時により近い出発予定時刻の移動スケジュールから推定目的地を推定することができるので、その推定目的地を提案した場合に、搭乗者によって受け入れられる可能性を高めることができる。
【0227】
次いで、第3に、スケジュールDB54eの各移動スケジュールに対応する情報源54e7が「スケジュール帳」、「電話」、「会話」の順となるようにソートする(S135の(c))。ここで、移動スケジュールの情報源が「スケジュール帳」である場合、その移動スケジュールがユーザによって携帯電話機10に対して直接入力されたスケジュールであるので、その信頼性が最も高い。また、電話では、スケジュールの話題を行うことが頻繁にあり、また、理路整然と話される場合が多いので、移動スケジュールの情報源が「電話」である場合、その信頼性は「スケジュール帳」よりも低いが、「会話」よりも高い。
【0228】
よって、スケジュールDB54eの各移動スケジュールに対応する情報源54e7が「スケジュール帳」、「電話」、「会話」の順となるようにソートすることにより、信頼性の高い移動スケジュールから推定目的地を推定することができるので、その推定目的地を提案した場合に、搭乗者によって受け入れられる可能性を高めることができる。
【0229】
そして、S135の処理によるソートの結果、最上位に該当する移動スケジュール(予定)の目的地54e2に登録された目的地をスケジュールDB54eから読み出し、それを推定目的地として設定する(S136)。その後、S144の処理へ移行する。
【0230】
一方、S131の処理の結果、推定状態フラグが「再推定」であれば(S131:Yes)、S140の処理へ移行し、再び推定目的地の推定処理が行われる。また、S138の処理の結果、日をまたぐ移動スケジュール(予定)がない場合も(S138:No)、S140の処理へ移行する。
【0231】
S140以降の処理では、目的地へ移動する日程を考慮せずに推定目的地を推定する。これにより、S131の処理の結果に基づいて再び推定目的地の推定処理を行う場合は、その推定目的地の候補基準が緩く設定されるので、柔軟に推定目的地を推定することができる。また、S138の処理の結果に基づいて、S140以降の処理が行われる場合は、スケジュールDBに乗車当時に終了予定の移動スケジュールがなく、また、乗車日時から所定の日数および時間の範囲内で日をまたぐ予定がなくても、何かしらの推定目的地を推定することができる。
【0232】
S140の処理では、推定種別フラグ53aを「T」に設定する。これにより、以降の処理で推定された推定目的地が、日程を考慮せずに推定されたものであることが示され、図13に示す目的地・行動提案処理にて、日程を考慮せずに推定された推定目的地が適切なタイミングで搭乗者へ提案されるように制御が行われる。
【0233】
次いで、スケジュールDB54eの登録日54e9に基づき、所定の期間内(例えば、乗車日前2週間以内)に登録された予定を検索し(S141)、その検索結果を次のような優先順でソートする(S142)。
【0234】
まず、第1に、スケジュールDB54eの各移動スケジュールに対応する人物54e8に登録された人物と、乗車情報データ領域53bに格納された運転者および同乗者の情報との一致度合いを判定し、その一致度合いが高い順にソートする(S142の(a))。このソートは、S135のソート処理における(a)と同様に、乗車情報データ領域53bに格納された乗車人数も参酌して一致度合いを判定する。このように、人物54e8をソートの第1優先順位とすることによって、実際に乗車している人物が登録された移動スケジュールから推定目的地を推定することができるので、その推定目的地を提案した場合に、搭乗者によって受け入れられる可能性を高めることができる。
【0235】
また、第2に、搭乗者・行動履歴DB54fの履歴との一致度合いを判定し、その一致度合いが高い順にソートする(S142の(b))。具体的には、搭乗者・行動履歴DB54fにより登録されている過去に向かった目的地毎に、その目的地へ向かった回数や時期、時間、運転者および同乗者の傾向が分析され、その分析結果から、乗車情報データ領域53bに格納された乗車情報(乗車日時や運転者、同乗者の情報)に近い傾向を持ち、向かった回数の多い移動スケジュールを一致度合いが高いものとして判定する。これにより、過去の行動履歴の傾向に合致し、向かった回数の多い目的地が登録された移動スケジュールから、推定目的地を推定することができるので、その推定目的地を提案した場合に、搭乗者によって受け入れられる可能性を高めることができる。よって、会話音声から推定目的地をより的確に推定し、提案することができる。
【0236】
そして、S142の処理によるソートの結果、上位1〜3番目に該当する移動スケジュール(予定)の目的地54e2に登録された目的地をスケジュールDB54eから読み出し、それらをいずれも推定目的地として設定する(S143)。尚、推定状態フラグ53aが「再設定」である場合、S143の処理では、以前に推定した推定目的地を除いて、推定目的地を設定する。
【0237】
その後、S144の処理へ移行する。ここで、3つの移動スケジュールを推定目的地として設定するのは、ここで推定される目的地が日程を考慮せずに推定されたものであるので、1つの推定目的地を設定するだけでは、搭乗者に受け入れられる可能性が低くなる恐れがあるため、3つの推定目的地を設定することで、搭乗者に受け入れられる可能性を高めるためである。
【0238】
S144の処理では、搭乗者情報DB54dの使用者情報登録部54d1に登録された自宅住所により示される位置(自宅位置)からS136又はS143の処理により推定された推定目的地までの経路を探索し、また、探索起点データ領域53cに格納された位置情報により示される起点位置からS136又はS143の処理により推定された推定目的地までの経路を探索する。尚S143の処理によって推定目的地が複数推定された場合はそれぞれの推定目的地について、自宅位置および起点位置からの経路探索を行う。この経路探索の結果は、目的地・行動提案処理(図13)によって推定目的地の提案を行うか否かを判断する場合に用いられる。
【0239】
そして、推定状態フラグを「推定済」に設定し(S145)、目的地・行動推定処理を終了する。推定状態フラグを「推定済」に設定することにより、以後、メイン処理(図8参照)の中で、この目的地・行動推定処理の実行がスキップされるので、推定目的地の推定が無駄に行われることを回避できる。
【0240】
次いで、図13を参照して、ナビゲーション装置50のCPU51により実行される目的地・行動提案処理について説明する。図13は、この目的地・行動提案処理を示すフローチャートである。この目的地・行動提案処理は、上述したように、図8に示すメイン処理の中で、提案処理フラグがオフの場合に実行されるもので(図8のS60参照)、図12に示す目的地・行動推定処理によって推定された推定目的地を適切なタイミングで搭乗者に対して提案する処理である。
【0241】
この目的地・行動提案処理では、まず、推定種別フラグ53aは「N」か否かを判断し(S150)、「N」であれば(S150:Yes)、推定目的地が設定されていないので、この目的地・行動提案処理を終了する。一方、推定種別フラグ53aが「N」でなければ(S150:No)、次いで、推定種別フラグ53aは「D」か否かを判断する(S151)。そして、「D」であれば(S151:Yes)、以降の処理で、当日に到着予定の推定目的地の提案タイミングを制御する。
【0242】
まず、タッチパネル59や操作キー60からの出力信号から、ナビゲーション装置50への操作があったか否かを判断する(S152)。その結果、ナビゲーション装置50への操作があれば(S152:Yes)、即座に推定目的地を搭乗者に提案する処理を実行する(S153)。推定目的地を提案する処理は、その推定目的地に関する情報をLCD58に表示するようLCD58を制御することによって行われる。これにより、LCD58に推定目的地に関する情報が表示され、搭乗者に対して推定目的地が提案される。
【0243】
このように、推定目的地が乗車日当日に到着予定のものである場合、ナビゲーション装置50の操作されるタイミングでその推定目的地を提案することによって、搭乗者によってその推定目的地が同意される可能性を高めることができる。これにより、推定目的地を適切なタイミングで提案することができる。
【0244】
次いで、提案処理フラグをオンし(S154)、目的地・行動提案処理を終了する。提案処理フラグをオンすることによって、以後、メイン処理(図8参照)の中で、この目的地・行動提案処理の実行がスキップされる。また、案内処理(図14参照)において、搭乗者がS153の処理により提案した推定目的地を受け入れたか否かを判断し、受け入れた場合は、その推定目的地を目的地として経路案内が行われる。
【0245】
一方、S152の処理の結果、ナビゲーション装置50への操作がないと判断される場合(S152:No)、次いで、車両のイグニッションスイッチがオンされて以降、所定距離を走行し、又は、所定時間経過したか否かを判断する(S155)。そして、所定距離を走行しておらず、所定時間も経過していないと判断される場合は(S155:No)、そのまま目的地・行動提案処理を終了する。
【0246】
一方、所定距離を走行した、若しくは、所定時間経過したと判断される場合は(S155:Yes)、更に、図12に示す目的地・行動推定処理のS144の処理によって探索された自宅位置から推定目的地までの経路、および、起点位置から推定目的地までの経路の少なくともいずれかの経路に対し、その経路上もしくはその経路から所定距離範囲内に、車両の現在位置が存在するか否かを判断する(S156)。
【0247】
そして、その経路上もしくはその経路から所定距離範囲内に、車両の現在位置が存在する場合は(S156:Yes)、車両が推定目的地へ向けて走行していると判断できるので、S153の処理へ移行して、推定目的地を提案し、提案処理フラグをオンして(S154)、目的地・行動提案処理を終了する。
【0248】
このように、推定目的地が乗車日当日に到着予定のものである場合、ナビゲーション装置50が操作されていなくても、イグニッションスイッチがオンされてから車両が所定の時間または所定の距離を走行したタイミングでその推定目的地を提案すれば、搭乗者によってその目的地が同意される可能性を高めることができる。よって、推定目的地を適切なタイミングで提案することができる。
【0249】
一方、S156の処理の結果、現在位置が、探索された経路上もしくはその経路から所定距離範囲内にない場合は(S156:No)、RAM53に設けられた推定状態フラグを「再設定」に設定し、推定種別フラグ53aを「N」に設定して(S157)、目的地・行動提案処理を終了する。推定状態フラグを「再設定」に設定することにより、再度、目的地・行動推定処理によって推定目的地の推定が行われる。
【0250】
このように、本実施形態では、自宅位置から推定目的地までの経路、および、起点位置から推定目的地までの経路を予め探索しておき、少なくともいずれかの経路に対し、その経路上もしくはその経路から所定距離範囲内に車両の現在位置が存在するか否かを判断することによって、車両が推定目的地へ向けて走行しているか否かを判断する。そして、推定目的地に向けて走行していると判断される場合に、その推定目的地を提案する一方、推定目的地に向けて走行していないと判断される場合は、その推定目的地の提案が行われない。よって、搭乗者が希望する目的地を的確に提案することができる。
【0251】
これに対し、S151の処理の結果、推定種別フラグ53aが「D」でなければ(S151:No)、推定種別フラグ53aが「F」か否かを判断する(S158)。そして、「F」であれば(S158:Yes)、以降の処理で、数日以内に日をまたいで移動される予定の推定目的地の提案タイミングを制御する。まず、タッチパネル59や操作キー60からの出力信号から、ナビゲーション装置50への操作があったか否かを判断する(S159)。
【0252】
その結果、ナビゲーション装置50への操作がなければ(S159:No)、そのまま目的地・行動提案処理を終了する。一方、ナビゲーション装置50への操作があれば(S159:Yes)、更に、現在の時刻が推定目的地への「開始予定日」、「出発予定時刻」から所定時間の範囲内か否かを判断する(S160)。そして、現在の時刻が推定目的地への「開始予定日」、「出発予定時刻」から所定時間の範囲内でなければ(S160:No)、そのまま目的地・行動実行処理を終了する。また、現在の時刻が推定目的地への「開始予定日」、「出発予定時刻」から所定時間の範囲内であれば(S160:Yes)、その推定目的地を搭乗者に提案する処理を実行し(S161)、更に、提案処理フラグをオンして(S162)、目的地・行動提案処理を終了する。
【0253】
ここで、推定目的地が日をまたいで移動される予定のものである場合、搭乗者は開始予定日よりも早めて行動する可能性があると共に、数日にまたがる行動は長距離走行となる可能性があるため搭乗者がナビゲーション装置50を使用する可能性が高い。よって、推定目的地が日をまたいで移動される予定のものである場合、ナビゲーション装置50の操作されるタイミングでその推定目的地を提案すれば、搭乗者によってその行き先が同意される可能性を高めることができる。従って、推定目的地を適切なタイミングで提案できる。
【0254】
一方で、推定目的地が日をまたいで移動される予定のものである場合、搭乗者は開始予定日よりも早めて行動する可能性がある一方、その開始予定日および出発予定時刻よりもはるか前の行動は、別の目的地に対するものである可能性もある。よって、数日にまたがって予定されている推定目的地が推定される場合、ナビゲーション装置50が操作され、且つ、現在の時刻がその推定目的地への開始予定日および出発予定時刻から所定の時間範囲内となるタイミングで、その推定目的地を提案すれば、搭乗者によってその推定目的地が同意される可能性をより高めることができる。従って、推定目的地を適切なタイミングで提案できる。
【0255】
一方、S158の処理の結果、推定種別フラグ53aが「F」でなければ(S158:No)、推定種別フラグ53aは「T」であるので、以降の処理で、推定目的地へ移動する日程を考慮せずに推定された推定目的地の提案タイミングを制御する。まず、図12に示す目的地・行動推定処理のS144の処理によって探索された自宅位置から3箇所ある推定目的地までの各経路、および、起点位置から3箇所ある推定目的地までの各経路の少なくともいずれかの経路において、その経路上もしくはその経路から所定距離範囲内に、車両の現在位置が存在するか否かを判断する(S163)。
【0256】
そして、いずれの経路上もしくはその経路から所定距離範囲内に、車両の現在位置が存在しない場合は(S163:No)、車両がいずれの推定目的地へも向かっていないと判断できるので、そのまま、目的地・行動提案処理を終了する。これにより、的外れな推定目的地が搭乗者に対して提案されることを抑制することができる。
【0257】
一方、いずれかの経路上もしくはその経路から所定距離範囲内に、車両の現在位置が存在する場合は(S163:No)、その経路に対応する推定目的地に車両が向かって走行している可能性があると判断できるので、S164の処理へ移行する。
【0258】
このように、複数の推定目的地に対して、自宅位置からの経路、および、起点位置からの経路をそれぞれ予め探索しておき、少なくともいずれかの経路に対し、その経路上もしくはその経路から所定距離範囲内に車両の現在位置が存在するか否かを判断することによって、車両がいずれかの推定目的地へ向けて走行しているか否かを判断することができる。そして、1の推定目的地に向けて走行していると判断される場合に、その推定目的地を提案することができるので、搭乗者の希望する目的地をより的確に提案できる。
【0259】
S164の処理では、計時回路51aにより示される現在の時刻が、その車両が向かっている可能性のある推定目的地に対して登録されている開始予定日、出発予定時刻、終了予定日、到着予定時刻のいずれかに基づいて、適当なものであるか否かを判断する。尚、車両が向かっている可能性のある推定目的地に対して、開始予定日、出発予定時刻、終了予定日、到着予定時刻のいずれも登録されていない場合は、S164の判断をスキップして、そのまま、S165の処理へ移行する。
【0260】
そして、S164の処理の結果、現在時刻が適当なものでなければ(S164:No)、車両が推定目的地に向かって走行していない可能性が高いので、そのまま目的地・行動提案処理を終了する。これにより、的外れな推定目的地が搭乗者に対して提案されることを抑制することができる。一方、現在時刻が適当なものである場合(S164:Yes)、車両がその推定目的地に向かっている可能性がさらに高いので、その推定目的地を搭乗者に提案する処理を実行し(S165)、更に、提案処理フラグをオンして(S166)、目的地・行動提案処理を終了する。
【0261】
このように、推定目的地が乗車日当日に到着予定のものではなく且つ日をまたいで移動される予定のものではない場合は、車両の現在位置および現在の時刻が、その現在位置と推定目的地との関係において適当なものであると判断されるタイミングで、推定目的地が提案されるので、搭乗者によってその推定目的地が同意される可能性を高めることができる。よって、音声から推定された搭乗者の希望する目的地を適切なタイミングで提案できる。
【0262】
以上、CPU51によって目的地・行動提案処理が実行されることにより、推定目的地の行動予定日程に応じて、その推定目的地を提案するタイミングが制御されるので、その推定目的地の提案を、その行動予定日程にあわせて行うことができる。ここで、車両外にて発せられる音声には、任意の日付の移動スケジュールに関する話題が含まれる。よって、推定目的地の提案を、その行動予定日程にあわせて行うことにより、音声から搭乗者の希望する目的地を適切なタイミングで提案することができる。よって、目的地・行動推定処理(図12参照)により、音声から搭乗者の希望する目的地を的確に推定し、目的地・行動提案処理によって、適切なタイミングでその推定された目的地の提案を行うことができる。
【0263】
次いで、図14を参照して、ナビゲーション装置50のCPU51により実行される案内処理について説明する。図14は、この案内処理を示すフローチャートである。この処理は、図8に示すメイン処理の中で実行されるもので(図8のS61参照)、登録された目的地までの経路案内を行う処理である。また、目的地・行動提案処理(図12参照)により推定目的地が搭乗者に提案された場合、その推定目的地が受け入れられていれば、その推定目的地を目的地として経路案内が行われる。
【0264】
この案内処理では、まず、提案処理フラグがオンであるか否かを判断する(S171)。そして、提案処理フラグがオンであれば(S171:Yes)、目的地・行動提案処理(図13参照)により推定目的地が搭乗者に提案されているので、次いで、搭乗者がその提案された推定目的地を受け入れたか否かを判断する(S172)。この受け入れたか否かの判断は、例えば、推定目的地に関する情報がLCD58に表示された際に同時に表示される「同意」ボタンを、タッチパネル59を介して搭乗者が操作したか否かによって行われる。そして、搭乗者が「同意」ボタンを操作し、提案された推定目的地を受け入れたと判断される場合は(S172:Yes)、その推定目的地を実際の目的地として登録し、車両の現在位置からその目的地までの経路を探索した上で、その経路案内をLCD58への表示を通じて行う(S173)。
【0265】
次いで、登録された目的地に到着したか否かを判断し(S174)、目的地に到着していなければ(S174:No)、そのまま案内処理を終了する。一方、目的地に到着したと判断される場合は(S174:Yes)、今回の目的地、出発日、出発時刻、到着時刻、運転者および同乗者の情報を搭乗者・行動履歴DB54fに登録すると共に、スケジュールDB54eの中に開始予定日の過ぎた移動スケジュールがあれば、それを中止されたスケジュールとして搭乗者・行動履歴DB54fに登録し、搭乗者・行動履歴DB54fを更新する(S175)。そして、案内処理を終了する。
【0266】
このように、搭乗者・行動履歴DB54fを更新することにより、次回以降に、目的地・行動推定処理(図12参照)において、推定目的地を推定する場合に、過去の搭乗者や行動の履歴の傾向から、搭乗者の向かう可能性のある目的地をより推定しやすくすることができる。
【0267】
一方、S172の処理の結果、搭乗者が「同意」ボタンを操作せず、若しくは、「同意」ボタンと同時に表示された「非同意」ボタンを操作して、提案された推定目的地を受け入れなかったと判断される場合は(S172:No)、RAM53に設けられた推定状態フラグを「再推定」に、推定種別フラグ53aを「N」に設定し(S176)、提案処理フラグをオフに設定して(S177)、この案内処理を終了する。
【0268】
S176の処理によって、推定状態フラグを「再設定」に設定することにより、再度、目的地・行動推定処理(図12参照)によって、推定目的地の推定が行われる。また、S177の処理によって、提案処理フラグをオフにすることのより、目的地・行動提案処理(図13参照)が再び実行されるようになり、目的地・行動推定処理(図12参照)によって再度推定された推定目的地が提案される。また、推定目的地が提案されるまでは、次に説明するS178,S179の処理が実行される。
【0269】
即ち、S171の処理により、提案処理フラグがオフであると判断される場合は(S171:No)、目的地・行動提案処理(図13)によって、推定目的地の提案が行われていないので、次いで、搭乗者がタッチパネル59や操作キー60を操作することにより、目的地を登録したか否かを判断する(S178)。そして、搭乗者が目的地を登録したと判断される場合(S178:Yes)、車両の現在位置からその登録された目的地への経路を探索し、その経路案内をLCD58への表示を通じて行う(S179)。これにより、推定目的地が提案されない間は、搭乗者による目的地の登録を受け付け、その目的地への経路案内を搭乗者に対して提供することができる。
【0270】
そして、S179の処理の後、上述したS174の処理へ移行して、目的地に到着していなければ(S174:No)、そのまま案内処理を終了し、目的地に到着すれば(S174:Yes)、搭乗者・行動履歴DB54fを更新して(S175)、案内処理を終了する。また、S178の処理の結果、搭乗者が目的地を登録していないと判断される場合(S178:No)、そのまま案内処理を終了する。
【0271】
以上、説明したように、本実施形態におけるナビゲーションシステム1およびナビゲーション装置50では、車両外にて発せられる音声として、携帯電話機10の電話機能の通話による会話音声や、携帯電話機10周辺で行われた会話音声が、携帯電話機10によって録音される。この携帯電話機10によって録音された会話音声の会話音声データが、ナビゲーション装置50に転送され、ナビゲーション装置50において、音声認識プロセッサ64によりその会話音声データが解析されて、その解析結果に基づき、移動スケジュールが推定される。これにより、車両外にて発せられる音声の内容に基づいて、搭乗者の目的地を推定することができる。
【0272】
ここで、車両に乗って向かう目的地は、通常、乗車する前に車両外における会話の中で決定される場合が多い。よって、車両外にて発せられる音声の内容に基づいて、搭乗者の希望する目的地を推定し、その推定される目的地をLCD58へ表示することによって、音声から搭乗者の希望する目的地の推定および提案を的確に行うことができる。
【0273】
また、車両への搭乗がある場合に、乗車情報として、乗車日時、乗車人数、運転者および同乗者が特定される。そして、特定された乗車情報と、音声認識プロセッサ64により抽出される場所、日時、人物を特定可能なキーワードとに基づいて、搭乗者の希望する目的地が推定される。これにより、雑多な内容を含む音声から、その音声に含まれる場所、日時,人物を特定可能なキーワードに基づいて、その車両の乗車状況(乗車日時、乗車人数、運転者および同乗者)に適した場所を搭乗者の希望する目的地として推定することができる。よって、音声から搭乗者の希望する目的地をより的確に推定し、提案することができる。
【0274】
また、音声認識プロセッサ64により抽出される場所、日時、人物を特定可能なキーワードに基づいて移動スケジュールが推定され、この移動スケジュールがスケジュールDB54eに登録されるので、1の会話音声データの中で複数の行動予定に関する話題が話された場合や、複数の会話音声データにおいてそれぞれ行動予定に関する話題が話された場合に、各行動予定に対応する移動スケジュールを生成し、スケジュールDB54eに随時追加して蓄積しておくことができる。よって、このスケジュールDB54eに登録された移動スケジュールの中から車両の乗車状況(乗車日時、乗車人数、運転者および同乗者)に適した場所を推定することができるので、音声から搭乗者の希望する目的地をより的確に推定し、提案することができる。
【0275】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0276】
例えば、上記実施形態では、会話音声の録音を携帯電話機10にて行う場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、PDA(Personal Digital Assistant)やICレコーダといった持ち運び可能な各種機器にて会話音声を録音し、これらの機器から録音された会話音声データをナビゲーション装置50へ転送するようにしてもよい。また、必ずしも、携帯機器に限られるものではなく、車両外に設けられ会話音声を録音可能なものであればよい。例えば、オーディオといった宅内に設置された宅内機器にて宅内での会話音声を録音し、その宅内機器からナビゲーション装置50へ録音された会話音声データを転送するようにしてもよい。
【0277】
また、上記実施形態では、ナビゲーション装置50において、携帯電話機10により録音された会話音声を取得し、その会話音声を解析して、推定目的地の推定と提案を行う場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ナビゲーション装置50以外の車載装置、例えば、AV再生装置などによって、これらの処理が行われてもよい。また、車両の外で宅内もしくは宅外に設置されたサーバによって、これらの処理が行われてもよい。
【0278】
この場合、車載装置や宅内もしくは宅外に設置されたサーバにて、推定された目的地の提案タイミングの制御までが行われ、その提案タイミングで目的地の提案を指示する指示信号を、車載装置や宅内もしくは宅外に設置されたサーバから車両に設けられたナビゲーション装置50に対して送信するようにしてもよく、ナビゲーション装置50は、その指示信号に従って推定目的地の提案処理を行うように構成してもよい。
【0279】
また、ナビゲーション装置50において、搭乗者が推定目的地を受け入れたか否かを判断し、その受け入れ結果を車載装置や宅内もしくは宅外に設置されたサーバに送信するように構成してもよい。そして、車載装置や宅内もしくは宅外に設置されたサーバは、ナビゲーション装置50より送信された受け入れ結果に基づいて、推定目的地の推定を終了したり、再度推定したりするように構成してもよい。
【0280】
更に、ナビゲーション装置50から車載装置や宅内もしくは宅外に設置されたサーバに、車両の現在位置に関する情報が随時送信されるように構成してもよく、車載装置や宅内もしくは宅外に設置されたサーバは、ナビゲーション装置50から送信された車両の現在位置に関する情報を基に、推定目的地の提案タイミングの制御を行ったり、或いは、搭乗者・行動履歴DB54fを更新したりしてもよい。
【0281】
また、上記実施形態では、会話音声の録音と、推定目的地の推定および提案とを、それぞれ別の装置(携帯電話機10およびナビゲーション装置50)によって行う場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、会話音声の録音から、推定された推定目的地の提案タイミングの制御までを宅内サーバといった1つの機器で行ってもよい。
【0282】
上記実施形態では、携帯電話機10およびナビゲーション装置50がBluetoothに対応し、Bluetooth方式によって携帯電話機10の会話音声データやスケジュール帳データを送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、携帯電話機10およびナビゲーション装置50をWLAN(Wireless Local Area Network)に対応させ、WLAN方式によって、携帯電話機10から会話音声データやスケジュール帳データを送信してもよい。また、その他の無線通信方式によって、携帯電話機10から会話音声データやスケジュール帳データを送信してもよい。
【0283】
また、携帯電話機10およびナビゲーション装置50を、LANケーブルやUSB(Universal Serial Bus)ケーブル、その他専用ケーブルなどを介して、有線によって、携帯電話機10から会話音声データやスケジュール帳データを送信してもよい。また、携帯電話機10にオスタイプのUSBコネクタを設け、ナビゲーション装置50にメスタイプのUSBコネクタを設けて、それらを直接接続することによって、携帯電話機10から会話音声データやスケジュール帳データを送信してもよい。
【0284】
上記実施形態では、ナビゲーション装置50から携帯電話機10に対して、接続要求を送信して、ナビゲーション装置50と携帯電話機10との接続を確立する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、携帯電話機10からナビゲーション装置50に対して接続要求を送信してもよい。また、この場合、ユーザからの指示に従って、例えば、ユーザがタッチパネル22や操作キー23を操作して携帯電話機10に対して会話音声データの送信を指示した場合に、携帯電話機10からナビゲーション装置50に対して接続要求が送信されてもよい。
【0285】
上記実施形態では、携帯電話機10にて録音された会話音声データやスケジュール帳データがフラッシュメモリ14に格納される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、携帯電話機10にメモリカードスロットが設けられ、メモリカードが装着可能に構成されている場合、録音した会話音声データやスケジュール帳データをメモリカードに格納してもよい。
【0286】
この場合、ナビゲーション装置50にもメモリカードスロットが設けられ、そのメモリカードスロットに装着されたメモリカードに会話音声データやスケジュール帳データが格納されていれば、そのメモリカードからそれらのデータを読み出して、ナビゲーション装置50の会話音声データ領域54aやスケジュール帳データ領域54bへ格納してもよい。
【0287】
上記実施形態では、座席の各座位置に圧力センサ62を設け、所定レベル以上の圧力が加えられた圧力センサ62の数から乗車人数を検出する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各座位置に対して設けられたカメラ70により撮像される画像を用いて、各画像に顔画像が含まれているか否かを画像認識プロセッサ65により判定し、顔画像が含まれる画像の数をカウントすることによって乗車人数を検出してもよい。また、シートベルトのバックルに、シートベルトが閉められたか否かを検出するセンサを設け、シートベルトが閉められた数をカウントすることにより、乗車人数を検出してもよい。また、マイクロフォン63より取得された音声データを音声認識プロセッサ64により解析し、その音声に含まれる声の種類の数から、乗車人数を検出してもよい。
【0288】
上記実施形態では、運転者や同乗者の特定を、カメラ70にて撮像された顔画像データと、搭乗者情報DB54dの「顔画像」情報に格納されている顔画像データとをパターンマッチング法によって比較することにより行ったが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、搭乗者情報DB54dに登録されている各人物毎に、顔の特徴量を登録しておき、画像認識プロセッサ65において、カメラ70にて撮像された顔画像データから特徴量を抽出して、その抽出した特徴量に最も近い特徴量を持つ人物を、搭乗者情報DB54dを参照して特定するようにしてもよい。
【0289】
また、運転者や同乗者の特定を、画像ではなく音声によって行ってもよい。この場合、搭乗者情報DB54dに登録されている各人物毎に、声の特徴量を登録しておき、音声認識プロセッサ64において、マイクロフォン63から取得した音声データから運転手および同乗者の声の特徴量を抽出して、その抽出した特徴量に最も近い特徴量を持つ人物を、搭乗者情報DB54dを参照して特定するようにしてもよい。
【0290】
上記実施形態では、会話音声データやスケジュール帳データから、移動スケジュールとして、目的地、開始予定日、終了予定日、到着予定時刻、出発予定時刻および人物を推定する場合について説明したが、これに加えて、乗車人数を推定し、この乗車人数もスケジュールDB54eに登録するようにしてもよい。そして、乗車状況データ領域53bに格納された乗車人数と、スケジュールDB54eの各移動スケジュールにおける乗車人数とを直接比較して、推定目的地を推定してもよい。これにより、推定目的地を推定する条件が増えるので、乗車状況に応じてより的確な推定目的地の提案を行うことができる。
【0291】
上記実施形態では、乗車情報として、乗車日時、乗車人数、運転者および同乗者に関する情報から推定目的地の推定を行う場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、乗車日時、乗車人数、搭乗者(運転者および同乗者)のうち、少なくともいずれかの情報に基づいて、推定目的地の推定を行ってもよい。推定目的地の推定に使用する乗車情報の数を少なくすれば、その推定処理に係る負荷を小さく抑えることができる。
【0292】
上記実施形態では、スケジュールDB54eとして、目的地54e2に対応して、開始予定日54e3、終了予定日54e4、到着予定時刻54e5、出発予定時刻54e6、情報源54e7、人物54e8、登録日54e9を登録する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これと乗車人数のうち少なくとも1つを登録するようにしてもよい。スケジュールDB54eに登録される項目を少なくすれば、スケジュールDB54eの更新にかかる処理や、推定目的地の推定にかかる処理の負荷を小さく抑えることができる。
【0293】
上記実施形態では、推定目的地の提案をナビゲーション装置50のLCD58に表示することによって行う場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、推定目的地の名前をスピーカ61から音声によって外部へ出力(放音)するようにしてもよい。これにより、運転者はLCD58を見ることなく推定目的地の提案を受けることができ、運転者への安全を配慮することができる。
【0294】
また、上記実施形態では、推定目的地の提案に対し、LCD58に表示された「同意」ボタンを、タッチパネル59を介して操作されたか否かを検出することにより、その推定目的地の提案が受け入れられたか否かを判断する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、搭乗者が発する音声に基づいて、その推定目的地の提案が受け入れられたか否かを判断してもよい。例えば、搭乗者が「了解」と発した場合に、推定目的地の提案が受け入れられたと判断し、搭乗者が「他には?」と発した場合に、推定目的地の提案が受け入れられなかったと判断してもよい。これにより、運転者はタッチパネル59を操作することなく推定目的地の提案の受け入れを表明することができ、運転者への安全を配慮することができる。
【0295】
上記実施形態において、推定した推定目的地の数を状況に応じて1つ又は3つに設定したが、必ずしもこれに限られるものではなく、推定目的地の数は任意の数に設定されてもよい。
【0296】
上記実施形態では、推定目的地までの経路探索で用いられる、探索起点データ領域53cにて示される起点位置の位置情報として、イグニッションスイッチがオンされた時点における車両の現在位置の位置情報が設定される場合について説明したが、これに代えて、またはこれと併用して、搭乗者がタッチパネル59や操作キー60を操作することによって、搭乗者が探索起点データ領域53cに格納すべき起点位置の位置情報が設定されてもよい。これにより、推定目的地までの経路探索で用いられる起点位置を、搭乗者によって所望の位置に設定することができる。よって、車両の現在位置が、その所望の位置から推定目的地までに対して探索された経路上またはその経路から所定距離範囲内に位置していれば、その車両は推定目的地に向けて走行しているとの判断を搭乗者の希望に添って行うことができる。従って、そのような場合に、推定目的地が提案されることによって、搭乗者が希望する目的地をより的確に提案できる。
【0297】
上記実施形態では、推定目的地が乗車日当日に到着予定のものである場合、ナビゲーション装置50が操作されると、そのタイミングでその推定目的地を提案する場合について説明したが、ナビゲーション装置50が操作された時点で、車両の現在位置が、自宅位置または起点位置から推定目的地までに対して探索された経路上またはその経路から所定距離範囲内にある場合にのみ、推定目的地を提案するようにしてもよい。これにより、推定目的地の提案がより適切に行うことができる。
【0298】
上記実施形態では、推定目的地が乗車日当日に到着予定のものである場合、ナビゲーション装置50が操作されると、そのタイミングでその推定目的地を提案する場合について説明したが、ナビゲーション装置50の操作の有無の判断を省略して、この場合は、必ず、イグニッションスイッチがオンされて以降に所定距離を走行したか、或いは、所定時間が経過したことを判断し、所定距離を走行もしくは所定時間が経過した時点で、所定の条件のもとに推定目的地を提案するようにしてもよい。
【0299】
上記実施形態では、推定目的地が日をまたいで移動される予定のものである場合、ナビゲーション装置50への操作が検出され、且つ、現在の時刻が推定目的地への「開始予定日」、「出発予定時刻」から所定時間の範囲内にあれば、推定目的地の提案が行われる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、推定目的地が日をまたいで移動される予定のものである場合、ナビゲーション装置50への操作が検出されるか、若しくは、現在の時刻が推定目的地への「開始予定日」、「出発予定時刻」から所定時間の範囲内にあれば、推定目的地の提案を行うようにしてもよい。
【0300】
ここで、推定目的地が日をまたいで移動される予定のものである場合、搭乗者はその海所定日や出発予定時刻から外れて行動を開始する可能性がある一方、現在時刻がその開始予定日および出発予定時刻から所定の時間範囲内となれば、搭乗者がその推定目的地へ向けて走行している可能性が高くなる。よって、推定目的地が日をまたいで移動される予定のものである場合、ナビゲーション装置50への操作が検出されるか、若しくは、現在の時刻が推定目的地への「開始予定日」、「出発予定時刻」から所定時間の範囲内にあれば、推定目的地の提案を行うことにより、搭乗者によってその推定目的地が同意される可能性を高めることができる。従って、推定された搭乗者の希望する目的地を適切なタイミングで提案できる。
【符号の説明】
【0301】
1 ナビゲーションシステム
10 携帯電話機(音声記憶手段)
50 ナビゲーション装置
S54 データ取得処理(音声取得手段)
S58 目的地・行動推定処理(行き先推定手段の一部)
S60 目的地・行動提案処理(行き先出力手段、出力タイミング設定手段)
S95 (乗車日取得手段)
S114 (音声解析手段)
S117 (行き先推定手段の一部)
S151 (第1予定日判定手段)
S152,S159 (操作検出手段)
S155 (計測手段)
S158 (第2予定日判定手段)
S160 (タイミング検出手段)
S163,S164 (行き先判定手段)
S172 (同意判定手段)
S173 (目的地設定手段、推定行き先設定手段、経路設定手段の一部、経路出力手段の一部)
S179 (経路設定手段の一部、経路出力手段の一部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置から目的地までの経路を設定して出力するナビゲーションシステムであって、
車両外にて発せられる音声を記憶する音声記憶手段と、
その音声記憶手段に記憶される音声を取得する音声取得手段と、
その音声取得手段により取得される音声の内容を解析する音声解析手段と、
その音声解析手段による解析結果に基づいて乗員の希望する行き先およびその行き先への行動予定日を推定する行き先推定手段と、
その行き先推定手段により推定される前記行き先に関する情報を所定のタイミングで出力する行き先出力手段と、
その行き先出力手段によって出力される前記情報により示される前記行き先に、乗員が同意するか否かを判断する同意判断手段と、
その同意判断手段によって乗員が前記行き先に同意すると判断される場合に、前記行き先推定手段により推定される前記行き先を前記目的地として設定する目的地設定手段と、
前記行き先出力手段により前記行き先に関する情報を出力する前記所定のタイミングを、前記行き先推定手段により推定される前記行動予定日に応じて設定する出力タイミング設定手段とを備えることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
乗員によるナビゲーションシステムの操作を検出する操作検出手段と、
前記車両への乗車がある場合に、その乗車日を取得する乗車日取得手段とを備え、
前記出力タイミング設定手段は、
前記行き先推定手段により推定される前記行動予定日が、前記乗車日取得手段により取得される前記乗車日と一致するか否かを判定する第1予定日判定手段を有し、
その第1予定日判定手段により前記行動予定日が前記乗車日と一致すると判定される場合は、前記操作検出手段により前記操作が検出されるタイミングを前記行き先出力手段により前記行き先に関する情報を出力する前記所定のタイミングとして設定するものであることを特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記車両のイグニッションスイッチがオンされてからの経過時間および走行距離の少なくともいずれかを計測する計測手段と、
前記車両への乗車がある場合に、その乗車日を取得する乗車日取得手段とを備え、
前記出力タイミング設定手段は、
前記行き先推定手段により推定される前記行動予定日が、前記乗車日取得手段により取得される前記乗車日と一致するか否かを判定する第1予定日判定手段を有し、
その第1予定日判定手段により前記行動予定日が前記乗車日と一致すると判定される場合は、前記計測手段により計測された経過時間および走行距離の少なくともいずれかが所定の閾値以上となるタイミングを前記行き先出力手段により前記行き先に関する情報を出力する前記所定のタイミングとして設定するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
乗員によるナビゲーションシステムの操作を検出する操作検出手段を備え、
前記出力タイミング設定手段は、
前記行き先推定手段により推定される前記行動予定日が、数日にまたがるものであるか否かを判定する第2予定日判定手段を有し、
その第2予定日判定手段により、前記行動予定日が数日にまたがるものであると判定される場合は、前記操作検出手段により前記操作が検出されるタイミングを前記行き先出力手段により前記行き先に関する情報を出力する前記所定のタイミングとして設定するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記行き先推定手段は、前記行き先への行動予定日と共に行動開始予定日時を推定するものであり、
前記出力タイミング設定手段は、
現在の時刻が前記行き先推定手段により推定される前記行動開始予定日時から所定の時間範囲内となるタイミングを検出するタイミング検出手段を有し、
前記第2予定日判定手段により、前記行動予定日が数日にまたがるものであると判定される場合は、前記操作検出手段により前記操作が検出され且つ前記タイミング検出手段により検出される現在の時刻が前記行動開始予定日時から所定の時間範囲内となるタイミングを、前記行き先出力手段により前記行き先に関する情報を出力する前記所定のタイミングとして設定するものであることを特徴とする請求項4記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記行き先推定手段は、前記行き先への行動予定日と共に行動開始予定日時を推定するものであり、
前記出力タイミング設定手段は、
前記行き先推定手段により推定される前記行動予定日が、数日にまたがるものであるか否かを判定する第2予定日判定手段と、
現在の時刻が前記行き先推定手段により推定される前記行動開始予定日時から所定の時間範囲内となるタイミングを検出するタイミング検出手段とを有し、
前記第2予定日判定手段により、前記行動予定日が数日にまたがるものであると判定される場合は、前記現在時刻検出手段により検出される現在の時刻が前記行動開始予定日時から所定の時間範囲内となるタイミングを前記行き先出力手段により前記行き先に関する情報を出力する前記所定のタイミングとして設定するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記車両への乗車がある場合に、その乗車日を取得する乗車日取得手段を備え、
前記出力タイミング設定手段は、
前記行き先推定手段により推定される前記行動予定日が、前記乗車日取得手段により取得される前記乗車日と一致するか否かを判定する第1予定日判定手段と、
前記行き先推定手段により推定される前記行動予定日が、数日にまたがるものであるか否かを判定する第2予定日判定手段と、
前記行き先推定手段により推定される行き先が前記車両の走行位置および現在の時刻の少なくともいずれかに基づいて適当なものであるか否かを判定する行き先判定手段とを有し、
前記第1予定日判定手段により前記行動予定日が前記乗車日と一致しないと判定され、且つ、前記第2予定日判定手段により、前記行動予定日が数日にまたがるものではないと判定される場合は、前記行き先判定手段により前記行き先推定手段により推定される行き先が適当なものであると判定されるタイミングを前記行き先出力手段により前記行き先に関する情報を出力する前記所定のタイミングとして設定するものであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
目的地を設定する目的地設定手段と、
前記現在位置検出手段により検出される前記車両の現在位置から前記目的地設定手段により設定された前記目的地までの経路を設定する経路設定手段と、
その経路設定手段により設定される前記経路を出力する経路出力手段と、
車両外において記憶された音声を取得する音声取得手段と、
その音声取得手段により取得される音声の内容を解析する音声解析手段と、
その音声解析手段による解析結果に基づいて乗員の希望する行き先およびその行き先への行動予定日を推定する行き先推定手段と、
その行き先推定手段により推定される前記行き先に関する情報を所定のタイミングで出力する行き先出力手段と、
その行き先出力手段によって出力される前記情報により示される前記行き先に、乗員が同意するか否かを判断する同意判断手段と、
その同意判断手段によって乗員が前記行き先に同意すると判断される場合に、前記目的地設定手段により設定される前記目的地として、前記行き先推定手段により推定される前記行き先を設定する推定行き先設定手段と、
前記行き先出力手段により前記行き先に関する情報を出力する前記所定のタイミングを、前記行き先推定手段により推定される前記行動予定日に応じて設定する出力タイミング設定手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−190745(P2010−190745A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35697(P2009−35697)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】