説明

ナビゲーション装置、そのスクロール表示方法

【課題】地図表示を行うナビゲーション装置において、検索対象を迅速かつ簡便に検索可能なスクロール機能を提供する。
【解決手段】画面をスクロール表示するスクロールモードを有するナビゲーション装置である。そして、スクロールモードにおいてスクロール方向を含むスクロール要求を受け付けると、当該スクロール方向に従って、画面をスクロールして表示するスクロール表示手段と、スクロール表示手段によるスクロールの軌跡を記憶装置に登録する軌跡登録手段と、スクロールモード中に音声入力を受け付け、ユーザからの要求を特定する音声入力手段と、を備える。そして、スクロール表示手段は、音声入力による要求がスクロール方向を変更する旨の要求である場合、記憶装置のスクロール軌跡を読み込んで、当該スクロール軌跡に従って、スクロール方向を変更することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、特に、地図等のスクロール表示の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
地図等の表示情報のスクロール要求を、スクロールボタンを介して受け付けるナビゲーション装置がある(特許文献1参照)。入力装置がタッチパネルの場合、ユーザは、タッチパネルにタッチすることによりスクロール要求を入力することになる。
【0003】
【特許文献1】特開2005−221244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のスクロール機能は、ユーザの使い勝手を十分に満たすものとは言えない。例えば、地点検索のために地図をスクロールする場合、ユーザは、タッチパネル等によりスクロール方向とともにスクロール開始要求を入力する。ここで、タッチ状態を維持して、スクロール要求を発している間は、スクロール速度やスクロール方向を微調整できない。したがって、目的の地点を行き過ぎてしまったり、見失ってしまうことがある。かかる場合、ユーザは、検索対象の地点の方向にスクロール方向を設定し直し、スクロールを再開させる必要がある。これでは、操作が煩雑である。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、検索対象を迅速かつ簡便に検索可能なスクロール機能を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく本発明のナビゲーション装置は、迅速に指示の入力が可能な音声入力を介して、スクロールに関する付加的な指示を受け付ける。
【0007】
本願発明は、例えば、画面をスクロール表示するスクロールモードを有するナビゲーション装置である。そして、前記スクロールモードにおいてスクロール方向を含むスクロール要求を受け付けると、当該スクロール方向に従って、画面をスクロールして表示するスクロール表示手段と、前記スクロール表示手段によるスクロールの軌跡を記憶装置に登録する軌跡登録手段と、前記スクロールモード中に音声入力を受け付け、ユーザからの要求を特定する音声入力手段と、を備える。そして、前記スクロール表示手段は、前記音声入力による要求がスクロール方向を変更する旨の要求(例えば、スクロールを戻す旨の要求)である場合、前記記憶装置のスクロール軌跡を読み込んで、当該スクロール軌跡に従って、スクロール方向を変更する(例えば、これまでのスクロール軌跡を遡る方向にスクロールする)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態が適用された車載用ナビゲーション装置100の概略構成図である。図示するように、車載用ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(マイクロフォン41、スピーカ42)と、入力装置5と、車速センサ6と、ジャイロセンサ7と、GPS(Global Positioning System)受信装置8と、を備えている。
【0010】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ6、7やGPS受信装置8から出力される情報を基にして現在位置を検出する。また、ディスプレイ2に画像を表示するためにグラフィックス情報を生成する。
【0011】
演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)11と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)12と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)13と、外部との情報の授受を行うインターフェース14とを備えるコンピュータシステムにより達成される。演算処理部1は、音声処理、描画処理、現在位置算出処理等に関して、専用のDSP(Digital Signal Processor)を備えていてもよい。
【0012】
ディスプレイ2は、液晶表示装置などからなり、演算処理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。
【0013】
記憶装置3は、CD−ROMやDVD−ROMやHDDやICカードといった記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、ナビゲーション処理に必要な地図データベース200が記憶されている。
【0014】
地図データベース200には、ディスプレイ2に地図を描画するためのデータが格納されている。具体的には、地図上の区画領域であるメッシュごとに、地図を構成する、道路や施設の、座標位置や形状に関するデータが格納されている。また、縮尺に応じた描画データが格納されている。地図表示処理では、地図データベース200に格納されている地図全体の中から、指定された地点(「基準位置」という。例えば、現在位置)周辺の地図が抜き出されて表示される。
【0015】
音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42とを備える。マイクロフォン41は、ユーザやその他の搭乗者の発した音声などの車載機の外部の音声を取得する。スピーカ42は、演算処理部1で生成したユーザへのメッセージを出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていてもよい。車載用ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0016】
入力装置5は、ユーザからの指示を、ユーザの操作により受け付けるユニットである。入力装置5は、ディスプレイ2の表示面側に設置された表示画面を透過可能なタッチパネル51を供えている。タッチパネル51としては、抵抗膜方式や静電方式などが採用できる。タッチパネル51は、ユーザによりタッチされた座標位置を演算処理部1に送る。
【0017】
センサ6、7およびGPS受信装置8は、車載用ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用される。
【0018】
図2は、演算処理部1の機能ブロック図である。なお、車載用ナビゲーション装置100の基本的の動作であるナビゲーション処理を行うための機能については説明を省略する。
【0019】
図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、入力処理部102と、音声認識部103と、地図表示処理部104と、スクロール軌跡登録部105とを備えている。なお、演算処理部1の各機能部は、CPUがメモリにロードしたプログラムを実行することにより達成される。
【0020】
主制御部101は、各機能部を制御する中心的なユニットである。例えば、主制御部101は、入力処理部102を介して入力装置5やマイクロフォン41への入力を検出し、ユーザからの要求を解析し、要求された内容に対応する処理が実行されるように各機能部を制御する。
【0021】
なお、主制御部101は、ナビゲーション装置本来の動作、例えば、目的地設定、住所検索、経路探索、経路誘導などの処理を行うものとする。
【0022】
入力処理部102は、タッチパネル51などの入力装置5から、入力信号を受信し、主制御部101に送る。
【0023】
音声認識部103は、マイクロフォン41へ入力されたユーザの発話した音声を認識する。なお、音声認識の方法は、公知の方法を採用することができる。
【0024】
地図表示処理部104は、ディスプレイ2に地図を表示する処理を行う。具体的には、主制御部101からの指示に従って、地図データベース200から、指定された範囲の地図を読み込み、読み込んだデータに従って、描画コマンドを生成し、ディスプレイ2に送信し、地図を表示する。
【0025】
なお、地図表示処理部104は、まず、基準位置(例えば、現在位置)を設定し、この基準位置を中心として、設定された縮尺において、ディスプレイ2上の地図表示領域に収まる範囲の地図を、地図データベース200から取得し、表示に用いる。また、主制御部101から、地図のスクロール表示を行うように指示された場合は、スクロール方向に従って、表示に必要な地図を地図データベース200から読み込んで、順次表示することで、スクロール表示を達成する。
【0026】
また、地図表示処理部104は、スクロールを微調整する機能を備えている。例えば、「スクロールを戻す」ように指示を受けた場合は、スクロール軌跡データベース210を参照して、スクロール軌跡を遡る方向に、上述の基準位置を順次設定する。そして、設定するごとに、設定した基準位置の周辺の地図を取得して表示することで、「スクロールを戻す」機能を実現する。
【0027】
また、地図表示処理部104は、「指定された方向にスクロールする」ように指示された場合は、基準位置を、指定された方向に沿って順次設定する。そして、基準位置を設定するごとに、基準位置の周辺の地図を取得して表示することで、「指定された方向にスクロールする」機能を実現する。なお、これらの詳細は後述する。
【0028】
スクロール軌跡登録部105は、スクロール軌跡を、スクロール軌跡データベース210に登録する処理を行う。具体的には、スクロール処理により、基準位置が変更される度に、設定された基準位置を、順に、スクロール軌跡データベース210に登録する。
【0029】
[動作の説明] 次に、上記のように構成される車載用ナビゲーション装置100の特徴的動作について説明する。
【0030】
図3は、スクロール軌跡登録処理のフローチャートである。
【0031】
この処理は、ディスプレイ2に地図が表示され、スクロールモードになった場合に開始される。なお、スクロールモードとは、スクロールが可能な状態のモードのことであり、スクロールがされておらず、スクロール要求を待機している状態のときも含む。
【0032】
スクロール軌跡登録部105は、基準位置の変更を監視する(S101)。そして、基準位置が変更された場合、更新された基準位置を順次、スクロール軌跡データベース210に登録する(S102)。登録後は、S101に戻って、監視を続行する。なお、スクロール軌跡登録部105は、通常のスクロールモードにおける基準位置を登録する。後述する微調整スクロール処理(図4のS208)においては、基準位置が変更されても登録しない。
【0033】
かかるスクロール軌跡登録処理により、スクロール軌跡データベース210には、通常のスクロール処理において設定された過去の基準位置(スクロール軌跡)の変更履歴が登録されることになる。
【0034】
図4は、スクロールモードにおけるスクロール処理のフローチャートである。
【0035】
地図表示処理部104は、主制御部101に指示された地点周辺の地図を表示する(S200)。具体的には、指示された地点(例えば、現在位置)を基準位置に設定して、設定した基準位置周辺の、ディスプレイ2の地図表示領域に収まる範囲の地図を地図データベース200から読み込み、表示する。
【0036】
図5は、表示画面の例を示す図である。S200により、地図表示領域301の中心位置Oに、基準位置SPが重なるように地図302が配置されて表示されている。
【0037】
次に、地図表示処理部104は、主制御部101及び音声認識部103を介して、ユーザから音声入力による指示を受け付けたか否か判定する(S201)。そして、音声入力による指示を受け付けた場合は、後述する微調整スクロール処理S208を行う。
【0038】
一方、音声入力による指示がない場合(S201でN)、地図表示処理部104は、主制御部101及び入力処理部102を介して、タッチパネル51へのタッチ操作の有無を判定する(S202)。タッチ操作が無いと判定されている間(S202でN)は、S201の判定を繰り返す。
【0039】
一方、タッチ操作が有ると判定された場合(S202でY)、主制御部101は、スクロール方向を決定する(S203)。
【0040】
図5に示すように、地図表示処理部104は、中心位置Oを始点として、タッチ位置TPの方向を、スクロール方向Vrと決定する。
【0041】
そして、地図表示処理部104は、地図302をスクロール方向Vrでスクロールする(S204)。具体的には、地図表示処理部104は、基準位置SPを、スクロール方向Vrに所定距離ずらして設定する。そして、地図データベース200から基準位置SP周辺の地図を読み込み、基準位置SPが中心位置Oに重なるようにディスプレイ2に表示する。
【0042】
基準位置SPをずらして地図表示を更新する(S204)ごとに、地図表示処理部104は、主制御部101及び音声認識部103を介して、ユーザから音声入力による指示を受け付けたか否か判定する(S205)。そして、音声入力による指示を受け付けた場合は、後述する微調整スクロール処理S208を行う。
【0043】
本実施形態では、音声入力による指示内容として「スクロールを戻す」と、「指定方向にスクロールする」とを受け付けることができる。したがって、音声入力があった場合でも、これらの指示内容以外の場合、エラーとして、地図表示処理部104は、音声入力による指示がないとして(S205でN)処理する。
【0044】
音声入力による指示がなく(S205でN)、かつタッチ状態が維持されている場合(S206でY)には、地図表示処理部104は、S203に戻って処理を続行する。これにより、ユーザがタッチ状態を維持する間、地図スクロールが継続されることになる。なお、タッチ状態を維持したまま、タッチ位置TPがずらされた場合、地図表示処理部104は、S203により、新たなスクロール方向Vrを設定し、S204により、スクロールを継続することになる。
【0045】
タッチ状態が維持されなくなった場合(S206でN)、地図表示処理部104は、スクロールを停止して(S207)、S201に戻って、処理を続行する。
【0046】
以上、図4のフローチャートについて説明した。
【0047】
次に、微調整スクロール処理(図4のS208)について説明する。
【0048】
図6は、かかる微調整スクロール処理のフローチャートである。
【0049】
本実施形態では、音声入力により、スクロールに関する付加的な指示を受け付ける。指示内容として(1)「スクロールを戻す」と、(2)「指定方向にスクロールする」とを受け付けることができる。地図表示処理部104は、いずれの指示内容かを判定し(S301)、指示内容に応じた処理S302、S303を行った後、図4のS201に戻る。以下、それぞれについて説明する。
【0050】
(1)「スクロールを戻す」の場合
図7は、かかる処理の方法を説明するための図である。図7(A)は、これまでのスクロール処理により登録されたスクロール軌跡を示す図である。全体地図310上に、過去の基準位置SPで構成される、スクロール軌跡330を示している。ディスプレイ2の地図表示領域に表示される地図の範囲320は、基準位置SP周辺の矩形内となる。
【0051】
図7(B)は、「スクロールを戻す」の処理を行った場合の、スクロール軌跡331を示す図である。
【0052】
地図表示処理部104は、スクロール軌跡データベース210から、過去の基準位置SPを、新しい順に読み込みながら、「スクロールを戻す」ための基準位置SPbを順次設定する。そして、基準位置Spbを設定するたびに、設定した基準位置SPbに基づいて、地図データベース200から周辺の地図を取得し、表示する。これにより、「スクロールを戻す」機能を達成する。
【0053】
なお、スクロール軌跡を遡る距離(「戻り距離」という)は、予め設定されているものとする。例えば、縮尺に応じた「戻り距離」が設定されており、地図表示処理部104は、設定されている縮尺に対応した「戻り距離」を特定し、その距離だけ基準位置Spbをスクロール軌跡330に沿って遡らせ、スクロール表示する。
【0054】
また、スクロール軌跡データベース210にスクロール軌跡が十分に蓄積されていない初期段階では、地図表示処理部104は、蓄積された範囲で、「戻り距離」を設定する。
【0055】
こうして、所定距離、スクロールを戻すと、地図表示処理部104は、スクロールを停止し、微調整スクロール処理を終了する。
【0056】
(2)「指定方向にスクロールする」の場合
図8は、かかる処理の方法を説明するための図である。図8(A)は、図7(A)と同様であり、これまでのスクロール処理により登録されたスクロール軌跡330を示す図である。
【0057】
図8(B)は、「指定方向にスクロールする」処理を行った場合の、スクロール軌跡332を示す図である。
【0058】
地図表示処理部104は、ユーザに指定された方向(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」)を特定して、特定した方向に、スクロール方向Vrを設定する。そして、基準位置SPdを、スクロール方向Vrに沿って、順次ずらして設定する。そして、基準位置Spdを設定するたびに、基準位置SPd周辺の地図を取得し、表示する。これにより、ユーザに指定された方向にスクロール表示がなされる。
【0059】
なお、スクロール距離は、予め設定されているものとする。例えば、縮尺に応じたスクロール距離が設定されており、地図表示処理部104は、設定されている縮尺に対応したスクロール距離を特定し、その距離だけ基準位置Spdをスクロール方向Vrに沿って設定し、スクロール表示する。
【0060】
こうして、所定距離、指定された方向にスクロールを行うと、地図表示処理部104は、スクロールを停止し、微調整スクロール処理を終了する。
【0061】
以上、微調整スクロール処理について説明した。
【0062】
上記実施形態によれば、タッチパネルによりスクロール要求を受け付け付ける一方、迅速な指示入力が可能な音声入力により、付加的指示として、スクロールを戻したり、所定の方向のスクロール要求を受け付ける。これにより、ユーザは、おおまかなスクロールを、タッチパネルを介して行う一方、音声により迅速に微調整することができる。したがって、目的の地点を迅速かつ簡便に見つけることができる。
【0063】
<変形例1>
上記実施形態は、様々な変形が可能である。
【0064】
例えば、上記実施形態では、方向指定があった場合に、これまでのスクロール方向と関係なく、指定された方向をスクロール方向に設定していた。
【0065】
これに限らず、その時点で設定されているスクロール方向を、ユーザの要求に従って、修正するようにしてもよい。以下に詳述する。
【0066】
地図表示処理部104は、タッチ状態が維持されている間、図4のS204により、地図のスクロール表示を行う。その間、音声入力による指示の有無を監視し、指示内容が「方向の修正」である場合、以下の処理を行う。なお、ユーザから、「右に修正」、「左に修正」などの発話により、「方向の修正」を受け付けるものとする。
【0067】
地図表示処理部104は、「方向の修正」指示を受け付けると、その時点において設定されているスクロール方向Vrに、指示された方向に応じて、所定の角度θを加算(または減算)して修正する。
【0068】
図9は、かかる場合の具体例を説明するための図である。
【0069】
図9(A)は、これまでのスクロール処理により登録されたスクロール軌跡330を示す図である。
【0070】
かかる場合に、「左に修正」と指示された場合、地図表示処理部104は、その時点のスクロール方向Vrが、より左に向くように、所定角度θだけ、回転させて、修正する。一方、「右に修正」と指示された場合は、その逆に、その時点のスクロール方向Vrが、より右に向くように、所定角度θだけ、回転させて、修正することになる。
【0071】
図9(B)は、スクロール方向Vrを修正した場合のスクロール軌跡333を示す。スクロール方向Vrが修正されなかった場合は、スクロール軌跡は、破線矢印334のようになっていた。スクロール方向の修正により、角度θだけ左により、スクロール軌跡333となっている。
【0072】
<変形例2>
また、微調整の「程度」の指示を受け付けて、その指示に従って、微調整スクロールを行ってもよい。
【0073】
例えば、「スクロールを戻す」機能においては、ユーザからの指示内容として、「戻る」と、「ちょっと戻る」の「程度」を含む2種類の指示内容を受け付けられるようにする。そして、地図表示処理部104は、単に「戻る」の場合より「ちょっと戻る」の場合の方が、前述の「戻り距離」が短くなるように設定する。
【0074】
また、「指定方向にスクロールする」機能においては、ユーザからの指示内容として、「右」と、「ちょっと右」等の「程度」を含む2種類の指示内容を受け付けられるようにする。そして、地図表示処理部104は、単に「右」の場合より「ちょっと右」の場合の方が、前述のスクロール距離(スクロール距離)が短くなるように設定する。
【0075】
こうすれば、より微調整が可能となり、ユーザは簡便に目的の地点を見つけることができるようになる。
【0076】
なお、上記実施形態および変形例では、本発明を車載用ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載用以外のナビゲーション装置、地図等のスクロール機能を備えた装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】車載用ナビゲーション装置100の概略構成図である。
【図2】演算処理部1の機能構成を示す図である。
【図3】スクロール軌跡登録処理のフロー図である。
【図4】スクロールモードにおけるスクロール処理のフロー図である。
【図5】スクロール方向の決定方法を説明するための図である。
【図6】微調整スクロール処理(図4のS208)のフロー図である。
【図7】スクロール軌跡を説明するための図である。
【図8】スクロール軌跡を説明するための図である。
【図9】スクロール軌跡を説明するための図である。
【符号の説明】
【0078】
1…演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・車速センサ、7・・・ジャイロ、8・・・GPS受信装置、
11・・・CPU,12・・・RAM、13・・・ROM、14・・・I/F
51・・・タッチパネル
101・・・主制御部、102・・・入力処理部、103・・・音声認識部、104・・・地図表示処理部、105・・・スクロール軌跡登録部、200・・・地図データベース、210・・・スクロール軌跡データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面をスクロール表示するスクロールモードを有するナビゲーション装置であって、
前記スクロールモードにおいてスクロール方向を含むスクロール要求を受け付けると、当該スクロール方向に従って、画面をスクロールして表示するスクロール表示手段と、
前記スクロール表示手段によるスクロールの軌跡を記憶装置に登録する軌跡登録手段と、
前記スクロールモード中に音声入力を受け付け、ユーザからの要求を特定する音声入力手段と、を備え、
前記スクロール表示手段は、
前記音声入力による要求がスクロール方向を変更する旨の要求である場合、前記記憶装置のスクロール軌跡を読み込んで、当該スクロール軌跡に従って、スクロール方向を変更する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記スクロール表示手段は、
前記音声入力による要求がスクロールを戻す旨の要求である場合、前記記憶装置のスクロール軌跡を読み込んで、当該スクロール軌跡に従って、これまでのスクロール軌跡を遡る方向にスクロールする
【請求項3】
請求項1又は2に記載のナビゲーション装置であって、
前記スクロール表示手段は、
前記音声入力による要求に、スクロールの度合いが含まれている場合、当該スクロールの度合いを用いて、前記スクロール軌跡を遡る量を決定する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記スクロール表示手段は、
前記音声入力による要求に、前記スクロール方向の微調整要求が含まれている場合、要求された方向に基づいて前記スクロール方向を微調整する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記スクロール表示手段は、
音声入力によりスクロールに関する要求を受け付けた場合、要求に従ってスクロールした後、スクロールを停止する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
画面をスクロール表示するスクロールモードを有するナビゲーション装置のスクロール表示方法であって、
前記スクロールモードにおいてスクロール方向を含むスクロール要求を受け付けると、当該スクロール方向に従って、画面をスクロールして表示するスクロール表示ステップと、
前記スクロール表示ステップによるスクロールの軌跡を記憶装置に登録する軌跡登録ステップと、
前記スクロールモード中に音声入力を受け付け、ユーザからの要求を特定する音声入力ステップと、を行い、
前記スクロール表示ステップは、
前記音声入力による要求がスクロール方向を変更する旨の要求である場合、前記記憶装置のスクロール軌跡を読み込んで、当該スクロール軌跡に従って、スクロール方向を変更する
ことを特徴とするナビゲーション装置のスクロール表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−103547(P2009−103547A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274677(P2007−274677)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】