説明

ナビゲーション装置、及び光ディスク

【課題】光ディスクに記録された候補位置を用いて、基準位置から所定の範囲内にある候補位置を判定し、前記判定に基づいた表示することができるナビゲーション装置を得ることを目的とする。
【解決手段】この発明に係るナビゲーション装置は、目的位置の候補となる1または複数の候補位置を記録する光ディスクから、前記1または複数の候補位置を読み出し、基準位置から所定の範囲内に、前記1または複数の候補位置のうち少なくとも1つの候補位置があるか否かを判定し、画面上に、前記1または複数の候補位置のうち少なくとも1つの候補位置があることを表示するようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、目的位置の候補となる候補位置が記録された光ディスクを再生する光ディスク再生機能を有したナビゲーション装置、ならびに、候補位置が記録された光ディスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーション装置において、GPSや自律航法等の手段によって自車位置が検出され、地図上にその自車位置を示すポインタが表示される。また、音声案内や経路設定等の機能が設けられる。さらに、映像再生機能としてDVDビデオ等の光ディスクの再生が可能となっている。
【0003】
任意の映像情報を光ディスクから再生し、ユーザが気に入った映像情報から直接、目的位置の設定をするものに、特許文献1がある。
【0004】
【特許文献1】特開平11−94577号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のナビゲーション装置は、映像情報を画面上に表示する際に、候補位置の情報は用いられていなかった。
【0006】
そこで、本発明は、光ディスク内に記録された、候補位置を用いて、基準位置から所定の範囲内にある候補位置を判定し、前記判定に基づいた表示することができるナビゲーション装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
基準位置から所定の範囲内に、光ディスクに記録された候補位置があるか否かを判定し、判定に基づき、画面上に候補位置があることを表示する。
【発明の効果】
【0008】
上記のような構成を備えたことにより、基準位置から所定の範囲内にある候補位置を判定し、前記判定に基づいた表示することが可能なナビゲーション装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態1を説明する。この発明のナビゲーション装置は、Blu−ray Disc(以下、BD)ビデオ等の映像フォーマットで記録された光ディスクを再生することができる機能を有しており、現在位置を地図上に表示すると共に、その現在位置に対応する周辺情報映像を表示することができる。
【0010】
図1はこの発明の実施の形態の1におけるナビゲーション装置を示すブロック図である。図1により、実施の形態の1におけるナビゲーション装置の構成について説明する。
【0011】
図1において、101は、ユーザの現在位置、及びユーザの指定する任意の位置のうちいずれか一方の基準位置を検出する検出手段、及び基準位置が変化したことを検出する変化検出手段として、GPSや自律航法等により自車の現在地情報を検出する位置情報検出部、102は、自身によって実行されるプログラム等が格納されるROM(read only memory)を含んでおり、このナビゲーション装置の各ブロックの動作を制御するCPUである。
【0012】
103は、CPU102で生成されたグラフィック信号や映像再生部109でデコードされたグラフィック信号を合成して、モニタ104に出力する画像処理部である。104は、画像処理部103の出力を表示する画面としてのモニタである。
【0013】
105は、CPU102からの音声信号や映像再生部109からの音声信号を合成してスピーカー106に出力する音声処理部である。106は、音声処理部105からの出力を音声に変換するスピーカーである。
【0014】
107は、地図情報を記録する情報記録手段として、目的地までのナビゲーションに使われる地図データ、及び音声データを記録するデータベースである。108は、リモコン130からのリモコン信号を受信し、CPU102にキー命令を送信するリモコン受光部である。109は、所定の範囲内にある候補位置の映像情報のうち、情報表示手段の表示に基づいてユーザが表示を要求する映像情報を、光ディスクから読み出す映像読み出し手段として、光ディスクの映像フォーマットを解釈し、映像フォーマット内の映像ストリームを再生するためのデコーダを持ち、グラフィック信号を画像処理部103、音声信号を音声処理部105に出力する映像再生部である。
映像再生部109、及び画像処理部103により、映像読み出し手段により読み出された映像情報を、画面上に表示する映像表示手段を構成する。
【0015】
120は、対応する映像フォーマットの光ディスクドライブ(図示せず)に挿入される光ディスクである。光ディスク120は、観光地や食事、宿泊などの複数の観光情報、観光情報のジャンル、複数の観光情報に対応する候補位置としての地図位置情報、及び複数の観光情報に対応する光ディスク内の周辺情報映像の再生位置情報を持つ周辺情報テーブル122を記録する。また、1または複数の候補位置毎の映像情報として、BDビデオ等の映像フォーマットで記録された周辺情報映像121も記録する。130は、リモコン受光部108にリモコン信号を送信するリモコンである。
【0016】
例えば、光ディスク120の周辺情報テーブル122は、図3に示すような観光地や食事、宿泊等の各施設のジャンル情報と、それらの施設の名称を示す施設名称情報と、ナビゲーションで用いられる地図上のどの地点かを示す地図位置情報と、光ディスク120の周辺情報映像121のどの位置から再生を開始するかを示す再生位置情報が、各施設別に登録されたテーブルとすることができる。
【0017】
図2はナビゲーション装置内のCPU102の内部構造を示すブロック図である。図2において、113は光ディスク120内に記録されている周辺情報テーブル122を格納するメモリ、114は、地図情報、基準位置、及び目的位置に基づいて、基準位置から目的位置までの経路が示された地図を画面に表示する経路表示手段の信号生成部としてのナビゲーション用信号生成部であり、位置情報検出部101で検出した位置情報を基に、地図データベース107から検出した位置情報の周辺地図データを読み出し、読み出した周辺地図データに検出した位置情報をポインタとして重畳し、ナビゲーション用グラフィック信号を生成する。ナビゲーション用信号生成部114は、ナビゲーション用グラフィック信号を画像処理部103に出力する。また、ナビゲーション用信号生成部114は、ナビゲーション時に分岐点等で音声案内を行うために、地図データベース107から音声ナビゲーションデータを読込み、音声処理部105に音声信号を出力する。110は、基準位置から所定の範囲内に、1または複数の候補位置のうち少なくとも1つの候補位置があるか否かを判定する判定手段として、位置情報検出部101から送信される現在位置情報とメモリ113に格納された周辺情報テーブル122の各施設の地図位置情報とを比較して、所定の範囲に入っていないかを判断するエリア判定部である。111は、判定手段の判定に基づき、画面上に、1または複数の候補位置のうち少なくとも1つの候補位置があることを表示する情報表示手段として、周辺情報に関するウィンドウのグラフィックを生成して、周辺情報ウィンドウ用グラフィック信号として画像処理部103に出力する周辺情報ウィンドウ用グラフィック信号生成部。112は、表示した映像情報の候補位置を目的位置に設定する設定手段として、周辺情報テーブル122の各施設の地図位置情報を中継地として登録するルート設定部である。また、CPU102はナビゲーション装置の各種設定を行うためのグラフィカルユーザインターフェースのグラフィック信号を生成し、画像処理部103に出力する。
なお、画像処理部103、及び周辺情報ウィンドウ用グラフィック信号生成部111により、判定手段の判定に基づき、画面上に、1または複数の候補位置のうち少なくとも1つの候補位置があることを表示する情報表示手段を構成する。
【0018】
次に、図4により、挿入された光ディスク120によって、ナビゲーション装置の動作モードを切替える動作について説明する。図4は、光ディスク挿入時のモード切替動作ステップを示すフロー図である。ユーザは、ナビゲーション装置の各種設定を行うためのグラフィカルユーザインターフェースの設定画面で、光ディスクの再生機能をナビゲーションと連動して再生するモード(ナビゲーション連動モード)とするのか、従来の映像フォーマットを再生するプレーヤーモード(ナビゲーション非連動モード)とするのかを、予め設定する。
【0019】
図4において、ナビゲーション装置の光ディスクドライブに光ディスク120が挿入されると、光ディスクドライブからCPU102に対して光ディスク120が挿入されたことを通知する信号が送られる。CPU102は、光ディスク120のファイルシステムを読み込み、光ディスク120に記録された映像データが映像再生部109で解析可能な映像フォーマットで記録されているのかを識別する識別処理を行う(S101)。挿入された光ディスク120に記録されたデータが、映像再生部109で解析のできない映像フォーマットであると判断された場合は、CPU102は未対応のディスクとして処理する(S105)。例えば、光ディスク120がリムーバブルディスクであるために、光ディスクドライブ109に、光ディスク120以外のディスクが挿入された場合がこれに該当する。このような、未対応のディスクが挿入された場合の処理として、例えば、未対応の光ディスクであることをユーザに通知し、あるいは光ディスク120を光ディスクドライブ109から自動で排出することができる。
【0020】
一方、光ディスク120に記録されたデータが映像再生部109で解析可能な映像フォーマットであると判断された場合は、上記にて、グラフィカルユーザインターフェースの設定画面で設定したナビゲーション装置の動作モードが、ナビゲーション連動モードであるか確認する(S102)。動作モードがナビゲーション非連動モードに設定されていた場合は、CPU102は光ディスク120に記録された映像フォーマットを再生する従来のプレーヤーモードに遷移する(S107)。ここで、従来のプレーヤーモードとは、ナビゲーションと映像の再生が連携せず、独立して行われるモードを意味する。
【0021】
一方、動作モードがナビゲーション連動モードに設定されていた場合、施設情報テーブル122が光ディスク120に記録されているかを確認する(S103)。施設情報テーブル122が光ディスク120に記録されていない場合は、光ディスク120に記録された映像フォーマットを再生する従来のプレーヤーモードに遷移する(S107)。施設情報テーブル122が光ディスク120に記録されている場合は、CPU102はナビゲーション連動モードに遷移する(S104)。
【0022】
CPU102は、ナビゲーション連動モードに遷移する場合、光ディスク120から施設情報テーブル122を読み出し、メモリ113に格納する。
【0023】
次に、図1、図2、図5、図6、及び図7により、ナビゲーション連動モードに遷移した場合の動作について説明する。図5、及び図6は、ナビゲーション連動モード時の動作ステップを示すフロー図である。図5の下部の丸で囲まれたA、及びBは、図6の上部の丸で囲まれたA、及びBとそれぞれ対応しており、図5と図6とを合わせて一つの動作ステップを示す図となる。図7はナビゲーション連動モード時にモニタ104に表示されるナビゲーション画面の概略図である。
【0024】
位置情報検出部101は検出される現在位置情報が更新される度にエリア判定部110に現在位置情報を送信する(S1)。エリア判定部110は、現在位置情報と、メモリ113に保持された周辺情報テーブル122の各施設の地図位置情報とを比較して、現在位置情報から所定の範囲内に施設があるか否かを判断する(S2)。判断は、所定の閾値を設けることで行う。例えば、現在位置から施設までの到着時間が10分以内であるときに所定範囲内に入っていると判断することもできるし、現在位置から施設までの距離が10Km以内であるときに所定範囲内に入っていると判断することもできる。
【0025】
現在位置情報から所定の範囲内に施設がないと判断した場合、ナビゲーション用グラフィック201の上に、現在位置を示すポインタ202を重畳してモニタ104に表示する。さらに、ナビゲーションの目的地を設定している状態では、図7の(1)に示すように、目的地までの経路を示すナビゲーションルート203も重畳して表示する(S3)。
【0026】
一方、現在位置情報から所定の範囲内に施設があると判断した場合、エリア判定部110は周辺情報グラフィック生成部111に対して周辺情報通知ウィンドウの生成命令を出す。周辺情報通知ウィンドウの生成命令を受け取った周辺情報グラフィック生成部111は周辺情報通知ウィンドウのグラフィックを生成し、周辺情報通知ウィンドウ用グラフィック信号として画像処理部103に出力する。画像処理部103は周辺情報グラフィック生成部111から送信される周辺情報通知ウィンドウ用グラフィック信号と、ナビゲーション用信号生成部114から送信されるナビゲーション用グラフィック信号とを合成してモニタ104にグラフィック信号を出力する。それにより、図7の(2)のように、図7の(1)の出力画面の上に、周辺情報通知ウィンドウ204を重畳した画面をモニタ104に表示する(S4)。
【0027】
周辺情報通知ウィンドウ204が表示された画面では、ユーザが周辺情報の閲覧を希望する操作を行ったか否かを判断する(S5)。操作が行われない場合は、S1〜S4のステップを繰り返す。この動作により、ユーザからの入力が特にない場合でも、最新の現在位置情報に基づいて、ユーザに周辺情報の通知をすることができる。
【0028】
次に、図7の(2)に示す周辺情報通知ウィンドウ204が表示された画面で、ユーザが周辺情報の閲覧を希望した場合を説明する。
【0029】
ユーザが図7の(2)に示す周辺情報通知ウィンドウ204が表示された画面状態で、リモコン130で周辺情報の閲覧を希望する動作、例えば決定キーを押下すると、リモコン受光部108がリモコン信号を受信し、CPU102にキー命令を送信する。CPU102は、キー命令を受信し、現在の表示状態から周辺情報の閲覧希望命令があったことを認識する。周辺情報の閲覧希望命令に基づき、CPU102は、エリア判定部110で判定した所定の範囲内にある施設に該当する周辺情報をメモリ113に格納されている周辺情報テーブル122から読み出し、周辺情報グラフィック生成部111に送信する。周辺情報グラフィック生成部111はCPU102から送信された周辺情報の中からジャンル情報を読み出し、周辺情報ジャンルウィンドウのグラフィックを生成して、周辺情報ジャンルウィンドウ用グラフィック信号として画像処理部103に出力する。画像処理部103は周辺情報グラフィック生成部111から送信された周辺情報ジャンルウィンドウ用グラフィック信号とナビゲーション用グラフィック信号を合成してモニタ104にグラフィック信号を出力する。それにより、図7の(3)のように、図7の(1)の出力画面の上に、周辺情報ジャンルウィンドウ205を重畳した画面をモニタ104に表示する(S6)。
【0030】
周辺情報ジャンルウィンドウ205が表示された画面では、ユーザが任意のジャンルを選択する操作を行ったか否かを判断する(S7)。操作が行われない場合は、ユーザが検索を中止する操作を行うまで、または所定時間が経過するまで、画面を保持する。なお、画面の保持については、位置情報検出部101にて現在位置情報を検出し、現在位置情報から所定の範囲内に施設があると判断される間、保持するようにもできる。
【0031】
次に図7の(3)に示す周辺情報ジャンルウィンドウ205が表示された画面で、ユーザが任意のジャンルを選択した場合を説明する。
【0032】
ユーザが図7の(3)に示す周辺情報ジャンルウィンドウ205が表示された画面状態で、リモコン130で任意の周辺情報のジャンルを選択する動作を行うと、リモコン受光部108がリモコン信号を受信し、CPU102にキー命令を送信する。CPU102はキー命令を受信し、現在の表示状態から所定のジャンルが選択されたことを認識する。所定のジャンルが選択されると、CPU102は、ユーザが選択したジャンルに該当する周辺情報をメモリ113に格納された周辺情報テーブル122から読み出し、周辺情報グラフィック生成部111に送信する。周辺情報グラフィック生成部111はCPU102から送信された周辺情報の中から施設名称情報を読み出し、周辺情報施設ウィンドウのグラフィックを生成して、周辺情報施設ウィンドウ用グラフィック信号として画像処理部103に出力する。画像処理部103は周辺情報グラフィック生成部111から送信された周辺情報施設ウィンドウ用グラフィック信号とナビゲーション用グラフィック信号を合成してモニタ104にグラフィック信号を出力する。それにより、図7の(4)のように、図7の(1)の出力画面の上に、周辺情報施設ウィンドウ206を重畳した画面をモニタ104に表示する(S8)。例えば、周辺情報グラフィック生成部111は、周辺情報施設ウィンドウのグラフィック信号を生成する際、周辺情報施設ウィンドウ206に表示される各施設のリストの昇順を、周辺情報テーブルに登録された順、もしくは現在位置から近い順、50音順等に並び替えて表示することができる。
【0033】
周辺情報施設ウィンドウ206が表示された画面では、ユーザが任意の施設を選択する操作を行ったか否かを判断する(S9)。操作が行われない場合は、ユーザが検索を中止する操作を行うまで、または所定時間が経過するまで、画面を保持する。
【0034】
次に図7の(4)に示す周辺情報施設ウィンドウ206が表示された画面で、ユーザが任意の施設を選択した場合を説明する。
【0035】
ユーザが図7の(4)に示す周辺情報施設ウィンドウ206が表示された画面状態で、リモコン130で周辺情報の任意の施設を選択する動作を行うと、リモコン受光部108がリモコン信号を受信し、CPU102にキー命令を送信する。CPU102はキー命令を受信し、現在の表示状態から所定の施設が選択されたことを認識する。所定の施設が選択されると、CPU102は、ユーザが選択した施設に該当する周辺情報の再生位置情報をメモリ113に格納された周辺情報テーブル122から読み出し、映像再生部109に送信する。映像再生部109はCPU102から送信された再生位置情報を基に、光ディスク120の周辺情報映像の再生開始位置を特定して周辺情報映像121のストリームデータを読み込み、デコードを行う。デコードされたグラフィック信号および音声信号を画像処理部103および音声処理部105を経由して、モニタ104およびスピーカー106に送信する。また、CPU102は、ルート設定確認ウィンドウのグラフィックを作成する命令を周辺情報グラフィック生成部111に送信する。周辺情報グラフィック生成部111はCPU102より送信されるルート設定確認ウィンドウのグラフィックを作成する命令により、ルート設定確認ウィンドウのグラフィックを作成して、画像処理部103にルート設定確認ウィンドウ用グラフィック信号を送信し、画像処理部103を経由して、モニタ104に出力する。例えば、映像再生部109が周辺情報映像121を再生中もしくは再生終了時に、映像を再生した施設をナビゲーションの中継地として設定するかどうかを確認するルート設定確認ウィンドウを表示できる。周辺情報映像の再生中にルート設定確認ウィンドウを表示する際は、図7の(5)のように、選択された施設の周辺情報映像の再生画207の上に、ルート設定確認ウィンドウ208が重畳した画面をモニタ104に表示する(S10)。
【0036】
ルート設定確認ウィンドウ208が表示された画面では、ユーザがルート設定を希望する操作を行ったか否かを判断する(S11)。操作が行われない場合は、ユーザが検索を中止する操作を行うまで、または所定時間が経過するまで、画面を保持する。
【0037】
次に図7の(5)に示すルート設定確認ウィンドウ208が表示された画面で、ユーザがルート設定を希望した場合を説明する。
【0038】
ユーザが図7の(5)に示すルート設定確認ウィンドウ208が表示された画面状態で、リモコン130でルート設定を希望する動作、例えば図7の(5)に示すルート設定確認ウィンドウ208の“はい”を選択すると、リモコン受光部108がリモコン信号を受信し、CPU102にキー命令を送信する。CPU102はキー命令を受信し、ルート設定を行うことを認識する。ルート設定の命令に基づき、CPU102は、メモリ113に格納された周辺情報テーブル122を読み出し、ユーザが選択した施設の周辺情報の地図位置情報をルート設定部112に送信する。ルート設定部112はCPU102から送信された地図位置情報を中継地として登録する(S12)。
【0039】
なお、上記では、ナビゲーション用グラフィックの上に、周辺情報グラフィックを重畳して周辺情報の通知等を行ったが、ナビゲーション用グラフィックと周辺情報グラフィックを分割して表示してもよい。
【0040】
また、周辺情報グラフィックを用いずに、音声で通知することもできる。
【0041】
なお、上記では、ナビゲーション用グラフィック上に、周辺情報グラフィックを重畳して周辺情報の通知等を行ったが、周辺情報映像121をユーザが任意に再生している場合、もしくは対応可能な映像フォーマットで記録された別の映像を再生中している場合は、それらの映像の上に周辺情報グラフィックを重畳して表示し、上記の処理を行うこともできる。処理の中で、周辺情報映像の表示は、従来のプレーヤーの機能で動作している再生画の上に小画面で表示することもできるし、従来のプレーヤーの機能で動作している再生画をレジューム停止して、周辺情報映像121を全画面表示し、周辺情報映像121の再生が終了した後、従来のプレーヤー機能で動作している再生画をレジューム再生することもできる。
【0042】
また、上記では、ナビゲーション用グラフィックもしくは従来のプレーヤー機能で動作している再生画に、周辺情報グラフィックを合成していたが、アナログ放送受信装置もしくは地上波デジタルチューナ等の放送波に対応した装置を搭載している場合、周辺情報グラフィックを放送映像と合成して表示して、上記の処理をしてもよい。
【0043】
なお、上記では、位置情報検出部101で、自車の現在位置を検出し、検出した現在位置の周辺情報についての表示を行ったが、ユーザが、目的地、及び中継地などを任意に指定し、指定した地点の周辺情報を表示するようにすることもできる。
【0044】
なお、上記では、ユーザが任意の目的地を設定し、目的地への移動中に周辺情報を参照することにより、ルート設定部112により中継地を設定する場合について述べたが、ユーザは、ルート設定部112によって設定する位置を中継地ではなく、目的地として設定することもできる。
【0045】
なお、上記では、光ディスク内から周辺情報を読み出して、処理を行うことについて述べたが、光ディスク内に新たな周辺情報を書き込むことにより、周辺情報を更新することも可能である。
【0046】
実施の形態1では、ナビゲーション装置内の地図データベース107に地図情報を記録し、外部から挿入される光ディスク120内に周辺情報テーブル122、及び周辺情報映像121を保存するため、光ディスク120を交換することにより、容易に周辺情報テーブル122の内容を更新することができる。
【0047】
また、地図情報をナビゲーション装置内の地図データベース107に記録しているため、外部から挿入される光ディスク120内に地図情報が保存されているものと比較し、周辺情報を検索する速度を向上できる。
【0048】
また、位置情報検出部101によって検出される現在位置情報が更新される度に、自動で周辺情報の検索を行うことにより、ユーザがリモコンを操作して検索を実行する手間を省くことができ、ユーザに最新の周辺情報を継続的に提供することができる。
【0049】
実施の形態2.
図8は、実施の形態2におけるナビゲーション装置を示すブロック図である。図8において図1と同様のブロックについては、同一符号を付し、説明を省略する。
実施の形態2のナビゲーション装置は、実施の形態1と比較し、画像処理部203、フロント用モニタ204、リアモニタ304、光ディスク220、及び周辺情報テーブル222の構成が異なる。
【0050】
図8において、画像処理部203は、CPU102で生成されたグラフィック信号や映像再生部109でデコードされたグラフィック信号を合成し、第一の画面としてのフロント用モニタ204、及び第二の画面としてのリアモニタ304に送信する。フロント用モニタ204は、カーナビゲーションにおけるナビゲーション用グラフィックを表示するモニタであり、主として運転者、あるいは助手席の搭乗者が目視する。リアモニタ304は、BDやDVD等の映画コンテンツ等を表示するモニタであり、主として後部座席の搭乗者が目視する。光ディスク220は、周辺情報テーブル222を記録する。周辺情報テーブル222は、第一の再生位置で再生するフレームレートよりも低いフレームレート、または静止画で映像情報を再生する第二の再生位置として、周辺情報映像121の静止画を再生するための代表画面再生位置情報を含む。
なお、再生位置情報に基づいて映像情報を再生する映像再生部109が、所定の範囲内にある候補位置の映像情報のうち、情報表示手段の表示に基づいてユーザが表示を要求する映像情報を、光ディスクから読み出す第一の読み出し手段を構成している。
また、再生位置情報に基づいて映像情報を再生する映像再生部109、及び画像処理部103が、第一の映像読み出し手段により読み出された映像情報を、第一の画面上に表示する第一の表示手段を構成している。
なお、代表画面再生位置情報に基づいて映像情報を再生する映像再生部109が、第一の読み出し手段で読み出す映像情報を、第一の読み出し手段で読み出すフレームレートよりも低いフレームレート、または静止画で読み出す第二の読み出し手段を構成している。
また、再生位置情報に基づいて映像情報を再生する映像再生部109、及び画像処理部103が、第二の映像読み出し手段により読み出された映像情報、または静止画を、第二の画面上に表示する第二の表示手段を構成している。
【0051】
次に、図7、及び図8により、動作について説明する。
【0052】
図7の(4)に示す周辺情報施設ウィンドウ206が表示された画面で、ユーザが任意の施設を選択した場合、CPU102は、メモリ113に格納された周辺情報テーブル222中から、ユーザが選択した施設の代表画面再生位置情報、及び再生位置情報を映像再生部109に送信する。
【0053】
映像再生部109は、CPU102から送信された代表画面再生位置情報を基に、光ディスク220の周辺情報映像121の代表画面再生開始位置を特定して周辺情報映像121のストリームデータを読み込み、静止画デコードを行う。静止画デコードされたグラフィック信号を画像処理部203に送信し、画像処理部203を経由してフロント用モニタ204に出力する。
【0054】
さらに、映像再生部109は、CPU102から送信された再生位置情報を基に、光ディスク220の周辺情報映像121の再生開始位置を特定して周辺情報映像121のストリームデータを読み込み、デコードを行う。デコードされたグラフィック信号を画像処理部203に送信し、画像処理部203を経由してリアモニタ304に出力する。
【0055】
実施の形態2のナビゲーション装置は、フロント用のモニタ204とリアモニタ304にそれぞれ異なる周辺情報映像を出力し、周辺情報映像の表示方法を変えることができる。これによって、フロント用のモニタ204には、静止画を表示し、リアモニタ304には動画像を表示することができるので、フロント用のモニタで動画像を表示した場合の運転者のわき見等によって危険性が高まることを防止することができる。
【0056】
なお、上記では、フロント用のモニタに静止画を表示するものとしたが、リアモニタよりも1秒間あたりのフレーム数の少ない映像を表示してもよい。
【0057】
実施の形態3.
図9は、実施の形態3における周辺情報テーブルを示す図である。図9の周辺情報テーブルは、図3に示す実施の形態1の周辺情報テーブル122と比較し、付属情報、基準地点ID番号、及び基準地点からの距離パラメータを設けた点が異なる。ナビゲーション装置の構成については、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0058】
図9において、付属情報は、例えば施設の営業時間である。基準地点ID番号は、例えば市街地等の中心部といった所定の位置を基準地点にとり、基準地点ごとにつけた番号である。各施設の周辺情報には一番近い基準地点のID番号が記録される。基準地点からの距離パラメータとは、各施設に一番近い基準地点からの距離に関するパラメータである。この値が大きいほど、基準地点から離れた位置にあることを意味する。
【0059】
次に、動作について説明する。エリア判定部110は、施設の地図位置情報を用いて、施設毎に、現在位置から所定範囲内に施設があるか否かを判断するのではなく、各々の施設の基準地点が範囲内に含まれるかどうかを判断する。これにより、CPU102は周辺情報グラフィック生成部111に対して所定の範囲に含まれる基準地点ID番号を持つ周辺情報のみを容易に送信することができる。
【0060】
実施の形態3の周辺情報テーブルを用いると、周辺情報グラフィックのリスト表示の昇順やエリア判定を、基準地点が現在位置から所定範囲内に含まれているかによって判断するため、処理量が減少することにより、処理を高速化することができる。
【0061】
また、周辺情報グラフィック生成部111はCPU102から送信された周辺情報を基に周辺情報施設ウィンドウのグラフィック信号を生成する際に、周辺情報テーブルの付属情報の営業時間と、現在時刻とを比較して、利用可能な施設のみを表示するようなグラフィック信号を生成することができる。さらに、施設までの移動に伴う経過時間を考慮し、営業時間内に到着が可能な施設のみを表示するように信号を生成することもできる。また、指定位置として目的地までのルート上の場合、現在位置から指定位置まで移動した際の経過時間を考慮して、営業時間内の施設のみを表示することもできる。
また、施設の表示については、営業時間内に到着の可能性が高い施設の順に並び替えて表示することもできる。この表示によると、ナビゲーション装置が営業時間内に到着が不可能な施設であると判断した施設でも、道路状況によっては営業時間内に到着が可能な施設を表示に含めることができる。さらに、到着の可能性が高い施設の順に並び替えて表示していることから、ユーザは、道路状況等を考慮した上で任意の施設を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施の形態1におけるナビゲーション装置を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1におけるナビゲーション装置のCPU102の内部構造を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1における光ディスク120に記録された周辺情報テーブルの説明図である。
【図4】実施の形態1におけるナビゲーション装置の光ディスクの認識処理フロー図である。
【図5】実施の形態1における、ナビゲーション連動モード時の動作ステップを示すフロー図である。
【図6】実施の形態1における、ナビゲーション連動モード時の動作ステップを示すフロー図である。
【図7】実施の形態1における、ナビゲーション連動モード時にモニタ104に表示されるナビゲーション画面の概略図である。
【図8】実施の形態2におけるナビゲーション装置のブロック図である。
【図9】実施の形態3における光ディスク120に記録された周辺情報テーブルの説明図である。
【符号の説明】
【0063】
101 位置情報検出部、102 CPU、103 画像表示部、104 モニタ、105 音声処理部、106 スピーカー、107 地図データベース、108 リモコン受光部、109 映像再生部、110 エリア判定部、111 周辺情報グラフィック生成部、112 ルート設定部、120 光ディスク、122 周辺情報テーブル、121 周辺情報映像、130 リモコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を記録する情報記録手段と、
ユーザの現在位置、及びユーザの指定する任意の位置のうちいずれか一方の基準位置を検出する検出手段と、
目的位置を設定する設定手段と、
前記地図情報、前記基準位置、及び前記目的位置に基づいて、前記基準位置から前記目的位置までの経路が示された地図を画面に表示する経路表示手段と、
前記目的位置の候補となる1または複数の候補位置を記録する光ディスクから、前記1または複数の候補位置を読み出す位置読み出し手段と、
前記基準位置から所定の範囲内に、前記1または複数の候補位置のうち少なくとも1つの候補位置があるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定に基づき、前記画面上に、前記1または複数の候補位置のうち少なくとも1つの候補位置があることを表示する情報表示手段と
を備えるナビゲーション装置。
【請求項2】
前記基準位置が変化したことを検出する変化検出手段
を備え、
前記判定手段は、前記変化した基準位置から所定の範囲内に、前記1または複数の候補位置のうち少なくとも1つの候補位置があるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記光ディスクは、1または複数の候補位置毎に映像情報を記録し、
前記前記所定の範囲内にある前記候補位置の映像情報のうち、前記情報表示手段の表示に基づいてユーザが表示を要求する映像情報を、前記光ディスクから読み出す映像読み出し手段と、
前記映像読み出し手段により読み出された映像情報を、前記画面上に表示する映像表示手段と
を備えた請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記表示した映像情報の候補位置を、前記目的位置として設定することを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記光ディスクは、前記候補位置毎のジャンルを記録し、
前記候補位置毎のジャンルを前記光ディスクから読み出すジャンル読み出し手段と、
前記所定の範囲内にある前記候補位置のジャンルのうち、前記情報表示手段の表示に基づいてユーザが表示を要求するジャンルを、リストとして表示するジャンルリスト表示手段と
を備える請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記光ディスクは、前記候補位置毎に名称情報を記録し、
前記光ディスクから前記名称情報を読み出す名称読み出し手段と、
前記所定の範囲内にある前記候補位置の名称情報のうち、前記情報表示手段の表示に基づいてユーザが表示を要求する名称情報を、前記基準位置から前記所定の範囲内にある前記候補位置までの距離が近い順に、リストとして表示する名称リスト表示手段と
を備える請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記候補位置は、施設の位置であり、
前記光ディスクは、前記施設の位置毎に名称情報を記録し、
前記光ディスクは、前記施設毎の営業時間を記録し、
前記光ディスクから前記名称情報を読み出す名称読み出し手段と、
前記光ディスクから前記施設毎の営業時間を読み出す時間読み出し手段と、
前記所定の範囲内にある施設の位置から、ユーザが前記営業時間内に到達が可能な施設があるか否かを判定する時間判定手段と、
前記時間判定手段の判定に基づき、前記画面上に、ユーザが前記営業時間内に到達が可能な施設の名称をリストとして表示する施設リスト表示手段と
を備える請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
地図情報を記録する情報記録手段と、
ユーザの現在位置、及びユーザの指定する任意の位置のうちいずれか一方の基準位置を検出する検出手段と、
目的位置を設定する設定手段と、
前記地図情報、前記基準位置、及び前記目的位置に基づいて、前記基準位置から前記目的位置までの経路が示された地図を、第一の画面、及び第二の画面に表示する経路表示手段と、
前記目的位置の候補となる1または複数の候補位置、及び前記候補位置毎の映像情報を記録する光ディスクから、前記1または複数の候補位置を読み出す位置読み出し手段と、
前記基準位置から所定の範囲内に、前記1または複数の候補位置のうち少なくとも1つの候補位置があるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定に基づき、前記第一の画面上、及び第二の画面上に、前記1または複数の候補位置のうち少なくとも1つの候補位置があることを表示する情報表示手段と
前記前記所定の範囲内にある前記候補位置の映像情報のうち、前記情報表示手段の表示に基づいてユーザが表示を要求する映像情報を、前記光ディスクから読み出す第一の読み出し手段と、
前記第一の読み出し手段で読み出す映像情報を、前記第一の読み出し手段で読み出すフレームレートよりも低いフレームレート、または静止画で読み出す第二の読み出し手段と、
前記第一の映像読み出し手段により読み出された映像情報を、前記第一の画面上に表示する第一の表示手段と
前記第二の映像読み出し手段により読み出された映像情報、または静止画を、前記第二の画面上に表示する第二の表示手段と
を備えるナビゲーション装置。
【請求項9】
ナビゲーション装置のユーザが設定する目的位置の候補となる1または複数の候補位置と、
前記1または複数の候補位置毎の映像情報と、
前記映像情報を再生するための映像情報毎の再生位置と、
前記1または複数の候補位置毎の名称情報と、
前記1または複数の候補位置毎のジャンルと
を記録する光ディスク。
【請求項10】
ナビゲーション装置のユーザが設定する目的位置の候補となる1または複数の候補位置と、
前記1または複数の候補位置毎の映像情報と、
前記映像情報を再生するための映像情報毎の第一の再生位置と、
前記第一の再生位置で再生するフレームレートよりも低いフレームレート、または静止画で前記映像情報を再生する第二の再生位置と、
前記1または複数の候補位置毎の名称情報と、
前記1または複数の候補位置毎のジャンルと
を記録する光ディスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−103504(P2009−103504A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273869(P2007−273869)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】