ナビゲーション装置およびナビゲーションシステム
【課題】印刷物の画像データから認識された探索情報の一部に誤りが生じた場合であっても、適切な目的地の設定を行なえるようする。
【解決手段】住所情報を格納する住所データベースを用いて出発地から目的地までの経路探索処理を行うナビゲーション装置において、画像情報を取得し、取得された画像情報から文字列を抽出すると共に、前記文字列から前記住所データベースを用いて目的地の住所を探索するため複数種の探索キーを抽出し、前記探索キーに対応する住所を目的地の候補住所として前記住所データベースにより探索する。前記候補住所が複数探索されたときに、当該複数の候補住所の比較結果に基づいて、目的地の候補住所を出力するために候補住所を選択する。
【解決手段】住所情報を格納する住所データベースを用いて出発地から目的地までの経路探索処理を行うナビゲーション装置において、画像情報を取得し、取得された画像情報から文字列を抽出すると共に、前記文字列から前記住所データベースを用いて目的地の住所を探索するため複数種の探索キーを抽出し、前記探索キーに対応する住所を目的地の候補住所として前記住所データベースにより探索する。前記候補住所が複数探索されたときに、当該複数の候補住所の比較結果に基づいて、目的地の候補住所を出力するために候補住所を選択する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、特に出発地点から目的地点までの経路探索を行なう経路探索機能を備えるナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置では、経路探索のために目的地点を設定するに際して、ユーザから目的地点の地点名が設定された場合、例えばCD−ROM(Compact Disk - Read Only Memory),DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory),HDD(Hard Disk Drive)等のデータ記録媒体に格納されている地点名データベースを利用して、その地点名に対応する地点の緯度データおよび経度データを検索し、目的地点の設定が行なわれている(例えば、特許文献1等参照)。
【0003】
このような目的地点の設定に際しては、従来から各種の方式が採用されており、例えばユーザが通常の住所表示と同じ方式で都道府県から順に入力することにより目的地点を設定する住所直接入力方式が用いられていた。
【0004】
また、ユーザが表示された地点名リストに基づいて順に地点名を選択し、最終的に目的地点を設定する住所リスト表示選択方式も用いられていた。
【0005】
さらに、ユーザがこの地図上で目的地点の存在する部分を指定して、目的地点の設定を行なう地図スクロール方式も用いられていた。
【0006】
さらにまた、レストランや量販店等の店舗施設,駅や市役所等の公共施設,交差点やインターチェンジ等の道路施設,ランドマーク的な建物や名所等の観光施設等を含む種々の施設名をユーザが入力することによりその施設等の存在する地点を目的地点として設定する施設名検索方式も用いられていた。
【0007】
加えて、近年では、DVD−ROM,HDD等の大容量のデータ記録媒体の普及により莫大なデータも記録することができるようになったため、全国の電話番号に対応した地点データを記憶させ、電話番号を入力することにより特定の家やビルを目的地点として設定する電話番号入力式も採用されるようにもなっている。
【0008】
さらに加えて、新聞,雑誌,パンフレット,ポスター等の印刷物で見つけた記事で紹介されている店舗施設,公共施設,道路施設,観光施設等を目的地点として設定する場合に、当該施設の施設名,郵便番号,住所,電話番号,地図等をカメラで撮影し、撮影された画像データまたはその画像認識結果データをナビゲーション装置に送信することによって、当該施設を目的地点として設定を行なう方式も考えられている(例えば、特許文献2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−255160号公報
【特許文献2】特開2006−64443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、新聞,雑誌,パンフレット,ポスター等の印刷物に掲載されている記事から目的地点となる施設の施設名,郵便番号,住所,電話番号,地図等(以下、「探索情報」という。)をユーザがカメラで撮影したときに、当該印刷物に光が反射して不要な光が写り込む場合や印刷物の形状によって撮影した画像が歪む場合がある。そしてその場合に、画像認識不良によって撮影した画像データ等から得られる住所情報によって目的地点を設定すると、誤った目的地点が設定されてしまうという問題があった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、印刷物の画像データから認識された探索情報の一部に誤りが生じた場合であっても、適切な目的地の設定を行なえるようにしたナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するために、第1発明のナビゲーション装置は、住所情報を格納する住所データベースを用いて出発地から目的地までの経路探索処理を行うナビゲーション装置において、目的地の候補住所を出力する出力手段と、画像情報を取得する画像情報取得手段と、前記画像取得情報手段により取得された画像情報から文字列を抽出する文字列抽出手段と、前記文字列抽出手段により抽出された文字列から前記住所データベースを用いて目的地の住所を探索するための複数種の探索キーを抽出する探索キー抽出手段と、前記探索キーに対応する住所を目的地の候補住所として前記住所データベースにより探索し、前記候補住所が複数探索されたときに、当該複数の候補住所の比較結果に基づいて前記出力手段に出力させる候補住所を選択する候補住所探索手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
第1発明によれば、複数種の目的地に関する探索キーから候補住所が複数探索されたときに、比較結果に基づいて前記出力手段に出力する候補住所を選択することができるので、前記出力手段に出力される候補住所の信頼性を高めることができる。
【0014】
第2発明のナビゲーション装置は、第1発明のナビゲーション装置において、前記探索キー抽出手段は、前記複数種の探索キーとして、郵便番号、住所、電話番号および施設名のうちの少なくとも2種の探索キーを抽出することを特徴とする。
【0015】
第2発明によれば、施設のガイドブック等に記載されるケースが多い、郵便番号、住所、電話番号および施設名のうちのある1つの探索キーから探索された候補住所と他の探索キーから探索された候補住所とを比較することができるので、目的地に関する適正な候補住所が選択される可能性を高めることができる。
【0016】
第3発明のナビゲーション装置は、第1発明のナビゲーション装置において、前記探索キー抽出手段は、前記探索キーとして少なくとも住所を抽出し、前記候補住所探索手段は、住所を探索キーとして候補住所を探索するとき、他種の探索キーに対応する住所の探索結果を用いて、前記探索キーとなる住所の補正を行うことを特徴とする。
【0017】
第3発明によれば、各探索キーによる探索によって得られた情報を有効活用して、他種の目的地に関する探索キーから探索された候補住所と比較することができるので、候補住所の選択における信頼性を向上させることができる。
【0018】
第4発明のナビゲーション装置は、第3発明のナビゲーション装置において、前記候補住所探索手段は、前記探索キーとなる住所の補正として、探索キーとなる住所が前記住所データベースに情報が存在しない不確定部分を有する場合であって、他種の探索キーにより探索された候補住所の該不確定部分に対応する部分の情報が前記住所データベースに存在しているときに、該不確定部分を該対応する部分に置き換える処理を行うことを特徴とする。
【0019】
第4発明によれば、探索キーとなる住所が前記住所データベースに情報が存在しない不確定部分を有する場合に、他種の探索キーによって探索された候補住所の情報で該不確定部分を補完することができるので、候補住所の選択における信頼性を向上させることができる。
【0020】
第5発明のナビゲーション装置は、第1〜第4発明のうちのいずれかのナビゲーション装置において、前記候補住所探索手段は、複数の前記候補住所の比較により重複する候補住所が抽出されたときに、該重複する候補住所を前記出力手段に出力させる候補住所として選択することを特徴とする。
【0021】
第5発明によれば、重複している候補住所は探索の信頼性が高いと想定される。そこで、前記候補住所探索手段により、重複する候補住所を前記出力手段に出力させる候補住所として選択することによって、前記出力手段に出力される候補住所の信頼性を高めることができる。
【0022】
第6発明のナビゲーション装置は、第1〜第5発明のうちのいずれかのナビゲーション装置において、さらに携帯端末機との送受信を行う通信手段を備え、前記画像情報取得手段は、前記携帯端末機に備えられたカメラ機能を用いて撮影された画像情報を、前記通信手段を介して取得することを特徴とする。
【0023】
第6発明によれば、ユーザが携帯する携帯端末機によって画像情報を取得することができるので、ナビゲーション装置が搭載された車両から遠く離れた場所においてもいつでも画像情報を取得することができる。
【0024】
次に、第7発明のナビゲーションシステムは、住所情報を格納する住所データベースを用いて出発地から目的地までの経路探索処理を行うナビゲーションシステムにおいて、目的地の候補住所を出力する出力手段と、画像情報を取得する画像情報取得手段と、前記画像取得情報手段により取得された画像情報から文字列を抽出する文字列抽出手段と、前記文字列抽出手段により抽出された文字列から前記住所データベースを用いて目的地の住所を探索するための複数種の探索キーを抽出する探索キー抽出手段と、前記探索キーに対応する住所を目的地の候補住所として前記住所データベースにより探索し、前記候補住所が複数探索されたときに、当該複数の候補住所を比較することにより前記出力手段に出力させる候補住所として選択する候補住所探索手段とを備えたことを特徴とする。
【0025】
第7発明によれば、例えば、ナビゲーションシステムがナビゲーション装置と携帯端末機から構成され、携帯端末機が前記画像情報取得手段と前記文字抽出手段を備えているときには、携帯端末機側で目的地の情報を含む画像の取得から文字抽出までの処理を行うことができる。そのため、ナビゲーション装置側には、前記画像情報取得手段と前記文字抽出手段を備える必要がない。
【0026】
このように、携帯端末機が備えた機能を活用してナビゲーションシステムを構成することにより、ナビゲーション装置の機能を簡素化して、ナビゲーション装置の小型化やコストダウンを図ることができる。そして、その上で、上記第1発明と同様に、複数種の目的地に関する探索キーから候補住所が複数探索されたときに、比較結果に基づいて前記出力手段に出力する候補住所を選択することにより、出力手段に出力される候補住所の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明のナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図2】目的地の情報の撮影例を示した説明図。
【図3】本発明のナビゲーション装置の全体的な動作を示すフローチャート。
【図4】住所等の探索情報を誤認識した例を示した説明図。
【図5】本発明のナビゲーション装置における探索キー抽出の動作を示すフローチャート。
【図6】探索キーを抽出した例を示した説明図。
【図7】本発明のナビゲーション装置における候補住所探索の動作を示すフローチャート。
【図8】本発明のナビゲーション装置における施設名に対する候補住所探索の動作を示すフローチャート。
【図9】候補住所を探索した例を示す図。
【図10】本発明のナビゲーション装置にかかる郵便番号に対する候補住所探索の動作を示すフローチャート。
【図11】本発明のナビゲーション装置における住所に対する候補住所探索の動作を示すフローチャート。
【図12】本発明のナビゲーション装置における電話番号に対する候補住所探索の動作を示すフローチャート。
【図13】本発明のナビゲーション装置における有力候補住所探索の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明のナビゲーション装置およびナビゲーションシステムの実施形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0029】
先ず、ナビゲーション装置の構成について説明する。図1に示したナビゲーション装置1は、ナビゲーション動作を制御する機能を有する制御回路2に、位置検出器3と、地図データ入力器4と、操作スイッチ5と、外部記憶装置6と、表示装置7と、リモートコントロール端末(以下、リモコン端末と略称する)81からの信号を検出するリモートコントロールセンサ(以下、リモコンセンサと略称する)8と、携帯電話機91(本発明の携帯端末機に相当する)と通信する通信ユニット(本発明の通信手段に相当する)9と、携帯電話機91との間で外部ネットワーク101を経由して電子メールを送受信したり、インターネットに接続したり、専用の情報センタに接続したりする送受信装置10とが接続されて構成されている。
【0030】
ナビゲーション装置1は、リモコン端末81によりリモコンセンサ8を経由して、あるいは操作スイッチ7により目的地点を設定すると、出発地点からその目的地点までの最適な経路を探索して案内経路を表示する、いわゆる経路案内機能を備えている。
【0031】
このような最適な経路を探索する手法としては、ダイクストラ法等が知られている。
【0032】
位置検出器3は、絶対方位を検出するための地磁気センサ31と、ヨー角速度(ヨーレート)を検出するためのジャイロスコープ32と、車両の走行距離を検出するための距離センサ33と、GPS(Global Positioning System)用人工衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS受信機34とから構成されており、ナビゲーション装置1が搭載されている車両の現在地点を算出する部分である。
【0033】
位置検出器3は、これらのセンサ等31,32,33,34の各々が性質の異なる誤差を持っているため、互いに検出誤差を補間しながら精度の高い位置検出を行なうようになっている。
【0034】
ただし、要求される検出精度で現在地点を算出可能であれば前述したうちの一部のセンサで構成してもよい。また、図示しない、ステアリングホイールの回転センサや各タイヤの回転を検出する車輪速度センサなどを組み合わせて位置検出器3を構成してもよい。
【0035】
地図データ入力器4は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ,道路の接続を表した道路データ,目印データ等を含む各種データをデータ記録媒体41から入力するための装置である。
【0036】
操作スイッチ5は、表示装置7の周辺に配置されたメカニカルスイッチや表示装置7のカラー液晶ディスプレイ上に形成されたタッチスイッチなどからなり、各種のデータや設定事項などの操作入力を制御回路2に与えるために設けられている。
【0037】
タッチスイッチは、抵抗膜方式,静電容量方式,電磁誘導方式,超音波表面弾性波方式等のものを使用することができる。また、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。
【0038】
これら操作スイッチ5およびリモコン端末81によって、種々の指示を入力することが可能である。
【0039】
制御回路2は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU(Central Processing Unit)21,ROM(Read Only Memory)22,RAM(Random Access Memory)23,I/O(Input/Output)24およびこれらの構成を接続するバスライン25が備えられている。
【0040】
CPU21は、ROM22およびRAM23に記憶されたプログラムを実行し、またデータを用いることによって、後述する制御回路2の種々の機能を実現する。
【0041】
ROM22は、プログラム格納領域22aとデータ記憶領域22bとを有している。プログラム格納領域22aには、ナビゲーションプログラム22cが格納される。データ記憶領域22bには、ナビゲーションプログラム22cの動作に必要なプログラム実行時の処理データや地図データ入力器4から取得した道路データなどが一時的に格納される。
【0042】
また、ナビゲーションプログラム22cは、RAM23上にてナビゲーションプログラム用ワークメモリ23aを作業領域とする形で作動する。
【0043】
なお、地図データ入力器4にHDDを用いる場合は、ROM22およびRAM23の機能をHDDによって実施してもよい。
【0044】
制御回路2は、現在地点を地図上に位置付けるマップマッチング処理を実行するという基本的な機能を有する。
【0045】
その他に、制御回路2は、操作スイッチ5やリモコン端末81を通じて目的地点や経由地点などの地点データが入力されたときに、その地点データに基づいて現在地点から目的地点までの経路探索処理を、例えばダイクストラ法を用いて行ない、その経路探索結果に基づいて設定された案内経路を地図画面上に表示するという経路計算機能(いわゆる経路探索機能も含む)や、この機能により得られた案内経路に基づいて音声や表示などにより種々のガイドを行なう経路案内機能などの、周知の支援機能を備えている。
【0046】
制御回路2には、この他にも、周知の電話番号検索機能,郵便番号検索機能,固有コードを利用した検索機能,50音検索機能,ジャンル別検索機能,最寄り道路検索機能,目的地点登録機能,観光エリアや推奨ドライブコースなどを表示するための情報表示機能,地点登録機能などの、多種多様な支援機能が設定されている。
【0047】
加えて、制御回路2は、画像データを受信したときに、同画像データ中の、施設名,郵便番号,住所,電話番号等の文字を画像認識する機能も備えている。
【0048】
外部記憶装置6は、フラッシュメモリカードなどの不揮発性メモリにより構成されたもので、ナビゲーション装置1の動作に必要なプログラムおよびデータが記憶されている。なお、外部記憶装置6は、車両のアクセサリスイッチがオフ状態(すなわち、ナビゲーション装置1がオフ状態)になっても、記憶内容が保持されるようになっている。
【0049】
表示装置7(本発明の出力手段に相当する。)は、例えばカラー液晶ディスプレイを含んで構成されており、地図画面を表示するために車両の運転席近傍に設置される。
【0050】
表示装置7の画面には、位置検出器3から入力された車両現在地点マークと、地図データ入力器4から入力された地図データと、さらに地図上に表示する案内経路等の付加データとを重ね合わせて表示するとともに、本画面に経路案内の設定および経路案内中の案内や画面の切り換え操作を行なうためのメニューアイコンが表示される。
【0051】
リモコンセンサ8およびリモコン端末81は、赤外線等を用いて通信を行ない、ナビゲーション装置1の操作を行なう。リモコンセンサ8は、操作入力手段として設けられたもので、リモコン端末81からの操作入力を受信して制御回路2に与えるようになっている。
【0052】
通信ユニット9は、携帯電話機91との間で、有線通信,赤外線通信,ブルーツゥース(Bluetooth SLGの登録商標),無線LAN等の近距離無線通信または電子メール等を使用してデータ通信や音声通信を行なうための装置であり、携帯電話機91から受け取った画像データまたはその画像認識結果データを制御回路2に渡す。
【0053】
携帯電話機91は、カメラ91aを搭載している移動体通信機器であり、通信ユニット9を経由してカメラ91aで印刷物92を撮影した画像情報92a’をナビゲーション装置1に送信する。
【0054】
また、携帯電話機91は、画像情報またはその画像認識結果データを電子メールに添付して外部ネットワーク101および送受信装置10を経由してナビゲーション装置1に送信することができる。また、携帯電話機91は、赤外線通信機能や近距離無線通信機能を有していてもよい。
【0055】
送受信装置10は、携帯電話機91との間で音声通信や、電子メールの送受信等のデータ通信を行なう装置である。
【0056】
データ記録媒体41としては、そのデータ量からCD−ROM,DVD−ROM,HDDを用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他のデータ記録媒体を用いてもよい。
【0057】
この場合、データ記録媒体41には、地図表示のための地図データと、マップマッチング,経路探索,経路案内などの種々の処理に必要な道路データと、交差点の詳細データからなる交差点データと、背景レイヤのための背景データと、地点名などを表示するための地点名データと、道路名を例えば50音順に並べた道路名データと、道路のレーン構成を記憶するレーンデータと、多様な検索データ(例えば、施設名データ,郵便番号データ,住所データ,電話番号データ等を一体に関連付けたデータ)などが記憶されている。特に、道路データは、表示可能な地図についての全部の交差点(ノード)および道路(リンク)についてのデータ(ノード位置,ノード属性など)を網羅した状態となっている。
【0058】
図2は、カメラ91aを搭載する携帯電話機91を用いて、印刷物92に掲載された目的地情報92aをユーザが撮影し、画像情報92a’として取り込む状態を示している。目的地情報として掲載される項目としては、施設名,郵便番号,住所,電話番号,地図,施設の写真などがある。
【0059】
なお、本実施例では、印刷物92は冊子であるため、カメラ91aの撮影対象となる部分全域を平面に且つ当該カメラ91aと垂直の関係に保つことが困難となり、取得する画像情報が不鮮明となる場合がある。その他にも、印刷物92の印刷面に特殊加工等が施されている場合においても、室内灯等からの光が印刷物92の印刷面に反射し、取得する画像情報が不適切となる場合がある。
【0060】
図3は、本実施例におけるナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、携帯電話機91からナビゲーション装置1に画像データが送信されてきた場合の動作を示す。
【0061】
具体的には、制御回路2のCPU21によりナビゲーションプログラム22cが起動され、ユーザが操作スイッチ5あるいはリモコン端末81を操作した後に、携帯電話機91に搭載されたカメラ91aで、新聞,雑誌,パンフレット,ポスター等の印刷物92に掲載された所望の目的地情報92aを撮影した画像情報92a’をナビゲーション装置1に送信する。
【0062】
携帯電話機91が赤外線通信機能やブルーツゥース(Bluetooth SLGの登録商標),無線LAN等の近距離無線通信機能を有する場合には、ユーザは、画像データを携帯電話機91から通信ユニット9を経由してナビゲーション装置1に送信する。
【0063】
また、携帯電話機91が赤外線通信機能や近距離無線通信機能を有しているか有していないかにかかわらず、画像データを電子メールに添付して外部ネットワーク101および送受信装置10を経由してナビゲーション装置1に送信することができる。
【0064】
なお、携帯電話機91と通信ユニット9とをケーブルで接続し、有線通信により画像データをナビゲーション装置1に送信してもよい。
【0065】
制御回路2は、携帯電話機91から画像情報92a’を受信すると(図3/S002(本発明の画像情報取得手段に相当する。))、画像データから文字列の抽出を行なう(図3/S004(本発明の文字列抽出手段に相当する。))。
【0066】
具体的には、制御回路2は、文字データの領域を切り出し、切り出した文字データの領域の画像データから文字を画像認識する。つまり、制御回路2は、文字データの領域の文字を周知のOCR技術によりテキストデータ化する。
【0067】
画像データをテキストデータに変換する処理が完了すると、制御回路2は、得られたテキストデータ中に含まれる施設名,郵便番号,住所,電話番号等の文字列を抽出する(図3/S006(本発明の探索キー抽出手段に相当する。))。
【0068】
ここで、取得した画像情報92a’が文字列を抽出するのに不適切な場合には、周知の文字認識エンジンにより確からしい順にスコア付きで文字の認識結果を返すこととなり、図4に示すように、いくつかの候補が確からしい順にリスト化されることとなる。
【0069】
なお、本実施例においては、説明の便宜のため、第1候補から第4候補のみを抽出結果として出力しているが、確からしい順にリスト化されたものをすべて抽出結果として出力してもよい。
【0070】
図4に示すように、第1候補では、印刷物92に掲載された実際の目的地情報92aと比較して分かるように、施設名である「○○レストラン △△△店」(以下、(a−1)という。)と、郵便番号である「〒XXX−XXXX」(以下、(b−1)という。)と、電話番号である「TEL:(0XX)XXX−XXXX」(以下、(d−1)という。)については、適切な文字列が抽出されているが、住所である「山◆県 谷◇市 川◆町 A丁目B番C号」(以下、(c−1)という。)については、一部が誤認識され不適切な文字列が抽出されている。
【0071】
次に、第2候補では、目的地情報92aと比較すると、施設名である「○○レストラン △△△店」(以下、(a−2)という。)と、郵便番号である「〒XXX−XXXX」(以下、(b−2)という。)と、電話番号である「TEL:(0XX)XXX−XXXX」(以下、(d−2)という。)については、適切な文字列が抽出されているが、住所である「山◆県 谷●市 川◆町 A丁目B番C号」(以下、(c−2)という。)については、一部が誤認識され、不適切な文字列が抽出されている。
【0072】
更に、第3候補では、目的地情報92aと比較すると、郵便番号である「〒XXX−XXXX」(以下、(b−3)という。)については、適切な文字列が抽出されているが、施設名である「○○レストラン △■△店」(以下、(a−3)という。)と、住所である「山◆県 谷◇市 川◆町 A丁目B番C号」(以下、(c−3)という。)と、電話番号である「TEL:(0XX)XXX−XXXX」(以下、(d−3)という。)については、一部が誤認識され、不適切な文字列が抽出されている。
【0073】
最後に、第4候補では、目的地情報92aと比較すると、郵便番号である「〒XXX−XXXX」(以下、(b−4)という。)については、適切な文字列が抽出されているが、施設名である「○○レストラン △■△店」(以下、(a−4)という。)と、住所である「山◆県 谷●市 川◆町 A丁目B番C号」(以下、(c−4)という。)と、電話番号である「TEL:(0XY)XXX−XXXX」(以下、(d−4)という。)については、一部が誤認識され、不適切な文字列が抽出されている。
【0074】
次に、制御回路2が、文字列に含まれる施設名,郵便番号,住所,電話番号の文字列(以下、「探索情報」という。)を認識して、「探索キー」として抽出する処理について説明する(図3/S006および図5)。
【0075】
ここで、「探索情報」は、目的地の住所と関連した情報を含むと推認された文字列情報であり、「探索キー」は、前記探索情報から不要な文字を削除して施設名等を探索する際に必要且つ適切な形式とした文字列情報である。具体的には、図4においてリスト化された各候補のそれぞれの文字列が「探索情報」であり、後述する図6(a)においてリスト化された各候補のそれぞれの文字列が「探索キー」である。
【0076】
制御回路2は、先ず、図5に示すフローチャートにおいて、カウント値(i)を1にセットする(図5/S102)。
【0077】
次に、カウント値(i)と候補の数を比較する(図5/S104)。本実施例では、文字列抽出の結果4つの候補が挙がっているため、今回のループにおいてはS104の条件を満たすこととなる(図5/S104・・YES)。
【0078】
S106では、制御回路2が施設名についての「探索情報」を認識し、「探索情報」から「探索キー」を抽出する。
【0079】
ここで、記録媒体41には施設名の店舗施設名(レストラン名,量販店名等を含む),公共施設名(駅名,市役所名等を含む),道路施設名(道路名,交差点名等を含む),観光施設名(建物名,テーマパーク名等を含む)等の種々の地点名データが記録されている。そして、制御回路2がこれらの施設名を表すと推認される文字列を抽出し、抽出された文字列を探索情報として認識する(図5/S106)。
【0080】
本実施例では、認識された探索情報の一部にスペース(空白)が含まれるため、制御回路2によりスペースが取り除かれて、探索キー「○○レストラン△△△店」(以下、(a−1)’という。)が抽出される(図6(a)参照。)。
【0081】
S108では、制御回路2が郵便番号についての「探索情報」を認識し、「探索情報」から「探索キー」を抽出する。
【0082】
郵便番号については、「郵便番号」という文字から始まって、3桁の数字,ハイフン,4桁の数字の順に並んでいる文字列の場合、「郵便マーク(〒)」から始まって、3桁の数字,ハイフン,4桁の数字の順に並んでいる文字列の場合、または、3桁の数字,ハイフン,4桁の数字の順に並んでいる文字列の場合、のいずれかに当てはまる場合の文字列を検索し、該当する文字列が得られた場合にこれを郵便番号であると判断し、判断された文字列を探索情報として認識する(図5/S108)。
【0083】
本実施例では、認識された探索情報の一部に「郵便マーク(〒)」および「ハイフン(−)」が含まれるため、制御回路2により「郵便マーク(〒)」および「ハイフン(−)」が取り除かれて、探索キー「XXXXXXX」(以下、(b−1)’という。)が抽出される(図6(a)参照。)。
【0084】
なお、郵便番号の体系が変更された場合には、許容される郵便番号の桁数に一致する数字列を抽出することにより、同様の郵便番号の抽出処理を行なうことができる。
【0085】
S110では、制御回路2が住所についての「探索情報」を認識し、「探索情報」から「探索キー」を抽出する。
【0086】
住所については、都道府県名,市区町村名,丁目,番地等を表すと推認される文字列を抽出し、抽出された文字列を探索情報として認識する(図5/S110)。丁目,番地,区分については、「○丁目○番○号」という表記と「○−○−○」という表記の2パターンが考えられるが、いずれの場合にも対応できるものとする。
【0087】
本実施例では、認識された探索情報の一部に「丁目」,「番」および「号」が含まれるため、制御回路2により「丁目」,「番」および「号」が「ハイフン(−)」に置き換えられて、探索キー「山◆県 谷◇市 川◆町 A−B−C」(以下、(c−1)’という。)が抽出される(図6(a)参照。)。
【0088】
S112では、制御回路2が電話番号についての「探索情報」を認識し、「探索情報」から「探索キー」を抽出する。
【0089】
電話番号については、文字データ中において数字,ハイフン,カッコ等の文字が連続している文字列を検索し、該当する文字列を電話番号であると判断し、判断された文字列を探索情報として認識する(図5/S112)。
【0090】
本実施例では、認識された探索情報の一部に「TEL:」および「カッコ」が含まれるため、制御回路2により「TEL:」および「カッコ」が取り除かれると共に必要な箇所に「ハイフン(−)」が追加されて、探索キー「0XX−XXX−XXXX」(以下、(d−1)’という。)が抽出される(図6(a)参照)。
【0091】
なお、電話番号の体系が変更された場合には、許容される電話番号の桁数に一致する数字列を抽出することにより、同様の電話番号検索を行なうことができることは、上述した郵便番号の場合と同じである。
【0092】
S106,S108,S110およびS112において、抽出された探索キーは、ワークメモリ23aに記憶され1つの候補から探索キーを抽出する処理が終了する。なお、施設名,郵便番号,住所,電話番号のうち、探索キーとして抽出できなかった場合には、そのまま空白としてワークメモリ23aに記憶される。
【0093】
そして、次の候補に対する探索キーを抽出するために、カウント値(i)に1が加算される(図5/S116)。
【0094】
第2候補から第4候補についても、S104,S106,S108,S110およびS112において、同様の処理が行われる。以下、第2候補の施設名の探索キーを(a−2)’、第2候補の郵便番号の探索キーを(b−2)’、第2候補の住所の探索キーを(c−2)’、第2候補の電話番号の探索キーを(d−2)’、第3候補の施設名の探索キーを(a−3)’、第3候補の郵便番号の探索キーを(b−3)’、第3候補の住所の探索キーを(c−3)’、第3候補の電話番号の探索キーを(d−3)’、第4候補の施設名の探索キーを(a−4)’、第4候補の郵便番号の探索キーを(b−4)’、第4候補の住所の探索キーを(c−4)’、第4候補の電話番号の探索キーを(d−4)’という。また、1つの候補の処理が終了する毎に、カウント値(i)に1が加算される(図5/S116)。
【0095】
第4候補についての探索キーが抽出されて記憶されたときに、S116でカウント値(i)が5となり、S104において「NO」と判断されて、S118に分岐する。
【0096】
S118では、抽出された探索キーをそれぞれ比較し、重複するものを1つの探索キーに集約する処理が行われる。
【0097】
具体的には、施設名については、ワークメモリ23aに記憶された探索キー(a−1)’,(a−2)’,(a−3)’及び(a−4)’を、制御回路2がそれぞれ互いに比較して重複するか否かを判断する。判断の結果、(a−1)’および(a−2)’が「○○レストラン△△△店」で重複すると共に、(a−3)’および(a−4)’が「○○レストラン△■△店」で重複するため、(a−2)’および(a−4)’がワークメモリ23aからそれぞれ削除されて、(a−1)’および(a−3)’のみが残る(図6(b)参照)。
【0098】
このとき、ワークメモリ23aに残された探索キーには、探索キーの重複率の情報が付加される。具体的には、施設名について4つの探索キーが存在しており、そのうち(a−1)’および(a−2)’の計2つが「○○レストラン△△△店」で重複していたため、重複率(抽出された探索キーの個数に対する、重複した探索キーの個数の割合)が「50%」として算出される。
【0099】
また、上記処理において削除されなかった(a−1)’に対し「重複率50%」との付加情報がワークメモリ23aに記憶される。同様に、(a−3)’および(a−4)’の計2つが「○○レストラン△■△店」で重複していたため、重複率が「50%」として算出される。この場合、上記処理において削除されなかった(a−3)’に対し、「重複率50%」との付加情報がワークメモリ23aに記憶される(図6(b)参照)。
【0100】
次に、郵便番号については、ワークメモリ23aに記憶された探索キー((b−1)’,(b−2)’,(b−3)’および(b−4)’)を、制御回路2がそれぞれ互いに比較して重複の有無を判断する。ここでは、(b−1)’,(b−2)’,(b−3)’および(b−4)’のいずれも「XXXXXXX」で重複するため、(b−2)’,(b−3)’および(b−4)’がワークメモリ23aから削除されて、(b−1)’のみが残る(図6(b)参照)。
【0101】
そして、上記施設名の場合と同様に、ワークメモリ23aに残された探索キーには、重複率の情報が付加される。具体的には、郵便番号について4つの探索キーが存在しており、そのうち(b−1)’,(b−2)’,(b−3)’および(b−4)’の計4つがいずれも「XXXXXXX」で重複していたため、重複率が「100%」として算出され、上記処理において削除されなかった(b−1)’に対し「重複率100%」の付加情報がワークメモリ23aに記憶される図6(b)参照)。
【0102】
また、住所については、ワークメモリ23aに記憶された探索キー(c−1)’,(c−2)’,(c−3)’および(c−4)’)を、制御回路2がそれぞれ互いに比較して重複の有無を判断する。ここでは、(c−1)’および(c−3)’が「山◆県 谷◇市 川◆町 A−B−C」で重複すると共に、(c−2)’および(c−4)’が「山◆県 谷●市 川◆町 A−B−C」で重複している。するため、(c−3)’および(c−4)’がワークメモリ23aからそれぞれ削除されて、(c−1)’および(c−2)’のみが残る(図6(b)参照)。
【0103】
このとき、ワークメモリ23aに残された探索キーには、重複率の情報が付加される。具体的には、住所について4つの探索キーが存在しており、そのうち(c−1)’および(c−3)’の計2つが「山◆県 谷◇市 川◆町 A−B−C」で重複していたため、重複率が「50%」として算出され、上記処理において削除されなかった(c−1)’に対し「重複率50%」の付加情報がワークメモリ23aに記憶される。
【0104】
同様に、(c−2)’および(c−4)’の計2つが「山◆県 谷●市 川◆町 A−B−C」で重複していたため、重複率が「50%」として算出され、上記処理において削除されなかった(c−2)’に対し「重複率50%」との付加情報がワークメモリ23aに記憶される(図6(b)参照)。
【0105】
最後に、電話番号については、ワークメモリ23aに記憶された探索キー((d−1)’,(d−2)’,(d−3)’および(d−4)’)を、制御回路2がそれぞれ互いに比較して重複の有無を判断する。ここでは、(d−1)’,(d−2)’および(d−3)’が「0XX−XXX−XXXX」で重複するため、(d−2)’および(d−3)’がワークメモリ23aからそれぞれ削除されて、(d−1)’および(d−4)’のみが残る(図6(b)参照)。
【0106】
このとき、ワークメモリ23aに残された探索キーには、重複率の情報が付加される。具体的には、電話番号について4つの探索キーが存在しており、そのうち(d−1)’,(d−2)’および(d−3)’の計3つが「0XX−XXX−XXXX」で重複していたため、重複率が「75%」として算出され、上記処理において削除されなかった(d−1)’に対し「重複率75%」の付加情報がワークメモリ23aに記憶される(図6(b)参照)。
【0107】
なお、上記処理において重複する探索キーが無かった場合には、その探索キーに対して重複する探索キーが無かったことを示す情報が付加される。具体的には、(d−4)’について「重複率0%」の付加情報がワークメモリ23aに記憶される。(図6(b)参照)。
【0108】
次に、制御回路2は種類毎の探索キーの個数を記憶する(図5/S120)。ここでは、施設名については(a−1)’及び(a−3)’という2個の探索キー、郵便番号については(b−1)’という1個の探索キー、住所については(c−1)’および(c−2)’という2個の探索キー、電話番号については(d−1)’および(d−4)’という2個の探索キーが抽出されてワークメモリ23aに記憶されている。
【0109】
そのため、施設名の探索キーの個数についてk=2,郵便番号の探索キーの個数についてm=1,住所の探索キーの個数についてp=2および電話番号の探索キーの個数についてq=2が記憶される(図6(c)参照)。
【0110】
次に、探索キーに基づいて候補住所の探索の処理が行われる(図3/S008および図7)。なお、S008の処理を実行する構成は、本発明の候補住所探索手段に相当する。
【0111】
候補住所の探索の処理を説明すると、施設名の探索キーに基づく候補住所の探索(施設名探索,図7/S202)、郵便番号の探索キーに基づく候補住所の探索(郵便番号探索,図7/S204)、住所の探索キーに基づく候補住所の探索(住所探索,図7/S206)、電話番号の探索キーに基づく候補住所の探索(電話番号探索,図7/S208)、上記探索結果から有力な候補住所を決定する処理が行われる(図7/S210)。
【0112】
次に、S202の施設名探索の処理を図8に示したフローチャートを用いて以下に説明する。
【0113】
制御回路2は、先ず、カウント値(i)を初期値1にセットする(図8/S302)。次に、カウント値(i)が施設名の探索キーの個数(k)以下であるか否かを比較する(図8/S304)。本実施例では、施設名の探索キーが2個あるため、今回のループにおいてはS304の条件を満たすこととなる(図8/S304…YES)。
【0114】
ここで、制御回路2は、先ず、施設名の探索キーに対応する候補住所を、住所データベースから探索する(図8/S306)。
【0115】
なお、住所データベースは、目的地を探索するために用いられる施設名,郵便番号,住所,電話番号等の情報を、各目的地毎に関連付けて記憶したものであり、データ記録媒体41に記憶されている。そして、制御回路2は、探索キーに応じた候補住所を探索するときには、住所データベースのデータをデータ記録媒体41から読み出してワークメモリ23aにロードする。これにより、制御回路2は、ワークメモリ23aにアクセスして住所データベースから探索キーに応じた候補住所を探索する。
【0116】
本実施例では、(a−1)’の施設名に対応する候補住所が「山◇県 谷◇市 川◇町 A−B−C」(以下、(a−1)”という。(図9(a)参照。))として住所データベースにに存在していたため(図8/S306…YES)、候補住所(a−1)”をワークメモリ23aに記憶しておく(図8/S308)。
【0117】
次に、制御回路2は、探索キー(a−1)’の付加情報として記憶されている重複率が60%以上であるか否かを判断する(図8/S310)。重複率が60%以上であれば(図8/S310…YES)、重複フラグを1に設定し(図8/S312)、重複率が60%未満であれば(図8/S310…NO)、重複フラグを0に設定する(図8/S314)。本実施例では、重複率が50%であるため、重複フラグ(a−1)’が0に設定される。
【0118】
また、重複フラグの判断において重複率60%を閾値としているが、これに限られるものではなく、例えば、文字認識の状況に応じて重複率の閾値を変更するようにしてもよい。後述する他の種類の探索キーについても同様である。さらに、文字を誤認識する確率が、例えば、施設名,郵便番号,住所,電話番号等毎に異なると想定されるときには、探索キーの種類毎に異なる重複率の閾値を設定してもよい。
【0119】
一方、施設名の探索キーに対応する候補住所が住所データベースに存在しなかった場合には(図8/S306…NO)、制御回路2は、候補住所が無いことを示すデータをワークメモリ23aに記憶する(図8/S316)。
【0120】
次に、施設名の探索キーの個数(k)が1であるかを判断する(図8/S318)。そして、施設名の探索キーの個数が1の場合には、施設名について他の候補住所と比較することができないため、記憶された候補住所を施設名についての最終候補として処理を終了する(図8/S318…YES)。
【0121】
しかし、本実施例では探索キーの個数(k)が2であるため「NO」と判断する(図8/S318…NO)。
【0122】
次に、制御回路2は、施設名の全ての探索キーについて、対応する候補住所の探索が行われたか否かを判断する(図8/S320)。今回のループにおいてはS320の条件を満たさないため(図8/S320…NO)、カウント値(i)に1が加算される(図8/S322)。
【0123】
二つめの施設名の探索キー(a−3)’については、都道府県,市区町村等が、一つめの施設名の探索キー(a−1)’とは全く異なる候補場所「大◆府 中◆市 小◆町 F−G−H」(以下、(a−3)”という。(図9(a)参照。))が住所データベースに存在していたため(図8/S306…YES)、(a−3)”をワークメモリ23aに記憶する(図8/S308)。
【0124】
次に、探索キー(a−3)’の付加情報として記憶されている重複率が60%以上であるか否かを、上記同様に判断する(図8/S310)。本実施例では、重複率が50%であるため、重複フラグ(a−3)’を0に設定する(図8/S310…NO、S314)。
【0125】
施設名の全ての探索キーについて、対応する候補住所の探索が行われると、S320の条件が満たされ(図8/S320…YES)、探索された候補住所(a−1)”及び(a−3)”を互いに比較して、完全に重複する候補住所があれば(図8/S318…YES)、重複する候補住所のうち1つを残し、その他を削除する処理を行って処理を終了する(図8/S326)。
【0126】
本実施例では、候補住所(a−1)”及び(a−3)”が重複していないため(図8/S324…NO)、各候補住所は削除されずに終了することとなる。
【0127】
なお、目的地情報92aに施設名が掲載されていない場合や、目的地情報92aに施設名が掲載されているが施設名として適切に認識されなかった場合には、探索キーの個数(k)が0となるため(図8/S304・・NO)、施設名については候補住所が無いことを示す情報がワークメモリ23aに記憶されて処理が終了する(図8/S328)。
【0128】
次に、図7のS204の郵便番号探索の処理を図10に示したフローチャートを用いて以下に説明する。
【0129】
制御回路2は、先ず、カウント値(i)を1にセットする(図10/S402)。次に、カウント値(i)が郵便番号の探索キーの個数(m)以下であるか否かを判断する(図10/S404)。本実施例では、郵便番号の探索キーが1個であるため、S404の条件を満たすこととなる(図10/S404…YES)。
【0130】
そして、制御回路2は、郵便番号の探索キー(b−1)’に対応する候補住所を、住所データベースから探索する(図10/S406)。
【0131】
本実施例では、(b−1)’に対応する候補住所が「山◇県 谷◇市 川◇町」(以下、(b−1)”という。(図9(a)参照。))として住所データベースに存在していたため(図10/S406…YES)、制御回路2は(b−1)”をワークメモリ23aに記憶する(図10/S408)。
【0132】
一方、対応する候補住所が住所データベースに存在していなかった場合には(図10/S406…NO)、類似する郵便番号の探索キーに対応する候補住所の存否について判断する(図10/S410)。そして、対応する候補住所が住所データベースに存在する場合(図10/S410…YES)は、その候補住所をワークメモリ23aに記録する(図10/S408)。また、対応する候補住所が存在しない場合(図10/S410・・NO)には、候補住所が無いことを示すデータをワークメモリ23aに記録する(図10/S412)。
【0133】
次に、制御回路2は、探索キー(b−1)’の付加情報として記憶されていた重複率が60%以上であるか否かを判断する(図10/S414)。重複率が60%以上であれば(図10/S414…YES)、候補住所(b−1)”の重複フラグを1に設定し(図10/S416)、重複率が60%未満であれば(図10/S414…NO)、重複フラグを0に設定する(図10/S418)。本実施例では、探索キー(b−1)’の重複率が100%であるため、対応する候補住所(b−1)”の重複フラグが1に設定される。
【0134】
次に、郵便番号の探索キーの個数(m)が1であるかを判断する(図10/S420)。探索キーの個数が1の場合には、郵便番号について他の候補住所と比較することができないため、記憶された候補住所を郵便番号についての最終候補として処理を終了する(図10/S420…YES)。本実施例では、探索キーの個数(m)が1であるため「YES」と判断される。
【0135】
一方で、S420において「NO」と判断されると、S422において郵便番号の全ての探索キーについて、対応する候補住所の探索が行われたか否かが判断される(図10/S422)。そして、この条件を満たさない場合にはS424に進んで、他の候補について探索を行い、条件を満たす場合にはS426およびS428に進んで、上記S324及びS326と同様の処理を行う。
【0136】
なお、目的地情報92aに郵便番号が掲載されていない場合や、目的地情報92aに郵便番号が掲載されているが郵便番号として認識されなかった場合には、郵便番号の探索キーの個数(m)が0となるため(図10/S404…NO)、郵便番号については候補住所が無いことを示す情報がワークメモリ23aに記憶されて処理が終了する(図10/S430)。
【0137】
次に、図7のS206の住所探索の処理を図11に示されるフローチャートを用いて以下に説明する。
【0138】
制御回路は、先ず、カウント値(i)を1にセットする(図11/S502)。次に、カウント(i)が住所の探索キーの個数(p)以下であるか否かを判断する(図11/S504)。本実施例では、住所の探索キーが3個あるので、最初のループではS504の条件を満たすこととなる(図11/S504…YES)。
【0139】
ここで、制御回路2は、住所の探索キーに含まれる都道府県名,市区町村名,丁目,番地,区分の順に絞込んで住所探索を行う。
【0140】
制御回路2は、先ず、住所の探索キーに含まれる都道府県名が住所データベースの「都道府県」のデータに存在する場合(図11/S506…YES)は、S510の処理に進む。次に、この探索キーに含まれる市区町村名が住所データベースの前記「都道府県」内の「市区町村」のデータに存在する場合(図11/S510…YES)、S514の処理へ進む。続いて、この探索キーに含まれる丁目が住所データベースの前記「市区町村」内の「丁目」のデータに存在する場合(図11/S514…YES)、S518の処理へ進む。最後に、この探索キーに含まれる番地が住所データベースの「丁目」内の「番地」のデータに存在する場合(図11/S518…YES)、S522の処理へ進み、その候補住所をワークメモリ23aに記憶する。
【0141】
本実施例では、(c−1)’に含まれる「都道府県名」が「山◆県」であって、住所データベースに記憶されている「都道府県」内のデータに存在しない(図11/S506…NO)。そして、この場合には、S508において、他種の探索キーによる候補住所の探索結果を用いて類似する都道府県名の探索を行う。具体的には、ワークメモリ23aに記憶されている探索キーのうち、重複率がもっとも高い探索キー(住所の探索キーを除く)を用いて類似する都道府県名の探索を行う。
【0142】
なお、このように、住所の探索キーに含まれる部分のうち、住所データベースにデータが存在しない部分が、本発明の不確定部分に相当する。
【0143】
本実施例では、郵便番号の探索キー(b−1)’の重複率が100%で最も高いため(図9(b)参照。)、郵便番号の探索キー(b−1)’又はこれに対応する候補住所(b−1)”を用いて類似する都道府県名を探索する。かかる探索キー(b−1)’または候補住所(b−1)”により、(c−1)’における「都道府県名」が「山◇県」に補正される。
【0144】
そして、補正後の(c−1)’における「都道府県名」が、住所データベースの「都道府県」のデータに存在しているか否かを再び判断する(図11/S506)。その結果、「山◇県」は住所データベースの「都道府県」のデータに存在するため(図11/S506…YES)、S510の処理に移行する。
【0145】
S510では、(c−1)’における「市区町村名」が「谷◇市 川◆町」であって、住所データベースの「市区町村名」のデータに存在しない(図11/S510…NO)。この場合、S512において、例えば、上記処理(図5/S118)の結果を用いて、S508と同様に類似の市区町村名の探索を行う。
【0146】
本実施例では、郵便番号の探索キー(b−1)’の重複率が100%で最も高いため(図6(b)参照。)、郵便番号の探索キー(b−1)’または候補住所(b−1)”を用いて類似の市区町村名の探索を行う。この探索キー(b−1)’又は候補住所(b−1)”により、(c−1)’に含まれる「市区町村名」が「谷◇市 川◇町」に補正される。
【0147】
そして、補正後の(c−1)’の「市区町村名」が住所データベースの「市区町村名」のデータに含まれるか否かを再び判断する(図11/S510)。その結果、「谷◇市 川◇町」は住所データベースの「市区町村」のデータに存在するため(図11/S510…YES)、S514の処理に移行する。
【0148】
S514では、(c−1)’の「丁目」が「A」であって、住所データベースの「丁目」のデータに存在する(図11/S514・・YES)。よって、この場合は、S516の処理を行わずにS518の処理に移行する。
【0149】
一方、S514の処理で、探索キーの「丁目」が住所データベースの「丁目」のデータに存在しない場合には、例えば、上記処理(図5/S118)の結果を用いて、S508と同様に類似の丁目の探索を行う。
【0150】
このとき、重複率が100%でもっとも高い郵便番号の探索キー(b−1)’又は候補住所(b−1)”を用いて類似の丁目の探索を行うことになるが、多くの郵便番号は「丁目」の情報を有していない。そのため、郵便番号の探索キーで探索を行ったときに「丁目」の情報を有しない場合には、例えば、次に重複率が高い探索キーを用いて「丁目」を探索してもよい。本実施例では、電話番号の探索キー(d−1)’の重複率が75%で、郵便番号の探索キー(b−1)’の次に高いため(図9(b)参照。)、電話番号の探索キー(d−1)’を用いて類似の丁目の探索を行い、必要に応じて補正を行う。
【0151】
S518では、(c−1)’における「番地」が「B−C」であって、住所データベースの「番地」のデータに存在する(図11/S514…YES)。よって、この場合には、S520での処理を行わずにS522の処理を行う。
【0152】
一方、S518の処理で、探索キーにおける「番地」が住所データベースの「番地」のデータに存在しない場合には、例えば、上記処理(図5/S118)の結果を用いて、S508と同様に類似の番地の探索を行う。
【0153】
この時、重複率が100%でもっとも高い郵便番号の探索キー(b−1)’又は対応する候補住所(b−1)”を用いて類似の番地の探索を行うことになるが、多くの郵便番号は「番地」の情報を有さない。そのため、郵便番号の探索キーで探索を行ったときに「番地」の情報を有さない場合には、例えば、次に重複率が高い探索キーを用いて「番地」を探索してもよい。本実施例では、電話番号の探索キー(d−1)’の重複率が75%で、郵便番号の探索キー(b−1)’の次に高いため(図9(b)参照。)、電話番号の探索キー(d−1)’を用いて類似の番地の探索を行い、必要に応じて補正が行われる。
【0154】
上記処理によって補正された候補住所は、(c−n(n=1,2,3…))’に対応する候補住所(以下、(c−n)”という。)としてワークメモリ23aに記憶される(図11/S522)。
【0155】
次に、住所の探索キー(c−1)’の付加情報として記憶されていた重複率が60%以上であるか否かを判断する(図11/S524)。重複率が60%以上であれば(図11/S524・・YES)、候補住所(c−1)”の重複フラグを1に設定し(図11/S526)、重複率が60%未満であれば(図11/S524・・NO)、重複フラグを0に設定する(図11/S528)。本実施例では、重複率が50%であるため、重複フラグ(c−1)’を0に設定する。
【0156】
次に、住所の探索キーの個数(p)が1であるか否かを判断する(図11/S530)。そして、住所の探索キーの個数が1である場合には、住所について他の候補住所と比較することができないため、記憶された候補住所を住所についての最終候補として返す(図11/S530…YES)。本実施例では住所の検索キーの個数(p)が2であるため「NO」と判断する(図11/S530…NO)。
【0157】
次に、全ての住所の探索キーについて探索が行われたか否かを判断する(図11/S532)。今回のループにおいてはS532の条件を満たさないため(図11/S524・・NO)、カウント値(i)に1が加算される(図11/S534)。
【0158】
次に、2つ目の探索キー(c−2)’については、(c−1)’の場合と、「都道府県名」が同一であるためS506における「YES」の判断までは同じ処理が施される。
【0159】
S510では、住所の探索キー(c−2)’における「市区町村名」が「谷●市 川◆町」であって、住所データベースの「市区町村名」のデータに存在しない(図11/S510・・NO)。この場合、S512において、例えば、上記処理(図5/S118)の結果を用いて、S508と同様に類似の市区町村名の探索を行う。
【0160】
本実施例では、探索キー(b−1)’の重複率が100%でもっとも高いため(図9(b)参照。)、郵便番号の探索キー(b−1)’または候補住所(b−1)”を用いて類似の市区町村名の探索を行う。かかる探索キー(b−1)’または候補住所(b−1)”によると、(c−2)’における「市区町村名」が「谷◇市 川◇町」と探索されて補正される。
【0161】
そして、補正後の(c−2)’における「市区町村名」が住所データベースの「市区町村名」のデータに存在するか否かを再び判断する(図11/S510)。その結果、「谷◇市 川◇町」は住所データベースの「市区町村」のデータに存在するため(図11/S510…YES)、S514の処理に移行する。
【0162】
なお、探索キー(c−2)’に対するS514以降の処理については、(c−1)’の場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0163】
住所の探索キー(c−2)’についての処理を終えると、全ての住所の探索キーによる候補住所の探索が行われて、S532の条件を満たすこととなる(図11/S532…YES)。そして、制御回路2は、探索された候補住所(c−1)’及び(c−2)’を互いに比較し、完全に重複する候補住所があれば(図11/S536…YES)、重複する候補住所のうち1つを残し、その他を削除する処理を行い終了する(図11/S538)。
【0164】
本実施例では、(c−1)’および(c−2)’が互いに重複するため(図11/S536…YES)、(c−2)’を削除する処理が行われる(図9(a)参照)。
【0165】
なお、目的地情報92aに住所が掲載されていない場合や、目的地情報92aに住所が掲載されているが住所として適切に認識されなかった場合には、探索キーの個数(p)が0となる(図11/S504…NO)。そのため、制御回路2は、住所については候補住所が無いことを示すデータをワークメモリ23aに記憶する記録されて処理が終了される(図11/S540)。
【0166】
次に、図7のS208の電話番号探索の処理を図12に示されるフローチャートを用いて以下に説明する。
【0167】
制御回路2は、先ず、カウント値(i)を1にセットする(図12/S602)。次に、カウント値(i)が電話番号の探索キーの個数(q)以下であるか否かを判断する(図12/S604)。本実施例では、電話番号の探索キーの個数が2であるため、S404の条件を満たすこととなる(図12/S604…YES)。
【0168】
そして、制御回路2は、電話番号の探索キー(d−1)’に対応する候補住所を、住所データベースから探索する(図12/S606)。
【0169】
本実施例では、(d−1)’に対応する候補住所が「山◇県 谷◇市 川◇町 A−B−C」(以下、(d−1)”という。(図9(a)参照。))として住所データベースに存在していたため(図12/S606…YES)、(d−1)”をワークメモリ23aに記憶する(図12/S608)。
【0170】
一方で、対応する住所候補が住所データベースに存在していなかった場合には(図12/S606…NO)、制御回路2は、類似する「電話番号」の探索キーに対応する候補住所の存否について判断する(図12/S610)。そして、対応する候補住所が住所データベースに存在する場合(図12/S610…YES)は、その候補住所をワークメモリ23aに記憶する(図12/S608)。また、対応する候補住所が存在しない場合(図12/S610…NO)には、候補住所が無いことを示すデータをワークメモリ23aに記憶する(図12/S612)。
【0171】
次に、制御回路2は、探索キー(d−1)’の付加情報として記憶されていた重複率が60%以上であるか否かを判断する(図12/S614)。重複率が60%以上であれば(図12/S614…YES)、候補住所(d−1)”の重複フラグを1に設定し(図12/S616)、重複率が60%未満であれば(図12/S614…NO)、重複フラグを0に設定する(図12/S618)。本実施例では、探索キー(d−1)’の重複率が75%であるため、対応する候補住所(d−1)”の重複フラグが1に設定される。
【0172】
次に、制御回路2は、電話番号の探索キーの個数(q)が1であるかを判断する(図12/S620)。探索キーの個数が1の場合には、電話番号について他の候補住所と比較することができないため、記憶された候補住所を電話番号についての最終候補として処理を終了する(図12/S620…YES)。本実施例では、電話番号の探索キーの個数(p)が2であるため「NO」と判断する。
【0173】
次に、S620において「NO」と判断されると、制御回路2は、全ての電話番号の探索キーについて、対応する候補住所の探索が行われたか否かを判断する(図12/S622)。そして、S622の条件を満たさないときはS624に進んで、他の探索キーに対応する候補住所の探索を行い、S622の条件を満たすときにはS626及びS628に進んで、上記S324及びS326と同様の処理を行う。
【0174】
本実施例では、S606の処理により、2つ目の探索キー(d−4)’に対応する候補住所「千◆県 百◆市 十◆町 A−B−M」(以下、(d−4)”という。(図9(a)参照。))が探索されて、ワークメモリ23aに存在される(図12/S608)。
【0175】
次に、探索キー(d−4)’の付加情報として記憶されていた重複率が60%以上であるか否かを判断する(図12/S614)。本実施例では、重複率が0%であるため、候補住所(d−4)”の重複フラグを0に設定する(図12/S618)。
【0176】
全ての電話番号の探索キーについて、対応する候補住所の探索が行われると、S622の条件が満たされて(図12/S622…YES)、S626に進む。そして、制御回路2は、探索された候補住所(d−1)”及び(d−4)”を互いに比較する。このとき、候補住所(d−1)”と(d−4)”が完全に重複する場合(図12/S626…YES)は、重複する候補住所のうち1つを残し、その他を削除する処理を行い終了する(図12/S628)。本実施例では、(d−1)”と(d−4)”は完全には重複しないため(図12/S626…NO)、いずれの候補住所も削除されずに処理が終了する。
【0177】
なお、目的地情報92aに電話番号が掲載されていない場合や、目的地情報92aに電話番号が掲載されているが電話番号として認識されなかった場合には、電話番号の検索キーの個数(q)が0となるため(図12/S604・・NO)、電話番号については候補住所が無いことを示すデータがワークメモリ23aに記憶されて処理が終了する(図12/S630)。
【0178】
以上の処理により、ワークメモリ23aには図9(b)に示される候補住所が記憶された状態となる。
【0179】
最後に、図7のS210の有力候補決定の処理を図13に示されるフローチャートおよび図9を用いて以下に説明する。
【0180】
S202からS208までの処理により探索された候補住所のうち、重複フラグが1に設定されたものがあるか否かを判断する(図13/S702)。ここで、重複フラグが1に設定された候補住所は、実際の目的地情報92aが示す住所と同一である可能性が高いと想定される。そこで、制御回路2は、S704以降の処理によって、重複フラグの設定状況に基づいて表示装置7に表示する候補住所を決定する。
【0181】
本実施例では、候補住所(b−1)”及び(d−1)”について重複フラグが1に設定されているため(図13/S702…YES)、S704へ進む。
【0182】
S704では、重複フラグが1に設定された候補住所が1つだけか否かを判断する。ここで、重複フラグが1に設定された候補住所が1つだけの場合(図13/S704…YES)には、その候補住所が他の候補住所よりも実際の目的地情報92aが示す住所と同一である可能性が極めて高くなる。そのため、制御回路2は、その候補住所を最終的に表示装置7に表示する候補住所に決定する(図13/S706)。
【0183】
そして、このようにして決定された候補住所のみが表示装置7に出力され(図3/S010)、ユーザが表示装置7上に表示された候補住所を目的地として設定すると(図3/S012)、ナビゲーション装置1は、設定された目的地までの案内経路を表示装置7上に表示しながらナビゲーションを開始する(図3/S014)。
【0184】
本実施例では、候補住所(b−1)”と(d−1)”について重複フラグが1に設定されているため、S704からS708に進む。
【0185】
S708では、ワークメモリ23aに記録された候補住所のうち、重複フラグが1に設定されているものを比較して、文字列が完全同一であるか否かを判断する。なお、郵便番号の探索キーにより探索された候補住所が、市区町村までしか特定されない場合には、丁目や番地を無視して、都道府県名と市区町村名が同一であれば、文字列が完全同一と判断して処理する。
【0186】
本実施例では、図9(b)に示したように、重複フラグが1に設定された(d−1)”と(b−1)”の文字列が完全同一となっている((b−1)”は郵便番号の探索キーにより探索されたものであるため、丁目や番地については無視して比較)。そのため、S708からS710に進み、制御回路2は、候補住所(b−1)”を最終的に表示装置7に表示する候補住所に決定する。
【0187】
また、重複フラグが1に設定された複数の候補住所の文字列が完全同一ではないときは、S708からS712に進む。そして、制御回路2は、重複フラグが1に設定された複数の候補住所の文字列が部分的に同一となっているかを判断し、同一となっているときにはS714に進んで、同一となっている部分と異なる部分を組み合わせた住所を、最終的に表示装置に表示する候補住所に決定する。
【0188】
一方、S712で、重複フラグが1に設定された複数の候補住所間で、重複する部分がないときにはS716に進み、制御回路2は、重複フラグが1に設定された全ての候補住所を、表示装置7に表示する候補住所に決定する。
【0189】
また、上記S702において、全ての候補住所の重複フラグが0に設定されているとき(図13/S702・・NO)には、いずれの候補住所の信頼性が高いか否かを判断することができないため、S716に進んで、制御回路2は、全ての候補住所を表示装置7に表示する候補住所に決定する。
【実施例2】
【0190】
第2の実施例に係るナビゲーション装置1を図1および図2を参照して、以下に説明する。実施例1では、制御回路2で画像から文字列を抽出したが、本実施例では、携帯電話機91で画像を取得すると共に、携帯電話機91の内部で画像から文字列を抽出する。そして、抽出された文字列が携帯電話91からナビゲーション装置1へ送信される(携帯電話機91及びナビゲーション装置1により本発明のナビゲーションシステムが構成される)。
【0191】
携帯電話機91は、カメラ91aにより画像データを取得する機能を有すると共に、図示しない制御回路を搭載している。そして、この制御回路には、一般的な携帯電話の機能のほかに、カメラ91aにより取得した画像データから文字データの領域を切り出し、切り出した文字データの領域から周知のOCR技術により文字を認識して、テキストデータ化する機能が備えられている。
【0192】
このようにして生成されたテキストデータは、携帯電話機91が有する赤外線通信機能やブルーツゥース(Bluetooth SLGの登録商標),無線LAN等の近距離無線通信機能によって、携帯電話機91からナビゲーション装置1の通信ユニット9に送信される。
【0193】
或いは、携帯電話機91がテキストデータを電子メールに添付して、外部ネットワーク101を経由してナビゲーション装置1の送受信装置10に送信することもできる。
【0194】
なお、携帯電話機91と通信ユニット9とをケーブルで接続し、有線通信によりテキストデータをナビゲーション装置1に送信してもよい。
【0195】
なお、その他の構成は、第1の実施例と同様である。第2の実施例においては、上記のように、携帯電話91側で文字認識処理を行うため、ナビゲーション装置1側に文字認識の機能を備える必要がない。
【実施例3】
【0196】
第3の実施例に係るナビゲーション装置1を図1および図2を参照して、以下に説明する。
【0197】
第3の実施例に係るリモコン端末81は、カメラ81aを搭載しており、リモコンセンサ8を経由してカメラ81aで印刷物92を撮影した画像情報をナビゲーション装置1に送信する。送信された画像情報は、ナビゲーション装置1の表示装置7に映し出される。
【0198】
なお、リモコン端末81に小さな液晶画面を設けて、撮影した画像情報をその液晶画面に映し出し、その後にリモコンセンサ8を経由してカメラ81aで印刷物92を撮影した画像情報をナビゲーション装置1に送信してもよい。
【0199】
この場合、ユーザは、表示装置7に映し出された画像に目的地情報92aが含まれているかを確認してから、リモコン端末81に設けられた所定のボタンまたは操作スイッチ5を操作することによって、文字列抽出(図3/S004)以降の処理を進めることができる。
【0200】
なお、その他の構成は、第1の実施例と同様である。第3の実施例においては、上記の如く構成したことで、第1の実施例とほぼ同様の作用、効果を得ることができると共に、携帯電話を用意する必要が無い。
【符号の説明】
【0201】
1…ナビゲーション装置、2…制御回路、21…CPU、22…ROM、23…RAM、81…リモコン端末、91…携帯電話機、92…印刷物。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、特に出発地点から目的地点までの経路探索を行なう経路探索機能を備えるナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置では、経路探索のために目的地点を設定するに際して、ユーザから目的地点の地点名が設定された場合、例えばCD−ROM(Compact Disk - Read Only Memory),DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory),HDD(Hard Disk Drive)等のデータ記録媒体に格納されている地点名データベースを利用して、その地点名に対応する地点の緯度データおよび経度データを検索し、目的地点の設定が行なわれている(例えば、特許文献1等参照)。
【0003】
このような目的地点の設定に際しては、従来から各種の方式が採用されており、例えばユーザが通常の住所表示と同じ方式で都道府県から順に入力することにより目的地点を設定する住所直接入力方式が用いられていた。
【0004】
また、ユーザが表示された地点名リストに基づいて順に地点名を選択し、最終的に目的地点を設定する住所リスト表示選択方式も用いられていた。
【0005】
さらに、ユーザがこの地図上で目的地点の存在する部分を指定して、目的地点の設定を行なう地図スクロール方式も用いられていた。
【0006】
さらにまた、レストランや量販店等の店舗施設,駅や市役所等の公共施設,交差点やインターチェンジ等の道路施設,ランドマーク的な建物や名所等の観光施設等を含む種々の施設名をユーザが入力することによりその施設等の存在する地点を目的地点として設定する施設名検索方式も用いられていた。
【0007】
加えて、近年では、DVD−ROM,HDD等の大容量のデータ記録媒体の普及により莫大なデータも記録することができるようになったため、全国の電話番号に対応した地点データを記憶させ、電話番号を入力することにより特定の家やビルを目的地点として設定する電話番号入力式も採用されるようにもなっている。
【0008】
さらに加えて、新聞,雑誌,パンフレット,ポスター等の印刷物で見つけた記事で紹介されている店舗施設,公共施設,道路施設,観光施設等を目的地点として設定する場合に、当該施設の施設名,郵便番号,住所,電話番号,地図等をカメラで撮影し、撮影された画像データまたはその画像認識結果データをナビゲーション装置に送信することによって、当該施設を目的地点として設定を行なう方式も考えられている(例えば、特許文献2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−255160号公報
【特許文献2】特開2006−64443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、新聞,雑誌,パンフレット,ポスター等の印刷物に掲載されている記事から目的地点となる施設の施設名,郵便番号,住所,電話番号,地図等(以下、「探索情報」という。)をユーザがカメラで撮影したときに、当該印刷物に光が反射して不要な光が写り込む場合や印刷物の形状によって撮影した画像が歪む場合がある。そしてその場合に、画像認識不良によって撮影した画像データ等から得られる住所情報によって目的地点を設定すると、誤った目的地点が設定されてしまうという問題があった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、印刷物の画像データから認識された探索情報の一部に誤りが生じた場合であっても、適切な目的地の設定を行なえるようにしたナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するために、第1発明のナビゲーション装置は、住所情報を格納する住所データベースを用いて出発地から目的地までの経路探索処理を行うナビゲーション装置において、目的地の候補住所を出力する出力手段と、画像情報を取得する画像情報取得手段と、前記画像取得情報手段により取得された画像情報から文字列を抽出する文字列抽出手段と、前記文字列抽出手段により抽出された文字列から前記住所データベースを用いて目的地の住所を探索するための複数種の探索キーを抽出する探索キー抽出手段と、前記探索キーに対応する住所を目的地の候補住所として前記住所データベースにより探索し、前記候補住所が複数探索されたときに、当該複数の候補住所の比較結果に基づいて前記出力手段に出力させる候補住所を選択する候補住所探索手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
第1発明によれば、複数種の目的地に関する探索キーから候補住所が複数探索されたときに、比較結果に基づいて前記出力手段に出力する候補住所を選択することができるので、前記出力手段に出力される候補住所の信頼性を高めることができる。
【0014】
第2発明のナビゲーション装置は、第1発明のナビゲーション装置において、前記探索キー抽出手段は、前記複数種の探索キーとして、郵便番号、住所、電話番号および施設名のうちの少なくとも2種の探索キーを抽出することを特徴とする。
【0015】
第2発明によれば、施設のガイドブック等に記載されるケースが多い、郵便番号、住所、電話番号および施設名のうちのある1つの探索キーから探索された候補住所と他の探索キーから探索された候補住所とを比較することができるので、目的地に関する適正な候補住所が選択される可能性を高めることができる。
【0016】
第3発明のナビゲーション装置は、第1発明のナビゲーション装置において、前記探索キー抽出手段は、前記探索キーとして少なくとも住所を抽出し、前記候補住所探索手段は、住所を探索キーとして候補住所を探索するとき、他種の探索キーに対応する住所の探索結果を用いて、前記探索キーとなる住所の補正を行うことを特徴とする。
【0017】
第3発明によれば、各探索キーによる探索によって得られた情報を有効活用して、他種の目的地に関する探索キーから探索された候補住所と比較することができるので、候補住所の選択における信頼性を向上させることができる。
【0018】
第4発明のナビゲーション装置は、第3発明のナビゲーション装置において、前記候補住所探索手段は、前記探索キーとなる住所の補正として、探索キーとなる住所が前記住所データベースに情報が存在しない不確定部分を有する場合であって、他種の探索キーにより探索された候補住所の該不確定部分に対応する部分の情報が前記住所データベースに存在しているときに、該不確定部分を該対応する部分に置き換える処理を行うことを特徴とする。
【0019】
第4発明によれば、探索キーとなる住所が前記住所データベースに情報が存在しない不確定部分を有する場合に、他種の探索キーによって探索された候補住所の情報で該不確定部分を補完することができるので、候補住所の選択における信頼性を向上させることができる。
【0020】
第5発明のナビゲーション装置は、第1〜第4発明のうちのいずれかのナビゲーション装置において、前記候補住所探索手段は、複数の前記候補住所の比較により重複する候補住所が抽出されたときに、該重複する候補住所を前記出力手段に出力させる候補住所として選択することを特徴とする。
【0021】
第5発明によれば、重複している候補住所は探索の信頼性が高いと想定される。そこで、前記候補住所探索手段により、重複する候補住所を前記出力手段に出力させる候補住所として選択することによって、前記出力手段に出力される候補住所の信頼性を高めることができる。
【0022】
第6発明のナビゲーション装置は、第1〜第5発明のうちのいずれかのナビゲーション装置において、さらに携帯端末機との送受信を行う通信手段を備え、前記画像情報取得手段は、前記携帯端末機に備えられたカメラ機能を用いて撮影された画像情報を、前記通信手段を介して取得することを特徴とする。
【0023】
第6発明によれば、ユーザが携帯する携帯端末機によって画像情報を取得することができるので、ナビゲーション装置が搭載された車両から遠く離れた場所においてもいつでも画像情報を取得することができる。
【0024】
次に、第7発明のナビゲーションシステムは、住所情報を格納する住所データベースを用いて出発地から目的地までの経路探索処理を行うナビゲーションシステムにおいて、目的地の候補住所を出力する出力手段と、画像情報を取得する画像情報取得手段と、前記画像取得情報手段により取得された画像情報から文字列を抽出する文字列抽出手段と、前記文字列抽出手段により抽出された文字列から前記住所データベースを用いて目的地の住所を探索するための複数種の探索キーを抽出する探索キー抽出手段と、前記探索キーに対応する住所を目的地の候補住所として前記住所データベースにより探索し、前記候補住所が複数探索されたときに、当該複数の候補住所を比較することにより前記出力手段に出力させる候補住所として選択する候補住所探索手段とを備えたことを特徴とする。
【0025】
第7発明によれば、例えば、ナビゲーションシステムがナビゲーション装置と携帯端末機から構成され、携帯端末機が前記画像情報取得手段と前記文字抽出手段を備えているときには、携帯端末機側で目的地の情報を含む画像の取得から文字抽出までの処理を行うことができる。そのため、ナビゲーション装置側には、前記画像情報取得手段と前記文字抽出手段を備える必要がない。
【0026】
このように、携帯端末機が備えた機能を活用してナビゲーションシステムを構成することにより、ナビゲーション装置の機能を簡素化して、ナビゲーション装置の小型化やコストダウンを図ることができる。そして、その上で、上記第1発明と同様に、複数種の目的地に関する探索キーから候補住所が複数探索されたときに、比較結果に基づいて前記出力手段に出力する候補住所を選択することにより、出力手段に出力される候補住所の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明のナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図2】目的地の情報の撮影例を示した説明図。
【図3】本発明のナビゲーション装置の全体的な動作を示すフローチャート。
【図4】住所等の探索情報を誤認識した例を示した説明図。
【図5】本発明のナビゲーション装置における探索キー抽出の動作を示すフローチャート。
【図6】探索キーを抽出した例を示した説明図。
【図7】本発明のナビゲーション装置における候補住所探索の動作を示すフローチャート。
【図8】本発明のナビゲーション装置における施設名に対する候補住所探索の動作を示すフローチャート。
【図9】候補住所を探索した例を示す図。
【図10】本発明のナビゲーション装置にかかる郵便番号に対する候補住所探索の動作を示すフローチャート。
【図11】本発明のナビゲーション装置における住所に対する候補住所探索の動作を示すフローチャート。
【図12】本発明のナビゲーション装置における電話番号に対する候補住所探索の動作を示すフローチャート。
【図13】本発明のナビゲーション装置における有力候補住所探索の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明のナビゲーション装置およびナビゲーションシステムの実施形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0029】
先ず、ナビゲーション装置の構成について説明する。図1に示したナビゲーション装置1は、ナビゲーション動作を制御する機能を有する制御回路2に、位置検出器3と、地図データ入力器4と、操作スイッチ5と、外部記憶装置6と、表示装置7と、リモートコントロール端末(以下、リモコン端末と略称する)81からの信号を検出するリモートコントロールセンサ(以下、リモコンセンサと略称する)8と、携帯電話機91(本発明の携帯端末機に相当する)と通信する通信ユニット(本発明の通信手段に相当する)9と、携帯電話機91との間で外部ネットワーク101を経由して電子メールを送受信したり、インターネットに接続したり、専用の情報センタに接続したりする送受信装置10とが接続されて構成されている。
【0030】
ナビゲーション装置1は、リモコン端末81によりリモコンセンサ8を経由して、あるいは操作スイッチ7により目的地点を設定すると、出発地点からその目的地点までの最適な経路を探索して案内経路を表示する、いわゆる経路案内機能を備えている。
【0031】
このような最適な経路を探索する手法としては、ダイクストラ法等が知られている。
【0032】
位置検出器3は、絶対方位を検出するための地磁気センサ31と、ヨー角速度(ヨーレート)を検出するためのジャイロスコープ32と、車両の走行距離を検出するための距離センサ33と、GPS(Global Positioning System)用人工衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS受信機34とから構成されており、ナビゲーション装置1が搭載されている車両の現在地点を算出する部分である。
【0033】
位置検出器3は、これらのセンサ等31,32,33,34の各々が性質の異なる誤差を持っているため、互いに検出誤差を補間しながら精度の高い位置検出を行なうようになっている。
【0034】
ただし、要求される検出精度で現在地点を算出可能であれば前述したうちの一部のセンサで構成してもよい。また、図示しない、ステアリングホイールの回転センサや各タイヤの回転を検出する車輪速度センサなどを組み合わせて位置検出器3を構成してもよい。
【0035】
地図データ入力器4は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ,道路の接続を表した道路データ,目印データ等を含む各種データをデータ記録媒体41から入力するための装置である。
【0036】
操作スイッチ5は、表示装置7の周辺に配置されたメカニカルスイッチや表示装置7のカラー液晶ディスプレイ上に形成されたタッチスイッチなどからなり、各種のデータや設定事項などの操作入力を制御回路2に与えるために設けられている。
【0037】
タッチスイッチは、抵抗膜方式,静電容量方式,電磁誘導方式,超音波表面弾性波方式等のものを使用することができる。また、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。
【0038】
これら操作スイッチ5およびリモコン端末81によって、種々の指示を入力することが可能である。
【0039】
制御回路2は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU(Central Processing Unit)21,ROM(Read Only Memory)22,RAM(Random Access Memory)23,I/O(Input/Output)24およびこれらの構成を接続するバスライン25が備えられている。
【0040】
CPU21は、ROM22およびRAM23に記憶されたプログラムを実行し、またデータを用いることによって、後述する制御回路2の種々の機能を実現する。
【0041】
ROM22は、プログラム格納領域22aとデータ記憶領域22bとを有している。プログラム格納領域22aには、ナビゲーションプログラム22cが格納される。データ記憶領域22bには、ナビゲーションプログラム22cの動作に必要なプログラム実行時の処理データや地図データ入力器4から取得した道路データなどが一時的に格納される。
【0042】
また、ナビゲーションプログラム22cは、RAM23上にてナビゲーションプログラム用ワークメモリ23aを作業領域とする形で作動する。
【0043】
なお、地図データ入力器4にHDDを用いる場合は、ROM22およびRAM23の機能をHDDによって実施してもよい。
【0044】
制御回路2は、現在地点を地図上に位置付けるマップマッチング処理を実行するという基本的な機能を有する。
【0045】
その他に、制御回路2は、操作スイッチ5やリモコン端末81を通じて目的地点や経由地点などの地点データが入力されたときに、その地点データに基づいて現在地点から目的地点までの経路探索処理を、例えばダイクストラ法を用いて行ない、その経路探索結果に基づいて設定された案内経路を地図画面上に表示するという経路計算機能(いわゆる経路探索機能も含む)や、この機能により得られた案内経路に基づいて音声や表示などにより種々のガイドを行なう経路案内機能などの、周知の支援機能を備えている。
【0046】
制御回路2には、この他にも、周知の電話番号検索機能,郵便番号検索機能,固有コードを利用した検索機能,50音検索機能,ジャンル別検索機能,最寄り道路検索機能,目的地点登録機能,観光エリアや推奨ドライブコースなどを表示するための情報表示機能,地点登録機能などの、多種多様な支援機能が設定されている。
【0047】
加えて、制御回路2は、画像データを受信したときに、同画像データ中の、施設名,郵便番号,住所,電話番号等の文字を画像認識する機能も備えている。
【0048】
外部記憶装置6は、フラッシュメモリカードなどの不揮発性メモリにより構成されたもので、ナビゲーション装置1の動作に必要なプログラムおよびデータが記憶されている。なお、外部記憶装置6は、車両のアクセサリスイッチがオフ状態(すなわち、ナビゲーション装置1がオフ状態)になっても、記憶内容が保持されるようになっている。
【0049】
表示装置7(本発明の出力手段に相当する。)は、例えばカラー液晶ディスプレイを含んで構成されており、地図画面を表示するために車両の運転席近傍に設置される。
【0050】
表示装置7の画面には、位置検出器3から入力された車両現在地点マークと、地図データ入力器4から入力された地図データと、さらに地図上に表示する案内経路等の付加データとを重ね合わせて表示するとともに、本画面に経路案内の設定および経路案内中の案内や画面の切り換え操作を行なうためのメニューアイコンが表示される。
【0051】
リモコンセンサ8およびリモコン端末81は、赤外線等を用いて通信を行ない、ナビゲーション装置1の操作を行なう。リモコンセンサ8は、操作入力手段として設けられたもので、リモコン端末81からの操作入力を受信して制御回路2に与えるようになっている。
【0052】
通信ユニット9は、携帯電話機91との間で、有線通信,赤外線通信,ブルーツゥース(Bluetooth SLGの登録商標),無線LAN等の近距離無線通信または電子メール等を使用してデータ通信や音声通信を行なうための装置であり、携帯電話機91から受け取った画像データまたはその画像認識結果データを制御回路2に渡す。
【0053】
携帯電話機91は、カメラ91aを搭載している移動体通信機器であり、通信ユニット9を経由してカメラ91aで印刷物92を撮影した画像情報92a’をナビゲーション装置1に送信する。
【0054】
また、携帯電話機91は、画像情報またはその画像認識結果データを電子メールに添付して外部ネットワーク101および送受信装置10を経由してナビゲーション装置1に送信することができる。また、携帯電話機91は、赤外線通信機能や近距離無線通信機能を有していてもよい。
【0055】
送受信装置10は、携帯電話機91との間で音声通信や、電子メールの送受信等のデータ通信を行なう装置である。
【0056】
データ記録媒体41としては、そのデータ量からCD−ROM,DVD−ROM,HDDを用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他のデータ記録媒体を用いてもよい。
【0057】
この場合、データ記録媒体41には、地図表示のための地図データと、マップマッチング,経路探索,経路案内などの種々の処理に必要な道路データと、交差点の詳細データからなる交差点データと、背景レイヤのための背景データと、地点名などを表示するための地点名データと、道路名を例えば50音順に並べた道路名データと、道路のレーン構成を記憶するレーンデータと、多様な検索データ(例えば、施設名データ,郵便番号データ,住所データ,電話番号データ等を一体に関連付けたデータ)などが記憶されている。特に、道路データは、表示可能な地図についての全部の交差点(ノード)および道路(リンク)についてのデータ(ノード位置,ノード属性など)を網羅した状態となっている。
【0058】
図2は、カメラ91aを搭載する携帯電話機91を用いて、印刷物92に掲載された目的地情報92aをユーザが撮影し、画像情報92a’として取り込む状態を示している。目的地情報として掲載される項目としては、施設名,郵便番号,住所,電話番号,地図,施設の写真などがある。
【0059】
なお、本実施例では、印刷物92は冊子であるため、カメラ91aの撮影対象となる部分全域を平面に且つ当該カメラ91aと垂直の関係に保つことが困難となり、取得する画像情報が不鮮明となる場合がある。その他にも、印刷物92の印刷面に特殊加工等が施されている場合においても、室内灯等からの光が印刷物92の印刷面に反射し、取得する画像情報が不適切となる場合がある。
【0060】
図3は、本実施例におけるナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、携帯電話機91からナビゲーション装置1に画像データが送信されてきた場合の動作を示す。
【0061】
具体的には、制御回路2のCPU21によりナビゲーションプログラム22cが起動され、ユーザが操作スイッチ5あるいはリモコン端末81を操作した後に、携帯電話機91に搭載されたカメラ91aで、新聞,雑誌,パンフレット,ポスター等の印刷物92に掲載された所望の目的地情報92aを撮影した画像情報92a’をナビゲーション装置1に送信する。
【0062】
携帯電話機91が赤外線通信機能やブルーツゥース(Bluetooth SLGの登録商標),無線LAN等の近距離無線通信機能を有する場合には、ユーザは、画像データを携帯電話機91から通信ユニット9を経由してナビゲーション装置1に送信する。
【0063】
また、携帯電話機91が赤外線通信機能や近距離無線通信機能を有しているか有していないかにかかわらず、画像データを電子メールに添付して外部ネットワーク101および送受信装置10を経由してナビゲーション装置1に送信することができる。
【0064】
なお、携帯電話機91と通信ユニット9とをケーブルで接続し、有線通信により画像データをナビゲーション装置1に送信してもよい。
【0065】
制御回路2は、携帯電話機91から画像情報92a’を受信すると(図3/S002(本発明の画像情報取得手段に相当する。))、画像データから文字列の抽出を行なう(図3/S004(本発明の文字列抽出手段に相当する。))。
【0066】
具体的には、制御回路2は、文字データの領域を切り出し、切り出した文字データの領域の画像データから文字を画像認識する。つまり、制御回路2は、文字データの領域の文字を周知のOCR技術によりテキストデータ化する。
【0067】
画像データをテキストデータに変換する処理が完了すると、制御回路2は、得られたテキストデータ中に含まれる施設名,郵便番号,住所,電話番号等の文字列を抽出する(図3/S006(本発明の探索キー抽出手段に相当する。))。
【0068】
ここで、取得した画像情報92a’が文字列を抽出するのに不適切な場合には、周知の文字認識エンジンにより確からしい順にスコア付きで文字の認識結果を返すこととなり、図4に示すように、いくつかの候補が確からしい順にリスト化されることとなる。
【0069】
なお、本実施例においては、説明の便宜のため、第1候補から第4候補のみを抽出結果として出力しているが、確からしい順にリスト化されたものをすべて抽出結果として出力してもよい。
【0070】
図4に示すように、第1候補では、印刷物92に掲載された実際の目的地情報92aと比較して分かるように、施設名である「○○レストラン △△△店」(以下、(a−1)という。)と、郵便番号である「〒XXX−XXXX」(以下、(b−1)という。)と、電話番号である「TEL:(0XX)XXX−XXXX」(以下、(d−1)という。)については、適切な文字列が抽出されているが、住所である「山◆県 谷◇市 川◆町 A丁目B番C号」(以下、(c−1)という。)については、一部が誤認識され不適切な文字列が抽出されている。
【0071】
次に、第2候補では、目的地情報92aと比較すると、施設名である「○○レストラン △△△店」(以下、(a−2)という。)と、郵便番号である「〒XXX−XXXX」(以下、(b−2)という。)と、電話番号である「TEL:(0XX)XXX−XXXX」(以下、(d−2)という。)については、適切な文字列が抽出されているが、住所である「山◆県 谷●市 川◆町 A丁目B番C号」(以下、(c−2)という。)については、一部が誤認識され、不適切な文字列が抽出されている。
【0072】
更に、第3候補では、目的地情報92aと比較すると、郵便番号である「〒XXX−XXXX」(以下、(b−3)という。)については、適切な文字列が抽出されているが、施設名である「○○レストラン △■△店」(以下、(a−3)という。)と、住所である「山◆県 谷◇市 川◆町 A丁目B番C号」(以下、(c−3)という。)と、電話番号である「TEL:(0XX)XXX−XXXX」(以下、(d−3)という。)については、一部が誤認識され、不適切な文字列が抽出されている。
【0073】
最後に、第4候補では、目的地情報92aと比較すると、郵便番号である「〒XXX−XXXX」(以下、(b−4)という。)については、適切な文字列が抽出されているが、施設名である「○○レストラン △■△店」(以下、(a−4)という。)と、住所である「山◆県 谷●市 川◆町 A丁目B番C号」(以下、(c−4)という。)と、電話番号である「TEL:(0XY)XXX−XXXX」(以下、(d−4)という。)については、一部が誤認識され、不適切な文字列が抽出されている。
【0074】
次に、制御回路2が、文字列に含まれる施設名,郵便番号,住所,電話番号の文字列(以下、「探索情報」という。)を認識して、「探索キー」として抽出する処理について説明する(図3/S006および図5)。
【0075】
ここで、「探索情報」は、目的地の住所と関連した情報を含むと推認された文字列情報であり、「探索キー」は、前記探索情報から不要な文字を削除して施設名等を探索する際に必要且つ適切な形式とした文字列情報である。具体的には、図4においてリスト化された各候補のそれぞれの文字列が「探索情報」であり、後述する図6(a)においてリスト化された各候補のそれぞれの文字列が「探索キー」である。
【0076】
制御回路2は、先ず、図5に示すフローチャートにおいて、カウント値(i)を1にセットする(図5/S102)。
【0077】
次に、カウント値(i)と候補の数を比較する(図5/S104)。本実施例では、文字列抽出の結果4つの候補が挙がっているため、今回のループにおいてはS104の条件を満たすこととなる(図5/S104・・YES)。
【0078】
S106では、制御回路2が施設名についての「探索情報」を認識し、「探索情報」から「探索キー」を抽出する。
【0079】
ここで、記録媒体41には施設名の店舗施設名(レストラン名,量販店名等を含む),公共施設名(駅名,市役所名等を含む),道路施設名(道路名,交差点名等を含む),観光施設名(建物名,テーマパーク名等を含む)等の種々の地点名データが記録されている。そして、制御回路2がこれらの施設名を表すと推認される文字列を抽出し、抽出された文字列を探索情報として認識する(図5/S106)。
【0080】
本実施例では、認識された探索情報の一部にスペース(空白)が含まれるため、制御回路2によりスペースが取り除かれて、探索キー「○○レストラン△△△店」(以下、(a−1)’という。)が抽出される(図6(a)参照。)。
【0081】
S108では、制御回路2が郵便番号についての「探索情報」を認識し、「探索情報」から「探索キー」を抽出する。
【0082】
郵便番号については、「郵便番号」という文字から始まって、3桁の数字,ハイフン,4桁の数字の順に並んでいる文字列の場合、「郵便マーク(〒)」から始まって、3桁の数字,ハイフン,4桁の数字の順に並んでいる文字列の場合、または、3桁の数字,ハイフン,4桁の数字の順に並んでいる文字列の場合、のいずれかに当てはまる場合の文字列を検索し、該当する文字列が得られた場合にこれを郵便番号であると判断し、判断された文字列を探索情報として認識する(図5/S108)。
【0083】
本実施例では、認識された探索情報の一部に「郵便マーク(〒)」および「ハイフン(−)」が含まれるため、制御回路2により「郵便マーク(〒)」および「ハイフン(−)」が取り除かれて、探索キー「XXXXXXX」(以下、(b−1)’という。)が抽出される(図6(a)参照。)。
【0084】
なお、郵便番号の体系が変更された場合には、許容される郵便番号の桁数に一致する数字列を抽出することにより、同様の郵便番号の抽出処理を行なうことができる。
【0085】
S110では、制御回路2が住所についての「探索情報」を認識し、「探索情報」から「探索キー」を抽出する。
【0086】
住所については、都道府県名,市区町村名,丁目,番地等を表すと推認される文字列を抽出し、抽出された文字列を探索情報として認識する(図5/S110)。丁目,番地,区分については、「○丁目○番○号」という表記と「○−○−○」という表記の2パターンが考えられるが、いずれの場合にも対応できるものとする。
【0087】
本実施例では、認識された探索情報の一部に「丁目」,「番」および「号」が含まれるため、制御回路2により「丁目」,「番」および「号」が「ハイフン(−)」に置き換えられて、探索キー「山◆県 谷◇市 川◆町 A−B−C」(以下、(c−1)’という。)が抽出される(図6(a)参照。)。
【0088】
S112では、制御回路2が電話番号についての「探索情報」を認識し、「探索情報」から「探索キー」を抽出する。
【0089】
電話番号については、文字データ中において数字,ハイフン,カッコ等の文字が連続している文字列を検索し、該当する文字列を電話番号であると判断し、判断された文字列を探索情報として認識する(図5/S112)。
【0090】
本実施例では、認識された探索情報の一部に「TEL:」および「カッコ」が含まれるため、制御回路2により「TEL:」および「カッコ」が取り除かれると共に必要な箇所に「ハイフン(−)」が追加されて、探索キー「0XX−XXX−XXXX」(以下、(d−1)’という。)が抽出される(図6(a)参照)。
【0091】
なお、電話番号の体系が変更された場合には、許容される電話番号の桁数に一致する数字列を抽出することにより、同様の電話番号検索を行なうことができることは、上述した郵便番号の場合と同じである。
【0092】
S106,S108,S110およびS112において、抽出された探索キーは、ワークメモリ23aに記憶され1つの候補から探索キーを抽出する処理が終了する。なお、施設名,郵便番号,住所,電話番号のうち、探索キーとして抽出できなかった場合には、そのまま空白としてワークメモリ23aに記憶される。
【0093】
そして、次の候補に対する探索キーを抽出するために、カウント値(i)に1が加算される(図5/S116)。
【0094】
第2候補から第4候補についても、S104,S106,S108,S110およびS112において、同様の処理が行われる。以下、第2候補の施設名の探索キーを(a−2)’、第2候補の郵便番号の探索キーを(b−2)’、第2候補の住所の探索キーを(c−2)’、第2候補の電話番号の探索キーを(d−2)’、第3候補の施設名の探索キーを(a−3)’、第3候補の郵便番号の探索キーを(b−3)’、第3候補の住所の探索キーを(c−3)’、第3候補の電話番号の探索キーを(d−3)’、第4候補の施設名の探索キーを(a−4)’、第4候補の郵便番号の探索キーを(b−4)’、第4候補の住所の探索キーを(c−4)’、第4候補の電話番号の探索キーを(d−4)’という。また、1つの候補の処理が終了する毎に、カウント値(i)に1が加算される(図5/S116)。
【0095】
第4候補についての探索キーが抽出されて記憶されたときに、S116でカウント値(i)が5となり、S104において「NO」と判断されて、S118に分岐する。
【0096】
S118では、抽出された探索キーをそれぞれ比較し、重複するものを1つの探索キーに集約する処理が行われる。
【0097】
具体的には、施設名については、ワークメモリ23aに記憶された探索キー(a−1)’,(a−2)’,(a−3)’及び(a−4)’を、制御回路2がそれぞれ互いに比較して重複するか否かを判断する。判断の結果、(a−1)’および(a−2)’が「○○レストラン△△△店」で重複すると共に、(a−3)’および(a−4)’が「○○レストラン△■△店」で重複するため、(a−2)’および(a−4)’がワークメモリ23aからそれぞれ削除されて、(a−1)’および(a−3)’のみが残る(図6(b)参照)。
【0098】
このとき、ワークメモリ23aに残された探索キーには、探索キーの重複率の情報が付加される。具体的には、施設名について4つの探索キーが存在しており、そのうち(a−1)’および(a−2)’の計2つが「○○レストラン△△△店」で重複していたため、重複率(抽出された探索キーの個数に対する、重複した探索キーの個数の割合)が「50%」として算出される。
【0099】
また、上記処理において削除されなかった(a−1)’に対し「重複率50%」との付加情報がワークメモリ23aに記憶される。同様に、(a−3)’および(a−4)’の計2つが「○○レストラン△■△店」で重複していたため、重複率が「50%」として算出される。この場合、上記処理において削除されなかった(a−3)’に対し、「重複率50%」との付加情報がワークメモリ23aに記憶される(図6(b)参照)。
【0100】
次に、郵便番号については、ワークメモリ23aに記憶された探索キー((b−1)’,(b−2)’,(b−3)’および(b−4)’)を、制御回路2がそれぞれ互いに比較して重複の有無を判断する。ここでは、(b−1)’,(b−2)’,(b−3)’および(b−4)’のいずれも「XXXXXXX」で重複するため、(b−2)’,(b−3)’および(b−4)’がワークメモリ23aから削除されて、(b−1)’のみが残る(図6(b)参照)。
【0101】
そして、上記施設名の場合と同様に、ワークメモリ23aに残された探索キーには、重複率の情報が付加される。具体的には、郵便番号について4つの探索キーが存在しており、そのうち(b−1)’,(b−2)’,(b−3)’および(b−4)’の計4つがいずれも「XXXXXXX」で重複していたため、重複率が「100%」として算出され、上記処理において削除されなかった(b−1)’に対し「重複率100%」の付加情報がワークメモリ23aに記憶される図6(b)参照)。
【0102】
また、住所については、ワークメモリ23aに記憶された探索キー(c−1)’,(c−2)’,(c−3)’および(c−4)’)を、制御回路2がそれぞれ互いに比較して重複の有無を判断する。ここでは、(c−1)’および(c−3)’が「山◆県 谷◇市 川◆町 A−B−C」で重複すると共に、(c−2)’および(c−4)’が「山◆県 谷●市 川◆町 A−B−C」で重複している。するため、(c−3)’および(c−4)’がワークメモリ23aからそれぞれ削除されて、(c−1)’および(c−2)’のみが残る(図6(b)参照)。
【0103】
このとき、ワークメモリ23aに残された探索キーには、重複率の情報が付加される。具体的には、住所について4つの探索キーが存在しており、そのうち(c−1)’および(c−3)’の計2つが「山◆県 谷◇市 川◆町 A−B−C」で重複していたため、重複率が「50%」として算出され、上記処理において削除されなかった(c−1)’に対し「重複率50%」の付加情報がワークメモリ23aに記憶される。
【0104】
同様に、(c−2)’および(c−4)’の計2つが「山◆県 谷●市 川◆町 A−B−C」で重複していたため、重複率が「50%」として算出され、上記処理において削除されなかった(c−2)’に対し「重複率50%」との付加情報がワークメモリ23aに記憶される(図6(b)参照)。
【0105】
最後に、電話番号については、ワークメモリ23aに記憶された探索キー((d−1)’,(d−2)’,(d−3)’および(d−4)’)を、制御回路2がそれぞれ互いに比較して重複の有無を判断する。ここでは、(d−1)’,(d−2)’および(d−3)’が「0XX−XXX−XXXX」で重複するため、(d−2)’および(d−3)’がワークメモリ23aからそれぞれ削除されて、(d−1)’および(d−4)’のみが残る(図6(b)参照)。
【0106】
このとき、ワークメモリ23aに残された探索キーには、重複率の情報が付加される。具体的には、電話番号について4つの探索キーが存在しており、そのうち(d−1)’,(d−2)’および(d−3)’の計3つが「0XX−XXX−XXXX」で重複していたため、重複率が「75%」として算出され、上記処理において削除されなかった(d−1)’に対し「重複率75%」の付加情報がワークメモリ23aに記憶される(図6(b)参照)。
【0107】
なお、上記処理において重複する探索キーが無かった場合には、その探索キーに対して重複する探索キーが無かったことを示す情報が付加される。具体的には、(d−4)’について「重複率0%」の付加情報がワークメモリ23aに記憶される。(図6(b)参照)。
【0108】
次に、制御回路2は種類毎の探索キーの個数を記憶する(図5/S120)。ここでは、施設名については(a−1)’及び(a−3)’という2個の探索キー、郵便番号については(b−1)’という1個の探索キー、住所については(c−1)’および(c−2)’という2個の探索キー、電話番号については(d−1)’および(d−4)’という2個の探索キーが抽出されてワークメモリ23aに記憶されている。
【0109】
そのため、施設名の探索キーの個数についてk=2,郵便番号の探索キーの個数についてm=1,住所の探索キーの個数についてp=2および電話番号の探索キーの個数についてq=2が記憶される(図6(c)参照)。
【0110】
次に、探索キーに基づいて候補住所の探索の処理が行われる(図3/S008および図7)。なお、S008の処理を実行する構成は、本発明の候補住所探索手段に相当する。
【0111】
候補住所の探索の処理を説明すると、施設名の探索キーに基づく候補住所の探索(施設名探索,図7/S202)、郵便番号の探索キーに基づく候補住所の探索(郵便番号探索,図7/S204)、住所の探索キーに基づく候補住所の探索(住所探索,図7/S206)、電話番号の探索キーに基づく候補住所の探索(電話番号探索,図7/S208)、上記探索結果から有力な候補住所を決定する処理が行われる(図7/S210)。
【0112】
次に、S202の施設名探索の処理を図8に示したフローチャートを用いて以下に説明する。
【0113】
制御回路2は、先ず、カウント値(i)を初期値1にセットする(図8/S302)。次に、カウント値(i)が施設名の探索キーの個数(k)以下であるか否かを比較する(図8/S304)。本実施例では、施設名の探索キーが2個あるため、今回のループにおいてはS304の条件を満たすこととなる(図8/S304…YES)。
【0114】
ここで、制御回路2は、先ず、施設名の探索キーに対応する候補住所を、住所データベースから探索する(図8/S306)。
【0115】
なお、住所データベースは、目的地を探索するために用いられる施設名,郵便番号,住所,電話番号等の情報を、各目的地毎に関連付けて記憶したものであり、データ記録媒体41に記憶されている。そして、制御回路2は、探索キーに応じた候補住所を探索するときには、住所データベースのデータをデータ記録媒体41から読み出してワークメモリ23aにロードする。これにより、制御回路2は、ワークメモリ23aにアクセスして住所データベースから探索キーに応じた候補住所を探索する。
【0116】
本実施例では、(a−1)’の施設名に対応する候補住所が「山◇県 谷◇市 川◇町 A−B−C」(以下、(a−1)”という。(図9(a)参照。))として住所データベースにに存在していたため(図8/S306…YES)、候補住所(a−1)”をワークメモリ23aに記憶しておく(図8/S308)。
【0117】
次に、制御回路2は、探索キー(a−1)’の付加情報として記憶されている重複率が60%以上であるか否かを判断する(図8/S310)。重複率が60%以上であれば(図8/S310…YES)、重複フラグを1に設定し(図8/S312)、重複率が60%未満であれば(図8/S310…NO)、重複フラグを0に設定する(図8/S314)。本実施例では、重複率が50%であるため、重複フラグ(a−1)’が0に設定される。
【0118】
また、重複フラグの判断において重複率60%を閾値としているが、これに限られるものではなく、例えば、文字認識の状況に応じて重複率の閾値を変更するようにしてもよい。後述する他の種類の探索キーについても同様である。さらに、文字を誤認識する確率が、例えば、施設名,郵便番号,住所,電話番号等毎に異なると想定されるときには、探索キーの種類毎に異なる重複率の閾値を設定してもよい。
【0119】
一方、施設名の探索キーに対応する候補住所が住所データベースに存在しなかった場合には(図8/S306…NO)、制御回路2は、候補住所が無いことを示すデータをワークメモリ23aに記憶する(図8/S316)。
【0120】
次に、施設名の探索キーの個数(k)が1であるかを判断する(図8/S318)。そして、施設名の探索キーの個数が1の場合には、施設名について他の候補住所と比較することができないため、記憶された候補住所を施設名についての最終候補として処理を終了する(図8/S318…YES)。
【0121】
しかし、本実施例では探索キーの個数(k)が2であるため「NO」と判断する(図8/S318…NO)。
【0122】
次に、制御回路2は、施設名の全ての探索キーについて、対応する候補住所の探索が行われたか否かを判断する(図8/S320)。今回のループにおいてはS320の条件を満たさないため(図8/S320…NO)、カウント値(i)に1が加算される(図8/S322)。
【0123】
二つめの施設名の探索キー(a−3)’については、都道府県,市区町村等が、一つめの施設名の探索キー(a−1)’とは全く異なる候補場所「大◆府 中◆市 小◆町 F−G−H」(以下、(a−3)”という。(図9(a)参照。))が住所データベースに存在していたため(図8/S306…YES)、(a−3)”をワークメモリ23aに記憶する(図8/S308)。
【0124】
次に、探索キー(a−3)’の付加情報として記憶されている重複率が60%以上であるか否かを、上記同様に判断する(図8/S310)。本実施例では、重複率が50%であるため、重複フラグ(a−3)’を0に設定する(図8/S310…NO、S314)。
【0125】
施設名の全ての探索キーについて、対応する候補住所の探索が行われると、S320の条件が満たされ(図8/S320…YES)、探索された候補住所(a−1)”及び(a−3)”を互いに比較して、完全に重複する候補住所があれば(図8/S318…YES)、重複する候補住所のうち1つを残し、その他を削除する処理を行って処理を終了する(図8/S326)。
【0126】
本実施例では、候補住所(a−1)”及び(a−3)”が重複していないため(図8/S324…NO)、各候補住所は削除されずに終了することとなる。
【0127】
なお、目的地情報92aに施設名が掲載されていない場合や、目的地情報92aに施設名が掲載されているが施設名として適切に認識されなかった場合には、探索キーの個数(k)が0となるため(図8/S304・・NO)、施設名については候補住所が無いことを示す情報がワークメモリ23aに記憶されて処理が終了する(図8/S328)。
【0128】
次に、図7のS204の郵便番号探索の処理を図10に示したフローチャートを用いて以下に説明する。
【0129】
制御回路2は、先ず、カウント値(i)を1にセットする(図10/S402)。次に、カウント値(i)が郵便番号の探索キーの個数(m)以下であるか否かを判断する(図10/S404)。本実施例では、郵便番号の探索キーが1個であるため、S404の条件を満たすこととなる(図10/S404…YES)。
【0130】
そして、制御回路2は、郵便番号の探索キー(b−1)’に対応する候補住所を、住所データベースから探索する(図10/S406)。
【0131】
本実施例では、(b−1)’に対応する候補住所が「山◇県 谷◇市 川◇町」(以下、(b−1)”という。(図9(a)参照。))として住所データベースに存在していたため(図10/S406…YES)、制御回路2は(b−1)”をワークメモリ23aに記憶する(図10/S408)。
【0132】
一方、対応する候補住所が住所データベースに存在していなかった場合には(図10/S406…NO)、類似する郵便番号の探索キーに対応する候補住所の存否について判断する(図10/S410)。そして、対応する候補住所が住所データベースに存在する場合(図10/S410…YES)は、その候補住所をワークメモリ23aに記録する(図10/S408)。また、対応する候補住所が存在しない場合(図10/S410・・NO)には、候補住所が無いことを示すデータをワークメモリ23aに記録する(図10/S412)。
【0133】
次に、制御回路2は、探索キー(b−1)’の付加情報として記憶されていた重複率が60%以上であるか否かを判断する(図10/S414)。重複率が60%以上であれば(図10/S414…YES)、候補住所(b−1)”の重複フラグを1に設定し(図10/S416)、重複率が60%未満であれば(図10/S414…NO)、重複フラグを0に設定する(図10/S418)。本実施例では、探索キー(b−1)’の重複率が100%であるため、対応する候補住所(b−1)”の重複フラグが1に設定される。
【0134】
次に、郵便番号の探索キーの個数(m)が1であるかを判断する(図10/S420)。探索キーの個数が1の場合には、郵便番号について他の候補住所と比較することができないため、記憶された候補住所を郵便番号についての最終候補として処理を終了する(図10/S420…YES)。本実施例では、探索キーの個数(m)が1であるため「YES」と判断される。
【0135】
一方で、S420において「NO」と判断されると、S422において郵便番号の全ての探索キーについて、対応する候補住所の探索が行われたか否かが判断される(図10/S422)。そして、この条件を満たさない場合にはS424に進んで、他の候補について探索を行い、条件を満たす場合にはS426およびS428に進んで、上記S324及びS326と同様の処理を行う。
【0136】
なお、目的地情報92aに郵便番号が掲載されていない場合や、目的地情報92aに郵便番号が掲載されているが郵便番号として認識されなかった場合には、郵便番号の探索キーの個数(m)が0となるため(図10/S404…NO)、郵便番号については候補住所が無いことを示す情報がワークメモリ23aに記憶されて処理が終了する(図10/S430)。
【0137】
次に、図7のS206の住所探索の処理を図11に示されるフローチャートを用いて以下に説明する。
【0138】
制御回路は、先ず、カウント値(i)を1にセットする(図11/S502)。次に、カウント(i)が住所の探索キーの個数(p)以下であるか否かを判断する(図11/S504)。本実施例では、住所の探索キーが3個あるので、最初のループではS504の条件を満たすこととなる(図11/S504…YES)。
【0139】
ここで、制御回路2は、住所の探索キーに含まれる都道府県名,市区町村名,丁目,番地,区分の順に絞込んで住所探索を行う。
【0140】
制御回路2は、先ず、住所の探索キーに含まれる都道府県名が住所データベースの「都道府県」のデータに存在する場合(図11/S506…YES)は、S510の処理に進む。次に、この探索キーに含まれる市区町村名が住所データベースの前記「都道府県」内の「市区町村」のデータに存在する場合(図11/S510…YES)、S514の処理へ進む。続いて、この探索キーに含まれる丁目が住所データベースの前記「市区町村」内の「丁目」のデータに存在する場合(図11/S514…YES)、S518の処理へ進む。最後に、この探索キーに含まれる番地が住所データベースの「丁目」内の「番地」のデータに存在する場合(図11/S518…YES)、S522の処理へ進み、その候補住所をワークメモリ23aに記憶する。
【0141】
本実施例では、(c−1)’に含まれる「都道府県名」が「山◆県」であって、住所データベースに記憶されている「都道府県」内のデータに存在しない(図11/S506…NO)。そして、この場合には、S508において、他種の探索キーによる候補住所の探索結果を用いて類似する都道府県名の探索を行う。具体的には、ワークメモリ23aに記憶されている探索キーのうち、重複率がもっとも高い探索キー(住所の探索キーを除く)を用いて類似する都道府県名の探索を行う。
【0142】
なお、このように、住所の探索キーに含まれる部分のうち、住所データベースにデータが存在しない部分が、本発明の不確定部分に相当する。
【0143】
本実施例では、郵便番号の探索キー(b−1)’の重複率が100%で最も高いため(図9(b)参照。)、郵便番号の探索キー(b−1)’又はこれに対応する候補住所(b−1)”を用いて類似する都道府県名を探索する。かかる探索キー(b−1)’または候補住所(b−1)”により、(c−1)’における「都道府県名」が「山◇県」に補正される。
【0144】
そして、補正後の(c−1)’における「都道府県名」が、住所データベースの「都道府県」のデータに存在しているか否かを再び判断する(図11/S506)。その結果、「山◇県」は住所データベースの「都道府県」のデータに存在するため(図11/S506…YES)、S510の処理に移行する。
【0145】
S510では、(c−1)’における「市区町村名」が「谷◇市 川◆町」であって、住所データベースの「市区町村名」のデータに存在しない(図11/S510…NO)。この場合、S512において、例えば、上記処理(図5/S118)の結果を用いて、S508と同様に類似の市区町村名の探索を行う。
【0146】
本実施例では、郵便番号の探索キー(b−1)’の重複率が100%で最も高いため(図6(b)参照。)、郵便番号の探索キー(b−1)’または候補住所(b−1)”を用いて類似の市区町村名の探索を行う。この探索キー(b−1)’又は候補住所(b−1)”により、(c−1)’に含まれる「市区町村名」が「谷◇市 川◇町」に補正される。
【0147】
そして、補正後の(c−1)’の「市区町村名」が住所データベースの「市区町村名」のデータに含まれるか否かを再び判断する(図11/S510)。その結果、「谷◇市 川◇町」は住所データベースの「市区町村」のデータに存在するため(図11/S510…YES)、S514の処理に移行する。
【0148】
S514では、(c−1)’の「丁目」が「A」であって、住所データベースの「丁目」のデータに存在する(図11/S514・・YES)。よって、この場合は、S516の処理を行わずにS518の処理に移行する。
【0149】
一方、S514の処理で、探索キーの「丁目」が住所データベースの「丁目」のデータに存在しない場合には、例えば、上記処理(図5/S118)の結果を用いて、S508と同様に類似の丁目の探索を行う。
【0150】
このとき、重複率が100%でもっとも高い郵便番号の探索キー(b−1)’又は候補住所(b−1)”を用いて類似の丁目の探索を行うことになるが、多くの郵便番号は「丁目」の情報を有していない。そのため、郵便番号の探索キーで探索を行ったときに「丁目」の情報を有しない場合には、例えば、次に重複率が高い探索キーを用いて「丁目」を探索してもよい。本実施例では、電話番号の探索キー(d−1)’の重複率が75%で、郵便番号の探索キー(b−1)’の次に高いため(図9(b)参照。)、電話番号の探索キー(d−1)’を用いて類似の丁目の探索を行い、必要に応じて補正を行う。
【0151】
S518では、(c−1)’における「番地」が「B−C」であって、住所データベースの「番地」のデータに存在する(図11/S514…YES)。よって、この場合には、S520での処理を行わずにS522の処理を行う。
【0152】
一方、S518の処理で、探索キーにおける「番地」が住所データベースの「番地」のデータに存在しない場合には、例えば、上記処理(図5/S118)の結果を用いて、S508と同様に類似の番地の探索を行う。
【0153】
この時、重複率が100%でもっとも高い郵便番号の探索キー(b−1)’又は対応する候補住所(b−1)”を用いて類似の番地の探索を行うことになるが、多くの郵便番号は「番地」の情報を有さない。そのため、郵便番号の探索キーで探索を行ったときに「番地」の情報を有さない場合には、例えば、次に重複率が高い探索キーを用いて「番地」を探索してもよい。本実施例では、電話番号の探索キー(d−1)’の重複率が75%で、郵便番号の探索キー(b−1)’の次に高いため(図9(b)参照。)、電話番号の探索キー(d−1)’を用いて類似の番地の探索を行い、必要に応じて補正が行われる。
【0154】
上記処理によって補正された候補住所は、(c−n(n=1,2,3…))’に対応する候補住所(以下、(c−n)”という。)としてワークメモリ23aに記憶される(図11/S522)。
【0155】
次に、住所の探索キー(c−1)’の付加情報として記憶されていた重複率が60%以上であるか否かを判断する(図11/S524)。重複率が60%以上であれば(図11/S524・・YES)、候補住所(c−1)”の重複フラグを1に設定し(図11/S526)、重複率が60%未満であれば(図11/S524・・NO)、重複フラグを0に設定する(図11/S528)。本実施例では、重複率が50%であるため、重複フラグ(c−1)’を0に設定する。
【0156】
次に、住所の探索キーの個数(p)が1であるか否かを判断する(図11/S530)。そして、住所の探索キーの個数が1である場合には、住所について他の候補住所と比較することができないため、記憶された候補住所を住所についての最終候補として返す(図11/S530…YES)。本実施例では住所の検索キーの個数(p)が2であるため「NO」と判断する(図11/S530…NO)。
【0157】
次に、全ての住所の探索キーについて探索が行われたか否かを判断する(図11/S532)。今回のループにおいてはS532の条件を満たさないため(図11/S524・・NO)、カウント値(i)に1が加算される(図11/S534)。
【0158】
次に、2つ目の探索キー(c−2)’については、(c−1)’の場合と、「都道府県名」が同一であるためS506における「YES」の判断までは同じ処理が施される。
【0159】
S510では、住所の探索キー(c−2)’における「市区町村名」が「谷●市 川◆町」であって、住所データベースの「市区町村名」のデータに存在しない(図11/S510・・NO)。この場合、S512において、例えば、上記処理(図5/S118)の結果を用いて、S508と同様に類似の市区町村名の探索を行う。
【0160】
本実施例では、探索キー(b−1)’の重複率が100%でもっとも高いため(図9(b)参照。)、郵便番号の探索キー(b−1)’または候補住所(b−1)”を用いて類似の市区町村名の探索を行う。かかる探索キー(b−1)’または候補住所(b−1)”によると、(c−2)’における「市区町村名」が「谷◇市 川◇町」と探索されて補正される。
【0161】
そして、補正後の(c−2)’における「市区町村名」が住所データベースの「市区町村名」のデータに存在するか否かを再び判断する(図11/S510)。その結果、「谷◇市 川◇町」は住所データベースの「市区町村」のデータに存在するため(図11/S510…YES)、S514の処理に移行する。
【0162】
なお、探索キー(c−2)’に対するS514以降の処理については、(c−1)’の場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0163】
住所の探索キー(c−2)’についての処理を終えると、全ての住所の探索キーによる候補住所の探索が行われて、S532の条件を満たすこととなる(図11/S532…YES)。そして、制御回路2は、探索された候補住所(c−1)’及び(c−2)’を互いに比較し、完全に重複する候補住所があれば(図11/S536…YES)、重複する候補住所のうち1つを残し、その他を削除する処理を行い終了する(図11/S538)。
【0164】
本実施例では、(c−1)’および(c−2)’が互いに重複するため(図11/S536…YES)、(c−2)’を削除する処理が行われる(図9(a)参照)。
【0165】
なお、目的地情報92aに住所が掲載されていない場合や、目的地情報92aに住所が掲載されているが住所として適切に認識されなかった場合には、探索キーの個数(p)が0となる(図11/S504…NO)。そのため、制御回路2は、住所については候補住所が無いことを示すデータをワークメモリ23aに記憶する記録されて処理が終了される(図11/S540)。
【0166】
次に、図7のS208の電話番号探索の処理を図12に示されるフローチャートを用いて以下に説明する。
【0167】
制御回路2は、先ず、カウント値(i)を1にセットする(図12/S602)。次に、カウント値(i)が電話番号の探索キーの個数(q)以下であるか否かを判断する(図12/S604)。本実施例では、電話番号の探索キーの個数が2であるため、S404の条件を満たすこととなる(図12/S604…YES)。
【0168】
そして、制御回路2は、電話番号の探索キー(d−1)’に対応する候補住所を、住所データベースから探索する(図12/S606)。
【0169】
本実施例では、(d−1)’に対応する候補住所が「山◇県 谷◇市 川◇町 A−B−C」(以下、(d−1)”という。(図9(a)参照。))として住所データベースに存在していたため(図12/S606…YES)、(d−1)”をワークメモリ23aに記憶する(図12/S608)。
【0170】
一方で、対応する住所候補が住所データベースに存在していなかった場合には(図12/S606…NO)、制御回路2は、類似する「電話番号」の探索キーに対応する候補住所の存否について判断する(図12/S610)。そして、対応する候補住所が住所データベースに存在する場合(図12/S610…YES)は、その候補住所をワークメモリ23aに記憶する(図12/S608)。また、対応する候補住所が存在しない場合(図12/S610…NO)には、候補住所が無いことを示すデータをワークメモリ23aに記憶する(図12/S612)。
【0171】
次に、制御回路2は、探索キー(d−1)’の付加情報として記憶されていた重複率が60%以上であるか否かを判断する(図12/S614)。重複率が60%以上であれば(図12/S614…YES)、候補住所(d−1)”の重複フラグを1に設定し(図12/S616)、重複率が60%未満であれば(図12/S614…NO)、重複フラグを0に設定する(図12/S618)。本実施例では、探索キー(d−1)’の重複率が75%であるため、対応する候補住所(d−1)”の重複フラグが1に設定される。
【0172】
次に、制御回路2は、電話番号の探索キーの個数(q)が1であるかを判断する(図12/S620)。探索キーの個数が1の場合には、電話番号について他の候補住所と比較することができないため、記憶された候補住所を電話番号についての最終候補として処理を終了する(図12/S620…YES)。本実施例では、電話番号の探索キーの個数(p)が2であるため「NO」と判断する。
【0173】
次に、S620において「NO」と判断されると、制御回路2は、全ての電話番号の探索キーについて、対応する候補住所の探索が行われたか否かを判断する(図12/S622)。そして、S622の条件を満たさないときはS624に進んで、他の探索キーに対応する候補住所の探索を行い、S622の条件を満たすときにはS626及びS628に進んで、上記S324及びS326と同様の処理を行う。
【0174】
本実施例では、S606の処理により、2つ目の探索キー(d−4)’に対応する候補住所「千◆県 百◆市 十◆町 A−B−M」(以下、(d−4)”という。(図9(a)参照。))が探索されて、ワークメモリ23aに存在される(図12/S608)。
【0175】
次に、探索キー(d−4)’の付加情報として記憶されていた重複率が60%以上であるか否かを判断する(図12/S614)。本実施例では、重複率が0%であるため、候補住所(d−4)”の重複フラグを0に設定する(図12/S618)。
【0176】
全ての電話番号の探索キーについて、対応する候補住所の探索が行われると、S622の条件が満たされて(図12/S622…YES)、S626に進む。そして、制御回路2は、探索された候補住所(d−1)”及び(d−4)”を互いに比較する。このとき、候補住所(d−1)”と(d−4)”が完全に重複する場合(図12/S626…YES)は、重複する候補住所のうち1つを残し、その他を削除する処理を行い終了する(図12/S628)。本実施例では、(d−1)”と(d−4)”は完全には重複しないため(図12/S626…NO)、いずれの候補住所も削除されずに処理が終了する。
【0177】
なお、目的地情報92aに電話番号が掲載されていない場合や、目的地情報92aに電話番号が掲載されているが電話番号として認識されなかった場合には、電話番号の検索キーの個数(q)が0となるため(図12/S604・・NO)、電話番号については候補住所が無いことを示すデータがワークメモリ23aに記憶されて処理が終了する(図12/S630)。
【0178】
以上の処理により、ワークメモリ23aには図9(b)に示される候補住所が記憶された状態となる。
【0179】
最後に、図7のS210の有力候補決定の処理を図13に示されるフローチャートおよび図9を用いて以下に説明する。
【0180】
S202からS208までの処理により探索された候補住所のうち、重複フラグが1に設定されたものがあるか否かを判断する(図13/S702)。ここで、重複フラグが1に設定された候補住所は、実際の目的地情報92aが示す住所と同一である可能性が高いと想定される。そこで、制御回路2は、S704以降の処理によって、重複フラグの設定状況に基づいて表示装置7に表示する候補住所を決定する。
【0181】
本実施例では、候補住所(b−1)”及び(d−1)”について重複フラグが1に設定されているため(図13/S702…YES)、S704へ進む。
【0182】
S704では、重複フラグが1に設定された候補住所が1つだけか否かを判断する。ここで、重複フラグが1に設定された候補住所が1つだけの場合(図13/S704…YES)には、その候補住所が他の候補住所よりも実際の目的地情報92aが示す住所と同一である可能性が極めて高くなる。そのため、制御回路2は、その候補住所を最終的に表示装置7に表示する候補住所に決定する(図13/S706)。
【0183】
そして、このようにして決定された候補住所のみが表示装置7に出力され(図3/S010)、ユーザが表示装置7上に表示された候補住所を目的地として設定すると(図3/S012)、ナビゲーション装置1は、設定された目的地までの案内経路を表示装置7上に表示しながらナビゲーションを開始する(図3/S014)。
【0184】
本実施例では、候補住所(b−1)”と(d−1)”について重複フラグが1に設定されているため、S704からS708に進む。
【0185】
S708では、ワークメモリ23aに記録された候補住所のうち、重複フラグが1に設定されているものを比較して、文字列が完全同一であるか否かを判断する。なお、郵便番号の探索キーにより探索された候補住所が、市区町村までしか特定されない場合には、丁目や番地を無視して、都道府県名と市区町村名が同一であれば、文字列が完全同一と判断して処理する。
【0186】
本実施例では、図9(b)に示したように、重複フラグが1に設定された(d−1)”と(b−1)”の文字列が完全同一となっている((b−1)”は郵便番号の探索キーにより探索されたものであるため、丁目や番地については無視して比較)。そのため、S708からS710に進み、制御回路2は、候補住所(b−1)”を最終的に表示装置7に表示する候補住所に決定する。
【0187】
また、重複フラグが1に設定された複数の候補住所の文字列が完全同一ではないときは、S708からS712に進む。そして、制御回路2は、重複フラグが1に設定された複数の候補住所の文字列が部分的に同一となっているかを判断し、同一となっているときにはS714に進んで、同一となっている部分と異なる部分を組み合わせた住所を、最終的に表示装置に表示する候補住所に決定する。
【0188】
一方、S712で、重複フラグが1に設定された複数の候補住所間で、重複する部分がないときにはS716に進み、制御回路2は、重複フラグが1に設定された全ての候補住所を、表示装置7に表示する候補住所に決定する。
【0189】
また、上記S702において、全ての候補住所の重複フラグが0に設定されているとき(図13/S702・・NO)には、いずれの候補住所の信頼性が高いか否かを判断することができないため、S716に進んで、制御回路2は、全ての候補住所を表示装置7に表示する候補住所に決定する。
【実施例2】
【0190】
第2の実施例に係るナビゲーション装置1を図1および図2を参照して、以下に説明する。実施例1では、制御回路2で画像から文字列を抽出したが、本実施例では、携帯電話機91で画像を取得すると共に、携帯電話機91の内部で画像から文字列を抽出する。そして、抽出された文字列が携帯電話91からナビゲーション装置1へ送信される(携帯電話機91及びナビゲーション装置1により本発明のナビゲーションシステムが構成される)。
【0191】
携帯電話機91は、カメラ91aにより画像データを取得する機能を有すると共に、図示しない制御回路を搭載している。そして、この制御回路には、一般的な携帯電話の機能のほかに、カメラ91aにより取得した画像データから文字データの領域を切り出し、切り出した文字データの領域から周知のOCR技術により文字を認識して、テキストデータ化する機能が備えられている。
【0192】
このようにして生成されたテキストデータは、携帯電話機91が有する赤外線通信機能やブルーツゥース(Bluetooth SLGの登録商標),無線LAN等の近距離無線通信機能によって、携帯電話機91からナビゲーション装置1の通信ユニット9に送信される。
【0193】
或いは、携帯電話機91がテキストデータを電子メールに添付して、外部ネットワーク101を経由してナビゲーション装置1の送受信装置10に送信することもできる。
【0194】
なお、携帯電話機91と通信ユニット9とをケーブルで接続し、有線通信によりテキストデータをナビゲーション装置1に送信してもよい。
【0195】
なお、その他の構成は、第1の実施例と同様である。第2の実施例においては、上記のように、携帯電話91側で文字認識処理を行うため、ナビゲーション装置1側に文字認識の機能を備える必要がない。
【実施例3】
【0196】
第3の実施例に係るナビゲーション装置1を図1および図2を参照して、以下に説明する。
【0197】
第3の実施例に係るリモコン端末81は、カメラ81aを搭載しており、リモコンセンサ8を経由してカメラ81aで印刷物92を撮影した画像情報をナビゲーション装置1に送信する。送信された画像情報は、ナビゲーション装置1の表示装置7に映し出される。
【0198】
なお、リモコン端末81に小さな液晶画面を設けて、撮影した画像情報をその液晶画面に映し出し、その後にリモコンセンサ8を経由してカメラ81aで印刷物92を撮影した画像情報をナビゲーション装置1に送信してもよい。
【0199】
この場合、ユーザは、表示装置7に映し出された画像に目的地情報92aが含まれているかを確認してから、リモコン端末81に設けられた所定のボタンまたは操作スイッチ5を操作することによって、文字列抽出(図3/S004)以降の処理を進めることができる。
【0200】
なお、その他の構成は、第1の実施例と同様である。第3の実施例においては、上記の如く構成したことで、第1の実施例とほぼ同様の作用、効果を得ることができると共に、携帯電話を用意する必要が無い。
【符号の説明】
【0201】
1…ナビゲーション装置、2…制御回路、21…CPU、22…ROM、23…RAM、81…リモコン端末、91…携帯電話機、92…印刷物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住所情報を格納する住所データベースを用いて出発地から目的地までの経路探索処理を行うナビゲーション装置において、
目的地の候補住所を出力する出力手段と、
画像情報を取得する画像情報取得手段と、
前記画像取得情報手段により取得された画像情報から文字列を抽出する文字列抽出手段と、
前記文字列抽出手段により抽出された文字列から前記住所データベースを用いて目的地の住所を探索するための複数種の探索キーを抽出する探索キー抽出手段と、
前記探索キーに対応する住所を目的地の候補住所として前記住所データベースにより探索し、前記候補住所が複数探索されたときに、当該複数の候補住所の比較結果に基づいて前記出力手段に出力させる候補住所を選択する候補住所探索手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記探索キー抽出手段は、前記複数種の探索キーとして、郵便番号、住所、電話番号および施設名のうちの少なくとも2種の探索キーを抽出することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記探索キー抽出手段は、前記探索キーとして少なくとも住所を抽出し、
前記候補住所探索手段は、住所を探索キーとして候補住所を探索するとき、他種の探索キーに対応する住所の探索結果を用いて、前記探索キーとなる住所の補正を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、
前記候補住所探索手段は、前記探索キーとなる住所の補正として、探索キーとなる住所が前記住所データベースに情報が存在しない不確定部分を有する場合であって、他種の探索キーにより探索された候補住所の該不確定部分に対応する部分の情報が前記住所データベースに存在しているときに、該不確定部分を該対応する部分に置き換える処理を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、
前記候補住所探索手段は、複数の前記候補住所の比較により重複する候補住所が抽出されたときに、該重複する候補住所を前記出力手段に出力させる候補住所として選択することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、
携帯端末機との送受信を行う通信手段を備え、
前記画像情報取得手段は、前記携帯端末機に備えられたカメラ機能を用いて撮影された画像情報を、前記通信手段を介して取得することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
住所情報を格納する住所データベースを用いて出発地から目的地までの経路探索処理を行うナビゲーションシステムにおいて、
目的地の候補住所を出力する出力手段と、
画像情報を取得する画像情報取得手段と、
前記画像取得情報手段により取得された画像情報から文字列を抽出する文字列抽出手段と、
前記文字列抽出手段により抽出された文字列から前記住所データベースを用いて目的地の住所を探索するための複数種の探索キーを抽出する探索キー抽出手段と、
前記探索キーに対応する住所を目的地の候補住所として前記住所データベースにより探索し、前記候補住所が複数探索されたときに、当該複数の候補住所の比較結果に基づいて前記出力手段に出力させる候補住所を選択する候補住所探索手段とを備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項1】
住所情報を格納する住所データベースを用いて出発地から目的地までの経路探索処理を行うナビゲーション装置において、
目的地の候補住所を出力する出力手段と、
画像情報を取得する画像情報取得手段と、
前記画像取得情報手段により取得された画像情報から文字列を抽出する文字列抽出手段と、
前記文字列抽出手段により抽出された文字列から前記住所データベースを用いて目的地の住所を探索するための複数種の探索キーを抽出する探索キー抽出手段と、
前記探索キーに対応する住所を目的地の候補住所として前記住所データベースにより探索し、前記候補住所が複数探索されたときに、当該複数の候補住所の比較結果に基づいて前記出力手段に出力させる候補住所を選択する候補住所探索手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記探索キー抽出手段は、前記複数種の探索キーとして、郵便番号、住所、電話番号および施設名のうちの少なくとも2種の探索キーを抽出することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記探索キー抽出手段は、前記探索キーとして少なくとも住所を抽出し、
前記候補住所探索手段は、住所を探索キーとして候補住所を探索するとき、他種の探索キーに対応する住所の探索結果を用いて、前記探索キーとなる住所の補正を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、
前記候補住所探索手段は、前記探索キーとなる住所の補正として、探索キーとなる住所が前記住所データベースに情報が存在しない不確定部分を有する場合であって、他種の探索キーにより探索された候補住所の該不確定部分に対応する部分の情報が前記住所データベースに存在しているときに、該不確定部分を該対応する部分に置き換える処理を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、
前記候補住所探索手段は、複数の前記候補住所の比較により重複する候補住所が抽出されたときに、該重複する候補住所を前記出力手段に出力させる候補住所として選択することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、
携帯端末機との送受信を行う通信手段を備え、
前記画像情報取得手段は、前記携帯端末機に備えられたカメラ機能を用いて撮影された画像情報を、前記通信手段を介して取得することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
住所情報を格納する住所データベースを用いて出発地から目的地までの経路探索処理を行うナビゲーションシステムにおいて、
目的地の候補住所を出力する出力手段と、
画像情報を取得する画像情報取得手段と、
前記画像取得情報手段により取得された画像情報から文字列を抽出する文字列抽出手段と、
前記文字列抽出手段により抽出された文字列から前記住所データベースを用いて目的地の住所を探索するための複数種の探索キーを抽出する探索キー抽出手段と、
前記探索キーに対応する住所を目的地の候補住所として前記住所データベースにより探索し、前記候補住所が複数探索されたときに、当該複数の候補住所の比較結果に基づいて前記出力手段に出力させる候補住所を選択する候補住所探索手段とを備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−276373(P2010−276373A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−126723(P2009−126723)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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