説明

ナビゲーション装置及び電子機器

【課題】1つのGPSアンテナがケーブルを介して装置本体部と接続される携帯可能なナビゲーション装置及び電子機器において、携帯して使用する際に、装置本体部とGPSアンテナとを連結するケーブルが邪魔にならないようにする。
【解決手段】現在位置を測位して表示部44に表示する携帯可能なナビゲーション装置1において、表示部44が配置された装置本体部4と、装置本体部4に着脱自在に一体化され、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信するGPSアンテナ部2と、を備え、GPSアンテナ部2は、GPS信号を装置本体部4側に出力する出力端子22を備え、装置本体部4は、出力端子22とケーブルCを介して接続し、出力端子22により出力されたGPS信号が入力される第1入力端子41と、装置本体部4とGPSアンテナ部2とが一体化される際に、ケーブルCをナビゲーション装置1に収容する収容部4cを備えるよう構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用して現在位置を測位し、その測位した現在位置を地図情報とともに表示画面上に表示するナビゲーション装置が知られている。
【0003】
ところで、ナビゲーション装置には、そのナビゲーション装置が取り付けられた移動体の現在位置を測位できるとともに、そのナビゲーション装置を携帯するユーザの現在位置を測位できるものがある。具体的には、例えば、移動体に搭載して使用する際にはその移動体に取り付けられた外部GPSアンテナに接続可能であるとともに、ユーザがナビゲーション装置を携帯して使用する際にユーザの現在位置を測位するための内部GPSアンテナを備えるナビゲーション装置(例えば、特許文献1〜3参照)や、ナビゲーション装置本体と、GPSアンテナと、がケーブルを介して接続されており、移動体に搭載して使用する際にはGPSアンテナをダッシュボード等に取り付け、携帯して使用する際にはGPSアンテナをナビゲーション装置本体に取り付けることができるナビゲーション装置(例えば、特許文献4参照)などがある。
【特許文献1】特開2005−62185号公報
【特許文献2】特開2002−196065号公報
【特許文献3】特開平10−38995号公報
【特許文献4】特開平10−318763号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1〜3に記載のナビゲーション装置は、移動体に搭載して使用する際に利用するGPSアンテナと、携帯して使用する際に利用するGPSアンテナと、の2つのGPSアンテナが必要であるため、効率が悪いという問題がある。
また、特許文献4に記載のナビゲーション装置は、携帯して使用する際に、ナビゲーション装置本体とGPSアンテナとを連結するケーブルが邪魔であるという問題がある。
【0005】
本発明の課題は、1つのGPSアンテナがケーブルを介して装置本体部と接続される携帯可能なナビゲーション装置及び電子機器において、携帯して使用する際に、装置本体部とGPSアンテナとを連結するケーブルが邪魔にならないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
現在位置を測位して表示部に表示する携帯可能なナビゲーション装置において、
前記表示部が配置された装置本体部と、
前記装置本体部に着脱自在に一体化され、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信するGPSアンテナ部と、を備え、
前記GPSアンテナ部は、
前記GPS信号を前記装置本体部側に出力する出力端子を備え、
前記装置本体部は、
前記出力端子とケーブルを介して接続し、当該出力端子により出力されたGPS信号が入力される第1入力端子と、
当該装置本体部と前記GPSアンテナ部とが一体化されている際に前記出力端子と接触し、当該出力端子により出力されたGPS信号が入力される第2入力端子と、
前記出力端子と前記第2入力端子とが接触していない場合には、前記第1入力端子に切り替えるとともに、前記出力端子と前記第2入力端子とが接触している場合には、前記第2入力端子に切り替える切替手段と、
前記切替手段により前記第1入力端子に切り替えられると、当該第1入力端子により入力されたGPS信号に基づいて前記現在位置を測位し、前記切替手段により前記第2入力端子に切り替えられると、当該第2入力端子により入力されたGPS信号に基づいて前記現在位置を測位する測位手段と、を備え、
前記装置本体部と前記GPSアンテナ部とが一体化される際に、前記ケーブルを当該ナビゲーション装置に収容する収容部と、
前記装置本体部と前記GPSアンテナ部とが一体化される際に、前記ケーブルを前記収容部内に巻き取る巻取手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、
現在位置を測位して表示部に表示する携帯可能な電子機器において、
前記表示部が配置された装置本体部と、
前記装置本体部に着脱自在に一体化され、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信するGPSアンテナ部と、を備え、
前記GPSアンテナ部は、
前記GPS信号を前記装置本体部側に出力する出力端子を備え、
前記装置本体部は、
前記出力端子とケーブルを介して接続し、当該出力端子により出力されたGPS信号が入力される入力端子と、
前記入力端子により入力されたGPS信号に基づいて前記現在位置を測位する測位手段と、を備え、
前記装置本体部と前記GPSアンテナ部とが一体化される際に、前記ケーブルを当該電子機器に収容する収容部を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、
請求項2に記載の電子機器において、
前記装置本体部と前記GPSアンテナ部とが一体化される際に、前記ケーブルを前記収容部内に巻き取る巻取手段を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、
請求項2又は3に記載の電子機器において、
前記装置本体部は、
当該装置本体部と前記GPSアンテナ部とが一体化されている際に前記出力端子と接触し、当該出力端子により出力されたGPS信号が入力される第2入力端子と、
前記出力端子と前記第2入力端子とが接触していない場合には、前記入力端子に切り替えるとともに、前記出力端子と前記第2入力端子とが接触している場合には、前記第2入力端子に切り替える切替手段と、を備え、
前記測位手段は、前記切替手段により前記入力端子に切り替えられると、当該入力端子により入力されたGPS信号に基づいて前記現在位置を測位し、前記切替手段により前記第2入力端子に切り替えられると、当該第2入力端子により入力されたGPS信号に基づいて前記現在位置を測位することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、装置本体部とGPSアンテナ部とは着脱自在に一体化されており、装置本体部とGPSアンテナ部とが一体化される際に、GPSアンテナ部の出力端子と装置本体部の第1入力端子とを接続するケーブルを当該ナビゲーション装置に収容する収容部を備えている。
したがって、1つのGPSアンテナがケーブルを介して装置本体部と接続される携帯可能なナビゲーション装置において、装置本体部とGPSアンテナとを一体化する際に、すなわち、当該ナビゲーション装置を携帯して使用する際に、装置本体部とGPSアンテナとを連結するケーブルが邪魔にならないようにすることができる。
【0011】
また、ケーブルを収容部内に巻き取る巻取手段を備えている。
したがって、装置本体部とGPSアンテナ部とを一体化する際、手動でケーブルを収容部に収容する必要がないため、使い勝手がよい。
【0012】
また、装置本体部は、装置本体部とGPSアンテナ部とが一体化されている際に出力端子と接触する第2入力端子を備え、そして、測位手段は、出力端子と第2入力端子とが接触している場合には、当該第2入力端子により入力されたGPS信号に基づいて現在位置を測位することができる。
したがって、装置本体部とGPSアンテナ部とが一体化されている際には、GPS信号がケーブル及び第1入力端子を介してではなく、第2入力端子を介して直接装置本体部側に入力されるため、ケーブルを使用することにより生じる、GPS信号がGPSアンテナ部により出力されてから装置本体部に入力されるまでの所要時間に基づく誤差を抑えることができることとなって、より正確な現在位置を測位することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、装置本体部とGPSアンテナ部とは着脱自在に一体化されており、装置本体部とGPSアンテナ部とが一体化される際に、GPSアンテナ部の出力端子と装置本体部の入力端子とを接続するケーブルを当該電子機器に収容する収容部を備えている。
したがって、1つのGPSアンテナがケーブルを介して装置本体部と接続される携帯可能な電子機器において、装置本体部とGPSアンテナとを一体化する際に、すなわち、当該電子機器を携帯して使用する際に、装置本体部とGPSアンテナとを連結するケーブルが邪魔にならないようにすることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、ケーブルを収容部内に巻き取る巻取手段を備えている。
したがって、装置本体部とGPSアンテナ部とを一体化する際、手動でケーブルを収容部に収容する必要がないため、使い勝手がよい。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、装置本体部は、装置本体部とGPSアンテナ部とが一体化されている際に出力端子と接触する第2入力端子を備え、そして、測位手段は、出力端子と第2入力端子とが接触している場合には、当該第2入力端子により入力されたGPS信号に基づいて現在位置を測位することができる。
したがって、装置本体部とGPSアンテナ部とが一体化されている際には、GPS信号がケーブル及び入力端子を介してではなく、第2入力端子を介して直接装置本体部側に入力されるため、ケーブルを使用することにより生じる、GPS信号がGPSアンテナ部により出力されてから装置本体部に入力されるまでの所要時間に基づく誤差を抑えることができることとなって、より正確な現在位置を測位することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0017】
<ナビゲーション装置の構成>
まず、ナビゲーション装置1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1(a)は本発明にかかるナビゲーション装置1において、装置本体部4とGPSアンテナ部2とが一体になった状態の正面図を示し、図1(b)は本発明にかかるナビゲーション装置1において、装置本体部4とGPSアンテナ部2とが別体になった状態の正面図を示し、図2は本発明にかかるナビゲーション装置1の機能的構成を示す。
ここで、ナビゲーション装置1の高さ方向を上下方向とし、ナビゲーション装置1の幅方向を左右方向とし、ナビゲーション装置1の奥行き方向を前後方向とする。
【0018】
ナビゲーション装置1は、GPSを利用して現在位置を測位し、その測位した現在位置を走行案内表示等とともに、表示部44の表示画面上の地図に表示する電子機器である。
【0019】
ナビゲーション装置1は、例えば、移動体に搭載可能に構成されるとともに、携帯可能に構成されており、例えば、図1に示すように、装置本体部4と、ケーブルCを介して装置本体部4と連結されるとともに装置本体部4に着脱自在に一体化されたGPSアンテナ部2と、などを備えて構成されている。
ナビゲーション装置1によれば、ユーザは、例えば、ナビゲーション装置1を移動体(例えば、車両)に搭載して使用する場合、装置本体部4とGPSアンテナ部2とを別体にして、GPSアンテナ部2をダッシュボード等に取り付けて使用することができるとともに、例えば、ナビゲーション装置1を携帯して使用する場合、装置本体部4とGPSアンテナ部2とを一体にして使用することができる。
【0020】
例えば、図1に示すように、GPSアンテナ部2の筐体の下面における左右両端には、下方向に突出する凸部2a,2aが設けられており、装置本体部4の筐体の上面における左右両端には、下方向に陥没する凹部4a,4aが設けられている。
GPSアンテナ部2の凸部2aと、装置本体部4の凹部4aとは、GPSアンテナ部2と装置本体部4とが一体化される際に互いに係合されるよう構成されており、凸部2aと凹部4aとが互いに係合することによって、GPSアンテナ部2と装置本体部4とは着脱自在に一体化されている。
【0021】
(GPSアンテナ部)
GPSアンテナ部2は、例えば、図1及び図2に示すように、GPSアンテナ21と、出力端子22と、などを備えて構成される。
【0022】
GPSアンテナ21は、例えば、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して、出力端子22に出力する。
【0023】
出力端子22は、例えば、GPSアンテナ21から入力されたGPS信号を装置本体部4の第1入力端子41に出力することによって、GPSアンテナ21により受信されたGPS信号を装置本体部4側に出力する。
【0024】
また、出力端子22は、例えば、出力端子22が装置本体部4の第2入力端子42と接触している場合には、GPSアンテナ21から入力されたGPS信号を第2入力端子42に出力することによって、GPSアンテナ21により受信されたGPS信号を装置本体部4側に出力する。
【0025】
(装置本体部)
装置本体部4は、例えば、図1及び図2に示すように、係合部4bと、収容部4cと、回転軸4dと、巻取部4eと、第1入力端子(入力端子)41と、第2入力端子42と、切替部43と、表示部44と、操作部45と、制御部46と、などを備えて構成される。
【0026】
係合部4bは、例えば、図1に示すように、装置本体部4の筐体の上面における、装置本体部4とGPSアンテナ部2とが一体化される際にGPSアンテナ部2の出力端子22と係合可能な位置に設けられている。
【0027】
収容部4cは、例えば、装置本体部4とGPSアンテナ部2とが一体化される際に、ケーブルCをナビゲーション装置1に収容するためのものである。
具体的には、収容部4cは、例えば、図1に示すように、装置本体部4の筐体の内部に設けられており、ケーブルCが貫通可能な貫通孔等によって係合部4dと通じている。
【0028】
回転軸4dは、例えば、図1に示すように、収容部4c内に配置されており、一端部が巻取部4eに連結されるとともに、他端部が第1入力端子41と連結され、そして、ケーブルCが固定されている。
【0029】
巻取部4eは、例えば、巻取手段として、装置本体部4とGPSアンテナ部2とが一体化される際に、ケーブルCを収容部4c内に巻き取るためのものである。
具体的には、巻取部4eは、例えば、図1に示すように、装置本体部4の筐体の内部に設けられており、例えば、回転軸eと連結され、回転軸eに固定されたケーブルCが巻取方向(例えば、図1(b)参照)とは逆の方向に引っ張られると巻取方向に付勢力が働くぜんまいばねと、ストッパと、などから構成されている。巻取部4eは、例えば、ケーブルCが巻取方向とは逆の方向に引っ張られると、ケーブルCを収容部4c内から巻き出してストッパによりその状態を維持し、そして、再度ケーブルCが巻取方向とは逆の方向に引っ張られることによってストッパが解除されると、ぜんまいばねに働いている付勢力によってケーブルCを収容部4c内に巻き取るようになっている。
【0030】
第1入力端子41は、例えば、回転軸4dを介してケーブルCと連結しており、GPSアンテナ部2の出力端子22とケーブルCを介して接続している。第1入力端子41は、例えば、ケーブルCを介して出力端子22により出力されたGPS信号が入力されると、切替部43に出力するようになっている。
【0031】
第2入力端子42は、例えば、装置本体部4とGPSアンテナ部2とが一体化されている際に、GPSアンテナ部2の出力端子22と接触するようになっており、出力端子22により出力されたGPS信号が入力されると、切替部43に出力するようになっている。
また、第2入力端子42は、例えば、GPSアンテナ部2の出力端子22と接触すると、当該接触信号を制御部46に出力する。
【0032】
切替部43は、例えば、制御部46から入力される制御信号に従って、例えば、切替手段として、出力端子22と第2入力端子42とが接触していない場合には、第1入力端子41に切り替えるとともに、出力端子22と第2入力端子42とが接触している場合には、第2入力端子42に切り替える。
【0033】
表示部44は、例えば、図1に示すように、装置本体部4の前面略中央に配置されている。
具体的には、表示部44は、例えば、液晶表示機器等から構成され、制御部46から入力される制御信号に従って、所与の表示処理を行う。
【0034】
操作部45は、例えば、図1に示すように、装置本体部4の前面における、表示部44の表示画面の下方に設けられている。
操作部45は、例えば、文字/数字キーや各種機能キーなどから構成され、ユーザにより操作されると、当該操作に伴う押下信号を制御部46に出力する。
なお、操作部45は、例えば、表示部44と一体的に構成されたタッチパネル等を備える構成であってもよい。
【0035】
制御部46は、例えば、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)461と、RAM(Random Access Memory)462と、記憶部463と、などを備えている。
【0036】
CPU461は、例えば、記憶部463に記憶されたナビゲーション装置1用の各種処理プログラムに従って各種の制御動作を行う。
【0037】
RAM462は、例えば、CPU461によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域などを備える。
【0038】
記憶部463は、例えば、ナビゲーション装置1で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU461によって演算処理された処理結果のデータなどを記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形で記憶部463に記憶されている。
【0039】
具体的には、記憶部463は、例えば、図2に示すように、地図情報データベース463aと、切替制御プログラム463bと、測位プログラム463cと、表示制御プログラム463dと、などを記憶している。
【0040】
地図情報データベース463aは、例えば、所定の地域内(例えば、日本全土)を表現したナビゲーション用の地図に関する地図情報を記憶する。
【0041】
切替制御プログラム463bは、例えば、第2入力端子42から接触信号が入力されたか否かを判定して、出力端子22と第2入力端子42とが接触しているか否かを判断する機能を、CPU461に実現させる。
具体的には、CPU461は、例えば、第2入力端子42から接触信号が入力されないために出力端子22と第2入力端子42とが接触していないと判断した場合には、切替部43を制御して第1入力端子41に切り替えさせるとともに、第2入力端子42から接触信号が入力されたために出力端子22と第2入力端子42とが接触していると判断した場合には、切替部43を制御して第2入力端子42に切り替えさせる。
【0042】
測位プログラム463cは、例えば、第1入力端子41又は第2入力端子42により入力されたGPS信号に基づいてナビゲーション装置1の絶対的な2次元の現在位置(緯度、経度)或いは3次元の現在位置(緯度、経度、高度)を測位する機能を、CPU461に実現させる。
【0043】
具体的には、CPU461は、例えば、切替制御プログラム463bを実行したCPU461によって制御された切替部43により第1入力端子41に切り替えられると、第1入力端子41により入力されたGPS信号に基づいて現在位置を測位し、切替制御プログラム463bを実行したCPU461によって制御された切替部43により第2入力端子42に切り替えられると、第2入力端子42により入力されたGPS信号に基づいて現在位置を測位する。
なお、CPU461は、例えば、切替部43により第1入力端子41に切り替えられた場合、ケーブルCの長さ等を考慮して設定されたGPS信号が出力端子22により出力されてから第1入力端子41により入力されるまでの所要時間に基づいて、測位した現在位置を補正するようにしてもよい。
この場合、ケーブルCを使用することにより生じる、GPS信号がGPSアンテナ部2により出力されてから装置本体部4に入力されるまでの所要時間に基づく誤差を補正することができることとなって、より正確な現在位置を測位することができる。
CPU461は、かかる測位プログラム463cを実行することによって、測位手段として機能する。
【0044】
表示制御プログラム463dは、例えば、測位プログラム463cを実行したCPU461により測位された現在位置を、地図情報データベース463aに記憶された地図情報とともに表示部44に表示させる機能を、CPU461に実現させる。
さらに、表示制御プログラム463dは、例えば、ユーザによる操作部45の操作によって、ユーザ所望の目的地が設定された場合には、現在位置から目的地までの走行案内表示を表示部44に表示させる機能を、CPU461に実現させる。
【0045】
<測位処理>
次に、ナビゲーション装置1による現在位置の測位に関する処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0046】
ユーザからの指示に従って、ナビゲーション装置1の電源をONすると(ステップS1)、CPU461は、切替制御プログラム463bを実行して、出力端子22と第2入力端子42とが接触しているか否かを判断する(ステップS2)。
【0047】
ステップS2で、出力端子22と第2入力端子42とが接触していないと判断すると(ステップS2;No)、CPU461は、第1入力端子41に切り替わっているか否かを判断する(ステップS3)。
【0048】
ステップS3で、第1入力端子41に切り替わっていると判断すると(ステップS3;Yes)、CPU461は、ステップS5の処理に移行する。
【0049】
一方、ステップS3で、第1入力端子41に切り替わっていないと判断すると(ステップS3;No)、CPU461は、切替部43を制御して、第1入力端子41に切り替えさせる(ステップS4)。
【0050】
次いで、CPU461は、測位プログラム463cを実行して、第1入力端子41により入力されたGPS信号に基づいて現在位置を測位し(ステップS5)、表示制御プログラム463dを実行して、当該測位された現在位置を表示部44に表示させる(ステップS6)。
【0051】
次いで、CPU461は、ユーザによる操作部45の操作によって、ナビゲーション装置1の電源をOFFするよう指示されたか否かを判断する(ステップS7)。
【0052】
ステップS7で、ナビゲーション装置1の電源をOFFするよう指示されていないと判断すると(ステップS7;No)、CPU461は、ステップS2以降の処理を繰り返して行う。
【0053】
一方、ステップS7で、ナビゲーション装置1の電源をOFFするよう指示されたと判断すると(ステップS7;Yes)、CPU461は、本処理を終了する。
【0054】
また、ステップS2で、出力端子22と第2入力端子42とが接触していると判断すると(ステップS2;Yes)、CPU461は、第2入力端子42に切り替わっているか否かを判断する(ステップS8)。
【0055】
ステップS8で、第2入力端子42に切り替わっていると判断すると(ステップS8;Yes)、CPU461は、ステップS10の処理に移行する。
【0056】
一方、ステップS8で、第2入力端子42に切り替わっていないと判断すると(ステップS8;No)、CPU461は、切替部43を制御して、第2入力端子42に切り替えさせる(ステップS9)。
【0057】
次いで、CPU461は、測位プログラム463cを実行して、第2入力端子42により入力されたGPS信号に基づいて現在位置を測位し(ステップS10)、表示制御プログラム463dを実行して、当該測位された現在位置を表示部44に表示させる(ステップS11)、ステップS7の処理に移行する。
【0058】
以上説明した本発明のナビゲーション装置1によれば、表示部44が配置された装置本体部4と、装置本体部4に着脱自在に一体化され、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信するGPSアンテナ部2と、を備え、GPSアンテナ部2は、GPS信号を装置本体部4側に出力する出力端子22を備え、装置本体部4は、出力端子22とケーブルCを介して接続し、出力端子22により出力されたGPS信号が入力される第1入力端子41と、第1入力端子41により入力されたGPS信号に基づいて現在位置を測位する測位プログラム463cを実行したCPU461と、を備え、装置本体部4とGPSアンテナ部2とが一体化される際に、ケーブルCをナビゲーション装置1に収容する収容部4cを備えている。
したがって、1つのGPSアンテナ21がケーブルCを介して装置本体部4と接続される携帯可能なナビゲーション装置1において、装置本体部4とGPSアンテナ部2とを一体化する際に、すなわち、ナビゲーション装置1を携帯して使用する際に、装置本体部2とGPSアンテナ部2とを連結するケーブルCが邪魔にならないようにすることができる。
【0059】
また、ナビゲーション装置1は、装置本体部4とGPSアンテナ部2とが一体化される際に、ケーブルCを収容部4c内に巻き取る巻取部4eを備えている。
したがって、装置本体部4とGPSアンテナ部2とを一体化する際、手動でケーブルCを収容部4cに収容する必要がないため、使い勝手がよい。
【0060】
また、装置本体部4は、装置本体部4とGPSアンテナ部2とが一体化されている際に出力端子22と接触し、出力端子22により出力されたGPS信号が入力される第2入力端子42と、出力端子22と第2入力端子42とが接触していない場合には、第1入力端子41に切り替えるとともに、出力端子22と第2入力端子42とが接触している場合には、第2入力端子42に切り替える切替部43と、を備え、測位プログラム463cを実行したCPU461は、切替部43により第1入力端子41に切り替えられると、第1入力端子41により入力されたGPS信号に基づいて現在位置を測位し、切替部43により第2入力端子42に切り替えられると、第2入力端子42により入力されたGPS信号に基づいて現在位置を測位する。
したがって、装置本体部4とGPSアンテナ部2とが一体化されている際には、GPS信号がケーブルC及び第1入力端子41を介してではなく、第2入力端子42を介して直接装置本体部4側に入力されるため、ケーブルCを使用することにより生じる、GPS信号がGPSアンテナ部2により出力されてから装置本体部4に入力されるまでの所要時間に基づく誤差を抑えることができることとなって、より正確な現在位置を測位することができる。
【0061】
なお、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0062】
電子機器は、GPS信号に基づいて測位された現在位置を走行案内表示とともに表示するナビゲーション装置1の限りではなく、GPS信号に基づいて測位された現在位置を表示することができる装置であれば任意である。
【0063】
ケーブルCを収容する収容部4cを装置本体部4側に設けるようにしたが、収容部4cは、ケーブルCをナビゲーション装置1の内部に収容することができるのであれば、GPSアンテナ部2側に設けられていてもよい。
【0064】
ケーブルCを収容部4c内に巻き取る巻取部4eを装置本体部4側に設けるようにしたが、巻取部4eは、ケーブルCを収容部4c内に巻き取ることができるのであれば、GPSアンテナ部2側に設けられていてもよい。また、巻取部4eは、ぜんまいばねやストッパなどから構成される限りではなく、ケーブルCを収容部4c内に巻き取ることができるのであれば、その構成は任意である。
【0065】
装置本体部4は、必ずしも第2入力端子42を備える必要はなく、少なくとも第1入力端子41が備えられていればよい。また、装置本体部4に第2入力端子41が備えられていない場合には、装置本体部4は、切替部43を備える必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明にかかるナビゲーション装置において、装置本体部とGPSアンテナ部2が一体になった状態の正面図(a)と、本発明にかかるナビゲーション装置において、装置本体部とGPSアンテナ部とが別体になった状態の正面図(b)と、である。
【図2】本発明にかかるナビゲーション装置の機能的構成を示す図である。
【図3】本発明にかかるナビゲーション装置による現在位置の測位に関する処理について説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
1 ナビゲーション装置(電子機器)
2 GPSアンテナ部
4 装置本体部
4c 収容部
4e 巻取部(巻取手段)
22 出力端子
41 第1入力端子(入力端子)
42 第2入力端子
44 表示部
43 切替部
461 CPU(測位手段)
463c 測位プログラム(測位手段)
C ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を測位して表示部に表示する携帯可能なナビゲーション装置において、
前記表示部が配置された装置本体部と、
前記装置本体部に着脱自在に一体化され、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信するGPSアンテナ部と、を備え、
前記GPSアンテナ部は、
前記GPS信号を前記装置本体部側に出力する出力端子を備え、
前記装置本体部は、
前記出力端子とケーブルを介して接続し、当該出力端子により出力されたGPS信号が入力される第1入力端子と、
当該装置本体部と前記GPSアンテナ部とが一体化されている際に前記出力端子と接触し、当該出力端子により出力されたGPS信号が入力される第2入力端子と、
前記出力端子と前記第2入力端子とが接触していない場合には、前記第1入力端子に切り替えるとともに、前記出力端子と前記第2入力端子とが接触している場合には、前記第2入力端子に切り替える切替手段と、
前記切替手段により前記第1入力端子に切り替えられると、当該第1入力端子により入力されたGPS信号に基づいて前記現在位置を測位し、前記切替手段により前記第2入力端子に切り替えられると、当該第2入力端子により入力されたGPS信号に基づいて前記現在位置を測位する測位手段と、を備え、
前記装置本体部と前記GPSアンテナ部とが一体化される際に、前記ケーブルを当該ナビゲーション装置に収容する収容部と、
前記装置本体部と前記GPSアンテナ部とが一体化される際に、前記ケーブルを前記収容部内に巻き取る巻取手段と、を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
現在位置を測位して表示部に表示する携帯可能な電子機器において、
前記表示部が配置された装置本体部と、
前記装置本体部に着脱自在に一体化され、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信するGPSアンテナ部と、を備え、
前記GPSアンテナ部は、
前記GPS信号を前記装置本体部側に出力する出力端子を備え、
前記装置本体部は、
前記出力端子とケーブルを介して接続し、当該出力端子により出力されたGPS信号が入力される入力端子と、
前記入力端子により入力されたGPS信号に基づいて前記現在位置を測位する測位手段と、を備え、
前記装置本体部と前記GPSアンテナ部とが一体化される際に、前記ケーブルを当該電子機器に収容する収容部を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器において、
前記装置本体部と前記GPSアンテナ部とが一体化される際に、前記ケーブルを前記収容部内に巻き取る巻取手段を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の電子機器において、
前記装置本体部は、
当該装置本体部と前記GPSアンテナ部とが一体化されている際に前記出力端子と接触し、当該出力端子により出力されたGPS信号が入力される第2入力端子と、
前記出力端子と前記第2入力端子とが接触していない場合には、前記入力端子に切り替えるとともに、前記出力端子と前記第2入力端子とが接触している場合には、前記第2入力端子に切り替える切替手段と、を備え、
前記測位手段は、前記切替手段により前記入力端子に切り替えられると、当該入力端子により入力されたGPS信号に基づいて前記現在位置を測位し、前記切替手段により前記第2入力端子に切り替えられると、当該第2入力端子により入力されたGPS信号に基づいて前記現在位置を測位することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−224603(P2008−224603A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−66959(P2007−66959)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】