説明

ナビゲーション装置

【課題】飲酒したと思われる使用者(ナビゲーション装置の利用者)が車両を運転しようとするとき、あるいは運転を開始したときに警告報知する。
【解決手段】現在位置を検出する現在位置検出手段と、目的地の設定を行い目的地設定手段と、目的地が飲酒を伴う可能性がある施設を目的地とする場合に所定の目的地として検出する設定目的地検出手段と、飲酒運転の警告を報知する警告報知手段と、利用者が下車したか否かを検出する下車検出手段と、利用者の運転動作を検出する運転検出手段と、制御手段と、を備え、設定目的地検出手段が所定の目的地を検出した場合、下車検出手段が下車を検出した後、運転検出手段が運転動作を検出すると、制御手段は、警告報知手段に警告を報知させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用のナビゲーション装置において、飲酒運転の警報を報知するナビゲーション装置に関するものであり、特に、利用者が設定した目的地が飲酒を伴う可能性がある施設である場合、当該目的地に到着してから一定時間以上経過後に当該目的地を出発する際に飲酒運転に関する警告を報知するようにしたナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等で道路を走行する場合に、目的地に至るまで現在位置を求め、表示画面上に道路地図とともに現在位置を表示し、ユーザが道に迷うことなく目的地に到達できるように誘導する車載用のナビゲーション装置が知られている。
【0003】
現在位置を測定するために、人工衛星を利用したGPS(Global Positioning System)ナビゲーションシステムが知られている。これは、地球上空を周回している複数の人工衛星からの電波を受信し、受信データを演算処理することによって現在位置を特定するものである。
【0004】
このようなナビゲーション装置は目的地への経路案内が主たる機能であるが、種々の交通安全のための機能も付加されつつある。このような機能としては飲酒運転防止、衝突防止、運転中のAVの禁止、居眠り運転の警報、速度違反の報知、進入禁止道路の報知などの機能があげられる。
【0005】
例えば、下記の特許文献1(特開2002−236029号公報)に車輌運転状況監視システムが記載されている。ナビゲーション装置は車両の車速センサ、アクセル開度センサ、ブレーキセンサ、操舵量センサ及び居眠り警告センサから送信された運転状況を所定時間毎に車両運転状況監視サーバに送信し、車両運転状況監視サーバが蛇行運転など車両挙動を解析する。そして、センターが飲酒運転や居眠り運転が疑われる車両挙動を検出したときにナビゲーション装置に送信する。これを受信したナビゲーション装置は警報を発し、交通事故を未然に防ぐ確率を高めることができる。
【特許文献1】特開2005−293032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたナビゲーション装置は、交通事故に至る可能性が疑われる状態になってから警告をするように構成されものである。例えば、飲酒運転では、蛇行運転、急発進、急ブレーキを検出してから警報を発する。飲酒運転は運転者が酒酔い状態であるために大惨事になることがある。また、飲酒運転者には社会手的に厳罰が課せられる。したがって、特に、飲酒運転には早期の警告報知が必要である。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、飲酒運転による交通事故に至る可能性が疑われる状態になってから警告をするものではなく、飲酒したと思われる使用者(ナビゲーション装置の利用者)が車両を運転しようとするとき、あるいは運転を開始したときに警告報知して、早期の飲酒運転予防を行うことができるナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、現在位置を検出する現在位置検出手段と、目的地設定を行う目的地設定手段と、該設定された目的地が飲酒を伴う可能性がある施設であるか否かを検出する設定目的地検出手段と、飲酒運転の警告を報知する警告報知手段と、利用者が下車したか否かを検出する下車検出手段と、利用者の運転動作を検出する運転検出手段と、制御手段と、を備え、
前記設定目的地検出手段が前記設定された目的地が飲酒を伴う可能性がある施設であることを検出し、前記下車検出手段が下車を検出した後、前記運転検出手段が運転動作を検出すると、前記制御手段は、前記警告報知手段に警告を報知させることを特徴とする。
【0009】
本願請求項2にかかる発明は、前記制御手段は、前記下車検出手段が下車を検出した後、所定時間以上経過して前記運転検出手段が運転動作を検出すると警告報知手段に警告を報知させることを特徴とする。
【0010】
本願請求項3にかかる発明は、前記下車検出手段および前記運転検出手段はイグニッションスイッチのON/OFFを検出し、前記下車検出手段はイグニッションスイッチのONからOFFへの変更に基づいて下車と判定し、前記運転検出手段はイグニッションスイッチのOFFからONへの変更に基づいて運転動作を開始したと判定することを特徴とする。
【0011】
本願請求項4にかかる発明は、前記下車検出手段は、前記現在位置検出手段が検出した現在位置が前記目的地地点と一致した場合に、利用者が下車したものと判定し、前記運転検出手段は、前記現在位置検出手段が検出した現在位置が目的地地点から移動を開始した場合に運転動作を開始したと判定することを特徴とする。
【0012】
本願請求項5にかかる発明は、前記ナビゲーション装置は、種別ごとに分類された施設データを蓄積した施設データ記憶手段を有し、前記設定目的地検出手段は、前記施設データ記憶手段を参照し、前記目的地が飲酒を伴う可能性がある施設であるか否かの検出を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1にかかる発明においては、現在位置を検出する現在位置検出手段と、目的地設定を行う目的地設定手段と、該設定された目的地が飲酒を伴う可能性がある施設であるか否かを検出する設定目的地検出手段と、飲酒運転の警告を報知する警告報知手段と、利用者が下車したか否かを検出する下車検出手段と、利用者の運転動作を検出する運転検出手段と、制御手段と、を備え、
前記設定目的地検出手段が前記設定された目的地が飲酒を伴う可能性がある施設であることを検出し、前記下車検出手段が下車を検出した後、前記運転検出手段が運転動作を検出すると、前記制御手段は、前記警告報知手段に警告を報知させる。
【0014】
このような構成によれは、例えば、居酒屋などの飲食店が目的地にされ、当該目的地に到着して駐車された車両が再び運転されるときなど、車両の運転者や同乗者の飲酒運転や酒気帯び運転が懸念される場合に、警告を報知するので、飲酒運転の予防に資することができる。
【0015】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーション装置において、前記制御手段は、前記下車検出手段が下車を検出した後、所定時間以上経過して前記運転検出手段が運転動作を検出すると警告報知手段に警告を報知させる。
【0016】
このような構成によれば、車両の運転者(ナビゲーション装置の利用者)が単に居酒屋などの目的地に同乗者を送迎した場合と、運転者が当該目的地に一定時間以上滞在した場合とを区別でき、後者の場合に飲酒運転や酒気帯び運転が懸念され、警告を報知するので、飲酒運転の予防に資することができる。
【0017】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかるナビゲーション装置において、前記下車検出手段および前記運転検出手段はイグニッションスイッチのON/OFFを検出し、前記下車検出手段はイグニッションスイッチのONからOFFへの変更に基づいて下車と判定し、前記運転検出手段はイグニッションスイッチのOFFからONへの変更に基づいて運転動作を行ったと判定する。
【0018】
このような構成によれば、イグニッションスイッチのON/OFFを検出することによりナビゲーション装置の利用者の下車および運転動作を判別することができるようになる。また、イグニッションスイッチのOFF/ONが一定の時間以上経過して行われた場合に、ナビゲーション装置の利用者が当該目的地に一定時間以上滞在した場合を区別できるようになり、車両の運転者や同乗者の飲酒運転や酒気帯び運転が懸念される場合、警告を報知するので、飲酒運転の予防に資することができる。
【0019】
また、請求項4にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかるナビゲーション装置において、下車検出手段は、現在位置検出手段が検出した現在位置が前記目的地への到着を示す場合に、利用者が下車したものと判定し、前記運転検出手段は、現在位置検出手段が検出した現在位置が目的地からの移動開始を示す場合に運転動作を行ったものと判定する。
【0020】
このような構成によれば、イグニッションスイッチのON/OFFを検出する手段を用いることなく、現在位置検出手段が検出した現在位置に基づいて車両の目的地への到着と、目的地からの出発を検出することにより、下車および運転動作の開始を判定することができるようになる。
【0021】
また、請求項5にかかる発明においては、請求項1〜請求項4の何れかにかかるナビゲーション装置において、前記ナビゲーション装置は、種別ごとに分類された施設データを蓄積した施設データ記憶手段を有し、前記設定目的地検出手段は、前記施設データ記憶手段を参照し、前記目的地が飲酒を伴う可能性がある目的地であるか否かを検出する。
【0022】
このような構成によれば、ナビゲーション装置の利用者が目的地とした施設が、飲酒を伴う可能性がある施設であるか否かを容易に判別することができるようになり、目的地が飲酒を伴う可能性がある施設であった場合、当該目的地に到着してから当該目的地を出発する際に、飲酒運転に関する警告を報知するので、飲酒運転の予防に資することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
【実施例1】
【0024】
図1は実施例1のナビゲーション装置1の要部の構成を示すブロック図である。
【0025】
現在位置検出手段11は、複数のGPS(Global Positioning System)衛星から位置情報の電波を受信して現在位置を演算し、演算した減算位置のデータを後述の制御手段10に出力する。地図記憶手段19は、経路探索、地図表示のための地図データを記憶し、経路探索手段12は地図記憶手段19に記憶された地図データに基づいて現在位置または出発地から指定された目的地までの最適な経路を探索する。
【0026】
入力手段17は、各種のキー、スイッチなどから構成され、ナビゲーション装置1の操作入力や出発地や目的地を入力するものであり、表示手段16と一体に構成されたタッチパネルなどの手段により構成されてもよい。この場合、表示手段16に表示されたメニュー画面を直接タッチすることで所望の入力を行うことができる。
【0027】
施設データ記憶手段13はPOI(Points Of Interest)データを記憶する。POIとはガソリンスタンド、ホテル、ショッピングモール、公園、レストラン、居酒屋、映画館、銀行などの施設であり、各々の施設が位置情報を有し、それぞれのカテゴリにより種別されている。なお、居酒屋は飲酒を主たる目的とする施設であるため予め飲酒を伴う施設としたカテゴリに記憶させておく。また、居酒屋等の飲酒施設に変えて近傍するパーキングを目的地とすることもあるので、飲酒が可能な施設近傍(例えば、100m以内)の駐車可能施設も予め飲酒を伴う施設としたカテゴリに記憶させておいてもよい。
【0028】
設定目的地検出手段14は、ナビゲーション装置1の利用者が経路探索や経路案内の目的地として設定した施設が飲酒運転の警告報知を行う対象の施設、すなわち、飲酒を伴う可能性がある施設であるかを判定する。この判定は、施設データ記憶手段13に記憶された施設データの種別に基づいて行う。目的地とした施設が飲酒を伴う可能性がある施設であると判定されると、飲酒運転の警告報知を行う対象とされる。目的地の入力はPOIの施設の種別でもよく、個別の施設名でもよく、また、地名や座標でもよい。入力された目的地の情報などは記憶手段20に一時記憶される。
【0029】
表示手段16は液晶表示装置であり、現在位置やPOIが重畳された地図を表示する。警告報知手段18は経路案内の音声報知や飲酒運転の警告報知を出力する。制御手段10は内部のEEPROM(図示せず。)に記憶されたプログラムに基づいて各部を制御する。
【0030】
下車検出手段15aはナビゲーション装置1の利用者の下車を検出し、運転検出手段15bは車両の運転動作を検出する。下車検出手段15aおよび運転検出手段15bは、本実施例1においては、車両のイグニッションスイッチ(図示せず。)のON/OFFにより、ナビゲーション装置1の利用者の下車および車両の運転動作を検出する。すなわち、イグニッションスイッチがOFFされた場合は、ナビゲーション装置1の利用者の下車したものと判定し、イグニッションスイッチがONされた場合は、ナビゲーション装置1の利用者が車両の運転動作を行ったものと判定する。
【0031】
従って、制御手段10は、車両が目的地に到着してイグニッションスイッチがOFFされて車両が停車し、次にイグニッションスイッチがONされるまでの時間により車両がその目的地に停車していた時間を判別することができる。この時間が一定の時間(所定時間)以上経過していれば、単なる同乗者の送迎であるか、当該目的地に滞在したものであるかを区別することができる。
【0032】
例えば、目的地である施設が居酒屋であり、そこに所定時間以上停車された場合にはナビゲーション装置1の利用者や同乗者が飲酒を伴う飲食を行った可能性が高く、飲酒運転の可能性が疑われる状態であると判別できる。警告報知手段18は、このような場合、飲酒運転を警告する警告を表示手段や音声出力手段(図示せず)に報知させる。
【0033】
次に制御手段10の現在位置検出動作について説明する。車両のイグニッションスイッチ(図示せず。)のONにより、ナビゲーション装置1が起動すると、制御手段10は地図記憶手段19に記憶された地図を呼び出して表示手段16に表示させる。そして、現在位置検出手段11より現在位置のデータを受信する。現在位置のデータを受信してから現在位置を表示するまでの時間は、最初は数秒かかるが、以降は所定の時間間隔、例えば数秒毎に現在位置を測位して更新する。
【0034】
制御手段10は受信した現在位置を地図に重畳して表示させる。現在位置を地図に重畳するときは、現在位置検出手段11から受信した現在位置が地図記憶手段19から読み出した地図の最も近い道路上になるように、現在位置を道路上に表示させる。これをマップマッチングという。
【0035】
次に経路案内について説明する。経路案内を行うには、まず目的地が設定されなければならない。目的地を設定するには、目的地を施設データ記憶手段13から選択する。他の方法として、地図を拡大、縮小、スクロールさせて、目的地となる地点にカーソルを合わせ、これを目的地として登録することもできる。また、住所や電話番号がわかっている場合は入力手段17を用いて直接これらの情報を入力して目的地を設定することができる。
【0036】
目的地が設定されると、経路探索手段12により、所定の条件に基づいて現在位置から目的地までの最適な経路を求められる。その条件は使用者が設定するものであり、最短距離や、最短時間や、有料道路を除くなど、種々の条件がある。
【0037】
経路が設定されると、制御手段10は経路案内を開始する。例えば、制御手段10は、経路を区別できる色で表示し、目的地までに距離と到達予測時間を表示し、曲がるべき交差点に所定距離近付くと、警告報知手段18により音声(例えば、「約50m先交差点を右に曲がります。」)を出力する。
【0038】
次に飲酒運転の警告報知について説明する。図2は制御手段10の動作を示すフローチャートである。制御手段10は目的地が入力されると(ステップS1のY)、設定目的地検出手段14によりその目的地が飲酒運転の警告報知を行う目的地であるかを判定される(ステップS2)。警告報知を行う目的地とは、例えば、居酒屋であるか否かであり、居酒屋のように飲酒を伴うと予測される施設は、飲酒を伴うと予測される施設というカテゴリで予め施設データ記憶手段13に記憶させておく。
【0039】
設定目的地検出手段14による判定は、先に述べたように施設データ記憶手段13に記憶された施設データのカテゴリに基づいて行う。目的地とした施設が飲酒を伴う施設、例えば、居酒屋であると判定されると、飲酒運転の警告報知を行う対象とされる。
【0040】
目的地が居酒屋でなかったときは(ステップS2のN)、通常の経路案内を開始し(ステップS3)、目的地に到着しても(ステップS4のY)飲酒運転の警告報知は行わない。そして、目的地に到着したならば経路案内を終了する。
【0041】
制御手段10は、目的地が居酒屋であったときは(ステップS2のN)、経路案内を開始し(ステップS5)、目的地に到着し(ステップS6のY)、そこでエンジンが停止されると(ステップS7のY)、下車検出手段15aは車両が停止し、ナビゲーション装置1の利用者が下車したものと判定する。そして、制御手段10は、次にエンジンが始動されるまで(ステップS8)の時間をカウントする。ここで、エンジンの停止と始動の検出は下車検出手段15aと運転検出手段15bによるイグニッションスイッチのOFFとONの検出に基づいて行われる。なお、イグニッションスイッチがOFFにされても制御手段10は車両のバッテリにより時間をカウントすることができる。
【0042】
所定時間経過後(例えば、30分後)にエンジンが始動(イグニッションスイッチがON)されると(ステップS8のY)、運転検出手段15bは車両が運転動作されたものと判定し、警告報知手段18は飲酒運転の警告報知(メッセージ報知)を行う(ステップS9)。この警告報知は、例えば、「飲酒運転はいけません!」というメッセージを表示手段16に表示させると共に、音声報知手段18により「飲酒運転はいけません」の音声を出力させる。このときの音量は使用者の音量設定とは関係なく、所定の音量で出力するように構成することが好ましい。
【0043】
所定時間経過前にエンジンが始動されたときは(ステップS8のN)、ナビゲーション装置1の利用者が下車せず、例えば、単なる同乗者の送迎であり飲酒の可能性が低いと判別し、飲酒運転の警告を報知せず、処理を終了する。所定時間とは、ナビゲーション装置1の利用者が飲食するに要する時間をもとに設定すればよく、居酒屋などの場合、例えば、飲食には少なくとも30分は要すると推定しこれを所定時間として設定する。つまり停車から運転動作の検出までの時間が30分を超える場合にはナビゲーション装置1の利用者が飲食した可能性ありと判定できる。
【0044】
上述のごとく、飲食店に駐車された車両が運転されるときは、車両の所有者や同行者の飲酒運転や酒気帯び運転が懸念されるので、警告を報知する。これにより飲酒運転の予防に資することができる。また、目的地で下車後所定時間以上経過して運転動作が行われると警告を報知させるから送迎などの短時間の駐車あるいは一旦停車を警告報知の対象から除外することができる。
【実施例2】
【0045】
上記の実施例1においては、下車検出手段15aおよび運転検出手段15bが車両のイグニッションスイッチのON/OFFにより、ナビゲーション装置1の利用者の下車および車両の運転動作を検出する構成を説明した。このような構成の場合、ナビゲーション装置1の利用者が同乗者を送迎する場合に、エンジンを停止せずに目的地の施設に停車し、運転を再開した時にはこれを判別できない。また、下車検出手段15aおよび運転検出手段15bに車両のイグニッションスイッチのON/OFFを検出する手段が必要になる。
【0046】
本発明の実施例2にかかるナビゲーション装置1は、車両のイグニッションスイッチのON/OFFによらずナビゲーション装置1の利用者の下車、運転動作(再開)を判定するように構成している。図3は、本発明の実施例2にかかるナビゲーション装置1の構成を示すブロック図である。
【0047】
図3のナビゲーション装置1の構成要素のうち、図1のナビゲーション装置1と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、説明の重複を避けるためそれらの構成要素の説明は省略している。
【0048】
図3のナビゲーション装置1においては、下車検出手段15c、運転検出手段15dが図1のナビゲーション装置1における下車検出手段15aおよび運転検出手段15bの構成と異なり、他は図1のナビゲーション装置1の構成と同様である。
【0049】
すなわち、図3における下車検出手段15c、運転検出手段15dは、現在位置検出手段11が検出した現在位置の情報に基づいて下車、運転動作の再開を検出するものであり、下車検出手段15cは、現在位置検出手段11が検出した現在位置が目的地への到着を示す場合に、利用者が下車したものと判定し、運転検出手段15dは、現在位置検出手段11が検出した現在位置が目的地からの移動開始を示す場合に運転動作を行ったものと判定するものである。
【0050】
図4は実施例2のナビゲーション装置1における制御手段10の動作を示すフローチャートである。図4のフローチャートにおいて、図2実施例1のナビゲーション装置1における制御手段10のフローチャートと異なる処理ステップは、ステップS17、ステップS18のみである。図4のステップS11〜S16およびS19の処理は、それぞれ図2のステップS1〜6およびステップS9の処理と同様である。
【0051】
図4において、現在位置が目的地である居酒屋に到達すると下車検出手段15cは車両が停止(ナビゲーション装置1の利用者が下車)したと判定し(ステップS17のY)、所定時間後に移動を開始し現在位置が目的地から移動開始を示すと、運転検出手段15dは運転動作が行われたものと判定し(ステップS17のY)、実施例1と同様に飲酒運転の警告報知(メッセージ報知)を行う(ステップS19)。
【0052】
本実施例2にかかるナビゲーション装置1は、このように現在位置を用いて目的地での停車と移動開始をもとに下車および運転動作を検出するので、イグニッション検出手段は不要である。これにより、ナビゲーション機能を搭載した携帯電話装置にも本発明を容易に適用することができるようになる。
【0053】
また、この方法によらず、ドアの開閉や人体センサなどで下車、運転動作の判定を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、車両に装着するナビゲーション装置のみならず、携帯可能で任意の車両やオートバイまた自転車にも使用可能なポータブルナビゲーション装置、そして、ナビゲーション機能を搭載した携帯電話装置にも適用することができ、飲酒運転など危険運転を行う可能性が高い場合にこれを警告することができ、安全運転、交通事故の予防に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施例1にかかるナビゲーション装置の要部を示すブロック図である。
【図2】実施例1のナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例2にかかるナビゲーション装置の要部を示すブロック図である。
【図4】実施例2のナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
1・・・・・・・ナビゲーション装置
10・・・・・・制御手段
11・・・・・・現在位置検出手段
12・・・・・・経路探索手段
13・・・・・・施設データ記憶手段
14・・・・・・設定目的地検出手段
15a、15c・・・下車検出手段
15b、15d・・・運転検出手段
16・・・・・・表示手段
17・・・・・・入力手段
18・・・・・・警告報知手段
19・・・・・・地図記憶手段
20・・・・・・記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を検出する現在位置検出手段と、目的地設定を行う目的地設定手段と、該設定された目的地が飲酒を伴う可能性がある施設であるか否かを検出する設定目的地検出手段と、飲酒運転の警告を報知する警告報知手段と、利用者が下車したか否かを検出する下車検出手段と、利用者の運転動作を検出する運転検出手段と、制御手段と、を備え、
前記設定目的地検出手段が前記設定された目的地が飲酒を伴う可能性がある施設であることを検出し、前記下車検出手段が下車を検出した後、前記運転検出手段が運転動作を検出すると、前記制御手段は、前記警告報知手段に警告を報知させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記下車検出手段が下車を検出した後、所定時間以上経過して前記運転検出手段が運転動作を検出すると警告報知手段に警告を報知させることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記下車検出手段および前記運転検出手段はイグニッションスイッチのON/OFFを検出し、前記下車検出手段はイグニッションスイッチのONからOFFへの変更に基づいて下車と判定し、前記運転検出手段はイグニッションスイッチのOFFからONへの変更に基づいて運転動作を開始したと判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記下車検出手段は、前記現在位置検出手段が検出した現在位置が前記目的地地点と一致した場合に、利用者が下車したものと判定し、前記運転検出手段は、前記現在位置検出手段が検出した現在位置が前記目的地地点から移動を開始した場合に運転動作を開始したと判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記ナビゲーション装置は、種別ごとに分類された施設データを蓄積した施設データ記憶手段を有し、前記設定目的地検出手段は、前記施設データ記憶手段を参照し、前記目的地が飲酒を伴う可能性がある施設であるか否かの検出を行うことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−75809(P2009−75809A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243404(P2007−243404)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】