ナビゲーション装置
【課題】未知の地図未登録道路を初めて移動する場合にも案内が可能で、かつ、利便性を向上させることが可能なナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】このカーナビゲーション装置100(ナビゲーション装置)は、現在位置情報を取得するGPS受信機40と、地図登録済み道路を含む地図データ31を表示する表示部50と、現在位置情報と地図データ31とに基づき現在位置Gが地図登録済み道路上にあるかまたは地図未登録道路上にあるかを判定し、現在位置Gが地図未登録道路上にあると判定した場合に、現在位置Gから地図登録済み道路への合流地点Jを設定するとともに、現在位置Gから設定された合流地点Jまでの距離および現在位置Gから設定された合流地点Jに向かう方向を含む案内情報(N1およびN2)をユーザに通知する制御を行うCPU10とを備える。
【解決手段】このカーナビゲーション装置100(ナビゲーション装置)は、現在位置情報を取得するGPS受信機40と、地図登録済み道路を含む地図データ31を表示する表示部50と、現在位置情報と地図データ31とに基づき現在位置Gが地図登録済み道路上にあるかまたは地図未登録道路上にあるかを判定し、現在位置Gが地図未登録道路上にあると判定した場合に、現在位置Gから地図登録済み道路への合流地点Jを設定するとともに、現在位置Gから設定された合流地点Jまでの距離および現在位置Gから設定された合流地点Jに向かう方向を含む案内情報(N1およびN2)をユーザに通知する制御を行うCPU10とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナビゲーション装置に関し、特に、地図情報に基づき案内を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地図情報に基づき案内を行うナビゲーション装置が知られている(たとえば、特許文献1〜4参照)。
【0003】
上記特許文献1には、車両の現在位置を取得するGPS(Global Positioning System)受信機と、道路地図データを記憶したHDD(Hard Disc Drive)と、車両の現在位置と地図情報とに基づいて目的地までの案内情報を作成するCPU(中央演算処理装置)と、案内情報を表示する表示器と、案内情報を音声出力するスピーカと、車両の前方を撮影する撮像装置(CCDビデオカメラ)と、撮影された画像を解析する画像処理部とを備えたナビゲーション装置が開示されている。ここで、車両の走行中には、新設道路などの道路地図データに登録されていない道路(地図未登録道路)を走行する場合がある。この特許文献1によるナビゲーション装置では、地図未登録道路に車両が進入した場合に、撮像装置によって撮影された車両前方の画像を画像処理部によって解析することにより、車両前方の画像から地図未登録道路を検出するように構成されている。さらに、このナビゲーション装置は、地図未登録道路を進行中に撮像装置による車両前方の画像から分岐路を検出した場合には、地図未登録道路がそれぞれの分岐方向に直線状に延びると仮定して、それぞれ分岐方向に進んだ場合に合流する地図登録済み道路との接続点を推定するように構成されている。
【0004】
そして、特許文献1によるナビゲーション装置は、推定された接続点への方向と、その接続点で合流すると推定される地図登録済み道路の名称とを案内することによって、車両が地図未登録道路上に進入した場合でも接続点(地図登録済み道路)までの経路案内を行うように構成されている。このように、上記特許文献1によるナビゲーション装置では、撮像装置(CCDビデオカメラ)により得られた撮像データを用いて、地図未登録道路を検出するとともに、進行する方向と、その方向に進行した場合の接続先の地図登録済み道路の名称とを案内するように構成されている。
【0005】
また、上記特許文献2および3には、それぞれ、車両が地図未登録道路上を走行しているか否かを判断し、地図未登録道路を走行していると判断された場合にその走行経路(地図未登録道路)を記憶して、記憶された地図未登録道路を新たな地図登録済み道路として処理して次回以降に活用することが可能なナビゲーション装置が開示されている。
【0006】
また、上記特許文献4には、ユーザの操作入力に基づいて道路地図上に新たな道路(地図未登録道路)を作成し、作成された新たな道路(地図未登録道路)を記憶することにより、地図未登録道路を新たな地図登録済み道路として処理して次回以降に活用することが可能なナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−134140号公報
【特許文献2】特開2006−266759号公報
【特許文献3】特許第2778374号公報
【特許文献4】特開2002−98535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載のナビゲーション装置では、撮像装置により得られた撮像データを用いて車両が進行する方向のみを案内しているため、新設道路など未知の地図未登録道路を走行する際に接続点を見過ごす場合なども考えられる。そのため、ユーザにとって利便性が低いという問題点がある。
【0009】
また、上記特許文献2〜4に記載のナビゲーション装置では、次回以降、地図未登録道路を案内することが可能な一方、初回にユーザにとって未知の地図未登録道路を走行する場合には案内を行うことができないという問題点がある。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、未知の地図未登録道路を初めて移動する場合にも案内が可能で、かつ、利便性を向上させることが可能なナビゲーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0011】
この発明の一の局面によるナビゲーション装置は、現在位置情報を取得する現在位置情報取得部と、地図登録済み道路を含む地図情報を表示する表示部と、現在位置情報と地図情報とに基づき現在位置が地図登録済み道路上にあるかまたは地図未登録道路上にあるかを判定し、現在位置が地図未登録道路上にあると判定した場合に、現在位置から地図登録済み道路への合流地点を設定するとともに、現在位置から設定された合流地点までの距離および現在位置から設定された合流地点に向かう方向を含む案内情報をユーザに通知する制御を行う制御部とを備える。
【0012】
この一の局面によるナビゲーション装置では、上記のように、現在位置情報と地図情報とに基づき現在位置が地図登録済み道路上にあるかまたは地図未登録道路上にあるかを判定し、現在位置が地図未登録道路上にあると判定した場合に、現在位置から地図登録済み道路への合流地点を設定するとともに、現在位置から設定された合流地点までの距離および現在位置から設定された合流地点に向かう方向を含む案内情報をユーザに通知する制御を行う制御部を設けることによって、現在位置が地図未登録道路上にあると判定した場合にも、設定された合流地点までの距離および現在位置から設定された合流地点に向かう方向を含む案内情報をユーザに通知することができるので、未知の地図未登録道路を初めて移動する場合にも、現在位置から設定された合流地点への案内をユーザに対して行うことができる。また、設定された合流地点までの距離および現在位置から設定された合流地点に向かう方向を含む案内情報をユーザに通知することができるので、設定された合流地点に向かう方向のみによる案内を行う場合と異なり、ユーザはどの方向(合流地点に向かう方向)にどれだけの距離(設定された合流地点までの距離)だけ移動すればよいかを把握することができる。これにより、ユーザが案内に従って移動した場合に合流地点を見過ごす可能性を小さくすることができる。これにより、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0013】
上記一の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、制御部は、撮像装置により撮像された画像データを用いずに、現在位置情報と地図情報とを用いて地図登録済み道路へ合流するための1つ以上の合流地点候補を取得し、合流地点は、1つ以上の合流地点候補から設定されるように構成されている。このように構成すれば、接続点の推定に撮像装置により得られた撮像データが必要となる上記特許文献1とは異なり、撮像装置を別途設けることなく、地図未登録道路上から地図登録済み道路へ合流するための1つ以上の合流地点候補を取得して合流地点を設定することができる。これにより、装置構成を複雑化させることなく、より簡単な構成で合流地点を設定することができる。
【0014】
この場合において、好ましくは、制御部は、撮像装置により撮像された画像データを用いずに現在位置情報と地図情報とを用いて、平面的に見て、現在位置から移動方向および移動方向と直交する方向に存在する地図登録済み道路上の地点の内から、1つ以上の合流地点候補を取得するように構成されている。このように構成すれば、装置構成を複雑化させることなく、容易に、複数の地点の中から合流地点候補を取得することができる。
【0015】
上記一の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、制御部は、車両の走行速度に基づいて、地図登録済み道路へ合流するための1つ以上の合流地点候補を取得するように構成されている。このように構成すれば、地図未登録道路上を比較的高速で車両が走行している場合や、低速で走行している場合などの状況(走行速度)に応じて、適切な合流地点候補を取得することができる。
【0016】
この場合において、好ましくは、制御部は、走行速度が所定の第1速度以上の場合には、少なくとも走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点を合流地点候補として取得するように構成されている。このように構成すれば、現在位置が地図登録済み道路上にない場合で車両が高速で走行している場合(走行速度が所定の第1速度以上の場合)には、車両が比較的広い直線状の地図未登録道路を走行している可能性が高いので、この場合には、走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点を合流地点候補とすることにより、実際に合流できる可能性の高い地図登録済み道路との合流地点候補を取得することができる。その結果、未知の地図未登録道路を移動している場合にも、地図登録済み道路上の合流地点までの案内の精度を高めることができる。
【0017】
上記制御部が車両の走行速度に基づいて合流地点候補を取得する構成において、好ましくは、制御部は、走行速度が所定の第2速度よりも小さい場合には、少なくとも現在位置に最も近い地図登録済み道路上の地点を合流地点候補として取得するように構成されている。このように構成すれば、現在位置が地図登録済み道路上にない場合で車両が低速で走行している場合(走行速度が所定の第2速度よりも小さい場合)には、たとえば路地などの狭い地図未登録道路をユーザが迷いながら移動している可能性が高いとともに、そのような路地では近くの地図登録済み道路へ抜ける道路も多いと考えられるので、この場合には、現在位置に最も近い地図登録済み道路上の地点を合流地点候補として取得することにより、容易に地図登録済み道路へ合流することが可能な合流地点候補を取得することができる。その結果、未知の地図未登録道路を移動している場合にも、地図登録済み道路上の合流地点までの案内の精度を高めることができる。
【0018】
上記一の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、制御部は、現在位置が地図登録済み道路上でないと判定した場合に、地図上に現在位置を復帰地点として示して表示部に表示させるように構成されている。このように構成すれば、ユーザが地図未登録道路上で迷ってしまった場合にも、表示部に表示された復帰地点を目指して戻ることができる。そして、復帰地点まで戻ることができれば、元の地図登録済み道路(地図未登録道路に侵入する前に移動していた道路)まで復帰するのは容易であるので、ユーザが地図未登録道路上で迷ってしまった場合にも、容易に元の地図登録済み道路まで復帰することができる。
【0019】
上記一の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、現在位置情報を蓄積して記憶可能に構成された経路情報記憶部をさらに備え、制御部は、現在位置が地図登録済み道路上でないと判定した場合に、経路情報記憶部に蓄積された現在位置情報に基づき移動経路を生成し、地図上に移動経路の軌跡を示して表示部に表示させるように構成されている。このように構成すれば、ユーザは、地図未登録道路上の移動経路に沿って復帰地点まで戻ることができるので、ユーザが地図未登録道路上で迷ってしまった場合にも、さらに容易に元の地図登録済み道路まで復帰することができる。
【0020】
上記一の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、制御部は、地図上に現在位置から設定された合流地点までの距離を表示する距離情報を案内情報として表示部に表示させるように構成されている。このように構成すれば、ユーザは、表示部に表示された地図上で現在位置から設定された合流地点(地図登録済み道路)までの距離(距離情報)を確認することができるので、この表示部の表示に基づいて、ユーザは現在位置の周囲の位置関係と合流地点までの距離とを把握しながら合流地点に向けて移動することができる。これにより、ユーザは設定された合流地点(地図登録済み道路)に向けて容易に移動することができるので、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0021】
上記一の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、音声により情報を出力する音声出力部をさらに備え、制御部は、現在位置から設定された合流地点までの距離および現在位置から設定された合流地点に向かう方向を含む案内情報を音声出力部から音声により出力させるように構成されている。このように構成すれば、地図未登録道路上を移動中であっても、ユーザは、設定された合流地点までの距離および現在位置から設定された合流地点に向かう方向を音声によって認識することができるので、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0022】
上記一の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、制御部は、現在位置から設定された合流地点までの距離が、合流地点を設定した時点の位置から合流地点までの距離よりも所定の閾値以上大きくなった場合に、合流地点を再設定することが可能なように構成されている。このように構成すれば、一度合流地点を設定したにもかかわらず、実際には地図未登録道路が設定された合流地点には合流せずに離れていく場合にも、合流地点を再設定して新たな合流地点に向けてユーザを案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態によるカーナビゲーション装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるカーナビゲーション装置の表示部による表示画面およびスピーカから出力される案内情報を示した図である。
【図3】図1に示した一実施形態によるカーナビゲーション装置により地図未登録道路走行時の処理を示したフロー図である。
【図4】図3に示した地図未登録道路走行時の処理における合流地点設定処理(サブルーチン)を示したフロー図である。
【図5】図1に示した一実施形態によるカーナビゲーション装置の表示部による画面表示を説明するための図である。
【図6】図4に示した合流地点設定処理(サブルーチン)における復帰地点および走行経路軌跡を説明するための図である。
【図7】図4に示した合流地点設定処理(サブルーチン)における合流地点候補の取得方法を説明するための図である。
【図8】図4に示した合流地点設定処理(サブルーチン)における合流地点候補の取得方法説明するための図である。
【図9】図3に示した地図未登録道路走行時の処理における合流地点の再設定(リルート)を説明するための図である。
【図10】図3に示した地図未登録道路走行時の処理における合流地点の再設定(リルート)を説明するための図である。
【図11】図3に示した地図未登録道路走行時の処理における合流地点の再設定(リルート)を説明するための図である。
【図12】図3に示した地図未登録道路走行時の処理における合流地点の再設定(リルート)を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態によるカーナビゲーション装置100について説明する。なお、本実施形態では、本発明のナビゲーション装置の一例として、自動車などの車両の運転に際して走行経路案内を行うカーナビゲーション装置100に、本発明を適用した場合について説明する。
【0026】
本発明の一実施形態によるカーナビゲーション装置100は、自動車(車両)内に設置された状態で使用されるように構成されている。図1に示すように、カーナビゲーション装置100は、CPU10と、RAM(Random Access Memory)20と、ROM(Read Only Memory)30と、GPS受信機40と、表示部50およびタッチパネル51と、スピーカ60および音声合成回路61と、リモコンセンサ70および操作スイッチ群71とを備えている。ここで、CPU10は、本発明の「制御部」の一例である。また、RAM20は、本発明の「経路情報記憶部」の一例である。また、GPS受信機40は、本発明の「現在位置情報取得部」の一例である。また、スピーカ60は、本発明の「音声出力部」の一例である。
【0027】
CPU10は、RAM20を計算領域として使用してROM30に記憶されたプログラムを実行することにより、カーナビゲーション装置100全体の制御処理を行うように構成されている。CPU10は、ユーザによるタッチパネル51、リモコンセンサ70または操作スイッチ群71を介した操作入力を受け付けて走行経路案内を行う際の目的地を設定するとともに、現在位置から目的地までの最適な走行経路を算出するように構成されている。そして、CPU10は、算出された走行経路に沿った案内情報を作成して、作成された案内情報を表示部50に表示させるとともに、スピーカ60から音声出力させることにより、ユーザに対する走行経路案内を行うように構成されている。また、カーナビゲーション装置100は、図示しない入力ポートを介して自動車の制御を司る図示しないECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)と接続されている。CPU10は、このECUを介して自動車の速度センサ200により検出された走行速度(自動車の車速)を取得することが可能なように構成されている。
【0028】
また、本実施形態では、図2に示すように、CPU10は、走行経路案内の実行時において、GPS受信機40により取得された現在位置Gと、ROM30に記憶された地図データ31とに基づき、現在位置Gが地図登録済み道路R1〜R6(地図データ31に登録されている道路)上にあるかまたは地図未登録道路(地図データ31に登録されていない道路)上にあるかを判定するように構成されている。そして、新設された道路や住宅街の細かな路地などの地図未登録道路を自動車が走行している場合など、現在位置Gが地図データ31に登録されている道路(地図登録済み道路R1〜R6)上にない場合には、CPU10は、通常の走行経路案内の処理から地図未登録道路走行時の処理に移行するように構成されている。なお、本実施形態では、CPU10は、地図未登録道路走行時の全ての処理を、撮像装置により撮像された撮像データを用いることなく、現在位置情報(現在位置G)および地図データ31に基づいて行うように構成されている。なお、地図データ31は、本発明の「地図情報」の一例である。
【0029】
図2に示すように、地図未登録道路走行時の処理においては、CPU10は、現在位置G(地図未登録道路上)から地図登録済み道路(R1〜R6)への合流地点Jを設定可能なように構成されている。そして、CPU10は、現在位置Gと地図データ31とに基づいて、現在位置Gから設定された合流地点Jまでの距離と、現在位置Gから設定された合流地点Jに向かう方向(前方、右方向、左方向など)とを含む案内情報(N1およびN2)を作成するように構成されている。CPU10は、作成した案内情報N1を表示部50に表示させるとともに、作成した案内情報N2をスピーカ60(図1参照)から音声出力させることにより、案内情報(N1およびN2)をユーザ(自動車の運転者)に通知させるように構成されている。これにより、地図データ31には存在しない地図未登録道路走行時においても設定された合流地点Jまでの案内を行うとともに、合流地点Jに自動車が到達した場合には、通常の走行経路案内の処理に戻ることが可能である。なお、図2では、「府道**号線」(地図登録済み道路R4)に合流する合流地点J(地点B)が設定された場合の、自車位置(現在位置G)から合流地点Jまで、および合流地点Jから目的地までの案内を行う場合の例を示したものである。この図2では、自車位置(現在位置G)から合流地点Jまでの距離情報(300m)、および、合流地点Jから目的地までの案内経路P1(斜めハッチングにより表示された経路)が案内情報N1として表示部50に表示されている。また、現在位置Gから合流地点Jに向かう方向(「前方」)、現在位置Gから合流地点Jまでの距離(300m)および合流先の地図登録済み道路R4の名称「府道**号線」を含む音声情報が、案内情報N2としてスピーカ60により音声出力されている。なお、地図未登録道路走行時の処理については、後に詳細に説明する。
【0030】
また、図1に示すように、RAM20は、揮発性メモリから構成されるとともに、CPU10による制御処理に伴う各種データを記憶可能なように構成されている。また、RAM20は、GPS受信機40により取得されたカーナビゲーション装置100(自動車)の現在位置Gを蓄積して記憶するように構成されている。CPU10は、このRAM20に蓄積された現在位置Gの情報に基づいて、現在の自動車の走行方向を算出することが可能であるとともに、過去の所定のタイミングにおいて取得された現在位置Gや、蓄積された現在位置Gの軌跡(実際の走行経路)を表示部50に表示させることなどが可能なように構成されている。
【0031】
また、ROM30は、不揮発性メモリから構成されている。このROM30には、CPU10の制御用プログラムおよび道路地図データ(地図データ31)などの各種データが記憶されている。図2に示すように、この地図データ31には、データが作成された時点での既知の道路(地図登録済み道路R1〜R6)のデータが含まれている。
【0032】
また、図1に示すように、GPS受信機40は、自動車の所定箇所(図示せず)に設けられたGPSアンテナ41と接続されている。GPS受信機40は、複数(3個以上)のGPS衛星(図示せず)から送信された電波信号をGPSアンテナ41により受信して、受信した電波信号に基づいて3次元測位を行うことにより、現在位置の情報(現在位置G)を取得することが可能なように構成されている。
【0033】
また、表示部50は、CPU10から出力される画像出力信号に基づいて画像表示を行うように構成されている。走行経路案内の実行時には、図2に示すように、ROM30に記憶された地図データ31、GPS受信機40により取得された現在位置G(自車位置)や、算出された案内経路P1および距離情報を含む案内情報N1などが、CPU10によりそれぞれ表示部50の画面上に表示されるように構成されている。また、表示部50の表示面上には、タッチパネル51(図1参照)が設けられており、ユーザが表示画面上(タッチパネル51)を触れることによりカーナビゲーション装置100に対する操作入力を行うことが可能なように構成されている。
【0034】
また、図1に示すように、スピーカ60は、音声合成回路61と接続されている。音声合成回路61は、CPU10から出力された音声情報に基づいて所定の音声を合成して、スピーカ60に合成した音声信号を出力するように構成されている。これにより、走行経路案内の実行時には、CPU10が作成した案内情報N2(音声情報)をスピーカ60に音声出力させることが可能なように構成されている。
【0035】
また、リモコン(リモートコントロール)センサ70は、カーナビゲーション装置100の図示しないリモコン端末から送信される操作信号を検出して、CPU10に出力するように構成されている。また、操作スイッチ群71は、カーナビゲーション装置100の筐体に設けられた各種スイッチであり、たとえば電源スイッチ、ボリューム調節スイッチ、設定メニューを表示させるためのメニュースイッチなどが含まれる。
【0036】
以上のような構成により、本実施形態によるカーナビゲーション装置100は、ユーザにより指定された目的地までの走行経路案内と、未登録道路走行時の案内処理とを行う。
【0037】
次に、図1〜図12を参照して、本発明の一実施形態によるカーナビゲーション装置100の未登録道路走行時の案内処理について説明する。
【0038】
未登録道路走行時の案内処理では、通常の走行経路案内の実行中に自動車が地図未登録道路に進入した場合に、CPU10により通常の走行経路案内処理から未登録道路走行時の案内処理に切り替えられることにより開始される。そこで、図3に示すように、まず、ステップS1において、CPU10により、現在位置Gが地図未登録道路上にある(現在位置Gが地図登録済み道路R1〜R6上にない)か否かが判定される。CPU10は、GPSを用いた現在位置測定の測定精度に起因する誤差(10m程度)を考慮して、GPS受信機40により取得された現在位置Gが地図登録済み道路R1〜R6から一定距離(たとえば、約20m)以上離れた場合に、現在位置Gが地図未登録道路上にある(現在位置Gが地図登録済み道路R1〜R6上にない)と判断して、ステップS2以降の未登録道路走行時の案内処理に移行する。一方、現在位置Gが地図登録済み道路R1〜R6上にあると判定された場合には、再度ステップS1の判定が繰り返される。なお、このステップS1の判定処理は、通常の走行経路案内処理と並行して継続的に行われている。したがって、自動車が地図登録済み道路R1〜R6を走行中の場合には、このステップS1の判定が繰り返し行われる。
【0039】
未登録道路走行時の案内処理では、図3に示すように、ステップS2において、CPU10によりマップマッチング機能が解除される。ここで、通常の走行経路案内処理においては、地図データ31に基づいて算出された走行経路P0(図5の二点鎖線参照)に従い案内処理が行われる。このとき、GPSを用いた現在位置測定の測定精度に起因する誤差(10m程度)により、GPS受信機40により取得される自車位置(現在位置G)の情報は、必ずしも実際に走行している道路上を示さない。このため、通常の走行経路案内処理においては、GPS受信機40により取得された自車位置(現在位置G)を実際に走行している道路(取得された現在位置近傍の道路)上の位置に一致させる補正処理(マップマッチング)が行われる。一方、図5に示すように、ステップS1で現在位置Gが地図データ31に登録されている道路(地図登録済み道路R1〜R6)上にない(現在位置Gが地図未登録道路上にある)と判断された場合に、地図未登録道路は、地図登録済み道路R1、R2、R3およびR4に囲まれた領域U(斜線部)に存在する。このステップS2でマップマッチング機能が解除されることにより、地図未登録道路が存在すると考えられる領域U(斜線部)内に現在位置Gを表示する(図2参照)ことが可能となる。
【0040】
その後、ステップS3において、CPU10により、地図登録済み道路R1〜R6との合流地点Jの設定処理が実行される。ここで、図4を参照して、地図登録済み道路との合流地点設定処理(サブルーチン)について詳細に説明する。まず、ステップS11において、CPU10により、地図登録済み道路(R1〜R6のいずれか)から地図未登録道路に進入した地点が復帰地点Cb(図6参照)として設定され、この復帰地点Cb(図6参照)が表示部50に表示される。具体的には、RAM20に蓄積記憶された現在位置Gの情報のうち、CPU10により現在位置Gが地図登録済み道路(R1〜R6)上にないと判断された時点における位置(図5の状態における現在位置G)が、復帰地点Cb(図6参照)として設定される。さらに、図6に示すように、CPU10により、復帰地点Cb以降の走行経路軌跡Pb(RAM20に蓄積された現在位置Gの軌跡)が表示部50に表示される。これにより、たとえばユーザ(運転者)が地図未登録道路上で迷ってしまうような場合にも、ユーザ(運転者)は、表示部50に表示された復帰地点Cbおよび走行経路軌跡Pbを手がかりに復帰地点Cbまで戻れば、元の地図登録済み道路に容易に復帰することが可能となる。
【0041】
次に、ステップS12〜S15までの処理において、合流地点Jを設定する際の候補となる合流地点候補が取得される。ここで、合流地点候補は、RAM20に蓄積された現在位置Gの情報から算出された走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点Bと、走行方向と直交する方向に存在する地図登録済み道路上の各地点AおよびCの内から、1つ以上の合流地点候補が取得される。たとえば、図5に示すように、走行方向(矢印Y1方向)の前方(矢印Y1方向)に存在する地図登録済み道路R4上の地点Bと、走行方向と直交する方向(矢印X1方向および矢印X2方向)に存在する地図登録済み道路R3およびR1上の各地点AおよびCとの内から、1つ以上の合流地点候補が取得される。そして、この合流地点候補の取得は、自動車の速度センサ200(図1参照)から取得された走行速度(車速)に基づいて行われる。
【0042】
そこで、ステップS12では、CPU10により、自動車の速度センサ200から地図未登録道路上での走行速度(車速)が取得される。そして、ステップS13において、CPU10により、取得された走行速度(車速)が所定速度40km/hよりも小さいか否かが判断され、走行速度(車速)が40km/hよりも小さい場合には、ステップS14に進み、走行速度(車速)が40km/h以上の場合にはステップS15に進む。なお、この所定速度40km/hは、本発明の「第1速度」および「第2速度」の一例である。
【0043】
走行速度(車速)が40km/hよりも小さい場合、ステップS14において、少なくとも現在位置Gに最も近い地図登録済み道路上の地点が、合流地点候補として取得される。なお、本実施形態では、現在位置Gに最も近い地図登録済み道路上の地点以外にも、同程度(たとえば数十m程度)に近い地点が存在する場合には、その地点も合流地点候補として取得する。たとえば、図7に示すように、走行速度(車速)が10km/h(<40km/h)の場合には、自動車の走行方向(ここでは矢印X1方向)の前方の地図登録済み道路R3上の地点Bと、自動車の走行方向と直交する方向(矢印Y1方向および矢印Y2方向)に存在する地図登録済み道路R2およびR4上の各地点AおよびCとの内から、現在位置Gに最も近い地点B(距離50m)および地点Bと同程度に近い地点A(距離70m)が、合流地点候補として取得される。一方、地点Cは、地点Bおよび地点Aと比較して現在位置Gから大きく離れているため、合流地点候補にはならない。このように、走行速度(車速)が40km/hよりも小さい場合には、図7に示した地図未登録道路Q1(一点鎖線参照)のように細い路地が入り組んでいるような場合が考えられるので、容易に地図登録済み道路と合流することができるように、現在位置Gに近い地図登録済み道路(R2およびR3)上の地点AおよびBを合流地点候補として取得する。
【0044】
また、走行速度(車速)が40km/h以上の場合、ステップS15において、少なくとも走行方向(進行方向)の前方に存在する地図登録済み道路上の地点が、合流地点候補として取得される。たとえば、図8に示すように、走行速度(車速)が50km/h(>40km/h)の場合には、自動車の走行方向(矢印Y1方向)の前方の地図登録済み道路R4上の地点Bと、自動車の進行方向と直交する方向(矢印X1方向および矢印X2方向)に存在する地図登録済み道路R3およびR1上の各地点AおよびCとの内から、走行方向の前方に存在する地図登録済み道路R4上の地点Bが、合流地点候補として取得される。一方、地点Aおよび地点Cは、合流地点候補にはならない。このように、走行速度(車速)が40km/h以上の場合には、図8に示した地図未登録道路Q2(一点鎖線参照)のように直線状に延びる道路を走行している場合が考えられるので、走行方向(矢印Y1方向)の前方に合流可能な地点が存在する可能性が高い。このため、現在位置Gから走行方向(矢印Y1方向)の前方に存在する地図登録済み道路R4上の地点Bを合流地点候補として取得する。
【0045】
ステップS14またはS15で合流地点候補が取得されると、ステップS16において、CPU10により、取得された合流地点候補から目的地までの経路が検索される。図7に示したように、合流地点候補(図7の地点AおよびB)が複数存在する場合には、それぞれの合流地点候補から目的地までの経路が検索される。したがって、図7では、合流地点候補Bから目的地までの経路P2(斜めハッチングにより表示した経路)、および、合流地点候補Aから目的地までの経路P3(二点鎖線参照)の2つの経路が検索されている。
【0046】
そして、ステップS17において、CPU10により、取得された合流地点候補から合流地点Jが設定される。なお、合流地点候補が複数存在する場合には、複数の合流地点候補の中から1つの合流地点Jが選択される。この場合には、複数の合流地点候補およびステップS16で検索されたそれぞれの合流地点候補から目的地までの経路(図7のP2およびP3)を表示部50に表示させて、ユーザに合流地点を選択させる方法や、予め設定された優先順序に基づいてCPU10により合流地点を選択する方法などにより、合流地点Jが選択される。また、予め設定された優先順序としては、現在位置Gから合流地点候補までの距離(直線距離)と合流地点候補から目的地までの経路に沿った距離との合計距離が最も小さくなる合流地点候補を選択するなどである。この場合には、地図登録済み道路への合流後の案内経路も含めて最も移動距離が短くなると考えられる合流地点Jを選択することが可能である。
【0047】
以上により合流地点が設定されると、合流地点設定処理(サブルーチン)が終了し、図3のステップS4以降の処理に戻る。
【0048】
図3に示すように、ステップS4では、CPU10により、設定された合流地点Jまでの案内情報が表示部50およびスピーカ60を用いて出力される。すなわち、地点Bが合流地点Jとして設定された場合を示す図2のように、CPU10によって現在位置Gから地図登録済み道路R4との合流地点Jへの距離情報(300m)と、図4のステップS16で検索された合流地点Jから目的地への案内経路P1(斜めハッチングにより表示した経路)とが作成される。そして、CPU10により、これらの距離情報(300m)と案内経路P1とを含む案内情報N1を地図(地図データ31)上に示した画面が表示部50に表示される。また、CPU10によって現在位置Gから地図登録済み道路R4へ向かう方向(「前方」)と、現在位置Gから地図登録済み道路R4との合流地点Jへの距離(300m)と、合流先の地図登録済み道路R4の名称(「府道**号線」)とを含む音声情報が案内情報N2として作成される。そして、作成された案内情報N2から音声合成回路61によって合成音声が生成されることにより、スピーカ60からは、「前方300m先の府道**号線に合流してください」という案内情報N2が音声により出力される。
【0049】
その後、ステップS5では、図9および図10に示すように、CPU10により、現在位置Gから設定された合流地点Jまでの距離Yが、合流地点Jを設定した時点の位置から合流地点Jまでの距離Xよりも所定の閾値T(図10参照)以上大きくなったか否か(Y>(X+T)を満たすか?)が判断される。すなわち、誤差などを考慮して閾値Tを見積もった上で、設定された合流地点Jに向かって近づくことができているか否かが判断される。
【0050】
ここで、図9に示すように、合流地点Jを設定した時点の位置が復帰地点Cbであったとすると、現在位置Gが合流地点Jに近づいている場合には、距離Yが距離Xよりも小さくなる(Y<(X+T)となる)ので、ステップS6に進む。ステップS6では、CPU10により、現在位置(自車位置)Gが地図登録済み道路R4(合流地点J)に到達したか否かが判断され、地図登録済み道路R4に到達していない場合には、ステップS4に戻り、再度案内情報(N1およびN2)が表示部50およびスピーカ60を用いて出力される。一方、地図未登録道路Q3(一点鎖線参照)を抜けて現在位置Gが地図登録済み道路R4(合流地点J)に到達した場合には、ステップS7に進み、マップマッチング機能が復帰(オン)されて、未登録道路走行時の案内処理が終了する。これにより、CPU10は、地図未登録道路走行時の処理から通常の走行経路案内の処理に移行して、合流地点Jから目的地までの案内経路P1の経路案内を開始する。
【0051】
一方、図10に示すように、地図未登録道路Q4(一点鎖線参照)が設定された合流地点J(地点B)に向かって延びていない場合に地図未登録道路Q4に沿って進むと、現在位置Gから設定された合流地点Jまでの距離Yが、合流地点Jを設定した時点の位置から合流地点Jまでの距離Xよりも所定の閾値T以上大きくなる(Y>(X+T)を満たす)。また、ユーザ(運転者)が設定した合流地点Jに向かわずに、故意に合流地点Jに向かう方向とは異なる方向に移動する場合もある。このような場合には、設定された合流地点Jから遠ざかってしまうので、ステップS5からステップS3に戻り、合流地点の再設定(リルート)が行われる。すなわち、CPU10により、合流地点設定処理(サブルーチン、図4参照)が再度実行される。これにより、図11に示すように、走行方向(矢印X2方向)の前方(矢印X2方向)に存在する地図登録済み道路R1上の地点Eと、走行方向と直交する方向(矢印Y1方向および矢印Y2方向)に存在する地図登録済み道路R4およびR2上の各地点DおよびFとの内から、1つ以上の合流地点候補が取得される。そして、図12に示すように、新たに目的地までの案内経路P4および合流地点Jが再設定される。この図12では、合流地点Jとして地点Eが選択されている。なお、この合流地点の再設定(リルート)の場合には、図4のステップS11の復帰地点Cbおよび走行経路軌跡Pbの表示処理は、既に実行されていることからスキップされる。
【0052】
合流地点の再設定(リルート)によって新たな合流地点Jが設定されると、再度ステップS4以降の処理が行われ、地図登録済み道路に到達するまで、上記のステップS3〜S6までの処理が繰り返される。そして、地図未登録道路Q4(図12参照)を抜けて現在位置Gが地図登録済み道路R1(合流地点J)に到達した場合には、ステップS7に進み、マップマッチング機能が復帰(オン)されて、未登録道路走行時の案内処理が終了する。これにより、CPU10は、地図未登録道路走行時の処理から通常の走行経路案内の処理に移行して、合流地点Jから目的地までの案内経路P4(図12参照)の経路案内を開始する。
【0053】
本実施形態では、上記のように、現在位置Gと地図データ31とに基づき現在位置Gが地図登録済み道路(R1〜R6)上にあるかまたは地図未登録道路(Q1〜Q4)上にあるかを判定し、現在位置Gが地図未登録道路(Q1〜Q4)上にあると判定した場合に、現在位置Gから地図登録済み道路(R1〜R6)への合流地点Jを設定するとともに、現在位置Gから設定された合流地点Jまでの距離および現在位置Gから設定された合流地点Jに向かう方向を含む案内情報N1およびN2をユーザに通知する制御を行うCPU10を設けることによって、未知の地図未登録道路(Q1〜Q4)を初めて移動する場合にも、現在位置Gから設定された合流地点Jへの案内をユーザに対して行うことができる。また、設定された合流地点Jまでの距離および現在位置Gから設定された合流地点Jに向かう方向を含む案内情報(N1およびN2)をユーザに通知することができるので、設定された合流地点Jに向かう方向のみによる案内を行う場合と異なり、ユーザはどの方向(合流地点Jに向かう方向)にどれだけの距離(設定された合流地点Jまでの距離)だけ移動すればよいかを把握することができる。これにより、ユーザが案内に従って移動した場合に合流地点Jを見過ごす可能性を小さくすることができる。これにより、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0054】
また、本実施形態では、上記のように、撮像装置により撮像された画像データを用いずに、現在位置Gと地図データ31とを用いて地図登録済み道路(R1〜R6)へ合流するための1つ以上の合流地点候補を取得し、合流地点Jを、1つ以上の合流地点候補から設定することによって、接続点の推定に撮像装置により得られた撮像データが必要となる上記特許文献1とは異なり、撮像装置を別途設けることなく、地図未登録道路(Q1〜Q4)上から地図登録済み道路(R1〜R6)へ合流するための1つ以上の合流地点候補を取得して合流地点Jを設定することができる。これにより、装置構成を複雑化させることなく、より簡単な構成で合流地点Jを設定することができる。
【0055】
また、本実施形態では、上記のように、撮像装置により撮像された画像データを用いずに現在位置Gと地図データ31とを用いて、平面的に見て、現在位置Gから走行方向(前方)および走行方向と直交する方向に存在する地図登録済み道路上の地点A〜C(D〜F)の内から、1つ以上の合流地点候補を取得することによって、装置構成を複雑化させることなく、容易に、複数の地点A〜C(D〜F)の中から合流地点候補を取得することができる。
【0056】
また、本実施形態では、上記のように、速度センサ200により検出された走行速度に基づいて、合流地点候補を取得することによって、たとえば、地図未登録道路(Q1〜Q4)上を比較的高速(40km/h以上の速度)で自動車が走行している場合や、低速(40km/hよりも小さい速度)で走行している場合などの状況(走行速度)に応じて、適切な合流地点候補を取得することができる。
【0057】
また、本実施形態では、上記のように、走行速度が40km/h以上の場合(図8参照)には、走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点Bを合流地点候補として取得することによって、地図未登録道路Q2(図8参照)上で自動車が高速で走行している場合(走行速度が所定の40km/h以上の場合)には、自動車が比較的広い直線状の地図未登録道路Q2を移動している可能性が高いので、この場合には、走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点Bを合流地点候補として取得することにより、実際に合流できる可能性の高い地図登録済み道路(R4)との合流地点候補(地点B)を取得することができる。その結果、未知の地図未登録道路Q2を移動している場合にも、地図登録済み道路(R4)上の合流地点Jまでの案内の精度を高めることができる。
【0058】
また、本実施形態では、上記のように、走行速度が40km/hよりも小さい場合(図7参照)には、少なくとも現在位置Gに最も近い地図登録済み道路上の地点を合流地点候補として取得することによって、現在位置Gが地図未登録道路Q1(図7参照)上にある場合で自動車が低速で走行している場合(走行速度が40km/hよりも小さい場合)には、図7に示したように路地などの狭い地図未登録道路Q1をユーザが迷いながら移動している可能性が高いとともに、そのような路地(地図未登録道路Q1)では近くの地図登録済み道路(R3)へ抜ける道路も多いと考えられるので、この場合には、現在位置Gに最も近い地図登録済み道路(R3)上の地点(図7の地点B)を合流地点候補として取得することにより、容易に地図登録済み道路(R3)へ合流することが可能な合流地点候補(図7の地点B)を取得することができる。その結果、未知の地図未登録道路Q1を移動している場合にも、地図登録済み道路(R3)上の合流地点Jまでの案内の精度を高めることができる。
【0059】
また、本実施形態では、上記のように、現在位置Gが地図未登録道路(Q1〜Q4)上である(現在位置Gが地図登録済み道路(R1〜R6)上でない)場合に、地図(地図データ31)上にその時点の現在位置Gを復帰地点Cbとして示して表示部50に表示させることによって、ユーザが地図未登録道路(Q1〜Q4)上で迷ってしまった場合にも、表示部50に表示された復帰地点Cbを目指して戻ることができる。そして、復帰地点Cbまで戻ることができれば、元の地図登録済み道路(地図未登録道路に侵入する前に移動していた道路)まで復帰するのは容易であるので、ユーザが地図未登録道路(Q1〜Q4)上で迷ってしまった場合にも、容易に元の地図登録済み道路まで復帰することができる。
【0060】
また、本実施形態では、上記のように、現在位置Gが地図未登録道路(Q1〜Q4)上である場合に、RAM20に蓄積された現在位置Gの情報に基づき走行経路軌跡Pbを生成し、地図(地図データ31)上に走行経路軌跡Pbを示して表示部50に表示させることによって、ユーザは、地図未登録道路(Q1〜Q4)上の走行経路軌跡Pbに沿って復帰地点Cbまで戻ることができるので、ユーザが地図未登録道路(Q1〜Q4)上で迷ってしまった場合にも、さらに容易に元の地図登録済み道路まで復帰することができる。
【0061】
また、本実施形態では、上記のように、地図(地図データ31)上に現在位置Gから設定された合流地点Jまでの距離情報を案内情報N1として表示部50に表示することにより、ユーザは、表示部50に表示された地図(地図データ31)上で現在位置Gから設定された合流地点J(地図登録済み道路)までの距離を確認することができるので、この表示部50の表示に基づいて、ユーザは現在位置Gの周囲の位置関係と合流地点Jまでの距離(距離情報)とを把握しながら合流地点Jに向けて移動することができる。これにより、ユーザは設定された合流地点J(地図登録済み道路)に向けて容易に移動することができるので、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0062】
また、本実施形態では、上記のように、現在位置Gから設定された合流地点Jまでの距離(たとえば、「300m」、図2参照)および現在位置Gから設定された合流地点Jに向かう方向(たとえば、「前方」、図2参照)を含む案内情報N2をスピーカ60から音声により出力させることにより、地図未登録道路(Q1〜Q4)上を移動中であっても、ユーザは、設定された合流地点Jまでの距離および現在位置Gから設定された合流地点Jに向かう方向を音声によって認識することができるので、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0063】
また、本実施形態では、上記のように、現在位置Gから設定された合流地点Jまでの距離Yが、合流地点Jを設定した時点の位置(復帰地点Cb)から合流地点Jまでの距離Xよりも所定の閾値T以上大きくなった場合に、合流地点Jを再設定することによって、一度合流地点Jを設定したにもかかわらず、実際には地図未登録道路(Q4)が設定された合流地点Jには合流せずに離れていく場合(図10〜図12参照)にも、合流地点Jを再設定して新たな合流地点J(地点E、図12参照)に向けてユーザを案内することができる。
【0064】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0065】
たとえば、上記一実施形態では、カーナビゲーション装置100を自動車に搭載した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、自動車、自動二輪車、自転車および原動機付き自転車などの車両や、その他道路上を走行可能な陸上交通手段のナビゲーション装置に適用可能である。また、この他にも、人が携帯して使用するナビゲーション装置に本発明を適用してもよい。
【0066】
また、本実施形態では、CPU10が、自動車の速度センサ200により検出された走行速度(自動車の車速)を取得するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、車速センサの代わりにGPS受信機により取得した現在位置情報の単位時間当たりの変化(現在位置の変化)に基づいて走行速度を算出してもよい。
【0067】
また、本実施形態では、GPS受信機40を用いて現在位置情報(現在位置G)を取得するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、GPS以外の手段を用いて現在位置情報を取得するように構成してもよい。
【0068】
また、本実施形態では、本発明の「第1速度」の一例として、走行速度が40km/h以上の場合に、走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点を合流地点候補として取得するように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1速度として、40km/h以外の速度を設定してもよい。また、この第1速度は、ナビゲーション装置の用途(自動車、自転車、自動二輪車など)に応じて任意に設定可能なように構成してもよい。
【0069】
また、本実施形態では、走行速度が40km/h以上の場合に、走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点Bを合流地点候補として取得するように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、走行速度が第1速度以上の場合に、少なくとも走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点に加えて、さらに走行方向の前方以外の方向に存在する地点を合流地点候補として取得してもよい。
【0070】
また、本実施形態では、本発明の「第2速度」の一例として、走行速度が40km/hよりも小さい場合に、少なくとも現在位置Gに最も近い地図登録済み道路上の地点を合流地点候補として取得するように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2速度として、40km/h以外の速度を設定してもよい。また、第1速度と第2速度とを互いに異なる速度に設定してもよい。また、この第2速度は、ナビゲーション装置の用途(自動車、自転車、自動二輪車など)に応じて任意に設定可能なように構成してもよい。
【0071】
また、本実施形態では、走行速度が40km/hよりも小さい場合に、現在位置Gに最も近い地図登録済み道路上の地点と、最も近い地図登録済み道路上の地点と同程度に近い地点とを合流地点候補として取得するように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、走行速度が第2速度よりも小さい場合に、現在位置Gに最も近い地図登録済み道路上の地点のみを合流地点候補として取得してもよい。
【0072】
また、本実施形態では、現在位置Gから設定された合流地点Jに向かう方向の案内として、「前方」、「右方向」、「左方向」などの案内を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、現在位置Gから設定された合流地点Jに向かう方向を東西南北の方角によって案内してもよい。
【0073】
また、本実施形態では、現在位置Gから合流地点Jまでの距離情報および合流地点Jから目的地までの案内経路を案内情報N1として表示部50に表示し、現在位置Gから合流地点Jに向かう方向、現在位置Gから合流地点Jまでの距離および合流先の地図登録済み道路の名称を含む音声情報を、案内情報N2としてスピーカ60により音声出力するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示部またはスピーカのいずれか1つのみを用いて案内情報をユーザに通知してもよい。この際、現在位置Gから合流地点Jまでの距離および現在位置Gから合流地点Jに向かう方向を通知するように構成すればよい。
【0074】
また、本実施形態では、地図データ31(地図情報)をROM30に格納した例を示したが、本発明はこれに限られない。地図情報は、たとえばHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されてもよいし、地図情報を格納したDVDやブルーレイディスクなどの記録媒体および読取装置の組み合わせなどを用いてもよい。
【0075】
また、本実施形態では、現在位置Gから設定された合流地点Jまでの距離Yが、合流地点Jを設定した時点の位置から合流地点Jまでの距離Xよりも所定の閾値T以上大きくなった(Y>(X+T)を満たす)場合に、合流地点Jの再設定(リルート)を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、リルートを行わないように構成してもよいし、この他の条件を設定してリルートを行ってもよい。たとえば、一定時間経過しても現在位置Gから合流地点Jまでの距離Yが縮まらない場合(合流地点Jに近づかない場合)、走行距離に比べて合流地点Jまでの接近距離が小さい場合(合流地点Jを迂回するように移動している場合)、および、ユーザからの操作入力によりリルートを要求された場合などに、合流地点Jの再設定(リルート)を行うように構成してもよい。また、リルートを自動的に行う際には、ユーザに合流地点の再設定を行うか否かを問い合わせるように構成してもよい。
【0076】
また、本実施形態では、CPU10が、RAM20に蓄積記憶された現在位置Gの情報に基づいて自動車の走行方向を取得するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ジャイロスコープを用いて走行方向を取得するように構成してもよい。
【0077】
また、本実施形態では、合流地点Jの設定に際して、合流地点Jを設定する際の候補となる合流地点候補を取得するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、合流地点候補を取得することなく合流地点を設定するように構成してもよい。
【0078】
また、本実施形態では、走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点B(E)と、走行方向と直交する方向に存在する地図登録済み道路上の各地点A(D)およびC(F)の内から、1つ以上の合流地点候補を取得するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、上記以外の地点から合流地点候補を取得するように構成してもよい。また、常に1つの合流地点候補のみを取得するようにしてもよいし、常に複数の合流地点候補を取得するようにしてもよい。
【0079】
また、本実施形態では、自動車の速度センサ200から取得された走行速度(車速)に基づいて合流地点候補を取得するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、走行速度(車速)に基づくことなく合流地点候補を取得するように構成してもよい。また、走行速度の他に、たとえば地図未登録道路が存在すると考えられる領域U(斜線部、図5参照)の大きさや、形状(どの方向に延びているか)などの情報にも基づいて合流地点候補を取得するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0080】
10 CPU(制御部)
20 RAM(経路情報記憶部)
31 地図データ(地図情報)
40 GPS受信機(現在位置情報取得部)
50 表示部
60 スピーカ(音声出力部)
100 カーナビゲーション装置(ナビゲーション装置)
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナビゲーション装置に関し、特に、地図情報に基づき案内を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地図情報に基づき案内を行うナビゲーション装置が知られている(たとえば、特許文献1〜4参照)。
【0003】
上記特許文献1には、車両の現在位置を取得するGPS(Global Positioning System)受信機と、道路地図データを記憶したHDD(Hard Disc Drive)と、車両の現在位置と地図情報とに基づいて目的地までの案内情報を作成するCPU(中央演算処理装置)と、案内情報を表示する表示器と、案内情報を音声出力するスピーカと、車両の前方を撮影する撮像装置(CCDビデオカメラ)と、撮影された画像を解析する画像処理部とを備えたナビゲーション装置が開示されている。ここで、車両の走行中には、新設道路などの道路地図データに登録されていない道路(地図未登録道路)を走行する場合がある。この特許文献1によるナビゲーション装置では、地図未登録道路に車両が進入した場合に、撮像装置によって撮影された車両前方の画像を画像処理部によって解析することにより、車両前方の画像から地図未登録道路を検出するように構成されている。さらに、このナビゲーション装置は、地図未登録道路を進行中に撮像装置による車両前方の画像から分岐路を検出した場合には、地図未登録道路がそれぞれの分岐方向に直線状に延びると仮定して、それぞれ分岐方向に進んだ場合に合流する地図登録済み道路との接続点を推定するように構成されている。
【0004】
そして、特許文献1によるナビゲーション装置は、推定された接続点への方向と、その接続点で合流すると推定される地図登録済み道路の名称とを案内することによって、車両が地図未登録道路上に進入した場合でも接続点(地図登録済み道路)までの経路案内を行うように構成されている。このように、上記特許文献1によるナビゲーション装置では、撮像装置(CCDビデオカメラ)により得られた撮像データを用いて、地図未登録道路を検出するとともに、進行する方向と、その方向に進行した場合の接続先の地図登録済み道路の名称とを案内するように構成されている。
【0005】
また、上記特許文献2および3には、それぞれ、車両が地図未登録道路上を走行しているか否かを判断し、地図未登録道路を走行していると判断された場合にその走行経路(地図未登録道路)を記憶して、記憶された地図未登録道路を新たな地図登録済み道路として処理して次回以降に活用することが可能なナビゲーション装置が開示されている。
【0006】
また、上記特許文献4には、ユーザの操作入力に基づいて道路地図上に新たな道路(地図未登録道路)を作成し、作成された新たな道路(地図未登録道路)を記憶することにより、地図未登録道路を新たな地図登録済み道路として処理して次回以降に活用することが可能なナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−134140号公報
【特許文献2】特開2006−266759号公報
【特許文献3】特許第2778374号公報
【特許文献4】特開2002−98535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載のナビゲーション装置では、撮像装置により得られた撮像データを用いて車両が進行する方向のみを案内しているため、新設道路など未知の地図未登録道路を走行する際に接続点を見過ごす場合なども考えられる。そのため、ユーザにとって利便性が低いという問題点がある。
【0009】
また、上記特許文献2〜4に記載のナビゲーション装置では、次回以降、地図未登録道路を案内することが可能な一方、初回にユーザにとって未知の地図未登録道路を走行する場合には案内を行うことができないという問題点がある。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、未知の地図未登録道路を初めて移動する場合にも案内が可能で、かつ、利便性を向上させることが可能なナビゲーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0011】
この発明の一の局面によるナビゲーション装置は、現在位置情報を取得する現在位置情報取得部と、地図登録済み道路を含む地図情報を表示する表示部と、現在位置情報と地図情報とに基づき現在位置が地図登録済み道路上にあるかまたは地図未登録道路上にあるかを判定し、現在位置が地図未登録道路上にあると判定した場合に、現在位置から地図登録済み道路への合流地点を設定するとともに、現在位置から設定された合流地点までの距離および現在位置から設定された合流地点に向かう方向を含む案内情報をユーザに通知する制御を行う制御部とを備える。
【0012】
この一の局面によるナビゲーション装置では、上記のように、現在位置情報と地図情報とに基づき現在位置が地図登録済み道路上にあるかまたは地図未登録道路上にあるかを判定し、現在位置が地図未登録道路上にあると判定した場合に、現在位置から地図登録済み道路への合流地点を設定するとともに、現在位置から設定された合流地点までの距離および現在位置から設定された合流地点に向かう方向を含む案内情報をユーザに通知する制御を行う制御部を設けることによって、現在位置が地図未登録道路上にあると判定した場合にも、設定された合流地点までの距離および現在位置から設定された合流地点に向かう方向を含む案内情報をユーザに通知することができるので、未知の地図未登録道路を初めて移動する場合にも、現在位置から設定された合流地点への案内をユーザに対して行うことができる。また、設定された合流地点までの距離および現在位置から設定された合流地点に向かう方向を含む案内情報をユーザに通知することができるので、設定された合流地点に向かう方向のみによる案内を行う場合と異なり、ユーザはどの方向(合流地点に向かう方向)にどれだけの距離(設定された合流地点までの距離)だけ移動すればよいかを把握することができる。これにより、ユーザが案内に従って移動した場合に合流地点を見過ごす可能性を小さくすることができる。これにより、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0013】
上記一の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、制御部は、撮像装置により撮像された画像データを用いずに、現在位置情報と地図情報とを用いて地図登録済み道路へ合流するための1つ以上の合流地点候補を取得し、合流地点は、1つ以上の合流地点候補から設定されるように構成されている。このように構成すれば、接続点の推定に撮像装置により得られた撮像データが必要となる上記特許文献1とは異なり、撮像装置を別途設けることなく、地図未登録道路上から地図登録済み道路へ合流するための1つ以上の合流地点候補を取得して合流地点を設定することができる。これにより、装置構成を複雑化させることなく、より簡単な構成で合流地点を設定することができる。
【0014】
この場合において、好ましくは、制御部は、撮像装置により撮像された画像データを用いずに現在位置情報と地図情報とを用いて、平面的に見て、現在位置から移動方向および移動方向と直交する方向に存在する地図登録済み道路上の地点の内から、1つ以上の合流地点候補を取得するように構成されている。このように構成すれば、装置構成を複雑化させることなく、容易に、複数の地点の中から合流地点候補を取得することができる。
【0015】
上記一の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、制御部は、車両の走行速度に基づいて、地図登録済み道路へ合流するための1つ以上の合流地点候補を取得するように構成されている。このように構成すれば、地図未登録道路上を比較的高速で車両が走行している場合や、低速で走行している場合などの状況(走行速度)に応じて、適切な合流地点候補を取得することができる。
【0016】
この場合において、好ましくは、制御部は、走行速度が所定の第1速度以上の場合には、少なくとも走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点を合流地点候補として取得するように構成されている。このように構成すれば、現在位置が地図登録済み道路上にない場合で車両が高速で走行している場合(走行速度が所定の第1速度以上の場合)には、車両が比較的広い直線状の地図未登録道路を走行している可能性が高いので、この場合には、走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点を合流地点候補とすることにより、実際に合流できる可能性の高い地図登録済み道路との合流地点候補を取得することができる。その結果、未知の地図未登録道路を移動している場合にも、地図登録済み道路上の合流地点までの案内の精度を高めることができる。
【0017】
上記制御部が車両の走行速度に基づいて合流地点候補を取得する構成において、好ましくは、制御部は、走行速度が所定の第2速度よりも小さい場合には、少なくとも現在位置に最も近い地図登録済み道路上の地点を合流地点候補として取得するように構成されている。このように構成すれば、現在位置が地図登録済み道路上にない場合で車両が低速で走行している場合(走行速度が所定の第2速度よりも小さい場合)には、たとえば路地などの狭い地図未登録道路をユーザが迷いながら移動している可能性が高いとともに、そのような路地では近くの地図登録済み道路へ抜ける道路も多いと考えられるので、この場合には、現在位置に最も近い地図登録済み道路上の地点を合流地点候補として取得することにより、容易に地図登録済み道路へ合流することが可能な合流地点候補を取得することができる。その結果、未知の地図未登録道路を移動している場合にも、地図登録済み道路上の合流地点までの案内の精度を高めることができる。
【0018】
上記一の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、制御部は、現在位置が地図登録済み道路上でないと判定した場合に、地図上に現在位置を復帰地点として示して表示部に表示させるように構成されている。このように構成すれば、ユーザが地図未登録道路上で迷ってしまった場合にも、表示部に表示された復帰地点を目指して戻ることができる。そして、復帰地点まで戻ることができれば、元の地図登録済み道路(地図未登録道路に侵入する前に移動していた道路)まで復帰するのは容易であるので、ユーザが地図未登録道路上で迷ってしまった場合にも、容易に元の地図登録済み道路まで復帰することができる。
【0019】
上記一の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、現在位置情報を蓄積して記憶可能に構成された経路情報記憶部をさらに備え、制御部は、現在位置が地図登録済み道路上でないと判定した場合に、経路情報記憶部に蓄積された現在位置情報に基づき移動経路を生成し、地図上に移動経路の軌跡を示して表示部に表示させるように構成されている。このように構成すれば、ユーザは、地図未登録道路上の移動経路に沿って復帰地点まで戻ることができるので、ユーザが地図未登録道路上で迷ってしまった場合にも、さらに容易に元の地図登録済み道路まで復帰することができる。
【0020】
上記一の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、制御部は、地図上に現在位置から設定された合流地点までの距離を表示する距離情報を案内情報として表示部に表示させるように構成されている。このように構成すれば、ユーザは、表示部に表示された地図上で現在位置から設定された合流地点(地図登録済み道路)までの距離(距離情報)を確認することができるので、この表示部の表示に基づいて、ユーザは現在位置の周囲の位置関係と合流地点までの距離とを把握しながら合流地点に向けて移動することができる。これにより、ユーザは設定された合流地点(地図登録済み道路)に向けて容易に移動することができるので、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0021】
上記一の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、音声により情報を出力する音声出力部をさらに備え、制御部は、現在位置から設定された合流地点までの距離および現在位置から設定された合流地点に向かう方向を含む案内情報を音声出力部から音声により出力させるように構成されている。このように構成すれば、地図未登録道路上を移動中であっても、ユーザは、設定された合流地点までの距離および現在位置から設定された合流地点に向かう方向を音声によって認識することができるので、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0022】
上記一の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、制御部は、現在位置から設定された合流地点までの距離が、合流地点を設定した時点の位置から合流地点までの距離よりも所定の閾値以上大きくなった場合に、合流地点を再設定することが可能なように構成されている。このように構成すれば、一度合流地点を設定したにもかかわらず、実際には地図未登録道路が設定された合流地点には合流せずに離れていく場合にも、合流地点を再設定して新たな合流地点に向けてユーザを案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態によるカーナビゲーション装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるカーナビゲーション装置の表示部による表示画面およびスピーカから出力される案内情報を示した図である。
【図3】図1に示した一実施形態によるカーナビゲーション装置により地図未登録道路走行時の処理を示したフロー図である。
【図4】図3に示した地図未登録道路走行時の処理における合流地点設定処理(サブルーチン)を示したフロー図である。
【図5】図1に示した一実施形態によるカーナビゲーション装置の表示部による画面表示を説明するための図である。
【図6】図4に示した合流地点設定処理(サブルーチン)における復帰地点および走行経路軌跡を説明するための図である。
【図7】図4に示した合流地点設定処理(サブルーチン)における合流地点候補の取得方法を説明するための図である。
【図8】図4に示した合流地点設定処理(サブルーチン)における合流地点候補の取得方法説明するための図である。
【図9】図3に示した地図未登録道路走行時の処理における合流地点の再設定(リルート)を説明するための図である。
【図10】図3に示した地図未登録道路走行時の処理における合流地点の再設定(リルート)を説明するための図である。
【図11】図3に示した地図未登録道路走行時の処理における合流地点の再設定(リルート)を説明するための図である。
【図12】図3に示した地図未登録道路走行時の処理における合流地点の再設定(リルート)を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態によるカーナビゲーション装置100について説明する。なお、本実施形態では、本発明のナビゲーション装置の一例として、自動車などの車両の運転に際して走行経路案内を行うカーナビゲーション装置100に、本発明を適用した場合について説明する。
【0026】
本発明の一実施形態によるカーナビゲーション装置100は、自動車(車両)内に設置された状態で使用されるように構成されている。図1に示すように、カーナビゲーション装置100は、CPU10と、RAM(Random Access Memory)20と、ROM(Read Only Memory)30と、GPS受信機40と、表示部50およびタッチパネル51と、スピーカ60および音声合成回路61と、リモコンセンサ70および操作スイッチ群71とを備えている。ここで、CPU10は、本発明の「制御部」の一例である。また、RAM20は、本発明の「経路情報記憶部」の一例である。また、GPS受信機40は、本発明の「現在位置情報取得部」の一例である。また、スピーカ60は、本発明の「音声出力部」の一例である。
【0027】
CPU10は、RAM20を計算領域として使用してROM30に記憶されたプログラムを実行することにより、カーナビゲーション装置100全体の制御処理を行うように構成されている。CPU10は、ユーザによるタッチパネル51、リモコンセンサ70または操作スイッチ群71を介した操作入力を受け付けて走行経路案内を行う際の目的地を設定するとともに、現在位置から目的地までの最適な走行経路を算出するように構成されている。そして、CPU10は、算出された走行経路に沿った案内情報を作成して、作成された案内情報を表示部50に表示させるとともに、スピーカ60から音声出力させることにより、ユーザに対する走行経路案内を行うように構成されている。また、カーナビゲーション装置100は、図示しない入力ポートを介して自動車の制御を司る図示しないECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)と接続されている。CPU10は、このECUを介して自動車の速度センサ200により検出された走行速度(自動車の車速)を取得することが可能なように構成されている。
【0028】
また、本実施形態では、図2に示すように、CPU10は、走行経路案内の実行時において、GPS受信機40により取得された現在位置Gと、ROM30に記憶された地図データ31とに基づき、現在位置Gが地図登録済み道路R1〜R6(地図データ31に登録されている道路)上にあるかまたは地図未登録道路(地図データ31に登録されていない道路)上にあるかを判定するように構成されている。そして、新設された道路や住宅街の細かな路地などの地図未登録道路を自動車が走行している場合など、現在位置Gが地図データ31に登録されている道路(地図登録済み道路R1〜R6)上にない場合には、CPU10は、通常の走行経路案内の処理から地図未登録道路走行時の処理に移行するように構成されている。なお、本実施形態では、CPU10は、地図未登録道路走行時の全ての処理を、撮像装置により撮像された撮像データを用いることなく、現在位置情報(現在位置G)および地図データ31に基づいて行うように構成されている。なお、地図データ31は、本発明の「地図情報」の一例である。
【0029】
図2に示すように、地図未登録道路走行時の処理においては、CPU10は、現在位置G(地図未登録道路上)から地図登録済み道路(R1〜R6)への合流地点Jを設定可能なように構成されている。そして、CPU10は、現在位置Gと地図データ31とに基づいて、現在位置Gから設定された合流地点Jまでの距離と、現在位置Gから設定された合流地点Jに向かう方向(前方、右方向、左方向など)とを含む案内情報(N1およびN2)を作成するように構成されている。CPU10は、作成した案内情報N1を表示部50に表示させるとともに、作成した案内情報N2をスピーカ60(図1参照)から音声出力させることにより、案内情報(N1およびN2)をユーザ(自動車の運転者)に通知させるように構成されている。これにより、地図データ31には存在しない地図未登録道路走行時においても設定された合流地点Jまでの案内を行うとともに、合流地点Jに自動車が到達した場合には、通常の走行経路案内の処理に戻ることが可能である。なお、図2では、「府道**号線」(地図登録済み道路R4)に合流する合流地点J(地点B)が設定された場合の、自車位置(現在位置G)から合流地点Jまで、および合流地点Jから目的地までの案内を行う場合の例を示したものである。この図2では、自車位置(現在位置G)から合流地点Jまでの距離情報(300m)、および、合流地点Jから目的地までの案内経路P1(斜めハッチングにより表示された経路)が案内情報N1として表示部50に表示されている。また、現在位置Gから合流地点Jに向かう方向(「前方」)、現在位置Gから合流地点Jまでの距離(300m)および合流先の地図登録済み道路R4の名称「府道**号線」を含む音声情報が、案内情報N2としてスピーカ60により音声出力されている。なお、地図未登録道路走行時の処理については、後に詳細に説明する。
【0030】
また、図1に示すように、RAM20は、揮発性メモリから構成されるとともに、CPU10による制御処理に伴う各種データを記憶可能なように構成されている。また、RAM20は、GPS受信機40により取得されたカーナビゲーション装置100(自動車)の現在位置Gを蓄積して記憶するように構成されている。CPU10は、このRAM20に蓄積された現在位置Gの情報に基づいて、現在の自動車の走行方向を算出することが可能であるとともに、過去の所定のタイミングにおいて取得された現在位置Gや、蓄積された現在位置Gの軌跡(実際の走行経路)を表示部50に表示させることなどが可能なように構成されている。
【0031】
また、ROM30は、不揮発性メモリから構成されている。このROM30には、CPU10の制御用プログラムおよび道路地図データ(地図データ31)などの各種データが記憶されている。図2に示すように、この地図データ31には、データが作成された時点での既知の道路(地図登録済み道路R1〜R6)のデータが含まれている。
【0032】
また、図1に示すように、GPS受信機40は、自動車の所定箇所(図示せず)に設けられたGPSアンテナ41と接続されている。GPS受信機40は、複数(3個以上)のGPS衛星(図示せず)から送信された電波信号をGPSアンテナ41により受信して、受信した電波信号に基づいて3次元測位を行うことにより、現在位置の情報(現在位置G)を取得することが可能なように構成されている。
【0033】
また、表示部50は、CPU10から出力される画像出力信号に基づいて画像表示を行うように構成されている。走行経路案内の実行時には、図2に示すように、ROM30に記憶された地図データ31、GPS受信機40により取得された現在位置G(自車位置)や、算出された案内経路P1および距離情報を含む案内情報N1などが、CPU10によりそれぞれ表示部50の画面上に表示されるように構成されている。また、表示部50の表示面上には、タッチパネル51(図1参照)が設けられており、ユーザが表示画面上(タッチパネル51)を触れることによりカーナビゲーション装置100に対する操作入力を行うことが可能なように構成されている。
【0034】
また、図1に示すように、スピーカ60は、音声合成回路61と接続されている。音声合成回路61は、CPU10から出力された音声情報に基づいて所定の音声を合成して、スピーカ60に合成した音声信号を出力するように構成されている。これにより、走行経路案内の実行時には、CPU10が作成した案内情報N2(音声情報)をスピーカ60に音声出力させることが可能なように構成されている。
【0035】
また、リモコン(リモートコントロール)センサ70は、カーナビゲーション装置100の図示しないリモコン端末から送信される操作信号を検出して、CPU10に出力するように構成されている。また、操作スイッチ群71は、カーナビゲーション装置100の筐体に設けられた各種スイッチであり、たとえば電源スイッチ、ボリューム調節スイッチ、設定メニューを表示させるためのメニュースイッチなどが含まれる。
【0036】
以上のような構成により、本実施形態によるカーナビゲーション装置100は、ユーザにより指定された目的地までの走行経路案内と、未登録道路走行時の案内処理とを行う。
【0037】
次に、図1〜図12を参照して、本発明の一実施形態によるカーナビゲーション装置100の未登録道路走行時の案内処理について説明する。
【0038】
未登録道路走行時の案内処理では、通常の走行経路案内の実行中に自動車が地図未登録道路に進入した場合に、CPU10により通常の走行経路案内処理から未登録道路走行時の案内処理に切り替えられることにより開始される。そこで、図3に示すように、まず、ステップS1において、CPU10により、現在位置Gが地図未登録道路上にある(現在位置Gが地図登録済み道路R1〜R6上にない)か否かが判定される。CPU10は、GPSを用いた現在位置測定の測定精度に起因する誤差(10m程度)を考慮して、GPS受信機40により取得された現在位置Gが地図登録済み道路R1〜R6から一定距離(たとえば、約20m)以上離れた場合に、現在位置Gが地図未登録道路上にある(現在位置Gが地図登録済み道路R1〜R6上にない)と判断して、ステップS2以降の未登録道路走行時の案内処理に移行する。一方、現在位置Gが地図登録済み道路R1〜R6上にあると判定された場合には、再度ステップS1の判定が繰り返される。なお、このステップS1の判定処理は、通常の走行経路案内処理と並行して継続的に行われている。したがって、自動車が地図登録済み道路R1〜R6を走行中の場合には、このステップS1の判定が繰り返し行われる。
【0039】
未登録道路走行時の案内処理では、図3に示すように、ステップS2において、CPU10によりマップマッチング機能が解除される。ここで、通常の走行経路案内処理においては、地図データ31に基づいて算出された走行経路P0(図5の二点鎖線参照)に従い案内処理が行われる。このとき、GPSを用いた現在位置測定の測定精度に起因する誤差(10m程度)により、GPS受信機40により取得される自車位置(現在位置G)の情報は、必ずしも実際に走行している道路上を示さない。このため、通常の走行経路案内処理においては、GPS受信機40により取得された自車位置(現在位置G)を実際に走行している道路(取得された現在位置近傍の道路)上の位置に一致させる補正処理(マップマッチング)が行われる。一方、図5に示すように、ステップS1で現在位置Gが地図データ31に登録されている道路(地図登録済み道路R1〜R6)上にない(現在位置Gが地図未登録道路上にある)と判断された場合に、地図未登録道路は、地図登録済み道路R1、R2、R3およびR4に囲まれた領域U(斜線部)に存在する。このステップS2でマップマッチング機能が解除されることにより、地図未登録道路が存在すると考えられる領域U(斜線部)内に現在位置Gを表示する(図2参照)ことが可能となる。
【0040】
その後、ステップS3において、CPU10により、地図登録済み道路R1〜R6との合流地点Jの設定処理が実行される。ここで、図4を参照して、地図登録済み道路との合流地点設定処理(サブルーチン)について詳細に説明する。まず、ステップS11において、CPU10により、地図登録済み道路(R1〜R6のいずれか)から地図未登録道路に進入した地点が復帰地点Cb(図6参照)として設定され、この復帰地点Cb(図6参照)が表示部50に表示される。具体的には、RAM20に蓄積記憶された現在位置Gの情報のうち、CPU10により現在位置Gが地図登録済み道路(R1〜R6)上にないと判断された時点における位置(図5の状態における現在位置G)が、復帰地点Cb(図6参照)として設定される。さらに、図6に示すように、CPU10により、復帰地点Cb以降の走行経路軌跡Pb(RAM20に蓄積された現在位置Gの軌跡)が表示部50に表示される。これにより、たとえばユーザ(運転者)が地図未登録道路上で迷ってしまうような場合にも、ユーザ(運転者)は、表示部50に表示された復帰地点Cbおよび走行経路軌跡Pbを手がかりに復帰地点Cbまで戻れば、元の地図登録済み道路に容易に復帰することが可能となる。
【0041】
次に、ステップS12〜S15までの処理において、合流地点Jを設定する際の候補となる合流地点候補が取得される。ここで、合流地点候補は、RAM20に蓄積された現在位置Gの情報から算出された走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点Bと、走行方向と直交する方向に存在する地図登録済み道路上の各地点AおよびCの内から、1つ以上の合流地点候補が取得される。たとえば、図5に示すように、走行方向(矢印Y1方向)の前方(矢印Y1方向)に存在する地図登録済み道路R4上の地点Bと、走行方向と直交する方向(矢印X1方向および矢印X2方向)に存在する地図登録済み道路R3およびR1上の各地点AおよびCとの内から、1つ以上の合流地点候補が取得される。そして、この合流地点候補の取得は、自動車の速度センサ200(図1参照)から取得された走行速度(車速)に基づいて行われる。
【0042】
そこで、ステップS12では、CPU10により、自動車の速度センサ200から地図未登録道路上での走行速度(車速)が取得される。そして、ステップS13において、CPU10により、取得された走行速度(車速)が所定速度40km/hよりも小さいか否かが判断され、走行速度(車速)が40km/hよりも小さい場合には、ステップS14に進み、走行速度(車速)が40km/h以上の場合にはステップS15に進む。なお、この所定速度40km/hは、本発明の「第1速度」および「第2速度」の一例である。
【0043】
走行速度(車速)が40km/hよりも小さい場合、ステップS14において、少なくとも現在位置Gに最も近い地図登録済み道路上の地点が、合流地点候補として取得される。なお、本実施形態では、現在位置Gに最も近い地図登録済み道路上の地点以外にも、同程度(たとえば数十m程度)に近い地点が存在する場合には、その地点も合流地点候補として取得する。たとえば、図7に示すように、走行速度(車速)が10km/h(<40km/h)の場合には、自動車の走行方向(ここでは矢印X1方向)の前方の地図登録済み道路R3上の地点Bと、自動車の走行方向と直交する方向(矢印Y1方向および矢印Y2方向)に存在する地図登録済み道路R2およびR4上の各地点AおよびCとの内から、現在位置Gに最も近い地点B(距離50m)および地点Bと同程度に近い地点A(距離70m)が、合流地点候補として取得される。一方、地点Cは、地点Bおよび地点Aと比較して現在位置Gから大きく離れているため、合流地点候補にはならない。このように、走行速度(車速)が40km/hよりも小さい場合には、図7に示した地図未登録道路Q1(一点鎖線参照)のように細い路地が入り組んでいるような場合が考えられるので、容易に地図登録済み道路と合流することができるように、現在位置Gに近い地図登録済み道路(R2およびR3)上の地点AおよびBを合流地点候補として取得する。
【0044】
また、走行速度(車速)が40km/h以上の場合、ステップS15において、少なくとも走行方向(進行方向)の前方に存在する地図登録済み道路上の地点が、合流地点候補として取得される。たとえば、図8に示すように、走行速度(車速)が50km/h(>40km/h)の場合には、自動車の走行方向(矢印Y1方向)の前方の地図登録済み道路R4上の地点Bと、自動車の進行方向と直交する方向(矢印X1方向および矢印X2方向)に存在する地図登録済み道路R3およびR1上の各地点AおよびCとの内から、走行方向の前方に存在する地図登録済み道路R4上の地点Bが、合流地点候補として取得される。一方、地点Aおよび地点Cは、合流地点候補にはならない。このように、走行速度(車速)が40km/h以上の場合には、図8に示した地図未登録道路Q2(一点鎖線参照)のように直線状に延びる道路を走行している場合が考えられるので、走行方向(矢印Y1方向)の前方に合流可能な地点が存在する可能性が高い。このため、現在位置Gから走行方向(矢印Y1方向)の前方に存在する地図登録済み道路R4上の地点Bを合流地点候補として取得する。
【0045】
ステップS14またはS15で合流地点候補が取得されると、ステップS16において、CPU10により、取得された合流地点候補から目的地までの経路が検索される。図7に示したように、合流地点候補(図7の地点AおよびB)が複数存在する場合には、それぞれの合流地点候補から目的地までの経路が検索される。したがって、図7では、合流地点候補Bから目的地までの経路P2(斜めハッチングにより表示した経路)、および、合流地点候補Aから目的地までの経路P3(二点鎖線参照)の2つの経路が検索されている。
【0046】
そして、ステップS17において、CPU10により、取得された合流地点候補から合流地点Jが設定される。なお、合流地点候補が複数存在する場合には、複数の合流地点候補の中から1つの合流地点Jが選択される。この場合には、複数の合流地点候補およびステップS16で検索されたそれぞれの合流地点候補から目的地までの経路(図7のP2およびP3)を表示部50に表示させて、ユーザに合流地点を選択させる方法や、予め設定された優先順序に基づいてCPU10により合流地点を選択する方法などにより、合流地点Jが選択される。また、予め設定された優先順序としては、現在位置Gから合流地点候補までの距離(直線距離)と合流地点候補から目的地までの経路に沿った距離との合計距離が最も小さくなる合流地点候補を選択するなどである。この場合には、地図登録済み道路への合流後の案内経路も含めて最も移動距離が短くなると考えられる合流地点Jを選択することが可能である。
【0047】
以上により合流地点が設定されると、合流地点設定処理(サブルーチン)が終了し、図3のステップS4以降の処理に戻る。
【0048】
図3に示すように、ステップS4では、CPU10により、設定された合流地点Jまでの案内情報が表示部50およびスピーカ60を用いて出力される。すなわち、地点Bが合流地点Jとして設定された場合を示す図2のように、CPU10によって現在位置Gから地図登録済み道路R4との合流地点Jへの距離情報(300m)と、図4のステップS16で検索された合流地点Jから目的地への案内経路P1(斜めハッチングにより表示した経路)とが作成される。そして、CPU10により、これらの距離情報(300m)と案内経路P1とを含む案内情報N1を地図(地図データ31)上に示した画面が表示部50に表示される。また、CPU10によって現在位置Gから地図登録済み道路R4へ向かう方向(「前方」)と、現在位置Gから地図登録済み道路R4との合流地点Jへの距離(300m)と、合流先の地図登録済み道路R4の名称(「府道**号線」)とを含む音声情報が案内情報N2として作成される。そして、作成された案内情報N2から音声合成回路61によって合成音声が生成されることにより、スピーカ60からは、「前方300m先の府道**号線に合流してください」という案内情報N2が音声により出力される。
【0049】
その後、ステップS5では、図9および図10に示すように、CPU10により、現在位置Gから設定された合流地点Jまでの距離Yが、合流地点Jを設定した時点の位置から合流地点Jまでの距離Xよりも所定の閾値T(図10参照)以上大きくなったか否か(Y>(X+T)を満たすか?)が判断される。すなわち、誤差などを考慮して閾値Tを見積もった上で、設定された合流地点Jに向かって近づくことができているか否かが判断される。
【0050】
ここで、図9に示すように、合流地点Jを設定した時点の位置が復帰地点Cbであったとすると、現在位置Gが合流地点Jに近づいている場合には、距離Yが距離Xよりも小さくなる(Y<(X+T)となる)ので、ステップS6に進む。ステップS6では、CPU10により、現在位置(自車位置)Gが地図登録済み道路R4(合流地点J)に到達したか否かが判断され、地図登録済み道路R4に到達していない場合には、ステップS4に戻り、再度案内情報(N1およびN2)が表示部50およびスピーカ60を用いて出力される。一方、地図未登録道路Q3(一点鎖線参照)を抜けて現在位置Gが地図登録済み道路R4(合流地点J)に到達した場合には、ステップS7に進み、マップマッチング機能が復帰(オン)されて、未登録道路走行時の案内処理が終了する。これにより、CPU10は、地図未登録道路走行時の処理から通常の走行経路案内の処理に移行して、合流地点Jから目的地までの案内経路P1の経路案内を開始する。
【0051】
一方、図10に示すように、地図未登録道路Q4(一点鎖線参照)が設定された合流地点J(地点B)に向かって延びていない場合に地図未登録道路Q4に沿って進むと、現在位置Gから設定された合流地点Jまでの距離Yが、合流地点Jを設定した時点の位置から合流地点Jまでの距離Xよりも所定の閾値T以上大きくなる(Y>(X+T)を満たす)。また、ユーザ(運転者)が設定した合流地点Jに向かわずに、故意に合流地点Jに向かう方向とは異なる方向に移動する場合もある。このような場合には、設定された合流地点Jから遠ざかってしまうので、ステップS5からステップS3に戻り、合流地点の再設定(リルート)が行われる。すなわち、CPU10により、合流地点設定処理(サブルーチン、図4参照)が再度実行される。これにより、図11に示すように、走行方向(矢印X2方向)の前方(矢印X2方向)に存在する地図登録済み道路R1上の地点Eと、走行方向と直交する方向(矢印Y1方向および矢印Y2方向)に存在する地図登録済み道路R4およびR2上の各地点DおよびFとの内から、1つ以上の合流地点候補が取得される。そして、図12に示すように、新たに目的地までの案内経路P4および合流地点Jが再設定される。この図12では、合流地点Jとして地点Eが選択されている。なお、この合流地点の再設定(リルート)の場合には、図4のステップS11の復帰地点Cbおよび走行経路軌跡Pbの表示処理は、既に実行されていることからスキップされる。
【0052】
合流地点の再設定(リルート)によって新たな合流地点Jが設定されると、再度ステップS4以降の処理が行われ、地図登録済み道路に到達するまで、上記のステップS3〜S6までの処理が繰り返される。そして、地図未登録道路Q4(図12参照)を抜けて現在位置Gが地図登録済み道路R1(合流地点J)に到達した場合には、ステップS7に進み、マップマッチング機能が復帰(オン)されて、未登録道路走行時の案内処理が終了する。これにより、CPU10は、地図未登録道路走行時の処理から通常の走行経路案内の処理に移行して、合流地点Jから目的地までの案内経路P4(図12参照)の経路案内を開始する。
【0053】
本実施形態では、上記のように、現在位置Gと地図データ31とに基づき現在位置Gが地図登録済み道路(R1〜R6)上にあるかまたは地図未登録道路(Q1〜Q4)上にあるかを判定し、現在位置Gが地図未登録道路(Q1〜Q4)上にあると判定した場合に、現在位置Gから地図登録済み道路(R1〜R6)への合流地点Jを設定するとともに、現在位置Gから設定された合流地点Jまでの距離および現在位置Gから設定された合流地点Jに向かう方向を含む案内情報N1およびN2をユーザに通知する制御を行うCPU10を設けることによって、未知の地図未登録道路(Q1〜Q4)を初めて移動する場合にも、現在位置Gから設定された合流地点Jへの案内をユーザに対して行うことができる。また、設定された合流地点Jまでの距離および現在位置Gから設定された合流地点Jに向かう方向を含む案内情報(N1およびN2)をユーザに通知することができるので、設定された合流地点Jに向かう方向のみによる案内を行う場合と異なり、ユーザはどの方向(合流地点Jに向かう方向)にどれだけの距離(設定された合流地点Jまでの距離)だけ移動すればよいかを把握することができる。これにより、ユーザが案内に従って移動した場合に合流地点Jを見過ごす可能性を小さくすることができる。これにより、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0054】
また、本実施形態では、上記のように、撮像装置により撮像された画像データを用いずに、現在位置Gと地図データ31とを用いて地図登録済み道路(R1〜R6)へ合流するための1つ以上の合流地点候補を取得し、合流地点Jを、1つ以上の合流地点候補から設定することによって、接続点の推定に撮像装置により得られた撮像データが必要となる上記特許文献1とは異なり、撮像装置を別途設けることなく、地図未登録道路(Q1〜Q4)上から地図登録済み道路(R1〜R6)へ合流するための1つ以上の合流地点候補を取得して合流地点Jを設定することができる。これにより、装置構成を複雑化させることなく、より簡単な構成で合流地点Jを設定することができる。
【0055】
また、本実施形態では、上記のように、撮像装置により撮像された画像データを用いずに現在位置Gと地図データ31とを用いて、平面的に見て、現在位置Gから走行方向(前方)および走行方向と直交する方向に存在する地図登録済み道路上の地点A〜C(D〜F)の内から、1つ以上の合流地点候補を取得することによって、装置構成を複雑化させることなく、容易に、複数の地点A〜C(D〜F)の中から合流地点候補を取得することができる。
【0056】
また、本実施形態では、上記のように、速度センサ200により検出された走行速度に基づいて、合流地点候補を取得することによって、たとえば、地図未登録道路(Q1〜Q4)上を比較的高速(40km/h以上の速度)で自動車が走行している場合や、低速(40km/hよりも小さい速度)で走行している場合などの状況(走行速度)に応じて、適切な合流地点候補を取得することができる。
【0057】
また、本実施形態では、上記のように、走行速度が40km/h以上の場合(図8参照)には、走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点Bを合流地点候補として取得することによって、地図未登録道路Q2(図8参照)上で自動車が高速で走行している場合(走行速度が所定の40km/h以上の場合)には、自動車が比較的広い直線状の地図未登録道路Q2を移動している可能性が高いので、この場合には、走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点Bを合流地点候補として取得することにより、実際に合流できる可能性の高い地図登録済み道路(R4)との合流地点候補(地点B)を取得することができる。その結果、未知の地図未登録道路Q2を移動している場合にも、地図登録済み道路(R4)上の合流地点Jまでの案内の精度を高めることができる。
【0058】
また、本実施形態では、上記のように、走行速度が40km/hよりも小さい場合(図7参照)には、少なくとも現在位置Gに最も近い地図登録済み道路上の地点を合流地点候補として取得することによって、現在位置Gが地図未登録道路Q1(図7参照)上にある場合で自動車が低速で走行している場合(走行速度が40km/hよりも小さい場合)には、図7に示したように路地などの狭い地図未登録道路Q1をユーザが迷いながら移動している可能性が高いとともに、そのような路地(地図未登録道路Q1)では近くの地図登録済み道路(R3)へ抜ける道路も多いと考えられるので、この場合には、現在位置Gに最も近い地図登録済み道路(R3)上の地点(図7の地点B)を合流地点候補として取得することにより、容易に地図登録済み道路(R3)へ合流することが可能な合流地点候補(図7の地点B)を取得することができる。その結果、未知の地図未登録道路Q1を移動している場合にも、地図登録済み道路(R3)上の合流地点Jまでの案内の精度を高めることができる。
【0059】
また、本実施形態では、上記のように、現在位置Gが地図未登録道路(Q1〜Q4)上である(現在位置Gが地図登録済み道路(R1〜R6)上でない)場合に、地図(地図データ31)上にその時点の現在位置Gを復帰地点Cbとして示して表示部50に表示させることによって、ユーザが地図未登録道路(Q1〜Q4)上で迷ってしまった場合にも、表示部50に表示された復帰地点Cbを目指して戻ることができる。そして、復帰地点Cbまで戻ることができれば、元の地図登録済み道路(地図未登録道路に侵入する前に移動していた道路)まで復帰するのは容易であるので、ユーザが地図未登録道路(Q1〜Q4)上で迷ってしまった場合にも、容易に元の地図登録済み道路まで復帰することができる。
【0060】
また、本実施形態では、上記のように、現在位置Gが地図未登録道路(Q1〜Q4)上である場合に、RAM20に蓄積された現在位置Gの情報に基づき走行経路軌跡Pbを生成し、地図(地図データ31)上に走行経路軌跡Pbを示して表示部50に表示させることによって、ユーザは、地図未登録道路(Q1〜Q4)上の走行経路軌跡Pbに沿って復帰地点Cbまで戻ることができるので、ユーザが地図未登録道路(Q1〜Q4)上で迷ってしまった場合にも、さらに容易に元の地図登録済み道路まで復帰することができる。
【0061】
また、本実施形態では、上記のように、地図(地図データ31)上に現在位置Gから設定された合流地点Jまでの距離情報を案内情報N1として表示部50に表示することにより、ユーザは、表示部50に表示された地図(地図データ31)上で現在位置Gから設定された合流地点J(地図登録済み道路)までの距離を確認することができるので、この表示部50の表示に基づいて、ユーザは現在位置Gの周囲の位置関係と合流地点Jまでの距離(距離情報)とを把握しながら合流地点Jに向けて移動することができる。これにより、ユーザは設定された合流地点J(地図登録済み道路)に向けて容易に移動することができるので、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0062】
また、本実施形態では、上記のように、現在位置Gから設定された合流地点Jまでの距離(たとえば、「300m」、図2参照)および現在位置Gから設定された合流地点Jに向かう方向(たとえば、「前方」、図2参照)を含む案内情報N2をスピーカ60から音声により出力させることにより、地図未登録道路(Q1〜Q4)上を移動中であっても、ユーザは、設定された合流地点Jまでの距離および現在位置Gから設定された合流地点Jに向かう方向を音声によって認識することができるので、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0063】
また、本実施形態では、上記のように、現在位置Gから設定された合流地点Jまでの距離Yが、合流地点Jを設定した時点の位置(復帰地点Cb)から合流地点Jまでの距離Xよりも所定の閾値T以上大きくなった場合に、合流地点Jを再設定することによって、一度合流地点Jを設定したにもかかわらず、実際には地図未登録道路(Q4)が設定された合流地点Jには合流せずに離れていく場合(図10〜図12参照)にも、合流地点Jを再設定して新たな合流地点J(地点E、図12参照)に向けてユーザを案内することができる。
【0064】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0065】
たとえば、上記一実施形態では、カーナビゲーション装置100を自動車に搭載した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、自動車、自動二輪車、自転車および原動機付き自転車などの車両や、その他道路上を走行可能な陸上交通手段のナビゲーション装置に適用可能である。また、この他にも、人が携帯して使用するナビゲーション装置に本発明を適用してもよい。
【0066】
また、本実施形態では、CPU10が、自動車の速度センサ200により検出された走行速度(自動車の車速)を取得するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、車速センサの代わりにGPS受信機により取得した現在位置情報の単位時間当たりの変化(現在位置の変化)に基づいて走行速度を算出してもよい。
【0067】
また、本実施形態では、GPS受信機40を用いて現在位置情報(現在位置G)を取得するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、GPS以外の手段を用いて現在位置情報を取得するように構成してもよい。
【0068】
また、本実施形態では、本発明の「第1速度」の一例として、走行速度が40km/h以上の場合に、走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点を合流地点候補として取得するように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1速度として、40km/h以外の速度を設定してもよい。また、この第1速度は、ナビゲーション装置の用途(自動車、自転車、自動二輪車など)に応じて任意に設定可能なように構成してもよい。
【0069】
また、本実施形態では、走行速度が40km/h以上の場合に、走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点Bを合流地点候補として取得するように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、走行速度が第1速度以上の場合に、少なくとも走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点に加えて、さらに走行方向の前方以外の方向に存在する地点を合流地点候補として取得してもよい。
【0070】
また、本実施形態では、本発明の「第2速度」の一例として、走行速度が40km/hよりも小さい場合に、少なくとも現在位置Gに最も近い地図登録済み道路上の地点を合流地点候補として取得するように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2速度として、40km/h以外の速度を設定してもよい。また、第1速度と第2速度とを互いに異なる速度に設定してもよい。また、この第2速度は、ナビゲーション装置の用途(自動車、自転車、自動二輪車など)に応じて任意に設定可能なように構成してもよい。
【0071】
また、本実施形態では、走行速度が40km/hよりも小さい場合に、現在位置Gに最も近い地図登録済み道路上の地点と、最も近い地図登録済み道路上の地点と同程度に近い地点とを合流地点候補として取得するように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、走行速度が第2速度よりも小さい場合に、現在位置Gに最も近い地図登録済み道路上の地点のみを合流地点候補として取得してもよい。
【0072】
また、本実施形態では、現在位置Gから設定された合流地点Jに向かう方向の案内として、「前方」、「右方向」、「左方向」などの案内を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、現在位置Gから設定された合流地点Jに向かう方向を東西南北の方角によって案内してもよい。
【0073】
また、本実施形態では、現在位置Gから合流地点Jまでの距離情報および合流地点Jから目的地までの案内経路を案内情報N1として表示部50に表示し、現在位置Gから合流地点Jに向かう方向、現在位置Gから合流地点Jまでの距離および合流先の地図登録済み道路の名称を含む音声情報を、案内情報N2としてスピーカ60により音声出力するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示部またはスピーカのいずれか1つのみを用いて案内情報をユーザに通知してもよい。この際、現在位置Gから合流地点Jまでの距離および現在位置Gから合流地点Jに向かう方向を通知するように構成すればよい。
【0074】
また、本実施形態では、地図データ31(地図情報)をROM30に格納した例を示したが、本発明はこれに限られない。地図情報は、たとえばHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されてもよいし、地図情報を格納したDVDやブルーレイディスクなどの記録媒体および読取装置の組み合わせなどを用いてもよい。
【0075】
また、本実施形態では、現在位置Gから設定された合流地点Jまでの距離Yが、合流地点Jを設定した時点の位置から合流地点Jまでの距離Xよりも所定の閾値T以上大きくなった(Y>(X+T)を満たす)場合に、合流地点Jの再設定(リルート)を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、リルートを行わないように構成してもよいし、この他の条件を設定してリルートを行ってもよい。たとえば、一定時間経過しても現在位置Gから合流地点Jまでの距離Yが縮まらない場合(合流地点Jに近づかない場合)、走行距離に比べて合流地点Jまでの接近距離が小さい場合(合流地点Jを迂回するように移動している場合)、および、ユーザからの操作入力によりリルートを要求された場合などに、合流地点Jの再設定(リルート)を行うように構成してもよい。また、リルートを自動的に行う際には、ユーザに合流地点の再設定を行うか否かを問い合わせるように構成してもよい。
【0076】
また、本実施形態では、CPU10が、RAM20に蓄積記憶された現在位置Gの情報に基づいて自動車の走行方向を取得するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ジャイロスコープを用いて走行方向を取得するように構成してもよい。
【0077】
また、本実施形態では、合流地点Jの設定に際して、合流地点Jを設定する際の候補となる合流地点候補を取得するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、合流地点候補を取得することなく合流地点を設定するように構成してもよい。
【0078】
また、本実施形態では、走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点B(E)と、走行方向と直交する方向に存在する地図登録済み道路上の各地点A(D)およびC(F)の内から、1つ以上の合流地点候補を取得するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、上記以外の地点から合流地点候補を取得するように構成してもよい。また、常に1つの合流地点候補のみを取得するようにしてもよいし、常に複数の合流地点候補を取得するようにしてもよい。
【0079】
また、本実施形態では、自動車の速度センサ200から取得された走行速度(車速)に基づいて合流地点候補を取得するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、走行速度(車速)に基づくことなく合流地点候補を取得するように構成してもよい。また、走行速度の他に、たとえば地図未登録道路が存在すると考えられる領域U(斜線部、図5参照)の大きさや、形状(どの方向に延びているか)などの情報にも基づいて合流地点候補を取得するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0080】
10 CPU(制御部)
20 RAM(経路情報記憶部)
31 地図データ(地図情報)
40 GPS受信機(現在位置情報取得部)
50 表示部
60 スピーカ(音声出力部)
100 カーナビゲーション装置(ナビゲーション装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置情報を取得する現在位置情報取得部と、
地図登録済み道路を含む地図情報を表示する表示部と、
前記現在位置情報と前記地図情報とに基づき現在位置が地図登録済み道路上にあるかまたは地図未登録道路上にあるかを判定し、現在位置が地図未登録道路上にあると判定した場合に、現在位置から地図登録済み道路への合流地点を設定するとともに、現在位置から設定された前記合流地点までの距離および現在位置から前記設定された合流地点に向かう方向を含む案内情報をユーザに通知する制御を行う制御部とを備える、ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記制御部は、撮像装置により撮像された画像データを用いずに、前記現在位置情報と前記地図情報とを用いて地図登録済み道路へ合流するための1つ以上の合流地点候補を取得し、
前記合流地点は、前記1つ以上の合流地点候補から設定されるように構成されている、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記制御部は、撮像装置により撮像された画像データを用いずに前記現在位置情報と前記地図情報とを用いて、平面的に見て、現在位置から移動方向および移動方向と直交する方向に存在する地図登録済み道路上の地点の内から、前記1つ以上の合流地点候補を取得するように構成されている、請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御部は、車両の走行速度に基づいて、地図登録済み道路へ合流するための1つ以上の合流地点候補を取得するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記制御部は、走行速度が所定の第1速度以上の場合には、少なくとも走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点を前記合流地点候補として取得するように構成されている、請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記制御部は、走行速度が所定の第2速度よりも小さい場合には、少なくとも現在位置に最も近い地図登録済み道路上の地点を前記合流地点候補として取得するように構成されている、請求項4または5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記制御部は、現在位置が地図登録済み道路上でないと判定した場合に、地図上に現在位置を復帰地点として示して前記表示部に表示させるように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記現在位置情報を蓄積して記憶可能に構成された経路情報記憶部をさらに備え、
前記制御部は、現在位置が地図登録済み道路上でないと判定した場合に、前記経路情報記憶部に蓄積された現在位置情報に基づき移動経路を生成し、地図上に前記移動経路の軌跡を示して前記表示部に表示させるように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記制御部は、地図上に現在位置から前記設定された合流地点までの距離を表示する距離情報を前記案内情報として前記表示部に表示させるように構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
音声により情報を出力する音声出力部をさらに備え、
前記制御部は、現在位置から前記設定された合流地点までの距離および現在位置から前記設定された合流地点に向かう方向を含む前記案内情報を前記音声出力部から音声により出力させるように構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
前記制御部は、現在位置から前記設定された合流地点までの距離が、前記合流地点を設定した時点の位置から合流地点までの距離よりも所定の閾値以上大きくなった場合に、合流地点を再設定することが可能なように構成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項1】
現在位置情報を取得する現在位置情報取得部と、
地図登録済み道路を含む地図情報を表示する表示部と、
前記現在位置情報と前記地図情報とに基づき現在位置が地図登録済み道路上にあるかまたは地図未登録道路上にあるかを判定し、現在位置が地図未登録道路上にあると判定した場合に、現在位置から地図登録済み道路への合流地点を設定するとともに、現在位置から設定された前記合流地点までの距離および現在位置から前記設定された合流地点に向かう方向を含む案内情報をユーザに通知する制御を行う制御部とを備える、ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記制御部は、撮像装置により撮像された画像データを用いずに、前記現在位置情報と前記地図情報とを用いて地図登録済み道路へ合流するための1つ以上の合流地点候補を取得し、
前記合流地点は、前記1つ以上の合流地点候補から設定されるように構成されている、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記制御部は、撮像装置により撮像された画像データを用いずに前記現在位置情報と前記地図情報とを用いて、平面的に見て、現在位置から移動方向および移動方向と直交する方向に存在する地図登録済み道路上の地点の内から、前記1つ以上の合流地点候補を取得するように構成されている、請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御部は、車両の走行速度に基づいて、地図登録済み道路へ合流するための1つ以上の合流地点候補を取得するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記制御部は、走行速度が所定の第1速度以上の場合には、少なくとも走行方向の前方に存在する地図登録済み道路上の地点を前記合流地点候補として取得するように構成されている、請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記制御部は、走行速度が所定の第2速度よりも小さい場合には、少なくとも現在位置に最も近い地図登録済み道路上の地点を前記合流地点候補として取得するように構成されている、請求項4または5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記制御部は、現在位置が地図登録済み道路上でないと判定した場合に、地図上に現在位置を復帰地点として示して前記表示部に表示させるように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記現在位置情報を蓄積して記憶可能に構成された経路情報記憶部をさらに備え、
前記制御部は、現在位置が地図登録済み道路上でないと判定した場合に、前記経路情報記憶部に蓄積された現在位置情報に基づき移動経路を生成し、地図上に前記移動経路の軌跡を示して前記表示部に表示させるように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記制御部は、地図上に現在位置から前記設定された合流地点までの距離を表示する距離情報を前記案内情報として前記表示部に表示させるように構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
音声により情報を出力する音声出力部をさらに備え、
前記制御部は、現在位置から前記設定された合流地点までの距離および現在位置から前記設定された合流地点に向かう方向を含む前記案内情報を前記音声出力部から音声により出力させるように構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
前記制御部は、現在位置から前記設定された合流地点までの距離が、前記合流地点を設定した時点の位置から合流地点までの距離よりも所定の閾値以上大きくなった場合に、合流地点を再設定することが可能なように構成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−117888(P2011−117888A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277328(P2009−277328)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
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