説明

ナビゲーション装置

【課題】複数の車両で共通の目的地に向う際、走行の安全性や環境への影響等を考慮し、他車両が目的地に到着したか否かを示す到着情報を適切に報知することのできるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】複数の車両の待ち合わせ時刻を設定する待ち合わせ時刻設定手段30と、現在位置から目的地までの所要予測時間を算出する所要予測時間算出手段26と、所要予測時間に基づき待ち合わせ時刻までに目的地に到着するか否かを判定する到着判定手段27と、他車両が目的地に到着したか否かを示す到着情報を受信する受信手段28と、受信した情報を報知する報知手段32と、到着判定結果と受信した情報とに基づき、報知手段32を制御する報知制御手段34とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関するものであり、特に、複数の車両でグループ走行し、共通の目的地に向かう際に相互に情報交換を行うことのできるナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)に代表される全世界航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite Systems)を利用して車両の現在位置を検出し、地図情報とともにディスプレイに表示させ、また、現在位置または出発地から目的地までの経路を探索してディスプレイに表示させ、ユーザを目的地まで案内する車両用ナビゲーション装置が知られている。
【0003】
一方、複数の車両でグループ走行する場合において、前記の車両用ナビゲーション装置を利用して互いの位置情報を送受信することにより、グループ走行での円滑な移動に供するようにしたものが提案されている。
【0004】
例えば、下記の特許文献1(特開2000−88591号公報)には、ナビゲーション装置を搭載した複数の車両間で合流位置を自動設定する車両用ナビゲーション装置の発明が開示されている。この車両用ナビゲーション装置は、車両間で互いの位置情報を送受信し、各車両の現在位置の中間位置を算出し、その位置を合流地点として各車両の目的地に設定し、各車両で前記目的地までの経路案内を行うように構成されている。
【0005】
また、下記の特許文献2(特開2002−139333号公報)に車両と他車両が待ち合わせする適切な待ち合わせ位置を得ることができる車載用ナビゲーション装置およびそのシステムの発明が開示されている。この車載用ナビゲーション装置およびそのシステムは、車両間で互いの位置情報を送受信し、各車両が最短且つ同時間で到達できる時間的中心位置を算出し、その中心位置近傍の施設位置を検索し、検索された施設位置を各車両の合流地点に設定し、この合流地点を経由した目的地までの経路を探索して案内するように構成されている。
【0006】
更に、下記特許文献3(特開2007−263755号公報)に開示された通信装置は、複数の車両で共通の目的地に向かう際、任意のタイミングで一車両が他車両に対して、目的地に到着する予定時刻情報の送信を要求し、要求信号を受信した他車両が、到着予定時刻情報および当該他車両を識別するための識別情報を一車両に送信し、これらの情報を受信した一車両が他車両の情報をディスプレイに表示することにより、他車両の到着予定時刻を把握できるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−88591号公報(段落[0015]、[0016])
【特許文献2】特開2002−139333号公報(段落[0035])
【特許文献3】特開2007−263755号公報(段落[0027]、[0036]、[0066]、図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献3の通信装置の場合、例えば、一車両が目的地に到着する前に他車両が目的地に到着したことを示す情報を受信し、その情報をディスプレイに表示すると、たとえ待ち合わせ時刻までに十分な余裕がある場合であっても、一車両のドライバは、急いで目的地に向かってしまうおそれがあるため、走行の危険性が増加してしまう。また、急いで走行することは、走行の危険性が増加するだけでなく、燃費の低下や、それに伴う環境汚染を惹起する可能性もある。
【0009】
本発明は、上記の不具合に鑑みてなされたものであり、複数の車両で共通の目的地に向かう際、走行の安全性や環境への影響等を考慮し、他車両が目的地に到着したか否かを示す到着情報を適切に報知することのできるナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
複数の車両の共通の目的地及び該目的地での待ち合わせ時刻を設定する待ち合わせ時刻設定手段と、
自車両の現在位置から前記目的地までの所要予測時間を算出する所要予測時間算出手段と、
現在の時刻と、前記待ち合わせ時刻と、前記所要予測時間とに基づき、前記自車両が前記待ち合わせ時刻までに前記目的地に到着するか否かを判定する到着判定手段と、
前記目的地に向かう他車両が前記目的地に到着したか否かを示す到着情報を含む情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記情報を報知する報知手段と、
前記到着判定手段による判定結果と、前記受信手段により受信した前記情報とに基づき、前記報知手段を制御する報知制御手段と、
を備え、前記報知制御手段は、前記到着判定手段が、前記自車両が前記待ち合わせ時刻までに前記目的地に到着すると判定し、且つ、前記受信手段が前記他車両が前記目的地に到着したことを示す前記到着情報を受信したとき、前記報知手段からの前記到着情報の報知を禁止する制御を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記現在位置から前記目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
を備え、前記所要予測時間算出手段は、探索された前記経路に基づいて前記所要予測時間を算出することを特徴とする。
【0012】
請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置において、前記報知手段は、前記他車両の現在位置を含む前記情報を報知することを特徴とする。
【0013】
請求項4にかかる発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、前記自車両の現在位置を含む情報を前記他車両に送信する送信手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1にかかる発明においては、複数の車両の共通の目的地及び該目的地での待ち合わせ時刻を設定する待ち合わせ時刻設定手段と、自車両の現在位置から前記目的地までの所要予測時間を算出する所要予測時間算出手段と、現在の時刻と、前記待ち合わせ時刻と、前記所要予測時間とに基づき、前記自車両が前記待ち合わせ時刻までに前記目的地に到着するか否かを判定する到着判定手段と、前記目的地に向かう他車両が前記目的地に到着したか否かを示す到着情報を含む情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した前記情報を報知する報知手段と、前記到着判定手段による判定結果と、前記受信手段により受信した前記情報とに基づき、前記報知手段を制御する報知制御手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記到着判定手段が前記自車両が前記待ち合わせ時刻までに前記目的地に到着すると判定し、且つ、前記受信手段が前記他車両が前記目的地に到着したことを示す前記到着情報を受信したとき、前記報知手段からの前記到着情報の報知を禁止する制御を行う。
【0015】
このような構成によれば、自車両が待ち合わせ時刻までに目的地に到着でき、且つ、他車両が目的地に到着したことを示す到着情報を受信したとき、到着情報を自車両に報知させないように制御することにより、自車両のユーザは、他車両の状況を気にすることなく、目的地まで自分のペースで走行することができる。これにより、走行の安全性が確保され、また、無理な運転による燃費の低下や、それによる環境汚染が惹起されることもない。
【0016】
また、自車両が待ち合わせ時刻までに目的地に到着できないときには、他車両が目的地に到着したことを示す到着情報、または、他車両の現在位置を報知することにより、例えば、他車両に対して到着が遅れることを連絡する等の処置をとることが可能となる。なお、自車両のユーザは、自車両が待ち合わせ時間までに目的地に到着できないことを認識しているため、他車両の情報が報知されても、急いで目的地に向かうおそれがなく、従って、走行の危険性の増加、無理な運転による燃費の低下、環境汚染等が惹起されるおそれはない。
【0017】
さらに、自車両が待ち合わせ時刻までに目的地に到着できるか否かに係わらず、他車両が目的地に到着していない場合には、他車両の現在位置の情報を報知することにより、グループ走行における他車両の走行状況を把握することができる。
【0018】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、前記現在位置から前記目的地までの経路を探索する経路探索手段と、を備え、前記所要予測時間算出手段は、探索された前記経路に基づいて前記所要予測時間を算出することができる。
【0019】
請求項3にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかる発明において、前記報知手段は、前記他車両の現在位置を含む前記情報を報知することにより、他車両の位置を把握することができる。
【0020】
請求項4にかかる発明においては、請求項1〜請求項3のいずれかにかかる発明において、前記自車両の現在位置を含む情報を前記他車両に送信する送信手段を備えることにより、複数の車両相互間で車両の位置を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置が搭載された3台の車両でグループ走行し、共通の目的地に向かう場合の説明図である。
【図2】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の構成ブロック図である。
【図3】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置が搭載された自車両の処理フローチャートである。
【図4】ナビゲーション装置に表示された自車両および他車両の現在位置、案内経路および目的地を示す表示画面の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術的思想を具体化するためのナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施例のナビゲーション装置にも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0023】
図1は、本発明の実施例にかかるナビゲーション装置が搭載された3台の車両A、B、Cでグループ走行し、共通の目的地に向かう場合の説明図であり、車両Cのみが共通の目的地に先に到着しており、他の2台の車両AおよびBは、それぞれの案内経路に沿って目的地に向かって走行中の状態を示している。3台の車両A、B、C間では、点線で示すように、各車両を識別するための識別情報、位置情報、経路情報、その他必要な情報が送受信される。
【0024】
図2は、車両Aに搭載されたナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。なお、車両B、Cに搭載されるナビゲーション装置(以下、他の車両B、Cと称する)も同様に構成される。
【0025】
ナビゲーション装置10は、制御手段12、現在位置検出手段20、経路探索手段22、地図情報記憶手段24、所要予測時間算出手段26、到着判定手段27、通信手段28(受信手段、送信手段)、入力手段30(待ち合わせ時刻設定手段)、出力手段32(報知手段)および出力制御手段34(報知制御手段)を備える。
【0026】
制御手段12は、CPU14、ROM16、RAM18を有するマイクロプロセッサなどで構成され、ROM16に記録された制御プログラムに従ってナビゲーション装置10の各部の動作を制御するものである。
【0027】
現在位置検出手段20は、所定の時間間隔で、地球上空を周回している複数のGPS衛星から時刻情報を含む電波(衛星信号)を受信して、車両Aの位置情報(GPS測位位置)を算出するものである。位置は緯度、経度で算出される。なお、車両Aの現在位置は、車両Aに搭載されている加速度センサ、ジャイロセンサなどの角速度センサからなる自律航法手段を用いて算出することもできる。
【0028】
経路探索手段22は、ユーザが入力手段30を用いて目的地を入力することにより、地図情報記憶手段24に記憶されている地図情報を参照し、現在位置検出手段20が検出した車両Aの現在位置またはユーザが指定した出発地から目的地に至る最適な案内経路を探索するものである。なお、経路の探索は、現在位置または出発地に対応するノードと、目的地に対応するノードと、これらのノード間のリンクとをダイクストラ法等の各種手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間等を累積し、総リンク長(移動距離)または総所要時間等が最短となる経路を探索し、当該経路に属するノードやリンクを経路データとして提供するものである。
【0029】
地図情報記憶手段24は、道路の分岐地点等の結節点をノードとする道路ノードデータと、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路リンクデータと、地形図データとを含む地図情報を記憶するものである。
【0030】
道路ノードデータには、道路ノード番号、位置座標、接続リンク本数、分岐地点名称等が含まれる他、分岐地点から所定距離だけ離れた案内地点において、右左折、直進等の経路案内を行う経路案内データ及び案内地点の位置座標が記憶されている。
【0031】
道路リンクデータには、始点及び終点となる道路ノード番号、道路種別、ノード間の距離情報であるリンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータには、さらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所、制限速度等のデータが付与される。道路種別とは、高速道路や有料道路の別、国道や都道府県道等の別を含む情報である。
【0032】
地形図データには、海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データ、駐車場をはじめとする施設位置、施設形状、施設名称を含む施設データからなる背景データが含まれる。
【0033】
所要予測時間算出手段26は、経路探索手段22で探索された案内経路に沿って、車両Aが現在位置から目的地まで走行するのに要する時間を所要予測時間として算出するものである。なお、この所要予測時間は、案内経路に沿った走行距離と、道路リンクデータに付加された制限速度または車両の平均走行速度とを用いて算出することができる。
【0034】
到着判定手段27は、現在の時刻と、入力手段30を用いて設定した目的地での待ち合わせ時刻と、所要予測時間算出手段26で算出した所要予測時間とに基づき、車両Aが待ち合わせ時刻までに目的地に到着するか否かを判定するものである。
【0035】
通信手段28は、他の車両B、Cとの間で、無線通信により各車両を識別するための識別情報、位置情報、経路情報、その他必要な情報を送受信するものである。
【0036】
入力手段30は、ナビゲーション装置10における種々の操作入力を行うものであり、経路を探索するための出発地、目的地、車両A〜Cでグループ走行する際の目的地での待ち合わせ時刻等を入力する各種キー、タッチパネル、リモートコントローラ等から構成される。
【0037】
出力手段32は、地図画像、案内経路、車両A〜Cの現在位置、案内経路上の施設情報等をユーザに表示して視認できるようにするためのものであり、液晶ディスプレイなどで構成される。また、出力手段32には、ナビゲーションに必要な音声ガイダンスを出力するスピーカを含めることができる。
【0038】
出力制御手段34は、出力手段32を用いて出力する各種情報の出力制御を行うものである。出力制御には、車両Aが待ち合わせ時刻までに目的地に到着するか否かを示す到着判定手段27による判定結果と、他の車両B、Cが目的地に到着したか否かを示す通信手段28により受信した到着情報とに基づき、他の車両B、Cの情報を表示するか否かを判定する制御が含まれる。
【0039】
次に、図3に示すフローチャートに基づき、3台の車両A〜Cでグループ走行し、共通の目的地に向かう場合の車両Aにおける処理について説明する。
【0040】
先ず、車両Aのユーザは、入力手段30を操作し、他の車両B、Cとの共通目的地を設定し(ステップS101)、さらに共通目的地での待ち合わせ時刻を設定し(ステップS102)、通信手段28を介して他の車両B、Cに対して設定した共通目的地及び共通目的地での待ち合わせ時刻を送信する。これを受けた車両B、車両Cは共通目的地及び共通目的地での待ち合わせ時刻を設定する。これにより、車両Aと他の車両B、Cの間で目的地及び待ち合わせ時刻が共有されたことになる。
【0041】
次に、経路探索手段22は、地図情報記憶手段24に記憶されている地図情報に基づき、現在位置検出手段20が検出した車両Aの現在位置、または、ユーザにより指定された出発地からステップS101の処理で設定された共通目的地に至る最適な経路を探索する(ステップS103)。例えば、現在位置から目的地までの経路を探索する場合、現在位置検出手段20は、GPS衛星から位置情報を含む電波を受信し、車両Aの現在位置を検出する。
【0042】
経路探索手段22は、検出された現在位置に基づき、地図情報記憶手段24から対応する地図情報を抽出し、地図情報を構成するノードデータおよびリンクデータに基づき、例えば、現在位置から目的地までの所要時間が最も短い経路、または、現在位置から目的地までの距離が最も短い経路を最適経路として探索する。
【0043】
なお、この経路探索を行う際の探索条件(時間優先、距離優先等)についても、車両Aのユーザが設定し通信手段28を介して他の車両B、Cに送信する構成でも構わない。また、共有するのは目的地のみとし、目的地までの経路探索条件については、各車両において設定されても構わない。
【0044】
探索された経路は、出力制御手段34の制御に基づき、ナビゲーション装置10の出力手段32に地図情報とともに表示される。そこで、車両Aのユーザは、出力手段32に表示された案内経路に従って走行を開始する(ステップS104)。
【0045】
なお、他の車両B、Cでも車両Aと同様に現在位置、または、ユーザにより指定された出発地から設定された共通目的地に至る最適な経路が探索され、その後経路案内が開始される。
【0046】
一方、所要予測時間算出手段26は、経路探索手段22で探索された案内経路に沿った走行距離と車両Aの走行速度とを用いて、車両Aが現在位置から目的地まで走行するのに要する時間を所要予測時間として算出する(ステップS105)。なお、車両Aの走行速度は、平均走行速度や、案内経路にかかる道路リンクデータに付加されている制限速度等の情報に従って設定することができる。また、車両Aに設けられた速度計から情報を取得できる場合はこの情報を用いることもできる。
【0047】
次に、制御手段12は、他の車両B、Cに対し、通信手段28を介して、車両B、Cを識別するための識別情報、現在位置情報、目的地に到着したか否かを示す到着情報、現在位置から共通目的地までの案内経路情報を要求する(ステップS106)。なお、車両B、Cが目的地に到着しているか否かを示す到着情報は、現在位置情報と目的地の位置情報とから生成することもできる。
【0048】
到着判定手段27は、現在の時刻と、目的地での待ち合わせ時刻と、ステップS105で算出した所要予測時間とに基づき、車両Aが待ち合わせ時刻までに目的地に到着するか否かを判定する(ステップS107)。
【0049】
車両Aが待ち合わせ時刻までに目的地に到着すると判定された場合(ステップS107、YES)、通信手段28を介して受信した情報に基づき、他の車両BまたはCが目的地に到着しているか否かを判定する(ステップS108)。
【0050】
車両BまたはCが目的地に到着していると判定された場合(ステップS108、YES)、出力制御手段34は、目的地に到着していると判定された車両BまたはCから受信した情報を出力手段32にて報知することを禁止する制御を行う(ステップS109)。
【0051】
この場合、例えば、図1に示すように、車両Cが既に目的地に到着しているものとすると、出力手段32にて車両Cにかかる情報を報知しない。従って、車両Aのユーザは、車両Cが目的地に到着している事実を認識することがなく、且つ、自車両が待ち合わせ時刻までに目的地に到着できる予定であるため、自分のペースで目的地に向かうことができる。この結果、車両Aのユーザは、焦ることなく安全運転で目的地に向かうことができるとともに、例えば、スピードの出し過ぎによる燃費の低下、排気ガスによる環境汚染の惹起等の懸念もない。
【0052】
また、ステップS108において、車両BまたはCが目的地に到着していないと判定された場合(ステップS108、NO)、出力制御手段34は、通信手段28を介して目的地に到着していないと判定された車両BまたはCから受信した情報を、出力手段32を用いて自車両の出力手段32からユーザに報知する制御を行う(ステップS110)。
【0053】
この場合、例えば、図1に示すように、車両Bが目的地に到着していないものとすると、出力手段32は、車両Bから受信した情報を車両Aの情報とともに出力手段32にて報知する。
【0054】
図4は、出力手段32に表示された車両AおよびBの情報を例示したものである。出力制御手段34は、経路探索手段22により探索した車両Aの案内経路36、車両Aの現在位置を示すアイコン、目的地を示すアイコンおよび地図画像を出力手段32に表示する制御を行うとともに、通信手段28を介して受信した車両Bの案内経路38および車両Bの現在位置を示すアイコンを出力手段32に表示する制御を行う。車両Aのユーザは、出力手段32に表示された情報に従い、自車の走行位置、他の車両Bの走行位置等を容易に把握することができる。
【0055】
一方、ステップS107において、自車両である車両Aが待ち合わせ時刻までに目的地に到着できないと判定された場合(ステップS107、NO)、出力制御手段34は、車両BおよびCが目的地に到着しているか否かにかかわらず、受信した情報を、出力手段32を用いて自車両の出力手段32からユーザに報知する制御を行う(ステップS110)。
【0056】
この場合、出力手段32には、車両A〜Cの全ての情報が表示される。車両Aのユーザは、表示された情報に基づき、例えば、他の車両BまたはCに対して到着が遅れることを連絡する等の処置をとることができる。なお、車両Aのユーザは、自車両が待ち合わせ時間までに目的地に到着できないことを認識しているため、他の車両BおよびCの情報が報知されても、急いで目的地に向かうことはなく、従って、走行の危険性の増加、無理な運転による燃費の低下、環境汚染等が惹起されるおそれはない。
【0057】
なお、上記実施例では、3台の車両A〜C間で情報の送受信を行いながら、共通の目的地に向かう場合について説明したが、2台以上の車両構成に対しても同様にして本発明を適用することができる。また、出力手段32には、図4に示す情報に加えて、車両A〜Cが目的地に到着する予定時刻等を同時に表示させるようにしてもよい。さらに、上記実施例では、車両A〜C間で情報の送受信を行うものとして説明したが、外部の情報処理サーバを介して必要な情報を送受信するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0058】
10・・・ナビゲーション装置
12・・・制御手段
20・・・現在位置検出手段
22・・・経路探索手段
24・・・地図情報記憶手段
26・・・所要予測時間算出手段
27・・・到着判定手段
28・・・通信手段
30・・・入力手段
32・・・出力手段
34・・・出力制御手段
36、38・・・案内経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両の共通の目的地及び該目的地での待ち合わせ時刻を設定する待ち合わせ時刻設定手段と、
自車両の現在位置から前記目的地までの所要予測時間を算出する所要予測時間算出手段と、
現在の時刻と、前記待ち合わせ時刻と、前記所要予測時間とに基づき、前記自車両が前記待ち合わせ時刻までに前記目的地に到着するか否かを判定する到着判定手段と、
前記目的地に向かう他車両が前記目的地に到着したか否かを示す到着情報を含む情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記情報を報知する報知手段と、
前記到着判定手段による判定結果と、前記受信手段により受信した前記情報とに基づき、前記報知手段を制御する報知制御手段と、
を備え、前記報知制御手段は、前記到着判定手段が、前記自車両が前記待ち合わせ時刻までに前記目的地に到着すると判定し、且つ、前記受信手段が、前記他車両が前記目的地に到着したことを示す前記到着情報を受信したとき、前記報知手段からの前記到着情報の報知を禁止する制御を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記現在位置から前記目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
を備え、前記所要予測時間算出手段は、探索された前記経路に基づいて前記所要予測時間を算出することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記他車両の現在位置を含む前記情報を報知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記自車両の現在位置を含む情報を前記他車両に送信する送信手段を備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−52805(P2012−52805A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193025(P2010−193025)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】