説明

ナビゲーション装置

【課題】ナビゲーションシステムに表示されたWeb情報を記録することができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】通信可能にネットワークに接続されたサーバーから必要なWeb情報の要求を送信する送信手段10と、該送信手段10からの要求に基づき、該サーバーからされたWeb情報を受信する受信手段20と、記録媒体に格納された情報または受信手段20から受信されたWeb情報を入力する入力手段と、該入力手段で入力された情報を記憶する記憶手段40と、該入力手段で入力された情報を表示する表示手段と、表示された情報を出力する出力手段60と、送信手段10、受信手段20、入力手段、記録手段40、表示手段とを制御する制御手段とにより構成し、出力手段60を、表示手段に表示された入力手段で入力された情報を印刷する印刷装置61で、Web情報をデータとして出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等に搭載するナビゲーション装置に関するものであり、特にはWeb接続機能を備えた車両に搭載するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーションシステムを自家用車または商業車等の車両に装着することが広がっている。また、ナビゲーションシステムは、特許文献1、2のように、CD−ROM等の記録媒体に全国の道路地図情報を複数種類格納し、複数のGPS(グローバル・ポジショニング・システム)衛星から電波を受信することにより自動車の移動位置を求めて、この移動位置を含む地図情報をディスプレイに表示するとともに、目的地までの走行ルートをディスプレイに表示して、車両の走行ルートを案内するようにしたものが実用されている。
【0003】
さらに、最近は、地図、メール、企業等の宣伝活動または広報活動等のWeb情報を配信して、ナビゲーションシステムに表示することが可能となっている。
【特許文献1】特開平6−282794号公報
【特許文献2】特開平7ー272195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1、2は、複数の車両でドライブするような場合、ナビゲーションシステムが搭載されていない車両は、道路地図帳を別途準備するとともに、ナビゲーションシステムが搭載されたディスプレイに表示される目的地までの走行ルートをその地図帳に色鉛筆で記す必要があった。
【0005】
特に、目的地までの走行ルートが長い場合には、いちいち地図帳をめくり必要があり不便であった。また、特許文献1、2で適用されるCD−ROM等の記録媒体は、データを読み込んでナビゲーションシステムのディスプレイに表示するのみで、その表示された情報を加筆修正することはできなかった。
【0006】
さらに、ナビゲーションシステムに表示されたWeb情報は、特許文献1、2で適用されるCD−ROM等の記録媒体と同じように、この情報をデータ受信することのみに限定したものでしかなく、ナビゲーションシステムはデータ受信用の情報端末としてのみ使用されている状況であった。このため、ナビゲーションシステムに表示されたWeb情報を記録することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を解決するために、本発明は、請求項1に係る発明は、通信可能にネットワークに接続されたサーバーから必要なWeb情報の要求を送信する送信手段と、該送信手段からの要求に基づいて、該サーバーからされたWeb情報を受信する受信手段と、記録媒体に格納された情報または受信手段から受信されたWeb情報を入力する入力手段と、該入力手段で入力された情報を記憶する記憶手段と、該入力手段で入力された情報を表示する表示手段と、表示された情報を出力する出力手段と、送信手段、受信手段、入力手段、記録手段、表示手段とを制御する制御手段とを有し、出力手段は、表示手段に表示された入力手段で入力された情報を印刷する印刷装置であることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、印刷装置は、車両の操作部の正面に着脱自在に設けられていることを特徴とする。請求項3に係る発明は、印刷装置を、ロール紙と、該ロール紙に表示手段50に表示された情報を印刷する印刷部とからなることを特徴とする。請求項4記載の発明は、入力手段は、ロール紙に印刷された情報を読み取る読取部が含まれることを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る発明は、ロール紙が印刷部から出力される排出と、印刷装置により情報が印刷されたロール紙を読取部に読み取らせる挿入とは、共通の開口部から行われ、開口部は、スリット状に形成されるとともに、車両の操作部の正面に設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項6に係る発明は、車両の位置を検出する位置検出手段と、目的地を設定する目的地設定手段とを備え、Web情報を道路を表す地図情報とし、地図情報上における車両の現在位置および目的地を表示手段に表示し、さらに、地図情報上における車両の現在位置および目的地を印刷装置に印刷することを特徴とする。
【0011】
請求項7に係る発明は、地図情報における車両の現在位置を基点とし、印刷装置により、基点から目的地までのルートの印刷を長尺出力することを特徴とする。
【0012】
請求項8に係る発明は、基点から目的地までのルートの印刷を長尺出力は、印刷装置による地図情報上における車両の現在位置をおよび目的地の印刷は、ロール紙の送り方向の倍率を高くして行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1は、通信可能にネットワークに接続されたサーバーから必要なWeb情報の要求を送信する送信手段と、該送信手段からの要求に基づいて、該サーバーからされたWeb情報を受信する受信手段と、記録媒体に格納された情報または受信手段から受信されたWeb情報を入力する入力手段と、該入力手段で入力された情報を記憶する記憶手段と、該入力手段で入力された情報を表示する表示手段と、表示された情報を出力する出力手段と、表示された情報を出力する出力手段と、送信手段、受信手段、入力手段、記録手段、表示手段とを制御する制御手段とにより構成し、出力手段を、表示手段に表示された入力手段で入力された情報を印刷する印刷装置とすることにより、Web情報をデータとして出力することができる。
【0014】
請求項2は、印刷装置を車両の操作部の正面に着脱自在に設けることにより、用途目的によってナビゲーション装置の構成をユーザが自ら変更することができる。また、印刷装置から出力されたものを容易に取り出すことができる。
【0015】
請求項3は、印刷装置を、ロール紙と、該ロール紙に表示手段50に表示された情報を印刷する印刷部とから構成することにより請求項1を具体化して実現することができる。
【0016】
請求項4は、入力手段に、ロール紙に印刷された情報を読み取る読取部を含めることにより、単に、ロール紙を印刷装置で印刷するのみで終わるのではなく、印刷されたものを再度、情報として利用することができる。
【0017】
請求項5は、ロール紙が印刷部から出力される排出と、印刷装置により情報が印刷されたロール紙を読取部に読み取らせる挿入とを共通の開口部から行う構成にし、さらに、開口部をスリット状に形成して車両の操作部の正面に設けることにより、装置自体を簡素化にすることと、ロール紙の取出しおよび読み込み作業を簡単に行うことができる。
【0018】
請求項6は、車両の位置を検出する位置検出手段と、目的地を設定する目的地設定手段とを備え、Web情報を道路を表す地図情報とし、地図情報上における車両の現在位置および目的地を表示手段に表示し、さらに、地図情報上における前記車両の現在位置および目的地を印刷装置に印刷することにより、Web情報を利用したナビゲーションを行うことができる。
【0019】
請求項7は、地図情報における車両の現在位置を基点とし、印刷装置により、基点から目的地までのルートの印刷を長尺出力することにより、請求項6を具体化し、Web情報を利用したナビゲーションを行うことができる。
【0020】
請求項8は、基点から目的地までのルートの印刷を長尺出力は、印刷装置による地図情報上における車両の現在位置をおよび目的地の印刷は、ロール紙の送り方向の倍率を高くして行うことにより、基点から目的地までの主要なルート部分を印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】カーナビが車両内に搭載されている図。
【図2】カーナビのシステムの概略図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に、本発明のナビゲーション装置を適用した車両を示す。図1に示すように、例えば、この車両は、インストルメント・パネル1と運転席2と助手席3と備えた乗用車である。さらに、運転手側には、ホーンパッドを具備したハンドル4と、メーターパネル5とベンチレーター(図示せず)とが設けられている。
【0023】
メーターパネル5は、速度計・回転計・エンジンの水温系・燃料の残量計・エンジンの油圧等の計器が装着されている。図示されていないベンチレーターは、エアコンの吹き出し口となるものである。また、運転席2と助手席3を隔てる部分には、コンソールボックス6とセレクトレバー7(またはチェンジレバー)が設けられている。
【0024】
コンソールボックス6には、ステレオ等が装着されたオーディオコントロールパネル8が設けられている。本発明のナビゲーション装置は、このコンソールボックス6の空きスペースに着脱自在に設けられている。なお、この実施の形態において車両は自家用車を記載しているがこれに限定されることはなく、救急車、消防車、パトロールカー等の特種用途自動車やタンクローリー、コンクリートミキサー、クレーン車等の特装車に適用しても良い。
【0025】
ナビゲーション装置について図2のブロック図に基づいて説明する、図2に示すように、ナビゲーション装置は、送信手段10と受信手段20と入力手段30と記録手段40と表示手段50と出力手段60と位置検出手段70と目的地設定手段80と制御手段90とからなる。
【0026】
送信手段10は、通信可能にネットワークに接続されたサーバーから必要なWeb情報の要求を送信するものである。受信手段20は、送信手段10からの要求に基づいて、該サーバーからされたWeb情報を受信するものである。
【0027】
入力手段30は、記録媒体に格納された情報または受信手段20から受信されたWeb情報を入力するものである。具体的に、記録媒体は、CD−ROMやDVD、メモリーカード、または、後に述べる出力手段60で出力されたものである。また、この実施の形態で記録媒体に格納されている情報は、道路情報とする。また、入力手段30は、印刷装置61で印刷されたロール紙62の情報を読み込むスキャナ等の読取部31も含む。
【0028】
記録手段40は、入力手段30で入力された情報を記憶するものであり、具体的にはRAM等の書換え可能なデバイスである。表示手段50は、入力手段30で入力された情報を表示するものであり、具体的には、ドットマトリックスLCDおよびLCD表示制御を行うためのドライバ回路(図示せず)を含んだカラー液晶装置である。また、電子ペン(図示せず)等により、表示手段30に、直接、加筆・修正が可能な構成となっている。
【0029】
出力手段60は、表示手段50で表示された情報を出力するものであり、具体的には印刷装置61である。印刷装置61は、ナビゲーション装置から着脱自在な構成となっており、後に述べるが記録媒体となりうるロール紙62と、このロール紙62に表示手段50に表示された情報を印刷する印刷部63とからなる。
【0030】
具体的に、印刷装置61は、インクジェット方式、電子写真方式、熱転写方式等であってもよいが、本発明の実施の形態では、ロール紙62を感熱ロール紙、印刷部63をこのロール紙62に熱した印字ヘッドを当てて印刷する感熱方式となっている。
【0031】
印刷装置61を感熱方式とすることにより、メンテナンス作業が感熱ロール紙のセットのみとなる。さらに、印字ヘッドを変更することが可能となり、用途・目的によって印字ヘッドの性能を変更することができる。
【0032】
位置検出手段70は、車両の位置を検出するものである。位置検出手段70は、GPS受信機71とジャイロスコープ72と車速センサ73とからなる。GPS受信機71は、地球上を周回している複数のGPS(全地球測位システム)衛星から発射される電波を受信するものである。
【0033】
また、ジャイロスコープ72と車速センサ73は、GPS衛星からの位置情報が基本であるが、GPSだけでは誤差があることやトンネルなどでは無効なことから、これを補うものである。具体的には、ナビゲーション装置内の加速度センサと、ジャイロ・タイヤの回転に伴う車速信号の情報による自立航法を用いて補っている。
【0034】
目的地設定手段80は、目的地を設定するものであり、表示手段50で表示された地図情報から電子ペン(図示せず)等で目的地を選択して行うものである。
【0035】
制御手段90は、送信手段10と、受信手段20と、入力手段30と、記録手段40と、表示手段50と、出力手段60と、位置検出手段70とが接続されている。制御手段90は、周知のコンピュータとして構成され、CPU91、ROM92、RAM93、入出力部(I/O)94、A/D変換部95およびこれらを接続するバスライン96が備わっている。
【0036】
CPU91は、ROM92に記憶されているナビゲーション装置として必要最低限の動作を行うためのプログラムにより制御を行う。A/D変換部95は、位置検出手段70などから制御手段90に入力されるアナログデータをCPU91で演算可能なデジタルデータに変換するものである。
【0037】
次に、本発明のナビゲーション装置の外観を説明する。図1で述べたようにナビゲーション装置は、車両の操作正面から着脱自在に設けられている。さらに、ナビゲーション装置内部には、印刷装置61が設けられている。印刷装置61は、用途目的によってナビゲーション装置の構成をユーザが自ら変更することができる。この結果、Web情報をデータとして出力することができる。
【0038】
また、印刷装置61の印刷は、地図情報における車両の現在位置を基点とし、この基点から目的地までのルートの印刷を長尺出力される。この出力をロール紙62の送り方向の倍率を高くして行うことにより、基点から目的地までの主要なルート部分を印刷することができる。
【0039】
特に、印刷するデータ(基点から目的地までの主要なルート部分)の縦横比率をロール紙の幅に対応させることにより、ロール紙に印刷されたデータの判読を向上することができる。さらに、印刷装置61は、表示手段30で加筆または修正されたデータの印刷も選択することができる。
【0040】
また、車両の操作正面には、スリット状の開口部100が設けられている。開口部100は、印刷されるロール紙62の排出口と印刷されたロール紙62の挿入口は共通となっている。この構成により、印刷装置61で印刷されたロール紙62の取り出しおよび印刷したロール紙62の読取部31への読み込みを容易に行うことができる。
【0041】
特に、入力部としてスキャナ等を含めることにより、読取部31を含めることにより、単に、ロール紙62を印刷装置61で印刷するのみで終わるのではなく、印刷されたものを再度、情報として利用することができる。
【符号の説明】
【0042】
10 送信手段
20 受信手段
30 入力手段
40 記録手段
50 表示手段
60 出力手段
70 位置検出手段
80 目的地設定手段
90 制御装置
100 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に着脱自在なナビゲーション装置において、
通信可能にネットワークに接続されたサーバーから必要なWeb情報の要求を送信する送信手段と、該送信手段からの要求に基づいて、該サーバーからされたWeb情報を受信する受信手段と、記録媒体に格納された情報または受信手段から受信されたWeb情報を入力する入力手段と、該入力手段で入力された情報を記憶する記憶手段と、該入力手段で入力された情報を表示する表示手段と、表示された情報を出力する出力手段と、送信手段、受信手段、入力手段、記録手段、表示手段とを制御する制御手段とを有し、
前記出力手段は、前記表示手段に表示された入力手段で入力された情報を印刷する印刷装置であることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記印刷装置は、前記車両の操作部の正面に着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記印刷装置は、ロール紙と、該ロール紙に前記表示部に表示された情報を印刷する印刷部とからなることを特徴とする請求項1または2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記入力手段は、前記ロール紙に印刷された情報を読み取る読取部を含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記ロール紙が印刷部から出力される排出と、前記印刷装置により情報が印刷されたロール紙を読取部に読み取らせる挿入とは、共通の開口部から行われ、
前記開口部は、スリット状に形成されるとともに、前記車両の操作部の正面に設けられていることを特徴とする請求項3または4記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記車両の位置を検出する位置検出手段と、目的地を設定する目的地設定手段とを備え、
前記Web情報を、道路を表す地図情報とし、
前記地図情報上における前記車両の現在位置および目的地を前記表示手段に表示し、さらに、前記地図情報上における前記車両の現在位置および目的地を前記印刷装置に印刷することを特徴とする請求項1乃至5記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記地図情報における前記車両の現在位置を基点とし、
前記印刷装置により、前記基点から前記目的地までのルートの印刷を長尺出力することを特徴とする請求項6記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記基点から前記目的地までのルートの印刷を長尺出力は、前記印刷装置による前記地図情報上における前記車両の現在位置をおよび目的地の印刷は、前記ロール紙の送り方向の倍率を高くして行うことを特徴とする請求項7記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−58072(P2012−58072A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201482(P2010−201482)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(000165136)桂川電機株式会社 (66)
【Fターム(参考)】