説明

ナビゲーション装置

【課題】車載時においては、車両の現在位置を表示することができ、携帯時においては、車両の現在位置及び携帯時のユーザの現在位置を表示して、ユーザに自身と車両位置との関係を容易に案内できるようにする。
【解決手段】現在位置を検出する現在位置検出部12と、ナビゲーション装置10の車両に対する着脱状態を検出する着脱状態検出部16と、検出された現在位置を示す第1現在位置マーク又は第2現在位置マークを地図情報とともに表示する表示部18とを備え、着脱状態検出部16がナビゲーション装置10の車両からの離脱状態を検出した場合、検出された現在位置に第1現在位置マーク及び第2現在位置マークを表示させ、着脱状態検出部16がナビゲーション装置10の車両への装着状態を検出した場合、検出された現在位置に第1現在位置マークのみを表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関するものであり、特に、車両に対して着脱自在に構成され、車両への装着時には車両の現在位置を地図情報とともに表示し、車両からの離脱時には携帯して移動する歩行者等の現在位置及び車両の現在位置を地図情報とともに表示するようにしたナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載され、地図情報とともに車両の現在位置を表示することにより、ドライバの走行を支援するナビゲーション装置が広範に利用されている。かかるナビゲーション装置は、目的地を指定することにより、所望の出発地から目的地までの最適な経路を探索し、案内経路をユーザに提供する経路探索機能を備えている。

ところで、このようなナビゲーション装置を利用して目的地に向かったとき、例えば、目的地の近傍に適切な駐車場が見つからないことがある。その場合、ユーザは、目的地から離れた地点に車両を駐車させ、通常、その地点から目的地まで徒歩等で移動することになる。この場合、車両の駐車場所と目的地とが離れているとき、又は、車両の駐車場所が広大な駐車場であるようなとき、ユーザは、車両を駐車した場所を見失ってしまうおそれがある。

そこで、下記の特許文献1(特開2002−181555号公報)では、車両の駐車場所を亡失し、迷ってしまう問題を解決するため、車載用ナビゲーション装置と、車載用ナビゲーション装置に通信手段を介して接続可能な携帯用ナビゲーション装置とを備え、携帯用ナビゲーション装置が、車載用ナビゲーション装置で算出した車両の位置データを受信して記憶し、その位置データを携帯用ナビゲーション装置に表示させることにより、駐車場所まで戻る経路を利用者に案内できるように構成したナビゲーション装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−181555号公報(請求項1、11、段落[0007]、[0058])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の先行技術では、車載用ナビゲーション装置及び携帯用ナビゲーション装置の両方を備えている必要があり、また、これらの装置間で位置データの送受信を行う通信手段も必要となるため、非常にコストが嵩んでしまう問題がある。また、車両位置と歩行中のユーザの位置との位置関係がわかりにくく使い勝手が悪いという問題点もあった。

本発明は、上記の問題点を解消することを課題とするものであり、車載時においては、車両の現在位置を表示することができ、携帯時においては、車両の現在位置及び携帯時のユーザの現在位置を表示して、ユーザに車両位置とユーザの位置との位置関係をわかりやすく案内することのできるナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
車両に対して着脱自在に構成され、現在位置を地図情報とともに表示可能なナビゲーション装置において、現在位置を検出する現在位置検出部と、前記ナビゲーション装置の前記車両に対する着脱状態を検出する着脱状態検出部と、検出された前記現在位置を示す第1現在位置マーク又は第2現在位置マークを地図情報とともに表示する表示部と、を備え、前記着脱状態検出部が前記ナビゲーション装置の前記車両からの離脱状態を検出した場合、検出された前記現在位置に前記第1現在位置マーク及び前記第2現在位置マークを表示させ、前記着脱状態検出部が前記ナビゲーション装置の前記車両への装着状態を検出した場合、検出された前記現在位置に前記第1現在位置マークのみを表示させることを特徴とする。

本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーション装置において、前記第1現在位置マークは、前記車両の現在位置を示し、前記第2現在位置マークは、前記車両から離脱された前記ナビゲーション装置の現在位置を示すことを特徴とする。

本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかるナビゲーション装置において、前記着脱状態検出部が前記ナビゲーション装置の前記車両からの離脱状態を検出した場合、前記第2現在位置マークが前記第1現在位置マークの上になるように重ね合わせて表示することを特徴とする。

本願の請求項4にかかる発明は、請求項1ないし請求項3の何れかにかかるナビゲーション装置において、前記着脱状態検出部が前記ナビゲーション装置の前記車両からの離脱状態を検出した場合、前記第2現在位置マークを前記第1現在位置マークに対して強調表示することを特徴とする。

本願の請求項5にかかる発明は、請求項1ないし請求項4の何れかにかかるナビゲーション装置において、前記ナビゲーション装置の移動に伴い、前記第1現在位置マークと前記第2現在位置マークとの間の移動経路を示すラインを表示することを特徴とする。

本願の請求項6にかかる発明は、請求項1ないし請求項5の何れかにかかるナビゲーション装置において、出発地から目的地までの移動経路を探索する経路探索部を備え、前記表示部は、探索した前記移動経路を地図情報とともに表示することを特徴とする。

本願の請求項7にかかる発明は、請求項6にかかるナビゲーション装置において、前記経路探索部は、前記第2現在位置マークの表示位置を前記出発地とし、前記第1現在位置マークの表示位置を前記目的地として、経路を探索することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本願の請求項1にかかる発明においては、車両に対して着脱自在に構成され、現在位置を地図情報とともに表示可能なナビゲーション装置において、現在位置を検出する現在位置検出部と、前記ナビゲーション装置の前記車両に対する着脱状態を検出する着脱状態検出部と、検出された前記現在位置を示す第1現在位置マーク又は第2現在位置マークを地図情報とともに表示する表示部と、を備え、前記着脱状態検出部が前記ナビゲーション装置の前記車両からの離脱状態を検出した場合、検出された前記現在位置に前記第1現在位置マーク及び前記第2現在位置マークを表示させ、前記着脱状態検出部が前記ナビゲーション装置の前記車両への装着状態を検出した場合、検出された前記現在位置に前記第1現在位置マークのみを表示させるように構成する。

このように構成することにより、ユーザは、ナビゲーション装置の車載時には、第1現在位置マークによって示される現在位置に従って車両を目的地まで移動させることができる。また、ナビゲーション装置の携帯時には、第1現在位置マーク及び第2現在位置マークによって示される現在位置に従い、容易に車両まで移動することができる。

本願の請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーション装置において、前記第1現在位置マークは、前記車両の現在位置を示し、前記第2現在位置マークは、前記車両から離脱された前記ナビゲーション装置の現在位置を示す。かかる構成によれば、ユーザは、第2現在位置マークの表示位置である自身の位置から、第1現在位置マークの表示位置である車両まで、容易に移動することができる。

本願の請求項3にかかる発明においては、請求項1又は請求項2にかかるナビゲーション装置において、前記着脱状態検出部が前記ナビゲーション装置の前記車両からの離脱状態を検出した場合、前記第2現在位置マークが前記第1現在位置マークの上になるように重ね合わせて表示する。かかる構成によれば、ユーザが車両から降りて歩行を開始する状態を容易に識別、認識できるようになる。

本願の請求項4にかかる発明においては、請求項1ないし請求項3の何れかにかかるナビゲーション装置において、前記着脱状態検出部が前記ナビゲーション装置の前記車両からの離脱状態を検出した場合、前記第2現在位置マークを前記第1現在位置マークに対して強調表示する。かかる構成によれば、ユーザが車両から降りて歩行を開始する状態を容易に識別、認識できるようになる。

本願の請求項5にかかる発明においては、請求項1ないし請求項4の何れかにかかるナビゲーション装置において、前記ナビゲーション装置の移動に伴い、前記第1現在位置マークと前記第2現在位置マークとの間の移動経路を示すラインを表示する。かかる構成によれば、ユーザは同じ経路を通って容易に車両まで戻ることができるようになる。

本願の請求項6にかかる発明においては、請求項1ないし請求項5の何れかにかかるナビゲーション装置において、出発地から目的地までの移動経路を探索し、地図情報とともに表示させる。かかる構成によれば、所望の目的地までユーザを案内することができるようになる。

本願の請求項7にかかる発明においては、請求項7にかかるナビゲーション装置において、第2現在位置マークの表示位置を出発地とし、第1現在位置マークの表示位置を目的地として出発地から目的地までの移動経路を探索し、地図情報とともに表示させる。かかる構成によれば、車両の現在位置(すなわち、車両を降りた位置)までユーザを案内することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施例におけるナビゲーション装置の構成ブロック図である。
【図2】図1に示すナビゲーション装置の動作フローチャートである。
【図3】図1に示すナビゲーション装置が車両に装着されているときの表示部における表示状態の説明図である。
【図4】図1に示すナビゲーション装置が車両から離脱された直後の表示部における表示状態の説明図である。
【図5】図1に示すナビゲーション装置が車両から離脱されており、ナビゲーション装置を携帯する歩行者が移動中である表示部における表示状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するためのナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーション装置にも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0009】
図1は、本発明の実施例におけるナビゲーション装置10の構成ブロック図である。ナビゲーション装置10は、車両のインパネ等に配設されたスタンドに対して着脱自在に構成され、スタンドに装着されている状態では、車両の現在位置及び移動経路(走行経路)を地図情報とともに案内可能であり、また、スタンドから離脱させてユーザが携帯する状態では、歩行者であるユーザの現在位置及び移動経路(歩行経路)を地図情報とともに案内可能な装置、例えば、PND(Portable Navigation Device)である。

ナビゲーション装置10は、制御部11、現在位置検出部12、経路探索部13、地図情報記憶部14、車両位置記憶部15、着脱状態検出部16、操作部17、表示部18及びスピーカ19を備えて構成される。

制御部11は、CPU20、メモリ21及び表示制御部22を備え、メモリ21に記憶された制御プログラムをCPU20が実行することにより、下記に説明するナビゲーション装置10の各部の動作を制御・統括する。表示制御部22は、表示部18を制御し、地図画像の表示制御を行うとともに、ナビゲーション装置10の現在位置又は車両の現在位置の表示制御を行う。

現在位置検出部12は、所定の時間間隔で地球上空を周回している複数のGPS衛星から時刻情報を含む電波(衛星信号)を受信し、受信した衛星信号に基づき、ナビゲーション装置10の現在位置を算出する。なお、現在位置検出部12は、加速度センサ、ジャイロセンサ等から取得した加速度や角速度、又は、基地局から発信される電波に基づいて、ナビゲーション装置10の現在位置を算出する自律航法手段で構成することもできる。

地図情報記憶部14は、移動経路(車両の走行経路又はユーザの歩行経路)を探索するための道路データ、建物データ、背景データ、テキストデータから構成される地図情報を記憶する。なお、地図情報は、外部の情報提供サーバ(図示せず)から取得し、最新の地図情報として地図情報記憶部14に記憶させるようにしてもよい。

道路データは、道路をその屈曲点、分岐点等の結節点をノードとするノードデータと、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとしたリンクデータとから構成される。ノードデータは、ノード番号、ノードの位置座標(緯度・経度)、交差点情報や交差点名称を示す情報等のノード属性、さらに接続リンク本数、接続リンク番号のデータを含んで構成される。

リンクデータは、リンクの始点及び終点となるノード番号、高速道路や一般道や街路等を区別するための道路種別、ノード間の距離及び/又は所要時間、国道○号線のような道路名称のデータを含んで構成される。リンクデータには、上記に加えて、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所、駐車場等のデータが付与される。建物データは、建物の少なくとも3点からなる位置座標(緯度・経度)、ビル、民家等の建物の種別、表示色のデータを含んで構成される。また背景データは、海岸線、湖沼、河川形状、山林等の背景画像データとなる少なくとも3点からなる位置座標(緯度・経度)、表示色のデータを含んで構成される。テキストデータは、それぞれの地名や河川名等の文字(名称)、及びその座標(緯度・経度)のデータを含んで構成される。

経路探索部13は、地図情報記憶部14に記憶された地図情報と、現在位置検出部12を用いて算出したナビゲーション装置10の現在位置、又は、操作部17から入力された出発地及び目的地とに基づき、現在位置又は出発地から目的地までの最適な移動経路を探索する。経路探索部13は、現在位置又は出発地に対応する道路のノードから、目的地に対応するノードに至るまでのリンクをダイクストラ法等の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間を累積し、総リンク長(走行距離)又は総所要時間が最短となる経路を移動経路として探索する。

着脱状態検出部16は、ナビゲーション装置10が車両のスタンドに装着されている装着状態であるのか、又は、スタンドから離脱されている離脱状態であるのかを検出するものであり、例えば、スタンドに対するナビゲーション装置10の着脱状態に応じてON、OFFされるスイッチにより構成することができる。

車両位置記憶部15は、ナビゲーション装置10が車両のスタンドに装着されているときに、現在位置検出部12により検出されたナビゲーション装置10の現在位置を車両の現在位置として記憶する。

操作部17は、ユーザがナビゲーション装置10を操作指示するためのものであり、例えば、移動経路の探索を行う際、移動経路の出発地、経由地、目的地等の入力操作を行う操作キーである。操作部17は、表示部18に表示された操作キー画像をユーザがタッチすることで入力処理を行うタッチパネルにより構成することもできる。

表示部18は、車両の現在位置又はナビゲーション装置10の現在位置と、探索された移動経路を地図画像とともに表示する。スピーカ19は、移動経路の案内等を行う際に、ユーザに対して必要な案内音声を出力する。

本実施例のナビゲーション装置10は、基本的には以上のように構成される。次に、図2に示すフローチャートに従い、ナビゲーション装置10の動作について説明する。

先ず、ナビゲーション装置10が車両のスタンドに装着されている場合、着脱状態検出部16は、ナビゲーション装置10が車両のスタンドに装着されていることを検出する(ステップS101、YES)。ナビゲーション装置10の装着状態が検出されると、表示制御部22は、現在位置検出部12により検出された車両の現在位置を中心とする地図情報を地図情報記憶部14から抽出し、図3に示すように、表示部18にその地図画像を表示させるとともに、車両現在位置マーク24(第1現在位置マーク)のみを地図上の車両の現在位置に表示させる(ステップS102)。

次に、ユーザが操作部17を操作し、出発地、経由地、目的地を入力して移動経路の探索を指示すると、経路探索部13は、車両の現在位置又は出発地から経由地を介して目的地までの最適な移動経路26を探索する。表示制御部22は、探索された移動経路26を表示部18に表示させ、ユーザに移動経路26(車両の走行経路)を案内する(ステップS103)。図3は、車両の現在位置を出発地とした場合の移動経路26を示す。ユーザは、表示部18に表示された移動経路26に従い、車両を走行させて目的地に向かうことができる。

移動経路26に従い、車両が目的地に向かって走行する間、現在位置検出部12は、車両の現在位置を逐次検出し、表示制御部22は、車両の移動に伴い(ステップS104、YES)、車両現在位置マーク24を新たな現在位置に移動させて表示させる(ステップS105)。なお、車両が停車している場合には(ステップS104、NO)、車両現在位置マーク24は、検出された現在位置に固定された状態で表示される。

以上の処理は、車両が移動経路26に従って移動することで目的地に到着し、経路案内が終了するまで継続される(ステップS101、YES〜S111、NO)。車両が目的地に到着して経路案内が終了し(ステップS111、YES)、ナビゲーション装置10の電源がOFFにされると(ステップS112、YES)、処理が終了する。なお、ユーザは、経路探索部13に対して経路案内(ステップS103)を指示せず、表示部18に表示された地図画像及び車両現在位置マーク24に従って走行することもできる。

一方、ナビゲーション装置10が車両のスタンドから離脱された場合、着脱状態検出部16は、ナビゲーション装置10がスタンドから離脱されたことを検出する(ステップS101、NO)。このとき、制御部11は、ナビゲーション装置10がスタンドから離脱されたときに、現在位置検出部12によって検出されたナビゲーション装置10の現在位置を車両の停車位置として車両位置記憶部15に記憶させる(ステップS106)。

次いで、表示制御部22は、現在位置検出部12により検出されたナビゲーション装置10の現在位置を中心とする地図情報を地図情報記憶部14から抽出し、図4に示すように、表示部18にその地図画像を表示させる。このとき、表示制御部22は、現在位置に対応した地図上の位置に車両現在位置マーク24(第1現在位置マーク)とともに、歩行者現在位置マーク28(第2現在位置マーク)を表示させる(ステップS107)。この場合、ナビゲーション装置10がスタンドから離脱された時点では、車両の位置とナビゲーション装置10の現在位置とが同じであるため、図4に示すように、車両現在位置マーク24と歩行者現在位置マーク28とが重なった状態で表示されている。

なお、車両現在位置マーク24と歩行者現在位置マーク28とを重ね合わせて表示する際には、歩行者現在位置マーク28が車両現在位置マーク24の上にあるようにして表示することが好ましい。また、歩行者現在位置マーク28を車両現在位置マーク24に対して、濃い色で表示するなどして強調表示することが好ましい。なぜなら、本実施例にかかる表示の方法は、ユーザが車両から降りてナビゲーション装置を携帯して歩行する場合に便利に使用できるものであるためであり、かかる方法をとることにより、ユーザが車両から降りて歩行を開始する状態を容易に識別、認識できるようになる。

更に、ナビゲーション装置10を携帯したユーザの移動に伴い、現在位置マークも移動するが、このとき移動するマークは歩行者現在位置マーク28であり、車両現在位置マーク24は固定したままとなる。また、ユーザの移動に伴い車両現在位置マーク24と歩行者現在位置マーク28との間の移動経路(歩行経路)を示すラインを表示することが好ましい。このようなラインを表示すると、ユーザは同じ経路を通って容易に車両まで戻ることができるようになる。

次に、ユーザが携帯するナビゲーション装置10の操作部17を操作し、出発地、経由地、目的地を入力して移動経路の探索を指示すると、経路探索部13は、現在位置又は出発地から経由地を介して目的地までの最適な移動経路30を探索する。表示制御部22は、探索された移動経路30を表示部18に表示させ、ユーザに移動経路30(歩行者の歩行経路)を案内する(ステップS108)。なお、この歩行経路の探索及び案内は、ナビゲーション装置10を車両のスタンドに装着させた状態で行うこともできる。図4は、例えば、車両を駐車場に駐車させ、現在位置を出発地として目的地に向かうために探索された移動経路30を示す。ユーザは、車両から取り外したナビゲーション装置10を携帯し、その表示部18に表示された移動経路30に従い、目的地に向かうことができる。

ユーザがナビゲーション装置10を携帯して移動する間、現在位置検出部12は、ナビゲーション装置10の現在位置を逐次検出している。ナビゲーション装置10を携帯するユーザが移動すると、表示制御部22は、ユーザの移動に伴い(ステップS109、YES)、歩行者現在位置マーク28を新たな現在位置に移動させて表示させる(ステップS110)。また、ユーザが立ち止まっている場合には(ステップS109、NO)、歩行者現在位置マーク28は、検出された現在位置に固定された状態で表示される。一方、車両の現在位置を示す車両現在位置マーク24は、車両位置記憶部15に記憶されている車両の位置に従い、車両の現在位置にそのまま固定された状態で表示される。図5は、ユーザの指示によって探索された移動経路30に従って移動しているときの表示部18の状態を示す。

以上の処理は、ユーザが移動経路30に従って移動することで目的地に到着し、経路案内が終了するまで継続される(ステップS101、NO〜S111、NO)。ユーザが目的地に到着して経路案内が終了し(ステップS111、YES)、ナビゲーション装置10の電源がOFFにされると(ステップS112、YES)、処理が終了する。なお、ユーザは、経路探索部13に対して経路案内(ステップS108)を指示せず、表示部18に表示された地図画像及び歩行者現在位置マーク28に従って移動することもできる。

一方、ユーザが当初の目的地から車両の駐車地点まで戻る場合、ユーザは、ナビゲーション装置10の表示部18に表示された車両現在位置マーク24及び歩行者現在位置マーク28を利用して、極めて容易に駐車地点まで戻ることができる。

すなわち、ナビゲーション装置10は、車両のスタンドからナビゲーション装置10が離脱される際、現在位置検出部12によって離脱の直前に検出されたナビゲーション装置10の現在位置を、車両の位置として車両位置記憶部15に記憶させている。表示制御部22は、表示部18を制御し、車両位置記憶部15に記憶されている車両の位置に車両現在位置マーク24を表示させる。また、表示制御部22は、現在位置検出部12によって検出したナビゲーション装置10の現在位置に歩行者現在位置マーク28を表示させる。この場合、ユーザは、地図画像とともに表示部18に表示された歩行者現在位置マーク28及び車両現在位置マーク24に従い、容易に車両の駐車地点まで戻ることができる。

徒歩で移動した目的地と車両の現在位置とが離れており、ユーザがその周辺の地理に不案内な場合には、車両位置記憶部15に記憶されている車両の位置を目的地として選択し、経路探索部13により車両までの経路を探索して表示させるようにすれば、容易に車両の駐車地点まで移動することができる。

なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更することが可能である。

例えば、上述した実施例では、ナビゲーション装置10を車両から離脱させ、携帯して歩行する場合について説明したが、車両から離脱させ、バスや電車等、他の交通機関を利用して移動する場合においても、車両現在位置マーク24とナビゲーション装置10の現在位置マークとを表示させることにより、任意の場所から車両の駐車地点までの経路をユーザに案内することができる。
【符号の説明】
【0010】
10・・・ナビゲーション装置
11・・・制御部
12・・・現在位置検出部
13・・・経路探索部
14・・・地図情報記憶部
15・・・車両位置記憶部
16・・・着脱状態検出部
17・・・操作部
18・・・表示部
22・・・表示制御部
24・・・車両現在位置マーク
26、30・・・移動経路
28・・・歩行者現在位置マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に対して着脱自在に構成され、現在位置を地図情報とともに表示可能なナビゲーション装置において、
現在位置を検出する現在位置検出部と、
前記ナビゲーション装置の前記車両に対する着脱状態を検出する着脱状態検出部と、
検出された前記現在位置を示す第1現在位置マーク又は第2現在位置マークを地図情報とともに表示する表示部と、
を備え、
前記着脱状態検出部が前記ナビゲーション装置の前記車両からの離脱状態を検出した場合、検出された前記現在位置に前記第1現在位置マーク及び前記第2現在位置マークを表示させ、前記着脱状態検出部が前記ナビゲーション装置の前記車両への装着状態を検出した場合、検出された前記現在位置に前記第1現在位置マークのみを表示させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記第1現在位置マークは、前記車両の現在位置を示し、前記第2現在位置マークは、前記車両から離脱された前記ナビゲーション装置の現在位置を示すことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記着脱状態検出部が前記ナビゲーション装置の前記車両からの離脱状態を検出した場合、前記第2現在位置マークが前記第1現在位置マークの上になるように重ね合わせて表示することを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記着脱状態検出部が前記ナビゲーション装置の前記車両からの離脱状態を検出した場合、前記第2現在位置マークを前記第1現在位置マークに対して強調表示することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記ナビゲーション装置の移動に伴い、前記第1現在位置マークと前記第2現在位置マークとの間の移動経路を示すラインを表示することを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
出発地から目的地までの移動経路を探索する経路探索部を備え、前記表示部は、探索した前記移動経路を地図情報とともに表示することを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記経路探索部は、前記第2現在位置マークの表示位置を前記出発地とし、前記第1現在位置マークの表示位置を前記目的地として、移動経路を探索することを特徴とする請求項6に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−29472(P2013−29472A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167262(P2011−167262)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】