説明

ナビゲーション装置

運転者を常時緊張させない音声案内を行うことが可能なナビゲーション装置を提供することを目的とする。ナビゲーション装置において、システム制御部(19)は、車両の現在位置を検出し、さらに、設定された出発地から目的地への案内経路を探索する。また、システム制御部(19)は、探索された案内経路上で音声案内をすべき各地点毎に、運転者が車両の運転操作を要するか否かに基づいて、重要度を割り当てる。さらに、システム制御部(19)は、音声案内をすべき地点毎に音声メッセージを作成し、割り当てられた重要度に従って、今回作成した音声メッセージに互いに異なる警告音を付加する。スピーカ(13)は、システム制御部(19)で生成された警告音と音声メッセージを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、より特定的には、車両を音声で案内可能なナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な車載ナビゲーション装置は、ディスプレイ及び現在位置検出部(つまり、測位部)を備えている。現在位置検出部は、自車位置及び進行方位を検出し、ディスプレイは、検出された自車位置の周辺地図を描画するとともに、検出された自車位置及び進行方向を示すシンボルマークを表示する。ここで、現在位置検出部としては、一般的に、GPS(Global Positioning System)の受信機及び/又は自律航法システムが用いられる。
【0003】
また、上記のような車載ナビゲーション装置はさらに、経路探索部及び音声案内部を備えている。経路探索部は、出発地から目的地までに至る案内経路を探索し、ディスプレイは、上記シンボルマークの他に、探索された案内経路が重畳された、自車位置の周辺地図を表示する。また、ディスプレイは、高速道路への進入口又は右左折する交差点に代表される重要地点の手前では、これら重要地点の拡大図又はこれら重要地点における車両の進行方向を表示する場合もある。
【0004】
また、音声案内部は、案内経路において、進行方位を変更すべき交差点又は分岐点(以下、案内地点と称する)の一定距離手前に車両が差し掛かると、案内地点までの距離と、車両が曲がるべき方向とを音声により案内する。このような音声案内を運転者が聞き逃し、その結果、案内地点をどのように通過すれば良いか分からなくなった場合、運転者は、ディスプレイを使って、車両をどのように運転すれば良いかを確認することができる。
【0005】
また、従来の車載ナビゲーション装置の中には、運転者の注意をひくように、各案内地点で音声案内を行う前に、特定の曲を出力するものがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の車載ナビゲーション装置においては、案内地点で音声案内を行うことが設定されると、音声案内の度に同じ曲が出力される。そのため、この曲が出力されると、運転者は、音声案内を聞き逃さないように常に注意する必要があり、その結果、緊張感を感じるという問題があった。
【0007】
それ故に、本発明の目的は、音声ナビゲーションにおいて、運転者を常時緊張させない音声案内を行うことが可能なナビゲーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一局面は、ナビゲーション装置であって、車両の現在位置を検出する現在位置検出部と、設定された出発地から目的地への案内経路を探索する経路探索部と、経路探索部で探索された案内経路上で音声案内をすべき各地点毎に、運転者が車両の運転操作を要するか否かに基づいて、重要度を割り当てる重要度割当て部とを少なくとも備える。また、ナビゲーション装置はさらに、音声案内をすべき地点毎に音声メッセージを作成し、重要度割当て部で割り当てられた重要度に従って、今回作成した音声メッセージに互いに異なる警告音を付加する第1の音声合成部と、第1の音声合成部で付加された警告音及び音声メッセージに従って音声を出力する第1の音声出力部とを含む第1の組み合わせ、並びに、音声案内をすべき地点毎に音声メッセージを作成する第2の音声合成部と、第2の音声合成部で作成された音声メッセージに従って音声を出力する第2の音声出力部と、発光素子と、重要度割当て部で割り当てられた重要度に従って、発光素子の発光を制御する発光制御部とを含む第2の組み合わせのいずれか一方を備える。
【発明の効果】
【0009】
上記局面によれば、重要度割当て部により、運転者が何らかの運転操作を必要とする地点か否かに基づいて、案内経路上の案内地点毎に重要度が割り当てられる。このようにして割り当てられた重要度に従って、互いに異なる警告音が付加された音声メッセージが作成される。その結果、運転者が何らかの運転操作を必要とする地点では、重要度に応じた警告音が出力される。従って、運転者は、重要度に応じて案内音声に注意を払うことができる。これによって、運転者を常時緊張させない音声案内を行うことが可能なナビゲーション装置を提供することが可能となる。
【0010】
また、上記局面では他にも、音声案内をすべき地点毎に音声メッセージが作成され出力されるとともに、上記のようにして割り当てられた重要度に従って、発光素子の発光が制御される。その結果、運転者が何らかの運転操作を必要とする地点では、重要度に応じて発光素子は発光する。これによって、運転者を常時緊張させない音声案内を行うことが可能なナビゲーション装置を提供することが可能となる。
【0011】
本発明の上記及びその他の目的、特徴、局面及び利点は、以下に述べる本発明の詳細な説明を添付の図面とともに理解したとき、より明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
[図1]図1は本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の外観斜視図である。
[図2]図2は、図1に示すナビゲーション装置の内部構成を示すブロック図である。
[図3]図3は、図2に示すナビゲーション装置の経路案内動作を示すフローチャートである。
[図4]図4は、図1に示すナビゲーション装置の変型例の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0013】
1 筐体
11 GPSアンテナ
12 スロット
13 スピーカ
14 インタフェイス
15 GPS受信機
16 方位センサ
17 車速センサ
18 操作部
19 システム制御部
20 記憶部
21 音声処理部
22 現在位置検出部
23 経路探索部
24 重要度割当て部
25 音声合成部
26 発光制御部
27 発光素子
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の外観斜視図である。図1において、ナビゲーション装置は、典型的には車両に搭載される。このようなナビゲーション装置の筐体1には、GPSアンテナ11、例えばSDカード(登録商標)のようなメモリカードのスロット12及びスピーカ13が配置される。
【0015】
図2は、図1に示すナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。図2において、ナビゲーション装置は、図1に示す構成以外にも、スロット12に挿入されたメモリカード用のインタフェイス14と、GPS受信機15と、方位センサ16と、車速センサ17と、操作部18と、システム制御部19と、記憶部20と、音声処理部21とを備える。
【0016】
以下、以上のナビゲーション装置の各部について、より具体的に説明する。
【0017】
GPSアンテナ11は、車両外部の測位システム(例えば、GPS(Global Positioning System))に収容される人工衛星から送出された信号を受信する。
【0018】
スロット12は、車両の案内に必要となる地図データが格納されるメモリカード(例えば、SDカード(登録商標))の挿入口である。ここで、地図データは、一般的又は周知のもので構わないため、その詳細な説明を省略する。
【0019】
スピーカ13は、システム制御部19で生成される警告音データ及び音声案内データに従って、警告音及び案内音声を出力する。なお、後述から明らかなように、スピーカ13は警告音を出力しない場合もある。
【0020】
インタフェイス14は、スロット12に挿入されたメモリカードと接続され、接続されたメモリカードから、必要な地図データを読み出して、システム制御部19に転送する機能を少なくとも有する。
【0021】
GPS受信機15は、複数のGPS衛星からの電波を受信して演算を行い、車両が現在位置する緯度、経度、高度及び進行方位を示すデータを生成して出力する。
【0022】
方位センサ16は典型的には、地磁気センサ及び角速度センサを含んでおり、地磁気センサは、地磁気(地球磁界)に基づいて車両の方位を示すデータを出力する。また、角速度センサは、車両の角速度を検出し出力する。
【0023】
車速センサ17は、車両の走行速度を検出し出力する。
【0024】
操作部18は、システム制御部19に各種指示を入力するために、典型的にはキー又はリモコンから構成される。ここで、本実施形態では、操作部18は主として、経路探索部23の処理に必要となる目的地を運転者が入力するために用いられる。
【0025】
システム制御部19は、ナビゲーション動作に必要な演算及び制御を行う。このような演算及び制御のために、システム制御部19は、現在位置検出部22と、経路探索部23と、重要度割当て部24と、音声合成部25とを含む。なお、これら現在位置検出部22、経路探索部23、重要度割当て部24及び音声合成部25の処理については、後で詳しく説明する。
【0026】
記憶部20は、典型的にはRAMで構成されており、システム制御部19の演算結果及び制御内容を保持する。
【0027】
音声処理部21は、システム制御部19で生成される警告音データ及び合成音声データをアナログ形式に変換したり、増幅したりした後に、スピーカ13に出力する。
【0028】
次に、上記構成を備えるナビゲーション装置の動作について説明する。ナビゲーション装置の電源が投入されると、システム制御部19が起動し、その後、システム制御部19は、インタフェイス14を通じて、地図データを内部に取り込み保持する。また、方位センサ16は、車両の方位及び角速度を検出し、それぞれを示すデータを、現在位置検出部22に出力し、車速センサ17は、車両の走行速度を算出し、現在位置検出部22に出力する。さらに、GPS受信機15は、GPS衛星からの電波に基づいて、車両が現在位置する緯度、経度、高度及び進行方位を求めて、それぞれを示すデータを現在位置検出部22に出力する。
【0029】
現在位置検出部22は、入力された車両の方位、角速度及び走行速度に対して所定の演算を行って、車両の現在位置と進行方位を算出する。これら方位センサ16、車速センサ17及び現在位置検出部22により、自律航法システムが構築される。また、現在位置検出部22は、自律的に算出された現在位置及び進行方位と、GPS受信機15からのデータとを比較して互いの誤差を調整して、より正確な現在位置及び進行方位を検出する。
【0030】
経路探索部23は、操作部18を通じて目的地が設定されると、検出された現在位置を出発地として、そこから目的地までの案内経路を、現在保持する地図データを使って探索し、探索した案内経路を特定するデータ(以下、案内経路データと称する)を記憶部20に保存する。なお、以上の説明では、現在位置検出部22により検出された現在位置が出発地として用いられているが、これに限らず、出発地は、運転者が操作部18を操作することにより設定されても構わない。
【0031】
次に、重要度割当て部24は、記憶部20内の案内経路データを参照し、音声案内をすべき地点(以下、案内地点データと称する)を作成し、記憶部20に保存する。重要度割当て部24はさらに、保存した案内地点データ毎に重要度を示すデータ(以下、重要度データと称する)を作成し、記憶部20に保存する。ここで、音声案内の重要度は、運転者が何らかの運転操作を必要とする地点か否かに基づいて割り当てられる。ここで、本実施形態において、運転操作としては、ステアリング操作又はブレーキングが典型的である。
【0032】
また、本実施形態では、例示的に、重要度としては、大、中及び小の三段階に分けられると仮定する。なお、本ナビゲーション装置において、主要な案内音声としては、車両が曲がるべき交差点、若しくは、車両が停止すべき経由地又は目的地が近づいたことを知らせるものがある。
【0033】
経由地又は目的地の直前に車両が到達したときの音声案内、又は曲がるべき交差点への進入直前の音声案内については、すぐに車両の運転操作を要するため、これら地点を示す案内地点データには重要度「大」が割り当てられる。このような重要度「大」が割り当てられるのは、例えば、「この先、××交差点を右方向です」という音声案内をすべき地点であったり、「経由地又は目的地にもうすぐ到着します」という音声案内をすべき地点であったりする。
【0034】
また、交差点で右左折すべきことに対する予告音声案内をすべき地点には、重要度「中」が割り当てられる。重要度「中」が割り当てられるのは、例えば、「およそ700メートルで、××交差点を右方向です」という音声案内すべき地点である。
【0035】
また、本実施形態では、図1及び図2から明らかなようにディスプレイを備えないナビゲーション装置を例に取り上げている。このようなナビゲーション装置においては、運転者は、地図画像を見ることができないので、例えば、車両が道なりに進む場合、又は直進が続く場合には、音声案内がなくなる。このような状況では、運転者は、ナビゲーション装置が動作しているか、案内経路を正しく走っているか分からなくなり、不安になってしまう。このような不安感を解消するため、本ナビゲーション装置は好ましくは、適度な距離毎に又は時間間隔で、道なりに進んだり、右左折することなく交差点を通過したり、川を越えたりする際に、音声案内を行う。これらの音声案内を行う地点では、運転者へ何か運転操作すべきことを促すものではなく、つまり運転者は聞き流していいも問題が生じないので、このような地点を示す地点データには重要度「小」が割り当てられる。
【0036】
なお、重要度割当て部24は、案内内容データ及び重要度データを記憶部20に保存する動作を、検出された現在位置から、予め定められた範囲内の案内経路上の各地点に対して行われる。記憶部20内の案内内容データ及び重要度データは、車両が一定距離進んだ時点で、現在位置から上記範囲内における案内経路上の各地点のものに更新される。なお、目的地が近い場合、又は記憶部20の記憶容量が保存すべきデータ量に対して十分大きい場合には、経路探索の終了後、案内経路上のすべての地点について、案内内容データ及び重要度データが作成され保存される。
【0037】
また、以上の実施形態では、重要度を三段階とした説明したが、重要度は少なくとも二段階以上であれば良い。また、重要度を割り当てるための基準を、運転者が操作部18から変更しても構わない。さらに、走行している場所又は時間に応じて異なる基準で、重要度を割り当てても構わない。例えば、運転者の自宅近くの道で何度も通っているような案内経路上の案内内容データについては、相対的に低い重要度が割り当てられる。
【0038】
次に、図3のフローチャートを参照して、本ナビゲーション装置における経路案内動作について説明する。まず、現在位置検出部22は、上述のようにして、現在位置を検出し、音声合成部25に渡す(ステップST1)。音声合成部25は、現在位置を受け取ると、記憶部20の案内内容データを参照して、音声案内を行うべき地点(以下、案内地点と称する)に車両が到達したか否かを判断する(ステップST2)。
【0039】
車両が案内地点に到達していなければ、音声合成部25は処理を現在位置検出部22に渡し、現在位置検出部22は、ステップST1を再度行う。それに対して、車両が案内地点に到達していれば、音声合成部25は、今回の案内地点の重要度を判定する(ステップST3)。この判定は、記憶部20内に案内地点と対応して保存された重要度データを読み出すことで行われる。
【0040】
ステップST3において、重要度が「小」であれば、音声合成部25は、警告音を表す警告音データを生成しない。さらに、音声合成部25は、メモリカードから読み出した地図データを使って、今回の案内地点用の音声メッセージを生成する。その後、音声合成部25は、作成した音声メッセージだけを、音声処理部21に出力する(ステップST4)。その結果、スピーカ13からは、例えば、「この先、○○橋を渡ってください」又は「このまま直進してください」というような、運転者が聞き流しても良い音声メッセージが出力される(ステップST5)。
【0041】
また、ステップST3で重要度が「大」又は「中」であると判定した場合、音声合成部25は、今回の重要度に対応する警告音を表す警告音データを生成する。さらに、音声合成部25は、上述と同様にして、今回の案内地点用の音声メッセージを生成する。その後、音声合成部25は、生成した警告音データ及び音声メッセージを、音声処理部22に出力する(ステップST6)。その結果、スピーカ13からは、重要度が「中」の場合には、例えば、「ポン・およそ700メートルで右方向です。」というような、運転者にある程度の注意を喚起する警告音(例えば、短い音、小音量又は低周波数の音、若しくはある特定パターンの音)の後に、音声メッセージが出力される(ステップST5)。また、重要度が「大」の場合には、例えば、「ピンポーン・次の交差点を右に曲がってください。」というような、運転者に強く注意を喚起する警告音(例えば、長い音、大音量又は高周波数の音、若しくは、上記特定パターンとは異なるパターンの音)の後に、音声メッセージが出力される(ステップST5)。
【0042】
以上のステップST1−ST6は、システム制御部19により、ステップST7で車両が目的地に到着すると判断されるまで繰り返し行われる。
【0043】
以上のように本ナビゲーション装置によれば、重要度割当て部24により、運転者が何らかの運転操作を必要とする地点か否かに基づいて、案内経路上の案内地点毎に重要度が割り当てられる。音声合成部25は、割り当てられた重要度に従って、警告音データを生成するか否かを判断する。さらに、音声合成部25は、警告音データを生成する場合であっても、割り当てられた重要度に従って、互いに異なる警告音データを作成する。その結果、運転者が何らかの運転操作を必要とする地点において、スピーカ13からは、音声案内以外に、重要度に応じた警告音が出力される。逆に、運転者がさほど運転操作を必要としない地点において、スピーカ13からは、警告音が出力されない。従って、運転者は、警告音が無い状態で始まった案内音声には相対的に注意を払う必要が無くなる。また、警告音があったとしても、運転者は、重要度に応じた大切な音声案内に注意を払えば良い。これによって、運転者を常時緊張させない音声案内を行うことが可能なナビゲーション装置を提供することが可能となる。
【0044】
なお、ディスプレイを備えていない場合には、本ナビゲーション装置は、経路案内を音声だけで行うことになるので、生成される音声メッセージは、ディスプレイを使用するナビゲーション装置に匹敵する程度に詳細な内容を持つことが好ましい。
【0045】
また、上述のステップST3で読み出した重要度は、その時点における車両の走行速度スピード等に応じて変更されても構わない。例えば、「およそ700メートルで、××交差点を右方向です」という予告音声案内に対して、上述の実施形態では、重要度「中」が割り当てられるが、渋滞中で車両が停止及び低速走行を繰り返しているようなときは、車両が対象となる交差点で右折するまでには時間がかかるので、重要度が「小」に変更されても構わない。
【0046】
また、以上の実施形態では、ステップST7において、車両が目的地に到着したか否かが判断されたが、これに限らず、経路案内の中断指示があったか否かを、システム制御部19は判断するようにしても良い。他にも、システム制御部19は、ステップST7において、車両が目的地に到着したか否か、及び経路案内の中断指示があったか否かの双方を相前後して判断しても良い。
【0047】
また、以上の実施形態では、ナビゲーション装置はディスプレイを備えないとして説明した。しかし、ディスプレイを備えるか否かについては、本実施形態にとって本質的ではないので、ナビゲーション装置はディスプレイを備えていても構わない。このようなディスプレイを備えた従来のナビゲーション装置では、運転者は、音声案内を聞き漏らした場合、ディスプレイに表示される地図を見て、車両をどのように進行させるかを確認することが多い。しかし、このような確認動作により、運転者の視線が車両前方から逸れたり、運転操作への注意がなおざりになったりする。しかし、本実施形態では、警告音で音声案内の重要度が出力されるので、運転者が重要度の高い音声案内を聞き漏らす可能性が少なくなる。その結果、運転者の視線が車両前方から逸れたり、運転操作への注意がなおざりになったりする可能性を低減することができる。
【0048】
また、以上の実施形態では、ナビゲーション装置は、警告音の有無、さらには警告音の相違により、案内メッセージの重要度を運転者に伝えていた。しかし、これに限らず、ナビゲーション装置は、図4のような構成を備えており、発光制御部26が、重要度に応じて、LEDに代表される発光素子27の発光を制御し、これによって、案内メッセージの重要度を運転者に伝えても構わない。具体例としては、発光制御部26は、重要度が「小」の場合、発光素子27を発光させず、重要度が「中」の場合、発光素子27を弱く発光させ、さらに、重要度が「大」の場合には、発光素子27を強く発光させる。なお、この場合も、音声メッセージ自体はスピーカ13から出力される。
【0049】
また、システム制御部19は、上述のような処理を予め格納されるコンピュータプログラムに従って行う。しかし、これに限らず、上述のような処理はハードウェアで実現されても構わない。また、コンピュータプログラムは、CD−ROMのような記憶媒体に記録された状態で頒布されても構わない。他にも、コンピュータプログラムは、ネットワークに接続されたサーバ装置に、端末装置がダウンロード可能に格納されていても構わない。
【0050】
本発明を詳細に説明したが、上記説明はあらゆる意味において例示的なものであり限定的なものではない。本発明の範囲から逸脱することなしに多くの他の改変例及び変形例が可能であることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明に係るナビゲーション装置は、運転者を常時緊張させない音声案内を行うことが可能という技術的効果が要求される用途等に適用できる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置であって、
車両の現在位置を検出する現在位置検出部と、
設定された出発地から目的地への案内経路を探索する経路探索部と、
前記経路探索部で探索された案内経路上で音声案内をすべき各地点毎に、運転者が車両の運転操作を要するか否かに基づいて、重要度を割り当てる重要度割当て部とを少なくとも備え、
前記ナビゲーション装置はさらに、
前記音声案内をすべき地点毎に音声メッセージを作成し、前記重要度割当て部で割り当てられた重要度に従って、今回作成した音声メッセージに互いに異なる警告音を付加する第1の音声合成部と、
前記第1の音声合成部で付加された警告音及び音声メッセージに従って音声を出力する第1の音声出力部とを含む第1の組み合わせ、並びに、
前記音声案内をすべき地点毎に音声メッセージを作成する第2の音声合成部と、
前記第2の音声合成部で作成された音声メッセージに従って音声を出力する第2の音声出力部と、
発光素子と、
前記重要度割当て部で割り当てられた重要度に従って、前記発光素子の発光を制御する発光制御部とを含む第2の組み合わせのいずれか一方を備える、ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記第1の音声合成部は、前記重要度割当て部で割り当てられた重要度に従って、互いに異なるパターンの警告音を付加する、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記第1の音声合成部は、前記重要度割当て部で割り当てられた重要度に従って、音声メッセージに警告音を付加するか否かを判断する、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
ナビゲーション装置に用いられ、車両を音声で案内するためのナビゲーション方法であって、
前記車両の現在位置を検出する現在位置検出ステップと、
設定された出発地から目的地への案内経路を探索する経路探索ステップと、
前記経路探索ステップで探索された案内経路上で音声案内をすべき各地点毎に、運転者が車両の運転操作を要するか否かに基づいて、重要度を割り当てる重要度割当てステップとを少なくとも備え、
前記ナビゲーション方法はさらに、
前記音声案内をすべき地点毎に音声メッセージを作成し、前記重要度割当てステップで割り当てられた重要度に従って、今回作成した音声メッセージに互いに異なる警告音を付加する第1の音声合成ステップと、
前記第1の音声合成ステップで付加された警告音及び音声メッセージに従って音声を出力する第1の音声出力ステップとを含む第1の組み合わせ、並びに、
前記音声案内をすべき地点毎に音声メッセージを作成する第2の音声合成ステップと、
前記第2の音声合成ステップで作成された音声メッセージに従って音声を出力する第2の音声出力ステップと、
前記重要度割当てステップで割り当てられた重要度に従って、前記ナビゲーション装置に備わる発光素子の発光を制御する発光制御ステップとを含む第2の組み合わせのいずれか一方を備える、ナビゲーション方法。
【請求項5】
ナビゲーション装置に用いられ、車両を音声で案内するためのコンピュータプログラムであって、
前記車両の現在位置を検出する現在位置検出ステップと、
設定された出発地から目的地への案内経路を探索する経路探索ステップと、
前記経路探索ステップで探索された案内経路上で音声案内をすべき各地点毎に、運転者が車両の運転操作を要するか否かに基づいて、重要度を割り当てる重要度割当てステップとを少なくとも備え、
前記コンピュータプログラムはさらに、
前記音声案内をすべき地点毎に音声メッセージを作成し、前記重要度割当てステップで割り当てられた重要度に従って、今回作成した音声メッセージに互いに異なる警告音を付加する第1の音声合成ステップと、
前記第1の音声合成ステップで付加された警告音及び音声メッセージに従って音声を出力する第1の音声出力ステップとを含む第1の組み合わせ、並びに、
前記音声案内をすべき地点毎に音声メッセージを作成する第2の音声合成ステップと、
前記第2の音声合成ステップで作成された音声メッセージに従って音声を出力する第2の音声出力ステップと、
前記重要度割当てステップで割り当てられた重要度に従って、前記ナビゲーション装置に備わる発光素子の発光を制御する発光制御ステップとを含む第2の組み合わせのいずれか一方を備える、コンピュータプログラム。
【請求項6】
記憶媒体に記録される、請求項5に記載のコンピュータプログラム。

【国際公開番号】WO2005/045369
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【発行日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515262(P2005−515262)
【国際出願番号】PCT/JP2004/015829
【国際出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】