説明

ナビ制御装置、ナビゲーション装置、サーバ及び目的地設定システム

【課題】位置情報を携帯端末を用いてナビゲーション装置に送信する技術において、ユーザの操作負担を軽減することでより利便性を高める技術を提供する。
【解決手段】経路探索を行うナビゲーション装置に搭載され、携帯端末から転送される複数の位置情報から目的地を設定するナビ制御装置であって、前記携帯端末から転送される複数の位置情報を受け付ける受付手段と、前記ナビゲーション装置の現在位置に関する現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、前記現在位置情報取得手段で取得された現在位置情報と前記受付手段で受け付けた複数の位置情報とを比較し、現在位置から目的地までの距離に基づいて、前記複数の位置情報の順位付けを行う順位付け手段と、前記順位付け手段で順位付けた位置情報に基づいて目的地を設定する目的地設定手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビ制御装置、ナビゲーション装置、サーバ及び目的地設定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される従来のナビゲーション装置は、目的地を設定する際、住所、名前、電話番号等といった情報を操作部から直接入力する必要があり利便性が悪いという問題があった。このような問題を解決する技術として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、携帯端末の情報記憶手段に記憶した位置情報を赤外線通信によってナビゲーション装置に送信する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−22468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
携帯端末の情報記憶手段に記憶した位置情報を赤外線通信等の送信手段によってナビゲーション装置に送信する技術が知られている。この技術によれば、例えば携帯端末を使用して検索した位置情報を利用してナビゲーション装置による経路誘導を行うことができる。
【0004】
一方、不動産業者の営業、ボトリングの巡回、保険業務の営業など、車両を用いた商用サービスが知られている。そして、このような商用サービスにおいても、ナビゲーション装置が搭載された車両の利用が近年増加している。従って、商用サービスにおいても、上記技術を利用することができれば、業務の効率化を図ることができるものと考えられる。なお、上記技術によれば、一又は複数の位置情報を携帯端末からナビゲーション装置に送信することができる。しかしながら、例えば、不動産業者の営業では、顧客に対して一度に複数の物件を紹介するなど、商用サービスでナビゲーション装置を利用する場合、一度に複数の位置情報を登録できる方が便利である。また、複数の位置情報を単にナビゲーション装置に送信しただけでは、ナビゲーション装置側で、不動産業者の営業担当者がどこに最初に行くべきかの順位付けを行わなければならず、利便性の悪さが懸念される。
【0005】
本発明では、上記した問題に鑑み、複数の位置情報を携帯端末を用いてナビゲーション装置に転送する技術において、ユーザの操作負担を軽減することでより利便性を高めることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上述した課題を解決するために、携帯端末から転送される複数の位置情報の順位付けを行い、順位付けを行った複数の位置情報に基づいて目的地を設定することとした。
【0007】
詳細には、本発明は、経路探索を行うナビゲーション装置に搭載され、携帯端末から転送される複数の位置情報から目的地を設定するナビ制御装置であって、前記携帯端末から転送される複数の位置情報を受け付ける受付手段と、前記ナビゲーション装置の現在位置に関する現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、前記現在位置情報取得手段で取得された現在位置情報と前記受付手段で受け付けた複数の位置情報とを比較し、現在位置から目的地までの距離と現在位置から目的地までの所要時間とのうち少なくともいずれか一つを含む所定の条件に基づいて、前記複数の位置情報の順位付けを行う順位付け手段と、前記順位付け手段で順位付けされた位置情報に基づいて目的地を設定する目的地設定
手段と、を備える。
【0008】
本発明によれば、複数の位置情報を携帯端末から受け付けることができるので、その都度目的地を設定するといった煩わしさを解消することができる。また、本発明によれば、受け付けた複数の位置情報と現在位置情報とを比較し、所定の条件に基づいて順位付けがなされた複数の位置情報に基づいて目的地が設定されるので、ユーザ自ら順位付けするといった煩わしさを解消することができる。すなわち、ユーザの操作負担を軽減することができる。また、本発明が搭載されるナビゲーション装置を、不動産業者の営業、ボトリングの巡回、保険業務の営業など、車両を用いた商用サービスで使用される車両に搭載した場合には、一度に複数の位置情報をナビゲーション装置に転送し、また、転送した位置情報が例えば距離情報に基づいて順位付けされた上で目的地として設定されるので、業務の効率化を図ることができる。
【0009】
携帯端末から転送される複数の位置情報は、サーバで管理される情報に関連付けて蓄積することができる。この複数の位置情報は、メールに記述して送信でき、送信されたメールに記述されている複数の位置情報を携帯端末からナビゲーション装置へ転送することで、目的地の設定が可能となる。すなわち、本発明のナビ制御装置は、ナビ制御装置が搭載されるナビゲーション装置と通信可能な携帯端末と、この携帯端末にメールを送信するサーバと、と共に使用することでより優れた性能を発揮する。そこで、まずサーバ及び携帯端末について説明する。
【0010】
サーバは、予め位置情報が関連付けられている情報を有する記憶手段と、記憶手段が有する情報から複数の所定の情報を抽出する抽出手段と、抽出された複数の所定の情報をメールに記述して送信するメール送信手段と、を備える構成とすることができる。
【0011】
予め位置情報が関連付けられている情報とは、例えば、位置情報としての経度緯度情報が関連付けられている、物件情報や店舗情報等である。抽出手段による抽出は、サーバが、地域情報、時間情報、距離情報、といった所定の検索条件に基づいて行うことができる。メールに記述して送信するとは、物件情報や店舗情報とともに物件や店舗の所在地を示す位置情報をメールに記述して送信することを意味する。本発明では、メールを利用することで一度に複数の位置情報を同時に携帯端末へ送信することが可能となる。
【0012】
携帯端末は、メール送信手段によって送信されたメールを受信する受信手段と、受信手段で受信されたメールに記述されている複数の情報の夫々に関連付けられている複数の位置情報を前記ナビゲーション装置に転送する転送手段と、を備える構成とすることができる。これにより、サーバから送信されたメールに記述されている複数の位置情報を同時にナビゲーション装置へ転送することが可能となる。
【0013】
次に本発明のナビ制御部の各構成について説明する。受付手段は、携帯端末から転送される複数の位置情報を受け付ける。携帯端末からの転送は、例えば赤外線通信によって行うことができる。但し、これに限定されない。電気的に接続されていればよく、無線、有線、いずれであってもよい。
【0014】
現在位置情報取得手段は、本発明のナビ制御装置が搭載されるナビゲーション装置の現在位置情報を取得する。現在位置の取得は、例えば、従来のナビゲーション装置に備えられているGPS(Global Positioning System)機能を利用すればよい。
【0015】
順位付け手段は、携帯端末から送信される複数の位置情報に対して順位付けを行う。より具体的には、順位付け手段は、現在位置情報取得手段で取得された現在位置情報と受付手段で受け付けた複数の位置情報とを比較し、現在位置から目的地までの距離と現在位置
から目的地までの所要時間とのうち少なくともいずれか一つを含む所定の条件に基づいて、複数の位置情報の順位付けを行う。現在位置から目的地までの距離と現在位置から目的地までの所要時間の算出は、従来のナビゲーション装置の技術を適宜用いることができる。なお、現在位置から一の目的地までの距離や所要時間は、誘導経路によって異なる。つまり、現在位置からある目的地までの距離や所要時間は、検索条件(例えば、高速道路の使用の有無等)によって異なってくる。従って、夫々の目的地毎に更に複数の誘導経路を算出する場合、例えば、高速道路の使用の有無等の検索条件を統一した上で夫々最も適切な誘導経路を選択し、選択された最適な誘導経路における距離や所要時間を比較することが好ましい。これにより、より正確な比較、及び順位付けが可能となる。
【0016】
目的地設定手段は、順位付け手段で順位付けがなされた複数の位置情報に基づいて目的地を設定する。例えば、現在位置から目的地までの距離に基づいて順位付けした場合であって、距離が短い順に順位付けを行った場合には、現在位置から目的地までの距離が最も短い目的地が最初の目的地として設定されることになる。
【0017】
ここで、本発明は、渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段と、前記渋滞情報取得手段で取得された渋滞情報を記憶する渋滞情報記憶手段と、を更に備え、前記順位付け手段は、前記渋滞情報取得手段で取得したリアルタイムの渋滞情報と、前記渋滞情報記憶手段に記憶されている渋滞情報とを考慮して、前記複数の位置情報の順位付けを行うようにしてもよい。
【0018】
渋滞情報取得手段は、渋滞情報を取得する。渋滞情報の取得は、例えば、従来のナビゲーション装置に備えられているVICS(Vehicle Information and Communication System)機能を利用すればよい。順位付けを行うに際して、渋滞情報を考慮することでより適切な順位付けを行うことができる。ここで、例えば、VICSを利用して渋滞情報を取得する場合、リアルタイムな渋滞情報は、タイムラグが発生するなど、実際の混雑状況と取得した渋滞情報との間に誤差が生じる虞がある。そこで、本発明では、順位付けに際し、リアルタイムの渋滞情報だけでなく、過去の渋滞情報を考慮することとした。渋滞情報記憶手段は、渋滞情報取得手段で取得された渋滞情報を記憶する。例えば、渋滞情報記憶手段は、誘導経路毎の混雑状況を曜日や時間帯に分けて記憶する。混雑状況は、例えば、混雑、順調といったように段階的に記憶すればよい。位置情報の順位付けを行うに際して、このような渋滞情報記憶手段に記憶されている過去の渋滞情報を考慮することで、より適切な順位付けを行うことができる。
【0019】
ここで、本発明は、上述したナビ制御装置が搭載されるナビゲーション装置としてもよい。具体的には、本発明は、携帯端末から転送される複数の位置情報から、目的地を設定するナビ制御部と、前記ナビ制御部で設定される目的地までの経路を表示する表示部と、を備えるナビゲーション装置であって、前記ナビ制御部は、前記携帯端末から転送される複数の位置情報を受け付ける受付手段と、前記ナビゲーション装置の現在位置に関する現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、前記現在位置情報取得手段で取得された現在位置情報と前記受付手段で受け付けた複数の位置情報とを比較し、現在位置から目的地までの距離と現在位置から目的地までの所要時間とのうち少なくともいずれか一つを含む所定の条件に基づいて、前記複数の位置情報の順位付けを行う順位付け手段と、前記順位付け手段で順位付けた位置情報に基づいて目的地を設定する目的地設定手段と、を有する。
【0020】
また、本発明は、上述したナビゲーション装置と、携帯端末と、サーバとを備える目的地設定システムとしてもよい。上述したナビゲーション装置と、携帯端末と、サーバとを一つのシステムとして機能させることで、例えば、不動産業者の営業、ボトリングの巡回、保険業務の営業など、車両を用いた商用サービスにおける業務の効率を向上することが
できる。
【0021】
ここで、上述した態様では、ナビゲーション装置側で順位付けを行ったが、例えばVICSは、タイムラグが発生することも考えられ、サーバの方がナビゲーション装置よりもリアルタイムな情報を取得できる場合がある。そこで、本発明は、上述した態様とは異なる態様として、複数の位置情報を携帯端末へ送信する際に、サーバ側で順位付けを行うようにしてもよい。より詳細には、本発明は、サーバで管理される情報に含まれる位置情報を携帯端末を介してナビゲーション装置に転送して該ナビゲーション装置の目的地を設定する目的地設定システムであって、前記サーバは、前記ナビゲーション装置の目的地を設定するための複数の位置情報を取得するサーバ側位置情報取得手段と、前記サーバ側位置情報取得手段で取得された複数の位置情報の順位付けを行うサーバ側順位付け手段と、前記順位付け手段によって順位付けがされた複数の位置情報をメールに記述して送信するメール送信手段と、を備える。そして、前記携帯端末は、前記メール送信手段によって送信されたメールを受信する受信手段と、前記受信手段で受信されたメールに記述されている複数の位置情報を前記ナビゲーション装置に転送する転送手段と、を備える。また、前記ナビゲーション装置は、前記携帯端末から転送される複数の位置情報から、目的地を設定するナビ制御部と、前記ナビ制御部で設定される目的地までの経路を表示する表示部と、を備える。更に、前記ナビ制御部は、前記携帯端末から転送される複数の位置情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた複数の位置情報であって、前記サーバによって順位付けがされた位置情報に基づいて目的地を設定する目的地設定手段と、を有する。
【0022】
本発明では、サーバ側で複数の位置情報の順位付けが可能である。この順位付けを行う複数の位置情報は、例えば、他のコンピュータから取得することができる。他のコンピュータには、法人であれば営業所等に設置されるコンピュータ、個人であれば自宅等に設置されるコンピュータが例示される。また、他のコンピュータは、携帯端末であってもよい。これら他のコンピュータから例えばメール等に記述してサーバに送信することで、サーバ側位置情報取得手段は、複数の位置情報を取得することが可能となる。また、順位付けを行う複数の位置情報は、上述したナビ制御装置の受付手段で受け付けた複数の位置情報であってもよい。
【0023】
サーバ側順位付け手段は、取得された位置情報の順位付けを行う。位置情報の順位付けは、例えば、サーバで取得される渋滞情報と目的地までの所要時間情報とのうちの少なくとも一方を含む順位付け基準情報に基づいて行うことができる。なお、サーバのメール送信手段や、携帯端末の受信手段、転送手段、ナビゲーション装置のナビ制御部、表示部等については、上述したナビゲーション装置側で順位付けを行う態様における構成と基本的には同じであることから説明を省略する。
【0024】
ここで、サーバ側順序変更手段は、前記携帯端末からの問い合わせがあった際に、前記順位付けを再度実行するようにしてもよい。すなわち、携帯端末からの問い合わせをトリガとして、順位付けを実行してもよい。これにより、必要な時に、順位付けを実行することができる。必要な時とは、例えば、ナビゲーション装置のVICSの受信状況が低下している場合が例示される。
【0025】
また、前記位置情報は、現在位置に関する現在位置情報と目的地に関する目的地情報に加えて、経由地に関する経由地情報を含んでいてもよい。これにより、目的地の設定だけでなく、目的地までのルートを設定することが可能となる。
【0026】
なお、本発明は、上述した目的地設定システムを構成するサーバ若しくはナビゲーション装置としてもよい。また、上述したナビ制御装置、サーバ、携帯端末で実行される処理
を実現させる方法、又はプログラムであってもよい。更に、本発明は、そのようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。この場合、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。なお、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、複数の位置情報を携帯端末を用いてナビゲーション装置に転送する技術において、ユーザの操作負担を軽減することでより利便性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明のナビ制御装置、ナビゲーション装置、目的地設定システムの実施形態について説明する。なお、以下の説明では、本発明の目的地設定システムを不動産業者の営業業務に適用した場合を例に説明する。従って、本発明のナビ制御装置が搭載されたナビゲーション装置は、不動産業者の営業担当者が運転する車両に搭載されている。
【0029】
[第一実施形態]
<構成>
図1は、第一実施形態の目的地設定システムの概略構成を示す。同図に示すように、本実施形態の目的地設定システム1は、サーバ2と、携帯端末3と、車両5に搭載されたナビゲーション装置4と、によって構成されている。
【0030】
(サーバ)
図2は、サーバ2の機能ブロック図を示す。サーバ2は、CPU(中央演算処理装置)11、制御部11a、操作部14、表示部15から構成されている。制御部11aは、メモリ13、記憶部(ハードディスクドライブ)12、抽出部16、抽出された複数の所定の情報をメールに記述して送信するメール送信部17から構成されている。
【0031】
CPU11は、バスを介して上述した記憶部12等の各ハードウェアと接続され、記憶部12等のハードウェアを制御すると共に、例えばメモリ13としてのROMに格納された制御プログラムに従って、所定の処理を実行する。
【0032】
記憶部12は、ハードディスクドライブにより構成することができる。メモリ13は、揮発性のRAM(Random Access Memory)と、不揮発性のROM(Read Only Memory)を含む。ROMには、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能な半導体メモリを含む。
【0033】
操作部14は、コンピュータの入力装置、例えば、キーボード、ポインティングデバイス等が含まれる。表示部15は、例えば、液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、CRT(Cathode Ray Tube)、エレクトロルミネッセンスパネル等である。
【0034】
記憶部12は、予め位置情報が関連付けられている情報を格納する。ここで、図3は、記憶部12に格納されるデータベースの一例を示す。図3は、不動産業者用の営業業務用のデータベースであり、このデータベースは、担当者名、物件名、物件毎のURL(Uniform Resource Locator)、経度緯度、住所、電話番号、築年数、最寄り駅からの時間、間取り、納期情報によって構成されている。納期情報とは、大家との鍵の受け渡しの約束時間や、物件を見学する際のお客の見学時間等である。なお、本実施形態の目的地設定システム1は、ボトリングの巡回、保険業務の営業など、商用サービス毎のデータベースを予
め設けることで、様々な業種への対応が可能となる。
【0035】
抽出部16は、不動産業者の営業担当者又は営業担当者に業務を振り分ける管理者により入力された検索条件(住所、電話番号、築年数、最寄り駅からの時間、間取り等)に基づいて、記憶部12に格納されている情報から目的地となる物件情報を抽出する。
【0036】
メール送信部17は、抽出された複数の物件情報をメール(電子メール)に記述して送信する。メールの形式は、特に限定されず、テキスト形式、HTML(HyperText Markup
Language)形式のいずれであってもよい。メールに記述する情報は、携帯端末3からナビゲーション装置4に転送した際に、ナビゲーション装置4において目的地を設定するための情報として、少なくとも位置情報(経度緯度)を含んでいる。また、単に経度緯度だけでは、どこの位置情報か識別できないため、名称(例えば、物件名)やURL等と共に記述することが好ましい。また、営業担当者毎の物件情報が管理されるURL、送信されたメールに貼り付けられた送信ボタン29を押すことで、経度緯度の送信を可能とするためのコマンドを記述してもよい。なお、他の情報(例えば、築年数、最寄り駅からの時間、間取り)についてもナビゲーション装置4の表示部に表示することで情報源として活用することができる。更に、上記メールには、メールに記述されている複数の位置情報を携帯端末3からナビゲーション装置4へ転送するコマンドを記述しておくことが好ましい。これにより、携帯端末3からナビゲーション装置4への転送を容易に行うことができる。すなわち、携帯端末3において、位置情報を転送するための独自のアプリケーションプログラムを新たに立ち上げるといったことを行うことなく、複数の位置情報の転送を一度に行うことができる。
【0037】
(携帯端末)
図4は、携帯端末3の機能ブロック図を示す。図4に示すように、携帯端末3は、CPU(中央演算処理装置)21、制御部21a、操作部24、表示部25、外部機器と接続可能なインターフェース部26から構成されている。携帯端末3の制御部21aは、メモリ23、受信部27、転送部28から構成されている。
【0038】
CPU21は、バス20を介して上述したメモリ23等の各ハードウェアと接続され、記憶部22等のハードウェアを制御すると共に、例えばメモリ23としてのROMに格納された制御プログラムに従って、所定の処理を実行する。メモリ23は、揮発性のRAMと、不揮発性のROMとを含む。操作部24は、携帯端末3を操作するのに必要な一般的な操作ボタンであればよく、タッチディスプレイ方式であってもよい。本実施形態のインターフェース部26は、ナビゲーション装置4と通信可能な赤外線ポートによって構成されている。但し、インターフェース部26は、ナビゲーション装置4と電気的に接続可能なものであればよく、有線、無線を問わない。インターフェース部26は、ケーブルを接続するコネクタであってもよく、また、ブルトゥースの送信部であってもよい。
【0039】
メモリ23は、携帯端末3に必要な各種制御プログラムを格納する。また、メモリ23は、サーバ2から送信された複数の位置情報を一時的に格納することもできる。受信部27は、サーバ2から送信されたメールを受信する。また、転送部28は、受信部27で受信したメールに記述されている複数の位置情報を赤外線通信によってナビゲーション装置4に転送する。なお、受信部27及び転送部28は、CPU21上で実行されるコンピュータプログラムとして構成することができる。また、受信部27及び転送部28は、専用のプロセッサとして構成してもよい。
【0040】
ここで、図5は、サーバ2からある営業担当者の携帯端末3に送信されたメールの表示状態の一例を示す。同図に示すように、携帯端末3の表示部25には、物件名と、物件毎の納期情報、「物件情報を取得しますか」とのコメント、営業担当者毎の物件情報が管理
されるURL情報が表示されている。なお、このようなメールは、例えばサーバ2によって、所定の時間(例えば、毎朝8時)に自動送信される。送信時間は、サーバ2側で適宜変更できる。また、メールの送信は、自動送信ではなく、営業担当者に業務を振り分ける管理者が、所望の時間に手動で送信してもよい。
【0041】
本実施形態においては、図5に示す携帯端末3の表示部25に表示されるURLを選択することでWebページへの移行が可能である。図6は、営業担当者が自分の担当である物件を取得する場合に必要なURLを選択した際に携帯端末3の表示部25に表示されるWebページの一例を示す。図6に示すWebページには、物件情報と、物件情報毎の納期情報と、「赤外線通信を開始しますか?」とのコメントと、物件情報の夫々に関連付けられている位置情報の送信を実行する送信ボタン29が表示されている。なお、Webページでは、物件情報が納期情報に基づいて、納期時間が早い順に並び換えられている。不動産業者の営業担当者は、Webページに表示されている物件を確認し、この内容でよければ、送信ボタン29を押すことでナビゲーション装置4に対して、複数の位置情報を同時に転送することができる。なお、ナビゲーション装置4では、携帯端末3からの位置情報の受け付けを可能とする為、予め赤外線通信を可能な状態にしておく必要がある。
【0042】
なお、営業担当者が自分の担当である物件を取得する場合に必要なURLを選択し、Webページが表示されるまでの間に新たな物件情報が入ったような場合、新たな物件情報もWebページに表示されるようにすることができる。また、Webページ上では、携帯端末3の操作部を介して物件情報の順序を並び替えることもできる。
【0043】
(ナビゲーション装置)
次に車両5に搭載されるナビゲーション装置4について説明する。図7は、ナビゲーション装置4の概略構成を示す。ナビゲーション装置4は、ディスク再生部31と、メモリカード再生部32と、TV受信部33と、ラジオ受信部34と、ディスプレイ35と、GPS情報受信部36と、操作部37と、赤外線通信部38と、これらと電気的に接続されるナビ制御部30と、により構成されている。
【0044】
ディスク再生部31は、CDやDVD等の光ディスクに記録されているコンテンツデータを再生する。ディスク再生部31は、CD/DVDデッキによって構成することができる。メモリカード再生部32は、USBメモリ、SDメモリカードといったナビゲーション装置4に着脱可能な移動型記憶媒体に格納されているコンテンツデータを再生する。TV受信部33は、DTV(Digital Television)放送やワンセグ放送を受信する。TV受信部33は、既存のチューナによって構成することができる。ラジオ受信部34は、FM放送、AM放送、VICS情報等を受信する。ラジオ受信部34は、既存のチューナによって構成することができる。ディスプレイ35は、地図情報、誘導経路の他、例えば位置情報と共に携帯端末から転送された各種情報(例えば、築年数、最寄り駅からの時間、間取り)を表示する。ディスプレイ35は、タッチパネル方式であることが好ましいが、既存の様々なディスプレイを適用することができる。GPS情報受信部36は、GPS情報を受信する。GPS情報受信部36は、既存のGPS用受信アンテナによって構成することができる。操作部37は、ユーザの操作に応じて、操作ボタンに対応する電気信号をナビ制御部30へ送信する。操作部36は、ナビゲーション装置4に設けてもよく、また、遠隔操作を可能とするリモートコントローラであってもよい。赤外線通信部38は、携帯端末3から出力される赤外線を受信する。
【0045】
なお、ナビゲーション装置4は、車両5に対して取り外し可能ないわゆるポータブルナビであってもよい。その場合には、ナビゲーション装置4は、上記に加えて、スピーカやメモリカードを内蔵する構成とすればよい。スピーカは、ディスク再生部31やメモリカード再生部32で再生される音声を出力する。メモリカードには、USBメモリ、メモリ
カードといった移動型記憶媒体が例示される。
【0046】
次に、上記ナビゲーション装置4に搭載されるナビ制御部30ついて説明する。図8は、ナビ制御部30の機能ブロック図を示す。なお、図8に示す機能ブロック図では、上述したディスク再生部31やメモリカード再生部32を制御する制御部については、図示を省略するものとする。
【0047】
図8に示すように、ナビ制御部30は、受付部41と、現在位置情報取得部42と、順位付け部43と、渋滞情報取得部44と、渋滞情報記憶部45と、目的地設定部46と、によって構成されている。なお、ナビ制御部30は、CPU、メモリ等を含むコンピュータとコンピュータ上で実行されるプログラムによって実現することができる。
【0048】
受付部41は、赤外線通信部38で受信した携帯端末3からの赤外線を通じて複数の位置情報(物件AからEの経度緯度)と、位置情報毎の納期情報とを受け付ける。なお、位置情報及び納期情報以外の情報についても、受付部41が受け付けることができる。現在位置情報取得部42は、ナビゲーション装置4の現在位置に関する現在位置情報をGPS情報受信部36から取得する。順位付け部43は、納期情報を優先した上で、現在位置情報取得部42で取得された現在位置情報と受付部41で受け付けた複数の物件情報の位置情報(物件AからEの経度緯度)とを比較し、現在位置から目的地までの距離と現在位置から目的地までの所要時間とのうち少なくともともいずれか一つを含む所定の条件に基づいて、位置情報の順位付けを行う。目的地設定部46は、位置情報の順位付けと、後述する渋滞情報取得部44で取得されたVICS情報、渋滞情報記憶部45に記憶された渋滞情報に基づいて最初の目的地を設定する。なお、順位付け部43の処理フローについては、後述する。
【0049】
渋滞情報取得部44は、渋滞情報を取得する。すなわち、渋滞情報取得部44は、ラジオ受信部34で受信したVICS情報を取得する。渋滞情報記憶部45は、渋滞情報取得部44で取得した渋滞情報を記憶する。ここで、図9は、渋滞情報のデータベースの一例を示す。図9に示すデータベースは、誘導経路(ルート)毎の混雑状況が段階的に表現されることで構成されている。また、混雑状況は、時間帯、曜日毎に区分けされている。なお、混雑レベルは、混雑レベル5が最も混雑する状態を示している。このように取得した渋滞情報をデータベース化し、位置情報の順位付けの際に渋滞情報を考慮することで、VICS情報受信時のタイムラグ等による誤差に左右されない、より適正な順位付けを行うことが可能となる。
【0050】
なお、渋滞情報取得部44は、揮発性のRAMと、不揮発性のROMとを含む。また、ナビ制御部30は、受付部41と、現在位置情報取得部42と、順位付け部43と、渋滞情報取得部44の夫々は、CPU30a上で実行されるコンピュータプログラムとして構成することができる。また、これらは、専用のプロセッサとして構成してもよい。
【0051】
<処理フロー>
次に本実施形態の目的地設定システム1で行われる目的地設定処理フローについて説明する。図10は、目的地設定システム1で行われる目的地設定処理フローを示す。
【0052】
不動産業者の営業担当者又は営業担当者に業務を振り分ける管理者により操作部14から検索条件が入力されると、目的地設定処理フローが開始される。操作部14から検索条件が入力されて、目的地設定処理フローが開始されると、抽出部16は、記憶部12に格納されている物件情報(図3参照)から検索条件に合致する物件情報を複数抽出する(ステップS01)。物件情報の抽出が完了すると、ステップS02へ進む。
【0053】
抽出された複数の所定の物件情報(本実施形態では、物件AからEに関する情報)がメール(電子メール)に記述され、送信される(ステップS02)。すなわち、サーバ2のメール送信部17によって、物件AからEの夫々に対応する経度緯度、納期情報がメールに記述される。経度緯度に加えて、営業担当者毎の物件情報が管理されるURL、送信されたメールに貼り付けられた送信ボタン29を押すことで、経度緯度や納期情報を送信を可能とするためのコマンドも、メール送信部17によって記述される。メールへの記述が完了すると、経度緯度等が携帯端末3へ送信される。メールの送信が完了すると、ステップS03へ進む。
【0054】
なお、本実施形態では検索条件に従って、サーバ2が自動的に物件情報(物件AからEに関する情報)を抽出し、抽出された物件情報がメールに記述されて送信されているが、例えば、サーバ2にアクセス可能な者(例えば、営業担当者に業務を振り分ける管理者)が、データベースを参照し、手動で所定の情報をピックアップし、メールに記述して送信するようにしてもよい。
【0055】
ステップS03では、携帯端末3の受信部27によって、サーバ2から送信されたメールが受信される。受信したメール画面に表示されているURLへアクセスすると、携帯端末3の表示部25にはWebページが表示される(図6参照。)次にステップ04では、Webページに設けられている送信ボタン29が押されることで、Webページに表示されている複数の位置情報が赤外線通信によってナビゲーション装置4に転送される。ナビゲーション装置4への位置情報の転送が完了すると、ステップS05へ進む。なお、本実施形態では、営業担当者毎の物件情報が管理されるURLへ一度アクセスし、Webページに設けられている送信ボタン29によって位置情報を転送しているが、サーバ2から送信されるメールに送信ボタン29を設けておき、メール画面から直接、位置情報を転送するようにしてもよい。
【0056】
ステップS05では、ナビゲーション装置4の受付部41によって、赤外線通信部38で受信した携帯端末3からの赤外線を通じて複数の位置情報(物件AからEの経度緯度)、物件毎の納期情報が取得される。ナビゲーション装置4の受付部41による位置情報等の取得が完了するとステップS06へ進む。
【0057】
ステップS06では、納期情報を優先した上で、現在位置情報取得部42で取得された現在位置情報と受付部41で受け付けた複数の位置情報とが比較され、所定の条件に基づいて位置情報の順位付けが行われる。より具体的には、順位付け部43によって、GPS情報受信部36で受信された現在位置情報(経度緯度)と受付部41で取得した複数の位置情報(物件AからEの経度緯度)とが比較され、距離が短い順に順位付けが行われる。例えば、現在位置から物件Bまでの距離が最も短い場合、物件Bが最初の目的地となる。
【0058】
なお、現在位置情報の取得は、ステップS05、06による処理とは、別の処理として、所定の間隔で繰り返される。すなわち、現在位置情報は、現在位置情報取得部42によって、随時取得される。順位付け部43は、このように所定の間隔で取得された現在位置情報と受付部41で取得した複数の位置情報とを比較することで順位付けを行う。
【0059】
次に、ステップ07では、ステップ06で順位付けされた位置情報に対して、現在(リアルタイム)の渋滞情報が考慮される。すなわち、順位付け部43により、渋滞情報取得部44で取得された現在の渋滞情報が考慮され、必要に応じて再度順位付けが行われる。つまり、順位付け部43は、現在の渋滞情報を考慮すると、ステップS06で実行した位置情報の順位付けが適当でないと判断した場合、渋滞情報を考慮した順位付けを再度実行する。現在の渋滞情報を考慮した順位付けが完了すると、ステップS08へ進む。
【0060】
ステップ08では、渋滞情報記憶部45に記憶されている過去の渋滞情報が考慮される。すなわち、順位付け部43により、現在の渋滞情報が考慮された順位付けに対して、更に過去の渋滞情報が考慮され、必要に応じて再度順位付けが行われる。例えば、ステップS06において、物件Bを最初の目的地として順位付けし、現在の渋滞情報では、特に混雑していなかった場合であっても、物件Eまでの誘導経路としてルートEが選択されており、物件の案内が土日祝日の午後であるような場合(図10参照)、混雑レベルを考慮して再度順位付けが行われる。その結果、例えば、物件C、物件B、物件A、物件D、物件Eといった順位付けが行われる。このように、現在の渋滞情報のみならず、過去の渋滞情報をも考慮することで、タイムラグ等による誤差に左右されない、より適正な順位付けを行うことが可能となる。過去の渋滞情報を考慮した順位付けが完了したらステップS09へ進む。
【0061】
なお、渋滞情報の取得は、ステップS05からステップS07による処理とは、別の処理として、所定の間隔で繰り返される。すなわち、渋滞情報は、渋滞情報取得部44が、例えば5分間隔で取得されるVICS情報を取得することで行われる。また、本実施形態では、取得された渋滞情報が、渋滞情報記憶部45に随時記憶される(図9参照)。従って、渋滞情報記憶部45への渋滞情報の記憶、すなわち図9に例示されるデータベースの生成処理も、ステップS05からステップS07による処理とは、別の処理として行えばよい。
【0062】
ステップS09では、順位付けが実行された位置情報に基づいて目的地の設定が行われる。例えば、ステップS08において、物件C、物件B、物件A、物件D、物件Eといった順位付けが行われた場合、目的地設定部46によって、最初の目的地が物件Cと設定され、経路案内が開始される。物件Cへの経路案内が完了すると、次の目的地として設定されている物件Bの経路案内が開始されることになる。なお、図11は、ナビゲーション装置4のディスプレイ35の表示状態を示す。ディスプレイ35には、現在地から最初の目的地として設定された物件Cまでの経路と、その他の物件(物件C、物件B、物件A、物件D、物件E)が表示されている。
【0063】
<効果>
以上説明した本実施形態の目的地設定システム1によれば、複数の位置情報を携帯端末から同時に受け付けることができるので、その都度目的地を設定するといった煩わしさを解消することができる。また、本実施形態の目的地設定システム1によれば、現在位置から目的地までの距離に基づいて順位付けをした上で目的地が設定されるので、複数の位置情報の優先順位を不動産業者の営業担当者が自ら順位付けする必要がなく、不動産業者の営業担当者の操作負担を軽減することができる。したがって、不動産業者の営業業務の効率化を図ることができる。
【0064】
なお、上述した実施形態では、不動産業者の営業に適用した場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。目的地設定システムは、例えば、ボトリングの巡回、保険業務の営業にも好適に用いることができる。また、例えばレンタカーに本発明のナビゲーション装置を搭載することで、一般ユーザが行楽地巡りをしたいような場合に好適に活用することができる。
【0065】
[第二実施形態]
次に第二実施形態に係る目的地設定システムについて説明する。第二実施形態においても、目的地設定システムを不動産業者の営業業務に適用した場合を例に説明する。第二実施形態に係る目的地設定システムは、第一実施形態と異なり、営業所に設置されたデータ処理装置100によって、営業担当者が回る物件リストを巡回リスト(複数の位置情報を含む)として作成し、これを営業担当者の携帯端末へ送信する。また、第二実施形態に係
る目的地設定システムは、データ処理装置100から送信された巡回リストに含まれる複数の位置情報(複数の物件)の順序がサーバ2aによって順位付けされることを主な特徴とする。以下、具体的に説明する。なお、第一実施形態において説明した構成と同様の構成については、同一の符号を付すことでその詳細な説明は省略するものとする。
【0066】
<構成>
図12は、第二実施形態の目的地設定システムの概略構成を示す。同図に示すように、本実施形態の目的地設定システム1aは、サーバ2aと、携帯端末3と、車両5に搭載されたナビゲーション装置4と、データ処理装置100と、によって構成されている。
【0067】
(データ処理装置)
図13は、データ処理装置100のハードウェア構成を示す。データ処理装置100は、例えば、パーソナルコンピュータと、パーソナルコンピュータで実行されるコンピュータプログラムによって実現される。また、このデータ処理装置100は、複数のパーソナルコンピュータにサービスを提供するサーバ上のプログラムとして実現してもよい。また、データ処理装置100は、複数のコンピュータが連携して機能を提供するコンピュータシステムとして実現してもよい。例えば、1以上のデータベースサーバと、1以上のシミュレータと、1以上のウェブサーバとによって、データ処理装置100を実現してもよい。
【0068】
本実施形態に係るデータ処理装置100は、CPU101と、メモリ102と、各種インターフェース103、105、107、109、111、113と、これらのインターフェースを通じてCPU101に接続される周辺装置とを含む。図13では、周辺装置の例として、ハードディスク104、入力装置106、表示装置108、ネットワークインターフェース110、着脱可能記憶媒体駆動装置112、およびメモリカード・リーダ・ライタ117が示されている。
【0069】
CPU101は、メモリ102に展開されたプログラムを実行し、データ処理装置100の機能を提供する。メモリ102は、CPU101が実行可能な形式でプログラムを保持する。また、メモリ102は、CPU101が処理するデータを保持する。メモリ102は、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリーメモリ)等である。ただし、メモリ102として、フラッシュメモリを用いてもよい。
【0070】
ハードディスク駆動装置104は、ハードディスクにアクセスし、CPU101が処理したデータ、CPU101で実行されるプログラム等を記憶する。入力装置106は、例えば、キーボード等の文字入力装置、マウス等のポインティングデバイスなどである。表示装置108は、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスパネル等である。
【0071】
ネットワークインターフェース110は、例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク)基板である。着脱可能媒体駆動装置112は、例えば、CD一ROM、DVD、フラッシュメモリカード等の駆動装置である。なお、CPU101で実行されるプログラムは、通常、ネットワークインターフェース110、あるいは、着脱可能記憶媒体駆動装置112を通じて、ハードディスクに保存され、メモリ102に展開される。メモリカード・リーダ・ライタ117の構成および作用は、カードメモリインターフェース17と同様である。
【0072】
(データ処理装置の画面例)
次にデータ処理装置100が、ナビゲーション装置4に表示する画面例について説明する。図14は、巡回リストを構成する位置情報を管理する位置情報管理画面200の例で
ある。図14では、位置情報管理画面200に加えて、さらに、編集入力画面250が位置情報管理画面200の下方に表示されている。
【0073】
位置情報管理画面200は、メニューバー202と、タブ表示部203と、リスト表示欄206と、リスト表示欄206を操作する操作ボタン列204とを含んでいる。このリスト表示欄206には、データ処理装置100で管理されている位置情報の一覧が表示される。これらの位置情報は、入力装置106(例えば、キーボード)から、マニュアル操作で入力することもできる。また、ネットワークインターフェース110あるいは着脱可能記憶媒体駆動装置112を通じて、外部からCSV(Comma Separated Value format)ファイルの形式で入力データ処理装置100に入力することもできる。
【0074】
リスト表示欄206に示されているように、本実施形態において位置情報は、書き込みフラグ、名前、よみ、都道府県、市町村1、市町村2、町域、丁目、戸番、電話番号、アイコン、ジャンル、タイプ、変換の各フィールドを有している。なお、データ処理装置100が、ハードディスク上に有する位置情報ファイルの構造も、リスト表示欄206に表示された位置情報の構成と同様である。リスト表示欄206の1つの行が、1つの位置情報を表示している。
【0075】
書き込みフラグのフィールド(図14では、チェックボックスが表示されている)には、その位置情報が、巡回リストとして送信する対象であるか否かを指定できる。なお、書き込みフラグをチェックした状態で、メニューバー202のファイルメニューからプルダウンメニューを表示し、「メモリカードへ書き込む」というメニュー項目を実行すると、メモリカードへの書き込みを実行することもできる。ナビゲーション装置4側にメモリカードが挿入可能な場合、そのメモリカードをナビゲーション装置4に挿入することで、メモリカードに格納されている位置情報を目的地として設定することも可能である。
【0076】
名前は、位置情報の名称である。名前は、ユーザが、地点を認識するための識別情報として用いられる。但し、名前は、地点に位置する施設の名称ということもできる。例えば、名前は、「物件A」という不動産名、「物件B」という不動産名(アパートやマンション名、若しくは施工業者名によって特定される物件名)である。よみは、名称の読みをひらかなであらわした文字列である。都道府県は、その地点が位置する都道府県である。市町村1には、市町村名を設定する。市町村2には、区が存在する場合に、区の名称を設定する。町域は市町村内に、さらに町名あるいは地区名がある場合に、その名称を設定する。丁目および戸番には、丁目および番地等を設定する。電話番号には、その地点の施設に電話がある場合に、その電話番号を設定する。アイコンは、その地点の位置を画面に表示する画像記号(グラフイックオブジエクトともいう)である。アイコンが表示される地図上の位置が、地点の緯度、および経度の位置である。位置情報が、ナビゲーション装置4に書き込まれ、その地点に経路誘導される場合に、アイコンが表示される地図上の位置が、経路誘導の目的地となる。リスト表示欄206のアイコンのフィールドには、その画像記号が縮小して表示される。このアイコンの画像は、データ処理装置100が提供するアイコンのリストから選択することができる。
【0077】
ジャンルは、その位置情報の地点に位置する施設を分類する分類区分を示す情報である。本実施形態では、ジャンルとして不動産が表示されているが、ジャンルは、例えば、飲食店、動物園、水族館、テーマパーク、コンビニエンスストア、ゴルフ場等でもよい。タイプは、位置情報が、組織間で共通に利用されるデータか、組織個別に使用するデータかを示す。組織とは、例えば、1つの企業である。すなわち、「個別」の場合には、当該企業だけでプライベートに利用されるデータであることを示す。個別のデータには、例えば、企業の訪問先、営業所、レンタカーの返却先等を例示できる。
【0078】
タブ表示部203には、表示するデータを選択するためのタブが表示される。例えば、営業所データというラベルの付されたタブによって、営業所データをリスト表示欄206に表示することができる。また、施設データいうラベルの付されたタブによって、施設データをリスト表示欄206に表示することができる。
【0079】
操作ボタン列204には、リスト表示欄206に表示された位置情報に対する操作ボタンが定義されている。図14の例では、ナビゲーション装置4に追加する位置情報として、営業所データと、施設データとに区分して、データ処理装置100で管理している。また、例えば、全選択ボタンを入力装置106としてのマウスで押下することによって、リスト表示欄206に表示されたすべての位置情報の書き込みフラグのチェックボックスにチェックマークが設定される。逆に、全解除ボタンを押下することによって、すべてのチェックマークが解除される。これにより、巡回リストを容易に生成することができる。
【0080】
ここで、図15は、巡回リストの一例を示す。データ処理装置100によれば、データ処理装置100で作成された位置情報若しくは予め格納されている位置情報に基づいて、巡回リストの作成が可能である。本態様では、巡回リストが、名称と経度・緯度によって構成されているが、ナビゲーション装置4で読み取り可能であればよく、電話番号等であってもよい。
【0081】
(サーバ)
次に、第二実施形態に係るサーバについて説明する。図16は、サーバ2aの機能ブロック図を示す。サーバ2aは、CPU(中央演算処理装置)11、制御部11a、操作部14、表示部15、インターフェース部18から構成されている。制御部11aは、メモリ13、記憶部(ハードディスクドライブ)12、抽出部16、メール送受信部17a、位置情報取得部19、サーバ側順位付け部19a、基準情報取得部19bから構成されている。
【0082】
第一実施形態に係るサーバ2と異なる点について説明する。メール送受信部17aは、データ処理装置100から送信されるメールをインターフェース部18を介して受信する。位置情報取得部19は、受信したメールから巡回リストを構成する複数の位置情報を取得し、記憶部12又はメモリ13に格納する。換言すると、データ処理装置100によって作成・送信された巡回リストが、サーバ2aの記憶部12またはメモリ13に格納される。また、メール送受信部17aは、順位付けが実行されると、順位付け後の巡回リストをメールに記述してインターフェース部18を介して送信する。メールの形式は、特に限定されず、テキスト形式、HTML(HyperText Markup Language)形式のいずれであってもよい。なお、メール送受信部17a及び位置情報取得部19は、本発明のサーバ側位置情報取得手段を構成する。
【0083】
サーバ側順位付け部19aは、後述する基準情報取得部19bで取得される基準情報に基づいて複数の位置情報の順位付けを行う。順位付けは、基準情報取得部19bが取得する、渋滞情報や目的地までの所要時間情報に基づいて行うことができる。本態様では、データ処理装置100からのメールに含まれる巡回リストを構成する複数の位置情報の順位付けが行われるが、順位付けを行う対象はこれに限定されない。サーバ側順位付け部19aは、抽出部16で抽出された位置情報の順位付けを行うこともできる。順位付けの詳細については後述する。
【0084】
(携帯端末・ナビゲーション装置)
第二実施形態に係る目的地設定システム2aにおいても、携帯端末3及びナビゲーション装置4の構成は、第一実施形態に係る目的地設定システムと同じである。従って、説明は省略する。
【0085】
<処理フロー>
次に第二実施形態に係る目的地設定システム1aで行われる目的地設定処理フローについて説明する。図17は、第二実施形態に係る目的地設定処理フローを示す。
【0086】
ステップS21では、データ処理装置100を用いて巡回リストの作成が行われる。すなわち、不動産業者の営業担当者又は営業担当者に業務を振り分ける管理者が、データ処理装置100の表示装置108に表示される画面を見ながら入力装置106を操作することで巡回リストが作成される(図14参照)。巡回リストの作成が完了するとステップS22へ進む。
【0087】
ステップS22では、作成された巡回リストがメールによって送信される。すなわち、複数の位置情報(本態様では、不動産の位置情報)がメールに記述されて送信される。ここで、図18は、作成した巡回リストをメールに記述する管理画面の一例を示す。地点情報管理画面200(図14参照)のタブ表示部203の巡回リストボタンが押されると図18の画面に切り替わる。図18に示す画面では、作成された巡回リストの他、メール作成ボタンが設けられている。このメール作成ボタンが押されると巡回リストを構成する複数の位置情報がメールに記述される。図19は、送信されるメールのテンプレートの一例を示す。図18に示す管理画面においてメール作成ボタンが押されると図19に示す画面が立ち上がる。図19に示す画面においてメール送信ボタンが押されると、記述された複数の位置情報が送信される。なお、本態様では、データ処理装置100で巡回リストが作成される際に、巡回リストの作成者(不動産業者の営業担当者又は営業担当者に業務を振り分ける管理者)によって予め順位付けがされている。すなわち、本態様では、物件A、物件B、物件Cの順序に順位付けがされている。メール送信が完了すると、ステップS23へ進む。
【0088】
ステップS23では、サーバ2aのメール送受信部17aによってメールがインターフェース部18を介して受信される。すなわち、データ処理装置100で作成された巡回リストを含むメールが受信される。続いてステップS24では、位置情報取得部19によって、受信したメールから巡回リストを構成する複数の位置情報が取得され、記憶部12又はメモリ13に格納される。位置情報の取得が完了するとステップS25へ進む。
【0089】
ステップS25では、サーバ側順位付け部19aにより、巡回リストを構成する複数の位置情報の順位付けが行われる。すなわち、サーバ側順位付け部19aは、基準情報取得部19bによって取得された基準情報に基づいて、巡回リストを構成する複数の位置情報の順位付けを行う。基準情報とは、例えば、渋滞に関する渋滞情報や目的地までの所要時間に関する所要時間情報である。基準情報は、基準情報取得部が、基準情報を提供するサーバにアクセスして取得してもよく、また、基準情報を提供するサーバから配信してもらうことで取得してもよい。本態様では、データ処理装置100で巡回リストが作成される際に、物件A、物件B、物件Cといった順位付けが予め行われている。例えば、物件Bへのルートに渋滞が発生しているような場合であって、物件Cを先に案内した方が効率がよい場合には、サーバ側順位付け19aは、物件A、物件C、物件Bといったように順位付けを行う。これにより、データ処理装置100で巡回リストを作成する際には、認識していなかった情報(例えば渋滞情報等)を考慮した順位付けをサーバ2aで行うことができ、営業担当者の巡回をより効率よく行うことが可能となる。順位付けが完了すると、ステップS26へ進む。
【0090】
ステップS26では、順位付けがされた複数の位置情報がメールに記述され、送信される。すなわち、サーバ側順位付け部19aによって、物件A、物件C、物件Bの順序、かつ夫々に対応する経度緯度がメールに記述される。なお、この際、経度緯度に加えて、営
業担当者毎の物件情報が管理されるURL、送信されたメールに貼り付けられた送信ボタン29を押すことで経度緯度や納期情報を送信を可能とするためのコマンドも記述される。メールへの記述が完了すると、複数の位置情報が携帯端末3へ送信される。メールの送信が完了すると、ステップS27へ進む。なお、本態様では、サーバ側順位付け部19aがメールへの記述を行っているが、メールへの記述はメール送受信部17aが行ってもよい。
【0091】
ステップS27では、第一実施形態と同じく、携帯端末3の受信部27によって、サーバ2aから送信されたメールが受信される(第一実施形態におけるステップS03に相当する。)。受信したメール画面に表示されているURLへアクセスすると、携帯端末3の表示部25にはWebページが表示される(図6参照。)Webページに設けられている送信ボタン29が押されることで、Webページに表示されている複数の位置情報が赤外線通信によってナビゲーション装置4に転送される。ナビゲーション装置4への位置情報の転送が完了すると、ステップS28へ進む。
【0092】
ステップS28では、ナビゲーション装置4の受付部41によって、赤外線通信部38で受信した携帯端末3からの赤外線を通じて複数の位置情報(物件A、物件C、物件Bの経度緯度)、物件毎の納期情報が取得される。そして、物件A、物件B、物件Cの順序で夫々が目的地とし設定される。目的地の設定が完了すると経路案内が開始される。
【0093】
以上説明した第二実施形態に係る目的地設定システム1aによれば、複数の位置情報を携帯端末から同時に受け付けることができるので、その都度目的地を設定するといった煩わしさを解消することができる。更に、第二実施形態の目的地設定システム1aによれば、データ処理装置100で作成された巡回リストを構成する複数の位置情報をサーバ2aによって渋滞情報等を考慮した順位付けをした上で最終的に目的地として設定することができる。従って、複数の位置情報の優先順位を不動産業者の営業担当者が自ら順位付けする必要がなく、また、不動産業者の営業業務の効率化を図ることができる。更に、サーバ2aは、ナビゲーション装置4が取得するVICS情報よりも更にリアルタイムな情報を得ることができるので、営業業務の更なる効率化を図ることが可能となる。
【0094】
なお、第二実施形態においても、不動産業者の営業に適用した場合を例に説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。目的地設定システムは、例えば、ボトリングの巡回、保険業務の営業にも好適に用いることができる。
【0095】
[第三実施形態]
上述した実施形態に係る目的地設定システムは、例えば以下のように構成してもよい。例えば、第二実施形態に係るサーバ2aが行う順位付けの実行を携帯端末3からの問い合わせがあった際に行うようにしてもよい。具体的には、携帯端末3を介してサーバ2aへアクセスし、例えば、物件A、物件B、物件Cの順位付けを行うよう指示してもよい。このような第三実施形態に係る態様は、第一実施形態、第二実施形態のいずれにせよ、経路案内開始後に道が混雑し始めた場合等に有用である。ナビゲーション装置4では、VICS情報の取得が可能であるが、VICS情報の取得にはタイムラグがあり、サーバの方がリアルタイムな情報を取得できる場合があるからである。
【0096】
ここで、図20は、携帯端末からの要求に応じてサーバにおいて順位付けを行う処理フローを示す。ステップS31では、サーバ側順位付け部19aによって、携帯端末3からの要求(順位付けの問い合わせ)があったか否か判断される。要求があった場合には、ステップS32へ進む。一方、要求がなかった場合には、処理が終了する。図21は、サーバでの順位付けを要求する、携帯端末3の表示部25に表示されるWebページの一例を示す。図21に示す画面では、サーバ2aの記憶部12又はメモリ13に格納されている
複数の位置情報(本態様では、物件A、物件B、物件C等)が表示され、夫々の位置情報にはチェックボックスが付され、要求をおこなう対象が選択可能である。また、図21に示す画面では、位置情報の下方に、「順位付け/経路探索を要求しますか?」とのコメントと、要求を実行する送信ボタン29aが表示されている。不動産業者の営業担当者は、Webページに表示されている物件を確認し、この内容でよければ、送信ボタン29aを押すことでサーバ2aに対して、順位付けの要求が行うことができる。なお、本態様では、「サーバでの順位付け」の項目の下に、「サーバでの経路探索」の項目が表示されている。サーバ2aに、順位付けの他にナビ機能を設けることで、この経路探索ボタンを選択された際、サーバによる経路探索が可能となる。なお、順位付けの対象は、携帯端末3を介してアクセス可能な情報であればよい。従って、第二実施形態におけるデータ処理装置100で作成された巡回リストを構成する位置情報でもよく、また、第一実施形態のサーバ2に予め格納されている位置情報でもよい。
【0097】
ステップS32(第二実施形態の処理フローにおけるステップS25に相当する。)では、サーバ側順位付け部19aは、基準情報取得部19bによって取得された基準情報に基づいて、巡回リストを構成する複数の位置情報の順位付けを行う。ステップS33(第二実施形態の処理フローにおけるステップS26に相当する。)では、順位付けがされた複数の位置情報がメールに記述され、送信される。続いて、ステップS34(第二実施形態の処理フローにおけるステップS27に相当する。)では、携帯端末3の受信部27によって、サーバ2aから送信されたメールが受信される。そして、ステップS35(第二実施形態の処理フローにおけるステップS28に相当する。)では、ナビゲーション装置4の受付部41によって、赤外線通信部38で受信した携帯端末3からの赤外線を通じて複数の位置情報(順位付けが行われた位置情報)が取得される。そして、順位付けに従って目的地とし設定される。目的地の設定が完了すると経路案内が開始される。
【0098】
第三実施形態に係る目的地設定システムによれば、不動産業者の営業担当者が必要なときに、自らのタイミングでサーバによる順位付けを行うことができる。従って、例えばナビゲーション装置4におけるVICS情報の受信状態が芳しく無い場合に、サーバが有するリアルタイムな情報を考慮した目的地の設定が可能となる。
【0099】
[変形例]
第二実施形態に係る目的地設定システムのデータ処理装置100によって巡回リストを作成する際、ルートの指定を行うようにしてもよい。これにより、巡回リストの作成、及び作成された巡回リストに基づく経路誘導に加えて、巡回順序の指定や巡回ルートの指定が可能となる。
【0100】
ここで、図22は、巡回リストを構成する位置情報を管理する位置情報管理画面200の例である。基本的には、第二実施形態に係る位置情報管理画面200と同じであるが、本態様では、編集入力画面に、巡回順序及び経由地に関する項目が設けられ、巡回順序及び経由地の追加、変更が可能となっている。例えば、物件Aの巡回順序を1とし、物件Bの巡回順序を2とすることで、巡回先の巡回順序の指定が可能となる。また、物件Aの経由地として「○○交差点」と指定することで、目的地までの道のり(ルート)の指定が可能となる。つまり、第一実施形態の態様では、目的地は点としてしか設定することしかできなかったが、本態様では、目的地までの道のりを線として指定することが可能となる。なお、経由地は、ナビゲーション装置1が誘導する際に用いることができる情報(例えば、経度緯度情報)であればよく、また、複数設定可能にしてもよい。
【0101】
なお、上記のように経由地が指定された場合のサーバ2aの処理は、経由地が指定されない場合、つまり第二実施形態で説明した処理に準じて行ってもよい。この場合には、経由地も位置情報の一つとして認識し、渋滞情報等を考慮して順位付けを行なうようにすれ
ばよい。但し、このような処理では、指定したルートに基づく経路誘導を行うことができなくなる。そこで、サーバ側順位付け部19aが、経由地に関する情報があるか否かを判断し、経由地がある場合、順位変更を行わないようにしてもよい。これにより、データ処理装置100で指定されたルートに基づく経路案内を実行することができる。
【0102】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明のナビ制御装置、ナビゲーション装置、及び目的地設定システムはこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】目的地設定システムの概略構成を示す。
【図2】サーバの機能ブロック図を示す。
【図3】記憶部に格納されるデータベースの一例を示す。
【図4】携帯端末の機能ブロック図を示す。
【図5】サーバから携帯端末に送信されたメールの表示状態の一例を示す。
【図6】携帯端末の表示部に表示されるWebページの一例を示す。
【図7】ナビゲーション装置の概略構成を示す。
【図8】ナビ制御部の機能ブロック図を示す。
【図9】渋滞情報のデータベースの一例を示す。
【図10】目的地設定システムで行われる処理フローを示す。
【図11】ナビゲーション装置のディスプレイの表示状態を示す。
【図12】第二実施形態の目的地設定システムの概略構成を示す。
【図13】データ処理装置のハードウェア構成を示す。
【図14】巡回リストを構成する位置情報を管理する位置情報管理画面の一例を示す。
【図15】巡回リストの一例を示す。
【図16】第二実施形態に係るサーバの機能ブロック図を示す。
【図17】第二実施形態に係る目的地設定処理フローを示す。
【図18】作成した巡回リストをメールに記述する管理画面の一例を示す。
【図19】送信されるメールのテンプレートの一例を示す。
【図20】携帯端末からの要求に応じてサーバにおいて順位付けを行う処理フローを示す。
【図21】サーバでの順位付けを要求する、携帯端末の表示部に表示されるWebページの一例を示す。
【図22】巡回リストを構成する位置情報を管理する位置情報管理画面の一例を示す。
【符号の説明】
【0104】
1・・・目的地設定システム
2・・・サーバ
3・・・携帯端末
4・・・ナビゲーション装置
5・・・車両
10、20・・・バス
11、21・・・CPU
12、22・・・記憶部
13、23・・・メモリ
14、37・・・操作部
15、25・・・表示部
16・・・抽出部
17・・・メール送信部
26・・・インターフェース部
27・・・受信部
28・・・転送部
29・・・送信ボタン
30・・・ナビ制御部
31・・・ディスク再生部
32・・・メモリカード再生部
33・・・TV受信部
34・・・ラジオ受信部
35・・・ディスプレイ
36・・・GPS情報受信部
38・・・赤外線通信部
41・・・受付部
42・・・現在位置情報取得部
43・・・順位付け部
44・・・状態情報取得部
45・・・渋滞情報記憶部
46・・・目的地設定部
101・・CPU
102・・メモリ
104・・ハードディスク駆動装置
106・・入力装置
108・・表示装置
110・・ネットワークインターフェース
112・・着脱可能媒体駆動装置
114・・メモリカード・リーダ・ライタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路探索を行うナビゲーション装置に搭載され、携帯端末から転送される複数の位置情報から目的地を設定するナビ制御装置であって、
前記携帯端末から転送される複数の位置情報を受け付ける受付手段と、
前記ナビゲーション装置の現在位置に関する現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、
前記現在位置情報取得手段で取得された現在位置情報と前記受付手段で受け付けた複数の位置情報とを比較し、現在位置から目的地までの距離と現在位置から目的地までの所要時間とのうち少なくともいずれか一つを含む所定の条件に基づいて、前記複数の位置情報の順位付けを行う順位付け手段と、
前記順位付け手段で順位付けされた位置情報に基づいて目的地を設定する目的地設定手段と、
を備えるナビ制御装置。
【請求項2】
渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段と、
前記渋滞情報取得手段で取得された渋滞情報を記憶する渋滞情報記憶手段と、を更に備え、
前記順位付け手段は、前記渋滞情報取得手段で取得したリアルタイムの渋滞情報と、前記渋滞情報記憶手段に記憶されている渋滞情報とを考慮して、前記複数の位置情報の順位付けを行う、請求項1に記載のナビ制御装置。
【請求項3】
携帯端末から転送される複数の位置情報から、目的地を設定するナビ制御部と、
前記ナビ制御部で設定される目的地までの経路を表示する表示部と、を備えるナビゲーション装置であって、
前記ナビ制御部は、
前記携帯端末から転送される複数の位置情報を受け付ける受付手段と、
前記ナビゲーション装置の現在位置に関する現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、
前記現在位置情報取得手段で取得された現在位置情報と前記受付手段で受け付けた複数の位置情報とを比較し、現在位置から目的地までの距離と現在位置から目的地までの所要時間とのうち少なくともいずれか一つを含む所定の条件に基づいて、前記複数の位置情報の順位付けを行う順位付け手段と、
前記順位付け手段で順位付けた位置情報に基づいて目的地を設定する目的地設定手段と、を有するナビゲーション装置。
【請求項4】
前記ナビ制御部は、
渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段と、
前記渋滞情報取得手段で取得された渋滞情報を記憶する渋滞情報記憶手段と、を更に備え、
前記順位付け手段は、前記渋滞情報取得手段で取得したリアルタイムの渋滞情報と、前記渋滞情報記憶手段に記憶されている渋滞情報とを考慮して、前記複数の位置情報の順位付けを行う、請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
サーバで管理される情報に含まれる位置情報を携帯端末を介してナビゲーション装置に転送して該ナビゲーション装置の目的地を設定する目的地設定システムであって、
前記サーバは、
予め位置情報が関連付けられている情報を有する記憶手段と、
前記記憶手段が有する情報から複数の所定の情報を抽出する抽出手段と、
抽出された複数の所定の情報をメールに記述して送信するメール送信手段と、を備え、
前記携帯端末は、
前記メール送信手段によって送信されたメールを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信されたメールに記述されている複数の情報の夫々に関連付けられている複数の位置情報を前記ナビゲーション装置に転送する転送手段と、を備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記携帯端末から転送される複数の位置情報から、目的地を設定するナビ制御部と、
前記ナビ制御部で設定される目的地までの経路を表示する表示部と、を備え、
前記ナビ制御部は、
前記携帯端末から転送される複数の位置情報を受け付ける受付手段と、
前記ナビゲーション装置の現在位置に関する現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、
前記現在位置情報取得手段で取得された現在位置情報と前記受付手段で受け付けた複数の位置情報とを比較し、現在位置から目的地までの距離と現在位置から目的地までの所要時間とのうち少なくともいずれか一つを含む所定の条件に基づいて、前記複数の位置情報の順位付けを行う順位付け手段と、
前記順位付け手段で順位付けた位置情報に基づいて目的地を設定する目的地設定手段と、を有する目的地設定システム。
【請求項6】
前記ナビ制御部は、
渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段と、
前記渋滞情報取得手段で取得された渋滞情報を記憶する渋滞情報記憶手段と、を更に備え、
前記順位付け手段は、前記渋滞情報取得手段で取得したリアルタイムの渋滞情報と、前記渋滞情報記憶手段に記憶されている渋滞情報とを考慮して、前記複数の位置情報の順位付けを行う、請求項5に記載の目的地設定システム。
【請求項7】
サーバで管理される情報に含まれる位置情報を携帯端末を介してナビゲーション装置に転送して該ナビゲーション装置の目的地を設定する目的地設定システムであって、
前記サーバは、
前記ナビゲーション装置の目的地を設定するための複数の位置情報を取得するサーバ側位置情報取得手段と、
前記サーバ側位置情報取得手段で取得された複数の位置情報の順位付けを行うサーバ側順位付け手段と、
前記順位付け手段によって順位付けがされた複数の位置情報をメールに記述して前記携帯端末に対して送信するメール送信手段と、を備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記携帯端末から転送される複数の位置情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた複数の位置情報であって、前記サーバによって順位付けがされた位置情報に基づいて目的地を設定する目的地設定手段と、
前記目的地設定手段によって設定される目的地までの経路を表示する表示手段と、を備える目的地設定システム。
【請求項8】
サーバで管理される情報に含まれる位置情報を携帯端末を介してナビゲーション装置に転送して該ナビゲーション装置の目的地を設定する目的地設定システムにおけるサーバであって、
前記ナビゲーション装置の目的地を設定するための複数の位置情報を取得するサーバ側位置情報取得手段と、
前記サーバ側位置情報取得手段で取得された複数の位置情報の順位付けを行うサーバ側順位付け手段と、
前記順位付け手段によって順位付けがされた複数の位置情報をメールに記述して前記携
帯端末に対して送信するメール送信手段と、を備えるサーバ。
【請求項9】
前記サーバ側順位付け手段は、該サーバで取得される渋滞情報と目的地までの所要時間情報とのうちの少なくとも一方を含む順位付け基準情報に基づいて前記複数の位置情報の順位付けを行う、請求項8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記サーバ側順序変更手段は、前記携帯端末からの問い合わせがあった際に、前記順位付けを再度実行する、請求項8又は請求項9に記載のサーバ。
【請求項11】
前記位置情報は、現在位置に関する現在位置情報と目的地に関する目的地情報に加えて、経由地に関する経由地情報を含む、請求項8から請求項10のいずれか一に記載のサーバ。
【請求項12】
サーバで管理される情報に含まれる位置情報を携帯端末を介してナビゲーション装置に転送して該ナビゲーション装置の目的地を設定する目的地設定システムにおけるナビゲーション装置であって、
前記ナビゲーション装置の目的地を設定するための複数の位置情報を取得するサーバ側位置情報取得手段と、前記サーバ側位置情報取得手段で取得された複数の位置情報の順位付けを行うサーバ側順位付け手段と、前記順位付け手段によって順位付けがされた複数の位置情報をメールに記述して前記携帯端末に対して送信するメール送信手段と、を備える前記サーバの該メール送信手段から送信されるメールに記述される複数の位置情報を前記携帯端末を介して受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた複数の位置情報であって、前記サーバによって順位付けがされた位置情報に基づいて目的地を設定する目的地設定手段と、
前記目的地設定手段によって設定される目的地までの経路を表示する表示手段と、を備えるナビゲーション装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−115786(P2009−115786A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−253443(P2008−253443)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】