説明

ニコチン性レセプターアゴニスト及びモノアミン作動性物質の組み合わせ作用による情動障害の治療法

【課題】患者の情動障害、疾患又は状態の治療、予防又は緩和する方法、およびそれらに有効な新規化合物の提供。
【解決手段】式(I)で表される化合物。


および、ニコチン性アセチルコリン作動性活性及びモノアミン作動性又は拮抗性又は再取り込み阻害活性を有する上記化合物1種以上の治療上有効な量を上記患者に投与することを特徴とする、上記方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は、情動障害の治療のためにニコチン性アセチルコリンレセプターアゴニスト及びモノアミン作動性物質の組み合わせ作用を使用する方法、並びにこれらの物質を含有する薬学的調合物及び本発明により使用される化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
選択的モノアミン再取り込み阻害剤及び特にセロトニン再取り込み阻害剤(SSRI’s)はうつ病治療に重要な基本である。しかしその最も過酷な欠点は副作用がほとんどすぐに始まるので、最初の2〜4週間の内に実質上の抗うつ作用はまったく見られず、患者が治療に服従しないかもしれない間傷つく可能性のある機会を除くことである。速効性の抗うつ剤の併用が上記欠点を克服するので、SSRI効果の開始を遅らせる自動阻害メカニズムを無効にするのがより好ましい。
【0003】
これは、シナップス裂け目での神経伝達物質の濃度が上昇するのでセロトニンの放出を低く調節する特定のレセプターを遮断することで達成することができるという良い指摘がある。したがって国際特許出願(WO)第96/33710号明細書(Astra)には5−HT取り込み阻害剤と選択的5−HT1Aアンタゴニストの組み合わせが開示され、国際特許出願(WO)第00/15217号明細書(AstraZeneca)、国際特許出願(WO)第00/15218号明細書(AstraZeneca)及び国際特許出願(WO)第00/15219号明細書(AstraZeneca)はこのような組み合わせの特定の例が開示されている。
【0004】
しかしながらかなり異なる使用に対してニコチン性リガンドを伴う別の組み合わせが国際特許出願(WO)第00/45846号明細書(Synthelabo)に開示されている。この特許明細書にはタバコ禁断症状の治療のためのモノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤と組み合わせてニコチン又はニコチン性リガンドを使用し、この組み合わせによって冠状血管副作用が減少されることが開示されている。
【0005】
最後、国際特許出願(WO)第00/25783号明細書(Carlsson&Carlsson)には強迫性障害(OCD)の治療にニコチン性レセプターアゴニストを使用することが開示されている。組み合わせ治療及びその他の情動障害の治療は記載されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の要旨
本発明によれば、ニコチン性アセチルコリンレセプターアゴニストがモノアミン作動性作用を強化し、したがって情動障害の治療に使用するためのニコチン性アセチルコリンレセプターアゴニスト及びモノアミンアゴニスト又はアンタゴニスト又はモノアミン再取り込み阻害剤の組み合わせが作用のより早い開始及び増加した望ましい速度をもたらすことを見出した。したがって本発明は情動障害の治療のためにニコチン性アセチルコリンレセプターアゴニスト及びモノアミンアゴニスト又はアンタゴニスト又はモノアミン再取り込み阻害剤の組み合わせ作用に、あるいはニコチン性アセチルコリンレセプターアゴニスト活性及びモノアミンアゴニスト又はアンタゴニスト活性又はモノアミン再取り込み阻害活性の双方を有する物質の二重作用にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがってその第一の観点で本発明は患者の情動障害、疾患又は状態の治療、予防又は緩和する方法において、ニコチン性アセチルコリン作動性活性及びモノアミン作動性又は拮抗性又は再取り込み阻害活性を有する化合物1種以上の治療上有効な量を上記患者に投与することを特徴とする、上記方法を提供する。
【0008】
もう一つの観点で、本発明は治療上有効な量のニコチン性アセチルコリンアゴニスト及びモノアミン再取り込み阻害剤を少なくとも1種の薬学的に許容し得るキャリヤー又は希釈剤と共に含有する薬学的調合物を提供する。
【0009】
第三の観点で、本発明は患者の情動障害、疾患又は状態の治療、予防又は緩和用医薬の製造にニコチン性アセチルコリンアゴニスト及びモノアミン再取り込み阻害剤を使用する方法を提供する。
【0010】
まったく別の観点で、本発明は式I
【0011】
【化4】

【0012】
{式中、
nは1、2又は3であり;
mは0、1又は2であり;
Rは水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アシル又はベンジルを示し、
1 は5−ブロモ−3−ピリジル、5−ブロモ−3−ピリジル、6−クロロ−3−ピリジル、6−ブロモ−5−メトキシ−3−ピリジル、6−ブロモ−3−ピリジル、6−ブロモ−5−クロロ−3−ピリジル、5,6−ジブロモ−3−ピリジル、6−クロロ−5−ブロモ−3−ピリジル、6−ヨード−5−メトキシ−3−ピリジル、5,6−ジクロロ−3−ピリジル、5−ブロモ−6−クロロ−2−ピラジニル、6−ブロモ−5−エチニル−3−ピリジル、6−クロロ−5−メトキシ−3−ピリジル、6−フェニル−3−ピリダジニル、6−クロロ−2−ピラジニル、6−クロロ−3−ピリダジニル、6−ヨード−3−ピリダジニル、6−(1−ベンズイミダゾリル)−3−ピリダジニル、2−ピラジニル、6−クロロ−2−ピラジニル、6−フェニル−3−ピリジル、5−クロロ−6−フェニル−3−ピリジル、5−クロロ−6−メチル−3−ピリジル、5−エチニル−3−ピリジル、5−ブロモ−3−ピリジル、5−メトキシ−6−ブロモ−3−ピリジル、6−ブロモ−3−ピリジル、5−クロロ−6−ブロモ−3−ピリジル、5,6−ジブロモ−3−ピリジル、5−ブロモ−6−クロロ−3−ピリジル、5−メトキシ−6−ヨード−3−ピリジル又は5,6−ジクロロ−3−ピリジルを示す。}
で表わされるニコチン性アセチルコリンアゴニストを提供する。
【0013】
また別の観点で、本発明はそのあらゆる対掌体又はその対掌体のあらゆる混合物、又はその薬学的に許容し得る塩である、式VI
【0014】
【化5】

【0015】
{式中、
Rは水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シアノアルキル、フェニル、ナフチル又はベンジルであり、
1
【0016】
【化6】

【0017】
(式中、R2 は水素、アルキル、シクロアルキル又はアミノ、あるいはフラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、又はチアゾリルであり、このヘテロアリール基は場合によりアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シアノアルキル、ハロゲン、CF3 、OCF3 、CN、アミノ、ニトロ、及びフリルより成る群から選ばれた置換基で1回以上置換されているか、又は
ナフチル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル又はチエノ−チエニルであり、この二環状基は場合によりアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シアノアルキル、ハロゲン、CF3 、OCF3 、CN、アミノ、ニトロ、及びフリルより成る群から選ばれた置換基で1回以上置換されている。)
を示す。}
で表わされる8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン誘導体を提供する。
【0018】
本発明のその他の他の目的は、下記の詳細な説明及び実施例から当業者に明らかであろう。
【0019】
発明の詳細な説明
その第一の観点で、本発明は患者の情動障害、疾患又は状態の治療、予防又は緩和する方法において、ニコチン性アセチルコリン作動性活性及びモノアミン作動性又は拮抗性又は再取り込み阻害活性を有する化合物1種以上の治療上有効な量を上記患者に投与することを特徴とする、上記方法を提供する。
【0020】
本発明にしたがって治療される患者は生体、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒト、このような治療を必要とするヒトである。
【0021】
好ましい実施態様において、治療上有効な物質はニコチン性アセチルコリンアゴニストとして作用する物質及びモノアミンアゴニスト又はアンタゴニスト又は再取り込み阻害剤として作用する物質からなる組み合わせ治療として投与される。
【0022】
別の好ましい実施態様において、治療効果はニコチン性アセチルコリンアゴニスト及びモノアミンアゴニスト又はアンタゴニスト又は再取り込み阻害剤の二重活性を有する物質を用いて達成される。
【0023】
情動障害、疾患又は状態はうつ、不安、強迫性障害(OCD)、パニック障害、肥満、喫煙停止から生じる症状、又は急性又は慢性苦痛を含む苦痛、神経障害性苦痛及び炎症性苦痛である。
【0024】
ニコチン性アセチルコリンアゴニスト
本発明のニコチン性アセチルコリンアゴニストは、ニコチン性アセチルコリンレセプターに結合し、これを活性化し、それによって生物学的応答をもたらすあらゆるリガンドであることができる。ニコチン性アセチルコリンアゴニストとして作用する一定の物質の可能性(potential)は、標準インビトロ結合アッセイ及び(又は)標準インビボ機能テストを用いて測定することができる。
【0025】
好ましい実施態様において、標準ヒトニコチン性レセプターイオンチャネル結合及び(又は)置換アッセイで測定した場合、本発明のニコチン性アセチルコリンアゴニストは1000nMより小さい、好ましくは100nMより小さいKiを示すか、又はマウス、ラットを用いる標準機能アッセイ又はヒトニコチン性レセプターイオンチャネル(このイオンチャネルはα2-9 及びβ2-4 nAChRサブユニットの組み合わせからなるか又はαnAChRサブユニットのホモマーからなる)で測定した場合、300μMより小さい、好ましくは100μMより小さいEC50値又はIC50値を示す。
【0026】
本発明により使用されるニコチン性アセチルコリンアゴニストは、たとえば
【外1】
【0027】

【0028】
又はそれらの外国出願に記載されたこれらの物質を包含する。
【0029】
本発明の好ましいニコチン性アセチルコリンアゴニストの例は、ニコチン、エチルニコチン、3−エチニル−5−(1−メチル−2−ピロリジニル)ピリジン(SIB−1765F)、4−[[2−(1−メチル−2−ピロリジニル)エチル]チオ]フェノール(SIB−1553)、(S)−3−エチニル−5−(1−メチル−2−ピロリジニル)ピリジン(SIB−1508Y)、4’−メチルニコチン又は(2S−トランス)−3−(1,4−ジメチル−2−ピロリジニル)ピリジン(Abbott) ,2−メチル−3−[(2S)−2−ピロリジニルメトキシ]−ピリジン( ABT−089)、3−メチル−5−[(2S)−1−メチル−2−ピロリジニルメトキシ]−イソオキサゾール(ABT−418)、5−[(2R)−2−アゼチジニルメトキシ]−2−クロロ−ピリジン(ABT−594)、3−PMP又は3−(1−ピロリジニルメチル)ピリジン(RJ Reynold)、(3E)−N−メチル−4−(3−ピリジニル)−3−ブテン−1−アミン(RJR−2403)、アナバセイン(anabasein) 又は3,4,5,6−テトラヒドロ−2,3’−ビピリジン(RJ Reynold)、5−フルオロニコチン又は(S)−5−フルオロ−3−(1−メチル−2−ピロリジニル)ピリジン(RJ Reynold)、MCC又は2−(ジメチルアミノ)エチル メチルカルバメート(Lundbeck)、エチルアレコリン又は1−(1,2,5,6−テトラヒドロ−1−メチル−3−ピリジニル)−1−プロパノン(Lilly)、又はイソアレコリン又は1−(1,2,3,6−テトラヒドロ−1−メチル−4−ピリジニル)エタノン(Lilly)、AR−R17779(AstraZeneca)、エピパチジン、GTS−21、1−(6−クロロ−3−ピリジル)−ホモピペラジン、1−(3−ピリジル)−ホモピペラジン、1−(5−エチニル−3−ピリジル)−ホモピペラジン、又はその塩、その遊離塩基、そのラセミ化合物又はその対掌体を含む。
【0030】
好ましいニコチン性アゴニスト
好ましい実施態様において、本発明にしたがって使用されるニコチン性アセチルコリンアゴニストは、その対掌体又はその対掌体の混合物、又はそのアイソトープ又はその薬学的に許容し得る塩である、式I
【0031】
【化7】

【0032】
{式中、
nは1、2又は3であり;
mは0、1又は2であり;
Rは水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アシル又はベンジルを示し、
1 は5−ブロモ−3−ピリジル、5−ブロモ−3−ピリジル、6−クロロ−3−ピリジル、6−ブロモ−5−メトキシ−3−ピリジル、6−ブロモ−3−ピリジル、6−ブロモ−5−クロロ−3−ピリジル、5,6−ジブロモ−3−ピリジル、6−クロロ−5−ブロモ−3−ピリジル、6−ヨード−5−メトキシ−3−ピリジル、5,6−ジクロロ−3−ピリジル、5−ブロモ−6−クロロ−2−ピラジニル、6−ブロモ−5−エチニル−3−ピリジル、6−クロロ−5−メトキシ−3−ピリジル、6−フェニル−3−ピリダジニル、6−クロロ−2−ピラジニル、6−クロロ−3−ピリダジニル、6−ヨード−3−ピリダジニル、6−(1−ベンズイミダゾリル)−3−ピリダジニル、2−ピラジニル、6−クロロ−2−ピラジニル、6−フェニル−3−ピリジル、5−クロロ−6−フェニル−3−ピリジル、5−クロロ−6−メチル−3−ピリジル、5−エチニル−3−ピリジル、5−ブロモ−3−ピリジル、5−メトキシ−6−ブロモ−3−ピリジル、6−ブロモ−3−ピリジル、5−クロロ−6−ブロモ−3−ピリジル、5,6−ジブロモ−3−ピリジル、5−ブロモ−6−クロロ−3−ピリジル、5−メトキシ−6−ヨード−3−ピリジル又は5,6−ジクロロ−3−ピリジルを示す。}
で表わされる国際特許出願(WO)第99/21834号明細書に記載されているものである。
【0033】
より好ましい実施態様において、本発明により使用される化合物は、
n及びmが1であり、
Rが水素、メチル又は4−t−ブトキシカルボニルを示し、そして
1 が5−ブロモ−3−ピリジル、5−ブロモ−3−ピリジル、6−クロロ−3−ピリジル、6−ブロモ−5−メトキシ−3−ピリジル、6−ブロモ−3−ピリジル、6−ブロモ−5−クロロ−3−ピリジル、5,6−ジブロモ−3−ピリジル、6−クロロ−5−ブロモ−3−ピリジル、6−ヨード−5−メトキシ−3−ピリジル、5,6−ジクロロ−3−ピリジル、5−ブロモ−6−クロロ−2−ピラジニル、6−ブロモ−5−エチニル−3−ピリジル、6−クロロ−5−メトキシ−3−ピリジル、6−フェニル−3−ピリダジニル、6−クロロ−2−ピラジニル、6−クロロ−3−ピリダジニル、6−ヨード−3−ピリダジニル、6−(1−ベンズイミダゾリル)−3−ピリダジニル、2−ピラジニル、6−クロロ−2−ピラジニル、6−フェニル−3−ピリジル、5−クロロ−6−フェニル−3−ピリジル、5−クロロ−6−メチル−3−ピリジル、5−エチニル−3−ピリジル、5−ブロモ−3−ピリジル、5−メトキシ−6−ブロモ−3−ピリジル、6−ブロモ−3−ピリジル、5−クロロ−6−ブロモ−3−ピリジル、5,6−ジブロモ−3−ピリジル、5−ブロモ−6−クロロ−3−ピリジル、5−メトキシ−6−ヨード−3−ピリジル又は5,6−ジクロロ−3−ピリジルを示す、
式Iで表わされる化合物である。
【0034】
最も好ましい実施態様において、式Iで表わされる化合物は、
1−(5−ブロモ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(6−クロロ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(6−ブロモ−5−メトキシ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(6−ブロモ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(6−ブロモ−5−クロロ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(5,6−ジブロモ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(6−クロロ−5−ブロモ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(6−ヨード−5−メトキシ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(5,6−ジクロロ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(5−ブロモ−6−クロロ−2−ピラジニル)−ピペラジン、
1−(6−ブロモ−5−エチニル−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(6−クロロ−5−メトキシ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(6−フェニル−3−ピリダジニル)−ピペラジン、
1−(6−クロロ−2−ピラジニル)−ピペラジン、
1−(6−クロロ−3−ピリダジニル)−ピペラジン、
1−(6−ヨード−3−ピリダジニル)−ピペラジン、
1−[6−(1−ベンズイミダゾリル)−3−ピリダジニル]−ピペラジン、
1−(2−ピラジニル)−ピペラジン、
1−(6−クロロ−2−ピラジニル)−4−メチル−ピペラジン、
1−(6−フェニル−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(5−クロロ−6−フェニル−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(5−クロロ−6−メチル−3−ピリジル)−4−t−ブトキシカルボニル−ピペラジン、
1−(5−エチニル−3−ピリジル)−ピペラジン、
又はその対掌体又はその対掌体の混合物、又はそのアイソトープ又はその薬学的に許容し得る塩である。
【0035】
さらに好ましい実施態様において、本発明により使用される化合物は、
nが2であり、
mが1であり、
Rが水素、メチル又は4−t−ブトキシカルボニルを示し、そして
1 が5−ブロモ−3−ピリジル、5−ブロモ−3−ピリジル、6−クロロ−3−ピリジル、6−ブロモ−5−メトキシ−3−ピリジル、6−ブロモ−3−ピリジル、6−ブロモ−5−クロロ−3−ピリジル、5,6−ジブロモ−3−ピリジル、6−クロロ−5−ブロモ−3−ピリジル、6−ヨード−5−メトキシ−3−ピリジル、5,6−ジクロロ−3−ピリジル、5−ブロモ−6−クロロ−2−ピラジニル、6−ブロモ−5−エチニル−3−ピリジル、6−クロロ−5−メトキシ−3−ピリジル、6−フェニル−3−ピリダジニル、6−クロロ−2−ピラジニル、6−クロロ−3−ピリダジニル、6−ヨード−3−ピリダ ジニル、6−(1−ベンズイミダゾリル)−3−ピリダジニル、2−ピラジニル、6−クロロ−2−ピラジニル、6−フェニル−3−ピリジル、5−クロロ−6−フェニル−3−ピリジル、5−クロロ−6−メチル−3−ピリジル、5−エチニル−3−ピリジル、5−ブロモ−3−ピリジル、5−メトキシ−6−ブロモ−3−ピリジル、6−ブロモ−3−ピリジル、5−クロロ−6−ブロモ−3−ピリジル、5,6−ジブロモ−3−ピリジル、5−ブロモ−6−クロロ−3−ピリジル、5−メトキシ−6−ヨード−3−ピリジル又は5,6−ジクロロ−3−ピリジルを示す、
式Iで表わされる化合物である。
【0036】
最も好ましい実施態様において、式Iで表わされる化合物は、
1−(5−ブロモ−3−ピリジル)−ホモピペラジン、
1−(6−クロロ−3−ピリジル)−ホモピペラジン、
1−(5−メトキシ−6−ブロモ−3−ピリジル)−ホモピペラジン、
1−(6−ブロモ−3−ピリジル)−ホモピペラジン、
1−(5−クロロ−6−ブロモ−3−ピリジル)−ホモピペラジン、
1−(5,6−ジブロモ−3−ピリジル)−ホモピペラジン、
1−(5−ブロモ−6−クロロ−2−ピリジル)−ホモピペラジン、
1−(5−メトキシ−6−ヨード−3−ピリジル)−ホモピペラジン又は
1−(5,6−ジクロロ−3−ピリジル)−ホモピペラジン、
又はその対掌体又はその対掌体の混合物、又はそのアイソトープ又はその薬学的に許容し得る塩である。
【0037】
モミノアミン作用性物質
モミノアミン活性はモミノアミン作動性又は拮抗性又はモミノアミン再取り込み阻害活性を示すあらゆるモミノアミン作用性物質を用いて得ることができる。
【0038】
本発明により使用されるモミノアミン再取り込み阻害剤は特に混合モミノアミン再取り込み阻害剤、ノルアドレナリン/ドパミン取り込み阻害剤、古典的な三環状抗うつ剤、又は選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)であることができる。
【0039】
本発明により使用されるセロトニン作用性薬は、フェンフルラミン、デキシフェンフルラミン(Dexfenfluramine),トリプトファン、クロルイミプラミン、シアンイミプラミン、フロキセチン、パロキセチン、シタロプラム、フェモキチン、シアノプラミン、セルタリン、ジブトラミン(Sibutramine) 、ベェンラファキシン(Venlafaxine),ORG 6582、RU 25591、LM 5008、DU 24565、インダルピン、CGP 6085/A,WY 25093、アラプロシエタ(Alaprociate)、ジメリジン、トラゾドン、アミトリプチリン、イミプラミン、デシプラミン(Desipramine) 、ミルタザピン、トリミプラミン、ドキセピン、プロトリプチリン、ノルトリプチリン、ジベンゾキサゼピン、デプレニル、イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルサイプロミン、フラゾリドン、プロカルバジン、モクロベニド、ブロファロミン、ネファゾドン、ブプロピオン、MK−212、DOI、m−CPP,RO60−0175/ORG 35030,RO60−0332/ORG 35035,RO60−0175,ORG 12962,RO60−0332,α−メチル−5HT、TFMPP、ブフォテニン、RU24969、クイパジン、5−カルボキシアミドトリプタミン、スマトリパン、CGS 12066、8−OH−DPAT、(S)−2−(クロロ−5−フルオロ−インドール−1−イル)−1−メチルエチルアミン、(S)−2−(4,4,7−トリメチル−1,4−ジヒドロ−インデノ(1,2−b)ピロール−1−イル)−1−メチルエチルアミン、SB206553、及びその薬学的に許容し得る塩を含む。
【0040】
好ましいセロトニン作用の作動性薬の例は、MK−212、DOI、m−CPP,RO60−0175/ORG 35030,RO60−0332/ORG 35035,ORG 12962,(S)−2−(クロロ−5−フルオロ−インドール−1−イル)−1−メチルエチルアミン、(S)−2−(4,4,7−トリメチル−1,4−ジヒドロ−インデノ(1,2−b)ピロール−1−イル)−1−メチルエチルアミン及びSB206553を含む。
【0041】
好ましい混合モミノアミン再取り込み阻害剤の例は、国際特許出願(WO)第97/16451号明細書(NeuroSearch)及び国際特許出願(WO)第97/13770号明細書(NeuroSearch)又はこれらの外国出願に記載された阻害剤を含む。最も好ましい混合モミノアミン再取り込み阻害剤は(1S,3S,4S,5S,8R)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−7−アザトリシクロ[5.3.0.0]デカン−5−オールを含む。
【0042】
好ましいNA/DA−取り込み阻害剤の例は、ベンラファキシン(Venlafaxin)、フプロピオン、ノミフェンジン、ミナシプラム、レボキセチンのような薬を含む。
【0043】
好ましい古典的な三環状抗うつ剤の例は、イミプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン及びプロトリプチリンのような薬を含む。
【0044】
最も好ましい実施態様において、本発明のモノアミン再取り込み阻害剤は混合モノアミン再取り込み阻害剤又は選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)である。好ましいSSRIの例は、ノルジメルジン、フロキセチン、クロムイプラミン、セルトラリン、フルボキサミン、アラプロクラート、(−)−トランス−5−(4−p−フルオロフェニル−3−ピペリジニルメトキシ)−1,3−ベンゾジオキソール(Paroxetine) 及び1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1−(p−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニトリル(シタロプラム)及びネファゾドンのような薬を含む。
【0045】
“二重作用”の化学物質
もう一つの実施態様において、治療効果はニコチン性アセチルコリンアゴニスト及びモノアミンアゴニスト又はアンタゴニスト又はモノアミン再取り込み阻害剤の二重活性を有する物質を用いることによって達成される。この二重活性を有する本発明により使用される化合物は特に国際特許出願(WO)第00/66586号明細書及び係属出願中の国際特許出願No.PCT/DK01/00432号明細書に記載され、一般式II
【0046】
【化8】

【0047】
で表わされるジアザビシクロアルカン誘導体又は式III、IV又はV
【0048】
【化9】

【0049】
で表わされるその二量体化合物
{式中、
nは2であり;
mは1であり;
R及びR1 のうちの一方は、水素又はアルキルであり、
R及びR1 のうちの他方はフェニル基、ナフチル基又はキノリル基であり、この基は塩素、フッ素、トリフルオロメチル、メトキシ又はトリフルオロメトキシによって1回又は2回置換されていてよく、
Bは架橋基、たとえばエチレングリコールを示す。}。
【0050】
より好ましい実施態様において、本発明により使用される化合物は式IIで表わされるジアザビシクロアルカン誘導体(式中、R及びR1 のうちの一方は、水素又はメチルであり、R及びR1 のうちの他方は2−ナフタリル、2−キノリニル、3,4−ジクロロフェニル、6−キノリニル、4−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、フェニル、3,4−ジクロロフェニルを示す。)である。
【0051】
最も好ましい実施態様において、本発明により使用される化合物は式IIで表わされるジアザビシクロアルカン誘導体であり、これらは
(±)3−(2−ナフタリル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン;
(±)3−(2−キノリニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン;
(±)3−(3,4−ジクロロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン;
(±)3−(6−キノリニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン;
(±)3−(4−フルオロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン;
(±)3−(3−フルオロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン;
(±)3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン;
(±)3−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン;
(±)3−(フェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン;
(±)3−(3,4−ジクロロフェニル)−9−H−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン;
又はその対掌体、その対掌体の混合物、そのアイソトープ又はその薬学的に許容し得る塩である。
【0052】
もう一つの好ましい実施態様において、本発明により使用される化合物は式IV又はVで表わされるジアザビシクロアルカン誘導体であり、これは
O,O’−ビス−[5−(9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン−3−イル)−3−ピリジル]−エチレングリコール;又は
その対掌体、その対掌体の混合物、そのアイソトープ又はその薬学的に許容し得る塩である。
【0053】
また別の好ましい実施態様において、治療効果はニコチン性アセチルコリンアゴニスト及びモノアミンアゴニスト又はアンタゴニスト又はモノアミン再取り込み阻害剤の二重活性を有する物質を用いることによって達成される。二重活性を有する本発明により使用される化合物は特に式VI
【0054】
【化10】

【0055】
{式中、
Rは水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シアノアルキル、フェニル、ナフチル又はベンジルであり、
1
【0056】
【化11】

【0057】
(式中、R2 は水素、アルキル、シクロアルキル又はアミノ、あるいはフラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、又はチアゾリルであり、このヘテロアリール基は場合によりアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シアノアルキル、ハロゲン、CF3 、OCF3 、CN、アミノ、ニトロ、及びフリルより成る群から選ばれた置換基で1回以上置換されているか、又は
ナフチル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル又はチエノ−チエニルであり、この二環状基は場合によりアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シアノアルキル、ハロゲン、CF3 、OCF3 、CN、アミノ、ニトロ、及びフリルより成る群から選ばれた置換基で1回以上置換されている。)
を示す。}
で表わされる8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン誘導体であることができる。
【0058】
より好ましい実施態様において、式VIのRは水素、メチル、エチル、アリル、シアノメチル又はベンジルを示し、そして
式VIのR1 はアセチル、3−ピリジル、3−(6−メトキシ)ピリジル、3−(6−クロロ)ピリジル、2−チアゾリル、3−チエニル、2−チエニル、2−(3−メトキシメチル)チエニル、2−(3−ブロモ)チエニル、2−(3,4−ジブロモ)チエニル、2−フリル、3−フリル、2−(3−ブロモ)チエニル、3−クロロ−チエン−2−イル、5−インドリル、3−(3−フリル)−2−チエニル、3−キノリニル、3−ベンゾフリル、2−ベンゾフリル、3−ベンゾチエニル、2−ベンゾチエニル、2−ベンゾチアゾリル、2−チエノ[3.2−b]チエニル、チエノ[2.3−b]チエニル、2−(3−ブロモ)ベンゾフリル又は2−(3−ブロモ)ベンゾチエニルを示す。
【0059】
その最も好ましい実施態様において、式VIで表わされる8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン誘導体は、
(±)−3−(2−ベンゾチエニル)−8−H−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(2−ベンゾチエニル)−8−エチル−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−8−アリル−3−(2−ベンゾチエニル)−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−8−アリル−3−(2−ベンゾチエニル)−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−8−アリル−3−[2−(3−ブロモチエニル)]−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(2−ベンゾチエニル)−8−シアノメチル−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−[2−(3、4−ジブロモチエニル)]−8−メチル−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン;又は
(±)−3−(5−インドリル)−8−メチル−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン;
又はその対掌体、その対掌体の混合物、そのアイソトープ又はその薬学的に許容し得る塩である。
【0060】
置換基の定義
本発明の範囲において、ハロゲンはフッ素- 、塩素- 、臭素- 又はヨウ素原子を示す。したがってトリハロゲンメチル基は、たとえばトリフルオロメチル基、トリクロロメチル基及び類似のトリハロゲン置換されたメチル基を示す。
【0061】
本発明の範囲において、アルキル基は一価の飽和、直鎖状又は分枝状炭化水素鎖を示す。炭化水素鎖は好ましくは炭素原子1〜18個を有し(C1-18アルキル)、更に好ましくは炭素原子1〜6個を有し(C1-6 アルキル:低級アルキル)、これはペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル及びイソヘキシルを包む。好ましい具体例において、アルキルはC1-4 アルキル基を示し、これはブチル、イソブチル、s−ブチル及びt−ブチルを含む。本発明の好ましい具体例において、アルキルはC1-3 アルキル基を示し、これは特にメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルであってよい。
【0062】
本発明の範囲において、アルケニル基は二重結合1個以上を有する炭素鎖を示し、これはジエン、トリエン及びポリエンを含む。好ましい具体例において、本発明のアルケニル基は少なくとも1個の二重結合を含む炭素原子2〜8個(C2-8 アルケニル)、より好ましくは炭素原子2〜6個(C2-6 アルケニル)を有する。最も好ましい具体例において、本発明のアルケニル基はエテニル;1−又は2−プロペニル;1−、2−又は3−ブテニル,又は1,3−ブチジエニル;1−、2−、3−、4−又は5−ヘキセニル、又は1,3−ヘキシジエニル、又は1,3,5−ヘキシトリエニル;1−、2−、3−、4−、5−、6−又は7−オクテニル、又は1,3−オクトジエニル、又は1,3,5−オクトトリエニル、又は1,3,5,7−オクトテトラエニルである。
【0063】
本発明の範囲において、シクロアルキル基は環状アルキル基、好ましくは炭素原子3〜7個を有するシクロアルキル基であって(C3-7 シクロアルキル)、これはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを含む。
【0064】
本発明の範囲において、シクロアルキル−アルキル基は、上記定義したシクロアルキル基を示し、このシクロアルキル基は上記定義したアルキル基で置換されている。本発明の好ましいシクロアルキル−アルキル基の例はシクロプロピルメチル及びシクロプロピルエチルを含む。
【0065】
本発明の範囲において、アルコキシ基は“アルキル- O- ”基であり、この際アルキルは上記定義した通りである。
【0066】
本発明の範囲において、アシル基はカルボキシ基(−COOH)又はアルキル−カルボニル基(アルキル−CO−)を示し、この際アルキルは上記定義した通りである。本発明の好ましいアシル基の例はカルボキシ、アセチル、プロピオニル及び4−t−ブトキシカルボニル基を含む。
【0067】
薬学的調合物
もう一つの観点によれば、本発明はニコチン性アセチルコリンアゴニスト及びモノアミン再取り込み阻害剤を、ヒトを含めた患者の情動障害、疾患又は状態の治療、予防又は緩和用医薬の製造に使用する方法に関する。
【0068】
したがって本発明の薬学的調合物は、治療上有効な量のニコチン性アセチルコリンアゴニスト及びモノアミンアゴニスト又はアンタゴニスト又はモノアミン再取り込み阻害剤を少なくとも1種の薬学的に許容し得るキャリヤー又は希釈剤と共に含有する。
【0069】
好ましい実施態様において、薬学的調合物はニコチン性アセチルコリンアゴニストとして作用する物質及びモノアミンアゴニスト又はアンタゴニスト又はモノアミン再取り込み阻害剤として作用する物質を含有する。
【0070】
しかし別の好ましい実施態様において、薬学的調合物はニコチン性アセチルコリンアゴニスト及びモノアミンアゴニスト又はアンタゴニスト又はモノアミン再取り込み阻害剤の二重活性を有する物質を含有する。
【0071】
本発明の化合物を治療で使用するにあたり、そのまま化合物として投与することもできるが、有効成分を場合により生理学的に許容し得る塩の形で、1種以上の佐剤、賦形剤、希釈剤、緩衝剤、及び(又は)その他の慣用の薬学的助剤と共に薬学的調合物の形で提供するが好ましい。
【0072】
好ましい実施態様において、本発明は、更に本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩又は誘導体を薬学的に容認されたキャリヤー1種以上及び場合により公知のかつ当該技術において使用されるその他の治療−及び(又は)予防成分と共に含有する薬剤を提供する。このキャリヤーは、製剤中の他の成分と適合しかつこれが投与される患者に有害でないという意味で“許容し得”なければならない。
【0073】
本発明の薬学的調合物を所望の治療に適するあらゆる好都合な手段で投与することができる。好ましい投与手段は経口投与、特に錠剤の形で、カプセルの形で、糖衣錠の形で、粉末の形で、又は液体の形での経口投与及び非経口投与、特に皮膚、皮下、筋肉内又は静脈内注射を含む。薬学的調合物は所望の調合物に妥当な標準かつ通常の方法を用いて当業者によって製造することができる。所望の場合には、有効成分の持続した放出を生じるのに適合した調合物を使用することができる。
【0074】
製剤及び投与方法に関する更に詳しい説明は、Remington's Pharmaceutical Sciences (Maack Publishing Co., Easton,PA)の最新版中に見出される。
【0075】
本発明の薬学的調合物は患者の情動障害、疾患又は状態の治療、予防又は緩和に使用するためのものである。その情動障害、疾患又は状態は特にうつ、不安、強迫性障害(OCD)、パニック障害又は苦痛である。
【0076】
実際の薬用量は治療される疾患の性質及び過酷さ及び投与経路に依存し、更にその量は医師の裁量にまかされており、所望の治療効果を生じるために本発明の特定の状況に薬用量を適合させることによって変化させることができる。しかし単位投薬形あたり有効成分約0.01〜約500mg、好ましくは約0.1〜約100mg、最も好ましくは約1〜約10mgを含有する調合物が治療的処置に適当であると現在考えられている。
【0077】
有効成分を、1日1回又は数回の薬用量で投与することができる。満足のいく結果は、ある場合、0.1μg/kg(静脈内)及び1μg/kg(腹腔内)ほどの低い薬用量で得ることができる。薬用量範囲の上限は約10mg/kg(静脈内)及び100mg/kg(腹腔内)であると現在見なされる。好ましい範囲は、一日あたり約0.1μg/kg〜約10mg/kg(静脈内)及び約1μg/kg〜約100mg/kg(腹腔内)である。
【0078】
実施例
次の例によって本発明を詳述するが、これらが請求項に記載される本発明の範囲に何らの限定を与えることを意図するものではない。
【0079】
例1
製造例
通則:
空気に敏感な試薬又は中間体を含むすべての反応を窒素下に、そして無水溶剤中で行う。硫酸マグネシウムを後処理で乾燥剤として使用し、溶剤を減圧下に蒸発させる。
【0080】
方法A
1−(5−ブロモ−3−ピリジル)−ピペラジンフマル酸塩(化合物1A1)
3,5−ジブロモピリジン(100g、422mmol)及びピペラジン(72.7g、844mmol)の混合物を130℃で100時間攪拌する。水(400ml)を添加し、pHを塩酸(4M)を添加して7に調整する。水相を3回酢酸エチル(3×600ml)で洗浄する。水性混合物を水酸化ナトリウム(200ml、4M)の添加によってアルカリ性にする。水性混合物を4回ジエチルエーテル(4×500ml)で抽出する。生成物を遊離塩基として単離する。収量44g(43%)。対応する塩をフマル酸で飽和された、ジエチルエーテル及びメタノール混合物(9:1)の添加によって得る。融点185.0℃。
【0081】
1−(5−クロロ−3−ピリジル)−ピペラジンフマル酸塩(化合物1A2)を方法Aにしたがって製造する。融点195−196℃。
【0082】
方法B
1−(6−ブロモ−5−メトキシ−3−ピリジル)−ピペラジンフマル酸塩(化合物1B1)
3−クロロ−5−メトキシピリジン(40.0g、0.279モル)、ピペラジン(48.0g、0.557モル)、カリウム−t−ブトキサイド(62.5g、0.557モル)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)(1.6g、1.39mmol) を2時間還流する。後処理を方法Aにしたしたがって行う。1−(5−メトキシ−3−ピリジル)−ピペラジンフマル酸塩を中間体として単離する。収量22.6g(26%)。1−(5−メトキシ−3−ピリジル)−ピペラジンフマル酸塩(23.1g、74.7mmol) 、炭酸水素ナトリウム水溶液(224ml、1M)、ジ−t−ブチルジカルボネート(16.3g、74.7mmol) 及びジクロロメタン(200ml)の混合物を1時間室温で攪拌する。相を分離する。有機相を4−t−ブトキシカルボニル−1−(5−メトキシ−3−ピリジル)−ピペラジンを定量的収量で得る。N−ブロモスクシンイミド(1.82g、10.2mmol) を4−t−ブトキシカルボニル−1−(5−メトキシ−3−ピリジル)−ピペラジン(3.0g、10.2mmol) 及びアセトニトリル(50ml)の混合物に0℃で添加する。反応を室温に至らしめ、2時間攪拌する。水酸化ナトリウム水溶液(100ml、4M)を添加し、2回酢酸エチル(2×100ml)で抽出する。シリカゲル上で酢酸エチル:石油(1:3)を用いるクロマトグラフィーによって遊離塩基として4−t−ブトキシカルボニル−1−(6−ブロモ−5−メトキシ−3−ピリジル)−ピペラジンが得られる。収量2.6g、68%。この化合物(2.32g、6.23mmol) を6時間トリフルオロ酢酸(4.8ml)及びジクロロメタン(30ml)の混合物と共に攪拌して脱保護する。混合物を蒸発させて、水酸化ナトリウム水溶液(100ml、1M)を添加する。混合物を3回酢酸エチル(3×100ml)で抽出し、目的化合物を遊離塩基として生じる。対応する塩をフマル酸で飽和された、ジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)の添加によって定量的収量で得る。融点202−218℃。
【0083】
1−(6−ヨード−5−メトキシ−3−ピリジル)−ピペラジンフマル酸塩(化合物1B2)を方法Bにしたがって1−(5−メトキシ−3−ピリジル)−ピペラジンから製造する。N−ブロモスクシンイミドの代わりにN−ヨードスクシンイミドを使用する。融点209.5℃。
【0084】
1−(6−ブロモ−3−ピリジル)−ピペラジンフマル酸塩(化合物1B3)を方法Bにしたがって1−(3−ピリジル)−ピペラジンから製造する。融点170.8−171.6℃。
【0085】
1−(6−ブロモ−5−クロロ−3−ピリジル)−ピペラジンフマル酸塩(化合物1B4)を方法Bにしたがって1−(5−クロロ−3−ピリジル)−ピペラジンから製造する。融点199.6−200.2℃。
【0086】
1−(5,6−ジブロモ−3−ピリジル)−ピペラジンフマル酸塩(化合物1B5)を方法Bにしたがって1−(5−ブロモ−3−ピリジル)−ピペラジンから製造する。融点199.5℃。
【0087】
1−(5−ブロモ−6−クロロ−2−ピラジニル)−ピペラジンフマル酸塩(化合物1B6)を方法Bにしたがって1−(6−クロロ−3−ピリジル)−ピペラジンから製造する。融点185.6℃。
【0088】
1−(6−ブロモ−5−エチニル−3−ピリジル)−ピペラジンフマル酸塩(化合物1B7)を方法Bにしたがって1−(5−エチニル−3−ピリジル)−ピペラジンから製造する。融点210.4℃。
【0089】
方法C
1−(5−ブロモ−6−クロロ−3−ピリジル)−ピペラジンフマル酸塩(化合物1C1)
1−(5,6−ジブロモ−3−ピリジル)−ピペラジン(1.5g、4.7mmol)及び濃塩酸(30ml)の混合物を52時間還流攪拌する。混合物を蒸発させる。水酸化ナトリウム水溶液(100ml、1M)を添加し、2回酢酸エチル(2×50ml)で抽出する。対応する塩をフマル酸で飽和された、ジエチルエーテル及びメタノール混合物(9:1)の添加によって得る。収量1.0g(54%)。融点181.2−185.9℃。
【0090】
1−(5,6−ジクロロ−3−ピリジル)−ピペラジンフマル酸塩(化合物1C1)を方法Cにしたがって1−(6−ブロモ−5−クロロ−3−ピリジル)−ピペラジンから製造する。融点180.3℃。
【0091】
1−(6−クロロ−3−ピリジル)−ピペラジン二塩酸塩(化合物1C3)を方法Cにしたがって1−(6−ブロモ−3−ピリジル)−ピペラジンから製造する。融点271−273℃。
【0092】
1−(6−クロロ−5−メトキシ−3−ピリジル)−ピペラジンフマル酸塩(化合物1C4)を方法Cにしたがって1−(6−ブロモ−5−メトキシ−3−ピリジル)−ピペラジンから製造する。融点201.3−201.6℃。
【0093】
方法D
(±)−3−(2−ベンゾチエニル)−8−H−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン(化合物1D1)
(±)−3−(2−ベンゾチエニル)−8−メチル−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン(24.4g、0.0955mmol)、1−クロロ−クロロホルマート(15.5ml、0.143モル)及びキシレン(200ml)の混合物を加熱し、24時間還流温度で加熱する。メタノール(300ml)を添加し、ついで攪拌し、還流温度で22時間加熱する。混合物を室温に冷やし、生成物を濾過する。粗生成物をジエチルエーテルから再結晶させる。収量16g(69%)。融点252−259℃。
【0094】
(±)−3−(2−ベンゾチエニル)−8−エチル−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エンフマル酸塩(化合物1D2)
(±)−3−(2−ベンゾチエニル)−8−H−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン(2.00g、8.29mmol)、ブロモエタン(0.74ml、9.94mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(2.9ml、16.6mmol)及びジメチルホルムアミド(30ml)の混合物を80℃で7時間攪拌する。水酸化ナトリウム水溶液(50ml、1M)を添加し、3回酢酸エチル(3×50ml)で抽出する。シリカゲル上でジクロロメタン、メタノール及び濃アンモニア水(89:10:1)を用いてこの粗混合物をクロマトグラフィーによって精製し、目的化合物を生じる。対応する塩をフマル酸で飽和された、ジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)の添加によって得る。収量1.00g(31%)。融点176.9℃。
【0095】
方法E
(±)−8−アリル−3−(2−ベンゾチエニル)−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン(化合物1E1)
(±)−3−(2−ベンゾチエニル)−8−H−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン(2.00g、8.29mmol)、3−ブロモ−1−プロパン(0.74ml、9.11mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(2.9ml、16.6mmol)及びジメチルホルムアミド(30ml)の混合物を80℃で24時間攪拌する。水酸化ナトリウム水溶液(50ml、1M)を添加し、3回酢酸エチル(3×50ml)で抽出する。粗生成物をジエチルエーテル(50ml)に溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液(50ml、1M)で洗浄する。収量1.44g(62%)。融点60.6−62.6℃。
【0096】
(±)−8−アリル−3−[2−(3−ブロモチエニル)]−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン(化合物1E2)を方法Fにしたがって製造する。化合物を油状物として単離する。
【0097】
(±)−3−(3−ベンゾチエニル)−8−シアノメチル−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エンフマル酸塩(化合物1E3)
(±)−3−(2−ベンゾチエニル)−8−H−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン(2.00g、8.29mmol)、ブロモアセトニトリル(0.63ml、9.11mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(2.9ml、16.6mmol)及びジメチルホルムアミド(30ml)の混合物を80℃で2.5時間攪拌する。水酸化ナトリウム水溶液(50ml、1M)を添加し、3回酢酸エチル(3×50ml)で抽出する。シリカゲル上でジクロロメタン:酢酸エチル(1:1)を用いてこの粗混合物をクロマトグラフィーによって精製し、目的化合物を生じる。対応する塩をフマル酸で飽和された、ジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)の添加によって得る。収量1.00g(31%)。融点176.9℃。
【0098】
方法F
(±)−3−[2−(3,4−ジブロモチエニル)]−8−メチル−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エンフマル酸塩(化合物1F1)
3,4−ジブロモチオフェン(11.7g、48.4mmol)及びテトラヒドロフランの混合物に−80℃でリチウムジイソプロピルアミド(27ml、ヘプタン/テトラヒドロフラン/エチルべンゼン中で2M)を添加する。混合物を1時間−80℃で攪拌する。混合物を1時間−80℃で攪拌する。テトラヒドロフラン(50ml)に溶解したトロピノン(6.73g、48.4mmol)を−80℃で添加し、1時間−80℃でで攪拌する。反応−混合物を室温に至らしめる。水(10ml)を添加し、水酸化ナトリウム水溶液(50ml、1M)を添加する。テトラヒドロフランを蒸発させる。水性混合物を酢酸エチル(3×50ml)で抽出する。中間体:エンド&エキソ−3−[2−(3,4−ジブロモ−チエニル)]−3−ヒドロキシ−8−メチル−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクタン。エンド&エキソ−3−[2−(3,4−ジブロモ−チエニル)]−3−ヒドロキシ−8−メチル−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクタン(7.40g、19.4mmol)及びテトラヒドロフラン(100ml)の氷冷された混合物に塩化チオニル(25ml)を添加する。混合物を66℃で2.5時間攪拌する。混合物を蒸発させて、水(100ml)を添加する。混合物をジエチルエーテル(3×100ml)で抽出する。
【0099】
シリカゲル上でジクロロメタン、メタノール及び濃アンモニア水(89:10:1)を用いてこの粗混合物をクロマトグラフィーによって精製し、目的化合物を生じる。収量5.26g、75%。対応する塩をフマル酸で飽和された、ジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)の添加によって得る。融点176.9℃。
【0100】
出発化合物:
(±)−8−メチル−3−トリフルオロメタンスルホニル−オキシ−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン(化合物1F2)
テトラヒドロフラン(300ml)中の8−メチル−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクタン−3−オン(12.65g、90.9mmol)に、テトラヒドロフラン(77.5ml、77.5mmol)中のナトリウムビス(トリエチルシリル)アミドを−70℃で添加する。反応混合物を30分間−70℃で攪拌する。テトラヒドロフラン(200ml)中のN−フェニル−ビス(トリフルオロメタン−スルホンアミド)(32.5g、90.9mmol)を−70℃で添加する。反応混合物を室温に徐々に至らしめ、一晩攪拌する。水酸化ナトリウム水溶液(500ml、0.1M)を添加し、混合物を2回酢酸エチル(200ml)で抽出する。シリカゲル上で溶剤としてジクロロメタン及び10%エタノールを用いてクロマトグラフィーによって精製し、目的化合物を油状物として生じる。収量16.2g、45%。
【0101】
(±)−3−(5−インドリル)−8−メチル−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン(化合物1F3)
(±)−8−メチル−3−トリフルオロメタンスルホニル−オキシ−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン(3.37g、12.4mmol)、5−インドリルボロン酸(2.00g、12.4mmol)、塩化リチウム(1.58g、37.3ml)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(O)(0.43g、0.4mmol)、炭酸カリウム(5.14g、37.3mmol)、1、3−プロパンジオール(2.84g、37.3mmol)及び1,2−ジメトキシエタン(40ml)の混合物を攪拌し、20時間還流加熱する。水酸化ナトリウム水溶液(100ml、1M)を添加する。混合物を2回ジエチルエーテルで抽出する。シリカゲル上でジクロロメタン、メタノール及び濃アンモニア水(89:10:1)を用いてこの粗混合物をクロマトグラフィーによって精製し、目的化合物を生じる。対応する塩をフマル酸で飽和された、ジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)の添加によって得る。収量130mg、3.0%。融点167.4−178.0℃。
【0102】
方法G
1−(6−フェニル−3−ピリダジニル)−ピペラジンフマル酸塩(化合物1G1)
3−クロロ−6−フェニル−ピリダジン(1.0g、5.25mmol)、ピペラジン(2.26g、26.2mmol)及びトルエン(50ml)の混合物を一晩還流加熱する。pHを6に水酸化ナトリウム水溶液(1M)を用いて調整し、水相を塩化メチレン(3×50ml)で洗浄する。水酸化ナトリウム水溶液(100ml、2M)を添加する。混合物を塩化メチレン(3×50ml)で抽出する。対応する塩をフマル酸で飽和された、ジエチルエーテル及びメタノール混合物(9:1)の添加によって得る。収量1.0g、53%。融点196.4−199.1℃。
【0103】
1−(6−クロロ−2−ピラジニル)−ピペラジン塩酸塩(化合物1G2)を方法Gにしたがって製造する。融点285.7℃。
【0104】
1−(6−クロロ−3−ピリダジニル)−ピペラジンフマル酸塩(化合物1G3)を方法Gにしたがって製造する。融点193℃。
【0105】
1−(6−ヨード−3−ピリダジニル)−ピペラジンフマル酸塩(化合物1G4)を方法Gにしたがって製造する。融点187−190℃。
【0106】
1−[6−(1−ベンズイミダゾリル)−3−ピリダジニル]−ピペラジンフマル酸塩(化合物1G5)を方法Gにしたがって製造する。融点217.0℃。
【0107】
1−(2−ピラジニル)−ピペラジンフマル酸塩(化合物1G6)を1−(6−クロロ−2−ピラジニル)−ピペラジンから触媒として炭(carbon)上担持されたパラジウムを用いて水素添加によって製造する。融点177.1℃。
【0108】
方法H
1−(6−クロロ−2−ピラジニル)−4−メチル−ピペラジンフマル酸塩(化合物1H1)
1−(6−クロロ−2−ピラジニル)−ピペラジン(5.0g、25.2mmol)、ホルムアルデヒド(37重量%、d=1.083、38ml、0.503モル)及びギ酸(d=1.22、19ml、0.503モル)を6時間還流攪拌する。混合物を蒸発させる。水酸化ナトリウム水溶液(100ml、1M)を添加する。混合物をジエチルエーテル(3×100ml)で抽出する。シリカゲル上でジクロロメタン、メタノール及び濃アンモニア水(89:10:1)を用いてこの粗混合物をクロマトグラフィーによって精製し、目的化合物を生じる。収量3.97g(74%)。対応する塩をフマル酸で飽和された、ジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)の添加によって得る。融点176.9℃。
【0109】
方法I
1−(6−フェニル−3−ピリジル)−ピペラジンフマル酸塩(化合物1l1)
1−(6−ブロモ−3−ピリジル)−4−t−ブトキシカルボニルピペラジン(1.0g、2.9mmol)、フェニルボロン酸(1.06g、8.8mmol)、炭酸カリウム水溶液(4.3ml、8.7mmol)、水(4.3ml)、イソプロパノール(0.66ml、8.7mmol)、1,2−ジメトキシエタン(10ml)、パラジウム(O)テトラキストリフェニルホスフィン(66mg、0.058mmol)の混合物を4日間で還流攪拌する。水酸化ナトリウム水溶液(50ml)を添加し、混合物を塩化メチレン(3×50ml)で抽出する。シリカゲル上でジクロロメタン、メタノール及び濃アンモニア水(89:10:1)を用いてこの粗混合物をクロマトグラフィーによって精製し、1−(6−フェニル−3−ピリジル)−4−t−ブトキシカルボニルピペラジンを生じる。中間体(0.80g、2.4mmol)、トリフルオロ酢酸(1.8ml、23.6mmol)及びジクロロメタン(10ml)を1.5時間攪拌する。混合物を蒸発させる。水酸化ナトリウム水溶液(50ml、1M)を添加し、混合物をジエチルエーテル(3×50ml)で抽出する。対応する塩をフマル酸で飽和された、ジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)の添加によって得る。融点203−204℃。
【0110】
1−(5−クロロ−6−フェニル−3−ピリジル)−ピペラジンフマル酸塩(化合物1l2)を1−(6−ブロモ−5−クロロ−3−ピリジル)−ピペラジンから方法Iにしたがって製造する。融点181.6−185.4℃。
【0111】
方法J
1−(5−クロロ−6−メチル−3−ピリジル)−4−t−ブトキシカルボニル−ピペラジン(化合物1J1)
1−(6−ブロモ−5−クロロ−3−ピリジル)−4−t−ブトキシカルボニルピペラジン(2.0g、5.3mmol)、テトラメチルチン(1.9g、10.6mmol)、パラジウム−ジ−トリフェニルホスフィン(0.19g、0.26mmol)及びジメチルホルムアミド(2ml)の混合物を160℃で密閉容器中で一晩攪拌する。混合物を濃塩酸(30ml)中で15分間還流攪拌する。混合物を蒸発させる。水酸化ナトリウム水溶液(50ml、1M)を添加し、混合物をジクロロメタン(3×50ml)で抽出する。シリカゲル上でジクロロメタン、メタノール及び濃アンモニア水(89:10:1)を用いてこの粗混合物をクロマトグラフィーによって精製し、目的生成物を生じる。収量0.70g(43%)。対応する塩をフマル酸で飽和された、ジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)の添加によって得る。融点178.1−180.5℃。
【0112】
方法K
1−(5−エチニル−3−ピリジル)−ピペラジンフマル酸塩(化合物1K1)
1−(5−ブロモ−3−ピリジル)−4−t−ブトキシカルボニル−ピペラジン(53.5g、0.156mmol)、炭酸カリウム(54.0g、0.391モル)、ヨウ化銅(I)(5.96g、31.3mmol)、炭上に担持されたパラジウム(20.0g、5%、50%水)、トリフェニルホスフィン(4.1g、15.6mmol)、2−メチル−3−ブチン−2−オール(131.5g、1.56モル)及びジオキサン(300ml)の混合物を10日間還流攪拌する。粗混合物をセライトを通してろ過する。シリカゲル上で酢酸エチル:石油(1:3)を用いてこの粗混合物をクロマトグラフィーによって精製し、対応するアルコールを生じる。中間体(27.4g、79.3mmol)、水素化ナトリウム(0.57g、23.8mmol)オトルエン(200ml)を2日間還流攪拌する。シリカゲル上で酢酸エチル:石油(1:3)を用いてこの粗混合物をクロマトグラフィーによって精製し、対応する1−(5−エチニル−3−ピリジル)−4−t−ブトキシカルボニル−ピペラジンを生じる。収量16.6、73%。保護基を1−(5−エチニル−3−ピリジル)−4−t−ブトキシカルボニル−ピペラジン(1.02g、3.55mmol)、トリフルオロ酢酸(2.7ml、35.5mmol)及びジクロロメタン(10ml)を一晩攪拌することによって除去する。混合物を蒸発させる。水酸化ナトリウム水溶液(50ml、1M)を添加し、混合物をジクロロメタン(3×50ml)で抽出する。シリカゲル上でジクロロメタン、メタノール及び濃アンモニア水(89:10:1)を用いてこの粗混合物をクロマトグラフィーによって精製し、目的生成物を生じる。収量0.66g(99%)。対応する塩をフマル酸で飽和された、ジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)の添加によって得る。融点175.1℃。
【0113】
例2
製造例
通則
空気に敏感な試薬又は中間体を含むすべての反応を窒素下に、そして無水溶剤中で行う。硫酸マグネシウムを後処理で乾燥剤として使用し、溶剤を減圧下に蒸発させる。
【0114】
9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナンを[Micheaels RJ & Zaugg HE; J. Org. Chem. 1960 25 637]にしたがって製造する。
【0115】
(±)3−(2−ナフタニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン フマル酸塩(化合物2A)
2−ブロモナフタレン(5.0g、24.1mmol)、9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン(3.38g,24.1mmol)及びパラダサイクル(0.045g、0.048mmol)[Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1995 34 1844]の混合物を2日間150℃で攪拌する。水酸化ナトリウム(50ml、1M)を室温で添加する。混合物をジエチルエーテル(2×100ml)で抽出する。シリカゲル上でジクロロメタン、メタノール及び濃アンモニア水(89:10:1)を用いてクロマトグラフィーによって精製して、目的化合物を生じる。対応する塩をフマル酸で飽和された、ジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)の添加によって得る。収量0.30g、3%。融点173−174℃。
【0116】
(±)3−(6−キノリニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン フマル酸塩(化合物2B)
2−クロロキノリン(5.0g、30.6mmol)及び9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン(3.38g、24.1mmol)の混合物を4時間溶剤の不在下に140℃で攪拌する。水酸化ナトリウム(50ml、1M)を室温で添加する。混合物をジエチルエーテル(2×100ml)で抽出する。シリカゲル上でジクロロメタン、メタノール及び濃アンモニア水(89:10:1)を用いてクロマトグラフィーによって精製して、目的化合物を生じる。対応する塩をフマル酸で飽和された、ジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)の添加によって得る。収量5.2g、44%。融点173−174.2℃。
【0117】
方法A
(±)3−(3,4−ジクロロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン フマル酸塩(化合物2A1)
1−ブロモ−3,4−ジクロロベンゼン(6.65g、29.6mmol)及び9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン(5.0g、35.5mmol)、カリウム−t−ブトキサイド(6.64g、59.2mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(O)(1.0g、0.88mmol)及び1,2−ジメトキシエタンの混合物を一晩攪拌する。水酸化ナトリウム(50ml、1M)を室温で添加する。混合物を酢酸エチル(2×40ml)で抽出する。シリカゲル上でジクロロメタン、メタノール及び濃アンモニア水(89:10:1)を用いてクロマトグラフィーによって精製して、目的化合物を生じる。収量2.41g、29%。対応する塩をフマル酸で飽和された、ジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)の添加によって得る。融点114.4℃。
【0118】
(±)3−(3−キノリニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン フマル酸塩(化合物2A2)を出発化合物として6−クロロキノリン及び触媒としてパラダサイクル[Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1995 34 1844]、酢酸パラジウム及び2−ビフェニル−ジ−t−ブチルホスフィンを用いて方法Aにしたがって製造する。融点164−166℃。
【0119】
(±)3−(4−フルオロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン フマル酸塩(化合物2A3)を方法Aにしたがって製造する。この生成物を3−(3−フルオロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン及び3−(4−フルオロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナンの反応混合物から分離する。融点123.7℃。
【0120】
(±)3−(3−フルオロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン フマル酸塩(化合物2A4)を方法Aにしたがって製造する。この生成物を3−(3−フルオロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン及び3−(4−フルオロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナンの反応混合物から分離する。融点138.6℃。
【0121】
(±)3−(4−トリフルオロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン(化合物2A5)を方法Aにしたがって製造する。この生成物を3−(3−トリフルオロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン及び3−(4−トリフルオロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナンの反応混合物から分離する。生成物を油状物として単離する。
【0122】
(±)3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン(化合物2A6)を方法Aにしたがって製造する。この生成物を3−(3−トリフルオロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン及び3−(4−トリフルオロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナンの反応混合物から分離する。生成物を油状物として単離する。
【0123】
(±)3−(フェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン フマル酸塩(化合物2A7)を方法Aにしたがって製造する。融点143.9℃。
【0124】

方法B
(±)3−(3,4−ジクロロフェニル)−9−H−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナンフマル酸塩(化合物2B1)
3−(3,4−ジクロロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン(0.50g、1.8mmol)、1−クロロエチル−クロロホルマート(0.63g、4.4mmol)及びキシレン(10ml)の混合物を24時間還流攪拌し、メタノール(10ml)を添加し、混合物を5時間還流攪拌する。水酸化ナトリウム(50ml、1M)を室温で添加する。混合物を酢酸エチル(2×40ml)で抽出する。シリカゲル上でジクロロメタン、メタノール及び濃アンモニア水(89:10:1)を用いてクロマトグラフィーによって精製して、目的化合物を生じる。収量0.14g、29%。対応する塩をフマル酸で飽和された、ジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)の添加によって得る。融点222.3℃。
【0125】
(±)3−[(5−クロロピリド−3−イル)−5−オキシエトキシピリド−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン(B6)及び
(±)O、O’−ビス−[5−(9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン−3−イル)−3−ピリジル]−エチレングリコール フマル酸塩(B7)
O、O’−ビス−(5−クロロ−3−ピリジル)−エチレングリコ−ル(2.0g、7.0mmol)、9−メチル−3,9−ジアザビシクロ−[4.2.1]−ノナン(3.9g、28.1mmol)、炭酸セシウム(4.6g、14.0mmol)、パラダサイクル(0.050g、0.053mmol)、酢酸パラジウム(0.05g、0.22mmol)、2−ビフェニル−ジ−t−ブチルホスフィン(0.05g、0.17mmol)及びトリ−t−ブチルホスフィン(0.05g、0.25mmol)の混合物を130℃で一晩攪拌する。水酸化ナトリウム水溶液(50ml、1M)を添加し、混合物をジエチルエーテル(5×30ml)で5回抽出する。粗混合物を蒸発させて、シリカゲル上でジクロロメタン、メタノール及び濃アンモニア水(89:10:1)を用いてクロマトグラフィーによって精製して、遊離塩基として目的化合物(A)を生じる。収量0.40g、20%。融点112−113℃。そして(B)は収量0.40g、15%。Bの対応する塩をフマル酸で飽和された、ジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)の添加によって得る。融点84−88℃。
【0126】
(±)O、O’−ビス−(5−クロロ−3−ピリジル)−エチレングリコール エチレングリコール(138.4g、2.23モル)及びナトリウム(12.3g、0.53モル)の混合物を80℃で4時間攪拌する。3,5−ジクロロピリジン(66.0g、0.45モル)及びジメチルスルホキシド(300ml)を110℃で10時間攪拌する。混合物を室温に至らしめる。水酸化ナトリウム水溶液(1M、600ml)を添加し、混合物を攪拌し、濾過する。目的化合物を結晶性生成物として単離する。(8.7g、6.8%)。融点136−138℃。
【0127】
例3
生物学的活性
マウスの強制された水泳テスト
古典的な抗うつ剤(Desipramine) の系統だった投与は、水のはった小さいプールでマウスにより行われる、強制された水泳距離の増加を誘発する。したがって強制された水泳テストは可能性のある抗うつ性薬理効果の前兆であると考えられる。
【0128】
雌性NMRIマウス(20−25g)を実験の前の少なくとも16時間実験室に慣れさせる(12時間明るい/暗いサイクル)。
【0129】
賦形剤又は医薬のどちらかを皮下注射して30分後、上端から10cmまで水(24℃)がはられたガラス製ビーカー(d=16cm、5000ml)中にマウスを入れる。次の6分間、水泳速度が2.5cm/分より小さいときは静止の持続と定義し、そして5cm/分以上の速度で泳いだ距離を強制された水泳距離と定義して記録する。各グループには8匹のマウスがいる。
【0130】
マウスの運動を距離、静止及び速度の測定に関してView Pointシステムによって追跡する。
【0131】
15秒の時間間隔で静止時間±SEM(秒)及び強制された水泳距離±SEM(cm)を示し、SigmaPlot でプロットする。時間間隔60−360秒で平均静止時間全体及び水泳距離全体を計算し、各グループに対して表わす。賦形剤で処理されたグループとの顕著な違いを示す薬用量を最小有効薬用量(MED皮下mg/kg)として記録する。
【0132】
1−(6−クロロ−3−ピリジル)−ピペラジン(例1の化合物1C3)(0.3、1.3、10mg/kg皮下)をマウスの強制された水泳テスト(mFST)でテストし、これは30分−予備処理を含む強制された水泳に影響を与えなかった。しかしながらVenlafaxine 及び化合物1C3(1+3、3+3、10+1、10+3mg/kg皮下)との組み合わせはNMRIマウスでの強制された水泳を著しく増加させる。
【0133】
類似の効果はVenlafaxine (10mg/kg皮下)及びホモピペラジン1−(6−クロロ−3−ピリジル)−ホモピペラジン(0.1,0.3mg/kg皮下)[これは化合物9Kとして国際特許出願(WO)第99/21834号明細書に開示されている]、そして
Venlafaxine (10mg/kg皮下)及びホモピペラジン1−(5−エチニル−3−ピリジル)−ホモピペラジン(0.1,0.3mg/kg皮下)[これは化合物12Jとして国際特許出願(WO)第99/21834号明細書に開示されている]、そして
Venlafaxine (10mg/kg皮下)及びホモピペラジン1−(3−ピリジル)−ホモピペラジン(0.1,0.3mg/kg皮下)[これは化合物1Fとして国際特許出願(WO)第99/21834号明細書に開示されている]の組み合わせで観察された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の情動障害、疾患又は状態の治療、予防又は緩和する方法において、ニコチン性アセチルコリン作動性活性及びモノアミン作動性又は拮抗性又は再取り込み阻害活性を有する化合物1種以上の治療上有効な量を上記患者に投与することを特徴とする、上記方法。
【請求項2】
治療上有効な物質がニコチン性アセチルコリンアゴニストとして作用する物質及びモノアミンアゴニスト又はアンタゴニスト又は再取り込み阻害剤として作用する物質からなる組み合わせ治療として投与される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
治療効果がニコチン性アセチルコリンアゴニスト及びモノアミンアゴニスト又はアンタゴニスト又は再取り込み阻害剤の二重活性を有する物質を用いて達成される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
情動障害、疾患又は状態がうつ、不安、強迫性障害(OCD)、パニック障害又は苦痛である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
モノアミン再取り込み阻害剤が選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)である、請求項2記載の方法。
【請求項6】
上記方法が請求項13〜20のいずれかに1つに記載の化合物の治療上有効な量を投与することからなる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
治療上有効な量のニコチン性アセチルコリンアゴニスト及びモノアミン再取り込み阻害剤を少なくとも1種の薬学的に許容し得るキャリヤー又は希釈剤と共に含有する薬学的調合物。
【請求項8】
患者の情動障害、疾患又は状態の治療、予防又は緩和に使用するための、請求項7記載の薬学的調合物。
【請求項9】
情動障害、疾患又は状態がうつ、不安、強迫性障害(OCD)、パニック障害又は苦痛である、請求項8記載の薬学的調合物。
【請求項10】
患者の情動障害、疾患又は状態の治療、予防又は緩和用医薬の製造にニコチン性アセチルコリンアゴニスト及びモノアミン再取り込み阻害剤を使用する方法。
【請求項11】
情動障害、疾患又は状態がうつ、不安、強迫性障害(OCD)、パニック障害又は苦痛である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
請求項13〜20のいずれかに1つに記載の化合物の治療上有効な量を含有する医薬を製造するための、請求項10記載の方法。
【請求項13】
式I
【化1】


{式中、
nは1、2又は3であり;
mは0、1又は2であり;
Rは水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アシル又はベンジルを示し、
1 は5−ブロモ−3−ピリジル、5−ブロモ−3−ピリジル、6−クロロ−3−ピリジル、6−ブロモ−5−メトキシ−3−ピリジル、6−ブロモ−3−ピリジル、6−ブロモ−5−クロロ−3−ピリジル、5,6−ジブロモ−3−ピリジル、6−クロロ−5−ブロモ−3−ピリジル、6−ヨード−5−メトキシ−3−ピリジル、5,6−ジクロロ−3−ピリジル、5−ブロモ−6−クロロ−2−ピラジニル、6−ブロモ−5−エチニル−3−ピリジル、6−クロロ−5−メトキシ−3−ピリジル、6−フェニル−3−ピリダジニル、6−クロロ−2−ピラジニル、6−クロロ−3−ピリダジニル、6−ヨード−3−ピリダジニル、6−(1−ベンズイミダゾリル)−3−ピリダジニル、2−ピラジニル、6−クロロ−2−ピラジニル、6−フェニル−3−ピリジル、5−クロロ−6−フェニル−3−ピリジル、5−クロロ−6−メチル−3−ピリジル、5−エチニル−3−ピリジル、5−ブロモ−3−ピリジル、5−メトキシ−6−ブロモ−3−ピリジル、6−ブロモ−3−ピリジル、5−クロロ−6−ブロモ−3−ピリジル、5,6−ジブロモ−3−ピリジル、5−ブロモ−6−クロロ−3−ピリジル、5−メトキシ−6−ヨード−3−ピリジル又は5,6−ジクロロ−3−ピリジルを示す。}
で表わされる化合物。
【請求項14】
n及びmが1であり、Rが水素、メチル又は4−t−ブトキシカルボニルを示し、
そして
1 が5−ブロモ−3−ピリジル、5−ブロモ−3−ピリジル、6−クロロ−3−ピリジル、6−ブロモ−5−メトキシ−3−ピリジル、6−ブロモ−3−ピリジル、6−ブロモ−5−クロロ−3−ピリジル、5,6−ジブロモ−3−ピリジル、6−クロロ−5−ブロモ−3−ピリジル、6−ヨード−5−メトキシ−3−ピリジル、5,6−ジクロロ−3−ピリジル、5−ブロモ−6−クロロ−2−ピラジニル、6−ブロモ−5−エチニル−3−ピリジル、6−クロロ−5−メトキシ−3−ピリジル、6−フェニル−3−ピリダジニル、6−クロロ−2−ピラジニル、6−クロロ−3−ピリダジニル、6−ヨード−3−ピリダジニル、6−(1−ベンズイミダゾリル)−3−ピリダジニル、2−ピラジニル、6−クロロ−2−ピラジニル、6−フェニル−3−ピリジル、5−クロロ−6−フェニル−3−ピリジル、5−クロロ−6−メチル−3−ピリジル、5−エチニル−3−ピリジル、5−ブロモ−3−ピリジル、5−メトキシ−6−ブロモ−3−ピリジル、6−ブロモ−3−ピリジル、5−クロロ−6−ブロモ−3−ピリジル、5,6−ジブロモ−3−ピリジル、5−ブロモ−6−クロロ−3−ピリジル、5−メトキシ−6−ヨード−3−ピリジル又は5,6−ジクロロ−3−ピリジルを示す、
請求項13記載の化合物。
【請求項15】
1−(5−ブロモ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(6−クロロ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(6−ブロモ−5−メトキシ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(6−ブロモ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(6−ブロモ−5−クロロ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(5,6−ジブロモ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(6−クロロ−5−ブロモ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(6−ヨード−5−メトキシ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(5,6−ジクロロ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(5−ブロモ−6−クロロ−2−ピラジニル)−ピペラジン、
1−(6−ブロモ−5−エチニル−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(6−クロロ−5−メトキシ−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(6−フェニル−3−ピリダジニル)−ピペラジン、
1−(6−クロロ−2−ピラジニル)−ピペラジン、
1−(6−クロロ−3−ピリダジニル)−ピペラジン、
1−(6−ヨード−3−ピリダジニル)−ピペラジン、
1−[6−(1−ベンズイミダゾリル)−3−ピリダジニル]−ピペラジン、
1−(2−ピラジニル)−ピペラジン、
1−(6−クロロ−2−ピラジニル)−4−メチル−ピペラジン、
1−(6−フェニル−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(5−クロロ−6−フェニル−3−ピリジル)−ピペラジン、
1−(5−クロロ−6−メチル−3−ピリジル)−4−t−ブトキシカルボニル−ピペラジン、
1−(5−エチニル−3−ピリジル)−ピペラジン、
又はその対掌体又はその対掌体の混合物、又はそのアイソトープ又はその薬学的に許容し得る塩である、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
nが2であり、
mが1であり、
Rが水素、メチル又は4−t−ブトキシカルボニルを示し、そして
1 が5−ブロモ−3−ピリジル、5−ブロモ−3−ピリジル、6−クロロ−3−ピリジル、6−ブロモ−5−メトキシ−3−ピリジル、6−ブロモ−3−ピリジル、6−ブロモ−5−クロロ−3−ピリジル、5,6−ジブロモ−3−ピリジル、6−クロロ−5−ブロモ−3−ピリジル、6−ヨード−5−メトキシ−3−ピリジル、5,6−ジクロロ−3−ピリジル、5−ブロモ−6−クロロ−2−ピラジニル、6−ブロモ−5−エチニル−3−ピリジル、6−クロロ− 5−メトキシ−3−ピリジル、6−フェニル−3−ピリダジニル、6−クロロ −2−ピラジニル、6−クロロ−3−ピリダジニル、6−ヨード−3−ピリダ ジニル、6−(1−ベンズイミダゾリル)−3−ピリダジニル、2−ピラジニル、6−クロロ−2−ピラジニル、6−フェニル−3−ピリジル、5−クロロ −6−フェニル−3−ピリジル、5−クロロ−6−メチル−3−ピリジル、5−エチニル−3−ピリジル、5−ブロモ−3−ピリジル、5−メトキシ−6−ブロモ−3−ピリジル、6−ブロモ−3−ピリジル、5−クロロ−6−ブロモ−3−ピリジル、5,6−ジブロモ−3−ピリジル、5−ブロモ−6−クロロ−3−ピリジル、5−メトキシ−6−ヨード−3−ピリジル又は5,6−ジクロロ−3−ピリジルを示す、
請求項13記載の化合物。
【請求項17】
1−(5−ブロモ−3−ピリジル)−ホモピペラジン、
1−(6−クロロ−3−ピリジル)−ホモピペラジン、
1−(5−メトキシ−6−ブロモ−3−ピリジル)−ホモピペラジン、
1−(6−ブロモ−3−ピリジル)−ホモピペラジン、
1−(5−クロロ−6−ブロモ−3−ピリジル)−ホモピペラジン、
1−(5,6−ジブロモ−3−ピリジル)−ホモピペラジン、
1−(5−ブロモ−6−クロロ−2−ピリジル)−ホモピペラジン、
1−(5−メトキシ−6−ヨード−3−ピリジル)−ホモピペラジン又は
1−(5,6−ジクロロ−3−ピリジル)−ホモピペラジン、
又はその対掌体又はその対掌体の混合物、又はそのアイソトープ又はその薬学的に許容し得る塩である、請求項16記載の化合物。
【請求項18】
そのあらゆる対掌体又はその対掌体のあらゆる混合物、又はその薬学的に許容し得る塩である、式VI
【化2】


{式中、
Rは水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シアノアルキル、フェニル、ナフチル又はベンジルであり、
1
【化3】


(式中、R2 は水素、アルキル、シクロアルキル又はアミノ、あるいはフラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、又はチアゾリルであり、このヘテロアリール基は場合によりアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シアノアルキル、ハロゲン、CF3 、OCF3 、CN、アミノ、ニトロ、及びフリルより成る群から選ばれた置換基で1回以上置換されているか、又は
ナフチル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル又はチエノ−チエニルであり、この二環状基は場合によりアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シアノアルキル、ハロゲン、CF3 、OCF3 、CN、アミノ、ニトロ、及びフリルより成る群から選ばれた置換基で1回以上置換されている。)
を示す。}
で表わされる8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン誘導体。
【請求項19】
Rが水素、メチル、エチル、アリル、シアノメチル又はベンジルを示し、R1 がアセチル、3−ピリジル、3−(6−メトキシ)ピリジル、3−(6−クロロ)ピリジル、2−チアゾリル、3−チエニル、2−チエニル、2−(3−メトキシメチル)チエニル、2−(3−ブロモ)チエニル、2−(3,4−ジブロモ)チエニル、2−フリル、3−フリル、2−(3−ブロモ)チエニル、3−クロロ−チエン−2−イル、5−インドリル、3−(3−フリル)−2−チエニル、3−キノリニル、3−ベンゾフリル、2−ベンゾフリル、3−ベンゾチエニル、2−ベンゾチエニル、2−ベンゾチアゾリル、2−チエノ[3.2−b]チエニル、チエノ[2.3−b]チエニル、2−(3−ブロモ)ベンゾフリル又は2−(3−ブロモ)ベンゾチエニルを示す、請求項18記載の8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン誘導体。
【請求項20】
(±)−3−(2−ベンゾチエニル)−8−H−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(2−ベンゾチエニル)−8−エチル−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−8−アリル−3−(2−ベンゾチエニル)−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−8−アリル−3−(2−ベンゾチエニル)−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−8−アリル−3−[2−(3−ブロモチエニル)]−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(2−ベンゾチエニル)−8−シアノメチル−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−[2−(3、4−ジブロモチエニル)]−8−メチル−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン;又は
(±)−3−(5−インドリル)−8−メチル−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン;
又は
そのあらゆる対掌体、そのあらゆる混合物、そのアイソトープ又はその薬学的に許容し得る塩である、請求項19記載の8−アザビシクロ−[3.2.1]オクト−2−エン誘導体。

【公開番号】特開2008−156364(P2008−156364A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−9961(P2008−9961)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【分割の表示】特願2002−533848(P2002−533848)の分割
【原出願日】平成13年10月10日(2001.10.10)
【出願人】(591019645)ニューロサーチ、アクティーゼルスカブ (16)
【氏名又は名称原語表記】NEUROSEARCH A/S
【Fターム(参考)】