説明

ニコチン投与用液体配合物

タバコ依存症及び同様の症状を処置するために任意の形態のニコチンを対象者に経皮的取り込みによって送達するための薬剤液体配合物であって、薬用ボディローション、薬用ボディバルム又は薬用ボディジェルである薬剤液体配合物。また、ニコチンを送達するための方法、タバコの喫煙又はタバコ使用に対する衝動を低減させるための方法及びかかる液体配合物を製造するための方法、対象者の皮膚を介してニコチンの経皮的な取り込みを行なうためのかかる液体配合物の使用、並びにタバコ又はニコチン依存性、アルツハイマー病、クローン病、パーキンソン病、トゥレット症候群、及び潰瘍性大腸炎からなる群から選択される疾患の処置のために及び禁煙後の体重管理のために、液体配合物を製造するためのニコチンの使用も意図されている。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、タバコ依存症及び同様の症状を処置するためのニコチン含有薬用ボディローション、バルム、又はジェルに関する。このようなローション、バルム、及びジェルには、例えば、日焼け止め生成物、抗シワ生成物、保湿生成物、ビタミン投与生成物、及び洗面用化粧水、例えばアフターシェーブローション、オードパルファム、オードトワレ、オーデコロン、洗面用化粧水、及び同様の生成物を包含する。ニコチンによって生じる効果に加えて二次的薬効を有する薬用ボディローション、バルム、及びジェルが含まれる。
【0002】
〔背景技術〕
タバコ依存症を減らすことは価値のある目標である。近年、タバコ喫煙の有害な影響が認識されるに伴い、多数のキャンペーン及びプログラムが、行政機関及び種々の健康グループ並びに関心がある他の組織によって行なわれ、タバコ喫煙から生じる有害な健康への影響についての情報が広められている。更に、有害な影響がこのように認識される結果、多くのプログラムが、喫煙率を下げる試みを目的として行なわれている。
【0003】
ニコチンは有機化合物であり、タバコの主なアルカロイドである。ニコチンは、巻きタバコ、葉巻、嗅ぎタバコなどで用いられるタバコに含まれる、最も重要な中毒性成分である。またニコチンは中毒性の薬物でもあり、喫煙者は、特徴として、禁煙がしばらくの間成功した後に、再発するという強い傾向を示す。ニコチンは、コーヒー及びお茶に由来するカフェインに次いで、世界で2番目に多く使用される薬物である。
【0004】
タバコ喫煙に伴う主な問題は、健康に対するその甚大な影響である。喫煙に関連する疾患によって、およそ3〜400万の死者が毎年出ていると推定される。「成人の間での巻きタバコ喫煙−米国、1995年(cigarette smoking among adults-United States,1995.)」(疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)、MMWR 1997;46巻:1217〜1220頁)によれば、米国では毎年、約500,000人が、タバコ使用の結果として死亡している。実際に、タバコの吸いすぎが、今では世界の全体にわたる主要な健康問題の1つとして認識されている。このタバコ喫煙の恐ろしい結果によって、多くの医師会及び健康局が、タバコ使用に対する非常に強い行動を取ることに駆り立てられてきた。
【0005】
現在、タバコ喫煙は多くの先進国において減少しているが、世界で2番目に多く使用される薬物を社会がどのように駆逐できるかは簡単には分からない。喫煙率は依然として多くの国において、特に発展途上国において、上昇している。
【0006】
重度の喫煙者が行なえる最も好都合な事柄は、喫煙を完全にやめるか又は少なくとも自分の喫煙をやめることである。しかしながら経験上、ほとんどの喫煙者は、このことが極めて難しいことに気が付く。なぜならば、たいていの場合、タバコ喫煙は依存性疾患又は渇望になるからである。世界保健機関(「WHO」)は、その疾患の国際分類において、タバコ依存症と呼ぶ診断を設けている。他の米国精神医学会などでも、その中毒をニコチン依存症と呼んでいる。一般的に、こうした禁煙の困難さは、このような重度の喫煙者がニコチンに依存しているという事実によるものであることが認められている。しかし、健康に関係する最も重要な危険因子は、タバコの燃焼中に形成される物質、例えばタール生成物、一酸化炭素、アルデヒド、及びシアン化水素酸である。
【0007】
ニコチンの影響
ニコチンは、中毒性の有毒なアルカロイドC54NC47NCH3であり、タバコ葉に由来するものである。ニコチンは殺虫剤としても用いられる。約40ミリグラムのニコチンを一用量として用いれば、成人が死ぬ場合もある(メルクインデックス(Merck Index))。ニコチンの投与(例えば、巻きタバコ、葉巻、又はパイプを喫煙する形態で)によって、喫煙者を満足な気分にさせることができる。しかしながら喫煙は健康障害をもたらす。そのため、ニコチン投与に替わる方法であって、喫煙を止め、及び/又は喫煙の代替品として利用できる、満足感のある無害な方法を考案することが望ましい。
【0008】
巻きタバコを喫煙すると、ニコチンが喫煙者の血液中にすぐに吸収されて、吸入からほぼ10秒以内に脳に達する。ニコチンを急速に取り込むことによって、消費者には急速な満足感又は刺激が与えられる。満足感は通常、巻きタバコの喫煙時間の間中及びその後もしばらく続く。喫煙の有害、毒性、発がん性、及び中毒性の性質が所以に、巻きタバコを喫煙する習慣を打ち砕くために使用できる方法、組成物及び装置を開発する強い動機づけが生まれている。
【0009】
ニコチン代替生成物
喫煙を減らす1つの方法は、喫煙による以外の形態又は仕方でニコチンを与えることであり、この必要性に応えるべく、いくつかの生成物が開発されている。現在のところ、ニコチンを含む配合物が、タバコ依存症に対して用いられる主流的な処置である。
【0010】
現在知られている生成物を用いての喫煙率の低下の実現は、比較的成功していない。従来技術には、行動的アプローチと薬理学的アプローチとの両方が含まれている。タバコ喫煙者のうち80%以上が、当初は、何らかの行動的又は薬理学的アプローチを用いた後に禁煙して単独で喫煙率を下げているが、一般的に、ほぼ1年間以内に再発して喫煙習慣に元の喫煙割合で戻っている。
【0011】
禁煙するつもりがある者のための補助具として、ニコチン代替生成物のいくつかの方法及び形態が市販されている。対象者のタバコ使用に対する欲求を減らすためのいくつかの方法及び手段として、対象者にニコチン又はその誘導体を投与するステップを含むものが、例えば以下の文献に記載されている。米国特許第5,810,018号(経口のニコチン含有スプレー)、米国特許第5,939,100号(ニコチン含有デンプンマイクロスフェア)、及び米国特許第4,967,773号(ニコチン含有薬用ドロップ)。
【0012】
ニコチン含有点鼻剤が報告されている(ラッセル(Russell)ら、英国医師会雑誌(British Medical Journal)、第286巻、683頁(1983);ジャーヴィス(Jarvis)ら、英国中毒学会誌(Brit.J.of Addiction)、第82巻、983頁(1987))。しかし点鼻剤は、投与が難しく、仕事中又は他の公共の状況で用いるには使いやすくない。スプレーを用いて鼻腔内に直接送達することによってニコチンを投与する方法が、米国特許第4,579,858号、独国特許第32 41 437号、及び国際公開第93 127 64号から知られている。しかしながら鼻ニコチン配合物を用いると、局所的に鼻の炎症が生じる場合がある。投与が難しいために、投与されるニコチンの投与量が予測できないことにもなる。
【0013】
また、ニコチン蒸気の取り込み用に巻きタバコに似た吸入装置が知られており、米国特許第5,167,242号で提案されている。かかる手段及び方法は、ニコチン中毒に付随する問題に対処するものである。
【0014】
喫煙代用品として及び/又は禁煙補助具として用いられる生成物として成功したものの1つであって、ニコチンに基づくものは、チューインガムニコレット(Nicorette)(登録商標)である。この生成物は、食品医薬品局(Food and Drug Administration)(FDA)の認可を受けた最初のニコチン代替品形態の1つであって、依然として最も多く使用されているニコチン代替生成物の1つである。ニコレット(登録商標)チューインガムは、約60ヵ国で数年にわたって市販されている。このチューインガムでは、ニコチンが、ガムベース中に分散させた不溶性の陽イオン交換体(ポラクリレックス(polacrilex))との合成物の形態で存在する。ニコチンは、噛むことによってガムからゆっくりと放出され、噛む技術(すなわち遅いか活発か)に応じて約30分後に、巻きタバコの喫煙時と同様の血漿中濃度に達する。この生成物に関係する特許は、例えば米国特許第3,877,468号、米国特許第3,901,248号、及び米国特許第3,845,217号である。
【0015】
ニコチンの経皮投与が、皮膚パッチを用いることとして説明されている(ローズ(Rose)、「タバコ依存症の薬理学的処置(Pharmacologic Treatment of Tobacco Dependence)」(1986)、158〜166頁、ハーバード大学出版局(Harvard Univ.Press))。現在、広く用いられているニコチン含有皮膚パッチは、局所的な炎症を起こし、皮膚上にある限り見え続ける可能性があるとともに、例えば運動及び水泳の間に落下する場合がある。
【0016】
国際公開第2005/011643号には、特定の二液発砲体が開示されており、これには活性薬剤成分が含まれている場合がある。好適なこのような成分の長いリストにおいて、ニコチンについて述べられている。かかる発砲体は、水性ジェルとともに、安定した分散を形成する場合があり、そして分散は、例えば抗セルライトクリーム又はアフターシェーブローションを構成する場合がある。この種の配合物中のニコチンに対しては、どんな有用性についても全く述べられていない。更に、配合物例は、わずかな活性物質も含んでいない発泡体に関するとともに、活性イブプロフェン及びカフェインのみを含む発泡体に関している。ニコチンを含むどんな配合物についても例はない。
【0017】
米国特許第6,479,076号及び欧州特許出願公開第1 222 923(A1)号には、ジェル、軟膏、溶液、懸濁液、又は被膜の形態で皮膚適用するためのニコチン含有組成物が開示されている。組成物には、疎水性コモノマーと共重合可能な未架橋で非水溶性のビニルピロリドンコポリマーが含まれている必要がある。このような共重合によって、皮膚上に組成物を適用したときに被膜が形成される。本発明による配合物には、上記コポリマーが含まれている必要はない。
【0018】
ニコジェル(Nicogel)(商標)はタバコ増強ハンドジェルであり、巻きタバコ代替品として販売されている。ニコジェル(商標)は、禁煙のための補助具ではないと述べられている。ニコジェル(商標)には、純粋なニコチンではなくタバコが含まれており、そのため喫煙していない場合であっても、タバコに関連した有害反応が生じる場合がある。
【0019】
〔発明の概要〕
〔発明が解決しようとする課題〕
これまで知られているニコチン含有手段の中には、急速で同時に好都合なニコチン経皮投与を十分に達成し得る、任意の生成物を提供するものはない。このような目的は、タバコを含んでいないニコチン含有薬用ボディローション、薬用ボディバルム、又は薬用ボディジェルを用いて実現される場合がある。
【0020】
〔課題を解決するための手段〕
活性化合物の急速な経皮送達を達成するために、用いるべき薬剤配合物とともに配合物を適用する部位(すなわち、皮膚)を、最適化しなければならない。
【0021】
迅速に浸透できるようにするために、皮膚には、とりわけ、できるだけ薄い角質層、すなわち表皮の角質層がなければならない。これは、例えば皮膚を十分に洗浄するか又はゴシゴシ洗うことによって実現しても良い。更にもっと効果的で便利な方法は剃毛である。したがって、新たに剃毛した皮膚、例えば男性の場合は頬、女性又は男性の場合は脚又は腕に、例えば活性化合物によって非常に急速に浸透される場合がある。
【0022】
前述のように処置した皮膚に適用するための最適化された薬剤経皮製剤は、薬用ボディローション、バルム、又はジェルである。自分の頬又は自分の体の他の部分を規則的に剃毛する人にとっては、薬用ボディローションの好ましい選択は、アフターシェーブローション、アフターシェーブバルム又はアフターシェーブローションジェルであっても良く、好ましくは、剃毛の後に直接適用されるべきものである。自分の体を剃毛しない人にとっては、例えばオードパルファム、オードトアレ、オーデコロン、又は洗面用化粧水、のような洗面用化粧水を含む、多くのタイプのニコチン含有薬用ボディローション、バルム、又はジェルが有用である。
【0023】
この説明してきた手段は、例えば、人へのニコチンの送達を、特にタバコ依存症を処置する目的で行なうことに対して有用である。
【0024】
本発明の目的は、薬用ボディローション、バルム、又はジェルの形態の効率的で効果的な液体配合物とともに、対象者内にニコチンを取り込むための方法及びシステムを提供することである。
【0025】
したがって本発明は、タバコ依存症及び同様の症状を処置するために対象者にニコチン含有薬用ボディローション、バルム、又はジェルを適用することを含む、対象者に任意の形態のニコチンを送達するための方法を提供する。このようなローション、バルム、及びジェルが包含するのは、例えば、日焼け止め生成物、抗シワ生成物、保湿生成物、ビタミン投与生成物、並びに例えば、アフターシェーブローション、オードパルファム、オードトワレ、オーデコロン、洗面用化粧水及び同様の生成物を含む、洗面用化粧水である。ニコチンによって生じる効果に加えて他の二次的薬効も有する薬用ボディローション、バルム、及びジェルが含まれる。
【0026】
また本発明は、タバコ含有材料の喫煙又は使用に対する衝動の低減を得るための及び/又は喫煙を伴わずに喫煙の満足感を与えるための方法であって、タバコ含有材料を少なくとも部分的に上記液体配合物と取り換えるステップと、かかる液体配合物を対象者に、任意の形態のニコチンを含む薬用ボディローション、バルム、又はジェルとして、対象者の皮膚に投与するステップと、液体配合物の任意の形態のニコチンを放出させて、対象者によって経皮的に吸収させるステップとを含む方法を提供する。
【0027】
更に本発明は、対象者に任意の形態のニコチンを送達するためのシステムであって、かかる液体配合物と、タバコの喫煙又は使用に対する衝動の低減を得るための少なくとも1つの他の手段とを含むシステム、並びにタバコの喫煙か或いはタバコ使用に対する衝動の低減を得るための及び/又は喫煙を伴わずに喫煙の満足感を与えるためのシステムであって、前述した液体配合物と、タバコの喫煙か或いはタバコ使用に対する衝動の低減を得るための少なくとも1つの他の方法とを含むシステムを提供する。かかるシステムは、少なくとも他の方法がマウススプレー、鼻スプレー、経皮パッチ、吸入装置、薬用ドロップ、錠剤、及び非経口的方法、皮下的方法、及び経粘膜的方法を介しての投与からなる群から選択されるか又はタバコの使用であるシステムであっても良い。
【0028】
ニコチンの満足のいく経皮透過を提供し、大気へのニコチンの不必要な放散を回避するために、本発明による配合物は、皮膚上に適用された後で全体的又は部分的に吸蔵性となるように作製することも可能である。
【0029】
本配合物を複雑にしないために、溶媒系として、ジエチレングリコールのモノアルキルエーテルを溶媒系の1重量%〜30重量%で含み、かつ/又はグリコールをその溶媒系の1重量%〜30重量%で含み、それによってジエチレングリコールのモノアルキルエーテルとグリコールとの比率が重量比で10:1〜2:1又は1:2〜1:10であり、かつ/又は、それによってC2〜C4アルコールと水との混合物がその溶媒系の40%〜98%の量で存在する、溶媒系は回避しなければならない。
【0030】
ニコチンの急速な経皮送達以外に、本発明には以下の優位性がある。
−毎日の洗面ルーチンに連結した投与のために非常に良好な適合性をもたらす
−ニコチン臭気の容易で便利な遮蔽をもたらす
−男性及び女性の両方に適している
−医療と全く関連しない代わりに健康法及び楽しみに関連する手段を用いて喫煙習慣を中断する
−このような生成物の通常の方法におけるボディローションと同様に作用する
−生成物を多くの他の剤形のものよりも満足できるものにする、生活様式アプローチを提供する
−ニコチンの良好な安定性を提供する
−魅力的な分配装置を用いて投与することに適している
【発明を実施するための形態】
【0031】
定義
薬用ボディローション
薬用ボディローションとは、皮膚に適用されたときに薬理作用を有する液体調製物として理解すべきである。同時に美容効果を有していても良い。
【0032】
バルム
バルムは、粘稠な親油性の液体配合物、例えば、粘稠な親油性のボディローションである。
【0033】
ジェル
ジェルは粘稠な親水性の液体配合物、例えば、粘稠な親水性のボディローションである。
【0034】
クリーム
クリームはバルム又はジェルのいずれかである。
【0035】
化合物
化合物は、濃縮された芳香混合物であり、完成した香料生成物を作るために希釈すべきものである。化合物は、例えば水と油ベースで運んでも良い。
【0036】
洗面用化粧水
洗面用化粧水(香料溶液とも呼ばれる)は、少量又は多量の化合物を含むボディローションである。本出願においては、洗面用化粧水は、薬効、すなわち少なくとも洗面用化粧水中のニコチンによって生じる効果を有する。洗面用化粧水は、例えば、アフターシェーブローション、オーデコロン、洗面用化粧水、オードトアレ、及びオードパルファムを包含する。
【0037】
アフターシェーブローション
アフターシェーブローションは主に男性用の洗面用品生成物である。ローション、バルム、又はジェルの形態で販売されている。皮膚がより滑らかに見える、敏感な皮膚を落ち着かせる、剃毛後に毛穴を閉じる、軽いオーデコロンとして機能するなどのいくつかの理由のうちの1又は複数に基づいて、剃毛後に、アフターシェーブローションを適用する。しかしこのオーデコロンは通常、男性の主流なオーデコロンを阻害するほどは強くない。したがってこの化合物含有量はかなり低い。
【0038】
オーデコロン
オーデコロン又はコロンは、約3%の化合物を有する軽い香料溶液である。
【0039】
化粧水
化粧水は、オーデコロンと同様の軽い香料溶液である。
【0040】
オードトアレ
オードトアレは、4〜8%の化合物を有する香料溶液である。
【0041】
オードパルファム
オードパルファムは、9〜15%の化合物を有する香料溶液である。
【0042】
ローションとして処方されると、上記生成物は通常、低い粘性を有する。いずれにせよ、生成物を濃くしてバルム及びジェルにしても良く、それによって、生成物はそれ自体の主な特徴を保つ。
【0043】
有用な液体配合物
本発明による液体配合物は、薬用ボディローション、バルム、及びジェル、例えば、日焼け止め生成物、抗シワ生成物、保湿生成物、ビタミン投与生成物、及び例えばアフターシェーブローション、オードパルファム、オードトワレ、オーデコロン、洗面用化粧水、及び同様の生成物を含む、洗面用化粧水を包含する。ニコチンによって生じる効果に加えて他の二次的薬効も有する薬用ボディローション、バルム、及びジェルも含まれる。
【0044】
親油性の特徴が求められる場合には、バルムが特に有用である。親水性の特徴が求められる場合には、ジェルが特に有用である。ユーザーは、ローション、バルム、及びジェル間での自分の選択を、このような生成物がニコチンを含んでいないときにそれらの間で行なった選択と同じ方法で行なう。
【0045】
活性成分
本発明によれば、本液体配合物は、任意の形態のニコチン(例えば遊離塩基、塩、又は錯体)を含む。
【0046】
ニコチンに関しては、ニコチン、3−(1−メチル−2−ピロリジニル)−ピリジン、合成ニコチン並びにタバコ葉からのニコチン抽出物を含むその塩基形態、又は例えばタバコ属単独若しくは組み合わせの一部、あるいは薬剤として許容される塩を含むことが意図されている。
【0047】
好ましい実施形態においては、任意の形態のニコチンは、ニコチンの遊離塩基形態、ニコチン塩、ニコチン誘導体、ニコチン包接錯体、又は任意の非共有結合状態のニコチン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0048】
多数のニコチン塩が知られており、用いて良い。例えば、表1に示す塩、好ましくは、モノ酒石酸塩、酒石酸水素塩(重酒石酸塩又は重酒石酸塩二水和物とも呼ばれる)、クエン酸塩、リンゴ酸塩、及び/又は塩酸塩である。
【0049】
【表1】

*製造時に推奨される
【0050】
包接錯体は、シクロデキストリン、例えばβ−シクロデキストリンを含んでいても良い。このような錯体は、バルム及びジェル内で特に有用である。
【0051】
1又は複数の添加物を、本液体配合物に添加しても良い。添加物については、以下の段落経口配合物に対する他の添加物で更に説明する。
【0052】
液体配合物中でのニコチンの量及び分散
本発明による任意の形態のニコチンを処方して、対象者に、効果を実現する投与量を与える。効果は、喫煙を伴わずに喫煙の満足感を与えることであっても良い。投与された任意の形態のニコチンの別の効果は、タバコの喫煙又は使用に対する衝動を低減することであっても良い。
【0053】
また効果は、かかる衝動の低減と、喫煙を伴わずに喫煙の満足感を与えることとの組み合わせであっても良い。ニコチンの量は、対象者内にこのような効果を与えるのに十分でなければならない。この量は、当然のことながら、人によって異なっていても良い。
【0054】
本発明によれば、液体配合物の実施形態には、任意の形態のニコチンが、液体配合物の単位用量当たりのニコチンの遊離塩基形態として計算した0.5〜15mgの量で存在する実施形態が含まれる。これは、異なる実施形態においては、単位用量当たりのニコチンの遊離塩基形態として計算した0.5、1、2、3、4、5、6、8、10、12、及び15mgを含んでいても良い。好ましくは、本配合物を、子供のいたずら防止用の安全対策が施された定量分配装置を用いて分配する。
【0055】
24時間当たりに対象者に投与すべき単位用量の回数は、対象者がどのくらい重度のタバコ使用者であるか、及び対象者が本人のタバコから離脱するプロセスにおいてどのくらい進んだかに依存する。通常、24時間当たりの単位用量の回数は1〜4回である。6〜15mgのニコチンを24時間当たり1回投与することが好適な投与量である場合、一方で、24時間当たり4回の投与を投与する場合には2〜6mgのニコチンが好適な単位用量である。
【0056】
任意の形態のニコチンを、種々の実施形態の液体配合物中に分散しても良い。液体配合物を介したニコチンの種々の分散には、種々の方法で対象者にニコチンを投与するという意味を含む。したがって、これによって、対象者のタバコの喫煙又は使用に対する衝動に応じて、種々の対象者の種々の必要性に従って液体配合物の組成の調整を行なえるという、複数の可能性が得られても良い。以下の実施例において、種々のこのような実施形態を開示する。
【0057】
液体配合物に対する他の添加物
他の添加物を液体配合物に当業者の知識に従って任意に添加しても良い。
【0058】
特定の関心がある任意の添加物は、例えば、ニコチンの経皮的な取り込みを増加させるための経皮浸透性促進剤である。
【0059】
更に、例えば、皮膚上でのボディローションの吸蔵を与えるために、及びその結果、人体に入る代わりに空気に蒸発するニコチンの量を減らすために、被膜形成剤に関心があっても良い。
【0060】
また香料業界で用いられる芳香剤にも関心がある。
【0061】
ニコチン自体は、非常に味の悪い生成物であるため、例えば子供による摂取に対しては魅力的でない。しかし必要ならば、生成物の魅力的でない味を高めるために苦い味の化合物を添加しても良い。
【0062】
対象者に任意の形態のニコチンを送達するための方法
本発明を用いて、ニコチンを対象者(ヒト)に種々の方法で送達しても良い。本発明の一実施形態によれば、対象者に任意の形態のニコチンを送達するための方法は、
a)対象者に対して、本発明による任意の形態のニコチンを含む液体配合物を、好ましくは軽くこすった状態の、対象者の皮膚上に投与するステップと、
b)液体配合物中の任意の形態のニコチンを対象者の血漿中内に放出させて吸収させるステップと、を含む。
【0063】
液体配合物を投与するための手段
本液体配合物は、例えば、ロールオンタイプボトル、ダブボトル、又はスプレーボトルを用いて投与しても良い。好ましくは、このような投与手段は、定量投薬をもたらしても良いし、子供のいたずら防止用の特徴を備えていても良い。
【0064】
便宜上、より大きい投与装置又は容器を自宅に保持しても良いが、より小さい装置をポケット又はハンドバッグに入れて携行しても良い。
【0065】
タバコの喫煙又は使用に対する衝動の低減を得るための方法
本発明の別の特徴は、本発明を用いて喫煙に対する衝動を低減できることである。本発明によるタバコ含有材料の喫煙又は使用に対する衝動の低減を得るための及び/又は喫煙を伴わずに喫煙の満足感を与えるための方法は、
a)タバコ含有材料を少なくとも部分的に液体ニコチン含有配合物と取り換えるステップと、
b)対象者に対して、任意の形態のニコチンを含む液体配合物を対象者の皮膚上に投与するステップと、を含む。
【0066】
対象者にニコチンを送達するための本方法の更なる実施形態は、液体配合物の投与を、タバコの喫煙又は使用に対する衝動の低減を得るための少なくとも1つの他の方法と組み合わせるステップを含んでいても良い。
【0067】
タバコの喫煙又は使用に対する衝動の持続的な低減
また本発明を用いて、タバコの喫煙又は使用に対する衝動を低減しても良い。やはり、対象者の満足の気分又は感覚を持続させるため及び欲望が戻ることを回避するために、初期の欲望緩和の後に持続的な欲望緩和を得ても良い。持続的な欲望緩和は、ニコチンの持続的な取り込みができるように液体配合物を用いることによって得られる。持続的な欲望緩和及び/又は対象者の満足の気分又は感覚は、対象者がこの気分の感覚に達するのに十分高濃度の血漿ニコチン濃度を維持する限り続く。
【0068】
タバコの喫煙又は使用に対する衝動の停止
一部のユーザーにとっては、いくつかの理由例えば、健康上、経済上、社会上、又は行動上の理由から、ニコチンの使用を完全に打ち切ることが目標である場合がある。このように喫煙又はタバコの使用に対する衝動を停止することは、任意の形態のニコチンの量を時間とともに徐々に更に減らすことによって実現しても良い。本発明の特定の実施形態においては、欲望の緩和を得るための前述した本方法が更に、前述した液体配合物中のニコチンの量を時間とともに徐々に減少させて、タバコへの欲望の完全な緩和を実現するステップを更に含んでいても良い。この方法は、時間とともに徐々に離脱するプロセスをもたらす。
【0069】
喫煙者のタイプが異なると、欲望が低減した感覚に達する血漿中ニコチン濃度が異なる。このことは、当然のことながら、本発明による液体配合物の個々のタイプの投与プログラムに影響しても良い。異なるタイプの喫煙者としては、例えば、血漿中ニコチン濃度が禁断症状に対するレベルよりも常に高いことを強く望むピークシーカー又は喫煙者が挙げられる。
【0070】
1つの方策は、投与される液体配合物の頻度を下げることであっても良い。他の実施形態としては、かかる液体配合物中のニコチンの投与量並びにこれら2つの組み合わせを変えることが挙げられる。また方策には、どんな形態のニコチンも実質的に含まれていない液体配合物が含まれていても良い。このような液体配合物を、欲求が低いか又は実質的にない処置期間の最後に投与しても良い。
【0071】
ニコチンを送達するため及び欲望緩和を得るためのシステム
本発明によれば、対象者に任意の形態のニコチンを送達するための、特に欲望緩和を得るためのシステムが存在する。このようなシステムは、本発明による液体配合物と、喫煙に対する衝動の低減を得るための少なくとも1つの他の手段とを含む。
【0072】
また本発明による別のシステムは、タバコの喫煙若しくは使用に対する衝動の低減を得るための及び/又は喫煙を伴わずに喫煙の満足感を与えるためのシステムであっても良い。このようなシステムは、本発明による液体配合物と、タバコの喫煙又は使用に対する衝動の低減を得るための少なくとも1つの他の方法又は手段を含む。また他の方法及び手段は、マウススプレー、鼻スプレー、経皮パッチ、吸入装置、薬用ドロップ、錠剤、及び非経口的方法、皮下的方法、及び経粘膜的方法を介した投与からなる群から選択される、共存するか若しくは同時に起こる方法か又はタバコの使用であっても良い。
【0073】
特定の実施形態においては、少なくとも他の方法としてはニコチンの投与が挙げられる。
【0074】
液体配合物の使用
本発明による液体配合物を用いることは、タバコの喫煙及び使用に対する衝動の、迅速で及び/若しくは持続的で及び/若しくは完全な低減を得ることか、又は喫煙を伴うことなく喫煙の感覚を与えることを含んでいても良いことは、前述した通りである。
【0075】
ニコチンの投与量は、対象者に任意の形態のニコチンの効果に伴う別個の知覚及び満足感を与えるように選択する。また液体配合物を用いることは、本発明により単独で用いることであっても良いし、薬物乱用の分野で知られている他の手段もしくは方法との組み合わせであっても良い。具体的に、本発明を、前述の段落における方法における前述の他の手段と組み合わせて用いても良い。
【0076】
用いることによって、タバコの喫煙又は使用に対する衝動の迅速な低減が得られても良い。他の実施形態は、タバコの喫煙又は使用に対する衝動のゆっくりとした低減が得られる使用の意味を含む。
【0077】
治療及び処置に対する使用
本発明による液体配合物を、治療及び処置に用いても良い。かかる治療は、タバコ又はニコチン依存症、アルツハイマー病、クローン病、パーキンソン病、トゥレット症候群、潰瘍性大腸炎、及び禁煙後の体重管理からなる群から選択される疾患の処置であっても良い。
【0078】
またニコチンを、かかる疾患の処置を行なうための、本発明による液体配合物に対して用いても良い。
【0079】
更に、ニコチンを、かかる疾患の処置を行なうための、本発明によるニコチン含有液体配合物の製造において用いても良い。
【0080】
液体配合物の製造
本発明による液体配合物は基本的に、当該技術分野において知られる方法に従って製造される。典型的な、しかし限定するものではない製造方法を、実施例の下で後述する。
【0081】
好都合なことに、本発明による添加物、例えば緩衝系の組成物は、例えば緩衝剤を処方するために当該技術分野において知られる手順に従って同時に作られる。組み込まれる緩衝系の物理特性に応じて、緩衝系に、組成物の液体部分又は固体部分のいずれかを添加することが便利である場合がある。緩衝系が微粉として入手できる場合には、当然のことながら、これらの粉末に、他の添加物の固体の粉末部分を添加することが最も便利である場合もある。
【0082】
次に最終生成物を分析して、更に包んでも良い。
【0083】
ニコチンの分析
本発明によるニコチンの取り込み及び効果の分析を、当該技術分野において知られる標準的な手順に従って、例えば対象者の血漿中のニコチン又はその代謝産物を決定するための生物分析を用いて、行なっても良い。
【実施例】
【0084】
本発明の実施形態に関する以下の実施例は、例示的であり非限定のものである。当業者は、以下の実施例に基づいて、本発明の他の実施形態を想定しても良い。以下の配合物を製造するためのバッチサイズは、実際の必要性及び実際の製造設備に従って変更しても良い。他に記載がない限り、当該技術分野において知られる手順及び機器を以下の製造において用いる。
【0085】
(実施例1)アフターシェーブローション
【0086】
【表2】

【0087】
製造
1.精製水にエタノールを室温で加える。
2.攪拌しながらニコチン遊離塩基を加える。
3.攪拌しながら香料を加える。
【0088】
(実施例2)アフターシェーブローション
【0089】
【表3】

【0090】
製造
1.A及びBを別個に75℃まで加熱する。
2.激しく攪拌しながらBをAにゆっくりと加える。
3.激しい攪拌を維持しながら40℃まで冷やす。
4.激しく攪拌しながらCを加える。
5.激しい攪拌を維持しながら室温まで冷ます。
【0091】
(実施例3)アフターシェーブバルム
【0092】
【表4】

【0093】
製造
1.A及びBを別個に80℃まで加熱する。
2.攪拌しながらAをBにゆっくりと加える。
3.混合物を1分間、均質化する。
4.程よく攪拌しながら冷ます。
5.程よく攪拌しながら40℃未満でCを加える。
6.程よく攪拌しながら室温まで冷ます。
【0094】
(実施例4)アフターシェーブローションジェル
【0095】
【表5】

【0096】
製造
1.Aを室温で混合する。
2.攪拌しながらBを連続して加える。
3.ゆっくりとCを加えて、完全に溶解するまで攪拌する。
4.攪拌しながらDを加える。
5.Eを添加することによって生成物を中和して、15分間攪拌し続ける。
【0097】
オードパルファム、オーデコロン、及び洗面用化粧水のローション、バルム、及びジェルを、前述の実施例の製造方法に適応することによって製造しても良い。
【0098】
(実施例5)保湿スキンクリーム(香料遊離)
【0099】
【表6】

【0100】
製造
1.A及びBを別個に70℃まで加熱する。
2.激しく攪拌しながらAにBをゆっくりと加える。
3.激しい攪拌を維持しながら室温まで冷ます。
4.激しく攪拌しながらCを加える。
【0101】
〔実施態様〕
(1) 薬用ボディローションであり、ニコチンを含み、対象者にニコチンを経皮投与するためのものであって、タバコを含んでいないことを特徴とする、ニコチン投与用液体配合物。
(2) 前記ニコチンによって達成される効果に加えて二次的薬効を有することを特徴とする、実施態様1に記載のニコチン投与用液体配合物。
(3) 保湿生成物、日焼け止め生成物、抗シワ生成物、又はビタミン投与生成物であることを特徴とする、実施態様1又は2に記載のニコチン投与用液体配合物。
(4) 化粧水であることを特徴とする、実施態様1〜3のいずれかに記載のニコチン投与用液体配合物。
(5) 溶液、バルム、又はジェルの形態であることを特徴とする、実施態様1〜4のいずれかに記載の液体配合物。
(6) 前記化粧水は、アフターシェーブローション、オードパルファム、オードトワレ、オーデコロン、又は化粧水であることを特徴とする、実施態様4又は5に記載の液体配合物。
(7) 前記化粧水はアフターシェーブローション、アフターシェーブバルム、又はアフターシェーブローションジェルであることを特徴とする、実施態様6に記載の液体配合物。
(8) 前記ニコチンは、ニコチン塩、ニコチンの遊離塩基形態、ニコチン誘導体、ニコチン包接錯体、又は任意の非共有結合状態のニコチン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、実施態様1〜7のいずれかに記載の液体配合物。
(9) 前記ニコチン包接錯体は、ニコチン−β−シクロデキストリンなどのニコチン−シクロデキストリン錯体である、実施態様8に記載の液体配合物。
(10) 前記ニコチン塩は、モノ酒石酸塩、酒石酸水素塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、及び/又は塩酸塩である、実施態様8に記載の液体配合物。
(11) 任意の形態の前記ニコチンが、単位用量当たり、ニコチンの遊離塩基形態として計算した0.5〜15mgの量で存在する、実施態様1〜10のいずれかに記載の液体配合物。
(12) 24時間当たり1単位用量を投与する場合に、任意の形態の前記ニコチンが、単位用量当たり、ニコチンの遊離塩基形態として計算した6〜15mgの量で存在する、実施態様11に記載の液体配合物。
(13) 24時間当たり最大4単位用量を投与する場合に、任意の形態の前記ニコチンが、単位用量当たり、ニコチンの遊離塩基形態として計算した2〜6mgの量で存在する、実施態様11に記載の液体配合物。
(14) 経皮透過促進剤、苦味若しくは他の不快な味を伴う化合物、芳香剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ、又は複数の添加物を更に含む、実施態様1〜13のいずれかに記載の液体配合物。
(15) 好ましくは遊離塩基としてのニコチン、水、好ましくはエタノールであるアルコール、及び随意的に香料を含む、ニコチン含有アフターシェーブローション。
(16) 好ましくは遊離塩基としてのニコチン、脂質、乳化剤、皮膚軟化剤、防腐剤、水、及び随意的に香料を含む、ニコチン含有アフターシェーブローション。
(17) 好ましくは遊離塩基としてのニコチン、脂質、乳化剤、防腐剤、水、及び随意的に香料を含む、ニコチン含有アフターシェーブバルム。
(18) 好ましくは遊離塩基としてのニコチン、乳化剤、防腐剤、ジェル化剤、抗刺激剤、冷却剤、水、及び緩衝剤を含む、ニコチン含有アフターシェーブローションジェル。
(19) 好ましくは遊離塩基としてのニコチン、油相、防腐剤、水、保湿剤、緩衝剤、及び再水和剤を含む、ニコチン含有保湿スキンクリーム。
(20) 対象者の皮膚に適用された後に全体的又は部分的に吸蔵性である、実施態様1〜19のいずれかに記載の配合物。
(21) 疎水性コモノマーと共重合可能な未架橋で非水溶性のビニルピロリドンコポリマーを何ら含んでいないことを特徴とする、実施態様1〜20のいずれかに記載の液体配合物。
(22) 溶媒系であって、ジエチレングリコールのモノアルキルエーテルを前記溶媒系の1重量%〜30重量%で含み、かつ/又はグリコールを当該溶媒系の1重量%〜30重量%で含み、それによってジエチレングリコールのモノアルキルエーテルとグリコールとの比率が重量比で10:1〜2:1又は1:2〜1:10であり、かつ/又は、それによってC2〜C4アルコールと水との混合物が該溶媒系の40%〜98%の量で存在する、溶媒系を含まないことを特徴とする、実施態様1〜21のいずれかに記載の液体配合物。
(23) 対象者に任意の形態のニコチンを送達するための方法であって、
a)対象者に対して、実施態様1〜22のいずれかに記載の液体配合物を前記対象者の皮膚上に投与するステップと、
b)前記液体配合物中の任意の形態の前記ニコチンを、前記対象者の体循環内に放出させて吸収させるステップと、を含む、方法。
(24) 対象者に任意の形態のニコチンを送達するためのシステムであって、実施態様1〜22のいずれかに記載の液体配合物と、タバコの喫煙又は使用に対する衝動の低減を得るための少なくとも1つの他の手段若しくは方法と、を含む、システム。
(25) タバコの喫煙若しくは使用に対する衝動の低減を得るため、及び/又は喫煙を伴わずに喫煙の満足感を与えるためのシステムであって、実施態様1〜22のいずれかに記載の液体配合物と、タバコの喫煙又は使用に対する衝動の低減を得るための少なくとも1つの他の手段若しくは方法と、を含む、システム。
(26) 前記少なくとも1つの他の手段若しくは方法が、マウススプレー、鼻スプレー、経皮パッチ、吸入装置、薬用ドロップ、錠剤若しくは非経口方法、皮下的方法、及び経粘膜的方法を介しての投与からなる群から選択される、付随若しくは協働手段又は方法、あるいはタバコの使用である、実施態様24又は25に記載のシステム。
(27) 前記少なくとも他の手段若しくは方法がニコチンの投与を含む、実施態様26に記載のシステム。
(28) タバコの喫煙又は使用に対する衝動の迅速かつ/若しくは持続的かつ/若しくは完全な低減を得るため、及び/又は喫煙を伴わずに喫煙の満足感を与えるための、実施態様1〜22のいずれかに記載の液体配合物の使用。
(29) 対象者に任意の形態のニコチンを送達するための、実施態様1〜22のいずれかに記載の液体配合物の使用。
(30) 治療で使用するための、実施態様1〜22のいずれかに記載の配合物。
(31) 前記治療は、タバコ若しくはニコチン依存症、アルツハイマー病、クローン病、パーキンソン病、トゥレット症候群、及び潰瘍性大腸炎からなる群から選択される疾患の処置であるか、又は禁煙後の体重管理である、実施態様30に記載の配合物。
(32) タバコ若しくはニコチン依存症、アルツハイマー病、クローン病、パーキンソン病、トゥレット症候群、及び潰瘍性大腸炎からなる群から選択される疾患の前記処置のため、又は禁煙後の体重管理である処置のための、実施態様1〜22のいずれかに記載の配合物を製造するためのニコチンの使用。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬用ボディローションであり、ニコチンを含み、対象者にニコチンを経皮投与するためのものであって、タバコを含んでいないことを特徴とする、ニコチン投与用液体配合物。
【請求項2】
前記ニコチンによって達成される効果に加えて二次的薬効を有することを特徴とする、請求項1に記載のニコチン投与用液体配合物。
【請求項3】
保湿生成物、日焼け止め生成物、抗シワ生成物、又はビタミン投与生成物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のニコチン投与用液体配合物。
【請求項4】
化粧水であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のニコチン投与用液体配合物。
【請求項5】
溶液、バルム、又はジェルの形態であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の液体配合物。
【請求項6】
前記化粧水は、アフターシェーブローション、オードパルファム、オードトワレ、オーデコロン、又は化粧水であることを特徴とする、請求項4又は5に記載の液体配合物。
【請求項7】
前記化粧水はアフターシェーブローション、アフターシェーブバルム、又はアフターシェーブローションジェルであることを特徴とする、請求項6に記載の液体配合物。
【請求項8】
前記ニコチンは、ニコチン塩、ニコチンの遊離塩基形態、ニコチン誘導体、ニコチン包接錯体、又は任意の非共有結合状態のニコチン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の液体配合物。
【請求項9】
前記ニコチン包接錯体は、ニコチン−β−シクロデキストリンなどのニコチン−シクロデキストリン錯体である、請求項8に記載の液体配合物。
【請求項10】
前記ニコチン塩は、モノ酒石酸塩、酒石酸水素塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、及び/又は塩酸塩である、請求項8に記載の液体配合物。
【請求項11】
任意の形態の前記ニコチンが、単位用量当たり、ニコチンの遊離塩基形態として計算した0.5〜15mgの量で存在する、請求項1〜10のいずれかに記載の液体配合物。
【請求項12】
24時間当たり1単位用量を投与する場合に、任意の形態の前記ニコチンが、単位用量当たり、ニコチンの遊離塩基形態として計算した6〜15mgの量で存在する、請求項11に記載の液体配合物。
【請求項13】
24時間当たり最大4単位用量を投与する場合に、任意の形態の前記ニコチンが、単位用量当たり、ニコチンの遊離塩基形態として計算した2〜6mgの量で存在する、請求項11に記載の液体配合物。
【請求項14】
経皮透過促進剤、苦味若しくは他の不快な味を伴う化合物、芳香剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ、又は複数の添加物を更に含む、請求項1〜13のいずれかに記載の液体配合物。
【請求項15】
好ましくは遊離塩基としてのニコチン、水、好ましくはエタノールであるアルコール、及び随意的に香料を含む、ニコチン含有アフターシェーブローション。
【請求項16】
好ましくは遊離塩基としてのニコチン、脂質、乳化剤、皮膚軟化剤、防腐剤、水、及び随意的に香料を含む、ニコチン含有アフターシェーブローション。
【請求項17】
好ましくは遊離塩基としてのニコチン、脂質、乳化剤、防腐剤、水、及び随意的に香料を含む、ニコチン含有アフターシェーブバルム。
【請求項18】
好ましくは遊離塩基としてのニコチン、乳化剤、防腐剤、ジェル化剤、抗刺激剤、冷却剤、水、及び緩衝剤を含む、ニコチン含有アフターシェーブローションジェル。
【請求項19】
好ましくは遊離塩基としてのニコチン、油相、防腐剤、水、保湿剤、緩衝剤、及び再水和剤を含む、ニコチン含有保湿スキンクリーム。
【請求項20】
対象者の皮膚に適用された後に全体的又は部分的に吸蔵性である、請求項1〜19のいずれかに記載の配合物。
【請求項21】
疎水性コモノマーと共重合可能な未架橋で非水溶性のビニルピロリドンコポリマーを何ら含んでいないことを特徴とする、請求項1〜20のいずれかに記載の液体配合物。
【請求項22】
溶媒系であって、ジエチレングリコールのモノアルキルエーテルを前記溶媒系の1重量%〜30重量%で含み、かつ/又はグリコールを当該溶媒系の1重量%〜30重量%で含み、それによってジエチレングリコールのモノアルキルエーテルとグリコールとの比率が重量比で10:1〜2:1又は1:2〜1:10であり、かつ/又は、それによってC2〜C4アルコールと水との混合物が該溶媒系の40%〜98%の量で存在する、溶媒系を含まないことを特徴とする、請求項1〜21のいずれかに記載の液体配合物。
【請求項23】
対象者に任意の形態のニコチンを送達するための方法であって、
a)対象者に対して、請求項1〜22のいずれかに記載の液体配合物を前記対象者の皮膚上に投与するステップと、
b)前記液体配合物中の任意の形態の前記ニコチンを、前記対象者の体循環内に放出させて吸収させるステップと、を含む、方法。
【請求項24】
対象者に任意の形態のニコチンを送達するためのシステムであって、請求項1〜22のいずれかに記載の液体配合物と、タバコの喫煙又は使用に対する衝動の低減を得るための少なくとも1つの他の手段若しくは方法と、を含む、システム。
【請求項25】
タバコの喫煙若しくは使用に対する衝動の低減を得るため、及び/又は喫煙を伴わずに喫煙の満足感を与えるためのシステムであって、請求項1〜22のいずれかに記載の液体配合物と、タバコの喫煙又は使用に対する衝動の低減を得るための少なくとも1つの他の手段若しくは方法と、を含む、システム。
【請求項26】
前記少なくとも1つの他の手段若しくは方法が、マウススプレー、鼻スプレー、経皮パッチ、吸入装置、薬用ドロップ、錠剤若しくは非経口方法、皮下的方法、及び経粘膜的方法を介しての投与からなる群から選択される、付随若しくは協働手段又は方法、あるいはタバコの使用である、請求項24又は25に記載のシステム。
【請求項27】
前記少なくとも他の手段若しくは方法がニコチンの投与を含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
タバコの喫煙又は使用に対する衝動の迅速かつ/若しくは持続的かつ/若しくは完全な低減を得るため、及び/又は喫煙を伴わずに喫煙の満足感を与えるための、請求項1〜22のいずれかに記載の液体配合物の使用。
【請求項29】
対象者に任意の形態のニコチンを送達するための、請求項1〜22のいずれかに記載の液体配合物の使用。
【請求項30】
治療で使用するための、請求項1〜22のいずれかに記載の配合物。
【請求項31】
前記治療は、タバコ若しくはニコチン依存症、アルツハイマー病、クローン病、パーキンソン病、トゥレット症候群、及び潰瘍性大腸炎からなる群から選択される疾患の処置であるか、又は禁煙後の体重管理である、請求項30に記載の配合物。
【請求項32】
タバコ若しくはニコチン依存症、アルツハイマー病、クローン病、パーキンソン病、トゥレット症候群、及び潰瘍性大腸炎からなる群から選択される疾患の前記処置のため、又は禁煙後の体重管理である処置のための、請求項1〜22のいずれかに記載の配合物を製造するためのニコチンの使用。

【公表番号】特表2010−526877(P2010−526877A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508333(P2010−508333)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【国際出願番号】PCT/SE2008/000279
【国際公開番号】WO2008/140373
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(507362719)マクニール アーベー (8)
【氏名又は名称原語表記】MCNEIL AB
【Fターム(参考)】