説明

ネットワークシステム、データ送受信方法、及びデータ送受信プログラム

【課題】サービスの中断時間を短くする。
【解決手段】移動端末が訪問先において接続される第1のルータ20と、移動端末60が第1のルータ20から移動した移動先で接続される第2のルータ30とを備え、第2のルータ20は移動端末60の位置登録メッセージを生成して第1のルータ20に送信する位置登録メッセージ生成部を備え、第1のルータ20は、前記位置登録メッセージを受信してバインディングキャッシュ23に移動端末60の変更前後のアドレス情報を記憶する移動管理部と、ノード10からの前記データパケットを受信し、当該データパケットをカプセル化するとともにバインディングキャッシュ23に記憶された前記変更後のアドレス情報を送信先とするデータパケットを作成して転送するカプセル化部とを備え、移動端末60は、前記カプセル化されたデータパケットを受信し、受信した当該データパケットをデカプセル化するデカプセル化部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークシステム、データ送受信方法、及びデータ送受信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット上でシームレスな通信を行うためのキーテクノロジーの一つとしてMobile IP(Internet Protocol)(例えば、以下の非特許文献1、2)がある。
【0003】
図8は、Mobile IPv6によるネットワークシステムの構成例とその動作例を示す図である。本ネットワークシステム2は、モバイル端末(MN(Mobile Node))800と、端末(MN)800の通信相手先ノードであるノード(CN(Correspondent Node))200と、第1及び第2のアクセスルータ(AR(Access Router)#1,AR#2)300,400と、モバイル端末(MN)800の認証等を行うAAAサーバ(Authentication, Authorization, and Accounting Server)500と、端末(MN)800の移動管理エージェントであるホームエージェント(HA(Home Agent))600、及びIP網700とを備える。
【0004】
かかる構成のネットワークシステム2は以下のように動作する。すなわち、モバイル端末(MN)800が第1のアクセスルータ(AR#1)300配下から第2のアクセスルータ(AR#2)400配下に移動したとき、モバイル端末(MN)800はアクセスルータ(AR#2)400から気付アドレス(Care-of Address)を取得する。そして、端末(MN)800は気付アドレス(CoA#2)を含む登録メッセージ(Biding Update)をホームエージェント(HA)600へ送信する。ホームエージェント(HA)600は、端末(MN)800のホームアドレス(HoA)と気付アドレス(CoA#2)とをホームエージェント(HA)600内のバインディングキャッシュ610に記憶し、一定時間保持する。
【0005】
その後、ノード(CN)200はデータパケットを生成し端末(MN)800へ送信する。このとき、データパケットの送信元アドレスはノード(CN)200のアドレス(「CN」)、宛先アドレスは端末(MN)800のホームアドレス(「HoA」)である。
【0006】
ホームエージェント(HA)600は、このパケットをインターセプトして、バインディングキャッシュ610を参照する。そして、ホームエージェント(HA)600は、パケットをカプセル化して送信する。カプセル化されたパケットの送信元アドレスはホームエージェント(HA)600のアドレス(「HA」)、宛先アドレスは端末(MN)800の気付アドレス(「CoA#2」)とする。
【0007】
モバイル端末(MN)は、カプセル化されたパケットのデータ部を取り出すことでデカプセル化し、ホームエージェント(HA)600から送信されたパケットをノード(CN)200から送信されたデータパケットに復元する。
【0008】
一般にIP上のアプリケーションは、パケットの送信元と宛先のアドレスの組からセッションを識別する。端末(MN)800のアプリケーションは、気付アドレスが変更されても、ノード(CN)200が送信したパケットの送信元と宛先とのアドレスの組(ノード200のアドレス(「CN」)と、端末(MN)800のホームアドレス(「HoA」))は、移動前後で変わらないため、端末(MN)800がハンドオーバした場合でも通信は継続できる。
【0009】
しかし、Mobile IPv6は端末(MN)800にモバイル特有のプロトコル、例えば、登録メッセージ(Biding Update)の送出機能等を要求する。よって、かかる送出機能のない端末(MN)800は、Mobile IPサービスを享有できない。そこで、Mobile IPをIPスタック(IPを使用して通信する機能)として実装しない端末に対してもMobile IPと等価なサービスを提供することを目的にProxy Mobile IPv6が提案されている(例えば、以下の非特許文献3)。
【0010】
図9は、Proxy Mobile IPv6によるネットワークシステム3の構成例と動作例を示す図である。Proxy Mobile IPv6では、端末(MN)800の代わりに直近のルータ(非特許文献3では、MAG(Mobile Access Gateway)と定義される)450がホームエージェント(非特許文献3では、LMA(Local Mobility Anchor)と定義される)650に対して登録メッセージを送信する。これにより、Proxy Mobile IPv6は、端末800にMobile IPv6が実装(例えば、登録メッセージを送信する機能)されなくても継続して通信できる。
【0011】
すなわち、第2のルータ(MAG#2)450は、配下にモバイル端末800が移動してきたことを検出すると、ホームエージェント(LMA)650に登録メッセージ(Proxy Biding Updateメッセージ)を送信する。端末(MN)800は特定のIPアドレス、例えば固定アドレス(HoA(Home Address))を用いて通信する。この登録メッセージには固定アドレス(HoA)が含まれる。ホームエージェント(LMA)650は、登録メッセージを受信すると、端末(MN)800のIPアドレス(例えば、「HoA」)とルータ(MAG#2)450のアドレス(例えば、「MAG#2」)との組をバインディングキャッシュ620に記憶させ、一定時間保持する。
【0012】
そして、通信相手先のノード(CN)200からパケットが送信されると、ホームエージェント(LMA)650はこのパケットをインターセプトし、バインディングキャッシュ620を参照してパケットをカプセル化する。カプセル化されたパケットの送信元アドレスはホームエージェント(LMA)650、宛先アドレスは第2のルータ(MAG#2)450である。第2のルータ(MAG#2)450は、このパケットを受信すると、デカプセル化してデータ部に挿入されたパケットを取り出し、取り出したパケットを配下の端末(MN)800に送信する。このパケットの送信元アドレスはノード(CN)200のアドレス、宛先アドレスは端末800のIPアドレスであり、ノード(CN)200から送信されたパケットにおける送信元と宛先のアドレスと変わらない。よって、端末(MN)が移動した場合でも通信は継続できる。
【非特許文献1】RFC3344, http://www.ietf.org/rfc/rfc3344.txt
【非特許文献2】RFC3775, http://www.ietf.org/rfc/rfc3775.txt
【非特許文献3】Proxy Mobile IPv6, http://www.ietf.org/internet-drafts/draf-ietf-netlmm-proxymip6-07.txt
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、モバイルPC(Personal Computer)や携帯電話などのモバイル端末は、PCカード等の外部機器による通信デバイスや内臓された各種通信デバイスにより、複数の無線アクセスを享受できる。しかし、通信に使用されるIPアドレスは通信デバイスごとに異なる。IPアドレスを管理、及び発行する会社が通信デバイスごとに異なるからである。
【0014】
一方、上述したProxy Mobile IPでは、モバイル端末はIPアドレスを固定して使用する。したがって、モバイル端末は通信中に通信デバイスを変更(例えば、無線LANからセルラーなど)すると、通信に使用するIPアドレスを変更して通信する。
【0015】
図10は通信デバイスを変更した場合の動作例を示す図である。同図に示すように、モバイル端末(MN)800は、第1のルータ(MAG#1)350配下において第1のインタフェース(INF#1)810を使用して通信を行い、その後、第2のルータ(MAG#2)450配下に移動し、通信デバイスを変更して第2のインタフェース(INF#2)820を使用して通信を行う。このとき、モバイル端末(MN)800は、第1のルータ(MAG#1)350配下で使用したIPアドレス(「a1」)とは異なるIPアドレス(「b1」)で通信を行う。
【0016】
IPアドレスを変更して通信を行う場合、Proxy Mobile IPにおいては、モバイル端末(MN)800が通信デバイス変更前に使用したルートの呼を切断し(呼解放)、通信デバイス変更後の呼を再接続(呼再接続)する手順を実行する。
【0017】
しかし、モバイル端末(MN)800が呼解放と呼再接続の手順を実行することは、通信デバイスの切り替えの際にサービスの中断が長い、という問題が生じる。
【0018】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものでその目的は、サービスの中断時間を短くしたネットワークシステム、ネットワークシステムにおけるデータ送受信方法、及びデータ送受信プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明の一実施態様によれば、ネットワークシステムにおいて、移動端末と、前記移動端末とデータパケットの送受信を行うノードと、前記移動端末が訪問先において接続される第1のルータと、前記移動端末が前記第1のルータから移動した移動先で接続される第2のルータとを備え、前記第2のルータは前記移動端末の位置登録メッセージを生成して前記第1のルータに送信する位置登録メッセージ生成部を備え、前記第1のルータは、バインディングキャッシュと、前記位置登録メッセージを受信して前記バインディングキャッシュに前記移動端末の変更前後のアドレス情報を記憶する移動管理部と、前記ノードからの前記データパケットを受信し、当該データパケットをカプセル化するとともに前記バインディングキャッシュに記憶された前記変更後のアドレス情報を送信先とするデータパケットを作成して転送するカプセル化部とを備え、前記移動端末は、前記カプセル化されたデータパケットを受信し、受信した当該データパケットをデカプセル化するデカプセル化部を備える。
【0020】
また、上記目的を達成するために、本発明の他の実施態様によれば、移動端末と、前記移動端末とデータパケットの送受信を行うノードと、前記移動端末が訪問先において接続される第1のルータと、前記移動端末が前記第1のルータから移動した移動先で接続される第2のルータとを備えたネットワークシステムにおけるデータ送受信方法において、 前記第2のルータは前記移動端末の位置登録メッセージを生成して前記第1のルータに送信し、前記第1のルータは、前記位置登録メッセージを受信してバインディングキャッシュに前記移動端末の変更前後のアドレス情報を記憶し、前記ノードからの前記データパケットを受信したとき当該データパケットをカプセル化するとともに前記バインディングキャッシュに記憶された前記変更後のアドレス情報を送信先とするデータパケットを作成して転送し、前記移動端末は、前記カプセル化された前記データパケットを受信し、当該データパケットをデカプセル化する。
【0021】
更に、上記目的を達成するために、本発明の他の実施態様によれば、移動端末と、前記移動端末とデータパケットの送受信を行うノードと、前記移動端末が訪問先において接続される第1のルータと、前記移動端末が前記第1のルータから移動した移動先で接続される第2のルータとを備えたネットワークシステムを構成するコンピュータに実行させるデータ送受信プログラムであって、前記第2のルータが前記移動端末の位置登録メッセージを生成して前記第1のルータに送信する処理と、前記第1のルータが、前記位置登録メッセージを受信してバインディングキャッシュに前記移動端末の変更前後のアドレス情報を記憶し、前記ノードからの前記データパケットを受信したとき当該データパケットをカプセル化するとともに前記バインディングキャッシュに記憶された前記変更後のアドレス情報を送信先とするデータパケットを作成して転送する処理と、前記移動端末が、前記カプセル化された前記データパケットを受信し、当該データパケットをデカプセル化する処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、サービスの中断時間を短くしたネットワークシステム、ネットワークシステムにおけるデータ送受信方法、及びデータ送受信プログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。図1はネットワークシステム1の構成例を示す図である。本ネットワークシステム1は、ノード(CN)10と、第1及び第2のルータ(FA(Foreign Agent)#1,FA#2)20,30と、AAAサーバ40と、ホームエージェント(HA)50と、モバイル端末(MN)60と、IP網100とを備える。モバイル端末(MN)60以外は、IP網100に互いに接続される。
【0024】
ノード(CN)10は、対向ノードであり、モバイル端末(MN)60の通信相手先である。
【0025】
第1及び第2のルータ(FA#1,FA#2)20,30は、モバイル端末(MN)60の訪問先にある直近のルータであり、モバイル端末(MN)60宛てのデータを仲介する。また、第1及び第2のルータ(FA#1,FA#2)20,30は、モバイル端末(MN)60の位置登録メッセージ(Binding Update)を送信する等のMobile IPv6におけるMAG相当の機能を有する。尚、本実施例において第1のルータ(FA#1)20はモバイル端末(MN)60が最初に訪問先で接続したルータであり、第2のルータ(FA#2)30はハンドオーバ先のルータである。
【0026】
AAAサーバ40は、認証等を行うためのサーバでもあり、本実施例ではとくに第1のルータ(FA#1)20のアドレスと、当該ルータ20と通信するときに使用したIPアドレスとを第2のルータ(FA#2)30に通知する。詳細は後述する。
【0027】
ホームエージェント(HA)50は、本実施例において、モバイル端末(MN)60の現在位置の管理やデータの配送等を行わない。現在位置を管理するためのバインディングキャッシュを保持していないからである。かかるバインディングキャッシュは第1のルータ(FA#1)20に保持される。詳細は後述する。
【0028】
モバイル端末(MN)60は、第1及び第2のインタフェース(INF#1,INF#2)611,612を備え、各インタフェース(INF#1,INF#2)611,612の切り換えにより各通信デバイスに対応したデータの送受信を行う。
【0029】
尚、本実施例ではモバイル端末(MN)60が次のように移動する場合を想定する。すなわち、モバイル端末(MN)60はIPアドレス「a1」を使用して第1のインタフェース(INF#1)611から第1のルータ(FA#1)20と通信し、その後移動する。そして、移動先において使用した通信デバイスによる通信が例えば圏外となり、モバイル端末(MN)60は通信デバイスを切り換え、IPアドレス「b1」を使用して第2のインタフェース(INF#2)612から第2のルータ(FA#2)30と通信する。
【0030】
次に各部の構成について説明する。図2は第1のルータ(FA#1)20、図3は第2のルータ(FA#2)30、図4はAAAサーバ40、図5はモバイル端末(MN)60の、各構成例を示す図である。
【0031】
図2に示すように第1のルータ(FA#1)20は、入力部21と、移動管理部22と、バインディングキャッシュ23と、カプセル化部24、及び出力部25を備える。
【0032】
入力部21は、ノード(CN)10やモバイル端末(MN)60からのパケットを受信して、受信パケットの中身を参照し、制御パケット(登録メッセージ(Biding Update)など)を移動管理部22に、データパケットをカプセル化部24に出力する。
【0033】
移動管理部22は、制御パケットの中身を解析し、モバイル端末(MN)60が使用した元のIPアドレス(例えば、「a1」)とモバイル端末(MN)60に新しく割り当てたIPアドレス(例えば、「b1」)とをバインディングキャッシュ23に格納する。また、移動管理部22は第2のルータ(FA#2)30への応答やAAAサーバ40への通信のための制御パケット(とくに、モバイル端末(MN)60が最初に使用したIPアドレスを通知するためのパケット)を生成する。
【0034】
バインディングキャッシュ23は、モバイル端末(MN)60が使用した元のIPアドレスと新しく割り当てたIPアドレスとを記憶するメモリである。バインディングキャッシュ23にはモバイル端末(MN)60の変更前後のアドレス情報(本実施例ではIPアドレス)が記憶される。
【0035】
カプセル化部24は、データパケットに対して、バインディングキャッシュ23から新しく割り当てたIPアドレスを読み出し、この読み出したIPアドレスを用いてカプセル化を行う。例えば、カプセル化部24は、送信先アドレスが「a1」のデータパケットをカプセル化して、送信先アドレスを「b1」としたデータパケットを作成する。
【0036】
出力部25は、カプセル化部24からのデータパケットと移動管理部22からの制御パケットを外部に出力する。
【0037】
図3は第2のルータ(FA#2)30の構成例を示す図である。第2のルータ(FA#2)30は入力部31と、移動管理部32と、バインディングキャッシュ33、及び出力部34を備える。
【0038】
入力部31は、第1のルータ(FA#1)20やモバイル端末(MN)60等からの受信パケットに対して、その中身を参照し、制御パケット(AAA reply、Biding Ackなど)を移動管理部32に、データパケットを出力部34に出力する。
【0039】
移動管理部32は、制御パケットの中身を解析し、モバイル端末(MN)60が使用した元のIPアドレス(例えば、「a1」)と新しく割り当てたIPアドレス(例えば、「b1」)、及び第1のルータ(FA#1)20のアドレスをバインディングキャッシュ33に格納する。また、移動管理部32は、登録メッセージ(Biding Update)等の制御パケットを作成する。
【0040】
バインディングキャッシュ33は、モバイル端末(MN)60の元のIPアドレスと新しく割り当てたIPアドレス(例えば、「a1」と「b1」)を記憶するメモリである。
【0041】
出力部34は、入力部31からのデータパケットと、移動管理部32からの制御パケットとを外部に出力する。
【0042】
図4はAAAサーバ40の構成例を示す図である。AAAサーバ40は入力部41と、移動管理部42と、MN(Mobile Node)メモリ43と、認証部44、及び出力部45を備える。
【0043】
入力部41は、受信パケットの中身を参照し、制御パケット(モバイル端末(MN)60が使用した元のIPアドレス「a1」を通知するパケット等)を移動管理部42に、認証パケットを認証部44に出力する。
【0044】
移動管理部42は、制御パケットの中身を解析し、モバイル端末(MN)60の識別情報(例えば、NAI(Network Address Identifier))、モバイル端末(MN)60が使用したIPアドレス(例えば、「a1」)、及び第1のルータ(FA#1)20のアドレス(例えば、「FA#1」)をMNメモリ43に格納する。
【0045】
MNメモリ43は、モバイル端末(MN)60の識別情報、モバイル端末(MN)60が使用したIPアドレス、第1のルータ(FA#1)20のアドレスとを記憶するメモリである。
【0046】
認証部44は、モバイル端末(MN)60の認証の際に、MNメモリ43から、モバイル端末(MN)60のIPアドレス(例えば、「a1」)と第1のルータ(FA#1)20のアドレスとを読み出し、認証応答(AAA reply)パケットにこれらを収容して出力部45に出力する。
【0047】
出力部45は、認証部44からの認証パケットを外部に出力する。
【0048】
図5はモバイル端末(MN)60の構成例を示す図である。モバイル端末(MN)60は、入力部61と、デカプセル化部62を備える。
【0049】
入力部61は、第1のルータ(FA#1)20や第2のルータ(FA#2)30からデータパケットを受信し、デカプセル化部62に出力する。尚、入力部61は第1及び第2のインタフェース(INF#1,INF#2)611,612を備える。
【0050】
デカプセル化部62は、カプセル化されたパケットのヘッダ部を取り除き、データ部に挿入された元のパケット(ノード(CN)10から第1のルータ(FA#1)20に送信されたパケット)を取り出して、モバイル端末(MN)60内の上位アプリケーションに出力する。
【0051】
次に、以上のように構成されたネットワークシステム1の動作について説明する。図6はネットワークシステム1で送受信されるデータのタイミングチャート例、図7はネットワークシステム1で送受信されるデータの流れ、を夫々示す図である。
【0052】
まず、モバイル端末(MN)60は、第1のルータ(FA#1)20配下に移動したときに、認証要求を第1のルータ(FA#1)20に送信する(S10)。このときモバイル端末(MN)60は自身の識別情報(例えば、NAI)を認証要求に付加して送信する。
【0053】
次いで、第1のルータ(FA#1)20はモバイル端末(MN)60が配下に移動したことを検出する(S11)。第1のルータ(FA#1)20の移動管理部22が認証要求を受信(S10)することで検出する。このとき、移動管理部22はバインディングキャッシュ23にモバイル端末(MN)60の識別情報を記憶する。
【0054】
次いで、第1のルータ(FA#1)20は、AAA requestをAAAサーバ40に送信する(S12)。この要求にはモバイル端末(MN)60の識別情報も含まれる。例えば、移動管理部22が識別情報を付加したAAA requestを生成し出力する。
【0055】
次いで、AAAサーバ40はAAA replyを第1のルータ(FA#1)20に送信する(S13)。例えば、AAAサーバ40の認証部44は、AAA requestを受信すると、この要求に含まれるモバイル端末(MN)60の識別情報をMNメモリ43に記憶させ、AAA replyのパケットを生成して出力する。これらAAA requestとAAA replyの送受信により、第1のルータ(FA#1)20はAAAサーバ40との間でモバイル端末(MN)60の認証情報の送受信を行う。
【0056】
次いで、第1のルータ(FA#1)20は認証応答をモバイル端末(MN)60に送信する(S14)。例えば、移動管理部22により送信される。
【0057】
認証が成功すると、第1のルータ(FA#1)20はモバイル端末(MN)60に対してIPアドレス(例えば、「a1」)の払い出しの処理等を行う(S15)。このとき、バインディングキャッシュ23には、モバイル端末(MN)60の識別情報とともに、払い出したIPアドレスが移動管理部22により記憶される。
【0058】
次いで、第1のルータ(FA#1)20はAAAサーバ40にモバイル端末(MN)60のIPアドレス(例えば、「a1」)を通知する(S16)。移動管理部22が生成した制御パケットにより通知される。
【0059】
AAAサーバ40のMNメモリ43には、モバイル端末(MN)60の識別情報とともに、モバイル端末(MN)60のIPアドレスと、モバイル端末(MN)60を収容する第1のルータ(FA#1)20のアドレスとが記憶される。第1のルータ(FA#1)20はIPアドレスを制御パケットにより通知するが、通常、パケットには送信元アドレスが付与されているため、AAAサーバ40の移動管理部42が送信元の第1のルータ(FA#1)20のアドレスを制御パケットから取り出し、制御パケットに含まれるモバイル端末(MN)60のIPアドレスも取り出してMNメモリ43に記憶する(図7参照)。
【0060】
その後、ノード(CN)10はモバイル端末(MN)60へデータパケットを送信する(S17)。モバイル端末(MN)60宛てのデータパケットは、第1のルータ(FA#1)20を介してモバイル端末(MN)60へ送信される。ホームエージェント(HA)50にはモバイル端末(MN)60の現在位置を管理するバインディングキャッシュを保持しておらず、データパケットは直接第1のルータ(FA#1)20からモバイル端末(MN)60に送信される。
【0061】
そして、モバイル端末(MN)60はハンドオーバし、第2のルータ(FA#2)30配下のセルに移動し、使用した通信デバイスを例えば圏外等により切り換える。
【0062】
次いで、モバイル端末(MN)60は移動先の第2のルータ(FA#2)30に対して認証要求を送信する(S18)。このときモバイル端末(MN)60は自身の識別情報(例えば、NAI)も送信する。
【0063】
次いで、第2のルータ(FA#2)30はAAAサーバ40へAAA requestを送信し(S19)、AAAサーバ40はAAA replyを第2のルータ(FA#2)30に送信する(S20)。第2のルータ(FA#2)30はAAAサーバ40との間でモバイル端末(MN)60の認証を行う。
【0064】
このとき、AAAサーバ40は、MNメモリ43に記憶された、モバイル端末(MN)60が使用していたIPアドレス(例えば、「a1」)と最初にアクセスした第1のルータ(FA#1)20のアドレス(例えば、「FA#1」)とをAAA replyに付加して送信する。
【0065】
すなわち、MNメモリ43には、S12の処理により、モバイル端末(MN)60の識別情報とともに、モバイル端末(MN)60が使用していたIPアドレス(例えば、「a1」)と第1のルータ(FA#1)20のアドレス(例えば、「FA#1」)とが記憶されている。移動管理部42は、AAA requestに含まれるモバイル端末(MN)60の識別情報から、MNメモリ43にアクセスし、2つのアドレスを読み出して、AAA replyに付加する。
【0066】
なお、第2のルータ(FA#2)30は、AAA requestに含まれる2つのアドレス(「a1」と「FA#1」)をモバイル端末(MN)60の識別情報とともに、バインディングキャッシュ33に記憶する。
【0067】
次いで、第2のルータ(FA#2)30は、認証応答をモバイル端末(MN)60に送信する(S21)。そして、認証が成功した場合は、第2のルータ(FA#2)30はモバイル端末(MN)60に対してIPアドレス(例えば、「b1」)の払い出し等の処理を行う(S22)。
【0068】
次いで、第2のルータ(FA#2)30は、登録メッセージ(Biding Update)を第1のルータ(FA#1)20に送信する(S23)。
【0069】
第2のルータ(FA#2)30は、S20の処理で送信されたアドレスのうち、最初の接続先のルータ(第1のルータ(FA#1)20)のアドレスを、登録メッセージの宛先アドレスとする。また、第2のルータ(FA#2)30は、S20の処理で送信されたアドレスのうちモバイル端末(MN)60が使用した元のアドレス(例えば、「a1」)を登録メッセージに含ませる。さらに、第2のルータ(FA#2)30は新たに割り当てたIPアドレス(例えば、「b2」)も登録メッセージに含ませる。
【0070】
そして、第1のルータ(FA#1)20は登録メッセージを受信すると、モバイル端末(MN)60が使用したIPアドレス(例えば、「a1」)と新たに割り当てたIPアドレス(例えば、「b1」)とをバインディングキャッシュ23に記憶し、登録メッセージに対する登録応答(Biding Ack)を第2のルータ(FA#2)30に送信する(S24)。
【0071】
以後のデータパケットの流れ(S25)は以下のようになる。すなわち、図7に示すように、ノード(CN)10はモバイル端末(MN)60へデータパケットを送信し、第1のルータ(FA#1)20はデータパケットをインターセプトする。
【0072】
第1のルータ(FA#1)20は、バインディングキャッシュ23を参照し、宛先アドレスを新たにモバイル端末(MN)60に割り当てたIPアドレス(或いは、現在使用しているIPアドレス。例えば「b1」)とし、更にデータパケットをカプセル化してIP網100へ転送する。
【0073】
第2のルータ(FA#2)30は、カプセル化されたデータパケットをそのままモバイル端末(MN)60に転送する。
【0074】
モバイル端末(MN)60は、カプセル化されたデータパケットに対して、データ部に挿入されたデータを取り出すことでデカプセル化を行い、ノード(CN)10から送信されたデータパケット(宛先アドレスはモバイル端末(MN)60に割り当てたIPアドレス)を復元する。
【0075】
以後、モバイル端末(MN)60は復元されたデータパケットに基づいて各種アプリケーションを実行する。
【0076】
このように本実施例のネットワークシステム1では、モバイル端末(MN)60が通信デバイスを変更したときに、モバイル端末(MN)60と第2のルータ(FA#2)30等の間で呼解放と呼再接続の処理が行われない(図6参照)。よって、本ネットワークシステム1では、かかる処理が行われない分だけ、サービス中断時間を短くすることができる。また、上述したように、モバイル端末(MN)60は登録メッセージを送信しなくても、サービスを継続して享受できる。
【0077】
上述した実施例では、AAAサーバ40はモバイル端末(MN)60を最初に収容した第1のルータ(FA#1)20のアドレスを記憶した後、モバイル端末(MN)60が第2のルータ(FA#2)30配下に移動した際に、第1のルータ(FA#1)20のアドレスを第2のルータ(FA#2)30に通知している(S16,S20)。これは、第2のルータ(FA#2)30が第1のルータ(FA#1)20に登録メッセージを発行する際に宛先アドレスに使用するためである(S23)。しかし、AAAサーバ40は第2のルータ(FA#2)30に第1のルータ(FA#1)20のアドレスを送信せず、第2のルータ(FA#2)30は第1のルータ(FA#1)20のアドレスを入手しなくてもよい。この場合、第2のルータ(FA#2)30は位置登録メッセージの宛先アドレスを初期のIPアドレス(例えば、「a1」)にして送信し、第1のルータ(FA#1)20がこれをインターセプトする。位置登録メッセージには、第2のルータ(FA#2)30が新たに割り当てたモバイル端末(MN)60のIPアドレスが含まれているため、第1のルータ(FA#1)20は位置登録メッセージの中身を解析して、宛先アドレス(例えば、「a1」)と位置登録メッセージに含まれるモバイル端末(MN)60のIPアドレス(例えば、「b1」)とからバインディングキャッシュ23に記憶されたデータを更新することができる。
【0078】
また、上述した実施例では、モバイル端末(MN)60の初期IPアドレス(例えば、「a1」)と初期ルータ(第1のルータ(FA#1)20)のアドレスとをAAAサーバ40が格納するものとして説明した。例えば、ホームエージェント(HA)50など、AAAサーバ40以外でかかるアドレスを格納するようにしてもよい。ただし、Proxy Mobile IPなどで予め決められたシーケンス(上述した例では、AAA requestやAAA reply)の中で、アドレスが送受信されることが望ましい。別途、送受信するための処理によりサービス中断時間が長くなるからである。
【0079】
さらに、上述した実施例では、モバイル端末(MN)60が第1のルータ(FA#1)20配下のセルから第2のルータ(FA#2)30配下のセルへ移動して、通信デバイスが変更した例で説明した。それ以外にも、モバイル端末(MN)60は移動を行わずに通信デバイスを変更した場合でも実施できる。AAAサーバはモバイル端末(MN)60が最初に接続したルータ(FA#1)20のアドレスとそのときに使用したIPアドレスとの情報を保持し、最初に接続したルータ(FA#1)20はバインディングキャッシュを保持しているからである。この場合、第1のルータ(FA#1)20でカプセル化を行い、配下に在圏するモバイル端末(MN)50にカプセル化されたデータパケットが送信され、モバイル端末(MN)50でデカプセル化を行う。
【0080】
さらに、通信デバイスの変更については、ハンドオーバ等を契機にコストの安い通信デバイスに変更したり、受信電波の強い通信デバイスに変更したり、或いは手動で通信デバイスを変更するなどがある。
【0081】
以上まとめると付記のようになる。
【0082】
(付記1)
ネットワークシステムにおいて、
移動端末と、
前記移動端末とデータパケットの送受信を行うノードと、
前記移動端末が訪問先において接続される第1のルータと、
前記移動端末が前記第1のルータから移動した移動先で接続される第2のルータとを備え、
前記第2のルータは前記移動端末の位置登録メッセージを生成して前記第1のルータに送信する位置登録メッセージ生成部を備え、
前記第1のルータは、バインディングキャッシュと、前記位置登録メッセージを受信して前記バインディングキャッシュに前記移動端末の変更前後のアドレス情報を記憶する移動管理部と、前記ノードからの前記データパケットを受信し、当該データパケットをカプセル化するとともに前記バインディングキャッシュに記憶された前記変更後のアドレス情報を送信先とするデータパケットを作成して転送するカプセル化部とを備え、
前記移動端末は、前記カプセル化されたデータパケットを受信し、受信した当該データパケットをデカプセル化するデカプセル化部を備えることを特徴とするネットワークシステム。
【0083】
(付記2)
前記第1のルータは、前記移動端末が訪問先で最初にネットワークに接続するルータであることを特徴とする付記1記載のネットワークシステム。
【0084】
(付記3)
さらに、前記移動端末が前記第1のルータとの間で最初に使用するアドレス情報と、前記第1のルータのアドレス情報とを保持するサーバを備えることを特徴とする付記1記載のネットワークシステム。
【0085】
(付記4)
前記サーバは前記移動端末の認証を行うときに前記移動端末が最初に使用する前記アドレス情報を前記第2のルータに送信することを特徴とする付記1記載のネットワークシステム。
【0086】
(付記5)
前記第1のルータの移動管理部は、前記移動端末に前記最初に使用するアドレス情報を割り当てた後、当該アドレス情報を前記変更前のアドレス情報として前記バインディングキャッシュに記憶するとともに当該アドレス情報を前記サーバに送信することを特徴とする付記3記載のネットワークシステム。
【0087】
(付記6)
前記サーバは、前記最初に使用するアドレス情報と前記第1のルータのアドレス情報とを前記第2のルータに送信することを特徴とする付記3記載のネットワークシステム。
【0088】
(付記7)
前記第2のルータの位置登録メッセージ生成部は、前記サーバから送信された前記最初に使用するアドレス情報と、前記移動端末に新たに割り当てたアドレス情報とを含む前記位置登録メッセージを前記第1のルータに送信することを特徴する付記6記載のネットワークシステム。
【0089】
(付記8)
前記第1のルータの移動管理部は、前記位置登録メッセージに含まれる前記新たに割り当てたアドレス情報を前記変更後のアドレス情報としてバインディングキャッシュに記憶し、前記データパケットの送信先を前記最初に使用するアドレス情報から前記新たに割り当てたアドレス情報として前記データパケットをデカプセル化することを特徴とする付記7記載のネットワークシステム。
【0090】
(付記9)
前記サーバは前記移動端末の認証及び許可を行うAAAサーバであることを特徴とする付記3記載のネットワークシステム。
【0091】
(付記10)
移動端末と、前記移動端末とデータパケットの送受信を行うノードと、前記移動端末が訪問先において接続される第1のルータと、前記移動端末が前記第1のルータから移動した移動先で接続される第2のルータとを備えたネットワークシステムにおけるデータ送受信方法において、
前記第2のルータは前記移動端末の位置登録メッセージを生成して前記第1のルータに送信し、
前記第1のルータは、前記位置登録メッセージを受信してバインディングキャッシュに前記移動端末の変更前後のアドレス情報を記憶し、前記ノードからの前記データパケットを受信したとき当該データパケットをカプセル化するとともに前記バインディングキャッシュに記憶された前記変更後のアドレス情報を送信先とするデータパケットを作成して転送し、
前記移動端末は、前記カプセル化された前記データパケットを受信し、当該データパケットをデカプセル化することを特徴とするデータ送受信方法。
【0092】
(付記11)
移動端末と、前記移動端末とデータパケットの送受信を行うノードと、前記移動端末が訪問先において接続される第1のルータと、前記移動端末が前記第1のルータから移動した移動先で接続される第2のルータとを備えたネットワークシステムを構成するコンピュータに実行させるデータ送受信プログラムであって、
前記第2のルータが前記移動端末の位置登録メッセージを生成して前記第1のルータに送信する処理と、
前記第1のルータが、前記位置登録メッセージを受信してバインディングキャッシュに前記移動端末の変更前後のアドレス情報を記憶し、前記ノードからの前記データパケットを受信したとき当該データパケットをカプセル化するとともに前記バインディングキャッシュに記憶された前記変更後のアドレス情報を送信先とするデータパケットを作成して転送する処理と、
前記移動端末が、前記カプセル化された前記データパケットを受信し、当該データパケットをデカプセル化する処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とするデータ送受信プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】図1はネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図2】図2は第1のルータ(FA#1)の構成例を示す図である。
【図3】図3は第2のルータ(FA#2)の構成例を示す図である。
【図4】図4はAAAサーバの構成例を示す図である。
【図5】図5はモバイル端末(MN)の構成例を示す図である。
【図6】図6はデータが送受信される際にシーケンスの例を示す図である。
【図7】図7はネットワークシステムの構成例とデータの流れを示す図である。
【図8】図8はネットワークシステムの構成例とデータの流れを示す図である。
【図9】図9はネットワークシステムの構成例とデータの流れを示す図である。
【図10】図10はネットワークシステムの構成例とデータの流れを示す図である。
【符号の説明】
【0094】
1 ネットワークシステム、 10 ノード(CN)、 20 第1のルータ(FA#1)、 21 入力部、 22 移動管理部、 23 バインディングキャッシュ、 24 カプセル化部、 25 出力部、 30 第2のルータ(FA#2)、 31 入力部、 32 移動管理部、 33 バインディングキャッシュ、 34 出力部、 40 AAAサーバ、 41 入力部、 42 移動管理部、 43 MNメモリ、 44 認証部、 45 出力部、 50 ホームエージェント(HA)、 60 モバイル端末(MN)、 61 入力部、 62 デカプセル化部、 100 IP網、 611,612 第1及び第2のインタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークシステムにおいて、
移動端末と、
前記移動端末とデータパケットの送受信を行うノードと、
前記移動端末が訪問先において接続される第1のルータと、
前記移動端末が前記第1のルータから移動した移動先で接続される第2のルータとを備え、
前記第2のルータは前記移動端末の位置登録メッセージを生成して前記第1のルータに送信する位置登録メッセージ生成部を備え、
前記第1のルータは、バインディングキャッシュと、前記位置登録メッセージを受信して前記バインディングキャッシュに前記移動端末の変更前後のアドレス情報を記憶する移動管理部と、前記ノードからの前記データパケットを受信し、当該データパケットをカプセル化するとともに前記バインディングキャッシュに記憶された前記変更後のアドレス情報を送信先とするデータパケットを作成して転送するカプセル化部とを備え、
前記移動端末は、前記カプセル化されたデータパケットを受信し、受信した当該データパケットをデカプセル化するデカプセル化部を備えることを特徴とするネットワークシステム。
【請求項2】
前記第1のルータは、前記移動端末が訪問先で最初にネットワークに接続するルータであることを特徴とする請求項1記載のネットワークシステム。
【請求項3】
さらに、前記移動端末が前記第1のルータとの間で最初に使用するアドレス情報と、前記第1のルータのアドレス情報とを保持するサーバを備えることを特徴とする請求項1記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記サーバは前記移動端末の認証を行うときに前記移動端末が最初に使用する前記アドレス情報を前記第2のルータに送信することを特徴とする請求項1記載のネットワークシステム。
【請求項5】
移動端末と、前記移動端末とデータパケットの送受信を行うノードと、前記移動端末が訪問先において接続される第1のルータと、前記移動端末が前記第1のルータから移動した移動先で接続される第2のルータとを備えたネットワークシステムにおけるデータ送受信方法において、
前記第2のルータは前記移動端末の位置登録メッセージを生成して前記第1のルータに送信し、
前記第1のルータは、前記位置登録メッセージを受信してバインディングキャッシュに前記移動端末の変更前後のアドレス情報を記憶し、前記ノードからの前記データパケットを受信したとき当該データパケットをカプセル化するとともに前記バインディングキャッシュに記憶された前記変更後のアドレス情報を送信先とするデータパケットを作成して転送し、
前記移動端末は、前記カプセル化された前記データパケットを受信し、当該データパケットをデカプセル化することを特徴とするデータ送受信方法。
【請求項6】
移動端末と、前記移動端末とデータパケットの送受信を行うノードと、前記移動端末が訪問先において接続される第1のルータと、前記移動端末が前記第1のルータから移動した移動先で接続される第2のルータとを備えたネットワークシステムを構成するコンピュータに実行させるデータ送受信プログラムであって、
前記第2のルータが前記移動端末の位置登録メッセージを生成して前記第1のルータに送信する処理と、
前記第1のルータが、前記位置登録メッセージを受信してバインディングキャッシュに前記移動端末の変更前後のアドレス情報を記憶し、前記ノードからの前記データパケットを受信したとき当該データパケットをカプセル化するとともに前記バインディングキャッシュに記憶された前記変更後のアドレス情報を送信先とするデータパケットを作成して転送する処理と、
前記移動端末が、前記カプセル化された前記データパケットを受信し、当該データパケットをデカプセル化する処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とするデータ送受信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−177264(P2009−177264A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−11024(P2008−11024)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】