説明

ノズルの位置調整方法、プログラム、コンピュータ記憶媒体及び塗布処理装置

【課題】塗布処理装置により基板に対して塗布処理を行うにあたり、塗布液を供給するノズルの位置調整を作業員の熟練度によらず正確で且つ迅速に行う。
【解決手段】ウェハに塗布液を供給する塗布液ノズル33の位置調整を行う方法であって、塗布液ノズル33を、ウェハが保持されていない状態のスピンチャック20の中心部の上方に移動させ、その後、スピンチャック20の中心部に対応する吸引口20a及び塗布液ノズル33の先端部をCCDカメラ50、51により撮像し、撮像された画像において、塗布液ノズル33の先端部の中心の水平方向の位置とスピンチャック20の中心部である吸引口20aの水平方向の位置とが一致するように塗布液ノズル33の位置を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に塗布液を供給して塗布処理を行う際に当該塗布液を供給するノズルの位置調整方法形、プログラム、コンピュータ記憶媒体及び塗布処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体デバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程では、例えば半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)上にレジスト液を塗布しレジスト膜を形成するレジスト塗布処理、当該レジスト膜を所定のパターンに露光する露光処理、露光されたレジスト膜を現像する塗布処理などが順次行われ、ウェハ上に所定のレジストパターンが形成される。これらのウェハの処理は、各種の処理装置が多数備えられた塗布処理システムにおいて、枚葉式に連続して行われている。
【0003】
この塗布処理システムで行われるレジスト塗布処理は、通常塗布処理装置で行われている。塗布処理装置は、ウェハを載置し保持して回転させるスピンチャックと、ウェハの上方からレジスト液を吐出するノズルを備えている。レジスト塗布処理時には、スピンチャックにウェハを載置し当該スピンチャックを回転させ、回転しているウェハの中心部に対応する位置にノズルを移動させ、ノズルからレジスト液を吐出し、レジスト液をウェハの中心部から全体に拡散させることによって行われている。
【0004】
ところで、レジスト膜の形成においては、レジスト液をウェハ上に均一にムラなく塗布する必要があるが、レジスト液がウェハ上で局部的に塗布されていない、あるいはレジスト液が局部的に薄く又は厚く塗布されるといった塗布不良が生じる場合がある。
【0005】
このような塗布不良は、例えばレジスト液をウェハに供給する際に、ウェハ中心部とノズルとの位置がずれていた場合や、ノズルをウェハの中心部に対応する位置に移動させる過程において目的外の位置でノズルからレジスト液が滴下してしまい、このレジスト液の滴下に気付かずにウェハの中心部でレジスト液を供給して回転塗布を行った場合などに発生することが知られている。
【0006】
目的外の位置へのレジスト液の滴下が発生したことを検出し塗布不良を未然に防止する方法としては、例えば特許文献1に、ウェハの中心部へ移動中のノズルを撮像手段により光学的に撮像し、ノズルからレジスト液が滴下した、あるいは滴下しそうな状態になっていることを検出することが提案されている。そして、目的外の位置へのレジスト液の滴下を検出した場合には塗布処理を停止させて不良品の発生を防止し、歩留まりの向上が図られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−135679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記レジスト塗布装置におけるノズルの位置調整、即ちセンタリング調整は、従来より作業員の目視によって行われていた。つまり、スピンチャックの回転中心にウェハの中心が合うようにウェハが載置されているか否か、及びノズルがスピンチャックの回転中心軸上に位置しているか否かを肉眼で確認し、位置ずれがある場合には、作業員によってその位置ずれ量を推定し、手探りで修正することにより位置調整されていた。このため、センタリング調整には、時間がかかり、その間装置を稼動できないため、装置の稼働率の低下を招いていた。
【0009】
加えて、ノズルがスピンチャックの回転中心軸上に位置しているか否かの確認は、通常、例えばスピンチャックの中心部に形成された、ウェハ吸着保持用の吸引口の中心位置とノズルの中心位置とが一致しているか否かを確認することにより行われるが、この吸引口の直径が例えば7mmであるのに対して、ノズルの外径は、例えば3mm程度であるため、肉眼においては調整が完了したように見えても、実際には数ミリ程度のずれが生じていることもしばしばあった。したがって、作業員の熟練度によっては常に一定の精度を確保できず、位置調整が不正確になるという問題もある。この場合、上述のようにウェハ中心部とノズルとの位置がずれることで塗布不良の発生の原因となってしまう。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、塗布処理装置により基板に対して塗布処理を行うにあたり、塗布液を供給するノズルの位置調整を作業員の熟練度によらず正確で且つ迅速に行うことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するための本発明は、回転保持部材によって保持された基板上にノズルから塗布液を供給し、前記回転保持部材を回転させることで基板に塗布処理を行う塗布処理装置において、前記ノズルの位置調整を行う方法であって、前記ノズルを、基板が保持されていない状態の前記回転保持部材の中心部の上方に移動させ、その後、前記回転保持部材の中心部及び前記ノズルの先端部を撮像手段により撮像し、前記撮像された画像において、前記ノズルの先端部の中心の水平方向の位置と前記回転保持部材の中心部の水平方向の位置とが一致するように前記ノズルの位置を調整することを特徴としている。
【0012】
本発明によれば、撮像手段により撮像された画像においてノズルの先端部の中心の位置と前記回転保持部材の中心部の位置とが一致するノズルの位置を調整するので、作業員の熟練度によらず短時間でセンタリング作業を実施することができる。また、撮像手段に、例えば高解像度のCCDカメラなどを用いることで、作業員の目視以上の精度で位置調整を行うことが可能となる。
【0013】
前記調整されたノズルの位置情報を記憶し、その後、前記回転保持部材に基板を保持して当該基板に塗布処理を行い、その後、塗布処理後の基板を前記回転保持部材から取り去り、当該回転保持部材に基板が保持されていない状態で前記ノズルを前記回転保持部材の中心部の上方に移動させ、その後、前記ノズルの先端部及び前記回転保持部材の中心部を撮像手段により撮像し、その後、前記撮像された画像から求められた前記ノズルの位置情報と前記記憶されたノズルの位置情報とを比較し、両位置情報に差がある場合には、当該ノズルの位置を前記記憶された位置情報と一致するように前記ノズルを移動させてもよい。
【0014】
前記ノズルの先端部及び前記回転保持部材の中心部の撮像は、2台の撮像手段により行われ、前記2台の撮像手段による撮像は、互いの撮像方向が平面視において直交する方角から行われてもよい。
【0015】
前記撮像手段により撮像される前記回転保持部材の中心部は、前記回転保持部材の中心部に形成された前記基板を吸着保持する吸引口であり、前記撮像された画像において、前記ノズルの先端部の中心の水平方向の位置と前記吸引口の中心部の水平方向の位置とが一致し、且つ前記ノズルの先端部の手前側の端部と、前記吸引口の手前側の端部との距離が所定の値となるように前記ノズルの位置を調整してもよい。
【0016】
別な観点による本発明によれば、前記ノズルの位置調整方法を塗布処理装置によって実行させるために、当該塗布処理装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムが提供される。
【0017】
また別な観点による本発明によれば、前記プログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体が提供される。
【0018】
さらに別な観点による本発明は、回転保持部材によって保持された基板上にノズルから塗布液を供給し、前記回転保持部材を回転させることで基板に塗布処理を行う塗布処理装置であって、塗布液を基板上に供給する塗布液ノズルと、前記ノズルを移動させる移動機構と、前記ノズルの先端部及び前記回転保持部材の中心部を撮像する撮像手段と、前記移動機構と、前記撮像手段の動作を制御する制御部と、を有し、前記撮像手段は、互いの撮像方向が平面視において直交する方角から撮像を行うように2台設置され、前記制御部は、前記撮像された画像において、前記ノズルの先端部の中心の位置と前記回転保持部材の中心部の位置とが一致するように前記ノズルの位置を調整する制御を行うことを特徴としている。
【0019】
前記制御部は、前記調整されたノズルの位置情報を記憶し、その後、前記回転保持部材に基板を保持して当該基板に塗布処理を行い、その後、塗布処理後の基板を前記回転保持部材から取り去り、当該回転保持部材に基板が保持されていない状態で前記ノズルを前記回転保持部材の中心部の上方に移動させ、その後、前記ノズルの先端部及び前記回転保持部材の中心部を撮像手段により撮像し、その後、前記撮像された画像から求められた前記ノズルの位置情報と前記記憶されたノズルの位置情報とを比較し、両位置情報に差がある場合には、当該ノズルの位置を前記記憶された位置情報と一致するように前記ノズルを移動させる制御を行ってもよい。
【0020】
また、別な観点による本発明は、回転保持部材によって保持された基板上にノズルから塗布液を供給し、前記回転保持部材を回転させることで基板に塗布処理を行う塗布処理装置であって、塗布液を基板上に供給する塗布液ノズルと、前記ノズルを移動させる移動機構と、前記ノズルの先端部と、前記回転保持部材の中心部に形成された前記基板を吸着保持する吸引口とを撮像する撮像手段と、前記移動機構と、前記撮像手段の動作を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記撮像された画像において、前記ノズルの先端部の中心の水平方向の位置と前記吸引口の中心部の水平方向の位置とが一致し、且つ前記ノズルの先端部の手前側の端部と、前記吸引口の手前側の端部との距離が所定の値となるように前記ノズルの位置を調整する制御を行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、塗布処理装置により基板に対して塗布処理を行うにあたり、塗布液を供給するノズルの位置調整を作業員の熟練度によらず正確で且つ迅速に行うことを目的としている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施の形態にかかる塗布処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【図2】本実施の形態にかかる塗布処理装置の構成の概略を示す横断面図である。
【図3】塗布液ノズル及びスピンチャック近傍の機器構成の概略を示す斜視図である。
【図4】表示部に表示された画像を示す説明図である。
【図5】塗布処理の主な工程を示すフローチャートである。
【図6】CCDカメラをカップに固定した場合の当該カップ近傍の機器構成の概略を示す斜視図である。
【図7】他の実施の形態にかかる塗布処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【図8】他の実施の形態にかかる塗布処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【図9】表示部に表示された画像を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる位置調整方法が行われる塗布処理装置1の構成の概略を示す縦断面図である。図2は、塗布処理装置1の構成の概略を示す横断面図である。
【0024】
塗布処理装置1は、図1に示すように処理容器10を有している。処理容器10内の中心部には、ウェハWを保持して回転させる回転保持部材としてのスピンチャック20が設けられている。スピンチャック20は、水平な上面を有し、当該上面の中心部には、例えばウェハWを吸引する吸引口20aが設けられている。この吸引口0aからの吸引により、ウェハWをスピンチャック20上に吸着保持できる。
【0025】
スピンチャック20は、例えばモータなどを備えたチャック駆動機構21を有し、そのチャック駆動機構21により所定の速度に回転できる。また、チャック駆動機構21には、シリンダなどの昇降駆動源が設けられており、スピンチャック20は上下動可能になっている。
【0026】
スピンチャック20の周囲には、ウェハWから飛散又は落下する液体を受け止め、回収するカップ22が設けられている。カップ22の下面には、回収した液体を排出する排出管23と、カップ22内の雰囲気を排気する排気管24が接続されている。
【0027】
図2に示すようにカップ22のX方向負方向(図2の下方向)側には、Y方向(図2の左右方向)に沿って延伸するレール30が形成されている。レール30は、例えばカップ22のY方向負方向(図2の左方向)側の外方からY方向正方向(図2の右方向)側の外方まで形成されている。レール30には、例えば二本のアーム31、32が取り付けられている。
【0028】
第1のアーム31には、図1及び図2に示すようにウェハWに塗布液としての、例えばレジスト液を供給する塗布液ノズル33が支持されている。塗布液ノズル33は、その先端が略円錐形状をした円筒状に形成されている。
【0029】
第1のアーム31は、図2に示すノズル駆動部34により、レール30上を移動自在である。これにより、塗布液ノズル33は、カップ22のY方向正方向側の外方に設置された待機部35からカップ22内のウェハWの中心部上方まで移動でき、さらに当該ウェハWの表面上をウェハWの径方向に移動できる。また、第1のアーム31は、ノズル駆動部34によって昇降自在であり、塗布液ノズル33の高さを調整できる。ノズル駆動部34には当該ノズル駆動部34の位置情報を検出するための、例えばロータリーエンコーダ(図示)が内蔵されている。なお、ノズル駆動部34は、10μmの精度で塗布液ノズル33の位置調整を行うことが可能である。
【0030】
塗布液ノズル33には、図1に示すように、塗布液供給源36に連通する供給管37が接続されている。塗布液供給源36内には、塗布液としてのレジスト液が貯留されている。供給管37には、塗布液の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群38が設けられている。
【0031】
第2のアーム32には、レジスト液の溶剤、例えばシンナーを供給する溶剤ノズル40が支持されている。第2のアーム32は、図2に示すノズル駆動部41によってレール30上を移動自在であり、溶剤ノズル40を、カップ22のY方向負方向側の外方に設けられた待機部42からカップ22内のウェハWの中心部上方まで移動させることができる。また、ノズル駆動部41によって、第2のアーム32は昇降自在であり、溶剤ノズル40の高さを調節できる。
【0032】
溶剤ノズル40には、図1に示すように溶剤供給源43に連通する供給管44が接続されている。溶剤供給源43内には、溶剤が貯留されている。供給管44には、溶剤の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群45が設けられている。なお、以上の構成では、レジスト液を供給する塗布液ノズル33と溶剤を供給する溶剤ノズル40が別々のアームに支持されていたが、同じアームに支持され、そのアームの移動の制御により、塗布液ノズル33と溶剤ノズル40の移動と供給タイミングを制御してもよい。
【0033】
また、例えば図2及び図3に示すように、第1のアーム31には、塗布液ノズル33の先端部を光学的に撮像するための撮像手段としての、例えば2台のCCDカメラ50、51が設けられている。このCCDカメラ50、51には、高解像度のものが用いられる。解像度としては、例えば40μmである。
【0034】
この2台のCCDカメラ50、51は、それぞれの撮像する方向が略直交する方角から塗布液ノズル33の先端部を撮像できるように、互いの撮像方向が平面視において直交するように水平方向の配置が調整されている。また、CCDカメラ50、51の高さ方向の位置は、スピンチャック20の中心部の吸引口20aを塗布液ノズル33と同一の視野の範囲内で撮像できるように配置が調整されている。CCDカメラ50、51は、固定部材52を介して第1のアーム31に固定されている。このように、塗布液ノズル33とCCDカメラ50、51との相対的な位置関係が固定されているので、CCDカメラ50、51は塗布液ノズル33を常に同じ位置から撮像できる。このため、CCDカメラ50、51は、塗布液ノズル33と吸引口20aとの位置関係を、正確に把握することができる。なお、図1及び図3においては、CCDカメラ50、51を塗布液ノズル33の先端部とほぼ同じ高さに配置し、且つ撮像方向が水平方向に向いた状態を描図しているが、CCDカメラ50、51の配置や撮像方向の上下の向きについては本実施の形態に限定されるものではなく、撮像対象となるスピンチャック20及び塗布液ノズル33の双方を適切に撮像できれば、任意に設定が可能である。
【0035】
このように、2台のCCDカメラ50、51を、その撮像方向が直交するように配置することで、例えばCCDカメラ50で塗布液ノズル33の左右方向の位置を、CCDカメラ51で塗布液ノズル33の奥行き方向の位置を検出することができる。このため、例えば2台のCCDカメラ50、51で塗布液ノズル33とスピンチャックの中心部に対応する吸引口20aを撮像し、CCDカメラ50で撮像した画像と、CCDカメラ51で撮像した画像の両方において、塗布液ノズル33の水平方向における中心位置と吸引口20aの水平方向における中心位置とが一致していれば、塗布液ノズル33の先端部がスピンチャック20の中心部の鉛直上方に位置しているとの判断を行うことができる。なお、塗布液ノズル33の水平方向の中心位置と吸引口20a水平方向の中心位置とが一致するとは、両者が厳密に一致することを意味するものではなく、両者の位置が水平方向において所定の距離以内に収まっていることを意味している。またこの場合、所定の距離としては例えば0.5mm以内であることが好ましい。
【0036】
塗布液ノズル33とスピンチャック20とは、CCDカメラ50、51による撮像のために、図示しない光源により照らされている。光源としては、レジスト液を感光させるといった外乱を除去するために、赤外の光を照射するLEDランプ等が用いられる。
【0037】
塗布処理装置1には、上述のスピンチャック20の回転動作と上下動作、ノズル駆動部34による塗布液ノズル33の移動動作、供給機器群38による塗布液ノズル33のレジスト液の供給動作、ノズル駆動部41による溶剤ノズル40の移動動作、供給機器群45による溶剤ノズル40の溶剤の供給動作などの駆動系の動作、各駆動系の位置情報の認識、及びCCDカメラ50、51による撮像の制御や撮像された画像の分析を行う制御部100を有している。各駆動系の位置情報の認識は、例えば上述のロータリーエンコーダからの信号に基づいて行われる。制御部100は、例えばCPUやメモリなどを備えたコンピュータにより構成され、例えばメモリに記憶されたプログラムを実行することによって、塗布処理装置1における塗布処理を実現できる。なお、塗布処理装置1における塗布処理を実現するための各種プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどの記憶媒体Hに記憶されていたものであって、その記憶媒体Hから制御部100にインストールされたものが用いられている。
【0038】
制御部100には、CCDカメラ50、51により撮像された画像の表示を行う表示部101と、表示された画像に基づいて作業員が塗布液ノズル33のセンタリング作業を行うための操作部102が接続されている。表示部101には、例えば図4に示すように、CCDカメラ50により撮像された画像50aと、CCDカメラ51により撮像された画像51aがそれぞれ表示される。また、操作部102では、ノズル駆動部34を任意に操作することができる。したがって、上述のように画像50aと画像51aの双方において塗布液ノズル33の先端部の中心位置とスピンチャック20の中心部の位置とが水平方向において一致するように操作部102でノズル駆動部34の操作を行うことで、塗布液ノズル33のセンタリング作業を行うことができる。図4に示す場合を例に説明すると、CCDカメラ51により撮像された画像51aにおいては、塗布液ノズル33の先端部の中心位置が吸引口20aの中心位置から右側にずれている。この場合、塗布液ノズル33の中心位置が吸引口20aに対して、図2に示すY方向負方向側にずれていると判断できるので、操作部102によりノズル駆動部34を図2のY方向正方向側に移動させて、画像51aにおける塗布液ノズル33の先端部の中心位置と吸引口20aの中心位置とを一致させることで、塗布液ノズル33とスピンチャック20とのセンタリングが行われる。
【0039】
そして、センタリング作業が完了すると、センタリング作業が完了する前に制御部100に記憶されていた塗布液ノズル33の吐出位置情報は、センタリング作業完了後の塗布液ノズルの吐出位置情報に書き換えられる。なお、操作部102は、作業員による手動操作のみではなく、例えば画像認識機能により撮像された塗布液ノズル33の先端部とスピンチャック20の中心部の位置を認識し、認識された位置に基づいて塗布液ノズル33の先端部がスピンチャック20の中心となる位置と一致するようにノズル駆動部34を自動で操作するように構成されていてもよい。かかる場合も、塗布液ノズル33の吐出位置情報はセンタリング作業の後に書き換えられる。
【0040】
また、塗布液ノズル33の中心位置の検出は、例えば塗布液ノズル33の先端部うち、画像50a、51aに表示された左右の端部33a、33bの位置を検出し、当該端部33a、33bを結んだ直線の中間の位置を塗布液ノズル33の中心位置33cとして認識することで行われる。このように、塗布液ノズル33の端部33a、33bを検出することで、例えば塗布液ノズル33が傾いていた場合であっても、当該塗布液ノズル33の先端部の中心位置33cを正確に求めることができる。
【0041】
次に、以上のように構成された塗布処理装置1で行われる塗布処理のプロセスについて説明する。図5は、かかる塗布処理の主な工程の例を示すフローチャートである。
【0042】
塗布処理を行うにあたってウェハWを塗布処理装置1に搬入する前に、先ず第1のアーム31を制御部100に記憶されている塗布液ノズル33の吐出位置情報に基づいて移動させる(図5の工程S1)。次いで、CCDカメラ50、51により塗布液ノズル33の先端部とスピンチャック20の中心部である吸引口20aをそれぞれ撮像する(図5の工程S2)。次いで、例えば作業員が表示部101に表示された画像50a、51aを確認し、塗布液ノズル33の中心位置とスピンチャック20の中心位置がずれている場合は、操作部102によりノズル駆動部34を操作してセンタリング作業を行う(図5の工程S3)。そして、センタリング作業が完了すると、制御部100に記憶されていた塗布液ノズル33の位置情報がセンタリング作業後の位置情報に更新され(図5の工程S4)、センタリング作業後の位置情報が塗布液ノズル33の吐出位置であると認識される。
【0043】
塗布液ノズル33のセンタリング作業が完了すると、塗布液ノズル33が待機部35に移動し、次いでウェハWが塗布処理装置1の処理容器10内に図示しない搬送機構により搬入される(図5の工程S5)。塗布処理装置1に搬入されたウェハWは、スピンチャック20に吸着保持される。
【0044】
続いて第2のアーム32により待機部42の溶剤ノズル40がウェハWの中心部の上方まで移動して、溶剤がウェハWの上面に供給される(図5の工程S6)。その後、チャック駆動機構21を制御してスピンチャック20によりウェハWを例えば500rpmの回転数で回転させ、ウェハWの中心部に供給された溶剤をウェハWの外周部に向かって拡散させる(図5の工程S7)、これにより、ウェハWの表面が溶剤で濡れた状態になる。その後、溶剤がウェハWの表面の全面に拡散すると、溶剤ノズル40がウェハWの中心部上方から待機部42に退避する。
【0045】
次いで、第1のアーム31により待機部35の塗布液ノズル33がウェハWの中心部上方、即ち上述の工程S4で更新され吐出位置まで移動させる(図5の工程S8)。その後、ウェハWを例えば2000rpm〜3500rpm、本実施の形態においては3000rpmの回転数まで加速して回転させる。そして、このウェハWの加速回転中及び3000rpmの回転数での回転中において、塗布液ノズル33から塗布液としてのレジスト液を連続して供給し(図5の工程S9)、塗布液ノズル33から供給されたレジストを、ウェハWの回転によりウェハW上に拡散させる。
【0046】
その後、塗布液ノズル33からのレジスト液の供給を停止し、塗布液ノズル33を待機部35に退避させる。それと共に、ウェハWの回転数を例えば、1000rpm〜1800rpm、本実施の形態においては1500rpmまで減速させ、ウェハWの表面の全面に拡散されたレジスト液の乾燥を行う(図5の工程S10)。これにより、ウェハW上にレジスト膜が形成される。
【0047】
その後、ウェハWの裏面が洗浄され、レジスト塗布装置1におけるウェハWの塗布処理が終了する。塗布処理が終了したウェハWは搬送機構(図示せず)により処理容器10から搬出される(図5の工程S11)。
【0048】
ウェハWが処理容器10から搬出された状態、換言すれば、スピンチャック20の上面からウェハW取り去られ、スピンチャック20によりウェハWが保持されていない状態になると、塗布液ノズル33が制御部100に記憶されている位置情報に基づいて吐出位置に移動される(図5の工程S12)。次いで、CCDカメラ50、51により塗布液ノズル33の先端部とスピンチャック20の吸引口20aとが再び撮像され、撮像された画像50a、51aから求められた塗布液ノズル33の位置情報と、制御部100に記憶されている位置情報との比較が行われる(図5の工程S13)。この際、比較した位置情報に差が生じていれば、塗布液ノズル33の位置に何らかの原因によってずれが生じたものと判断される。そして、ずれが生じた場合には、操作部102によりノズル駆動部34が操作され、記憶部100に記憶された位置情報に基づいて塗布液ノズル33の位置調整が行われる(図5の工程S14)。位置ずれがないと判断された場合は、工程S14は行われない。なお、工程S13において比較された位置情報に差があった場合は、ノズル駆動部34の操作のほかに、例えば警報音等を発報して作業員に塗布液ノズル33に位置ずれが生じていたことを知らしめるようにしてもよい。
【0049】
このように、ウェハWが処理容器10から搬送された後に塗布液ノズル33の位置調整を行うのは、工程S1においてセンタリング調整が精度よく行われた場合であっても、塗布液ノズル33を移動させるノズル駆動部34の機械的な遊びの経時変化や、塗布液ノズル33が例えば搬送機構(図示せず)といった他の機器に物理的に干渉したことなどが原因で、事後的に塗布液ノズル33の位置がずれることがあるからである。そして、このような事後的な塗布液ノズル33の位置ずれも、やはり塗布不良発生の原因となる。
【0050】
しかしながら、このような事後的な塗布液ノズル33の位置ずれは、それを検出する手段がないため、位置ずれによるレジスト液の塗布処理装置1への影響を未然に防止ですることが困難である。このため、塗布不良が発生しても、例えば塗布処理装置1でウェハWの処理が完了した後に行われるウェハ検査の工程まで異常が発見できない。この場合、異常が発見されるまでは不良品ウェハの生産が継続してしまい、また、異常が発見されたとしても、異常発生の原因特定のために塗布処理装置1を止めて調査を行う必要がある。そのため、その間はウェハWの処理を行うことができず、生産性の低下を招いてしまう。そのため、上述の工程S12〜工程S14により塗布液ノズル33の位置調整を行うことで、このような事後的な塗布液ノズル33の位置ずれが防止される。
【0051】
その後、新たなウェハWが処理容器10内に搬入され、一連の塗布処理が繰り返し行われる。
【0052】
以上の実施の形態によれば、2台のCCDカメラ50、51により撮像された画像50a、51aに基づいて塗布液ノズル33の位置調整を行うので、作業員の熟練度によらず短時間でセンタリング作業を実施することができる。また、高解像度のCCDカメラ50、51により撮像したので、作業員の目視以上の精度で位置調整を行うことができる。
【0053】
さらには、ウェハWの塗布処理の後であって次のウェハWの処理を開始する前に塗布液ノズル33をスピンチャック20の中心部に移動させ、CCDカメラ50、51による撮像を行う。そして、塗布液ノズル33の位置とセンタリング作業により設定された位置とを比較し、それぞれの位置に差が生じた場合は塗布液ノズル33をセンタリング作業により設定された位置と一致するように移動させるので、塗布液ノズル33の位置ずれによる塗布不良を未然に防止することができると共に、塗布処理装置1を停止することなく塗布液ノズル33の位置調整を行うことができる。このため、塗布処理装置1の生産性向上が向上する。
【0054】
なお、一般にウェハWの処理は、塗布処理装置1や現像処理装置といった各種の処理装置を複数備えた塗布処理システムにより連続的に行われるが、本実施の形態に係る塗布処理装置1を用いた場合、複数の塗布処理装置1におけるセンタリング作業の精度の間に差が生じることがないので、塗布処理装置1による塗布処理の品質にばらつきが生じることを防止できる。このため、塗布処理システムによるウェハWの処理の品質を向上させるとともに均一化することができる。
【0055】
以上の実施の形態においては、CCDカメラ50、51により塗布液ノズル33の先端部の撮像を行うので、塗布液ノズル33の先端部から目的外の位置でレジスト液が滴下したり、滴下しそうになっている状態である液だれが発生していたりすることを検出することができる。
【0056】
なお、以上の実施の形態においては、塗布液ノズル33のセンタリング作業について説明を行ったが、本実施の形態のようにCCDカメラ50、51を設置する対象は塗布液ノズル33に限られず、例えば第2のアームにもCCDカメラ50、51を設けることで、溶剤ノズル40のセンタリング作業を表示部101と操作部102を介して行うようにしてもよい。
【0057】
また、以上の実施の形態においては、CCDカメラ50、51は、固定部材52を介して第1のアーム31に固定されていたが、CCDカメラ50、51の固定方法は本実施の形態に限定されるものではなく、例えば図6に示すように、例えばカップ22の外部に設けられた他の固定部材53を介して固定してもよい。なお、図6においては、例えば鉛直方向に延伸する棒状の他の固定部材53によりCCDカメラ50、51を固定した様子を描図しているが、他の固定部材53の形状は、CCDカメラ50、51を固定できれば任意に決定が可能である。また、他の固定部材53とCCDカメラ50の配置は、当該他の固定部材53とCCDカメラ50、51がアーム31、32やノズル33、40と干渉しない位置であれば任意に設定が可能である。かかる場合、CCDカメラ50、51と吸引口20aとの相対的な位置関係が固定されているので、CCDカメラ50、51は吸引口20aを常に同じ位置から撮像できる。このため、CCDカメラ50、51を他の固定部材53に固定した場合においても、塗布液ノズル33と吸引口20aとの位置関係を、正確に把握することができる。
【0058】
以上の実施の形態においては、工程S14における塗布液ノズル33の位置調整は制御部100に記憶された位置情報に基づいて行われたが、CCDカメラ50、51によって撮像された画像50a、51aに基づいて、例えば作業員が操作部102を介して位置調整を行うようにしてもよい。例えば、ノズル駆動部34の機械的な遊びの経時変化等により塗布液ノズル33に位置ずれが生じた場合、制御部100に記憶された情報に基づいてノズル駆動部34を制御しても塗布液ノズル33の中心位置とスピンチャック20の中心位置とが一致しない場合がある。したがって、このような場合には、作業員が画像50a、51aを目視して塗布液ノズル33の位置調整を行うことが好ましい。
【0059】
以上の実施の形態においては、CCDカメラ50、51は固定部材52を介して第1のアーム31に固定され、第1のアーム31と共に移動するように構成されていたが、スピンチャック20の中心部である吸引口20aと塗布液ノズル33の先端部とを同時に撮像できればCCDカメラ50、51の配置は本実施の形態に限定されるものではなく、例えば処理容器10の天井に固定されていてもよい。係る場合も、例えば上述の工程S1と工程S12において塗布液ノズル33を移動させ、天井に固定されたCCDカメラにより撮像を行うことで、表示部101と操作部102によりセンタリング作業を行うことができる。
【0060】
以上の実施の形態においては、1台のスピンチャック20が設けられた塗布処理装置1を例にして説明したが、例えば図7に示すように処理容器110内に複数のスピンチャック20が複数設けられた塗布処理装置120において、アーム31にCCDカメラ50、51を設けてもよい。なお、図7には3つのスピンチャック20、3つのカップ22及び1つの塗布液ノズル33を設けた様子を描図している。係る場合も、予め各スピンチャック20の中心部と塗布液ノズル33の先端部をCCDカメラ50、51により撮像してセンタリング作業を行い、各スピンチャック20に対応する塗布液ノズル33の位置情報を制御部100に記憶させる。そして、塗布処理装置120により塗布処理を開始した後に、ウェハWがスピンチャック20に保持されていないタイミングで塗布液ノズル33を当該スピンチャック20の中心部に移動させ、CCDカメラ50、51で塗布液ノズル33の先端部とスピンチャック20の中心部とを撮像する。そして、撮像された画像と制御部100に記憶されていた塗布液ノズル33の吐出位置情報に基づいて、各スピンチャック20に対する塗布液ノズル33の位置を調整することで、スピンチャック20の中心位置と塗布液ノズル33の中心位置を一致させることができる。
【0061】
また、塗布処理装置120においても、他の固定部材53を用いてCCDカメラを固定してもよい。他の固定部材53を用いる場合、3つのカップ22に対してそれぞれ2台のCCDカメラ50、51を互いの撮像方向が直交するように、即ち合計で6台のCCDカメラ50、51を配置してもよい。また、3つのカップ22に対して6台のCCDカメラ50、51を配置するのではなく、例えば図8に示すように、カップ22の間には、共用のCCDカメラ60を1台ずつ配置するようにしてもよい。この場合、3つのカップ22に対して4台のCCDカメラが配置される。かかる場合、CCDカメラ60を固定する他の固定部材53を鉛直軸回りに回転させる回動機構(図示せず)を設け、CCDカメラ60を回転自在に構成することで、4台のCCDカメラ50、51、60により3つのスピンチャック20の中心部を撮像することができる。具体的には、例えば図8に示すように、2台のCCDカメラ60により当該CCDカメラ60の間に位置するカップ22のスピンチャックを撮像した後、例えばCCDカメラ50と隣り合うCCDカメラ60の撮像方向をCCDカメラ50の撮像方向と直交させるように、CCDカメラ60を鉛直軸回りに回転させる。これにより、CCDカメラ50とCCDカメラ60を用いて、当該CCDカメラ50、60の間に位置するスピンチャック20の中心部を撮像することができる。
【0062】
以上の実施の形態においては、CCDカメラ50、51によりスピンチャック20の中心部と塗布液ノズル33の先端部の撮像を行うタイミングとしてウェハWの塗布処理の間を例にして説明したが、塗布液ノズル33の先端部の撮像は、スピンチャック20にウェハWが保持されていない状態であれば、任意のタイミングで行うようにしてもよい。係る場合、例えばウェハWのロットとロットの切り替えのタイミングで、1ロット毎に行うようにしてもよい。
【0063】
また、以上の実施の形態では、CCDカメラ50、51による塗布液ノズル33と吸引口20aの撮像を行った後に連続して塗布液ノズル33の位置調整を行ったが、撮像と位置調整は必ずしも連続して行う必要はなく、例えば撮像により検出した塗布液ノズル33の位置情報を一旦制御部100に記憶させ、その後任意のタイミングで塗布液ノズル33の位置調整を行うようにしてもよい。
【0064】
以上の実施の形態においては、2台のCCDカメラ50、51をその撮像方向が平面視において直交するように配置して撮像を行ったが、例えばスピンチャック20上で塗布液ノズル33を下降させて、当該塗布液ノズル33の先端部をスピンチャック20の上面に近づけ、1台のCCDカメラにより塗布液ノズル33の左右方向のみならず奥行き方向の位置を検出するようにしてもよい。1台のCCDカメラにより塗布液ノズル33の位置検出を行う場合、塗布液ノズル33の先端部の高さ方向の位置が、スピンチャック20の上面から例えば0.5mm上方となるように塗布液ノズル33とスピンチャック20の吸引口20aとを近接させる。この際、CCDカメラの配置は、吸引口20aと塗布液ノズル33の先端部とが視野内に収まるように調整されている。
【0065】
そして、例えば1台のCCDカメラ50により塗布液ノズル33のセンタリング作業を行う際は、先ず、撮像された画像50aにおける塗布液ノズル33の中心位置33cと吸引口20aの中心の位置を一致させることにより、記述のように、塗布液ノズル33と吸引口20aの左右方向の位置調整が行われる。次いで、図9に示すように、表示部101に表示された塗布液ノズル33の先端部の手前側の端部33dと、吸引口20aの手前側の端部との距離Lが所定の値となるようにノズル駆動部34を操作し、塗布液ノズル33の奥行き方向の位置が調整される。ここで、塗布ノズル33とCCDカメラ50との位置関係、及びスピンチャック20の上面からの塗布液ノズル33の先端部の高さ方向の位置は予めわかっており、且つ変動しないため、塗布液ノズル33の中心位置33cと吸引口20aの中心とが一致する場合に上述の距離Lがどのような値となるかは予め求めておくことができる。したがって、この距離Lを予め求めておいた値と一致させることで、1台のCCDカメラ50により塗布液ノズル33のセンタリングを行うことができる。係る場合、CCDカメラが1台不要となるので、設備費用を低減することができる。なお、上記の実施の形態において、スピンチャック20の上面から0.5mmとしていた塗布液ノズル33の先端部の高さ方向の位置は任意に設定が可能であるが、距離Lの調整を精度よく行うためには、0.5mm以下とすることが好ましい。
【0066】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。また、上述した実施の形態は、ウェハに塗布処理を行う例であったが、本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、塗布処理装置により基板に対して塗布処理を行うにあたり、塗布液を供給するノズルの位置調整を行う際に有用である。
【符号の説明】
【0068】
1 塗布処理装置
10 処理容器
20 スピンチャック
20a 吸引口
21 チャック駆動機構
22 カップ
23 排出管
24 排気管
30 レール
31、32 アーム
33 塗布液ノズル
34 ノズル駆動部
35 待機部
36 塗布液供給源
37 供給管
38 供給機器群
40 溶剤ノズル
41 ノズル駆動部
42 待機部
43 溶剤供給源
44 供給管
45 供給機器群
50、51 CCDカメラ
52 固定部材
53 他の固定部材
60 CCDカメラ
100 制御部
101 表示部
102 操作部
110 処理容器
120 塗布処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転保持部材によって保持された基板上にノズルから塗布液を供給し、前記回転保持部材を回転させることで基板に塗布処理を行う塗布処理装置において、前記ノズルの位置調整を行う方法であって、
前記ノズルを、基板が保持されていない状態の前記回転保持部材の中心部の上方に移動させ、
その後、前記回転保持部材の中心部及び前記ノズルの先端部を撮像手段により撮像し、
前記撮像された画像において、前記ノズルの先端部の中心の水平方向の位置と前記回転保持部材の中心部の水平方向の位置とが一致するように前記ノズルの位置を調整することを特徴とする、ノズルの位置調整方法。
【請求項2】
前記調整されたノズルの位置情報を記憶し、
その後、前記回転保持部材に基板を保持して当該基板に塗布処理を行い、
その後、塗布処理後の基板を前記回転保持部材から取り去り、当該回転保持部材に基板が保持されていない状態で前記ノズルを前記回転保持部材の中心部の上方に移動させ、
その後、前記ノズルの先端部及び前記回転保持部材の中心部を撮像手段により撮像し、
その後、前記撮像された画像から求められた前記ノズルの位置情報と前記記憶されたノズルの位置情報とを比較し、両位置情報に差がある場合には、当該ノズルの位置を前記記憶された位置情報と一致するように前記ノズルを移動させることを特徴とする、請求項1に記載のノズルの位置調整方法。
【請求項3】
前記ノズルの先端部及び前記回転保持部材の中心部の撮像は、2台の撮像手段により行われ、
前記2台の撮像手段による撮像は、互いの撮像方向が平面視において直交する方角から行われることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のノズルの位置調整方法。
【請求項4】
前記撮像手段により撮像される前記回転保持部材の中心部は、前記回転保持部材の中心部に形成された前記基板を吸着保持する吸引口であり、
前記撮像された画像において、前記ノズルの先端部の中心の水平方向の位置と前記吸引口の中心部の水平方向の位置とが一致し、且つ前記ノズルの先端部の手前側の端部と、前記吸引口の手前側の端部との距離が所定の値となるように前記ノズルの位置を調整することを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のノズルの位置調整方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の位置調整方法を塗布処理装置によって実行させるために、当該塗布処理装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体。
【請求項7】
回転保持部材によって保持された基板上にノズルから塗布液を供給し、前記回転保持部材を回転させることで基板に塗布処理を行う塗布処理装置であって、
塗布液を基板上に供給する塗布液ノズルと、
前記ノズルを移動させる移動機構と、
前記ノズルの先端部及び前記回転保持部材の中心部を撮像する撮像手段と、
前記移動機構と、前記撮像手段の動作を制御する制御部と、を有し、
前記撮像手段は、互いの撮像方向が平面視において直交する方角から撮像を行うように2台設置され、
前記制御部は、前記撮像された画像において、ノズルの先端部の中心の位置と前記回転保持部材の中心部の位置とが一致するように前記ノズルの位置を調整する制御を行うことを特徴とする、塗布処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記調整されたノズルの位置情報を記憶し、
その後、前記回転保持部材に基板を保持して当該基板に塗布処理を行い、
その後、塗布処理後の基板を前記回転保持部材から取り去り、当該回転保持部材に基板が保持されていない状態で前記ノズルを前記回転保持部材の中心部の上方に移動させ、
その後、前記ノズルの先端部及び前記回転保持部材の中心部を撮像手段により撮像し、
その後、前記撮像された画像から求められた前記ノズルの位置情報と前記記憶されたノズルの位置情報とを比較し、両位置情報に差がある場合には、当該ノズルの位置を前記記憶された位置情報と一致するように前記ノズルを移動させる制御を行うことを特徴とする、請求項7に記載の塗布処理装置。
【請求項9】
回転保持部材によって保持された基板上にノズルから塗布液を供給し、前記回転保持部材を回転させることで基板に塗布処理を行う塗布処理装置であって、
塗布液を基板上に供給する塗布液ノズルと、
前記ノズルを移動させる移動機構と、
前記ノズルの先端部と、前記回転保持部材の中心部に形成された前記基板を吸着保持する吸引口とを撮像する撮像手段と、
前記移動機構と、前記撮像手段の動作を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記撮像された画像において、前記ノズルの先端部の中心の水平方向の位置と前記吸引口の中心部の水平方向の位置とが一致し、且つ前記ノズルの先端部の手前側の端部と、前記吸引口の手前側の端部との距離が所定の値となるように前記ノズルの位置を調整する制御を行うことを特徴とする、塗布処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−104732(P2012−104732A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253592(P2010−253592)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】