説明

ハイブリッド型ロータリ除雪車

【課題】必要な出力を得ることが可能で、かつ、大型化及びコスト上昇を抑制できるハイブリッド型ロータリ除雪車を提供する。
【解決手段】ハイブリッド・システム10のエンジン1は発電機2の動力源としてのみ使用し、走行及び除雪作業の全動力を電動モータ5の出力だけでまかなう。パワーの必要なときに、電動モータ5に供給する電流を通常(定格)よりも大きくすることで定格出力55kWを最大200%(110kW)まで拡大する。電動モータ5,発電機2,バッテリー6の温度を監視しながら電動モータ5の過負荷運転を間欠的に行い、擬似的に高負荷での運転時間を延長する。これにより、要求出力の半分程度の定格モータを使用することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリ除雪車に関し、さらに詳しくいえばハイブリッド方式を採用したロータリ除雪車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保護の意識が高まっており、また、原油価格の高騰などもあって、自動車の分野においてはハイブリッド型乗用車が販売され人気を博している。
また例えば、特開2000−142135号公報(特許文献1)や特開2005−33886号公報(特許文献2)には、エンジンと電気モータを備えるハイブリッド車両について記載されている。
【0003】
ハイブリッドシステムには多くの種類があるが、エンジンとモータの役割分担という視点で分類すると、シリーズ・ハイブリッド、パラレル・ハイブリッド、シリーズ・パラレル・ハイブリッドの3種類に分類される。
【0004】
シリーズ・ハイブリッドは、エンジンを発電機(ジェネレータ)の動力源としてのみ使用し、モータだけで走行する方式である。コンセプトカーとしての提案はあるが、現在のところ市販モデル(量産モデル)は存在しない。図2に、シリーズ・ハイブリッドのシステム構成例を示す。
【0005】
パラレル・ハイブリッドは、エンジンとモータを「並列」に配置するもので、走りの主役はあくまでエンジンであり、発進、加速など、大きなパワーが必要なときにモータがエンジンをアシストする。ホンダのインサイト(商品名)がこの方式を採用している。
【0006】
シリーズ・パラレル・ハイブリッドは、パラレル・ハイブリッドと同じくエンジンとモータを「並列」に配置するが、走行する際にエンジンとモータを必要に応じて使い分ける点に特徴がある。トヨタのプリウス(商品名)がこの方式を採用している。
【0007】
ところで、冬季の積雪時に、道路上の雪を除雪する除雪車として、車両前方にロータリ除雪装置を装着したロータリ除雪車は周知である。一般的なロータリ除雪車はディーゼルエンジンを搭載しているが、化石燃料の効率的な使用および二酸化炭素排出量の減少等を目的に、ロータリ除雪車においてもハイブリッド化が実現できると好適である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−142135号公報
【特許文献2】特開2005−33886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、ロータリ除雪車は除雪作業を行なうために、通常の乗用車に比べて大きな出力が要求される。また、ロータリ除雪車は、除雪作業時には、高出力での連続運転も要求される。
【0010】
このように、ロータリ除雪車においては乗用車に比べて大出力が要求されること、高出力での運転時間が長い、などの理由により、現在までのところロータリ除雪車でハイブリッド方式を採用したものはない。ショベルカーやローダなどの建設作業車両も、一定以上のパワーが必要なため、すべての動力源を電動モータで行っているものはない。
【0011】
また、汎用の電気モータやインバータ等を用いて大出力を得ようとすると大型化が免れず、大きさの点で現実的ではない。そして、ロータリ除雪車では、乗用車のように量産効果を望めないところから、大出力を可能とする専用部品を使用した場合にはコストが過大に上昇してしまう恐れがある。
【0012】
本発明は、ロータリ除雪車のハイブリッド化を実現する上での上述の問題を解決し、必要な出力を得ることが可能で、かつ、大型化及びコスト上昇を抑制できるハイブリッド型ロータリ除雪車を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の課題は、本発明により、ロータリ除雪装置を備えるロータリ除雪車であって、エンジンにより駆動される発電機で発生させた電力により電動モータを回転駆動して得られる動力を出力するハイブリッドシステムを搭載し、前記ロータリ除雪装置を駆動する作業用動力と当該車両を走行させる走行用動力の全動力を前記ハイブリッドシステムから供給し、前記電動モータの定格以上の出力が要求されたときに、前記ハイブリッドシステムの駆動用電気機器の温度を監視しながら前記電動モータの過負荷運転を間欠的に行なうことにより解決される。
【0014】
また、前記駆動用電気機器が、前記電動モータ、前記発電機および前記発電機で発生させた電力を蓄える蓄電池であり、前記電動モータ、前記発電機および前記蓄電池のいずれか1つでも所定温度を超えた場合は前記電動モータの過負荷運転を中止して定格運転に戻るよう制御すると好適である。
【0015】
また、前記蓄電池の放電電圧を昇圧させる昇圧機構を有すると好適である。
また、少なくとも一方が可変容量型の油圧ポンプ及び油圧モータからなる油圧式無段変速機(HST)を備え、前記電動モータの出力状態に基づいて前記油圧ポンプ及び油圧モータの出力を制御すると好適である。
【0016】
また、前記エンジンの運転パターンとして、最も効率の良い回転数での一定運転と、前記ハイブリッドシステムにおける発電量に応じてエンジン回転数を適時制御する運転の、複数の運転パターンを有しており、該複数の運転パターンを切り替え可能に構成すると好適である。
【0017】
また、前記電動モータによるエネルギーの回生が可能であると好適である。
また、前記電動モータが、当該除雪車に要求される出力の略1/2の定格のものであると好適である。
【発明の効果】
【0018】
本発明のロータリ除雪車によれば、電動モータの定格以上の出力が要求されたときに、ハイブリッドシステムの駆動用電気機器の温度を監視しながら電動モータの過負荷運転を間欠的に行なうので、擬似的に高負荷での運転時間を延長できるため、例えば大量の雪を連続して処理するときや重たい(比重の大きな)雪を処理するときなど、パワーの必要なときに除雪能力を定格以上に拡大することができる。また、除雪能力を定格以上に拡大できることによって定格出力の小さい機器での構成が可能となり、システムの大型化およびコスト増大を抑制することができる。さらに、搭載するエンジンも小さくて済み、また、効率の良い状態でエンジンを駆動できることにより、燃料消費の減少が可能となり、二酸化炭素排出量も減少できる。
【0019】
請求項2の構成により、電動モータにおける断線や焼きつき等のトラブルを防止することができる。また、モータ以外の駆動用電気機器の故障を防ぐこともできる。
請求項3の構成により、直流電源部に昇圧機構を有することで、必要電圧の1/6程度の蓄電池の搭載で済むため、ハイブリッドシステムで最も高価な蓄電池の本数を抑制することができる。また、搭載スペースも小さくすることができる。
【0020】
請求項4の構成により、電動モータの出力状態に基づいてHSTの油圧ポンプ及び油圧モータの出力を制御するので、過度の発熱を抑えることができる。
請求項5の構成により、車両の運行状態あるいは作業状態に応じて適切にエンジン運転パターンを切り替えることができる。
【0021】
請求項6の構成により、減速時や坂を下っているときなどにエネルギーの回生を行い、作業用動力および走行用動力として使用することが可能となる。
請求項7の構成により、小型の電動モータを搭載することで、コスト抑制および小型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るハイブリッド型ロータリ除雪車の駆動系の構成を示す模式図である。
【図2】シリーズ・ハイブリッド方式のシステム構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るハイブリッド型ロータリ除雪車の駆動系の構成を示す模式図である。この図に示すように、動力発生源であるハイブリッド・システム10で発生された動力は、作業用変速機21とHST30に伝達される。HST30は油圧を利用した無段変速機であり、少なくとも一方が可変容量型の油圧ポンプ31(HSTポンプ)及び油圧モータ32(HSTモータ)から構成され、油圧ポンプ又は油圧モータの流量を制御して走行速度を制御する。HST30からの動力は、走行用変速機40を介して前後のディファレンシャル(差動機)41,42を経て前後輪43,44に伝達される。
【0024】
ロータリ除雪装置を駆動する作業用動力は、作業用変速機21から伝動機22に至り、二分されて一系統はブロア23を駆動し、他系統はチェーン伝動機24を経てオーガ25を駆動する。オーガ及びブロアを備えるロータリ除雪装置は従来周知なものと同様であり、オーガ25で切り崩して取り込んだ雪をブロア23により図示しないシュート(投雪筒)から投雪する。
【0025】
ハイブリッド・システム10は、動力源としてのエンジン1、エンジン1により駆動される発電機(ジェネレータ)2、発電機2により発電された交流電力を直流電力に変換する第1インバータ(発電機用インバータ)3、直流電力をモータ駆動用の交流電力に変換する第2インバータ(モータ駆動用インバータ)4、作業用及び走行用動力を出力する電動モータ5、直流電力を蓄えるバッテリー(蓄電池)6、昇圧機構としての昇圧チョッパ7等により構成される。なお、昇圧チョッパ7及びバッテリー(蓄電池)6は、第1及び第2インバータ3,4間に直列に接続されている。
【0026】
エンジン1はディーゼル、ガソリン等の適宜な原動機を採用可能であり、実施例では73kW/2000rpm(385N・m/1600rpm)の出力のディーゼル・エンジンを用いている。発電機2は、実施例では定格75kW/380V/135Aのものを用いている。電動モータ5は、実施例では定格55kW/380V/101Aのものを用いている。
【0027】
バッテリー6の定格は108V/150Ahである。昇圧チョッパ7は入力108V/出力600Vで、バッテリーアシスト最大50kWのものを用いている。ハイブリッド・システムではバッテリーがもっとも高価な機器であり、本実施形態では、搭載するバッテリーの本数(容量)を削減するために昇圧機構を設けている。実施例で用いている昇圧チョッパ7は、バッテリー6の電圧108Vを600Vまで昇圧する。
【0028】
上記のように構成された本実施形態のハイブリッド・システム10はシリーズ・ハイブリッド方式によるもので、エンジン1は発電機2の動力源としてのみ使用し、走行及び除雪作業の全動力を電動モータ5の出力だけでまかなう本格的ハイブリッド・システムである。エンジン1を発電機2の動力源としてのみ使用するため、低負荷での運転が可能であり、燃料の効率的な使用、CO2排出量の減少が可能となる。
【0029】
さて、上述したように、本実施形態においては、走行及び除雪作業の全動力を電動モータ5の出力のみで行っている。電動モータは、短時間であれば過負荷領域での使用が可能であるという特性を備えている。その一方で、過負荷領域で運転(過負荷運転)すると温度が上昇し、そのまま使用を続けると断線や焼きつき等のトラブルにつながるため、一般的なモータ制御においては、なるべく過負荷運転しないように制御するのが通常である。
【0030】
本発明においては、短時間であれば過負荷領域での使用が可能であるという電動モータの特色を積極的に用いることで、パワーの必要なときに除雪能力を定格以上に拡大できるようにすることで、定格出力の小さな機器でシステムを構成する(除雪車に要求される必要な出力を得る)ことを可能としている。ただし、上記のように過負荷運転を継続するとモータが故障する原因となり、また、モータ以外にも、発電機及び蓄電池等の温度が上昇し、機器が故障する恐れがある。そこで本発明においては、駆動用電気機器の温度を監視しながら電動モータ5の過負荷運転を間欠的に行う(駆動用電気機器の温度が所定温度を超えた場合には出力制限をかけることでモータの過負荷運転を中止して定格運転に戻る)ようにしている。
【0031】
本実施形態のハイブリッド・システム10においては、電動モータ5,発電機2,バッテリー6の各温度を監視し(それぞれに温度検知手段を付設し)、1つでも所定温度(基準値)を超えた場合には電動モータ5の過負荷運転を中止して定格運転に戻るよう制御している。基本的には電力と電流で出力(kW)を検出できるので(それぞれセンサを装備して、その検出値に基づいて演算する)、駆動用電気機器の温度が1つでも所定温度を超過したら電動モータ5を定格運転に戻すよう制御する。
【0032】
このように、本実施形態においては、電動モータ5,発電機2,バッテリー6の温度を監視しながら電動モータ5の過負荷運転を間欠的に行うことで、擬似的に高負荷での運転時間を延長できるようにしている。これにより、例えば大量の雪を連続して処理するときや重たい(比重の大きな)雪を処理するとき、あるいは雪を遠くまで飛ばしたいときなど、パワーの必要なときに除雪能力を定格以上に拡大することができる。
【0033】
なお、本実施形態では、駆動用の電動モータ5の出力状態(トルク,温度,回転数)に基づき、HST30の油圧ポンプ31及び油圧モータ32の出力を制御して、過負荷運転による機器の温度上昇を未然に抑えるようにしている。
【0034】
また、エンジン1の運転パターンとしては、例えば、エンジンの最も効率の良い回転数での一定運転と、発電量(使用するkW、蓄電池の残量)に応じてエンジン回転数を適時制御する運転とを、オペレータが任意に切り替えできるように構成すると好適である。
【0035】
さらに、駆動用の電動モータ5は、モータが回されることによって発電機と同じ動作をするので、減速時や坂を下っているときなどはエネルギーの回生を行う。回生により生じた電力は、基本的にはバッテリー6に蓄えられる。
【0036】
本実施形態のロータリ除雪車において、過負荷運転での除雪作業は、運転者やオペレータによる特別な操作(例えばモータに供給する電流の切り替えなど)は必要ではなく、パワーが必要なときに車両として必要な出力ができるように制御している。
【0037】
通常のエンジン式ロータリ除雪車の除雪作業では処理する雪の高さに応じて車速を運転手がこまめに調整し、エンジンが持っているパワーの上限付近で除雪作業を行なう。エンジンパワーより除雪に要するパワーが大きくなると雪を飛ばすことが出来なくなり、雪を投雪筒の中に詰まらせたり、安全装置であるシャーピンを切ってしまったり、場合によってはエンジンが停止したりする。
【0038】
一方、走行及び除雪作業の全動力を電動モータ5の出力により行なう本実施形態のロータリ除雪車においては、例えば、雪の高さがそれまでよりも高くなっている所に車両が差し掛かると、車速を維持したまま進行すれば除雪負荷の増大に伴って電動モータ5の負荷が増大し、自動的に過負荷領域に移行して、上記駆動用電気機器の温度により過負荷運転が制限されるまでは大パワーで除雪作業を継続できる。
【0039】
実施形態で用いている電動モータ5は定格出力55kWであるが、200%の過負荷運転時に110kWの出力を発生することができる(標準では連続28秒まで)。言い換えれば、本実施形態のロータリ除雪車に要求される最大除雪能力を、従来型(ハイブリッド方式ではない)除雪車両で発揮するためには、110kWの出力が可能なエンジンを搭載する必要がある。しかし、上記のように、本実施形態で搭載しているエンジン1は73kWの出力のディーゼル・エンジンであり、従来型の60%程度の出力のもので済んでいる。また、電動モータ5は定格出力55kWであり、要求出力の半分程度の小型のものを採用することができている。
【0040】
ところで、図1のシステム構成から分かるように、本実施形態のハイブリッド・システム10は、動力伝達系における、従来型ロータリ除雪車のエンジンに相当する部分をハイブリッド・システムに置き換えた構成となっているため、既存のロータリ除雪車の駆動系を流用して本格的なハイブリッド型ロータリ除雪車を実現できる。すなわち、現状車両の駆動機構を大きく変えることなくハイブリッド方式に転換することが可能なため、開発費用も大幅に削減することができる。
【0041】
上記説明したごとく、本実施形態のハイブリッド・システム10においては、モータの過負荷領域を積極的に使用し、温度監視、運転制御、冷却機構を工夫することで、要求出力の半分程度(ハイブリッド方式ではない従来車両のエンジン出力の半分程度)の定格モータを使用することが可能となった。これにより、同等の除雪性能を持つ従来型のロータリ除雪車のディーゼルエンジンの出力に対して、半分程度のモータの採用が可能となった。また、インバータも小型のものを採用することができる。
【0042】
また、蓄電・放電を行う直流電源部に昇圧機構を備えることで、必要電圧の約1/6程度の蓄電池を搭載することで、ハイブリッドシステムで最も高価な蓄電池の本数減少を実現することができた。搭載スペースも少なくて済む。
【0043】
電動モータ5、バッテリー6、インバータ3,4に小型のものを使用できることから、ハイブリッドシステム10の小型化が実現できる。また、システムを構成する各機器は、小型のものを使用可能であることに加えて、入手が容易な汎用製品を使用することが可能であり、専用部品を使用する場合と比べてコストを抑えることができる。
【0044】
また、本実施形態のロータリ除雪車においては、従来型ロータリ除雪車のエンジンに相当する部分をハイブリッド・システムに置き換えた構成となっているため、既存のロータリ除雪車の駆動系を流用して本格的なハイブリッド型ロータリ除雪車を低コストに実現することができる。なお、発電機駆動用のエンジンは、同等の除雪性能を持つ従来型のロータリ除雪車のディーゼルエンジンの60%程度の出力のもので済み、回送時の回生によるエネルギー回収も期待できるため、燃料消費の減少が可能となり、二酸化炭素排出量も減少できる。
【0045】
以上、本発明を図示例により説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ハイブリッド・システムの構成も本発明の範囲内で適宜変更可能である。昇圧機構を持たない構成も可能であるが、蓄電池の搭載量が大きく増加するため、スペース的にも現実的ではない。除雪車両の駆動系の構成、ロータリ除雪装置の構成も、適宜なものを採用可能である。さらに、道路を走行するロータリ除雪車に限らず、線路上の除雪を行う軌道除雪車にも適用可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 エンジン
2 発電機(ジェネレータ)
3 第1インバータ(発電機用インバータ)
4 第2インバータ(モータ駆動用インバータ)
5 電動モータ
6 バッテリー(蓄電池)
7 昇圧チョッパ(昇圧機構)
10 ハイブリッド・システム
21 作業用変速機
25 オーガ
30 HST(油圧無段変速機)
40 走行用変速機


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータリ除雪装置を備えるロータリ除雪車であって、
エンジンにより駆動される発電機で発生させた電力により電動モータを回転駆動して得られる動力を出力するハイブリッドシステムを搭載し、
前記ロータリ除雪装置を駆動する作業用動力と当該車両を走行させる走行用動力の全動力を前記ハイブリッドシステムから供給し、
前記電動モータの定格以上の出力が要求されたときに、前記ハイブリッドシステムの駆動用電気機器の温度を監視しながら前記電動モータの過負荷運転を間欠的に行なうことを特徴とするロータリ除雪車。
【請求項2】
前記駆動用電気機器が、前記電動モータ、前記発電機および前記発電機で発生させた電力を蓄える蓄電池であり、前記電動モータ、前記発電機および前記蓄電池のいずれか1つでも所定温度を超えた場合は前記電動モータの過負荷運転を中止して定格運転に戻るよう制御することを特徴とする、請求項1に記載のロータリ除雪車。
【請求項3】
前記蓄電池の放電電圧を昇圧させる昇圧機構を有することを特徴とする、請求項2に記載のロータリ除雪車。
【請求項4】
少なくとも一方が可変容量型の油圧ポンプ及び油圧モータからなる油圧式無段変速機(HST)を備え、前記電動モータの出力状態に基づいて前記油圧ポンプ及び油圧モータの出力を制御することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータリ除雪車。
【請求項5】
前記エンジンの運転パターンとして、最も効率の良い回転数での一定運転と、前記ハイブリッドシステムにおける発電量に応じてエンジン回転数を適時制御する運転の、複数の運転パターンを有しており、該複数の運転パターンを切り替え可能に構成したことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のロータリ除雪車。
【請求項6】
前記電動モータによるエネルギーの回生が可能なことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のロータリ除雪車。
【請求項7】
前記電動モータが、当該除雪車に要求される出力の略1/2の定格のものであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のロータリ除雪車。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−144882(P2012−144882A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2956(P2011−2956)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(591117631)株式会社日本除雪機製作所 (18)
【Fターム(参考)】