説明

パスワード生成方法、パスワード生成システム及びプログラム

【課題】パスワードの改竄や、2重応募等を防ぐことができるパスワード生成方法、パスワード生成システム及びプログラムを提供することにある。
【解決手段】本発明は、データ放送のポイントサービスにおけるポイント数の取得の為のパスワード生成方法であって、デジタル放送受信機のB−CASカードの識別番号と、前記デジタル放送受信機に蓄積されているポイント数とを用いて、パスワードを生成することを特徴とするパスワード生成方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パスワード生成方法、パスワード生成システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ放送のデジタル化が進んでおり、データ放送受信機能や双方向機能を搭載したデジタルテレビ放送受信機が普及してきている。デジタル放送サービスのひとつであるデータ放送は種々の情報の放送やサービスがあり、ソフトウェアダウンロード等もデータ放送の1つである。また、放送と通信との融合端末として、データ放送を表示する為の放送ブラウザに加えインターネット上のホームページを表示する為の通信ブラウザを備え、通信網を介して情報サーバに通信可能に接続可能なテレビ受信機やパーソナルコンピュータなどが販売されてきている。
【0003】
放送局も、データ放送を用いて、ユーザの番組視聴時間に応じたポイント(以下放送ポイントと記載する)を計数するコンテンツを放送し、放送ポイントを蓄積するサービスなどもテレビ受信機のユーザに提供している。放送局は、テレビ受信機内に蓄積された放送ポイントを、テレビ受信機の双方向機能を用いて収集し、景品などと交換するサービスも提供している。また、放送局は、放送ポイントと共に番組視聴履歴などの情報を収集して活用している。
【0004】
このようなポイントシステムを活用したサービスの一形態が特許文献1に記載されている。
【0005】
特許文献1の技術は、事業者専用領域内の放送ポイントを、放送事業者が送信するコンテンツの処理によりパッケージ情報化し、パッケージ情報をテレビジョン放送受信機の受信機共通情報領域に記憶する事により、テレビ放送受信機のアプリケーションである通信ブラウザからも放送ポイントの情報を参照し利用する事が可能となる。
【0006】
このように、テレビ受信機の双方向通信機能を用いれば、放送局もテレビ受信機に蓄積されているポイントを安全に取得することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2005/071964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
テレビ受信機の双方向機能を用いる為には、テレビ受信機がインターネット等の通信網に接続されていなければならないが、大部分のテレビ受信機が通信網には接続されておらず、蓄積されているポイント数は画面に表示させたりしているのが現状である。この場合、ポイントの正しさや、二重応募を防ぐことが重要である。
【0009】
しかし、データ放送は、放送局から共通な放送を行っているため、放送だけでは受信機毎に異なる個別のパスワードを発生することは出来なかった。
【0010】
そこで、本発明は上記課題に鑑みて発明されたものであって、パスワードの改竄や、2重応募等を防ぐことができるパスワード生成方法、パスワード生成システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する本発明は、データ放送のポイントサービスにおけるポイント数の取得の為のパスワード生成方法であって、デジタル放送受信機のB−CASカードの識別番号と、前記デジタル放送受信機に蓄積されているポイント数とを用いて、パスワードを生成することを特徴とするパスワード生成方法である。
【0012】
上記課題を解決する本発明は、データ放送のポイントサービスにおけるポイント数の取得の為のパスワード生成システムであって、デジタル放送受信機のB−CASカードの識別番号と、前記デジタル放送受信機に蓄積されているポイント数とを用いて、パスワードを生成するパスワード生成手段を有することを特徴とするパスワード生成システムである。
【0013】
上記課題を解決する本発明は、データ放送のポイントサービスにおけるポイント数の取得の為のパスワード生成するプログラムであって、デジタル放送受信機のB−CASカードの識別番号と、前記デジタル放送受信機に蓄積されているポイント数とを用いて、パスワードを生成するパスワード生成処理をデジタル放送受信機に実行させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、デジタル放送受信機のB−CASカードの識別番号と、デジタル放送受信機に蓄積されているポイント数とを用いて、応募等に用いるパスワードを生成するので、パスワードの改竄や、2重応募等を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は本発明の実施の形態のブロック図である。
【図2】図2は2進数6桁−INDEX変換テーブルの一例を示した図である。
【図3】図3はINDEX−64進数1桁変換テーブルの一例を示した図である。
【図4】図4はB−CAS暗号化テーブルの一例を示した図である。
【図5】図5は文字位置変換テーブルの一例を示した図である。
【図6】図6は本実施の形態における動作のフローチャートである。
【図7】図7は本実施の形態における動作のフローチャートである。
【図8】図8は本実施の形態における他の動作のフローチャートである。
【図9】図9は本実施の形態における他の動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
現在のデジタル放送受信機は、B−CASカードを挿入しており、B−CASカードには個別のID(識別情報)が付与されている。また、データ放送には、各デジタル放送受信機のB−CASカードのIDを取得する関数がある。そこで、デジタル放送受信機に蓄積されたポイントを、B−CASカードのIDとともに放送局に送れば、出所を特定することができ、2重応募等を防ぐことができる。
【0018】
そこで、本実施の形態では、デジタル放送受信機のB−CASカードの識別番号と、前記デジタル放送受信機に蓄積されているポイント数とを用いて、パスワードを生成する。
【0019】
これにより、ひとつのデジタル放送受信機に対して、ポイントを加味したひとつのパスワードが生成できる。
【0020】
以下、具体的な実施の形態を説明する。
【0021】
図1は本発明の実施の形態のブロック図である。
【0022】
図1中、1は放送局であり、2はデジタル放送受信機である。
【0023】
放送局1は、デジタル放送受信機2のB−CASカードの識別番号及び蓄積されたポイント数を用いて、パスワードを生成する為の変換テーブルが格納された変換テーブル記憶部11と、前記変換テーブルを用いてパスワードを生成するプログラム(BML)が格納されたプログラム記憶部12と、変換テーブル及びプログラムを放送する放送部13とを備える。
【0024】
変換テーブル記憶部11には、2進数6桁−INDEX変換テーブルと、INDEX−64進数1桁変換テーブルと、B−CAS暗号化テーブルと、文字位置変換テーブルとが格納されている。これらの変換テーブルは、B−CASカードの識別番号及び蓄積されたポイント数を暗号化し、パスワードを生成するのに用いられる。
【0025】
2進数6桁−INDEX変換テーブルは、所定の6桁の2進数の数値を、所定のINDEXに変換するテーブルである。2進数6桁−INDEX変換テーブルの一例を図2に示す。
【0026】
INDEX−64進数1桁変換テーブルは、所定のINDEXを64進数1桁に変換する変換テーブルである。INDEX−64進数1桁変換テーブルの一例を図3に示す。
【0027】
B−CAS暗号化テーブルは、ポイント数に応じてB−CASカードの識別番号を変換するために用いる数値の変換テーブルである。B−CAS暗号化テーブルの一例を図4に示す。
【0028】
文字位置変換テーブルは、文字、数値の位置を変換するテーブルである。文字位置変換テーブルを図5に示す。図5では、先頭から0桁目を先頭から0桁目に移動し、先頭から1桁目を先頭から1桁目に移動し、先頭から2桁目を先頭から3桁目に移動し、先頭から3桁目を先頭から6桁目に移動し、先頭から4桁目を先頭から4桁目に移動し、先頭から5桁目を先頭から2桁目に移動し、先頭から6桁目を先頭から5桁目に移動する例を示している。
【0029】
プログラム記憶部12に格納されているプログラムは、データ放送で用いられるBMLであり、上述した変換テーブルを用いて、B−CASカードの識別番号及び蓄積されたポイント数を暗号化し、パスワードを生成するプログラムである。また、このプログラムには、後述するように、パスワードの生成に用いられる素数も格納されている。尚、その素数は上述した各テーブルと同様に、素数をテーブルとして持たせても良い。この場合、素数の変更が容易にできるという効果がある。
【0030】
デジタル放送受信機2は、各デジタル受信機に個別に与えられるB−CASカード21と、B−CASカード21の識別番号を読み取るB−CASカードの識別番号読取部22と、番組の視聴によりポイントが蓄積されるポイント蓄積部23と、B−CASカードの識別番号及び蓄積されたポイント数を用いて、パスワードを生成するパスワード生成部24と、ディスプレイ等の表示部25とを備える。
【0031】
ポイント蓄積部23には、所定の番組を視聴したり、キャンペーンに募集したりすることにより、蓄積されるポイントであり、ポイントの蓄積方法は問わない。
【0032】
パスワード生成部24は、データ放送により放送されるプログラム(BML)及び変換テーブルにより、B−CASカードの識別番号及び蓄積されたポイント数を用いて、パスワードを生成し、表示部25に表示する。このパスワードは、蓄積されたポイントによる応募等に用いられ、B−CASカードの識別番号で一意に識別され、かつ、獲得したポイント数を知ることができるパスワードである。
【0033】
次に、上述の如く、構成されたシステムにおける動作を説明する。尚、以下の説明における具体例では、図2から図5に示す変換テーブルを用いるものとして説明する。
【0034】
図6、図7は本実施の形態における動作のフローチャートである。
【0035】
まず、B−CASカードの識別番号読取部21により、B−CASカード21のIDを取得する。具体的には、データ放送のBMLの関数であるbrser.getRDID(5)により、B−CASカード21のIDを取得する(Step100)。取得したB−CASカードのIDは、パスワード生成部24に出力される。尚、以下に具体例を説明するが、実際のB−CASカードのIDは20桁であるが、この20桁のうち5桁はチェックビットに用いられ、残りの15桁が固有の数字となっている。そして、データ放送では、関数によりB−CASカードのIDの固有の値である15桁の値が取得できる。しかし、以下の説明においては、理解の容易さを考慮し、B−CASカード21のIDの固有の値の桁数を6桁として説明し、読み取られたB−CASカード21のIDを“54DACD”として説明する。
【0036】
パスワード生成部24は、取得したB−CASカードのIDの文字列がNullでなく、文字列長が6であるかを判定する(Step101)。B−CASカードのIDの文字列がNullでなく、文字列長が6でない場合には、正しいB−CASカードのIDではない可能性があるので、表示部25にダイアログを表示して警告を行う(Step107)。
【0037】
一方、パスワード生成部24は、Nullでなく、文字列長が6である場合には、取得した文字列を16進数から10進数に変換する(Step102)。本例では、取得したB−CASカード21のIDが“54DACD”である。これを10進数に変換すると、“5561037”となる。
【0038】
次に、パスワード生成部24は、10進数に変換したものに素数を乗算する(Step103)。本例では、10進数に変換したものは“5561037”であるので、これに素数である61を乗算すると、“339223257”となる。
【0039】
更に、パスワード生成部24は、素数を乗算したものを2進数30桁(前に0を埋める)に変換する(Step104)。本例では、素数を乗算したものが“339223257”であるので、これを2進数30桁に変換すると、“010100001110000010001011011001”となる。
【0040】
続いて、パスワード生成部24は、ポイント蓄積部23に蓄積されているポイント数を取得し、取得したポイント数に10進数の素数を乗算する(Step105)。本例では、ポイント蓄積部23に蓄積されているポイント数を2とし、乗算する素数を61とする。従って、本例では、122(=2×61)となる。
【0041】
次に、パスワード生成部24は、素数を乗算したポイント数を2進数12桁に変換する(Step106)。本例では、素数を乗算したものが“122”であるので、これを2進数12桁(前に0を埋める)に変換すると、“000001111010”となる。
【0042】
パスワード生成部24は、2進数12桁に変換したポイント数を6桁ずつに分け、各2進数6桁の数値を、2進数6桁−INDEX変換テーブルを用いて、0〜63の数値に変換し、INDEXを得る。更に、そのINDEXを、INDEX−64進数1桁変換テーブルを用いて、64進数1桁に変換する(Step108)。本例では、2進数12桁に変換したポイント数“000001111010”を6桁ずつに分けると、“000001”と“111010”となる。これらを、2進数6桁−INDEX変換テーブルを用いて0〜63の数値に変換すると、“000001”は“1”と、“111010”は“58”となる。そして、“1”と58”とのINDEXを、INDEX−64進数1桁変換テーブルを用いて、64進数1桁に変換すると、“1”は“8”なり、“58”は“Y”となる。従って、2進数12桁に変換したポイントは“8Y”となる。
【0043】
続いて、B−CAS暗号化テーブルを用いて、蓄積ポイントをB−CASカードの識別番号を変換するための数値に変換する(Step109)。本例では、蓄積されたポイント数は2である。この2をB−CAS暗号化テーブルを用いて変換すると、変換の数値は“5”となる。
【0044】
2進数30桁に変換されたB−CASカードの識別番号を、10進数10桁に変換する(Step110)。具体的には、2進数30桁に変換したB−CASカードの識別番号を6桁ずつに分け、各2進数6桁の数値を、2進数6桁−INDEX変換テーブルを用いて、0〜63の数値に変換し、各INDEXを得る。更に、その各INDEXに、Step109で得た数値を加算し、10進数10桁に変換する。本例では、2進数30桁の値は“010100001110000010001011011001”であるので、“010100”、“001110”、“000010”、“001011”、“011001”となる。従って、2進数6桁−INDEX変換テーブルを用いた各INDEXの結果は、“010100”が“20”、“001110”が“14”、“000010”が“02”、“001011”が“11”、“011001”が“25”となる。更に、各INDEXに5を加算すると、各INDEXの値は“25”、“19”、“07”、“16”、“30”となる。
【0045】
続いて、Step110で得られた値を、各INDEXの値を、INDEX−64進数1桁変換テーブルを用いて変換する(Step111)。本実施例では、各INDEXの値は“25”、“19”、“07”、“16”、“30”なので、“25”は“y”、“19”は“e”、“07”は“A”、“16”は“2”、“30”は“t”となる。
【0046】
続いて、Step108で得た2進数12桁に変換したポイント数と、Step111で得た値とを接合し、この文字列を文字位置変換テーブルを用いて変換する(Step112)。本実施例では、Step108で得た2進数12桁に変換したポイント数は“8Y”であり、Step111で得た値は“yeA2t”であるので、二つの値を接合した値は“8YyeA2t”となる。これを文字位置変換テーブルを用いて変換すると、“8Y2yAte”となる。
【0047】
このようにして生成されたパスワードを表示部25に表示する(Step113)。尚、パスワードの数字部に下線を引いても良い。
【0048】
表示されたパスワードは、視聴者により、携帯電話や他のコンピュータに入力され、放送局に送信される。放送局は、パスワードの生成に用いられた変換テーブルや、暗号化の順序が分かっているので、送られてきたパスワードを解読することにより、蓄積されたポイント数を知ることができる。
【0049】
本実施の形態では、理解を容易にするために、B−CASカードのIDを短縮した例で説明したが、実際のB−CASカードのIDはユニークなものであり、実際のB−CASカードのIDを用いれば、同一のパスワードが生成されることはない。
【0050】
更に、B−CASカードのIDとポイント数との双方が暗号化されているので、パスワードのどの部分がB−CASカードのID又はポイント数であるのかが視聴者からでは確認できず、パスワードの改竄などを防止することができる。
【0051】
次に、他のパスワードの生成方法を説明する。尚、以下の説明における具体例では、図2から図3に示す変換テーブルを用いるものとして説明する。
【0052】
図8、図9は本実施の形態における動作のフローチャートである。
【0053】
まず、B−CASカードの識別番号読取部21により、B−CASカード21のIDを取得する。具体的には、データ放送のBMLの関数であるbrser.getRDID(5)により、B−CASカード21のIDを取得する(Step200)。取得したB−CASカードのIDは、パスワード生成部24に出力される。尚、以下に具体例を説明するが、実際のB−CASカードのIDは20桁であるが、この20桁のうち5桁はチェックビットに用いられ、残りの15桁が固有の数字となっている。そして、データ放送では、関数によりB−CASカードのIDの固有の値である15桁の値が取得できる。しかし、以下の説明においては、理解の容易さを考慮し、B−CASカード21のIDの固有の値の桁数を6桁として説明し、読み取られたB−CASカード21のIDを“54DACD”として説明する。
【0054】
パスワード生成部24は、取得したB−CASカードのIDの文字列がNullでなく、文字列長が12であるかを判定する(Step201)。B−CASカードのIDの文字列がNullでなく、文字列長が6でない場合には、正しいB−CASカードのIDではない可能性があるので、表示部25にダイアログを表示して警告を行う(Step207)。
【0055】
一方、パスワード生成部24は、Nullでなく、文字列長が6である場合には、取得した文字列を16進数から10進数に変換する(Step202)。本例では、取得したB−CASカード21のIDが“54DACD”である。これを10進数に変換すると、“5561037”となる。
【0056】
次に、パスワード生成部24は、10進数に変換したものに素数を乗算する(Step203)。本例では、10進数に変換したものは“5561037”であるので、これに素数である61を乗算すると、“339223257”となる。
【0057】
更に、パスワード生成部24は、素数を乗算したものを2進数30桁(前に0を埋める)に変換する(Step204)。本例では、素数を乗算したものが“339223257”であるので、これを2進数30桁に変換すると、“010100001110000010001011011001”となる。
【0058】
続いて、パスワード生成部24は、ポイント蓄積部23に蓄積されているポイント数を取得し、取得したポイント数に10進数の素数を乗算する(Step205)。本例では、ポイント蓄積部23に蓄積されているポイント数を2とし、乗算する素数を61とする。従って、本例では、122(=2×61)となる。
【0059】
次に、パスワード生成部24は、素数を乗算したポイント数を2進数12桁に変換する(Step206)。本例では、素数を乗算したものが“122”であるので、これを2進数12桁(前に0を埋める)に変換すると、“000001111010”となる。
【0060】
パスワード生成部24は、2進数12桁に変換したポイント数を6桁ずつに分け、各2進数6桁の数値を、2進数6桁−INDEX変換テーブルを用いて変換して0〜63の数値に変換し、INDEXを得る。更に、そのINDEXを、INDEX−64進数1桁変換テーブルを用いて、64進数1桁に変換する(Step208)。本例では、2進数12桁に変換したポイント数“000001111010”を6桁ずつに分けると、“000001”と“111010”となる。これらを、INDEX変換テーブルを用いて0〜63の数値に変換すると、“000001”は“1”と、“111010”は“58”となる。そして、“1”と58”とのINDEXを、64進数1桁変換テーブルを用いて、64進数1桁に変換すると、“1”は“8”なり、“58”は“Y”となる。従って、2進数12桁に変換したポイントは“8Y”となる。
【0061】
続いて、Step104で変換したB−CASカードのIDを、2進数6桁−INDEX変換テーブルと、INDEX−64進数1桁変換テーブルと、ポイント数とを用いて、暗号化する(Step209)。具体的には、2進数6桁−INDEX変換テーブルを用いて、Step204で変換した2進数6桁のB−CASカードのIDを0〜63の数値に変換する。そして、この数値にStep208で得たポイントを加算し、それを64で割った余りを求める。そして、この値を、INDEX−64進数1桁変換テーブルを用いて、64進数1桁に変換する。本例では、Step204で変換したB−CASカードのIDは“010100001110000010001011011001”である。2進数6桁−INDEX変換テーブルを用いて、それを変換すると、“52sc9”となる。
【0062】
最後に、Step208で得た数値と、Step209で得た数値とを接合し、この文字列を文字位置変換テーブルを用いて変換する(Step112)。本例では、Step208で得た数値は“8Y”であり、Step209で得た数値は“52sc9”であるので、ふたつを接合すると、“8Yc5s92”となる。文字位置変換テーブルを用いて、“8Yc5s92”を変換すると、“8Yc5s92”となる。
【0063】
このようにして生成されたパスワードを表示部25に表示する(Step211)。尚、パスワードの数字部に下線を引いても良い。
【0064】
表示されたパスワードは、視聴者により、携帯電話や他のコンピュータに入力され、放送局に送信される。放送局は、パスワードの生成に用いられた変換テーブルや、暗号化の順序が分かっているので、送られてきたパスワードを解読することにより、蓄積されたポイント数を知ることができる。
【0065】
本実施の形態では、理解を容易にするために、B−CASカードのIDを短縮した例で説明したが、実際のB−CASカードのIDはユニークなものであり、実際のB−CASカードのIDを用いれば、同一のパスワードが生成されることはない。
【0066】
更に、B−CASカードのIDを変動するポイント数で暗号化しているので、より一層、B−CASカードのIDが分かりにくいものとなっており、パスワードの改竄などを防止することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 放送局
2 デジタル放送受信機
11 変換テーブル記憶部
12 プログラム記憶部
13 放送部
21 B−CASカード
22 B−CASカードの識別番号読取部
23 ポイント蓄積部
24 パスワード生成部
25 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ放送のポイントサービスにおけるポイント数の取得の為のパスワード生成方法であって、
デジタル放送受信機のB−CASカードの識別番号と、前記デジタル放送受信機に蓄積されているポイント数とを用いて、パスワードを生成する
ことを特徴とするパスワード生成方法。
【請求項2】
前記デジタル放送受信機に蓄積されているポイント数を暗号化し、
少なくともデジタル放送受信機のB−CASカードの識別番号を、前記デジタル放送受信機に蓄積されているポイント数で暗号化し、
前記暗号化されたB−CASカードの識別番号と、前記暗号化されたポイント数とを用いて、パスワードを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載のパスワード生成方法。
【請求項3】
前記暗号化されたB−CASカードの識別番号と、前記暗号化されたポイント数とを接合してパスワードを生成することを特徴とする請求項2に記載のパスワード生成方法。
【請求項4】
データ放送で提供され、前記蓄積されているポイント数に応じて変化する変換テーブルを用いて、前記B−CASカードの識別番号を暗号化することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のパスワード生成方法。
【請求項5】
データ放送で提供される変換テーブルを用いて、前記蓄積されているポイント数を暗号化することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載のパスワード生成方法。
【請求項6】
前記生成されたパスワードに、データ放送で提供される素数を乗算し、新たなパスワードを生成することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載のパスワード生成方法。
【請求項7】
データ放送のポイントサービスにおけるポイント数の取得の為のパスワード生成システムであって、
デジタル放送受信機のB−CASカードの識別番号と、前記デジタル放送受信機に蓄積されているポイント数とを用いて、パスワードを生成するパスワード生成手段を有することを特徴とするパスワード生成システム。
【請求項8】
前記パスワード生成手段は、少なくともデジタル放送受信機のB−CASカードの識別番号を、前記デジタル放送受信機に蓄積されているポイント数で暗号化し、前記デジタル放送受信機に蓄積されているポイント数を暗号化し、前記暗号化されたB−CASカードの識別番号と、前記暗号化されたポイント数とを用いて、パスワードを生成することを特徴とする請求項7に記載のパスワード生成システム。
【請求項9】
前記パスワード生成手段は、前記暗号化されたB−CASカードの識別番号と、前記暗号化されたポイント数とを接合してパスワードを生成することを特徴とする請求項8に記載のパスワード生成システム。
【請求項10】
前記蓄積されているポイント数に応じて変化する変換テーブルを、データ放送を用いて前記デジタル放送受信機に提供する手段を有し、
前記パスワード生成手段は、前記ポイント数に応じて変化する変換テーブルを用いて、前記B−CASカードの識別番号を暗号化する
ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のパスワード生成システム。
【請求項11】
前記ポイント数を暗号化する変換テーブルを、データ放送を用いて前記デジタル放送受信機に提供する手段を有し、
前記パスワード生成手段は、前記ポイント数を暗号化する変換テーブルを用いて、前記蓄積されているポイント数を暗号化することを特徴とする請求項8から請求項10のいずれかに記載のパスワード生成方法。
【請求項12】
パスワードを生成する為の素数を、データ放送を用いて前記デジタル放送受信機に提供する手段を有し、
前記パスワード生成手段は、前記生成されたパスワードに、前記素数を乗算し、新たなパスワードを生成する
ことを特徴とする請求項8から請求項11のいずれかに記載のパスワード生成システム。
【請求項13】
データ放送のポイントサービスにおけるポイント数の取得の為のパスワード生成するプログラムであって、
デジタル放送受信機のB−CASカードの識別番号と、前記デジタル放送受信機に蓄積されているポイント数とを用いて、パスワードを生成するパスワード生成処理をデジタル放送受信機に実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
前記パスワード生成処理は、少なくともデジタル放送受信機のB−CASカードの識別番号を、前記デジタル放送受信機に蓄積されているポイント数で暗号化する処理と、
前記デジタル放送受信機に蓄積されているポイント数を暗号化する処理と、
前記暗号化されたB−CASカードの識別番号と、前記暗号化されたポイント数とを用いて、パスワードを生成する処理と
を有することを特徴とする請求項13に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−187061(P2010−187061A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−28216(P2009−28216)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(593119413)讀賣テレビ放送株式会社 (6)
【Fターム(参考)】