パターン化された材料層及びこれの形成方法、並びにマイクロデバイス及びこれの製造方法。
【課題】 真空成膜法を用いた方法であって、厚みが大きくパターン化された材料層を、容易にその側面が基板となす角度を垂直等の任意の角度とすることのできる方法を提供すること。
【解決手段】 基板1上に、中間樹脂層22を有するレジスト層2を形成するレジスト層形成工程と、レジスト層2に所定のパターンを露光する露光工程と、基板1が露出するトレンチを形成するとともに当該トレンチ側面に溝23が形成されるように中間樹脂層22を除去して、レジストフレームを形成する現像工程と、材料パターン部分31及び被リフトオフ部分32を有する真空成膜層3を真空成膜法により形成する真空成膜工程と、被リフトオフ部分32をレジストフレームとともに除去して、材料パターン部分31を有する材料パターンを得るリフトオフ工程とを備える、パターン化された材料層の形成方法。
【解決手段】 基板1上に、中間樹脂層22を有するレジスト層2を形成するレジスト層形成工程と、レジスト層2に所定のパターンを露光する露光工程と、基板1が露出するトレンチを形成するとともに当該トレンチ側面に溝23が形成されるように中間樹脂層22を除去して、レジストフレームを形成する現像工程と、材料パターン部分31及び被リフトオフ部分32を有する真空成膜層3を真空成膜法により形成する真空成膜工程と、被リフトオフ部分32をレジストフレームとともに除去して、材料パターン部分31を有する材料パターンを得るリフトオフ工程とを備える、パターン化された材料層の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン化された材料層及びこれの形成方法、並びにマイクロデバイス及びこれの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜磁気ヘッド、薄膜インダクタ、半導体デバイス、薄膜センサ、薄膜アクチュエータ等のようなマイクロデバイスの製造においては、磁性材料、導電性材料等の所定の材料からなりパターン化された材料層が、スパッタ法等の真空成膜法による方法や、レジストフレームを用いたいわゆるフレームめっき法等の方法で形成される(例えば、特許文献1〜3参照。)。
【特許文献1】特開平11−175915号公報
【特許文献2】特開2001−23984号公報
【特許文献3】特開2002−197612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
真空成膜法によって材料層を形成する方法は、各種の材料を容易に薄膜化することができ、適用可能な材料が選択肢も広い。また、例えば磁性材料の場合、フレームめっき法によって材料層を形成する場合と比較して飽和磁束密度の高い磁性層が得られるという利点もある。
【0004】
しかしながら、真空成膜法の場合、材料層をパターン化したときに、フレームめっき法と比較すると形成されるパターンの精度(コントラスト等)が低くなる傾向にある。また、真空成膜法の場合には、パターン化された材料層の側面が基板となす角度を垂直としたり、その他任意の角度になるように調整することが困難であった。特に、金属等の無機材料からなる材料層の場合には、ある程度の厚みを有しながら、基板と垂直な側面を有するようにパターン化することは、真空成膜法では極めて困難であった。したがって、従来、ある程度の厚みを有する材料層をパターン化する場合には、フレームめっき法等の他の方法を採用せざるを得ないのが実情であった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、真空成膜法によって基板上に形成される材料層を、その厚みが大きいときであっても十分に高い精度でパターン化することが可能で、側面が基板となす角度を垂直又はその他任意の角度とすることが容易な、パターン化された材料層の形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のパターン化された材料層の形成方法は、基板上に、第1の感光性樹脂層、露光された後において現像液に溶解可能な中間樹脂層及び第2の感光性樹脂層がこの順で積層されたレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、レジスト層に所定のパターンを露光する露光工程と、現像液に溶解することにより、レジスト層の一部を除去して基板が露出するトレンチを形成するとともに当該トレンチ側面に溝が形成されるように中間樹脂層を除去して、レジストフレームを形成する現像工程と、真空成膜法により、基板の露出している部分を覆う材料パターン部分及びレジストフレームを覆う被リフトオフ部分を有する真空成膜層を形成する真空成膜工程と、真空成膜層のうち被リフトオフ部分をレジストフレームとともに除去して、パターン化された材料層を得るリフトオフ工程と、を備える。
【0007】
本発明のパターン化された材料層の形成方法においては、第1の感光性樹脂層、中間樹脂層及び第2の感光性樹脂層からなる3層構造を有し、中間樹脂層が現像液に溶解することによりトレンチの側面において溝が形成されたレジスト層をフレームとして用いて真空成膜を行うことにより、成膜後、レジスト層の上部に形成された部分の真空成膜層をレジスト層とともに選択的に除去(リフトオフ)することが可能となった。すなわち、真空成膜法によって形成される材料層を、フレームめっき法のように、高精度なレジストフレームに基づいて直接パターン化することができる。これにより、真空成膜法によって基板上に形成される材料層を、その厚みが大きいときであっても、十分に高い精度でパターン化することが可能で、且つ、側面が基板となす角度を垂直又はその他任意の角度とすることが容易となった。
【0008】
上記真空成膜工程においては、真空成膜層を、上記溝の近傍で材料パターン部分及び被リフトオフ部分の間に隙間が形成されるように形成することが好ましい。これにより、リフトオフ工程において、より確実に被リフトオフ部分を選択的に除去することができる。
【0009】
上記本発明のパターン化された材料層の形成方法は、基板の露出している部分を覆うめっき層を形成するめっき層形成工程を備え、材料パターン部分が当該めっき層を覆ってもよい。
【0010】
これにより、真空成膜法によって成膜された層がめっき層上に積層された構成の材料層をパターン化することができる。この方法によれば、例えば、垂直磁気記録用磁気ヘッドにおける磁極(磁束放出部)の形成において、トレーリングエッジとなる側の部分を、選択的に高い飽和磁束密度のものとすることができる。
【0011】
上記真空成膜法は、被リフトオフ部分を選択的に除去できるように成膜することが特に容易である点等から、スパッタ法又は真空蒸着法であることが、好ましい。
【0012】
本発明のパターン化された材料層は、上記本発明のパターン化された材料層の形成方法によって形成されるものである。このパターン化された材料層は、真空成膜法によって成膜された層をその少なくとも一部に有していることによって、例えば磁性材料の場合には高い飽和磁束密度が達成される。
【0013】
本発明のマイクロデバイスの製造方法は、上記本発明の材料パターンの形成方法によって基板上にパターン化された材料層を形成する工程を備える。また、本発明のマイクロデバイスは、この本発明のマイクロデバイスの製造方法で得られるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、真空成膜法によって基板上に形成される材料層を、その厚みが大きいときであっても十分に高い精度でパターン化することが可能で、側面が基板となす角度を垂直又はその他任意の角度とすることが容易な、パターン化された材料層の形成方法が提供される。本発明のマイクロデバイスの製造方法によれば、高い飽和磁束密度の磁極を有する薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
(第一実施形態)
図1、2、3及び4は、本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第一実施形態を説明するための断面図である。
【0017】
この第一実施形態においては、まず、図1に示すように、基板1上に、第1の感光性樹脂層21a、露光された後において現像液に溶解する中間樹脂層22及び第2の感光性樹脂層21bがこの順で積層された3層構造のレジスト層2を形成する(レジスト層形成工程)。
【0018】
基板1の材料は、形成される材料層の用途等に応じて適宜選択される。具体的には、Si、セラミック(Al2O3・TiC等)、ポリマー材料等で形成された基板が用いられる。
【0019】
第1の感光性樹脂層21a及び第2の感光性樹脂層21bは、露光された後に現像液に可溶となる感光性樹脂を用いてスピンコート法等により形成され、必要によりプリベークされる。感光性樹脂としては、ポリヒドロキシスチレン系等の化学増幅型の感光性樹脂等が好適に用いられる。
【0020】
中間樹脂層22は、露光された後においてもアルカリ現像液等の現像液に溶解可溶な、アルカリ可溶性樹脂又は水溶性樹脂で形成される。中間樹脂層22を形成する樹脂として好適に用いることのできるアルカリ可溶性樹脂としては、PMGI(ポリメチルグルタールイミド)、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキシド、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアミン樹脂、ポリアリルアミン、オキサゾリン基含有水溶性樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、アルキッド樹脂、スルホンアミド樹脂等が挙げられる。あるいは、第1及び第2の感光性樹脂層を形成している感光性樹脂よりも、露光光に対する感度が高く露光後の現像速度が相対的に速い感光性樹脂で中間樹脂層22を形成させてもよい。中間樹脂層22もスピンコート法等により形成され、必要によりプリベークされる。
【0021】
第1の感光性樹脂層21a及び第2の感光性樹脂層22bの厚みは0.1〜10μmであることが好ましい。また、中間樹脂層22の厚みは、第1及び第2の感光性樹脂層よりも小さいことが好ましく、具体的には、0.001〜10μmの範囲内にあることが好ましい。中間樹脂層22の厚みが0.001μm未満であると、後の現像工程において形成される溝が細くなる結果、真空成膜法によって形成される被パターニング膜を、レジストフレーム上の部分のみ選択的に除去することが困難となる傾向にある。中間樹脂層22の厚みが10μmを超えると、後の現像工程において形成される溝が大きくなって、溝内部にも被パターニング膜が成膜され、被パターニング膜を選択的にリフトオフすることが困難となるといった問題が生じる傾向にある。
【0022】
露光工程においてこのレジスト層2に所定のパターンを露光した後、図2に示すように、現像液に溶解させることにより、レジスト層2のうち露光された部分を除去して基板1が露出するトレンチ10を形成するとともにトレンチ10側面における中間樹脂層22の部分で溝23が形成されるように中間樹脂層22を除去して、パターン化されたレジスト層2からなるレジストフレームを形成する(現像工程)。この現像工程においては、レジスト層2のうち露光された部分(露光部分)が除去されるとともに、この露光部分近傍の中間樹脂層22も、現像液の一部が滲入することにより現像液に溶解して、溝23が形成される。本発明の目的のためには、溝23の深さは、0.01〜10.0μmであることが好ましい。
【0023】
露光工程においては、ステッパ、スキャナ等を用いて、波長248nm(KrFエキマレーザ)、波長192nm(ArFエキシマレーザ)等の活性光線を、マスクを介するなどして所定のパターンで照射する。
【0024】
現像液は、第1の感光性樹脂層21a及び第2の感光性樹脂層21bの露光部分とともに、中間樹脂層22を溶解するものであればよく、例えば、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液等のアルカリ現像液が好適に用いられる。その他現像の条件は、通常のフォトリソグラフィーにおけるのと同様である。あるいは、上記のような態様に代えて、露光後に現像液に不溶となる感光性樹脂を用いて第1及び第2の感光性樹脂層21a,21bを形成し、現像工程においてレジスト層2のうち露光されていない部分を除去してトレンチを形成してもよい。
【0025】
次いで、図3に示すように、真空成膜法により真空成膜層3が形成される。真空成膜層3は、トレンチ10において基板1の露出している部分を覆う材料パターン部分31及びレジストフレームを覆う被リフトオフ部分32を有する。
【0026】
レジストフレーム(レジスト層2)の側面において溝23が形成されていることによって、真空成膜法によって成膜される材料パターン部分31及び被リフトオフ部分32を、その間に溝23近傍において隙間が形成され、互いに離間するものとすることができる。このような隙間をより確実に形成するために、真空成膜層3の厚さは、第1の感光性樹脂層21aの厚さ以下とすることが好ましい。
【0027】
真空成膜法としては、スパッタ法又は真空蒸着法が好ましく、特にスパッタ法が好ましい。真空成膜層を形成する材料は、パターン化された材料層の用途等に応じて適宜選択される。例えば、NiFe(パーマロイ)、CoNiFe、Cu等が挙げられる。スパッタ角度(基板の主面に対する角度)は、溝23近傍でより確実に隙間を形成させるため、70〜90度の範囲内とすることが好ましい。
【0028】
続いて、図4に示すように、真空成膜層3のうち被リフトオフ部分32を、レジストフレーム(レジスト層2)とともに除去して、材料パターン部分31からなるパターン化された材料層5を得る。材料パターン部分31及び被リフトオフ部分32が互いに離間していることにより、被リフトオフ部分32を容易に選択的に除去できる。レジストフレーム及び被リフトオフ部分32の除去は、NMP、アセトン等を用いて、通常のフォトリソグラフィーにおけるリフトオフと同様にして行われる。
【0029】
(第二実施形態)
図5、6、7、8及び9は、本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第二実施形態を説明するための断面図である。
【0030】
この第二実施形態においても、まず、基板1上にレジスト層2を形成する(図5)。基板1は、基体11上にめっき用電極膜12が形成されたものである。基体11は第一実施形態における基板1と同様のものであり、めっき用電極膜12は、導電性金属、セラミックス、有機物等の、めっき用電極として用いることが可能な材料(好ましくは後で形成されるめっき層4と同様の材料)を、スパッタ法、CVD法、蒸着法、無電解めっき法等の方法で成膜して形成される。そして、めっき用電極膜12上に、第一実施形態と同様の3層構造を有するレジスト層2が形成される。
【0031】
次いで、第一実施形態と同様の露光工程及び現像工程を経て、パターン化されたレジスト層2からなるレジストフレームが形成(図6)された後、トレンチ10において露出しているめっき用電極膜12上にめっき層4を形成する(図7、めっき層形成工程)。めっき層4は、第1の感光性樹脂層21aの厚さよりも小さい厚さで形成される。めっき層4の材料はパターン化された材料層の用途等に応じてめっき可能な材料から適宜選択されるが、例えば、NiFe(パーマロイ)、Cuが挙げられる。
【0032】
続いて、真空成膜法によって真空成膜層3を形成する(図8)。このとき、真空成膜層3の材料パターン部分31は、めっき層4の基板1と反対側の面上に形成される。また、めっき層4及び材料パターン部分31の合計の厚さは、第1の感光性樹脂層21aの厚さ以下であることが好ましい。
【0033】
リフトオフ工程においては、真空成膜層3のうち被リフトオフ部分32を、レジストフレーム(レジスト層2)とともに除去して、材料パターン部分31及びめっき層4からなるパターン化された材料層5を得る(図9)。そして、材料層5をマスクとしたドライエッチング(ミリング、RIE等)により、材料層5で覆われていない部分のめっき用電極膜12が除去される(図10)。
【0034】
(第三実施形態)
図11及び12は、本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第三実施形態を説明するための断面図である。
【0035】
図11は、真空成膜工程後の、真空成膜層3が形成された状態を示す断面図である。この第三実施形態においては、トレンチが形成されたレジストパターン(レジスト層2)において、第1の感光性樹脂層21aの側面を傾斜させる。これにより、めっき層4及び材料パターン部分31からなる材料層の側面を、基板1の主面に対して傾斜させることができる。第1の感光性樹脂層21aの側面は、例えば、露光により硬化した第1の感光性樹脂層21aを、そのガラス転移温度以上に加熱して流動させることによって、傾斜させることができる。また、露光光に対して透明度の低い感光性樹脂を第1の感光性樹脂層21aに適用することによっても、第1の感光性樹脂層21aの側面を傾斜させることができる。
【0036】
次いで、第一又は第二実施形態と同様にリフトオフによるレジストフレーム等の除去及びドライエッチングによるめっき用電極膜12の除去を経て、パターン化された材料層5を得る(図12)。
【0037】
このようにして形成された材料層5を、垂直磁気記録用磁気ヘッド等の薄膜磁気ヘッドの一部として用いる場合等には、めっき層4及び材料パターン部分31をパーマロイ等の軟磁性材料で形成し、アルミナ等からなる非磁性絶縁材料層6を形成(図13)してから、CMP法により研磨してその表面を平坦化する(図14)。そして、他の従来公知の工程を経て、材料層(軟磁性材料層)が、例えば、マイクロデバイスの一実施形態としての垂直磁気記録用磁気ヘッドにおける記録用の磁束放出部として好適に用いられる。
【0038】
(垂直磁気記録用磁気ヘッド)
図15は、本発明によるマイクロデバイスの一実施形態としての、垂直磁気記録用磁気ヘッドを模式的に示す断面図である。図15に示す垂直磁気記録用磁気ヘッド100は、その媒体対向面Sが記録媒体(図示せず)の記録面に対向配置されるような位置で磁気情報の記録動作を行う。図15において、(a)は媒体対向面Sに対して垂直な断面を、(b)は媒体対向面S側から見た垂直磁気記録用磁気ヘッドの端面を、それぞれ示す。
【0039】
垂直磁気記録用磁気ヘッド100は、Al2O3・TiC等のセラミック材料からなる基層60上に、非磁性絶縁材料からなる絶縁層41と、磁気抵抗効果を利用して磁気情報の読み取りを行う再生ヘッド部50と、非磁性絶縁材料からなる分離層42と、磁気記録処理を実行する記録ヘッド部30と、非磁性絶縁材料からなるオーバーコート層45とがこの順に積層された構成を有している。
【0040】
記録ヘッド部30は、分離層42を挟んで再生ヘッド部50上に設けられている。そして、記録ヘッド部30は、分離層42に隣接する補助磁極36と、薄膜コイル39が埋設されたギャップ層38と、磁極35と、がこの順に積層された構成を有している。磁極35と補助磁極36とは、ギャップ層38の開口380に充填され磁性材料からなる連結部37を介して磁気的に接続されている。
【0041】
磁極35は、ギャップ層38に隣接して設けられている。すなわち、磁極35は、基層60、再生ヘッド部50、分離層42、補助磁極36、薄膜コイル39が埋設されたギャップ層38及び連結部37からなる積層体全体を基体として、この基体の主面の一面上に設けられている。
【0042】
磁極35は、媒体対向面S側に露出する露出面33Sを有する磁束放出部33と、磁束放出部33のうち媒体対向面Sと反対側の部分を周囲から覆うとともに連結部37と磁気的に接続されるように形成されたヨーク部34と、を含んで構成されている。
【0043】
磁束放出部33は、めっき用電極膜12と、めっき層4a,4bと、材料パターン部分31とが積層された構成を有している。そして、磁束放出部33は、媒体対向面S側に露出する露出面33Sを有する棒状のポール部と、ポール部の露出面33Sと反対側に設けられた支持部とに分けられ、ポール部は支持部から棒状に延出している。図15においては、ポール部におけるめっき層を4a、支持部におけるめっき層を4bとして示してある。
【0044】
ここで、垂直磁気記録用磁気ヘッドの場合、主として、トレーリングエッジ近傍に集中する磁束に基づく垂直磁界で記録媒体に信号磁界が記録されると考えられているが、磁束放出部33における材料パターン部分31の側は、垂直磁気記録を行う際にトレーリングエッジ側となる。そして、材料パターン部分31は真空成膜法によって形成されているため、めっき法によって形成される場合と比較して高い飽和磁束密度を有することが可能である。したがって、上記第三実施形態の方法を採用して形成された磁束放出部33を有する垂直磁気記録用磁気ヘッド100は、極めて優れた記録特性を示すものとなる。
【0045】
さらに、磁束放出部33の露出面33Sが台形状であることにより、記録対象となるトラックの延在方向に対する磁気ヘッドの傾き(スキュー)に起因する、いわゆるサイドイレーズの発生が抑制される。断面が台形状の材料層を、その底角の角度が任意の角度となるように精度よく制御しつつ成膜することは、従来、スパッタ法等の真空成膜法の場合極めて困難であったが、本発明のような3層構造のレジストフレームによる方法を採用することによって、初めてそのような成膜が可能になった。
【0046】
ギャップ層38は、3つのギャップ層部分38a、38b及び38cで構成される。ギャップ層部分38aは補助磁極36に隣接して設けられ、ギャップ層部分38a上には、開口380を中心としてスパイラル状に巻回する巻線構造をなす薄膜コイル39が設けられている。ギャップ層部分38bは薄膜コイル39の各巻線間よびその周辺領域を覆うように設けられており、更に、ギャップ層部分38cが、ギャップ層部分38bを覆うとともに、開口380を形成している。
【0047】
再生ヘッド部50は、絶縁層41に隣接する下部リードシールド層51aと、シールドギャップ膜52と、上部リードシールド層51aとが、この順に積層された構成を有している。シールドギャップ膜52には、再生素子としての磁気抵抗効果素子55が埋設され、磁気抵抗効果素子55の一端面が媒体対向面S側に露出している。磁気抵抗効果素子55は、例えば、巨大磁気抵抗効果(GMR:Giant Magneto−resistive)またはトンネル磁気抵抗効果(TMR:Tunneling Magneto−resistive)などを利用して記録媒体の磁気情報を検知することにより、再生素子として機能する。
【0048】
垂直磁気記録用磁気ヘッド100のうち、磁束放出部33以外の部分については、薄膜磁気ヘッドの製造において通常用いられる材料及び形成方法を適宜採用して、形成させることができる。
【0049】
ここで、上述の第三実施形態においては、めっき層上に真空成膜法による成膜を行うが、これとは逆に、真空成膜法により、トレンチにおいて基板の露出している部分を覆うよう材料パターン部分及びレジストフレームを覆う被リフトオフ部分を有する真空成膜層を先に形成した後、真空成膜層を覆うめっき層を形成するめっき層形成工程を経て、リフトオフ工程において、真空成膜層のうち被リフトオフ部分及びめっき層のうち被リフトオフ部分を覆う部分を、レジストフレームとともに除去してもよい。
【0050】
この場合には、基板側に真空成膜層を有する材料層が形成される。したがって、パターン化された材料層を、例えば長手方向に記録する薄膜磁気ヘッドの磁極として用いたときには、そのギャップ層側を高い飽和磁束密度の層とすることができる。
【0051】
なお、本発明のマイクロデバイスの製造方法は、垂直磁気記録用磁気ヘッド等の薄膜磁気ヘッドの製造方法において特に好適に採用されるが、これ以外にも、例えば、薄膜インダクタ、半導体デバイス、薄膜センサ、薄膜アクチュエータ等のマイクロデバイスの製造においてもその微細化を可能とする製造方法として好適なものである。
【実施例】
【0052】
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0053】
(実施例1)
上述の第一実施形態を適用して、パターン化された材料層を作製した。まず、Si基板(6インチ径)上に、ポリヒドロキシスチレン系の感光性樹脂であるAZエレクトロニックマテリアルズ社製「AZ DX5105P」(商品名)をスピンコート法により塗布し、110℃で120秒間加熱してプリベークし、膜厚0.6μmの第1の感光性樹脂層を形成させた。そして、ポリメチルグルタールイミドであるMCC社製「LOL」(商品名)を、第1の感光性樹脂層上にスピンコート法で塗布し、110℃、120秒間のプリベークをして、膜厚0.05μmの中間樹脂層を形成させた。さらに、中間樹脂層上に、第1の感光性樹脂層の形成と同様にして、膜厚0.3μmの第2の感光性樹脂層を形成させた。以上の操作で、基板上に3層構造のレジスト層を形成させた。
【0054】
露光波長248nmの露光機であるNikon社製「NSR−TFHEX14C」(商品名)を用いて、クリア幅が0.3μmの孤立線を有するバイナリ−マスクを介して、NA=0.6、σ=0.7、Dose=40mJ/cm2の条件でレジスト層に対して露光し、リバーサルベークとして120℃で120秒間加熱した。露光後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液を現像液として現像して、幅0.3μmの明瞭なコントラストでトレンチが形成されるとともに、トレンチ側面近傍における露光部分側の中間樹脂層が除去されて、深さ0.05μmの溝が形成された。
【0055】
トレンチにおいて露出している基板上及びレジストフレーム上に堆積するように、下記条件のスパッタ法により、CoNiFe(飽和磁束密度1.8T)からなる真空成膜層(膜厚:0.7μm)を形成させた。
・装置:Vecco社製「IBE−IBD」
・ガス:キセノン
・ガス流量:3.5sccm
・圧力:1.5×10−4Torr
・スパッタ角度(基板の主面に対する角度):90℃
・Beam電流:200mA
・Beam電圧:1500V、DC
・加速電圧:−150V
【0056】
さらに、NMP中での浸漬揺動により、真空成膜層のうちレジストフレーム上に形成された被リフトオフ部分をレジストフレームとともに除去して、CoNiFeからなり、基板上で良好なコントラストでパターン化された材料層を得た。
【0057】
(実施例2)
上述の第二実施形態を適用して、パターン化された材料層を作製した。まず、Si基板(6インチ径)を基体とし、これの一面上に、下記の条件のスパッタ法により、NiFeからなり膜厚0.1μmのめっき用電極膜を形成し、これを基板とした。
・装置:日電アネルバ社製「SPF−740H」(商品名)(直流スパッタ装置)
・ターゲット:NiFe
・Power:1000W
・Ar流量:50sccm
・ガス圧力:2.0mTorr(NiFe)
【0058】
次いで、実施例1と同様にしてレジストフレームを形成させた後、Niワット浴にFeイオンを添加しためっき浴中で、膜厚0.4μmのNiFeめっき層を形成させた。その後、実施例1と同様の条件のスパッタ法により、膜厚0.3μmの真空成膜層をめっき層及びレジストフレーム上に成膜した。
【0059】
NMP中での浸漬揺動により、真空成膜層のうちレジストフレーム上に形成された被リフトオフ部分をレジストフレームとともに除去して、NiFeからなるめっき層上にCoNiFeからなる真空成膜層が形成され、基板上で良好なコントラストでパターン化された材料層を得た。
【0060】
(実施例3)
上述の第三実施形態を適用して、断面が台形状でパターン化された材料層を作製した。まず、第1の感光性樹脂層を、露光光に対して透明度の低いポリヒドロキシスチレン系の化学増幅型レジストである東京応化工業製の「DP−GM300」(商品名)シリーズを用いてプリベーク後の膜厚が0.7μmとなるように形成させた。その他は実施例2と同様にして、第1の感光性樹脂層の側面が傾斜し、トレンチ底部の幅が0.2μmで、第1の感光性樹脂層最上部より上の部分の幅が0.3μmのレジストフレームを形成させた。
【0061】
このレジストフレームを用いて、実施例2と同様にして、めっき層上にスパッタ法で成膜された真空成膜層が形成された材料層を、良好なコントラストでパターン化した。さらに、このパターン化された材料層及びこれの周囲の基板を覆うように、Al2O3からなる平坦化膜(非磁性絶縁材料層)をバイアススパッタ法により形成させた後、CMP装置としてSpeedFam−IPEC製の「Avant Gaard」(商品名)を用い、アルミナ(粒径250nm)のスラリーを研磨液として、発泡ウレタンのパッドで、膜厚が0.6μmとなるまでCMP法により研磨して、表面が平坦化された材料層を得た。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第一実施形態を説明するための断面図である。
【図2】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第一実施形態を説明するための断面図である。
【図3】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第一実施形態を説明するための断面図である。
【図4】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第一実施形態を説明するための断面図である。
【図5】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第二実施形態を説明するための断面図である。
【図6】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第二実施形態を説明するための断面図である。
【図7】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第二実施形態を説明するための断面図である。
【図8】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第二実施形態を説明するための断面図である。
【図9】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第二実施形態を説明するための断面図である。
【図10】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第二実施形態を説明するための断面図である。
【図11】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第三実施形態を説明するための断面図である。
【図12】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第三実施形態を説明するための断面図である。
【図13】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第三実施形態を説明するための断面図である。
【図14】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第三実施形態を説明するための断面図である。
【図15】本発明によるマイクロデバイスの一実施形態としての垂直磁気記録用磁気ヘッドを示す断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1…基板、2…レジスト層(レジストフレーム)、3…真空成膜層、4…めっき層、4a…ポール部のめっき層、4b…支持部のめっき層、5…パターン化された材料層、6…非磁性絶縁材料層、10…トレンチ、11…基体、12…めっき用電極膜、21a…第1の感光性樹脂層、21b…第2の感光性樹脂層、22…中間樹脂層、23…溝、30…記録ヘッド部、31…材料パターン部分、32…被リフトオフ部分、33…磁束放出部、35…磁極、34…ヨーク部、100…垂直磁気記録用磁気ヘッド。
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン化された材料層及びこれの形成方法、並びにマイクロデバイス及びこれの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜磁気ヘッド、薄膜インダクタ、半導体デバイス、薄膜センサ、薄膜アクチュエータ等のようなマイクロデバイスの製造においては、磁性材料、導電性材料等の所定の材料からなりパターン化された材料層が、スパッタ法等の真空成膜法による方法や、レジストフレームを用いたいわゆるフレームめっき法等の方法で形成される(例えば、特許文献1〜3参照。)。
【特許文献1】特開平11−175915号公報
【特許文献2】特開2001−23984号公報
【特許文献3】特開2002−197612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
真空成膜法によって材料層を形成する方法は、各種の材料を容易に薄膜化することができ、適用可能な材料が選択肢も広い。また、例えば磁性材料の場合、フレームめっき法によって材料層を形成する場合と比較して飽和磁束密度の高い磁性層が得られるという利点もある。
【0004】
しかしながら、真空成膜法の場合、材料層をパターン化したときに、フレームめっき法と比較すると形成されるパターンの精度(コントラスト等)が低くなる傾向にある。また、真空成膜法の場合には、パターン化された材料層の側面が基板となす角度を垂直としたり、その他任意の角度になるように調整することが困難であった。特に、金属等の無機材料からなる材料層の場合には、ある程度の厚みを有しながら、基板と垂直な側面を有するようにパターン化することは、真空成膜法では極めて困難であった。したがって、従来、ある程度の厚みを有する材料層をパターン化する場合には、フレームめっき法等の他の方法を採用せざるを得ないのが実情であった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、真空成膜法によって基板上に形成される材料層を、その厚みが大きいときであっても十分に高い精度でパターン化することが可能で、側面が基板となす角度を垂直又はその他任意の角度とすることが容易な、パターン化された材料層の形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のパターン化された材料層の形成方法は、基板上に、第1の感光性樹脂層、露光された後において現像液に溶解可能な中間樹脂層及び第2の感光性樹脂層がこの順で積層されたレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、レジスト層に所定のパターンを露光する露光工程と、現像液に溶解することにより、レジスト層の一部を除去して基板が露出するトレンチを形成するとともに当該トレンチ側面に溝が形成されるように中間樹脂層を除去して、レジストフレームを形成する現像工程と、真空成膜法により、基板の露出している部分を覆う材料パターン部分及びレジストフレームを覆う被リフトオフ部分を有する真空成膜層を形成する真空成膜工程と、真空成膜層のうち被リフトオフ部分をレジストフレームとともに除去して、パターン化された材料層を得るリフトオフ工程と、を備える。
【0007】
本発明のパターン化された材料層の形成方法においては、第1の感光性樹脂層、中間樹脂層及び第2の感光性樹脂層からなる3層構造を有し、中間樹脂層が現像液に溶解することによりトレンチの側面において溝が形成されたレジスト層をフレームとして用いて真空成膜を行うことにより、成膜後、レジスト層の上部に形成された部分の真空成膜層をレジスト層とともに選択的に除去(リフトオフ)することが可能となった。すなわち、真空成膜法によって形成される材料層を、フレームめっき法のように、高精度なレジストフレームに基づいて直接パターン化することができる。これにより、真空成膜法によって基板上に形成される材料層を、その厚みが大きいときであっても、十分に高い精度でパターン化することが可能で、且つ、側面が基板となす角度を垂直又はその他任意の角度とすることが容易となった。
【0008】
上記真空成膜工程においては、真空成膜層を、上記溝の近傍で材料パターン部分及び被リフトオフ部分の間に隙間が形成されるように形成することが好ましい。これにより、リフトオフ工程において、より確実に被リフトオフ部分を選択的に除去することができる。
【0009】
上記本発明のパターン化された材料層の形成方法は、基板の露出している部分を覆うめっき層を形成するめっき層形成工程を備え、材料パターン部分が当該めっき層を覆ってもよい。
【0010】
これにより、真空成膜法によって成膜された層がめっき層上に積層された構成の材料層をパターン化することができる。この方法によれば、例えば、垂直磁気記録用磁気ヘッドにおける磁極(磁束放出部)の形成において、トレーリングエッジとなる側の部分を、選択的に高い飽和磁束密度のものとすることができる。
【0011】
上記真空成膜法は、被リフトオフ部分を選択的に除去できるように成膜することが特に容易である点等から、スパッタ法又は真空蒸着法であることが、好ましい。
【0012】
本発明のパターン化された材料層は、上記本発明のパターン化された材料層の形成方法によって形成されるものである。このパターン化された材料層は、真空成膜法によって成膜された層をその少なくとも一部に有していることによって、例えば磁性材料の場合には高い飽和磁束密度が達成される。
【0013】
本発明のマイクロデバイスの製造方法は、上記本発明の材料パターンの形成方法によって基板上にパターン化された材料層を形成する工程を備える。また、本発明のマイクロデバイスは、この本発明のマイクロデバイスの製造方法で得られるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、真空成膜法によって基板上に形成される材料層を、その厚みが大きいときであっても十分に高い精度でパターン化することが可能で、側面が基板となす角度を垂直又はその他任意の角度とすることが容易な、パターン化された材料層の形成方法が提供される。本発明のマイクロデバイスの製造方法によれば、高い飽和磁束密度の磁極を有する薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
(第一実施形態)
図1、2、3及び4は、本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第一実施形態を説明するための断面図である。
【0017】
この第一実施形態においては、まず、図1に示すように、基板1上に、第1の感光性樹脂層21a、露光された後において現像液に溶解する中間樹脂層22及び第2の感光性樹脂層21bがこの順で積層された3層構造のレジスト層2を形成する(レジスト層形成工程)。
【0018】
基板1の材料は、形成される材料層の用途等に応じて適宜選択される。具体的には、Si、セラミック(Al2O3・TiC等)、ポリマー材料等で形成された基板が用いられる。
【0019】
第1の感光性樹脂層21a及び第2の感光性樹脂層21bは、露光された後に現像液に可溶となる感光性樹脂を用いてスピンコート法等により形成され、必要によりプリベークされる。感光性樹脂としては、ポリヒドロキシスチレン系等の化学増幅型の感光性樹脂等が好適に用いられる。
【0020】
中間樹脂層22は、露光された後においてもアルカリ現像液等の現像液に溶解可溶な、アルカリ可溶性樹脂又は水溶性樹脂で形成される。中間樹脂層22を形成する樹脂として好適に用いることのできるアルカリ可溶性樹脂としては、PMGI(ポリメチルグルタールイミド)、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキシド、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアミン樹脂、ポリアリルアミン、オキサゾリン基含有水溶性樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、アルキッド樹脂、スルホンアミド樹脂等が挙げられる。あるいは、第1及び第2の感光性樹脂層を形成している感光性樹脂よりも、露光光に対する感度が高く露光後の現像速度が相対的に速い感光性樹脂で中間樹脂層22を形成させてもよい。中間樹脂層22もスピンコート法等により形成され、必要によりプリベークされる。
【0021】
第1の感光性樹脂層21a及び第2の感光性樹脂層22bの厚みは0.1〜10μmであることが好ましい。また、中間樹脂層22の厚みは、第1及び第2の感光性樹脂層よりも小さいことが好ましく、具体的には、0.001〜10μmの範囲内にあることが好ましい。中間樹脂層22の厚みが0.001μm未満であると、後の現像工程において形成される溝が細くなる結果、真空成膜法によって形成される被パターニング膜を、レジストフレーム上の部分のみ選択的に除去することが困難となる傾向にある。中間樹脂層22の厚みが10μmを超えると、後の現像工程において形成される溝が大きくなって、溝内部にも被パターニング膜が成膜され、被パターニング膜を選択的にリフトオフすることが困難となるといった問題が生じる傾向にある。
【0022】
露光工程においてこのレジスト層2に所定のパターンを露光した後、図2に示すように、現像液に溶解させることにより、レジスト層2のうち露光された部分を除去して基板1が露出するトレンチ10を形成するとともにトレンチ10側面における中間樹脂層22の部分で溝23が形成されるように中間樹脂層22を除去して、パターン化されたレジスト層2からなるレジストフレームを形成する(現像工程)。この現像工程においては、レジスト層2のうち露光された部分(露光部分)が除去されるとともに、この露光部分近傍の中間樹脂層22も、現像液の一部が滲入することにより現像液に溶解して、溝23が形成される。本発明の目的のためには、溝23の深さは、0.01〜10.0μmであることが好ましい。
【0023】
露光工程においては、ステッパ、スキャナ等を用いて、波長248nm(KrFエキマレーザ)、波長192nm(ArFエキシマレーザ)等の活性光線を、マスクを介するなどして所定のパターンで照射する。
【0024】
現像液は、第1の感光性樹脂層21a及び第2の感光性樹脂層21bの露光部分とともに、中間樹脂層22を溶解するものであればよく、例えば、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液等のアルカリ現像液が好適に用いられる。その他現像の条件は、通常のフォトリソグラフィーにおけるのと同様である。あるいは、上記のような態様に代えて、露光後に現像液に不溶となる感光性樹脂を用いて第1及び第2の感光性樹脂層21a,21bを形成し、現像工程においてレジスト層2のうち露光されていない部分を除去してトレンチを形成してもよい。
【0025】
次いで、図3に示すように、真空成膜法により真空成膜層3が形成される。真空成膜層3は、トレンチ10において基板1の露出している部分を覆う材料パターン部分31及びレジストフレームを覆う被リフトオフ部分32を有する。
【0026】
レジストフレーム(レジスト層2)の側面において溝23が形成されていることによって、真空成膜法によって成膜される材料パターン部分31及び被リフトオフ部分32を、その間に溝23近傍において隙間が形成され、互いに離間するものとすることができる。このような隙間をより確実に形成するために、真空成膜層3の厚さは、第1の感光性樹脂層21aの厚さ以下とすることが好ましい。
【0027】
真空成膜法としては、スパッタ法又は真空蒸着法が好ましく、特にスパッタ法が好ましい。真空成膜層を形成する材料は、パターン化された材料層の用途等に応じて適宜選択される。例えば、NiFe(パーマロイ)、CoNiFe、Cu等が挙げられる。スパッタ角度(基板の主面に対する角度)は、溝23近傍でより確実に隙間を形成させるため、70〜90度の範囲内とすることが好ましい。
【0028】
続いて、図4に示すように、真空成膜層3のうち被リフトオフ部分32を、レジストフレーム(レジスト層2)とともに除去して、材料パターン部分31からなるパターン化された材料層5を得る。材料パターン部分31及び被リフトオフ部分32が互いに離間していることにより、被リフトオフ部分32を容易に選択的に除去できる。レジストフレーム及び被リフトオフ部分32の除去は、NMP、アセトン等を用いて、通常のフォトリソグラフィーにおけるリフトオフと同様にして行われる。
【0029】
(第二実施形態)
図5、6、7、8及び9は、本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第二実施形態を説明するための断面図である。
【0030】
この第二実施形態においても、まず、基板1上にレジスト層2を形成する(図5)。基板1は、基体11上にめっき用電極膜12が形成されたものである。基体11は第一実施形態における基板1と同様のものであり、めっき用電極膜12は、導電性金属、セラミックス、有機物等の、めっき用電極として用いることが可能な材料(好ましくは後で形成されるめっき層4と同様の材料)を、スパッタ法、CVD法、蒸着法、無電解めっき法等の方法で成膜して形成される。そして、めっき用電極膜12上に、第一実施形態と同様の3層構造を有するレジスト層2が形成される。
【0031】
次いで、第一実施形態と同様の露光工程及び現像工程を経て、パターン化されたレジスト層2からなるレジストフレームが形成(図6)された後、トレンチ10において露出しているめっき用電極膜12上にめっき層4を形成する(図7、めっき層形成工程)。めっき層4は、第1の感光性樹脂層21aの厚さよりも小さい厚さで形成される。めっき層4の材料はパターン化された材料層の用途等に応じてめっき可能な材料から適宜選択されるが、例えば、NiFe(パーマロイ)、Cuが挙げられる。
【0032】
続いて、真空成膜法によって真空成膜層3を形成する(図8)。このとき、真空成膜層3の材料パターン部分31は、めっき層4の基板1と反対側の面上に形成される。また、めっき層4及び材料パターン部分31の合計の厚さは、第1の感光性樹脂層21aの厚さ以下であることが好ましい。
【0033】
リフトオフ工程においては、真空成膜層3のうち被リフトオフ部分32を、レジストフレーム(レジスト層2)とともに除去して、材料パターン部分31及びめっき層4からなるパターン化された材料層5を得る(図9)。そして、材料層5をマスクとしたドライエッチング(ミリング、RIE等)により、材料層5で覆われていない部分のめっき用電極膜12が除去される(図10)。
【0034】
(第三実施形態)
図11及び12は、本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第三実施形態を説明するための断面図である。
【0035】
図11は、真空成膜工程後の、真空成膜層3が形成された状態を示す断面図である。この第三実施形態においては、トレンチが形成されたレジストパターン(レジスト層2)において、第1の感光性樹脂層21aの側面を傾斜させる。これにより、めっき層4及び材料パターン部分31からなる材料層の側面を、基板1の主面に対して傾斜させることができる。第1の感光性樹脂層21aの側面は、例えば、露光により硬化した第1の感光性樹脂層21aを、そのガラス転移温度以上に加熱して流動させることによって、傾斜させることができる。また、露光光に対して透明度の低い感光性樹脂を第1の感光性樹脂層21aに適用することによっても、第1の感光性樹脂層21aの側面を傾斜させることができる。
【0036】
次いで、第一又は第二実施形態と同様にリフトオフによるレジストフレーム等の除去及びドライエッチングによるめっき用電極膜12の除去を経て、パターン化された材料層5を得る(図12)。
【0037】
このようにして形成された材料層5を、垂直磁気記録用磁気ヘッド等の薄膜磁気ヘッドの一部として用いる場合等には、めっき層4及び材料パターン部分31をパーマロイ等の軟磁性材料で形成し、アルミナ等からなる非磁性絶縁材料層6を形成(図13)してから、CMP法により研磨してその表面を平坦化する(図14)。そして、他の従来公知の工程を経て、材料層(軟磁性材料層)が、例えば、マイクロデバイスの一実施形態としての垂直磁気記録用磁気ヘッドにおける記録用の磁束放出部として好適に用いられる。
【0038】
(垂直磁気記録用磁気ヘッド)
図15は、本発明によるマイクロデバイスの一実施形態としての、垂直磁気記録用磁気ヘッドを模式的に示す断面図である。図15に示す垂直磁気記録用磁気ヘッド100は、その媒体対向面Sが記録媒体(図示せず)の記録面に対向配置されるような位置で磁気情報の記録動作を行う。図15において、(a)は媒体対向面Sに対して垂直な断面を、(b)は媒体対向面S側から見た垂直磁気記録用磁気ヘッドの端面を、それぞれ示す。
【0039】
垂直磁気記録用磁気ヘッド100は、Al2O3・TiC等のセラミック材料からなる基層60上に、非磁性絶縁材料からなる絶縁層41と、磁気抵抗効果を利用して磁気情報の読み取りを行う再生ヘッド部50と、非磁性絶縁材料からなる分離層42と、磁気記録処理を実行する記録ヘッド部30と、非磁性絶縁材料からなるオーバーコート層45とがこの順に積層された構成を有している。
【0040】
記録ヘッド部30は、分離層42を挟んで再生ヘッド部50上に設けられている。そして、記録ヘッド部30は、分離層42に隣接する補助磁極36と、薄膜コイル39が埋設されたギャップ層38と、磁極35と、がこの順に積層された構成を有している。磁極35と補助磁極36とは、ギャップ層38の開口380に充填され磁性材料からなる連結部37を介して磁気的に接続されている。
【0041】
磁極35は、ギャップ層38に隣接して設けられている。すなわち、磁極35は、基層60、再生ヘッド部50、分離層42、補助磁極36、薄膜コイル39が埋設されたギャップ層38及び連結部37からなる積層体全体を基体として、この基体の主面の一面上に設けられている。
【0042】
磁極35は、媒体対向面S側に露出する露出面33Sを有する磁束放出部33と、磁束放出部33のうち媒体対向面Sと反対側の部分を周囲から覆うとともに連結部37と磁気的に接続されるように形成されたヨーク部34と、を含んで構成されている。
【0043】
磁束放出部33は、めっき用電極膜12と、めっき層4a,4bと、材料パターン部分31とが積層された構成を有している。そして、磁束放出部33は、媒体対向面S側に露出する露出面33Sを有する棒状のポール部と、ポール部の露出面33Sと反対側に設けられた支持部とに分けられ、ポール部は支持部から棒状に延出している。図15においては、ポール部におけるめっき層を4a、支持部におけるめっき層を4bとして示してある。
【0044】
ここで、垂直磁気記録用磁気ヘッドの場合、主として、トレーリングエッジ近傍に集中する磁束に基づく垂直磁界で記録媒体に信号磁界が記録されると考えられているが、磁束放出部33における材料パターン部分31の側は、垂直磁気記録を行う際にトレーリングエッジ側となる。そして、材料パターン部分31は真空成膜法によって形成されているため、めっき法によって形成される場合と比較して高い飽和磁束密度を有することが可能である。したがって、上記第三実施形態の方法を採用して形成された磁束放出部33を有する垂直磁気記録用磁気ヘッド100は、極めて優れた記録特性を示すものとなる。
【0045】
さらに、磁束放出部33の露出面33Sが台形状であることにより、記録対象となるトラックの延在方向に対する磁気ヘッドの傾き(スキュー)に起因する、いわゆるサイドイレーズの発生が抑制される。断面が台形状の材料層を、その底角の角度が任意の角度となるように精度よく制御しつつ成膜することは、従来、スパッタ法等の真空成膜法の場合極めて困難であったが、本発明のような3層構造のレジストフレームによる方法を採用することによって、初めてそのような成膜が可能になった。
【0046】
ギャップ層38は、3つのギャップ層部分38a、38b及び38cで構成される。ギャップ層部分38aは補助磁極36に隣接して設けられ、ギャップ層部分38a上には、開口380を中心としてスパイラル状に巻回する巻線構造をなす薄膜コイル39が設けられている。ギャップ層部分38bは薄膜コイル39の各巻線間よびその周辺領域を覆うように設けられており、更に、ギャップ層部分38cが、ギャップ層部分38bを覆うとともに、開口380を形成している。
【0047】
再生ヘッド部50は、絶縁層41に隣接する下部リードシールド層51aと、シールドギャップ膜52と、上部リードシールド層51aとが、この順に積層された構成を有している。シールドギャップ膜52には、再生素子としての磁気抵抗効果素子55が埋設され、磁気抵抗効果素子55の一端面が媒体対向面S側に露出している。磁気抵抗効果素子55は、例えば、巨大磁気抵抗効果(GMR:Giant Magneto−resistive)またはトンネル磁気抵抗効果(TMR:Tunneling Magneto−resistive)などを利用して記録媒体の磁気情報を検知することにより、再生素子として機能する。
【0048】
垂直磁気記録用磁気ヘッド100のうち、磁束放出部33以外の部分については、薄膜磁気ヘッドの製造において通常用いられる材料及び形成方法を適宜採用して、形成させることができる。
【0049】
ここで、上述の第三実施形態においては、めっき層上に真空成膜法による成膜を行うが、これとは逆に、真空成膜法により、トレンチにおいて基板の露出している部分を覆うよう材料パターン部分及びレジストフレームを覆う被リフトオフ部分を有する真空成膜層を先に形成した後、真空成膜層を覆うめっき層を形成するめっき層形成工程を経て、リフトオフ工程において、真空成膜層のうち被リフトオフ部分及びめっき層のうち被リフトオフ部分を覆う部分を、レジストフレームとともに除去してもよい。
【0050】
この場合には、基板側に真空成膜層を有する材料層が形成される。したがって、パターン化された材料層を、例えば長手方向に記録する薄膜磁気ヘッドの磁極として用いたときには、そのギャップ層側を高い飽和磁束密度の層とすることができる。
【0051】
なお、本発明のマイクロデバイスの製造方法は、垂直磁気記録用磁気ヘッド等の薄膜磁気ヘッドの製造方法において特に好適に採用されるが、これ以外にも、例えば、薄膜インダクタ、半導体デバイス、薄膜センサ、薄膜アクチュエータ等のマイクロデバイスの製造においてもその微細化を可能とする製造方法として好適なものである。
【実施例】
【0052】
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0053】
(実施例1)
上述の第一実施形態を適用して、パターン化された材料層を作製した。まず、Si基板(6インチ径)上に、ポリヒドロキシスチレン系の感光性樹脂であるAZエレクトロニックマテリアルズ社製「AZ DX5105P」(商品名)をスピンコート法により塗布し、110℃で120秒間加熱してプリベークし、膜厚0.6μmの第1の感光性樹脂層を形成させた。そして、ポリメチルグルタールイミドであるMCC社製「LOL」(商品名)を、第1の感光性樹脂層上にスピンコート法で塗布し、110℃、120秒間のプリベークをして、膜厚0.05μmの中間樹脂層を形成させた。さらに、中間樹脂層上に、第1の感光性樹脂層の形成と同様にして、膜厚0.3μmの第2の感光性樹脂層を形成させた。以上の操作で、基板上に3層構造のレジスト層を形成させた。
【0054】
露光波長248nmの露光機であるNikon社製「NSR−TFHEX14C」(商品名)を用いて、クリア幅が0.3μmの孤立線を有するバイナリ−マスクを介して、NA=0.6、σ=0.7、Dose=40mJ/cm2の条件でレジスト層に対して露光し、リバーサルベークとして120℃で120秒間加熱した。露光後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液を現像液として現像して、幅0.3μmの明瞭なコントラストでトレンチが形成されるとともに、トレンチ側面近傍における露光部分側の中間樹脂層が除去されて、深さ0.05μmの溝が形成された。
【0055】
トレンチにおいて露出している基板上及びレジストフレーム上に堆積するように、下記条件のスパッタ法により、CoNiFe(飽和磁束密度1.8T)からなる真空成膜層(膜厚:0.7μm)を形成させた。
・装置:Vecco社製「IBE−IBD」
・ガス:キセノン
・ガス流量:3.5sccm
・圧力:1.5×10−4Torr
・スパッタ角度(基板の主面に対する角度):90℃
・Beam電流:200mA
・Beam電圧:1500V、DC
・加速電圧:−150V
【0056】
さらに、NMP中での浸漬揺動により、真空成膜層のうちレジストフレーム上に形成された被リフトオフ部分をレジストフレームとともに除去して、CoNiFeからなり、基板上で良好なコントラストでパターン化された材料層を得た。
【0057】
(実施例2)
上述の第二実施形態を適用して、パターン化された材料層を作製した。まず、Si基板(6インチ径)を基体とし、これの一面上に、下記の条件のスパッタ法により、NiFeからなり膜厚0.1μmのめっき用電極膜を形成し、これを基板とした。
・装置:日電アネルバ社製「SPF−740H」(商品名)(直流スパッタ装置)
・ターゲット:NiFe
・Power:1000W
・Ar流量:50sccm
・ガス圧力:2.0mTorr(NiFe)
【0058】
次いで、実施例1と同様にしてレジストフレームを形成させた後、Niワット浴にFeイオンを添加しためっき浴中で、膜厚0.4μmのNiFeめっき層を形成させた。その後、実施例1と同様の条件のスパッタ法により、膜厚0.3μmの真空成膜層をめっき層及びレジストフレーム上に成膜した。
【0059】
NMP中での浸漬揺動により、真空成膜層のうちレジストフレーム上に形成された被リフトオフ部分をレジストフレームとともに除去して、NiFeからなるめっき層上にCoNiFeからなる真空成膜層が形成され、基板上で良好なコントラストでパターン化された材料層を得た。
【0060】
(実施例3)
上述の第三実施形態を適用して、断面が台形状でパターン化された材料層を作製した。まず、第1の感光性樹脂層を、露光光に対して透明度の低いポリヒドロキシスチレン系の化学増幅型レジストである東京応化工業製の「DP−GM300」(商品名)シリーズを用いてプリベーク後の膜厚が0.7μmとなるように形成させた。その他は実施例2と同様にして、第1の感光性樹脂層の側面が傾斜し、トレンチ底部の幅が0.2μmで、第1の感光性樹脂層最上部より上の部分の幅が0.3μmのレジストフレームを形成させた。
【0061】
このレジストフレームを用いて、実施例2と同様にして、めっき層上にスパッタ法で成膜された真空成膜層が形成された材料層を、良好なコントラストでパターン化した。さらに、このパターン化された材料層及びこれの周囲の基板を覆うように、Al2O3からなる平坦化膜(非磁性絶縁材料層)をバイアススパッタ法により形成させた後、CMP装置としてSpeedFam−IPEC製の「Avant Gaard」(商品名)を用い、アルミナ(粒径250nm)のスラリーを研磨液として、発泡ウレタンのパッドで、膜厚が0.6μmとなるまでCMP法により研磨して、表面が平坦化された材料層を得た。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第一実施形態を説明するための断面図である。
【図2】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第一実施形態を説明するための断面図である。
【図3】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第一実施形態を説明するための断面図である。
【図4】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第一実施形態を説明するための断面図である。
【図5】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第二実施形態を説明するための断面図である。
【図6】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第二実施形態を説明するための断面図である。
【図7】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第二実施形態を説明するための断面図である。
【図8】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第二実施形態を説明するための断面図である。
【図9】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第二実施形態を説明するための断面図である。
【図10】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第二実施形態を説明するための断面図である。
【図11】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第三実施形態を説明するための断面図である。
【図12】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第三実施形態を説明するための断面図である。
【図13】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第三実施形態を説明するための断面図である。
【図14】本発明によるパターン化された材料層の形成方法の第三実施形態を説明するための断面図である。
【図15】本発明によるマイクロデバイスの一実施形態としての垂直磁気記録用磁気ヘッドを示す断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1…基板、2…レジスト層(レジストフレーム)、3…真空成膜層、4…めっき層、4a…ポール部のめっき層、4b…支持部のめっき層、5…パターン化された材料層、6…非磁性絶縁材料層、10…トレンチ、11…基体、12…めっき用電極膜、21a…第1の感光性樹脂層、21b…第2の感光性樹脂層、22…中間樹脂層、23…溝、30…記録ヘッド部、31…材料パターン部分、32…被リフトオフ部分、33…磁束放出部、35…磁極、34…ヨーク部、100…垂直磁気記録用磁気ヘッド。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、第1の感光性樹脂層、露光された後において現像液に溶解可能な中間樹脂層及び第2の感光性樹脂層がこの順で積層されたレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、
前記レジスト層に所定のパターンを露光する露光工程と、
現像液に溶解することにより、前記レジスト層の一部を除去して前記基板が露出するトレンチを形成するとともに当該トレンチ側面に溝が形成されるように前記中間樹脂層を除去して、レジストフレームを形成する現像工程と、
真空成膜法により、前記基板の露出している部分を覆う材料パターン部分及び前記レジストフレームを覆う被リフトオフ部分を有する真空成膜層を形成する真空成膜工程と、
前記真空成膜層のうち前記被リフトオフ部分を前記レジストフレームとともに除去して、パターン化された材料層を得るリフトオフ工程と、
を備える、パターン化された材料層の形成方法。
【請求項2】
前記真空成膜工程において、前記真空成膜層を、前記溝の近傍で前記材料パターン部分及び前記被リフトオフ部分の間に隙間が形成されるように形成する、請求項1記載のパターン化された材料層の形成方法。
【請求項3】
前記基板の露出している部分を覆うめっき層を形成するめっき層形成工程を備え、
前記材料パターン部分が前記めっき層を覆う、請求項1又は2記載のパターン化された材料層の形成方法。
【請求項4】
前記真空成膜法がスパッタ法又は真空蒸着法である、請求項1〜3の何れか一項に記載のパターン化された材料層の形成方法。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載のパターン化された材料層の形成方法によって形成される、パターン化された材料層。
【請求項6】
請求項1〜4の何れか一項に記載のパターン化された材料層の形成方法によって、パターン化された材料層を基板上に形成する工程を備える、マイクロデバイスの製造方法。
【請求項7】
請求項6記載のマイクロデバイスの製造方法で得られるマイクロデバイス。
【請求項1】
基板上に、第1の感光性樹脂層、露光された後において現像液に溶解可能な中間樹脂層及び第2の感光性樹脂層がこの順で積層されたレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、
前記レジスト層に所定のパターンを露光する露光工程と、
現像液に溶解することにより、前記レジスト層の一部を除去して前記基板が露出するトレンチを形成するとともに当該トレンチ側面に溝が形成されるように前記中間樹脂層を除去して、レジストフレームを形成する現像工程と、
真空成膜法により、前記基板の露出している部分を覆う材料パターン部分及び前記レジストフレームを覆う被リフトオフ部分を有する真空成膜層を形成する真空成膜工程と、
前記真空成膜層のうち前記被リフトオフ部分を前記レジストフレームとともに除去して、パターン化された材料層を得るリフトオフ工程と、
を備える、パターン化された材料層の形成方法。
【請求項2】
前記真空成膜工程において、前記真空成膜層を、前記溝の近傍で前記材料パターン部分及び前記被リフトオフ部分の間に隙間が形成されるように形成する、請求項1記載のパターン化された材料層の形成方法。
【請求項3】
前記基板の露出している部分を覆うめっき層を形成するめっき層形成工程を備え、
前記材料パターン部分が前記めっき層を覆う、請求項1又は2記載のパターン化された材料層の形成方法。
【請求項4】
前記真空成膜法がスパッタ法又は真空蒸着法である、請求項1〜3の何れか一項に記載のパターン化された材料層の形成方法。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載のパターン化された材料層の形成方法によって形成される、パターン化された材料層。
【請求項6】
請求項1〜4の何れか一項に記載のパターン化された材料層の形成方法によって、パターン化された材料層を基板上に形成する工程を備える、マイクロデバイスの製造方法。
【請求項7】
請求項6記載のマイクロデバイスの製造方法で得られるマイクロデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−310332(P2006−310332A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−111326(P2005−111326)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
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