説明

パターン転写装置及びパターン形成方法

【課題】インクジェットで基板上に膜塗布する際、ノズル間にバラツキが存在したとしても膜厚ムラを防止する。
【解決手段】基板を搬送する搬送手段と、前記基板を相対的に走査しながら前記基板に対し液体を液滴として吐出する複数の液滴吐出口を有し、前記液体を前記基板表面に塗布する液体吐出手段と、前記基板と相対的に移動させながら、前記基板上に塗布された液体に対してパターンが形成された面を接触させるスタンプと、前記スタンプのパターンが形成された面全体を前記基板上に塗布された液体に接触した状態で、前記液体を硬化させる硬化手段と、を備え、着弾した液体と略同じ幅の直線を前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向と平行な方向にひいた際において、少なくとも一本以上の前記直線上に、前記液体吐出手段の異なる前記液滴吐出口から吐出された液滴が存在することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン転写装置及びパターン形成方法に係り、特に、パターンが形成された型を、表面に液体が塗布された基板にあてて液体を硬化させた後、型を剥がすことにより基板上にパターンを転写するパターン転写装置及びパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば半導体装置の製造プロセスなど微細加工が求められるパターンの形成技術において、基板上に塗布されたレジスト層に対して、凹凸パターンが形成された型(モールド)を押し当ててレジスト層を光で硬化してから型を剥がすことにより、基板上のレジスト層に凹凸パターンを転写する光ナノインプリント法が知られている。
【0003】
ここでインプリント法において、基板表面に極めて薄く、均一な厚みの樹脂被膜(レジスト層)を形成するために、基板表面に樹脂液滴を噴射するように配列された複数の噴射口の各々から間欠的に噴射するように制御するアクチュエータを備えたインクジェット手段と、このインクジェット手段と基板とを少なくとも噴射口の配列方向と直交する方向または回転方向に相対的に移動させる移動手段とを備えた樹脂塗布装置において、インクジェットでドット印字した後、スピンコート法により樹脂液滴をぬれ広がらせることで膜厚の均一化を図るようにしたものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【0004】
また、例えばインプリント法において、パターン形成面が形成される際のインプリント層へのガス(気泡)の閉じ込めを低減するために、インプリント層が塗布された基板表面に対して型を傾斜角を有して位置決めし(片持ち衝突)、型を回転してインプリント物質を展延し、インプリント物質の全部の液滴が連続したシートとなるようにしたものが知られている(例えば、特許文献2等参照)。
【0005】
また、例えば微細パターンが形成されたスタンパまたは被転写体の裏面から流体を噴きつけてスタンパまたは被転写体を湾曲させて、被転写体の表面のマイクロメートルスケールのうねりをスタンパの表面にならし、かつ局所的な圧力集中による樹脂の流動の妨げを抑制することで、被転写体の表面に均一で薄いパターン形成層を有する微細構造体を得るようにしたものが知られている(例えば、特許文献3等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−313439号公報
【特許文献2】特表2007−516862号公報
【特許文献3】特開2008−230027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術では、基板上に液を塗布する際、膜厚ムラを防止し、膜厚の均一化を図るにあたり以下のように問題がある。例えば、上記特許文献1に記載されたものでは、膜厚均一化は得られるものの、スピンコートという余分な工程が含まれることによりコストアップにつながることや、また部分的に塗布して、一部をインプリントする場合にはこの方法を行うと基板の全面に液がぬれ広がってしまうため、用いられないという問題がある。
【0008】
また、上記特許文献2に記載されたものでは、型を回転して斜めに当てていく開示はあるものの、膜厚ムラ防止のための、インクジェットによる液塗布における膜塗布印字パターンに関してはまったく記載がない。
【0009】
また、上記特許文献3に記載されたものでは、スタンパまたは被転写体を湾曲させて加圧することにより被転写体の表面に均一で薄いパターン形成層を形成するようにしているが、基板上に樹脂層を塗布する際の膜厚ムラ防止に関しては何の記載もない。
【0010】
インプリントにおける材料の基板への塗布においては、複数ノズルを有するインクジェットヘッドを利用すると生産性が向上して有利であるが、複数ノズルを用いた場合、吐出液体量がノズルごとにばらついてしまい、何らの制御もなく打滴するとこのバラツキの影響で、インプリント時に膜厚ムラが発生してしまうという問題がある。また従来は、インプリントにおいて、インクジェットでの膜塗布時の印字パターンの工夫に関してはほとんど出願がなされていない。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、インクジェットで基板上に塗布する際、ノズル間にバラツキが存在したとしても型当て時における膜厚ムラを低減することが可能なパターン転写装置及びパターン形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基板を搬送する搬送手段と、前記基板を相対的に走査しながら前記基板に対し液体を液滴として吐出する複数の液滴吐出口を有し、前記液体を前記基板表面に塗布する液体吐出手段と、前記基板と相対的に移動させながら、前記基板上に塗布された液体に対して、パターンが形成された面を接触させるスタンプと、前記スタンプのパターンが形成された面全体を前記基板上に塗布された液体に接触した状態で、前記液体を硬化させる硬化手段と、を備え、着弾した液体と略同じ幅の直線を前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向と平行な方向にひいた際において、少なくとも一本以上の前記直線上に、前記液体吐出手段の異なる前記液滴吐出口から吐出された液滴が存在することを特徴とするパターン転写装置を提供する。
【0013】
これにより、インクジェットで基板上に塗布する際、ノズル間にバラツキが存在したとしても、インプリントの型当て時において膜厚ムラを低減することが可能となるように塗布を行うことができる。
【0014】
また、請求項2に示すように、前記液体吐出手段は、前記液体吐出手段の前記基板に対する相対的な走査方向に平行な直線上に、前記複数の液体吐出口から複数の液滴を吐出することを特徴とする。
【0015】
また、請求項3に示すように、前記液体吐出手段は、前記基板に対して複数回、相対的に走査することを特徴とする。
【0016】
また、請求項4に示すように、前記液体吐出手段を複数備えたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項5に示すように、前記基板に対して前記液体を塗布する際の前記液体吐出手段と前記基板との相対的走査方向と、前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向とが平行でないことを特徴とする。
【0018】
このように、前記相対的走査方向と、前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向とを平行でないようにすることで、前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向と平行な方向において、少なくとも一箇所以上に、前記液体吐出手段の異なる前記液滴吐出口から吐出された液滴が存在するようにでき、型当て時における膜厚ムラ低減が可能となる。
【0019】
また、請求項6に示すように、着弾した液体と略同じ幅の直線を前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向と平行な方向にひいた際において、少なくとも一本以上の前記直線上に、前記液体吐出手段が有する全ての前記液滴吐出口から吐出された液滴が存在することを特徴とする。
【0020】
これにより、少なくとも一本以上の直線上にインプリント時に型当てする方向に全てのノズルからの液滴が存在するので型当てにより膜厚を平滑化することができ、膜厚ムラ低減が可能となる。
【0021】
また、請求項7に示すように、前記基板に対して前記液体を塗布する際の前記液体吐出手段と前記基板との相対的走査方向と、前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向とが略90°であることを特徴とする。
【0022】
これにより、少なくとも一本以上の直線上にインプリント時に型当てする方向に全てのノズルからの液滴が存在するようにでき、膜厚ムラ低減が可能となる。
【0023】
また、同様に前記目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、液体吐出手段を基板に対して相対的に走査しながら前記基板に対し前記液体吐出手段の複数の液滴吐出口から液体を液滴として吐出し、前記基板表面に前記液体を塗布し、パターンが形成された面を有するスタンプを前記基板と相対的に移動させながら前記基板上に塗布された液体に対して接触させ、前記スタンプのパターンが形成された面全体を前記基板上に塗布された液体に接触した状態で、前記液体を硬化させた後、前記スタンプを前記硬化した液体から離すことにより前記基板表面に前記スタンプのパターンを転写して前記基板上にパターンを形成するパターン形成方法であって、着弾した液体と略同じ幅の直線を前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向と平行な方向にひいた際において、少なくとも一本以上の前記直線上に、前記液体吐出手段の異なる前記液滴吐出口から吐出された液滴が存在するように前記基板表面に前記液体を塗布することを特徴とするパターン形成方法を提供する。
【0024】
これにより、インクジェットで基板上に塗布する際、ノズル間にバラツキが存在したとしても、インプリントの型当て時において膜厚ムラを低減することが可能となるように塗布を行うことができる。
【0025】
また、請求項9に示すように、前記液体吐出手段は、前記液体吐出手段の前記基板に対する相対的な走査方向に平行な直線上に、前記複数の液体吐出口から複数の液滴を吐出することを特徴とする。
【0026】
また、請求項10に示すように、前記液体吐出手段は、前記基板に対して複数回、相対的に走査することを特徴とする。
【0027】
また、請求項11に示すように、複数の前記液体吐出手段により前記基板表面に前記液体を塗布することを特徴とする。
【0028】
また、請求項12に示すように、前記基板に対して前記液体を塗布する際の前記液体吐出手段と前記基板との相対的走査方向と、前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向とが平行でないことを特徴とする。
【0029】
このように、前記相対的走査方向と、前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向とを平行でないようにすることで、前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向と平行な方向において、少なくとも一箇所以上に、前記液体吐出手段の異なる前記液滴吐出口から吐出された液滴が存在するようにでき、膜厚ムラ低減が可能となる。
【0030】
また、請求項13に示すように、着弾した液体と略同じ幅の直線を前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向と平行な方向にひいた際において、少なくとも一本以上の前記直線上に、前記液体吐出手段が有する全ての前記液滴吐出口から吐出された液滴が存在するように前記基板表面に前記液体を塗布することを特徴とする。
【0031】
これにより、少なくとも一本以上の直線上にインプリント時に型当てする方向に全てのノズルからの液滴が存在するので型当て時において膜厚を平滑化することができ、膜厚ムラ低減が可能となる。
【0032】
また、請求項14に示すように、前記基板に対して前記液体を塗布する際の前記液体吐出手段と前記基板との相対的走査方向と、前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向とが略90°であることを特徴とする。
【0033】
これにより、少なくとも一本以上の直線上にインプリント時に型当てする方向に全てのノズルからの液滴が存在するようにでき、インプリントの型当て時における膜厚ムラ低減が可能となる。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、本発明によれば、インクジェットで基板上に塗布する際、ノズル間にバラツキが存在したとしても、インプリントの型当てにおいて膜厚ムラを低減することが可能となるように塗布を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態に係るパターン転写装置の概略構成図である。
【図2】(a)は記録ヘッドの平面図、(b)は吐出素子の平面透視図である。
【図3】図2(b)中のIII−III線に沿った吐出素子の断面図である。
【図4】パターン転写装置の制御系を示すブロック図である。
【図5】本実施形態におけるインプリント法によるパターン形成方法を概念的に示すもので(a)は基板の平面図、(b)はスタンプの型当て状態を示す正面図である。
【図6】主走査方向が型当て方向と平行な場合を示す説明図である。
【図7】主走査方向が型当て方向と垂直な場合を示す説明図である。
【図8】主走査方向が型当て方向と平行な場合の例を示す説明図である。
【図9】主走査方向が型当て方向と45°の角をなす場合を示す説明図である。
【図10】主走査方向が型当て方向と垂直の場合を示す説明図である。
【図11】シャトル走査の場合において主走査方向が型当て方向と平行な場合を示す説明図である。
【図12】シャトル走査の場合において主走査方向が型当て方向と45°の角をなす場合を示す説明図である。
【図13】シャトル走査の場合において主走査方向が型当て方向と垂直な場合を示す説明図である。
【図14】本実施形態における他の打滴パターンの例を示す説明図である。
【図15】本実施形態における他の打滴パターンの例を示す説明図である。
【図16】本実施形態における他の打滴パターンの例を示す説明図である。
【図17】本実施形態における他の打滴パターンの例を示す説明図である。
【図18】本実施形態における他の打滴パターンの例を示す説明図である。
【図19】本実施形態における他の打滴パターンの例を示す説明図である。
【図20】上記打滴パターンを実現するための装置構成の一例を示す説明図である。
【図21】同じく上記打滴パターンを実現するための装置構成の他の例を示す説明図である。
【図22】(a)、(b)はスタンプを基板に接触させる型当て方法の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るパターン転写装置及びパターン形成方法について詳細に説明する。
【0037】
図1は、本発明の一実施形態に係るパターン転写装置の概略構成図である。
【0038】
図1に示すように、本実施形態に係るパターン転写装置10は、インクジェットヘッド(以下、記録ヘッドという)12と、パターン形成部14とを含んでいる。また、パターン形成部14は、凹凸パターンが形成された型(スタンプ)16とUV照射装置18を含んでいる。
【0039】
記録ヘッド12は、搬送手段20上を搬送されてくる基板22の表面に液体状のインプリント材を液滴として吐出することにより、基板22表面に液体状のインプリント材を塗布するものである。
【0040】
液体が塗布された基板22は搬送手段20によりパターン形成部14に搬送され、パターン形成部14において基板22上にパターンが形成される。すなわち、スタンプ16を基板22に塗布された液体(インプリント材)に押し当ててUV照射装置18によりUV光を照射して液体を硬化させ、スタンプ16を基板22(硬化したインプリント材)から離すことにより、基板22上にパターンが形成される。
【0041】
このとき、スタンプ16は、図1に矢印で示したように、下方に押し下げられるとともに回転して、スタンプ16の一方の端部の方から基板22表面上の液体に対して押し当てられるようになっているが、これらの作用については後で詳しく説明する。
【0042】
図2(a)に、記録ヘッド12の平面図を、図2(b)に一つのノズルを含む吐出素子の平面透視図を示す。
【0043】
図2(a)に示すように、本実施形態の記録ヘッド12は、インプリント材を液滴として吐出するノズル24が、一定の間隔で一列に配列されている。
【0044】
また、図2(b)に示すように、一つのノズル24を含む吐出素子30は、液滴を吐出する際に圧力を付与する圧力室26、図示を省略した共通流路から圧力室26に吐出する液体を供給する液体供給口28を含んで構成される。
【0045】
図2(b)に示すように、圧力室26は、上から見ると略正方形をしており、その対角線の一方の端にノズル24が形成され、他方の端に液体供給口28が設けられている。なお、圧力室26の平面形状は、上記の正方形の他に、例えば、菱形や長方形等の四角形、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など多様な形態が可能である。このように圧力室26の平面形状が正方形以外の形状の場合でも、ノズル24と液体供給口28は、なるべくその平面形状の中で離して配置することが好ましい。
【0046】
図3は、図2(b)中のIII−III線に沿った吐出素子30の断面図である。
【0047】
図3に示すように、吐出素子30の圧力室26は、液体供給口28を介して共通流路32と連通している。共通流路32は、液体の供給源たるタンク(図示省略)と連通しており、タンクから供給される液体は共通流路32を介して各圧力室26に分配供給されるようになっている。
【0048】
圧力室26の一部の面(図3における天面)を構成している加圧板(共通電極と兼用される振動板)34には、個別電極36を備えた圧電素子38が接合されている。なお、圧電素子38の材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)またはチタン酸バリウムのような圧電体を用いることができる。
【0049】
個別電極36と共通電極(加圧板が兼用)34間に駆動信号が印加されると、圧電素子38が変形して圧力室26の容積が変化する。すると、圧力室26内の圧力が変化することにより、ノズル24から液滴が吐出される。また、液体が吐出された後、圧電素子38の変位が元に戻ると、共通流路32から液体供給口28を通って新しい液体が圧力室26に再充填されるようになっている。
【0050】
なお、本実施形態では、圧電素子38の変形によって圧力室26内の液体を加圧する方式が採用されているが、これ以外の方式(例えば、サーマル方式)のアクチュエータを用いることもできる。
【0051】
図4は、パターン転写装置10のインクジェット塗布部の制御系を示すブロック図である。
【0052】
パターン転写装置10は、通信インターフェース40、システムコントローラ42、メモリ46、モータドライバ48、ヒータドライバ52、打滴制御部56、バッファメモリ58、ヘッドドライバ60を備えている。
【0053】
通信インターフェース40は、ホストコンピュータ80から送られてくる打滴データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース40としては、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェース、またはセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。なお、この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリを搭載してもよい。
【0054】
システムコントローラ42は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路を含んでおり、パターン転写装置10の各部を制御する制御部である。システムコントローラ42は、ホストコンピュータ80との間の通信制御、メモリ46の読み書き制御等をするとともに、搬送駆動系のモータ50及びヒータ54を制御する制御信号を生成する。
【0055】
プログラム格納部44には、パターン転写装置10の制御プログラムが格納される。システムコントローラ42はプログラム格納部44に格納されている種々の制御プログラムを適宜読み出し、制御プログラムを実行する。
【0056】
メモリ46は、データの一時記憶領域、及びシステムコントローラ42が各種の演算を行うときの作業領域として使用される記憶手段である。メモリ46としては、半導体素子からなるメモリの他、ハードディスクなどの磁気媒体を用いることができる。
【0057】
モータ50は、図1の搬送手段20を駆動して、記録ヘッド12と基板22とを相対的に走査するための駆動機構を駆動するモータである。モータドライバ48は、システムコントローラ42からの制御信号に従ってモータ50を駆動する。なお、このように記録ヘッド12を固定して搬送手段20により基板22を移動させる代わりに、基板22を記録ヘッド12の下の位置で一旦静止させて、記録ヘッド12を移動して相対的に走査するようにしてもよい。
【0058】
ヒータドライバ52は、システムコントローラ42からの制御信号に従ってヒータ54
を駆動する。なお、ヒータ54には、パターン転写装置10の各部に設けられた温度調節用のヒータが含まれる。
【0059】
ホストコンピュータ80から送出された打滴データは、通信インターフェース40を介してパターン転写装置10に取り込まれ、メモリ46に一時記憶される。
【0060】
打滴制御部56は、システムコントローラ42の制御に従い、メモリ46内の打滴データから吐出制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した吐出制御信号(吐出データ)をヘッドドライバ60に供給する制御部である。打滴制御部56において所要の信号処理が施され、該打滴データに基づいてヘッドドライバ60を介して記録ヘッド12の液体の吐出量や吐出タイミングの制御が行われるようになっている。
【0061】
ヘッドドライバ60は、打滴制御部56から与えられる吐出データに基づいて記録ヘッド12の圧電素子38を駆動する。なお、ヘッドドライバ60は、記録ヘッド12の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を備えていてもよい。
【0062】
打滴制御部56には、バッファメモリ58が備えられており、打滴制御部56における打滴データ処理時に打滴データやパラメータなどのデータがバッファメモリ58に一時的に格納されるようになっている。
【0063】
なお、バッファメモリ58は、メモリ46と兼用することも可能である。また、打滴制御部56とシステムコントローラ42とを統合して一つのプロセッサで構成する態様も可能である。
【0064】
また、図示は省略するが、パターン転写装置10は、記録ヘッド12に液体を供給するための供給系や、記録ヘッド12のメンテナンスを行うメンテナンス機構を備えている。
【0065】
図5に、本実施形態におけるインプリント法によるパターン形成方法を概念的に示す。
【0066】
図5(a)は、表面に液体(インプリント材)70が塗布された基板22を示す平面図である。図5(b)は、スタンプ16を基板22(上の液体70)に対して型当てする様子を示す正面図である。また、各図において、矢印はスタンプ16を型当てして行く方向を示す。なお、図5(b)ではスタンプ16の溝72をわかり易く極端に誇張して表現しており、実際の寸法とは相当違っている。
【0067】
図5(a)に示すように、基板22の表面に液体70が、所定の間隔を空けて複数まばらに打滴されている。これに対して、図5(b)に示すように、スタンプ16を斜めにして、図の矢印のように回転させながら、端から型当てして行くと、スタンプ16の溝72の中に液体70が入っていく。
【0068】
このとき、溝72に入りきらなかった液体70は、スタンプ16の移動に伴って次第に(図の)右方向に押し伸ばされて、次々に溝72を埋めていく。このようにスタンプ16を斜めにして端から型当てしていくことにより、液体70間の気泡は、右側が空いているので、そこから逃げていき、フィル性が悪化することはない。
【0069】
以下、本発明における基板への液体塗布方法について説明する。
【0070】
まず、本発明の原理について、単純化した極端な例を上げて説明する。
【0071】
いま、図6に示す記録ヘッド12は、6つのノズル24a、24b、24c、24d、24e、24fを有しており、各ノズルから吐出される液滴のサイズにはバラツキが存在するものとする。例えば、ノズル24aと24dは標準サイズであるが、ノズル24bとノズル24eから吐出される液滴のサイズは標準より大きく、また、ノズル24cとノズル24fから吐出される液滴のサイズは標準より小さいものとする。図6では、説明のため実際よりも液滴のサイズを極端に誇張して表現している。
【0072】
このとき、図6に示すように、矢印Fで示すスタンプ16(図6では図示省略)の型当て方向をX軸とし、これに垂直な方向をY軸として、記録ヘッド12の長手方向(ノズル24配列方向)をY軸に略平行にして、基板22上を型当て方向Fと平行に記録ヘッド12を走査するようにする。すると各ノズルのバラツキに応じた液滴サイズの液滴が型当て方向Fと平行な方向に列を形成するように基板22上に吐出される。
【0073】
このとき図6に示すように、各Yの位置において、型当て方向Fと平行に同じサイズの液滴が並んでいる。するとスタンプ16の型当てにより、大きなサイズの液滴は大きなサイズの液滴同士、小さなサイズの液滴は小さなサイズの液滴同士が重なり合って、図6の右側にY軸に沿った膜厚分布を示すように、膜厚にムラが発生する。
【0074】
これに対して、図7に示すように、記録ヘッド12の長手方向をX軸と略平行にして、基板22上を型当て方向Fと略垂直な方向(Y軸と平行な方向)に記録ヘッド12を走査するようにする。すると各ノズルのバラツキに応じた液滴サイズの液滴が、型当て方向Fとは垂直な方向に列を形成するように基板22上に吐出される。
【0075】
このとき図7に示すように、各Xの位置において、型当て方向Fと垂直な方向に同じサイズの液滴が並び、型当て方向Fと平行な方向には様々なサイズの液滴が並んでいる。すると、スタンプ16の型当てにより、この様々なサイズの液滴が重なり合って平均化される。このときのY軸に沿った膜厚分布は、図7に示すように、略均一となっている。
【0076】
このように、スタンプ16の型当て方向Fと平行な方向に、ノズルのバラツキによる様々なサイズの液滴を打滴するようにすることで、型当てした結果の膜厚分布は平滑化される。すなわち、インプリント時の型当て方向に対し、インクジェット塗布時に型当て方向に複数のノズルで印字することにより膜厚ムラを低減することが可能となる。
【0077】
以下、さらに具体的な例について説明する。
【0078】
まず図8に示す例は、記録ヘッド12の長手方向が型当て方向Fに対して略垂直になるように配置し、記録ヘッド12を型当て方向Fと平行な方向に基板に対して相対的に走査したものである。この場合には、型当て方向Fと平行な方向に、それぞれ同じサイズの液滴で構成される列が配置されることとなる。その結果、図6で説明したように、記録ヘッド12の各ノズルにバラツキがあると、型当てにより型当て方向Fに垂直な方向に沿った膜厚分布にムラが発生する。従って、図8に示すような、型当て方向Fと平行な方向に記録ヘッド12を走査して印字するのは好ましくない。
【0079】
次に、図9に示すように、記録ヘッド12が基板に対して相対的に走査する方向を、型当て方向Fに対して0°<θ<90°のある角度θ(例えばθ=45°)を有する方向とし、基板22に対して斜め走査するようにする。このようにした場合には、図9に示すように、基板22上に斜め方向に同一のノズル24から吐出された同サイズの液滴が並ぶが、型当て方向Fと平行な方向には異なるノズル24から吐出された液滴が並ぶ。
【0080】
従って、ノズル24間にバラツキが存在したとしても、型当て方向Fには、様々なサイズの液滴が配列されるので、型当てによっても膜厚分布にムラが発生することはない。
【0081】
また、図10に示すように、記録ヘッド12が基板に対して相対的に走査する方向を型当て方向Fと略垂直な方向にした場合には、型当て方向Fと垂直な方向に、それぞれ同じサイズの液滴からなる列が形成される。
【0082】
しかしこの場合にも、型当て方向Fには、それぞれ異なるノズル24から吐出された液滴が並ぶため、型当てによっても膜厚分布にムラが発生することはない。
【0083】
従って、図9や図10に示すように、記録ヘッド12の走査方向を型当て方向Fに対して斜め(例えば45°)あるいは垂直な方向にすることが、膜厚ムラの低減にとって好ましい。
【0084】
次に、記録ヘッド12が基板22上の同じ場所を複数回走査するシャトル(シリアル)走査の場合について説明する。
【0085】
シャトル走査において、まず図11に示すように、記録ヘッド12が基板22上を型当て方向Fと平行な方向に基板に対して相対的に走査する場合を考える。
【0086】
図11に示す例では、記録ヘッド12は3つのノズル24を有し、シャトル走査により型当て方向Fに平行に、まず基板22の上3列を印字し、その後下3列を印字している。その結果、図11に示すように、型当て方向Fと平行な方向に同じサイズの液滴の列が形成される。
【0087】
従って、この場合も、型当てにより、型当て方向Fに同じサイズの液滴が重ね合わされるため、ノズル24にバラツキが存在すると、型当て方向Fに垂直な方向に沿って膜厚分布にムラが発生してしまう。よって、図11に示すような印字方法は、膜厚ムラ低減の観
点から好ましくない。
【0088】
次に、図12に示すように、記録ヘッド12を型当て方向 Fに対して、0°<θ<90°のある角度θ(例えばθ=45°)だけ傾けて基板に対して相対的に走査する場合を考える。この場合、記録ヘッド12を長手方向に移動させて複数回走査することにより、基板22上のインプリント領域に対して印字する。
【0089】
その結果、図12に示すように、基板22上斜め方向に同じノズル24から印字された同じサイズの液滴が並ぶ。しかし、型当て方向Fと平行な方向には、複数の異なるノズル24から吐出された液滴が配列される。
【0090】
従って、このとき型当てすると、型当て方向Fには様々なノズル24から吐出された液滴が並んでいるので、ノズル24間にバラツキがあったとしても、これらの様々なサイズの液滴が重ね合わされて膜厚分布が平滑化されてしまい、膜厚ムラが低減される。
【0091】
また、図13に示すように、記録ヘッド12を型当て方向Fと略垂直な方向に基板に対して相対的に走査する場合を考える。図13に示す例では、6つのノズル24を有する記録ヘッド12を基板22上、型当て方向Fと垂直な方向に2回走査して印字している。
【0092】
その結果、型当て方向Fと垂直な方向には、それぞれ同じノズル24から吐出された同じサイズの液滴が配列されているが、型当て方向Fと平行な方向には、それぞれ異なるノズル24から吐出された液滴が配列される。
【0093】
従って、この場合にも、ノズル24間にバラツキが存在したとしても、型当てにおいて様々なサイズの液滴が重ね合わされる結果、型当て方向Fに垂直な方向の膜厚分布にムラが生じるのが低減される。
【0094】
このように、本実施形態においては、基板にインプリント材を塗布する際、インクジェットにより液体を塗布する。このとき、記録ヘッド(インクジェットヘッド)と基板が相対的に移動する方向を主走査方向とする。一方、パターンが形成されたスタンプをインプリント時に型当てする際、スタンプの一方の端部から他方の端部に向かって型当てしていくようにする。ここで、上記主走査方向がこの型当て方向とある角度を有するようにすることで、着弾した液体と略同じ幅の直線を型当て方向に平行な方向にひいた際において、少なくとも一本以上の前記直線上に、前記インクジェットヘッドの異なるノズルで印字された液滴が存在するようになる。このように、型当て方向に印字される液滴中に異なるノズルで印字された液滴が混ざっていることにより、ノズルにバラツキがあったとしても、型当てによりこれらのサイズの異なる液滴が重なって均一化され、型当て方向に垂直な方向の膜厚分布のムラを低減することができる。
【0095】
一般に、ノズル間バラツキをより低減するには、型当て方向に平行な直線上に打滴される液滴がよりたくさんのノズルによって印字されていることが望ましい。さらに、最も望ましいのは、使用する全ノズルから印字される液滴が型当て方向に平行な直線上に配置されることである。これにより、型当てで液滴がつぶされる際に、ノズル間バラツキが平滑化される。
【0096】
また、インプリント時に、同時に型当てされる部分の液滴量が均一である方が均一にぬれ広がりやすいため、型当て方向と主走査方向は直角に近い角度であることが望ましい。最も望ましいのは直角のときである。
【0097】
上で、図9〜図10、あるいは図12〜図13に、本実施形態における打滴パターンの一例を示したが、打滴パターンはこれらに限定されるものではなく、以下、図14〜図19に示すような打滴パターンでもよい。
【0098】
図14〜図19に示す打滴パターンは、記録ヘッド12(これらの図では図示省略)と基板22を図面左右方向に相対移動しながら形成したものであり、基板22上に円で示す各ドット中の数字は記録ヘッド12の基板22に対する相対的走査回数、あるいは記録ヘッド12を複数用意した場合のヘッド番号を表す。また、各ドット中のアルファベットA、B、C・・・は、記録ヘッド12の中の特定のノズルを表す。すなわち、アルファベットと番号が同一のドットは、同じノズルから吐出された液滴によって形成されたドットである。
【0099】
このとき、打滴位置も図14、図16、図18に示すように、各列ともそれぞれ同じ位置に打滴してもよいし、図15、図17、図19に示すように、各列で打滴位置を互い違いにずらしもよい。
【0100】
図14〜17は、打滴間隔が行方向と列方向で一致する例であり、図18、19は打滴間隔が行方向の方が長い例である。
【0101】
打滴配置はこれに限定されず、モールドパターン等により適宜設計することができる。
【0102】
さらに、図14、15、18、19は各行を2回の走査、あるいは2台の記録ヘッドを用いた例であり、図16、17は各行を3回の走査、あるいは3台の記録ヘッドを用いた例である。走査回数や記録ヘッドの台数はこれに限定されず、また組み合わせることも可能である。
【0103】
いずれにしても、図14〜19に示す例では、型当て方向を図の上下方向、水平方向、斜め方向、何れの場合でも型当て方向に平行な直線上には、異なる複数ノズルから吐出された複数のドットが並ぶようになっている。より多くの異なる複数ノズルから吐出された複数のドットが型当て方向に平行な直線上に並ぶために、型当て方向を図の上下方向や斜め方向が特に望ましい。
【0104】
このような打滴パターンを実現するための装置構成の例を図20に示す。
【0105】
図20に示す例においては、一つの記録ヘッド12と基板22を相対的にX方向に移動させながら打滴し、X方向に垂直な方向(Y方向)に記録ヘッド12または基板22を移動し、その後基板22と記録ヘッド12を相対的にX方向に移動させながら打滴を行うという動作を繰り返すことによって基板22上に打滴パターンが形成される。この場合には記録ヘッド12は基板22に対して複数回の走査(相対的走査)を行う。
【0106】
また、このように一つの記録ヘッド12により複数回の走査を行うのではなく、複数の記録ヘッドを用意して相対移動の回数を減らすようにしてもよい。
【0107】
図21に示す例では、基板22に対して、打滴エリアよりも液滴吐出幅の方が大きい2つの記録ヘッド12a、12bを用意して、この2つの記録ヘッド12a、12bを基板22に対して相対的にX方向に移動させながら打滴している。この例では、図20に示した例のように基板22をX方向に垂直なY方向に相対的に移動させる必要はない。
【0108】
ただし、打滴エリアよりも記録ヘッド12a、12bの液滴吐出幅の方が小さい場合には、基板22上の全打滴エリアに打滴するためには、記録ヘッド12a、12bまたは基板22をY方向に相対移動して、複数回走査する必要がある。
【0109】
図20、21の列方向の打滴間隔を調整するために記録ヘッドを回転させることもできる。また行方向の打滴間隔を調整するために吐出間隔を調整することもできる。
【0110】
なお、スタンプ16を型当てする方法も、図5に示すようにスタンプ16のパターンが形成された面を回転させながらその面の一方の端部からその面全体を接触させていく方法に限定されるものではない。
【0111】
例えば、図22(a)に示すように、基板22の中央部から左右端に向かって型当てして行くようにしてもよいし、図22(b)に示すように、基板22の中心から全方位方向の端部に向かって型当てして行くようにしてもよい。
【0112】
このように基板22の中央部から接触して、端の方向に順次接触して行くようにすればよく、さらには、中央や端部に限らず、接触したときに基板22上に塗布された液体の気泡が抜けるようにすればよい。それは、モールドパターン等により適宜設計することが可能である。
【0113】
本発明のパターン転写装置及びパターン形成方法については、以下のような製造の際に好適に用いることができる。
【0114】
第一の技術としては、成型した形状(パターン)そのものが機能を持ち、様々なナノテクノロジーの要素部品、あるいは構造部材として応用できる場合である。例としては、各種のマイクロ・ナノ光学要素や高密度の記録媒体、光学フィルム、フラットパネルディスプレイにおける構造部材などが挙げられる。第二の技術は、マイクロ構造とナノ構造との同時一体成型や、簡単な層間位置合わせにより積層構造を構築し、これをμ−TAS(Micro-Total Analysis System)やバイオチップの作製に応用しようとするものである。第3の技術としては、形成されたパターンをマスクとし、エッチング等の方法により基板を加工する用途に利用されるものである。かかる技術では高精度な位置合わせと高集積化とにより、従来のリソグラフィ技術に代わって高密度半導体集積回路の作製や、液晶ディスプレイのトランジスタへの作製、パターンドメディアと呼ばれる次世代ハードディスクの磁性体加工等に応用できる。
【0115】
さらに、マイクロ電気機械システム(MEMS)、センサ素子、回折格子やレリーフホログラム等の光学部品、ナノデバイス、光学デバイス、フラットパネルディスプレイ製作のための光学フィルムや偏光素子、液晶ディスプレイの薄膜トランジタ、有機トランジスタ、カラーフィルタ、オーバーコート層、柱材、液晶配向用のリブ材、マイクロレンズアレイ、免疫分析チップ、DNA分離チップ、マイクロリアクター、ナノバイオデバイス、光導波路、光学フィルター、フォトニック液晶、反射防止構造体(モスアイ)などの永久膜形成用途においても有用である。
【0116】
以上、本発明のパターン転写装置及びパターン形成方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0117】
10…パターン転写装置、12…インクジェットヘッド(記録ヘッド)、14…パターン形成部、16…型(スタンプ)、18…UV照射装置、20…搬送手段、22…基板、24…ノズル、26…圧力室、28…液体供給口、30…吐出素子、32…共通流路、34…加圧板(振動板、共通電極)、36…個別電極、38…圧電素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を搬送する搬送手段と、
前記基板を相対的に走査しながら前記基板に対し液体を液滴として吐出する複数の液滴吐出口を有し、前記液体を前記基板表面に塗布する液体吐出手段と、
前記基板と相対的に移動させながら、前記基板上に塗布された液体に対して、パターンが形成された面を接触させるスタンプと、
前記スタンプのパターンが形成された面全体を前記基板上に塗布された液体に接触した状態で、前記液体を硬化させる硬化手段と、
を備え、着弾した液体と略同じ幅の直線を前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向と平行な方向にひいた際において、少なくとも一本以上の前記直線上に、前記液体吐出手段の異なる前記液滴吐出口から吐出された液滴が存在することを特徴とするパターン転写装置。
【請求項2】
前記液体吐出手段は、前記液体吐出手段の前記基板に対する相対的な走査方向に平行な直線上に、前記複数の液体吐出口から複数の液滴を吐出することを特徴とする請求項1に記載のパターン転写装置。
【請求項3】
前記液体吐出手段は、前記基板に対して複数回、相対的に走査することを特徴とする請求項2に記載のパターン転写装置。
【請求項4】
前記液体吐出手段を複数備えたことを特徴とする請求項2に記載のパターン転写装置。
【請求項5】
前記基板に対して前記液体を塗布する際の前記液体吐出手段と前記基板との相対的走査方向と、前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向とが平行でないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のパターン転写装置。
【請求項6】
着弾した液体と略同じ幅の直線を前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向と平行な方向にひいた際において、少なくとも一本以上の前記直線上に、前記液体吐出手段が有する全ての前記液滴吐出口から吐出された液滴が存在することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のパターン転写装置。
【請求項7】
前記基板に対して前記液体を塗布する際の前記液体吐出手段と前記基板との相対的走査方向と、前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向とが略90°であることを特徴とする請求項5に記載のパターン転写装置。
【請求項8】
液体吐出手段を基板に対して相対的に走査しながら前記基板に対し前記液体吐出手段の複数の液滴吐出口から液体を液滴として吐出し、前記基板表面に前記液体を塗布し、
パターンが形成された面を有するスタンプを前記基板と相対的に移動させながら前記基板上に塗布された液体に対して接触させ、
前記スタンプのパターンが形成された面全体を前記基板上に塗布された液体に接触した状態で、前記液体を硬化させた後、前記スタンプを前記硬化した液体から離すことにより前記基板表面に前記スタンプのパターンを転写して前記基板上にパターンを形成するパターン形成方法であって、
着弾した液体と略同じ幅の直線を前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向と平行な方向にひいた際において、少なくとも一本以上の前記直線上に、前記液体吐出手段の異なる前記液滴吐出口から吐出された液滴が存在するように前記基板表面に前記液体を塗布することを特徴とするパターン形成方法。
【請求項9】
前記液体吐出手段は、前記液体吐出手段の前記基板に対する相対的な走査方向に平行な直線上に、前記複数の液体吐出口から複数の液滴を吐出することを特徴とする請求項8に記載のパターン形成方法。
【請求項10】
前記液体吐出手段は、前記基板に対して複数回、相対的に走査することを特徴とする請求項9に記載のパターン形成方法。
【請求項11】
複数の前記液体吐出手段により前記基板表面に前記液体を塗布することを特徴とする請求項9に記載のパターン形成方法。
【請求項12】
前記基板に対して前記液体を塗布する際の前記液体吐出手段と前記基板との相対的走査方向と、前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向とが平行でないことを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項13】
着弾した液体と略同じ幅の直線を前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向と平行な方向にひいた際において、少なくとも一本以上の前記直線上に、前記液体吐出手段が有する全ての前記液滴吐出口から吐出された液滴が存在するように前記基板表面に前記液体を塗布することを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項14】
前記基板に対して前記液体を塗布する際の前記液体吐出手段と前記基板との相対的走査方向と、前記スタンプを前記液体に接触させて行く方向とが略90°であることを特徴とする請求項12に記載のパターン形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−71500(P2011−71500A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187299(P2010−187299)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】