説明

ヒスタミンH3アンタゴニストとして有用な、炭素結合した置換ピペリジンおよびその誘導体

開示されているのは、式(I)の化合物;もしくは薬学的に受容可能なその塩であり、ここで、MおよびMはCHもしくはNであり;MはCH、CFもしくはNであり;Yは−C(=O)−、−C(=S)−、−(CH−、−C(=NOR)−もしくは−SO1−2−であり;Zは結合もしくは必要に応じて置換されたアルキレンもしくはアルケニレンであり;RはH、アルキル、アルケニル、もしくは必要に応じて置換されたシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルもしくは式(II)の基であり;ここで、環Aはモノヘテロアリール環であり;Rは必要に応じて置換されたアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであり;そして残りの可変物は本明細書中で定義したとおりである。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、ヒスタミンHアンタゴニストとして有用な、炭素結合した置換ピペリジンおよびその誘導体に関連している。本発明はまた、この化合物を含む薬学的組成物、ならびに炎症性疾患、アレルギー状態、肥満症、メタボリックシンドローム、認知欠陥障害、心臓血管障害および中枢神経系障害を処置する際のそれらの使用にも関連している。本発明はまた、炎症性疾患およびアレルギー状態を処置するための、ヒスタミンH化合物と組み合わせた本発明のヒスタミンHアンタゴニストの使用、ならびに肥満症、メタボリックシンドロームもしくは認知欠陥障害を処置するのに有用な、他の活性物質と組み合わせた本発明のヒスタミンHアンタゴニストの使用にも関連している。本発明の1つ以上の新規なヒスタミンHアンタゴニスト化合物と、1つ以上のヒスタミンH化合物、あるいは肥満症、メタボリックシンドローム、もしくは認知欠陥障害を処置するのに有用な1つ以上の化合物との組み合わせを含む薬学的組成物もまた企図されている。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
ヒスタミンレセプターH、H、HおよびHは、これらの薬理的挙動によって特性付けられた。Hレセプターは、従来の抗ヒスタミンによって拮抗される応答を仲介するものである。Hレセプターは、例えば、ヒトおよび他の哺乳動物の回腸、皮膚および気管支の平滑筋内に存在する。最も顕著なHレセプター媒介性応答は、哺乳動物の胃酸分泌、および単離された哺乳動物心房における周期変動効果である。Hレセプターは、好酸球およびマスト細胞内で主に発現され、両方の細胞タイプの走化性に関連することが示されている。
【0003】
末梢において、Hレセプター部位が交感神経系の神経において見出され、ここで、これらは交感神経性の神経伝達を調節し、そして交感神経系の制御下で種々の末端器官応答を減退させる。具体的には、ヒスタミンによるHレセプター活性化は、抵抗およびキャパシタンス脈管(capacitance vessel)へのノルエピネフリン流出を減退させ、血管拡張を引き起こす。さらに、げっ歯類において、末梢性Hレセプターは、褐色脂肪組織内で発現され、このことは、これらが産熱調整に関与し得ることを示唆している。
【0004】
レセプターはまた、CNS中にも存在する。Hレセプターの発現は、ヒトおよび動物の脳の大脳皮質、海馬形成、視床下部および他の部位で観察される。Hレセプターは、ヒスタミン作動性ニューロンにおいて、およびヘテロレセプターとして他の神経伝達物質系に関するニューロンにおいて発現され、ここで、Hレセプター活性化は、神経伝達物質放出のシナプス前阻害を生じる。ヒスタミン作動性ニューロンの特定の場合において、Hレセプターは、ヒスタミンの視床下部の正常状態の調節に関係しており、これは次いで、ヒトの脳内の睡眠、栄養補給および認知のプロセスの調節に関連する(例えば、非特許文献1を参照されたい)。
【0005】
文献において、ヒスタミンがヒトの脳における認知プロセスおよび記憶プロセスの調整に関連していることが公知であり、述べられている(例えば、非特許文献2を参照されたい)。したがって、中心的Hレセプターを介したヒスタミン作動性の脳機能の間接的調節は、これらのプロセスを調節するための方法となり得る。Hレセプターリガンドの異なるクラスが説明され、そして神経学的疾患および精神医学的疾患に対するこれらの使用が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照されたい)。Hレセプターアンタゴニストは、多種の神経精神医学的状態を処置するのに有用であり得、ここで、認知欠陥は、この疾患(特に、ADHD、統合失調症およびアルツハイマー病)の必須部分である(例えば、非特許文献3を参照されたい)。
【0006】
イミダゾールHレセプターアンタゴニストは、当該分野において周知である。さらに最近では、非イミダゾールHレセプターアンタゴニストが、特許文献4および特許文献5中ならびに特許文献6中に開示されている。特許文献7および特許文献8(特許文献9および特許文献10)は、1−(4−ピペリジニル)−ベンズイミダゾロンおよび1−(4−ピペリジニル)ベンズイミダゾール誘導体を開示しており、これらの化合物は、本願から除外される。これらの特許および公開は、本明細書中に参考として援用される。
【0007】
特許文献11は、少なくとも1つのヒスタミンHレセプターアンタゴニストと少なくとも1つのヒスタミンHレセプターアンタゴニストとの組み合わせを使用した、アレルギー性鼻炎の症状の処置のための組成物を開示している。
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0224953号明細書
【特許文献2】国際公開第2004/089373号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2004/101546号パンフレット
【特許文献4】米国特許第6,720,328号明細書
【特許文献5】米国特許第6,849,621号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2004/0019099号明細書
【特許文献7】国際公開第2003/103669号パンフレット
【特許文献8】国際公開第2003/088967号パンフレット
【特許文献9】米国特許出願公開第2004/0097483号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2004/0048843号明細書
【特許文献11】米国特許第5,869,479号明細書
【非特許文献1】Leursら、Nature Reviews,Drug Discovery、4、(2005)、107
【非特許文献2】Life Sciences、72、(2002)、409−414
【非特許文献3】Hancock,A.;Fox,G.in Drug Therapy (Buccafusco,J.J.編)。(Birkhauser,Basel、2003)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、式I:
【0009】
【化5】

の新規な化合物、もしくは薬学的に受容可能なその塩を提供し、ここで:
aは、0、1もしくは2であり;
bは、0、1もしくは2であり;
dは、0もしくは1であり;
eは、0もしくは1であり
nは、1、2もしくは3であり;
pは、1、2もしくは3であり;
は、CHもしくはNであり;
は、CH、CFもしくはNであり;
は、CHもしくはNであり;
但し、MおよびMがそれぞれ、Nである場合、pは2もしくは3であり;
Yは、−C(=O)−、−C(=S)−、−(CH−、−C(=NOR)−もしくは−SO1−2−であり;
qは、1〜5であり、但し、MおよびMが両方ともNである場合、qは、2〜5であり;
Zは、結合、−[C(R)(R8’)]n’、−CH(R20)−CH(R20)−O−、−CH(R20)−CH(R20)−N−、−CH(R20)−[C(R21)(R21’)]1−5−、−CH(R20)−C(R20)=C(R20)−、−CH(R20)−C(R20)=C(R20)−[C(R21)(R21’)]l−3−もしくは−[C(R)(R8’)]n’であり、ここで、少なくとも1つのC(R)(R8’)は、シクロアルキレン基もしくはヘテロシクロアルキレン基によって割り込まれており、但し、MがNであり、そしてZが環窒素を介して結合しているヘテロシクロアルキレン基によって割り込まれているR−アルキレンである場合、Z基のアルキレン部分は、2〜4個の炭素原子をMとこの窒素との間に有し;
n’は、1〜6の整数であり;
は、H、アルキル、アルケニル、R10−シクロアルキル、R10−アリール、R10−モノヘテロアリール、好ましくは、R10−ピリジルもしくはR10−キノリル、R10−ヘテロシクロアルキル、または式:
【0010】
【化6】

の基であり
環Aが、モノヘテロアリール環である場合、このモノヘテロアリールもしくはモノヘテロアリール環は、O、SおよびNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する単環式環であり、このヘテロ原子は、1〜6個の炭素原子を有する芳香族炭素環式環構造に割り込んでおり、但し、隣接する酸素原子および/もしくは硫黄原子は存在せず、モノヘテロアリール環(例えば、イソチアゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、チオフェン、フラン、ピロール、ピラゾール、ピラン、ピリミジン、ピラジン、フラザニル、ピリダジンおよびピリジン(ピリジンのN−酸化物を含む))が好ましく;
そしてRおよびRは、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−OR12、−CN、−(CH−N(R12、−(CH−N(R19)−SO12、−(CH−N(R19)−C(O)R12、−(CHNHC(O)NHR12、−(CH−NHC(O)OR12、−O−C(O)NHR12、−(CH−C(O)OR12および−O−(CH−C(O)OR12からなる群より独立して選択され、但し、RおよびRのうちの1つが、ヘテロ原子に結合した置換基である場合、残りの1つはHであり;
fは、0、1もしくは2であるか;
または、RおよびRは、それらが結合している炭素と一緒になって、−C(=C(R15)(R18)−、R13によって置換された3〜7員のシクロアルキル環、R13によって置換された3〜7員のヘテロシクロアルキル環、R13−フェニル環、もしくはR13によって置換された5〜6員のヘテロアリール環を形成するか;あるいはdが1であるか、もしくはeが1であるか、またはdおよびeの両方が1である場合、RおよびRは、それらが結合している炭素と一緒になって、−C(O)−を形成するか;
またはR−(CH−C(R)(R)−(CH−が、
【0011】
【化7】

を形成し;
は、R16−アルキル、R16−アルケニル、R16−アリール、R16−ヘテロアリール、R16−シクロアルキルもしくはR16−ヘテロシクロアルキルであり;
およびRはそれぞれ、ハロ、アルキル、−OH、アルコキシ、ハロアルキル、好ましくは、−CFおよび−CNからなる群より独立して選択されるか;もしくは同じ炭素原子上の2つのR置換基が、=Oを形成し;
は、H、アルキル、ハロアルキル、R10−アリールもしくはR10−ヘテロアリールであり;
およびR8’は独立して、H、R10−シクロアルキル、R10−ヘテロシクロアルキル、R10−アリール、R10−ヘテロアリールおよびハロアルキル、好ましくは−CFからなる群より独立して選択される1つ、2つもしくは3つの置換基であり;
各Rは、Hおよびアルキルからなる群より独立して選択され;
10は、H、ハロ、アルキル、−OH、アルコキシ、R10’−シクロアルキル、R10’−アリール、R10’−ヘテロアリール、R10’−アリールオキシ、ハロアルキル、好ましくは−CF、−CHF、−、ハロアルコキシ、好ましくは、OCF、−NO、−CO11、−N(R11、−CON(R11、−NHC(O)R11、−NHC(O)OR11、−NHSO11、−SON(R11および−CNからなる群より独立して選択される1〜4つの置換基であり;
各R10’は、H、ハロ、アルキル、−OH、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ハロアルキル、好ましくは、−CFもしくは−CHF、−、ハロアルコキシ、好ましくは、OCF、−NO、−CO11、−N(R11、−CON(R11、−NHC(O)R11、−NHC(O)OR11、−NHSO11、−SON(R11および−CNからなる群より独立して選択される1〜4つの置換基であり;
各R11は、H、アルキル、ハロアルキル、R18−アリール、R18−ヘテロアリール、R18−アリールアルキル、R18−シクロアルキルおよびR18−ヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
各R12は、H、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、R18−アリール、R18−アリールアルキル、R18−ヘテロアリール、R18−ヘテロアリールアルキル、R18−シクロアルキル、R18−シクロアルキルアルキルおよびR18−ヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
13は、H、ハロ、アルキル、−OH、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−CO14、−C(O)N(R14、ハロアルキル、好ましくは、−CFおよび−CNからなる群より独立して選択される1〜4つの置換基であるか;もしくは同じ炭素原子上の2つのR13置換基が=Oを形成し;
各R14は、Hおよびアルキルからなる群より独立して選択され;
15は、H、アルキル、ハロ、アリールもしくはハロアルキル、好ましくは、−CFであり;
16は、H、ハロ、アルキル、−OH、アルコキシ、R10−アリール、R10−アリールオキシ、ハロアルキル、好ましくは、−CF、ハロアルコキシ、好ましくは、−OCF、−NO、−CO17、−N(R17、−CON(R17、−NHC(O)R17、−NHC(O)OR17、−NHSO17、−SON(R17および−CNからなる群より独立して選択される1〜3つの置換基であり;
各R17は、H、アルキル、ハロアルキル、R10−アリール、R10−ヘテロアリール、R10−シクロアルキル、およびR10−ヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
18は、H、アルキル、ハロ、アリール、ハロアルキル、好ましくは、−CF、アルコキシ、ヘテロアリール、−O−C(O)R12、−C(O)N(R12、−C(O)OR12、−NO、−CNもしくは−C(O)−ヘテロシクロアルキルであり;
19は、H、アルキルもしくはR10−ヘテロシクロアルキルアルキル、好ましくは、R10−ピリジルメチルであり、ピリジルメチルが最も好ましく;
20は、Hおよびアルキルからなる群より独立して選択され;
21は独立して、H、R10−シクロアルキル、R10−ヘテロシクロアルキル、R10−アリール、R10−ヘテロアリール、ハロアルキル、好ましくは、−CF、ハロ、−CN、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、好ましくは、−OCF、−NO、および−N(Rからなる群より独立して選択される1つ、2つもしくは3つの置換基であり;そして
21’は独立して、H、R10−シクロアルキル、R10−ヘテロシクロアルキル、R10−アリール、R10−ヘテロアリール、ハロアルキル、好ましくは、−CF −OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、好ましくは、−OCF、−NOおよび−N(Rからなる群より独立して選択される1つ、2つもしくは3つの置換基である。
【0012】
本発明はまた、有効量の少なくとも1つの式Iの化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物を提供する。
【0013】
本発明はさらに、アレルギー、アレルギー誘発性気道(例えば、上気道)応答(例えば、かゆみ(pruritis)、くしゃみ、鼻漏、粘膜の炎症;例えば、McLeod、JPET、305(2003)1037を参照されたい)、うっ血(例えば、鼻うっ血)、低血圧、心臓血管疾患、胃腸管疾患、胃腸管の過剰運動性および低運動性ならびに酸分泌、メタボリックシンドローム、肥満症、睡眠障害(例えば、睡眠過剰、傾眠およびナルコレプシー)、中枢神経系の低活性および過剰活性(例えば、注意欠陥多動性障害(ADHD)、アルツハイマー病(AD)および統合失調症)、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、肝硬変、肝細胞癌および/もしくは他のCNS障害(例えば、片頭痛)を処置する方法を提供し、この方法は、有効量の少なくとも1つの式Iの化合物をこのような処置の必要な患者に投与する工程を包含する。「患者」は、獣医学的使用もまた企図されるが、哺乳動物、特にヒトを意味する。
【0014】
特に、本発明の化合物は、うっ血、メタボリックシンドローム、肥満症および認知欠陥障害を処置するのに特に有用である。
【0015】
本発明はさらに、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせた、少なくとも1つの式Iの化合物と少なくとも1つのHレセプターアンタゴニストとの組み合わせの有効量を含む薬学的組成物を提供する。
【0016】
本発明はさらに、アレルギー、アレルギー誘発性気道応答および/もしくはうっ血を処置する方法を提供し、この方法は、少なくとも1つの式Iの化合物と少なくとも1つのHレセプターアンタゴニストとの組み合わせの有効量を、このような処置の必要な患者に投与する工程を包含する。
【0017】
本発明はさらに、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせた、少なくとも1つの式Iの化合物と、肥満症、メタボリックシンドローム、認知欠陥障害、NAFLD、肝臓脂肪症、NASH、肝硬変もしくは肝細胞癌を処置するのに有用な少なくとも1つの他の化合物との組み合わせの有効量を含む薬学的組成物を提供する。
【0018】
本発明はさらに、肥満症、メタボリックシンドロームもしくは認知欠陥障害を処置する方法を提供し、この方法は、少なくとも1つの式Iの化合物と、肥満症、メタボリックシンドローム、認知欠陥障害、NAFLD、肝臓脂肪症、NASH、肝硬変もしくは肝細胞癌を処置するのに有用な少なくとも1つの他の化合物との組み合わせの有効量を、このような処置の必要な患者に投与する工程を包含する。
【0019】
薬学的組成物中の式Iの化合物および薬学的組成物中の別のHレセプターアンタゴニストを、単一のパッケージ内に含むキットもまた企図され、薬学的組成物中の式Iの化合物、および薬学的組成物中の、肥満症、メタボリックシンドローム、認知欠陥障害、NAFLD、肝臓脂肪症、NASH、肝硬変もしくは肝細胞癌を処置するのに有用な別の化合物を、単一のパッケージ内に含むキットもまた企図される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(発明の詳細な説明)
式Iの構造中の可変物の好ましい定義は、以下のとおりである:
は、好ましくは、R10−アリールもしくはR10−ヘテロアリールである。さらに好ましくは、Rは、R10−フェニルもしくはR10−ヘテロアリールであり、ここで、ヘテロアリールは、6員環であり、特に、R10−ピリジルである。R10は、好ましくは、H、アルキル、ハロ、−CF、−CHFおよび−CNから独立して選択される1つもしくは2つの置換基である。
【0021】
可変物dおよびeは、好ましくは、それぞれ0である。
【0022】
は、好ましくは、Nである。Mは、好ましくは、CHもしくはCFであり、さらに好ましくは、CFである。Mは、好ましくは、Nである。
【0023】
可変物nおよびpは、好ましくは、それぞれ2である。
【0024】
可変物aおよびbは、好ましくは、それぞれ独立して0もしくは1であり、さらに好ましくは、0である。
【0025】
Yは、好ましくは、−C(=O)−である。
【0026】
Zは、好ましくは、C−Cアルキレン、−CH(R20)−[C(R21)(R23’)]1−5−、−CH(R20)−C(R20)=C(R20)−、−(CH−O−もしくはシクロアルキレン基によって中断されたC−Cアルキレンであり、ここで、R20は、好ましくは、Hであり、R21は、ハロである。さらに好ましくは、Zは、以下のうちの1つである:−CH−、−(CH−、−CH−CH=CH−、−(CH−CH(F)−、−CH−CH(F)−CH−、−(CH−O−もしくは
【0027】
【化8】


【0028】
は、好ましくは、R16−ヘテロアリール、さらに好ましくは、5員もしくは6員のR16−ヘテロアリール、特に、R16−ピリジル、R16−ピリミジル、R16−ピラダジニルもしくはR16−チアゾリルである。また、好ましいのは、Rが、R16−ヘテロシクロアルキルである化合物であり、R16−アゼチジニルもしくはR16−テトラヒドロピラニルがさらに好ましい。R16は、好ましくは、H、−CH、−NHおよび−NHCHから独立して選択される1つもしくは2つの置換基である。最も好ましいのは、2−アミノピリジンである。
【0029】
およびRが一緒に結合していない場合、好ましくは、Rは水素であり、Rは、水素、ハロ、−OH、アルコキシアルキルもしくは−(CH−N(R19)SO12であり、ここで、R19はHであり、そしてfは0であり;さらに好ましくは、RはHであり、そしてRはアルコキシアルキルである。
【0030】
およびRが、それらが結合している炭素と一緒に結合している場合、それらは、好ましくは、−C(=C(R15)(R18)−を形成し、ここで、R15およびR18はそれぞれHであるか、あるいはR15がHであり、かつR18はハロもしくはアルコキシ、さらに好ましくは、メトキシもしくはフルオロである。また、好ましいのは、R、Rおよびそれらが結合している炭素が、R13で置換されたシクロアルキル環(好ましくは、R13−シクロプロピル)を形成する化合物である。
【0031】
およびRは独立して、好ましくは、H、アルキル、OHもしくはフルオロから選択される。
【0032】
以下に例示されている化合物のうちの好ましい化合物は、実施例1、2、3、5、8、9、10、12、13、14、17、26、27、28、30、33、34、35、41、58、60、63、66、68、77、81、86、87、90、91、94、95、96、97、99、100、101および108のものである。
【0033】
さらに好ましいのは、実施例1、2、5、8、9、10、13、14、27、28、30、34、35、60、66、77、81、86、87および91の化合物である。
【0034】
本明細書中で使用される場合、以下の用語は、他に示されていない限り、以下の意味を有する:
可変物が式I中にあるところを基礎として、全ての2価のラジカルの左側は、式Iの左部分に結合し、そして全ての2価のラジカルの右側は、式Iの右側に結合し;例えば、Zが、−CH(R20)−C(R20)=C(R20)−である場合、可変物の「−CH(R20)」部分は、Mに結合し、そして「C(R20)=C(R20)−」部分は、Rに結合する。
【0035】
アルキル(例えば、アリールアルキルおよびアルコキシのアルキル部分を含む)は、直鎖状および分枝状の炭素鎖を表し、そして1〜6個の炭素原子を含む;
アルキレンは、二価の直鎖状もしくは分枝状のアルキル鎖(例えば、エチレン(−CH−)もしくはプロピレン(−CHCHCH−))を表す;
アルケニルは、1つもしくは2つの炭素−炭素二重結合を含む直鎖状もしくは分枝状C〜Cの炭素鎖を表し;アルケニレンは、二価のアルケニル基を表す;
ハロアルキルもしくはハロアルコキシは、1つもしくは2つの水素原子がハロゲン原子によって置換された、上記で定義したようなアルキルもしくはアルコキシ鎖(例えば、−CF、CFCHCH−、CFCF−もしくはCFO−)を表す;
アリール(アリールアルキルのアリール部分を含む)は、6〜15個の炭素原子を含み、そして少なくとも1つの芳香族環(例えば、アリールは、フェニル環もしくはナフチル環)を含む単環式もしくは多環式の炭素環式基を表し、ここで、炭素環式基の全ての利用可能な置換可能な炭素原子は、結合が可能な点であることが意図される;
アリールアルキルは、上記に定義したようなアルキル基に結合した、上記で定義したようなアリール基を表し、ここで、このアルキル基は、結合点である;
シクロアルキルは、3〜6つの炭素原子の飽和した炭素環式環を表す;
シクロアルケニルは、二価のシクロアルキル環(例えば、以下)を表す
【0036】
【化9】


ハロゲン(ハロ)は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを表す;
ヘテロアリールは、O、SもしくはNより選択される1〜4つのヘテロ原子を有し(このヘテロ原子は、炭素環式環の構造に割り込む)、そして芳香族の特徴を提供するのに充分な数の非局在化π電子を有する環式基を表し、この芳香族複素環式基は、好ましくは、2〜14個の炭素原子を有する。この環は、隣接する酸素原子および/もしくは硫黄原子を含まない。例としては、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、フラザニル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、チエニル、フラニル(フリル)、ピロリル、ピラゾリル、ピラニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジル(例えば、2−、3−もしくは4−ピリジル)、ピリジルN−酸化物(例えば、2−、3−、もしくは4−ピリジルN−酸化物)、トリアジニル、プテリジニル、インドリル(ベンゾピロリル)、ピリドピラジニル、イソキノリニル、キノリニル、ナフチリジニルが挙げられるが、これらに限定されず、全ての利用可能な置換可能な炭素原子および窒素原子は、定義されたように置換され得る;
ヘテロシクロアルキルは、3〜15個の炭素原子、好ましくは4〜6個の炭素原子を含む飽和した炭素環式環を表し、ここで、炭素環式環は、−O−、−S−、−SO−、−SO−もしくは−NR40−から選択される1〜3個のヘテロ原子によって割り込まれ、ここで、R40は、H、C〜Cアルキル、アリールアルキル、−C(O)R30、−C(O)OR30もしくは−C(O)N(R30(ここで、各R30は、H、アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群より独立して選択される)を表し;例としては、2−もしくは3−テトラヒドロフラニル、2−もしくは3−テトラヒドロチエニル、2−、3−もしくは4−ピペリジニル、2−もしくは3−ピロリジニル、2−もしくは3−ピペリジニル(pyperizinyl)、2−もしくは4−ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、1,3,5−トリチアニル、硫化ペンタメチレン、ペルヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、酸化トリメチレン、アゼチジニル、1−アザシクロヘプタニル、1,3−ジチアニル、1,3,5−トリオキサニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,4−チオキサニル、および1,3,5−ヘキサヒドロトリアジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロピラニルが挙げられるが、これらに限定されない;
ヘテロシクロアルキレンは、二価のヘテロシクロアルキル基を表す;
ヘテロシクロアルキルアルキルは、上記で定義したようなアルキル基と結合した上記で定義したようなヘテロシクロアルキル基を表し、ここで、このアルキル基は、結合点である。
【0037】
また、本明細書中で使用される場合、「上気道」は、上部の呼吸系(すなわち、鼻、のどおよび関連する構造体)を通常意味する。
【0038】
「有効量」もしくは「治療上有効な量」は、上記の疾患を抑制し、ゆえに、所望する治療的、改善的、抑制的もしくは予防的効果を生み出すに有効な本発明の化合物もしくは組成物の量を記載することが意味される。
【0039】
環内に引かれている線は、表示された結合が置換可能な環の炭素原子のいずれかに結合され得ることを意味する。
【0040】
用語「置換された」は、示された原子上の1つ以上の水素が、記載された群から選択されたものでとって代えられており、ただし、示された原子の既存の環境下での通常の原子価を超えておらず、そして、この置換が安定した化合物を生じることを意味する。置換基および/もしくは可変物との組み合わせは、このような組み合わせによって安定した化合物を生じる限り、許容可能である。「安定した化合物」もしくは「安定した構造」は、反応混合物からの有用な程度の純度への単離、および有効な治療剤への処方に絶えるのに十分に頑丈な化合物を意味する。
【0041】
用語「必要に応じて置換された」は、特定の基、ラジカルもしくは部分による必要に応じた置換を意味する。
【0042】
化合物の「精製された」、「精製された形態」、もしくは「単離され精製された形態」という用語は、合成プロセスもしくは天然資源またはこれらの組み合わせから単離された後の上記化合物の物理的状態をいう。ゆえに、化合物の「精製された」、「精製された形態」、もしくは「単離され精製された形態」という用語は、本明細書中に記載のもしくは当業者には周知の精製プロセスから得られた後の、本明細書中に記載のもしくは当業者には周知の標準的な分析技術によって特性を明らかにされるに充分な純度を有する、上記化合物の物理的状態をいう。
【0043】
本明細書中の本文、スキーム、実施例および表中の不十分な原子価の任意の炭素およびヘテロ原子は、その原子価を満たすために十分な数の水素原子を有するものとすることもまた注意されるべきである。
【0044】
化合物内の官能基が「保護」と称される場合、それは、化合物が反応に供される場合に、保護された位置での望ましくない副反応を妨ぐためにその基が修飾された形態であることを意味する。適切な保護基は、当業者によって認識されており、ならびに標準的な教科書、例えばT.W.Greeneら、Protective Groups in organic Synthesis(1991)、Wiley、New Yorkによって参照される。
【0045】
いずれかの構成成分中もしくは式I中に、1つより多くの可変物(例えば、アリール、ヘテロシクロアルキル、Rなど)がある場合、それぞれの存在におけるその定義は、その他の存在におけるその定義とは独立する。
【0046】
本明細書中で使用される場合、用語「組成物」は、特定の要素を特定の量で含む生成物、ならびに特定の要素の特定の量での組み合わせから直接的にもしくは間接的に生じた任意の生成物を包含することが意図される。
【0047】
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物もまた本明細書中で企図される。プロドラッグに関する考察は、A.C.S.Symposium SeriesのT.Higuchi and V.Stella、Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987)14、およびBioreversible Carriers in Drug Design、(1987)Edward B.Roche編、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press内に提供されている。用語「プロドラッグ」は、インビボで変換され、式(I)の化合物またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物を生じる化合物(例えば、薬物の前駆物質)を意味する。この変換は、多種のメカニズム(例えば、代謝プロセスもしくは化学的プロセス)によって起こり得る(例えば、血液中の加水分解をとおして)。プロドラッグの使用に関する考察は、A.C.S.Symposium SeriesのT.Higuchi and W.Stella、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、Vol. 14によって、およびBioreversible Carriers in Drug Design、Edward B. Roche(編)、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987内に提供されている。
【0048】
例えば、式Iの化合物または、この化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物が、カルボン酸官能基を含む場合、プロドラッグは、酸の基の水素原子を基(例えば、(C−C)アルキル、(C−C12)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5〜8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、γ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル(例えば、β−ジメチルアミノエチル)、カルバモイル−(C−C)アルキル、N,N−ジ(C−C)アルキルカルバモイル−(C−C)アルキルおよびピペリジノ−、ピロリジノ−もしくはモルホリノ(C−C)アルキルなど)で置き換えることによって形成されるエステルを含み得る。
【0049】
同様に、式Iの化合物が、アルコール官能基を含む場合、プロドラッグは、アルコール基の水素原子を基(例えば、(C−C)アルカノイルオキシメチル、1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、(C−C)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C−C)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C−C)アルカノイル、α−アミノ(C−C)アルカニル、アリールアシルおよびα−アミノアシルもしくはα−アミノアシル−α−アミノアシル(ここで、各α−アミノアシル基は、天然のL−アミノ酸より独立して選択される)、P(O)(OH)、−P(O)(O(C−C)アルキル)もしくはグリコシル(炭水化物のヘミアセタール形態のヒドロキシル基を取り除くことで生じるラジカル)など)で置き換えることによって形成され得る。
【0050】
式Iの化合物がアミン官能基を含む場合、プロドラッグは、アミン基中の水素原子を、基(例えば、R’’およびR’’’がそれぞれ独立して(C−C10)アルキル(C−C)シクロアルキル、ベンジルであるか、またはR’’−カルボニルが天然α−アミノアシルもしくは天然α−アミノアシルである、R’’−カルボニル、R’’O−カルボニル、NR’’R’’’−カルボニル;YがH、(C−C)アルキルもしくはベンジルである、−C(OH)C(O)OY;Yが(C−C)アルキルであり、Yが(C−C)アルキル、カルボキシ(C−C)アルキル、アミノ(C−C)アルキルまたはモノ−N−もしくはジ−N,N−(C−C)アルキルアミノアルキルである、−C(OY)Y;YがHもしくはメチルであり、そしてYがモノ−N−もしくはジ−N,N−(C−C)アルキルアミノモルホリノ、ピペリジン−1−イルまたはピロリジン−1−イルである−C(Y)Yなど)で置き換えることで形成され得る。
【0051】
「溶媒和物」は、1つ以上の溶媒分子をもつ本発明の化合物の物理的会合を意味する。この物理的会合は、様々な程度のイオン結合および水素結合を含む共有結合を含む。特定の実例中において、溶媒和物は単離可能で、例えば1つ以上の溶媒分子が結晶性の固体の結晶格子内に含まれている。「溶媒和物」は、溶液相および単離可能な溶媒和物の両方を包含する。適切な溶媒和物の非限定的な例としては、エタノラート(ethanolate)、メタノラート(methanolate)などが挙げられる。「水和物」は、溶媒分子がHOである溶媒和物である。
【0052】
式Iの化合物は、塩を形成し得、この塩もまた本発明の範囲内にある。他に示されない限り、本明細書中の式Iの化合物への言及は、その塩への言及を含むと理解される。用語「塩」は、本明細書中で使用される場合、無機酸および/もしくは有機酸を使って形成される酸性塩、ならびに無機塩基および/もしくは有機塩基を使って形成される塩基性塩を示す。さらに、式Iの化合物が塩基性部分(例えば、ピリジンもしくはイミダゾールだが、これらに限定されない)、および酸性部分(例えば、カルボン酸だが、これに限定されない)の両方を含む場合、両性イオン(「分子内塩」)が形成され得、これは、本明細書中で使用される場合、用語「塩」に含まれる。薬学的に受容可能な(すなわち、非毒性で生理学上受容可能な)塩が好ましいが、他の塩もまた有用である。例えば、媒質中(例えば、塩を沈殿させる媒質中もしくはその後凍結乾燥を行う水性媒質中)で式Iの化合物とある量(例えば、等量)の酸もしくは塩基を反応させることにより、式Iの化合物の塩が形成され得る。
【0053】
典型的な酸付加塩としては、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシレートとしても公知)などが挙げられる。さらに、塩基性の薬学的化合物から薬学的に有用な塩を形成するために適切であると一般的に考えられる酸は、例えばP.Stahlら、Camille G.(編)Handbook of Pharmaceutical Salts. Properties, Selection and Use.(2002)Zurich:Wiley−VCH;S.Bergeら、Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1)1−19;P.Gould,International J.of Pharmaceutics(1986)33 201−217;Andersonら、The Practice of Medicinal Chemistry(1996)、Academic Press、New Yorkによって;およびThe Orange Book(Food & Drug Administration、Washington,D.C.ウェブサイトにて)中で議論されている。これらの開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0054】
典型的な塩基性塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、リチウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、有機塩基(例えば、有機アミン)を有する塩(例えば、ジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミン)、およびアミノ酸を有する塩(例えば、アルギニン、リジン)などが挙げられる。塩基性の窒素含有基は、因子(例えば、ハロゲン化低級アルキル(例えば、メチル、エチル、およびブチルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸のジメチル、ジエチル、およびジブチル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、デシル、ラウリル、およびステアリルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物)、ハロゲン化アラルキル(例えば、ベンジルおよびフェネチルの臭化物)など)によって、四級化され得る。
【0055】
このような酸性塩および塩基性塩は全て、本発明の範囲内の薬学的に受容可能な塩であることが意図されており、全ての酸性塩および塩基性塩は、本発明の目的のためには、対応する化合物の遊離した形態と等価であるとみなされる。
【0056】
本発明の化合物の薬学的に受容可能なエステルは、以下の群を含む:(1)ヒドロキシ基のエステル化によって得られるカルボン酸エステル(ここで、エステル基のカルボン酸部分の非カルボニル部分は、直鎖状もしくは分枝状のアルキル(例えば、アセチル、n−プロピル、t−ブチルもしくはn−ブチル)、アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチル)、アラルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(例えば、フェノキシメチル)、アリール(例えば、必要に応じて(例えば、ハロゲン、C1−4アルキルもしくはC1−4アルコキシで)置換されたフェニル)またはアミノから選択される);(2)スルホネートエステル(例えば、アルキルスルホニルもしくはアラルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル));(3)アミノ酸エステル(例えば、L−バリルもしくはL−イソロイシル);(4)ホスホネートエステルおよび(5)モノ−、ジ−もしくはトリホスフェートエステル。ホスフェートエステルは、例えば、C1−20アルコールもしくはその反応性誘導体によって、または2,3−ジ(C6−24)アシルグリセロールによってさらにエステル化され得る。
【0057】
本発明の1つ以上の化合物は、溶媒和物としても存在してもよく、もしくは必要に応じて溶媒和物に変換されてもよい。溶媒和物の調製は、一般的に公知である。ゆえに、例えば、M.Cairaら、J.Pharmaceutical Sci.、93(3)、601−611(2004)は、酢酸エチル中のならびに水からの抗真菌性フルコナゾールの溶媒和物の調製を記載している。溶媒和物、半溶媒和物、水和物などの同様の調製は、E.C.van Tonderら、AAPS PharmSciTech.、5(1)、論説12(2004);およびA.L.Binghamら、Chem.Commun.、603−604(2001)によって記載されている。典型的な非限定的なプロセスは、本発明の化合物を望ましい量の望ましい溶媒(有機溶媒もしくは水またはこれらの混合物)に、周囲温度より高い温度で溶解し、そしてこの溶液を、結晶を形成するに十分な速度で冷却し、この結晶を、次いで、標準的な方法によって単離することを含む。分析技術(例えば、I.R.分光学)は、溶媒和物(もしくは水和物)としての結晶中のその溶媒(もしくは水)の存在を示す。
【0058】
式Iの化合物、ならびにその塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグは、それらの互変異性体の形態で(例えば、アミドもしくはイミノエーテルとして)存在し得る。このような互変異性の形態は全て、本明細書中で、本発明の一部として企図される。
【0059】
本化合物の全ての立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性体など)(化合物の塩、溶媒和物、エステル、およびプロドラッグの立体異性体、ならびにプロドラッグの塩、溶媒和物、およびエステルの立体異性体を含む)(例えば、エナンチオマー形態(不斉炭素がなくても存在し得る)、回転異性体の形態、アトロプ異性体、およびジアステレオマーの形態を含め、種々の置換基上の不斉炭素のために存在し得るもの)は、位置異性体(例えば、4−ピリジルおよび3−ピリジル)と同様に、本発明の範囲内にあることが企図される。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば他の異性体を実質的に含まなくてもよいし、または例えばラセミ体として、あるいは他の全ての立体異性体と、もしくは他の選択された立体異性体と混合されてもよい。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Recommendationsによって定義されているようにS配置もしくはR配置を有し得る。「塩」、「溶媒和物」、「エステル」、「プロドラッグ」などの用語の使用は、本発明の化合物のエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ体、もしくはプロドラッグの塩、溶媒和物、エステル、およびプロドラッグに等しく適用されることが意図される。
【0060】
式Iの化合物ならびに式Iの化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグの多形形態は、本発明に含まれることが意図される。
【0061】
本発明の化合物は、Hレセプターアンタゴニストと合わせられ得る(すなわち、本発明の化合物は、Hレセプターアンタゴニストと薬学的組成物中で合わせられ得るか、もしくは本発明の化合物は、Hレセプターアンタゴニストと共に投与され得る)。
【0062】
非常に多くの化学物質が、ヒスタミンHレセプターアンタゴニスト活性を有することが公知であり、ゆえに、これらは本発明の方法において使用され得る。代表的なHレセプターアンタゴニストとしては、アステミゾール、アザタジン、アゼラスチン、アクリバスチン(acrivastine)、ブロムフェニラミン(brompheniramine)、セチリジン(cetirizine)、クロルフェニラミン、クレマスチン、シクリジン、カレバスチン(carebastine)、シプロヘプタジン、カルビノキサミン、デスカルボエトキシロラタジン(descarboethoxyloratadine)、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、ジメチンデン、エバスチン、エピナスチン、エフレチリジン(efletirizine)、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン、ケトチフェン、ロラタジン、レボカバスチン、メクリジン、ミゾラスチン(mizolastine)、メキタジン、ミアンセリン、ノベラスチン(noberastine)、ノルアステミゾール(norastemizole)、ピクマスト(picumast)、ピリラミン、プロメタジン、テルフェナジン、トリペレナミン(tripelennamine)、テメラスチン(temelastine)、トリメプラジンおよびトリプロリジンが挙げられるが、これらに限定されない。他の化合物は、公知の方法によって、Hレセプターにおける活性(単離されたモルモット回腸のヒスタミンに対する収縮性応答の特異的な遮断を含む)を決定するために、容易に評価され得る。例えば、1998年2月19日に公開されたWO98/06394を参照されたい。
【0063】
レセプターアンタゴニストが公知の治療学的に有効な用量で使用されるか、もしくはHレセプターアンタゴニストがその通常の処方される投与量で使用されることを当業者は理解する。
【0064】
好ましくは、このHレセプターアンタゴニストは、アザタジン、ブロムフェニラアミン、セチリジン、クロルフェニラミン、カレバスチン、デスカルボエトキシロラタジン、ジフェンヒドラミン、エバスチン、フェキソフェナジン、ロラタジンもしくはノルアステミゾールから選択される。さらに好ましくは、このHアンタゴニストは、ロラタジン、デスカルボエトキシロラタジン、フェキソフェナジンもしくはセチリジンから選択される。
【0065】
好ましくは、HアンタゴニストとHアンタゴニストとの上記の組み合わせにおいて、鼻のうっ血が処置される。
【0066】
用語「メタボリックシンドローム」は、National Cholesterol Education Program’s Adult Treatment Panel IIIレポート中で認定される心臓血管疾患(CVD)のリスク因子の組み合わせをいう。例えば、Grundyら、Circulation、109(2004)、433−438中の議論を参照されたい。メタボリックシンドロームの要素は:1)腹部肥満;2)アテローム発生性脂質異常症;3)上昇した血圧;4)インスリン抵抗性;5)前炎症性状態;および6)前血栓状態である。
【0067】
減量剤としては、食欲抑制剤、代謝率増強剤および栄養吸収インヒビターが挙げられる。肥満症もしくはメタボリックシンドロームを処置するのに有用な食欲抑制剤としては、カンナビノイドレセプター1(CB)アンタゴニストもしくは逆アゴニスト(例えば、リモナバント);神経ペプチドY(NPY1、NPY2、NPY4およびNPY5)アンタゴニスト;代謝型グルタミン酸サブタイプ5レセプター(metabotropic glutamate subtype 5 receptor)(mGluR5)アンタゴニスト(例えば、2−メチル−6−(フェニルエチニル)−ピリジンおよび3[(2−メチル−1,4−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン);メラニン濃縮ホルモンレセプター(MCH1RおよびMCH2R)アンタゴニスト;メラノコルチンレセプターアゴニスト(例えば、メラノタン−II(Melanotan−II)およびMc4rアゴニスト);セロトニン取り込みインヒビター(例えば、デクスフェンフルラミン(dexfenfluramine)およびフルオキセチン);セロトニン(5HT)輸送体インヒビター(例えば、パロキセチン、フルオキセチン、フェンフルラミン、フルボキサミン、セルタリン(sertaline)およびイミプラミン);ノルエピネフリン(NE)輸送インヒビター(例えば、デシプラミン、タルスプラム(talsupram)およびノミフェンシン(nomifensine));グレリンアンタゴニスト;レプチンもしくはその誘導体;オピオイドアンタゴニスト(例えば、ナルメフェン(nalmefene)、3−メトキシナルトレキソン(3−methoxynaltrexone)、ナロキソン、およびナルトレキソン(nalterxone));オレキシンアンタゴニスト;ボンベシンレセプターサブタイプ3(BRS3)アゴニスト;コレシストキニン−A(CCK−A)アゴニスト;毛様体神経栄養因子(CNTF)もしくはその誘導体(例えば、ブタビンジド(butabindide)およびアクソキン(axokine));モノアミン再取り込みインヒビター(例えば、シブトラミン);グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)アゴニスト;トピラメート;およびフィトファーム(phytopharm)化合物57が挙げられる。代謝率増強剤としては、アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2(ACC2)インヒビター;βアドレナリン作用性レセプター3(β3)アゴニスト;ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼインヒビター(DGAT1およびDGAT2);脂肪酸シンターゼ(FAS)インヒビター(例えば、Cerulenin);ホスホジエステラーゼ(PDE)インヒビター(例えば、テオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト(zaprinast)、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド(cilostamide)、ロリプラム(rolipram)およびシロミラスト(cilomilast));甲状腺ホルモンβアゴニスト;脱共役タンパク質活性化因子(UCP−1、2もしくは3)(例えば、フィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸およびレチノイン酸);アシル−エストロゲン(例えば、オレオイル−エストロン);グルココルチコイドアンタゴニスト;11−βヒドロキシルステロイドデヒドロゲナーゼタイプ1(11β HSD−1)インヒビター;メラノコルチン−3レセプター(Mc3r)アゴニスト;およびステアロイル−CoA(stearoyl−CoA)デサチュラーゼ−1(SCD−1)化合物が挙げられる。栄養吸収インヒビターとしては、リパーゼインヒビター(例えば、オルリスタット、リプスタチン(lipstatin)、テトラヒドロリプスタチン(tetrahydrolipstatin)、茶サポニンおよびジエチルウンベリフェリルホスフェート);脂肪酸輸送体インヒビター;ジカルボキシレート輸送体インヒビター;グルコース輸送体インヒビター;およびリン酸輸送体インヒビターが挙げられる。
【0068】
肥満症およびメタボリックシンドロームを処置するための組み合わせにおいて使用するための特定の化合物としては、リモナバント、2−メチル−6−(フェニルエチニル)−ピリジン、3[(2−メチル−1,4−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン、メラノタン−II、デクスフェンフルラミン、パロキセチン、フルオキセチン、フェンフルラミン、フルボキサミン、セルタリン、イミプラミン、デシプラミン、タルスプラム、ノミフェンシン、レプチン、ナルメフェン、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソン、ブタビンジド、アクソキン、シブトラミン、トピラメート、フィトファーム化合物57、Cerulenin、テオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラム、シロミラスト、フィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸、レチノイン酸、オレオイル−エストロン、オルリスタット、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン、茶サポニンおよびジエチルウンベリフェリルホスフェートが挙げられる。
【0069】
肥満症およびメタボリックシンドロームを処置するための組み合わせにおいて使用するための好ましい化合物としては、リモナバント、デクスフェンフルラミン、フェンフルラミン、フェンテルミン、レプチン、ナルメフェン、アクソキン、シブトラミン、トピラメート、フィトファーム化合物57、オレオイル−エストロンおよびオルリスタットが挙げられる。
【0070】
また、好ましいのは、メタボリックシンドロームもしくは肥満症を処置するための1つ以上の式Iの化合物と1つ以上のHMG−CoAレダクターゼインヒビターおよび/または1つ以上の置換アゼチジノンもしくは置換β−ラクタムステロール吸収インヒビターとの組み合わせである。
【0071】
典型的なHMG−CoAレダクターゼインヒビターとしては、例えば、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、レスバスタチン(resuvastatin)、セリバスタチン、リバスタチン(rivastatin)およびピタバスタチンが挙げられる。
【0072】
本明細書中で使用される場合、「ステロール吸収インヒビター」は、これらが治療上有効な(ステロールおよび/もしくは5α−スタノールの吸収を阻害する)量で、哺乳動物もしくはヒトに投与された際に、1つ以上のステロール(コレステロール、フィトステロール(例えば、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロールおよびアベノステロール(avenosterol)を含むが、これらに限定されない)、5α−スタノール(例えば、コレスタノール、5α−カンペスタノール、5α−シトスタノール)、および/もしくはこれらの混合物の吸収を阻害することが可能な化合物を意味する。
【0073】
適切な置換アゼチジノンおよびそれを作るための方法の非限定的な例としては、
【0074】
【化10】

、N−スルホニル−2−アゼチジノン(例えば、米国特許4,983,597中に開示されているもの)、エチル4−(2−オキソアゼチジン−4−イル)フェノキシ−アルカノエート(例えば、Ramら、Indian J. Chem.Sect.B.29B、12(1990)、p.1134−7に開示されているもの)、ならびにジフェニルアゼチジノンおよびその誘導体(
【0075】
【化11】

中に開示されているもの)が挙げられ、これらのそれぞれは、本明細書中に参考として援用される。
【0076】
適切な置換アゼチジノン化合物の例は、以下の式(A)(エゼチミブ(ezetimibe)):
【0077】
【化12】

、または式(A)の化合物の薬学的に受容可能塩もしくは溶媒和物によって表される。式(A)の化合物は、無水物もしくは水和物の形態であり得る。エゼチミブ化合物を含む製品は、ZETIA(登録商標)エゼチミブ処方物として、MSP Pharmaceuticalsより市販されている。
【0078】
認知欠陥障害の処置のために本発明のHアンタゴニストと組み合わせて使用するための典型的な化合物は、ADHDの処置のためのアトモキセチンおよびデキサメチルフェニデート(dexmethylphenidate)、統合失調症の処置のためのオランザピン、リスペリドンもしくはアリピプラゾール、ならびにアルツハイマー病の処置のためのドネペジル、ヘプチルフィゾスチグミン(heptylphysostigmine)、タクリン、リバスチグミン(rivastigmine)もしくはガランタミンである。
【0079】
本発明のHアンタゴニストと、Hアンタゴニストまたは肥満症、メタボリックシンドロームもしくは認知欠陥障害を処置するのに有用な別の化合物との組み合わせが投与される本発明の方法において、このHアンタゴニストおよび他の化合物は、同時に(同じ時に単一の投薬形態でもしくは別々の投薬形態で)投与され得るか、もしくは逐次的に(ある期間中にまず一方を、そしてその後に他方を)投与され得る。
【0080】
式Iの化合物の調製は、当業者に公知の多くの方法において理解され得る。以下は、多種の化合物を調製するための典型的手順であり;他の手順もまた適用され得、そしてこれらの手順は、式Iの範囲内で他の化合物を調製するように改変され得る。当業者は、付属の置換基の選択に依存して1つの経路が最適であることを理解する。さらに、いくつかの場合において、官能基の不適合性を避けるために工程の順序がコントロールされるべきであることを当業者は理解する。
【0081】
本発明の化合物は、以下のスキーム1およびスキーム2に概説されている2つの一般的アプローチのうちの1つをとおして調製され得る;示されている構造において、dおよびeはそれぞれ、0であり、Yは、−C(O)−であり、Mは、Nである。スキーム1は、収束型合成を示し、ここで、分子のAB部分およびCD部分が一緒に結合される:AB+CD=ABCD。
【0082】
(スキーム1)
【0083】
【化13】

あるいは、スキーム2において、化合物は、AB部位とC部位との結合をとおしてABC部分を組み立てて(PGは、保護基である)、そしてその後、Dフラグメント(Halは、ハロ原子である)を加えることによる線形合成において調製される:AB+C=ABC;ABC+D=ABCD。
【0084】
(スキーム2)
【0085】
【化14】

特に、スキーム中に示すようにM−Yがアミドフラグメントを構成するこれらのアプローチの具体的な例としては、第二アミン1(ABフラグメントの例)とカルボン酸リチウム塩2もしくは3(それぞれCDフラグメントもしくはCフラグメントの例)との間のアミドカップリングが挙げられる。あるいは、カルボン酸リチウム塩2もしくは3は、対応する酸塩化物2aもしくは3aに変換され、その後、アミン1とカップリングされる。ABC中間体の、最終化合物への変換は、例えば、MがNを表す特定の場合において、第二アミンの脱保護、続いて求電子性のDフラグメント(これは、最も典型的には、アルデヒド4(還元的アミノ化)もしくはハロゲン化物4a(アルキル化)(スキーム2)であるが、エポキシドもしくは他の求電子剤によっても表され得る)との反応をとおして完了される。基R、R、RおよびRの特性に依存して、いずれの一連の合成における最後の工程も分子中に存在する保護基を切断して最終化合物5を得ることを含む。
【0086】
−Y−Mがケトンを構成する場合(すなわち、MがCHであり、Yが−C(O)−であり、そしてMがCHである場合)、BフラグメントとCフラグメントとの間の結合は、適切なB環ベースの炭素求電子剤(例えば、Grignard試薬もしくは遷移金属ベースの試薬(Zn、Pd、Sn))(対応するB−環ハロゲン化シクロアルキルより誘導された)と、C環ベースのWeinrebアミドもしくはアルデヒド(酸3から生成された(スキーム2を参照されたい))または任意の他の適切な求電子剤(例えば、ハロゲン化ビニル)との反応をとおして確立され得る。当業者は、このアプローチは、ケトン官能基の合成を完了させるために周知の合成手順(例えば、アルコールの酸化もしくはアルケンのオゾン分解)を続ける必要があり得ることを理解する。
【0087】
CフラグメントおよびDフラグメントの種々の例ならびにCD部分、C部位およびD部位別々の合成、ならびに始めのABフラグメントへのCフラグメントの付加そしてその後のDフラグメントの付加において使用された方法が、例えば、米国特許第6,720,378号および米国特許出願公開第2004/0097483号中に先立って記載されている。
【0088】
分子中のAB部分の組み立ては、スキーム3に示されるように達成される。
【0089】
(スキーム3)
【0090】
【化15】

中間体ABは、Rから誘導されたタイプA(a)の有機金属試薬(最も典型的には、Metは、LiもしくはMgClであるが、遷移金属(例えば、Pd)によっても介在され得る)と、タイプB(a)の適切な求電子剤(これは、最も典型的には、アルデヒドもしくはアミドであるが、アルキルボランもしくは他の一般的な求電子剤でもあり得る)との反応をとおして調製される。A(a)とB(a)との反応後には、所望する基RおよびRを取り付けるための官能基変換が続く。種々のABフラグメントの合成において使用される詳細な手順は、以下の実施例中に記載されている。
【0091】
記載されている物質を調製する際に使用された出発物質および試薬は、商業的供給元(例えば、Aldrich Chemical Co.(Wisconsin、USA)およびAcross Organics Co.(New Jersey、USA))より入手可能であるか、あるいは、当業者に公知の文献の方法によって調製されたかのいずれかである。
【0092】
式Iの化合物は、上記に概説される一般的方法によって調製され得る。具体的に例示された化合物は、当該分野において公知な出発物質から以下の実施例に記載のように調製されたか、もしくは以下に記載のように調製された。これらの実施例は、本発明をさらに説明するために提供されている。これらは、単に説明の目的のためであって;本発明の範囲を、いかなる様にも限定するものとしてみなされるべきでない。
【0093】
別に示されていない限り、以下の略語は、以下の実施例において、下記の意味を有する:
Me=メチル;Et=エチル;Bu=ブチル;Pr=プロピル;Ph=フェニル;t−BOCもしくはBOC=tert−ブトキシカルボニル;およびAc=アセチル
9−BBN=9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−borabucyclo[3.3.1]nonane)
DAST=3フッ化ジエチルアミノ硫黄
DCM=ジクロロメタン
DIBAL=水素化ジイソブチルアルミニウム
DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン
DMAP=4−ジメチルアミノピリジン
DMF=ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
EDCI=1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド
HOBT=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
rt=室温
TBSCl=tert−ブチルジメチルシリル塩化物
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
TEMPO=2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、フリーラジカル
TLC=薄層クロマトグラフィー
HRMS=高分解能質量分析法
LRMS=低分解能質量分析法
nM=ナノモル濃度
Ki=基質/レセプター複合体の解離定数
pA2=J.Hey、Eur.J.Pharmacol、(1995)、Vol.294、329−335によって定義されるとおりの−logEC50
Ci/mmol=キュリー/mmol(比放射能の尺度)
【実施例】
【0094】
(実施例1)
【0095】
【化16】

2−ブロモ−5−フルオロピリジン(2.0g、11.4mmol)のトルエン(20ml)中の溶液を、−78℃まで冷却したn−BuLi(5.0ml、12.5mmol)のトルエン(80ml)中の溶液にゆっくり加え、そしてこの混合物を、−78℃で30分間攪拌した。アルデヒド6(3.64g、17.0mmol)のトルエン(20ml)中の溶液を加え、そしてこの反応混合物を、−78℃で2時間攪拌した。−78℃にてAcOHでこれをクエンチングし、そして水で希釈した。生成物をCHClで抽出し、そして有機層をNaSOで乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィーによる精製(MeOH/CHCl中の0〜1%2N NH)から、3.50g(99%)のアルコール7を、黄色がかった油状物として得た。
【0096】
【化17】

アミン7(315mg、1.02mmol)のTFA/CHCl(25%の10ml)中の溶液を、6時間室温で攪拌した。この混合物を真空下で濃縮し、そして残渣をフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CHCl中4%2N NH)にかけ、遊離アミン(176mg、0.84mmol)を得た。このアミンを、酸塩化物2d(実施例2の工程2を参照されたい(452mg;1.26mmol)、一滴のDMFを含むCHCl(15ml)中、室温で1時間攪拌し、そして真空下で乾燥状態まで濃縮した)およびCHCl(20ml)中のDIPEA(0.51ml;2.93mmol)と合わせた。この混合物を、室温で2時間攪拌し、水性NaHCOで後処理し、CHClで抽出し、続いてフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CHCl中1〜2%2N NH)にかけ、カップリングさせた生成物(153mg、0.28mmol)を、オフホワイト色の固体として得た。この固体をTFA/CHCl(25%の10ml)中に溶解し、そしてこの溶液を、室温で6時間攪拌した。この混合物を、真空下で濃縮し、そして残渣を水性NaHCOで後処理し、CHClで抽出し、続いてフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CHCl中2〜4%2N NH)にかけて、94mg(0.21mmol)の表題の化合物を白色の固体として得た。MS(M+H):446。
【0097】
(実施例2)
【0098】
【化18】

−78℃まで冷却したアルコール7(1.0g、3.22mmol)のCHCl(15ml)中の溶液に、DAST(0.51ml、3.87mmol)を加え、そしてこの反応混合物を、−78℃で1時間攪拌した。これを、室温まで温めて、そして1時間攪拌した。水を加え、続いて、飽和した水性NaHCO溶液を加えた。生成物をCHClで抽出し、そして有機層を、NaSOで乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(1〜2%EtOAc/CHCl)による精製から、8(0.614g、1.97mmol)を、黄色がかった油状物として得た。
【0099】
【化19】

Boc保護アミン8のTFA/CHCl(25%の20ml)中の溶液を、室温で6時間攪拌した。この混合物を、真空下で濃縮し、そして残渣を、水性NaHCOで後処理し、CHClで抽出して、粗製の遊離アミン(417mg)を、黄色がかった油状物として得た。アミドカップリングに関しては、粗製アミン(83mg)を、N−Boc−酸リチウム塩2d(167mg、0.47mmol)[WO2002/032893の実施例31の工程1〜4中に記載のように調製され、これは、本明細書中に参考として援用される]、HOBT(79mg、0.58mmol)、EtN(0.13ml、0.97mmol)およびEDCl(112mg、0.58mmol)を、CHCl−DMF(10mlの1:1混合物)中に合わせた。この混合物を、70℃で8時間攪拌し、その後、室温で一晩攪拌した。水性NaHCOでの後処理、CHClでの抽出、そしてフラッシュクロマトグラフィー(1−2% MeOH/CHCl)にかけて、カップリングした化合物(145mg)を、白色の固体として得た。実施例1に記載のような、TFA/CHClでのその後の脱保護によって、118mg(0.26mmol)の表題の化合物を、黄色がかった泡状物として得た。MS(M+H):448。
【0100】
(実施例3)
【0101】
【化20】

ピリジン9(1.00g、6.06mmol)のTHF(40ml)中の−78℃の溶液に、ヘキサン(6.00mmol)中のBuLi溶液(2.5Mの2.4ml)を加え、そして反応混合物を、−78℃で1時間攪拌した。その後、アルデヒド6(1.90g;8.91mmol)のTHF中の溶液を加え、そして反応混合物を、−78℃でさらに2時間攪拌した。この反応混合物を、水でクエンチングし、そしてAcOHでpH7にし、その後、CHClで抽出した。有機相を濃縮し、そして残渣をフラッシュクロマトグラフィー(1% MeOH/CHCl)にかけて、10(660mg、1.74mmol)を、黄色の油状物として得た。
【0102】
実施例2中に記載されるBOC脱保護およびアミドカップリングの工程を使用して、表題の化合物を得た(MS(M+H):516)。
【0103】
(実施例4)
【0104】
【化21】

アルコール11(0.40g、0.98mmol)[実施例3に記載のように調製]の1,4−ジオキサン(5ml)中の溶液に、水性NaOH(0.08g、2.00mmol)溶液(5ml)を加え、続いて、亜鉛粉末(0.18g、2.75mmol)を加え、そしてこの反応混合物を、室温で一晩攪拌した。この混合物を、飽和した水性NHCl溶液で中和し、そして生成物を、CHClで抽出した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜1% MeOH/CHCl)による精製から、12(0.26g、0.79mmol)を、透明の油状物として得た。
【0105】
表題の化合物への引き続きの変換を、前述の実施例に記載のように遂行した。MS(M+H):451。
【0106】
(実施例5)
【0107】
【化22】

アルコール7(9.0g、29.0mmol)のCHCl(200ml)中の溶液に、NaHCO(3.0g、35.6mmol)の飽和した水性溶液およびNaBr(0.15g、1.49mmol)を加えた。この混合物を、0℃まで冷却し、そしてTEMPO(0.05g、0.32mmol)を加え、続いて市販の漂白剤(NaOCl)(0.7M、85ml、59.5mmol)を少しずつ15分にわたって加えた。この反応混合物を、0℃で30分間攪拌し、そしてその後、飽和した水性Na溶液でクエンチングした。生成物を、CHClで抽出し、そして有機層を、NaSOで乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl)による精製から、6.31gの13を、黄色がかった油状物として得た。
【0108】
【化23】

−78℃まで冷却した臭化メチルトリフェニルホスホニウム(6.08g、17.0mmol)のTHF(60ml)中の懸濁液に、n−BuLi(ヘキサン中2.5M溶液、6.48ml;16.2mmol)を加え、そしてこの混合物を、−78℃で30分間攪拌し、そしてその後、0℃で45分間攪拌した。これを冷却して−78℃に戻して、そしてケトン13(2.50g、8.1mmol)のTHF(20ml)中の溶液を加えた。この反応混合物を、−78℃で30分間攪拌し、そして室温まで温めた。これを、水でクエンチングし、そして生成物をCHClで抽出した。有機層を、NaSOで乾燥させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(1:9:10 EtOAc/ヘキサン/CHCl)で精製して、1.45gの14を、黄色の油状物として得た。
【0109】
実施例2中に記載されるBOC脱保護およびアミドカップリングの工程を使用して、表題の化合物を得た(MS(M+H):442)。
【0110】
(実施例6)
【0111】
【化24】

ケトン13(0.60g、1.95mmol)および3−(アミノメチル)ピリジン(0.24ml、2.34mmol)のCHCl(2ml)中の溶液に、Ti(Oi−Pr)(1.16ml、3.89mmol)を加え、そしてこの混合物を、室温で一晩攪拌した。その後、これを0℃まで冷却し、そしてNaBHCN(0.37g、5.84mmol)のMeOH(4ml)中の溶液を加えた。この反応混合物を、室温で5時間攪拌し、そして1Nの水性NaOH溶液で中和した。生成物をCHClで抽出し、そして有機層を、NaSOで乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(1〜3% MeOH/CHCl)による精製から、0.35gの15を、黄色がかった油状物として得た。
【0112】
【化25】

アミン15(0.076g、0.19mmol)のCHCl(3ml)中の溶液に、トリフルオロ無水酢酸(0.04ml、0.28mmol)を加え、続いて、EtN(0.08ml、0.57mmol)を加え;この反応混合物を、室温で3時間攪拌した。これを、飽和した水性NaHCO溶液でクエンチングして、そして生成物をCHClで抽出した。有機層を、NaSOで乾燥させ、そして濃縮して、0.094gの16を、黄色がかった油状物として得た。
【0113】
実施例2中に記載されるBOC脱保護およびアミドカップリングの工程を使用して、表題の化合物を得た(MS(M+H):632)。
【0114】
(実施例7)
【0115】
【化26】

実施例6(0.010g、0.016mmol)のEtOH(1ml)中の溶液を、NaBH(0.006g、0.16mmol)で、60℃で3時間処理した。この反応混合物を、飽和した水性NaHCO溶液でクエンチングして、そして生成物を、CHClで抽出した。有機層を、NaSOで乾燥させ、そして分取用TLC(10% MeOH/CHCl)によって精製して、表題の化合物(0.004g)を、黄色がかった固体として得た。MS(M+H):536。
【0116】
(実施例8)
【0117】
【化27】

−78℃に冷却した塩化(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウム(3.50g、10.2mmol)のTHF(30ml)中の懸濁液に、n−BuLi(ヘキサン中2.5M溶液の3.89ml、9.73mmol)をゆっくり加え、そしてオレンジ色の混
合物を、−78℃で30分間攪拌し、そしてその後、0℃で45分間攪拌した。これを、冷却して−78℃まで戻して、そして、ケトン13(1.50g、4.86mmol)のTHF(20ml)中の溶液を加えた。この反応混合物を、−78℃で30分間攪拌して、そして室温まで温めた。これを、水でクエンチングして、そして生成物をCHClで抽出した。有機層を、NaSOで乾燥させ、フラッシュクロマトグラフィー(0〜1% EtOAc/CHCl)で精製して、1.36g(83%)の17を、黄色がかった油状物として得た。
【0118】
実施例2中に記載されるBOC脱保護およびアミドカップリングの工程を使用して、表題の化合物を得た(MS(M+H):472)。
【0119】
(実施例9)
【0120】
【化28】

17(0.15g、0.46mmol)のMeOH(5ml)中の溶液に、10%Pd/C(0.05g、0.047mmol)を加え、そしてこの反応混合物を、室温で、H(1atm)下で一晩攪拌した。触媒をセライトでろ過し、そしてMeOHで洗浄した。ろ液を濃縮して、0.15gの18を、黄色がかった油状物として得た。
【0121】
実施例2中に記載されるBOC脱保護およびアミドカップリングの工程を使用して、表題の化合物を得た(MS(M+H):474)。
【0122】
(実施例10)
【0123】
【化29】

実施例9中の手順と同じ手順を使用して、化合物19を化合物14より調製した。
【0124】
実施例2中に記載されるBOC脱保護およびアミドカップリングの工程を使用して、表題の化合物を得た(MS(M+H):444)。
【0125】
(実施例11)
【0126】
【化30】

−78℃まで冷却した臭化メチルトリフェニルホスホニウム(1.76g、4.93mmol)のTHF(30ml)中の懸濁液に、n−BuLi(ヘキサン中2.5M溶液の1.88ml;4.68mmol)を加え、そしてこの混合物を、−78℃で30分間攪拌し、そしてその後、0℃で45分間攪拌した。これを冷却して−78℃に戻して、そしてアルデヒド6(0.50g、2.34mmol)のTHF(5ml)中の溶液を加えた。この反応混合物を、−78℃で30分間攪拌し、そして室温まで温めた。これを、水でクエンチングし、そして生成物をCHClで抽出した。有機層を、NaSOで乾燥させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(0.5% MeOH/CHCl)で精製して、0.24gの20を、透明の油状物として得た。
【0127】
工程2:実施例2中に記載されるBOC脱保護およびアミドカップリングの工程を使用して、表題の化合物を得た(MS(M+H):347)。
【0128】
(実施例12)
【0129】
【化31】

1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン(3.00g、20.4mmol)を、5Mの水性NaOH溶液(14ml)とエーテル(70ml)との混合物中に、かき混ぜながら少しずつ加え、0℃まで冷却した。黄色のエーテル層を、氷浴であらかじめ冷却されそして乾燥のために少量のKOHペレットを含むフラスコ内に静かに注いだ。0℃まで冷却したオレフィン20(0.20g、0.95mmol)のエーテル(5ml)中の溶液に、Pd(OAc)(0.006g、0.03mmol)を加え、続いて、エーテル性CH溶液(上記に記載したとおりに調製)を少しずつ加え、そして反応混合物を、室温で5時間攪拌した。これを、AcOHでクエンチングし、そして飽和した水性NaHCO溶液で希釈した。生成物をCHClで抽出し、そして有機層をNaSOで乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl)による精製から、0.16gの21を、透明な液体として得た。
【0130】
工程2:実施例2中に記載されるBOC脱保護およびアミドカップリングの工程を使用して、表題の化合物を得た(MS(M+H):361)。
【0131】
(実施例13)
【0132】
【化32】

化合物22を、実施例12の最初の段落中の手順と同じ手順によって調製した。実施例2に記載のように、22のBOC脱保護およびアミドカップリングの工程を使用して、表題の化合物をた(MS(M+H):456)。
【0133】
(実施例14)
【0134】
【化33】

化合物23(6.20g、19.2mmol)のイソプロパノール(250ml)中の懸濁液に、NaBH(0.91g、24.0mmol)を加えた。この反応混合物を、室温で16時間攪拌した。溶媒をエバポレートして、粗製生成物をCHCl(200ml)中に溶解し、そして水で洗浄した。有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮して、6.10g(18.7mmol、98%)の生成物24を、白色固体として得た。
【0135】
【化34】

乾燥DMF(20ml)中に溶解し、そしてN下で0℃まで冷却した化合物24(1.00g、3.07mmol)の溶液に、KN(TMS)(トルエン中0.5M、7.4ml、3.68mmol)を、注射器をとおして加えた。この反応混合物を、0℃で30分間攪拌し、そしてCHI(0.65g、0.29ml、4.60mmol)を加えた。生じた溶液を、室温で16時間攪拌した。溶媒をエバポレートして、水(50ml)を加え、そして生成物を、CHClで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5% EtOAc/CHCl)による精製から、0.80g(2.35mmol、80%)の生成物25を油状物として得た。
【0136】
【化35】

CHCl(15ml)中に溶解した化合物25(0.80g、2.35mmol)の溶液に、ジオキサン(3.5ml、14.1mmol)中の4N HClを加えた。この反応混合物を、室温で6時間攪拌し、そして濃縮して、0.65g(2.35mmol、100%)の生成物26を、白色の泡状物として得た。
【0137】
【化36】

アミン26を、N−Boc−カルボン酸リチウム塩2c[WO2002/032893中の実施例1の工程1〜5中に記載の手順に従って調製]とカップリングさせ、これを、実施例2に記載の方法と同様の方法で調製して、表題の化合物を得た。MS(M+H):457。
【0138】
(実施例15)
【0139】
【化37】

CHCl(20ml)中に溶解した化合物24(1.00g、3.07mmol)の溶液に、EtN(0.93g、1.3ml、9.21mmol)および塩化アセチル(0.48g、0.44ml、6.14mmol)を加えた。この反応混合物を、還流で16時間加熱した。水(30ml)を加え、そして生成物をCHClで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5% EtOAc/CHCl)による精製から、0.60g(1.63mmol、53%)の生成物27を、無色の油状物として得た。
【0140】
工程2:アミン27を実施例2中に記載の方法と同様の方法で脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):485。
【0141】
(実施例16)
【0142】
【化38】

乾燥THF(10ml)中に溶解した化合物24(0.60g、1.84mmol)の溶液に、イソプロピルイソシアネート(0.36g、0.41ml、4.14mmol)を加えた。この反応混合物を、還流で16時間加熱した。溶媒をエバポレートして、水(30ml)を加え、そして生成物をCHClで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(1:2 EtOAc:ヘキサン)による精製から、0.75g(1.863mmol、99%)の生成物28を、白色の泡状物として得た。
【0143】
工程2:アミン28を実施例2中に記載の方法と同様の方法で脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):528。
【0144】
(実施例17)
【0145】
【化39】

乾燥THF(20ml)中に溶解し、そして0℃まで冷却した化合物29(1.00g、2.51mmol)[実施例14に記載のように、アルコール24とブロモ酢酸メチルから調製]の溶液に、LiAlH(0.095g、2.51mmol)を加えた。この反応混合物を、0℃で30分間攪拌し、そして室温で3時間攪拌した。水(0.1ml)、その後、1N NaOH(0.1ml)そして水(0.3ml)を注意深く加えた。CHClを加え、そして室温で30分間攪拌した。アルミニウム塩をろ過し、そして固体をCHClで洗浄した。ろ液を濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:1:1 EtOAc:ヘキサン)による精製から、0.70g(1.89mmol、75%)の生成物30を、無色の油状物として得た。
【0146】
工程2:アミン30を実施例2中に記載の方法と同様の方法で脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):487。
【0147】
(実施例18)
【0148】
【化40】

化合物31を、実施例15中に記載の手順を使用して、化合物30から調製した。
【0149】
工程2:アミン31を脱保護し、そして、そして表題の化合物を得るために、実施例2中に記載の方法と同様の方法でカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせた。MS(M+H):529。
【0150】
(実施例19)
【0151】
【化41】

CHCl(75ml)中に溶解し、そして0℃まで冷却した化合物24(5.28g、16.2mmol)の溶液に、EtN(3.28g、4.5ml、32.4mmol)を、そしてCHSOCl(2.32g、1.6ml、20.3mmol)を、一滴ずつ注射器をとおして加えた。この反応混合物を、0℃で1時間攪拌し、そして室温で1時間攪拌した。水(100ml)を加え、そして生成物CHClで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮して、6.54g(16.2mmol、100%)のメシラート中間体を、白色固体として得た。
【0152】
メシラート(6.54g、16.2mmol)のDMF(60ml)中の溶液に、NaN(2.10g、32.4mmol)を加えた。この反応混合物を、80℃で3時間加熱した。溶媒をエバポレートし、水を加え、そして生成物をCHClで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮して、5.68g(16.2mmol、100%)のアジド中間体を、黄色の油状物として得た。
【0153】
アジド(5.68g、16.2mmol)のTHF(80ml)および水(8ml)中の溶液に、トリフェニルホスフィン(25.5g、97.2mmol)を加えた。この反応混合物を、還流で6時間熱した。溶媒をエバポレートし、水を加え、そして生成物を、CHClで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:5%〜10% MeOH−CHCl)による精製から、4.15g(12.8mmol、79%)の生成物32を、黄色の油状物として得た。
【0154】
【化42】

化合物33を、実施例15の手順を使用して化合物32より調製した。
【0155】
工程3:
実施例2中に記載の方法と類似した方法で、Boc保護されたアミン33を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):485。
【0156】
(実施例20)
【0157】
【化43】

実施例15の手順を使用して、化合物32より化合物34を調製した。
【0158】
実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン34を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):513。
【0159】
(実施例21)
【0160】
【化44】

実施例16の手順を使用して、化合物32より化合物35を調製した。
【0161】
【化45】

化合物25の調製に関する実施例14の手順を使用して、化合物35より化合物36 を調製した。
【0162】
工程3:
実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン36を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):588。
【0163】
(実施例22および22A)
【0164】
【化46】

NaH(オイル中60wt%、2.17g、54.3mmol)の乾燥DMF(30ml)中の0℃まで冷却した懸濁液に、ホスホノ酢酸トリメチル(9.90g、54.3mmol)を加えた。この反応混合物を、室温で15分攪拌し、そして乾燥DMF50ml中の化合物23(5.86g、18.1mmol)を、添加漏斗をとおして一滴ずつ加えた。生じた溶液を、80℃で16時間熱した。溶媒をエバポレートし、水を加え、そして生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:10% EtOAc−ヘキサン)による精製から、1.01g(2.66mmol、15%)のシス生成物37、3.36g(8.85mmol、49%)のシス37とトランス38との混合物、および2.05g(5.40mmol、30%)のトランス生成物38を得た。
【0165】
工程2:実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン37およびアミン38を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):497。
【0166】
(実施例23および実施例23A)
【0167】
【化47】

ケトン39を、WO2002032893中に記載のように調製した。このケトンを、実施例22に記載のようにカルボキシレートに変換した。
【0168】
工程2:実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン40およびアミン41を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):464。
【0169】
(実施例24)
【0170】
【化48】

30mlの1:1のメタノール:水中に溶解した化合物37(530mg、1.40mmol)の溶液に、LiOH(117mg、2.79mmol)を加えた。この反応混合物を、還流で16時間加熱した。溶媒をエバポレートして、553mg(1.40mmol、100%)の生成物42(1等量のLiOHを有する)を、白色固体として得た。
【0171】
【化49】

20mlの1:1のDMF:CHCl中に溶解した化合物42(500mg、1.35mmol)の溶液に、モルホリン(0.152ml、1.74mmol)、HOBT(275mg、2.03mmol)およびEDCl−HCl(390mg、2.03mmol)を加えた。この反応混合物を、室温で16時間攪拌した。溶媒をエバポレートし、0.5N NaOHを加え、そして生成物をCHClで抽出した。合わせた有機抽出物を、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:2%−5% MeOH−CHCl)による精製から、184mg(0.423mmol、31%)の生成物43を得た。
【0172】
工程3:
実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン43を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):552。
【0173】
(実施例25)
【0174】
【化50】

MeOH(50ml)中に溶解した化合物38(5.70g、15.0mmol)の溶液に、0.40gのPtO触媒を加えた。この反応混合物を、Parr装置で、50psiの水素圧力で16時間振とうした。ろ過により触媒を取り除き、そしてMeOHで洗浄した。ろ液を濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:10% EtOAc−ヘキサン)による精製から、1.40g(3.67mmol、24%)の生成物44を、無色の油状物として得た。
【0175】
工程2:実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン44を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):499。
【0176】
(実施例26)
【0177】
【化51】

化合物30を調製するための実施例17の手順を使用して、化合物45を調製した。
【0178】
工程2:実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン45を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):471。
【0179】
(実施例27)
【0180】
【化52】

化合物25を調製するための実施例14の手順を使用して、化合物46を調製した。
【0181】
工程2:実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン46を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):485。
【0182】
(実施例28)
【0183】
【化53】

化合物47(4.82g、15.0mmol)[化合物14の合成に関する実施例5に記載される手順を使用して調製]に、9−BBN(THF中0.5M、90ml、44.9mmol)を加えた。この反応混合物を、還流で2時間加熱し、そして0℃まで冷却した。EtOH(25ml)を注意深く加え、そして生じた溶液を、室温で60分攪拌し、その後、0℃まで再び冷却した。H(30%、50ml)を注意深く加え、そして生じた溶液を、室温で16時間攪拌した。溶媒をエバポレートして、水(100ml)を加え、そして生成物をCHClで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:2%−7% MeOH−CHCl)による精製から、5.09g(15.0mmol、100%)の生成物48を、無色の油状物として得た。
【0184】
工程2:実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン48を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):457。
【0185】
(実施例29)
【0186】
【化54】

EtOH(30ml)中に溶解した化合物47A(1.85g、6.42mmol)の溶液に、N−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.18g、14.1mmol)、ホルムアルデヒド(0.42g、14.1mmol)およびEtN(1.40g、1.9ml、13.8mmol)を加えた。この反応混合物を、還流で16時間加熱した。溶媒をエバポレートし、1N NaOH(50ml)を加え、そして生成物をCHClで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc)による精製から、1.80g(5.18mmol、81%)の生成物49を、黄色の油状物として得た。
【0187】
工程2:実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン49を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):465。
【0188】
(実施例30)
【0189】
【化55】

トルエン(2ml)中の、ニトロエタン(0.3ml、4.2mmol)およびEtN(0.66ml、4.7mmol)の溶液を、トルエン(8ml)中のオレフィン47(0.51g、1.6mmol)およびフェニルイソシアネート(0.6ml、3.31mmol)の溶液に、85℃で注射器をとおして0.01ml/分で加えた。生じた混合物を、一晩還流し、室温まで冷却し、そして1Nの水性NHCl(10ml)を加え、そしてこの混合物を1時間攪拌した。水層を分離し、そしてEtOで抽出した。有機抽出物を合わせ、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:3で溶出した)によって精製し、所望する付加生成物50(0.47g、78%)を、黄色の泡状物として得た。
【0190】
工程2:実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン50を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):496。
【0191】
(実施例31)
【0192】
【化56】

乾燥THF(30ml)中に溶解し、0℃まで冷却した化合物23(3.54g、10.9mmol)の溶液に、エチルマグネシウムクロリド(THF中2.0M、11ml、21.9mmol)を、注射器をとおして1滴ずつ加えた。この反応混合物を、還流で3時間加熱した。溶媒をエバポレートし、飽和NHClを加え、そして生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮した。シリカゲルのクロマトグラフィー(溶離液:10%−20% EtOAc−ヘキサン)による精製から、2.34g(6.62mmol、60%)の生成物51を、白色泡状物として得た。
【0193】
工程2:実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン51を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):471。
【0194】
(実施例32および32A)
【0195】
【化57】

DCM(0.45M、150ml、67.5mmol)中のジアゾ酢酸エチルの溶液を、DCM(80ml)中のオレフィン44(13.0g、40.2mmol)およびRh(OAc)(1.37g、3.10mmol)のスラリーに、注射器をとおして1.5ml/時間で加えた。生じた混合物を、セライトをとおしてろ過し、そしてろ液を真空中で濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:12で溶出)による精製から、シス付加物52(3.63g、24%)を白色固体として、そしてトランス付加物53(4.40g、25%)を黄色の泡状物として得た。
【0196】
工程2:実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン52およびアミン53を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):525。
【0197】
(実施例33)
【0198】
【化58】

LiOH(0.48g、11.4mmol)を、MeOH−HO(v/v、1:1;24ml)中のエステル52(2.32g、5.70mmol)の溶液に加えた。この混合物を、80℃で一晩加熱し、室温まで冷却し、そしてMeOHを加え、そしてこの混合物を濃縮した。生じた明るい黄色の固体を、高真空下で乾燥させ、所望する生成物54(2.38g、100%)を、白色固体として得た。
【0199】
【化59】

リチウム塩54(0.52g、1.3mmol)、EDCl(0.50g、2.6mmol)、HOBt(0.39g、2.9mmol)およびTHF(2ml、4.0mmol)中の2NのMeNHの溶液の混合物を、DMF(10ml)中に混合した。この混合物を、室温で一晩攪拌した。この混合物を、DCMで希釈し、そして0.3N NaOHで洗浄し、水層を分離させ、DCMで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして真空中で濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:1で溶出)で精製し、所望する生成物55(0.35g、63%)を、白色固体として得た。
【0200】
工程3:
実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン55を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):510。
【0201】
(実施例34)
【0202】
【化60】

THF(30ml)中のエステル52(1.19g、2.92mmol)の溶液を、−78℃まで冷却した。DIBAL(DCM中1.0M、10ml)を加えた。生じた溶液を、−78℃〜0℃で1.5時間攪拌した。MeOH(2ml)を加え、続いて10%の酒石酸ナトリウムカリウム溶液(30ml)を加えた。冷浴をはずし、そして混合物を室温で一晩攪拌し、そしてセライトをとおしてろ過した。水層を分離し、そしてDCMで抽出した。有機抽出物を合わせ、乾燥させ(MgSO)、そして真空中で濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:1で溶出)によって精製して、所望するアルコール56(0.58g、54%)を白色固体として得た。
【0203】
工程2:実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン56を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):483。
【0204】
(実施例35)
【0205】
【化61】

NaH(47mg、1.2mmol)を、DMF(8ml)中の出発アルコール56(0.30g、0.80mmol)の溶液に0℃で加えた。CHI(0.10ml、1.6mmol)を加えた。このスラリーを、一晩攪拌した。この混合物を濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:3で溶出)によって精製して、所望するエーテル57(0.22g、71%)を、無色の油状物として得た。
【0206】
工程2:実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン57を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):497。
【0207】
(実施例36)
【0208】
【化62】

アルコール48(2.08g、6.14mmol)を、DCM(25ml)中に溶解し、そして氷浴中で冷却した。EtN(2ml、14mmol)およびCHSOCl(0.67ml、8.7mmol)を続けて加えた。この混合物を、0.5時間攪拌し、DCMで希釈し、そして1N HCl(25ml)で洗浄した。水層を分離して、DCMで抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮した。生じた固体を、DMF(25ml)中に溶解し、そしてNaN(0.80g、12.3mmol)を加えた。スラリーを80℃で一晩加熱し、室温まで冷却し、そしてEtO(100ml)で希釈した。この混合物を水(4×25ml)で洗浄し、そして合わせた水層を、EtOで抽出した。有機抽出物を合わせ、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:5で溶出)によって精製して、所望するアジド(1.32g、59%)を、無色の油状物として得た。
【0209】
このアジドを、THF(25ml)−HO(2.5ml)中に溶解し、そしてPhP(2.03g、7.74mmol)を加えた。この混合物を、70℃で一晩加熱し、室温まで冷却し、EtOAcで希釈し、そしてブラインで洗浄した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(MeOH/DCM、1:10で溶出)によって精製して、所望するアミン58(0.91g、74%)を、黄色の油状物として得た。
【0210】
【化63】

アミン58(0.55g、1.6mmol)を、DCM(10ml)中に溶解し、そして0℃まで冷却した。EtN(0.45ml、3.6mmol)およびTfO(0.38ml、2.3mmol)を続けて加え、そしてこの混合物を0℃〜室温で4時間攪拌した。水を加え、そしてDCMで抽出した。有機抽出物を合わせ、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:2で溶出)によって精製して、所望する生成物59(0.47g、62%)を、黄色の油状物として得た。
【0211】
工程3:
実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン59を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):588。
【0212】
(実施例37)
【0213】
【化64】

アミン58(0.51g、1.5mmol)を、DCM(10ml)中に溶解し、そして0℃まで冷却した。EtN(0.52ml、3.7mmol)、TFAA(0.32ml、2.3mmol)およびDMAP(48mg、0.39mmol)を加え、そして室温で4時間攪拌した。水を加え、そしてDCMで抽出した。有機抽出物を合わせ、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:2で溶出)によって精製して、所望する生成物60(0.50g、76%)を、白色の泡状物として得た。
【0214】
工程2:実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン60を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):552。
【0215】
(実施例38)
【0216】
【化65】

10mlのEtOAcおよびHO(1:1)中の23(1.0g、3.1mmol)の溶液に、KCN(0.3g、4.6mmol)および(NHCO(1.0g、10.8mmol)を加えた。N下で100℃にて20時間攪拌した後、この混合物を25℃まで冷却した。氷/HOを、この混合物に加え、そして0℃で0.5時間攪拌した後、生成物を、EtOAcおよびHOで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過した。ろ液を、真空下で濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、671mg(55%)の61を得た。
【0217】
工程2:実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン61を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):511。
【0218】
(実施例39)
【0219】
【化66】

CHCl(150ml)中のSeO(2.8g、25.3mmol)の懸濁液に、t−ブチルペルオキシド(14ml、10.1mmol)を0℃で加えた。0℃で15分攪拌した後、20 CHCl(20ml)中の62(10.0g、50.6mmol)を、一滴ずつ加えた。この混合物を、0℃でN下、1時間攪拌し、そして室温で20時間攪拌した。生成物を、250mlの10%水性NaHSO溶液中に注ぎ、CHClで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、そしてろ過した。ろ液を真空下で濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、63(4.8g、44%)を得た。
【0220】
【化67】

CHCl(100ml)中の63(4.8g、22.3mmol)の溶液に、TBSCl(4.0g、26.7mmol)、EtN(4.7ml、33.6mmol)およびDMAP(0.5g、4.5mmol)を加えた。室温にてN下で20時間攪拌した後、NaOH(0.5N)水溶液を加え、この混合物をCHClで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、そしてろ過した。ろ液を、真空下で濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、64(5.6g、77%)を得た。
【0221】
【化68】

64(4.5g、13.7mmol)に、THF(9ml)および9−BBN(THF中0.5M、41.2ml、20.6mmol)をN下で加えた。N下70℃で3時間攪拌した後、この混合物を室温まで冷却し、Pd(dppf)Cl(1.0g、1.2mmol)、2−ヨードピリジン(3.4g、16.4mmol)、KCO(2.8g、20.6mmol)、DMF(30ml)およびHO(3ml)を加えた。N下80℃で20時間攪拌した後、この混合物を真空下で濃縮し、そして生成物を、HO中に注いだ。NaOH(10%)水溶液を加えて、溶液のpHを11に調整した。この混合物をEtOAcで抽出し、HOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、そしてろ過した。ろ液を真空下で濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィーで精製して、65(5.0g、90%)を得た。
【0222】
【化69】

THF(50ml)中の65(5.0g、12.3mmol)の溶液に、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(THF中1M、18.4ml、18.4mmol)を加えた。50℃で20時間攪拌した後、溶媒を除去し、生成物をCHCl中に溶解し、HOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、そしてろ過した。ろ液を、真空下で濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、66(2.5g、70%)を得た。
【0223】
【化70】

5mlのCHCl中の66(0.7g、2.4mmol)の溶液に、5mlのTFAを加えた。室温で1.5時間攪拌した後、濃縮NHOHを、この混合物に加えた。生成物を、CHClで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、そしてろ過した。ろ液を、真空下で濃縮して、0.42gの66aを得た。
【0224】
【化71】

10mlのDMF中の66a(0.19g、1.0mmol)および酸リチウム塩66(0.3g、1.2mmol)の溶液に、n−エチルモルホリン(0.7ml、5.0mmol)および1−プロパンホスホン酸環式無水物(EtOAc中1.0mlの50wt%溶液、1.7mmol)加えた;化合物66bを、アルデヒド66c(JP63−227573中に記載されており、これは本明細書中で参考として援用される)から、WO2002/032893中の実施例1の工程4および工程5中に記載されている手順と類似した手順を使用して調製した:
【0225】
【化72】


【0226】
下50℃で20時間攪拌した後、真空下で溶媒を除去し、生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CHCl中2〜4% 2N NH)によって精製して、0.12gの実施例39を得た。MS(M+H):411。
【0227】
(実施例40)
【0228】
【化73】

CHCl(30ml)中の塩化オキサリル(0.6ml、7.3mmol)の溶液に、−78℃でCHCl(5ml)中のDMSO(1.0ml、14.5mmol)を加えた。−78℃で15分攪拌した後、CHCl(10ml)中の66(1.7g、5.8mmol)を加え、この混合物を、−78℃で2時間攪拌した。CHCl(5ml中2.4ml)中のEtNを加え、攪拌を−78℃でさらに0.5時間続けた。この混合物を、室温までゆっくり温め、飽和したNaHCO水溶液を加え、生成物をCHClで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、そしてろ過した。ろ液を、真空下で濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、67(1.5g、89%)を得た。
【0229】
工程2:実施例39中に記載の方法と類似した方法で、アミン67を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2dとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):409。
【0230】
(実施例41)
【0231】
【化74】

EtO(5ml)中のフラン(0.30g、4.5mmol)の溶液を、温度を−10℃〜−5℃に保ちながらnBuLi(2.8ml、1.6M/ヘキサン)で処理した。この反応物を、20℃で1時間攪拌し、0℃まで冷却し、そしてEtO(10ml)中の39(0.86g、3.0mmol)の溶液でゆっくり処理した。その後、この混合物を一晩攪拌し、飽和した水性NHClでクエンチングして、そしてエーテルで2回抽出した。その後、合わせた有機抽出物を濃縮して、68を、油状の黄色い固体として得た(1.1g)。
【0232】
工程2:実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン68を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):476。
【0233】
(実施例42)
【0234】
【化75】

THF(5ml)中のN−メチルイミダゾール(0.73ml、9.2mmol)の溶液を、nBuLi(5.7ml、1.6M/ヘキサン)で−78℃にて処理し、1時間攪拌し(−78℃)、その後、THF(30ml)中の39(1.8g、6.1mmol)の溶液でゆっくり処理した。その後、この混合物を一晩攪拌して、飽和した水性NHClでクエンチングして、CHClで2回抽出して、MgSOで乾燥させ、そして濃縮した。クロマトグラフィー(2−5% 1N NH−MeOH/EtOAc)によって、69を、白色の固体として得た(2.13g、94%)。
【0235】
工程2:実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン69を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):490。
【0236】
(実施例43)
【0237】
【化76】

THF(10ml)中の39(1.2g、4.1mmol)の溶液を、ジエチルシアノホスホナート(2.1ml、12.4mmol)およびLiCN(24.7ml、0.5M)で処理し、そして20℃で3時間攪拌した。この反応混合物を、水で希釈し、EtOAcで抽出し、MgSOで乾燥させ、そして濃縮した。SmI(165ml、0.1M/THF)およびtBuOH(0.59ml、6.2mmol)を加え、そしてこの混合物を、20℃で一晩攪拌した。この反応を、1N HClでクエンチングし、10%NaOHで中和し、そしてCHCl(2×)で抽出した。合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、そして濃縮した。クロマトグラフィー(40−60% EtOAc/ヘキサン)により、70を黄色の油状物として得た(0.94g、76%)。
【0238】
【化77】

実施例2の工程2の手順を使用して、化合物70から化合物71を調製した。
【0239】
工程3:
トルエン(5ml)中の71(0.26g、0.5mmol)の溶液を、アジドトリブチルスズ(0.28ml、1mmol)で処理し、その後、110℃で3日間加熱した。生じた溶液を、10%水性NaOHで処理して、4時間攪拌した。続いて、3N HClで酸性化して、水層をヘキサン(2×)で洗浄し、そして濃縮した。残渣をMeOH中にとり、そしてろ過して、表題の化合物を得た(0.058g、25%)。MS(M+H):462。
【0240】
(実施例44)
【0241】
【化78】

NH−MeOH(1M、30ml)中の71(0.54g、1.0mmol)の溶液を、ラネーNiおよびHPtClで処理し、そして50psiのH下で1日水素添加した。クロマトグラフィー(1N NH−MeOH/EtOAc)によって、72を、白色固体として得た(0.38g、70%)。
【0242】
【化79】

CHCl(5ml)中の72(0.37g、0.7mmol)の懸濁液を、0℃まで冷却し、CHSOCl(0.07ml、0.85mmol)およびEtN(0.2ml、1.4mmol)で処理し、そして20℃で一晩攪拌した。生じた黄色の懸濁液を、CHClで希釈し、10%水性NaOHで洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして濃縮した。クロマトグラフィー(10%の1N NH−MeOH/EtOAc)によって、73を、白色固体として得た(0.25g、59%)。
【0243】
工程3:
化合物73を脱保護して、表題の化合物を得た。MS(M+H):501。
【0244】
(実施例45)
【0245】
【化80】

無水THF(5ml)中の2−ピコリン(0.687g、7.38mmol)の−20℃の溶液に、BuLi(ヘキサン中1.6Mの溶液5.54ml、8.86mmol)を加え、暗いオレンジ色の溶液を生じた。この反応混合物を、−20℃で105分攪拌させた。冷やした反応混合物を、無水THF(10ml)中の39(1.79g、6.2mmol)の−40℃の溶液に2時間にわたってカニューレ挿入した。反応混合物を、−40℃で2時間攪拌し、その後、室温まで温めた。飽和した水性NHCl(20ml)を加え、そしてこの混合物をCHCl(2×40ml)で抽出した。有機層を分離して、そしてNaSOで乾燥させ、続いて濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(0−20% アセトン/CHCl)から、74(0.968g、6.2mmol;41%)を、透明な油状物として得た。
【0246】
工程2:実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン74を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):501。
【0247】
(実施例46)
【0248】
【化81】

無水THF(30ml)中のKHMDS(10.3g、52mmol)の溶液に、メチルジエチルホスホノアセテート(9.5ml、52mmol)を加えた。この反応混合物を、1時間攪拌し、続いて75(8.58g、43mmol)を加えた。この反応混合物を、65℃で一晩攪拌した。この混合物を、飽和した水性NHClでクエンチングし、続いてCHClで抽出し、濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(50−100% CHCl/ヘキサン)によって、6.01gの不飽和エステルを、白色固体として得た。
【0249】
EtOH(100ml)中の不飽和エステル(6.01g)の溶液に、10%Pd/C触媒(500mg)を加えた。この反応混合物を、H(1atm)下にて室温で一晩攪拌した。ろ液を濃縮して、4.01gの76を、透明な油状物として得た。
【0250】
【化82】

無水THF(30ml)中の2−ブロモピリジン(1.86ml、19.5mmol)の−78℃の溶液に、ヘキサン(10.8ml、17.3mmol)中の1.6M BuLi溶液をゆっくり加え、暗いオレンジ色の溶液を得た。この反応混合物を、−78℃で90分間攪拌した。冷たい反応混合物を、76の−78℃の溶液(無水THF(20ml)中に2.5g(9.72mmol))中に2時間にわたってカニューレ挿入した。この反応混合物を、−78℃で2.5時間攪拌し、そして室温にした。この反応混合物を、AcOHでクエンチングし、続いてCHCl(3×70ml)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、続いて濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(50%ヘキサン/CHCl〜10%アセトン/CHCl)により、0.41g(2.83g;14%)の77を、黄色の油状物として得た。
【0251】
工程3:
実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン77を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):501。
【0252】
(実施例47)
【0253】
【化83】

乾燥THF(20ml)中に溶解し、そして−50℃まで冷却した化合物78(1.00g、4.39mmol)の溶液に、sec−ブチルリチウム(シクロヘキサン中1.3M、7.1ml、9.22mmol)を加えた。この反応混合物を、−40℃の内部温度で60分間攪拌し、その後、−78℃まで冷却した。乾燥THF(5ml)中に溶解した化合物6(0.94g、4.39mmol)を、注射器をとおして加えた。内部温度を−40℃まで温め、そしてこの混合物を、−40℃で20分間攪拌した。氷状のAcOH(0.75ml)を加え、生じた溶液を室温まで温めた。飽和したNHCl(50ml)を加え、そして生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、そして濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:1%−2% MeOH−CHCl)による精製から、1.35g(3.06mmol、70%)の生成物79を黄色の泡状物として得た。
【0254】
【化84】

トルエン(20ml)中に溶解し、そしてN下で0℃まで冷却した化合物79(1.34g、3.04mmol)の溶液に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、1.28ml、3.19mmol)を、一滴ずつ注射器をとおして加えた。この反応混合物を、還流で4時間加熱した。溶媒をエバポレートした。シリカゲルのクロマトグラフィー(溶離液:5% MeOH−CHCl)による精製から、1.08g(2.94mmol、97%)の生成物80を、黄色の泡状物として得た。
【0255】
実施例47中に記載の方法と類似した方法で、アミン80を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):484。
【0256】
(実施例48)
【0257】
【化85】

実施例5の工程1の手順を使用して、化合物79より化合物81を調製した。
【0258】
実施例2中に記載の方法と類似した方法で、アミン81を脱保護し、そしてカルボン酸リチウム塩2cとカップリングさせて、表題の化合物を得た。MS(M+H):480。
【0259】
上記に記載した手順と類似した手順を使用して、以下の化合物を調製した:
【0260】
【表1】

【0261】
【表2】

【0262】
【表3】

【0263】
【表4】

【0264】
【表5】

【0265】
【表6】

【0266】
【表7】

【0267】
【表8】

【0268】
【表9】

【0269】
【表10】

【0270】
【表11】

(実施例111)
【0271】
【化86】

THF(50ml)中の4−メチルピリジン(2.05g、22.0mmol)の−78℃の溶液に、ヘキサン(9ml、22.5mmol)中の2.5MのBuLi溶液を1滴ずつ加えた。この混合物を、−78℃で30分攪拌し、その後THF(10ml)中のWeinrebアミド78(4.00g、20.0mmol)の溶液を導入した。この混合物を、室温まで温め、そして一晩攪拌した。この反応混合物を、水性NHClでクエンチングし、そしてエーテルで抽出した。有機相を分離し、MgSOで乾燥させ、そしてシロップ状になるまで濃縮して、これをその状態で結晶化させた。粗製物質を、イソプロピルエーテル−ヘキサンから再結晶化させ、2.5gのケトン79を、黄色の固体として得た。
【0272】
【化87】

AcOH(70ml)中のケトン79(2.4g、10.4mmol)の溶液を、Pd/C触媒(10%、0.25g)と混合し、そしてこの混合物を、18時間、30psiで水素添加させた。触媒をろ過し、ろ液を濃縮し、そして粗製の残渣を、イソプロパノール中の7M HClで処理した。続いて、エタノール−エーテルでの粉砕より、2.12gの塩酸塩の塩80を白色の固体として得、これを0.5Mの水性NaOHで塩基性化した。CHClでの抽出、続いて有機相の濃縮によって、1.5gのアルコール80を、オフホワイト色の固体として得た。
【0273】
【化88】

カルボン酸リチウム塩2cとアミン80とをカップリングするために実施例1中に記載の手順を使用して化合物80を81に変換した。
【0274】
【化89】

実施例5の工程1の手順を使用して、化合物81を化合物82に変換した。
【0275】
工程5:
実施例1の工程2中に記載のように82のBOC脱保護を実施して、表題の化合物を得た。MS(M+H):455。
【0276】
(実施例112)
【0277】
【化90】

5mlのDMF中のブロモピリジン83(1.5g;8.52mmol)、1−BOC−ピペラジン(2.7g;14.5mmol)、KCO(3.0g;21.7mmol)の混合物を、140℃で12時間加熱した。DMFを真空下で除去した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(20% 酢酸エチル/ヘキサン)にかけて、1.0gの84を、黄色の油状物として得た。
【0278】
【化91】

実施例2の工程2中に記載のTFA脱保護の手順を使用して、化合物85を化合物84から調製した。
【0279】
4−ホルミル−N−BOC−ピペリジンの標準的な還元的アミノ化の手順(NaBH(OAc)、CHCl、室温)を使用して、続いて水性NaHCOの後処理、そして有機相の濃縮によって化合物85を化合物86に変換した。フラッシュクロマトグラフィー(20% 酢酸エチル/ヘキサン)によって粗製の86を精製した。
【0280】
実施例14の工程3および工程4中に記載の手順を使用して化合物86を表題の化合物796453に変換した。MH=496。
【0281】
上記に記載の種々の手順を使用して、以下の化合物を調製した:
【0282】
【表12】

(H−レセプター結合アッセイの一般的手順)
本実験におけるHレセプター源は、モルモット脳であった。あるいは、Hレセプター源は、HEK−293(ヒト胚性腎臓)細胞中で発現された組み換えヒトレセプターであった。
【0283】
動物の体重は、400g〜600gであった。脳組織を、50mM Tris、pH7.5の溶液でホモジネートした。このホモジネート緩衝液中の組織の最終濃度は、10% w/vであった。このホモジネートを、1,000×gで10分間遠心分離させて、組織の凝集塊および残がいを除去した。生じた上澄みを、50,000×gで20分間遠心分離させて、膜を沈殿させ、次にこれをホモジネート緩衝液(各回50,000×g、20分間)で3回洗浄した。膜を凍結させ、そして必要になるまで−70℃で保存した。
【0284】
試験される全ての化合物を、DMSO中に溶解し、そして最終濃度が0.1%DMSOで2μg/mlになるように結合緩衝液(50mM Tris、pH7.5)中に希釈した。その後、反応試験管中に膜を加えた(400μgのタンパク質、組み換えヒトレセプターの場合は5μg)。3nM[H]R−α−メチルヒスタミン(8.8Ci/mmol)もしくは3nM[H]Nα−メチルヒスタミン(80Ci/mmol)の添加によってこの反応を開始させ、そして30℃で30分間のインキュベーションの下続けさせた。結合リガンドを、ろ過によって非結合リガンドと分離させ、そして膜に結合した放射性リガンドを、液体シンチレーション分析によって定量した。全てのインキュベーションを二連で行い、標準誤差は常に10%未満であった。放射性リガンドのレセプターへの特異的結合の70%より多くを阻害した化合物を連続希釈して、K(nM)を決定した。
【0285】
式Iの化合物は、約0.3nM〜2000nMの範囲内のKを有する。式Iの好ましい化合物は、約0.3nM〜100nMの範囲内のKを有する。式Iのさらに好ましい化合物は、約0.3nM〜20nMの範囲内のKを有する。実施例92の化合物は、モルモットレセプターのアッセイにおいて0.35nMのKを有する一方、実施例88の化合物は、組み換えヒトレセプターのアッセイにおいて1.1nMのKを有する。
【0286】
本明細書において、用語「少なくとも1つの式Iの化合物」は、薬学的組成物もしくは処置の方法において1つ〜3つの式Iの異なる化合物が使用され得ることを意味する。好ましくは、式Iの1つの化合物が使用される。同様に、「少なくとも1つのHレセプターアンタゴニスト」もしくは「肥満症、メタボリックシンドロームもしくは認知欠陥障害を処置するための少なくとも1つの他の化合物(もしくは因子)」は、薬学的組成物もしくは処置の方法において1つ〜3つの異なるHアンタゴニストもしくは他の化合物が使用され得ることを意味する。好ましくは、1つのHアンタゴニストまたは肥満症、メタボリックシンドロームもしくは認知欠陥障害を処置するための1つの他の化合物が組み合わせて使用され得る。
【0287】
本発明によって記載されている化合物から薬学的組成物を調製するための、不活性の薬学的に受容可能なキャリアは、固体もしくは液体のいずれかであり得る。固体形態の調製物としては、散剤、錠剤、分散可能な顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤および坐剤が挙げられる。散剤および錠剤は、約5〜約95%の活性成分からなり得る。適切な固体キャリアは、当該分野で公知である(例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖もしくはラクトース)。錠剤、散剤、カシェ剤およびカプセル剤は、経口投与に適した固体の投薬形態として使用され得る。薬学的に受容可能なキャリアの例および多種の組成物の製造の方法は、A.Gennaro(編)、The Science and Practice of Pharmacy、20th Edition、(2000)、Lippincott Williams & Wilkins、Baltimore、MD内で見出され得る。
【0288】
液体形態の調製物としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。例としては、非経口の注射のための水もしくは水−プロピレングリコール溶液、あるいは経口溶液、懸濁液、およびエマルジョンのための甘味料および乳白剤の添加が挙げられ得る。液体形態の調製物はまた、鼻内投与のための溶液を含み得る。
【0289】
吸入に適したエアゾールの調製物としては、薬学的に受容可能なキャリア(例えば、圧縮不活性ガス(例えば、窒素))と組み合わせられ得る溶液および粉末状の固体が挙げられ得る。
【0290】
また、経口もしくは非経口いずれかの投与のために使用直前に液体形態の調製物に変換されることが意図された固体形態の調製物も挙げられる。このような液体形態としては、溶液、懸濁液、およびエマルジョンが挙げられる。
【0291】
本発明の化合物はまた、経皮的にも送達され得る。経皮的な組成物は、クリーム、ローション、エアゾール、および/もしくはエマルジョンの形態をとり得、この目的のために当該分野で慣習的であるように、マトリックスもしくは貯蔵タイプの経皮パッチに含まれ得る。
【0292】
好ましくは、この化合物は経口投与される。
【0293】
好ましくは、この薬学的調製物は、単位投薬形態である。このような形態では、調製物は、適切な量の活性成分を含む適切なサイズの用量単位(例えば、所望する目的に達するのに有効な量)に細分される。
【0294】
調製物の用量単位中の活性化合物の量は、具体的な用途にしたがって、変わり得るか、もしくは約1mg〜150mgに調整され得、好ましくは、約1mg〜約75mg、さらに好ましくは約1mg〜50mgに調整され得る。
【0295】
実際に使用される用量は、患者の条件および処置される状態の重症度に依存して変わり得る。個々の状態に対する適切な投薬レジメンの決定は、当該分野の範囲内である。便宜上、1日の総用量は細分され得、必要であれば、1日の間に少しずつ投与され得る。
【0296】
本発明の化合物および/もしくは薬学的に受容可能なその塩の投与の量および頻度は、患者の年齢、状態、および大きさ、ならびに処置される症状の重症度といった要素を考慮して、主治医の判断にしたがって調節される。経口投与の一般的に推奨される1日あたりの投薬レジメンは、2〜4分割した用量での約1mg/日〜約300mg/日、好ましくは1mg/日〜75mg/日の範囲であり得る。
【0297】
本発明が、Hアンタゴニスト化合物およびHアンタゴニスト化合物の組み合わせを含む場合、この2つの活性化合物は同時にもしくは逐次的に共投与され得るか、あるいはHアンタゴニストおよびHアンタゴニストを薬学的に受容可能なキャリア内に含む単一の薬学的組成物が投与され得る。この組み合わせの成分は、個々にもしくは一緒に任意の従来の投薬形態(例えば、カプセル剤、錠剤、散剤、カシェ剤、懸濁液、溶液、坐剤、鼻のスプレーなど)で投与され得る。Hアンタゴニストの投薬は、公開されたものより決定され得、これは、1服用あたり1mg〜1000mgの範囲であり得る。組み合わせて使用される場合、この組み合わせの有利な効果のおかげで個々の成分の投薬レベルは、好ましくは推奨されている個々の投薬よりも低い。
【0298】
別々のHアンタゴニストおよびHアンタゴニストの薬学的組成物が投与されることが意図される場合、これらは、Hアンタゴニストを薬学的に受容可能なキャリア内に含む1つの容器およびHアンタゴニストを薬学的に受容可能なキャリア内に含む別の容器を単一のパッケージ内に含むキット中に提供され得、ここで、HアンタゴニストおよびHアンタゴニストは、この組み合わせが治療上有効であるような量で存在する。キットは、例えば、成分が異なる時間間隔で投与されるべき場合、もしくはこれらが異なる投薬形態である場合に、組み合わせを投与するのに便利である。
【0299】
同様に、本発明が、Hアンタゴニストと、肥満症、メタボリックシンドローム、認知欠陥障害、NAFLD、肝臓脂肪症、NASH、肝硬変もしくは肝細胞癌を処置するための少なくとも1つの他の化合物との組み合わせを含む場合、この2つの活性化合物は同時にもしくは逐次的に共投与され得るか、あるいはHアンタゴニストおよび別の化合物を薬学的に受容可能なキャリア内に含む単一の薬学的組成物が投与され得る。この組み合わせの成分は、個々にもしくは一緒に任意の従来の投薬形態(例えば、カプセル剤、錠剤、散剤、カシェ剤、懸濁液、溶液、坐剤、鼻のスプレーなど)で投与され得る。肥満症、メタボリックシンドロームもしくは認知欠陥障害を処置するための他の投薬は、公開されたものより決定され得、これは、1服用あたり1mg〜1000mgの範囲であり得る。
【0300】
アンタゴニストを含む別の薬学的組成物および肥満症、メタボリックシンドローム、もしくは認知欠陥障害を処置するための他の化合物が投与されることが意図される場合、これらは、Hアンタゴニストを薬学的に受容可能なキャリア内に含む1つの容器および肥満症、メタボリックシンドローム、認知欠陥障害、NAFLD、肝臓脂肪症、NASH、肝硬変もしくは肝細胞癌を処置するための化合物を薬学的に受容可能なキャリア内に含む別の容器を単一のパッケージ内に含むキット中に提供され得、ここで、Hアンタゴニストおよび他の化合物は、この組み合わせが治療上有効であるような量で存在する。キットは、例えば、成分が異なる時間間隔で投与されるべき場合、もしくはこれらが異なる投薬形態である場合に、組み合わせを投与するのに便利である。
【0301】
本発明は、上記に述べたような特定の実施形態に関連して記載されているが、多くのその代案、改変および変更は、当業者には明らかである。全てのこういった代替、改変および変更は、本発明の主旨および範囲内に入ると意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式:
【化1】

によって表される化合物、もしくは薬学的に受容可能なその塩であり、ここで:
aは、0、1もしくは2であり;
bは、0、1もしくは2であり;
dは、0もしくは1であり;
eは、0もしくは1であり
nは、1、2もしくは3であり;
pは、1、2もしくは3であり;
は、CHもしくはNであり;
は、CH、CFもしくはNであり;
は、CHもしくはNであり;
但し、MおよびMがそれぞれ、Nである場合、pは2もしくは3であり;
Yは、−C(=O)−、−C(=S)−、−(CH−、−C(=NOR)−もしくは−SO1−2−であり;
qは、1〜5であり、但し、MおよびMが両方ともNである場合、qは、2〜5であり;
Zは、結合、−[C(R)(R8’)]n’、−CH(R20)−CH(R20)−O−、−CH(R20)−CH(R20)−N−、−CH(R20)−[C(R21)(R21’)]1−5−、−CH(R20)−C(R20)=C(R20)−、−CH(R20)−C(R20)=C(R20)−[C(R21)(R21’)]l−3−もしくは−[C(R)(R8’)]n’であり、ここで、少なくとも1つのC(R)(R8’)は、シクロアルキレン基もしくはヘテロシクロアルキレン基によって割り込まれており、但し、MがNであり、そしてZが環窒素を介して結合しているヘテロシクロアルキレン基によって割り込まれているR−アルキレンである場合、該Z基のアルキレン部分は、2〜4個の炭素原子をMと該窒素との間に有し;
n’は、1〜6の整数であり;
は、H、アルキル、アルケニル、R10−シクロアルキル、R10−アリール、R10−モノヘテロアリール、R10−ヘテロシクロアルキルもしくは式:
【化2】

の基であり
環Aが、モノヘテロアリール環である場合、該モノヘテロアリールもしくはモノヘテロアリール環は、O、SおよびNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する単環式環であり、該ヘテロ原子は、1〜6個の炭素原子を有する芳香族炭素環式環構造に割り込んでおり;
そしてRおよびRは、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−OR12、−CN、−(CH−N(R12、−(CH−N(R19)−SO12、−(CH−N(R19)−C(O)R12、−(CHNHC(O)NHR12、−(CH−NHC(O)OR12、−O−C(O)NHR12、−(CH−C(O)OR12および−O−(CH−C(O)OR12からなる群より独立して選択され、但し、RおよびRのうちの1つが、ヘテロ原子に結合した置換基である場合、残りの1つはHであり;
fは、0、1もしくは2であるか;
または、RおよびRは、それらが結合している炭素と一緒になって、−C(=C(R15)(R18)−、R13によって置換された3〜7員のシクロアルキル環、R13によって置換された3〜7員のヘテロシクロアルキル環、R13−フェニル環、もしくはR13によって置換された5〜6員のヘテロアリール環を形成するか;あるいはdが1であるか、もしくはeが1であるか、またはdおよびeの両方が1である場合、RおよびRは、それらが結合している炭素と一緒になって、−C(O)−を形成するか;
またはR−(CH−C(R)(R)−(CH−が、
【化3】

を形成し;
は、R16−アルキル、R16−アルケニル、R16−アリール、R16−ヘテロアリール、R16−シクロアルキルもしくはR16−ヘテロシクロアルキルであり;
およびRはそれぞれ、ハロ、アルキル、−OH、アルコキシ、ハロアルキルおよび−CNからなる群より独立して選択されるか;もしくは同じ炭素原子上の2つのR置換基が、=Oを形成し;
は、H、アルキル、ハロアルキル、R10−アリールもしくはR10−ヘテロアリールであり;
およびR8’は独立して、H、R10−シクロアルキル、R10−ヘテロシクロアルキル、R10−アリール、R10−ヘテロアリールおよびハロアルキルからなる群より独立して選択される1つ、2つもしくは3つの置換基であり;
各Rは、Hおよびアルキルからなる群より独立して選択され;
10は、H、ハロ、アルキル、−OH、アルコキシ、R10’−シクロアルキル、R10’−アリール、R10’−ヘテロアリール、R10’−アリールオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ−NO、−CO11、−N(R11、−CON(R11、−NHC(O)R11、−NHC(O)OR11、−NHSO11、−SON(R11および−CNからなる群より独立して選択される1〜4つの置換基であり;
各R10’は、H、ハロ、アルキル、−OH、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、−NO、−CO11、−N(R11、−CON(R11、−NHC(O)R11、−NHC(O)OR11、−NHSO11、−SON(R11および−CNからなる群より独立して選択される1〜4つの置換基であり;
各R11は、H、アルキル、ハロアルキル、R18−アリール、R18−ヘテロアリール、R18−アリールアルキル、R18−シクロアルキルおよびR18−ヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
各R12は、H、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、R18−アリール、R18−アリールアルキル、R18−ヘテロアリール、R18−ヘテロアリールアルキル、R18−シクロアルキル、R18−シクロアルキルアルキルおよびR18−ヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
13は、H、ハロ、アルキル、−OH、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−CO14、−C(O)N(R14、ハロアルキル、−CFおよび−CNからなる群より独立して選択される1〜4つの置換基であるか;もしくは同じ炭素原子上の2つのR13置換基が=Oを形成し;
各R14は、Hおよびアルキルからなる群より独立して選択され;
15は、H、アルキル、ハロ、アリールもしくはハロアルキルであり;
16は、H、ハロ、アルキル、−OH、アルコキシ、R10−アリール、R10−アリールオキシ、ハロアルキル、−CF、ハロアルコキシ、−NO、−CO17、−N(R17、−CON(R17、−NHC(O)R17、−NHC(O)OR17、−NHSO17、−SON(R17および−CNからなる群より独立して選択される1〜3つの置換基であり;
各R17は、H、アルキル、ハロアルキル、R10−アリール、R10−ヘテロアリール、R10−シクロアルキル、およびR10−ヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され;
18は、H、アルキル、ハロ、アリール、ハロアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、−O−C(O)R12、−C(O)N(R12、−C(O)OR12、−NO、−CNもしくは−C(O)−ヘテロシクロアルキルであり;
19は、H、アルキルもしくはR10−ヘテロシクロアルキルアルキルであり;
20は、Hおよびアルキルからなる群より独立して選択され;そして
21は独立して、H、R10−シクロアルキル、R10−ヘテロシクロアルキル、R10−アリール、R10−ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロ、−CN、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、−NO、および−N(Rからなる群より独立して選択される1つ、2つもしくは3つの置換基であり;そして
21’は独立して、H、R10−シクロアルキル、R10−ヘテロシクロアルキル、R10−アリール、R10−ヘテロアリール、ハロアルキル、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、−NOおよび−N(Rからなる群より独立して選択される1つ、2つもしくは3つの置換基である、化合物もしくは薬学的に受容可能なその塩。
【請求項2】
が、R10−フェニル、R10−ピリジルもしくはR10−キノリルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、R10−フェニルもしくはR10−ピリジルであり、そしてR10が、H、アルキル、ハロ、−CF、−CHFおよび−CNから独立して選択される1つもしくは2つの置換基である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
dおよびeがそれぞれ0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
がNであり、MがCHもしくはCFであり、MがNであり、nおよびpがそれぞれ2であり、そしてaおよびbがそれぞれ独立して0もしくは1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
Yが−C(=O)−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
Zが、C−Cアルキレン、−CH(R20)−[C(R21)(R21’)]1−5−、−CH(R20)−C(R20)=C(R20)−、−(CH−O−もしくはシクロアルキレン基によって割り込まれたC−Cアルキレンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
Zが、−CH−、−(CH−、−CH−CH=CH−、−(CH−CH(F)−、−CH−CH(F)−CH−、−(CH−O−もしくは
【化4】

である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
が、R16−ピリジル、R16−ピリミジル、R16−ピラダジニル、R16−チアゾリル、R16−アゼチジニルもしくはR16−テトラヒドロピラニルであり、そしてR16が、H、−CH、−NHおよび−NHCHから独立して選択される1つもしくは2つの置換基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
が水素であり、そしてRが水素、ハロ、−OH、アルコキシアルキルもしくは−(CH−N(R19)SO12であり、ここで、R19がHでありそしてfが0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
がHであり、そしてRがアルコキシアルキルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
およびRが、それらが結合している炭素と一緒に結合して−C(=C(R15)(R18)−を形成し、ここでR15およびR18はそれぞれHであるか、あるいはR15はHであり、R18はハロもしくはアルコキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
、Rおよびそれらが結合している炭素が、R13で置換されたシクロアルキル環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
実施例1、2、3、5、8、9、10、12、13、14、17、26、27、28、30、33、34、35、41、58、60、63、66、68、77、81、86、87、90、91、94、95、96、97、99、100、101および108の化合物からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
有効量の請求項1に記載の化合物および薬学的に有効なキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項16】
アレルギー、アレルギー誘発性気道応答、うっ血、低血圧、心臓血管疾患、胃腸管疾患、胃腸管の過剰運動性および低運動性ならびに酸分泌、メタボリックシンドローム、肥満症、睡眠障害、中枢神経系の低活性および過剰活性、認知欠陥障害、非アルコール性脂肪肝疾患、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪肝炎、肝硬変、肝細胞癌および片頭痛を処置する方法であって、該方法は、有効量の請求項1に記載の化合物をこのような処置の必要な患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項17】
アレルギー誘発性気道応答、鼻のうっ血、メタボリックシンドローム、肥満症もしくは認知欠陥障害が処置される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
有効量の請求項1に記載の化合物および有効量のHレセプターアンタゴニストならびに薬学的に有効なキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項19】
アレルギー、アレルギー誘発性気道応答およびうっ血を処置する方法であって、該方法は、有効量の請求項1に記載の化合物を有効量のHレセプターアンタゴニストと組み合わせて、このような処置の必要な患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項20】
有効量の請求項1に記載の化合物、および肥満症、メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪肝疾患、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪肝炎、肝硬変、肝細胞癌もしくは認知欠陥障害を処置するのに有用な少なくとも1つの他の化合物の有効量、ならびに薬学的に有効なキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項21】
肥満症もしくはメタボリックシンドロームを処置するのに有用な前記少なくとも1つの他の化合物が、食欲抑制剤、代謝率増強剤、栄養吸収インヒビター、HMG−CoAレダクターゼインヒビター、置換アゼチジノンおよび置換β−ラクタムステロール吸収インヒビターからなる群より選択され、そして、認知欠陥障害を処置するのに有用な他の化合物が、アトモキセチン、デキサメチルフェニデート、オランザピン、リスペリドン、アリピプラゾール、ドネペジル、ヘプチルフィゾスチグミン、タクリン、リバスチグミンおよびガランタミンからなる群より選択される、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
請求項1に記載の化合物に加えて、HMG−CoAレダクターゼインヒビターおよび食欲抑制剤を含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
肥満症、メタボリックシンドロームもしくは認知欠陥障害を処置する方法であって、該方法は、有効量の請求項1に記載の化合物と、肥満症、メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪肝疾患、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪肝炎、肝硬変、肝細胞癌もしくは認知欠陥障害を処置するのに有用な少なくとも1つの他の化合物の有効量とを組み合わせて、このような処置の必要な患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項24】
肥満症もしくはメタボリックシンドロームを処置するのに有用な前記化合物が、食欲抑制剤、代謝率増強剤および栄養吸収インヒビターからなる群より選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記食欲抑制剤が、カンナビノイドレセプター1アンタゴニストもしくは逆アゴニスト、神経ペプチドYアンタゴニスト、代謝型グルタミン酸サブタイプ5レセプターアンタゴニスト、メラニン濃縮ホルモンレセプターアンタゴニスト、メラノコルチンレセプターアゴニスト、セロトニン取り込みインヒビター、セロトニン輸送体インヒビター、ノルエピネフリン輸送インヒビター、グレリンアンタゴニスト、レプチンもしくはその誘導体、オピオイドアンタゴニスト、オレキシンアンタゴニスト、ボンベシンレセプターサブタイプ3アゴニスト、コレシストキニン−Aアゴニスト、毛様体神経栄養因子もしくはその誘導体、モノアミン再取り込みインヒビター、グルカゴン様ペプチド1アゴニスト、トピラメート、およびフィトファーム化合物57からなる群より選択され;前記代謝率増強剤が、アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2インヒビター、βアドレナリン作用性レセプター3アゴニスト、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼインヒビター、脂肪酸シンターゼインヒビター、ホスホジエステラーゼインヒビター、甲状腺ホルモンβアゴニスト;脱共役タンパク質活性化因子、アシル−エストロゲン;グルココルチコイドアンタゴニスト;11−βヒドロキシルステロイドデヒドロゲナーゼタイプ1インヒビター、メラノコルチン−3レセプターアゴニストおよびステアロイル−CoAデサチュラーゼ−1化合物からなる群より選択され;そして前記栄養吸収インヒビターが、リパーゼインヒビター、脂肪酸輸送体インヒビター、ジカルボキシレート輸送体インヒビター、グルコース輸送体インヒビターおよびリン酸輸送体インヒビターからなる群より選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
肥満症もしくはメタボリックシンドロームを処置するのに有用な前記化合物が、リモナバント、2−メチル−6−(フェニルエチニル)−ピリジン、3[(2−メチル−1,4−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン、メラノタン−II、Mc4rアゴニスト、デクスフェンフルラミン、フルオキセチン、パロキセチン、フェンフルラミン、フルボキサミン、セルタリン、イミプラミン、デシプラミン、タルスプラム、ノミフェンシン、レプチンもしくはそれらの誘導体;ナルメフェン、3−メトキシ−ナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソン、ブタビンジド、アクソキン、シブトラミン、トピラメート、フィトファーム化合物57、Cerulenin、テオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラム、シロミラスト、フィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸、レチノイン酸、オレオイル−エストロン、オルリスタット、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン、茶サポニンおよびジエチルウンベリフェリルホスフェートからなる群より選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
認知欠陥障害を処置するのに有用な前記化合物が、アトモキセチン、デキサメチルフェニデート、オランザピン、リスペリドン、アリピプラゾール、ドネペジル、ヘプチルフィゾスチグミン、タクリン、リバスチグミンおよびガランタミンからなる群より選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪肝疾患、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪肝炎、肝硬変、肝細胞癌もしくは肥満症を処置するための請求項23に記載の方法であって、ここで、請求項1に記載の前記化合物が、HMG−CoAレダクターゼインヒビターまたは置換アゼチジノンもしくは置換β−ラクタムステロール吸収インヒビターからなる群より選択されるメタボリックシンドロームもしくは肥満症を処置するための少なくとも1つの化合物と組み合わせて投与される、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
請求項1に記載の化合物が、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、レスバスタチン、セリバスタチン、リバスタチン、ピタバスタチンおよびエゼチミブからなる群より選択される化合物と一緒に投与される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
請求項1に記載の化合物が、HMG−CoAレダクターゼインヒビターおよび食欲抑制剤と一緒に投与される、請求項28に記載の方法。

【公表番号】特表2008−543940(P2008−543940A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518306(P2008−518306)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/023937
【国際公開番号】WO2007/002057
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】