説明

ピクセル配置構成を有するディスプレイ

第1の非オーバラップピクセルグループ及び第2の非オーバラップピクセルグループ、第1と第2のピクセルグループとの間に位置するガターを含む表示エリアを有する基板であって、該ガターは、第1及び第2のピクセルグループを分離する第1の方向の寸法を有し、各ピクセルグループは、各ピクセルが3つ以上の異なって着色されたサブピクセルを有する複数のピクセルを含み、各ピクセルグループ内のピクセルのピクセル中心は、第1の方向に平行な1次元を有する規則的な2次元アレイで配列され、ピクセルグループ内のピクセルは、第1の方向にピクセル間分離だけ分離される、基板と、ガター内に配列された1つ又は複数の電気要素であって、各サブピクセルは、1つ又は複数の電気要素のうちの1つに接続され、ガター寸法は、表示される画像内のアーティファクトが低減されるように、ピクセル間分離より大きい、電気要素とを備える、ディスプレイ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
2008年8月14日に出願されて同一譲受人に譲渡された、Dustin L. Winters他に対する「OLED DEVICE WITH EMBEDDED CHIP DRIVING」という名称の米国特許出願第12/191,478号が参照される。この米国特許出願の開示は本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、ピクセルグループを有するディスプレイに関し、より詳細には、ディスプレイ上でこうしたグループを編成し、それにより、画質を維持しながら、有機エレクトロルミネッセントエミッターの電流密度を低減することに関する。
【背景技術】
【0003】
液晶、プラズマ、エレクトロルミネッセント(EL)ディスプレイ技術を含む多くの技術に基づくフラットパネルディスプレイが、当該技術分野でよく知られている。一般に、これらのディスプレイは、表示エリアを有する基板を含む。個々の発光素子又はサブピクセルは、その後、この表示エリア内に配列される。通常、水平方向及び垂直方向の両方における一定でかつ反復する距離によって、これらのサブピクセルのそれぞれの発光部が分離される。サブピクセルの発光部を分離するこのギャップは、サブピクセルの発光部に駆動信号を提供するための電気要素を含むことが多い。
【0004】
これらのフラットパネルディスプレイの性能にとって重要な特性のうちの1つは、光を放出する各サブピクセルのエリアの部分である各サブピクセルの発光部の開口率(aperture ratio)である。この開口率は、液晶ディスプレイ等の、光を変調するディスプレイの効率に著しい影響を及ぼし、また、各サブピクセルが光を生成し放出する有機発光ディスプレイ(OLED)等の発光型ディスプレイの寿命に著しい影響を及ぼす。開口率を上げるために、サブピクセルの発光部を分離するギャップ内の電気素子のサイズを低減することができる。しかし、これらの電気要素は、小さ過ぎると、表示エリア内でのサブピクセル間での電力分配等の重要な機能を実行することができない。表示エリア内では、短絡を防止するとともに、製造プロセスにおける配置の変動性に対する公差を許容するために、各サブピクセルの発光部と電気要素との間、及び表示エリア内の隣接する電気要素のうちの多くのものの間に空間も必要とされる。
【0005】
電気要素のうちの多くのもののサイズは、特定のディスプレイサイズについて一定であることが重要である。例えば、電力バスのサイズは、ディスプレイの全体のサイズ及び電力バスが分配することを要求される電流量に関して決定されることが多い。したがって、ディスプレイの解像度が増加し、より多くのサブピクセルが、表示エリア内に収まるように設計されるにつれて、ディスプレイの解像度が増加するにつれて、これらのサブピクセルの発光部の開口率は減少する。この制約は、高解像度ディスプレイについてのディスプレイ市場の要求と直接競合する。
【0006】
通常、各サブピクセルは、発光部及び電気要素の同じ配置構成又は非常に類似した配置構成から形成されるため、フラットパネルディスプレイ内のサブピクセルは、水平方向及び垂直方向に等間隔で分離される。この配置構成は、表示エリア全体にわたって複製される。発光サブピクセル部及び非発光サブピクセル部のこの規則的な反復配置構成によって、撮像アーティファクトが低減されることが当技術分野で認められている。この反復配置構成は、通常、3つ以上の光の色のそれぞれを放出するための異なるサブピクセルを有するフルカラーディスプレイにおいてさえも使用される。
【0007】
ディスプレイ全体にわたって同じサブピクセルレイアウトが複製されないピクセル配置構成を使用することが当技術分野で知られている。例えば、「Active Matrix Display Device」という名称の特許文献1のMiyajimaは、、液晶サブピクセルの2つの行間で電力ラインが共有される液晶ディスプレイを説明している。この配置構成では、同じサブピクセル配置構成が基板全体にわたって反復されるのではなく、代わりに、表示エリア内のサブピクセルの偶数行及び奇数行がそれぞれ、異なるレイアウト及び異なる分離を有する。この配置構成は、サブピクセルの行間で電力ラインが共有されるため、電力バスのサイズが低減され、電力バスのうちの1つの周りで必要とされる公差が取り除かれ、液晶変調器の開口率が増加することを可能にするという利点を有する。しかし、この配置構成において、Miyajimaは、撮像アーティファクトを回避するために、サブピクセルの発光部間で均等な空間を維持する方法を教示している。サブピクセルの偶数行及び奇数行は異なる配置構成を有するが、この配置構成は、異なる配置構成を有するサブピクセルの交互の行を有するディスプレイに固有であることを知っておくべきである。
【0008】
「Drive circuitry for four-color organic light-emitting device」という名称の特許文献2のWinters、「OLED displays with varying sized pixels」という名称の特許文献3のWinters他、及び「EL device having improved power distribution」という名称の特許文献4のCok他はそれぞれ、4色ピクセルを形成する4つのサブピクセルのグループの間で電力バス又は他の電気要素が共有されるELディスプレイピクセル配置構成を論じている。やはり、この配置構成も、サブピクセルの2つの隣接する行又は列の間で電力バス又は他の電気要素を共有するという利点を有する。「Active Matrix Organic EL Display panel」という名称の特許文献5のSakamotoは、一方の方向におけるサブピクセル間のギャップのサイズが他方の方向のものと異なっているELディスプレイを論じている。しかし、ELディスプレイ技術分野におけるこれらの開示のそれぞれは、全てのピクセル間の距離が少なくとも1つの方向に沿って等しいピクセルアレイを図示又は説明しており、ピクセルは、ディスプレイ内で全ての色のサブピクセルを含むサブピクセルの可能な最小の反復グループである。
【0009】
可変サイズでかつ可変間隔の光収集要素又は発光要素を有するディスプレイ又はセンサも知られている。例えば、「Anti-moire pixel array having multiple pixel types」という名称の特許文献6のBerstisは、1つのこうした配置構成を論じている。しかし、本開示は、このランダムなアレイ内での電気要素の配線を論じてもいないし説明してもいない。表示エリア内で空間を共有するための、サブピクセルの電気要素及び発光部についての要件、並びに製造歩留まり及び電気要素が規則的なグリッドにほぼ従う必要性を左右する性能考慮事項は、ほとんどのフラットパネルディスプレイ用途についてこうした配置構成を非実用的にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許公開第20020057266号明細書
【特許文献2】米国特許第6,771,028号明細書
【特許文献3】米国特許第7,382,384号明細書
【特許文献4】米国特許公開第20070176859号明細書
【特許文献5】米国特許第7,368,868号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第20030184665号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ディスプレイの解像度が更に増加するにつれて、開口率の更なる増加が、フラットパネルディスプレイの効率及び寿命を改善するために必要である。開口率のこの増加は、ディスプレイの画質を許容不能なレベルまで劣化させる望ましくない画像アーティファクトを生成することなく達成されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、
a)基板であって、該基板のサイズより小さい表示エリアを有し、該表示エリアは、第1の非オーバラップピクセルグループ及び第2の非オーバラップピクセルグループ、並びに該第1のピクセルグループと該第2のピクセルグループとの間に位置するガターを含み、該ガターは、前記第1のピクセルグループ及び前記第2のピクセルグループを分離する第1の方向の寸法を有し、各ピクセルグループは、
i)各ピクセルが3つ以上の異なって着色されたサブピクセルを有する複数のピクセルを含み、
ii)各ピクセルグループ内の前記ピクセルのピクセル中心は、前記第1の方向に平行な1次元を有する規則的な2次元アレイで配列され、ピクセルグループ内のピクセルは、前記第1の方向にピクセル間分離だけ分離される、基板と、
b)前記ガター内に配列された1つ又は複数の電気要素であって、各サブピクセルは、前記1つ又は複数の電気要素のうちの1つに接続され、前記ガター寸法は、表示される画像内のアーティファクトが低減されるように、前記ピクセル間分離より大きい、電気要素と、
を備える、ディスプレイが提供される。
【発明の効果】
【0013】
ピクセルを編成したものを配列することによって、発光型ディスプレイの発光面積を増加させ、それにより、エミッターの電流密度を低減する、より効率的なピクセル設計が提供される。この利点は、こうした配置構成の結果として生じるアーティファクトの可視性を低減し、それにより、画質を維持しながら得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の配置構成によるディスプレイの一部分の平面図である。
【図2】コントローラーを含む、本発明のディスプレイの略図である。
【図3】本発明の配置構成において有用なコントローラーの略図である。
【図4】本発明の配置構成において有用なコントローラーの略図である。
【図5】本発明の配置構成によるディスプレイの一部分の平面図である。
【図6】本発明の配置構成において有用なコントローラーの略図である。
【図7】本発明の配置構成によるチップレットを使用するディスプレイの一部分の平面図である。
【図8】図7のディスプレイのより大きな部分の平面図である。
【図9】本発明の配置構成による従来のTFTバックプレーンを使用するディスプレイの平面図の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、改善されたフィルファクター(fill factor)を有するディスプレイを提供し、画像アーティファクトが低減されたエレクトロルミネッセント(EL)ディスプレイにおいて低減された電流密度を提供する。こうしたディスプレイ2の一部分の例が図1に示される。図示するように、このディスプレイ2は、基板4、及びピクセルを含む表示エリア6を含み、表示エリア6は、基板4のサイズ又は面積より小さい。表示エリア6は、第1の非オーバッラップピクセルグループ8及び第2の非オーバッラップピクセルグループ10、並びに第1の非オーバッラップピクセルグループ8と第2の非オーバラップピクセルグループ10との間に位置するガター12を含む。このガター12は、更に説明されるように、ピクセルの複数の行又は列に電力又は制御信号を提供するための電気要素を含む。このガター12は、矢印16で示す第1の方向に寸法14を有し、第1のピクセルグループ8及び第2のピクセルグループ10を分離する。ガター寸法14は、図1に示すピクセル間の空間を含むように測定される。通常の配置構成では、ガター12に隣接するピクセル24、26のエッジ、ピクセルグループ8のエッジ、及びガター12のエッジは一致する。しかし、それぞれの個々のエンティティの存在を示すのを助けるために、エッジは、図1において非オーバラップラインを使用して描かれている。ガターは、一般に、電気要素のため、また、ディスプレイ内でこれらの電気要素と他の要素との間に空間を提供するために取っておかれることに留意すべきである。ガターは、本開示で用いられるとき、ピクセルの発光領域を含まないことになる。
【0016】
各ピクセルグループ8、10は、複数のピクセル20、22、24、26を含み、各ピクセル20は、3つ以上の異なって着色されたサブピクセル30、32、34、36を有する。各ピクセル20内でのサブピクセル30、32、34、36の1つの可能な配置構成が図1に示される。図示するように、ピクセル20は、赤サブピクセル32、緑サブピクセル30、及び青サブピクセル34を含む。この特定の配置構成における各ピクセル20、22、24、26は、異なる色の光を放出するための少なくとも1つの更なるサブピクセル36を更に含み、異なる色の光は、通常、白色、シアン色、又は黄色の光の中から選択されることになる。本開示において、更なるサブピクセル36は、白サブピクセルと呼ばれることが多く、白発光サブピクセルは、更なるサブピクセルとして選択されることが多い。しかし、本発明は、シアン光又は黄光を放出する更なるサブピクセルを使用するディスプレイにも同様によく当てはまることを当業者は認識するであろう。本開示において、「ピクセル」は、ディスプレイ上で反復される3つ以上の異なって着色されたサブピクセルの任意のグループとして規定される。通常、白光を放出するようにピクセル内のサブピクセルを照明させることが可能である。「サブピクセル」は、光を放出する個々にアドレス指定可能な素子として規定される。したがって、光は、サブピクセル30、32、34、36のエリア全体から放出される。しかし、ピクセル20は、サブピクセル30、32、34、36及びサブピクセル間のエリアを含む。各ピクセル20は、ピクセル20内のサブピクセル30、32、34、36の幾何学的中心を計算することによって確定されるピクセル中心38、40、42、44を有することになる。
【0017】
各ピクセルグループ8内のそれぞれのピクセル20、22、24、26のピクセル中心38、40、42、44は、矢印16で示す第1の方向に平行な方向に配列された1次元を有する規則的な2次元アレイで配列される。各ピクセル20は、矢印16で示す第1の方向に平行である一対のエッジ及び第1の方向に垂直である一対のエッジを有する。これらのエッジは、矢印16で示す第1の方向に平行に又は垂直に存在し、かつ、ピクセル内に各サブピクセルの全体を閉囲しながら、できる限りピクセル中心38、40、42、44に近いラインによって指定される。例えば、ピクセルエッジは、ピクセル20を示すラインによって示される。その理由は、このラインが、サブピクセル30、32、34、及び36の全体を閉囲すると同時に、矢印16で示す方向に平行な2つのエッジ及び該方向に垂直な2つのエッジを有するからである。ピクセルグループ内のピクセル、例えばピクセル20及び22、第1の方向にピクセル間分離46だけ分離され、そのピクセル間分離は、第1の方向に垂直なピクセル20のエッジと隣のピクセル22の最も近い平行エッジとの間の距離である。
【0018】
ディスプレイは、ガター12内に配列された1つ又は複数の電気要素48を更に含む。ピクセルグループ内の各サブピクセルは電気要素に接続される。ガター寸法14は、ピクセル間分離46より大きく、したがって、ピクセルグループ間の分離は、ピクセル間分離より大きい。この配置構成は、表示画像内のアーティファクトが低減されるように提供される。更に論じるように、ディスプレイ内のアーティファクトは、複数の配置構成又はディスプレイ駆動方法によって低減される。
【0019】
図1に示すような本発明の特定の配置構成では、各電気要素48は、矢印16で示す第1の方向に要素寸法50を有し、ガター寸法14は、要素寸法48より大きい。したがって、各電気要素48は、矢印16で示す第1の方向にそれぞれの要素寸法50を有し、ガター寸法14は、要素寸法のいずれよりも大きい。同様に図示するように、図1では、各ピクセルグループ8は、矢印16で示す第1の方向に配列された3つ以上のサブピクセル30、34、54、56を含む。図1に更に示すように、表示エリア6は、第1の非オーバラップピクセルグループ8、第2の非オーバラップピクセルグループ10、及び第3の非オーバラップピクセルグループ60を含む。ガター寸法14は、矢印16で示す第1の方向に、第1のピクセルグループ8と第2のピクセルグループ10との間で測定される。さらに、第2のガター寸法58を有する第2のガター62は、矢印66で示すように、第1の方向と異なる第2の方向において、第1のピクセルグループ8と第3のピクセルグループ60との間に位置する。第2のガター寸法58は、第2の方向に、第1のピクセルグループと第3のピクセルグループとの間で測定される。各ガター12、62のそれぞれの寸法14、58は、ピクセルグループのそれぞれの方向において、それぞれのピクセル間分離46、64より大きい。すなわち、ガター12の寸法14は、ピクセル分離46より大きく、ガター62の寸法58は、ピクセル分離64より大きい。同様に、図1に示すように、矢印16で示す第1の方向及び矢印66で示す第2の方向は、いくつかの配置構成において直交する。
【0020】
図2を参照して、いくつかの配置構成では、本発明のディスプレイ2は、該ディスプレイ2上に画像を提示するために、入力画像信号72を受信し、該入力画像信号72に応答してピクセルの輝度を制御するための駆動信号74を提供するコントローラーを備えることができる。通常の入力画像信号72は、規則的なサンプリンググリッドを有する3色信号を含む。すなわち、信号は、通常、同時に起こる赤、緑、及び青の光放出を有するピクセルのアレイを有するディスプレイ上に画像を提示するようにフォーマットされ、ピクセルのそれぞれの中心は、サンプリンググリッド上にあり、ピクセル中心は等間隔である。入力画像信号が、本発明のディスプレイ2等のディスプレイ上に提示されると、画像のライン及びエッジは、通常、歪まされる。この歪を回避するために、1つの配置構成では、コントローラー70は、第1の方向においてガターの寸法14とピクセルグループ分離46との差を補償するために入力画像信号を処理する補間回路部を含むことになる。いくつかの配置構成では、この同じ補間回路部はまた、同時に起こらない赤光、緑光、及び青光の放出の存在を補償する。
【0021】
必要な補間回路部を含むコントローラーの配置構成が図3に示される。この図に示すように、コントローラー70は、入力画像信号72を受信し、この入力画像信号を受信ユニット80に供給する。この受信ユニットは、受信済み入力画像信号82を形成するために、入力画像信号72を圧縮解除すること又は入力画像信号72の色空間を変換することを含む、データをフォーマットするのに必要な任意の処理を実行する。受信済み入力画像信号82は、その後、少なくとも1行のデータを格納するためのラインバッファーユニット84に給送されることになる。同時に、受信ユニットは、入力画像信号72内の再スキャン信号に対応するラインの終わりを示すエンドオブライン信号86をライン切換えユニット88に提供する。このライン切換えユニット88は、ライン選択信号90を提供する。このライン選択信号90は、ディスプレイ2上でガター12に対する入力画像信号72内のラインの場所を示すことになる。例えば、図1のディスプレイの例では、ライン選択信号90は、ガターの下の行については1を示し、ガターの真上の行については2を示すことができる。いくつかの配置構成では、ライン切換えユニット88はまた、ライン選択信号90内で提供されるデータの各ピクセルについて異なるコードを提供することになる。ライン選択信号90に応答して、補間係数選択ユニット92は、補間係数格納ユニット96から選択及び補間信号94を交換し、補間係数信号106を補間ユニット100に提供することになる。補間ユニット100は、複数のピクセルのデータを使用して第1の方向に補間を適用して、補間済み信号を提供することになる。補間ユニット100は、ラインバッファーユニット84からバッファリングされた入力画像信号98を取得し、補間係数信号106を使用してこれらの値を補間することによりこの補間を完了して、補間済み信号102を提供する。この補間済み信号102は、その後、駆動信号ユニット104によって駆動信号74に変換されることになる。
【0022】
この変更された補間を実行することによって、ガターから遠くのサブピクセルは、ガターに近い空間的場所に対応する画像信号値に比べて、ガターから遠い空間的場所に対応する入力画像信号値により重く依存するように重み付けられることになる。したがって、この空間的補間技法の適用は、ピクセルグループにわたって表示されるラインの直線性を改善することを含めて、空間的歪を低減することになる。ラインの直線性のこの改善は、ガターの反対側のピクセルグループについて特に有用である。
【0023】
他の画像処理オプションが、いくつかの実施形態で使用されて、ディスプレイ2上で提示される画像のアーティファクトの可視性が更に低減される。図1に示すディスプレイ2は、1つのこうした技法を可能にする。図1に示すように、各ピクセル20は、4つのサブピクセル30、32、34、36の反復配置構成を含み、各サブピクセルは、異なる色の光を放出し、各ピクセル20は、第1の方向に、対応する異なる色の光を放出するための少なくとも2つのサブピクセル30、34を含み、各ピクセルグループ8は、矢印16で示す第1の方向に複数のピクセル20、24を含む。各ピクセル8が4つのサブピクセル30、32、34、36を含むとき、3色入力画像信号で指定される任意の色が、4つのサブピクセルのうちのわずか3つのサブピクセルの2つの固有のグループからの光を結合することによって作られる。この配置構成によって、ピクセル輝度の大部分を、ピクセルエッジ又は対向するピクセルエッジ上の近い方のサブピクセルから形成することによって、知覚されるピクセルの中心をシフトすることが可能になる。したがって、いくつかの配置構成では、ディスプレイ2は、入力画像信号72を受信するための、図2のコントローラー70等のコントローラーを更に含み、コントローラー70は、フラットフィールド入力画像信号に応答して、ガターに隣接するサブピクセルが、残りのサブピクセル、例えば各ピクセルグループの内部のサブピクセルより高い輝度を提供するようにサブピクセルの輝度を制御するための駆動信号74を提供する。フラットフィールド入力画像信号は、各ピクセルの所望の輝度が同じである信号である。
【0024】
より明確な例では、サブピクセル30、32、34、36の配列は、アクティブ表示エリア6の全てのピクセル20において反復される。これらのサブピクセルは、緑光及び白光をそれぞれ放出するサブピクセル30及び36並びに赤光及び青光をそれぞれ放出するサブピクセル32及び34を含む。この配置構成では、ピクセルによって提供される輝度の非常に大きな部分は、緑光放出サブピクセル30及び白光放出36によって提供されることになる。したがって、隣接するガターにいずれが近いかに応じて、緑サブピクセル又は白サブピクセルを優先的に使用するために駆動方法を変更することによって、知覚されるピクセルの中心は、ガター内のエリアにより近くシフトされ、本発明者らによって認められるように、ガターの可視性を低減することになり、したがって、提示される画像のアーティファクトが低減される。
【0025】
必要な3色/4色変換回路部を含むコントローラーの配置構成が図4に示される。このコントローラー130は、図3のコントローラーで示すのと同じコンポーネントのうちのいくつかを有し、いくつかの配置構成では、このコントローラーの固有の機能は、図3のコントローラー70の機能と統合される。この図に示すように、コントローラー130は、入力画像信号72を受信し、この入力画像信号を受信ユニット80に供給する。この受信ユニット80は、受信済み入力画像信号82を形成するために、入力画像信号72を圧縮解除すること、又は、入力画像信号72の色空間を変換することを含む、データをフォーマットするのに必要な任意の処理を実行する。受信済み入力画像信号82は、入力画像信号で表われるピクセルごとの3つの入力信号値を含む3色入力画像信号とすることができ、入力画像信号72の各ピクセルについて3つの入力信号値の最小値を計算するための最小ユニット112に給送することができる。同時に、受信ユニットは、入力画像信号72内の再スキャン信号に対応するラインの終わりを示すエンドオブライン信号86をライン切換えユニット88に提供する。このライン切換えユニット88は、ライン選択信号90を提供する。このライン選択信号90は、ディスプレイ2上でガター12に対する入力画像信号72内のラインの場所を示すことになる。例えば、図1のディスプレイの例では、ライン選択信号90は、ガターの下の行については1を、ガターの真上の行については2を示すことができる。いくつかの配置構成では、ライン切換えユニット88はまた、ライン選択信号90内で提供されるデータの各ピクセルについて異なるコードを提供することになる。ライン選択信号90に応答して、白混合比選択ユニット114は、白サブピクセルによって生成される輝度の比を示す信号を提供することになる。ライン選択信号が、ガターに隣接する緑サブピクセルを有するピクセルに入力画像データが対応するようなものである場合、低い値、例えばゼロが割り当てられることになり、ガターに隣接する白サブピクセルを有するピクセルにデータが対応する場合、高い値、例えば1が、白混合比信号として割当てられることになる。この白混合比信号116は、その後、W計算ユニット120に提供されることになる。W計算ユニットは、最小ユニット112から確定される最小信号118の最小値を白混合比信号116に乗算して、白サブピクセルを駆動するためのW信号122を計算することになる。W信号122は、W減算ユニット124に提供され、W減算ユニット124は、受信済み入力画像信号82の3色信号からこの値を減算して、出力R信号、出力G信号、及び出力B信号126が取得される。RGBW信号126は、その後、これらの値を駆動信号74に変換する駆動信号ユニット128に提供されることになる。黄光又はシアン光を放出する更なるピクセルを使用する実施形態では、この白混合比信号116は、必要とされる黄光又はシアン光の混合比を示し、この信号は、類似の方法で印加されることになる。
【0026】
図4のコントローラーは、図1に示すディスプレイ2と同様なピクセル配置構成を有するディスプレイに適用されるが、同様な処理は、他のピクセル配置構成においても適用される。図5は、一対のガター134と136との間にピクセルグループ132を含むエレクトロルミネッセント(EL)表示エリア131の一部分を示し、各ガターは1つ又は複数の電気要素138、140を含む。図5に示すように、ピクセルグループ132は、4つの固有のピクセルの行142、144、146、148を含む。これらのピクセルの行142、144、146、148のそれぞれは、赤光、緑光、及び青光をそれぞれ放出するためのサブピクセル150、152、154の反復パターンをそれぞれ含むピクセルの反復パターンを含む。このような配置構成では、ピクセルの行144及び146は、サブピクセルの高さ及びピクセルグループ132内の2つのサブピクセルの行の間の垂直分離を含む、垂直方向にわたって光を提供する。一方、ピクセルの行142及び148は、サブピクセルの高さ、サブピクセル間の垂直分離の半分、及びガターの寸法の半分を含む、垂直寸法にわたって光を提供する。本発明のディスプレイのガターは、垂直方向のピクセル分離より大きい寸法を有し、したがって、全てのピクセルが同じ輝度を生成するように駆動される場合、ガターに近い、すなわち行142及び148内のピクセル並びにガターを含む領域の全体的な輝度は、少なくとも1つのピクセルの行によってガターから分離されるピクセルグループのピクセル、すなわち行144、146のピクセルの全体的な輝度より小さくなるようにユーザーに見える。したがって、見かけのこの輝度の差を補償するためにガターに隣接するピクセルの相対輝度を増加させることによってアーティファクトが低減される。
【0027】
ピクセルの行の輝度におけるこの調整は、図6に示すコントローラーを更に提供する本発明の1つの配置構成内で提供される。このコントローラー160は、図3のコントローラーで示すのと同じコンポーネントのうちのいくつかを有し、いくつかの配置構成では、このコントローラーの固有の機能は、図3のコントロータ70の機能と統合される。この図に示すように、コントローラー160は、入力画像信号72を受信し、この入力画像信号を受信ユニット80に供給する。この受信ユニットは、入力画像信号を圧縮解除すること又は入力画像信号の色空間を変換することを含む、データをフォーマットするのに必要な任意の処理を実行する。受信済み入力画像信号82は、入力画像信号で表わされるピクセルごとの3つの入力信号値を含む3色入力画像信号であり、利得適用ユニット166に給送することができる。同時に、受信ユニットは、入力画像信号72内の再スキャン信号に対応するラインの終わりを示すエンドオブライン信号86をライン切換えユニット88に提供する。このライン切換えユニット88は、ライン選択信号90を提供する。このライン選択信号90は、図5に示すディスプレイ上でガター12に対する入力画像信号72内のラインの場所を示すことになる。例えば、ライン選択信号90は、ガターに隣接するピクセルの行については1を、ガターに隣接しないピクセルの行については2を示すことになる。ピクセルが、図5に示すガターに垂直に配向するとき等のいくつかの配置構成では、ライン切換えユニット88はまた、ライン選択信号90内で提供されるデータの各ピクセルについて異なるコードを提供することができる。ライン選択信号90に応答して、利得選択ユニット162は、利得信号164を選択し提供する。この利得値は、ガターに隣接しないピクセルの行に比べて、ガターに隣接するピクセルの行について大きいことになる。利得適用ユニット166は、利得信号164及び受信済み入力画像信号82の両方を受信し、利得信号164を受信済み入力画像信号82に適用することになる。利得適用ユニット166は、その後、利得された信号168を駆動信号ユニット104に提供し、駆動信号ユニット104は、ディスプレイ上に画像を提示するために駆動信号170を提供する。こうしたコントローラーを設けることによって、ディスプレイは、入力画像信号を受信し、フラットフィールド入力画像信号に応答して、ガターに隣接するピクセルが残りのピクセルより高い輝度を提供するようにピクセルの輝度を制御するコントローラーを更に含む。
【0028】
本発明は、或る特定の電気要素のサイズが、ピクセル間分離より大きくなるように制限されるときに特定の利点を有する。図7は、1つのこうした配置構成を示す。図7に示すように、ELディスプレイの一部分が形成される。ELディスプレイのこの部分は、基板182及び基板182より小さい表示エリア184を含む。図示するように、ELディスプレイのこの部分は、4つのピクセル186、188、190、192を含む。各ピクセルは、電流に応答して赤光、緑光、青光、及び白光をそれぞれ放出する4つのサブピクセル194、196、198、200を含む。この配置構成によって、各ピクセル内のサブピクセルを照明させるための電流を提供する電力バス202上に電流が提供される。
【0029】
これらのサブピクセルを制御するために、チップレット204が、電力バス202及び4つのピクセル186、188、190、192内の各サブピクセルに取り付けられる。「チップレット」は、ディスプレイデバイス内に搭載され埋め込まれる、別個に作製された集積回路である。従来のマイクロチップ(又はチップ)と非常によく似て、チップレットは、基板から作製され、集積化トランジスタ、並びに、半導体作製設備(又はfab)において堆積され、その後フォトリソグラフィ法を使用してパターニングされる絶縁体層及び導体層を含む。チップレット内のこれらのトランジスタは、ディスプレイのピクセルに電流を駆動するトランジスタ駆動回路内に配列される。チップレットは、従来のマイクロチップより小さく、従来のマイクロチップと違って、ワイヤボンディング又はフリップチップボンディングによってチップレットに対して電気接続が行われない。代わりに、ディスプレイ基板上に各チップレットを搭載した後に、伝導層及び絶縁体層の堆積及びフォトリソグラフィ的パターニングが続く。したがって、例えばサイズが2マイクロメートル〜15マイクロメートルのビアを使用することによって接続部を小さくすることができる。チップレットが、別個の基板上で作製され、ディスプレイ基板上に堆積されるため、これらのチップレットの製造及びハンドリングは費用がかかる可能性がある。しかし、本発明では、ピクセル186、188、190、192等の複数のピクセルを駆動することができるチップレットを生成することによって、チップレットの数が低減される。しかし、アーティファクトを低減するために、チップレットは、できる限り小さな寸法を有することが望ましい。したがって、図示するように、チップレット204は、矢印205の方向で示す第1の方向に第1のチップレット寸法208を有するとともに、矢印206の方向で示す第2の直交方向に第2のチップレット寸法210を有する。第1のチップレット寸法208は、第2のチップレット寸法210より小さい。
【0030】
これらのチップレットは、その後、電気コネクターによってディスプレイ内のサブピクセルに取り付けられる。例えば、サブピクセル194は電気コネクター212によってチップレットに接続され、サブピクセル198は電気コネクター214によってチップレット204に接続される。図示するように、図7では、この配置構成の各チップレットは、電力バス202から第1の方向の4つのサブピクセルの行への電流を変調する。194及び198に加えてサブピクセル216及び220は、矢印205の方向で示すのと同じ第1の方向に配列される。これらのサブピクセルも、電気コネクター218及び222によってチップレット204に接続される。本発明によれば、チップレット204は、ガター224内に位置する。ガター内には選択ライン215も示される。この選択ライン215は、ディスプレイ内の各チップレット204に、チップレット204に取り付けられた各サブピクセルについての所望の駆動レベルを示すデータを提供することになる。TFT内の回路は、その後、電力バス202から、電気コネクター212を含む電気コネクターを通って、サブピクセル194を含むサブピクセルのそれぞれへの電流の流れを変調する。したがって、ガター内に配列された1つ又は複数の電気要素は、光を放出するようにサブピクセルを駆動するために、電気コネクターによってサブピクセルに電気的に接続された複数のチップレットを更に含む。これらの電気コネクターは、各チップレットに直接接続される。
【0031】
ディスプレイ部180は、その後、ディスプレイのより大きな部分を形成するために、タイル状に並べられる。図8は、4つのチップレット232a、232b、232c、及び232d並びに2つの電力バス234a、234bを含むディスプレイ230の一部分を示す。これらのチップレット232a、232b、232c、232d及び電力バス234a、234bのそれぞれは、ガター内に存在し、第1の方向のガター内に存在するチップレットは第1のガター寸法236a、236bを有し、第2の方向のガター内に存在する電力バス234a、234bは第2のガター寸法238a、238bを有する。これらの2つのガターの間で、4つのピクセルを含むとともに各ピクセルが4つのサブピクセルを含むピクセルグループ246が形成されている。垂直ピクセル間分離240及び水平ピクセル間分離242は、これらのピクセルの対の間に存在し、これらのピクセル間分離240、242は、第1の方向のガター寸法236a、236b又は第2の方向のガター寸法238a、238bより小さい。チップレット232a、232b、232c、232d、電力バス234a、234b、及び選択ライン244a、244bのそれぞれは、ガター内に形成されている電気要素であり、電気接続は、これらの要素とピクセルグループ246内のサブピクセルとの間で形成される。したがって、ガター内に配列された1つ又は複数の電気要素のうちの少なくとも1つは、光を放出するようにサブピクセルを駆動するためにサブピクセルに電気的に接続されたチップレットを含む。同様に示されるのは、ピクセルグループ246間に少なくとも部分的に位置し、電力又はグラウンド信号を伝導するバスラインである。
【0032】
各サブピクセルは、第1の方向にピクセルサイズ248のサブピクセルも有する。実験によって、アーティファクトを低減するには、第1の方向のガター寸法236a、236bが、第1の方向のサブピクセル寸法248以下であるべきであることが示されている。他の実験では、例えばサブピクセルよりも高くしたバンク層を、チップレット232a、232b、232c、232dの周りに形成して、サブピクセルエリアの外側に不均一な表面を設けることにより、光がサブピクセルエリアの外側に散乱し、それにより、この領域内でELディスプレイから光が放出され、ガターの暗い領域がマスクされることが実証されている。そのため、ディスプレイが、ガターに隣接して又はガター内に位置する光散乱構造又は光散乱材料を更に含むことが有用である。
【0033】
本発明の配置構成は、望ましくは、チップレットを用いてサブピクセルへの電流を変調するディスプレイで使用されるが、従来の薄膜トランジスタ(TFT)バックプレーン技術を利用するディスプレイは、本発明のいくつかの配置構成から利益を得る。具体的には、エレクトロルミネッセント(EL)ディスプレイ等の発光型ディスプレイ技術と組み合わせて薄膜トランジスタバックプレーン技術を使用する大きな高解像度ディスプレイが利益を得る。このクラスのディスプレイでは、大きな断面積を有する電力バスを使用することが必要である。その理由は、これらの電力バスが、少なくともディスプレイのエッジからディスプレイの少なくとも半分の高さ又は幅の距離まで延在する、すなわち、表示エリアの少なくとも半分の寸法である寸法にわたって延在するため、長い距離にわたってかなりの電流を提供するからである。したがって、ディスプレイは、ピクセルグループ間に少なくとも部分的に位置する、電力又はグラウンド信号を伝導するバスラインを含む。大きな断面積を使用しない場合、これらの電力バスの抵抗率は、電力ラインに沿うIR損失のために、必要な電流をこれらの長い距離にわたって提供することがかなりの電圧降下をもたらすようなものである。薄膜トランジスタ技術を使用するディスプレイでは、電力バスの厚さは、通常、薄膜トランジスタの厚さによって制約され、したがって、大きな断面積が必要であることは、幅広の電力バスをもたらす。大きな高解像度ディスプレイの場合、サブピクセルは、小さく、したがって、高解像度を有する大きな発光型ディスプレイでは、電力バスは、図9に示すように、サブピクセルの最大の寸法程度の寸法を必要とすることが多い。従来のバックプレーンでは、電力バス250は、通常、全てのピクセル間に設置されることになる。例えば、電力バス250は、ピクセル256と258との間、並びにピクセル258と260との間に位置する。しかし、この配置構成は、サブピクセルの開口率を著しく減少させる。
【0034】
図9に示すように、電力バス250は、寸法262を有するガター内に第1の方向に形成される。この電力バス250は、全て垂直電気配線接続であるように、バックプレーンの第1の金属化層内に形成される。電力分配を助けるために、第2の電力バス252が、バックプレーンの第2の金属化層内に形成され、ビア(図示せず)を通じて電力バス250に取り付けられる。全ての水平電気配線接続は、絶縁層によって第1の金属化層から分離された第2の金属化層内に形成され、必要である場合には、当業者に明らかな方法を使用して第1の金属化層にビアによって接続される。TFT回路266は、各サブピクセルについて形成され、電気コネクター254によって電力バス252に取り付けられる。一配置構成では、この電気コネクター254は、第1の金属化層内に形成され、電力バス252に取り付けられる。選択ライン268、270及びデータライン272、274を含む他の必要な電気要素は、必要に応じて形成され、TFT回路266に取り付けられる。当該技術分野で知られている任意の既知のTFT回路を本発明の配置構成内で適用することができる。図示するように、各ピクセル256、258、260は、異なる色の光を放出するための4つのサブピクセル276、278、280、282で構成される。
【0035】
しかし、本発明で重要であるのは、水平方向のガター寸法262が、ピクセルグループ内のピクセル258、260についての水平寸法のピクセル間間隔264より大きいことである。論じたように、この配置構成は、1つ又は複数の電気要素、具体的には電力バス250がガター内に配列されたディスプレイを提供する。このバスラインは、或る寸法を有し、表示エリアの少なくとも半分にわたって延在することになる。電気コネクターは、バス寸法より小さい第2の寸法を有し、光を放出するようにサブピクセルを駆動するための、表示エリア内に位置する1つ又は複数の回路に接続される。更に図示するように、バス寸法は、電気コネクターの寸法の少なくとも2倍である。また、ガター内に配列された1つ又は複数の電気要素のうちの1つ(すなわち、電力バス250)は、要素寸法294を規定し、表示エリアの少なくとも半分にわたって、選択された方向、例えば矢印290で示す第1の方向に延在する。ディスプレイは、選択された方向の要素寸法より小さい、それぞれのコネクター寸法(複数の場合もあり)296を規定する1つ又は複数の電気コネクター(複数の場合もあり)254を更に含み、光を放出するようにサブピクセル276、278を駆動するための、表示エリアに位置する1つ又は複数の回路(複数の場合もあり)266を更に含み、1つ又は複数の電気コネクター(複数の場合もあり)254はそれぞれ、回路(複数の場合もあり)266のうちの1つ又は複数に接続される。
【0036】
好ましい配置構成では、本発明のELディスプレイは、各サブピクセルが有機エレクトロルミネッセントエミッター、具体的には有機発光ダイオード(OLED)を含む、有機エレクトロルミネッセントディスプレイである。これらのOLEDエミッターは、Tang他による米国特許第4,769,292号及びVanSlyke他による米国特許第5,061,569号に開示されているが、それに限定されない、小さな分子又はポリマーOLEDで構成される。有機発光材料の多くの組合せ及び変形が、こうしたパネルを作製するために使用することができる。こうした実施形態では、本発明によって実現される開口率の増加は、所望のピーク輝度を得るために、各サブピクセルから必要とされる電流密度を低減する。この技術において、フィルファクタは、特にディスプレイ内の電力バスのサイズによって制限され、フィルファクタの増加によって実現される電流密度の減少は、OLED内の有機発光材料の寿命を直接的に延長し、本発明を、この特定のディスプレイ技術において特に望ましいものにする。
【0037】
本発明は、本発明の或る特定の好ましい配置構成を特に参照して詳細に説明されたが、本発明の趣旨及び範囲内で、変形及び変更を行うことができることが理解されよう。
【符号の説明】
【0038】
2 ディスプレイの一部分
4 基板
6 表示エリア
8 第1のピクセルグループ
10 第2のピクセルグループ
12 ガター
14 ガター寸法
16 第1の方向を示す矢印
20 ピクセル
22 ピクセル
24 ガターに隣接するピクセル
26 ガターに隣接するピクセル
30 緑光を放出するサブピクセル
32 赤光を放出するサブピクセル
34 青光を放出するサブピクセル
36 異なる色の光を放出するサブピクセル
38 ピクセル中心
40 ピクセル中心
42 ピクセル中心
44 ピクセル中心
46 ピクセル間分離
48 電気要素
50 要素寸法
54 サブピクセル
56 サブピクセル
58 ガター寸法
60 ピクセルグループ
62 ガター
64 ピクセル間分離
66 第2の方向を示す矢印
70 コントローラー
72 入力画像信号
74 駆動信号
80 受信ユニット
82 受信済み入力画像信号
84 バッファーユニット
86 エンドオブライン信号
88 ライン切換えユニット
90 ライン選択信号
92 補間係数選択ユニット
94 選択及び補間信号
96 補間係数格納ユニット
98 バッファリングされた入力画像信号
100 補間ユニット
102 補間済み信号
104 駆動信号ユニット
106 補間係数信号
112 最小ユニット
114 混合比選択ユニット
116 白混合比信号
118 最小信号
120 W計算ユニット
122 W信号
124 W減算ユニット
126 RGBW信号
128 駆動信号ユニット
130 コントローラー
131 EL表示エリアの一部分
132 ピクセルグループ
134 ガター
136 ガター
138 電気要素
140 電気要素
142 ピクセルの行
144 ピクセルの行
146 ピクセルの行
148 ピクセルの行
150 サブピクセルの反復パターン
152 サブピクセルの反復パターン
154 サブピクセルの反復パターン
160 コントローラー
162 利得選択ユニット
164 利得信号
166 利得適用ユニット
168 利得された信号
170 駆動信号
180 ディスプレイ部
182 基板
184 表示エリア
186 ピクセル
188 ピクセル
190 ピクセル
192 ピクセル
194 サブピクセル
196 サブピクセル
198 サブピクセル
200 サブピクセル
202 電力バス
204 チップレット
205 矢印
206 矢印
208 第1のチップレット寸法
210 第2のチップレット寸法
212 電気コネクター
214 電気コネクター
215 選択ライン
216 サブピクセル
218 電気コネクター
220 サブピクセ
222 電気コネクター
224 ガター
230 ディスプレイの一部分
232a チップレット
232b チップレット
232c チップレット
232d チップレット
234a 電力バス
234b 電力バス
236a 第1のガター寸法
236b 第1のガター寸法
238a 第2のガター寸法
238b 第2のガター寸法
240 ピクセル間分離
242 ピクセル間分離
244a 選択ライン
244b 選択ライン
246 ピクセルグループ
248 サブピクセル寸法
250 電力バス
252 電力バス
254 電気コネクター
256 ピクセル
258 ピクセル
260 ピクセル
262 ガター寸法
264 ピクセル間寸法
266 TFT回路
268 選択ライン
270 選択ライン
272 データライン
274 データライン
276 サブピクセル
278 サブピクセル
280 サブピクセル
282 サブピクセル
290 第1の方向を示す矢印
294 ガター内の電気要素の寸法
296 コネクター寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)基板であって、該基板のサイズより小さい表示エリアを有し、該表示エリアは、第1の非オーバラップピクセルグループ及び第2の非オーバラップピクセルグループ、並びに該第1のピクセルグループと該第2のピクセルグループとの間に位置するガターを含み、該ガターは、前記第1のピクセルグループ及び前記第2のピクセルグループを分離する第1の方向の寸法を有し、各ピクセルグループは、
i)各ピクセルが3つ以上の異なって着色されたサブピクセルを有する複数のピクセルを含み、
ii)各ピクセルグループ内の前記ピクセルのピクセル中心は、前記第1の方向に平行な1次元を有する規則的な2次元アレイで配列され、ピクセルグループ内のピクセルは、前記第1の方向にピクセル間分離だけ分離される、基板と、
b)前記ガター内に配列された1つ又は複数の電気要素であって、各サブピクセルは、前記1つ又は複数の電気要素のうちの1つに接続され、前記ガター寸法は、表示される画像内のアーティファクトが低減されるように、前記ピクセル間分離より大きい、電気要素と、
を備える、ディスプレイ。
【請求項2】
各電気要素は、前記第1の方向にそれぞれの要素寸法を有し、前記ガター寸法は、前記要素寸法のいずれよりも大きい、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
各ピクセルグループは、前記第1の方向に配列された3つ以上のサブピクセルを含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項4】
ピクセルグループ内のサブピクセルは、前記第1の方向に寸法を有し、前記ガター寸法は、前記第1の方向において前記サブピクセルの寸法以下である、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記表示エリアは、第1の非オーバラップピクセルグループ、第2の非オーバラップピクセルグループ、及び第3の非オーバラップピクセルグループを含み、前記ガター寸法は、前記第1の方向において前記第1のピクセルグループと前記第2のピクセルグループとの間で測定され、第2のガターが、前記第1のピクセルグループと前記第3のピクセルグループとの間に位置し、前記第2の方向において前記第1のピクセルグループと前記第3のピクセルグループとの間で測定される第2のガター寸法を有し、前記それぞれのガター寸法は、前記ピクセルグループの前記それぞれの方向においてそれぞれのピクセル間分離よりそれぞれ大きい、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記第1の方向及び前記第2の方向は直交する、請求項5に記載のディスプレイ。
【請求項7】
入力画像信号を受信し、該入力画像信号に応答して前記ピクセルの輝度を制御して前記ディスプレイ上に画像を提示するコントローラーを更に備え、該コントローラーは、前記第1の方向において前記ガターの寸法と前記ピクセル間分離との差を補償するように前記入力画像信号を処理する補間回路部を含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項8】
各ピクセルは、4つのサブピクセルの反復配置構成を含み、各サブピクセルは、異なる色の光を放出し、各ピクセルは、前記第1の方向に、対応する異なる色の光を放出する少なくとも2つのサブピクセルを含み、各ピクセルグループは、前記第1の方向に複数のピクセルを含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項9】
入力画像信号を受信し、フラットフィールド入力画像信号に応答して、前記ガターに隣接するサブピクセルが残りのサブピクセルより大きな輝度を提供するように前記サブピクセルの輝度を制御するコントローラーを更に含む、請求項8に記載のディスプレイ。
【請求項10】
入力画像信号を受信し、フラットフィールド入力画像信号に応答して、前記ガターに隣接する前記ピクセルが残りのピクセルより大きな輝度を提供するように前記ピクセルの輝度を制御するコントローラーを更に含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項11】
前記ガター内に配列された前記1つ又は複数の電気要素は、前記サブピクセルに電気的に接続されて、光を放出するように前記サブピクセルを駆動するチップレットを含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項12】
前記チップレットは、前記第1の方向の第1のチップレット寸法及び前記第2の直交方向の第2のチップレット寸法を有し、前記第1のチップレット寸法は前記第2のチップレット寸法より小さい、請求項11に記載のディスプレイ。
【請求項13】
前記ガターに隣接して又は前記ガター内に位置する光散乱構造又は光散乱材料を更に備える、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項14】
前記ピクセルグループ間に少なくとも部分的に位置する電力又はグラウンド信号を伝導するバスラインを更に含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項15】
前記ガター内に配列された前記1つ又は複数の電気要素は、電気コネクターによってサブピクセルに電気接続されて、光を放出するように前記サブピクセルを駆動する複数のチップレットを更に含む、請求項14に記載のディスプレイ。
【請求項16】
ガター内に配列された前記1つ又は複数の電気要素のうちの1つは、要素寸法を規定し、選択された方向に前記表示エリアの少なくとも半分にわたって延在し、前記ディスプレイは、前記選択された方向において前記要素寸より小さいそれぞれのコネクター寸法(複数の場合もあり)を規定する1つ又は複数の電気コネクター(複数の場合もあり)を更に含み、光を放出するように前記サブピクセルを駆動するための、前記表示エリアに位置する1つ又は複数の回路(複数の場合もあり)を更に含み、前記1つ又は複数の電気コネクター(複数の場合もあり)のそれぞれは、前記回路(複数の場合もあり)のうちの1つ又は複数に接続される、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項17】
前記ディスプレイは有機エレクトロルミネッセントディスプレイであり、各サブピクセルは有機エレクトロルミネッセントエミッターを含む、請求項1に記載のディスプレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−529676(P2012−529676A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515052(P2012−515052)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/037732
【国際公開番号】WO2010/144417
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(510048417)グローバル・オーエルイーディー・テクノロジー・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (95)
【氏名又は名称原語表記】GLOBAL OLED TECHNOLOGY LLC.
【住所又は居所原語表記】13873 Park Center Road, Suite 330, Herndon, VA 20171, United States of America
【Fターム(参考)】