説明

ピリチオンの活性又はピリチオンの多価金属塩の活性の、亜鉛含有層状物質による増幅

本発明は、有効量のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩、及び有効量の、1を超える増幅因数を提供する亜鉛含有層状物質を含む組成物に関する。本発明は、微生物感染症、真菌感染症を処置する方法、又は有効量のピリチオン若しくはピリチオンの多価金属塩、有効量の、1を超える増幅因数を提供する亜鉛含有層状物質を含む組成物の使用を含むふけを処置する方法に更に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効量のピリチオンの金属塩、及び有効量の、1を超える増幅因数を提供する亜鉛含有層状物質を含む組成物に関する。とりわけ、本発明は、皮膚又は頭皮における微生物感染症及び真菌感染症を処置するパーソナルケア組成物及び方法に関する。更には、本発明は、ふけの処置のための方法及び組成物に関し、これは改善された抗ふけ活性をもたらす。
【背景技術】
【0002】
様々な抗ふけ組成物は、市販されているか、又はそうでなければシャンプー技術において知られている。これらの組成物は、典型的には、組成物中に分散及び懸濁させた洗浄性界面活性剤及び粒子状結晶性抗菌剤を含む。この目的のために用いられる抗菌剤には、イオウ、硫化セレン及びピリジンチオンの多価金属塩が挙げられる。シャンプーをしている間に、これらの抗菌剤は、抗ふけ活性をもたらすために頭皮上に沈積する。ケトコナゾール及びオクトピロックスのような可溶性抗ふけ剤もまた当該技術分野において既知である。
【0003】
ピリチオン(1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン、2−ピリジンチオール−1−オキシド、2−ピリジンチオン、2−メルカプトピリジン−N−オキシド、ピリジンチオン及びピリジンチオン−N−オキシドとしても知られている)の多価金属塩は有効な殺生物剤であると知られており、ペイント及び金属加工用流体の殺真菌剤及び殺菌剤として広く使われている。ピリチオンの多価金属塩は、また、殺真菌剤及び殺菌剤としてフットパウダー及び抗ふけシャンプーのようなパーソナルケア組成物において使われる。ピリチオンの多価金属塩は、水にほんの僅かしか溶けず、マグネシウムピリチオン、バリウムピリチオン、ビスマスピリチオン、ストロンチウムピリチオン、銅ピリチオン、ジンクピリチオン、カドミウムピリチオン及びジルコニウムピリチオンが挙げられる。
【0004】
ジンクピリチオン及び銅ピリチオンは、パーソナルケア組成物の抗菌剤として特に有用である。ジンクピリチオンは、シャンプーの抗ふけ構成成分として知られている。ピリチオン殺生物剤が広範囲にわたる用途に対して有用であると判明したが、これらの化合物の利用は、菌類及び細菌の特定の種や株の制御に限られている。更に、ピリチオン塩の濃度を高くすれば、より広い範囲の生物の増殖を制御することが認められたが、商品に添加することができるピリチオンの多価金属塩の有用な量は、効力と経済的考慮、並びに環境に対する配慮によって制限される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
選択の自由があるにもかかわらず、消費者は、依然としてふけが蔓延していると感じているので、現在市販されている製品に対して優れた抗ふけ効力をもたらすシャンプーを依然望んでいる。そのような優れた効力を達成することは、困難であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、有効量のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩、有効量の、1を超える増幅因数を提供する亜鉛含有層状物質を含む組成物を対象とする。
本発明の更なる実施形態は、微生物感染症、真菌感染症を処置する方法、又は有効量のピリチオン若しくはピリチオンの多価金属塩、有効量の、1を超える増幅因数を提供する亜鉛含有層状物質を含む組成物の使用を含むふけを処置する方法を対象とする。
【0007】
本発明の前述及びその他の特徴、態様、並びに利点は、本開示を読むことにより当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書は、本発明を特に指摘し明確に請求する特許請求の範囲でまとめられるが、本発明は、以下の説明からより良く理解されるものと考えられる。
【0009】
抗菌化合物は、微生物個体群を制御する固有の能力を所有する。二次的物質がその活性を調節でき、多くの場合それを減少させるが、それを増加させることがあることは周知である。全体的な抗菌の有効性を増大させること、又は活性をより低濃度の抗菌物質で保持する(即ち効率を増大させる)ことのいずれかの利益を有するという意味で、後者の効果が望ましい。抗菌効率(効力を達成するために必要な量)を増大させることにより、こうした物質を使用する費用及び安全性の両方が改善されるため、これらは両方共望ましい成果である。
【0010】
独立した活性をほとんど又は全く持たないが、抗菌物質の活性を増大させる物質は、「増幅」剤である。多くの場合、増幅効果を達成するために必要とされる特有の化学的又は生物学的機構が存在するため、増幅剤は、増幅される物質に一般に特有であり、特異の組み合わせを形成する。そのため、主要な抗菌物質についてさえ、内在する抗菌機構は、多くの場合それほど良く知られていないため、増幅剤を特定するのは非常に稀である。
【0011】
明確な作用の機構が知られていない周知の抗菌物質であるジンクピリチオン(ZPT)の場合にそうである。出願人は、驚くべきことに、この増幅活性をもたらす物質の一群を発見した。これらの物質は、亜鉛含有層状物質(ZLM)であり、その中で亜鉛は主要層中に存在するか又は層の間に挿入されているかのいずれかである。こうした物質は、微生物個体群の全体の増殖の抑制を達成するために必要なZPTの量を減らす。したがって、ZLMはZPTの増幅剤として発見された。
【0012】
本発明は、本明細書に記載された発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載された追加の若しくは任意の成分、構成成分又は制限事項のいずれも含むことができ、これらから成ることができ、又はこれらから本質的に成ることができる。
【0013】
特に指定しない限り、百分率、割合及び比率はすべて、本発明の組成物の総重量を基準とする。記載した成分などに関するすべてのこのような重量は活性レベルに基づいており、そのため、市販材料に含む場合があるキャリア又は副産物を含まない。
【0014】
本発明の様々な実施形態の、任意に加えられてもよいものを含む構成成分及び/又は工程が、以下に詳細に記載される。
【0015】
引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれる。いずれの文献の引用もそれが本発明に関連する先行技術であることの容認として解釈されるべきではない。
【0016】
特に記載のない限り、すべての比率は重量比である。
【0017】
特に記載のない限り、すべての温度は摂氏である。
【0018】
特に指定のない限り、分量、百分率、部分及び比率を含むすべての量は、「約」という言葉により修正されると理解され、量は有効数字を示すことを意図しない。
【0019】
特に指定のない限り、冠詞「a」、「an」及び「the」は、「1又はそれ以上の」を意味する。
【0020】
本明細書では、「含む」とは、最終結果に影響を与えない他の工程及び他の成分を追加できることを意味する。この用語は、「から成る」及び「から本質的に成る」という用語を包含する。本発明の組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載される本発明の必須要素及び制限事項と同様に、本明細書に記載されるいかなる追加若しくは任意の成分、構成要素、工程又は制限事項をも含み、これらから成り、またこれらから本質的に成ることができる。
【0021】
本明細書において「有効な」とは、処置される症状の著しく好ましい改善をもたらすのに十分高い対象活性物質の量を意味する。対象活性物質の有効量は、処置される特定の症状、症状の重さ、処置期間、併用している処置の性質及び同様の要因により変化する。
【0022】
A.亜鉛含有層状物質
本発明の組成物は有効量の亜鉛含有層状物質を含む。本発明の好ましい実施形態は、約0.001%〜約10%、より好ましくは約0.01%〜約7%、更により好ましくは約0.1%〜約5%の亜鉛含有層状物質を含む。
【0023】
本発明の特定の実施形態に有用な亜鉛含有層状物質の例には以下のものが挙げられる:
亜鉛含有層状構造は、主として二次元で生じる結晶の成長を有するものである。層構造を、すべての原子が明確に画定された層に組み込まれるものとしてだけではなく、層の間にギャラリーイオン(A.F.ウェルズ(A.F.Wells)の「構造無機化学(Structural Inorganic Chemistry)」、クラレンドン出版(Clarendon Press)、1975年)と呼ばれるイオン又は分子があるものとしても表現されるのが慣習である。亜鉛含有層状物質(ZLM)は、亜鉛を層に組み込んで有してもよく、及び/又はギャラリーイオンの構成成分であってもよい。
【0024】
多くのZLMが鉱物として天然に生じる。一般例には、水亜鉛鉱(炭酸水酸化亜鉛)、塩基性炭酸亜鉛、水亜鉛銅鉱(炭酸水酸化亜鉛銅(zinc copper carbonate hydroxide))、亜鉛孔雀石(炭酸水酸化銅亜鉛(copper zinc carbonate hydroxide))、及び亜鉛を含有する多くの関連する鉱物が挙げられる。天然のZLMもまた生じることができ、その際、粘土型鉱物(例えばフィロシリケート)のようなアニオン性層の種は、イオン交換した亜鉛ギャラリーイオンを含有する。これらの天然物質のすべてはまた合成的に得ることもできるし、又は組成物中にその場で若しくは製造プロセスの間に生じさせることもできる。
【0025】
ZLMの別の一般的部類であって、常にではないが多くの場合合成であるものは、層状複水酸化物であり、これは一般に式[M2+1-x3+x(OH)2x+m-x/m・nH2Oにより表され、及び二価イオン(M2+)の幾つか又はすべては、亜鉛イオンとして表される(EL.クレパルディ(Crepaldi,EL)、PC.パバ(Pava,PC)、J.トロント(Tronto,J)、JB.バリム(Valim,JB)、コロイド界面科学誌(J.Colloid Interfac.Sci.)、2002年、248、429〜42)。
【0026】
ZLMの更に別の部類が調製されることができ、ヒドロキシ複塩と呼ばれる(H.モリオカ(Morioka,H.)、H.タガヤ(Tagaya,H.)、M.カラス(Karasu,M)、J.カドカワ(Kadokawa,J)、K.チバ(Chiba,K)、無機化学(Inorg.Chem.)、1999年、38、4211〜6)。ヒドロキシ複塩は、一般式[M2+1-x2+1+x(OH)3(1-y)+n-(1=3y)/n・nH2Oにより表されることができ、その場合2つの金属イオンは異なってもよい。それらが同じでありまた亜鉛により表される場合は、式は[Zn1+x(OH)22x+2xA-・nH2Oに単純化される。この後者の式は(この場合x=0.4)、水酸化塩化亜鉛(zinc hydroxychloride)及び水酸化硝酸亜鉛(zinc hydroxynitrate)のような一般物質を表す。これらは水亜鉛鉱にも関連し、その際、二価のアニオンは一価のアニオンを置き換える。これらの物質はまた、組成物中にその場で又は製造プロセスの間に生じさせることもできる。
【0027】
ZLMのこれらの部類は、一般カテゴリーの比較的一般的な例を表すが、この定義に合う物質のより広い範囲に関して限定しようとするものではない。
【0028】
塩基性炭酸亜鉛の市販の供給源には、炭酸亜鉛塩基(Zinc Carbonate Basic)(ケイター・ケミカルズ(Cater Chemicals):米国イリノイ州ベンセンビル)、炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)(シェパード・ケミカルズ(Shepherd Chemicals):米国オハイオ州ノーウッド)、炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)(CPSユニオン社(CPS Union Corp.):米国ニューヨーク州ニューヨーク)、炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)(エレメンティス・ピグメンツ(Elementis Pigments):英国ダーラム)、及び炭酸亜鉛AC(Zinc Carbonate AC)(ブリュッグマン・ケミカル(Bruggemann Chemical):米国ペンシルベニア州ニュータウンスクエア)が挙げられる。
【0029】
塩基性炭酸亜鉛はまた、商業的には「炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)」又は「炭酸亜鉛塩基(Zinc Carbonate Basic)」又は「水酸化炭酸亜鉛(Zinc Hydroxy Carbonate)」と呼ばれる場合もあるが、天然起源の水亜鉛鉱に類似した物質から成る合成の種類である。理想的な化学量論は、Zn5(OH)6(CO32により表されるが、実際の化学量論的比は僅かに変化することができ、またその他の不純物が結晶格子内に組み込まれてもよい。
【0030】
B.ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩
好ましい実施形態では、本発明はピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を含んでもよい。小板状及び針晶構造を含むいかなる形態の多価金属のピリチオン塩を用いてもよい。本明細書での使用に好ましい塩には、多価金属のマグネシウム、バリウム、ビスマス、ストロンチウム、銅、亜鉛、カドミウム、ジルコニウム及びこれらの混合物から、より好ましくは亜鉛から形成されたものが挙げられる。本明細書で用いるのに更により好ましいのは、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(「ジンクピリチオン」又は「ZPT」として知られている)であり、より好ましくは小板状粒子形態のZPTであり、その際、この粒子の平均の大きさは、約20μmまで、好ましくは約5μmまで、より好ましくは約2.5μmまでである。
【0031】
ピリジンチオン抗菌剤及び抗ふけ剤は、例えば、米国特許第2,809,971号、米国特許第3,236,733号、米国特許第3,753,196号、米国特許第3,761,418号、米国特許第4,345,080号、米国特許第4,323,683号、米国特許第4,379,753号及び米国特許第4,470,982号に記載されている。
【0032】
ZPTを本明細書の抗菌組成物中の抗菌微粒子として使用すると、発毛若しくは再生の更なる利益が促進若しくは調節される場合があり、又はその両方である場合があり、又は脱毛が減少若しくは抑制される場合があり、又は毛髪がより濃く若しくはよりたっぷりに見える場合があることが更に考えられる。
【0033】
ジンクピリチオンは、米国特許第2,809,971号に例証されているように、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン(即ち、ピリチオン酸)又はその可溶性塩を亜鉛塩(例えば硫酸亜鉛)と反応させてジンクピリチオン沈殿を形成することによって製造されてもよい。
【0034】
好ましい実施形態は、約0.01%〜約5%、より好ましくは約0.1%〜約2%のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を含む。
【0035】
亜鉛含有層状物質及びピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を有する実施形態では、亜鉛含有層状物質とピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との比は、好ましくは5:100〜10:1、より好ましくは約2:10〜5:1、更により好ましくは1:2〜3:1である。
【0036】
C.局所用キャリア
好ましい実施形態では、本発明の組成物は局所用組成物の形態であり、これには局所用キャリアが含まれる。好ましくは、局所用キャリアは、形成される組成物の種類に依存して、従来のパーソナルケアキャリアの広い範囲から選択される。適合性のあるキャリアを好適に選択することによって、このような組成物が、コンディショニングトリートメント、洗浄製品、例えば毛髪及び/又は頭皮シャンプー、ボディウォッシュ、手の洗剤、水不要の手の消毒剤/洗剤、顔の洗剤などを含む日常の皮膚用又は毛髪用製品の形態で調製されることが検討される。
【0037】
好ましい実施形態では、キャリアは水である。好ましくは、本発明の組成物は、組成物の40重量%〜95重量%、好ましくは50重量%〜85重量%、更により好ましくは60重量%〜80重量%の水を含む。
【0038】
D.洗浄性界面活性剤
本発明の組成物は、洗浄性界面活性剤を含む。洗浄性界面活性剤構成成分は、組成物に洗浄性能をもたらすために含まれる。洗浄性界面活性剤構成成分は、順番に、アニオン性洗浄性界面活性剤、双極性若しくは両性洗浄性界面活性剤又はこれらの組み合わせを含む。このような界面活性剤は、本明細書に記載される必須成分と物理的及び化学的に適合性があるべきであり、そうでなければ製品の安定性、審美性又は性能を過度に損なわないようにすべきである。
【0039】
本明細書の組成物に使用される好適なアニオン性洗浄性界面活性剤構成成分には、ヘアケア又は他のパーソナルケア洗浄組成物への使用に既知のものが挙げられる。組成物中のアニオン性界面活性剤構成成分の濃度は、所望の洗浄及び起泡性能を提供するのに十分であるべきであり、一般に、約5%〜約50%、好ましくは約8%〜約30%、より好ましくは約10%〜約25%、更により好ましくは約12%〜約22%の範囲である。
【0040】
組成物に使用するのに好適な好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートである。これらの物質は、それぞれ式ROSO3M及びRO(C24O)xSO3Mを有しており、式中、Rは炭素原子数が約8〜約18個のアルキル又はアルケニルであり、xは1〜10の値を有する整数であり、Mはアンモニウムのようなカチオン、トリエタノールアミンのようなアルカノールアミン、ナトリウム及びカリウムのような一価金属、並びにマグネシウム及びカルシウムのような多価金属カチオンである。
【0041】
好ましくは、Rは、アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートの両方において、約8〜約18個の炭素原子、より好ましくは約10〜約16個の炭素原子、更により好ましくは約12〜約14個の炭素原子を有する。アルキルエーテルサルフェートは、典型的には、エチレンオキシドと約8〜約24個の炭素原子を有する一価アルコールとの縮合生成物として製造される。アルコールは合成であること、又は脂肪、例えばココヤシ油、パーム核油、タローから誘導することができる。ココヤシ油又はパーム核油から誘導されるラウリルアルコール及び直鎖アルコールが好ましい。そのようなアルコールを、約0〜約10モル、好ましくは約2〜約5モル、より好ましくは約3モルのエチレンオキシドと反応させ、例えばアルコール1モルにつき平均3モルのエチレンオキシドを有する分子種の、得られる混合物を硫酸化し、中和させる。
【0042】
他の好適なアニオン性洗浄性界面活性剤は、化学式[R1−SO3−M](ここで、R1は約8〜約24個、好ましくは約10〜18個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素ラジカルであり、Mは先に記載されたカチオンである)に従う有機の硫酸反応生成物の水溶性塩である。
【0043】
更に他の好適なアニオン性洗浄性界面活性剤は、イセチオン酸でエステル化され、水酸化ナトリウムで中和された脂肪酸の反応生成物(ここで、例えば脂肪酸はココヤシ油又はパーム核油から誘導される)、脂肪酸が例えばココヤシ油又はパーム核油から誘導される、メチルタウリドの脂肪酸アミドのナトリウム又はカリウム塩である。他の同様なアニオン性界面活性剤は、米国特許第2,486,921号、第2,486,922号及び第2,396,278号に記載されている。
【0044】
組成物に用いるのに好適な他のアニオン性洗浄性界面活性剤は、スクシネート類であり、その例としては、N−オクタデシルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルジアンモニウム(diammonium lauryl)、N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホコハク酸四ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウムのジアミルエステル、スルホコハク酸ナトリウムのジヘキシルエステル及びスルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルが挙げられる。
【0045】
他の好適なアニオン性洗浄性界面活性剤には、約10〜約24個の炭素原子を有するオレフィンスルホネートが挙げられる。真正のアルケンスルホネート及び一部のヒドロキシ−アルカンスルホネートに加えて、オレフィンスルホネートは、反応条件、反応物質の比率、オレフィンストックにおける出発オレフィン及び不純物の性質、並びにスルホン化プロセス中の副反応に依存して、アルケンジスルホネートのような少量の他材料を含有することができる。このようなα−オレフィンスルホネート混合物の非限定例は、米国特許第3,332,880号に記載されている。
【0046】
組成物に用いるのに好適なアニオン性洗浄性界面活性剤の別の部類は、β−アルキルオキシアルカンスルホネートである。これらの界面活性剤は、以下の式に従う。
【0047】
【化1】

式中、R1は約6〜約20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基であり、R2は約1〜約3個の炭素原子、好ましくは1個の炭素原子を有する低級アルキル基であり、Mは前述されたような水溶性カチオンである。
【0048】
本組成物に用いられる好ましいアニオン性洗浄性界面活性剤には、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0049】
本明細書の組成物に用いるのに好適な両性又は双極性の洗浄性界面活性剤には、ヘアケア又は他のパーソナルケア洗浄に用いるのに既知のものが挙げられる。こうした両性の洗浄性界面活性剤の濃度は、好ましくは、約0.5%〜約20%、好ましくは約1%〜約10%の範囲である。好適な双極性又は両性界面活性剤の非限定例は、米国特許第5,104,646号(ボリッチ・ジュニア(Bolich Jr.)ら)、同第5,106,609号(ボリッチ・ジュニアら)に記載されている。
【0050】
本組成物に用いるのに好適な両性洗浄性界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができる脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く記述される界面活性剤が挙げられるが、その際、脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つはカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートのようなアニオン性基を含有する。本発明に用いるのに好ましい両性洗浄性界面活性剤には、ココアンホアセテート、ココアンホジアセテート、ラウロアンホ酢酸、ラウロアンホ二酢酸及びこれらの混合物が挙げられる。
【0051】
組成物に用いるのに好適な双極性洗浄性界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができる脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記載されている界面活性剤が挙げられるが、その際、脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つはカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートのようなアニオン性基を含有する。ベタインのような双極性のものが好ましい。
【0052】
本発明の組成物は、前述したアニオン性洗浄性界面活性剤構成成分と組み合わせて使用されるための追加的な界面活性剤を更に含んでもよい。好適な任意の界面活性剤には、非イオン性及びカチオン性の界面活性剤が挙げられる。ヘアケア製品又はパーソナルケア製品に用いられるための、当該技術分野において既知のいかなる界面活性剤を使用してもよいが、その任意の追加的な界面活性剤が、やはり組成物の必須成分と化学的及び物理的に適合性があるか、又はそうでなければ製品性能、審美性若しくは安定性を過度に損なわない場合に限る。組成物中の任意の追加的な界面活性剤の濃度は、所望の洗浄又は起泡性能、選択される任意の界面活性剤、所望の製品濃度、組成物中の他の構成成分の存在、及び当該技術分野において周知の他の要因に応じて変更してもよい。
【0053】
本組成物に用いるのに好適なその他のアニオン性、双極性、両性又は任意の追加の界面活性剤の非限定例は、マカッチャン(McCutcheon)著、乳化剤及び洗剤(Emulsifiers and Detergents)(1989年鑑、M.C.パブリッシング社(M.C.Publishing Co.)出版)、及び米国特許第3,929,678号、同第2,658,072号、同第2,438,091号、同第2,528,378号に記載されている。
【0054】
E.分散した粒子
本発明の組成物は、分散した粒子を含んでもよい。本発明の組成物中に、少なくとも0.025重量%の分散した粒子、より好ましくは少なくとも0.05重量%、なおより好ましくは少なくとも0.1重量%、更により好ましくは少なくとも0.25重量%、なおより好ましくは少なくとも0.5重量%の分散した粒子を組み込むことが好ましい。本発明の組成物中に、約20重量%以下の分散した粒子、より好ましくは約10重量%以下、なおより好ましくは5重量%以下、更により好ましくは3重量%以下、なおより好ましくは2重量%以下の、分散した粒子を組み込むことが好ましい。
【0055】
F.水性キャリア
本発明の組成物は、典型的には注入可能な液体の形態(周囲条件のもと)である。そのため組成物は典型的には水性キャリアを含み、これは約20%〜約95%、好ましくは約60%〜約85%の濃度で存在する。水性キャリアは、水又は水と有機溶媒との混和性混合物を含んでもよいが、好ましくは、他の必須成分又は任意成分の微量成分として組成物中に付随的に組み込まれてしまう場合を除き、最小限の有意な濃度の有機溶媒を有するか又はそれを有さない水を含む。
【0056】
G.追加の構成成分
任意成分が、物理的及び化学的に本明細書に記載された必須成分と適合し、又はそうでなければ製品の安定性、美観若しくは性能を過度に損なわなければ、本発明の組成物は、ヘアケア又はパーソナルケア製品における使用に既知の一以上の任意成分を更に含んでもよい。このような任意成分の個々の濃度は、約0.001%〜約10%の範囲であってもよい。
【0057】
組成物に用いられる任意成分の非限定例には、カチオン性ポリマー、コンディショニング剤(炭化水素油、脂肪酸エステル、シリコーン)、抗ふけ剤、懸濁剤、粘度調整剤、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢助剤、起泡増進剤、追加の界面活性剤又は非イオン性補助界面活性剤、殺シラミ剤、pH調整剤、香料、防腐剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、及びビタミン、ミネラル、草本/果物/食品抽出物、スフィンゴ脂質誘導体又は合成誘導体、及び粘土が挙げられる。
【0058】
1.カチオン性ポリマー
本発明の組成物は、カチオン性ポリマーを含有してもよい。組成物中のカチオン性ポリマーの濃度は、典型的には、約0.05%〜約3%、好ましくは約0.075%〜約2.0%、より好ましくは約0.1%〜約1.0%の範囲である。好ましいカチオン性ポリマーは、少なくとも約0.9meq/gm、好ましくは少なくとも約1.2meq/gm、より好ましくは少なくとも約1.5meq/gmであるが、更に、好ましくは約7meq/gm未満、より好ましくは約5meq/gm未満のカチオン電荷密度を有する。本明細書においてポリマーの「カチオン電荷密度」とは、ポリマーの分子量に対する、ポリマー上の正電荷の数の比を指す。このような好適なカチオン性ポリマーの平均分子量は、一般に約10,000〜10,000,000、好ましくは約50,000〜約5,000,000、より好ましくは約100,000〜約3,000,000である。
【0059】
本発明の組成物に用いるのに好適なカチオン性ポリマーは、四級アンモニウムのようなカチオン性の窒素含有部分、又はカチオン性のプロトン化アミノ部分を含有する。カチオン性のプロトン化アミンは、組成物の具体的な化学種及び選択されたpHに応じて、一級、二級又は三級アミン(好ましくは二級又は三級)であることができる。カチオン性ポリマーに関連して、いかなるアニオン性対イオンを使用することもできるが、当該ポリマーが、水、組成物又は組成物のコアセルベート相に可溶なままであること、また、当該対イオンが、組成物の必須成分と物理的及び化学的に適合性があるか、又はそうでなければ生成物の性能、安定性若しくは審美性を過度に損なわないことを条件とする。そのような対イオンの非限定例には、ハロゲン化物(例、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物)、サルフェート及びメチルサルフェートが挙げられる。
【0060】
こうしたポリマーの非限定例は、エストリン(Estrin)、クロスリー(Crosley)及びヘインズ(Haynes)編のCTFA化粧品原料辞典(CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary)、第3版(トイレ化粧品香料工業協会(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.)、ワシントンD.C.(1982年))に記載されている。
【0061】
好適なカチオン性ポリマーの非限定例としては、カチオン性プロトン化アミン又は四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル及びジアルキルアクリルアミド、アルキル及びジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン又はビニルピロリドンのような水溶性スペーサーモノマーとのコポリマーが挙げられる。
【0062】
本明細書の組成物のカチオン性ポリマーに含めるのに好適な、カチオン性のプロトン化アミノ及び四級アンモニウムモノマーには、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、モノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム塩、ジアリル四級アンモニウム塩で置換されたビニル化合物、並びにピリジニウム、イミダゾリウム、及び四級化ピロリドン、例えば、アルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、アルキルビニルピロリドン塩のような環状のカチオン性窒素含有環を有する、ビニル四級アンモニウムモノマーが挙げられる。
【0063】
組成物に用いられる他の好適なカチオン性ポリマーには、1−ビニル−2−ピロリドンと1−ビニル−3−メチルイミダゾリウム塩とのコポリマー(例えば、塩化物)(トイレ化粧品香料工業協会(Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association)「CTFA」により、当業界で、ポリクオタニウム−16と称される);1−ビニル−2−ピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマー(当業界で、CTFAによりポリクオタニウム−11と称される);カチオン性ジアリル四級アンモニウム含有ポリマー、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー、アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロライドとのコポリマー(当業界で、CTFAにより、それぞれポリクオタニウム6及びポリクオタニウム7と称される)を含む;アクリル酸の両性コポリマー、例えば、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロライドとのコポリマー(当業界で、CTFAによりポリクオタニウム22と称される)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロライド及びアクリルアミドとのターポリマー(当業界で、CTFAによりポリクオタニウム39と称される)、並びにアクリル酸とメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド及びメチルアクリレートとのターポリマー(当業界で、CTFAによりポリクオタニウム47と称される)が挙げられる。好ましいカチオン性置換モノマーは、カチオン性置換ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド及びこれらの組み合わせである。これらの好ましいモノマーは、以下の式に従う。
【0064】
【化2】

式中、R1は水素、メチル又はエチルであり、R2、R3及びR4はそれぞれ独立して、水素又は約1〜約8個の炭素原子、好ましくは約1〜約5個の炭素原子、より好ましくは約1〜約2個の炭素原子を有する短鎖アルキルであり、nは約1〜約8、好ましくは約1〜約4の値を有する整数であり、Xは対イオンである。R2、R3及びR4に結合する窒素はプロトン化したアミン(一級、二級又は三級)であってもよいが、好ましくは四級アンモニウムであり、その際、各R2、R3及びR4はアルキル基であり、その非限定例はポリメタクリルアミドプロピル(polymethyacrylamidopropyl)塩化トリモニウムであり、米国ニュージャージー州クランベリーのローヌ・プーラン(Rhone-Poulenc)より、ポリケア(Polycare)133の商品名で入手可能である。
【0065】
本組成物に用いられるためのその他の好適なカチオン性ポリマーには、カチオン性セルロース誘導体及びカチオン性スターチ誘導体のような多糖類ポリマーが挙げられる。好適なカチオン性多糖類ポリマーには、以下の式に従うものが挙げられる。
【0066】
【化3】

式中、Aはデンプン又はセルロースアンヒドログルコース残基(cellulose anhydroglucose residual)のような無水グルコース残基であり、Rはアルキレンオキシアルキレン、ポリオキシアルキレン若しくはヒドロキシアルキレン基又はその組み合わせであり、R1、R2及びR3は独立して、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル又はアルコキシアリール基であり、各基は約18炭素原子までを含有し、各カチオン性部分の炭素原子の総数(即ち、R1、R2及びR3にある炭素原子の合計)は、好ましくは約20以下であり、先に記載したように、Xはアニオン性対イオンである。
【0067】
好ましいカチオン性セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩であり、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム10と呼ばれ、アマコール社(Amerchol Corp.)(米国ニュージャージー州エジソン)よりポリマーLR、JR、及びKGシリーズのポリマーとして入手可能である。カチオン性セルロースのその他の好適な種類には、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム24と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー性四級アンモニウム塩が挙げられる。これらの物質は、アマコール社(Amerchol Corp.)から商品名ポリマーLM−200として入手可能である。
【0068】
その他の好適なカチオン性ポリマーには、グアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウムのようなカチオン性グアーガム誘導体が挙げられ、その具体例としては、ローヌ・プーラン社(Rhone-Poulenc Incorporated)より市販されているジャガー(Jaguar)シリーズ、及びハーキュレス社(Hercules,Inc.)のアクアロン部門(Aqualon Division)より市販されているN−ハンス(N-Hance)シリーズが挙げられる。その他の好適なカチオン性ポリマーには、四級窒素含有セルロースエーテルが挙げられ、その幾つかの例が米国特許第3,962,418号に記載されている。その他の好適なカチオン性ポリマーには、エーテル化セルロース、グアー及びデンプンのコポリマーが挙げられ、その幾つかの例が米国特許第3,958,581号に記載されている。用いられる場合、本明細書のカチオン性ポリマーは、組成物に可溶性であるか、又はカチオン性ポリマーと先に記載したアニオン性、両性及び/若しくは双極性の洗浄性界面活性剤構成成分とによって形成された組成物中の複合コアセルベート相に可溶性であるかのいずれかである。また、カチオン性ポリマーの複合コアセルベートは、組成物中の他の荷電物質によって形成することもできる。
【0069】
複合コアセルベートの形成を分析する技術は、当該技術分野において既知である。例えば、選択された希釈のいかなる段階においても、組成物の顕微鏡分析を用いて、コアセルベート相が形成されたかどうかを確認することができる。このようなコアセルベート相は、組成物中の追加的な乳化相として確認可能である。染料の使用は、コアセルベート相を、組成物中に分散する他の不溶性の相から区別するのに役立つ可能性がある。
【0070】
2.非イオン性ポリマー
本明細書では、約1000を超える分子量を有するポリアルキレングリコールが有用である。以下の一般式を有するものが有用である。
【0071】
【化4】

式中、R95はH、メチル及びこれらの混合物から成る群から選択される。本明細書中で有用なポリエチレングリコールポリマーは、PEG−2M(ポリオックスWSR(Polyox WSR)(登録商標)N−10としても既知であり、ユニオンカーバイド(Union Carbide)から入手可能であり、PEG−2,000としても既知である);PEG−5M(ユニオンカーバイドから入手可能なポリオックスWSR(登録商標)N−35及びポリオックスWSR(登録商標)N−80としても既知であり、PEG−5,000及びポリエチレングリコール300,000としても既知である);PEG−7M(ユニオンカーバイドから入手可能なポリオックスWSR(登録商標)N−750としても既知である);PEG−9M(ユニオンカーバイドから入手可能なポリオックスWSR(登録商標)N−3333としても既知である);並びにPEG−14M(ユニオンカーバイドから入手可能なポリオックスWSR(登録商標)N−3000としても既知である)である。
【0072】
3.コンディショニング剤
コンディショニング剤は、特別なコンディショニング効果を毛髪及び/又は皮膚に与えるために用いられるいかなる物質をも含む。毛髪用トリートメント組成物において好適なコンディショニング剤は、光沢、柔軟性、櫛通りのよさ、静電気防止特性、濡れている時の取扱性、損傷、扱いやすさ、髪のボリューム、及び脂っぽさに関連した一以上の効果をもたらすものである。本発明の組成物に有用なコンディショニング剤は、典型的には、乳化液体粒子を形成する非水溶性の水分散性不揮発性液体を含む。本組成物に用いるのに好適なコンディショニング剤は、一般にシリコーン(例えば、シリコーンオイル、カチオン性シリコーン、シリコーンゴム、高屈折率シリコーン及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニングオイル(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン及び脂肪酸エステル)若しくはこれらの組み合わせとして特徴付けられるコンディショニング剤、又はそうでなければ本明細書の水性界面活性剤マトリックス中に液状の分散した粒子を形成するコンディショニング剤である。このようなコンディショニング剤は、組成物の必須成分と物理的及び化学的に適合性があるべきであり、そうでなければ製品の安定性、審美性又は性能を過度に損なわないようにすべきである。
【0073】
組成物中のコンディショニング剤の濃度は、所望のコンディショニング効果をもたらすのに十分な濃度にすべきであり、これは当業者には明白であろう。このような濃度は、コンディショニング剤、所望されるコンディショニング性能、コンディショニング剤粒子の平均の大きさ、その他の構成成分の種類及び濃度、並びにその他の要因によって変更することができる。
【0074】
1.シリコーン
本発明の組成物のコンディショニング剤は、好ましくは、不溶性シリコーンコンディショニング剤である。シリコーンコンディショニング剤粒子は、揮発性シリコーン、非揮発性シリコーン又はこれらの組み合わせを含んでもよい。非揮発性シリコーンコンディショニング剤が好ましい。揮発性シリコーンが存在する場合、それは典型的には、シリコーンゴム及び樹脂のような不揮発性シリコーン物質成分の市販形態のための、溶媒又はキャリアとしての使用に付随したものである。シリコーンコンディショニング剤粒子は、シリコーン流体コンディショニング剤を含んでもよく、シリコーン流体の付着効率を改善するか又は毛髪の光沢度を増大させるためのシリコーン樹脂のような他の構成成分をまた含んでもよい。
【0075】
シリコーンコンディショニング剤の濃度は、典型的には、約0.01%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約8%、より好ましくは約0.1%〜約5%、より好ましくは約0.2%〜約3%の範囲である。好適なシリコーンコンディショニング剤及びシリコーンのための任意の懸濁剤の非限定例は、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、及び米国特許第5,106,609号に記載されている。本発明の組成物に用いるためのシリコーンコンディショニング剤は、好ましくは、25℃で測定された場合に、約2×10-5〜約2m2/s(約20〜約2,000,000センチストークス(「csk」))、より好ましくは約0.001〜約1.8m2/s(約1,000〜約1,800,000csk)、更により好ましくは約0.05〜約1.5m2/s(約50,000〜約1,500,000csk)、より好ましくは約0.1〜約1.5m2/s(約100,000〜約1,500,000csk)の粘度を有する。
【0076】
分散したシリコーンコンディショニング剤粒子は、ホリバLA−910粒度分析装置(Horiba LA-910 Particle Size Analyzer)を用いて測定する場合に、典型的には、約0.01μm〜約50μmの容積平均粒子直径を有する。ホリバLA−910(Horiba LA-910)機器は、小角のフラウンホーファー回折(Fraunhofer Diffraction)及び光散乱(Light Scattering)の原理を用いて粒子の希釈溶液中で粒度及び分布を測定する。小さい粒子を毛髪に適用するには、容積平均粒子直径は典型的には約0.01μm〜約4μm、好ましくは約0.01μm〜約2μm、より好ましくは約0.01μm〜約0.5μmの範囲である。より大きい粒子を毛髪に適用するには、容積平均粒子直径は典型的には約4μm〜約50μm、好ましくは約6μm〜約40μm、及びより好ましくは約10μm〜約35μmの範囲である。
【0077】
シリコーン流体、ゴム及び樹脂、並びにシリコーンの製造を論じる項を含むシリコーンの背景資料は、ポリマーの科学と技術の百科事典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)、15巻、第2版、204〜308ページ、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons Inc.)(1989年)に見出される。
【0078】
a.シリコーンオイル
シリコーン流体にはシリコーンオイルが含まれるが、これは25℃で測定された場合に、1m2/s(1,000,000csk)未満、好ましくは約5×10-6〜約1m2/s(約5csk〜約1,000,000csk)、より好ましくは約0.0001m2/s〜約0.6m2/s(100csk〜約600,000csk)の粘度を有する流動性のシリコーン物質である。本発明の組成物に用いるのに好適なシリコーンオイルには、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー及びこれらの混合物が挙げられる。また、ヘアコンディショニング特性を有する他の不溶性不揮発性シリコーン流体も、使用してもよい。
【0079】
シリコーンオイルには、以下の式(III)に従うポリアルキル又はポリアリールシロキサンが挙げられる。
【0080】
【化5】

式中、Rは脂肪族、好ましくはアルキル若しくはアルケニル又はアリールであり、Rは置換又は非置換であることができ、xは1〜約8,000の整数である。本発明の組成物に用いるのに好適なR基としては、アルコキシ、アリールオキシ、アルカリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルカミノ、及びエーテル−置換、ヒドロキシル−置換、及びハロゲン−置換脂肪族及びアリール基が挙げられるが、これらに限定されない。また、好適なR基には、カチオン性アミン及び四級アンモニウム基も挙げられる。
【0081】
好ましいアルキル及びアルケニル置換体は、C1〜C5、より好ましくはC1〜C4、より好ましくはC1〜C2のアルキル及びアルケニルである。その他のアルキル−、アルケニル−又はアルキニル−含有基(例えば、アルコキシ、アルカリール及びアルカミノ)の脂肪族部分は、直鎖又は分枝鎖であることができ、好ましくはC1〜C5、より好ましくはC1〜C4、更により好ましくはC1〜C3、より好ましくはC1〜C2である。前述したように、R置換基もまたアミノ官能性(例えば、アルカミノ基)を含有することができ、これは一級、二級若しくは三級アミン又は四級アンモニウムであることができる。これらには、モノ−、ジ−及びトリ−アルキルアミノ並びにアルコキシアミノ基が挙げられるが、その際、脂肪族部分の鎖長は、好ましくは本明細書に記載されるものである。
【0082】
b.アミノ及びカチオン性シリコーン
本発明の組成物に使用するのに好適なカチオン性シリコーン流体としては、限定されないが、以下の一般式(V)に従うものが挙げられる。
【0083】
(R1a3-a−Si−(−OSiG2n−(−OSiGb(R12-b)m−O−SiG3-a(R1a
式中、Gは水素、フェニル、ヒドロキシ又はC1〜C8アルキル、好ましくはメチルであり、aは0又は1〜3の値を有する整数、好ましくは0であり、bは0又は1、好ましくは1であり、nは0〜1,999、好ましくは49〜499の数であり、mは1〜2,000の整数、好ましくは1〜10の整数であり、nとmとの合計は1〜2,000、好ましくは50〜500の数であり、R1は、一般式CqH2qLに従う一価のラジカルであり、ここでqは2〜8の値を有する整数であり、Lは以下の基から選択される。
【0084】
−N(R2)CH2−CH2−N(R22
−N(R22
−N(R23-
−N(R2)CH2−CH2−NR22-
式中、R2は水素、フェニル、ベンジル又は飽和炭化水素ラジカル、好ましくは約C1〜約C20のアルキルラジカルであり、A-はハロゲンイオンである。
【0085】
式(V)に対応する特に好ましいカチオン性シリコーンは、「トリメチルシリルアモジメチコン」として既知のポリマーであり、以下の式(VI)に示される。
【0086】
【化6】

本発明の組成物で使用されてもよい他のシリコーンカチオン性ポリマーは、一般式(VII)によって表される。
【0087】
【化7】

式中、R3はC1〜C18の一価の炭化水素ラジカル、好ましくはメチルのようなアルキル又はアルケニルラジカルであり、R4は炭化水素ラジカルであり、好ましくはC1〜C18アルキレンラジカル又はC10〜C18アルキレンオキシラジカル、より好ましくはC1〜C8アルキレンオキシラジカルであり、Q-はハロゲンイオン、好ましくは塩化物であり、rは2〜20、好ましくは2〜8の平均統計値であり、sは20〜200、好ましくは20〜50の平均統計値である。この部類の好ましいポリマーは、ユーケアシリコーン(UCARE SILICONE)ALE56(商標)として既知であり、ユニオンカーバイド(Union Carbide)より入手可能である。
【0088】
c.シリコーンゴム
本発明の組成物に用いるのに好適なその他のシリコーン流体は、不溶性シリコーンゴムである。このようなゴム類は、25℃で測定された場合に、1m2/s(1,000,000csk)以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン物質である。シリコーンゴムは米国特許第4,152,416号、ノル及びウォルター(Noll and Walter)のシリコーンの化学と技術(Chemistry and Technology of Silicones)、ニューヨーク:アカデミック出版(Academic Press)(1968年)、並びにゼネラル・エレトリック・シリコーン・ラバー製品データシート(General Electric Silicone Rubber Product Data Sheets)SE30、SE33、SE54及びSE76に記載されている。本発明の組成物に用いられるためのシリコーンゴムの具体的な非限定例としては、ポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー及びこれらの混合物が挙げられる。
【0089】
d.高屈折率シリコーン
本発明の組成物に用いるのに好適なその他の不揮発性の不溶性シリコーン流体コンディショニング剤は、少なくとも約1.46、好ましくは少なくとも約1.48、より好ましくは少なくとも約1.52、より好ましくは少なくとも約1.55の屈折率を有する「高屈折率シリコーン」として既知のものである。ポリシロキサン流体の屈折率は、一般に約1.70未満、典型的には約1.60未満である。この状況では、ポリシロキサン「流体」には、油と同様にゴムが含まれる。
【0090】
高屈折率ポリシロキサン流体には、上記の一般式(III)により表されるもの、並びに以下の式(VIII)により表されるもののような環状ポリシロキサンが挙げられる。
【0091】
【化8】

式中、Rは上記に定義した通りであり、nは約3〜約7、好ましくは約3〜約5の数である。
【0092】
高屈折率ポリシロキサン流体は、屈折率を本明細書に記載される所望の程度まで増大させるのに十分な、アリール含有R置換基の量を含有する。更に、R及びnは、物質が不揮発性になるように選択されなければならない。
【0093】
アリール含有置換基は、脂環式及び複素環式の5員及び6員のアリール環を含有するもの、並びに5員又は6員の縮合環を含有するものを含む。アリール環自体は、置換又は非置換であり得る。
【0094】
一般に、高屈折率ポリシロキサン流体は、少なくとも約15%、好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約25%、更により好ましくは少なくとも約35%、最も好ましくは少なくとも約50%の、アリール含有置換基の度合いを有する。典型的には、アリール置換の程度は、約90%未満、より一般的には約85%未満、好ましくは約55%〜約80%である。
【0095】
好ましい高屈折率ポリシロキサン流体は、フェニル置換基又はフェニル誘導体置換基(より好ましくはフェニル)と、アルキル置換基、好ましくはC1〜C4のアルキル(より好ましくはメチル)、ヒドロキシ又はC1〜C4アルキルアミノ(特に−R1NHR2NH2であり、式中、それぞれR1及びR2は独立して、C1〜C3のアルキル、アルケニル及び/又はアルコキシである)との組み合わせを有する。
【0096】
本発明の組成物に高屈折率シリコーンが用いられる時には、それらは好ましくは、溶液中で、シリコーン樹脂又は界面活性剤のような展着剤と共に用いられ、展着を高めるのに十分な量で、表面張力を減少させ、それによって組成物で処置される毛髪の光沢度(乾燥後)を向上させる。
【0097】
本発明の組成物に用いるのに好適なシリコーン流体は、米国特許第2,826,551号、米国特許第3,964,500号、米国特許第4,364,837号、英国特許第849,433号、及びシリコン化合物(Silicon Compounds)(ペトラルカ・システムズ社(Petrarch Systems,Inc.)、1984年)に開示されている。
【0098】
e.シリコーン樹脂
シリコーン樹脂は、本発明の組成物のシリコーンコンディショニング剤に含まれてもよい。これらの樹脂は、高度に架橋したポリマーシロキサン系である。架橋は、シリコーン樹脂の製造時に、三官能性及び四官能性のシランを一官能性若しくは二官能性又はその両方のシランと共に組み込むことによって導入される。
【0099】
特にシリコーン物質及びシリコーン樹脂は、「MDTQ」命名法として当業者に既知の省略命名法のシステムに従って、便利に識別することができる。このシステムにおいては、シリコーンは、シリコーンを構成する様々なシロキサンモノマー単位の存在に従って記述される。つまり、記号Mは一官能性単位(CH33SiO0.5を示し、Dは二官能性単位(CH32SiOを示し、Tは三官能性単位(CH3)SiO1.5を示し、Qは四官能性単位SiO2を示す。ユニット記号のプライム符号(例えば、M’、D’、T’及びQ’)は、メチル以外の置換基を意味しており、出現の度に明確に定義されなければならない。
【0100】
本発明の組成物に用いるのに好ましいシリコーン樹脂としては、MQ、MT、MTQ、MDT及びMDTQ樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。メチルは、好ましいシリコーン置換基である。特に好ましいシリコーン樹脂はMQ樹脂であり、ここでM:Q比は、約0.5:1.0〜約1.5:1.0であり、シリコーン樹脂の平均分子量は、約1000〜約10,000である。
【0101】
屈折率が1.46未満の不揮発性シリコーン流体とシリコーン樹脂構成成分が使用される時のそれらの重量比は、特に、シリコーン流体構成成分が本明細書で記載するようなポリジメチルシロキサン流体又はポリジメチルシロキサン流体とポリジメチルシロキサンゴムとの混合物である時には、好ましくは約4:1〜約400:1、より好ましくは約9:1〜約200:1、より好ましくは約19:1〜約100:1である。シリコーン樹脂が、本発明の組成物中でシリコーン流体と同一の相の一部を形成する限り、即ち、コンディショニング活性である限り、組成物中のシリコーンコンディショニング剤の濃度を決定する際に、流体と樹脂との合計が含まれるべきである。
【0102】
2.有機コンディショニングオイル
本発明の組成物のコンディショニング構成成分はまた、コンディショニング剤として、約0.05%〜約3%、好ましくは約0.08%〜約1.5%、より好ましくは約0.1%〜約1%の少なくとも1つの有機コンディショニングオイルを、単独で又はシリコーン(本明細書に記載)のような他のコンディショニング剤と組み合わせて含んでもよい。
【0103】
a.炭化水素油
本発明の組成物においてコンディショニング剤として使用するのに好適な有機コンディショニングオイルとしては、少なくとも約10個の炭素原子を有する炭化水素油、例えば、環状炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)、及び分枝鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)(これらのポリマー及びこれらの混合物を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。直鎖炭化水素油は、好ましくは約C12〜約C19である。炭化水素ポリマーを含む分枝鎖炭化水素油は、典型的には、19個より多くの炭素原子を含有する。
【0104】
これら炭化水素油の具体的な非限定例としては、パラフィン油、鉱物油、飽和及び不飽和ドデカン、飽和及び不飽和トリデカン、飽和及び不飽和テトラデカン、飽和及び不飽和ペンタデカン、飽和及び不飽和ヘキサデカン、ポリブテン、ポリデセン、並びにこれらの混合物が挙げられる。また、これらの化合物の分枝鎖異性体と同様に長鎖炭化水素も使用することができ、その例としては、パーメチル置換異性体のような高度に分枝された、飽和又は不飽和のアルカン、例えば、2,2,4,4,6,6,8,8−ジメチル−10−メチルウンデカン及び2,2,4,4,6,6−ジメチル−8−メチルノナン(パーメチル社(Permethyl Corporation)から入手可能)のような、ヘキサデカン及びエイコサンのパーメチル置換異性体が挙げられる。ポリブテン及びポリデセンのような炭化水素ポリマー。好ましい炭化水素ポリマーは、イソブチレンとブテンとのコポリマーのようなポリブテンである。この種類の市販の物質は、アモコ・ケミカル社(Amoco Chemical Corporation)のL−14ポリブテンである。組成物中のこのような炭化水素油の濃度は、好ましくは約0.05%〜約20%、より好ましくは約0.08%〜約1.5%、更により好ましくは約0.1%〜約1%の範囲である。
【0105】
b.ポリオレフィン
本発明の組成物に用いるための有機コンディショニングオイルはまた、液体ポリオレフィン、より好ましくは液体ポリ−α−オレフィン、より好ましくは水素添加液体ポリ−α−オレフィンを含むことができる。本明細書で用いるためのポリオレフィンは、C4〜約C14、好ましくは約C6〜約C12のオレフィンモノマーの重合によって製造される。
【0106】
本明細書のポリオレフィン液を調製する際に使用されるオレフィンモノマーの非限定例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、4−メチル−1−ペンテンのような分枝鎖異性体及びこれらの混合物が挙げられる。また、ポリオレフィン液の調製に好適なものは、オレフィン含有精製供給原料又は廃液である。好ましい水素添加α−オレフィンモノマーには、1−ヘキセン〜1−ヘキサデセン、1−オクテン〜1−テトラデセン及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
c.脂肪酸エステル
本発明の組成物においてコンディショニング剤として使用するための他の好適な有機コンディショニングオイルには、少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪酸エステルが挙げられるが、これに限定されない。このような脂肪酸エステルには、脂肪酸又はアルコールから誘導されるヒドロカルビル鎖とのエステル(例えば、モノエステル、多価アルコールエステル、並びにジ−及びトリ−カルボン酸エステル)が挙げられる。本明細書の脂肪酸エステルのヒドロカルビルラジカルは、アミド及びアルコキシ部分(例えば、エトキシ若しくはエーテル結合など)のような他の適合性のある官能基を含んでもよいし、又はそれらの官能基と共有結合してもよい。
【0108】
好ましい脂肪酸エステルの具体例としては、イソステアリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸ジヘキシルデシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オレイル、酢酸ラウリル、プロピオン酸セチル及びアジピン酸オレイルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0109】
本発明の組成物に用いるのに好適なその他の脂肪酸エステルは、一般式R’COORのモノカルボン酸エステルであり、ここで、R’及びRはアルキル又はアルケニルラジカルであり、R’及びRの炭素原子の合計は少なくとも10、好ましくは少なくとも22である。
【0110】
本発明の組成物に用いるのに好適な更にその他の脂肪酸エステルは、カルボン酸のジ−及びトリ−アルキル並びにアルケニルエステル、例えばC4〜C8のジカルボン酸のエステル(例えば、コハク酸、グルタル酸及びアジピン酸のC1〜C22のエステル、好ましくはC1〜C6のエステル)である。カルボン酸のジ−及びトリ−アルキル並びにアルケニルエステルの具体的な非限定例としては、ステアリン酸イソセチルステアロイル(stearyol)、アジピン酸ジイソプロピル及びクエン酸トリステアリルが挙げられる。
【0111】
本発明の組成物に用いるのに好適な他の脂肪酸エステルは、多価アルコールエステルとして既知のものである。そのような多価アルコールエステルには、エチレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコールモノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ脂肪酸エステル、エトキシル化グリセリルモノステアレート、1,3−ブチレングリコールモノステアレート、1,3−ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、並びにポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのような、アルキレングリコールエステルが挙げられる。
【0112】
本発明の組成物に用いるのに好適な更に他の脂肪酸エステルはグリセリドであり、これには、モノ−、ジ−及びトリ−グリセリド、好ましくはジ−及びトリ−グリセリド、より好ましくはトリグリセリドが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の組成物に使用される場合、グリセリドは、好ましくは、C10〜C22のカルボン酸のような長鎖カルボン酸とグリセロールのモノ−、ジ−及びトリ−エステルである。これらの種類の様々な物質は、植物及び動物の油脂、例えば、ヒマシ油、ベニバナ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油、胡麻油、ラノリン及び大豆油から得ることができる。合成油には、トリオレイン及びトリステアリングリセリルジラウレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0113】
本発明の組成物に用いるのに好適なその他の脂肪酸エステルは、非水溶性の合成脂肪酸エステルである。幾つかの好ましい合成エステルは、以下の一般式(IX)に従う。
【0114】
【化9】

式中、R1はC7〜C9アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル又はヒドロキシアルケニル基、好ましくは飽和アルキル基、より好ましくは飽和直鎖アルキル基であり、nは2〜4、好ましくは3の値を有する正の整数であり、Yは約2〜約20個の炭素原子、好ましくは約3〜約14個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、ヒドロキシ又はカルボキシ置換アルキル若しくはアルケニルである。他の好ましい合成エステルは、以下の一般式(X)に従う。
【0115】
【化10】

式中、R2はC8〜C10アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル又はヒドロキシアルケニル基であり、好ましくは飽和アルキル基、より好ましくは飽和直鎖アルキル基であり、n及びYは、上記の式(X)で定義した通りである。
【0116】
本発明の組成物に用いるのに好適な合成脂肪酸エステルの具体的な非限定例としては、P−43(トリメチロールプロパンのC8〜C10のトリエステル)、MCP−684(3,3ジエタノール−1,5ペンタジオールのテトラエステル)、MCP121(アジピン酸のC8〜C10のジエステル)が挙げられるが、これらすべてはモービル・ケミカル社(Mobil Chemical Company)より入手可能である。
【0117】
3.その他のコンディショニング剤
本明細書の組成物に用いるのにまた好適であるのは、プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)により米国特許第5,674,478号及び第5,750,122号に記載されているコンディショニング剤である。同様に、本明細書に用いるのに好適であるのは、米国特許第4,529,586号(クレイロール(Clairol))、第4,507,280号(クレイロール)、第4,663,158号(クレイロール)、第4,197,865号(ロレアル(L'Oreal))、第4,217,914号(ロレアル)、第4,381,919号(ロレアル)及び第4,422,853号(ロレアル)に記載されているコンディショニング剤である。
【0118】
4.追加の構成成分
本発明の組成物は、様々な追加の有用な構成成分を更に含んでもよい。好ましい追加の構成成分には、以下に論じるものが挙げられる。
【0119】
1.その他の抗菌活性物質
本発明の組成物は、ピリチオン金属塩活性物質に加えて一以上の抗真菌又は抗菌活性物質を更に含んでもよい。好適な抗菌活性物質には、コールタール、イオウ、ホイットフィールド(whitfield)の軟膏、カステラーニ(castellani)塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ビターオレンジオイル、尿素調製物、グリセオフルビン、8−ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(例えば、テルビナフィン)、茶木油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローサ、ベルベリン、タイムレッド、シナモン油、シンナミックアルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール(hinokitol)、イヒチオールペール、センシバ(Sensiva)SC−50、エレスタブ(Elestab)HP−100、アゼライン酸、リチカーゼ(lyticase)、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノンのようなイソチアザリノン及びアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。好ましい抗菌剤には、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン及びコールタールが挙げられる。
【0120】
a.アゾール
アゾール抗菌剤には、ベンズイミダゾールのようなイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリムバゾール(climbazole)、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸サルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、並びにテルコナゾール及びイトラコナゾールのようなトリアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。組成物中に存在する時、アゾール抗菌活性物質は、組成物の約0.01重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.3重量%〜約2重量%の量で含まれる。本明細書においては、ケトコナゾールが特に好ましい。
【0121】
b.硫化セレン
硫化セレンは本発明の抗菌組成物に用いるのに好適な粒子状抗ふけ剤であり、その有効濃度は組成物の約0.1重量%〜約4重量%、好ましくは約0.3重量%〜約2.5重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約1.5重量%の範囲である。硫化セレンは、一般にセレン1モル及びイオウ2モルを有する化合物と考えられているが、一般式Sexy(式中、x+y=8)に従う環式構造であってもよい。硫化セレンの平均粒子直径は、典型的には、前方レーザー光散乱装置(forward laser light scattering device)(例えば、マルバーン(Malvern)3600機)で測定した場合、15μm未満、好ましくは10μm未満である。硫化セレン化合物は、例えば、米国特許第2,694,668号、米国特許第3,152,046号、米国特許第4,089,945号、及び米国特許第4,885,107号に記載されている。
【0122】
c.イオウ
イオウもまた、本発明の抗菌性組成物において粒子状抗菌性/抗ふけ剤として使用してもよい。粒子状イオウの有効濃度は、典型的には、組成物の約1重量%〜約4重量%、好ましくは約2重量%〜約4重量%である。
【0123】
d.角質溶解剤
本発明は、サリチル酸のような一以上の角質溶解剤を更に含んでもよい。
【0124】
本発明の追加の抗菌活性物質は、メラレウカ(melaleuca)(茶木)及び炭の抽出物を含んでもよい。また、本発明は、抗菌活性物質の組み合わせを含んでもよい。このような組み合わせは、オクトピロックスとジンクピリチオンとの組み合わせ、パインタールとイオウとの組み合わせ、サリチル酸とジンクピリチオンとの組み合わせ、オクトピロックスとクリムバゾールとの組み合わせ、及びサリチル酸とオクトピロックスとの組み合わせ、並びにこれらの混合物を含んでもよい。
【0125】
2.脱毛防止及び発毛剤
本発明は、脱毛防止及び発毛促進剤又は発毛剤に有用な物質を更に含んでもよい。こうした剤の例は、抗アンドロゲン剤、例えばプロペシア(Propecia)、デュタステライド(Dutasteride)、RU5884;抗炎症剤、例えばグルココルチソイド(Glucocortisoid)、マクロライド(Macrolide)、マクロライド;抗菌剤、例えばジンクピリチオン、ケトコナゾール、ニキビ治療剤;免疫抑制剤、例えばFK−506、シクロスポリン;血管拡張剤、例えばミノキシジル、アミンキシル(Aminexil)(登録商標)及びこれらの組み合わせである。
【0126】
3.感覚剤
本発明は、テルペン、バニロイド、アルキルアミド、天然抽出物及びこれらの組み合わせのような局所用感覚剤物質を更に含んでもよい。テルペンには、メンソール及び誘導体、例えばメンチルラクテート、エチルメンタンカルボキサミド、並びにメントキシプロパンジオール(menthoyxypropanediol)を挙げることができる。その他のテルペンには、カンファー、ユーカリプトール、カルボン、チモール及びこれらの組み合わせを挙げることができる。バニロイドには、カプサイシン、ジンゲロン、オイゲノール及びバニリルブチルエーテルを挙げることができる。アルキルアミドには、スピラントール、ヒドロキシα−サンスクール(sanschool)、ペリトリン(pellitorine)及びこれらの組み合わせを挙げることができる。天然抽出物には、ペパーミント油、ユーカリプトール、ローズマリー油、ショウガ油、丁子油、トウガラシ、ジャンブー抽出物、桂皮油、ラリシル(laricyl)及びこれらの組み合わせを挙げることができる。追加の局所用感覚剤物質には、サリチル酸メチル、アネトール、ベンゾカイン、リドカイン(lidocane)、フェノール、ベンジルニコチネート、ニコチン酸、ケイ皮アルデヒド、シンナミルアルコール、ピペリン及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0127】
4.保湿剤
本発明の組成物は更に保湿剤を含有してもよい。本明細書の保湿剤は、多価アルコール、水溶性アルコキシル化非イオン性ポリマー及びこれらの混合物から成る群より選択される。保湿剤は、本明細書において用いられる場合、好ましくは約0.1%〜約20%、より好ましくは約0.5%〜約5%の濃度で用いられる。
【0128】
本明細書で有用な多価アルコールには、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシル化グルコース、1,2−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ジプロピレングリコール、エリスリトール、トレハロース、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、グルコース、フルクトース、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アデノシンリン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカーボネート、グルコサミン、シクロデキストリン及びこれらの混合物が挙げられる。
【0129】
本明細書で有用な水溶性アルコキシル化非イオン性ポリマーには、約1000までの分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、例えば、CTFA名称PEG−200、PEG−400、PEG−600、PEG−1000のもの及びこれらの混合物が挙げられる。
【0130】
5.懸濁剤
本発明の組成物は、非水溶性物質を組成物中に分散された形態で懸濁するために、又は組成物の粘度を修正するために有効な濃度で懸濁剤を更に含んでもよい。このような濃度は、約0.1%〜約10%、好ましくは約0.3%〜約5.0%の範囲にある。
【0131】
本明細書で有用な懸濁剤には、アニオン性ポリマー及び非イオン性ポリマーが挙げられる。本明細書においては、ビニルポリマー、例えばCTFA名カルボマー(Carbomer)を有する架橋アクリル酸ポリマー、セルロース誘導体及び変性セルロースポリマー、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶性セルロース、セルロース粉末、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、カロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、マルメロ種子(Cydonia oblonga Mill)、デンプン(コメ、トウモロコシ、ジャガイモ、小麦)、藻類コロイド(藻類抽出物)、微生物学的ポリマー、例えばデキストラン、サクシノグルカン、プレラン、デンプン系ポリマー、例えばカルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン、アルギン酸系ポリマー、例えばアルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アクリレートポリマー、例えばポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、並びに無機水溶性物質、例えばベントナイト、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ラポナイト、ヘクトナイト及び無水ケイ酸が有用である。
【0132】
本明細書において非常に有用な市販の粘度調整剤には、すべてB.F.グッドリッチ社(B.F.Goodrich Company)から入手可能な、商品名カーボポール(Carbopol)934、カーボポール940、カーボポール950、カーボポール980、及びカーボポール981を有するカルボマー(Carbomer)、ローム・アンド・ハース(Rohm and Hass)から入手可能な商品名アクリソル(ACRYSOLL)22を有するアクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー、アマコール(Amerchol)から入手可能な商品名アマーセル(AMERCELL)ポリマーHM−1500を有するノノキシニルヒドロキシエチルセルロース、すべてハーキュレス(Hercules)から供給される商品名ベネセル(BENECEL)を有するメチルセルロース、商品名ナトロゾル(NATROSOL)を有するヒドロキシエチルセルロース、商品名クルセル(KLUCEL)を有するヒドロキシプロピルセルロース、商品名ポリサーフ67(POLYSURF 67)を有するセチルヒドロキシエチルセルロース、すべてアマコールから供給される、商品名カーボワックス(CARBOWAX)PEG、ポリオックスWASR、及びウコン液(UCON FLUIDS)を有するエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド系ポリマーが挙げられる。
【0133】
その他の任意の懸濁剤には、アシル誘導体、長鎖アミンオキシド、及びこれらの混合物として分類できる、結晶性懸濁剤が挙げられる。これらの懸濁剤は、米国特許第4、741,855号に記載されている。これらの好ましい懸濁剤には、好ましくは約16〜約22個の炭素原子を有する脂肪酸のエチレングリコールエステルが挙げられる。より好ましいのは、モノステアレート及びジステアレート両方のエチレングリコールステアレートであるが、特に約7%未満のモノステアレートを含有するジステアレートが好ましい。他の好適な懸濁剤には、好ましくは約16〜約22個の炭素原子、より好ましくは約16〜18個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドが挙げられ、その好ましい例には、ステアリンモノエタノールアミド、ステアリンジエタノールアミド、ステアリンモノイソプロパノールアミド、及びステアリンモノエタノールアミドステアレートが挙げられる。その他の長鎖アシル誘導体には、長鎖脂肪酸の長鎖エステル(例えば、ステアリルステアレート、セチルパルミテートなど)、長鎖アルカノールアミドの長鎖エステル(例えば、ステアラミドジエタノールアミドジステアレート、ステアラミドモノエタノールアミドステアレート)、及びグリセリルエステル(例えば、グリセリルジステアレート、トリヒドロキシステアリン、トリベヘニン)が挙げられ、その市販例はレオックス社(Rheox,Inc.)より入手可能なチキシン(Thixin)Rである。前述した好ましい物質に加えて、長鎖アシル誘導体、長鎖カルボン酸のエチレングリコールエステル、長鎖アミンオキシド、及び長鎖カルボン酸のアルカノールアミドを懸濁剤として使用してもよい。
【0134】
懸濁剤として用いるのに好適な他の長鎖アシル誘導体には、N,N−ジヒドロカルビルアミド安息香酸及びその可溶性塩(例えば、Na、K)が挙げられ、特にこの系統群のN,N−ジ(水素添加)C16、C18及びタローアミド安息香酸種が挙げられ、これらはステパン社(Stepan Company)(米国イリノイ州ノースフィールド)より市販されている。
【0135】
懸濁剤として用いるのに好適な長鎖アミンオキシドの例としては、アルキルジメチルアミンオキシド、例えばステアリルジメチルアミンオキシドが挙げられる。
【0136】
他の好適な懸濁剤には、少なくとも約16個の炭素原子を有する脂肪酸アルキル部分を有する第一級アミンが挙げられるが、その例には、パルミタミン(palmitamine)又はステアラミンが挙げられ、またそれぞれ少なくとも約12個の炭素原子を有する2つの脂肪酸アルキル部分を有する第二級アミンが挙げられるが、その例には、ジパルミトイルアミン又はジ(水素添加タロー)アミンが挙げられる。更に他の好適な懸濁剤には、ジ(水素添加タロー)フタル酸アミド、及び架橋無水マレイン酸−メチルビニルエーテルコポリマーが挙げられる。
【0137】
6.その他の任意成分
本発明の組成物はまた、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン及びこれらの誘導体のような水溶性ビタミン、アスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸及びこれらの塩のような水溶性アミノ酸、ビタミンA、D、E及びこれらの誘導体のような非水溶性ビタミン、チロシン、トリプタミン及びこれらの塩のような非水溶性アミノ酸などの、ビタミン及びアミノ酸を含有してもよい。
【0138】
本発明の組成物はまた、C.I.名を有するもののような水溶性の構成成分を含む、無機、ニトロソ、モノアゾ、ジアゾ(disazo)、カロチノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン、植物の色、天然の色などの、顔料物質を含有してもよい。本発明の組成物はまた、化粧品用殺生物剤及び抗ふけ剤として有用な抗菌剤も含有してもよく、これらには、ピロクトンオラミンのような水溶性構成成分、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(トリクロカルバン)、トリクロサン及びジンクピリチオンのような非水溶性構成成分が挙げられる。
【0139】
本発明の組成物はまた、キレート化剤を含有してもよい。
【0140】
H.pH
好ましくは、本発明の組成物のpHは約2〜約10、好ましくは約3〜約9.5、より好ましくは約4〜約9の範囲である。
【0141】
I.ZPT活性の増幅
ジンクピリチオン(ZPT)は有効な抗真菌物質である。抗真菌活性は、特定条件下での特定有機体に対する最少阻害濃度(MIC)を定量化することにより、日常的に評価される。1MICが低ければ低いほど、有機体に対する活性はより強力になる。ある場合には、物質は抗真菌活性物質の活性を増幅することができる。本明細書で使用する時、増幅という用語は、増幅物質を含まないが、それ以外は同質のZPT含有組成物によりもたらされる抗真菌の抑制と比べた場合に、組成物によりもたらされる抗真菌の抑制を弱めることなくZPTのより少量の使用を可能にするのに十分な程度までの、抗真菌活性の強化を意味することを意図する。多くの場合、増幅効果を達成するために必要とされる特有の化学的又は生物学的機構が存在するため、増幅剤は、増幅される物質に一般に特有であり、特異の組み合わせを形成する。
【0142】
「増幅因数」は、増幅剤を有する場合及び有さない場合の(特定濃度における)MICの比であると定義される。
【0143】
【数1】

有効な増幅剤は、1を超える、好ましくは1.3を超える、及び更により好ましくは1.5を超える増幅因数を有する。
【0144】
幾つかの評価の例には以下のものが挙げられる:
【0145】
【表1】

1最少阻害濃度は抗真菌の効力を示す。一般に、微生物の増殖を抑制する抗ふけ剤固有の能力の増加により、組成物の値が低くなれば、その抗真菌の効力はより良くなる。
【0146】
癜風菌を、mDixon培地が入ったフラスコ中で増殖させた(E.ギホー(E.Gueho)ら、Antoinie Leeuwenhoek(1996)、69番、337〜55ページ参照;その記載は参考として本明細書に組み込まれる)。次いで、可溶化した抗菌活性物質の希釈液を、融解したmDixon寒天が入った試験管に添加した。融解した寒天を入れた各試験管に癜風菌接種材料を添加し、試験管を攪拌した後、滅菌した別々のペトリ皿に内容物を移した。プレートをインキュベートした後、目に見える癜風菌の増殖を観察した。増殖を完全に抑える抗菌活性物質の最低試験希釈を最小阻止濃度(MIC)と定義する。
【0147】
(機器/試薬)
微生物 癜風菌(ATCC14521)
三角フラスコ 250mL
寒天培地 試験した活性物質ごとに1濃度につきmDixon寒天9.5mL
溶媒 水、ジメチルスルホニルオキシド(「DMSO」)
ジンクピリジンチオン 約2.5μmの平均粒度を有するZPT
試験管 試験した活性物質ごとに1濃度の抗菌活性物質につき、2本の滅菌した管、サイズ=18mm×150mm
ペトリ皿 試験した活性物質ごとに1濃度の抗菌活性物質につき、2枚の滅菌した皿、サイズ=15mm×100mm
【0148】
(実験手順)
1)癜風菌を、100mLの「mDIXON」培地が入った250mLの三角フラスコ中で、33.5rad/s(320rpm)及び30℃で、濁るまで増殖させた。
2)選択した希釈液を、抗菌活性物質又は溶媒中の組み合わせの適切な希釈系列を使用して調製し、それにより、最終試験の寒天に添加する前に、試料活性物質を可溶化させる。ZPT試料の各濃度について溶媒は「DMSO」であった。他の試料については溶媒は水又は「DMSO」又は他の好適な溶媒であった。
3)融解した「mDIXON」寒天9.5mLが入った試験管に、抗菌活性物質の希釈液0.25mLを添加した(水浴中で45℃に保持)。
4)融解した寒天の各試験管に、癜風菌接種材料0.25(直接計数によって5×105cfu/mLに調整)を添加した。
5)各管を攪拌し、内容物を別々のペトリ皿に移した。
6)寒天が固まった後、該プレートを反転させ、30℃で5日間インキュベートした。
7)次いで、該プレートについて、目に見える癜風菌の増殖を観察した。
【0149】
J.使用方法
本発明の組成物は、皮膚への直接適用において、又は皮膚及び毛髪を洗浄するための、並びに皮膚若しくは頭皮上の微生物感染症(真菌、ウイルス、又は細菌の感染症を含む)を制御するための従来の様式で用いられてもよい。本明細書の組成物は、毛髪及び頭皮、並びに身体の他の部分(例えば、わきの下、足及び鼠径部)を洗浄するために、また処置を必要とする他の皮膚部分に対して有用である。本発明は動物の皮膚又は毛髪を同様に処置又は洗浄するために用いられてもよい。毛髪、皮膚又は身体の他の部分を洗浄するための、組成物の有効量、典型的には組成物の約1g〜約50g、好ましくは約1g〜約20gを、好ましくは一般に水で濡らした毛髪、皮膚又は他の部分に局所的に適用し、その後、すすぎ落とす。毛髪への適用は、典型的には毛髪全体にシャンプー組成物をもたらすことを含む。
【0150】
シャンプーの実施形態で抗菌の(特に抗ふけの)効力をもたらすための好ましい方法は、(a)水で毛髪を濡らす工程、(b)毛髪に有効量の抗菌シャンプー組成物を適用する工程、及び(c)水を使用して毛髪から抗菌シャンプー組成物をすすぐ工程を含む。これらの工程は、求められる洗浄、コンディショニング及び抗菌/抗ふけの効果を達成するために要望されるだけ何回繰返されてもよい。
【0151】
使用される抗菌活性物質がジンクピリチオンである場合、及び/又は他の任意の育毛調節剤が使用される場合、本発明の抗菌組成物は、毛髪の成長調節をもたらす場合があることも考えられる。そのようなシャンプー組成物を定期的に使用する方法は、(上記の)a、b及びcの工程を繰返すことを含む。
【0152】
本発明の更なる実施形態は、(a)水で毛髪を濡らす工程、(b)亜鉛含有層状物質を含む有効量のシャンプー組成物を適用する工程、(c)水を使用して毛髪からシャンプー組成物をすすぐ工程、(d)本発明による亜鉛含有層状物質を含む有効量のコンディショナー組成物を適用する工程、(e)水を使用して毛髪からコンディショナー組成物をすすぐ工程を含む方法を含む。上述の方法の好ましい実施形態は、ジンクピリチオンを含むシャンプー組成物、及び塩基性炭酸亜鉛を含むコンディショナー組成物を含む。
【0153】
本発明の更なる実施形態は、本発明による組成物の使用を含む水虫を処置する方法、本明細書に記載される組成物の使用を含む微生物感染症を処置する方法、本発明による組成物の使用を含む頭皮の外観を改善する方法、本発明による組成物の使用を含む真菌感染症を処置する方法、本発明の組成物の使用を含むふけを処置する方法、本明細書に記載される本発明の組成物の使用を含むおむつ皮膚炎及びカンジダ症を処置する方法、本発明による組成物の使用を含む頭部白癬を処置する方法、本発明による組成物の使用を含むイースト菌感染症を処置する方法、本発明による組成物の使用を含む爪甲真菌症を処置する方法を含む。
【実施例】
【0154】
K.実施例
以下の実施例は、本発明の範囲内の好ましい実施形態について更に説明し、実証するものである。これらの実施例は単に例示を目的とするだけであって、本発明の範囲から逸脱することなくその多くの変形形態が可能であるため、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0155】
本発明の組成物は、適切な媒体若しくはキャリア中に一種以上の選択された金属イオン源及び一種以上のピリチオンの金属塩を混合することよって、又は個々の構成成分を別々に皮膚若しくは毛髪の洗浄組成物に加えることよって作ることができる。有用なキャリアは、上記でより十分に議論されている。
【0156】
1.局所用組成物
例示するすべての組成物は、従来の処方及び混合技術により調製し得る。構成成分の量は、重量パーセントで列記され、希釈剤、充填剤などのような微量物質は含まない。そのため、列記する製剤は、列挙した構成成分及びこのような構成成分に関連するいかなる微量物質をも含む。本明細書で使用する時、「微量成分」とは、防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、芳香剤、起泡増進剤などのような任意成分を指す。当業者にとって明白なように、このような微量成分の選択は、本明細書に記載されるように本発明を作るために選択された特定成分の物理的及び化学的特質に依存して変化する。その他の変更は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者により実行され得る。本発明の抗菌シャンプー、抗菌コンディショナー、抗菌リーブオントニック及び抗菌フットパウダー組成物のこれらの例証された実施形態は、優れた抗菌効力をもたらす。
【0157】
L.シャンプー組成物の製造方法
本発明の組成物は、結果として得られる組成物が、本明細書に記載される優れた抗菌の効果をもたらすならば、抗菌組成物を提供することに好適な既知の、又はそうでなければ有効な技術によって調製されてもよい。本発明の抗ふけ及びコンディショニングシャンプーの実施形態を調製する方法は、従来の処方及び混合技術を含む。米国特許第5,837,661号に記載されるような方法を採用することができるが、その際、本発明の抗菌剤は、典型的には、米国特許第5,837,661号の記載においてシリコーンプレミックスが添加されたのと同じ工程で添加される。
【0158】
抗菌シャンプー−実施例4、6、15、16、17、19、20、22、26、28、31、32、33、34、37、及び39
実施例4、6、15、16、17、19、20、22、26、28、31、32、33、34、37、及び39(以下)に記載される抗菌シャンプー組成物を調製するために好適な方法は以下の通りである。
【0159】
ラウレス硫酸ナトリウム(29重量%溶液として添加)の全体の約1/3及び酸を、ジャケット付き混合タンクに添加し、約60℃〜約80℃までゆっくり攪拌しながら加熱し、界面活性剤溶液を形成した。この溶液のpHは、約3〜約7であった。安息香酸ナトリウム、ココアミドMEA及び脂肪族アルコール(適用する場合)をタンクに添加し、分散させた。エチレングリコールジステアレート(「EGDS」)を混合容器に添加し、融解させた(適用する場合)。EGDSが融解及び分散した後、カトンCGを界面活性剤溶液に添加した。得られた混合物を約25℃〜約40℃まで冷却し、最終タンクに集めた。この冷却工程の結果として、EGDSは結晶化し、製品に結晶性網状組織を形成した(適用する場合)。ラウレス硫酸ナトリウム、並びにシリコーン及び抗菌剤(類)を含む他の構成成分の残分を、均質な混合物を確保するために攪拌しながら最終タンクに添加した。ポリマー(カチオン性又は非イオン性)を、約0.1%〜約10%の分散液及び/又は溶液として水又は油に分散し、主要混合物、最終混合物、又は両方に添加することができた。塩基性炭酸亜鉛又はその他の亜鉛含有層状物質を界面活性剤のプレミックス又は水に、最終混合物への従来の粉末混和及び混合技術により、分散剤の補助を伴って又は補助なしに添加することができた。いったんすべての構成成分を添加したら、製品粘度を所望の程度に調整するために、必要に応じて、追加の粘度調整剤、例えば塩化ナトリウム及び/又はキシレンスルホン酸ナトリウムを添加することができた。製品のpHを、塩酸のような酸を用いて容認できる値まで調整した。
【0160】
抗菌シャンプー−提案された実施例1〜3、5、7〜14、18、21、23〜25、27、29〜30、35〜36、及び38
提案された実施例1〜3、5、7〜14、18、21、23〜25、27、29〜30、35〜36、及び38(以下)に記載される抗菌シャンプー組成物を調製するために好適な方法は以下の通りである。
【0161】
ラウレス硫酸ナトリウム(29重量%溶液として添加)の全体の約1/3及び酸を、ジャケット付き混合タンクに添加し、約60℃〜約80℃までゆっくり攪拌しながら加熱し、界面活性剤溶液を形成する。この溶液のpHは、約3〜約7である。安息香酸ナトリウム、ココアミドMEA及び脂肪族アルコール(適用する場合)をタンクに添加し、分散させる。エチレングリコールジステアレート(「EGDS」)を混合容器に添加し、融解させる(適用する場合)。EGDSが融解及び分散した後、カトンCGを界面活性剤溶液に添加する。得られた混合物を約25℃〜約40℃まで冷却し、最終タンクに集める。この冷却工程の結果として、EGDSは結晶化し、製品に結晶性網状組織を形成する(適用する場合)。ラウレス硫酸ナトリウム、並びにシリコーン及び抗菌剤(類)を含む他の構成成分の残分を、均質な混合物を確保するために攪拌しながら最終タンクに添加する。ポリマー(カチオン性又は非イオン性)を、約0.1%〜約10%の分散液及び/又は溶液として水又は油に分散し、主要混合物、最終混合物、又は両方に添加することができる。塩基性炭酸亜鉛又はその他の亜鉛含有層状物質を界面活性剤のプレミックス又は水に、最終混合物への従来の粉末混和及び混合技術により、分散剤の補助を伴って又は補助なしに添加することができる。いったんすべての構成成分を添加したら、製品粘度を所望の程度に調整するために、必要に応じて、追加の粘度調整剤、例えば塩化ナトリウム及び/又はキシレンスルホン酸ナトリウムを添加してもよい。製品のpHを、塩酸のような酸を用いて容認できる値まで調整できる。
【0162】
シャンプー組成物−実施例4、6、15、16、17、19、20、22、26、28、31、32、33、34、37、及び39
並びに
提案された実施例1〜3、5、7〜14、18、21、23〜25、27、29〜30、35〜36、及び38
【0163】
【表2】

(1)約400,000の分子量を有し、約0.84meq/gの電荷密度を有するグアー、アクアロン(Aqualon)より入手可能
(2)ビスカシル(Viscasil)330M、ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones)より入手可能
(3)約2.5μmの平均粒度を有するZPT、オマジン(OMADINE)商標として、アーチ・ケミカルズ社(Arch Chemicals,Inc.)より入手可能
(4)塩基性炭酸亜鉛、ブリュッグマン・ケミカル(Bruggemann Chemical)より入手可能
(5)G.ラガリー(Lagaly,G.)らの無機化学(Inorg.Chem.)、1993年、32、1209〜1215、及びH.モリオカ(Morioka,H.)らの無機化学(Inorg.Chem.)、1999年、38、4211〜4216に報告される方法により製造される物質
(6)6N HCl、J.T.ベーカー(J.T.Baker)より入手可能、目標のpHを達成するために調整可能
【0164】
【表3】

(1)約400,000の分子量を有し、約0.84meq/gの電荷密度を有するグアー、アクアロン(Aqualon)より入手可能
(2)ビスカシル(Viscasil)330M、ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones)より入手可能
(3)1664エマルション、ダウ・コーニング(Dow Corning)より入手可能
(4)約2.5μmの平均粒度を有するZPT、オマジン(OMADINE)商標として、アーチ・ケミカルズ社(Arch Chemicals,Inc.)より入手可能
(5)塩基性炭酸亜鉛、ブリュッグマン・ケミカル(Bruggemann Chemical)より入手可能
(6)6N HCl、J.T.ベーカー(J.T.Baker)より入手可能、目標のpHを達成するために調整可能
【0165】
【表4】

(1)約400,000の分子量を有し、約0.84meq/gの電荷密度を有するグアー、アクアロン(Aqualon)より入手可能
(2)約600,000の分子量を有し、約2.0meq/gの電荷密度を有するグアー、アクアロン(Aqualon)より入手可能
(3)ジャガー(Jaguar)C−17、ローディア(Rhodia)より入手可能
(4)ポリオックス(Polyox)WSR N−750、アマコール(Amerchol)より入手可能
(5)ポリオックス(Polyox)WSR N−3000、アマコール(Amerchol)より入手可能
(6)ポリオックス(Polyox)WSR N−60K、アマコール(Amerchol)より入手可能
(7)ビスカシル(Viscasil)330M、ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones)より入手可能
(8)約2.5μmの平均粒度を有するZPT、オマジン(OMADINE)商標として、アーチ・ケミカルズ社(Arch Chemicals,Inc.)より入手可能
(9)塩基性炭酸亜鉛、ブリュッグマン・ケミカル(Bruggemann Chemical)より入手可能
(10)6N HCl、J.T.ベーカー(J.T.Baker)より入手可能、目標のpHを達成するために調整可能
【0166】
【表5】

(1)約400,000の分子量を有し、約0.84meq/gの電荷密度を有するグアー、アクアロン(Aqualon)より入手可能
(2)ユーケア・ポリマー(UCARE Polymer)JR30M、アマコール(Amerchol)より入手可能
(3)ユーケア・ポリマー(UCARE Polymer)LR400、アマコール(Amerchol)より入手可能
(4)ポリオックス(POLYOX)WSR N−750、アマコール(Amerchol)より入手可能
(5)ビスカシル(Viscasil)330M、ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones)より入手可能
(6)約2.5μmの平均粒度を有するZPT、オマジン(OMADINE)商標として、アーチ・ケミカルズ社(Arch Chemicals,Inc.)より入手可能
(7)塩基性炭酸亜鉛、ブリュッグマン・ケミカル(Bruggemann Chemical)より入手可能
(8)6N HCl、J.T.ベーカー(J.T.Baker)より入手可能、目標のpHを達成するために調整可能
【0167】
【表6】

(1)約400,000の分子量を有し、約0.84meq/gの電荷密度を有するグアー、アクアロン(Aqualon)より入手可能
(2)ユーケア・ポリマー(UCARE Polymer)LR400、アマコール(Amerchol)より入手可能
(3)ポリオックス(POLYOX)WSR N−750、アマコール(Amerchol)より入手可能
(4)ビスカシル(Viscasil)330M、ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones)より入手可能
(5)約2.5μmの平均粒度を有するZPT、オマジン(OMADINE)商標として、アーチ・ケミカルズ社(Arch Chemicals,Inc.)より入手可能
(6)塩基性炭酸亜鉛、ブリュッグマン・ケミカル(Bruggemann Chemical)より入手可能
(7)6N HCl、J.T.ベーカー(J.T.Baker)より入手可能、目標のpHを達成するために調整可能
【0168】
洗浄組成物−提案された実施例40〜44
提案された実施例40〜44(以下)に記載される抗菌洗浄組成物を調製するための好適な方法は、以下の通りである。
【0169】
構成成分1〜3、7及び8を87℃(190°F)まで加熱しながら混合する。構成成分4、10、13及び15を室温で別の深い容器中で混合する。第一混合物が87℃(190°F)に達した後、それを第二混合物に添加する。この混合物が60℃(140°F)未満まで冷えた後、構成成分11(及び5)を添加する。別の容器に71℃(160°F)で、ワセリン及び塩基性炭酸亜鉛を混合する。水相が43℃(110°F)未満に冷えたら、ワセリン/塩基性炭酸亜鉛のブレンドを添加し、滑らかになるまで攪拌する。塩基性炭酸亜鉛もまた界面活性剤のプレミックス又は水に、冷却された混合物への従来の粉末混和及び混合技術により、分散剤の補助を伴って又は補助なしに添加することができる。最後に香料を添加する。
【0170】
【表7】

(1)約2.5□mの平均粒度を有するZPT、オマジン(OMADINE)商標として、アーチ・ケミカルズ社(Arch Chemicals,Inc.)より入手可能
(2)塩基性炭酸亜鉛、ブリュッグマン・ケミカル(Bruggemann Chemical)より入手可能
(3)G.ラガリー(Lagaly,G.)らの無機化学(Inorg.Chem.)、1993年、32、1209〜1215、及びH.モリオカ(Morioka,H.)らの無機化学(Inorg.Chem.)、1999年、38、4211〜4216に報告される方法により製造される物質
(4)ポリマー(Polymer)JR30M、アマコール社(Amerchol Corp.)より入手可能
【0171】
洗浄/顔用組成物−提案された実施例45〜54
提案された実施例45〜54に記載される抗菌洗浄/顔用組成物を調製するための好適な方法は、当業者に既知であり、得られる組成物が本明細書に記載の優れた抗菌の効果をもたらすという条件で、抗菌洗浄/顔用組成物を提供するために好適な既知の又はそうでなければ有効な技術によって調製されてもよい。本発明の抗菌性洗浄/顔用組成物の実施形態を調製する方法は、従来の処方及び混合技術を含む。米国特許第5,665,364号に記載されるような方法を用いることができる。
【0172】
【表8】

(1)約2.5□mの平均粒度を有するZPT、オマジン(OMADINE)商標として、アーチ・ケミカルズ社(Arch Chemicals,Inc.)より入手可能
(2)塩基性炭酸亜鉛、ブリュッグマン・ケミカル(Bruggemann Chemical)より入手可能
(3)G.ラガリー(Lagaly,G.)らの無機化学(Inorg.Chem.)、1993年、32、1209〜1215、及びH.モリオカ(Morioka,H.)らの無機化学(Inorg.Chem.)、1999年、38、4211〜4216に報告される方法により製造される物質
【0173】
【表9】

(1)約2.5□mの平均粒度を有するZPT、オマジン(OMADINE)商標として、アーチ・ケミカルズ社(Arch Chemicals,Inc.)より入手可能
(2)塩基性炭酸亜鉛、ブリュッグマン・ケミカル(Bruggemann Chemical)より入手可能
(3)G.ラガリー(Lagaly,G.)らの無機化学(Inorg.Chem.)、1993年、32、1209〜1215、及びH.モリオカ(Morioka,H.)らの無機化学(Inorg.Chem.)、1999年、38、4211〜4216に報告される方法により製造される物質
【0174】
ヘアコンディショニング組成物−提案された実施例55〜78
提案された実施例55〜78(以下)に記載される抗菌ヘアコンディショニング組成物を、従来の処方及び混合技術によって調製するための好適な方法は、以下の通りである。
【0175】
組成物の中に含まれる時、ポリプロピレングリコールのような高分子材料を室温で水に分散させてポリマー溶液とし、70℃以上に加熱する。アミドアミン及び酸、並びに、存在する場合は、他のカチオン性界面活性剤、低融点オイルのエステルオイルを、攪拌しながら液に添加する。次いで、高融点脂肪族化合物、並びに、存在する場合は、他の低融点オイル及びベンジルアルコールもまた、攪拌しながら溶液に添加する。このようにして得られた混合物を60℃未満に冷却し、ジンクピリチオン、亜鉛含有物質、亜鉛イオノフォア物質及びシリコーン化合物のような残りの構成成分を攪拌しながら添加し、更に約30℃に冷却する。
【0176】
必要であれば、トリブレンダー及び/又はミルを各工程で使用し、物質を分散することができる。あるいは、最高50%の酸を、60℃未満に冷却の後、添加することができる。
【0177】
本明細書に開示された実施例は、多くの利点を有する。例えば、それらは有効な抗菌、特に抗ふけの効力をもたらすことができ、同時にしっとりとした毛髪感、伸張性及び洗い流しやすさのようなコンディショニング効果を損なわず、並びに光沢度及び乾燥時の櫛通りを提供する。
【0178】
【表10】

(1)ポリオックス(Polyox)WSR N−10、アマコール社(Amerchol Corp.)より入手可能
(2)10Pa・s(10,000cps)ジメチコンTSF451−1MA、GEより入手可能
(3)15/85ジメチコン/シクロメチコンブレンド、GEより入手可能
(4)約2.5μmの平均粒度を有するZPT、オマジン(OMADINE)商標として、アーチ・ケミカルズ社(Arch Chemicals,Inc.)より入手可能
(5)塩基性炭酸亜鉛、ブリュッグマン・ケミカル(Bruggemann Chemical)より入手可能
(6)G.ラガリー(Lagaly,G.)らの無機化学(Inorg.Chem.)、1993年、32、1209〜1215、及びH.モリオカ(Morioka,H.)らの無機化学(Inorg.Chem.)、1999年、38、4211〜4216に報告される方法により製造される物質
【0179】
【表11】

(1)ポリオックス(Polyox)WSR N−10、アマコール社(Amerchol Corp.)より入手可能
(2)10Pa・s(10,000cps)ジメチコンTSF451−1MA、GEより入手可能
(3)15/85ジメチコン/シクロメチコンブレンド、GEより入手可能
(4)約2.5μmの平均粒度を有するZPT、オマジン(OMADINE)商標として、アーチ・ケミカルズ社(Arch Chemicals,Inc.)より入手可能
(5)塩基性炭酸亜鉛、ブリュッグマン・ケミカル(Bruggemann Chemical)より入手可能
(6)G.ラガリー(Lagaly,G.)らの無機化学(Inorg.Chem.)、1993年、32、1209〜1215、及びH.モリオカ(Morioka,H.)らの無機化学(Inorg.Chem.)、1999年、38、4211〜4216に報告される方法により製造される物質
【0180】
【表12】

(1)ポリオックス(Polyox)WSR N−10、アマコール社(Amerchol Corp.)より入手可能
(2)10Pa・s(10,000cps)ジメチコンTSF451−1MA、GEより入手可能
(3)15/85ジメチコン/シクロメチコンブレンド、GEより入手可能
(4)約2.5μmの平均粒度を有するZPT、オマジン(OMADINE)商標として、アーチ・ケミカルズ社(Arch Chemicals,Inc.)より入手可能
(5)塩基性炭酸亜鉛(Basic Zinc Carbonate)、ブリュッグマン・ケミカル(Bruggemann Chemical)より入手可能
(6)G.ラガリー(Lagaly,G.)らの無機化学(Inorg.Chem.)、1993年、32、1209〜1215、及びH.モリオカ(Morioka,H.)らの無機化学(Inorg.Chem.)、1999年、38、4211〜4216に報告される方法により製造される物質
【0181】
抗菌リーブインヘアトニック−提案された実施例79〜85
提案された実施例79〜85(以下)に記載される抗菌リーブインヘアトニック組成物を調製するための好適な方法は、以下の通りである。
【0182】
大部分の処方水を添加し、カルボマー及び混合物を、完全に分散するまで攪拌しながら添加する。別の容器に、エタノール、次いで融解したPEG−60硬化ヒマシ油及び香料を添加する。これを、攪拌しながら主要混合タンクへ移す。その他の水溶性成分、微量成分、ジンクピリチオン、亜鉛含有物質及び/又は亜鉛イオノフォア物質を添加する。スチリルシリコーンをゆっくり添加し、攪拌する。攪拌しながらトリエタノールアミンをゆっくり添加する。
【0183】
【表13】

(1)約2.□□mの平均粒度を有するZPT、オマジン(OMADINE)商標として、アーチ・ケミカルズ社(Arch Chemicals,Inc.)より入手可能
(2)塩基性炭酸亜鉛、ブリュッグマン・ケミカル(Bruggemann Chemical)より入手可能
【0184】
抗菌フットパウダー−提案された実施例86〜89
提案された実施例86〜89のフットパウダー組成物は、混合容器中で成分を完全に混合することによって調製される。次いで、このパウダーは粉砕され、及び/又は必要であればふるいにかけられてもよい。
【0185】
【表14】

(1)約2.5□mの平均粒度を有するZPT、オマジン(OMADINE)商標として、アーチ・ケミカルズ社(Arch Chemicals,Inc.)より入手可能
(2)塩基性炭酸亜鉛、ブリュッグマン・ケミカル(Bruggemann Chemical)より入手可能
【0186】
水中油型クリーム/ローション−提案された実施例90〜94
提案された実施例90〜94の水中油型クリーム/ローション組成物は、既知の、又はそうでなければ有効な従来の方法によって調製されてもよい。
【0187】
【表15】

(1)約2.5□mの平均粒度を有するZPT、オマジン(OMADINE)商標として、アーチ・ケミカルズ社(Arch Chemicals,Inc.)より入手可能
(2)塩基性炭酸亜鉛(Basic Zinc Carbonate)、ブリュッグマン・ケミカル(Bruggemann Chemical)より入手可能
【0188】
10.他の成分
本発明は、一部の実施形態において、ヘアケア又はパーソナルケア製品に用いられることが知られているか、又はそうでなければ用いるのに有効である追加の任意成分を更に含んでもよい。このような任意成分の濃度は、一般に、組成物の0〜約25重量%、より典型的には約0.05重量%〜約20重量%、更により典型的には約0.1重量%〜約15重量%の範囲である。このような任意成分はまた、物理的及び化学的に本明細書に記載される必須成分と適合性があるべきであり、それでなければ過度に製品の安定性、審美性又は性能を損なうべきではない。
【0189】
本発明に使用するための任意成分の非限定例としては、静電気防止剤、起泡増進剤、上述の抗ふけ剤に加えてその他の抗ふけ剤、粘度調整剤及び増粘剤、懸濁液物質(例えば、EGDS、チキシン(thixins))、pH調整剤(例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸、コハク酸、コハク酸ナトリウム、マレイン酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウム、リンゴ酸、グリコール酸、塩酸、硫酸、重炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び炭酸ナトリウム)、防腐剤(例えば、DMDMヒダントイン)、抗菌剤(例えば、トリクロサン又はトリクロカルボン(triclocarbon))、染料、有機溶媒又は希釈液、真珠光沢助剤、香料、脂肪族アルコール、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、ビタミン(例えば、レチニルプロピオネートを含むレチノイド、トコフェロールアセテートのようなビタミンE、パンテノール、及びナイアシンアミドを含むビタミンB3化合物)、乳化剤、揮発性キャリア、精選された安定促進剤、スタイリングポリマー、有機スタイリングポリマー、シリコーングラフトスタイリングポリマー、カチオン性展着剤、殺シラミ剤、起泡増進剤、粘度調整剤及び増粘剤、ポリアルキレングリコール並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0190】
非水溶性カチオン性界面活性剤のような任意の静電気防止剤は、典型的には組成物の約0.1重量%〜約5重量%の範囲の濃度で用いてもよい。そのような静電気防止剤は、抗菌性組成物の使用中の性能及び最終的な利益を過度に妨げてはならない。特に、静電気防止剤はアニオン性界面活性剤を妨げるべきでない。好適な静電気防止剤の具体的な非限定例は、トリセチルメチルアンモニウムクロリドである。
【0191】
本明細書に記載される本発明における使用のための任意の起泡増進剤は、脂肪酸エステル(例えばC8〜C22)モノ及びジ(C1〜C5、特にC1〜C3)アルカノールアミドを含む。そのような起泡増進剤の具体的な非限定例としては、ココナッツモノエタノールアミド、ココナッツジエタノールアミド及びこれらの混合物が挙げられる。
【0192】
任意の粘度調整剤及び増粘剤を、本発明の抗菌組成物が典型的に約0.001m2/s(1,000csk)〜約0.02m2/s(20,000csk)、好ましくは約0.003m2/s(3,000csk)〜約0.01m2/s(10,000csk)の全体粘度をほぼ有するのに有効な量で用いてもよい。そのような粘度調整剤及び増粘剤の具体的な非限定例としては、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム及びこれらの混合物が挙げられる。
【0193】
M.その他の好ましい実施形態:
本発明のその他の好ましい実施形態には、以下のものが挙げられる。
【0194】
本発明の実施形態は、抗菌上有効量のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩、及び構成成分の効力を強化するために十分な量の亜鉛含有層状物質を含む組成物に関する(ただし構成成分(b)は、前記組成物中に存在する構成成分(a)の量に基づいて、重量比約5:100〜約10:1で存在することを条件とする)。好ましくは構成成分(a)はジンクピリチオンであり、構成成分(b)は塩基性炭酸亜鉛である。
【0195】
本発明の別の実施形態では、シャンプー、石鹸、スキンケア薬剤、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、塩基性炭酸亜鉛含有パーソナルケア組成物を調製するための方法が開示され、前記方法は、ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を含むパーソナルケア組成物中で、パーソナルケア組成物中に可溶性の炭酸塩又は重炭酸塩と、パーソナルケア組成物中に可溶性又は不溶性の亜鉛化合物であって、前記亜鉛化合物が、有機酸の亜鉛塩、無機酸の亜鉛塩、水酸化亜鉛、酸化亜鉛及びこれらの組み合わせから成る群から選択される亜鉛化合物とを反応させることを含み、それにより亜鉛塩と共に炭酸塩をその場で生じさせ、前記塩基性炭酸亜鉛含有パーソナルケア組成物中に前記塩基性炭酸亜鉛を形成することを含む。好ましくは、前記亜鉛化合物は水酸化亜鉛であり、前記炭酸塩は炭酸ナトリウムであり、前記水酸化亜鉛は、前記炭酸ナトリウムと、モル比約1:10〜約10:1の範囲内で反応する。
【0196】
本発明の更なる実施形態では、上記の方法により、ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩、及び塩基性炭酸亜鉛は、パーソナルケア組成物中に同時に又は段階的にその場で生成される。
【0197】
本発明の別の実施形態では、シャンプー、石鹸、スキンケア薬剤及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、パーソナルケア組成物が開示され、前記パーソナルケア組成物は、水、アルコール又はこれらの組み合わせ、ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩、並びに前記ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩の抗菌効力を強化するための増幅剤として、有機酸の亜鉛塩、無機酸の亜鉛塩、水酸化亜鉛、酸化亜鉛及びこれらの組み合わせから成る群から選択される亜鉛化合物であって、前記水又はアルコールに可溶性である亜鉛化合物と、前記水又はアルコールに可溶性である塩基性炭酸亜鉛以外の炭酸塩とのその場反応生成物の粒子又は層状被膜を含む。
【0198】
典型的には、50を超える増幅因数が想定されることはない。典型的には、増幅因数は50未満、好ましくは25未満、より好ましくは10未満であることが想定される。
【0199】
本発明の更なる実施形態では、シャンプー、石鹸、スキンケア薬剤及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、塩基性炭酸亜鉛含有パーソナルケア組成物を調製するための方法が開示され、前記方法は、パーソナルケア組成物中で、パーソナルケア組成物中に可溶性の炭酸塩又は重炭酸塩と、パーソナルケア組成物中に可溶性又は不溶性の亜鉛化合物であって、前記亜鉛化合物が、有機酸の亜鉛塩、無機酸の亜鉛塩、水酸化亜鉛、酸化亜鉛及びこれらの組み合わせから成る群から選択される亜鉛化合物とを反応させることを含み、それにより亜鉛塩と共に炭酸塩をその場で生じさせ、前記塩基性炭酸亜鉛含有パーソナルケア組成物中に前記塩基性炭酸亜鉛を形成する。
【0200】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれているが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であるとの容認と解釈されるべきではない。
【0201】
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)有効量のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩;
b)有効量の、1を超える増幅因数を提供する亜鉛含有層状物質
を含む組成物。
【請求項2】
1.3を超える、好ましくは1.5を超える増幅因数が、ZPTが亜鉛含有物質と組み合わされる場合に達成される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
亜鉛含有層状物質と、ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との比が、5:100〜10:1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記亜鉛含有層状物質が、塩基性炭酸亜鉛、炭酸水酸化亜鉛、水亜鉛鉱、炭酸水酸化亜鉛銅、水亜鉛銅鉱、炭酸水酸化銅亜鉛、亜鉛孔雀石、亜鉛イオン含有フィロシリケート、層状複水酸化物、ヒドロキシ複塩及びこれらの混合物から成る群から選択され、好ましくは前記亜鉛含有層状物質が、炭酸水酸化亜鉛、水亜鉛鉱、塩基性炭酸亜鉛及びこれらの混合物から成る群から選択され、より好ましくは前記亜鉛含有層状物質が、水亜鉛鉱又は塩基性炭酸亜鉛であり、最も好ましくは前記亜鉛含有層状物質が塩基性炭酸亜鉛である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩がジンクピリチオンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記亜鉛含有層状物質が0.001%〜10%、好ましくは前記亜鉛含有層状物質が0.01%〜7%、より好ましくは前記亜鉛含有層状物質が0.1%〜5%で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記ジンクピリチオンが0.01%〜5%、好ましくは前記ZPTが0.1%〜2%で存在する、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
(a)抗菌上有効量のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩;及び
(b)構成成分(a)の効力を強化するために十分な量の亜鉛含有層状物質であって、ただし構成成分(b)が、組成物中に存在する構成成分(a)の量に基づいて、重量比5:100〜10:1で存在することを条件とする亜鉛含有層状物質
を含む組成物。
【請求項9】
構成成分(a)がジンクピリチオンである、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
構成成分(b)が前記組成物中に塩基性炭酸亜鉛として存在する、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
シャンプー、石鹸、スキンケア薬剤及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、塩基性炭酸亜鉛含有パーソナルケア組成物を調製するための方法であって、前記方法が、ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を含むパーソナルケア組成物中で、前記パーソナルケア組成物に可溶性の炭酸塩又は重炭酸塩と、前記パーソナルケア組成物に可溶性又は不溶性の亜鉛化合物であって、前記亜鉛化合物が、有機酸の亜鉛塩、無機酸の亜鉛塩、水酸化亜鉛、酸化亜鉛及びこれらの組み合わせから成る群から選択される亜鉛化合物とを反応させることを含み、それにより前記亜鉛塩と共に前記炭酸塩をその場で生じさせ、前記塩基性炭酸亜鉛含有パーソナルケア組成物中に前記塩基性炭酸亜鉛を形成する方法。
【請求項12】
前記亜鉛化合物が水酸化亜鉛であり、前記炭酸塩が炭酸ナトリウムであり、前記水酸化亜鉛が、前記炭酸ナトリウムと、モル比1:10〜10:1の範囲内で反応する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩及び前記塩基性炭酸亜鉛が、前記パーソナルケア組成物中に同時に又は段階的にその場で生成される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
シャンプー、石鹸、スキンケア薬剤及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるパーソナルケア組成物であって:
(a)水、アルコール又はこれらの組み合わせ、
(b)ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩、並びに
(c)有機酸の亜鉛塩、無機酸の亜鉛塩、水酸化亜鉛、酸化亜鉛及びこれらの組み合わせから成る群から選択される亜鉛化合物であって、前記亜鉛化合物が前記水又はアルコールに可溶性である亜鉛化合物と、前記水又はアルコールに可溶性である塩基性炭酸亜鉛以外の炭酸塩とのその場反応生成物の粒子又は層状被膜であって、前記ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩の抗菌効力を強化するための増幅剤としてのその場反応生成物の粒子又は層状被膜
を含むパーソナルケア組成物。
【請求項15】
シャンプー、石鹸、スキンケア薬剤及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、塩基性炭酸亜鉛含有パーソナルケア組成物を調製するための方法であって、前記方法が、パーソナルケア組成物中で、前記パーソナルケア組成物に可溶性の炭酸塩又は重炭酸塩と、前記パーソナルケア組成物に可溶性又は不溶性の亜鉛化合物であって、前記亜鉛化合物が、有機酸の亜鉛塩、無機酸の亜鉛塩、水酸化亜鉛、酸化亜鉛及びこれらの組み合わせから成る群から選択される亜鉛化合物とを反応させることを含み、それにより前記亜鉛塩と共に前記炭酸塩をその場で生じさせ、前記塩基性炭酸亜鉛含有パーソナルケア組成物中に前記塩基性炭酸亜鉛を形成する方法。
【請求項16】
請求項1に記載の組成物の使用を含む、微生物感染症を処置する方法。
【請求項17】
請求項1に記載の組成物の使用を含む、真菌感染症を処置する方法。
【請求項18】
請求項1に記載の組成物の使用を含む、ふけを処置する方法。

【公表番号】特表2006−519769(P2006−519769A)
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518908(P2005−518908)
【出願日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/008485
【国際公開番号】WO2004/082649
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【出願人】(501494654)アーチ・ケミカルズ・インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】ARCH CHEMICALS, INC.
【住所又は居所原語表記】350 Knotter Drive, Cheshire, CT 06410 U.S.A.
【Fターム(参考)】