説明

ファセットセラミック繊維、テープ、またはリボン、およびそれらからなるエピタキシャルデバイス

結晶製品は、単結晶セラミック繊維、テープ、またはリボンを含む。該繊維、テープ、またはリボンは、その長さに沿って少なくとも1つの結晶学的ファセットを有し、その長さは、概して、少なくとも1メートルである。サファイアの場合、ファセットは、R面、M面、C面、またはA面ファセットである。超電導製品を含むエピタキシャル製品は、該繊維、テープ、またはリボン上に形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファセットセラミック繊維、テープ、もしくはリボン、およびその上のエピタキシャル機能層の製造、ならびに/またはファセットの表面上における1つまたは複数のエピタキシャル層の堆積によってそれらから作製されるデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの電気、電子、光学、磁気、電磁気、および電気光学デバイスは、適切な動作のために、デバイス層中に欠陥がほとんどない単結晶状デバイス層を必要とする。かかる用途のために、単結晶または単結晶状デバイスは、最良の性能を提供する。大型単結晶状デバイスの製造は、MgO、Al、SrTiO、LaAlO、NdGaO、LaAlO、YAlO、およびLSAT((La0.18Sr0.82)(Al0.59Ta0.41)O)、Si、GaN、およびSiC等の酸化物、窒化物、および炭化物のセラミック材料の格子整合単結晶基板上でのこれらのデバイスのエピタキシャル成長によって達成することができる。しかしながら、これらの基板は、既知のプロセスを使用して、長い長さまたは広い面積で製造することができず、概して、約1フィート以下の長さおよび直径のサイズに限定される。また、これらの基板は、典型的には少なくとも約1mmの厚さであるため、硬質であり、柔軟性を有しない。
【0003】
種々の人工的に製造された多結晶、単結晶状(時に、先鋭化されていると称される)基板が開発されている。それらの中で、重要な基板の種類は、圧延支援二軸組織基板(RABiTS)として知られる。基板内の二軸組織は、複数の結晶粒(したがって多結晶基板である)がある状態を指し、ここで、多結晶基板内の個々の結晶粒は、2つの直交方向に、互いに対してある特定の角度範囲内で優先的に整合される。例えば超電導用途等の電磁気用途のための十分な品質の二軸組織を有する多結晶材料は、概して、20°以下の半値全幅(FWHM)のX線回折φスキャンピーク、および10°のFWHMのωスキャンによって特徴付けられると定義することができる。X線φスキャンおよびωスキャンは、面内および面外組織のそれぞれの度を測定する。二軸組織の例は、{100}<100>の配向を有する立方体集合組織であり、ここで、全ての結晶粒の(100)結晶学的面は、基板表面に平行であり、[100]結晶学的方向は、基板の長さに沿って整合される。
【0004】
種々の緩衝層が、概して、多結晶二軸組織化基板との使用のために知られている。以下の米国特許の開示は、組織化された緩衝層に関するその開示の各々に関して、参照することによって本明細書に組み込まれる。第5,739,086号、第5,741,377号、第5,846,912号、第5,898,020号、第5,964,966号、第5,958,599号、第5,968,877号、第6,077,344号、第6,106,615号、第6,114,287号、第6,150,034号、第6,156,376号、第6,151,610号、第6,159,610号、第6,180,570号、第6,235,402号、第6,261,704号、第6,270,908号、第6,331,199号、第6,375,768号、第6,399,154号、第6,451,450号、第6,447,714号、第6,440,211号、第6,468,591号、第6,486,100号、第6,599,346号、第6,602,313号、第6,607,313号、第6,607,838号、第6,607,839号、第6,610,413号、第6,610,414号、第6,635,097号、第6,645,313号、第6,537,689号、第6,663,976号、第6,670,308号、第6,675,229号、第6,716,795号、第6,740,421号、第6,764,770号、第6,784,139号、第6,790,253号、第6,797,030号、第6,846,344号、第6,782,988号、第6,890,369号、第6,902,600号、第7,087,113号。さらに、イオンビーム支援堆積(IBAD)および傾斜基板堆積(ISD)等、多結晶二軸組織化基板の製造のための他の既知の手段がある。IBADプロセスは、米国特許第6,632,539号、第6,214,772号、第5,650,378号、第5,872,080号、第5,432,151号、第6,361,598号、第5,872,080号、第6,756,139号、第6,884,527号、第6,899,928号、第6,921,741号に記載され、ISDプロセスは、米国特許第6,190,752号および第6,265,353号に記載され、全てのこれらの特許は、それらのIBADまたはISDに関連した開示に関して、参照することによって本明細書に組み込まれる。IBADおよびISDプロセスにおいて、柔軟性多結晶非組織化基板が使用され、次いで、二軸組織化層がこの基板上に堆積される。大面積および柔軟性単結晶金属または合金基板もまた、Goyalによる米国特許第7,087,113号に報告されるように製造されている。Goyalによる米国特許第7,087,113号もまた、大面積および柔軟性単結晶金属または合金基板に関するその開示に関して、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0005】
RABiTS、ISD、またはIBADプロセスを使用した上記に記載する二軸組織化基板上の超電導体のエピタキシャル成長に基づく、またはGoyalによる米国特許第7,087,113号に開示される単結晶金属または合金基板に基づく超電導テープは、現在、高温超電導体のほとんどの大規模用途に使用される予定である。これらの技術に基づく導体は、典型的には約1cmの幅のテープの形状の金属基板を使用し、そこから約0.4cmの幅のワイヤに切り込みが入れられる。しかしながら、全てのこれらの導体に対して、AC損失は概して高い。AC損失は、YBCO被覆導体において、導体へのAC電流の印加、または印加された交流磁場中の導体の配置のいずれかの結果として、もたらされる。これらの損失を最小限に抑えることは、超電導体内のヒステリシス損失、渦電流等の基板の常伝導金属効果、強磁性基板の寄与、および結合電流損失の減少をもたらす。用途環境に依存して、これらの損失のある特定の種類が主要なものとなる。主な懸念は、概してヒステリシス損失であるが、他の損失も、特に高周波数において非常に重要になり得る。狭いワイヤを製造することが不可能であるため、これらの損失は高い。したがって、これらのAC用途への超電導テープを成功裏に組み込むためには、これらの効果を十分に最小限に抑える、AC耐性型の超電導ワイヤの開発が必要とされる。
【0006】
AC損失を減少させるための方法は、開発中である。基板の強磁性損失は、RABiTSプロセスの目標の1つであるように、非磁気基板の使用によって本質的に除去することができる。超電導体層中のヒステリシス損失の減少は、フィラメント設計で被覆導体を製造すること、および例えばフィラメント幅を約100ミクロン等の非常に狭いものとすることによって達成することができる。渦電流および結合電流は、それぞれ、基板およびフィラメント間経路の抵抗を増加させることによって、減少させることができる。YBCO被覆導体構造中、または導体自体にかかわらず、捻り(または磁場侵入を可能にするあるスキーム)は、概して、AC損失をさらに減少させるために必要である。しかしながら、AC損失を減少させるためのこれらの技術は、RABiTS、ISD、およびIBAD、または単結晶金属もしくは合金基板上のエピタキシャル超電導体で実行するには、非常に困難である。金属または合金基板の問題に対処することが、恐らく最も単純な方法であり、概して、RABiTS方法の唯一の主な問題である。
【0007】
しかしながら、超電導体層中のヒステリシス損失の減少は、はるかに困難である。まず第1に、テープ導体内の超電導体層の非常に狭いフィラメントへのフィラメント化が必要である。これは、キロメートルの長さの超電導テープで行うには非常に困難かつ扱いにくいだけでなく、製造プロセスの費用を非常に著しく増大させ、導体の総費用はほとんどの大規模用途に対して非常に高価になる。第2に、上述の通り、テープ導体内のフィラメントの捻りおよび転置は、AC損失をさらに減少させるために必要である。しかしながら、テープ導体の捻りは非常に困難であり、実用的プロセスにおいて可能でない場合がある。これまで、捻りは、被覆導体に対して納得できるように実証されていない。したがって、RABiTS、ISD、およびIBADテープ、または単結晶金属もしくは合金基板に基づく超電導ワイヤが、低いAC損失が要求される超電導体の大規模用途で使用されるかどうかは、不明確である。これらの用途として、地中送電線、モータ、発電機、および強磁場磁石等が挙げられる。
【0008】
理想的には、「円形」超電導ワイヤが、高温超電導体のほとんどの大規模用途に望ましい。もちろん、大角粒界が超電導電流を抑制または妨害するため、このワイヤは、その結晶学的配向での単結晶または単結晶状である必要がある。理想的には、このワイヤは、金属または合金系ワイヤにはならず、強磁性損失および渦電流損失の両方は、問題ではない。また、この「円形」ワイヤは、AC損失を最小限に抑えるために、超電導ワイヤをともに転置するために曲げ、かつ捻ることが可能であるという点で、柔軟性を有する必要がある。これは、約20年間、超電導の分野で必要とされてきたが、かかる「円形」超電導ワイヤを製造するための方法または手段は存在していない。
【0009】
上述の通り、高温超電導体用途に加えて、電子、光学、磁気、電磁気、および電気光学用途が挙げられるがこれに限定されない、多くの他の用途のために、デバイス層中に欠陥がほとんどない単結晶状デバイス層が必要とされる。これらの用途の多くに対して、金属または合金基板は望ましくない。さらに、単結晶状基板は、これらの使用がデバイス層中の高い欠陥密度をもたらすため、多くの半導体デバイス用途に十分ではない。加えて、これらの用途の多くに対して、厚く硬質のセラミック単結晶が、デバイスのための基板として現在使用されている。
【0010】
例えば、単結晶サファイアまたはAl基板が、固体照明用途に一般的に使用される。これらの用途に使用される単結晶セラミック基板は、厚く、非柔軟性であり、かつ非ファセット状であり、概して遅くかつ高価である標準的な結晶成長プロセスを使用して製造される。これらのデバイス用途の多くに対して、基板の費用の削減、ならびに基板上のデバイス層の製造および堆積の費用の削減は、主要な懸案事項である。最後に、これらの用途の多くに対して、柔軟性基板を有することにより、利点の大きな可能性を提供する。例えば、単結晶ワイヤまたはテープ状固体照明デバイスは、照明用途に理想的である可能性がある。過酷な環境において動作する多くのセンサは、1つの端部においてデバイスを含む長い単結晶または単結晶状基板を使用し得る。加えて、いくつかの用途に対し、短い繊維の長さに対して光学特性と半導体特性とを結び付けることが望ましい場合がある。太陽光発電または太陽電池等の他の半導体に基づく用途に対して、テープが柔軟性を有するテープ形状を有することが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、これらのデバイス層の単結晶ワイヤ、繊維、またはテープを製造するための、既知の比較的迅速かつ低費用の方法はない。さらに、サファイア等の、入手可能な単結晶構造セラミック繊維およびテープまたはリボンによって提供される結晶は、概して、それらの厚さに基づいて非常に非柔軟性であり、また、超電導層等の商業的に有用なデバイス層が必要とする結晶配向と不適合である。したがって、種々の新しい改良されたエピタキシャルデバイスを支援するために、エピタキシャルデバイス層がその上で成長することを可能にする特徴を含む、薄型単結晶セラミック繊維およびテープまたはリボンを迅速に形成する、新しい低費用のプロセスが必要である。薄型単結晶セラミック繊維およびテープまたはリボンは、例えばAC損失を減少させるために、製品の長さに沿った互いに対する捻り、編み、または転置を可能にするための柔軟性を提供し得る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態において、製品は、その長さに沿って少なくとも1つのファセットを有する、単結晶セラミック繊維、テープ、またはリボンを含む。別の材料の少なくとも1つのエピタキシャル層が、そのファセット上にある。エピタキシャル層は、例えばφスキャンによって証明されるような、単一のエピタキシャル配向を有することができる。
【0013】
本発明の実施形態において、繊維、テープ、またはリボンは、柔軟性がある。一実施形態において、繊維、テープ、またはリボンは、Al、MgO、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、SrTiO、NdGaO、LaAlO、YAlO、およびLSAT((La0.18Sr0.82)(Al0.59Ta0.41)O)から成る群より選択される金属酸化物を含む。エピタキシャル層は、電気、電子、光学、磁気、電磁気、または電気光学デバイス層を含むことができる。本実施形態において、酸化物、炭化物、窒化物、もしくはホウ化物、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つのエピタキシャル緩衝層は、繊維、テープ、またはリボンと別の材料のエピタキシャル層との間に挿入することができる。酸化物緩衝層の場合、酸化物緩衝層は、CeO、ペロブスカイト、ドープペロブスカイト、パイロクロアフローライト、ドープフローライト、岩塩酸化物、またはスピネルを含むことができる。例えば、ペロブスカイトは、SrTiO、BaTiO、LaMnO、LaAlOを含むことができ、ドープペロブスカイトは、(Sr,Nb)TiO、(Ba,Ca)TiO、(La,Sr)MnO、(La,Ca)MnOを含むことができ、パイロクロアは、LaZr、CaZr、GdZrを含むことができ、ドープパイロクロアは、(Y,La)Zr、(La,Ca)Zr、(La,Gd)Zrを含むことができ、フローライトは、Y、RE(RE=希土類)、YSZを含むことができ、ドープフローライトは、(RE,Y)を含むことができ、岩塩酸化物は、MgOまたはドープ岩塩酸化物を含むことができ、スピネルは、MgAlを含むことができる。窒化物緩衝の場合、窒化物緩衝層は、TiN、GaN、またはAlNであってもよい。
【0014】
一実施形態において、デバイス層は、超電導デバイス層、固体照明デバイス層、または光起電デバイス層を含む。別の実施形態において、繊維、テープ、またはリボンは、サファイアまたはAl系であってもよい。本実施形態において、ファセットは、A面、R面、M面、またはC面ファセットを含むことができる。本発明の実施形態において、ファセットは、平均で±1〜±10度または±1〜±5度等、±1〜±20度、長さに沿って正確なA面、R面、M面、またはC面からミスカットされる。
【0015】
繊維、テープ、またはリボンは、光学品質ではなく構造品質を有することができる。一実施形態において、ファセットは、2つのR型ファセット、2つのA型ファセット、2つのC面または2つのM型ファセットを含み、当該2つのファセットは、長さに平行な軸の周囲で、平均で5度以下等、平均で10度以下傾斜される。製品の長さは、10メートルよりも大きくてもよい。
【0016】
繊維、テープ、またはリボンの断面は、2つの広い面上の平坦なファセットを有する楕円形、4つの平坦なファセットを有する菱面体、6つの平坦なファセットを有する六角形、4つの平坦なファセットを有する正方形、2つの広い面上の平坦なファセットおよび湾曲側面上の追加の小さいファセットを有する楕円形、2つの広い面上の平坦なファセットおよび湾曲側面上の追加の小さいファセットを有するレーストラック形、または4つの平坦なファセットを有する長方形であってもよい。
【0017】
エピタキシャル層は、バンドギャップ半導体、間接バンドギャップ半導体、およびマルチバンド半導体から成る群より選択される半導体層を含むことができる。例えば、バンドギャップ半導体は、Si、Ge、またはGaPを含み、直接バンドギャップ半導体は、CdTe、CuInGaSe(CIGS)、GaAs、AlGaAs、GaInP、またはAlInPを含むことができ、マルチバンド半導体は、Zn1−yMnTe1−xまたはそのGaNAs1−x−yから成る群より選択されるII−O−VI材料を含む。別の実施形態において、半導体層は、周期表の2つまたはそれ以上の異なる群からの元素を含む化合物半導体である。半導体層は、同一群内の元素半導体もしくは元素合金、または周期表のIB、IIIA、およびVIAの群の元素を含む化合物半導体を含むことができる。
【0018】
デバイス層が超電導層を含む場合、製品は、超電導層上に銀または銀合金層をさらに含むことができる。銀または銀合金層は、上記の繊維、テープ、またはリボン上のファセット領域のみを覆うことができる。超電導製品は、CuまたはCu合金の層等、銀または銀合金層上に安定化層をさらに含むことができる。一実施形態において、銀または銀合金層および安定化層は、繊維、テープ、またはリボン上のファセット領域のみを覆うことができる。
【0019】
本発明の別の実施形態において、結晶製品は、単結晶セラミック繊維、テープ、またはリボンを含み、上記の繊維、テープ、またはリボンは、その長さに沿って少なくとも1つの結晶学的ファセットを有する。結晶は、六角形または菱面体結晶であってもよい。結晶は、サファイアまたは酸化アルミニウム系結晶を含むことができ、上記のファセットは、R面、M面、A面、またはC面ファセットを含む。
【0020】
少なくとも1つの結晶学的に明確なファセットを有するセラミック繊維、テープ、またはリボンを形成するための方法は、配向および形状を有し、所望のファセットを含むセラミックシードを提供する工程と、シードを引っ張り機構に固定する工程と、例えばステパノフ技術またはその変化形を使用して、溶融物から繊維、テープ、またはリボンを成長させる工程とを含む。当該方法は、溶融物からの縁部限定薄膜供給結晶成長(「EFG」)を含むことができる。次いで、少なくとも1つのエピタキシャル層が、繊維、テープ、またはリボン上に形成される。形成工程は、化学蒸着もしくは有機金属化学蒸着、化学溶液を使用した方法、有機金属堆積もしくはポリマー前駆体堆積、物理蒸着法、電子ビーム蒸着、熱蒸着、パルス電子堆積、または陰極アーク堆積を含むことができる。
【0021】
当該方法は、AC損失の減少のために繊維、テープ、またはリボンを捻る、またはAC損失の減少のために繊維、テープ、またはリボンのうちの2つまたはそれ以上を転置する、もしくは編む工程をさらに含むことができる。
【0022】
成長させる工程中に繊維、テープ、またはリボンを抽出する速度は、3〜10m/時間等、1m/時間よりも大きくなり得る。一実施形態において、複数の繊維、テープ、またはリボンは、ダイアレイから、同時に上記の溶融物から成長される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1(a)】本発明の実施形態を実施するために使用することができる縁部限定薄膜供給結晶成長(EFG)プロセスを実行するための、例示的なシステムの概略図。
【図1(b)】本発明の実施形態を実施するために使用することができる縁部限定薄膜供給結晶成長(EFG)プロセスを実行するための、別の例示的なシステムの概略図。
【図2】本発明の一実施形態に従った、エンドレスベルトプーラおよびスプーラを使用して、複数の繊維を連続して抽出することが可能であるダイアレイを示す図。
【図3】図2に示すダイアレイと同様の2つのダイアレイを、並列して取り付けることができることを示す図。より多くのダイを並列して取り付けることができる。このように、単一の効果的なダイアレイを使用して、多くの繊維および/またはテープを溶融物から連続して抽出することができる。
【図4】本発明の一実施形態に従った、エンドレスベルトプーラおよびスプーラを使用して、複数のファセット繊維が連続して抽出されているダイアレイを示す図。
【図5】図4に示すダイアレイと同様の2つのダイアレイを、並列して取り付けることができることを示す図。より多くのダイを並列して取り付けることができる。このように、単一の効果的なダイアレイを使用して、多くのファセット繊維および/またはテープを溶融物から連続して抽出することができる。
【図6】本発明の実施形態を実施するために使用することができる、温度制御装置、画像プロセッサ等からの能動的フィードバックに基づき、溶融物プールのためのヒータ電力作動および他の重要なプロセスパラメータを制御する、プロセス制御装置を含む、繊維成長システムの概略図。このようなシステムを使用して、何千個とは言わないまでも何百個の繊維ならびに/またはテープおよびリボンを、連続して抽出することができる。
【図7】本発明の実施形態を実施するために使用することができる、ファセットテープまたはリボンを成長させるように適合される、EFGプロセスの概略図。
【図8】サファイアの単位格子を示す図。
【図9(a)】本発明の一実施形態に従った、C面サファイア基板の面外組織、ならびにパルスレーザアブレーションを使用して、その上に堆積されたエピタキシャルCeOおよびYBCO層を示す図であって、ωスキャンまたはロッキングカーブを示す図。関連ピークの半値全幅(FWHM)を各層に対して示す図。
【図9(b)】本発明の一実施形態に従った、C面サファイア基板上にエピタキシャルに堆積されたCeOおよびYBCO層のφスキャンまたは面内組織を示す図。立方CeOの3つの結晶学的に同等のエピタキシャル配向は、六方対称であるサファイアのC面上に形成される。CeO層上にエピタキシャルに成長されたYBCO層もまた、60°回転された3つのエピタキシャル配向を有する。
【図10】本発明の一実施形態に従った、R面サファイア基板の面外組織、ならびにパルスレーザアブレーションを使用して、その上に堆積されたエピタキシャルCeOおよびYBCO層を示す図であって、ωスキャンまたはロッキングカーブを示す図。関連ピークの半値全幅(FWHM)を各層に対して示す図。
【図11】本発明の一実施形態に従った、R面サファイア基板上にエピタキシャルに堆積されたCeOおよびYBCO層のφスキャンまたは面内組織を示す図。立方CeOの単一のエピタキシャル配向は、サファイアの擬似立方R面上に形成される。CeO層上にエピタキシャルに成長されたYBCO層もまた、単一のエピタキシャル配向を有する(4つのピークが同一配向に対応する)。
【図12】本発明の一実施形態に従った、R面ファセットサファイア基板上の77KのYBCO超電導体層における、限界電流密度(J)を示す図。基板に対して平行および垂直に印加される外部磁場に対する両方のJを示す図。自己場磁場Jは、1cm当たり200万アンペアを超えることを示す図。
【図13】本発明の一実施形態に従った、1Tの外部印加磁場および77Kにおける、R面ファセットサファイア基板上のYBCO超電導体層の限界電流密度(J)の角度依存性を示す図(そのJは図12に示す)。図に示すように、2つの突出したピークを有する非常に高いJが見られる。
【図14】本発明の一実施形態に従った、A面ファセットサファイア基板の面外組織、ならびにパルスレーザアブレーションを使用して、その上に堆積されたエピタキシャルCeOおよびYBCO層を示す図であって、ωスキャンまたはロッキングカーブを示す図。関連ピークの半値全幅(FWHM)を各層に対して示す図。
【図15】本発明の一実施形態に従った、A面ファセットサファイア基板上にエピタキシャルに堆積されたCeOおよびYBCO層のφスキャンまたは面内組織を示す図。立方CeOの単一のエピタキシャル配向は、サファイアのA面上に形成される。CeO層上にエピタキシャルに成長されたYBCO層もまた、単一のエピタキシャル配向を有する(4つのピークが同一配向に対応する)。
【図16(a)】本発明の一実施形態に従った、電磁的活性層を含むエピタキシャル製品の断面描写を示す図。
【図16(b)】本発明の別の実施形態に従った、超電導層上に任意の銀含有層および安定化層を含む超電導層を含む、エピタキシャル製品の断面描写を示す図。
【図17】(a)〜(c)本発明の一実施形態に従った、繊維の広い面上に2つのファセットを有するレーストラック形繊維、六角形断面の繊維、および図17(a)に示す繊維と同様であるが、繊維の湾曲部においてもファセットを有する繊維をそれぞれ示す図。
【図18】(a)および(b)本発明の実施形態で使用することができる、繊維およびテープまたはリボンの2つの断面を示す図。長方形もしくは菱面体またはレーストラック形断面を示す図。繊維およびテープまたはリボン上の大ファセットは、R面に対応する。
【図19】(a)および(b)本発明に使用することができる、当該繊維およびテープまたはリボンの2つの断面を示す図。長方形もしくは菱面体またはレーストラック形断面を示す図。繊維およびテープまたはリボン上の大ファセットは、A面に対応する。
【図20】(a)および(b)本発明に使用することができる、当該繊維およびテープまたはリボンの2つの断面を示す図。長方形もしくは菱面体またはレーストラック形断面を示す図。繊維およびテープまたはリボン上の大ファセットは、M面に対応する。
【図21】(a)および(b)本発明に使用することができる、当該繊維およびテープまたはリボンの2つの断面を示す図。長方形もしくは菱面体またはレーストラック形断面を示す図。繊維およびテープまたはリボン上の大ファセットは、C面に対応する。
【図22】本発明の一実施形態に従った、実施例1に記載するような垂直である繊維に対する、逆格子の反射の2D検出器画像を示す図。図22はまた、2つのR面ファセットが繊維軸に対して約4°傾斜されることを示す図。
【図23】(a)および(b)本発明の一実施形態に従った、実施例1に記載するような繊維からの回折データを示す図。図23(a)は、繊維軸に対してほぼ平行である2つの逆格子面上の理想的なサファイア位置を示す図。図23(b)は、繊維軸からの面の傾斜角度を示す図。示されるχ角度における90°の傾斜は、この面が繊維軸に平行であることを意味し、この場合は、(110)に対応する。
【図24】本発明の一実施形態に従った、実施例2に記載するような垂直である繊維に対する、逆格子の反射の2D検出器画像を示す図。図24はまた、2つのR面ファセットが繊維軸に対して、それぞれ約4°および6°傾斜されることを示す図。
【図25】本発明の一実施形態に従った、実施例2に記載するような繊維中のR面の概略図を示す図。端面図、側面図、および前面図の全てを提供する。
【図26】本発明の一実施形態に従った、CeOおよびYBCOのエピタキシャル層を有する、ミスカットされたR面サファイア基板のωスキャンまたは面外組織を示す図。
【図27】本発明の一実施形態に従った、CeOおよびYBCOのエピタキシャル層を有する、ミスカットされたR面サファイア基板のφスキャンまたは面外組織を示す図。
【図28】図28〜29に示すミスカットされた繊維上のYBCOに対する印加磁場の関数として、限界電流密度(J)を示す図。YBCOのc軸(H//c)およびab面(H//ab)に平行な、印加された磁場(H)に対するJを示す図。77Kにおけるサンプルの自己場Jは、1cm当たり200万アンペアを超えることがわかった。
【図29】本発明の一実施形態に従った、図28〜30に示すミスカットされた繊維上のYBCOに対する77K、1Tにおける角度の関数として、限界電流密度(J)を示す図。全ての磁場配向に対して、高いJを示す図。
【図30】本発明の一実施形態に従った、実施例1および2の手順概要を使用して製造された、ミスカットされたA面ファセットを有する繊維上で成長されたCeOおよびYBCOに対する、ωスキャンまたはロッキングカーブを示す図。
【図31】本発明の一実施形態に従った、実施例1および2の手順概要を使用して製造された、ミスカットされたA面ファセットを有する繊維上で成長されたCeOおよびYBCOに対する、φスキャンまたは面内組織を示す図。二軸組織が、明らかに顕著である。
【図32】本発明の一実施形態に従った、図33の被覆繊維に対するYBCO(113)極点図を示す図。繊維は、一方向において非常に狭く、したがって信号はより少ないため、4つではなく、2つの点のみが見られる。
【図33(a)】本発明の一実施形態に従った、AC損失を最小限に抑えるために、エピタキシャル超電導体コーティングを有するファセット繊維を編んでまとめることができる方法の一例を示す図。
【図33(b)】本発明の一実施形態に従った、AC損失を最小限に抑えるために、エピタキシャル超電導体コーティングを有するファセット繊維を複数の繊維とともに編んでまとめることができる方法の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明ならびにその特徴および利点のより十分な理解は、添付図面と併せて以下の発明を実施するための形態を考察することにより得られる。本発明、ならびに他のおよびさらなるその目的、利点、および能力のよりよい理解のために、上記の図面と関連して、以下の開示および添付の特許請求の範囲の参照が行われる。
【0025】
本発明の一実施形態に従った結晶製品は、単結晶セラミック繊維、テープ、またはリボンを含む。繊維、テープ、またはリボンは、その長さに沿って、少なくとも1つの結晶学的ファセットを有し、概して少なくとも1メートルの長さである。対照的に、従来の光学繊維は円形であり、ファセットを有さず、非晶質である。
【0026】
本明細書で使用する単結晶繊維、テープ、またはリボンは、繊維、テープ、またはリボンの長さに沿って概して一定である配向を有する、単一結晶粒として定義され、複数の「超小角」の亜結晶粒界を含むことができる。「単一結晶粒」は、複数の別個の結晶粒を含む多結晶繊維、テープ、またはリボンと比較するとはっきりと異なる。結晶粒の定義は、全ての方向において同一配向を有する材料の組成的に均一な領域である。本明細書で使用する、本発明に従った単結晶繊維、テープ、またはリボン結晶粒内で発生し得る「小角」亜結晶粒界は、0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.7、1.8、1.9、および2.0度等、主に全ての方向において2度未満の誤配向を有し、全ての方向において1度未満の誤配向を有し得る。しかしながら、大結晶粒については、一連の亜結晶粒界は、繊維の全FWHMを多少より大きくし得る。かかる繊維はまた、高転位密度を含み得る。高欠陥密度を含むかかる単結晶繊維は、「構造」繊維と呼ばれる。電気通信に使用するための、非常に低い欠陥密度を有する単結晶「光学」繊維と比較して、光減衰はかかる繊維に対して高いため、構造繊維は、電気通信にはほとんど使用されない。
【0027】
本明細書で使用する「ファセット」は、繊維、テープ、またはリボン等の幾何学的(非平面)形状上に形成される、結晶学的配向が同一である平面として定義される。ファセット内の結晶配向は、繊維の長さに沿って程度の差があるが一定である。本発明に従ったファセットは、概して、繊維、テープ、またはリボンの長さに沿って続き、以下に記載のように、概して、少なくとも1メートルであり、最大で1,000メートルまたはそれ以上の長さであってもよい。「ファセット」を定義するために上記で使用する平面は、5度よりも優れた平面度を有する。
【0028】
単結晶構造繊維またはテープは、概して0.05〜0.3mmの範囲の厚さである薄型製品を形成する能力によって、概して柔軟性を有する。本明細書で定義する「柔軟性」は、破損なく12インチマンドレルの周囲に巻き付けることができる繊維またはテープを指す。いくつかの実施形態において、繊維および/またはテープは、3インチマンドレルの周囲、または1インチマンドレルの周囲に巻き付けることができる。
【0029】
本発明の実施形態に従ったファセット単結晶製品は、積層製品を形成するために使用することができる。本実施形態において、別の材料の高品質エピタキシャル層(ファセットの単一のエピタキシャル配向を有する)が、例えばφスキャンによって実証可能なファセット上に形成される。単結晶エピタキシャルデバイスは、デバイス層中に欠陥がほとんどない単結晶状デバイス層を必要とする、幅広い電気、電子、光学、磁気、電磁気、および電気光学用途を含むことができる。
【0030】
セラミックは、典型的には、無機、非金属(それらの電気伝導性を指す)材料として当該技術分野で定義されるように、本明細書で定義される。それらは、典型的には本来結晶性であり、アルミニウムおよび酸素(アルミナ−Al)、マグネシウムおよび酸素(酸化マグネシウム−MgO)、ならびにケイ素および窒素(窒化ケイ素−Si)、ケイ素および炭素(炭化ケイ素−SiC)等、金属と非金属元素との間で形成された化合物である。本明細書で定義する「繊維」は、概して細長い製品を指し、製品の長さは、該製品の直径(もしくは平均断面寸法)または幅および厚さの少なくとも10倍、および概して少なくとも100倍である。本発明に従った繊維は、何メートルもの長い長さで製造することができ、場合によっては、100メートル、または1,000メートルまたはそれ以上に達する。本明細書で定義する「テープ」または「リボン」は、概して細長い製品を指し、製品の長さは、該製品の厚さの少なくとも10倍、および概して少なくとも100倍である。テープまたはリボンは、幅方向において、100ミクロン〜約0.25メートルの幅に及ぶ幅を有することができる。本発明の実施形態に従ったテープまたはリボンは、何メートルもの長い長さで製造することができ、場合によっては、100メートル、または1,000メートルまたはそれ以上に達する。
【0031】
「光学繊維」または「繊維光学」は、ガラスまたはプラスチックワイヤまたは繊維に沿った光インパルスとしての情報の伝送と関連した媒体及び技術を指す。繊維光学ワイヤは、従来の銅線と比較してはるかに多くの情報を伝達し、電磁気妨害を受けることがはるかに少ない。「光学繊維」はまた、光を誘導する、通常ガラスまたはプラスチックであり、通常断面において円形である、透明誘電材料のフィラメントとして定義することができる。ガラス光学繊維は、ほとんどの場合、シリカから製造されるが、フルオロジルコニウム酸塩、フルオロアルミン酸塩、およびカルコゲナイドガラス等のいくつかの他の材料も、長波長赤外線用途に使用される。プラスチック光学繊維(POF)は、一般的には、1mmまたはそれ以上のコア径を有するステップ型マルチモード繊維である。POFは、典型的には、1dB/mまたはそれより高く、ガラス繊維よりもはるかに高い減衰を有し(すなわち、その中の信号の振幅は、より速く減少する)、この高減衰は、POF系システムの範囲を制限する。全てのガラスおよびプラスチック系光学繊維は、本来非晶質である。
【0032】
単繊維は、単一の電気ケーブルよりも遥かに多くのデータを伝送することができるため、建物内のネットワーク等の短距離にわたって、繊維は、ケーブル管路内の空間を節約する。繊維はまた、電気妨害に影響されず、異なるケーブル内の信号間のクロストークおよび環境ノイズのピックアップを防止する。それらは非電気的であるため、繊維ケーブルは、発火の危険性なく、爆発性蒸気が存在する環境において使用することができる。典型的には、ガラス繊維が、光減衰がより低いため、電気通信用途に使用される。
【0033】
ほとんどの非酸化物結晶性材料は、ガラスよりも長い波長放射を透過させることができるため、結晶性繊維は、ガラス繊維の魅力的な代替とみなされる。不利点は、結晶性繊維の製造が困難なことである。単結晶(SC)および多結晶(PC)繊維の2種類の結晶性繊維がある。PC繊維を製造するために使用する技術は、概して熱間押出である。結果として、銀およびハロゲン化タリウムのみが、繊維へと成功裏に押し出されるための、延性、低融点、および独立したスリップシステム等の必要な物理的特性を有する。熱間押出プロセスにおいて、単結晶ビレットまたはプリフォームが加熱チャンバ内に配置され、融点の約半分に等しい温度で、ダイヤモンドまたはタングステンカーバイドダイを通じて網状に押し出される。ほんのわずかの結晶性材料から、1メートルの長さの繊維が製造されている。当初は、いくつかのSC繊維は、PC繊維を押し出すために使用する同一の金属ハロゲン化物から、帯域精製法によって成長された。PC繊維中の結晶粒界を除去することにより、繊維の光学特性が向上するであろうという考えであった。これが起こらなかったため、SC繊維製造のために今日選択される結晶性材料の大部分は、酸化物となっている。Al(サファイア)等の酸化物材料は、ハロゲン化物に対して、高融点、化学的不活性という優位性を有し、空気中で便利に溶融および成長され得る。現在、サファイアは、最も一般的なSC光学繊維である。これらの繊維は円形であり、円形断面を有する。また、電気通信のために必要とされる「光学」品質を確実にするために、非常に低い欠陥密度が必要とされるため、かかる繊維に対する最大成長率は、非常に低い。
【0034】
多くの現在の用途のために基板として広く使用される典型的なセラミック材料は、サファイアまたはAlである。サファイアは、酸化アルミニウム(Al)の、異方性六角形/菱面体単結晶形態である。サファイアは、現在、CeO等の挿入された緩衝層を使用して、YBaCu7−δ(YBCO)フィルム等の高品質エピタキシャル層を堆積させるための一般的な基板である。サファイアはまた、固体照明用途に選択される基板である。異なるレベルの製品品質、サイズ、および費用を伴う、サファイアおよび他のセラミック材料の成長のための独特の方法がいくつかある。典型的には、溶融物からの成長は、セラミック材料の大型単結晶を製造するためであり、これらには、チョクラルスキー法、ブリッジマン−ストックバーガー法、およびベルヌーイ法が含まれる。全ては、ほぼ正確な組成の材料が一致溶融される、すなわち、同一結晶相が、溶融前後に維持されるという特徴を共通に有する。次いで、溶融物は、単結晶の形成をもたらすために、注意深く制御された方法で固化される。ほとんどの結晶成長実験において、この固化は、同一結晶組成の高配向シード材料を使用して達成される。単結晶成長技術の徹底的な考察は、Crystal Growth Technology,、H.J.Scheel and T.Fukuda編集、2003 John Wiley & Sons,Ltd.ISBN:0−471−49059−8に提供される。典型的には、チョクラルスキー法等の方法は、サファイアまたはSi等の非常に高品質な結晶の形成を可能にするが、ブールと呼ばれる結晶の「小塊」のようなロッドをもたらし、それは、使用可能な基板を得るために大規模な機械加工を必要とする。
【0035】
専用の形削り盤を用いて、規定の形状の溶融物カラムを形成するための、および続いて、溶融物から成形した単結晶を製造するために、容器壁の外側で溶融物カラムを結晶化するための、成形した結晶および材料構造の成長は、ステパノフ法と呼ばれる。例えば、サファイアの成形した結晶成長の考察は、Peter I.Antonov and Vladimir N.Kurlov,“A Review of Developments in Shaped Crystal Growth of Sapphire by the Stepanov and Related Techniques,”in Progress in Crystal Growth and Characterization of Materials,vol.44,pgs63−122,2002によって得られる。Antonovらは、参照することによって本明細書に組み込まれる。ステパノフ法の最も一般的な変化形は、縁部限定薄膜供給結晶成長(EFG)であり、大きな注目を集めている。EFG方法またはステパノフ法の変化形は、ロッド、リボン、さらにはチューブのような形状の指向成長を可能にする。EFG方法は、例えば、Bliss et al.、米国特許第5,543,630号、Pollock,J.T.A.,“Filamentary Sapphire−Part1:Growth and Microstructural Characterization,”Journal of Material Science 7(1972)631−648、Pollock J.T.A.,“Filamentary sapphire−Part3:The growth of void−free sapphire filament at rates up to 3.0cm/min,”Journal of Material Science 7(1972)631−648、P.Rudolph and T.Fukuda,“Fiber Crystal Growth From the Melt,”Crystal Research Technology,vol.34,pages3−40,1999、V.N.Kurlov,S.N.Rossolenko and S.V.Belenko,“Growth of Sapphire Core−doped Fibers,”Journal of Crystal Growth,vol.191,pages520−524,1998、およびJavier LLorca and Victor M.Orera,“Directionally solidified eutectic ceramic oxides,”Progress in Materials Science,vol.51 pages711−809,2006等、多くの特許および論文に開示される。しかしながら、過去に行われたものには多くの制限がある。
【0036】
セラミック材料の単結晶繊維を成長させるために使用することができる他の方法は、レーザ加熱ペデスタル成長(LHPG)法等のマイクロフロートゾーン法である(例えば、R.S.Feigelson:J. Crystal Growth 79(1986)669を参照されたい)。かかる方法において、典型的には、成長速度が大き過ぎることはあり得ず、そうでなければ、繊維の成長の破壊が発生する。しかしながら、3cm/分の高速が、ステパノフ法等の形削り盤ダイからの引っ張り技術を用いて達成され得る。EFG方法は、液体Alとシード結晶との接触を伴い、液体は、成長結晶が概して垂直にダイから引き出される際に、毛管現象によって成長結晶に運ばれる(しかし、V.N.Kurlov and F,Theodore Cryst.Res Technol.34(1999)3,293−300に開示されるような引き出し経路の偏向によって、複雑な形状を生成することができる)。サファイア構造の品質は、ダイ材料の熱特性、加熱の均一性、および単結晶アルミナの引き出し速度等の多くの要因に左右される。この技術により、繊維が高引張強度を有する、サファイアの非常に長い繊維の製造が可能となる。
【0037】
本発明の実施形態を実施するために使用することができる、EFG繊維−成長システム200を図1(a)に概略的に示す。EFG技術により、成形したダイを使用することによる種々の断面形状の成長が可能となる。結晶が引き抜かれる液体プールが、成形したダイの上面上に形成される。プールは、溶融容器へと下方に延在するダイ中の毛管によって供給される。該方法の最も重要な部分であるエッジの明確さは、ダイの頂部の形状および液体とダイ材料との間の接触角の必要条件の達成によって維持される。このプールは、MoまたはWるつぼ202内に保持される溶融物からの毛管現象によって、連続して供給される。繊維209は、ダイを通じて溶融物から連続して抽出される。タングステンまたはモリブデンるつぼ202は、硬質絶縁層206中で、炭素またはグラファイトサセプタ204に取り囲まれる。複数の先端を有し得るダイ先端アレイは、ダイ本体上に配置される。アレイの先端は、毛管現象によってダイ本体の中央のスロットを上がる、液体サファイア等の液体216によって供給される。誘導コイル218によって加熱されるホットゾーンは、水冷式端部キャップを有する石英チャンバ220に取り囲まれる。高純度アルゴンが、チャンバの底部の入口228を通じて流動し、チャンバの頂部の共通出口から流出する。チャンバの上方には、サファイア繊維の動きを制御する、エンドレスベルトプーラ232がある。このデバイスの代わりに、繊維に小さい張力を印加することができる巻取ロールが使用されてもよい。仕上がった繊維は、スプーリングデバイス236に巻き取られる。ダイ先端アレイは、概して、タングステンまたはモリブデンから製造される。供給孔は、各先端の中心に下方へ開けられる。多数の先端が、単一アレイ上に一列に配列されてもよい。
【0038】
図1(b)は、本発明の実施形態を実施するために使用することができる、縁部限定薄膜供給結晶成長(EFG)プロセスを実行するための別の例示的なシステム250の概略図を示す。システム250は、Pollock,J. of Mat.Sci.,7(1972)631−648に開示されるEFGシステムの改良形である。パラフィン、でんぷん、またはエポキシのいずれかの液体を含有し、そこをフィラメントが通過する、小型ネック付き下方容器管223は、開口部219とベルトプーラ232との間に位置する。この液体「ベアリング」は、コーティングデバイスの機能、および外部汚染から炉内雰囲気を保護するシーラントとしての機能、および最も重要なことには、炉内の熱対流の流れの結果としての繊維の動きを抑制するその機能を含む、いくつかの機能を有する。
【0039】
サファイア(または他の)繊維は、用意され、ダイ先端に固定されるサファイア(または他の)シードから増殖することができる。サファイアの場合、成長を開始するために、サファイア結晶は、シード結晶の一部が先端上の溶融し、それを先端に付着させる、高温湿潤ダイ先端の上面に接触される。次いで、シードは、徐々に上方に引き出される。成長繊維の断面は、ダイ先端の頂部と同一の形状を有し、液体サファイアは、引き抜く結晶の端部上に継続して結晶化する。ダイ先端における液体は、毛管現象によってるつぼから補充される。
【0040】
定常状態において、伝導、対流、および放射熱損失が、ダイ先端の上方の液固界面位置を決定する一方で、自由表面毛管現象は、追加の液体アルミナを補充する。サファイア繊維の結晶学的配向は、所望の配向のシードでの成長を開始することによって得られる。EFG繊維成長は、小さいメニスカス領域内の流体流動および熱伝達の物理によって支配されることが知られている。繊維が上方に引かれると、溶融アルミナは、自由表面に作用する表面張力と関連した圧力降下に反応して、メニスカスに引き込まれる。メニスカス形状は、メニスカス圧力、ダイ接触領域の形状、および液固界面三重点における表面張力バランスの必要性によって決定される。メニスカスの近傍の熱伝達は複雑であり、熱伝送の全ての主要なモードが作動する。
【0041】
図2は、本発明の実施形態を実施するために使用することができる、複数の繊維が単一ダイから成長することが可能となる、NASA Contractor Report CR−195377,Daniel G.Backman,Edward S.Russell,Daniel Y.Wei,Robert F.Irwin and Earle Rich,“High Productivity Fiber Growth Module for Single Crystal Oxide Fibers”,August 1994からの繊維成長モジュールの改良形を示す。ダイアレイ、ベルトプーラ232およびスプーリングデバイス236とともに複数の繊維を示す。図2と同様に、ダイアレイ、複数の繊維、ベルトプーラ232、およびスプーリングデバイス236を、代替の繊維成長配列を示す図3〜5に示す。図3は、複数のダイを、単一ダイに接続することもできる繊維成長システムにおいて、連続して配列することができることを示す。図4は、本発明の一実施形態に従った複数のファセット繊維の製造を示す。図5は、多くのファセット繊維を形成するために、複数のダイを、単一ダイに接続することもできる繊維成長システムにおいて、連続して配列することができることを示す。
【0042】
ダイに対するファセットの配向は、図4および5に示すいくつかのファセットと全く同一である必要はない。例えば、図4および5に示す全ての繊維は、長さ方向の周囲に90度回転させることができ、それでもなお同一のファセット繊維を成長させることができる。
【0043】
図6は、本発明の一実施形態に従った、複数の繊維の製造のための例示的な大規模システム600の概略図である。システム600は、繊維成長システム610およびプロセス制御部620を含む。この概略図は、NASA Contractor Report CR−195377,Daniel G. Backman,Edward S.Russell,Daniel Y.Wei,Robert F.Irwin and Earle Rich,“High Productivity Fiber Growth Module for Single Crystal Oxide Fibers,”August 1994において報告される同様のプロセスの改良形である。NASAプロジェクトの目標は、高成長速度での1,500個の繊維の同時成長が可能となり得る、モジュール繊維成長施設を設置することであった。NASA Contractor Reportに開示されるサファイア繊維は、本質的に円形で、繊維軸はサファイアのc軸に平行であった。その繊維は、いかなるファセットも有しなかった。かかるファセットのない繊維は、本発明に好適ではないが、NASA Contractor Reportは、多くの繊維の同時成長を達成することができることを立証している。
【0044】
複数の繊維は、溶融物から連続して抽出し、リールに巻き取ることができる。固液界面において示される高温計を使用したオンライン温度監視、ならびに固液界面の画像化、および繊維の直径の推定を、繊維成長の間に行うことができる。繊維成長システム610は、全ての入力を取り込み、溶融物を溶融された状態に保つ力を制御し、全てのゲージ、圧力、真空等を制御する、自動化プロセス制御ボックスに接続されていることが示される。かかるシステムを使用して、長い繊維およびテープまたはリボンを成長させるために、複数の繊維の同時成長を達成することができる。テープまたはリボンを成長させるために、図7に示すプロセスの概略図を使用することができる。図7において、長い方向において互いに平行な少なくとも2つの表面(テープの頂部および底部表面)を有する、ファセットテープまたはリボンを成長させるための実施例を示す。
【0045】
上記の通り、一旦ファセット繊維および/またはテープもしくはリボンを製造すると、次いで、エピタキシャルデバイスを、繊維、テープ、またはリボン上に堆積させることができる。特に、エピタキシャル層は、繊維またはテープの平坦なファセット上で成長させることができる。例えば、明確な結晶学的ファセットを有するサファイアまたはAl繊維が成長される。これらのファセット上で、エピタキシャルCeOまたはSrTiOは、物理蒸着、化学蒸着、化学溶液堆積、または他の好適な方法によって堆積させることができる。このエピタキシャルCeOまたはSrTiO層上で、YBaCuに対応するようなエピタキシャル超電導体層は、物理蒸着、化学蒸着、化学溶液堆積、または他の好適な方法を使用して堆積させることができる。
【0046】
Alまたはサファイアという特定の場合、ある特定の結晶学的面のみが、概して、本発明の対象となる。サファイアは、菱面体構造を有し、通常、より単純な六角形構造として説明される。サファイアの単位格子を図8に示す。この構造は、C軸に垂直であるC面(0001)、C軸に平行であるA面(1120)、およびC面に対して57.6°の角度を有するR面(1012)を示す。本発明の実施形態の対象となる別の面は、(1010)に対応するM面である。
【0047】
典型的には、EFG方法を使用して得られる繊維は、C軸に平行して成長され、本質的に円形の断面を有し、いかなる結晶学的ファセットもほとんど分解せず、または示さない。ファセットが分解され始めると、6つのファセットが、この配向において好ましく、全てはA面に対応する。かかる繊維は、小さい面積のみがファセットによって占められるため、エピタキシャル層の成長にあまり好適ではない。非常に明確なファセットを有する繊維またはテープのみが、概して、エピタキシャル成長を維持することができる。理想的には、この配向のサファイア繊維に対して、c軸は、繊維方向に沿って整合され、6つの明確なファセットが望ましい。この場合のこれらのファセットは、サファイアのA面に対応する。サファイア製の繊維またはテープ/リボンに対して、立方酸化物(超電導製品のため等)のエピタキシャル成長のための表面上の所望のファセットは、R面およびM面ファセットである。これは、サファイア内のR面およびM面が、擬似立方表面構造を有するためである。A面ファセットを有する繊維はまた、正しい成長条件下でCeO等の立方材料の単一配向エピタキシをもたらすことができる。六角形材料のエピタキシャル堆積に対して、C面ファセットを有する繊維またはテープ/リボンが望ましい。
【0048】
上述の通り、本発明はまた、ファセット上で成長されたエピタキシャル層を有する、高速で成長された、構造品質ファセット単結晶繊維および/またはテープ/リボンの使用を含む。対象となる異なるデバイス層に対しては、サファイアの異なる結晶学的面が好ましい。例えば、C面ファセットの表面上で立方材料を成長させることにより、六角形表面または立方(111)表面上に成長する場合に可能な3つの同等のエピタキシャル配向の理由から、いずれの場所において60度の大角粒界が得られる。したがって、かかるファセットを有するかかる繊維は、高温超電導(HTS)用途等のための、単一配向立方エピタキシャル層を成長させるために好適ではない。
【0049】
図9(a)は、本発明に従ったファセットサファイア基板、ならびに本発明に従った、C面サファイア基板上へのパルスレーザアブレーションを含むプロセスによって形成されるCeOおよびYBaCu(YBCO)層のエピタキシャルに堆積された層のωスキャンおよびφスキャンである。図9(b)から明らかなように、3つの結晶学的に同等のエピタキシャル配向がCeOおよびYBCO層の両方に形成され、多くの大角粒界をもたらしている。超電導またはHTS層に対して、理想的には、繊維またはテープ上の最も望まれるファセット配向は、R配向である。
【0050】
図10は、本発明に従った、R面サファイア基板上の介在CeO緩衝層を有するYBCO超電導体のエピタキシャルに成長された層のX線回折ωスキャンまたはロッキングカーブを示す。この図は、面外組織が、CeOおよびYBCO層の両方において良好であることを示す。図11は、本発明に従った、R面基板上で成長されたCeOおよびYBCOフィルムのφスキャンまたは面内組織を示す。良好な面内整合が、CeOおよびYBCO層に対して見られる。
【0051】
図12および13は、それぞれ77Kにおける、印加磁場に対する限界電流密度、J、および角度に対するJを示す。このサンプル上でのYBCOフィルムはまた、ピン止めを強化するために1体積%のBaZrOでドープされた。図12に示す超電導伝送特性は、自己場におけるJ>1MA/cmを証明し、図13は、角度(度)の関数として、1Tにおける概して>約0.3MA/cmのJを証明する。印加磁場の角度は、磁場および電流が、常に互いに対して垂直であるような面内にある。これは、一般的に最大ローレンツ力構成とも呼ばれる。したがって、図12および13の両方は、高品質エピタキシャル層をファセットサファイア基板上、示される場合においてはR面ファセットサファイア基板上に堆積することができることを裏付ける。
【0052】
本発明の一実施形態において、サファイア繊維は、R面ファセットを有して製造され、対応するデバイスを製造するために、電気、電子、光学、磁気、電磁気、または電気光学層の後続エピタキシャル成長が続く。R面に加えて、CeO等の単一配向エピタキシャル緩衝層を成長させるために、M面、C面、およびA面サファイア基板を使用することができる。
【0053】
単一のエピタキシャル配向を有する立方酸化物の成長の実施例を、図14および15に示す。図14において、A面サファイア基板上にピタキシャルに堆積されたCeOおよびYBCO層に対する、面外組織を示すX線回折ωスキャンを示す。図21において、A面サファイア基板上にピタキシャルに堆積されたCeOおよびYBCO層に対する、面内組織を示すX線回折φスキャンを示す。示すように、優れた面内エピタキシおよび配向が観察される。要約すると、単一配向高品質エピタキシャル立方および擬似立方材料が、A面サファイア基板上に成功裏に堆積されたことを示した。M面ファセットサファイア基板に対して、同様の結果を得ることができる。
【0054】
CeOを緩衝として使用する代わりに、典型的には、M面基板上のYBCOに対してMgOが緩衝として使用されている。エピタキシャルMgO層は、サファイアのR面、A面、M面、およびC面上で可能であることが示されている。例えば、P.A.Stampe,M.Bullock,W.P.Tucker and Robin J.Kennedy,“Growth of MgO thin films on M−,A−,C−and R−plane sapphire substrates by laser ablation,”vol.32,pages1778−1787,1999を参照されたい。超電導用途に対して、YBCOとのよりよい格子整合のために、サファイア上のエピタキシャルMgO層上にLaMnOまたはSrTiO等のペロブスカイト層を堆積させることが有用であり得る。
【0055】
本発明に基づくサファイア繊維またはテープは、繊維軸に対してほぼ平行、概して繊維軸に対して4〜10度等、10度以内に配向されたR面ファセットを提供することができる。本発明に従った構造繊維は、高温超電導(HTS)層等、その上にいくつかの重要なエピタキシャル層を成長させるために好適であることがわかっている。
【0056】
本発明に従ったR面ファセット繊維を成長させるために、サファイアは、そのR面が、繊維が引き出される方向にほぼ平行であるように、正確に配向されなければならない。初期シードは、X線結晶学によって支援される等、配向されている大きな塊の市販のサファイアから切り取ることができる。サファイア結晶のR面は、角錐の側面の間の角度が86°である、三角錐を形成することが知られている。シードは、その軸が角錐の角に沿って位置するように切り取られる。したがって、シードは、その軸に平行な2つのR面を有する。1つの面は、シードの広い面と一致する。
【0057】
大型シードからの繊維の増殖は、概して、図1aに示すシステム200に関連して記載する、3つの成長工程を伴う。第1に、初期繊維を成長させるために、シード(ベルトプーラ232を通じて移動することができる、長く平坦なシャフトに取り付けられる)が使用される。第2に、次いで、プーラが可能な限り先端に近く配置され、初期繊維(シードから取り出される)は、プーラ232を通じて引き出される。この第2の操作から得られた繊維は、典型的には、良好な結晶配向を有するが、真直度は不十分である。第3に、プーラ232はより高く上げられ、ガイドがプーラ232と先端との間に挿入される。第2の工程の繊維はガイドに通され、将来の処理のためのシードとして機能する、長く直線の繊維を成長させるために使用される。この繊維は、正確な結晶配向を有し、概して適度な真直度を有する。
【0058】
繊維材料は、サファイアであるとして上に記載しているが、代替として、ドープサファイアを使用することができる。MgO、SrTiO等のサファイア以外の材料もまた使用することができる。例示的なサファイアドーパントとしては、クロム、チタン、鉄、エルビウム、ネオジム、プラセオジム、ユーロピウム、ツリウム、イッテルビウムおよびセリウム、およびマグネシウムが挙げられるがこれに限定されない。サファイアに加えて、MgO、SrTiO等のファセット単結晶繊維テープおよびリボンが、特定の用途に望ましい。
【0059】
上述の通り、次いで、本発明に従った得られたファセット構造繊維は、種々の技術によって被覆および/または反応することがき、化学的および構造的に適合するエピタキシャル組織化障壁層および/または合金を生成し、種々のデバイスを形成する。次いで、種々の既知の技術のいずれかを使用して、ファセット繊維(またはテープもしくはリボン)基板上、または障壁層上に、別の材料のエピタキシャル層を成長させることができる。既知の方法としては、化学溶液堆積法、および従来のCVDおよびMOCVDを含む化学蒸着法、パルスレーザアブレーション、スパッタリング、および蒸着等の蒸着法、液相エピタキシ技術、ならびにLPEをスパッタリングまたは蒸着等の別のプロセスと組み合わせるハイブリッドLPE技術が挙げられる。超電導デバイスの場合、CeO、またはSrTiO、LaMnO等の当該技術分野で既知の他の緩衝層を堆積させ、続いて、YBaCu7−δ(YBCO)フィルム等のHTSフィルムを堆積させることができる。次いで、ファセット繊維基板または障壁層からの組織は、エピタキシャル層に誘発される。それにより、本発明の実施形態は、IBAD等の組織を得るための高価な処理の必要性なく、鋭い二軸組織を有する二軸整合されたデバイスを堆積させることを可能にする。
【0060】
原位置プロセスまたは原位置外プロセスのいずれかによって、エピタキシャル層を堆積させることができる。原位置プロセスにおいて、エピタキシャル層は、例えば特定の物理蒸着または化学蒸着法を使用して、繊維またはテープ上のファセット上に直接堆積される。これらの場合において、堆積は、典型的には、高基板温度で行われる。あるいは、原位置外プロセスを使用して、デバイス層を含むエピタキシャル層を堆積させることができる。原位置外プロセスにおいて、所望の層である前駆体フィルムが、繊維またはテープ表面上に最初に堆積される。この前駆体層は、非晶質、微結晶性、または結晶性であってもよい。制御された温度および周囲気体雰囲気の条件下での後続の加熱によって、エピタキシャル配向が得られる。これは、非晶質または微結晶性フィルム中の完全な結晶化、および結晶性フィルム中の再結晶化によって生じる。例えば、化学溶液堆積法を使用して、R面ファセットを有するサファイア繊維上のCeOの前駆体の浸漬被覆によって被覆することができ、エピタキシャルCeO層を形成するための後続の熱処理が続く。この次に、形成されたCeO層上の超電導体層の前駆体コーティング、続いて、エピタキシャル超電導体層を形成するための後続の熱処理が続く。
【0061】
上述の通り、本発明に従った繊維、テープ、またはリボン基板は、基板上に配置された電磁的活性層を有する種々のエピタキシャルデバイスを形成するために、使用することができる。電磁的活性層は、例えば、結晶粒界制御が重要な、超電導体、半導体、光起電、強誘電体、もしくは光電気、または任意の他の電磁気デバイスであってもよい。
【0062】
例えば、製品300を成す「円形」二軸組織化電磁的活性層の断面図は、概して、図16(a)に示すように多層組成を有する。製品300は、その中心にファセット繊維基板312を含む。緩衝層313、314、および316等の、少なくとも1つのエピタキシャル緩衝層を、ファセット繊維基板312の外表面上に放射状に配置することができる。製品300は、超電導デバイス、固体照明デバイス、または光起電デバイス等の種々のデバイスを含むことができる。電磁的活性層318は、電気、電子、光学、磁気、電磁気、または電気光学デバイス層を含むことができる。
【0063】
3つの緩衝層313、314、および316を有するように示されるが、各層が、化学的にも構造的にも適合するという条件で、製品300は、ファセット繊維基板312上に直接、かつファセット繊維基板312と接触して、超電導層318等の電磁的活性層318を配置することによって、形成することができる。繊維基板312は、超電導体製品のための機械的支持を提供し、長い長さおよび大きい面積にわたって製造することができる。あるいは、1つ、2つ、または3つもしくはそれ以上の緩衝層を使用することができる。
【0064】
特に超電導体製品に対して、任意のエピタキシャル金属酸化物、窒化物、炭化物、またはホウ化物緩衝層314および316が、製品中に次の層を成してもよい。超電導体の実施形態において、緩衝層314および316は、超電導層として実施された時に、基板表面312と電磁的活性層318との間の化学的障壁として機能することができる、CeO、YSZ、Y、LaAlO、LaCrO、NdGaO、LaNiO、SrTiO、Nb−ドープSrTiO、RE(ここで、REは希土類である)、LaMnO、ジルコニウム酸ランタン(LZO)、MgO、NdGaO、NbTiO、TiN、TZN、TiB、Pd、Ag、Pt、およびAuから選択される1つまたは複数の層等の、好適な材料から形成することができる。
【0065】
緩衝層は、ゾルゲル堆積および電着等、物理または化学蒸着、化学溶液堆積法を含む、既知の技術によって堆積させることができる。堆積の後には、繊維基板上にエピタキシャル二軸組織化層を形成するためのアニーリングが続く。次いで、超電導層等の電磁的活性層318を、緩衝層316上に堆積させることができる。あるいは、超電導体層等の電磁的活性層318を、繊維基板312上に直接、または繊維基板312と接触して配置することができる。
【0066】
一実施形態において、電磁的活性層は、例えば送電線のための超電導製品を含む。図16(b)は、「円形」二軸組織化超電導製品350の断面図を示す。本実施形態において、電磁的活性層は、超電導層318を含む。超電導層318上に、任意の銀含有層320および安定化層322を示す。
【0067】
超電導体層318は、酸化物超電導体であってもよい。例えば、酸化物超電導体は、REBaCu(ここで、REは希土類元素である)、TlBaCan−1Cu2n+3(ここで、nは1〜4の間の整数である)、TlBaCan−1Cu2n+4(ここで、nは1〜4の間の整数である)、およびHgBaCan−1Cu2n+2(ここで、nは1〜4の間の整数である)等の酸化物超電導体から選択することができる。
【0068】
一実施形態において、銀または銀合金層は、繊維、テープ、またはリボン上のファセット領域のみを覆う。安定化層も含む実施形態において、銀または銀合金層および上記の安定化層は、上記の繊維、テープ、またはリボン上のファセット領域のみを覆うことができる。一実施形態において、安定化層は、CuまたはCu合金層を含む。
【0069】
少なくとも1つのA面、R面、M面、またはC面ファセットを有する基板312を形成するための能力により、後続の立方エピタキシャル成長層が、それに応じて向上した結晶品質を有することが可能となる。特に、超電導層318等の電磁的活性層を含む、メートル台の(例えば、>10メートル)の長さの製品を、上記のようないくつかの小角粒界を有するが本質的に大角粒界を有しない、単結晶の性質を有して形成することができる。超電導体の場合、かかる構造を形成するための能力により、超電導特性の有意な向上がもたらされる。
【0070】
超電導体または他の電磁的活性層は、蒸着、レーザアブレーション、スパッタリング、ゾルゲル、浸漬被覆、電着、電気泳動堆積、噴霧熱分解、およびドクターブレード技術等の種々の技術によって、堆積され得る。レーザ堆積等の技術のいくつかにおいて、堆積された状態の超電導体層は、組織化されてもよいが、他の場合において、適切な酸素分圧における追加の酸素アニールが、基板から超電導体に組織を誘発するために必要とされる。この方法は、超電導相を形成するために、1つまたは複数の陽イオンが反応中に蒸気から添加されなければならない、溶液前駆体堆積物にも適用される。
【0071】
図17(a)〜(c)は、本発明に望ましい種々のファセット繊維の概略図を示す。図17(a)は、繊維の2つの広い面上に2つのファセットを有する、レーストラック形繊維を示す。ファセット領域は陰影で示す。図17(b)は、この繊維の別の変化形を示し、異なる断面を有する。この場合、繊維断面は六角形である。図17(c)は、図17(a)および(b)の組み合わせである変化形を示し、ここで、小さいファセットは、図17(a)に示す湾曲領域内に示す。全ての場合において、上記に定義するような繊維の定義が適用される。テープまたはリボンの場合、概して、断面は同一のままであるが、しかしながら、幅Wはまた、厚さdよりも有意に大きい。
【0072】
図18(a)および(b)は、本発明の実施形態の対象となる繊維またはテープ/リボンの2つの断面、長方形または菱面体形状の繊維またはテープを示す。図18(a)および(b)はまた、大きいファセットがR面に対応する繊維構成を示す。図19および20は、図18(a)および(b)と同一であるが、A(図19)、M(図20)、およびC(図21)面のそれぞれに対応するファセットを有する、ファセット幾何学的構成を示す。
【0073】
本発明に従った繊維、テープ、またはリボン上に堆積されるエピタキシャル層の実施例を、以下の実施例の項に記載する。
【実施例】
【0074】
本発明は、以下の具体的な実施例によってさらに説明されるが、いかなる方法によっても、本発明の範囲または内容を制限するものと解釈されるべきではない。
実施例1
図1に示すシステム200を使用して、本発明に従ったR面ファセットを有する構造サファイア繊維を製作した。鋭い端部を有する約1/8インチ×1/16インチ×1インチの初期サファイアシードを、ダイ先端に鋭い端部に溶融させることによって、ダイ先端に取り付けた。上述の通り、サファイア結晶のR面は、角錐の側面の間の角度が86°である、三角錐を形成することが知られている。シードを、その軸が角錐の角に沿って位置するように切断した。したがって、シードは、その軸に平行な2つのR面を有する。R面は、互いに対して86°の角度を成す。1つの面は、シードの広い面と一致する。図1aに示すベルトプーラ232を通じて移動することができる、長く平坦なシャフトに、シードを取り付けた。次いで、プーラを可能な限り先端に近く配置し、プーラを通じて、初期繊維を引き出した。この第2の操作から得られた繊維は、典型的には、良好な結晶配向を有するが、真直度は不十分である。次いで、プーラ232をより高く上げ、ガイドをプーラと先端との間に挿入した。第2の工程の繊維はガイドに通し、将来の処理のためのシードとして機能する、長く直線の繊維を成長させるために使用する。上記の手順は、EFG成長のための標準的な手順である。1000〜3000mm/時間で、シードから2mの長さの繊維を成長させた。破面は、正確なR面配向を有していることを示した。X線分析は、2つのR面が、それぞれ0±0.5°および3.4±0.5°まで繊維軸に対して平行であったことを確認した。
【0075】
表1(以下)は、サファイアの物理軸に対する逆面垂線および逆格子面の傾斜を示す。図22は、垂直である繊維軸に対する逆格子の反射の検出器画像を示す。(110)反射は繊維に対して90°に位置し、この面が繊維に平行であることを示す。図22はまた、約4°、繊維軸に対して傾斜される(−1 0 2)および(0 1 2)反射を示す。サファイア等の菱面体または六角形材料に対して、典型的には、3つ(h、k、l)の代わりに4つ(h、k、i、l)のミラー指数を使用する。3つの指数表記から4つの指数表記に移行するために、「i」は、i=−(h+k)として計算することができる。その結果、(110)は、(11−20)に対応する。図23(a)および(b)は、傾斜および指数が得られた回折データを示す。図23(a)は、繊維軸にほぼ平行である2つの逆格子面上の理想的なサファイア位置を示す。図23(b)は、繊維軸からの面の角度傾斜を示す。χ角度における90°の傾斜は、この面が繊維軸に平行となるであろうことを意味し、この場合は、(110)に対応する。2つのR面ファセットのみが、繊維表面上で観察された。
【0076】
【表1】

実施例2
図1aに記載するシステム200を再び使用して、より小さい寸法の繊維を調製した。レーストラック形(反対する半円形端部または湾曲縁部、および反対する直線の平行線または平面から成る)シードを使用して、2つのR面ファセットを有する、205μm(厚さ)×460μm(幅)の断面の繊維を成長させた。500mm/時間の速度で、848mmの長さまで繊維を成長させた。レーストラック形繊維の側面は平坦であった。表2は、繊維におけるR面の傾斜を示す。「大きい面」は、繊維の広く平坦な側面である。繊維の大きい面は、R面の4.28°以内と一致する。図24は、垂直である繊維軸に対する逆格子の2D検出器画像を撮り、R面が軸から約4°〜6°傾斜されていることを明らかにしたことを示す。図25は、物理的繊維に対するR面の関係を概略図で示す。繊維の端面図、側面図、および前側面図の全てを提供する。
【0077】
【表2】

実施例3
図1aに示すシステムを用いて、2つのR面ファセットを含むレーストラック形シードを使用して、サファイア繊維を成長させた。繊維は、約10メートルの長さまで安定に成長した。繊維の断面の破面は、繊維が、そのレーストラック形断面を維持したことを明らかにした。
【0078】
上記は、サファイア繊維上にR面ファセットを作製するために、レーストラック形シードを使用することができることを実証する。レーストラック形繊維は、頑丈かつ安定に成長し、結晶構造の劣化なく、非常の長い長さまで伸ばされる可能性を有することがわかった。結晶は、成長軸に平行な2組のR面を得るように配向した。これらのR面ファセットはまた、約5度ミスカットされる、基板上のミスカットされたR面ファセットをもたらし得る。ファセットのミスカットは、特に超電導用途に対して、フィルム成長に悪影響を及ぼさず、実際には、磁束ピン止めの観点から有益であり得ることが予測される(実施例5を参照)。これらのレーストラック形繊維の厚さは、重大な問題なく、50ミクロンまで減少させることができる可能性がある。成長の最大速度は、3,000mm/時間を超える、および、それより大幅に高くなり得ることが予測される。
【0079】
長い長さの成長のために、繊維が駆動ベルトを通過する際に回転する場合、徐々に、ファセットは、結晶構造のR面との整合から外れて回転し得る。繊維の幅の増加およびその厚さの減少は、繊維の長さに沿った回転配向の変化を防ぐために十分である可能性が高い。また、張力制御等のオープンリール式処理における標準仕様を使用することにより、長い繊維の成長の間の捻れを防止するのに役立つことができる。
【0080】
実施例4
実施例1に従って調製した繊維を使用して、パルスレーザアブレーション(PLD)を用いて、CeO層をエピタキシャルに堆積させた。これは、最初に、繊維をそのR面ファセットをヒータブロック表面に平行に接合することによって行う。接合は、銀ペーストを使用して達成することができる。次いで、繊維を760℃の温度まで加熱し、CeO層は、PLDを使用してCeO標的から堆積させる。この次に、同一繊維温度における、PLDによる同一組成物の標的からのYBCO+1%BZO層の堆積が続く。図16および17に報告する結果と同様に、CeOおよびYBCO層の両方は、繊維上のR面ファセットでエピタキシャルであった。上記の図12〜13に示すように、超電導ワイヤのかかる構成に対して、かなりの臨界密度が得られる。
【0081】
実施例5
PLDによってCeOおよびYBCO+1%BZOを堆積させるために、5度ミスカットされたR面基板を使用した。最初に、基板をそのR面ファセットをヒータブロック表面に平行に接合した。接合は、銀ペーストを使用して達成することができる。次いで、繊維を760℃の温度まで加熱し、CeO層は、PLDを使用してCeO標的から堆積させる。この次に、同一繊維温度における、PLDによる同一組成物の標的からのYBCO+1%BZO層の堆積が続く。図26は、ミスカットされたR面サファイア基板上の介在CeO緩衝層を有するYBCO超電導体の、エピタキシャルに成長された層に対する面外組織を示す、X線回折ωスキャンを示す。図27は、ミスカットされたR面サファイア基板上の介在CeO緩衝層を有するYBCO超電導体の、エピタキシャルに成長された層に対する面内組織を示す、X線回折φスキャンを示す。図26および27は、面外組織および面内組織が、CeOおよびYBCO層の両方において良好であることを示す。図26および27は、高品質エピタキシャル層をミスカットされたR面サファイア基板上で堆積させることができることを裏付ける。このサンプル上のYBCOフィルムはまた、ピン止めを強化するために1体積%のBaZrOでドープした。図28および29は、印加磁場に対する限界電流密度、J、および角度に対するJをそれぞれ示す。図に示すように、優れた超電導特性が得られた。
【0082】
実施例6
実施例1および2に従って調製された繊維を使用して、5度ミスカットされたR面ファセットを有する繊維を製造した。最初に、繊維をヒータブロック表面に、そのミスカットされたR面ファセットをヒータブロック表面に平行に接合した。接合は、銀ペーストを使用して達成することができる。次いで、繊維を760℃の温度まで加熱し、CeO層は、PLDを使用してCeO標的から堆積させる。この次に、同一繊維温度における、PLDによる同一組成物の標的からのYBCO+1%BZO層の堆積が続く。図26および27に報告する結果と同様に、エピタキシャルCeOおよびYBCO層は、繊維上のR面ファセット上で得られ、得られた超電導特性もまた、図28および29に報告する超電導特性と同様である。
【0083】
実施例7
実施例1に記載するプロセスを使用して、R面ファセットを有する繊維を成長させるために、レーストラック形または長方形の先端を使用した。2000mm/時間の速度で、この繊維を成長させた。100メートルの長さの連続繊維を成長させた。
【0084】
実施例8
実施例5に記載するプロセスを使用して、R面ファセットを有する繊維を成長させるために、レーストラック形または長方形の先端を使用した。3000mm/時間の速度で、この繊維を成長させた。破壊なしで、100メートルの長さの繊維を安定に成長させた。
【0085】
実施例9
実施例1に記載するプロセスを使用して、A面ファセットを有する繊維を成長させるために、レーストラック形または長方形の先端を使用した。2000mm/時間の速度で、この繊維を成長させた。
【0086】
実施例10
実施例7に記載するプロセスを使用して、R面ファセットを有する繊維を成長させるために、レーストラック形または長方形の先端を使用した。3000mm/時間の速度で、この繊維を成長させた。1000メートルの長さの繊維を安定に成長させた。
【0087】
実施例11
実施例1に記載するプロセスを用いて、溶融物から複数の繊維を同時に成長させるために、ダイ先端アレイを使用した。図2〜6に示すものと同様のダイ先端アレイを使用した。1000〜3000mm/時間の速度で、これらの複数の繊維を成長させた。100メートルの長さの複数のファセット繊維を安定に成長させた。
【0088】
実施例12
実施例1に記載するプロセスを使用して、溶融物から複数の繊維を同時に成長させるために、ダイ先端アレイを使用した。図18に図示する形状に従って、繊維を成形した。繊維の配向は、広い面が、10度未満のミスカット角度で、サファイアのR面にほぼ平行であるような配向であった。図2〜6に示すものと同様のダイ先端アレイを使用した。1000〜3000mm/時間の速度で、これらの複数の繊維を成長させた。100メートルの長さの複数の繊維ストランドを安定に成長させた。
【0089】
実施例13
実施例1および2に記載するプロセスを用いて、EFGを使用して、溶融物から繊維の代わりにテープの形状を成長させた。テープの広く平坦な面は、広い面が、10度未満のミスカット角度で、サファイアのR面にほぼ平行であるような配向を有する。
【0090】
実施例14
実施例1に記載するプロセスを使用して、溶融物から複数の繊維を同時に成長させるために、ダイ先端アレイを使用した。図17および19に図示する形状に従って、繊維を成形した。繊維の配向は、広い面が、10度未満のミスカット角度をで、サファイアのA面にほぼ平行であるような配向であった。図2〜6に示すものと同様のダイ先端アレイを使用した。1000〜3000mm/時間の速度で、これらの複数の繊維を成長させた。100メートルの長さの複数の繊維ストランドを安定に成長させた。
【0091】
実施例15
実施例1に記載するプロセスを使用して、溶融物から複数の繊維を同時に成長させるために、ダイ先端アレイを使用した。図17および21に図示する形状に従って、繊維を成形した。繊維の配向は、広い面が、10度未満のミスカット角度をで、サファイアのC面にほぼ平行であるような配向であった。ダイ先端アレイは、図2〜6に示すものと同様であった。1000〜3000mm/時間の速度で、これらの複数の繊維を成長させた。100メートルの長さの複数の繊維ストランドを安定に成長させた。
【0092】
実施例16
実施例1に記載するプロセスを使用して、溶融物から複数の繊維を同時に成長させるために、ダイ先端アレイを使用した。図17および20に図示する形状に従って、繊維を成形した。繊維の配向は、広い面が、10度未満のミスカット角度で、サファイアのM面にほぼ平行であるような配向であった。ダイ先端アレイは、図2〜6に示すものと同様であった。1000〜3000mm/時間の速度で、これらの複数の繊維を成長させた。100メートルの長さの複数の繊維ストランドを安定に成長させた。
【0093】
実施例17
実施例1に記載するプロセスを用いて、EFGを使用して、溶融物から繊維の代わりにテープの形状を成長させた。テープの広く平坦な面は、広い面が、10度未満のミスカット角度で、サファイアのA面にほぼ平行であるような配向を有する。
【0094】
実施例18
実施例1に記載するプロセスを用いて、EFGを使用して、溶融物から繊維の代わりにテープの形状を成長させた。テープの広く平坦な面は、広い面が、10度未満のミスカット角度で、サファイアのC面にほぼ平行であるような配向を有する。
【0095】
実施例19
実施例1に記載するプロセスを用いて、EFGを使用して、溶融物から繊維の代わりにテープの形状を成長させた。テープの広く平坦な面は、広い面が、10度未満のミスカット角度で、サファイアのM面にほぼ平行であるような配向を有する。
【0096】
実施例20
実施例1に記載するプロセスを使用して、溶融物から複数のMgO繊維を同時に成長させるために、ダイ先端アレイを使用した。図17に図示する形状に従って、繊維を成形した。繊維の配向は、広い面が、10度未満のミスカット角度で、MgOの100面にほぼ平行であるような配向であった。ダイ先端アレイは、図2〜6に示すものと同様であった。1000〜3000mm/時間の速度で、これらの複数の繊維を成長させた。100メートルの長さの複数の繊維ストランドを安定に成長させた。すでに述べた原位置または原位置外堆積法を使用して、ファセットの表面上に別の材料のエピタキシャル層を成長させた。
【0097】
実施例21
実施例1に記載するプロセスを使用して、溶融物から複数のMgO繊維を同時に成長させるために、ダイ先端アレイを使用した。図17に図示する形状に従って、繊維を成形した。繊維の配向は、広い面が、10度未満のミスカット角度で、MgOの110面にほぼ平行であるような配向であった。ダイ先端アレイは、図2〜6に示すものと同様であった。ダイ先端アレイは、図2〜6に示すものと同様であった。1000〜3000mm/時間の速度で、これらの複数の繊維を成長させた。100メートルの長さの複数の繊維ストランドを安定に成長させた。繊維の少なくとも一部上で、すでに述べたような原位置または原位置外堆積法を使用して、ファセットの表面上に別の材料のエピタキシャル層を成長させた。
【0098】
実施例22
実施例1に記載するプロセスを使用して、溶融物から複数のMgO繊維を同時に成長させるために、ダイ先端アレイを使用した。図17に図示する形状に従って、繊維を成形した。繊維の配向は、広い面が、10度未満のミスカット角度で、MgOの111面にほぼ平行であるような配向であった。ダイ先端アレイは、図2〜6に示すものと同様であった。1000〜3000mm/時間の速度で、これらの複数の繊維を成長させた。100メートルの長さの複数の繊維ストランドを安定に成長させた。繊維の少なくとも一部上で、すでに述べたような原位置または原位置外堆積法を使用して、ファセットの表面上に別の材料のエピタキシャル層を成長させた。
【0099】
実施例23
実施例20、21、および22に記載するプロセスを用いて、EFGを使用して、溶融物から繊維の代わりにMgOテープの形状を成長させた。MgOテープの広く平坦な面は、広い面が、10度未満のミスカット角度で、MgOの(100)、(110)、または(111)面のいずれかにほぼ平行であるような配向を有する。繊維の少なくとも一部上で、すでに述べたような原位置または原位置外堆積法を使用して、ファセットの表面上に別の材料のエピタキシャル層を成長させた。
【0100】
実施例24
実施例1に記載するプロセスを使用して、溶融物から複数のペロブスカイト繊維を同時に成長させるために、ダイ先端アレイを使用した。図17に図示する形状に従って、繊維を成形した。繊維の配向は、広い面が、10度未満のミスカット角度で、ペロブスカイトの(100)面、(110)面、または(111)面のいずれかにほぼ平行であるような配向であった。ダイ先端アレイは、図2〜6に示すものと同様であった。1000〜3000mm/時間の速度で、これらの複数の繊維を成長させた。100メートルの長さの複数の繊維ストランドを安定に成長させた。ペロブスカイト材料は、SrTiO、LaAlO、YAlO、NdGaO、LSATが挙げられるがこれに限定されない群より選択することができる。すでに述べたような原位置または原位置外堆積法を使用して、ファセットの表面上に別の材料のエピタキシャル層を成長させた。
【0101】
実施例25
実施例24に記載するプロセスを使用して、溶融物から繊維の代わりに複数のペロブスカイトテープを同時に成長させるために、ダイ先端アレイを使用した。テープの配向は、広い面が、10度未満のミスカット角度で、ペロブスカイトの(100)面、(110)面、または(111)面のいずれかにほぼ平行であるような配向であった。ダイ先端アレイは、図5〜7に示すものと同様であった。1000〜3000mm/時間の速度で、これらの複数のテープを成長させた。100メートルの長さの複数のテープストランドを安定に成長させた。ペロブスカイト材料は、SrTiO、LaAlO、YAlO、NdGaO、LSATが挙げられるがこれに限定されない群より選択することができる。すでに述べたような原位置または原位置外堆積法を使用して、テープ上のファセットの表面上に別の材料のエピタキシャル層を成長させた。
【0102】
実施例26
実施例14および17に記載するプロセスを使用して、サファイアのA面に対応するファセットを有する繊維および/またはテープを成長させる。ファセットは、A面から最大で10度のミスカット角度を有し得る。次いで、図14および15に示すデータと同様の繊維またはテープ中のファセット上に、エピタキシャルCeOおよびYBCOまたはREBCO超電導体を堆積させる。A面サファイア基板上のCeOおよびYBCOのエピタキシャル堆積は、M.Shirakawa,M.Miura,T.Ohazama,Y.Shingai,A.Saito,M.Mukaida and S.Oshima,“Fabrication and characterization of YBCO thin film on CeO/a−plane sapphire substrate” Physica C,vol.412−414,pages1277−1280,2004に示されるように、以前に説明されている。図30は、実施例1および2の手順概要を使用して製造された、ミスカットされたA面ファセットを有する繊維上で成長されたCeOおよびYBCOに対する、ωスキャンまたはロッキングカーブを示す。図31は、実施例1および2の手順概要を使用して製造された、ミスカットされたA面ファセットを有する繊維上で成長されたCeOおよびYBCOに対する、φスキャンまたは面内組織を示す。明らかに二軸の組織が顕著である。これは、図32に示すYBCO(113)極点図によって確認される。繊維は一方向において非常に狭く、したがって信号は非常に少ないため、4つではなく、2つの点のみが見られる。
【0103】
実施例27
実施例16および19に記載するプロセスを使用して、サファイアのM面に対応するファセットを有する繊維および/またはテープを成長させる。ファセットは、M面から最大で10度のミスカット角度を有し得る。次いで、繊維またはテープ中のファセット上に、エピタキシャルMgOおよびYBCOまたはREBCO超電導体を堆積させる。M面サファイア基板上のMgOおよびYBCOのエピタキシャル堆積は、Guo−Chun Liang,Richard S.Withers,Brady F.Cole and Nathan Newman,“High−Temperature Superconductive Devices on Sapphire,”IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques,vol.42,No.1.,pages34−40,1994に示されるように、以前に説明されている。
【0104】
発光ダイオード(LED)、レーザダイオード、および他の超電導体以外の電子デバイスは、典型的には、基板に半導体材料の種々の層を堆積させることによって製造される。発光デバイスの形成に有用な半導体材料の既知の族は、ガリウム窒化物(GaN)系である。ガリウム窒化物系は、III族窒化物、GaN、AlN、およびInNのうちの1つまたは複数を含む半導体材料を指す。GaN系により、種々の光波長、特により短い波長を、組成物中のGaN、AlN、およびInNの相対量に基づいて生成することが可能となる。GaN窒化物系半導体デバイスは、一般的に、サファイアまたは単結晶アルミナを含む基板上に形成される。LEDの成長は、C面およびA面サファイア基板の両方の上で立証されている。例えば、Wei−Tsai Liao,Jyh−Rong Gong,Cheng−Liang Wang,Wei−Lin Wang,Chih−Chang Tsuei,Cheng−Yen Lee,Keh−Chang Chen,Jeng−Rong Ho,and Ren C.Luo,“Comparison of the Performance of InGaN/AlGaN MQW LEDs Grown on c−Plane and a−Plane Sapphire Substrates,”Electrochem.Solid−State Lett.,Volume10,Issue1,pp.H5−H7(2007)を参照されたい。本発明に基づいて、固体照明用途のためのこれらのデバイスは、ファセットサファイア繊維またはテープおよびリボン上に成長させることができる。硬質サファイア基板が、一般的には、固体照明用途に使用される。例えば、D.Doppalapudi,E.LLiopoulos,S.N.Basu and T.D.Moustakas,“Epitaxial growth of gallium nitride thin films on A−plane sapphire by molecular beam epitaxy,”Journal of Applied Physics,vol.85,No.7,pages3582−3589,1999、S.Tripathy and R.K.Soni,“Optical properties of GaN layers grown on C−,A−,R− and M−plane sapphire substrates by gas source molecular beam epitaxy,”Journal of Applied Physics,vol.85,No.12,pages8386−8399,1999、およびT.Sasaki and S.Zembutsu,“Substrate−orientation dependence of GaN single−crystal films grown by metallorganic vapor−phase epitaxy,”Journal of Applied Physics,vol.61,pages2533−2540,1987を参照されたい。本発明において教示するような、柔軟性ファセット繊維およびテープまたはリボン上の発光ダイオードの一体化は、硬質サファイア基板上のかかるデバイスの成長に対する以前の一連の研究を使用することができる。例えば、“Light Emitting Diodes (LEDs) for General Illumination:An OIDA Technology Roadmap Update 2002,published by the Optoelectronics Industry Development Association (OIDA),Washington D.C.,2002、および米国特許第7,202,506 B1号を参照されたい。
【0105】
実施例28
実施例1および2に記載するプロセスを使用して、サファイアのR、A、C、またはM面に対応するファセットを有する繊維および/またはテープを成長させた。次いで、ファセット表面上のエピタキシャルSi層を成長させた。任意の緩衝層も含めることができる。次いで、Si上に、Si系PN接合を含むデバイス層を形成した。次いで、このデバイスは、Si系デバイス層の単結晶の性質により、高効率の太陽電池として機能することができる。
【0106】
実施例29
実施例1および2に記載するプロセスを使用して、サファイアのR、A、C、またはM面に対応するファセットを有する繊維および/またはテープを成長させた。次いで、ファセット表面上のエピタキシャルGe層を成長させた。任意の緩衝層も含めることができる。次いで、GaAs、GaInP等を含む多接合電池を含むデバイス層を製造した。次いで、このデバイスは、デバイス層の単結晶の性質により、高効率の太陽電池として機能することができる。
【0107】
実施例30
実施例1および2に記載するプロセスを使用して、サファイアのR、A、C、またはM面に対応するファセットを有する繊維および/またはテープを成長させた。Si、Ge、GaP等の間接バンドギャップ半導体、CdTe、CuInGaSe(CIGS)、GaAs、AlGaAs、GaInP、およびAlInP等の直接バンドギャップ半導体、Zn1−yMnTe1−xのようなII−O−VI材料等のマルチバンド半導体、およびGaNAs1−x−y等のIII−N−Vマルチバンド半導体、ならびにそれらの組み合わせに基づくようなエピタキシャル半導体層が挙げられるが、これに限定されない群より選択される、エピタキシャル半導体層(任意の緩衝層を使用する)を成長させた。エピタキシャル半導体は、必要なn型またはp型半導体特性を得るために、半導体層中の他の材料の小さいドーパントを含むことができる。これは、高品質柔軟性単結晶半導体デバイスの形成をもたらす。
【0108】
実施例31
実施例1および2に記載するプロセスを使用して、サファイアのR、A、C、またはM面に対応するファセットを有する繊維および/またはテープを成長させた。次いで、その上に、化合物AlN、AlP、AlAs、GaN、GaP、GaAs、InP、InAs、InSb、AlInGaP、AlGaAs、InGaN等に対する、III族(B、Al、Ga、In)およびV族(N、P、As、Sb、Bi)の化合物、ならびにZnS、ZnSe、ZnTe、CdTe、HgTe、CdHgTe等の、II族(Zn、Cd、Hg)およびVI族(O、S、Se、Te)の化合物を含む、周期表の2つまたはそれ以上の異なる族からの元素を含む、化合物半導体のエピタキシャル半導体層(任意の緩衝層を使用する)を成長させた。上記の二元化合物に加えて、三元(3つの元素、例えば、InGaAs)および四元(4つの元素、例えば、InGaAsP)化合物も含むことができる。これは、高品質柔軟性単結晶半導体デバイスの形成をもたらすことがわかった。
【0109】
実施例32
実施例1および2に記載するプロセスを使用して、サファイアのR、A、C、またはM面に対応するファセットを有する繊維および/またはテープを成長させた。次いで、その上に、少なくとも1つの介在エピタキシャル緩衝層を有するYBCO等の超電導材料のエピタキシャル層を成長させた。したがって、超電導体を有する繊維またはテープ/リボンは、高温超電導遅延線、超電導フィルタ、または超電導アンテナとして使用した。例えば、“Electrically Small,Superdirective,and Superconducting Antennas,”by R.C.Hansen,published by Wiley−Interscience,2006,ISBN 047004103X、“Phased Array Antennas:Floquet Analysis,Synthesis,BFNs and Active Array Systems,”by Arun K.Bhattacharya,published by Wiley−Interscience,2006,ISBN 9780471727576、H.Chaloupka,“High−temperature Superconductor Antennas:Utilization of Low rf and of Nonlinear Effects,”Journal of Superconductivity,vol.5,No.4,pages403 416,1992、G.C.Liang,R.S.Withers,B.F.Cole,S.M.Garrison,M.E.Johnsson,W.S.Ruby and W.G.Lyonns,“High−temperature Superconducting Delay Lines and Filters on Sapphire and Thinned LaAlO Substrates,”IEEE Trans.on Appl.Supercond.,vol.3,No.3,pages3037−3042,1993の硬質サファイア基板の既知の超電導体製品を参照されたい。
【0110】
実施例33
実施例1および2に記載するプロセスを使用して、サファイアのR、A、C、またはM面に対応するファセットを有する繊維および/またはテープを成長させた。次いで、その上に、少なくとも1つの介在エピタキシャル緩衝層を有するYBCO等の超電導材料のエピタキシャル層を成長させた。ここで、図33(a)に示すここの繊維の転置を達成するために、個々の繊維を編む。全体の網状アセンブリは、必要に応じて捻ることもできる。また、超電導体を有する複数の繊維は、図33(b)に示すように、ともに編むこともできる。この方法で製造したケーブルは、超電導体層中のヒステリシス損失によるAC損失をほとんど有しない。
【0111】
本発明の好ましい実施形態と現在みなされるものを示し、記載したが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、そこに種々の変更および修正が行われ得ることは、当業者には明らかとなるであろう。
【図1a】

【図1b】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
その長さに沿って少なくとも1つの結晶学的ファセットを有する、単結晶セラミック繊維、テープ、またはリボンと、
前記ファセット上に別の材料の少なくとも1つのエピタキシャル層と、
を含む製品。
【請求項2】
前記エピタキシャル層は、単一のエピタキシャル配向を有する、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記繊維、テープ、またはリボンは、Al、MgO、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、SrTiO、NdGaO、LaAlO、YAlO、およびLSAT((La0.18Sr0.82)(Al0.59Ta0.41)O)から成る群より選択される金属酸化物である、請求項1に記載の製品。
【請求項4】
前記繊維、テープ、またはリボンの断面は、2つの広い面上の平坦なファセットを有する楕円形、4つの平坦なファセットを有する菱面体、6つの平坦なファセットを有する六角形、4つの平坦なファセットを有する正方形、2つの広い面上の平坦なファセットおよび湾曲側面上の追加の小さいファセットを有する楕円形、2つの広い面上の平坦なファセットおよび湾曲側面上の追加の小さいファセットを有するレーストラック形、または4つの平坦なファセットを有する長方形である、請求項1に記載の製品。
【請求項5】
前記繊維、テープ、またはリボンと、別の材料の前記エピタキシャル層との間に挿入される、酸化物、炭化物、窒化物、もしくはホウ化物、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つのエピタキシャル緩衝層をさらに含む、請求項1に記載の製品。
【請求項6】
前記酸化物緩衝層は、CeO、ドープCeO、ペロブスカイト、ドープペロブスカイト、パイロクロア、ドープパイロクロア、ホタル石、岩塩、およびスピネルから成る群より選択される、請求項5に記載の製品。
【請求項7】
前記窒化物緩衝層は、TiN、GaN、またはAlNを含む、請求項5に記載の製品。
【請求項8】
前記繊維、テープ、またはリボンは、サファイアまたはAl系であり、前記ファセットは、A面、R面、M面、またはC面ファセットを含む、請求項1に記載の製品。
【請求項9】
前記ファセットは、平均で±1〜±10度、前記長さに沿って、正確なA面、R面、M面、またはC面からミスカットされる、請求項8に記載の製品。
【請求項10】
前記繊維、テープ、またはリボンは、光学品質ではなく構造品質を有する、請求項1に記載の製品。
【請求項11】
前記ファセットは、前記R型ファセット、A型ファセット、C面またはM型ファセットのうちの2つを含み、前記2つのファセットは、前記長さに平行な軸の周囲で、平均で10度以下傾斜される、請求項8に記載の製品。
【請求項12】
前記エピタキシャル層は、電気、電子、光学、磁気、電磁気、または電気光学デバイス層を含む、請求項1に記載の製品。
【請求項13】
前記デバイス層は、固体照明デバイス、光起電デバイス、または超電導デバイスを含む、請求項12に記載の製品。
【請求項14】
前記エピタキシャル層は、間接バンドギャップ半導体、直接バンドギャップ半導体、およびマルチバンド半導体から成る群より選択される半導体層を含む。請求項1に記載の製品。
【請求項15】
前記エピタキシャル層は、超電導層を含む、請求項1に記載の製品。
【請求項16】
前記超電導層上に、銀または銀合金層および銅または銅合金層のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項15に記載の製品。
【請求項17】
前記製品は、AC損失を減少させるために、前記製品の長さに沿って互いに対して捻られた、編まれた、または転置された複数の前記繊維、テープ、またはリボンを含む、請求項15に記載の製品。
【請求項18】
結晶製品であって、
単結晶セラミック繊維、テープ、またはリボンを含み、前記単結晶セラミック繊維、テープ、またはリボンは、その長さに沿って少なくとも1つの結晶学的ファセットを有する、結晶製品。
【請求項19】
前記結晶は、立方、六角形、または菱面体結晶である、請求項18に記載の製品。
【請求項20】
前記繊維、テープ、またはリボンの断面は、2つの広い面上の平坦なファセットを有する楕円形、4つの平坦なファセットを有する菱面体、6つの平坦なファセットを有する六角形、4つの平坦なファセットを有する正方形、2つの広い面上の平坦なファセットおよび湾曲側面上の追加の小さいファセットを有する楕円形、2つの広い面上の平坦なファセットおよび湾曲側面上の追加の小さいファセットを有するレーストラック形、または4つの平坦なファセットを有する長方形である、請求項18に記載の製品。
【請求項21】
前記繊維、テープ、またはリボンは、柔軟性がある、請求項18に記載の製品。
【請求項22】
前記結晶は、サファイアまたは酸化アルミニウム系結晶を含み、前記ファセットは、R面、M面、A面、またはC面ファセットを含む、請求項18に記載の製品。
【請求項23】
前記R型、A型、C面またはM型ファセットは、前記長さに平行な軸の周囲で、平均で10度以下傾斜される、請求項22に記載の製品。
【請求項24】
前記ファセットは、前記R型ファセット、A型ファセット、C面またはM面ファセットのうちの2つを含み、前記2つのファセットの各々は、前記長さに平行な軸の周囲で、平均で10度以下傾斜される、請求項22に記載の製品。
【請求項25】
前記繊維、テープ、またはリボンは、光学品質ではなく構造品質を有する、請求項18に記載の製品。
【請求項26】
セラミック繊維、テープ、またはリボンを形成するための方法であって、
配向および形状を有し、所望のファセットを含む、セラミックシードを提供する工程と、
前記シードを引っ張り機構に固定する工程と、
溶融物を使用して前記シードから、前記繊維、テープ、またはリボンを成長させて、少なくとも1つの結晶学的に明確なファセットを有するセラミック繊維、テープ、またはリボンを形成する工程と、
前記繊維、テープ、またはリボン上に少なくとも1つのエピタキシャル層を形成する工程と、
を含む、方法。
【請求項27】
前記繊維、テープ、またはリボンは、柔軟性がある、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記繊維、テープ、またはリボンは、少なくとも1メートルの長さである、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記方法は、前記溶融物からの縁部限定薄膜供給結晶成長(「EFG」)を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記エピタキシャル層は、間接バンドギャップ半導体、直接バンドギャップ半導体、およびマルチバンド半導体から成る群より選択される半導体層を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記繊維、テープ、またはリボンは、サファイアまたは酸化アルミニウム系結晶を含み、前記ファセットは、A面、R面、C面、またはM面ファセットを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記R型、A型、C面またはM型ファセットは、前記繊維、テープ、またはリボンの長さに平行な軸の周囲で、平均で10度以下傾斜される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ファセットは、前記R型ファセット、A型ファセット、C面またはM面ファセットのうちの2つを含み、前記2つのファセットの各々は、前記繊維、テープ、またはリボンの長さに平行な軸の周囲で、平均で10度以下傾斜される、請求項31に記載の製品。
【請求項34】
前記成長させる工程中に前記繊維、テープ、またはリボンを抽出する速度は、3m/時間を上回る、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
複数の前記繊維、テープ、またはリボンは、ダイアレイからと同時に前記溶融物から成長される、請求項26に記載の方法。
【請求項36】
前記エピタキシャル層は、高温超電導層を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項37】
前記形成工程は、前記超電導層上に銀または銀合金層および銅または銅合金層のうちの少なくとも1つを堆積させる工程をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
AC損失を減少させるために、前記繊維、テープ、またはリボンの長さに沿って、互いに対して、複数の前記繊維、テープ、またはリボンを捻るまたは転置する工程をさらに含む、請求項36に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16(a)】
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【図16(b)】
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【図17a】
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【図17b】
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【図17c】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33a】
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【図33b】
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【公表番号】特表2010−540390(P2010−540390A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526998(P2010−526998)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/075244
【国際公開番号】WO2009/042363
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(301027074)ユーティ―バテル エルエルシー (19)
【Fターム(参考)】